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Ⅰ 世界をリードする研究 (p18)
Ⅰ 世界をリードする研究 2013年10月第10回STSフォーラム 2013年9月第3回日独6大学学長会議 International Activities 2013 大阪大学の国際交流 2013 年 月在ベトナム卒業生との交流会 12 世界をリードする研究 Ⅰ 2013年6月APRU第17回年次総会 (ウラジオストク・FEFU) 2013年11月第8回日中学長会議 2013年12月AEARU第19回総会・第33回理事会(台湾・国立清華大学) 17 2013年12月日越6大学シンポジウム 18 ● 32 29 207 244 43 23 位 7 免疫学 位 1,618 475 東アジアセンター (上海オフィス) 1633 World Ranking in Thomson Reuters Journal Citation by Disciplines in September, 2013 (in 22 categories) 化学 位 44 位 位 31 43 位 物理学 生物学・生化学 複合領域 20 位 分子生物学・遺伝学 位 64位 微生物学 43 59 北米センター (サンフランシスコオフィス) 大阪大学 材料科学 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 世界 トップレベルの 研究と学問 欧州センター (グローニンゲンオフィス) 55 QS World Ranking 2013: ● 外国人留学生数 外国人研究者受入数 大阪大学の海外拠点 UC/UCEAP Osaka Office 部局の海外拠点 ASEANセンター (バンコクオフィス) 地域に生き 世界に伸びる グローバル ユニバーシティ 10 18 国際ジョイントラボの 外国人研究者所属機関 59 12 外国人研究者受入数 世界に広がる 世界とつながる 19 Osaka University News Letter 2013-2014 部局間学術 交流協定数 464 65 外国人留学生数 件 カ国 2,012 105 人 カ国 86071 人 大学間学術 交流協定数 9929 カ国 件 カ国 work 2013-2014 Osaka University News Letter 20 22 未来戦略機構の特徴は、部局縦割りの教育研究と管理運営を排し、 部局や教員が連携協力して学際的・融合的な取り組みが機動的に推 進できるよう、総長のトップマネジメントの下で大阪大学の特筆分野 にさらに磨きをかけ、総力を挙げて大学システムを革新させる「大学 の中の大学」プロジェクトです。 1 大阪大学未来戦略機構の創設 2 本質を究め未来を創造する研究 3 世界に通用する人を育む教育 4 世界が大阪大学を目指す国際戦略 8 未来戦略 大 阪 大 学 が 世 紀 に おい て も 輝 き 続 け る た め に 策 定 し た ﹁未来のた めの 戦 略シナ リ オ﹂ の骨子で す。過去∼現 在∼未来へと大阪大学をつないでい く た め に、全 力 を 挙 げ て一つ ひ と つ を 実 行に 移し、未 来に お け る 大 阪 大 学の基 盤を以 下の つの方 針に基づ き 確 固た る も の に し てい き ま す。 5 豊かな社会を生みだす産学連携 6 大学と人と地域が交流する社学連携 教育と研究の基盤を支える大学運営 7 質と倫理を兼ね備えた大学病院 Ⅰ 世界をリードする研究 8 第 教育・研究推進部門 第 3 部門 第 第 次世代研究型 総合大学研究室 卓越した研究型総合大学 としての成長のシナリオ の作成 卓越した外部人材の招致 大阪大学特別教授制度 年俸制、クロス・アポイントメント制度 ▶詳細23ページ グローバル化推進教授招へいプログラム 目的 : 教員の多様化並びに国際化、学部・大学院学 生教育のグローバル化の推進を支援するため 概要 : 国際的に評価されている外国の研究型大学の Ph.Dを取得し、世界トップレベルの優れた業績 をあげている研究者を大阪大学教授として新た に雇用する場合に教育研究経費を交付 外国人教員等採用促進プログラム 目的 : 学部・大学院における研究・教育のグローバル 化を推進するため 概要 : 部局が優れた業績をあげている外国人研究者 等を大阪大学専任教員として雇用する場合に 研究教育整備費を交付 学内財源配分の見直し等 将来の発展に有効活用することを目指すととも に、 「基礎研究→応用研究→社会への還元→基 礎研究」 の未来志向のサイクルを確立するため 概要 : 間接経費、 寄附金、産学官連携推進活動経費及 び附属病院経費といった財源の配分を再構築 その一環として、間接経費については、間接経 費を獲得した研究者に獲得額の20%相当額が 配分できるようにすることで、競争的研究資金 の獲得を全学的に推進及び、施設老朽化対策 として、保有面積に対する一定額を本部に留保 研究者に対する報奨制度の拡充 目的 : 科学研究費補助金 (以下、 「科研費」と表記)等 の競争的資金による研究の活性化を図るため 概要 : 科研費などの競争的資金を新たに獲得した研究 者や、多額の間接経費を獲得した研究者を報奨 するため、新たに大阪大学総長顕彰により表彰 し、報奨金を支給 大阪大学未来知創造プログラム 先端的生命科学研究を展開する 「創 造 力」、卓 越した「コミュニ ケーション能力」、基礎研究成果 を社会に応用する「イノベーショ ン能力」を持つ人材を育成する 4 部門 第 第 5 部門 未来共生イノベーター 博士課程プログラム RESPECT─他者への敬意─が 創造する「新しい多文化共生社 会」を創る人材を育成する 7 部門 第 8 部門 創薬基盤科学研究部門 認知脳システム学研究部門 光量子科学研究部門 大阪大学におけるライフ サイエンス系の研究ポテ ンシャルを一層高め、部 局横断的な創薬科学研究 を推進する ロボット学、認知科学、脳 神経学の統合により、人間 理解を進めるとともに人間 に親和性の高いシステムを 実現する認知脳システム 学の確立を目指す 大阪大学における光量子 科学に関する研究ポテン シャルを一層高め、部局横 断的な光量子科学研究を 推進する 9 部門 第 部門 部 局 マ ネジメント及 び人 材 育 成・ 獲 得 支 援 策 内部人材の更なるパワーアップ 目的 : 基礎研究の推進や人材育成など、大阪大学の 全学体制による文理統合型学位 プログラムにより、専門力と汎用 力を併せ持ち「超えることでしか 生まれない」を生み出す新時代 の博士人材を育成する 6 部門 第 “ 世 界トップ 1 0 ” に 向 け た 2 部門 生体統御ネットワーク医学 教育プログラム 情報、生命、認知の諸分野を融合 するヒューマンウェアによってイノ ベーションの方向を転換し、柔軟・ 頑強で持続発展するシステムを構 築できる博士人材を育成する 日本の競 争力の源 泉である 「ものづくり」を支える物質科 学のイノベーションリーダー を育成する 第 超域イノベーション 博士課程プログラム ヒューマンウェアイノベーション 博士課程プログラム インタラクティブ物質科学・ カデットプログラム 研究室部門 1 部門 大阪大学未来研究イニシアティブ・グループ 支援プログラム 目的 : 大阪大学ならではの基礎研究の推進や、国家 的課題解決に向けた研究にイニシアティブを 発揮するため 概要 : 部局横断的な提案や新たな研究分野の創出の 芽を育てる提案に対し研究費を支援 科研費チャレンジ支援プログラム 目的 : 大型の競争的資金へのチャレンジを支援する ため 概要 : 科研費の 「基盤研究C」 「若手研究B」 に応募して いる研究者の上位研究種目への挑戦を支援 科研費相談員制度 目的 : 科研費の採択率の向上を図るため グローバル化の強化推進 国際共同研究促進プログラム ▶詳細24ページ 学生の海外派遣、受け入れ支援 目的 : 教育の国際化に向けた取組を加速するため 概要 : 留学、海外研修等に積極的に参加できるよう学 生に経済的支援を行う また、学生の海外派遣及び留学生の受け入れ を積極的に行う部局に対しても経費を支援 目標値 :日本人学生と留学生が互いの文化を理解し 切磋琢磨する環境(グローバルキャンパス)の 実現へ2020年までの目標値を設定 ●海外に送り出す日本人学生…4%→8% ●海外からやってくる留学生…留学生全体 8%→15% 学部生(正規及び短期留学生) 4%→10% 大学院生(正規及び短期留学生) 15%→25% 概要 : 科研費へ初めて応募、 上位種目等に挑戦する研 究者に対し、研究計画調書作成等をアドバイス 大阪大学特別教授制度(再掲) 年俸制、クロス・アポイントメント制度(再掲) 若手研究者の海外派遣、受け入れ支援 目的 : 若手研究者による国際共同研究の機会を増加 させることにより優れた研究成果を創出し、大 阪大学の研究力強化を図るため 目的 : 本学の将来を支える多様な研究を育み、創造 概要 : 大阪大学の若手研究者による、今後の展開が 性に富み、チャレンジングで独創的なアイデア と未来を拓く人材を輩出するため 期待できる海外派遣・受け入れ計画に対し、旅 費・滞在費を支援 大阪大学国際合同会議 (シンポジウム)助成 大阪大学部局主催シンポジウム等開催支援 目的 : 高度な研究を展開している外国の研究機関と 大阪大学の研究者による国際合同会議(シンポ ジウム)や、本学における学術研究の成果、研 究者の活動を広く海外へ発信するのを支援する ことにより、大阪大学の研究における更なる国 際展開を促進するため 概要 : 国際合同会議 (シンポジウム)実施に係る経費、 本学部局が(原則として国外で)主催する国際 シンポジウム等開催に係る経費を支援 部局マネジメントの充実 部局長裁量未来戦略ポストの配分 目的 : 部局の優れたマネジメントを全学的に応援し、 各部局等の教育研究レベルを一層高めていくこ とを目指す 概要 : 大阪大学の未来戦略実現のため、積極的なマネ ジメントを行っている部局に対して、部局長裁 量ポストを配分 部局長未来戦略裁量経費の配分 事務(部) 長未来戦略裁量経費の配分 目的 : 部局の優れたマネジメントを全学的に応援し、 大学全体に相乗効果が生まれることを目指す 研究成果の国際的発信支援プログラム :英語論文の投稿支援 目的 : 若手研究者・女性研究者を対象に、海外の学 概要 : 大阪大学の未来戦略実現のため、積極的なマネ ジメントを行い、優れた成果をあげつつある部 局や部局の事務部等に対して、裁量経費を配分 術誌への英語論文の投稿を支援することによ り、研究成果の国際的発信力を一層高め、大阪 大学の研究力の強化を促進するため 概要 : 大型教育研究プロジェクト支援室のリサーチ・ア ドミニストレータ (URA)による個々の研究者に 適した学術英文校正等の支援 概要 : 異なる研究分野の若手研究者の連携による共 同研究に対し研究費を支援 21 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 22 未来戦略 “世界トップ10”に向けた部局マネジメント及び人材育成・獲得支援策 大阪大学特別教授 各 特 別 教 授に授 に授 与 と盾 された賞状と盾 阪大が誇る世界を牽引する教育研究者 審良 静男 免疫学フロンティア研究センター・教授 石黒 浩 研究代表者 理学研究科/教授 招へい研究者 ケンタッキー大学/物理・天文学科/教授 功績: 「人と関わるロボットの研究開発に関する教育研究業績」 「未来戦略」 に向けた 人事・給与システム 柔軟化の本格始動 大竹 文雄 社会経済研究所・教授 功績: 「労働経済学、公共経済学に関する教育研究業績」 河田 聡 大学院工学研究科・教授 功績: 「ナノフォトニクスに関する教育研究業績」 北岡 良雄 大学院基礎工学研究科・教授 功績: 「物性物理学に関する教育研究業績」 研究代表者 医学系研究科附属ツインリサーチセンター /教授 ヘルシンキ大学/Dept. of Social Re招へい研究者 search/Acting Professor 大学未来戦略」 の 「教育と研究の基盤を支える大学運営」 坂口 志文 免疫学フロンティア研究センター・教授 研究代表者 歯学研究科/准教授 招へい研究者 コペンハーゲン大学/三次元頭蓋顔面画像 研究所/所長/教授 招へい研究者 たな人事制度として年俸制とクロス・アポイントメント 功績: 「生体超分子の立体構造と機能の解明に関する教育研究業績」 制度を導入しています。 世界的に活躍する 研究者を迎える 国際的 優 戦略機構・教授 阪大学 大学院生命機能研究科・教授 西尾 章治郎 功績: 「情報科学に関する教育研究業績」 年俸制 研究者 招へい研究者 未来 迎 、国際的 拠点 目指 大 。 濱田 博司 大学院生命機能研究科・教授 功績: 「発生生物学に関する教育研究業績」 大学院理学研究科・教授 功績: 「高分子化学に関する教育研究業績」 大阪大学と別の機関の双方で 活躍が可能 クロス・アポイントメント制度 共同研究 行 学核物理研究 、 「 協定 締結 、常勤 今 理化学研究所 本 ・ 以上 緊密 連携 発展 見込 制度」 基 研究者 本学 迎 、両機関 、研究 飛躍的 。 功績: 「機能物質化学に関する教育研究業績」 三浦 雅博 大学院工学研究科・教授 大学院生命機能研究科・教授 功績: 「細胞生物学、特にオートファジーに関する教育研究業績」 ◎対象機関 理化学研究所 仁科加速器研究センター 大阪大学 核物理研究センター Osaka University News Letter 2013-2014 篠原 彰 Susan Margaret Gasser 最先端経済理論研究と制度設計への応用 研究代表者 社会経済研究所/教授 招へい研究者 インド統計大学/Economics and Planning Unit/准教授 芹澤 成弘 Debasis Mishra 高密度超冷中性子による時間反転対称性の検証 研究代表者 核物理研究センター/教授 畑中 吉治 カナダ国立素粒子原子核物理研究所/ Science Division/Senior Research 招へい研究者 Scientist, Particle Physics Group Leader Akira Konaka Shinsuke Shimojo 平成26年度採択プログラム/7件 超高齢期高齢者のサクセスフルエイジングを支援する介護福祉サービスの開発に向けた認知 脳科学的・老年社会学的研究 研究代表者 人間科学研究科/教授 柏木 正 Pierre Ferrant カリフォルニア州立大学/Department of Psychology/教授 エルスタ・シェンダール大学/Institute of 招へい研究者 Civil Society/教授 兒玉 了祐 Michel Koenig チェコ 科 学アカデ ミー / Institute of Physics/Group leader 杉本 宜昭 Pavel Jelinek 固体表面の精密官能基化によるシングルサイト不均一触媒の創出 研究代表者 基礎工学研究科/教授 スイス連邦工科大学チューリッヒ校/化学 科/教授 真島 和志 ヴィクトリア大学/Department of Computer Science/准教授 Victor Pestoff Daniela Jopp 研究代表者 人間科学研究科/教授 パリ第10大学/西ナンテール/哲学科/ 教授 檜垣 立哉 Anne Sauvagnargues 患者・市民の参加による医学研究のガバナンス構築のための基盤づくり 研究代表者 医学系研究科/教授 加藤 和人 オックス フォ ード 大 学 / Centre for Health, Law and Emerging Technol招へい研究者 ogies (HeLEX), Nuffield Department of Population Health/所長 Jane Kaye ファンクショナル・フォトニクス:ナノ光機能の探索と学術展開 井上 克郎 Daniel Morales German 大規模神経活動計測技術と計算論的手法の融合によるアクティブビジョンの神経機構の 解明 研究代表者 生命機能研究科/教授 藤田 一郎 ユーリッヒ総合研究機構/神経科学医学研 (INM-6) /副所長 招へい研究者 究所 アーヘン工科大学/教授 Sonja Grün トランスポーター制御による細菌恒常性維持機構の解明と新規治療戦略の開発 研究代表者 産業科学研究所/准教授 西野 邦彦 香港大学/School of Biological Sci招へい研究者 ences/Assistant Professor Aixin Yan モデル細胞による効率的水素生産に向けた光合成エネルギー変換システムの構造基盤解明 ルール大学ボーフム/Faculty for Biol招へい研究者 ogy and Biotechnology/教授 Hideya Koshino Christophe Copéret ソフトウェアライセンスの履歴分析技術の共同開発 研究代表者 情報科学研究科/教授 苧阪 満里子 人文科学における日仏研究交流拠点の形成─思想・教育・臨床を中心として─ 招へい研究者 個々の原子の元素同定法の開発 研究代表者 工学研究科/准教授 フォ ーダム大学/Department of Psychology/准教授 研究代表者 工学研究科/教授 河田 聡 モロッコ先端科学イノベーション研究機関 招へい研究者 (MAScIR)/The Optics & Photonics Center/センター長 Sekkat Zouheir 有機半導体材料の特異的電子機能発現と本質的特性評価法による機能追求 研究代表者 工学研究科/教授 関 修平 ワシントン大学/Department of Chem招へい研究者 ical Engineering/教授 Samson A. Jenekhe アジア太平洋地域の平和と安定:国際行動規範形成のための重層的分析 研究代表者 言語文化研究科/教授 功績: 「有機合成化学に関する教育研究業績」 吉森 保 ナント中央理工科大学/流体・エネルギー・ 大気環境研究所/教授・所長 研究代表者 蛋白質研究所/教授 協定概要 23 大学院工学研究科・教授 招へい研究者 フリードリヒ・ミーシャー研究所/所長 浅田 稔 フランス国立科学研究センターエコールポ 招へい研究者 リテクニーク/レーザ ー 中 央 研 究 施 設 (LULI)/研究ディレクター 招へい研究者 福住 俊一 カリフォルニア工科大学/Division of Biology/教授 研究代表者 工学研究科/教授 招へい研究者 原田 明 Sven Kreiborg 研究代表者 蛋白質研究所/教授 光・量子ビーム技術による高エネルギー密度物質探査に関する日仏連携研究 招へい研究者 科学 光量子科学研究拠点形成 進 大学院情報科学研究科・教授 村上 秀明 海洋再生可能エネルギーの吸収効率向上と装置の実用化に関する総合工学的研究 の中で掲げる 「柔軟な人事制度の構築」を具現化する新 難波 啓一 Karri Tapani Silventoinen ゲノム不安定化を抑制するエピゲノム、染色体ダイナミックスの分子メカニズム 他者の中に自己をみつけるロボット─同調・脱同調 に応じた意識ダイナミクスの構成 論的理解─ 研究代表者 工学研究科/教授 功績: 「制御性T細胞による免疫応答制御に関する教育研究業績」 早川 和生 口腔顎顔面の発育発達様式の解明 トップ10 に入る研究型総合大学を目指し、大学改革を 積極的に推進しています。その一つの方策として、 「大阪 長峯 健太郎 Isaac Shlosman 高齢双生児レジストリを用いた遺伝と環境要因が健康に及ぼす影響の国際比較研究 ∼健康長寿社会構築のエビデンス形成∼ 研究代表者 工学研究科/教授 大阪大学は、2031 年に創立100 周年を迎え、世界の 研究者によるセミナーや講義への参加を通して、今後 の本学のグローバル化を推進する上で中心的な役割 平成25年度採択プログラム/15件 宇宙論的視点で追う巨大ブラックホールの生成と進化 大学院基礎工学研究科・教授 ボ) 設立の第一陣と位置付けられるとともに、招へい を担っていくことになります。 功績: 「自然免疫に関する教育研究業績」 ポートすることにより、本学の国際的競争力のある世界的拠点 年4 月に創設しました。 究者との共同研究を支援するプログラムです。 栗栖 源嗣 フィンランド国際問題研究所/グローバル 安全保障リサーチプログラム/上級リサー チフェロー ジョージメイソン大学/公共国際関係/ 招へい研究者 Clarence Robinson Professorof International Studies ノースウェスタン大学/歴史学部/教授 ヨーロッパ日本研究所/所長 Thomas Happe 杉田 米行 Bart Gaens John Pade Laura Hein Marie Söderberg 不妊関連遺伝子のノックアウトマウス作製とその機能解析 研究代表者 微生物病研究所/教授 招へい研究者 ベイラー医科大学/病理免疫学教室/教授 伊川 正人 Martin M. Matzuk 2013-2014 Osaka University News Letter 24 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 う理念のもと、創立100 周年を迎える2031 年に 「世界適塾」 と となることを目指すため、 「大阪大学特別教授制度」 を平成25 先端の研究を展開している外国人研究者と本学の研 最先端の研究を展開している外国人研究者と 大阪大学の研究者との共同研究を支援 して世界トップ10 に入ることを目指しています。 を担う教授に対し、その貢献を讃えるとともに、その活動をサ 究力の強化及びグローバル化の促進を行うために、最 本プログラムは、国際共同研究室(国際ジョイントラ 大阪大学は、学問を介して 「調和ある多様性」 を創造するとい その一つの方策として、卓越した業績を有し、先導的な役割 大阪大学の未来戦略の一環として、本学における研 国際共同研究促進 プログラム 2013年9月発行 大阪大学ニューズレター61号 掲載 「先端人」総長と若手研究者との対話 より Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 自然から学ぶ マテリアル研究の 可能性に挑む Materials Science 写真左から森准教授、平野総長、中野教授 「骨」 にかわる素材から 太陽光をエネルギーにかえる 「触媒開発」 まで 中野 材料工学アプローチで 骨にかわる材料開発 マテリアル系の研究は、大阪大学における代 平野 私 表的研究分野の一つ。 対話 中野貴由教授は、材料工学的手法を駆使して 人工関節など骨の代替材料を開発するなど、医 療分野にも貢献。原点である材料工学研究の進 展にも大きく寄与したとして2012 年、日本学 術振興会賞を受賞した。 森浩亮准教授は、環境調和型エコマテリアル の分野で、太陽光を化学的エネルギーに変換す る光触媒開発を初めとする各種触媒技術の最 光 人 二 。 中野先生 中野 私 現在 研究 簡単 言 基 材料 開発 。社会基盤 支 金属 方性(性質 今回は、平野俊夫総長が 「かえる」 「かわる」 を 示 、 一般 立方体構造 方向 異 平野 。 骨 興味 持 」 研究 、異方 性 非常 重要 体 見出 機能 代替 、大変飛躍 学 、骨自 人工関節 。 平野 航空機 素材 中野 実際、骨 。同 材料」 研究 魅 使用 合 骨 。 治療 金属材料 、生命科学 貢献 分野 多 材料工 考 。骨 等 ) 。一方 自然界 構成物 極 方向 高 異 特徴 、 骨強度発現のメカニズムを知る 、鉄 材料 組 「力 支 骨 787 搭 、耐熱材 「 。 主体 異方性 共通項 持 等方的 材料研究 載 機能 発揮 。 、骨 。 金属材料研究 高 、 、異方性材料 可能性 興味 研究 。 代替材料 骨微細構造 極 必要 主 、JAL 金属材料研究 没頭 、 自身 研究内 説明 携 、新規 機能 創出 楽 容 中野 常識的 利用 必要 方向 特定方向 研究者 、今回 研究 受賞している。 どについて語り合った。 材料科学分野 思 先端研究に取り組み、触媒学会の奨励賞などを キーワードにマテリアル研究の可能性や魅力な 、異方性 。等方性 材料 変形 骨組織(自然界の構成物) の持つ異方性 骨組織 強 異方性 (性質 )示 。 、私 、生体内 等方性 高 材料 必 工学研究科・マテリアル生産科学専攻 教授 中野貴由 Takayoshi Nakano 使 必要 料 考 。代替材 生体機能 発揮 、自然 界 異方性 活用 工学研究科・マテリアル生産科学専攻 准教授 性 材料科学 極 森 浩亮 最初 Kohsuke Mori 究 大阪大学総長 平野俊夫 Toshio Hirano 考 、異方 思 中 、高 異方性 持 10% 存在 造 。 航空宇宙材料 研 決 見 六角柱 、材料特性 、私 研究 魅了 平野 全体 25 Osaka University News Letter 2013-2014 材料 特徴 全 構 。 10% 構造 変 。 金属と自然界の構成物をみると、異方性(方向によって性質が異なること) が大きく異なり、 自然界の構造物は、異方性が高く、一定の方向に機能を発揮する。 2013-2014 Osaka University News Letter 26 先端人 総長 × 若手研究者 ▶自然から学ぶマテリアル研究の可能性に挑む 骨再生部での骨力学機能の回復過程 有機 ─ 無機 ハイブリッド光触媒の開発 、 生体骨 長期 振 舞 骨 「なぜ」 という疑問から研究者に 、維持 人工材料 作 考 。 平野 平野 、同 自身 森 系 研究 計・開発 行 岡山出身 、鉄鋼材料大手 。 、触媒材料 設 材料研究 無限 。 触媒 下 」 言 力持 的 重要 存在 技術 、環境 資源 9割 、 成分 ( 中野 骨 学 線維 子 質) 強度 発揮 ( ) 。 強度 骨 、材料工学 原子 骨 見 再生時 、骨 微細 骨 人工光合成型 。 六角柱状 構造 持 知 規則的 並 荷重 対 、 配向性 異 構造 構造 一定 荷重 胞 細 配向性 柔軟 変化 考 。研究室 珍 、工学研究科 動物飼養施設 完備 、生体内 骨配向化 原理原則 挑戦 平野 明 。 研究 生命科学 分野 、 、波及効果 材料工学 結 。 Osaka University News Letter 2013-2014 大 森 地球上 ●中野貴由 (なかの たかよし) 1990年、大阪大学工学部・金属材料工学科 卒業。92年大阪大学工学研究科・金属材料工 学専攻を修了。同年、工学部材料物性工学科・ 助手、99年工学研究科・講師、01年工学研究 科・助教授、05年同科・マテリアル生産科学専 攻・助教授、07年同科・マテリアル生産科学専 攻・准教授。08年から同教授。工学研究科附 属構造・機能先進材料デザイン教育・研究セン ター・教授、臨床医工学融合研究教育センター・ 教授も兼任。生体・再生・疾患硬組織の結晶学 的評価法、アパタイト配向化機構の解明に関す る研究や、生体用金属材料の開発と骨基質制 御など 「異方性の材料科学」をキーワードに取 り組んでいる。 問題 国 研究 物質) 思 、金属錯体 基盤 持 光触媒 無機材 開発 。 白金より高活性な触媒を開発 平野 触媒 、自動車 用 。 排気 処理 物体 飛行機 安価 思 滑走路 着陸 使 温度 上 強度 下 持 、 義 、材料 強度 上 講 材料 。 高価 白金 触媒 鉄 用 銅、 元素戦略的 。日本 資源 特 重要 研究 実用化 。 豊富 存在 安価 、 銅触媒 、白金 。 触媒 。 機能 性 信頼性 求 。 開発 、 平野 「 。 、実用化 目指 十数年 安全 課題 」 疑問 、 。 排 必要 、 」 不思議 思 、材料研究 世界 引 込 実用化 時々刻々 変化 処理 続 知「 地球上 仕掛 高 活性 示 成功 温度 処理触媒 。 森 白金触媒 比 。 、材料 PM(粒子状 用排 取 組 姿 目 世界 興味 持 低燃費 発生 国 組成 空 飛 取 、窒素酸化物 、最近中 平野 ●森 浩亮 (もり こうすけ) 1999年大阪大学基礎工学部・化学工学科卒 業。00年大阪大学基礎工学研究科・化学系専 攻修了。03年大阪大学基礎工学研究科・物質 創成専攻修了。04年カリフォルニア大学バーク レー校博士研究員。 05年同科・物質創成専攻・ 特任助手、05年工学研究科・マテリアル生産 科学専攻・助手、07年同専攻・助教。09年同 専攻・講師、11年から同専攻・准教授。太陽光 で駆動する光機能材料の開発とエネルギー変 換反応への利用や、金属ナノクラスター触媒の 設計とグリーンケミストリーへの応用、複数機 能を有する多機能集積型エコ触媒の創成など に取り組んでいる。 、伊丹空港 変換 飛来 問題 乏 分野 基盤 根源 開発 重 。 、私 、 世界中 、有機材料 有機材料 多孔質 特徴 併 処理触媒 研究 進 一方 。私 、材料 主流 排 特徴 降 注 太陽 研究者 取 組 勉強 。 時代 、脱貴金属 検討 汎用金属 代替 無機材料、 料 来 用 変換 貴金属 非常 希少 、世界的 確保 難 教 。光触媒 開発 達成 ・ 高価 現状 無尽蔵 世界 。 白金・ 。一方、 。 材料 構造 持 排出 、触媒 用 効率 高 、 、有用 化学 。私 、骨 無害 二酸化炭素 水 分解 。 、排気 。 部位毎 、優 見出 用三元触媒 使用 中 炭化水素・一酸化炭素・窒素酸化物 、 、人類 平野 光触媒 力学的 強 骨 、荷重 異 、 主流 要 研究課題 地球規模 成果 一定方向 構造 森 日本 。極 直面 。骨 、六角柱 線維状 開発 供給量 発展 大 近距離 、人類 必要 解決 異方性結晶 製造 光触媒 、実用化 航空機 使 一部 新 夢 、航空宇宙材料 3.0×10 J/年 、人類 消 20 費量 5.5×10 J/年。 計算上 地 球上 降 注 太陽 約 0.02% 有効利用 様 場面 使 地球表面 広 阪大 、網 、太陽 24 。 少 具体的 説明 、 水素 。太陽 賄 方 非常 重要 中野 私 、 27 考 。 平野 思 人工関節 駆動 、水 模 配向性 (骨質) 強 並 。 仕組 、 得意 、例 支配 材料 行 、骨 微細構造 原 材料 代替材料 実現 。例 密度 (骨密度) 決 信 倣 。実際触媒 。私 研究 、 知 無機材料から、あるいは有機材料からのアプローチで進められていた触媒 研究をハイブリット (混合) することで、今までにない触媒の力を見出だす。 分野、化成品 製造、医薬・農薬分野 用 形状記憶 分野 、縁 川 身近 当時、超伝導材料 新材料 感 。触媒 、表舞台 出 ) 合金 、 「化学反応 骨再生過程における、ヤング率(材料の強さの指標)の変化に対応するアパ タイト配向性と骨密度の関係。配向性は骨密度に遅れて再生が進み、ヤン グ率の大部分は配向性によって決定され、骨密度の貢献は小さい。 JFE 崎製鉄 (現在 。 一貫 。 中野 私 森先生、 説明 学生時代 教 新たなブレークスルーへ! 太陽光を化学エネルギーに 変換する光触媒 二人 現在 研究 始 中野 程度 説明 、原理原則 統一的 理解 強 感 材料 一 組織 持 残 。 、当時研究 、層状 並 非常 。私 昔 2013-2014 Osaka University News Letter 28 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 構造 学 、 総長 × 若手研究者 ▶自然から学ぶマテリアル研究の可能性に挑む 先端人 、人工的 作 留 。 付与 、可視光応答性 重要 課題 一 、 合 世界 状況 。 平野 自然 思 、 素晴 仕組 、 驚 現象 、耐久性 原因 時 日曜大工 夢中 好 。当時 学 研究室 地味 存在 我々 生活 支 、奥 頃 中野先生 感 可能性 中野 思 境界 。 融合 、新 。同様 世 材料 分析技術 。体 中 行 微鏡 大型放射光施設 SPring-8 配列 柔軟 、素晴 登場 交換能 、触媒材料 考 。既存 全 優 生時代 至 平野 光触媒 製造 夢 反応 言 、30 発現 場合 解明 、研究 人工光合成 紹介 。 100% 効率 植物 光合成 29 Osaka University News Letter 2013-2014 。 」 「森 見 木 」 。複眼 深 掘 下 。私 芥川賞作家・開 急 」 言葉 座右 落 着 走 、慌 本質 見失 心 余裕 持 、 自然界で行われている光合成は、ほぼ100%の変換効率を達成しているが、人工的に 光合成を実践しようとしても、現時点でのその効率は自然界にはるかに及ばない。 言 平野 聞 材料科学 配向化 知 、 生命科学 。従来 等方性 野球 「3 割 例 学問 構築 、 3割 糧 医療 加 少 発表 意味 研究 思 取 組 。質 医療 」 「 。 医者 、骨密度 「配向性医療」 「 貢献 」 嬉 平野 今回 、 、 「 私自身 。私 、未来型 。失敗実 分野 応用 異方性 系 」 。 研究者 二人 話 。 ─平野総長 対話をおえて─ 物事 考 研究・教育 光触媒を利用した人工光合成 期待 夢と可能性にあふれるマテリアル研究で未来へ 学生 言 。 研究 地球 問題解決 重要 言 両立 念頭 。 作 出 、自分 醍醐味、 、 「木 森 見 思 、 重要 実験 研究者 光触媒 研 、異方性 恩師 」 割合 材料 提供 。触媒 中野 生体組織 光陰軽 」 新 。 関与 予想以 。 」 続 、 、十分 水素 出 必要 、 、知的好奇心 操 自然界の光合成 効率 向上 新機能 感 銘 私 触 足 合 高健 「悠々 分野 ∼50 年後 実現 光触媒 持 、単 結果 示 必要 。 。原理 長所 併 開発 的 全体像 見渡 。 水 水素 発生 媒 見 水分解 研究 無機材料 。 普段 学 、光触媒 用 素 変化 中野 「木 見 森 見 。 非常 競争 激 。何 最 難 、有機材料 。研究哲学 経験 興奮 、研究者 原点 。 平野 研究 失敗 多 、 、最終的 市販 思 例 手探 完成 、当時 記録 薬品会社 触媒設 大事。 、 。 。 森 験 多 、理論 基 、 没頭 。 「急 」「 。 計 可能 結果 出始 触媒 原子 走 少年老 易 学成 難 、一寸 活用 「悠々として急げ」 「3 割バッターに」 利用 使 、1 年後 、 電子顕 規模 急 何 考 研究 究 良 。完結 、 。 集中力 持 多 、例 見 理解 面白 触 吸着性 巧 、 上 生体 。 部分 発達 観測 複合化 研究 、先 話 試行錯誤 、今 刻々 変化 原子 魅了 局所構造 触媒活性 向上 配向性 学術 生 変化 。 変化 時間 自分 何 、触 最近 。 可能性 、両 技術 合 、荷重 可能 平野 生体骨 形状 大 。特 著 視点 無 場所 限 必要 元素 組 同素変態 。 応用・反映 思 、 。 森 無限 媒活性 人 原子 構造 変 、別 、人工物 自然 研究者 、 研究 一般的 話 研究 面白 部分 。 思 応 森先生 、 生命科学分野 異方性 意識 研究 、資源問題 平和 貢献 思 紛争 紛争 科学者 特 金属 。地球上 「資源 巡 紛争」 前者 原因 。自然 仕組 合 未開拓 、 森 世界 構成物 実感 使 試 媒材料 深 思 取 組 触媒材料 非常 出会 、 仕組 大変 、材料学 中野 。大 触媒研究 魅力的 研究対象 。 作 実際 。 材料設計 宗教 巡 多 中 一 場合、無機材 有効 人種 重 人工関節 引 出 骨 ブレンドによる可能性は無限 作 思 配属 問題 。 、 漠然 、 職業 就 劣 料 利用 、 、骨 触 研究 。実用化 視野 。 小さい時からもの作りに関心 森 私 小 酵素類似 、自然 模倣 材料探索 話 、元素戦略的 新 。 性 生物学的 基 夢 森 私 取 組 限界 特性 近 媒 作 知 、研究 没頭 、原理原則 。 森 規則性 欠陥構造 人工的 構 平野 最後 、究極 可能性 無限 経験則 平野 骨 光合成 元素 80 数種類 、 。 要 試 機能 。金属組織 規則性 金属元素 組 研究者 試行錯誤 築 意味 、100 種類以上 界 。活性 向上 美 数% 光触媒 、常 自分 阪大の原点は1838年に開設された 適塾で、2013年は適塾創設175周年に あたります。今回の先端人「総長と若手 研究者との対話」のキーワードは、 「かえ る」 「かわる」でした。大阪大学も未来に 向けて、今まさに変わろうとしています。 2031年の創立100周年に向けて、ぜひ 世界10指に位置する大学として大きく 発展させていきたい。 本日うかがった研究も、未来への夢と 可能性にあふれていました。このような 先生方に頑張っていただくことで、間違 いなく大阪大学の未来は拓けると確信 しました。お二人には自分たちの夢をぜ ひ実現させてほしいと思います。私も世 界10指の夢を実現させるために頑張り ます。 。 。研究者 30∼40 年。興味 広 果 人生 、 2013-2014 Osaka University News Letter 30 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 対 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 「先端人」総長と若手研究者との対話 より インドネシアおよびバリ島の位置 Ⅰ 世界をリードする研究 ことばが Baliaga Home Area Denpasar 文化、 社会、時代を 「伝える」 Bali Ⅰ 世界をリードする研究 日本人には観光地として名高いバリ島のうち、赤の 部分が山地方言話者が優勢を占める地域で、その他 は平地方言話者が優勢を占める地域。山地方言話者 は少数派であることがわかる。 Mataram 出典:JOSHUA PROJECT (http://www.joshuaproject.net/people-profile.php) 。 語 在 呼 。 「 方言 指 、 「 言語 方言 混 文化、社会状況など実にさまざま。言語文化研究科は、このように 「伝 言語社会専攻 アジアⅡ講座 越 える」 力をもったことばの世界を探究し、人々の暮らしや芸術、文化な 原 真由子 どにアプローチしている。 言語文化研究科 准教授 今回は、平野俊夫総長が箕面キャンパスにある言語文化研究科を 言語文化専攻 言語文化教育論講座 訪ね、 「バリ」 「大阪」 をフィールドとしてユニークな研究を進める2 人 村上 スミス アンドリュー 使 現 人 観点 見 Osaka 平野 今回 、言語文化研究科 生方 、 若手 先 私 原先生 、 語 、多 島 語 「 社会言語学的動態 民族 多 島 記述」 。 語 、 語 混在 。 。 語 、 、両者 。 言 幼 機会 多 都市部 住 若者 語 。会話 。 影響 常的 接 、最近 間 、 方 使 中 両言語 語 出現 混 合 混在 比較 。 両言語 日常的 話 話者 使 都市部 話者。彼 語 干渉 受 3 話者 会 話 収集 、詳細 記述 、 、 通 語 主 話 目 山地方言 。 。 、 大多数 語 日常 混在 違 原 話 言語 話 母語 、 研究分野 。 日本語 願 主 研究 私 平野 両言語 通 紹介 。 使 分 解明 研究 取 組 見 原 語 少 考 紹介 、 平地方言 、言語文化研究 思 。次 若者世代。3 バリに共存する3型の話者 話者数 方言 先 語 混 写真左から村上准教授、平野総長、原准教授 多数 、平地 人 。 混在 人 。山地方言 、 Toshio Hirano 頻繁 語 平地方言 山地方 。 大阪大学総長 平野俊夫 、 言 分 方言 、 会話 中 混 。 Andrew Murakami-Smith 領域、 領域 、一 Mayuko Hara 中 、 Osaka University News Letter 2013-2014 合 語 主 使 語 主 使 国語 31 混在」 、複数 。 原 景をもつ人々に 「伝える」 ことの大切さについて意見を交えた。 、社会言語学 混在 、普通 起 言語文化研究科 准教授 性の変化や、地域に根付いた文化の豊穣さについて、さらに多様な背 混 。 平野 ことばが 「伝える」 ものは、喜怒哀楽や情報だけでなく、背後にある と語り合った。ことばの研究を通じて浮かび上がってくる人間の関係 」 言語 象 バリ島と大阪、フィールドワークを通じ 共通する言語の多様性を見る 語 日 分布 機能 違 研究 行 、 。 敬語のない言語が持つ役割 平野 研究 原 、 。 混在 機能 仮説 提案 。 敬語機能 社会 、 話 語 、 一 。 、 島 敬語体系 2013-2014 Osaka University News Letter 、 32 総長 × 若手研究者 ▶ことばが文化、社会、時代を「伝える」 先端人 場合、 敬語表現 使 平民層 、変化 民層 敬語 使 、 行 過 行 過 、 混在 、敬語 考 語 、日本人 間 、意図的 英語 使 日本語 対 呼 、英語 基 自分 相手 語 決 身分 比 敬語体系 状況 適応 、 、 近代社会、新 。会社 以外 、異 身分 決定 役職 要素 出 。 中 、互 意 示 合 、 、敬語使用 敬 。 。貴族 平民層 互 大人 、 ●原 真由子 (はら まゆこ) 04年東京外国語大学地域文化研究科単位取 得満期退学。05年大阪外国語大学講師。07年 大阪大学世界言語研究センター講師。08年博 士(学術) (東京外国語大学)。10年から大阪大 学世界言語研究センター准教授。13年に大阪 大学総長顕彰受賞。バリ語とインドネシア語の コード混在コーパス構築と社会言語学的動態 の記述の研究を進める。 語 話 文化 、 教 。3 学生 教 選択肢 最高司祭 大阪出身 敬 関 阪弁 問題 苦手 、 場 、大阪人 面白 廃 文章 学生 紹介 、 、漫画 身 、 。大阪 作家 学生 翻訳 関係 翻訳 取 短編 、 。大阪出 上司小剣、宇野浩二、梶井基 次郎、織田作之助 、大 、翻訳 文章 英訳、和訳 。講義以外 英語 。 。 「翻訳 理論 実践」 講義 文学以外 組 人 話 伝統的 要素 今 発音 、大学院 活 主 担当 、英語 翻訳、英語 大阪文化 。 。 。 一 連動 、共通教育 学生 意見 主張 、相 努力 村上 見 。 分野 切 替 、3 者 言語 、大阪出身 。 方向 研究 、 好 、国際 気 原 近現代 日本文学研究。次 大阪・関西 翻訳 。 得意 和 ことばと文化へアプローチ 、 3 中 文法 、 研 思 自分 光景 見 尊重 合 。 動 行 」 。 村上先生 、 人 授業 、英語 下手 責任 担 、冗談 言 、 、 村上 私 大切 、 。 手 気遣 、場 。教育 関 使 平野 確 置 似 感 。 、次 、 特徴 。東京 大阪 比 、相手 多様性 認 人々 互 村上 私 研究 英語 。 柔軟 話 方 違 、標準 融合 創造 取 組 紹介 。 、敬語 語 使 特定 場合 。例 。 、 語 使 、 敬 合 話 習得 可能性 平野 「 敬語 。 若者 、敬語 。今後、若者 原 語 対 切 替 進 敬語 大人 背景 複雑化 。 。 。若者 話 合 変化 現 平野 敬語 使用 原 原 究 語 納得 思考 。 語 敬語 体 関係 似 大学 、学問 介 、知 。世代 代 語 」 合 寛大 名前 ? 持 感 方 違 社会 階層同士 対等 商取引 増 込 バリ語と日本語の共通点 村上 。今 共和国 、敬 。一方、 親 。村上先生 、 印象 語 使 語 使 辺 。近代 場面 平野 「伝 相手 捨 関係 似 面 、 念頭 本題 入 前 余分 。日本 方言 変化 確 。 敬語 使 、会話 楽 、 敬語体系 取 入 原 、敬語 使 。 失礼 当 、 敬語 用 機能 果 。 平野 確 敬語 系 語 、 「 方 多 大阪的 部分 多々 。 。東北地方 引 戻 見 。 思 村上 日本語 言語 使 、標準語的 要素 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 。敬語 。 相手 抵抗 語 使 」考 語 若者 、 。彼 使 推測 、 。 。 敬語 使 変化 感 。 、 語 使 、貴族層 平 作品 英語 日本文学 教 谷崎潤一郎 扱 ●村上 スミス アンドリュー 1989年クレアモント マッケンナー大学卒業 97年プリンストン大学大学院東洋学研究科修 了。博士(東洋学) (プリンストン大学) 。日本の 法律事務所・特許事務所などで翻訳業務につ いたのち、00年大阪大学言語文化部講師。04 年言語文化部助教授。05年言語文化研究科助 教授。07年から言語文化研究科准教授。13年 上司小剣「鱧の皮」の英訳でシカゴ大学主催の William F. Sibley記念翻訳賞受賞。近現代の 日本文学研究、大阪の言葉研究、翻訳などを通 じ、留学生にむけて 「大阪」 に焦点を当てた講義 なども実施している。 。留 、 。 『 吉野葛』『細 互いに干渉しあう バリ島民の言語体系 インドネシア語 優勢話者 最近増加傾向 干渉 干渉 バリ語 平地方言優勢話者 大多数を占める 干渉 バリ語 山地方言 優勢話者 コード混在の実態を調べると、コード 混在には「敬語的機能『距離調整機 能』 がある」 という解釈が可能 なぜバリ人の会話でバリ語とインドネシア語の混在が起き るのか。理由の1つは、社会の変化に伴い身分階層が複雑に なっている中で、基本的に出自階層に基づくバリ語の敬語使 用を「拡張」させているため、と考えられる。敬語体系をもた ないインドネシア語を混在させることが、話者間の上下関係 を調整する新たな敬語機能を担っているのではないだろうか。 33 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 34 先端人 総長 × 若手研究者 ▶ことばが文化、社会、時代を「伝える」 営業成績 伸 平野 「大阪的」 。何 根 村上 文学、 、日本人 、漫才 頭 議論 期間、 。 「大阪人」 、意図的 大阪 ﹁伝える﹂ためには、 相手の多様性を認め合う 寛大さや思考の柔軟さが大切です│ 一緒 。 読 作之助 『木 作品 学生 、村上春樹 考察 意味 考 阪 緑 少 『木 、関西出身 語 緑豊 、 。 『一本 東京本社 大阪 。 村上 村上春樹 食 、 物 出 平野 描写 話 。 意味 変 。 行 』 、意図的 前 大阪 表現 営業社員 、 。大阪弁 学習 空回 、半年経 、 「 思 違 準語 借用 。実際 後、 敬語体系 必要 思 大阪弁 漫才 知度 高 通 茹 、 平野 今、道頓堀 行 見 道頓堀 川面 姿 平野 時 代 面 阪」 見 村上 。私 感 超 、川 訳 上 1914 年、大正時 映 灯 様子 地域 根本原 。 、 多言語社会 研究 知 。頑張 研究成果 発表 通 (笑) 。 、間接的 発信 面 留学生 思 「日本 = 東京」 思 自国 帰 海外 。 、留学生 日本 変 広 、 思 。 、翻訳作 品 出版 通 、大阪 描 。読者 「大 思 読 広 、大阪 、大阪 受 入 多様性 寛大 文化 理解 。 、中場利一 「岸 和田少年愚連隊」 舞台、岸和田 行 小説 登場 良」 姿 見 感動 、 位置 研究内 研究 、同 、同 、 。原先生 多言語 話 則 。 。 、 、研究 」思 、 上 、標 戦 研究 、国際的 村上 言語教育 場所 行 町 司小剣 「鱧 皮」 中 、 影響 、全国的 認 。 二人 。特 、 。建物 人 変 。 。 、他地域 作品 出 。例 代 二人 発見 研究 大阪 当 」 感 東北弁 大阪支社 転勤 、契約 取 馴染 意識 面白 原 確 数回 。 村上 私 。 切 替 。 。年 。 、 「同 大阪 、大阪人 、大 、自分 期間、滞在 自分 訳 思 話 阪弁 自分 多言 平野 村上先生 、大阪人 多々 中 、 二人 容 、世界 2∼3 週間 行 。 日本人 、場面 。 。 考察 、 原 。私 、 関連 平野 社会言語学的 研究 平野 話 、 答 蓄積 本当 楽 人々 受 継 留学生を通じた発信にも 実際、 。 行 人 緊張 会話 収録 、 分 関西弁 村上 一 考 伝統 今 。 特別 平野 本日 、興味深 話 伺 。言語文化研究 時 「伝統的 不 広 。卒業式 日 制服 着 。 中場利一 昭和 40 年代 舞台 小説 書 考 機会 楽 分野 国際戦略 。 研究 。 二人 今後 。 活躍 期待 。 説明 、議論 。最近 、中場利一 多様性のある人が混じり合える ─平野総長 対話をおえて─ 』 一部英訳 、学 読 品 、映画 関係 関西的 『岸和田 生 筋 。 余地 、 東北 、 。 語社会 歴史的 要因 。逆 、漫画作品 郷田 若 立 、私 中 フィールドワークの喜び 、事細 。 関西 、 、村上作品 食 、私 子供 」語 前面 打 出 、 見 。 言 缶 。 。何 寺町 取 上 、 「大 。標準語 話 作品 中 、関西 異 中 、上町 都』 付 、大阪 大阪らしさ、関西らしさ 平野 村上春樹 作品 時代 緑 思 出 。彼 関西出身 作品 関係 台地 。織田 都』 。 島 行 壊 、関西 舞台 話 大阪人のアイデンティティ 。 、当時 行 行 前 、 。 違 。 憂鬱 原 私 大阪出身 考 村上 作品 中 感 原 、 平野 関西人 、関西弁 平野 雪』 『 卍』 顔 」 「実 」 。 「大阪人」 留学生 、 「大阪 。 大阪に関するさまざまな書籍 、 、実 大阪人 一人、東京 顧客 受 、取引 場 、 際 触 太 固 。 大阪 滞在 、 。 作家 有名 作 『岸和田少年愚連隊』 文学作品 。庶民的 一面 大阪 、娯楽小説 思 。 理科系出身の私も、今日はことばや 文化をめぐって興味深いお話を聞か せていただきました。原先生は広く多 言語社会の考察、分析につながる取り 組みを進めておられ、その研究内容を 英語、さらにインドネシア語の発表を 通じて、海外にも発信していらっしゃ 35 Osaka University News Letter 2013-2014 います。また村上先生は、言語教育や 翻訳活動を通じて日本文化の多様性、 特にステレオタイプだけではなく、他 の文化も受け入れる大阪の寛大さを 国際的にアピールされています。ひる がえって大学ということを考えると、 大学は人類共通の言語である 「学問」 を展開している場所。私は学問を介す れば、バックグラウンドの異なる人々 が共通に話し合え、多様性のある人が 混じり合えると信じています。 大阪大学も総合大学のよさを生か して、さまざまな学問分野の共存、融 合に取り組んでいきたいと思います。 2013-2014 Osaka University News Letter 36 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 、授業 男 影響 中 大阪人 定 。 営業 来 同僚 好業績 上 。 Ⅰ 世界をリードする研究 阪大病院ハートセンターでは内科と外科が緊密に連携 大阪大学は、1838 年に緒方洪庵が開いた適塾が原点。蘭学者だった緒方洪庵 は天然痘の治療などに貢献し、日本における近代西洋医学の先駆者の一人とい われ、 「人のため、世のため、道のため」 という精神は、現在の大阪大学の医学・医 療に受け継がれている。 今回は平野俊夫総長と、医学部附属病院に設置されているハートセンターで 最先端の医療に携わる、循環器内科の坂田泰史教授、心臓血管外科の戸田宏一 准教授が、重症心臓病に対する治療や研究などの取り組み、阪大病院が全国の重 症心臓疾患治療の拠点として日々活動する姿、患者さんの命と向き合う熱い思い などについて語り合った。 阪大病院における臨床経験の一例 ハートセンター (2007-) 循環器内科 心臓血管外科 。心臓外科 先生 呼 、当時注目 経皮的心肺補助装置 (PCPS) 始 処置 血圧 維持 取 除 、患者 、肺動脈 腫瘍 160 人 肺 転移 症例 亡 、 半年間生 、患者 会 幼 。 。 教 坂田 先 約3 分 全国 。 彼 、私 。今日 最新 13 歳 男 子 症例 、移植 参 人工心臓 埋 200 例以上実施 最 多 補助人工心臓 持 。 砦」 日進月歩 、日本人 聞 理由 教 日本全国 患者 一 認定施設 病院 。 、治療 困難 多 受 入 思 方 変 。 。 、理由 。 治療 、心臓移植 機能 代行 、日本 治療 50 例超 移植 状況 続 平野 阪大病院 重症心不全 治療 坂田 心臓移植 1999 年以降、 1 「最後の砦」 としてチーム医療を重視 、日本 「最後 実 年間 500 例以上 。 日 多 重症心臓病 対 慢性的 足 。 話 。我々 再開 実施 込 取 組 医師 約 責務 心臓手術 、心臓移植 心不全の研究や人工心臓に取り組む 研究 施 娘 強 思 治療 入局 関連病院 若 、年間平均 6 人 医局 教育 治療 感銘 受 、人工心臓 医療 取 組 。 新人 患者 半年後 。現在、全国 阪大・心臓血管外科出身 救命 。残念 平野 現在 性 考 病院 思 、何 者 、内科的 少 見 治療 余地 。 「最後 砦」 、患者 人工心臓 機械 、自分 心臓 生 心臓 頼 懸命 見逃 患 表現 移植 最後 意味 含 低侵襲カテーテル治療 心不全治療 成人心疾患・心不全 不整脈治療 先天性心疾患 冠動脈治療 大血管治療 医学系研究科医学専攻内科学講座 教授 医学部附属病院循環器内科 科長 坂田泰史 13歳男性 拡張型心筋症 強い呼吸困難感 心臓移植 長期 待機期間 補助人工心臓 Yasushi Sakata 医学系研究科医学専攻外科学講座 准教授 医学部附属病院心臓血管外科 副科長 状態悪化 戸田宏一 Koichi Toda 大阪大学総長 平野俊夫 Toshio Hirano 写真左から戸田准教授、平野総長、坂田教授 自身の治療体験から医療を志した 平野 今回 、心臓病治療 二人 。坂田先生 重症心臓病 内科的治療 。 外科的治療 二人 、心臓 坂田 私 生 。現在 、両親 大変 苦労 医師 思 37 心臓 携 。 悪 、2 歳 時 先生 運命的 出会 、小 。 。13 歳 思 、 入学 Osaka University News Letter 2013-2014 何 考 続 今 心 持 肺 男 子 拡 、心不全 、最後 必 学研究 医療 道 選 、 先生 心停止 。 研 大 問題 骨盤腫瘍 手術中、急 患者 肺 飛 段階 治療 置 能 代行 同 、最近 今 段階 合 研究 続 戸田 心臓血管外科 回 使用 行 低侵襲 治療 、例 患者 手術 。 機 外科手術 。手術 耐 方向 分 、心臓 。 大動脈弁膜症 。 、三 中 。超高齢社会 、 心臓 体内 。 。 速 1 万回転近 心不全 時期 解明 病気 人 多 埋 込 戸田 、 得 。 人工心臓 、保険適用 可能 平野 人工心臓 、 本人 時期 的確 把握 患者 。整形外科 。腫瘍 、最終的 、 生 小型 。 代償 。 、故障 少 、移植 部分 後天的要因 働 非常 開発 進 打 勝 代償 効 陥 治療 麻酔科 本質的 遺伝的 、全 。 進 進行過程 ) 機能 。戸田先生 、 修中 、印象的 症例 残 、内科医 感 思 、基礎医 考 、 ( 限界 救 研究 多方向 。心臓 亡 大 医療 開発 戸田 外科 。助 。 、当時 、未来 把握 負担 心臓血管外科 志 心臓移植 待 薬 治 受 患者 入 、初 、結局、半年後 体格 、適切 内科的治療 適切 時 行 患者 。非常 、心臓 呼吸困難 亡 心 尽 部分 第3 内科 感情移入 残 。懸命 治療 、外科 補 助人工心臓 入 通 。私 若 、今思 私 非常 悪 、強 時 仕事 就 阪大医学部 死 。 、結局、感染症 完治 受 。家族 平野 命 救 症例 経験 。阪 大 病 院 道 薦 。 張型心筋症 心臓 手術 受 平野 私 自 身 、自身 適性 考 心臓内科 動 。 先 。心臓外科 坂田 病 治療 取 組 話 会 心不 携 医師 心臓手術 道 選 訪 臨床研究 、戸田先生 心臓弁膜症 全 生 私 最前線 活躍 若手医師 重症心不全 、偶然 力 入 80 歳以上 増 胸 開 、 内科 先生 共同 最新の補助人工心臓 2013-2014 Osaka University News Letter 38 Ⅰ 世界をリードする研究 重症心臓疾患のための 移植手術など 最先端医療を提供 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 「先端人」総長と若手研究者との対話 より 総長 × 若手研究者 ▶重症心臓疾患のための移植手術など最先端医療を提供 先端人 、後 信頼 心臓外科 、私 治療 内科 背景 平野 今 話 切 。 関連 、大阪大学 例 他 連携 聞 生 、外科医 。戸田先 立場 感 。 戸田 外科医 個人 技量 、阪大 言 心臓血管外科 結構 、 内科 取 。 人数 同 方向 向 取 組 例 、 思 他 。語弊 病院 言 見 思 現象 方法 同属意識 循環器内科 。 喜 坂田 内科 。話 合 、 「助 行 積 重 垣根 越 時 、外 患者 良 治療 提供 最 医療 状態 良 非常 思 非常 逆 来 。 、 、現場 解決 」 助 坂田 一般臨床 言葉 、本 気持 思 、 「 仕事 平野 小 心 家族 。私 普通 以上 」 原動力 新しい治療戦略の構築 薬物治療、デバイス治療 再生医療… 非 未来 積 重 Ang1 冠血管形成での役割 虚血性心筋症 モデルマウス 信頼関係 求 。 全国 考 出 。先進的 非常 大切 信頼関係 、患者 。 臨床工学 、大学 、 、 療 早 患者 穏 緩和医 思 循環器医療 、世界 人 。大阪 患者 届 。 大 、今後 新 手術 楽 、人工心臓 方法 埋 込 進歩 、患者 自身 心臓 止 工心臓 進 非常 。外科医 患者 最後 迎 相乗効果 材料科学 共 、 観察 。治療方法 場合 生 、人 。 差 迫 救命 、内科 状況 先生方 連携 患者 治療 、 何 余地 提供 考 。 大事 平野 直近 何 同 理解 【北海道】旭川医大附属病院 医療従事者) 【東 北】東北大学病院 。 研究 【関 東】埼玉国際医療センター/東京女子医大病院/東京大学病院 【中 部】岐阜県立多治見病院/大垣市民病院/佐久総合病院/安城更生病院/名古屋徳洲会病院/ 藤田衛生保健大学病院/名古屋大学病院/富山県射水市民病院/富山大学病院/金沢循環 器病院/金沢大学病院/市立敦賀病院/福井県立循環器病センター 課題 困難 問題 研修 変化 医療 先進医療 人的環境 整 、 思 内科 、 。 継続性 保 、 共 、医療 。 時代 、医学生 。 多 、循環器 必要 【近 畿】神鋼病院/神戸大学病院/西宮市民病院/協立病院/尼崎中央病院/神戸赤十字病院/市 立川西病院/姫路循環器病センター/加古川東市民病院/神戸労災病院/県立尼崎病院/ 近畿大学附属病院/国立循環器病センター/大阪労災病院/三島救命救急センター/友紘 会病院/大阪警察病院/住友病院/市立豊中病院/済生会千里病院/博愛茨木病院/大手 前病院/大阪府立急性期総合医療センター/松原徳洲会病院/中津済生会病院/箕面市立 病院/市立池田病院/大阪医療センター/大阪市大病院/関西医大病院/石切生喜病院/ 加納総合病院/八尾徳洲会病院/桜橋渡辺病院/市立奈良病院/天理よろづ相談所病院/ 近畿大学奈良病院/京都第一赤十字病院/京都医療センター/三重大学病院/市立四日市 病院 【中 国】広島市民病院/広島大学病院/呉医療センター/山口大学病院/鳥取大学医学部附属病院 /岡山大学病院/倉敷中央病院 【四 国】香川大学病院/愛媛大学病院/愛媛県立中央病院 病院 連携 、変化 合 作 日本の循環器内科の 最後の砦 、 思 医療 重症心不全患者を 全国の病院から 受け入れています 医師 人 含 (医師以外 新しい治療戦略の 確実な実行 ミトコンドリアDNAによる心筋炎症 Osaka University News Letter 2013-2014 集 。 治 平均余命 数年 長 期待 時代 個別医 。 個々 患者 体制 学 一人一人 対 進 必要 、患者 変 。 前例 取 組 39 療 。 、循環器 大 作 上 必要 坂田 医療 基礎研究講座 との連携 医師 。 、適塾 共 前 踏 、看護師 臨床現場での観察・疑問点 、私 出 情報共有やコメディカルによる 発信を 基礎研究からの知見 良 夢 教 言 、患者 。医師 付 、最先端医療 経験 積 発信 、 共有 、同 方向性 治療 非代償への移行 ターゲット分子の同定 疾患特異性、治療反応性 体制 分野 頑張 阪大 先進性 表 出 坂田 最近 積極的 自由 信頼関係 、研究 深 理解 必要 今後の研究の進展 専門性 持 臨床工学 機能 。日々 患者 方 、人間 。 、看護師 戸田 人工心臓 、大 。 平野 最後 、 。 思 必要 、 心不全の本態を知る 、 戸田 先進的 医療 行 場合、医師 患者 。 人 、 寄 添 、受 。大学病院 結 進 見 思 作 、 仕方 考 、何年 強 印 助 方 気持 医療 技士 限 患者 話 、 、 場合 引 患者 医療 元気 姿 見 。 、 次 戸田 病棟 。情報提供 常 重要 患者 、 最 心 。 入 自宅 帰 来 臨床研究 含 考 感 手術 非常 苦労 良 思 患者 感謝 、幸 患者 情報 共有 、支 合 研究者 何 、 通 医療 二人 医師 。苦 、長 入院 象 残 。 坂田 患者 」言 。 。 …。 、外来 、 苦 思 人工心臓 研究 大 、 「 。絶対助 。 、 喜 若 医師 戸田 重症心不全外科 場合 日々、喜 意識 非常 強 喜び、落ち込み、日々苦闘 感動 時 、落 込 結果、何 当 言 。 平野 解決 伝 、心 臓 外 科 科、内科 、研究 方 、同 環境 育 先生 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 外科 内科 ●坂田泰史(さかた やすし) 1993年大阪大学医学部卒業。95年7月 大阪警察病院循環器科医員、2002 年大 阪大学大学院医学系研究科博士課程修 了 (医学博士) 、同年米国テキサス州ベイ ラー医科大学循環器内科ポスドク、04年 大阪大学医学部附属病院総合診療部医 員、06年大阪大学大学院医学系研究科循 環器内科学助教、12年同講師・診療局長、 13年12月から現職。心不全、特に拡張心 不全の発症メカニズムの診断・治療が専 門。現在の楽しみはベースを弾くことで、 目標は娘さんとのセッション。 ●戸田宏一(とだ こういち) 1989年大阪大学医学部卒業。91年日生病院外科医員、 93 年国立循環器病センター研究所人工臓器部研究員、 96年米国コロンビア大学心臓外科リサーチフェロー、98 年米国オクシュナークリニック胸部心臓血管外科レジデン ト、2000年米国ブラウン大学心臓血管外科クリニカルフェ ロー、01年桜橋渡辺病院心臓血管外科医長・部長、03年 大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科助手、05年大 阪労災病院心臓血管外科副部長、08年国立循環器病セン ター心臓血管外科医長、12年4月から現職。重症心不全に 対する再生治療・外科治療、補助人工心臓、心臓移植など が専門。趣味はテニスと自転車(ロードバイク)で、六甲山 に登ったり、近くの海で釣りをしたりもする。 先生 思 阪大の先進医療を世界へ 。 方 。 ─平野総長 対話をおえて─ 大阪大学は適塾が原点ですが、創立100周年 を迎える2031年には、 『GLOBAL UNIVERSITY 「世界適塾」 』 として、世界から多くの人が集まり、 その人たちが世界各地で活躍する大学になって いてほしいと思います。このハートセンターでは 今後、日本だけでなく、アジアや中東からの重症 心不全患者さんを治療する予定と聞いておりま す。循環器内科・心臓血管外科が連携して提供す る大阪大学医学部附属病院の先進医療が、世界 最高水準として認められるよう、ぜひお二人のよ うな若い力に頑張っていただきたい。今日、お話 をうかがい、私も元気が出てきました。 【九 州】久留米大学医学部附属病院/宮崎市郡医師会病院/鹿児島大学病院/鹿児島医療センター 2013-2014 Osaka University News Letter 40 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 「先端人」総長と若手研究者との対話 より 世界的にもユニークな 「宇宙地球科学」 の挑戦 大阪大学理学研究科 「宇宙地球科学専攻」 は、伝統的な天文学や地球惑星科学と は異なった視点から宇宙地球科学を研究するため 1995 年に設置。宇宙・惑星・ Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 地球を舞台とした様々な自然現象から生命までを含む多様な物質の極限状態を、 物理学を基盤に解明するという、世界的にも類を見ないユニークな専攻だ。宇宙 の に挑む寺田健太郎教授、長峯健太郎教授を平野俊夫総長が訪ね、壮大な宇 宙をテーマとした先端研究について語り合った。 宙をテーマとした先端研究について語 「月の石」 (上) と結晶(右) 、太陽系形成前 微小物質・微量元素から 太陽系の進化を明らかに 人類共通の好奇心─ 宇宙開闢から太陽系の誕生 生命進化までを紐解く 理学研究科宇宙地球科学専攻 惑星科学グループ 教授 寺田健太郎 Kentaro Terada Kentaro Nagamine 大阪大学総長 平野俊夫 秘 若 二人 、宇宙 年 地球 可能性 帰還 2010 月 砂 「 ・ 」 惑星学研究所 地球・月 含 誕生 、 年代学的考察 調 試料 思 地球外 寺田 実 小 必 物質 、私 微量 、鉛 同位体 経 比率 起源 周辺 中 鉛 石 固 、太陽系 比率 何億年 年代 明 平野 同位体顕微鏡 事 天文少年 日 高校 組成 異 万有引力 ( 物理 授業 惑星達 運動 数式一 法則)」 。 始原隕石 思 表 太陽系 物 。 宇宙の構造形成を シミュレーションで理解 平野 長峯先生 、米国 点 宇宙物理学 大 大学 17 年間、宇宙論的視 大学 解析 進化 。 大 。 隕石 寺田 太陽系 形成 約 46 億年前 始 推定 「重 研究 時 。 理学 学 変化 (放射壊変) 、 思 普遍性 多様性 非常 感動 、 石 (放射性元素) 含 元素 年表」 構築 。 、F=ma 開発 。同位体顕微鏡 解析 1970 年 装置。実 、 。例 元素 起源 化学進化 解明 、物質科学的 「宇宙 。同位 、隕石 成果 体 作 。 同位体 (同位元素) 組成分布 。微小物質中 微量元素 組成 分析 平野 寺田先生 、 進化 明 物質中 阪大理学部 立場 今 宇宙 観 。隕石 、私 誕 、顕微鏡 用 物質 微量元素 研究 太陽系 、太陽 取 組 、3 次元的 観察 、太陽系 。望遠鏡 共 体顕微鏡 代 思 惑星 、 起源 残 空間分解能 持 10 億∼20 億年、 60 億∼70 億年 宇宙 進化 私 。 寺田 私 「同位体顕微鏡」 用 系 星周 高 同位体顕微鏡 開発 小 回収 、NASA 同研究 行 元素 生 話 微粒子 解析 JAXA、 Toshio Hirano 大 15 号」 持 帰 「 非常 微小 。現在 。寺田先生 、 1971 年 楽 理学研究科宇宙地球科学専攻 宇宙進化グループ 教授 長峯健太郎 平野 今日 40 代 合成 超新星爆発 研究 続 銀河 調 長峯 138 億年前 、巨 構造形成 。 直後 、宇 写真左から長峯教授、平野総長、寺田教授 41 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 42 総長 × 若手研究者 ▶人類共通の好奇心─ 宇宙開闢から太陽系の誕生 生命進化までを紐解く 先端人 正 、宇宙 、近 超新星 爆発、元素 進化、 形成 極限状態 物理現象 起 、 現在 構造形成 宙論的 視点 続 。 研究 思 根拠 宇宙背景放射 (宇宙 方 。 統計的 解析 決定 宇宙論 、 宇宙 現在、 冷 生 、 、 飛 思 「 長峯 宇宙 ) 」 物質密度 (暗黒物質)」 。残 何 宇宙開発 。大学院 非常 多様 宇宙 気 域 取 組 入 、天文学 物理学 始 。 国 科学誌 、 構造 理論的 理解 学際領 月 黒 研究 考 定説 4 億年以上 43.5 億年前 火山活動 出来 突 。2007 年 英 相対 知 、理論物 込 見 月試料 月 火山活動 性理論 出合 、宇宙全体 実証科学 理 感 月隕石 解析 姿 部分 、 憧 。高校 面白 。 、日本人 興味 宇宙飛行士 理論 考 喜 時 寺田 私 、地球 落 。 宇宙 研究 論文 時 新聞記事 「月 対 文化」 反映 。日本 億歳 ?!」 紹介 掲載 見出 、各国 非常 「月 、 面白 43.5 「月 、周囲 物 質 重力的 相互作用 存在 確認 43 Osaka University News Letter 2013-2014 銀河 形成 追 構造 再現 、渦巻 銀河 河 多様 構造 持 理解 、 楕円銀 銀河 多様性 統一的 取 組 。 平野 、異 形態 銀河 何 、 効果 、 。 、非常 、 銀河 形成 、 重力 流体力学 再現 、 質量 一 高 一 超巨大 存在 、銀河 相互作用 。私 、 。初期 密度 銀河 銀河 骨組 使 状態 重 。実際 宇宙 観測 、 宇宙全体 構造形成 法則 解 出 長峯 超新星爆発 構造 試 多 、宇宙 大規模構造 密 場所 生 思 時、約 70% 未知 (暗黒 30% 物質 、 研究 携 長峯 小・中学校時代 二人 、 。 。 作 分配 、 流体力学 計算 構造 理解 ? 。統計的観測 100 進化 追 、統一的 宇宙 。我々 、宇宙 全 時間 平野 銀河 、 38 万年後 宇宙 姿 背景 「 、 宇宙 陽子 合体 、宇宙 中性 事 出来 放射 見 見 枠組 、光 電子 行 手 遮 力相互作用 時間 形成 銀河 観測 深 宇宙 (若 宇宙) 、構造 。 一部分 奥 数億年後 初 遠方 。 構 。 宇宙 、宇宙 誕生 作 。 形 宇宙望遠鏡 (地上約 600km 上 軌道上 周回) 宇宙 、超高密度・ 満 銀河 成長 、凝縮 来上 。 深 見 。 直後 電子 、 、 物質 (元素) 寄与 種 空 揺 4% 、 成 。 意味 宇宙 組成 引 張 、間接的 。寺田先生 研究 大規模 構造・銀河・巨大 平野 宇宙背景放射 不思議 物質 、 一様 中 微妙 揺 宇宙全体 平野 長峯先生 、 、最初 平野 対 波) 密度 見 造 孤立 。 膨張宇宙論 向 超高温 、 「島宇宙」 時代 来 意味 、 寺田先生 極 長峯 一 研究 。宇宙全体 扱 過程 銀河 、我々 人類の好奇心を代表して 宇宙の研究に取り組む 考古学」 見 揺 経 、 構 歴史 「宇宙 極小元素 注目 宇 138 億年 、 造形成・銀河形成 。私 数百億年 離 、比較的 成長 銀河 、平成 25 「共進化」 年度 促進 時間発展 重力 。 採択 「大阪大学国際共同研究 」 追究 研究 予言 。 、理論 使 。今 未来 宇宙論 2013-2014 Osaka University News Letter 44 Ⅰ 世界をリードする研究 。 知的好奇心が満たされないと ) 起 、数億 経 最初 星、銀河 誕生 心豊かな生活はできません。 年 ●寺田健太郎(てらだ けんたろう) 1966年生まれ。89年大阪大学理学部 物理卒業。94年大阪大学理学研究科物 理学専攻修了、同年広島大学理学部助 手、2006年同大学理学研究科准教授、 10年同研究科教授。 12年4月から現職。 2011 年に文部科学大臣表彰「科学技 術賞 研究部門」 を受賞。 音楽や絵画などと同じように 学問も人に夢を与えます。 Ⅰ 世界をリードする研究 宙 急激 膨張 ( ●長峯健太郎(ながみね けんたろう) 1973年生まれ。96年東京大学理学部 物理学科卒業。2001年プリンストン大 学理学研究科物理学科修了、同年ハー バード大学天文学科ポスドク研究員、 04 年カリフォルニア大学サンディエゴ 校ポスドク研究員、06 年ネバダ大学ラ スベガス校 物 理 天 文 学 科 Assistant Professor、11 年 同 大 Associate Professor。13年6月から現職。 膨張 銀河 総長 × 若手研究者 ▶人類共通の好奇心─ 宇宙開闢から太陽系の誕生 生命進化までを紐解く 先端人 。 取 出 技術 発見 。 宇宙地球科学 地道 一 重 、 一 寺田 私 研究 、 必然的 、世界 同」 学 研究機関 世界中 。 際競合 感覚 必然的 身 付 。 難 少 距離 点 、 40 億歳」、 「43.5 億歳 月 顔」 紙面 飾 」 世界 私 思 時 良 事 会 思 数 思 傾向 館 、裏 思 自身 45 、中学 思 許 高校、科学館 、 、一般 皆 夢 与 。 取 理論 、例 。私 好奇心 Osaka University News Letter 2013-2014 GPS 。 、 生活 学問 、人 思 意味 衣 知的好奇心 。 学術的 、国民 大騒 思 感 。 好奇心 追求 意味 、自分 周 幸 、研究者冥利 尽 位置検出 応用 、 100 年 経 人間 同 役立 大 長峯 寺田先生 研究 利益 直結 得 月 行 場所 特定 。 将来、人類 。人類 資源 時、求 可能性 命 重要 論点 。 元素 、元素 中 目立 物質 合成 誕生 扱 太陽系 地球 流 形成、生 追 、時間軸 決 。生命 。私 教員 、研究 潮 積極的 。 誕生 人類 人生 時間内 解明 行動 付 観 理解 感 。良 方向 持 行 二人 努力 、私 無理 大 思 潮流 作 話 非常 力強 、世界 研究 残念 教員 向 研究課題 。 平野 授業 、 、 手本 見 究極 、 、能動的 。90 分間 、学生 察 独創的 研究 学問 。 一度 質問 出 島国 、地理的 不利 流 今後 。大阪大学 年 世界 十分 創立 100 周年 迎 10 大学 目指 達成 。一層 強 自信 感 2031 、 思 、嬉 活躍 期待 。 。 沿 中 頑張 発 科学技術 推進 、国策 。一方 世界 。 。 、 約 100 年 経 今、 研究 、 。人類 微粒子 持 帰 動 思 同感 心豊 絵画 。 役 立 認 思 重要 満 。音楽 公民 可能性 終始 限 足 運 解 学問 、 役立 食住 考 声 、 。 研究 支 、 二人 非常 相対性理論 当時 、何 役 立 還元 風潮 研究 、 組 寺田 私 思 強 展 。社 直接、 話 見 平野 最近 、社会 二人 還元 長峯 私 、現時点 人間 。 科学技術 優先 実質的 形 、宇宙 、 相対性理論 提唱 苦労 必 変 価値 生 平野 私 研 考 。 瞬間 、非常 嬉 好奇心 興味・関心 代表 総合大学 、科学者 、理論物理 式 、皆 知 。 。 」 人類全体 来 、世界 、日本 世 理解 。 、多様性 思 開拓精神 思 元素 知的好奇心と人類に 役立つ可能性のために 実 、今 生命 、 究 「宇宙 起 「人間 行 。 長峯 論文 書 事 、 。文化、国境 越 、 「月」 万人 愛 。 。 存在 寺田 私 元気 出 必要 。 変換 男 気 楽 長峯 、研究 流 見 必要性 生 界 。集団 感 中 研究者 競合 、 多様 惑 、自 壁 作 、学 。最先端 研究 取 組 しかし100年経てば大変な価値が生まれてくるかもしれません。 寺田 阪大生 、複 世界 統一的 論理 用 学生 対 21 世紀 方向 目 向 始 宇宙物理 星・銀河 、人材育 要素 理解 。 難 。 国際共同・国 思 、少 視点 変 観点 、指導 思 切磋琢磨 長峯 私 、 私たちの宇宙地球科学もすぐに役立つかどうかはわかりません。 。 。 分解 、個別 要素 複雑 事象 統一的 理解 言 確率 低 事象 構成 考 方 雑系 、普遍的 素晴 成 極限 科学 、逆 発揮 。前任大 、 生 研究方法 異 時、素粒子 、 、元 意味 結果 出 研究者 集 環境下 場合 自分 世界 、研究対 。 、 「国際共 競 難 、人 、 宇宙地球科学専攻 研究室 再現 、長峯先生 出 象 生 物 私 研究室 、独自 装置 開発 。 統一理論 計画 「 「国際競合」 科学 「要素還元主義」 、 独自 研究 世界 勝 話 。 長峯 20 世紀 。 。私 得 、活躍 精度 上 。 化 道 見 複雑 事象 理解 独創性 計画」 採取試料 研究対象 意義深 、最後 、 二人 夢 目標 教 場合 、同位体顕微鏡 争 、世界 相手 研究 感 、 ─平野総長 対話をおえて─ 学問は、本人だけでなく世界の人々の知 的好奇心を満たし、また遠い将来に役立つ 大きな可能性も秘めています。大阪大学が 創立100周年を迎える2031年に向けて 世界トップ10の大学を目指すのも、人類 の未来への強い信念があるからです。地球 における民族・言語・政治などの多様性 は、社会が発展し人間が心豊かに暮らすた めに必須です。しかし時に、その多様性が 衝突し合って争いが起き、人類の未来に暗 い影をもたらすこともあります。学問は、ス ポーツや芸術などと同じように人類の共 通言語です。学問を介して、考え方・宗教 の違いを超えて世界から人々が集まってコ ミュニケーションをできる大きな力を持っ ています。それが21世紀の大学の大きな 役割だと思っています。 掘削 。 2013-2014 Osaka University News Letter 46 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 活躍 平野 平野 寺田先生 立場 意味 世界 潮 思 。 「国際共同」 と 「国際競合」 のなかで 研究を推進 二人 、 化 陳腐 研究 利益 信 平野 沿 、独創性 追求 成果 積 人類全体 恩恵 流 大 阪 大 学 特 別 教 授 Osaka University Distinguished Professor 2013年9月発行 大阪大学ニューズレター61号 掲載 特集「かえる かわる」より ロボット開発と人間理解の研究を融合 「面白さは尽きぬ」 「人間とは何かを知るために」 石黒浩教授 、自身 「 」 研究開発 界 名 知 発 目的 「人間 何 人と関わるロボットや人間酷似型ロボット (アンドロイド) の研究開発に 追 。人 関 本人最高位の 26 位に選出されたことからもわかる。また、それらの業 授自身 操作 通 遠隔操作 長距離 移動 、私 講演 。例 人 作 体 触 可能性 体 。 。量産 目的 続 、人間 認識 開発 最低限 姿形 操作 「 、 会話 少 、遠隔操 通 。 「 人間 遠隔操作 認識 二 在 感 。 時 人 存在 腕 。 生 」 ●ミニマルデザインロボット 「テレノイド」 人間そっくりの遠隔操作型アンドロイド 「ジェミ ノイド」 (写真後方) とは対照的に一目で人間とわ かるが、誰であるかが分からないニュートラルな デザインが特徴 2013 年 4 月 会実験 実施 、見 。 学 面白 」 HUGVIE 国家 中 感 話している相手を腕に抱いている 現場 。 着して抱きしめながら会話すると、 ような温かな、不思議な気持ちにな 採択 高齢者介護 はなく、人型のぬいぐるみといった 趣。頭の部分にスマートフォンを装 、福祉国 家 会 見 ディア 「ハグビー」 。アンドロイドで 存 続 新 大阪大学とATR石黒浩特別研究室による共同開発 認識 人 声 抱 心地 」。携帯電話 場合、 遠 場した新しいコミュニケーションメ 必要 、例 、会話 患者 。 「 ATR 石黒浩特別研究室から登 五感 『声(聴覚)』『触感』 重 触 最終目標 ハグビー 本人 最大限一致 」 。 研究 以上、明確 購入 携帯電話に続くコミュニケーション 存 、 理解 尽 、 価格 祭典「 2014 年度 招待 遠 普及 」 会話 人 、 人間性 感 。 「現代社会 人 自動車 保有 軽自動車 。 、将来、脊髄損傷 自分 得 思 」 通 脳波 来 遠隔操作型 感 、声 上 「 未来 機能 備 思 急 人間 対 比率 、 高 評価 。 石黒教授 姿形 持 、実際 国際的 演劇 社会生活 実験 場所 遠隔操作型 映画「 、人間 代行 」。 、 (2009 年 多 必要 女 分身 、 様々 実験 、 自分 Osaka University News Letter 2013-2014 広 普及 関 動 演劇 海外 演劇祭」 製作)」 。 本人 実際 触 覚 身 海外 。遠隔操作 抵抗 個々人 酷似 大 大変 、 「操作 自分自身 検証 、 、工学的 反映 」。 怖 」 」 HI-1」 明 表現 、持 運 自分 比較 実験 「 、人 、私 現地 送 在 人 頷 印象 アンドロイド研究から生まれた ぬいぐるみ風メディア 。 動 多 。万人 対 数値化 女性。 「成人 、子 性 成人女性 、世界 通用 新 思 、生身 行 間 、 感 、次 美 F」 開発。 「私 「 型 、 完成度 確認 自由 遠隔 世 自分 直感 自分 石黒教 HI-1」 開発 。 「 出 人 日本人 男性 HI-1」 続 石黒教授 「 、実存 感覚 体験 研究 生 演劇 、例 相手 女性 存在 。 話 。 手ごろな価格で将来、所有できる 「 させた最先端ロボットを研究する経緯と今後について聞いた。 実装 精密 演出 表現 、 、世界 驚 機能 人間 」研 開発。続 績から、2013 年度に創設した 「大阪大学特別教授」10 名のひとりでも 演目 続 版 三人姉妹」 公演 実施 、 自身をモデルに 対話者の反応を実験 ある。人間理解を最終目的に掲げ、認知科学・脳科学・芸術・哲学を融合 47 鏡 研究開発 、 少女 」 。 「人間 基本的 動 基本姿勢 語 。 当初 、幼 挑戦 三人姉妹 翻案 「 思 教授 共 演劇 、2013 年 求 人間 映 出 平田 。 「働 私」 「 」 存在価値 年に英国のコンサルティング会社の 「生きている天才100 人」調査で日 ●石黒 浩 (いしぐろ ひろし) 1963年生まれ。86年山梨大学工学部計算機科学科卒業。88年同大工学研 究科計算機科学専攻修了。91年大阪大学基礎工学研究科物理系専攻修了。 工学博士。大阪大学基礎工学部助手、京都大学大学院工学研究科助教授、大 阪大学大学院工学研究科教授などを経て、2009年から現職。10年よりATR フェロー。13年には大阪大学特別教授の称号を授与。専門は、ロボット工学、 視覚情報処理、アンドロイドサイエンス。 、 研究開 知 人間理解 重要 意味 持 究 取り組んでいる石黒浩教授。その卓越した業績や先導的役割は、2007 石黒教授 、劇作家 、 ・ 。 。 ATR石黒浩特別研究室 室長(フェロー) 「ロボット学」 と名づけた新しい研究分野を創設し、世界に先駆けて、 社会実験 、世 何 断言。 「私 、人間 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授 Hiroshi Ishiguro 成人女性 遠隔操作型 、人間 石黒 浩 実在 アンドロイド演劇が海外でも評価 、 社 るという。阪大医学部における実証 実験で、緊張を示す血中のホルモンが減少する ことを確認中である。単身で暮らす高齢者が遠 くに住む子どもや孫と電話で話す時、あるいは 親密な人間同士の会話に使用するなどの可能 性が考えられ、すでに市販もされている。 2013-2014 Osaka University News Letter 48 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 アンドロイドとひとの心が すりかわる瞬間 ヌードマウス 制御性T細胞 1000 正常 エフェクター T細胞 T細胞全体 Pubmed indexed citations 大 阪 大 学 特 別 教 授 Osaka University Distinguished Professor ヌードマウス T細胞:骨髄でつくられ胸腺で成熟 するリンパ球の一種。ウイルスに感 エフェクター T細胞 染した細胞を殺す役割をするキラー T細胞や、制御性T細胞など数種が ある。 B 自己免疫疾患 炎症性腸疾患 過剰な免疫応答 CD25陰性T細胞 植 拒絶反応 、 応用 広 細胞 対 。逆 免疫反応 起 ・多発性硬化症 ・橋本甲状腺炎 ・バセドウ病 ・機能低下症 ・自己免疫性胃炎 ・悪性貧血 ・Ⅰ型糖尿病 など ・皮膚筋炎 ・全身性強皮症 ・関節リウマチ など 研究 、 、生体防御 御性T細胞」 というリンパ球を発見し、その機能を明らかにした。制御 課題 撲滅 となることも証明した。その業績で、2012 年に日本学士院賞を受賞。 2013 年に 「大阪大学特別教授」の称号を授与された。免疫疾患の治 開発 進 )取 除 対 、私 を開く研究の最前線の話を聞いた。 研究 「免疫反応 抑 ●坂口志文(さかぐち しもん) 1951年生まれ。76年京都大学医学部卒業。83年医学博士。89年米国巣クリップス研 究所免疫学部助教授、東京都老人総合研究所免疫病理部門長、京都大学再生医科学 研究所教授、同所長を経て、2011年から現職。専門は免疫学。 03 年持田記念学術賞、04 年米国 Cancer Research Instituteより、William B. Coley賞、05年武田医学賞、高峰記念三共賞、07年文部科学大臣表彰科学技術賞、08 年上原賞、12年日本学士院賞等を受賞。12年米国National Academy of Sciences の外国人会員に選出。 13年大阪大学特別教授の称号授与。 49 Osaka University News Letter 2013-2014 」 節 。関 疫系 自分自身 細胞 過剰反応 自己免疫疾患 疾患 免疫反応 特定 中 。現代病 対 過剰 注目 。 、 潰 。90 年代半 証明 特異的 、臓器移 能 日 目 見 分子 因子 見 人々 注目 、 。 免疫系にどう伝えるか? 制御性 T 細胞 入 際 骨髄中 T 細胞 患者 攻撃 。 T細 試 考 療 CD25 分子 、制御性 T 細 。2003 年 機 Foxp3 転写 戻 、 、子供 的価値判断 。阪大病院 、 、 治 細胞 、胸腺 成熟 胸腺 発現 反応 除外 T 細胞 、 異物 別 性 T 細胞 発現 。自己抗原 。 刺激 受 樹状細胞 抗原 提示 。 刺激 、共 必要 。制御 CTLA–4 共刺激 抑 、抑制機構 免疫自己寛容の仕組みも解明 御 、生物学的見地 医学的 刺激 呼 働 医学 活性化 取 組 、 一致 後 。 制御性 T 細胞 文字通 、免疫 、制御 最 重要 見地 必 、体内 増 療法 行 。 性 T 細胞 複数 免疫抑制機構 制御性 T 細胞 体外 制御性 T 細胞 減 提唱 混沌 、 、他 。 進 制御性 T 細胞 、 免疫系 伝 、現状 気 遣 Ⅰ型糖尿病 対 増 移植片対宿主反応 抑 心配 ( 制御性T細胞は外見上他のリンパ球と変わらないが、 がん 組織に浸潤している制御性T細胞を染めると浮かび上がる 各国 取 組 攻撃 、正常 存在 。世界 一度忘 、 。従来 、免疫抑制剤 (制 見 胞 、 。 明示 がん組織内制御性T細胞 制御 異常 免疫反応 弱 取 除 正体 分野 。骨髄移植 、現象論 域 超 、 考 起 。免疫反応 抑 御性) T 細胞 病気 制御性 T 細胞 研究 進 自己免疫病 起 、 免疫応答 立証 多 、移植 細胞 調整作用 。 。 瘍性大腸炎 、免疫異常 関係 治療 正常 体 組織 敵 抗原 T 細胞 。 臨床試験 、 細胞 、自己免疫病 起 胞 膠原病 Ⅰ型糖尿病 、免 起 、現在 T 細胞 存在 実験 種 。 。 行 。 考 遺伝疾患 起 私 免疫自己寛容 重要 役 遺伝子 。 信念 、細々 研究 続 80 年代 天然痘 。 、 IPEX(X 染色体連鎖免疫 信念の先にあった真実 。 療・予防だけでなく、さまざまな免疫応答を制御することに新しい道 群 。 分野 仕組 機能 、自己抗原 攻撃 制御性 T 細胞 抑 、 Foxp3 遺伝子 制御性 自己抗原 対 免疫反応 説明 。 、作用 強 、今 HIV 盛 雲散霧消 制御 増殖 。 Foxp3 遺伝子 突然変異 生 、制御性 T 細胞 発生 阻害 、自己抗原 非 実体 見 。何 制御 大切 。日本細菌学 父、北里柴三郎 血 清療法発見以来、医学 、何 活性化 T 細胞 発生 分子生物学的 、 免疫反応を 「弱める」 ということ T 細胞 、 免疫反応 終了 。1970 年代後半 理屈 免疫学フロンティア研究センター 教授(副拠点長) 性T細胞の量的・機能的異常が自己免疫病やアレルギーなどの原因 種 見計 T 細胞 残 、攻撃 制御異常多発性内分泌障害消化器病) 症候 考 。獲得免疫反応 頃合 物 。 実験結果 。 、 、制御性 T 研究 一気 開花 割 果 働 T 細胞 、論議 免疫力 制御性T細胞の重要性が研究者の間で 認められ始めたのは10年前から 各国で臨床試験段階に 細胞 対 。 免疫抑制 免疫疾患の治療・予防目指し、新しい道開く 大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文教授は、生体 0 課題 解決 細胞 関 一時、論議が雲散霧消したが 。 内に侵入した細菌などの異物を排除する免疫反応の手綱を引く 「制 、 免疫反応 高 〈全身性〉 免疫機能 。免疫 抑制 解除 人口の約5%は何らかの 自己免疫病に罹患 免疫 200 細胞性免疫 自己免疫疾患とT細胞 Shimon Sakaguchi 400 Foxp3陽性制御性T細胞による免疫自己寛容の維持とその異常 働 制御性T細胞は 何をつたえているのか 600 Year 骨髄(Bone Marrow) 〈臓器特異的〉 800 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 T 細胞性免疫 “Regulatory T cell” or “Treg” Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 胸腺(Thymus) 坂口志文 “Regulatory T cell” or “Treg” 1200 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 特集「つたえる」より 。 T 。 自己抗原 異 働 T 細胞 、 奪 、 制 。 活性 2∼3 年 、 、 。 2013-2014 Osaka University News Letter 50 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 「大阪大学特別教授」より 大 阪 大 学 特 別 教 授 Osaka University Distinguished Professor ●河田 聡(かわた さとし) 1951年大阪府池田市生まれ。74年大阪大学工学部応用 物理学科卒業、79年同大学院博士課程修了 (応用物理学 専攻)、工学博士。同年カリフォルニア大学アーバイン校研 究助手、81年大阪大学工学部助手、助教授を経て93年に 工学研究科教授。その後、2007年フォトニクスセンター長、 13年大阪大学特別教授。現在、理化学研究所チームリー ダー、ナノフォトン株式会社・取締役会長などを兼務。05 年文部科学大臣表彰・科学技術賞をはじめ、11年に第8回 江崎玲於奈賞など数多く受賞。 07年には紫綬褒章を受章。 常識にとらわれない思考が大切 フォトニクスセンター長 工学研究科教授(精密科学・応用物理学専攻) 河田 聡 Satoshi Kawata 「愛校心の深さには自信があるよ」 と笑顔で語る 出 河田聡教授は、祖父から3 代続く阪大ファミリー。 。 生 ホログラム <光のリンゴ> ナノの世界を光で計測・制御するサイエンスとエ (金属 ンジニアリングの研究を続け、ナノフォトニクス 針 やプラズモニクスなど光科学研究の第一人者。こ 河田教授 。 「穴 先端 逆 。 観察 特別教授の称号はうれしかった 。 「最初 少 時、嬉 思 、阪大 本音 言 ) 照 品化 先生方 人達 120nm > 25nm 、値打 思 下 度 操作技能 要 。 (特別教授 増 (笑)」 隠 始 200nm 理論的 、 小 。目 見 観察 1nm) 思 光 ・100 万分 Osaka University News Letter 2013-2014 性質 分子 常識」 実現 同時 光 。 粒子性 着目 、光 生 、漏 可能 。 絞 。 「博士 『 違 出 光 、 。 穴 光 悪 場 。 、 。金属薄膜表面 光 、赤・緑・青 、光 空間 面白 試行 、学生 一般的 機材 。 械 使 。 金 機 実現 成果 、 飾 。 「 格好 、学生 知 前。 」。莫大 予算 何事 、 当 金 使 。 』 企業、 』 自虐 本人 間 人 軽 誰 思 前。安 、 「 。 際、内容 著者 」 研究 背景 最 気 発想 。 形 「好き」 「面白い」 の遊び心も 。 「 好 ・面白 名 、 、 登場 ・千分 1 ) 組 人間 値打 大阪気質 研究論文 購読 」 機械 。料理 『高 当 知 、学生 利用 、河田先生 特殊 機材装置 少 細部 。 幻想 。 「大型免許 持 。10μm( 色 出現 誌 。博士 、学識 、 尾 応用 特定 人材育成 目的 活躍 双方 職 河田教授 、 、幕末 。筋 牛 、 掲載 実験室 人材 輩出 …』 決 喝破 滴 出 光 観察 塾 、研究者・学者 産業界 」 指摘 同社開 、 集 留 役割 果 、企業・本人 。高 人 。適塾 、世界 活躍 運転 見 「非常識」 、河田教授 研究 。 可能 留 、光 。 大 、科新塾 『頭 光学顕微鏡 「常識」 (針穴) 通 「非 、空気中 溶液中 構造 調 、 根拠。 数 nm(実質 世界 見 波長程度 込 使 博士 目指 人材 育成 医学・蘭学者 世 再現 、角 共振 利用 精神 逆転の発想でプラズモニクスの扉 判別 電子顕微鏡 波動 量子 。 、研究 、光学顕微鏡 往時 「常識」 目 」 大学院生時代 数百 nm( ) 電磁波 。 、光 世界 見 、波長 51 。 「自分 1 。 今日の非常識は明日の常識 専門 ミクロの牛 維新 。大学内 株式会社 創業 。 深部 」 比較 米国 中学 2 年生 数学 大 教科書 司馬遼太郎 「花神」 。適塾 、大量生産 「小 3 次元 原点「適塾」 登場 、河田教授 盛 上 現代の 「適塾」 を実践 。阪大 、商品化・製 方 、河田教授 科学者維新塾 (科新塾) 通 広 世 貢献 2003 年 大阪大学先端科学 Satoshi Kawata©2013 励 頑張 力 上 。 進 起業 規制緩和 総長顕彰、奨励賞 、阪大 。今 遅々 肉 牛」 、体内 匹敵 50nm 精度 。 。 科新塾 、博士 実現 高 市場 高 研究費 数多 研究 顕微鏡 必要性 少 。特別教授 。 、研究 、 主宰 数 nm 世界 観察 、更 小 河田教授 。彼 造形物「 。 巡 赤血球 、製造 営業 顕微鏡 大学発のベンチャーを創業 冒頭、河田教授 切 出 頑張 、数十 nm 、 可能 、褒 「 世界最小 製作者 社員 12 人 同社 現 提唱 満 。 着実 発展 続 「博士社員」 性質 利用 大 切実 需要 応 8人 、 「博士」 学位 状態 。現在 頑張 顕微鏡 、内外 遮蔽物 」。光 、河田教授 Kawata, et. al. Nature, 2001 3次元ナノ加工:2光子光重合 ていただいた。 。大学 発 」 。 ンチャーなど、阪大一筋の教授に熱い思いを語っ 。 (特別教授) 発想 金属表面 象 研究 授」 に選ばれた。光科学の最先端研究や、大学発ベ 、特別教授制度 逆転 針先) 置 滴 れまでの業績により、2013 年の 「大阪大学特別教 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 ナノの世界を この目で見たい! 」、 生 思 。誰 思 思考 。 出 気持 遊 新 意気盛 心 忘 取 。 2013-2014 Osaka University News Letter 52 機械的な刺激 分子を運ぶ 大 阪 大 学 特 別 教 授 Osaka University Distinguished Professor 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 「大阪大学特別教授」より 例 ES 細胞 少 作成 技術 近藤壽人先生 (現 名誉教授) 幸運 飛躍的 進 動物の左右非対称を決定する仕組みを解く 研究 含 Hiroshi Hamada 大 本学 嬉 。調 困惑 見 相互 大 日 重 Lefty 、 」 。 年 阪大での出会い、新たな進展 れ、研究室には贈られたトラグッズが飾られている。岡山大学医学部生時代 動物 体 左 三 軸 違 成長過程 正体 何 。 最後 決定 濱田教授 核 対称性 決定機構」 。 阪大 赴任 学院生、 見 発見 態形成 制御 中 、偶然 知 繊毛 動 細胞 分化 関 。 働 伝子 欠 調 途 発現 Lefty 因子 ( 質) 阪大 赴任 時、 「当時、世界 。 尿 探究 続 。繊毛 、 。繊 毛 左 右 。 逆 、体 野中茂 流 左右 転 。 、水流 左右 分化 出発点 繊毛 「痕跡」 考 。 役割 見事 明 研究 時計回 。 方 研究 進 、 流 尿 、生成 感知 、 。 。繊毛 構造 醍醐味 、分 」 。 「好 研究 、 題材 、得意 自身 研究 巣立 学生 活 、 」。研究室 、 方法論 考 方 活躍 。 「探 分野 究心 常 忘 左右 情 山積 回 理由 、 社会 貢献 原因 動かない繊毛の秘密 体 。 、面白 問題 。濱田教授 「研 究 決定 仕組 流量 考 発生 後側(尾 。 現在 逆 基底小体 基底小体 、初 体軸情報 使 、基底小体 考 腎臓 繊毛」 探究心を忘れず研究 細胞 繊毛 傾 。 前後・背腹 移動 与 物理現象 、 。 傾 。 細胞 向) 動 紀氏 (現基礎生物学研究所准教授) 、胚 細胞 繊毛 。 、当時濱田教授 在籍 、 動 細管 「動 配置 研究員 動 間 埋 受 数時間 研究室 細胞 、繊毛 持 凹 右Rから左Lへと流れるノード流 。 医学・生理学的 知見 。体 組織 明 検証 進 多 。 因子 欠 。 、左 。 繊毛 物理的 力 、新 示唆 、回転 働 、役 立 L R 。 立証 (Basal body) 上 、特定 遺 必要 。濱 知 押 。 考 結果 調 。 繊毛が体の後ろ側へ倒れるため、 左向きの水流ができる 形 水流 多 回転 水流 、動 内臓逆位 流 大学 遺伝子 探索 胚 左側 逆転 、気管 助手、助教授、現九州大学 胚 繊毛 胚 「左右非 、 繊毛 少 小 。 、外側 側 判別 。1998 廣川信隆先生 、 。 繊毛 回転 。 現 左 機械的 刺激 意味 流 、繊毛 駆動 意外 東京大学 意外 結論 得 。水流自 Ca2+ 取 込 遺伝病 、古 生 前 目野主 税氏(当時大 Assistant Professor) 田教授 起 物質 流 200∼300 個 細胞 並 。 劣勢 左 向 左右 。 教授) 西條幸男氏 (当時助手、現 発見 体 、 謎 、 、 体 半周 半周 障害 伴 腹側中央付近 体 左右 1990 年代半 答 。 粘 近 。何 傾 内臓が左右逆転する遺伝病も 解 明 Nodal 左側 離 結果、右 報 伝 。液体 細胞表面 水流の働きは 「分子を運ぶた め」 or 「機械的な刺激のため」 ? 。 病気 、体液 (羊水) 右 前後 (頭 尾) 、腹 背、右 、繊毛 水流という物理現象が 左右の対称性を破る 意味 続 仕組 回転軸 流体力学的 現象 生 。 、1日 。研究 喜 研究 積 発生 。回 左 、繊毛 水流 、表面 調整 回転 。 。 。 << 。繊毛 。工学部 先生 相談 。 遺伝子発現制御機構 左右非対称 予想外 発見 、 日 働 起 方向 流 、Lefty 抑制 、働 生 時計回 渦 性 研究 、Lefty-1、-2 Nodal 後 多 年春の紫綬褒章を受章した。 「でも実際に研究を進めたのは学生や同僚なの がうかがえる。野球好きで熱烈なタイガース・ファンとして学生たちに知ら 暴走 流 毎分 600 回転 結果 意 Nodal 発見 Nodal 、Lefty 構造 形成 。 。 「1 年 、体 両側 解 同部位 発現 左 。 左 。 、 転 。 逆 、両側 、 。専門分野 調 構造に大きな違いもある。左右の非対称性がどこから生じるのかという 「左 には、野球部に所属していた (下手だったので補欠でした:本人談) 。 右 評価 、謎 右非対称性の決定機構」を長年探究してきた。これらの業績により平成26 する言葉にも温厚な人柄 左 。 「 基礎研究 選 」穏 近年 は、外見上大まかには対称的に見えるが、心臓は左に、肝臓は右にあるなど、 で、大部分は彼・彼女らのクレジットです」 と謙 定評 、徹底 多面的 人事 大阪大学特別教授 濱田博司教授の専門は、哺乳動物胚発生の遺伝子支配。動物の体の左右 Lefty 欠損 「1年やれば1日くらいはうまくいく」 生命機能研究科 発生遺伝学グループ教授 濱田博司 奇妙 外 …」 謙遜 。 Lefty 調 研究室のメンバーたちと 満開の桜の下で記念撮影(2014) 「地味 研究 」 研究 」 濱田教授 。 動く繊毛:細胞・ものを動かす *ドルフィンキック型運動 *平泳ぎ型運動 *回転型 動かない繊毛: 種々のシグナルを ●濱田博司 (はまだ ひろし) 1950年香川県生まれ。岡山大学医学部医学科卒業、79年同医学研究科 修了。カナダメモリアル大学、東京大学助教授を経て東京都臨床医学総 合研究所に。95年から大阪大学細胞生体工学センター教授。改組により 2002年からは大阪大学生命機能研究科教授。分子生物学・発生生物学 の教育・研究に携わり、14年に大阪大学特別教授。00年に大阪科学賞、 11年に内藤記念科学振興賞、14年に紫綬褒章、慶應医学賞を受賞。 感知するアンテナ Nodal *シグナル因子(Hedgehog etc) Lefty2, Lefty1 *機械的刺激 (Liz Roberston, Micheal Kuehn, 1996) 体の中にある、いろいろな繊毛の働き 受精後8.5日頃、短時間だけ現れる左右決定因子 1 水流の方向:右向き、あるいは左向き 2 水流の速度:早い、遅い 53 Osaka University News Letter 2013-2014 Nonaka et al (Nature, 2002) 2013-2014 Osaka University News Letter 54 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 研究の醍醐味は 分からぬことへの挑戦 遭遇 。 未来に輝く研究者 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 未来に輝く研究者 より ものの動きを制御する仕組みについて身近な道具を使って説明 現実を抽象化し 「制御」理論を組み立て 動きをデザインする 経済学研究科 教授 情報科学研究科 教授 関口倫紀 藤崎泰正 Tomoki Sekiguchi 2013年 [総長顕彰] :教員のうち、教 育、研究、社会・国際貢献また は管理運営上の業績が特に 顕著であると認められた者を 顕彰し、大学の一層の発展を 期することを目的としている。 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 組織が直面する 「人的資源」の課題探求 経営研究の底上げ、 日本発で図る 総長顕彰 受賞 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 未来に輝く研究者 より 未来に輝く研究者 Yasumasa Fujisaki 2013年 ●関口倫紀(せきぐち ともき) 1969年生まれ。92年東京大学文学部第4類 心理学専修課程卒業。98 年青山学院大学大 学院国際政治経済学研究科国際ビジネス専 攻国際経営学コース修士課程修了。2003 年 University of Washington Foster School of Business Ph.D.Program修了。 Ph.D.(Business Administration)。06年大 阪大学大学院経済学研究科助教授(07年准教 授)を経て、12年4月から現職。専門は人的資 源管理論・組織行動論。2012 年経営行動科 学学会優秀研究賞、2013年大阪大学総長顕彰 (研究部門)等を受賞。 国際色豊かな研究室メンバーと人的資源管理・組織行動を研 「学生たちにはよく制御の基本をこの方法で説明しますね」 と、 究する経済学研究科の関口倫紀教授。企業がグローバル化する 笑顔で身近にあったACアダプタを振り説明する。 中で多国籍人材をどう活用するかなど、組織が直面する 「人的資 理論研究の第一段階は、対象となるシステムを抽象化し、数理 源」 の課題を探る。 モデルとして表すことだ。そのモデルは抽象的であるため、幅広く 「コンサルタントとして企業と関わるなかで、経営の奥にある 応用できる。例えば、本田技研の4WS車の操縦安定性を向上させ 普遍的なメカニズムを解き明かしてみたくなりました」 と、研究 るシステムにも、教授の 「2自由度サーボ系」 の理論が生かされた。 の道へ。実務経験から、人とのつながりを何よりも大切にする。 理論研究を行う一方で、現場を見る重要性を力説。企業での アンケート調査が主流の中で、積極的に実験も取り入れる。心 経験を経て、その思いが深まったという。 「できた理論が実社会 理学的視点から、採用担当者の意思決定プロセスを分析し、企 で生かせるのかを問い直すことから、研究の第二段階が始まりま 業の採用プロセスの傾向を探ることも。 す。現場との差をしっかり意識して、理論を洗練させていかなけ [総長顕彰] :教員のうち、教 育、研究、社会・国際貢献また は管理運営上の業績が特に 顕著であると認められた者を 顕彰し、大学の一層の発展を 期することを目的としている。 研究留学先のトリノ工科大学の前にて、 長男 ︵当時 3 歳︶ とともに 欧米の学界では定 量的研究が主流。た だし定 性 的 研 究も 重視する ●藤崎泰正(ふじさき やすまさ) 1964年生まれ。1988年神戸大学大学院工学 研究科修士課程システム工学専攻修了。同年よ り㈱神戸製鋼所電子技術研究所研究員。神戸 大学工学部助手、助教授などを経て、2010年 より大阪大学大学院情報科学研究科教授。博士 (工学) 。 総長顕彰 受賞 ればなりません」 現在は情報科学の理論を取り入れ、不測の事態があっても休 止しないネットワーク化制御システムの構築に向けた 「ディペンダ ブル制御理論」 に取り組んでいる。大型の競争的研究費CREST 増え続ける書籍・資料の 整理には一苦労 に採択され、それが今回の受賞理由となった。 研究活動の必需品は、ホワイトボードとペン。ホワイトボード を前に他の研究者とセッションしているうちに、考えがまとまる ことが多い。 「研究留学で訪れたトリノ工科大学にある研究機関 メンバーは多国籍でもコミュニケーションは日本語がメイン で、ディスカッションをひたすら続けるスタイルが新鮮でしたね」 アメリカ発の理論や研究が主流を占めるこの分野において、研 と笑顔の教授は、学生とも快活に議論しながら、いつでも次の一 究成果が国際的なトップジャーナルで掲載されるなど、世界に向 歩を踏み出そうとしている。 けて研究成果を発信し、日本発の経営研究の底上げを図る。その 業績で2013年の総長顕彰を受賞した。 息抜きは読書と散歩。本にこだわりのジャンルはない。専門書 雑誌の電子化が進んでいな かった時代にコピーした論 文の束 動きの制御について考察するための 「フレキシブルリンク実験装置」 に囲まれた研究室を出て、学内の散歩中にアイデアが浮かぶこと もあるという。 トリノ仕込みの学生とのディスカッション 55 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 56 未来に輝く研究者 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 未来に輝く研究者 より 佅殻とCNTコーティングの トップランナー 文系から転身、 理系研究者の道へ 基礎工学研究科 教授 接合科学研究所 助教 荒木 勉 梅田純子 Tsutomu Araki 2013年 [総長顕彰] :教員のうち、教 育、研究、社会・国際貢献また は管理運営上の業績が特に 顕著であると認められた者を 顕彰し、大学の一層の発展を 期することを目的としている。 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 社会人に企業の枠を超えた ナノテクの研究の場を提供し ものづくりを支援する 総長顕彰 受賞 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 未来に輝く研究者 より 未来に輝く研究者 Junko Umeda 2013年 ●荒木 勉(あらき つとむ) 1949年大阪生まれ。1977年大阪大学大学院 工学研究科応用物理学専攻博士課程修了。ウィ スコンシン大学化学科研究員、徳島大学医学 部助手、同大学工学部助教授、教授を経て97 年より現職。工学博士、医学博士(論博)。研究 内容は、光学的手法による生体老化の検出、非 線形光学現象を利用した細胞・組織の計測。 2006 年日本生体医工学会論文賞・阪本賞、 06年度日本機械学会バイオエンジニアリング 部門業績賞、13年レーザー学会論文賞、13年 度日本機械学会バイオエンジニアリング部門 功績賞、など受賞 「ラジオ少年」だった荒木教授が 13歳の時に自作した真空管ステ レオアンプ 社会人受講生と講師による ディスカッション 総長奨励賞 受賞 [総長奨励賞] :若手教員のう ち、教育又は研究の業績があ ると認められ、将来活躍する ことが期待される者を顕彰し、 奨励することを目的としている。 ナノテクノロジーは、日本のものづくりを支える大切な柱。そ 香ばしい佅殻の香りと煙の中で 「実は私、文系出身なんです」 の体系的な社会人教育・実習プログラムを提供しようと、大阪大 と笑う接合科学研究所の梅田純子助教。学生時代は社会福祉学 学のナノテクや関連分野の研究者が始めた 「ナノ高度学際教育 を専攻したが、縁あって研究の道に進んだ。 研究訓練プログラム」 に、荒木勉教授は2004年発足当初から関 「革新的なカーボンナノチューブ (CNT) のコーティング技術」 わってきた。現在は、講師としてだけでなく、授業担当者の人選な が評価され、2013年の総長奨励賞を受賞。CNT研究を進める どコーディネーターとしても活動中だ。この社会人教育への取り ステップになったのは、佅殻からエネルギーと同時に高純度のシ 組みが評価され、教育の分野で2013年の総長顕彰を受賞した。 リカを抽出する研究。そのシリカの多孔質吸着性を利用しCNT プログラムの受講期間は1年。社会人教育では日本で唯一の とマグネシウムの複合材料を目指したのが今の研究につながる。 夜間講義を、4つのコースにわかれて、それぞれ週1回中之島セ 現在は、チタンとCNTの混合素材から、凝着性の少ない強度あ ンターで開講し、東京などの遠隔教室10箇所にライブ配信して る新素材を研究している。 いる。 「遠くの受講者も双方向で議論に参加できます。企業や所 「どんな現象が起きているのか、イメージするのが難しい。わか 属組織の枠組みを超えて各地から 『学び』 への意欲を持った人た らないことは学生にも素直に聞く。私よりも周りの方の忍耐が試 ちが集まるので、まさに平成の適塾だと思います」 と胸をはる。 されます」 社会人受講生は11年間で920名。 20∼30代が中心で、女性 研究成果を社会に還元することを常に考える。鉄などにかわ の参加者も増えてきた。 「切磋琢磨して技術力を磨いてほしい」 と るチタン材料は、製品の軽量化や、強化にも期待される。 「佅殻の 思いを語る。 研究も継続し、将来的には東南アジアの農村の生活向上につな 教授の研究分野は生体光計測。少年時代からラジオやアンプを げたい」 と、社会福祉の視点も忘れない。 ●梅田純子(うめだ じゅんこ) 1994年東洋大学社会学部応用社会学科社会 福祉学専攻卒業。2002年東京大学先端科学 技術研究センター科学技術振興特任研究員、 大阪大学接合科学研究所特任研究員を経て、 10年4月から現職。専門は金属材料の表面改 質および非食部バイオマスの高度再資源化。 2013年大阪大学総長奨励賞(研究部門) 、14 年文部科学大臣表彰科学技術省 (研究部門) 等 を受賞。 佅殻の持続可能な 再資源化システム構築を目指す 数粒の佅殻を使い、 DTA装置で熱分解 挙動を解析 小型燃焼炉で佅殻から99.8%以上の 高純度アモルファスシリカを抽出 作り上げるのが好きで工学の道に進んだが、ポスドク終了後「求 められたのなら、精一杯やらないと」 と、まったく異なる解剖学教 室へ就職、生体工学の道に進んだ。機械工学系にもかかわらず CNTと基材の接合 性 評 価を行うピン オンディスク式摩耗 試験機 女子学生が多く、中心にミーティング兼団らんスペースを配置し た風通しの良い空間も荒木研究室の特徴だ。学生たちには 「世の 中に出て、今勉強していることが役立つのは数年後。ほんとうの 戦力 になるために、物事を常に自分の目で確かめ、感性を養う CNTコーティング 皮 膜の解 析に用い るデジタル電 子 顕 微鏡 ことが重要。そしてなによりも、大阪大学をもっと好きになって 「ナノ高度学際教育研究訓練プログラム」受講者同士のネットワークも生まれ、大阪大学の若手教 員とともに阪大山の家を利用し合宿を実施 57 Osaka University News Letter 2013-2014 ほしい」 と思いを込めて語った。 2013-2014 Osaka University News Letter 58 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 未来に輝く研究者 より 未来に輝く研究者 神経回路の修復に関わる 新生血管分泌物を発見 あらゆる生命 いとおしく 文学研究科 准教授 医学系研究科 准教授 輪島裕介 村松里衣子 Yusuke Wajima 2013年 [総長奨励賞] :若手教員のう ち、教育又は研究の業績があ ると認められ、将来活躍する ことが期待される者を顕彰し、 奨励することを目的としている。 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 演歌を中心とした 近代日本大衆音楽を研究 出発点はブラジル音楽との 出合いにあり 総長奨励賞 受賞 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 未来に輝く研究者 より 未来に輝く研究者 Rieko Muramatsu 2013年 ●輪島裕介(わじま ゆうすけ) 1974年金沢市生まれ。東京大学文学部卒業。 同大学院人文社会系研究科(美学芸術学)博 士課程修了。博士(文学) 。在学中の研究をも とにした著書「創られた『日本の心』神話 『演 歌』をめぐる戦後大衆音楽史」 (光文社新書)で 2011年度の国際ポピュラー音楽学会賞、サン トリー学芸賞受賞。東京での非常勤講師を経 て2011年より現職。妻と2歳長男との3人暮 らし。 浅草サンバカーニバルに出場した 大学生時代(1993年) 総長奨励賞 受賞 [総長奨励賞] :若手教員のう ち、教育又は研究の業績があ ると認められ、将来活躍する ことが期待される者を顕彰し、 奨励することを目的としている。 総合大学の文学部では日本唯一の音楽学研究室。 脳や脊髄が外傷などで傷つき運動障害が生じても、体内では そこで主に、日本とブラジルの音楽について文化史的考察を行 中枢神経組織の修復が行われ、失われた運動機能はある程度自 う輪島裕介准教授。演歌を中心とした近代日本大衆音楽の研究 然に回復する。そのことは以前から知られていたが、修復のメカ で、 2013年の総長奨励賞を受賞した。 ニズムについての解明は進んでいなかった。村松里衣子准教授 当初はブラジル音楽をテーマに取り組んでいたが、日本の中で が突きとめたのは、神経回路が修復される際、周囲で新たに発生 の非西洋の音楽の位置づけを考えていくにつれ、日本のことを考 した血管からの分泌物質が回路修復を促進しているという事実 えていくことになった。 「ここでできる音楽の研究は幅広い。僕み である。この分泌物質はプロスタサイクリンという。存在自体は たいにフラフラしながらたどり着いた人間と、音大出身者や研究 知られていたが、神経細胞の形成に関係があるとは考えられてい の焦点を絞って来た人が、同じ場で議論できる。多様性に富んだ なかった。これらの功績から2013年の総長奨励賞を受賞した。 恵まれた環境だと感謝しています」 と語る。 血管からの分泌物質といっても、多種類ある。そのなかで、村 18歳までを石川県金沢市で過ごす。街で一軒の輸入音楽の 松准教授はプロスタサイクリンを含む3種の物質のいずれかが、 専門店の影響で、洋楽、ラテン音楽に目覚める。中学、高校時代 神経回路修復を促進する物質だと考えた。たまたま最初に検証を はバンドブームの真っただ中で、自身もロックバンドでベースを 試みたプロスタサイクリンが的中したのは 「強運だったのかな」。 弾いた。東大文学部に進学後、学外サークル 「早大ラテンアメリ 機能障害の回復に役立つ新たな治療薬・治療法の開発の可能性 カ協会」 に所属、サンバに熱中した。ブラジル・サルヴァドールの を切り開く発見だと、大いに期待されている。 カーニバルでの、レゲエと結びついたサンバとの出合いがその後 現在は、子育てと研究を両立中。 「子どもと過ごす時間を大切 を決定づけたという。 にしたいと考えるようになって、かえって時間を有効に使えるよ 今後は、 「ある音楽がどのような人たちによって作られ変化し うになった」。気分転換は親子でガーデニングをすることだ。芽 移動してゆくのか、産業やメディアの役割や、知識人や学問制度 吹いた花を見ていると 「生命が成長する力強 との関連も含めて広くアプローチを続けます」 ●村松里衣子 (むらまつ りえこ) 2008年東京大学薬学系研究科博士課程修了。 同年大阪大学連合小児発達学研究科附属子ど ものこころの分子統御機構研究センター特任 助教、10年大阪大学医学系研究科助教、14年 より現職。博士(薬学)。13年科学技術振興機 構のさきがけプログラムに採択。14年文部科 学大臣表彰若手科学者賞を受賞。 ◉新生血管が傷ついた中枢神経を修復させる 時間が 経つと… 血管新生 プロスタサイクリン 神経組織の傷害 軸索の修復!! Muramatsu, et al. Nature Medicine (2012) 村松准教授が発見した神経回路修復のメカニズム さに圧倒される」。植物が成長するのも、 子どもの背が伸びるのも、神経細胞の軸 索が伸びていくのも同じようにうれしい そうだ。心の底には、生命をいとおしく カーニバルの代表的団体 Olodumのドラムパフォーマンス (Roberto Viana/AGECOM/Creative Commons) 59 Osaka University News Letter 2013-2014 リオとは異なる ブラジル・サルバドールのカーニバル 思う気持ちがあるのだろう。 研究室の仲間とお花見。 「大阪の方は楽しい方が多いですね」 (Secom Bahia/Creative Commons) お子さんと一緒にする ガーデニングが息抜き 2013-2014 Osaka University News Letter 60 来日したウィリアム・トムソン教授(左) と芹澤教授 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 特集「大阪大学国際共同研究促進プログラム」より 大阪大学国際共同研究促進プログラム 世界各国の知性を結集し 経済理論の充実を Project for promoting international joint research, Osaka University 最先端の研究を展開している外国人研究 者と大阪大学の研究者との共同研究を支援 することにより、研究力を一層高め、大阪大 学のグローバル化を促進することを目指す 阪大独自のプログラム。海外の研究機関で 主任研究者として最先端の研究を展開して いる外国人研究者が、年間1カ月以上大阪 大学の研究室で共同研究することを条件に サポート。H25年度から開始し、22プログラ ムが進行中。2014年6月時点で、13ヶ国の 22の大学や研究機関と国際ジョイントラボ を設立。 社会経済研究所 教授 芹澤成弘 求 、大阪大学 究促進プログラム」 に採択された 「最先 端経済理論研究と制度設計への応用」 成果 に、プログラムの内容や効果について 他 一 究者 大学院生向 オークション制度などについて説明する芹澤教授 学生 大学、 。 、来日 研 講演 世界 一線 活躍 刺激 受 聞いた。 大学、米国 内容 」 企画 。学生 「研究 研究者 還元 応 が、順調なスタートを切っている。代表 者の芹澤成弘教授 (社会経済研究所) Shigehiro Serizawa 。 平成25年度の 「大阪大学国際共同研 研究者 。 ─講演の狙いはどんなものですか。 、5 月 来日 例 理論 世界有数 研究者 水準 豆 欲 大学、 大学 。世界各地 研究者 研究 進 最高 研究 論的 。資源 説明 使 、 、 成功 間 理論的 考 。 力 学生が世界の知に触れる機会を ─採択プログラムはどのような内容ですか。 社会経済研究所 機関 国際的 研究 、国際共同研 究 大学 後押 61 Osaka University News Letter 2013-2014 、 人 知 直接話 聞 、 学者 。 研究者 育 思 役立 。 インド、スペイン、シンガポールなど 世界中から阪大へ 車 持 面積 底不可能。 小 、学生 国 大阪大学 到 待 配分 、海外 研究 進 共同研究者 、淡 、車 買 権利 誰 統計学研究所 Debasis Mishra( )准教授 1 月以上滞在 存知 経済 大 共同研究者 研究 。 国立大学、 が行われる可能性が低くなるから 数の電波を独占的に利用する権利 だ。 「 オークションでは、入札額に で、今日の携帯電話事業には不可 よって自動的に決定が行われます。 欠なもの。携帯キャリア各社が巨大 特に同時競り上げオークション※と な営業利益を上げていることから いう仕組みを用いると、各事業者の 日本を除く多くの先進諸国では、周 最大事業能力を持った企業が落札 波数のオークション制度が導入さ 者となります。通常では得にくい各 れている。 事業者の事業能力や計画実現可能 芹澤教授は「オークションは、周 性の情報が、入札額自体の中に自 波数ライセンスの最も効率的な割 然に含まれることになるのです」 見えざる手が働く』という言葉がよ くあてはまる実例です。入札するの 、 研究機関 共同研究 行 考 研 究内容について講 演する米 国・ロチェスター 大 学の William Thomson (ウィリアム・トムソン) 教授 。他 家も損失を被るので、無謀な入札 周波数ライセンスは、特定の周波 り当て方法。 『 マーケットには神の 伸 相当高 事業者だけでなく金融機関や投資 わかるように、その価値は莫大だ。 予想利益額が脱落額と等しくなり、 ─共同研究者はどんな人たちですか。 、研究 今 路島 。抽象的 「神の見えざる手」 が働く 良 機会 大阪大学 優 、阪大 高 、 。 実績 若手研究者 研究 直接触 刺激 一層進 、 期 。 競り上げ 競 上げオー オークシ ーク クシ ション ョン 競り上げオークションでは、その周波数から最大 の利益が得られると考える事業者に落札される 日本では比較審査方式 他の国ではオークションによる 予想利益額 = 脱落額 予想利益額 (事業能力) 1 兆 3,000 億円 制度設計につなげる分析を行っている。 方向 努 若 道 成功 ・ 配分 研究 準 「携帯電話の周波数ライセンス割り当て」など、資源配分の 」悩 元 良 情 研究者 共同 分析 人々 生活水 場面 課題 落札者 = 最大事業能力企業 8,000 億円 5,000 億円 A B C 4,000 億円 事業者 ?」 中 、 割 当 制度 。 資源配分 事業者 使 、最適 制度設計 試 行 割 当 生 事業者 有限 資源 、人々 幸福 車両購入 、空港 発着枠配分、周 波数 )氏 、 事業者 。 「世 中 、 、現実 容易 Chew Soo Hong 一人 ・ 落札額 研究 、私 ・ 他 出 芹澤教授は、ゲーム理論の専門家であるミシュラ氏と共同で 世界的 「経済学 頑張 「資源配分」 報 引 出 共同研究者 ( 「周波数ライセンス」 オークション制度導入を 、 。 すか。 。 。 。 。 。 有意 情報 手 入 資源配分 実問題 有名 、経済学研究者 ─芹澤先生の研究テーマはどんなもので 、誰 一番 元 配分 社会 故 、 情報 、 著書『 A Guide for Young Economist 』 企画 欲 、 一方、若 。経済学分野 研究者 持 ●芹澤成弘 (せりざわ しげひろ) 筑波大学社会学類卒業。米国・ロチェスター大 学Ph.D(経済学)。専門はミクロ経済学、ゲーム 理論、メカニズム・デザイン。2004年から現職。 2010∼13年、社会経済研究所長。 人 、少 理 。例 。今、社会 義 使 ─どんな研究が進められているのですか。 「資源配分」 人 分 意味 欲 。 資源配分、どう効率的に行えるか 情報 把握 教授 、 手研究者 育 人 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 大 阪 大 学 国 際 共同 研究 促進プログラム D ※ 同時競り上げオークション方式:オークション制度の一種。売り手が初め最低金額を つけ、買い手が徐々に値段を競り上げていき、最高の値段を提示した買い手に販売される。 複数の銘柄を同じ買い手が同時に競り上げていく。 る。この点について芹澤教授は「割 業者に貸し出すようなものだという。 り当て事業者の決定が、周波数の 「産業政策としては、対価なしのラ 生み出す価値を最大化できない非 イセンスは補助金に等しいもので 効率的な方法で続けられている」 と す。オークションを導入すれば落札 は高い事業能力を持ち、計画の実 周波数割り当てが一般的であるの 指摘する。周波数を土地にたとえる 額は国家収入となるだけではく、ラ 現可能性が高い事業者に絞られま に対し、日本では未だに政府などに と、日本の方式は、東京駅前の超 イセンスをよりよく配分することが す」 と語る。事業が失敗した場合は、 よる比較審査方式が採用されてい 一等地を無料に近い価格で特定事 できます」 と強調する。 自治 2013-2014 Osaka University News Letter 62 2014年6月発行 大阪大学ニューズレター64号 掲載 特集「大阪大学国際共同研究促進プログラム」より タンパク質ナノワイヤーが酵素によって分解されていく様子 荷電粒子を高分子フィルムに撃ち込んで糸をつくりだす Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 大 阪 大 学 国 際 共同 研究 促進プログラム Project for promoting international joint research, Osaka University http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/ cmpc-lab/research/index.html 飛び込んでくる。そこは、まさにグロー 凄まじいスピードで競争が進んでいる。 平成26 年度の大阪大学国際共同研究 促進プログラムにも採択された。工学 研究科の関修平教授に、グローバルに 展開する研究の最先端を聞いた。 世界一細い蜘蛛の糸 今年 4 月28 日付 Nature Communication 誌 、極 細 均質 界一細 蜘蛛 質 」 作製 報 薄膜 粒子線 ( 軌跡 。 質 ) 撃 込 、粒子 分子 橋 架 。 「世 糸─ 反応 糸 作 一線 画 、太 数 方法 ㍍、長 数 ㍍ (長 、広 毛 表面積 期待 料研究 構造体 。関教授 産物 、巧 期待 方法 。 。 削減 、太陽光発電 実用的価値 飛躍 。 歴史 広 「電気 流 置 換 」 話 革 。 研究 的確 授 。 上 欠 測定 材料 非接触 測定 障壁 。 。研究 新 、 Osaka University News Letter 2013-2014 。 追 付 合 、国 構成 研究 、世界 編成 「研究 継続 大切 材料開発 捨 新 向上 望 」 知 、知 間違 、 判断 非常 重要 」 』 国際共同 「国際 。関 「有機半導体材料 招 、間違 先端的 迅 、見込 究 破綻 日々生 。 決断 、日 ・ 判断 進 、捨 。古木 、二 多 難 。捨 研究成果 大切 」 語 。 向上 交流 。 「材料 見切 、 招 研 、発展 延 。 人材 送 分子設 始 日 「 初 登 」 意図 新 。 半導体 、学生時代 思 出深 奥秩父 山々 撮影 忍 素材 、日本 、 大阪大学 研究 信頼性 大 研究 捨 的確 。 確実 重 構造 挙動 」夢 語 。 。長 年 温 特異的電子機能発現 本質的特性評価法 、米国 先 広 撮像素子 化 機能追求」 要因 電極不要 有機半導体 。 「素材 地平 、 世界各地から集まったメンバーが在籍する関教授の研究室 研究室 変化 材料 対 、分子構造 『 」 展開 積 、新 結 分子構 関教授 。 有機半導体材料 。 共同研究促進 。 分子間距離 探究 、飛躍的 、 生 。高圧下 測定法 活躍 計 。 。数万気圧 、 造 生 、既知 材料 素材特性 引 伸 考 現 「疑 疑 」 飛躍的 向上 、開発 外国人研究者 」 課題 、関教授 高 圧力 捨てるという前向きな判断 実用化 夢のカメラで秩父を撮影したい 大切 」 方法 。同 繰 返 担 実 伴 導電性プラスチック 両側面 組 説得力 通用 技術開発 移行 、波及効果 、日 環境 』 速 出 新 際的 。招 全体 学 。 見 、今後 、材料 届 1 週間 通関 大阪大学 有機薄膜太陽電池 。 終了 行動様式、 「材料 国 材料 。関教授 期待 越 、関教授 。 「飛行機 行 来 『 波 使 表面 。有機 EL 注目 」話 分野 。 1日 何回 測定 体制 整 代 測定 前 欠 方法。関教 高分子材 生 当 物 特性 技術 確立 100 、 合 、一般的意味 大 、素材 取 組 、 13 年 競 進月歩 世界中 毎日、数 十個 「最新」 材料 発表 性 、材料 基板 速 際共同研究 利 幅広 中国 スピーディな測定技術を確立 支 本来 有機半導体 材料開発 、米国 日本 関教授 、 最先端 担 1 人 。 有機半導体 、材料 深 体験 、受 入 生 同じラボで 「つくる」 「はかる」体制を 」 歴史 浅 。 「 新的 素材 桁違 、派遣先 研究風土 論理構成 測定 計測 倍 一方、炭素骨格 。 「研究者個人 、材料 測定 。 側面 軽 、電 。 上 塗布 半導体 、70 年近 活用 研究 能評価 動 上 影響 排除 大 。 組 。関教授 「組 軽量 太陽電池 、設置 的 高 電極 印刷 安価 、柔軟 電子 荷移動度 特性 評価 素材 研究者 2014 年度 有機半導体 、 63 、光電池 物質表面 研究 全学的 規模 進展 光電池の素材としても期待 折 曲 活躍 変化 半導体 。昨今 。 材料 。 半導体素材 環境 始 基板 多数植 酵素 固定 、検査薬 運 用 利用 太 1000 倍) 分子 糸 「紡 」 糸 髪 Shu Seki バルな空間だ。世界の材料科学研究は 疑うがゆえに知り 知るがゆえに疑う でディスカッションしている様子が目に シリコンに代わる有機半導体など多彩な開発 籍の留学生やポストドクターが至る所 工学研究科応用化学専攻 教授 関 修平 研究室に一歩入ると、いろいろな国 息 素材 命 与 倒 上 新 新 森 再生 素材・試 ・研究 ●関 修平 (せき しゅうへい) 1991年東京大学工学部卒、93年東京大学工 学系研究科修了。93年米国アルゴンヌ国立研 究所、95年大阪大学産業科学研究所助手など を経て、2007年に工学研究科応用化学専攻准 教授、 09年から同教授。01年大阪大学で博士号 (工学)を取得。専門は高分子物性。共役骨格 を有する高分子材料の反応と物性、イオンビー ムによる物理化学反応、電子線パルスラジオリ シス法による物理化学反応の追跡、量子ビーム による超微細加工を専門とし、 「シリコンにとっ て代わる新たな半導体素材」など、生活につな がる開発を多分野で手がけている。06年高分 子学会日立化成賞、00年応用物理学会講演奨 励賞などを受賞。カメラが趣味で登山、山岳写 真などで息を抜く。 。有機薄膜太陽電池材料研究 峠 2013-2014 Osaka University News Letter 64 2013年9月発行 大阪大学ニューズレター61号 掲載 特集「かえる かわる」より 平均寿命と健康寿命 、自分 盾 感 専門 、 植 。 1 型糖尿病( 症 者 重 。糖尿病 腎臓移植 人工透析 腎症 、 回復 、近 成果 。 血行障害 神経障害 機能 回復 苦痛 考 、 補完代替医療 補完医療・代替医療や環境工学、 ロボット工学なども集約 医学系研究科・生体機能補完医学寄附講座 教授 分 伊藤壽記 器 。 細分化 反面、医療 受 。 出発 組織、細胞 実現 、 様々 医療 配下 体制 支 性疾患 有 多 慢 、高 。 、鍼灸 。事故 外傷 季節 ローチする、エビデンスに基づく統合医療[evidence- 後遺障害 身体的 痛 悩 based Integrative Medicine : eBIM] の推進と、その 。 基盤作りに向けた研究に力を注いでいる。現状や将来像 医療的 を語ってもらった。 二次 臨床試験 続 患者会 65 Osaka University News Letter 2013-2014 、客観 検討 。 要請 、統合 第 科学的 検討 進 、第一 収集 取 上回 。 、 逆転 理由 、周辺医療、 医師 本 情報 広 国民 決 。 講座 「生体機能補完医学」 、近代西洋医療 補完医療・代 様々 療法 環境、 先端的 知見 集学的 、現代医療 全人的 体制 違 取 入 編成 直 治療方 補完・代替医療 差 縮 訴 。 、日 、 、信頼 値 。 、自立 統合医療 、 含 大 力 発揮 化防止、再発防止 。 生活習慣病 。予防、重症 質 飛躍的 向上 一人 合 差 医学 進展 、生 。医療・介護 費 軽減 可能性 生活 健康 快適 人生 過 願 克服 平均寿 男性 70.4 歳、女性 73.6 、私 活 。 」 国 歳(厚労省 2010 年) 、約 10 年 CAM 受 。 。 健康寿命 。 怠慢 困惑 年) 主 患者 主体 飲 医師 正 発信 営 。 患者 「 統合医療 、 命 、男性 79.9 歳、女性 86.5 歳 (WHO2012 満足度 、 5 年生存率 7 割 超 、米国 、安全性 担保 日本 医師、臨床心理士 切除 系統 針 選択 、第一次 。 、今後数年 統合医療 目指 、日本 残 安全 担保 工学 報告 節 患者 選択 被害者 、 基 疾病 相互作用 替医療 呼 高 。米国 現 患者 有効性 手術 日本 水準 高 、大腸 新 治癒 、 厚生労働省 注目 5 割程度 患者 。 精神科 効果 、研究 。 、心理的 代西洋医学にCAMを有機的に融合させ全人的にアプ 性 、 、漢方 多種・多様 CAM 否 協力 fMRI 発生 手術後 。 方 統合医療が目指すもの 近年 多 。 JR 福知山線事故 被害者 心的外傷後 and Alternative Medicine : CAM] にとどまらず近 、 議論 療法 、副作用 糖尿病・高血圧・ 、 薬 効 知見 得 推奨 馴染 要因 的 行 、 取 入 、統合医療 存在 (偽薬) 使 、 、統合医療 力 発揮 。統 。第三次研究 高脂血症 検討会 治療 進 多種・多用な医療へデータ収集 。 関 「統合医療」 鍼灸、 取 入 的 証左 現象 見 」 障害(PTSD) 。第二次 。 流通 再開 ) 90 厚生労働省 抑制 解 手法 。外傷 作用 (精油 の医療活動にかわる予防医療・補完医療・代替医療を促 確認 、意識下 隠 評価 試 、 高齢者) 多数生 、 「心 体 状態 画一的 比較対照試験 災害医療 薬剤 処方 数 改善 脳情報通信融合研究 薬 効 臓 不安 軽減 、 少 被災者 ( 復旧 、薬 85 有効性・安全性の検証本格化 施行 、従来 。自律神経 極度 緊張 側 心 。 、 痛手 齢者 示 、 安全 合医療 患者 社会経済的 必要 施 手法 研究 顕著 事柄 高度化 。患者 統 鍼 、 医療 求 東日本大震災 80 ■ 平均寿命(2012) ■ 健康寿命(2010) 次研究 適用 災害と統合医療 大 研究 患者 療法 、 整 75 人 鍼灸師 、 80 数年、近代西 発展 伝 70 65 統合医 。 枠組 仕組 60 、 参画 含 緊張 進している。最近では補完代替医療[Complementary 合 最適 医療 探 出 臨床心理士、 大 12.9年の差 何 東洋医療 、組 医師、看護師 異 発見 医療 。 「疾病」 利点 生 73.6 、近代西洋医療 歴史 取 入 療 注目 生活習慣 改善 予防 進 。 抗生薬 生体機能補完医学寄附講座の伊藤壽記教授は、現在 。 数千年 統療法 人々 生活 質 (QOL) 。 鍼伮師なども含めたチーム医療 。 」 全人医療 実現 従事者 細小血管 合併症 考 点 、臓器 医療 終了 起立性低血圧 洋医学 大 Toshinori Ito 現行 、患者 、痛 「よりよく生きる」 全人的な統合医療 。 、 向上 生 合医療 目指 代西洋医学 続 、 「人 全人的医療、 治療 9.5年の差 86.5 女性 脱 。 70.4 打 患者個々人 目 向 、各種 治療 機能 回復 、 解放 79.9 男性 。 島移 依存型糖尿病) 患 、移植 注射 臓・ 矛 「医療崩壊」 一因 必要 臓 β細胞 機能 廃絶 不具合 改善 、有効 手 原点 機能回復で医療終了ではない 苦痛 。医療関係者 日々 私 身 起 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 ●伊藤壽記(いとう としのり) 1952年生まれ。77年大阪大学医学部医学科卒業。90年 医学博士。78年大阪大学医学部附属病院・医員、85-88 年米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部外科、テ キサス大学ヒューストン校医学部外科への留学、大阪大 学医学部外科学第一講座助手、講師、助教授等を経て、 2005年から現職。専門は消化器外科、移植外科(膵・膵 島)、移植免疫、腫瘍免疫、補完医療、統合医療。 。 療法 科学 光 全人医療 思 大 、患者一人 統合医療 確立 。 2013-2014 Osaka University News Letter 66 2013年9月発行 大阪大学ニューズレター61号 掲載 特集「かえる かわる」より 金融のしくみ ローンを利用するなどの形でお金の貸 し借りをしている。だが 「金融」 「ファイ ナンス」 という言葉には、何か特別な、 専門家でなければ近づけない領域と いったニュアンスを感じる。佐井りさ 講師に、そもそも金融とはなにか、金 融研究の最前線について話を聞いた。 佐井講師の発表論文より。企業の価値を最大化するに あたり、さまざまな制約式がある。それらを解くことで、 最適解 (最も望ましい資本構成の状態) を導く 消費の 「交換」 で 金融システムが動き出す ─一般的な話として、 「金融」 とはどんなも のですか。 」。新事業 始 個人 、 公共投資 考 地方自治体 (企業 、 金 投資家) 含 資金 動 「金融」 言 身近 。私 。 、私 個人 仕組 。実 銀行 預金 既 金融 。銀行 融資 中 金 企業 。 ─資産を増やしたいから預金するのですね。 今日使 使 。 来 金 我慢 、将来有効 「今日 消費」 行為 、 「将 消費」 交換 。 「今 日 私 (資金 貸 手) 消費」「今日 (資金 借 手) 消費」 交換 。 「我慢」 利子 配当 得 。 資金調達・運用に欠かせぬ研究分野 ─ファイナンスの研究テーマには、どんな 方向がありますか。 株式、債券 関 ・ 「 債券、現金 関 67 ・ 理論 」、企業 ・ 構築 研究 財務行動 保有 場合、何 理論的 考 」 。 Osaka University News Letter 2013-2014 分野 博士課程 時代 領域 、個人 、資産運用 式市場 。株 、住宅購入 定年退職 変数 作 「人生 期 、標 研究 目的 。 」 参加 。 楽 後、興味 企業 移 、 中心 個人 用 。 企業価値 。 理論研究 儲 構築 ほど進んでいますか。 「 業活動 活発 、要因 、 多 験則 動 多 。 「資金調達 銀行借入、 用 手段 株 = ) 定理 基本 前 。 倒産 現実 、省 。 与 外 影響 再測定 前 、企業 財務 作業 必要 。 例 済分 収入 、借入 存在 控除 方 法人税 少 、経済学 、是非 国境 、世界共通 学 学 、楽 。 大坂・堂島は 世界初の先物取引市場 金融と言えば欧米発祥のものが多いの が特徴で、株式会社はオランダの東インド 会社が端緒。またオプション取引は古代ギ 成長性、景気展望、 最適 行動 結果 試 現在の大阪・淀屋橋のあたりに、江戸時 代には堂島米会所という米の取引所があ りました。ここでは、米を収穫前に取引す る 「青田買い」が盛んに行われていました。 これは、世界で最初の先物取引市場です。 当時の大坂には先物取引専門の投資家も いて、投資哲学に関する本も残っています。 。 天候に影響されやすい米価格を前もって 「予約」できることは、米商人にとって、と 株は企業を長期的に支援するもの ても有り難いことでした。なぜなら、悪天 候で米価格が高騰したりしないかとか、豊 ─一般の人に伝えたいことは何ですか。 場合、金利返 、企業 。企業 考 、法人税 、 不確実性 株価 決 、 最初 資産 「売 手」側、 研究 中心 中 、企業 中高生 た。ところがデリバティブの代表格でもあ 政治変動 法人税、 。 る先物取引は、 「大坂」 がルーツ。 行動 反映 環境、 使 効用 リシャの哲学者タレスが構想化していまし 、資産 「買 価値 企業側 取 姿勢 理論 。一方、資産 、 、今 交換」 対 度合 行動 」 、簡素化 提条件 必要 手」側 内部留保 活 、企業価値 影響 MM ( 行動 回避 企業 経 」 金融資産 価値 投資家 「消費 資金調達 、 。 ・ 。株価 企 複雑 、理論 確立 。 式、社債 。 個人 所在 理想 ─現在の興味は何ですか。 状態 、企業 経済学部 進学 。外向 活用 ─企業の資金調達についての研究は、どれ 未開 役割 理解 、正 個 」 理論 本来 最大化 問 、 。 社会 豊 伝 源泉 明確 人、企業 「 挑戦しがいのある未開拓領域 金融商品 モデル研究とは ベンチマークをつくること 金融 。 実 最大化 追究 、 開発 手段 ─リスクとの兼ね合いが大事なのですね。 ・ 研究 手段 、効 、 行 本来、 倒産 条件 加味 資金調達 企業 長期的 育 」 応援・支援 。一方、株式 最大化、企業 実現 株式 本来、 「 、借金 上 生 資産配分 変化、個人収入 準 。 資金調達 、節税効果 最適化 考 待成長率、失業 節税効果 返済義務 倒産 ・ 期待 。 借金 。 ─佐井先生はどういう研究を? 提条件 一 ●佐井りさ (さい りさ) 東京大学経済学部経営学科卒業。東京大学大学 院経済学研究科修士課程、同大院博士課程修了。 経済学博士。2011年から現職。 専門は金融経済学。確率的動学最適化による、家 計の資産選択問題および企業の資金調達行動の メカニズムの分析。最近はプロダクション・ベース のアセット・プライシング理論に関心を持っている。 、得 金融政策、金融 問題 扱 」、資産 株 割合 持 「 他、企業会計 金融資 産 適正 価値付 「 Risa Sai 政府 企業、 金 必要 経済学研究科 講師 資金 融通 金融・保険教育研究センター 講師 ) 「 金 余 、不足 佐井りさ 金融 ( Ⅰ 世界をリードする研究 たり、時には株式を購入したり、住宅 金融は、 今日の消費と将来の消費の交換について 考える学問 個人、企業の資金運用について最適モデルを構築する Ⅰ 世界をリードする研究 私たち は日常生活の中で預金をし 投資とは 「消費の交換」 である 」 連想 金融商品 本来 役割 持 作で下落しないかとか、そんな心配をしな 、 「短期 株 売買 誕生 人 。 くて済むようになったからです。日本人の 、 叡智を垣間見ることができますね。 社会 豊 。例 、 2013-2014 Osaka University News Letter 68 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 特集「つたえる」より のような特徴を持っている素子なのですか。 不揮発性 大きさが電界極性依存性を決めていた! 多様 形式 、最 一般的 注目 、金属 構造 (ReRAM、 抵抗変化不揮発性 ) ReRAM、 。 動作特性 素子の大小で電気のつたわり方が決まっていた 、全 異 電界極性依存性 存在 。 、 電界 極性反転 必要 「 産業科学研究所 准教授(極微材料プロセス研究分野) 柳田 剛 動作 、電界 Takeshi Yanagida 」呼 動作 、 不揮発性 、電源 切 情報 消 憶 メモリ特性における電界の極性依存性に関する 、記憶内容 、一度書 込 。 記憶 状態 呼 、起動 速 cc. 、不揮発性 ユニポーラ 電界の極性反転が必要 (プラスマイナスでスイッチング) 電界の極性反転が不要 (電流の強さでスイッチング) 2つの性質の現れ方が長年の だった。これによって、設計プロセス自体が異なるため、 69 Osaka University News Letter 2013-2014 低消費電力 素子 大 次世代 基 実験考察 」 、 、世界中 欲 」 高 設 究極のデバイスを開発したい 知見や技術が の解明につながったのでしょ 調 うか。 使用 発の有望な素子とされるのが、抵抗変化不揮 発性メモリ (ReRAM、メモリスタ) ですね。ど 非常 材料 研究者 比較 思 研究 自己組織化現象 、自然 形成 。私 摂理 立脚 極微 素 結果、私 金属酸化物 )動 「O2 」 。 O 2 事象 、 単結晶 特性 生 (金属 、金属 健康 、驚 。 思 優 特性 」 、現在 役 、貴重 作成 多結晶 単結晶 究極 開発 。 非常 丈夫 割 、私 近 、 将来的 開発 。衣服 装着 、 人 、採取 医療機関 伝 的 開発 「資料 役割 周辺環境 本人 「+」 「+」 方 動 大切 思 酸 。酸素 反響 企業 、 電子 実験材料 関係 「 」 一 使 、安定 ─なぜ素子の大きさが「バイポーラ」 「ユニ 予想以上 二 、自己組織化 ポーラ」 を決めるのですか。 ─その不揮発性メモリ (消えないメモリ)開 。 依頼 使用 削 作製されたMgO/CoOxナノワイヤの透過型電子顕微鏡像 間謎 ─柳田先生は材料科学の分野で、ナノ構 、他 、電気 伝 「 割。 造の研究に携わってこられました。それらの 今回 素子 半導体 研究 明 決 、非常 簡単 時 。一 技術 長年の だった電気の伝わり方 大 」 私 、 。 。 。 論文 発表 DRAM 置 注目 現 出 うか。 非常 原理 長 弱 部 低 、電気 ─メモリスタの動作原理の解明は、記憶媒 。 。 「大 結果 素子 確率 、 原理的 部分 解明 行 必要 小 道筋 多 実験 」 「 信頼性 部分 ような技術の可能性につながっていくのでしょ 現象 見 思 。大 弱 、 、 。 弱 、 、今後 。 少 伝 、大 部分 部分 多 、 体の小型化や大容量化だけでなく、今後どの 電界 重要 動作特性、 「 出現 分 動作起源 明 。 弱 弱 不均 電気 伝 、 見 考 思 、違 材料 計 貢献 、必要 素子 材料 材料 並 素子 極端 。 非常 面白 記憶 不揮発性 、待機電力 違 。現在、揮発性 換 、 10 nm 、 質 、原子 作 電界 強 、同様 記 比 素子 削 。全 同 材 大 決 、電源 切 情報 V 、素子 合 自体 、素子 小 素子 作 、私 小 。 」用 、小 固体内部 隠 思 」 注目 大 除去 不揮発性 内容 置 ON state 「素子 。大 較的簡単 現 落 。一方 DRAM cc. 重要 記憶 ) 基本的 、 開発現場では、この性質の現れ方の法則が求められていた。 実験 重 結構難 。 DRAM(揮発性 、電源 切 バイポーラ 二 ─どのような仮説を基に、メモリスタの動 料 なぜ世界で注目されているのでしょうか。 テクノロジーへの波及効果が期待される。 OFF state 、 基本的 動作原理 従来 ─不揮発性メモリとは、どのようなもので、 型の不揮発性メモリ素子を活用した省エネ科学技術・グリーンナノ V 研究成果 「金属酸化物単結晶 作特性の に取り組まれたのでしょうか。 次世代に期待の不揮発性メモリ に信頼性の高いデバイス設計が可能となり、極微な超低消費電力 OFF state 現 。双 異 素子の大きさで動作特性が決まる を解明した。これにより、さら ON state 性質 。 されながらも制御が困難だった抵抗変化不揮発性メモリ (ReRAM、 Unipolar 伝 素子 作 構造 。今回 性質 争が繰り広げられている。柳田剛准教授は、その最も有望な素子と cc. 電気 性質 製品開発 現在、世界中で高密度の不揮発性メモリ開発をめざした熾烈な競 Bipolar 。 極性 単極性 ReRAMの動作原理の を解明した柳田剛准教授 (左) と研究室のメンバー l 二 性質 持 謎 、 真空容器には研究を待つナノサイズ素子 が並ぶ l 「 条件 大 ●柳田 剛(やなぎだ たけし) 1972年生まれ。95年大阪府立大学工学部化学 工学科卒業。97年同工学研究科物質系専攻修了。 2002年英国ティーサイド大学PhD修了。 97年松下電工株式会社中央研究所、英国ECSC, EPSRC Project Researcher、大阪大学産業科 学研究所助手、助教を経て2011年1月から現職。 04年粉体工学会Best Presentation賞、05年 ISSP Poster Award、06年日本粉体工業技術 協会研究奨励賞、08年ナノ学会若手優秀発表賞、 09 年 ISSP2009 Best Poster Award、10 年 Poster Award, Material Research Society Fall Meeting(2011)等を受賞。 メモリスタ) の本質的な動作原理の 」呼 反転 必要 Ⅰ 世界をリードする研究 、産業界 記憶容量 限界 ると、バイポーラとユニポーラの性質が反転 Ⅰ 世界をリードする研究 消えないメモリ動作の 謎を解明 。 小型化 ナノスケールから 素 子を 大きくして検 証す 多 使 素 子の大きさ・電 流の流れ方に依 存するこ 中 機器用 する境界線が明らかになった。性質の違いは 世 とが判明した。 際 、実 画期 、基礎技術 取 組 。 2013-2014 Osaka University News Letter 70 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 特集「つたえる」より 担 、抵 抗 。 全・浄化 始 環境保 業者 作 理解 、税金 多額 境保全・浄化 支出 難 事業 伝 続 。環 必要 視点 技術開発 進 。 、自分 環境 、 」 、社会 中 定着可能 築 」 仕組 思 環境問題 解決 利益 出 成立 現 技術 社会 実装 池教授 構 研究 。 環境問題は地域、時代ごとに 理解 学 現象 渡 。環境工 全 研究 重要 対象物 池教授 、市民講座 見 環境問題 問 」 考 環境浄化の 重要性をつたえる 物機能 多くの審議会に携わる環境の専門家 部 会・瀬 戸 内 海 環 境 保 全 小 委員会 阪府環境審議会 審 議 会 委員 会 役員 Michihiko Ike 、学会、協会 日本には世界トップレベルの環境技術が数多く集積し、人々の暮らしや 的知見 健康に大きな影響を与える水質浄化や土壌浄化などに関する研究も着々 方、環境保全 関 基 議論 と進められている。しかし環境保全・浄化に関する公共政策や企業戦略の 成が必要。市民や産業界の正しい理解や世論の後押しが不可欠だ。多様な 分業化 進 細分化 基本計画 策定・検討 関 分野 進 。 。 呼 背後 幅広 扱 。 「例 人間 有機物 エネルギー消費 上水 CO2 川 勝手。水 、上水 、世界 仕事 蒸発 分 雨 上 下水処理 。水 、一体 見 必要 製造 供給、下水 使 、 発生 道筋 作 。 効率 、回収 、 最適化 進 。 「開発 社会 使 71 Osaka University News Letter 2013-2014 正解 異 。大事 地域 、一 環境問題 対 、 、 等 回収 正確 伝 場所 何 選 政 、余剰電気 電力会社 売 、下水処理 。時代 。今 時代、 市民 一緒 考 機能 事業 企業、行 、大学 使命 思 」 なくても動いています」と池教 「私たちは浮き草の根っこに有 、誰 害物質を分解する微生物が集まっ ていることを発見し、植物と微生物の 多額 共生関係による環境浄化機構の解明に取り 入 車 払 購入 、淀 川 多大 組んでいます。水と二酸化炭素で動き、根に集まった微生物 水 金銭的負 が水をきれいにしてくれるという循環は、まさに理想的な環 境浄化システムです」 池教授は最近、浮き草の根っこに付けると成長速度が数倍に もなる微生物について研究している。 「その微生物によって浮 分解者(微生物) 無機化 持論。 「環境問 作り増えていく植物を触媒とし 分野 金額 池教授 て、どのように水を浄化するか。 払 、気 、 理 授。光合成によりエネルギーを 意味 ビジネスモデルに組み込む 積極的 重要性 伝 続 「植物はエネルギーを与えられ 」 難点 解 」 植物、微生物の共生に着眼した 水の浄化研究 大事。社会 実装 、環境技術 考 環境 。今後、下水処理場 成立 願 。 「学識経験 (電気) 最大 技術 環境技術 社会 題 絶対的 正解 、現在 処理場 、下水 、 活 水 浄化 者 大阪市 連携 50% 世界 伝 次 世代 伝 、自分 過程 取 出 、勉強 終 。彼 、彼女 位置 複眼的 考 伝 。 「例 浄化 、 発電所 社会 伝 環 境 問 題 繋 汚水処理 賄 池教授 、開発 一 。特 、研 時間 過 。留学生 多 、大阪市西 大量 消費 、 有害物 。 役立 人間 戻 消費者(動物) 。 海 。 使 、汚 海 再利用 回収 、 問題 水 、上水 下水 、陸水 除去 、資源 長 強 影響 受 広 津守下水処理場。下水処理 一般的 」 、今 技術 社会 対 、土壌 、環境 資源・ 成区 排水 抑 可能性 池教授 注目 、最新 、微生物 用 含 水から土壌、エネルギーまで 問題 制約 明確 目 眺 、全体 」 生産者(植物) 生態系 使 技術開発 取 組 私 研究 評価 水 、絶対的 生物 誇 。微生物 自己増殖 委員会 、 池研究室 良 。 「 環境 、多様 環境 相手 広く伝え続けている。 生態系における物質・エネルギーフロー 言 質 水環境 分野 扱 範囲 広 、 環境技術の開発に取り組む池道彦教授は、研究のかたわら、国などが主宰 する環境関連の委員会の委員を数多く務め、環境浄化の重要性を社会に 、審 議 考 発生 私 学生 、 希少資源でもあるセレンを取り込む微生物。このような微生 物を探し出す所から研究が始まる 70∼80 講義 受 学生 社会 巣立 究室 環境問題 、生物 、大 活動。科学 、 積極的 工学 推進には、さまざまなステークホルダー間の合意形成と大規模な予算編 。 人 過 改善 方 、新 現在、中央環境審議会・水環境 池 道彦 死骸 排泄物分解 。 70 億 人口 、講義 学生 影響 与 。毎年、私 人工的 手段 、生物 力 借 工学研究科 教授(環境・エネルギー工学専攻) CO2 ミネラル 。 「地球 、化学物質 池教授 落葉・倒木 枯死 利用 。 「私 大学教員 、生 思 大学院生 伝 研究指導 通 基盤 人 超 、人間 自然 負担 俯瞰的視点で最新技術を社会に実装 有機物合成 バイオマス 研究 同時 、自 学部生 重視 技術を社会で役立てる仕組み 池教授 地域住民 対 き草が元気になると、水を浄化する力も大きくなります。環境 ミネラル 地球の安定性は、主に、多様な機能を持つ生物間の 相互作用とそれによって生じる非生物要素の循環・ 再生によって保たれている。 根の部分に有害物質を分解する 微生物が集まっている浮き草 浄化に役立ちそうな非常に面白い特性であり、これらを実際 に使える技術にしていきたいと考えています」 2013-2014 Osaka University News Letter 72 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 ●池 道彦 (いけ みちひこ) 1963年生まれ。85年大阪大学工学部環境工学 科卒業。87年大阪大学大学院工学研究科環境工 学専攻前期課程修了。93年工学博士(大阪大学) 。 87年久保田鉄工株式会社水処理技術部。90年 大阪大学工学部助手、同工学部講師、同大学院 工学研究科助教授を経て2006年1月から現職。 専門は、生物を利用した環境・資源保全。 2012年日本水環境学会論文賞、2013年大阪大 学総長顕彰 (研究部門) 等を受賞。 2013年12月発行 大阪大学ニューズレター62号 掲載 特集「つたえる」より 私は無国籍人です 「『国籍は?』と聞かれたときには、 『無国籍です』と答えるようにして います (笑) 。国籍や、出身、皮膚の色といったアイデンティティを超 えた 『人と人』本来のつながりを大切にしていきたいです」 ●ヴァ―ジル・ホーキンス 1974年生まれ。97年大阪大学法学部法学科卒業。2002年大阪大 学大学院国際公共政策研究科国際公共政策専攻博士課程修了。博士 (国際公共政策学)。特定非営利活動法人AMDA(カンボジア、ザン ビア) の職員、07年大阪大学グローバルコラボレーションセンター特 任助教を経て、10年10月から現職。専門は国際政治、紛争研究(特 にアフリカ) 、メディア研究。 「常識」 と異なる目線から、世界を見つめてみよう 国際公共政策研究科(OSIPP)准教授 ヴァージル・ホーキンス 関心 研究ネットワークセンター 『SACCPS』 の冊子 Virgil Hawkins 。 関心 水 飲 、経済 関係 。2013 年 。 人質拘 共有 1月 引 起 世界中で今もさまざまな紛争が起きているが、それらについてのメディア 束事件 の取り上げ方は一様では ない。なかでも、コンゴ民主共和国(Democratic 名 Republic of the Congo) での紛争は、累計500 万人が犠牲になっているの 牲者 、報道 取 出 、 正 シエラレオネ コンゴ民主共和国 (死亡者:約540万人) スーダン (南北) リベリア 事実 ボスニア コロンピア スリランカ ─アフリカでの紛争に関心をもったきっか 、冷戦後 世界最大 紛争 起 けは? 国際紛争 言葉 「中東」 連想 報道 、 、大学生 少 調 知 「紛争」 、 紛争(当時 、南 北 ) 規模 報道 、日本 欧米 取 上 。 小 争 大 大 比 北 報道 重 」 考 基 、 犠牲者数 情報 伝 方 大 差 。 「実態 大 、 違 」 関心 全 。 気 。 Osaka University News Letter 2013-2014 。今 知 。 教科書 報は伝わってきません。 検索 、情報 掲載 「世界 、 南北アメリカ 23% アフリカ 2% 。 、私 ─人は、どうしても自分から遠いものには、 関心をもちにくい。 発信 強 問題 識」 、新聞 情報源 。 決 平和維持 教育界 、南部 学術 連携 強化 、南部 「常 影響 与 足 研究者間 意図的 無視 、社会 作 上 遠 」 中東 8% 地域 貢献 紛争解 研究者間 強 、強力 情報発信 思 欧米系 。日本人 白人 見 目 違 色 明 、皮膚 違 黒人 比 、 。生活様式 欧米系 。車 ─マスメディアや教育によって、世界のイ 乗 、 メージが作られる面は確かにありますね。ア 。 フリカの問題が世界に伝わらない原因は、ど 住 我々 起 近 方 報道 場合、政府 、政府 。 列車 、 何百㌔ 歩 逃走 逃 間 、汚染 10% 未満 日本 大手全国紙 、 。 過 。 手伝 、 調査 小 記事 占 報道 、日本 国 村 襲撃 。 私 似通 、鉄道 身近 、人々 徒歩 。日本 主要 新聞 中 国際記事 占 割合 、日々平均 持 、電話 使 。 自国中心主義 SACCPS(Southern African Centre for Collaboration on Peace and Security) webサイト http://www.saccps.org/ アジア 38% 持 。 多 実感 2011 年 日本学術振興会・大阪大学 協力 得 、SACCPS (Southern African Centre for Collaboration on Peace and Security) 研 究 開設 、 WEB 情報 。 載 、 言及 国際的 。 差 、現状 情報格 ヨーロッパ 24% 主 紛争」 紛争 一 現地 研究者 、世界的 、知 。 芸 。日本 中 世界に拡散しても、 DRCの紛争についての情 発 重要 」言 湧 こにあるのでしょうか? 、 新 方 飛 ─このインターネット時代、情報が瞬時に 、 情報発信 充実 (国際面の報道量:2000年) 自国中心主義の報道が問題 世界 人々 、 DRC 起 日本 紛 知 平等 。 「人 命 高校 収集 SACCPSの研究者たちと 日 豪州 記事 囲 怒 重要 死者数 、北 ・ 2000 年以降約 、圧倒的 数 紛争 記事 、後 。思 学校 距離 英語 。 大事 条 、伝 悪循環 生 、主 大手新聞から見た世界 取 上 。 、 。 「読 死者数 出 「伝 、北 、 「 話題 、 伝 」、 上 情報 発信 話 。 。新聞 聞紙面 、累積 500 万 、 死者数 1万人 事実 、死者 少 ・ 。 紛争 皆 。私 高校時代 、 中東情勢 。 73 人 変 上 コートジボアール コンゴ/チャド ミャンマー/ネパール コソボ イスラエル・パレスチナ 民主共和国 。例 、 部分 少 結局、 、両者 日本 能人 例 。 ─他にも原因がありますか? 、大手検索 ─実態とイメージの格差ですか。 コンゴ紛争の犠牲者500万人 、情報量 制約 解釈 広 時代 「伝 命 落 アフリカの記事は0.2% 「報道内容 神話 子 重 」 伝 大勢 私 思 一部 全容 心理的 問題 トルコ ナイジェリア フィリピン パキスタン 湾岸戦 アルジェリア ダルフール ブルンジ ザイール 」 受 、 ホーキンス准教授が使うパソコンのOSは無償提供の 『Ubuntu』。 『Ubuntu』はアフリカの言葉で 「他者へ の思いやり」 などの意味を持つ アンゴラ ルワンダ アフガニスタン イラク ソマリア 事実 件 犠 報道 時 。市民 授に話を聞いた。 国 現地従業員 い関心を寄せる国際公共政策研究科(OSIPP) のヴァージル・ホーキンス准教 ウガンダ エチオピア エリトリア 、他 。報道 か。情報社会といわれる現代において、ニュースとして伝えられない紛争に強 日本人 10 亡 終始 に、多くの日本人はそういった現実を知らない。なぜこういうことが起きるの 冷戦後の紛争による死亡者数の比較(2007年調べ)※青字はアフリカでの紛争 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 今アフリカで起きていることが なぜ世界につたわらないのか ホーキンス准教授のブログ http://stealthconflictsjp.wordpress.com/ 考 ター読者へのメッセージを。 日本 割合 新聞全体 小 、 、 2% 0.2% 識 ─アフリカに関する情報を広く伝えるため には、何が重要でしょうか? 、世界 他 地域 「常識」 「 。 、我々 意 。 「常識」 働 、人 「命」 。 ネット上の情報を活用しよう 。 ─最後に、ホーキンス先生からニューズレ 「誰 場所 起 命」 、 「 」 」 問題 、 「常識」 見直 、違 角度 考 。世界 思 。 自身 探 時代 見方 変 情報源 、自分 2013-2014 Osaka University News Letter 。 74 阪大病院の 医療 医 近未来 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 特集「阪大病院の近未来医療」より で、医療の国際化を積極的に進め ている。 未来医療センターを核に 国際化にも対応 大阪大学がGlobal University 「 世 界 適 塾 」元 年 と 位 置 づ け る 2014 年 4 月には、新たに最 先 端 医療イノベーションセンター棟が オープンし、未来医療開発部の新 しい拠点となる。医療を通して世 界に貢献する方向性、将来展望な ど阪大病院の近未来医療について Ⅰ 世界をリードする研究 核となる3 つのセンターは、先進 医療の開発や高度治療を行う一方 再生医療・移植医療などで 世界に貢献 Ⅰ 世界をリードする研究 2012 年8 月、医学部附属病院 に未来医療開発部が発足した。中 ─その展望を訊く 大阪大学医学部附属病院 未 来 医 療 開 発 部 臨床試験部 設置 数 誇 Center for Global Health 医療の国際化に対 応するネットワー クの拠点として「全 地球的な健康を促 進」することを目 指す。 鼎談を行った。 最先端医療の基礎 研究を臨床に適用 し日常医療に「橋 渡し」 することを目 指す。 。橋渡 研究 治験 部分 Medical Center forTranslational and Clinical Research 。日本屈指 医師主導治験を支 え信頼性を保証で きるデータ収集や 試験結果の適正な 統計解析等を支援 することを目指す。 互 重 臨床開発部門 臨床 試験部門 再編改組 」 独立。臨床研究 客観的 評価 、得 総合的 国際医療 展開 来医療開発部「国際医療 医学部附属病院 未来医療開発部長 澤 芳樹 Yoshiki Sawa 医学部附属病院 未来医療開発部 データセンター長 西田幸二 Kohji Nishida 織 Akihiko Azuma 発足 部長 総長補佐・保健センター長 組 構成 役割 、 説明 Keiko Takihara 設置 目的 Osaka University News Letter 2013-2014 未来医療 基礎研究 前身 (種子) 成果 。阪大 生 医療 、世 瀧原 次 、 中 普及 橋 田先生 。以降 10 年間、再生医療 渡 研究 開発 10 、 36 成果 、臨床開発 初期 安全性 証明 国 「橋渡 研究」 。発 治験 価 未来医療 試 進 、世 最終的 効果 承認 得 説明 阪大 臨床試験 要 手順、 計画 行 。 明確 計画書 作 集 。 重要 、 、 。 家 必要 。 、今 始 特色 質 保 、 専門 、 。 患者 受 入 術後管理 必要 、 。 国際性 高 。学内 GLOCOL、人間科学部 中村安秀先生 医療通訳士協議会 会長 、 取 組 芽 場 」 場 提供 進 、各所 。皆 病院 受 入 「 話 聞 、病院 、双方助 。年間 500 人 南谷 教 西田 阪大 限 瀧原 未来医療 担 国際医療 動線、 整備 泉佐野市 患者 、病棟 明 。 。 。海外 。 。外国語学部 話 海外の患者さんも受け入れ 問題 診療科 求 形 出来 患者 豊富 土壌 未来医療開発部 、 特徴 沿 的確 生物統計家 臨床 整備 進 、 治験 海外 、国際医療 評 普及 研究 臨床 。 前提 必 解析 橋渡 、阪大 高 受 入 管理 、綿密 中 何 案内 、 今 手術 向 英語表記 認 。 。実 、 。 一 「明日 医療」 問題点 表 、外国人 (笑) 。医療技術 海外 医療 提供 今日 医療 西 、 心臓 。当時 受 入 、院内 説明 。 進 医療 科学的 行 他 機器開発 動 一方、企業 研究 行 市中病院 期待 、先 、 。 関 側、産声 上 思 役割 西田 臨床研究 、心筋再生 。現在 再生医療 。 試験、 新 強 非常 再生医療 行 準備 一般診療 、未来医療開 。 。 西田先生 角膜再生 始 含 文理融合 。 澤 阪大病院 、高度先端医療機関 引 寄 海外 。実際 患者 「明日の医療」 を引き寄せ 一般診療につなぐ 。 学内 議論 続 、 遺 手術、移植 日本最多 澤 未来医療開発部 、 02 年 阪大病院 段階 75 新 未来医療開発部 澤先生 医療 医療開発 進 考 両方 兼 備 新 伝子治療 、 。 ●司会 瀧原圭子 医療 化 移植・再生医療 二 。 外国語学部長 東 明彦 瀧原 大阪大学 目指 足当時 支援 発部 、国際医療人 阪大病院 感 非常 高 解析 成果 未 」 設立。 参加 形 「未来医療」 「国際医療」 「データ」 3センター 、得 。 澤 日本、 作成 行 瀧原 阪大病院 GLOCOL( 育成 。 試験物 作成 手伝 、質 高 客観性 得 。 過程 、外国語学部、人間科学部、保健 ) 作成 、 内 置 部門 、未来医療開発部「 学科及 概要書 。 同時 、 09 年 、 13 年 専門家 、研究者 2012 年 未 、合理化 来医療 治験 外国人 総合医療 先生 、取 組 。 、日本 (快適 ) 整備 遅 病院 、 2013-2014 Osaka University News Letter ・ 76 阪大病院の 医療 医 近未来 ▶鼎談─再生医療・移植医療などで世界に貢献 道 目指 集 。医療関係 法関係、行政関係 。 彼 関 二人三脚 、司 高 正 機能 、企業 関係 結 東先生 通 、 。先日、 説明 人 。 患者 英語 、事 医療 合意 得 支払 活動 。 力 入 英語 広報 。適塾 紹介 解 眼科学教室 制作 、 公開 。 瀧原 国際医療 言 一番 考 療通訳 。 「必要性」 学際融合教育研究 。 社会的 通訳 1 回数千円 謝礼 、 仕 極 精神 成 立 高度 力 求 個人 努力 、病院 増 必要 通訳 募集 。 医療 。医療通 知識 切 大学院 、 言 事例 、優秀 学生 Osaka University News Letter 2013-2014 進 国際機関 選定 医療教育・医療研修 中東 合 進 受 自国 試 。例 、 、細胞 技術 学 多 、 「先進医療 。一 月間 育 、低層階 人材 育 。 、言語 母語 多 、 。 人 、中層階 隣 流 。 未来戦略機構 未来 学生 教育 未来 、階段 大 結集 、 「橋 行 来 可能 瀧原 阪大 、全臓器 可能 日本唯一 話 臓器 仕組 公共的 需要 必要 、社会 。 。 日本語 容 不明 、複雑 国語 。通訳 利用 移 言語 論理 説明 翻訳 意味 外 歴史 持 側 、 通 、 努力 限 部分 棟 問 。必然的 iPS 細胞 研究 道 。 基礎 思 期待 西田 最先端 医療 実用 、医療通訳等 思 。 人材育成、 、 世界的 支 環境、研 「世界環境」 充実 澤 日本国内 足 日本語 一通 、 済 。 代 。 死語 、 。 用 時 言葉 当 前 時代 担 、世界 人材 育 、道 世 人 、社会 貢献 瀧原 緒方洪庵 。 大 。 国立大学病院 競 聞 単科大学時 。 。 連携、最先端医療 役割 一言 。 、日 再生医療 課題 医療 目指 皆 教育環境 得 分野 考 究 角膜移植 話 異 西田 世界 治療 、 解決 、日本 教育環境 視野 本全体 言 瀧原 産学 新 発展 世界 最 進 意味内 、正 大 重症心不全 克服 移植 発展 医療従事者 側 、通訳 限界 理解 代 。 西田 100 年 及 題 人工 受 向 。 材育成 、 。 、阪大病院 地域単位 整 大事 、実績・水準・態勢 、 、 願 目指 東 外国語学部 、統合 取 組 再生医療 10 大学 世界 。 目指 、一 位置付 、創立 100 周年 、再生 非常 高 2014 年 「世界適塾」 元年 2031 年 瀧原 阪大 脳死移植 医療機関 医療・移植医療 受 皿 難 語 。医療 全体 対応 「世界適塾」 の実現に向けて 最先端医療 イノベーションセンター棟には 「未来」 が集う 言語 対応 業 「心機能再生 」、 比 来訪 増 澤 日本学術振興会 (JSPS) 先端研究拠点事 見 話者 多 語 病院 。 限界 近 言語 。 思 澤 心臓 。 、 切 国際 諸国 領域、再生医療 」 国 思 応 諸 取 。 化 進展 難 。 薬学、 進 強 韓国、中国、 現場 見 人材 輩 医工連携 、医局員 啓発 学 細 定評 受 入 短期 含 、 関 東 英語、中国語 諸国 先進的医療 西田 眼科 組 米 入 。 、学部学生 。 創薬 要望 応 未来医療人材 世界 活躍 脱細胞技術 瀧原 。一般的 医療 臨床力 発展 、我々 、積極的 培養 事業 展開 大 人材育成 目指 保健学、外国語学、人間科学 、通訳 重要 JSPS 事業 、先 面 澤 学生 待 文部科学省 将来的 。国際 信頼関係 築 。 必要 出 共同研究 細胞 、国際共同研究 国 大学院生 2 段階 WHO 望 、日本 。 養成拠点形成事業 教育 。 求 身 、積極的 西田 阪大 。仮 、将来的 医療通訳 描 77 。奉 頼 、社会的 制度 整 、 。医療通訳士 。 大学院 進 瀧原 海外 学生 現場 見 。 、通訳 行 通訳 。 基礎教 、国際医療経済学・法学 広 専攻語 社会 使 高度 語学力 幅広 来 国際共同研究や研修生受け入れ 自然 具体化 訳 、 医学 、 、 阪大病院 強 学生達 。文理融合 入 学生 自分 阪大 体制 人材育成 動機 的 期待 通訳 、職 、安直 例 、 育 受 将来 見据 気持 医療通訳 養成 何年 素地 。 、 高度副 始 業化 学部 同 (笑) 。 出 。 東 。阪大 研究者 入 病院 臨床研究 進 。 。阪大 役割 社会 、医療通訳 認識 、司法通訳 一 「最先 。 未来医療開発部 引 継 、 渡 」 医療通訳 設置 。 産学 。 、人材育成 進 観点 明確 under one roof 連携研究 進 。上層階 ●東 明彦 (あずま あきひこ) 大阪外国語大学外国語学部卒。専門はブラジ ル史。2007年大阪大学世界言語研究センター 教授、12年言語文化研究科教授、13年から外 国語学部長を兼任。 、正当 報酬 唯一、初 、医 投資 契約 基 、企業 高 機会 乏 。 ●西田幸二(にしだ こうじ) 大阪大学医学部卒。専門は眼科学。2010年医 学系研究科教授。角膜の再生医療、組織工学、 遺伝子治療等の研究等に取り組む。12年から 最先端医療イノベーションセンター長、未来医 療開発部データセンター長、13年から理事補 佐等を兼任。 望 棟」 研究室 ●澤 芳樹(さわ よしき) 大阪大学医学部卒。専門は心臓血管外科学。 2006年医学系研究科教授。心筋シートなど再 生医療等の研究等に取り組む。医学系研究科 副研究科長、附属病院ハートセンター長、未来 医療開発部長等を兼任。 、 学部 外国語学部 前 。医療 医療現場 役立 国際医療 。 東 得 阪大ならではの 多様な国際医療人を育成 実績 積 、言語 問題 出 本人 条件整備 必要 西田 実際 医療通訳育成には 社会での 「キャリア化」 が必須 。 。 認定資格 設 改善 必要 手術 共同 結 、4 月 「共同」 勉強 、 伝 両面 大 人通訳者 通 、医療用語 通訳 化 。 海外 流 端医療 切 ●瀧原圭子 (たきはら けいこ) 長崎大学医学部卒。大阪大学 大学院医学系研究科修了。専 門は循環器内科学。2008 年 保健センター教授。11 年から 総長補佐、12年から保健セン ター長を兼任。 強 構想 大切 。 澤 先 。 認識 大切 産学連携 弱 。日本 研究 専門的 通訳 「必要性」 。 相互補完的 進 、日本 志 「献身性」 求 、社会全体 各分野 限 通訳者 力 必要 、大学 企業 、通訳者 充実 良 循環 持 、企業 精神 。 「人 、世 」 継承 。本日 2013-2014 Osaka University News Letter 。 78 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 中 広 阪大病院の 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 特集「阪大病院の最新医療」より ① 最新医療 外科 、胸腺腫瘍 関 治療法 転移 2013 年12月23日、国内で2 例目となる心肺同時移植が大阪大学 療効果 高 医学部附属病院で行われた。澤芳樹教授が率いる心臓血管外科と奥 抑 先端治療・研究などについて語ってもらった。 ドナーから提供された臓器を搬送する心肺移植ドナーチーム 阪大病院 2009 年 1 月、阪大病院 実施 5 年。2 例目 、愛知県 脳死 判定 30 代 日本 初 女性 心肺同時移植 。移植 受 硬 、心室 拘束型心筋症 肺 機能 著 筋肉 心臓 循環 運搬 、人工心肺装置 呼吸 維持 、封合 完了 現在、 経 徐々 自立 方 。 2013 年末 日本全体 脳死下 心 、移植 厳 条件 要因 明言 手術 、2 例目 成 。 「移植 時移植 、初 症例経験 持 大阪大学 心臓血管外科教室 特 優 。 増 大 、呼吸器外科 心 臨機応変 手術 進 」 説明 最近、 炎症 炎症 起 状況 研究 。心肺同 意思疎通 密接 症例 互 、 対 。先輩 、 性化 止 全体 迅速 逆 転移 起 続 阪大病院 文化 業 思 積 重 。 阪大病院 脳死下臓器移植 全臓器 認定 受 向上 ) 持 施設 、胸部 活 国 研究 肺 患者 治療 含 段階 解析 治療結果 、最 有効 治療法 何 症例 (外科・内科・放射線 組 前 考 」。 心 視野 持 、幅広 」。 「私 研究 、臨床 。基礎研究 臨床研究 、 重要。例 間 、 研究 免疫 、 知見 得 拒絶反応抑制 応用 何 作 、広 取 関連 抑制 究 取 一生懸命 考 続 組 領域 分野 胸腺腫 、基礎的 研究 結 「肺癌登録合 同委員会事務局」 事務局長 、5 年 優劣 追究 、 。 第一歩 、 「広 。 一方、奥村教授 、日本全 ) 登録 「胸腺腫瘍 奥村教授 医師・研究者 可能性 、国立 世界標準治療を阪大病院から発信 。私 日 胸腺腫 集計 広い視野もち、横の連携も 血管 研究室 共同研究 、 臨床応用 考 9000 例 、 意義 、 奥 ANP 使用 働 、世 。 構築 治療法 確 」。 利尿 。 「日本 ・韓国・中国 3000 例 代表 」 現象 、手術成績 循環器病 最 取 組 世界標準治療 作 、転移 抑制 (心房性 柔軟 対応 原点 集計・解析中 本 調 手術 細胞 、手術 村教授 、利尿薬 、初 研究 現在、 。 関係 保護作用 注目。ANP 血管 炎症 、共同手 土壌 善 方法 見 肺癌の転移の 癌の転移の ニズムの仮説 メカニズムの仮説 全体 、自身 、未 標準的 治療方針 定 。 必要 肺 胸腺腫 界 20∼30 国 協力 治 。 。 「 血管 、 場面 。呼吸器外科 心臓血管外科 技術等普段 術 数多 密接 思 経験 近 、術者・助手 含 非常 重要 人工心肺装置 体外循環 技術 、多 臓血管外科 普段 」語 。 8 時間以上 及 移植手術 成功 、患者 向 進 体 4 時間以内 終 20 代 女性。 低下 功 心臓 肺 移植 血流 戻 臓器不全 起 必要 ) 摘出 EMT 、 課題 考 組織片 貢献 構築 間葉 。 立 、再発 防止 管・骨・筋肉 大 。 EMT(上皮間葉移行) 一 。EMT 起 研究 肺 進歩 意欲的 「現在、上皮細胞 阪大 先進性 世界 、世界 ・ 一環 大 む肺がんや胸腺腫、胸腺がん、重症筋無力症などに関する阪大病院の 研究 解 、日本、 。 細胞 移行 植の難しさや、手術を成功に導いた要因、そして奥村教授らが取り組 研究・治療 、最近話題 幹細胞 ●奥村明之進(おくむら めいのしん) 1958年生まれ。84年大阪大学医学部医学科卒 業。東大阪市立中央病院、大阪府立羽曳野病院で 外科医員を経て93年から大阪大学医学部助手。 その後米国ワシントン大学兼Howard Hughes Medical Institute にてPost-doctoral fellow、 大 阪 大 学 医 学 系 研 究 科 講 師、准 教 授 を経て 2007年から現職。 掲載 。 、 転移 進 Meinoshin Okumura 村明之進教授が率いる呼吸器外科の胸部外科チームにより、心臓・肺 探求 。 英語論文 、毎年 、発 現在 、呼吸器外科教室 肺 の取り出しと移植手術が成功。単独臓器の移植とは異なる心肺同時移 重症 教 、 巨大 構築 析 自己免疫疾患 原因 。全国 網羅 合同委員会 送 続 5 万∼6 万例 「胸腺」。胸腺腫、 筋無力症 症 務 室 集 二 移植免疫 、移植後 。 共通性 見 領域 網羅 、 治療 研 」 185 例、脳死下 肺移植 195 例、心 肺同時移植 2 例行 、 阪大病院 心臓移植 50 例、肺移植 34 例 施行 移植 。肺移植 生体肺移植 可能 、阪大病院 移植 2例 11 例施行 。心肺 阪大病院 成功 単独移植 異 症例。 心肺同時移植 難 奥村教授 、 「心肺同時移植 、 非常 制約 大 。 病院 心臓 肺 (医療 、移植治療 用 皮膚・血 2013年10月25日に開催された世界肺癌学会のstaging委員会の会議で 79 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 80 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 胸腺 、 呼吸器外科、心臓血管外科が 密に連携 技 」 奥村教授 医学部附属病院呼吸器外科科長(医学系研究科教授) 奥村明之進 高 特筆 がんの転移メカニズムを解明し 再発防ぐ 肺がん・胸腺腫 幅広く治療・研究 心肺同時移植にも貢献 2009年1月17日に大阪大学医学部附属病院で行われた日本初の 心肺同時移植手術 (中央が奥村教授) 、外科学講座全体 術力 大阪大学 阪大病院の 2014年3月発行 大阪大学ニューズレター63号 掲載 特集「阪大病院の最新医療」より その7 割は消化器がんだと言われてい るが、その治療法は年々進化している。 今回は、消化器がんの専門家であり、 臨床と研究、教育の 3 分野で幅広く活 最新医療 がんを克服するための 新しい選択肢を切り開く 動する森正樹教授に、がん治療の最前 医学系研究科消化器外科学 教授 線について聞いた。 森 正樹 Masaki Mori がん細胞にだけ届く ドラッグ・デリバリー・システム ※2 (DDS) を共同で 森教授 、当時 外科医として、研究者として がん治療の最前線に挑む 。 iPS 細胞 作成 膨大 数 、早期 術 治 中期 切 管 入 大 。 転移 患者 治療 、内部 再発 提示 、一番多 治療 抗 剤 ●森 正樹 (もり まさき) 1956年生まれ、鹿児島県出身。86年、九州大学医学系大学 院修了。以来、外科医として診療に携わる一方、外科学の立 場からがん研究を続けている。2005年、世界で初めて肝臓の がん幹細胞を発見。08年から大阪大学医学系研究科教授。 日本医師会医学賞(10年)、高松宮妃癌研究基金学術賞(13 年) 、小林がん学術振興会革新的研究表彰(09年) 、佐川がん 研究振興財団佐川特別賞(13年) などを受賞。 剤 治療 場合 、 小 消 割以上 方 、数 月 。 抗 多 範囲 、手術 考 効 目 中 数%含 細胞(娘細胞) 幹細胞 残 」 「 81 「性質 予測 普通 抗 肝臓 組 研究 進 」 、実験結果 違 導入 30 日 作 細胞 経 「 。 塊 DDS 研究 。20 種類 、 療 生 組 発想 。 、抗 図1 癌幹細胞と非癌幹細胞のちがい 運 入 細胞 作用 。 、 分 細胞 、活性酸素 。 分 反応 普通 。 。 「 手術 、 転移・再発 」森 強 。抗 。 剤 、 血液 Osaka University News Letter 2013-2014 B 、副作用 出 本人 選択 第1 上 人 考 第2 予測 。 共存 治療法 選 最終 、森教授 60 代 、70 代以 方法 優先 方法 優先 。 日 来 剤 根本的 治 意味、人 。 、治 抗 、完治 治療法 、 、 的 剤 従来 方法 克服 、 信 究 診療 明 暮 、 時 、娘細胞 出 癌幹細胞は非癌幹細胞よりラッパの形をした トランスポーターが多いため、細胞内に入っ た抗がん剤を細胞外に効率よく排出できる 出 恐 、森教授 多忙 研 。 ※1多分化能 幹細胞が有するとされる複数系統の細胞に 分化できる能力のこと。 必要 場合 活性酸素 、自分自身 幹細胞 対応 」 出 。生体 時 、 、 幹細胞 非常 手 、 」 (図 1) 。 A 、 強 。 「 細胞 最近「 、分裂 図2 消化器癌細胞のリプログラミング 外 出 幹細胞 場合 力 圧倒的 強 細胞 、細胞内 細胞 、 仕組 剤 、注目 」 一方、第 2 」 RNA 効率 」 抗 合 調 現象 起 片岡一則教授 新たな治療の選択肢が生まれる 可能性 起 。 、東 取 込 第 1 「新 跳 追加 方法 開発 正 (図 2) 。押 始 差 明 作 、 、 細胞 移植 抑制遺伝子 2006 大 導 大 小比賀聡教授 、良 形 。 出 全然大 少 、 方 山中遺伝子 入 性質 薬学部 、元 遺伝子異常 治 、全 「細胞 。 球状 「3 週間目 。対照群 今 山中 4 遺伝子 、 常細胞 近 穏 。大腸 細胞 、1∼2 週間 抑制 」 、 研究 続 細胞 心 RNA 過 、 細 、 悪 合 根本的治療 希望 遊 、膵臓 。 。 『同 遺伝子 』考 3 人 言 。 自分 守 仕組 剤 細胞 作 替 」 。 。 幹細胞」 呼称 幹細胞 物質 、娘 剤 両方投与 森教授 今、 がん幹細胞の恐るべき威力 細胞 、 。 抗 見 私 iPS 細胞 。 入 遺伝子 導入 、森教授 道 入 細胞 中 。 次 、 iPS 細胞 作 4 。 副作用のないがん治療を求めて 。抗 再発 思 幹細胞研究 、 」。 経験 「 抗 剤 効 分 ※1 胞 入 。 2 種類 再発 再発率 高 、根本的 治癒 、 突 効 目 、 剤、放射線治療 、一旦 場 細胞 剤 新 数年後 再発 治 従 様子 。 、新 。画像 見 抗 破裂 、正常細胞 、中 効 剤 発見 、新 、 。 。 「山中 触発 先生 、多分化能 、数万種類 幹細胞 効 目 抗 剤 効 。進行 教授 。 」 語 森正樹教授。 「外科医 治 化合物 調 9 。 発見 幹細胞 集 、 物質 見 。 「抗 臨床 森教授 、 手術 、 選択肢 場合、手 、大腸 映 多 多 。現在 部分 3㌢ 。 根治への道を開く物質発見 突 方法 研究 RNA 組 、最 効率 iPS 細胞 、 遺伝子 「力仕事 」 3 結果、特定 合 年、京大 山中伸弥教授 研究室 安全性 RNA 使 正常細胞 調 「なぜ」 を突き止めたい 生体内 確認 活性酸素 強 親細胞は腫瘍形成能があるが、 iPC化によりそれが失われる (DDS) ※2ドラッグ・デリバリー・システム 目標とする患部(臓器や組織、細胞、病原体 など)に、薬物を効果的かつ集中的に送り込 む技術。薬剤を膜などで包むことにより、途 中で吸収・分解されることなく患部に到達さ せ、患部で薬剤を放出して治療効果を高める 手法。 「薬物送達システム」 、 「薬物輸送システ ム」 などとも呼ばれる。 2013-2014 Osaka University News Letter 82 Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 現在、日本人の死因トップは 「がん」。 ② 2013年7月発行 阪大NOW 137号 掲載 「濃いっ!阪大─ロボット編─」 ロボット編─」より ロボット編 よ の 大 る阪 Ⅰ 世界をリードする研究 1 2 自分の分身としての ロボット 基礎研究の先に実用化研究を見すえる 患者さんに希望の光 医学系研究科 脳神経精神科脳神経外科 工学研究科機械工学専攻知能機械学部門 教 授 動的システム制御学領域 教授 特任准教授 Kouichi Oosuka 救助ロボット 「MOIRA」 球体ロボット、三脚歩行ロボット、ヘ こちらは本物の手 ヒトの手のように自然な 動きができる神経義手 災害救助の現場で生きる ロボット技術の開発 大須賀公一 Ⅰ 世界をリードする研究 究 研 ト ッ ロボ す 速 加 す ま す ま 助 教 二重クローラ方式(上下にクローラをつける方式)によって瓦礫の中に 頭を突っ込むとどんどん中に入って行くことができ、瓦礫内の要救助者 を探索します。 吉峰俊樹 平田雅之 栁澤琢史 Toshiki Yoshimine Masayuki Hirata Takufumi Yanagisawa 頭で念じるだけで、 ロボットが動く─ ビ型ロボット─工学研究科の大須賀 かつて夢のように思われた技術が現実 公 一 教 授の研 究 室で は、現 実 世 界の のものとなりつつある。医学系研究科 様々な物体を抽象化した形のロボット 脳神経外科学教室で研究する 「ブレイ が製作されている。どんな環境でも無 ン・マシン・インターフェイス (BMI) 」 と 理のない動きができる制御技術の研 いう装置は、脳が出す微弱な電気信号 究が、災害時に活躍する救助ロボット を電極で読み取ることで、手の代わり の開発にも生かされている。 となるロボットアームなどを動かすこ 三又蛇ロボット とを可能にする。 大須賀教授 、 組 、複雑 、2011 年 込 、研究室 、胴体 脚 。 坂道 置 自然 脚 動 始 。一定 条件下 、脚 角度 調整 、動作 安定性 蓄積 。 境 制御 調整 大災害 適用可能 生 制御技術 究 、予想 状況 想定 応用 期待 。 「 御 重 思 研究 、2012 年 8 月 本学医学倫 理委員会 労働省 支援 医学部附属病院未来医 。既 、2013 年 3 月 難病 災 差 込 。脳 環境 制 高 動作 語 。 適用 脳 損傷 筋肉 表面 軽減 掃除 患者 期待 極 患者 証 自在 。脳 、 策定 適用 進 、効果 検 、今後患者 応 研究者 巻 込 究 、今後 。 、他 、 『患者 共通 目標 澤助教 動 高 考 様々 』 分野 支援 一緒 研究 進 」 (吉峰教授、平田特任 安全性 准教授、 澤助教) 、 日常生活 分身 。 多 電極 脳 置 、 個人情報 扱 。 。BMI 機能 充実 応答 理解 、全身 筋萎縮性側索硬化症 初 体 、超 臨床研究 開 BMI 特長 、従来 、自分 平田特任准教授 目標 一大 進 (ALS) 患者 環 「将来的 承認 受 、文部科学省、厚生 療開発部未来医療 」 (大須賀教授) 、 動 場面 、 将来起 、突 詰 上 、 始 、実 要」 大須賀教授 。 BMI 動 害時 研究 使命 、 性 、 思 通 大学 実用化研究 未 、現在 基礎研究 、 極限 関節 制御 、省 研究 突 詰 動 中途半端 開発 東日本大震災 曽有 災害 目 当 単純 、緩 『 MOIRA 』 「以前、救助 吉峰教授 動 脳信号をリアルタイムで解 析し、患者さんの意思を読 み解きます。患者さんが念 じるだけで、意図が読み解 かれ、義手が動作します。 研究室の様子 83 Osaka University News Letter 2013-2014 2013-2014 Osaka University News Letter 84 の 大 る阪 究 研 ト ッ ロボ 速す 加 す ますま 2013年7月発行 阪大NOW 137号 掲載 「濃いっ!阪大─ロボット編─」より ダヴィンチを使った前立腺がん手術の様子 (右端は遠隔操作で執刀する野々村教授) 4 ヒトの柔らかい動きを 再現できるロボット 医療の現場で活躍する ロボットたち Ⅰ 世界をリードする研究 Ⅰ 世界をリードする研究 3 生物が生物らしく動くメカニズムの解明へ 情報科学研究科マルチメディア工学専攻 ヒューマンインタフェース工学講座 医学部附属病院 細田 耕 成岡健一 手術支援ロボット 「ダヴィンチ (da Vinci) 」 教 授 特任助教 Koh Hosoda Kenichi Narioka 微細 部分 細 。 「 開発 導入 期待 」 、米 IntuitiveSurgical 社 患者 内視鏡 用 取 付 師 手術支援 鉗子 見 仕組 、健康保険 対象 前立腺 、詳細 明 。情報 科学研究科 細田耕教授 研究室 全身 腕 使 脚 、 動 興味深 赤 、生後 7 。通常 、赤 柔 月目、13 影響 生物 。 実装 「私 再現 Osaka University News Letter 2013-2014 物 在 動 、 、人工筋 固 (空 、 動 、 期待 動 研究 至 出身 、生 興味 持 、現 。研究 際 動 、心 観察 、 、 原理 。 協力 進 」 (細田教授) 理解 子 増 発達過程 動 産 思 体 持 制御工学 赤 比較 「最近自分 。 近 親御 解明 点 観察 、赤 協力 仰 、実際 時期 再現 解明 月目 研究 活 先生 、発達状況 歩 出 様々 動 生物 電気 動 動 理学 研究 歩 出 一部制限 時期 、 、空気圧人工筋 特長 。生後 7 月目 85 過程 、赤 気圧) 変 再現 。 赤 躍 動 人工筋 柔 型 研究 進 細田研究室 歩 出 。例 明 、力強 動 。中 、 13 月目 人 初 」 動 体 一部分 模 。空気圧 利用 可能 「 病院のエントランスで 元気に広報役として 走ってますヨ! 再現 考 、 赤 。 増 、赤 。今後 、 柔軟性 、繊細 開発 進 」 (成岡特任助教) 野々村祝夫教授 負担 少 。当初 、手術時間 通常 、現在 慣 及 短縮 険 適用 前立腺 2 手術 、 使 使用 阪大発 治療 今後開発 便利 。 。 手術 増 」話 泌尿器科 野々村祝夫教授 「現在 、保 。 歯学部附属病院 、 2013 年 4月 歯学部附属病院 伴 、患者 病院 広報 患者 撮 子 愛称 (愛称 導入 対象 。 評判 上々。一緒 写真 姿 案内役 。現在募集 350 通以上 応募 7 月末 決定予定) 。 背中 「診療前 保険証確認 改善 患者 向 薬剤 医療情報 段階。安全性 以内 物体 感知 2割 、人 取 囲 比率 。患者 、今後 積極的 広報用 運搬、患者 始 、 、 、例 。 機材 反応 見 。 現 向 。 玉川裕夫准教授 「現時点 協力 !」 取 入 最終的 目指 室 、 。 歯学部附属病院 応用 、6月 5月 比 診療前 保険証 確認 場 森崎市治郎病院長も 「子どもや高齢者にも好評です。 皆さんのご意見を活かして機能を向上させたいです ね」 とロボットの可能性に期待を寄せる。 治 治療 、通常程度 手術 使用 成岡特任助教 、身体 従来 病院環境でロボットとヒトの 共 存を語る 玉川裕 夫 准 教 授 ︵左︶ と野崎一徳助教 形成 倍近 患者さんとふれあう広報ロボット ロボットの関節を駆動する空気圧人工筋 細田教授 腹腔鏡手術 行 。 医学部附属病院 回復 早 、特 希望 、医 遠隔操作 術後 抑 。 療法 選 。 高 縫合操作 可能 、手術中 出血量 少 、患者 2012 年 10 月 医学部附属病院 運動能力 患部 鮮明 映 出 、自由度 鉗子 赤ちゃん型の筋骨格系を再現したロボット Pneuborn 3D 。高解像度 、半径 80cm 面 止 立 往生 安全 動 考 取 付 、外国 翻訳機能 付 来 患者 活用 考 」語 。 2013-2014 Osaka University News Letter 86