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「動物との共生を考える懇談会」会議録

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「動物との共生を考える懇談会」会議録
会 議 録
会議名称
第 3 回 杉並区動物との共生を考える懇談会
日
時
平成 17 年 7 月 28 日(木)午後 2 時∼午後 4 時
場
所
杉並保健所 会議室
委 員
加藤元委員、矢花公平委員、山崎いく子委員、みなみらんぼう委員、
米川秀彦委員、乾洋史委員、佐藤正江委員、中智正直委員、
塩坪三明委員、内田寿子委員、小峰すゝき委員、目黒美佳委員、
出席者
長野みさ子委員
事務局
生活衛生課長、杉並区教育委員会事務局指導主事、
環境課生活環境担当係長、生活衛生課管理係長、
生活衛生課管理係主査、生活衛生課環境衛生担当係長付主査
①第2回杉並区動物との共生を考える懇談会会議録
②新聞記事
事前配付資料
③区市町村環境美化等関係条例における「ふん害等防止等」に関する規
定の概要
④東京都動物愛護相談センター調査研究発表会抄録
⑤「飼い主のいない猫」との共生モデルプラン抜粋
①愛情はたっぷりと 責任はしっかりと
∼動物の愛護及び管理法に関する法律」が改正されました∼
②杉並区における猫の適正飼育と飼い主のいない猫対策
〈提言∼平成 15 年9月8日〉
③中央区動物愛護懇談会提言書(概要版)と新聞記事
④目黒区ポイ捨てなどのないまちをみんなでつくる条例
世田谷区人と動物との調和のとれた共生に関する条例
⑤渋谷区人と動物との共生社会をめざして∼しぶや区ニュース
当日配付資料
⑥杉並区愛犬のしおり
⑦東京都『知らなかったじゃすまされない!!』リーフレット
⑧東京都『ネコふえちゃった!?』リーフレット
⑨東京都『不幸な猫をなくすには?』リーフレット
⑩杉並区動物との共生に関する条例について
杉並区動物との共生に関する条例案骨子
⑪条例を考えるに当たっての前提問題
⑫『マイクロチップはあなたとペットのきずなを守ります』
、
『電子の迷子札 マイクロチップ』リーフレット
⑬新聞記事
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⑭『渋谷区立代々木ポニー公園』リーフレットと雑誌記事
議 事 等(要 旨)
《前回に引き続き検討》
「飼い主のいない猫対策」についての主な意見
・ 杉並区「飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業」で活動しているグループが継続し、ま
た、そうしたグループが増えていくよう支援事業の充実をお願いしたい。
・ 飼い主のいない猫にこそこそとえさをあげている人たちがいる。そのような人たちとオープン
に話し合いができる場を作れないだろうか。住民レベルでの自主的な話し合いは難しい。
・ 飼い主のいない猫にえさをあげている人には、ふれあいたい気持ちがあるようだ。自分を認識
してくれて、近寄ってきてくれることに喜びを感じるのだと思う。もともと動物を捨てたり、
野放しにしている人がいることが問題だ。命あるものを何とか助けたいという人の気持ちは理
解すべきである。
・ 公園だけでなく、小学校の敷地内で夜に飼い主のいない猫にえさをあげている人もいる。動物
をいつくしむ気持ちから学校側も注意しづらいと思う。また、ぜんそくが怖くて猫を飼えない
子どもたちがいることも考えていかなければいけない。
・ 以前、飼い主のいない猫対策を2箇所でやった経験から大変なことは、個人に金銭的な負担が大
きいこと、地域の協力が得られにくいことである。金銭的に多少余裕のある人でないと、不妊
去勢手術は難しい。また、メス猫に不妊手術をするとオス猫が近寄らず、目覚しい効果が得ら
れた。不妊去勢手術をしたり、生まれてしまった子猫は里親を探し、地道に数を減らしていく。
えさのあげ方も気をつけていく。そうすれば、近所からの苦情はなくなっていく。そして、猫
好きの人と嫌いな人とが分かり合えることは、飼い主のいない猫をなくすことである。えさを
あげている人は、飼い主のいない猫がいてかわいそうだからあげており、いなくなればほっと
する気持ちである。飼い主のいない猫をなくすことは非文化的と思われるかもしれないが、飼
い主のいない猫は病気のまま放っておかれてしまう。
「猫はペットとして責任ある飼い主に飼わ
れるべきで、飼い主のいない猫をなくしましょう」という方向で問題に対応すべきである。協
力してくれるボランティアの存在は必要不可欠である。
・ 杉並区「飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業」で、不妊去勢手術を今後も継続してい
ただきたい。また、マナーに対する飼い主責任の自覚がないとの意見があり、区内の掲示板や
広報誌を通じて、地道にマナーの注意喚起をしていくことが重要だ。そして、猫の里親探しを
する施設などを作ってはどうか。
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・ 杉並区「飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業」において、活動主体が町内会や集合住
宅の自治会に拡大されれば、地域でこの問題に取り組む素地がつくれる。地域の問題として考
えなければ意味がない。
・ 飼い主のいない猫から地域猫へという考えは時代の流れなのでしょう。猫にマイクロチップを
埋め込むことは、先進国では成功しているようだがよいのか悪いのか。飼い主のいない猫は、
飼い主が捨ててしまったり、ほったらかしにして引っ越してしまったりすることなどに起因し
ており、猫が悪いわけではない。地域で面倒を見て、不妊去勢手術をすることにより、飼い主
のいない猫は寿命が4∼5年であるので徐々に数が減っていく。猫の鳴き声は俳句の季語になっ
ており文化という意味合いがある。そういった鳴き声のまったくない街にしてしまうのは人間
の勝手だと思う。
・ 地域猫という考え方は皆さん賛成していると思う。杉並区「飼い主のいない猫を増やさない活
動支援事業」は、確実に飼い主のいない猫を少なくする方法のひとつであり、さらに拡大する
よう努力していただきたい。
・ 地域猫活動を行っているグループの地域をモデル地域に指定し、効果を検証する。地域猫活動
について、区民に広報をしながら賛同を得ていくのはどうだろうか。飼い主のいない猫をなく
すことの地域のコンセンサスづくりを行政に期待したい。
「ペットの飼育に関わる問題の解決に向けて」についての主な意見
・ 国民の3分の1が動物嫌いとの調査結果がある。動物嫌いの人が動物のいないところで暮らした
いという権利は、保障されるべきである。そうしたバランスのとれた条例を考えたい。また、
ペットに関する具体的な問題点に対しては、他区に先んじて、メッセージ性が強い、実効性の
ある企画を考えたい。渋谷区立のポニー公園のような企画や小学校低学年向けの愛護教育に関
する企画を考えたい。
・ 平成 15 年に内閣府が実施した動物愛護に関する世論調査で、ペット飼育の問題点について、捨
てられる犬やねこが多い、最後まで飼わない人が多いと回答した人の割合が多かった。一方で、
行政に期待することとして、迷惑行為に対する規制、ペット取扱い業者の規制強化と回答した
人の割合が多かった。問題点を考えた場合、一つ目は飼い主責任を全うしない飼い主が多い、
二つ目は正しい飼い方がわからないでいい加減に飼っている人が多いということがあげられ
る。処分数の推移を見てみると、犬は減少しているが、猫は横ばいである。猫に関して、飼い
主を明確にし、罰則つきで規則を守って飼う方向に区・都・国がなってほしい。その中で、区の
レベルでできることを検討していきたい。
・ 子猫を保護し里親探しをしているが、子猫を探している人は多く、ほとんどの子猫に里親が見
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つかる。その反面、処分される猫も多い。行政のホームページには里親探しのコーナーを設け
ているところがある。また、飼い主のマナーを啓発するプレートが街に多く、見慣れて何も感
じなくなっている。以前、子どもが書いた手づくりのプレートがその家の前でとても新鮮で目
を引いた。ひとつの例だが、子どもたちが考えたマナーの啓発プレートを募集するなど、柔軟
なアイディアを出し合って、飼い主の意識を喚起できないものだろうか。
・ 子どもが書いたプレートが家の前で目立っていたとの話があったが、これほど教育的価値のあ
るものはないと思う。動物の正しい飼い方は実証されているので、子どもたちにどのように教
育していくかが大切である。
・ 東京都動物愛護推進総合基本計画の計画期間は 10 年間である。処分される動物がいない、あわ
れだと思われる猫が徘徊しない、そのような状態でいいんだというマイナスの情操教育をしな
い、というような不幸な猫がいないきれいなまちづくりを 10 年計画で考える必要がある。また、
いきなりポニー公園を作ることは困難であるので、渋谷区からポニーを借りてきて、小学校児
童を対象に乗馬や聴診器で心臓の音を聞くなどの動物愛護教室を開くことはできないだろう
か。このように馬を企画のシンボルとするのはどうだろうか。
・ 子どもたちが渋谷区立ポニー公園に行く方法も考えられる。
・ 公団住宅では原則犬や猫を飼ってはいけないということだか、共生できる家づくり、集合住宅
づくりを考えていかなければいけない。また、動物とのふれあいの場所やドッグランを含めて
動物と遊べる場所を作る方向で考えなければいけないと思う。
・ 猫は犬以上にテリトリーがある動物で、犬はファミリー動物だ。猫は屋内飼育のほうが健康で
長生きをすることが証明されている。猫を正しく飼うということは、責任を持って屋内で飼う
と言うことで、外へ散歩に連れて行くのであればリードをつけるべきだ。
「条例化について」の主な意見
○猫の登録制について
・ 少なくとも杉並区で飼い猫の登録制ができないものか考えている。隣の区市に出たらどうなの
かという問題はあるが、危機管理を含めて、飼い猫の登録制に関して条例に努力義務規定を設
けることはできないか。
・ 条例を考える前提として、法律より下位の条例が法律より厳しい内容を定めることは可能であ
る。例えば、猫に戸籍のような登録制度を設ける、ひとつの例がマイクロチップを埋め込むこ
とだか、本年 6 月に動物愛護管理法が改正され、犬猫についてはマイクロチップ等の個体識別
措置の義務づけは見送られた。危険な動物の特定動物についてはマイクロチップ等の個体識別
措置が義務づけられた。都条例にはこれに関する規定はない。区条例でマイクロチップ等の個
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体識別措置の義務づけについて、罰則規定を設けることは可能である。しかし、区においてす
ぐに全員に守らせることは難しいし、全体の事業として、段階的に行っていくことにはなると
思う。今後解決まで何十年とかかると思われる問題が、条例をつくったからといって、1 年目 2
年目で解決できるとは思わない。
・ 飼い猫あるいは管理されている猫について、なるべくマイクロチップ、事情が伴わない場合は
首輪などに飼い主を明示し、なおかつ登録制にする。5 年 10 年といった長期的なスパンで考え
ていく。登録されない猫は殺処分されるということではない。
・ 犬が登録制であるように猫も登録制にして、責任を持って飼うことを自ら表明しマイクロチッ
プなどで表示する。その結果、誰が猫を捨てたかがわかる。責任ある飼い主のいない動物はゼ
ロというのが理想である。責任を持って動物を飼うことをはっきり示すことの第一歩が登録制
である。
・ マイクロチップが埋め込まれていれば、大地震のあったときに飼い主は自分の猫かどうかの確
認ができる。また、飼い主のいない猫にえさをあげている人は、マイクロチップを入れて世話
をしている登録があれば、大地震後、遠くに逃げてしまった場合に引き取りに行くことも出来
る。
・ マイクロチップを埋め込み、登録制を先駆けて行うということは、考えはよいが時期尚早だ。
猫の問題は、非常に複雑で微妙なところがあり、全国でほとんど例がないのは反対する人が非
常に多いということだ。そして、現実的に犬の登録と違って管理が非常に難しい。マイクロチ
ップが入っていても、猫は非常に遠くへ行ってしまうので、全国的なシステムが出来ていない
段階では杉並区だけがおこなうのは結果として非常に問題がある。
・ マイクロチップをより多くの人がきちんと入れるようになれば、機能するようになるのでスタ
ートしなければいけない。
・ マイクロチップを読み取る場合、犬は平行移動をする動物なので読み取りやすい。しかし、猫
の場合は、ケージにいれて興奮し暴れまわっている状態では、ハンディタイプの読み取り機で
は読み取るのが難しかった。何百万円もする機械では読み取れる。
・ 飼い主のいない猫は誰かがえさをあげて、そのえさを食べているので生きていける。自分が関
わっている猫に責任を持つということで、マイクロチップだけでなく登録番号が記された首輪
など、選択できるようにすることが必要だ。
・ マイクロチップについては、読み取り機の問題などシステム的な問題が解決されれば、効果的
なものだと思う。マイクロチップに固執しないでほしい。責任を持った飼い方をするにはどう
するかという議論をもっと幅広く、柔軟におこなってほしい。今の段階では、焦点を絞りすぎ
ずに議論したい。
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・ イリオモテヤマネコが生息する沖縄県竹富島など、島などの小さな地域でしか猫の登録はおこ
なわれていない。住民の理解を得ることが大切だ。
・ 飼い主にとって、マイクロチップを埋め込み、登録制にすることのメリットは何であろうか。
理論として、猫に戸籍のようなものを持たせるということはわかるが、やろうと思う強い事柄
や自分の猫にとってプラスになることがなければ理解が得られないのではないか。
・ 飼い主にとって、マイクロチップを埋め込み、登録制にすることのメリットは何であろうかと
いうことだが、そのことについては飼い主とは何かという観点で考えるべきで、メリットで考
えるべきことではない。
・ 猫を飼っている人の半数以上が、マイクロチップは大事なことでやりましょうという気になら
ないと、なかなか進まないと思う。
・ たとえ飼い主個人にメリットがないことでも、これは正しいことなので努力しましょうと、お
互いに確認しなければ進んでいかないと思う。
・ 次回、条例化について検討をおこなう。
起草委員会の設置及び委員の選任
・ 報告書草案の作成を行う起草委員会が設置され、委員には、長野委員、矢花委員、山崎委員、
米川委員、塩坪委員、目黒委員が選任された。
・ 起草委員会の日程は、別途調整し決定する。
《次回》
・ 8 月 31 日(水)に開催予定
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