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資料3-4 競争的資金の配分について‐GP 関連 早稲田大学教授 吉田

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資料3-4 競争的資金の配分について‐GP 関連 早稲田大学教授 吉田
資料3-4
競争的資金の配分について‐GP 関連
吉田
文(早稲田大学)
1. 各種の GP 事業・・・優れた(実績をあげそうな)組織的教育実践に対する競争的資金
の配分。一定程度定着。教育に対する組織的喚起という点での一定の効果。
2. 「優れた」をどのように考えるか。
a.
結果を評価対象にする。(結果を比較した評価)
b.
目的と結果の差分を評価対象にする。(伸びを比較した評価)
3. これまでは、前者・・・「優れた実績」
4. それが何をもたらしたか。
eg.
100.0
特色 GP の採択率と申請率
%
%
100.0
国立4大
公立4大
私立4大
国立短大
公立短大
私立短大
90.0
80.0
70.0
60.0
90.0
80.0
70.0
国立4大
公立4大
私立4大
国立短大
公立短大
私立短大
60.0
50.0
50.0
40.0
40.0
30.0
30.0
20.0
20.0
10.0
10.0
0.0
0.0
2003
2004
2005
2006
2003
2007 年度
(吉田
2004
2005
2006
年度
2007
表2. 特色GP申請率
図1. 特色GP採択率
文(2009)
「「特色 GP」とは何であったか」
『IDE 現代の高等教育』No.516、pp.24-29.)
・ 申請数の約 20%を採択。公平性の観点から大学と短大は別にして審査。
・ 図 1.
採択率=採択数/申請数。国立短大と公立短大は申請数が少なく大きな変
動。国立 4 大の採択率は高い。
・ 図 2.
申請率=申請数/機関数。申請率の低下は、当初の 600 件から 300 件弱へ
の低下による。国立 4 大は圧倒的に申請率が高い。
・ 申請数は 1 機関 1 件。不採択の場合は翌年度以降も申請可。⇒申請条件は機関間
で平等のはず。
・ しかし、申請率において国立 4 大が有利。⇒規模が大きい=申請カードを多く持
1
つ。(私立を規模別にみると顕著)
・ その結果、国立、大規模大学中心の採択となった。
・ 結果として、初発の資源が決め手になっている。
5. 日本の大学教育の質の向上を目的とするならば、このままでよいのか?
学生の学力規模別の授業担当コマ数、TA や FD の整備
eg.
100 %
49.4
学力上位
28.5
22.0
90
80
36.1
学力中上位
36.5
27.6
70
60
学力中位
28.1
40.6
20.1
学力中下位
31.3
43.0
50
3コマ以下
4~6コマ
7コマ以上
37.0
40
TAの配置
30
FDの整備
20
学力下位
12.9
42.5
44.6
10
0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
学力下位
図3. 学生の学力別の授業担当コマ数
(吉田
学力中下位
学力中位
学力中上位
学力上位
図4 TAやFDの整備
文(2008)
「教育熱心教員はなぜ教育熱心なのか」
『IDE 現代の高等教育』No.503、
pp.17-21.』)(「大学教員の IT 利用に関する実態調査」『全国大学一覧』(2009)から助手を
のぞいた教員の 7 分の 1 抽出 16,201 人を対象、有効回答数 4,411 人)
・ 学生の学力が低いところほど教員の授業コマ数は多い。
(教員の学生の学力に対す
る評価は、上位 10.3%、中上位 26.6%、中位 36.6%、中下位 20.1%、下位 6.7%)
・ 学生の学力が低いところほど、TA の配置や FD の整備がなされていない。
・ 自助努力に帰すことのできない状況。大学における教育困難校に対する支援が必
要ではないか。
6. そのための 1 つの方策。
・ GP 事業の評価基準を a から b へシフトする。
・ プロセス評価の導入。
・ 期限付き問題解決プロジェクトの掘り起こし。
・ 問題解決の程度、その確からしさの評価。
・ 顕彰事業から支援事業へ。
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