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富山県森づくり条例のあらまし(パンフレット)

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富山県森づくり条例のあらまし(パンフレット)
県
民
の
皆
様
の
ご
理
解
と
ご
協
力
を
お
願
い
し
ま
す
。
●お問い合わせ先
〒930−8501 富山市新総曲輪1−7
「富山県森づくり条例」の内容や「水と緑の森づくり税」の使途に関する
お問い合わせは
農林水産部 森林政策課 森づくり推進班
TEL:076−444−3385 FAX:076−444−4428
ホームページ:http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1603/index.html
「水と緑の森づくり税」の仕組みに関するお問い合わせは
経営管理部 税務課
TEL:076−444−3178 FAX:076−444−3487
ホームページ:http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1107/index.html
富山県森づくり条例のあらまし
メ
ッ
セ
ー
ジ
を
豊
か
な
森
へ
。
とやまの森のはたらき
とやまの森のはたらきを金額で評価すると
県土の約2/3を占めるとやまの森は、水源の
普段の生活では、森林の価値を実感す
かん養、土砂災害の防止、森林レクリエーショ
ることは難しいものです。国では、平成
ンの場の提供など、私たちの暮らしに欠くこと
13年11月、全国の森林の公益的機能の
のできない大切なはたらきを持っています。こ
うち金額に置き換えることが可能なはた
のはたらきを「森林の公益的機能」と呼んでい
らきを貨幣評価し、年間約70兆円にな
ます。
ると公表しました。
O2
O2
O2
地球環境保全機能
163億円
CO2
CO2
CO2
CO2
保健・レクリエーション機能
255億円
同様の方法でとやまの森を貨幣評価す
ると、年間約1.1兆円にもなり、これは、
県民一人当たり約100万円の恩恵を森林
洪水や渇水を防ぎ、おいしい水を提供してく
れます。(水源かん養機能)
水源かん養機能
6,
522億円
から受けていることになります。
土砂災害防止機能
4,
270億円
評価の一例 ∼水源かん養機能のうち水資源貯留機能∼
水資源を蓄える働き(水資源貯留機能) 評価額 2,269億円
森林の土壌には、雨水等をすみやかに地中に浸透させ (埴生による浸透能の違い)
1
2
蓄える役割があり、豪雨時には一気に下流に放出される
水を利用可能な水として確保するとともに、渇水期には、
森林土壌中に深く浸透した降水を地下水として徐々に流
出させる働きを持っています。
山崩れなどの山地災害を防いでいます。
(土砂災害防止機能)
本県におけるその蓄えられる量は、年間で有峰湖22杯
分*に相当すると推定されており、この働きを利水ダム
地球温暖化防止への貢献が期待されています。
(地球環境保全機能)
で賄った場合の施設の維持管理費等で算出しています。
3
*有峰湖の貯水量は約2億2千万m
裸 地
79
㎜/hr
草 地
128
㎜/hr
森 林
浸透能
258
㎜/hr
資料:村井宏・岩崎勇作「林地の水および土壌保全機能に関する研究」1975
森林土壌が雨水や雪解け水を地中に浸透させる能力は、裸地
の 3 倍との報告があります。
わたしたちの役割
私たちの祖先は、とやまの森のもとで、その恩
恵を最大限に享受しながら、森を守り再生する努
力を積み重ね、現代に生きる私たちに、豊かなと
やまの森を与えてくれました。
様々な生き物のすみかとなっています。
(生物多様性保全機能)
レクリエーションの場を提供しています。
(保健・レクリエーション機能)
私たちは、先人から引き継いだこのとやまの森
を、しっかりと守り育て、健全な姿で次の世代に
引き渡さなければなりません。
豊かな水を育むとやまの森
今、とやまの森は
富山県森づくり条例の概要
第1章 総 則
森づくりの基本理念、各主体の責務・役割、県の施策の基本的事項を定め、
森づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進して、
豊かな水と緑に恵まれた県土の形成及び心豊かな県民生活の実現に寄与する。
第1条
目 的
しかし、最近の「クマ騒動」や「県西部を中心とした風雪被害林の発生」などが示すよ
うに、豊かなとやまの森に変化が目立つようになりました。
第2条
定 義
™森づくり 森林の公益的機能を持続
的に発揮させるため、森林を守り、又
は育てること。
かつては、そこに住む人たちの生活の中で
継続的に利用されることによって維持管理さ
れてきた里山、そして、林業を生業とする人
第3条
基本理念
たちによって維持管理されてきた人工林。
™長期的な展望に立ち、多様な生態系に配慮しつつ、地域の特性に応じた森づくりを推進
™県民の理解の下にその主体的な参画により森づくりを推進
™森林資源の有効な活用を図ることにより森づくりを推進
™森づくりを担う人材の育成を図ることにより森づくりを推進
™県、市町村、森林所有者、森林組合、県民及び事業者の適切な役割分担と相互の連携・協力
の下に、継続して森づくりを推進
第 4 ∼9 条 森づくりに関する各主体の責務・役割
しかし、里山は、私たちの生活スタイルが
県
森林所有者
森林組合
県 民
事業者
¡総合的な施策の策
定、実施
¡国・市町村との連
携・協力
¡森林の公益的機能
の重要性の認識
¡所有森林の適正な
整備・保全
¡ 森林の適正な整
備・保全
¡森づくりを担う人
材の育成
¡基本理念の理解
¡森づくり活動への
参加
¡森林の公益的機能
の持続的発揮に配
慮した事業活動
変化したことによって利用されなくなり、ま
3
¡県の森づくり施策への協力
た、木材価格の低迷による林業採算性の悪化
などにより、放置された人工林が増えつつあ
ります。
まさに、とやまの森を守り育てるシステムが機能しなくなりつつあるのです。
富山県森づくり条例の制定
このため、県民全体でとやまの森を守り育てる新たな仕組みが必要となっています。
第10条
森づくり基本計画
第11条
実施状況の公表
¡目標・基本方針の
策定
¡計画の策定
¡基本計画に基づく
森づくりの状況の
公表
第12条
施策の推進等に係る体制の整備
¡推進体制
¡評価体制
第13条
市町村に対する支援等
¡ 市町村の計画策
定・施策実施の支
援等
第3章 森づくりに関する基本的施策
安全、安心、快適な生活
を守る森づくり
人と自然が共生し、学
び、ふれあう森づくり
資源循環型社会を支え
る森づくり
とやまの森を支える人
づくり
第14条
森林の適正な整備・保全
第15条
里山の整備等への支援等
第16条
森林資源の循環利用
第18∼21条
¡森林の適正な整備・保
全を図るための措置
¡里山の整備・保全・利
用への支援
¡森づくり活動への里山
所有者等の協力
その一環として県では、「水と緑に恵まれた県土の形成と心豊かな県民生活の実現に寄
与すること」を目的に、富山県としての森づくりの理念、施策の基本方針、県の計画策定、
¡森づくりを担う人材の
育成・確保
¡森林環境教育の推進
¡県民等への情報提供等
¡森づくり活動の支援
第17条 研究開発の推進等
新たな施策の財源とする『水と緑の森づくり税』の導入などを盛り込んだ、全国初の総合
的な条例として『富山県森づくり条例』を制定しました。
4
第2章 森づくりの基本計画等
第4章 富山県水と緑の森づくり基金
第22∼27条 富山県水と緑の森づくり基金の設置等
これからは、『富山県森づくり条例』とこの条例に基づいて策定した『富山県森づくり
プラン』を基本としてとやまの森づくりを推進します。
第5章 財政措置等
第28∼31条 財政上の措置等、税制上の措置、顕彰、細則
附 則
施行期日 公布の日(H18.6.28)
第4章と附則の県税条例の一部改正はH19.4.1
水と緑の森づくり税の導入(県税条例の一部改正)
水と緑の森づくり税の概要
とやまの森づくりの推進体制
1 課税方式
個人及び法人等の県民税の均等割の税額
(率)
に一定額を上乗せして納めていただきます。
2 納税義務者
とやまの森づくりを進めるにあたって、県内各界の代表者や有識者からなる新たな組織とし
て『富山県水と緑の森づくり会議』を設置し、森づくり全般について幅広く意見をいただきま
す。
個人・法人等とも、現行の県民税均等割の納税義務者と同一です。
個 人 県内に住所等を有する個人
法人等 県内に事務所、事業所等がある法人等
富山県水と緑の森づくり会議
3 税額
(率)
森づくり全般
について意見
現行の県民税均等割額に加算して、次の額を納めていただきます。
個 人:年間500円
法人等:資本金等の額に応じて、年間1,000円∼40,000円(均等割額の5%)
資本金等の額
50億円超
10億円超∼50億円以下
1億円超∼10億円以下
1千万円超∼1億円以下
1千万円以下の法人等
現行均等割額
年額 800,000円
年額 540,000円
年額 130,000円
年額 50,000円
年額 20,000円
負担額(5%)
年額 40,000円
年額 27,000円
年額 6,500円
年額 2,500円
年額 1,000円
4 課税期間
5
課税期間は5年間とし、5年が経過する時点で見直します。
個 人 平成19年度分∼平成23年度分までの5年間
法人等 平成19年4月1日∼平成24年3月31日までの5年間に開始する事業年度分
富山県森づくりプラン
市
町
村
森
づ
く
り
プ
ラ
ン
とやまの森づくりサ
森
づ
く
り
協
働
会
議
ポートセンターによ
る森林ボランティア
などへの支援や県民
合意形成
5 納付
(納入)
の方法等
幅広い県民
協働による
森づくり 里山の再生整備や放
置人工林の針広混交
林への誘導などの公
益的機能を高める森
づくりの取組み
【 個 人 】
給与所得者
(納税義務者)
ボ
ラ
企森ン地
業林テ域
・所ィ
団有ア住
体者団民
体
意識の醸成などの県
民参加の森づくりを
支える取組み
【 法 人 等 】
個人事業者等
(納税義務者)
〈特別徴収〉
500円/年
雇用主
(特別徴収義務者)
法 人 等
(納税義務者)
〈普通徴収〉
500円/年
〈申告納付〉
均等割額の5%
〈納 入〉
〈払込〉
市 町 村
県
平年度で約3.3億円の税収を
見込んでいます
(積立)
水と緑に恵まれた県土を支える多様な森
づくりの実施
とやまの森を支える人づくりなどの実施
(支出)
富山県水と緑の森づくり基金
(他の財源と区別し透明性を
確保します)
県
市町村
専門的立場
からの評価
富
山
県
森
林
審
議
会
6
富山県森づくりプランの概要
1
(2) 県民参加による森づくりの指針
とやまの森づくり基本指針
(1) 森林の整備及び保全の指針
森林の整備及び保全にあたっては、
天然林を
①地域ニーズ等に対応した多様な里山の再生をめざす「里山林」
②原則として自然の推移に委ね保全・保護する「保全林」
人工林を
③循環型社会に貢献する持続的な木材生産に重点を置く「生産林」
④長期的な木材資源の確保と公益的機能の維持・向上の両立を図る「混交林」
に区分して取り扱うこととし、森林の状態や立地条件に加え、地域ニーズ等を反映した多
様な森づくりを目指すこととします。
保 全 林
7
森づくりを推進するにあたっては、計
画、実行、評価、改善(PDCAサイク
ル)の各プロセスにおいて、幅広い県
民の参加を得ながら進めることとしま
す。
2
計画(Plan)
地域住民、森林所有者及
び幅広い県民の計画づく
りへの参画と合意形成
評価・改善(Check・Action)
実行(Do)
県民への情報提供と森づ
くりの評価と改善への県
民意見の反映
森林ボランティアや企業
など幅広い県民の参加
とやまの森づくり施策の方向と目標
混 交 林
(1) 水と緑に恵まれた県土を支える多様な森づくりの推進
○県民との協働による里山林の整備
○放置人工林や風雪被害林の混交林への誘導
生 産 林
新たな取り組みによる森林整備面積
目標
里 山 林
里山林の整備
混交林の整備
2,000ha(H19∼H28)
2,000ha(H19∼H28)
(2) とやまの森を支える人づくりなどの推進
○県森づくりプランの策定と市町村森づくりプランの策定支援
○とやまの森づくりサポートセンターによる森林ボランティアへの活動支援
○森づくりに関する専門的な技術を有する人材の育成・確保
○森づくりに関する総合情報システムの整備
○森林環境教育や森林のふれあいの機会の提供など森林の大切さの普及・広報活動
県民参加による森づくりの年間参加延べ人数
目標
森林整備タイプ
787人(H17) → 1,200人(H28)
体験参加タイプ
735人(H17) → 4,200人(H28)
新規参加者(企業の森、里山再生整備事業)
150人(H17) → 1,600人(H28)
合計
1,672人(H17) → 7,000人(H28)
8
3
「水と緑の森づくり税」を財源とした事業推進の考え方
協定の締結
(1) 水と緑に恵まれた県土を支える多様な森づくりの推進
「水と緑の森づくり税」は、主として「水
土保全機能」や「生物多様性の保全」など、
森林の持つ公益的機能の向上のため、「里
山林」と「混交林」の整備に活用します。
「里山再生整備事業」及び「みどりの森再生事業」
については、次の項目などについて、県、市町村、
森林所有者の3者で10年間の協定を締結すること
とします。
・協定期間内の伐採の制限
・所有権を譲渡した場合等の協定の承継
・協定に違反した場合の森林整備費用の返還
など
混 交 林
みどりの森再生事業
想定事業費 年間140∼160百万円程度
9
里 山 林
風雪被害を受けた人工林や過密となった人工
林など、公益上又は景観上放置しがたく早急に
整備が必要と認められる人工林を対象に、スギ
と広葉樹の混交林へと誘導し、水土保全機能や
生物多様性の保全など公益的機能の確保や景観
の保全を図ります。
(2) とやまの森を支える人づくりなどの推進
里山再生整備事業
想定事業費 年間80∼100百万円程度
人家、耕地周辺などの里山林(モウソウ竹林含む)、
カシノナガキクイムシの被害木の伐採跡地などで、
整備及び管理又は利用について地域の合意形成が
図られている森林を対象に、生物多様性の保全や
野生動物との棲み分け、生活関連施設の保全、森
林環境教育の場の提供など、地域や生活に密着し
た里山の再生整備を推進します。
森林ボランティア活動への支援
県民参加の森づくりをささえるための事業
①とやまの森づくりサポートセンター活動推進事業
想定事業費 年間25∼30百万円程度
想定事業費 年間55∼60百万円程度
①とやまの森づくり情報システム整備事業
豊かで美しいとやまの森を守り育てるためには、森林ボ
ランティアを含め幅広い県民の参加による森づくりが必
要となっていることから、平成17年10月に設立した「と
やまの森づくりサポートセンター」が、森林ボランティ
ア等を総合的・専門的に支援し、県民参加による森づく
り活動を推進します。
県民全体で支える森づくりを推進していくため、森
林資源の現状や風雪被害林などの位置を県民に情報
提供し、森づくりへの理解の醸成を図る。また、森
づくり活動の結果や効果を公表し、幅広い県民の意
見を踏まえた評価・改善を行います。
②森林環境教育等、森づくりへの県民意識の醸成
②里山再生整備事業及びみどりの森再生事業における
ボランティア活動への支援(再掲)
想定事業費 年間55∼60百万円程度
③県産材の有効利用 など
提案型事業の創設
想定事業費 年間8∼12百万円程度
県民、ボランティア団体等から、県の森づくりプラ
ンの主旨に沿った事業提案を幅広く募集し、その提
案に基づく事業を創設し実施します。
10
富山県森づくり条例
平成18年富山県条例第40号
目 次
第1章 総則(第1条−第9条)
第2章 森づくりの基本計画等(第1
0条−第1
3条)
第3章 森づくりに関する基本的施策(第1
4条−第2
1条)
第4章 富山県水と緑の森づくり基金(第2
2条−第2
7条)
第5章 財政措置等(第2
8条−第31条)
附 則
11
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、森づくりについて、基本理念を定め、並びに県、森林所有者及び森林組
合の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、森づくりの推進に関する施
策の基本となる事項を定めることにより、森づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進
し、もって水と緑に恵まれた県土の形成及び心豊かな県民生活の実現に寄与することを目的
とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 森づくり 森林の公益的機能を持続的に発揮させるため、森林を守り、又は育てること
をいう。
(2) 森林の公益的機能 県土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温
暖化の防止等の森林が有する公益的な機能をいう。
(3) 森林所有者 権原に基づき森林の土地の上に木竹を所有し、及び育成することができる
者(国及び市町村を除く。)をいう。
(基本理念)
第3条 森づくりは、県民が将来にわたって森林のもたらす恵みを享受することができるよう、
長期的な展望に立ち、多様な生態系に配慮しつつ、地域の特性に応じて推進されなければな
らない。
2 森づくりは、森林が県民にとって貴重な財産であることにかんがみ、県民の理解の下、そ
の主体的な参画により推進されなければならない。
3 森づくりは、循環型社会の実現に資する森林資源の重要性にかんがみ、その有効な活用を
図ることにより推進されなければならない。
4 森づくりは、森林の適正な整備及び保全が持続的に行われるよう、森づくりを担う人材の
育成を図ることにより推進されなければならない。
5 森づくりは、県、市町村、森林所有者、森林組合、県民及び事業者の適切な役割分担並び
に相互の連携及び協力の下に、継続して推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める森づくりについての基本理念(以下「基本理念」という。)にの
っとり、森づくりに関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 県は、森づくりに関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び市町村と連携し、及び
協力するよう努めるものとする。
(森林所有者の責務)
第5条 森林所有者は、基本理念にのっとり、森林の公益的機能を確保することの重要性を認
識するとともに、森林の適正な整備及び保全に努めるものとする。
(森林組合の責務)
第6条 森林組合は、基本理念にのっとり、森林の適正な整備及び保全に努めるとともに、森
づくりを担う人材の育成に積極的に取り組むよう努めるものとする。
(県民の役割)
第7条 県民は、基本理念について理解を深め、森づくりに関する取組に積極的に参加するよ
う努めるものとする。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、森林の公益的機
能が持続的に発揮されるよう十分配慮するものとする。
(県の施策への協力)
第9条 森林所有者、森林組合、県民及び事業者は、県が実施する森づくりに関する施策に協
力するよう努めるものとする。
第2章 森づくりの基本計画等
(森づくりの基本計画)
第10条 知事は、森づくりを総合的かつ計画的に推進するための基本となる計画(以下「基本
計画」という。
)を定めるものとする。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 森づくりに関する目標及び基本方針
(2) 森づくりに関する施策の基本となる事項
(3) 森づくりを推進するための体制の整備に関する事項
(4) その他森づくりを総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、市町村並びに森林所有者、森林組合、県民及び
事業者の意見を反映することができるよう適切な措置を講じなければならない。
4 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(実施状況の公表)
第1
1条 知事は、毎年、基本計画に基づく施策の実施状況を公表するものとする。
(施策の推進等に係る体制の整備)
第12条 知事は、基本計画に基づく施策を推進し、及び当該施策の実施状況を評価するための
体制を整備するものとする。
(市町村に対する支援等)
第13条 県は、市町村が基本計画に沿った森づくりに関する計画を定め、又はこれに基づく施
策を実施するときは、森づくりについての必要な助言その他の支援を行うことができる。
第3章 森づくりに関する基本的施策
(森林の適正な整備及び保全)
第14条 県は、森林の公益的機能が持続的に発揮されるとともに、地域の特性に応じた造林、
保育その他の森林の施業が行われるよう、森林の適正な整備及び保全を図るため必要な措置
を講ずるものとする。
(里山の整備等への支援等)
第15条 県は、里山(人が日常生活を営んでいる地域に隣接し、又は近接する土地に存する森
林であって、人により維持若しくは管理がなされており、又はかつてなされていたものをい
12
13
う。以下この条において同じ。)の所有者及び里山の周辺の住民が継続して行う里山の適正
な整備、保全又は利用を促進するための活動に対し、必要な支援を行うものとする。
2 里山の所有者及び里山の周辺の住民は、当該里山の整備、保全又は利用について、森づく
り活動団体等(基本計画に沿った森づくりに関するボランティア活動を行う個人又は特定非
営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他
の営利を目的としない団体をいう。第21条において同じ。)と連携し、及び協力するよう努
めるものとする。
(森林資源の循環利用)
第16条 県は、森林の公益的機能が持続的に発揮されるよう、森林資源の循環的な利用を促進
するため必要な措置を講ずるものとする。
(研究開発の推進等)
第17条 県は、森づくりに関する技術の向上を図るため、研究開発の推進、その成果の普及そ
の他の必要な措置を講ずるものとする。
(人材の育成等)
第18条 県は、市町村、森林所有者及び森林組合と連携して、森づくりに関する専門的な知識
及び技術を有する人材を育成し、及び確保するため必要な措置を講ずるものとする。
(教育の推進等)
第19条 県は、森づくりに関する教育を推進するため、指導者の養成、学習の機会の確保その
他の必要な措置を講ずるものとする。
(県民等への情報提供等)
第20条 県は、県民及び事業者の森づくりに対する意識の高揚が図られるとともに、これらの
者の森づくりに関する活動への参画が促進されるよう、市町村と連携して、森づくりに関す
る情報の提供、普及啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。
(県民等への支援)
第21条 県は、県民、事業者又は森づくり活動団体等が行う森づくりに関する取組に対し、必
要な支援を行うよう努めるものとする。
第4章 富山県水と緑の森づくり基金
(基金の設置)
第22条 森づくりに関する施策を推進し、もって水と緑に恵まれた県土の形成及び心豊かな県
民生活の実現に資するため、富山県水と緑の森づくり基金(以下「基金」という。)を設置
する。
(積立て)
第23条 基金として積み立てる額は、富山県税条例(昭和29年富山県条例第16号)附則第14条
の規定による加算額に係る収納額に相当する額として予算において定める額とする。
2 知事は、前条に規定する基金の設置の目的(以下「基金の目的」という。)のため現金の
寄附を受けたときは、予算の定めるところにより基金に追加して積立てをすることができる。
(管理)
第24条 基金に属する現金は、金融機関への預金その他最も確実かつ有利な方法により保管し
なければならない。
(運用益金の処理)
第25条 基金の運用から生ずる収益は、一般会計歳入歳出予算に計上して、基金の目的を達成
するために必要な事業の財源に充て、又はこの基金に編入するものとする。
(繰替運用)
第26条 知事は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰戻しの方法、期間及び利率を定
めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる。
(基金の処分)
第27条 基金は、基金の目的を達成するために必要な事業の財源に充てる場合に限り、処分す
ることができる。
第5章 財政措置等
(財政上の措置等)
第28条 県は、森づくりに関する施策を実施するため必要な財政上の措置その他の措置を講ず
るよう努めるものとする。
(税制上の措置)
第29条 県は、森づくりに関する施策に要する経費の財源を確保するため、課税について必要
な措置を講ずるものとする。
(顕彰)
第30条 知事は、森づくりに関し顕著な功績のあったもの又は優良な事例の顕彰に努めるもの
とする。
(細則)
第3
1条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第4章及び次項の規定は、平成19年4月1
日から施行する。
(富山県税条例の一部改正)
2 富山県税条例の一部を次のように改正する。
附則第13条の次に次の1条を加える。
(森づくりに係る県民税の均等割の税率の特例)
第14条 平成19年度から平成23年度までの各年度分の個人の県民税の均等割の税率は、第39
条(前条第3項の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下この項において同じ。
)
の規定にかかわらず、第39条に定める額に水と緑の森づくり税として 500円を加算した額
とする。
2 平成19年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する各事業年度若しくは各連結
事業年度又は法第52条第2項第3号若しくは第4号の期間に係る法人等の県民税の均等割
の税率は、第46条第1項の規定にかかわらず、同項の表の左欄に掲げる法人等の区分に応
じ、それぞれ同表の右欄に定める額に、水と緑の森づくり税として当該額に 100分の5を
乗じて得た額を加算した額とする。この場合における同条第2項の規定の適用については、
同項中「前項」とあるのは、「附則第14条第2項」とする。
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