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大吉商店株式会社 - 滋賀県中小企業団体中央会

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大吉商店株式会社 - 滋賀県中小企業団体中央会
知的資産経営報告書
2012
〜創業百有余年、近江⽜⼀筋〜
大吉商店株式会社
目 次
ご挨拶
…3
会社概要
…4
沿革
…5
価値創造ストーリー表
…8
経営理念
…9
当社の強み・ノウハウ
当社のマネジメント
/ 販売チャンネル
/
…11
近江牛
…12
近江牛物語
…14
大吉牧場
…16
高品質へのこだわり
…18
社内システムの構築
…20
衛生・環境問題への取組
…22
商品化計画・品質への取組
…26
地域連携への取組
…27
今後の事業戦略・課題
…28
知的資産経営報告書とは
…31
知的資産とは、従来バランスシートに記載されている資産以外の「無形の資産」であり、企
業における競争⼒の源泉である⼈材、技術、技能、知的財産(特許・ブランド等)、組織⼒、
経営理念、顧客とのネットワーク等、財務諸表には表れてこない、⽬に⾒えにくい経営資源の
総称を指します。
知的資産経営報告書とは、これら「知的資産」を、顧客、協⼒会社、従業員、株主といった
ステークホルダー(利害関係者)に対し、「知的資産」を活⽤した企業価値向上に向けた活動
〜価値創造ストーリー〜として、⽬に⾒える形でわかりやすくお伝えし、企業の将来性に関し
て認識を共有化していただくことを⽬的に作成するレポートのことです。
なお、本書の随所に掲載いたしました定量化評価指標(KPI)は、⽬に⾒えにくい=評価
しにくい「知的資産」を評価しやすくするため、適切な数値として表わすことを試みたもので
す。ただし、数値化できないものについては具体的事例を盛り込むことで、こだわりや取り組
み等を表しました。このような数値や事例も当社への評価のご参考にしていただければと存じ
ます。
2
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
2
ご 挨 拶
百余年続く⽼舗として
20代はじめに父を亡くし、四代目で家業を継ぐことになりました。
後を継いだ当初は、なにもかもガムシャラにやっていまし、いろんな方にたすけられ
てなんとかやっていたというのが実感でした。
しかしながら、業績は毎年鳴かず⾶ばずであまり変わらず、今後は、自分はどうして
いったらいいんやろといつも悩んでいる毎日でした。
おいしさが生む感動を実感
郵便局に「ふるさと⼩包」というサービスがあります。ご存じの⽅も多いと思いま
すが、全国の厳選された名産品が定期的に郵便局から送られてくるサービスです。
跡を継いでしばらくした頃、「ふるさと小包」で当社の近江牛を紹介いただくことに
なりました。その結果、近江牛を食べた方からお手紙で感想をいただくようになった
んです。お手紙で、おいしい近江牛と出会えた喜びを書いたものでした。
そんなお手紙をいただいて、本当に感動したんです。
⾃分たちが丹精込めて育てた⽜が、いろいろな⼈の喜びを⽣んでいる、
より多くの方に、近江牛がもたらす感動を届けたい、近江牛の美味しさ
を出来れば多くの人にお届けしたいという思いを抱くようになりました。
おいしい感動で人の縁をつなぎたい
「ふるさと小包」でご紹介いただくようになって
しばらくしたころ、高島屋日本橋店の方が、当社の
商品を調査のために購入されました。
これも一つのご縁かなと感じ、バイヤー様を尋ね
ました。高島屋さんは郷土の出身ということもあり、
ギフトの仕事を産地直送でいただきまして、それがきっかけで、東京、大阪を中心と
するデパートで大吉の商品をご紹介いただくようになりました。
デパートではご贈答のご用命をいただくことが多いのですが、近江牛を贈る方の思
いと、贈られた⽅の喜びとの間に⽴った、責任のある仕事です。近江⽜の⽣む感動
が、⾊々な⽅々の縁をつなぐことに役⽴っている、そんなふうになりたいと、⼼の底
から願っています。
原点は感動を届けること
大変な思いなんですが、私の原点は、「感動するおいしさを届けること」だと思っ
ています。感動するとは大変難しい表現なんですが、牛を育てるところから、商品化
するまでの多くの時間を工程のストーリーを表現してお伝えしたい。すべての「美味
しさ」を、贈る⼈、贈られる⼈、両⽅の⽴場になって、ご縁を結ぶお⼿伝いをさせて
いただき、美味しさが人の縁を結ぶことになればいい、と願っています。
大吉商店株式会社
代表取締役 永谷 武久
3
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
3
会社概要
会社名
大吉商店株式会社
所在地
〒520-1217
連絡先
TEL : 0740-32-0001 /
Mail :[email protected]
ホームページ
http://www.1129.co.jp/
代表
代表取締役
創業
明治29年(1896年)
設⽴
平成7年8月1日法人化
資本⾦
1,000万円
従業者数
社員 17名
事業内容
食肉販売・食肉卸・レストラン・加工食品製造販売
滋賀県高島市安曇川町田中252番地
FAX : 0740-32-2908
永谷 武久(ながたに たけひさ)
パート 9名
■店舗情報
営業時間
定休日
取扱商品
9:00〜18:30
毎週日曜日と第2水曜日
近江牛、近江牛加工品
卸
売
通
販
サイト
http://1129.co.jp/wholesale/oriented.php
TEL
0740-32-0001
受付時間
9:00〜17:30
担当
定休日
毎週日曜日と第2水曜日
サイト
http://1129.co.jp/shop/shop.php
TEL
0740-32-0001
受付時間
9:00〜17:30
担当
定休日
4
永谷・加藤
大吉商店株式会社
加藤・大藤
毎週日曜日と第2水曜日
知的資産経営報告書
4
沿 革
初期
和暦
⻄暦
明治29年
1896年
初代 永谷大吉が「牛馬商」として創業
文明開化
⼤正元年
1912年
精肉店舗開設
東京上野公園で全国家畜博覧
会開催,蒲生郡の牛が優等1
位となる(1914年)
5年
1916年
2牧場と委託契約
1960年
地方卸売市場でパック肉の販売
昭和35年
出来事
世の中の動き
3代目 永谷武雄 代表就任
東京オリンピック(1964
年)
40年
1965年
店舗増床(418㎡)
⾼度成⻑期
44年
1969年
3階建 冷凍・冷蔵庫建設(432㎡)
㈱滋賀⾷⾁地⽅卸売市場設⽴
(1966年)
46年
1971年
店舗増床(789㎡)
48年
1973年
店舗増床(159㎡)
第一次オイルショック
51年
1976年
Aコープ安曇川店出店
交配新種「近江の地鶏」開発・販売
JR湖⻄線の開通
ゴルフブーム
53年
1978年
「近江の地鶏」鶏舎契約・販売開始
安曇川駅前開発「平和堂」
59年
1984年
社宅⽤住宅建設(安曇川町三尾⾥)
第二次オイルショック
(1979年)
アスピー出店
「牛馬商」として起業した後、精肉の販売を始める。時代の食文化の発達に伴い、農業から販
売に転換したことで事業が拡大する。特に、パック販売とパーツ加工を取り入れたことで、全
国に卸売りが可能になった。また、地元の醤油を使った自家製たれをつくり「たれ付け」商品
がヒットし、小売業も拡大、量販できるようになり、冷蔵庫の新設や従業員の定着を考えた社
宅の建設等、事業の⾜場固めを⾏った時代である。
大正時代の店舗
当時の仕入帳と定価表
5
初代
永谷大吉
3代目
大吉商店株式会社
永谷武雄
知的資産経営報告書
大正時代の店内の様子
5
沿 革
転換期
和暦
⻄暦
出来事
世の中の動き
昭和63年
1988年
新店舗増床・改築(1090㎡)
ソウルオリンピック
平成2年
1990年
デリカ部門開設
近江牛コロッケ開発・産直開始
消費税3%(1989年)
湾岸戦争・平成不況
4年
1992年
⾷⿃処理施設建設
牛肉、輸入自由化(1991年)
5年
1993年
永谷武久 4代目代表就任
7年
1995年
法人化 永谷武久 代表取締役就任
百貨店とのお取引開始
阪神大震災
8年
1996年
2F「焼肉部門」設置
O157問題
9年
1997年
消費税5%
新しく、1階生産工場、2階に近江牛レストラン、3階に宴会場を設け
た総合的な店舗を建設し事業は拡⼤、⼈材も不⾜するが、数年後のバ
ブル崩壊と輸入牛との価格差に国産消費は伸び悩む。4代目就任と共に
企業存続の危機回避の為、業務改⾰を⾏う。法⼈化し、産地直送、飲
食部門など事業拡大。加工食品の開発を開始、設備投資を重ねていっ
た時期。
土台づくり期
和暦
⻄暦
出来事
新店舗のオープン
世の中の動き
平成11年 1999年 近江牛ローストビーフ産地直送開始
12年 2000年 Aコープ安曇川店退店
自家製たれリニューアル
14年 2002年 近江牛ハンバーグ開発・販売
韓国ワールドカップ
15年 2003年 近江牛牛丼・カルビ丼・すじこんにゃく開発
BSE問題発生※1
米国産牛肉輸入停止
牛トレサビリティー法※2施⾏
16年 2004年 近江茶漬け・しぐれリニューアル
鳥インフルエンザ発生
3月 郵便局「ふるさと⼩包」において、優良⽣産
者賞受賞
17年 2005年 ビーフカレーの開発・販売
近江牛の偽装問題
近江牛の統一定義※3の整備
18年 2006年 デミグラスハンバーグ開発・販売
大吉牧場開始
19年 2007年 かのこステーキ・牛めし・すじカレー開発・販売
5月11日近江牛地域団体商標登
録<第5044958号>
20年 2008年 道の駅お土産売り場展開
石油高騰
プレミアハンバーグ・プレミアローストビーフ開発。リーマンショック
品質自主検査導入
グルメ番組の流⾏など時代はグルメ志向に流れ、当社でも高級素材を高級惣菜にする商品開発
に取り組み、多様な加工食品を開発、販売を開始した。特に、O157問題以降、偽装事件や食中
毒が相次ぎ、⾷に対する不安や不信感が騒がれた時代にあり、社内のコンプライアンスの実践
と社外へは近江牛の安全をアピールするパンフレットを作成し、品質とモラルの向上に努めな
がら内部構築を⾏った時期。
6
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
6
沿 革
成⻑期
和暦
⻄暦
平成21年
2009年
平和堂安曇川店出店
合挽ハンバーグ・直火焼き焼き豚開発
第二牧場開始、増頭
近江牛の認証※4始まる
22年
2010年
スーパー向けアイテム開発
手づくり惣菜アイテムの強化
平和堂安曇川店改装
モンドセレクション5部⾨全品⾦賞制覇
東日本大震災・原発問題
牛肉のセシウム汚染問題※6 ⇒原
発風評被害・放射能全頭検査
焼肉えびす事件
23年
2011年
出来事
世の中の動き
宮崎県で口蹄疫発生※5
社内のしくみが出来たことで、新展開が可能となる。商品化がスムーズに流れるようになり、
アイテム・販売商品数が増加、新たな開発にも取り組む。商品についてはプレミア戦略を取り、
⽅向性と仕組み作りを⾏い、販売については「29の日」「観光歓迎DM」等新しいシステム作
りを図る。モンドセレクション等数々の賞も受賞。S-HACCP,農場HACCPの習得、業
務用システムの構築、顧客リストの構築等、社内システムが整備できてきた時期。
※1 BSE問題とは、2000年代の初頭に発⽣した、BSE(牛海綿状脳症)に関する一連の出来事、事件、
またそれらのメディア報道によって発生した社会問題である。食品衛生法の規定によると、疾病の疑いが
ある⾷⾁について、政府発⾏の証明書がなければ⾷品販売の⽬的で輸⼊することはできない。⽇本政府は、
アメリカで牛海綿状脳症(BSE)に感染した牛が確認されたことを受けて、アメリカ産牛肉の輸入を禁
止した。
※2 牛トレサビリティ法 正確には『⽜の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法』
という。トレサビリティとは 「⽣産、加⼯及び流通の特定の⼀つまたは複数の段階を通じて、⾷品の移
動を把握できること」(コーデックス委員会2004)であり、店頭や飲⾷店に並ぶ⽜⾁に個体識別番号を付
けることが2004年12月1日より義務付けられた。違反した場合は30万円以下の罰⾦。
※3
近江牛定義 豊かな⾃然環境と⽔に恵まれた滋賀県内で最も⻑く飼育された⿊⽑和種
※4 近江牛の認証 近江牛の中でも、次の要件を満たす特に品質が高い近江牛
に対して、「近江⽜」⽣産・流通推進協議会が認定書などを発⾏する制度。
認証要件は、1.「近江牛」の中でも、枝肉格付がA4、B4等級以上のもの、
2. 協議会の構成団体の会員が生産したもの、3. 滋賀食肉センターまたは
東京都⽴芝浦と畜場でと畜・枝⾁格付されたもの
※5 ⼝蹄疫の流⾏は、2010年3月頃発生し、2010年7月4日の終息確認まで、宮崎県の牛、豚、水牛の
間で起こり、28万8643頭を殺処分した。畜産関連の損失は1400億円、関連損失を950億円とした。宮崎
⼤学の根岸裕孝准教授(地域経済)は年間426億円の損失で3-5年続くとしている。(「wikipedia」より
抜粋)
7
※6 牛肉のセシウム汚染問題とは、収穫後も水田に放置された稲わらが、原発事故による放射性物質の
降下によって汚染され、それが⽜に給与された結果、⽜⾁から⾷品衛⽣法の暫定規制値を超える放射性セ
シウムが検出された問題。汚染牛が各地に出荷されていたことが相次いで発覚し、精肉店や牛肉を扱う飲
食店の売上に影響した。
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
7
価値創造ストーリー表
美味しさをデザインする=プレミアム商品戦略
価値創造ストーリーの流れ
理念
強み
ノウハウ
●精肉・加工品の小売・卸
売・百貨店・海外販売
●飲食業
多様な販売
チャンネル
お客様に味わってもらいたい理想の近江⽜の提供
地域別・部位
別商品MDに
よる多品種化
ワン・ツー・ワンビジネスの実践
高品質の
近江牛
顧客価値
大吉牧場
社内システムの構築
・部門別マイスター経営
・業務システム・MDシステム
・プレミア商品戦略
衛生・環境への取組み
・農場HACCP・S H-ACCP
・環境KES・循環型牧場
地域連携への取組み
行動指針
大吉フィロソフィー
経営の仕組みと原則
食品安全化計画
環境理念
人事理念
経営理念
非公開
商品・事業
100年の
知識・経
験・技術
努⼒
マネジメント
お客様の感動するおいしさをお届け
『ワン・ツー・ワンビジネス』とは、お店とお客様が1対1の深い信頼関係を形成さ
せるビジネスオペレーションの形を、データベース化し、弊社の持つ田舎であるデメ
リットなどの弊害をなくしたビジネスオペレーションを考えています。(P.20)
MDシステム: DAIKICHI
商品化MDシステム
部位別
商品化MD
計画
ワン・ツー・ワンビジネス
お客様
非公開
地域別
近江牛
8
大吉商店株式会社
オペレーションシステム:
DAIKICHI業務管理システム
知的資産経営報告書
8
経営理念
会社には思いが必要です。その思いが経営理念です。
会社というものは集合体であり、本当は何も存在しない。それ故に、そこに全従業
員が、 「誰が」、「どうする」ということを考え思う理念が必要であり、共に共有
し遂⾏していく会社となるべきだと考えます。
なんとなく・・・では⽣きていけない世の中で、⾏動に理念を持って⽇進⽉歩する
必要があるのです。当社の経営理念は図のように繋がっています。
⼤吉の経営理念
全従業員の物心両面の幸せの追求と同時に、
事業を通じて、社会に貢献する。
●全従業員の物心両面の幸せの追求
・・・社⻑を含めた全員の⼼と物との両⾯の幸せを考え追求する。
●社会(食生活・食文化の発展)に貢献する
・・・お客様の食生活の基礎基盤をまかなうと共に、近江牛の伝統文化を維持し、
振興し、お客様も私たちも良くなるための「美味しさ」を追求すると共
に、安心・安全を基本とした食文化を創造し、実践する。
⾏動指針:「⼈に味に誠をつくる」
致良知のスタンス:「良いことを思い
良いことを⾏う」というスタンス
●良知への取り組み = 良知経営
人にも味にも正直であり、偽りなく「誠」をつくること。
人にも味にも思いやりを持って尽くし、「誠」(現実)をつくること。
⼈にも味にも精⼀杯努⼒し、「誠」(本質)をつくること。
人にも味にも前向きに挑戦し、「誠」(発展成果物)をつくること。
知的資産経営報告書
大吉フィロソフィー
会社の仕組みと原則
大吉商店株式会社
食品安全化計画
環境理念
人事理念
9
9
経営理念
経営フィロソフィー
〜経営の原点12か条の実践〜
1.事業の目的、意義を明確にする
2.具体的な⽬標を⽴てる
3.強烈な願望を⼼に抱く
4.誰にも負けない努⼒をする
5.売上を最大に伸ばし、経費を最小に抑える
6.値決めは経営
7.経営は強い意志で決まる
8.燃える闘魂
9.勇気をもって事にあたる
10.常に創造的な仕事をする
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
致良知とは
良知(⼈が⽣まれながらにもっている、是⾮・善悪を誤らない正しい知恵)を最⼤限に発揮
させること。もと孟子の唱えたもので、王陽明はこれを陽明学の根本的な指針とした。『デジ
タル大辞泉』(小学館)より
⇒ 中江藤樹:⽇本陽明学派の祖。慶⻑3年(1608)3月7日近江の国高島郡小川村の中江
吉次の⻑男として⽣まれる。15歳の時、祖⽗吉⻑のあとをつぎ、伊予⼤洲藩の藩⼠として禄
100石を受ける。27歳の時、⺟への孝養と⾝体の健康を理由に辞職し、郷⾥⼩川村へ帰る。⼩
川村での藤樹は武⼠や近況の⼈々を相⼿に「⼼の学問」を教える。王陽明の「致良知」を唱す
る。居宅に藤の⽼樹があったことから、「藤樹先⽣」と呼ばれ、没後は「近江聖⼈」としてた
たえられている。
10
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
10
当社の強み・ノウハウ
/
販売チャンネル
当社は地元での精⾁業から始まり、郵便局の『ふるさと⼩包便』が最初の全国展開
でした。その後、東京の百貨店から『産直ギフト』のオファーが来たのが百貨店への
足掛かりとなり、その後卸や加工品も全国へと拡がってまいりました。
現在の販売チャンネル別売上は以下の通りです。地元での販売は約3割、その他はす
べて市外、全国、海外へとカタログや電話、インターネットによる通信販売を通じて
ご購入いただいております。当社の売上が拡大してまいりましたのは、こういった多
様な販売チャンネルが強みの一つです。また、チャンネル別に商品MDを考慮しており
ます。
1.小売業
小売は本店と平和堂。
直接お客様と接することのできる重要な販売チャ
ンネル。通販サイトでの小売りもあります。
平和堂
2.卸売業
地元飲食店から全国の百貨店まで卸してい
ます。電話・インターネットなど日本全国
から需要があります。
本店
通販サイト
3.百貨店
百貨店へは卸の他、季節のギフトカタログへの
掲載、諸国名産やイベントなど物品展への参加
など。重要な販売チャンネルです。
卸しサイト
4.海外
海外へは、香港、マカオ、タイ、シンガポールと拡
大しています。
海外サイトと海外用パンフレット
定量化評価指標(KPI)
●販売拠点数・・・地元2店舗 その他地域8店舗 ネット販売2サイト
●海外拠点数・・・2ヶ国 (2012年10月現在、他2ヶ国交渉中)
11
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
11
当社の強み・ノウハウ
/
近江牛
近江牛はおよそ400年の歴史を持ち、日本一歴史のある銘柄牛です。
日本三大和牛のひとつとして位置づけられ、創業100年余年の当社も今日までの伝統
を継続しながら、高品質の近江牛の本当の「美味しさ」をお客様にお届けできるよう
努⼒しております。
1.近江牛の特徴
近江牛の歴史
(1)サシ(脂肪)のおいしさ
天正18年(1590年)
豊⾂秀吉の⼩⽥原攻略の折,⾼⼭右近が⽜⾁を蒲⽣⽒郷
と細川忠興に振る舞う。
ヨーロッパやアメリカでは、牛肉は噛んで食べ
る感じですが、日本の牛肉は口の中でとろけます。
その和牛のうまさの秘密は脂肪(サシ)にありま
す。
牛肉独特の鮮紅色の筋繊維束と混合して、くっ
きりと白い脂肪の斑紋が入っている状態を、俗に
「霜降り」あるいは「⿅の⼦」といいます。熱を
加えると、筋肉の間で固まっていた脂肪が溶け、
筋繊維束をときほぐすため、とろけるような感触
になるのです。
しかも、溶けた脂肪とほぐれた筋肉の相乗作用
で、なんとも言えない和牛特有の香りと甘さを醸
し出します。これを和牛の醍醐味「和牛香」とい
います。
この口の中にひろがるおいしさの秘密は脂肪の
融点の違いです。
融点の低さは不飽和脂肪酸のオレイン酸の含有
量によります。
特徴
元禄年間(1687年)
彦根藩で牛肉の味噌漬けを考案。「反本丸(へんぽんが
ん)」と称する。
安永年間(1771年)
彦根牛肉を諸侯に振る舞う
天明年間(1781年)
彦根藩で⽜⾁の味噌漬けを将軍家⻫に献上する。
寛永年間(1788年)
彦根藩で乾燥牛肉製法(今で言うビーフジャーキー)を
始め、将軍家に献上された。
嘉永年間(1848年)
蒲生郡内において,尾州藩士の指導で牛の肥育がはじま
る。
安政年間(1853年)
井伊直弼は殺⽣禁断のため⽔⼾⻫昭に恒例の⽜⾁献上を
中止するも、彦根魚屋町の勘治が,彦根牛の看板をあげ
江⼾で開業する。
慶応年間(1866年)
江州彦根藩の牛肉が薬用として売られ「牛鍋屋」が開業
する。
牛の種別
融点
近江牛
(⿊⽑和⽜)
24.8℃
前後
他の二種と比べて
も極めて融点が低
い。
明治2年(1869年)
東海道を陸路17〜18日かけて、横浜まで牛を追い外国人
との直接取引が始まる。
ホルスタイン
(乳牛)
31.4℃
前後
⿊⽑和⽜と⽐べて
7℃近く高い。
アンガス
(高級輸入牛)
31.4℃
前後
⿊⽑和⽜と⽐べて
7℃近く高い。
明治4年(1871年)
⽂明開化の中「おしなべて⽜鍋⾷わねば開化不進奴」と
唄われ、かの福沢諭吉も肉食と牛肉を奨励、肉食は日本
の常識にとなってくる。
非公開
明治12年(1879年)
竹中久治が東京と京都に牛鍋屋「米久」を開業。全国的
な進出を果たした「近江牛商人」となる。
明治15年(1882年)
神⼾港から海軍により⽜を東京に出荷。
明治17年(1884年)
四日市港から海軍により牛を東京に出荷。
ロースがステーキ
の定番になる理由
明治23年(1890年)
東海道本線開通により、近江八幡駅から枝肉出荷、「近
江牛」の名称が定着、全国ブランドとなる。
明治29年(1896年)
創業者永谷大吉が牛馬商として「大吉」開業。
昭和29年(1954年)
⽇本橋⽩⽊屋屋上で近江⾁⽜の公開競り市が⾏なわれる。
⽜鍋がルーツのすきやきが庶⺠のご馳⾛として定着、坂
本九の「上を向いて歩こう」が初の海外輸出曲
「SUKIYAKI」として世界的ヒットを記録。
12
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
12
当社の強み・ノウハウ
/
近江牛
(2)赤味の美味しさ
⽜⾁の⾚味の多い部位には、旨味に⼤きく影響する遊離アミノ酸やペプチドなどが多く含ま
れています。アミノ酸は種類によって、甘み、苦味、酸味、旨味などの複雑な味を持っていま
す。このうち旨味の発現には遊離アミノ酸でありグルタミン酸やイノシン酸が関与しています。
これらは「コク」と呼ばれ、それぞれが共存することにより一層旨味が強まります。日本で雌
⽜がおいしいと⾔われる理由のひとつに雌牛にはアミノ酸が多く含まれ、つまり甘み成分が多
いからだと考えます。反対に去勢牛は脂質が多くジューシーで海外に人気があります。
今後も味の好みは時代や社会の流れによって変わると考えています。
当社ではお客様の好みの味を提供する、またお客様に好みの味を選んでいただくために、雌
牛、去勢牛にはこだわらず、どちらでも対応できるようにしております。
非公開
分析による具体化
⇒ 自主的な検査
※大吉牧場2009年食味構成要素分析報告書
実際に当社の扱う牛の成分を実証するために実施。
(3)伝統の妙薬
日本における牛と健康の歴史は古く、時代は平安時代にまでさかのぼります。当時、貴族の
間で乳汁を精錬して作った『酪』、それを煮つめた『酥』、さらに精製した『醍醐』というバ
ターオイルのようなものが用いられ、仏教の教典には、「醍醐の妙薬は重病を治するがごとく
(※三省堂 ⼤辞林)」と記されており、当時から薬として重⽤されていたことが分かります。
江⼾時代になると、「⽣類憐みの令」が出されましたが、唯⼀公式に⽜の取り扱いが認めら
れた彦根藩が、中国の薬学本「本草網目」からヒントに牛皮をとったあとの肉を用いて味噌漬
けを考案しました。これを養生薬「反本丸(へんぽんがん)」と称して、密かに堪能されてい
ました。
東洋では、紀元前から現代に至るまで、実に2,000年以上もの間、⽜⻩は貴重な薬として愛
用されてきました。⽜⻩とは、⼀⾔で⾔えば⽜の胆⽯です。「⽜⻩」と書いて、「ゴオウ」と
読みます。中国最古の薬物書『神王本草経』には、⽜⻩は上薬に分類され、飲み続けると元気
を増して⽼化を防ぎ、寿命を延ばすという理由から「不⽼⻑寿の薬」
または「命を養う薬」であると書かれています。⽜⻩は、⾦より
高価な貴重品で、牛1000頭に1頭の割合でしか発⾒できないとされて
おり、中国では皇帝に献上されておりました。また日本でも、昔は牛
を殺した際に⽜⻩が⾒つかったら、中央政府に献上するようにと
「⼤宝律令」に記載されています。現在でも希少価値があり、
生薬の研究に用いるにも高価なため、 入手が困難となっています。
そのため、近年では、栄養ドリンク剤などからも⽜⻩をはずした処⽅
↑当社に残っている近江でと
が多くなってきています。
れた「⽜⻩」
13
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
13
当社の強み・ノウハウ
/
近江牛物語
1.大吉の近江牛をつくりたい「近江牛を10倍楽しむ」
明治29年創業者永⾕⼤吉は、但⾺まで⽜の買い付けに⾏っていました。仕⼊れ簿や
通⾏証が残されています。この当時から但馬の血統にこだわっていました。
現在4代⽬の私も、良質の⼦⽜を仕⼊れて、育て、⾼品質な近江⽜を⽬指す。そして、
この⾼島地域の地域⼒と関わる⼈たちの⼒で、この⼩さなコミニティーの物語を楽し
みながらつくり、素晴らしい仕事を築きたいと考えています。
肥育
買付け
仕入・加工
販売
畜産業を通じて、⼈としての新たな出会いや学びから成⻑をし、
会社全体の経営を伸ばすことを目指す
但⾺の⾎統にこだわる理由
◎⾥⼭の気候が似ている
牛の育ち方が違う → データ化から考える
大柄の牛(平均550kg)>当社の牛(去勢牛で480kg前後、雌牛で430kg前後)
「小ぶりで中がつまる」と表現されるものが、使いやすく、ロスなく、こざしで
食べやすい。近江牛の伝統を守る、継続する牛づくり、マーケットづくりを目指す。
⇒
定量化評価指標(KPI)
どのような⾎統が良い結果なのか、重量などすべての
データを統計し、目標値をつくっています。
●上物確⽴:4等級以上 :85%目標
●平均体重:去勢
480Kg以上
雌450Kg以上
⾎統・重量・市場利益などをデーター
ベース化を⾏い検証しています。
但馬牛血統
但馬牛として存続する蔓牛(つるうし:その牛の血筋が
明らかで)同じ血統に属する牛のこと)は、「あつた蔓」
「ふき蔓」「よし蔓」「やぎたに蔓」「いなきば蔓」の5系統
あります。
明治時代当時の写真
→
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社の強み・ノウハウ
/
近江牛物語
⾥⼭の⾃然・⾵⼟・⼈を活かした
伝統の特産品づくり「近江牛」
山沿いで天気が変わりやすい
⾬が降りやすい
曇りがちで、霧が濃い
湖東にある牧場より気温も低い
人柄がやさしい・人柄が真面目
地域間のつながりが深い
10月になると、稲刈りを終え
た秋晴れの日に。
牧場のふもとに、⽜たちの飼料
になる「わら」を従業員全員が
手伝い、1年分の「わら」を取り
ます。
生産から販売までの全ての業務
に携わりながら、プロフェッ
ショナルを目指し、畜産業を通
じて、あらゆる人間性を高め、
「美味しさ」を追求しておりま
す。
15
大吉商店株式会社
大吉牧場
知的資産経営報告書
15
当社の強み・ノウハウ
/
大吉牧場
1.理想の近江⽜を求めて
当社の近江牛は、すべて大吉牧場で天然⽔とこだわりの飼料を与え、⼿間暇かけて⼈
の⼿で育てられます。お客様の嗜好にお応えするため、また当社の理想の味を実現する
ために日々進化しております。
(1)せり
以前は契約農場から牛を買い付けていましたが、
私が代表となってから、理想とする⾊⽬、⾁質、
脂質を求めていくうち⾃分で理想とする⽜を育て
ようと思うに至り、大吉牧場ができました。私自
身が子牛市場で一頭一頭吟味して買い付けします。
(2)安曇川の水
牧場のふもとにある熊野神社の境内横に、安曇川の⽀流らしき⼩川
が流れています。その上に位置する⼤吉牧場は、地下70mから天然水
を汲み上げ、牧場の牛はその天然の水を飲んでいます。
(3)こだわりの飼料
近江⽜の⾁質と脂質を⾼める飼料として昔から
⼤切な役割を果たしてきたわらに当社はこだわり
を持っています。( →P.18 循環型牧場)
堆肥を使ってもらっいる農家さんから「わら」を
水質検査票
頂くという関係から「良い堆肥」を作って提供する
ことが、農家さんも牛たちも我々も喜べることから、⻑い時間と労⼒をかけています。
また、与える飼料を⽉齢で変え、より理想的な⽜を育てる技術は、⻑年の経験で培われた飼料
へのこだわりです。
ステージ
誕生
月 齢
0ヶ月
体 重
35㎏
給与量
哺育
離乳
肥育前期
肥育中期
体づくり
骨格づくり
増体
(肉質・脂質)
肥育
9か月
260∼280㎏
母乳・穀物少々
肥育後期
仕上げ
30ヶ月
16ヶ月
740㎏
480㎏
牧草・飼料
肉質改善 屠畜
わら・飼料
わら・飼料
わらや飼料の内容を変えている
配合飼料
大吉前期スペシャル
平成24年1月26日
『朝日新聞』掲載記事
16
大豆皮
大吉商店株式会社
⼤⻨
後期大吉スペシャル
とうもろこし
知的資産経営報告書
ふすま
大豆カス
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当社の強み・ノウハウ
/
大吉牧場
2.地域との関わり「循環型牧場」
大吉牧場で牛に与えるわらは、地元の近江米から採れたものを使用しております。
秋に収穫したわらが⼀年間の⽜の飼料となり、⾁質と脂質を⾼める⼤切な役割を果た
します。その近江⽶の稲の成⻑に役⽴つのが⼤吉牧場の堆肥です。⼤地の恵みを⽜た
ちへ、そしてまた近江の土地に還すという「循環型牧場」は古くから受け継がれた飼
育スタイルです。
3.安全体制への取り組み「農場HACCP」
大吉牧場では2011年に農場HACCP推進農場の指
定を受けました全国でもまだ指定農場は少なく、大吉
牧場は滋賀県内で最も早く申請し、認証されています
農場HACCPとは
畜産農場にHACCPの考え方を採り入れ、家畜の所有者自らが有害物質の残留等の危害や生産物の
温度管理等の重要管理点を設定し、継続的な記録管理を行うことにより、生産農場段階での危害要因
をコントロールする飼養衛生管理。
17
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社の強み・ノウハウ
/
高品質へのこだわり
1.コンテスト出品
当社では品質を客観的に評価できるように、社外へのコンテストへの出品を定期的
に実施しております。受賞数を通じての品質の検証と連続受賞を通じての技術の継承
及びスタッフの成⻑を腕試ししています。出品するコンテストは①DLGコンテスト
(ドイツ:ハム、ソーセージ)②モンドセレクション(ベルギー)です。
ここでの世界的な評価は、当社の海外進出での大きな強みとなります。
ローストビーフ
マルイ醤油・九重味噌
と組んで、地域の味わ
いを⼤切にしています。
(p.27参照)
焼豚
2011年の受賞メダル
モンド・セレクション2012年最⾼⾦賞受賞:近江牛味噌漬『反本丸』・
ローストビーフ、他3部⾨⾦賞、出品全商品受賞は稀とのこと
DLGコンテスト(ドイツ農業協会)l国際食品品質協議会
1887年より開催されている118年の歴史を持つ由緒あるものです。メダルを獲得することは本場ドイツの
マイスターたちの最大の目標です。その審査項目は厳選を極め、美味しさはもちろんのこと、添加物の種
類や量、またパッケージに至るまで数百の項目をクリアしなければならず、メダル受賞は品質の高さを表し
ています。
モンド・セレクション
1961年の創設以来、モンドセレクションは消費生活製品を評価し、品質に応じ銅、銀、金および最高金
賞と言った優秀品質賞をそれらの商品に授与することをミッションとしています。これら優秀品質賞は、完
全に独立した専門家によって評価され、その高品質を表彰するラベルであり、消費者ならび生産者にとっ
て様々なメリットのある賞と認識されております。
定量化評価指標(KPI)
モンド・セレクション受賞からの技術継承化と評価向上を目指します
2010年
ローストビーフ&大吉特製ごまたれ⾦賞、デミグラスソースハンバーグステーキ銀賞
2011年
ローストビーフ⾦賞、味噌漬最⾼⾦賞
2012年
ローストビーフ最⾼⾦賞、味噌漬最⾼⾦賞、テール煮込、せんぼん煮込、コーンビーフ
⾦賞受賞
18
⇒
出品全5部⾨⾦賞受賞
大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社の強み・ノウハウ
/
2.その他実績
高品質へのこだわり
「近江牛」枝肉共進会にて優秀賞、最優秀賞受賞
の数々
平成15、16年 滋賀県商工会商店経営コンクール知事賞
平成17年 農林⽔産省総合⾷料全国コンクール
生鮮食品等小売業優秀賞
平成17年 全国推奨観光土産品審
査会観光土産品優秀賞
平成23年3月22日
⻯王町⻑より感謝状
平成20年 10月1日
『醤油の日』
日本醤油協会・醤油PR
協議会
「第6回醤油名匠」
その他受賞歴多数
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
社内システムの構築
誠の美味しさをデザインする地域ブランドメーカーとしての存在
マイスターとしての部門別経営者を、畜産業を通じて人材として支援出来ることを目
指します。
目標と目的・夢と希望を全社で共有
調和を重視した組織作り
会社全体
個
自己実現・やりがい・働く楽しみ
スキルアップ・自己啓発・経営参画
高収入・・・etc
人
■『強制』から『共生』・⾃⽴へ 〜 自分のライフスタイルに合わせた3つの働き方を設定明確化
スタッフフォーメーション
非公開
1.経営参画・成果・高収入を実現させたい・・・正社員
2.担当職務に全⼒で専念したい・・・・・・・・契約社員
3.時間概念をもって仕事がしたい・・・・・・・時給社員
会社に使われる ⇒
会社から報酬を頂く
会社を創る
⇒ お客様から報酬を頂く
美味しさをデザインする=プレミアム商品戦略
当社では、品質とは美味しさをコーディネイトすることだと考えます。また、品質
を管理するとは、美味しさを管理すること。そして美味しさとは、お客様の予想を超
える、お客様に感動を与えるような美味しさのことを目指しています。
ワン・ツー・ワンビジネス
『ワン・ツー・ワンビジネス』とは、お店とお客様が1対1の深い信頼関係を形成さ
せるビジネスオペレーションの形を、データベース化し、弊社の持つ田舎であるデメ
リットなどの弊害をなくしたビジネスオペレーションを考えています。
MDシステム: DAIKICHI
商品化MDシステム
部位別
プレミア
MD
非公開
ワン・ツー・ワンビジネス
お客様
地域別
近江牛
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大吉商店株式会社
オペレーションシステム:
DAIKICHI業務管理システム
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
オペレーションシステム
1.オペレーションシステム:DAIKICHI業務管理システム
電話、ファックス、メールなどからくる受注データをデータベース化し、社内でピッ
キング、売り上げ、在庫、出荷状況、社内⼆重チェックなどを⼀元管理できるシステム
です。産地直送のプロフェッショナルとして、リアルタイムでその日の仕事の状況を確
認できるシステムで、スタッフはメールを利⽤して状況を確認、業務完了までの管理が
できます。
非公開
月間/年間
部位別仕入れデータの蓄積
2.MDシステム: DAIKICHI商品化MDシステム
仕⼊れからの使うスピード、量、誰がというデータをデータベース化し、社内オペ
レーションとして利⽤し、顧客の好み・地域などを考慮しながら、次の商品化計画の
ヒントにできるシステムです。
スタッフはメールなどで状況把握でき、また一人あたりの生産性を高める指標につ
ながる仕組みになっております。
データベース化できる
顧客を拡大
データベース
部位別
お客様のツーリズム
をキャッチする
非公開
新商品化計画
につなげる
データを共有し、
マンツーマンで閲覧
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
衛⽣管理への取組み
当社では品質管理を徹底しております。特に近年、⾷の安全問題が発⽣する中、当
社では食品安全化計画を掲げ、 S-HACCPを取得し、衛生面の技術の向上にも努める
と共に、環境KESの認定を受け、環境にも配慮しています。
1.食品安全化計画
消費者に最高の食品を提供するとともに、その食品の安心も提供することが当社の
義務である。消費者に当社の食品の安全を提供するということは、当社が継続的に食
品の安全を達成していき、それを愚直に続けていき、その活動を確実に⾒える状態に
することだと当社では考える。
そのため、当社は⾷品の安全を達成するために⾷品の衛⽣管理を積極的に実施、継
続していく。そのために以下の事項を遵守して、消費者へ安心で美味しい食品を提供
していく。
①消費者に満足してもらう事が当社の発展に繋がると考える。
②消費者への安心を最優先に考え、そのために食品の安全を軽視しない。
③⾷品の安全を考える上で、⾃社のみの考えに留まらず、取引業者、衛⽣会社、業
界団体などの情報、HACCPなど衛⽣管理システムの考え⽅、その他世界のあらゆる
衛⽣管理の知識を基にして、当社の⾷品の安全性を達成していく。
④従業員一丸となって、消費者に安心を提供していく。
●⾃主管理責任者の設定
製造責任者
統括責任者
品質責任者
入荷責任者
出荷責任者
●機械器具類の衛⽣管理
機械器具類の洗浄不良を原因とした、⾷中毒菌による汚染防⽌のため、器具ごとに清掃頻度、内容
洗剤、担当者を決め、「施設設備・機械器具の清掃等結果記録」に記⼊、⼀年間保存している。
●事故等処理⼿順書
出荷前、出荷後に分けてフローを作成。製品の回収措置についてもマニュアル化。
●製品の自主検査
マニュアルに基づいて製造されたことを確認することにより、安全・安心を提供するため、自主的
に製品ごとに細菌検査、添加物検査、官能検査を⾏う。
●施設設備等の衛⽣管理
施設設備の有害微⽣物汚染防⽌・異物混⼊及び外部からのそ族・昆虫等の侵入を防止するため、す
べての作業設備について、清掃頻度、清掃作業内容、使⽤する洗剤・薬剤の指定を決めている。
「施設設備・機械器具の保守点検結果記録」「冷蔵庫・冷凍庫の温度管理記録」は⼀年間保存。
●従事者の衛⽣管理
従業員を原因とした食品への各種有害細菌等による汚染防止を図るため、入退出の衛生チェック内
容、⼿洗い⽅法、⼊室マニュアル、服装や健康管理の基準についても定め、従業員の検便は毎⽉中
部衛⽣検査センターにより⾏っている。⽇次の健康チェックについても⼀年間記録保存。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
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衛⽣管理への取組み
●製造フローチャート
精⾁及び加⼯品について、作業⼿順と、作業過程における温度等管理基準やチェック体制、対応
等を策定
製造マニュアル
製造工程
衛生マニュアル
受入れ
衛生マニュアル
原材料の検収
包装マニュアル
保
管
原材料の保存
製造マニュアル
入室マニュアル
加工作業
各作業の流れ
包装・梱包・検品
機械器具類の衛
⽣管理
包装マニュアル
保
管
包装マニュアル
製品の保存
配
送
包装マニュアル
製品の配送
有害生物モニタリング報告書
●細菌検査判定基準
製品ごとに、細菌の判定基準を設け、管理。
●温度管理
作業⼯程ごとにチェック項⽬と担当者、管理基準を策定し、冷却温度の時
系列管理を⾏う。
●社内オペレーション(2重チェックの原則)について
作業⼯程ごとにチェック項⽬と担当者、管理基準を策定し、管理シートに
記入することで徹底。
●⼊出庫管理
商品の先⼊れ、先出しと共に、賞味期限管理を徹底するため、点検項⽬と
管理表⽰シールの作成⼿順、⼊出庫管理表への記⼊事項及び⼊⼒⼿順、出
庫時の確認項目を決め徹底。
●そ族および昆虫対策
ねずみ、衛⽣害⾍による各種有害細菌汚染防⽌異物混⼊の防⽌を⾏うため、
内部の対策と外部からの侵⼊対策、駆除の頻度、作業内容、薬剤を指定。
駆除の作業記録は⼀年間保存。
●使⽤⽔の管理
⽔による各種細菌汚染を防⽌するため、⽔質点検を⽇常的に⾏っている。
地下⽔については、㈱中央微⽣物研究所へ委託をして調査。不適時の対
応についても定め、リスク管理を⾏う。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
衛⽣管理への取組み
●製品の製造管理
製造した製品の経路を追跡する情報の記録として、記録する事項を策定、2重チェックを原則とし、
記録を1年間保存、不適時の対応もマニュアル化して徹底している。
●衛生教育
従業員の衛⽣についての意識と理解を⾼め、安全で品質の⾼い製品をつくるため、全従業員を対象に
定期に年⼆回、緊急時には臨時で衛⽣教育を⾏う。教育記録を⼀年間保存。
●原材料の⼊荷管理
原材料の有害微⽣物汚染、⾷中毒菌増菌、異物混⼊を防⽌するため、原材料の⼊荷時に点検項⽬を定
めている。記録は⼀年間保存。
●添加物の使⽤管理
誤⽤防⽌のため⾷品添加物の計量を実施。結果は⼀年間保存
●廃棄規定
衛⽣管理のため、全ての⾷品で⾃社の規定を巡視し、安⼼で安全な商品を提供するために、保管場所
について規定を定める。
●消費期限の設定根拠
消費(賞味)期限のルールを厳守し、安心で安全な食品を提供するため、細菌検査、官能検査、酸化
検査を総合することによって正確に消費期限を設定。
2.S-HACCP(エス・ハサップ)
S-HACCPとは滋賀県食品自主衛生管理認証制度のことで、愛称を「セーフードしが」と呼んでい
ます。
滋賀県では、平成18年4月に、食品営業者による自主的な衛生管理の高度化を図るため、最も有効
な衛生管理手法とされているHACCP(ハサップ)の理念を取り入れた本県独自の食品自主衛生管理認
証制度(通称:S-HACCP)を創設、認証を開始しました。
平成21年12月には、「滋賀県食の安全・安心推進条例」が制定され、その第13条において、高度な
衛生管理を行う工程について認証することができると規定され、この認証制度は、法的基盤を持つ確固
たる制度として生まれ変わりました。
(出典:滋賀県食品安全監視センターホームページより「セーフードしがの概要」より抜粋)
平成21年 滋賀県食品衛生協会表彰
定量化評価指標(KPI)
S-HACCP:2009年『⾷品の冷凍または冷蔵業』 『食肉製品製造業』2業種取得
2012年『⾷品の冷凍または冷蔵業』『食肉製品製造業』2業種継続と新しい業種取得予定
(※参考:県内の認証数は2012年4月1日現在111施設、『食品の冷凍または冷蔵業』は5施設・『食肉製品製造業』4施設)
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
衛生・環境への取組み
3.KES(環境マネジメントシステムスタンダード)
環境宣言
基本理念
⼤吉商店株式会社は、地球環境の保全が⼈類共通の最重要課題の⼀つであることを認識し、全組織
を挙げて環境負荷の低減に努⼒します。
方針
大吉商店株式会社は近江牛及び近江牛加工品の製造・販売に係わる全ての活動、製品及びサービス
の環境影響を低減するために次の方針に基づき環境マネジメント活動を推進して地域環境との調和
を目指します。
1.当社の活動、製品及びサービスに係わる環境影響を常に認識し、環境汚染の予防を推進すると
ともに、環境マネジメント活動の継続的改善を図ります。
2.当社の活動、製品及びサービスに係わる環境関連の法的及びその他の要求事項を順守します。
3.当社の活動、製品及びサービスに係わる環境影響のうち、以下の項⽬を環境管理重点テーマと
して取り組みます。
(1)電⼒使⽤量の削減
(2)資源の再利⽤(近江⽜の循環型飼育法による飼料・糞尿の再利⽤)
(3)社会貢献活動(社外清掃、⾷育活動、当社の⾒学提供<学校教育等協⼒>)
4.1人ひとりが環境負荷低減活動を積極的に実践できるように、この環境宣言を全従業員に周知す
るとともに一般の人々が入手できるようにします。
5.高島市の環境活動に積極的に参画します.
上記⽅針達成のために、⽬標を設定し、定期的に⾒直し環境マネジメント活動を推進します。
2010年7月25日
大吉牧場と連名でKESのステップ1を登録。
2011年11月1日、登録番号KES1-1-0022『登録範囲:近江牛育成食
肉販売/近江牛レストラン/近江牛加工品製造、販売に係る全ての事業
活動』
※ステップ1:環境問題を取り組みはじめた段階
ステップ2:将来「ISO14001」の認証取得を目標にする段階
(従って、ステップ2は、KESの継続がISO14001につながる。)
KESとは
Kyoto=京都
Environmentak Management System=環境マネジメントシステム
Standard=スタンダード
京都議定書の発祥地、京都から発信された「環境マネジメントシステム」の規格。「地球環境問題は人類
最大の課題」と、経営のあり方が問われる21世紀の幕開けに、KESは、中小企業をはじめ、あらゆる事業
者を対象に「環境改善活動に参画していただく」ことを目的に策定されました。「シンプル」で「低コスト」な
KESは、取り組みやすい環境マネジメントシステムとして、現在は3800を超える事業者が登録。また、各
地域とも連携し、全国規模で活動しています。 そのため『KES』の名称も冒頭に示した頭文字を取った
略号から、現在では固有名詞『KES』として使用しています。
(出典:特定非営利活動法人 KES環境機構 ホームページ「KESとは」より一部抜粋)
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
/
商品化計画・品質への取組み
4.品質の高い商品化計画への取り組み
大吉では、品質とは美味しさをコーディネートすることだ
と考える。つまり、品質を管理するとは、美味しさを管理
することだと考える。しかし、大吉の考える美味しさとは、
顧客が望む美味しさではなく、顧客の予想を良い意味で裏
切る、顧客に感動を与えるような美味しさのことを指す。
そのような美味しさを実現するためには「クレームを起こ
さない」、「事故を起こさない」、だけではなく、消費者
や外部の情報、社内の情報を敏感に察知し、それらの情報
を如何に自社商品に転換していくのかという活動も重要で
ある。⼤吉における品質管理とは、クレームや事故などの
最低限の品質だけでなく、顧客が望む以上の美味しさを実
現し、顧客に感動を与えることの出来る品質を達成できる
よう管理していくことである。
製品実現チャート図
⼤吉では、品質の維持・向上のために、品質管理システムを構築することとする。その全体
像は以下に示す。
この品質管理システムを実施するために、それぞれの内容について規定することとする。⼤
吉で製造しているものについては必ず実施し、アウトソースなど外部委託しているものに関し
ては、分かる範囲で実施することとする。それに関する必要な情報は、外部業者から入手する
か、工場に訪問して確認する。
非公開
■外部監査
⼤吉での品質管理評価のために、社外の監
査を定期的に受けることとする。監査の委託
先は以下から選択することとする。
■コンテスト
大吉では、品質評価のために、社外のコン
テストへの出品を定期的に実施することとす
る。
■クレーム
大吉では、品質評価のために、クレームに
ついても検証し、次回以降のクレームがなく
なるように努⼒しています。
定量化評価指標(KPI)
新商品開発の目標値
●毎期・・・新商品化 2品目以上 目標
●毎期・・・クレーム件数 ゼロ化 目標
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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当社のマネジメント
地域ブランドメーカーとして
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地域連携への取組み
〜近江⽜は地域の味わい〜
九重味噌(有限会社九重商店)
マルイ醤油(有限会社岩佐商店)
有限会社九重商店様は明治元年創業。滋
賀県生まれ、滋賀育ちの白味噌『九重味
噌』を製造販売しておられる⽼舗です。
昔ながらの手作り米麹と、佐賀県産大豆
で造る味噌は、コクがありながらも塩分
控えめです。当社ではこちらの白味噌に
一定期間漬込み独自の技法で味噌漬に仕
上げます。 モンドセレクションでは、
2010年に⾦賞、2011年には最⾼⾦賞を
受賞いたしました。
有限会社岩佐商店様は明治8年創業。天然
醸造の『マルイ醤油』を昔から変わらず
地元高島で作り続けておられます。昔か
ら当たり前のように使い続けていたため、
ローストビーフを漬込むのに使用するの
は⾃然な流れでした。昔からの繋がりか
ら、オリジナルブレンドにも対応してい
ただけ、モンドセレクションでも2009年、
2010年⾦賞、2011年に最⾼⾦賞と、3年
連続受賞を果たしております。また、
2008年には⽇本醤油協会様より、醤油を
上手に使っているということで、賞を頂
いております。
ゆば(株式会社比叡ゆば本舗ゆば八)/兼田の漬物(株式会社兼田漬物)
ゆば八様のゆば、兼田様のお漬物は、当社のお弁当商材に使わせていただいておりま
す。こちらも古くからのお付き合いであり、地域の味わいを地元ぐるみで表現できる
協⼒企業様です。
関われる⽅々は、少ないけども、弊社のできることを⾏い、少しでも皆さんと共に良
くなりたいと考えています。
高島市の稲わらと米
牧場の堆肥を利⽤して
お米を作っておられる
熊谷さんの稲わらは、
⽜の飼料になります。
このお米は、「高島市
おいしいお米コンテス
ト」で平成20年に認定
されました。
大吉牧場の堆肥を使って頂いている田んぼが
平成20年度、平成22年度⾼島市美味しいお
米コンテスト2010で認定されました。
地元の団体との協⼒
⼤吉商店では、滋賀県⾼島市にある施設で障がいのある⽅達に協⼒
して頂き商品のパッケージを作っていただいています。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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今後の事業課題・戦略
3年後の考え⽅と重点項⽬
経営理念
努力・マネジメント
全従業員の物心両
面の幸せの追求と
同時に、事業を通
じて、社会に貢献
する。
強み・ノウハウ
社内システムの活
用 ⇒ 大吉マイ
スター制度
大吉牧場
衛生・環境への取
組の徹底 ⇒ 大
吉HACCP
100年の知識・経
験
地域との連携から
貢献へ
近江牛
高品質こだわり商
品
商品・事業
業績
精肉の卸
小売・輸出業
加工品の卸・小売
120%UP
120%UP
120%UP
飲食業・弁当
120%UP
土産卸・小売
百貨店催事
IT販売
120%UP
プレミア商品戦略
120%UP
→経常利益UP
現在、社内のすべての面において体制が整った状況であり、今後はこの仕組みを活用
し、徹底して理念の実現へ向かう。そのための、今期経営計画書による戦略は以下の
通りです。
1.加工品アイテム、新規販売チャンネルの獲得からの商品構成
の変化と利益率の増⼤、卸の強化で業績アップ、販売網の強化、材
料の確保を図る。
2.小売部門の強化として、リピートシステムの導入を図る。
社内オペレーションを強化し、経営資源の情報をうまく取り込んで
いくシステムづくりを⾏う。
3.新商品を考えることで、新しい商品と売り方を提案していく。
今期の経営計画書
売上額
⼈事政策確⽴
組織体制確⽴
S-HACCP認証
ローストビーフ
発売
大吉牧場開設
ハンバーグ発売
非公開
事業を継いだころは、契約農場からの仕⼊れ。農場は⽣産、こちらは販売という⽴場の違い
が、考え方のギャップになった。高島の地域にあった牛を育て、求める質の牛肉をつくるため、
⼤吉牧場を開設。以降さらに商品企画に注⼒できるようになり、業績を伸ばすきっかけとなる。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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今後の事業課題・戦略
1.商品戦略
〜 プレミア商品戦略の推進 〜
市場成⻑性(+)
■商品ポジショニング
■商品構成比
近江牛プレミア部位
ハンバーグ
ローストビーフ
プレミア手づくりアイテム
若の味付け
収益性︵大︶
収益性︵小︶
煮込みハンバーグ
スープ
海外 加工品
土産 土産・諸国名産
ギフト たれ
非公開
近江牛ギフト化
土産 カレー
弁当・惣菜
コロッケ・メンチカツ
パック商品
配達卸商品
一般冷凍商品
市場成⻑性(−)
←
2.販売チャンネル戦略
過年度の経営計画書
販売構成比(現在)
他地域
地元
他地域
地元
46.7%
53.3%
■地元地域以外への商流をつくる、少しずつシフトしながら情勢に合わせていくスタイル
また合わせられる多様な商品構成を持ち続ける
何処の
誰に
何を
提供するか
その選択肢の一つとして
海外も存在する。
全ては、商品MDから
始まる。
海外商談会の様子
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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今後の事業課題・戦略
3.オペレーション戦略
1.独⾃のオペレーションシステムを利⽤し、役割分担をはっきりした仕事を⾏う
2.⾁の⽇などのイベントを利⽤し、顧客情報を蓄積し、DMやメールによる顧客への
アプローチを増やす
3.顧客の望む商品を創造しながら、LIFE STYLEに合う商品化計画を⾏う
4.販売チャンネルをデーターベース化し、地域別の商品化計画を確⽴する
4.大吉HACCPへの取組み
大吉牧場の農場HACCPと当社のS-HACCPにより、生産から加工・販売まで一貫した
衛⽣管理体制が整いました。また、それと共に、業務システムにより仕⼊れ先の在庫
管理も可能になっております。これを活かし、今後当社では独⾃の『大吉HACCP』に
取り組みたいと考えます。
■『大吉HACCPシステム』からの安心・安全の考え方
買付け
農場HACCPからの肥育
販売
全ての牛が、どのように育った
かまでわかる仕組み
↓
特に良い⽜を⼤吉プレミアムと
して高付加価値商品の企画
S-HACCPからの加工
⽣産段階と流通加⼯段階での取組の連携
農場から消費者へ⼀貫した衛⽣管理による安全な畜産物の供給
加⼯・流通
生産農場
消費者
5.⼤吉マイスター制度の徹底
=農場HACCPの取組
=食品衛生法等におけるHACCP等の取組
5.高齢化社会への対応
⽇本は⾼齢化が進む超⾼齢化社会、やわらかく、⽢みのある⾚⾝に移⾏してきています(当社
データより)。逆に海外は、⼀時期⽇本で流⾏った、脂質の⾼いジューシーなロースが⼈気で
す。部位別に売れる地域にもっていく戦略で、海外輸出と地域への対応を考えています。たと
えば、⾼齢の⽅への給⾷サービス・宅配等などがあげられます。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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知的資産経営報告書とは
■ この報告書の作成にあたって
今回の報告書は、⽬に⾒えにくい⾃社の「知的資産」を明らかにし、その経営資源を
活用することにより、どのような可能性を持っているのかを分析することで、今後の企
業活動の⽅向性を⾒出すことを⽬的としています。
⾃社の⽬に⾒え にくい経営資源を 可視化し、定量化 評価指標であるK PI(key
performance indicator)で表現することにより、経営目標にどのくらい近づいているの
かを判断する助けとして作成しました。
また、当社とかかわる全ての方に、当事業所の活動の中⼼となる理念と、その理念に
基づく取り組みや強み・ノウハウ、そこから⽣まれるサービスの本質を理解してもらう
助けとなることを願って作成しました。
今回の報告書作成の目的は以下の3つの点です。
1.当社の強みがどこにあるのか充分精査すること。
2.当社の知的資産を「⾒える化」することによって、お客様や取引先様とより深い
関係を築くこと。
3.内部マネジメントツールとして、経営⽅針を次世代に役⽴てること。
よって本報告書は、将来の⾒込みや詳細な事業計画等を掲載するのではなく、過去か
ら現在にわたって当社の業績を支えてきた知的資産活用の変化にフォーカスしています。
これらの過程を経て、将来の知的資産経営のビジョンを検討することにより、注⼒す
べき事項がより具体的になります。
今後は報告書作成により形式知化された価値創造の流れを社員間で共有し、ビジョン
実現にむけた具体的なアクションにつなげてまいります。
■ 本報告書ご利⽤上のご注意
本報告書に掲載しました将来の経営戦略及び事業計画ならびに付帯する事業⾒込みな
どは、全て現在入手可能な情報をもとに、当社の判断にて掲載しています。そのため、
将来にわたり当社の取り巻く経営環境(内部環境及び外部環境)の変化によって、これ
らの記載内容などを変更すべき必要が⽣じることもあり、その際には本報告書の内容が
将来実施⼜は実現する内容と異なる可能性もあります。よって、本報告書に掲載した内
容や数値などを、当社が将来に亘って保証するものではないことを、⼗分にご了承願い
ます。
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大吉商店株式会社
知的資産経営報告書
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■ 作成者
大吉商店株式会社
代表取締役 永谷 武久(ながたに たけひさ)
■ 作成支援
⾏政書⼠ 堀 裕子
所属:滋賀県⾏政書⼠会 ・ 知的資産経営学会正会員
登録:京都府「知恵の経営」ナビゲータ
中小企業支援ネットワーク強化事業登録専門家
中小企業支援ネットワーク機関
■
滋賀県中小企業団体中央会
お問い合わせ先
大吉商店株式会社
〒520-1217 滋賀県高島市安曇川町田中252番地
TEL:0740-32-0001
FAX:0740-32-2908
E-Mail: [email protected]
■ 発⾏
2012年 11月 15日
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