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美しい愛知づくり景観資源指定の方針(案)
資料3 美しい愛知づくり景観資源指定の方針(案) 1. 1. 「美しい愛知づくり景観資源」とは ④自然、歴史、生活、産業の4分野に分けて指定 地域の良好な景観資源を指定し、広く県民に知らせることで、身近な地域の景観に対する県民の関心 を高めるとともに、景観資源の保全や活用に関わる市町村や地域が景観づくりに取り組むきっかけとす 景観資源は、 「(仮称)美しい愛知づくり基本計画」で区分している自然、歴史、生活、産業の 4分野に分けて指定していく。 る。 「美しい愛知づくり条例」関連条項 分 類 第七条 知事は、地域の良好な景観の形成に重要な建造物、樹木等であって、美しい愛知づくりの推進に 資すると認められるものを美しい愛知づくり景観資源(以下「景観資源」という。)として指定すること ができる。 2 知事は、景観資源の指定をしようとするときは、あらかじめ、当該建造物、樹木等の所有者及び関係 市町村長の意見を聴かなければならない。 3 知事は、景観資源の指定をしたときは、その旨を公表しなければならない。 自然景観 歴史景観 2.概要 ①県内の各地域にある良好な景観資源を愛知県が指定 生活景観 内 容 自然の生態系により 育まれた景観資源 地域固有の歴史を後 世に伝える景観資源 生活の場に潤いを与 える景観資源 対 象(例) ・都市域からの眺望で親しまれている里山 ・親水空間を形成している水辺 ・美しい風景で知られる海岸 等 ・宿場町に現在も残る町並み ・愛知の武家文化を継承する城郭等の建造物 ・地域の発展の歴史を伝える近代化遺産 等 ・ゆとりと潤いが感じられる住宅地 ・多くの県民に親しまれている公園・緑地 ・特徴ある景観を生み出している生活に密着した農地や漁港 等 地域の良好な景観を形成し、地域の住民等に愛されている資源を指定するもので、将来(景観法 に基づく)景観計画を策定する際に景観重要建造物や景観重要樹木、または文化的景観について検 産業景観 討するときの要素として想定している。 地域の活力を感じさ せる景観資源 ・愛知の「モノづくり」を象徴する工場(群)や整然とした農地 ・道路や橋、鉄道駅など、交通の要衝となる構造物 ・ランドマークとなるビルやタワーなどの建造物 等 ②市町村からの推薦による景観資源を候補として審査、指定 候補となる景観資源は、市町村から県への推薦を基本とする。地域住民からの発意がある場合は、 その景観資源が位置する市町村に提案するものとし、市町村が提案を受けた上で内容を確認(一定 ⑤指定した景観資源は、広く県民に知らせる 景観資源の指定については、県民への公表を通じて、愛知県が認定する良好な景観資源として位 の審査を含む)を行い、市町村から県へ推薦する仕組みとする。 置づけを行うものとする。 ③「見え方」を重視し、単体だけでなく、町並みや風景も指定 景観法に規定される「景観重要建造物」 「景観重要樹木」の対象に限定せず、建造物や樹木単体 のみではなく、単体であっても、単体を中心とした周辺を含んだ風景を対象とする。町並みや「○ 3.指定の流れ ○から見た●●」といった風景も指定する。 (仮称)美しい愛知づくり 景観資源選考委員会 周囲の樹林と一体となって良好 な風景となっている建造物 良好な景観 市町村 より推薦 県(事務局) による調査 景観資源 として 指定 公表 数年後 に確認 視点場 地域から の提案 所有者及び関係市町村の意見 更新 4.期待される効果 美しい愛知づくり景観資源の指定を通じて、以下のような効果が想定される。 5.指定方針(基準)について 美しい愛知づくり景観資源の指定については、以下の点から選考し、判断するものとする。 ●指定方針(案) 【前提となるもの】 (1)市町村に対して ∼景観資源の指定を通じた保全活用への間接的支援∼ ・市町村に景観資源を位置づける制度等がない場合でも、市町村が重要と考えている景観 ア:公共空間から容易に見ることができるもの(公共性) イ:将来にわたってその景観が保たれる可能性が高いもの(担保性) 資源を「愛知県の」景観資源として位置づけることで、当該市町村における保全、活用 【地域の特色が現れたもの】 の取組みがしやすくなる。 ウ:地域の自然、歴史、生活、産業の特徴が目に見える形で現れたもの(象徴性) ・これから新たに景観行政に取り組もうとする市町村が、住民から「美しい愛知づくり景 エ:地域の伝統的な様式を継承しているもの(文化性) 観資源」の候補の提案を受けたり、市町村から県に推薦する候補を検討する過程を通じ オ:歴史上の重要な出来事、地域の故事、伝承、いわれにまつわるもの(物語性) て、景観行政に取組むきっかけとなる。 【地域に愛され、シンボル性のあるもの】 ・独自に景観資源の指定の取組みを進めている市町村においても、より重要な資源を県に カ:住民の手で保全の取組みがなされるなど、地域住民に親しまれているもの(愛着性) 推薦し、重ねて「美しい愛知づくり景観資源」として指定されることで、より重要な景 キ:地域のシンボル的価値を有しランドマークとなっているもの(シンボル性) 観資源としての位置づけを行うことができる。 ク:地域の良好な景観形成の規範となるもの(先導性) また、指定後、一定期間をおいて、指定の更新を行うことを想定している。その際、上記の指定 (2)地域住民に対して ∼景観づくりへの関心及び活動意欲の高揚∼ ・身近な場所に良好な景観資源があること知らなかった住民が、その存在を知ることで、 景観づくりへの関心が高まる。さらには、その景観資源に関わる地域の歴史や特性を認 識し、自らが暮らす地域への誇りや愛着が醸成される。 ・良好な景観資源について保全、活用の取組みを行っている団体等がある場合など、その 方針により、あらためて判断を行うが、以下のような場合は、 「美しい愛知づくり景観資源」とし ての指定を取消すものとする。 ●指定解除の考え方(案) ・景観資源の主な対象物が存在しなくなった場合 ・主な対象物の景観が著しく悪化した場合 景観資源が「愛知県の良好な景観資源」として指定されることで、保全、活用などの活 ・視点場からの視界を著しく妨げる建造物などが設置された場合 動意欲が高まる。 ・視点場が失われ(立入不可になった場合を含む) 、近傍で確保することが困難な場合 (3)愛知県にとって ∼景観資源の発掘、把握及び県民への景観意識の向上∼ ・県内の重要な景観資源に関する情報を効率的に集約することができ、県土全域をにらん だ、今後の景観行政の推進の資料として活用することができる ・指定した資源を紹介していくことで、市町村との間の景観づくりに関する情報交換を活 発化する素材となるとともに、市町村の景観づくりへの意識を高めることで、県土全体 における美しい愛知づくり向けた取組みを促進する。 6.公表方法について 「美しい愛知づくり景観資源の指定」は、文化財の指定などとは異なり、保全等に関わる支援は行 わず、公表を通じた様々な効果を期待した制度である。 そのため、住民からの提案及び市町村からの推薦を多数確保し、制度の実効性を上げるとともに、 指定の効果を高めるために、県民全体に訴求力の高い公表方法を行う必要がある。 <想定される公表方法> ・愛知県のホームページへの掲載 ・パンフレットや小冊子の作成、配布 ・景観資源へ標章、プレートを設置(視点場に標柱を設置するなど) など