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フランスにおける旋回型交差点について

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フランスにおける旋回型交差点について
海外調査依頼内容
1
回答日:平成 23 年1月 31 日
2
依頼者名:茨城県支部
3
調査依頼事項:フランスにおける旋回型交差点について
4
調査対象国又は対象地域等:フランス
5
調査の趣旨(調査結果の利用目的・時期を含め具体的に):
生活文化課安全なまちづくり推進室における交通安全対策の事業等の参考とするも
の。
6
調査内容
①
旋回型交差点の1時間あたりの処理台数の計算・測定法
(交差点の直径,道路幅等によって決まるものと思われるが,数式や,計算に
使われる一覧表があるか。
)
② 旋回型交差点内の交通ルール
③ 信号がついている旋回型交差点における信号の設置理由
④ 旋回型交差点の導入前と導入後の交通事故件数の変化を示す統計はあるか。
(例) ○○市○○町における交通事故の状況について
旋回型交差点 導入前
導入後
○年○月~○年○月
○年○月~○年○月
発生件数(件)
負傷者数(人)
死亡者数(人)
⑤ 旋回型交差点を車が通過する様子を表したコンピュータソフト等があればご
恵贈いただけないか。
フランスにおけるラウンドアバウトに関する調査
フランスのラウンドアバウトについては、交通法典 R.110-2 に「車両が乗り上げることができない中央島
の周囲に、複数の道路に接続する右回り一方通行の環道を設置した広場ないしは交差点で、特有の交
通標識により識別される」と定義されている。
1975 年頃からみられるようになったラウンドアバウトは、1983 年 9 月 6 日のデクレ(行政命令)第 83797 号(現在は交通法典 R.415-10 に規定)により環道を走行する車両に優先権が与えられて以来、その
交通容量と安全性から多く設置されるようになった。ラウンドアバウトの数は 1993 年には 10,500 であった
が、2005 年末には約 30,000 となった。
1 ラウンドアバウトの設置基準と種類
ラウンドアバウトは以下のような道路が交わる場所に設置が可能であるとされる。
交差道路区分
自動車専用道路(高速
道路およびそ の他の専
用道路)
自動車専用道路(高速
道路およびそ の他の専
用道路)
○
主要道路(幹線道路や 地域内あるいは地区 内
の道路
都市部の大通り等)
主要道路(幹線道路や
都市部の大通り等)
○
○
地域内あるいは地区 内
の道路
○
○
出典 : Généralités sur les carrefours plans, Savoir de base en sécurité routière, fiche n° 6, CERTU, août 2006
道路交通の安全性からみて、ラウンドアバウトは以下のような場所に適している。
市街地あるいはその周辺部に位置する、信号機がある、あるいはない交差点で、交通量が多く、錯
綜点が多いところ
都市部の幹線道路の信号機のある交差点で、車両の走行速度が高いために事故の危険があるも
の、あるいはその信号が複雑でわかりにくいところ
都市周辺部の交差点で、主道路以外の道路に渋滞がみられ、事故の発生率が高いところ(工業団
地へのアクセス道路またはインターチェンジの出口ランプ等)
主要幹線道路が通る市街化区域の入口
市街地の住宅地で、交通量が少ない区域の道路
機能性の視点からみると、交差点の脚数(交差点から延びる道路の数)が 4 本以上の場合には、信号
制御(信号の設置が複雑であり、また信号の待ち時間が長い)よりも、ラウンドアバウトの設置の方が容易
である。
交通量の観点からは、標準的な形状のラウンドアバウト(環道幅員 7 ~ 8 m、流入部および流出部の幅
員 3 ~ 4 m)であれば、1 時間あたり約 1 500 台の車両を問題なく処理することができる。
ラウンドアバウトは、主道路と従道路の交通量の差が大きい交差点には適さない。主道路の交通量が
多い場合には、主道路からラウンドアバウトに車両が連続的に進入し、従道路の車両の進入や歩行者の
横断が妨げられることになる。
一般的に脚数が 4 本のラウンドアバウトにおいて、従道路の交通量が主道路のそれを 20 %下回る場
合には、交通量の格差が大きいとみなされる。
ラウンドアバウトの設置は、信号式交差点よりも広い用地を必要とする。また環道を車両が周回すること
から、大型車両の通行が多い場合には、ラウンドアバウトの周辺の住宅あるいは経済活動に悪影響がも
たらされることも考えられる。従ってその設置にあたっては、このような点について検討することが必要であ
る。
ラウンドアバウトには以下のような種類がある(複数の資料を参照したが、データが不明な項目につい
ては空欄のままとした)。
ラ ウン ド アバ ウト の
種類
ミニラウンドアバウト
( 中央島の 上全 体
が走行可能)
7.50 ~ 12.00 m
小型ラウンドアバウ
ト
中型ラウンドアバウ
ト
都市 部 大 型ラ ウン
ドアバウト
12.00 ~ 15.00 m
15.00 ~ 22.00 m
22.00 m 未満
中央島の半径
1.50 ~ 2.50 m
3.50 m 以上
中央島中心部の高
さ
12.00 ~ 15.00 cm
(低床バスが通行
する場合は 12 cm
を超えてはならな
い)
6.00 ~9.50 m
6.00 ~8.00 m
7.00 ~ 8.00 m
流入部の幅員によ
り異なる
7.00 ~ 9.00 m
流入部の幅員によ
り異なる
2 車線の場合あり
1 車線の場合 :
3.00 ~ 4.00 m
2 車線の場合 :
6.00 ~ 7.00 m
3 車線の場合 :
9.00 ~ 10.00 m
2 車線の場合 :
7.00 m (1 時間あた
りの流出車両が
1 200 台を超える放
射道がある場合に
は、2 車線が必要)
3 車線の場合 :
10.00 m (1 時間あ
たり の流 出車 両が
2 400 台を超える放
射道がある場合)
ラ ウン ド アバ ウト の
半径
環道幅員
1.50 ~2.00 m
エプロンの幅員
流入部の車道幅員
2.50 ~3.50 m
3.00 ~3.50 m
1車線のみ
流出部の車道幅員
2.75 ~3.50 m
3.50 ~4.00 m
1車線のみ
交通島*の幅
0.85 m ~2.00 m
*
流入部と流出部の間に
設置される
約 5 000 台( 脚数
が 4 で、流入部の
車線数が 3 の場
合)
交通容量(1 時間あ
たり)
設置に適した場所
設置に適さない場
所
設置が不可能では
ないが安全に注意
を要する場所
その他
市街地で、最高速
度が 50 km/h に指
定されている交通
量が多 くな い交 差
点、あるいは最高
速度 30 km に指定
されている区域に
ある交通量が多い
交差点 / 脚数は 3
あるいは 4 / 交差点
から 延びる道路 は
規則正しい放射状
に延びていること
市街地の入口、性
格や機能が異なる
道路が交差する場
所 / 2 車線以上の
道路 / 1 時間あたり
の交通量が 1 800
台を超える場所 /
隣り合う放射路 2
本の差角に 70 度
以下の鋭角がある
場所 / 大型車両あ
るいは公共車両の
通行量が多い場所
大型車両あるいは
公共車両が通行す
る場所 / 1 時間あた
りの交通量が 1 500
~1 800 台の場所 /
隣り合う放射路 2
本 の 差 角 に 70 ~
80 度の鋭角がある
場所(左折の際に
中央島を周回せず
に直接左折する危
険あり)
大型車は中央島上
に乗 り 上 げ ての 走
行が必要
複数の市街地を結
ぶ大型ラウンドアバ
ウトの半径は 50.00
m 未満
出典 : Vélos et giratoires, Fiche Vélo, fiche n° 10, CERTU, août 2009
Guide - Les mini-giratoires, textes et recommandations, CERTU, décembre 1997
Giratoires et vélos, Fédération française des usagers de la bicyclette, 24 septembre 2005
ラウンドアバウトの異なる半径ごとの一般的な設計寸法については、以下のとおりである。
ラウンドアバウトの半径
中央島の半径
15.00 m
17.50 m
20.00 m
25.00 m
6.00 m
8.50 m
11.50 m
16.50 m
エプロンの幅(設置され
る場合)
2.00 m
2.00 m
1.50 m
1.50 m
環道車線
(1 車線の場合)
7.00 m
7.00 m
7.00 m
7.00 m
出典 : Carrefours urbains - Guide, CERTU, janvier 1999
(参考)小型ラウンドアバウトの設計寸法
Rext : ラウンドアバウトの半径
Ri : 中央島の半径
Bf : エプロン
La : 環道幅員
Le : 流入部の車道幅員
Ls : 流出部の車道幅員
Re : 流入部の曲線半径
Rs : 流出部の曲線半径
出典 : CERTU サイト
ラウンドアバウトの交通容量については、ラウンドアバウト全体についてではなく、環道に接続する全て
の道路を丁字路交差点として、それぞれにおける 1 時間に環道に進入し得る乗用車の台数を基に測定
する。
なお、ラウンドアバウトの幾何構造において、交通容量に影響を与えるものとして以下があげられる。
流入部の幅員(流入部の車線の数は交通容量には影響を与えない)
環道の幅員(ただし幅員を広げることは安全性の面から望ましいとはいえない)
中央島の半径
流入部と流出部の間に設置される交通島の幅員
流出部の幅員
放射道の配置
2 ラウンドアバウト内の交通ルール
(1)交通法典に定める一般的な交通ルール
フランスは右側通行であり、道路においては通常は可能な限り右側の車線を走行しなければならない。
片側に複数の車線が設けられている場合には、左側の車線は追い越しや左折の際に通行が認められる。
また、交差点においても右側から進入する車両が優先権を持つ。車道、広場あるいは交差点に車止め
(ボラード)、交通島、記念建造物等が設置されており、車両が直進できない場合には、右回りに旋回しな
ければならない。複数の車線を有する道路において車線を変更する場合には、変更先の車線を走行す
る車両の進行を妨げてはならない。
(2)ラウンドアバウトにおける交通ルール
ラウンドアバウトでの走行については、上記の一般的な交通ルールとは異なる規定が存在する。
ラウンドアバウトにおいては、環道上を走行する車両に優先権が認められている。従って、ラウンド
アバウトに進入する車両(環道を走行する車両にとっては右側から進入してくる車両)は、流入部が
位置する道路の種別に関わらず、環道上を走行する車両(左側から来る車両)がある場合には、そ
の通行を妨げてはならない(右側から進入する車両に優先権がある場合、進入車両の数が多いと環
道上で渋滞が発生するため)。
ラウンドアバウトの環道に複数の車線が設けられている場合には、ラウンドアバウトに進入後に中央
島を周回して、進入路の延長線より左側に位置する放射道に入る車両は、中央島寄りの左車線に
入ることができる。出口に近づくためには右側に車線変更しなければならないが、その際には上記の
一般ルールが適用されるため、右側車線の他の車両の走行を妨げることがあってはならない。
市街地およびその周辺地域に設置されたラウンドアバウトで、制限速度が時速 50 km を越えない
ものについては、その中央島に乗り上げての走行が可能な場合、車両の大きさのせいでやむを得な
ければ、中央島に乗り上げて環道を走行することができる。
3 ラウンドアバウトにおける信号の設置理由
ラウンドアバウトは、交差点に流入する車両にではなく、交差点の中央島の周囲に位置する環道を走
行する車両に優先権を与え、また車両を環道上で一定方向に走行させることで、交通流の制御を図るも
のである。交差点に流入する車両は、環道を走行する車両がない場合には交差点内に速やかに進入す
ることができる。従って一般的にラウンドアバウトの通過に要する時間は、信号制御式交差点におけるそ
れよりも短い。また信号の設置と維持管理にかかる費用が不要となるほか、信号待ちのための一時停止
や再発進の際に排出される CO2 削減にもつながる。
このように、ラウンドアバウトは信号制御によらない交差点であることが特徴であるため、信
号機を設置することは、信号制御式交差点の整備に必要とされる用地よりも大きい用地を確保し
たうえで、車両の通過により時間がかかる交差点を整備することである。従って、ラウンドアバウ
トにおける信号機の設置は一般的に適切であるとはいえない。
しかしながら、ラウンドアバウトの整備にあたって、補完的に信号機を設置することが考えら
れる。その場合の信号機の役割には以下のようなものがある。
道路を横断する歩行者の安全の確保
交差点の交通容量の増大
流入調整による交差点の交通渋滞の緩和
トラムウェイ等専用軌道を走行する公共交通の円滑な運行
なお、道路法典 R.422-3 条は、「線路が道路に敷設されている場合、あるいは線路が踏切で道路と交
差している場合には、通行優先権は通常その線路を通行する車両に認められる」と定めている。従って、
トラムの専用軌道が敷設されているラウンドアバウトにもこの規定が適用され、安全性の強化のために、ト
ラムの通過時のみに点灯する信号の設置が必要とされる。しかしながら、ミニラウンドアバウトや小型ラウン
ドアバウトで、交通量が少なく、車両の走行速度が低い、また見通しがよい等、安全性に関する条件が揃
っている場合には、信号を設置しないことも考えられる。
4 ラウンドアバウトにおける交通事故
フランスでは、ラウンドアバウトにおける事故の発生率は、ラウンドアバウトに進入する車両 2 千万台に
対し 1 台の割合であり、これは信号制御による平面交差点における事故発生率の約 2 分の 1 である。
市街地に設置されるラウンドアバウト(直径 40 m 以下)に進入する車両は流入部で減速し、環道を平面
交差点における走行速度より遅い速度で走行するため、重大事故が発生する確率は低い。
ラウンドアバウトにおいて起こり得る事故には、以下のようなものがある。
ラウンドアバウトに進入する車両が、環道を走行する車両(あるいは二輪車)の優先権を無視してそ
の走行を妨害したことによる衝突事故
流入部におけるスピードの出し過ぎやラウンドアバウトの形状が正確に識別できなかったために車
両のコントロールを失って中央島に乗り上げる単独事故
放射道を横断する歩行者が車両にはねられる事故
スピードの出し過ぎや滑りによる環道上での二輪車の単独事故
また、ラウンドアバウトの構造上の問題から生じる事故については、その原因として以下のようなものが
あげられる。
流入部の曲線半径が大きすぎる
流入部の車線が多すぎる
流入部または流出部の幅員が広すぎる
中央島が小さすぎる
交通島が設置されていない
都市間交通網・交通・都市計画・公共建築物に関する調査センター(Centre d’études sur les réseaux,
les transports, l’urbanisme et les constructions publiques, CERTU)の、1993 年から 2005 年までの都市部
のラウンドアバウトにおける事故に関する調査(Les accidents dans les carrefours giratoires urbains, Etude
statistique de 1993 à 2005)によると、この期間にフランスの都市部で発生した交通事故は 14 575 件で、そ
れによる死亡者の数は 307 人であった。
この調査によると、ブルターニュ州とペイ・ドゥ・ラ・ロワール州のラウンドアバウトと他の種類の交差点に
おいて 1998 年から 2007 年までに発生した交通事故の重症度(人身事故 100 件あたりの死亡者数)は、
以下のとおりである。
ラウンドアバウト
他の種類の交差点
都市部
1.6
1.9
農村部
6.4
13.5
このデータを見ると、農村部におけるラウンドアバウト上での重大事故は他の種類の交差点上でのそれ
の半分以下であるのに対し、都市部においてはその差はわずか 15 %でしかない。
農村部のラウンドアバウトでの事故と都市部のラウンドアバウトでの事故にみる事故車両の種類は異な
る。農村部のラウンドアバウトでの事故車両については、二輪車の割合が都市部より約 30%多く、また重
量車の割合が都市部の 3 倍となっている。都市部のラウンドアバウトについては農村部のラウンドアバウト
と比べて、自転車と公共車両が 2 倍、また歩行者が 4 倍となっている。
都市部のラウンドアバウトで発生した事故件数をその利用者別事故件数とそれが事故総数に占める割
合、またその割合の他の種類の交差点での事故の割合との比較については以下のとおりである。
都市部ラウンドアバウトの
歩行者
自転車
事故の種類(利用者別)少
なくとも 1 人あるいは 1 台
が関係する事故
1351
2 173
事故件数
9.3 %
14.9 %
都市部のラウンドアバウト
での事故に占める割合
他の種類の交差点で発生した事故割合 :
10.7 %
8.3 %
他の種類の交差点
原動機付
き自転車
自動二輪
車
乗用車お
よび事業
用車
3 762
26.2 %
2 252
15.5 %
12 679
79 %
37.1 %
13.7 %
—
大型車
657
4.5 %
—
公共車両
(バス等)
189
1.3 %
—
また、都市部のラウンドアバウトでの事故と、他の種類の交差点での事故をその形態別にみると、次の
ようになっている。
都市部のラウンドアバウトで発生
単独事故
した事故の形態
2 992
事故件数
20.5 %
都市部のラウンドアバウトでの事
故に占める割合
他の種類の交差点で発生した事故の割合 :
4.5 %
他の種類の交差点
追突
正面衝突
側面衝突
1 486
10.2 %
688
4.7 %
6 642
45.6 %
5.7 %
8.1 %
59.9 %
次に、ラウンドアバウトの導入前と導入後の事故件数の変化を示す事例をあげる。
ノール県カエストル(Caëstre)市における、県道 RD 933 号線と県道 RD 947 号線の交差点に整備され
たラウンドアバウトの例
(1)整備前の交差点の状況
同交差点の平均交通量は、各流入部につき 1 日あたり 6 000 台(そのうち 11 %が大型車両)で、海岸
が近いため日曜日には 13 000 台にも達する。同交差点は、ラウンドアバウトの整備前には RD 933 号線
を主道路とする丁字路を形成しており、RD 947 号線から RD 933 号線に合流する車両のうち、主道路に
対して優先権のない車両は、交通量が多いこともあって、交差点の通過に多くの時間を費やさなければ
ならなかった。
また、同交差点においては、1985 年から 1989 年までの 5 年間で、4 件の人身事故が発生し、6 名が重
傷を、また 1 名が軽傷を負った。
(2)整備後の状況
ラウンドアバウトはその整備に 3 年の工事期間を要し、1990 年 3 月に完成した。その後 1994 年 1 月の
時点(この事例が公表された時期)では、人身事故は発生していない。
参考資料
-
Carrefours urbains – Guide, Centre d’études sur les réseaux, les transports, l’urbanisme et les
constructions publiques (CERTU), janvier 1999
-
Généralités sur les carrefours plans, Savoir de base en sécurité routière, fiche n° 6, CERTU, août 2006
-
Vélos et giratoires, Fiche Vélo, fiche n° 10, CERTU, août 2009
-
Les accidents dans les carrefours giratoires urbains, Étude statistique de 1993 à 2005, CERTU, avril 2009
-
Aménagement de carrefour – Giratoire de taille réduite avec fort trafic PL, Centre de la Sécurité et des
Techniques Routières (SETRA), janvier 1994
-
Giratoires et tramways, franchissement d’un carrefour giratoire par une ligne de tramways, guide de
conception, CERTU, février 2008
-
Guide – Les mini-giratoires, textes et recommandations, CERTU, décembre 1997
-
Giratoires et vélos, Fédération française des usagers de la bicyclette, 24 septembre 2005
-
Code de la route, LexisNexis Litec, janvier 2009
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