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「食肉中の残留医薬品検査」[PDFファイル/158KB]
平成24年1月 No.1 1 4 〈今月の特集〉 食肉中の残留医薬品検査について 謹んで新年のご挨拶を申し上げます 昨年は日本で未曾有の大惨事が起こりましたが、津波や原発事故 の被災地における一日も早い復旧復興を祈るばかりです。 原発の事故による食品の安全・安心に関わる問題は、今後も厳し く取り扱われることが予想されますが、今月は食肉中の残留医薬品 検査について簡単な説明をしたいと思います 食品中の残留有害物質の新基準(ポジティブリスト制度)につい ては、平成18年5月に施行され、5年あまりが経過しています。 残留有害物質には農薬、飼料添加物、動物用医薬品がありますが、 検査所では主に抗生物質、合成抗菌剤の検査をおこなっています。 ②畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査 厚生労働省がおこなっている事業で、検査所では諫早食検(牛・鶏) と川棚食検(豚・鶏卵)でおこなっています。ポジティブリスト制度施 行後、全国的に検査機器の高度化が必要になり、両食検でもより高感度 な検査機器を導入して、より効率的かつ高感度な検査を目指しています。 検査所では、おおまかに以下の3種類の検査をおこなっています。 ① 一般検査(保留畜) 解体後検査において、保留畜となった場合に必要であれば、筋肉、 肝臓、腎臓の残留抗菌性物質簡易検査をおこなうものです。 疾病等で疲弊した家畜は、薬物や代謝や排泄能力が落ちている場 合があり、休薬期間後でも薬物のこん跡が検出されることがあり、 注意が必要です。 抗菌性物質陽性事例(臓器の周辺に菌の発育阻止円が見られる) 平成24年1月 No.114 高速液体クロマトグラフタンデム四重極質量分析装置 薬剤のクロマトグラム ③残留抗菌性物質スクリーニング検査 検査所(諫早食検、国見支所、川棚食検)独自で、最低年 1 回おこな っている検査です。豚の全生産者に協力していただき、1生産者から5 頭ずつ片方の腎臓の 1/2 程度を検査に供してもらい簡易検査をおこなっ ています。川棚食検では一昨年度から、また諫早食検は昨年度から、検 査する個体の特定し、簡易検査で陽性が疑われる場合は、その個体につ いて2次検査以降の検査が可能となっております。 今年度のスクリーニング検査は今月以降に(川棚食検では先月から) おこなう予定ですが、今後とも生産者の皆様のご理解とご協力をお願い します。 発行責任者:長崎県食肉衛生検査情報発信委員会