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Medical Device
3M
TM
皮膚貼付用テープ
皮膚に優しいシリコーン系粘着剤テープ
Medical Device
Components
For Manufacturers
3M Medical Specialities
from the 3M heaith Care family
シリコーン系粘着テープ 皮膚に優しい理想的な粘着力
はじめに
シリコーンを選択する根拠
粘着テープを用いて医療機器などを皮膚に装着する際、重
シリコーン系粘着剤は粘着剤としては最も高価なものです
要なのは取り外すまで正しい位置に固定し、貼付中も剥が
が、特定の使用条件においては相応する価値があります。
すときにも皮膚を傷つけないことです。プラスチックやその
その一つは、皮膚に貼付したときの負担が少ないことです。
他の物質の表面エネルギーを測定するために開発された方
皮膚の表面にテープを貼付すると、通常ある程度の機械的
2
法を用いると、ヒトの皮膚の表面エネルギーは20mJ/m 前
刺激が起こります。介護者が細心の注意を払って慎重に皮
半であり、未処理のポリオレフィンやフッ素樹脂に匹敵する
膚からテープを剥がしたとしても、体毛と表皮細胞もある程
ほど粘着しにくい性質であることがわかっています。
度剥がれてしまいます。皮膚の健康状態、貼付時間、機器を
表面エネルギーが低いということは、ヒトの皮膚が水と石鹸
貼付する位置、気候なども装着している間の粘着度に影響
だけで汚染物質を容易に除去できるという長所につながり
を及ぼします。
ますが、一方、皮膚に対する粘着力を適切なレベルにするこ
とが難しいと言う短所にもなります。粘着力が弱すぎると、
十分な治療効果のために必要な時間、機器が固定されない
おそれがあり、また粘着力が強すぎると、剥がす際に皮膚に
何らかの機械的刺激を引き起こすおそれがあります。
基質
表面エネルギー[mJ/m2]
アルミニウム
840
ポリエステル[PET]
43
ポリウレタン[PUR]
43
ポリカーボネート[PC]
42
ポリスチレン[PS]
36
ポリエチレン[PE]
31
ポリプロピレン[PP]
29
ヒト皮膚
25
PTFE
18
医療用のシリコーン系粘着剤は幅広いタイプの肌質に対応
し、剥がすときには皮膚に対する機械的刺激が少ないとい
うバランスにおいて、優れた性能を発揮するように設計され
ています。医療用シリコーン系粘着剤は、皮膚に優しいうえ
に粘着性に優れていることから、機器を貼り付けるための
「最適な粘着剤」
とされることが多いにもかかわらず、
最近ま
でその選択肢は限られていました。
治療のために、数日間に渡って機器を皮膚に固定する必要
があるときは、それによって比較的軽度の不快感が生じるか
もしれません。シリコーン系粘着剤は、皮膚表面への悪影響
が少ないことがよく知られており、体毛にあまりよく粘着しな
いため、テープ剥離時の「痛みの元」の一つである体毛が抜
けることがほとんどありません。また、皮膚の乾燥した細胞
や死滅細胞にも粘着しにくいために角質が剥離されにくく、
皮膚表層がテープとともに剥がれることによる感染の危険
性が低くなると考えられます。このことは、傷つきやすい皮
膚や障害のある皮膚を持つ高齢者や幼児向けの機器を設
計する際には、非常に重要な要素です。
皮膚に優しい粘着剤の利点
打ち抜き加工に関する注意事項
シリコーン系粘着剤は、皮膚からの剥離時に体毛や表皮細
新規の皮膚貼付用シリコーン系粘着テープは工業用粘着
胞を剥離しにくい特徴があります。体毛や表皮細胞で粘着
テープと同様に打ち抜き加工することが可能です。打ち抜き
剤の表面が汚れると、通常は再度テープを皮膚に貼付する
加工したシリコーン系粘着テープは、スペシャリティードレー
際の障害となります。テープや機器の表面に汚染がなけれ
プや、患者の脆弱な皮膚領域に使用する部材として使用する
ば、肌質によっては粘着面を取り換えることなく、
数回にわた
ことができ、シリコーン系粘着剤がもたらす特別な品質はそ
り取り外して位置を変えることが可能になります。そうすれ
のような患例において歓迎されるはずです。
ば、介護する側は位置を調整でき、機器の下を確認したり、
シリコーン系粘着剤の取扱いにおいて、製造業者は価格の
機器を取り外してその部位を消毒し、新たな機器やテープ
差別化の他にいくつか考慮する必要があります。皮膚貼付
を使用することなく再度取り付けることもできます。これによ
用のシリコーン系粘着剤は柔らかいため金型への糊残りの
り、機器を取り付けた部分の皮膚の健康状態も維持するこ
観点からはロータリー金型による打ち抜き加工が適してい
とができます。
ます。また、打ち抜き加工のラインでシリコーン系粘着剤に
従来型粘着剤とシリコーン系粘着剤の比較
従来型粘着剤
テープの基材
触れるローラー等は、シリコーン系粘着剤用の剥離シートで
覆う等の注意が必要です。
設計者とエンジニアもまた、シリコーン系粘着剤を使用する
場合は、剥離ライナーの選択について必ず再確認する必要
があります。シリコーン系粘着テープを取り扱う際は、一般
的なシリコーン剥離ライナーを挿入することはできません。シ
リコーン系粘着剤には特殊ライナーが必要です。また、選定
した剥離ライナーの剥離性は加熱等による加速試験で確認
しておくことが望ましいです。
まとめ
皮膚を引っ張る力
従来の粘着剤の剥離イメージ
以上の要素を考慮すると、シリコーン系粘着剤は特殊な用
途において皮膚に優しい特性を備えており、医療機器業界
の最重なニーズをカバーできる製品と言えます。開発者、設
計エンジニアがこれらの特性を理解し、それに適した計画
テープの基材
を立てることによって、使用者とエンドユーザーにとって、適
合性が高く不安要素の少ない新製品を開発することが可能
になると思われます。
監修:Kris Godbey
( 3M ヘルスケア社、
上級技術サポートエンジニア)
シリコーン系粘着剤
皮膚
シリコーン系粘着剤の剥離イメージ
シリコーン系粘着剤の5大特長
① 貼り直しが可能
→観察のための一時的な剥離後の再粘着やテープの位置直しが可能
② 剥がす時に痛みが少ない →体毛が抜けにくい
③ 皮膚を傷つけにくい →角質剥離が少ない
④ 低アレルギー*・ラテックスフリー
⑤ 安定した粘着力を維持
従来のアクリル系粘着剤
皮膚の凹凸を
入り込むのに
時間がかかる
粘着剤が“硬い”ので
皮膚を引っ張って剥がれる
貼付け直後の状態
時間が経過した状態
剥離時
シリコーン系粘着剤
貼付後、
素早く
皮膚の凹凸部に
入り込む
粘着剤が“柔らかい”ので
皮膚を引っ張らずに剥がれる
剥がす時に痛みが少ない
“安定した粘着力”
貼付け直後の状態
時間が経過した状態
剥離時
*:アレルギーテスト済。
全ての方にアレルギーが起きない訳ではありません。
製品情報
製品番号
基材・芯材
※2
厚み
粘着力※1
滅菌
(mm) (N/cm)
剥離紙
色
特徴・仕様・注意
2475
15μm ポリエステルフィルム
0.12
0.3
E
有
半透明
薄くて柔らかい、 低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤使用
2475P
15μm ポリエステルフィルム
0.12
0.3
E
有
半透明
薄くて柔らかい、 低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤使用、
2475 の軽ライナー剥離品
2476
ポリエステル不織布
0.37
0.4
E
有
白色
メッシュタイプ、 低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤使用
2476P
ポリエステル不織布
0.37
0.4
E
有
白色
メッシュタイプ、 低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤使用、
2476 の軽ライナー剥離品
2477
38μm ポリエステルフィルム
0.18
▲
0.4/3.5
E
有
半透明
片面(フィルムライナー)
:低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤
片面(紙ライナー)
:アクリル系粘着剤
2477P
38μm ポリエステルフィルム
0.18
▲
0.4/3.5
E
有
半透明
片面(フィルムライナー)
:低刺激性で肌に優しいシリコーン系粘着剤
片面(紙ライナー)
:アクリル系粘着剤、 2477 の軽ライナー剥離品
9954
50μm ポリエステルフィルム
0.05
ー
E
無
透明
シリコーン粘着剤用のフィルムライナー
9955
90μm ポリプロピレンフィルム
0.09
ー
E
無
透明
シリコーン粘着剤用の軽剥離タイプのフィルムライナー
(注)
粘着力の数値は参考値であり、保証値ではありません。 ※1:粘着力はスチール板に対する値です。
※2:E =エチレンオキサイド
2014年1月発行
3Mは、3M社の商標です。
カスタマーコールセンター
製品についてのお問い合わせはナビダイヤルで
医療用製品事業部
http://www.mmm.co.jp/hc/medical
Please Recycle. Printed in Japan
Copyright © 2013 3M. All Rights Reserved.
MSD-030-B(121303)IT 458537N
0570-011-321
市内通話料金でご利用いただけます。
受付時間/8:45~17:15 月~金(土・日・祝・年末年始は除く)
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