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写真論 - 名古屋芸術大学
写真論 眼で考える写真史 専門 / 講義 / 2単位 茂登山清文 ◆授業の到達目標およびテーマ 写真は、現在もっともひろくかつ大量に使われている視覚メディア だ。Facebookには、1400億枚の写真がアップされていて、それは人 間が撮影した写真の4%だとも言われる。およそ1 80年ほどになる写 真の歴史を通観しながら、視覚芸術を学ぶ者が、写真をどのように見 て、また撮るのか、それについて考えるための機会を提供することが この授業の目標である。 ◆授業の概要 「写真」の発明、その時代の視覚芸術との関係に始まり、初期写真の 試み、アヴァンギャルド、コンテンポラリーアートにおける写真、そ して今日の電子時代の写真の動向まで、毎回トピックをたて、アート の写真を中心に通史を講義する。バッチェンやセクーラらの写真史の 成果、またベンヤミンやソンタグ、バルト、フルッサーらの写真論に ついても、トピックに関連させながら解説する。 ◆授業計画と内容 1回目 「写真論」のフレーム──イントロをかねて 2回目 ファンタスマゴリ──19世紀にいたる視覚装置 3回目 ニエプス、ダゲール、タルボット──プロトフォトグラ ファー 4回目 ル・セック、ナダール、リース──19世紀後半の記録と報 道 5回目 スティーグリッツ、スタイケン──ピクトリアリズムと米 国写真 6回目 マン・レイ、モホリ=ナジ、ロドチェンコ──アヴァン ギャルドたちの実験 7回目 アジェ、ザンダー、ストランド──ストレートな眼差し 8回目 エ ヴ ァ ン ス、ア ー バ ス、エ グ ル ス ト ン──FSAと 「ニュー」 9回目 ヒリアード、バーギン、ロスラー──コンセプチュアル・ アートの写真 エヴァンス、ボルツ、スターンフェルド── 10回目 ハミルトン、ルシェ──ポップアートと写真 11回目 リヒター、ベッヒャー──アトラスとティポロジー 12回目 ウォール、プリンス──ポストコンセプチュアル 13回目 ボルツ、スターンフェルド、シュトルート──ランドス ケープと場所の不在 14回目 シャーマン、ウェアリング、ムース──ポートレイトと同 一性 15回目 ルフ、リカード、幸村──デジタルフォトグラフィ ◆履修にあたっての準備学習(事前学習) 特にありませんが、シロート的にではなく、芸術大学に学ぶ者として の自覚をもって写真を見る、そうした意識を日常的にもってほしい。 ◆成績評価の方法と基準 期末レポートおよび授業中などにおこなう小レポートで評価する。ま た授業中に私語をしている受講者は成績評価の対象から外す。 ◆教科書 特に使用しない。必要に応じて資料を配布する。 ◆参考書・参考資料等 書名:写真のアルケオロジー 著者名:ジェフリー・バッチェン 出 版社:青弓社 書名:写真小史 著者名:ヴァルター・ベンヤミン 出版社:ちくま 書房 書名:写真論 著者名:スーザン・ソンタグ 出版社:晶文社 書名:明るい部屋―写真についての覚書 著者名:ロラン・バルト 出版社:みすず書房