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第 29 回個体群生態学会大会 プログラム・講演要旨集

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第 29 回個体群生態学会大会 プログラム・講演要旨集
第 29 回個体群生態学会大会 プログラム・講演要旨集 2013 年 10 月 11 日(金)〜13 日(日) 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス 協賛:Springer 後援:大阪府立大学大学院理学系研究科 第 29 回個体群生態学会大会 プログラム・講演要旨集
Program and Abstracts
The 29th Annual Meeting
The Society of Population Ecology
2013 年 10 月 11 日(金)〜13 日(日) 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス(大阪府堺市) October 11-13, 2013
Nakamozu Campus, Osaka Prefecture University (Sakai, Osaka)
協賛:Springer 後援:大阪府立大学大学院理学系研究科 Sponsors:
Springer
Graduate School of Science, Osaka Prefecture University
第 29 回個体群生態学会大会実行委員会
目次
交通アクセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 キャンパスマップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 大会日程・時間割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 会場案内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 注意事項とお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 個体群生態学会奨励賞授賞式・受賞講演・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 シンポジウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ポスター発表一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 ポスター発表要旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 参加者名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 - 1 -
交通アクセス なんばから ・南海高野線「白鷺駅」下車、南西へ約500m、徒歩約6分。 ・南海高野線「中百舌鳥駅」下車、南東へ約1,000m、徒歩約13分。 新大阪・梅田から ・地下鉄御堂筋線「なかもず駅(5号出口)」から南東へ約1,000m、徒歩約13分。 ・南海高野線「中百舌鳥駅」・地下鉄御堂筋線「なかもず駅」から南海バス(北野田駅前行31、32、
32-1系統)で約5分、「府立大学前」下車。 関西国際空港から ・JR阪和線「三国ヶ丘駅」から南海高野線「中百舌鳥駅」もしくは「白鷺駅」下車。 ・関西国際空港から南海バス(関西空港リムジンバス)で「中もず駅前(北側)」まで約 63 分。 - 2 -
キャンパスマップ ■B3 棟 受付、事務局、授賞式・受賞講演、総会、基調シンポジウム、企画シンポジウム ポスター発表 ■B12 棟学生会館生協食堂 懇親会、昼食(13 日は営業せず) - 3 -
大会日程・時間割 10 月 11 日(金) 時間 イベント 会場 15:00-18:00 運営委員会 C10 棟5階 512 イベント 会場 10 月 12 日(土) 時間 基調シンポジウム A 9:00-12:30 「Network Structure and Dynamics of
Ecological Communities」 B3 棟1階 117 12:30-13:00 昼休み 13:00-14:00 ポスターコアタイム B3 棟3階 301-303 16:00-17:00 企画シンポジウム A 「目に見えない相互作用を
描くための挑戦」
奨励賞授賞式・受賞講演 17:00-18:20 総会 B3 棟1階 117 18:30-20:30 懇親会 B12 棟学生会館生協食堂 時間 イベント 会場 9:00-12:00 基調シンポジウム B 「Evolutionary and Population Ecology
of Maternal Effects」 B3 棟1階 117 12:00-13:00 昼休み 13:00-14:00 ポスターコアタイム B3 棟3階 301-303 14:00-16:00 企画シンポジウム B 「繁殖干渉:オスの見境の無さが
もたらす進化的・生態学的帰結」 B3 棟1階 117 14:00-16:00 B3 棟1階 117 B3 棟1階 117 10 月 13 日(日) - 4 -
会場案内 - 5 -
注意事項とお知らせ 受付 受付は、以下の時間に、B3 棟1階 C5 棟側入口で行っています。 12 日(土)8:30-18:00 13 日(日)8:30-16:00 参加費の納入は当日(一般会員7,000 円、学生会員5,000 円、非会員8,000 円)も可能ですが、
できるだけ事前にゆうちょ銀行への振込により納入ください。10 月2日(水)以降に参加費・懇
親会費を振り込まれた方は、振込を証明することのできる書類(振込記録や受領書の写しなど)を、
大会当日に受付で提出してください。 会場では名札をおつけください。 クローク B3棟1階107にてお荷物をお預かりします。預かり時間は以下のとおりです。 12日(土)8:30-18:30(18:30 ~ 20:30 は懇親会会場に荷物置き場を設けます) 13日(日)8:30-16:30 貴重品は必ずご自身で管理してください。お預けになった荷物に関しても万一の盗難・破損の責
任は負いかねます。日付をまたいでのお預かりはできません。いずれの日もクローク終了時間まで
に荷物を引き取ってください。 休憩室 以下の日程で休憩室(B3棟1階108)を開設します。 12日(土)9:00-18:00 13日(日)9:00-16:00 授乳室が必要な場合は、大会事務局にご相談下さい。 シンポジウム 設定された時間内に終了するように進行をお願いします。時間延長はできません。シンポジウム
の発表には液晶プロジェクターが使用できます。液晶プロジェクターに接続するコンピューターお
よび発表用ファイルは、シンポジウム企画者の責任で準備してください。開催時間帯の各会場には
1 ~ 2 名のスタッフを配置します。 - 6 -
ポスター発表 ポスター発表会場(B3棟3階301-303)は12日(土)9:00 から利用可能です。ポスター発表者は
受付を済ませ次第、ポスターを展示することができます。 展示場所は展示ボードに「発表番号」で指示されています。ポスター発表者は自分の「発表番号」
を26~27ページの一覧表で確認してください。 ポスター展示ボードの大きさは縦120cm ×横85cm(ほぼA0 サイズ)です。ポスターをボードへ
貼り付けるための画鋲など は大会事務局で用意しますので、 それを用いて下さい。 ポスターは12日(土)9:00 から13日(日)16:00 まで掲示することができます。13日(日)
16:00 以降はすみやかにポスターを持ち帰ってください。 ポスター発表のコアタイムは2日間設けています。両日とも13時〜14時がコアタイムです。 ポスター賞 個体群生態学会大会では、若手研究者を奨励するために、優秀なポスター発表をえらんでポスタ
ー賞を授与します。応募者は以下の点に注意して準備ください。 ■応募資格 ポスター賞への応募は博士号の未取得者か取得後2年以内の若手の方に限ります。 ■選考方法 参加者による投票を行います。投票できる票は1名につき1票のみです。 ■授賞の件数と表彰方法 ポスター賞応募者のうちで、得票数順に『最優秀賞』(1件)および『優秀賞』(約3件)を表
彰します。懇親会のなかで表彰式を行います。 会場内での撮影・記録 著作権、 肖像権を侵害しない範囲で行ってください。シンポジウム講演、ポスターなど、すべ
ての形態の研究発表について、 発表者に不利益が生じるかたちでの記録を決して行わないように
お願いいたします。 運営委員会 11 日(金)の15:00 から18:00 まで、C10棟5階512(大会議室) で開催します。運営委員の方
はご参加ください。 - 7 -
総会 12 日(土)の 17:00 から 18:20 まで、B3 棟1階 117 で行われます。今回は NPO 法人化に向けた
定款の議決という重要な議題がありますので、参加するようお願い致します。 定款は学会 web サイト http://www.population-ecology.jp に公開されています。会員の皆様に
おかれましては、総会までにこの最終案に目を通していただきますようお願い致します。 懇親会 12日(土)18:30 ~ 20:30 にB12棟学生会館生協食堂で行ないます。参加希望者は事前申し込み
にて登録してください。当日参加も受け付ける予定ですが、数に限りがあります。懇親会会場入り
口にて、 大会スタッフが名札の懇親会参加印の確認をさせていただきますので、名札を必ず持参
ください。名札の参加印がない場合は、ご入場いただけません。 キャンパス内での喫煙 大学構内は、指定された喫煙所(キャンパスマップ参照)を除いて、「全面禁煙」です。 ATM 大会期間中は土日であるため、学内のATMはご利用できません。必要な方は学外のATMを利用して
下さい。 昼食について 12日(土)は、生協食堂が11:00-13:45、生協購買が10:00-14:00で営業していますので、ご利用
下さい。また、B13棟第2学生会館1階シュライク内にあるSUBWAYも、12日(土)は10:00-17:00で
営業しています。他に中百舌鳥門・白鷺門付近に飲食店があります。 13日(日)は、キャンパス内の食堂は休みになります。また学外の飲食店も日曜日は休むところ
が多くなるので、コンビニエンスストア等でお弁当を買っておくことをお勧め致します。 - 8 -
個体群生態学会奨励賞 授賞式・受賞講演 10月12日(土)16:00 〜 17:00 B3棟1階117 受賞者 高橋佑磨(東北大学 国際高等研究教育機構 学際科学フロンティア研究所) 遺伝的多型の維持機構を検証する 仲澤剛史(国立成功大学) Ontogenetic growth matters in community ecology 受賞講演要旨 遺伝的多型の維持機構を検証する 高橋佑磨(東北大学 国際高等研究教育機構 学際科学フロンティア研究所) 個体群内における遺伝的多型の維持機構は内的機構と外的機構に大別できる。理論的には、前者に
おいては各個体群の内部に存在する平衡選択によって、後者においては個体群間の遺伝子流動によ
って多型が維持されているという。しかし、これまでの実証研究の多くは断片的な状況証拠を示し
たに過ぎず、代替仮説の棄却や詳細な過程の特定には至っていない。そこで私は、雌に2型を生じ
るアオモンイトトンボを用い、多角的アプローチにより複数の証拠を組み合わせることで、本種の
2型の維持機構の包括的検証を試みた。集団遺伝学的解析を行なったところ、2型の維持に対する
遺伝子流動の効果は検出されず、色彩遺伝子に対する平衡選択のみが検出された。実際、野外では
型比の周期振動が観察されるとともに、少数派の型の適応度が多数派の型よりも高くなることが見
出された。また、このような少数者利益は、学習に基づく正の頻度依存的な配偶者探索に起因する
正の頻度依存的な性的ハラスメントによって生じていることも示された。これらの結果は、雄の学
習に基づくハラスメントが引き金となる平衡選択により本種の雌の2型が恒久的に維持されてい
ることを示している。 - 9 -
Ontogenetic growth matters in community ecology
仲澤剛史(国立成功大学) Ecology is traditionally species-based, and fundamental questions are those such as why many species can
coexist, which species exist where and in what numbers, and how they behave. These questions implicitly
assume that species are composed of identical individuals with invariant traits. However, this is a simplified
assumption and intraspecific variation is ubiquitous in nature, as almost all organisms on the earth are
multicellular and exhibit ontogenetic growth from birth to death. Notably, body size (including age and
stage) is the most fundamental aspect of organisms, largely determining intraspecific variations in behavior,
physiology, and life history, as known as ontogenetic niche shifts.
Further, individual body sizes (or
age/stages) of interacting organisms (e.g., predator and prey) critically affect their interaction strength.
Therefore, ontogenetic growth (i.e., changes in body size) can strongly influence structure and dynamics of
ecological systems.
In this talk, I introduce a couple of theoretical frameworks to study typical
size/stage-structured communities including (i) aquatic food web, (ii) terrestrial plant-insect interactions, and
(iii) aquatic-terrestrial interface community, wherein I specifically assume ontogenetic niche shifts of fish,
insects, or amphibians. The models illustrate that ontogenetic niche shifts of organisms make temporal and
spatial patterns of community dynamics more complex than we have understood. The present perspective
highlighting ontogenetic growth of organisms will allow us to better understand community responses to
anthropogenic disturbance.
- 10 -
シンポジウム 基調シンポジウム A 10 月 12 日(土)9:00~12:30 B3 棟1階 117 【SA】Network Structure and Dynamics of Ecological Communities
Organizer: Toshiyuki Namba (Osaka Prefecture University)
The stability-complexity debate at age 40
Stefano Allesina and Si Tang (University of Chicago)
What generates the stabilising effect of interaction-type diversity in ecological communities?
Michio Kondoh (Ryukoku University) and Akihiko Mougi (Shimane University)
Does massively-parallel pyrosequencing revolutionize empirical studies of ecological networks?
Hirokazu Toju (Kyoto University)
Structure and stability of networks with mutualistic and antagonistic interactions
Elisa Thébault, Colin Fontaine, and Alix Sauve (CNRS)
Spatial complexity and community stability
Akihiko Mougi (Shimane University)
Models of species abundance distributions based on population dynamics
Kei Tokita (Nagoya University)
基調シンポジウム B 10 月 13 日(日)9:00~12:00 B3 棟1階 117 【SB】Evolutionary and Population Ecology of Maternal Effects
Organizers: Michihiro Ishihara (Osaka Prefecture University) and Shunsuke Utsumi (Hokkaido University)
Evolutionary Ecology of an Adaptive Maternal Effect: Egg Size Plasticity in a Seed-Eating Beetle
Charles W. Fox (Department of Entomology, University of Kentucky)
Maternal effects on family dynamics: causes and consequences of variation in trophic-egg production of
burrower bugs
Shin-ichi Kudo (Naruto University of Education)
Differential allocation as a maternal reproductive strategy in songbirds
Masayo Soma (Department of Biology, Hokkaido University)
Mother plants with aphid infection transgenerationally enhances population growth of aphids on offspring
seedlings
Noboru Katayama (Field Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University),
Alessandro Oliveira Silva, and Takayuki Ohgushi (Center for Ecological Research, Kyoto
University)
- 11 -
企画シンポジウム1 10 月 12 日(土)14:00~16:00 B3 棟1階 117 【S1】目に見えない相互作用を描くための挑戦 企画責任者:米谷衣代(京都大学 生態学研究センター) 環境 DNA を用いた水中生物モニタリングの現状 源 利文(神戸大学大学院人間発達環境学研究科) 同位元素を用いた食物網の記述 原口 岳,陀安一郎(京大・生態研) DNA バーコーディングによって熱帯の昆虫と植物の相互作用網を紐解く 岸本 圭子(東大・院・広域) 昆虫体表の微生物群集を利用した送粉昆虫−植物ネットワークの推定 潮 雅之(京大・生態研),永野 惇(京大・生態研、JST さきがけ), 山崎 絵里(京大・生態研),高巣 裕之(京大・生態研,東大・大気海洋研究所), 藤永 承平(京大・生態研) 企画シンポジウム2 10 月 13 日(日)14:00~16:00 B3 棟1階 117 【S2】繁殖干渉:オスの見境の無さがもたらす進化的・生態学的帰結 企画責任者:京極大助(京都大学大学院 理学研究科 動物生態学研究室) 種間求愛・繁殖干渉がなくならない理由 高倉 耕一(大阪市環科研),西田 隆義(滋賀県立大・環境生態), 巖 圭介(桃山学院大・社会) 過去の競争実験にみられる繁殖干渉 岸 茂樹(東大院・農) 繁殖干渉による棲み分けと資源利用の統一的な説明 西田 隆義(滋賀県立大・環境生態),高倉 耕一(大阪市立環境科学研), 巖 圭介(桃山学院大・社会) 最後のピース:植食性昆虫の食草選択に対する繁殖干渉の影響 大秦 正揚(京都学園大学),大崎 直太(山形大学) 繁殖干渉の検証としての島の生物地理学:イヌノフグリを例に 高倉 耕一(大阪市環科研),藤井 伸二(人間環境大) - 12 -
シンポジウム要旨 基調シンポジウム A 10 月 12 日(土)9:00~12:30 B3 棟1階 117 【SA】 Network Structure and Dynamics of Ecological Communities
Organizer: Toshiyuki Namba (Osaka Prefecture University)
To reveal the features that contribute to the stability and persistence of an ecological community is important
to understand the mechanisms for maintaining biodiversity. Since the theoretical finding by Robert May in
1972 that complex communities are inherently unstable, the relation between complexity and stability has
been the central question in community ecology for more than 40 years. Recently, studies including positive
interactions and evolutionary history have been opening new perspectives on the big question. Empirically,
remarkable development in high-throughput DNA barcoding makes it possible to uncover the structure of
huge ecological networks. To achieve significant progress in these core issues, innovative perspectives,
integrative approaches and international collaboration are necessary. In this symposium, excellent
researchers are invited from outstanding research groups in the world. Remarkable features of the works by
Stefano Allesina, Elisa Thébault, Michio Kondoh, and Akihiko Mougi are the focus on mutualistic
interactions together with antagonistic ones and the integration of different types of interactions. Hirokazu
Toju, from an empirical side, discusses how massively-parallel pyrosequencing can revolutionize empirical
studies of ecological networks, showing examples of hyper-species-rich ecological networks consisting of
belowground fungi and their host plants. Akihiko Mougi focuses on spatial heterogeneity and suggests that
complex communities can be maintained solely by the spatial complexity quite independently of the details
of species interactions and food web structure. Kei Tokita, one of the pioneering researchers who examined
the distribution of different types of interactions, demonstrates how patterns in the species abundance
distribution appear from a nonlinear multispecies system with random interactions.
【SA-1】The stability-complexity debate at age 40
Stefano Allesina and Si Tang (University of Chicago)
Forty years ago, Robert May showed that large ecological communities with random structure would
invariably be unstable. This result ignited the so-called "stability-complexity debate", and led to many
attempts to resolve an apparent paradox: how can thousands of species interact in natural ecosystems, given
that this would certainly lead to instability -- with consequent loss of species? Here we review recent results
using random matrix theory to extend May's study to more ecologically realistic cases. We show that similar
methods can describe not only the long-term behavior of large ecological communities, but also their
transient behavior following a perturbation. Finally, we outline possible extensions and future challenges.
- 13 -
【SA-2】What generates the stabilising effect of interaction-type diversity in ecological
communities?
Michio Kondoh (Ryukoku University) and Akihiko Mougi (Shimane University)
Theory predicts that ecological communities consisting of many interacting species tend to be unstable,
despite the fact that complex ecosystems do persist in nature. We have recently hypothesised, using a
theoretical model, that coexistence of antagonism and mutualism can stabilise a complex community. In this
talk, we extend the earlier model to include competition as a third major interaction type to show the
generality of the hypothesis that coexistence of different interaction types contribute to maintaining complex
communities. Furthermore, we make clearer the condition for the stabilising effect to emerge. Our analysis
suggests that the third interaction type basically does not alter the major pattern, but revealed that the
hierarchically structured antagonistic interaction network can be very essential for interaction type diversity
to reverse the complexity-stability effect. The present study indicated that the complexities characterised by
species number, connectance, network structure, and interaction type diversity may synergistically contribute
to maintaining communities.
【SA-3】 Does massively-parallel pyrosequencing revolutionize empirical studies of ecological
networks?
Hirokazu Toju (Kyoto University)
Understanding the architecture of ecological networks is crucial not only for evaluating the stability of
ecological communities but also for predicting the response of biological communities to environmental
change. To date, many researchers have investigated the network architecture of various types of ecological
networks such as plant-pollinator and plant-seed-disperser mutualistic networks and food webs of free-living
animals. However, most of those studies have relied entirely on visual observations of interspecific
interactions: hence, the network architecture of the vast majority of “invisible” organismal interactions on the
earth remains to be explored. We have recently developed a high-throughput DNA barcoding system that
enables accurate and rapid profiling of local biodiversity as well as the large-scale analyses of ecological
networks consisting of hundreds or thousands of species. Application of the system to species-rich
belowground plant-fungal networks indicated that our methodological platform provided the basis for
automated and standardized survey of ecological network architecture in natural communities. Intriguingly,
the analyzed plant-fungal symbiotic networks had topological features fundamentally different from those of
previously reported ecological networks. Thus, when we explore the network architecture of
poorly-understood ecological systems, further feedbacks between empirical and theoretical studies will be
required for fully understanding the stability and dynamics of ecological communities. I will also talk about
how the new DNA barcoding system can be applied to various types of ecological networks and how it
facilitates the analyses of spatio-temporal community dynamics.
- 14 -
【SA-4】Structure and stability of networks with mutualistic and antagonistic interactions
Elisa Thébault, Colin Fontaine, and Alix Sauve (CNRS)
Understanding which structures and processes contribute to biodiversity persistence and ecosystem
functioning is a major issue for both ecological theory and ecosystem conservation. In natural communities,
the organization of interactions between species often presents non-random patterns at the origin of complex
network structures. There is growing evidence that these particular structures can affect long-term species
coexistence and stability. Several recent studies have highlighted structural differences between networks
depending on the type of ecological interaction involved, i.e. mutualistic or antagonistic. Moreover, whereas
historically network analyses have considered mutualistic and antagonistic interactions separately, a few
recent studies have also begun to describe networks with both mutualistic and antagonistic interactions.
These studies raise the following questions: (i) To what extent does the structure of ecological networks
differ depending on the type of interaction considered? (ii) How do these different structures affect
ecosystem persistence and stability depending on the type of ecological interaction involved? (iii) To what
extent do structural characteristics known to promote stability in networks made of a single interaction type
still matter for the stability of networks with a diversity of interaction types? (iv) How can we analyse the
structure of networks with both mutualistic and antagonistic interactions?
We investigate these questions by using both theoretical approaches with dynamical models of interaction
networks, and comparative approaches on empirical datasets describing mutualistic and antagonistic
networks.
【SA-5】Spatial complexity and community stability
Akihiko Mougi (Shimane University)
Persistence of complex ecosystems in nature has been debated because a theory predicts that a complex
system has an inherent instability. To elucidate this gap between theory and reality, early theoretical studies
have linked the interaction network patterns within an ecological community to stability of the population
dynamics. However, ecosystems are comprised not only of the biotic environment but also of the habitats or
space, leaving the question of what, if any, does the complexity of space contributes to maintenance of
ecological communities. Here, using a food-web model, I show that the spatial complexity may hold the key
to maintaining complex communities with many species. The food web is comprised of multiple local food
webs linked by the movement of each species. The analysis reveals that spatial complexity, defined by
number of local patches and proportion of connected patches, has both positive and negative effects to
food-web stability, depending on the connectivity of local food webs through moving rate. When the local
food webs are loosely coupled by low moving rate, spatial complexity promotes the food web stability.
Otherwise, the stability has a peak in a moderate spatial complexity. Furthermore, due to spatial complexity,
increasing complexity of food webs, defined by number of species and interaction links, leads to increased
stability in a moderate coupling of local food webs. I suggest that the spatial complexity may maintain
complex communities even without any community network structure.
- 15 -
【SA-6】Models of species abundance distributions based on population dynamics
Kei Tokita (Nagoya University)
If we investigate the number and populations of species in an ecosystem, we can observe universal
characteristic patterns, the species abundance patterns, such as species abundance distributions (SAD),
species-area relationships, etc. How to clarify the mechanisms underlying those patterns has been one of the
"unanswered questions in ecology in the last century" although the knowledge obtained from it would affect
vast areas of ecology including conservation ecology. Various "statistical descriptors" such as the exponential
distribution, the log-normal distribution, the power-law, etc., have been applied to ecological communities
[2], but the mechanisms to generate those patterns based on the realistic population dynamics have not been
fully clarified. The neutral theory [3] is a candidate of the mechanism for an adherent community like
tropical rain forests and coral reefs but it has left the more complex systems a mystery. Such systems occur
on multiple trophic levels and include various types of interspecies interactions, such as prey-predator
relationships, mutualism, competition, etc., and their adaptation and evolution. In my talk, starting from the
classical and controversial study on a linear system with random interactions [4], I sketch a recent statistical
mechanical approach to the effects of the parameters of the interaction matrix (variance, connectivity,
intraspecific competition and the level of symmetry), the higher order interactions and the effects of
variability of resources on the stability, species' coexistence, and SAD of a nonlinear multispecies system
with random interactions [5].
[1] R. M. May, Philos. Trans. R. Soc. London B 264, 1951 (1999).
[2] R.M. May, in Ecology and Evolution of Communities, edited by M. L. Cody and J. M. Diamond
(Belknap, Cambridge, 1975), pp. 81–120; H. Irie and K. Tokita, Int. J. Biomath. 5, 1260025 (2012).
[3] S. P. Hubbell, The Unified Neutral Theory of Biodiversity and Biogeography (Princeton University Press,
Princeton, 2001).
[4] R. M. May, Nature (London) 238, 413 (1972).
[5] K. Tokita, Phys. Rev. Lett., 93, 178102 (2004); Y. Yoshino, T. Galla and K. Tokita, J. Stat. Mech. P09003
(2007); Y. Yoshino, T. Galla and K. Tokita, Phys. Rev. E. 78, 031924 (2008). - 16 -
基調シンポジウム B 10 月 13 日(日)9:00~12:00 B3 棟1階 117 【 SB】 Evolutionary and Population Ecology of Maternal Effects
Organizers: Michihiro Ishihara (Osaka Prefecture University) and Shunsuke Utsumi (Hokkaido
University)
In this symposium we introduce current topics in the study of maternal effects. Maternal effects affect not
only life histories and behaviors of individuals but also communities through interactions with other species.
We would like to discuss the future of the study of maternal effects in population, community and
evolutionary ecology.
【SB-1】Evolutionary Ecology of an Adaptive Maternal Effect: Egg Size Plasticity in a Seed-Eating
Beetle
Charles W. Fox (Department of Entomology, University of Kentucky)
The phenotype or environment of a mother can affect the phenotype of her offspring beyond the direct effect
of transmitted genes. These effects are called maternal effects or, to recognize similar influences of fathers,
parental effects. These effects on offspring phenotype and fitness can be quite large and can affect population
and evolutionary (e.g., life histories) dynamics. I discuss one class of maternal effects, anticipatory maternal
effects, that are of particular interest to evolutionary ecologists. These maternal effects occur when mothers
assess their current ecological conditions and manipulates the phenotype of their offspring to prepare those
offspring for the conditions predicted by environmental cues. These maternal effects lead to phenotypic
plasticity in offspring traits that is mediated by the maternal environment (cross-generational, or
transgeneration, phenotypic plasticity). I use my seed beetle research to illustrate some features of the
ecology and evolution of anticipatory maternal effects.
- 17 -
【SB-2】Maternal effects on family dynamics: causes and consequences of variation in trophic-egg
production of burrower bugs
Shin-ichi Kudo (Naruto University of Education)
Maternal effects, the components of an offspring phenotype that are determined by the maternal
environment, can have remarkable consequences for the life history of the offspring. In animals with
parental care, the maternal effects are often expressed through parental provisioning. In such systems,
maternal environments may affect family dynamics in a complicated way mediated by condition-dependent
offspring signals that have evolved through parent-offspring conflict over parental investment.
In subsocial burrower bugs, it is indicated that chemical signals from offspring induce food provisioning
by females. Adomerus triguttulus females have different types of provisioning: inviable trophic eggs that
have been deposited on clutches before hatching and are consumed by hatchlings, and Lamium nutlets that
are delivered to broods after hatching. There were large variations in maternal provisioning among families,
and the number of nutlets provisioned increased with the number of offspring but decreased with the number
of trophic eggs per offspring. The trophic-egg production was affected by two environmental components
that females had experienced: diet quality and non-lethal predation. Females that had fed on less-developed
seeds or those that had been injured by predators produced more trophic eggs. Different amounts of
trophic-egg supplies for offspring caused in turn changes in subsequent parental behaviour. When trophic
eggs had been removed from clutches, females attended to broods for longer periods and provisioned broods
with more nutlets, which was possibly induced by the change in offspring signals depending on their
phenotypic conditions. These findings will provide new insights into our understanding of intraspecific
variation in parental care and interactions among family members.
【SB-3】Differential allocation as a maternal reproductive strategy in songbirds
Masayo SOMA (Dept Biology, Hokkaido University)
Reproductive life history of passerine birds (songbirds) is characterized by hatching asynchrony, altricial
development of young, bi-parental care by a pair bonded male and female, and elaborative acoustic mating
signals. Parents should invest in offspring differentially depending on their reproductive condition and the
reproductive value of their offspring; these investments have an effect on the growth and fitness of individual
offspring. In particular, mothers have greater influence. Females are expected to skew their egg investment
depending on the laying order and sex when unequal sibling competition occurs within a brood because of
sex-specific vulnerability and age hierarchy caused by asynchronous hatching. Based on differential
allocation hypothesis, female songbirds are also expected to adjust their reproductive investment or offspring
sex depending on the quality of mates. Although a number of previous studies have shown that egg
investment is related in various ways to ornamental sexual traits of males, evidence for behavioral sexual
traits, such as songs, is less abundant. In addition to egg size and sex, egg yolk components, such as
testosterone, are beginning to be known as factors that contribute to individual variation in the early physical
development of offspring. In my view, maternal effects in songbirds could be better understood in the light of
sexual selection. In this talk, I will present and discuss recent findings in maternal effects in Estrildid finches.
- 18 -
【SB-4】Mother plants with aphid infection transgenerationally enhances population growth of
aphids on offspring seedlings.
Noboru Katayama (Field Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University), Alessandro
Oliveira Silva and Takayuki Ohgushi (Center for Ecological Research, Kyoto University)
Numerous examples exist of how maternal experiences influence offspring traits and development. Many
plants, which experience short photoperiods, cool temperatures and/or reduced resource availability, produce
dormant offspring. Similarly, over the past two decades, herbivore-induced maternal effects on offspring
plant traits have been reported. Since plant traits, such as C/N ratio and secondary metabolites, influence
herbivore performance, the herbivore-induced maternal effects may have a great impact on population
growth of herbivores across plant generations. However, little is known about how the maternal effects
transgenerationally influence the population dynamics of herbivores. This study aims to bridge this research
gap, using soybean and soybean aphids. In 2008, we cultivated 15 soybean seedlings with and without
aphids, and collected seeds produced by each seedling. In the following year, offspring seedlings were grown
from the seeds, and 10 adult aphids were inoculated onto them. Although foliar phenolics (chemical defense
substance) did not differ among offspring seedlings, offspring seedlings increased foliar trichome density (a
physical defense trait) and nitrogen content (an indicator of food quality for herbivores), when their mother
plant had experienced high levels of aphid herbivory. At two weeks after aphid inoculation, aphid density on
seedlings produced by mother plants with aphid infection was higher than that on seedlings produced by
mother plants without aphid infection. Multiple regression analysis revealed that aphid density on seedlings
was significantly influenced by nitrogen, but not by phenolics and trichome density. These results indicate
that herbivore-induced effects may influence the population dynamics of herbivores across plant generations.
- 19 -
企画シンポジウム1 10 月 12 日(土)14:00~16:00 B3 棟1階 117 【 S1】 目 に 見 え な い 相 互 作 用 を 描 く た め の 挑 戦 企画責任者:米谷衣代(京都大学 生態学研究センター) 生物間の相互作用は個体の行動・形質・生存や個体群の密度・分布などに影響を与え、それらが多
種間で連なることにより食物網などの相互作用網を形成している。生物間相互作用網は相互作用の
結果が個体数の増減にすぐに直結する関係から、時間が経過してからわずかな変化のみをもたらす
関係までを含んでいる。そのため、生物群集の構造・動態・多様性・安定性を理解するためには、
絶対相利共生や専食性の捕食者と被食者間のような、密度の変化や形質の変化が目に見えて検出で
きる「強い」相互作用を検出するだけでは不十分である。一方、密度の低い生物や稀につながりを
持つ生物、移動性の高い生物、過去にのみ存在した生物などとの間に生じる、見えない(または、
見えにくい)相互作用を検出することは困難であるため、その理解は未だ不十分である。そこで、
本シンポジウムでは、陸域および水域群集において相互作用を描くための、新たな視点と手法(安
定/放射性同位体天然存在比・環境 DNA・微生物群集・DNA バーコーディングを用いた検出方法など)
をまとめ、検出が難しい相互作用を描くことで見えてくることと、今後の発展について議論する。 【S1-1】環境 DNA を用いた水中生物モニタリングの現状 源 利文(神戸大学大学院人間発達環境学研究科) 目に見えない生物間相互作用を目に見える形に描きだすためには、その前段階としてどのような生
物がどこにどれだけ生息しているかのモニタリングが欠かせない。しかし、水域における生物相モ
ニタリングには様々な制約があり、生物相の全貌を理解することは困難である。近年、環境中を漂
う DNA 断片(環境 DNA)を利用した、水中生物相のモニタリング法が注目されている。この手法は、
わずかな(数十ミリリットル〜数リットル)環境水に含まれる DNA 断片から種特異的な配列を検出
することで、当該水域における生物の生息情報を得ようとするものである。演者らはこれまで主に
陸水域において、特定対象種の在/不在判定だけでなく、ユニバーサルプライマーを用いた種を限
定しない在/不在判定や、DNA 量から生物量を推定する手法などを発表してきた。本講演では、こ
れらの研究成果を紹介しながら、環境 DNA 手法の現状に関する情報を共有し、生物間の相互作用を
描くためには今後どのような手法の発展が必要なのかについて参加者と議論したい。 - 20 -
【S1-2】同位元素を用いた食物網の記述 原口 岳・陀安一郎 (京大生態研) 捕食被食関係とは生物の生存基盤であるエネルギー・栄養素のやりとりであるため、個体群動態お
よび群集構造を規定する重要な因子のひとつである。捕食被食関係を可視化する上での課題として、
多くの生物が幅広いエサ資源を利用するため、生物間を結ぶリンクの数が膨大であること、リンク
間でエネルギーや栄養素の量的重要性が異なることが挙げられる。同位元素の天然存在比を分析す
ることにより、異なる物質起源を持つ食物連鎖経路を判別し、各栄養段階における個々の連鎖経路
の寄与を定量することが可能である。一般に、種間の相互作用を高い解像度で抽出することは困難
である一方、物質動態ベースで食物網の全体像を可視化する手段となる点が、同位体分析の特徴で
ある。本発表では、代表的生元素である炭素・窒素の同位体 (δ13C, δ15N, Δ14C)を用いること
によって描かれた、陸域・水域・それらの境界域の生態系における食物網構造の例を紹介する。ま
た、最後に食物網解析における同位元素の利用に関して、技術的側面の将来展望について言及する。 【S1-3】DNA バーコーディングによって熱帯の昆虫と植物の相互作用網を紐解く 岸本圭子 (東大・院・広域) 熱帯では、しばしば植食性昆虫の高い寄主特異性が、昆虫と植物の多様性維持の傍証とされてきた
ものの、未だに未知な植食性昆虫−植物間関係は多い。植食性昆虫の寄主植物の特定は直接観察や
飼育によるものが主流で、熱帯では植食者の採餌行動の中心である林冠へのアクセスが困難なこと
や、葉上で観察できる昆虫密度が低いことから、寄主植物の特定には極めて長い年月を要する。こ
の問題を克服するために、演者らは、東南アジア熱帯雨林において、灯火採集で集めた甲虫目ハム
シ科成虫の体内に残された餌植物の微量な植物 DNA を抽出し、葉緑体 DNA バーコード領域によって
寄主植物の科レベルの同定を試みた。その結果、ハムシ成虫数種で、系統的に離れた複数の植物の
利用や、林冠・林床など生育場所の異なる複数の植物の利用が示唆された。こうした寄主植物の利
用は、樹木や生育場所など調査対象を限定した従来の方法では検出できないものであった。また、
本手法によって直接の採餌行動を確認しなくても寄主植物の特定が可能になり、より効率的に多く
の昆虫−植物関係の解明が期待される。本講演では、今後の課題も含めて、これまでの研究成果を
紹介する。 - 21 -
【S1-4】昆虫体表の微生物群集を利用した送粉昆虫−植物ネットワークの推定 潮雅之(京大・生態研)・永野惇(京大・生態研、JST さきがけ)・山崎絵里(京大・生態研)・ 高巣裕之(東大・大気海洋研究所)・藤永承平(京大・生態研) 植物の結実に直結し、繁殖・更新にとって重要な送粉プロセスを理解するためには、送粉昆虫の同
定は欠かせない。しかし、同時に多種類の花の送粉昆虫を明らかにし、ある地域の送粉昆虫—植物
ネットワークを明らかするには従来的な直接観察では限界がある。そこで、我々は花に残る昆虫の
痕跡を利用し、それを分析することで送粉昆虫—植物ネットワークを包括的に推定することを試み
た。 本研究では、昆虫の痕跡として昆虫体表の微生物群集に着目した。予備調査の結果、1 個体の昆
虫の体表から平均約 100 万細胞の微生物が検出された。また、昆虫種によって体表微生物群集の組
成が異なっていた。従って、昆虫体表の微生物は、昆虫から花に容易に付着し、かつ昆虫種ごとに
特異性をもった痕跡となる可能性が高い。2012 年 10-11 月と 2013 年 4-6 月に野外調査を行い、滋
賀県大津市周辺において、合計 51 サンプルの花と 145 サンプルの昆虫を採取した。採取したサン
プルは表面の微生物を剥離し、その群集組成を次世代シーケンサーにより解析した。本発表では、
これらの分析結果を基にして推定した送粉昆虫−植物ネットワークと、直接観察によって推定され
たネットワークを比較し、「微生物の痕跡」の有用性について議論したい。 - 22 -
企画シンポジウム 2 10 月 13 日(日)14:00~16:00 B3 棟1階 117 【 S2】 繁殖干渉:オスの見境の無さがもたらす進化的・生態学的帰結 企画責任者:京極大助(京大・院・理) 企画趣旨 近縁種どうしはしばしば資源利用形質や分布において排他的な関係を示す。近縁種間の
排他的な関係は資源競争によって古典的には説明されてきたが、資源競争による説明には批判も提
出されている。資源競争に代わる説明原理として近年、繁殖干渉(繁殖過程での負の種間相互作用)
の研究が進んできた。繁殖干渉は配偶シグナルの近い近縁種間で生じやすく、また系統的に離れた
種間では生じにくいと考えられる。このため繁殖干渉は系統依存的な種間の排他的関係を説明でき
るかもしれない。 本シンポジウムではまずオスによる他種への求愛が普遍的に期待される適応的な背景を説明する。
また資源競争の証拠と考えられてきた種々の競争実験の結果が繁殖干渉によって説明できる可能
性も指摘する。繁殖干渉はその効果を弱めるような方向への選択圧となり適応進化を駆動したり、
あるいは種の絶滅を引き起こしたりすると考えられる。シンポジウムの後半では、繁殖干渉の進化
的・生態学的な効果が生物の形質や分布パターンにどのように影響するのかを検討した理論的・実
証的研究を紹介する。一連の発表を通じて、繁殖干渉という概念を持ち出すことで開かれる生態学
研究の広がりを示したい。 【 S2-1】 種間求愛・繁殖干渉がなくならない理由 高倉耕一(大阪市環科研)・西田隆義(滋賀県立大・環境生態)・巖圭介(桃山学院大・社会) これまでに蓄積された多くの理論研究は、適応度コストを伴う種間配偶はいずれなくなってしまい、
いわゆる配偶前隔離の強化が生じることを予測していた。また、この予測を支持する実証的研究も
多く存在する。このことから、種間での配偶は“間違った”行動で、進化的には無意味な現象であ
るとみなされることが多かった。ところが、繁殖干渉はこの“間違った”種間配偶が原因となって
生じる現象であり、近年の実証研究は繁殖干渉が動物・植物を問わず普遍的に作用していることを
明らかにしてきた。これらの事実は一見すると矛盾しているが、本当に強化と繁殖干渉は同時に成
立しえないのだろうか?演者らはこの問いに答えるため、強化を説明するモデルで中心的に考えら
れてきたオス形質-メス意思決定だけでなく、その逆のメス形質-オス意思決定をも同時に考慮し
た個体ベースモデルを構築し、種間配偶の進化的動態を解析した。このモデルの予測では、オスの
意思決定が存在している場合でも種間交尾はほとんど生じないが、それは頻繁な種間求愛をメスが
拒否し続けることによって実現されていた。これらの成果に基づき、強化と繁殖干渉の普遍性など
について議論する。 - 23 -
【 S2-2】 過去の競争実験にみられる繁殖干渉 岸茂樹(東大院・農) 種間競争は種の絶滅や共存を決定づける。種間競争のメカニズムを詳しく調べるために室内実験が
これまで多く行われてきた。その結果、資源競争や種間捕食が主要なメカニズムであると考えられ
てきた。しかし近年、種間競争よりも繁殖干渉が種の絶滅に強い効果をもつことがわかってきた。
これまでの多くの室内実験でも種間競争ではなく繁殖干渉が種の絶滅を決定づけた可能性がある。
そこでマメゾウムシ Callosobruchus、ショウジョウバエ Drosophila、コクヌストモドキ Tribolium
のこれまでの競争実験を再検討し、繁殖干渉が起きていたかどうか調べた。その結果、いずれの分
類群でも繁殖干渉の存在が強く示唆された。マメゾウムシとショウジョウバエでは、種間競争では
なく繁殖干渉が種の絶滅を強く決定づけていた。コクヌストモドキでは、繁殖干渉よりも種間捕食
が種の絶滅に強く影響していた。それでも、競争の結末が初期値依存であることは繁殖干渉の存在
を裏付ける。これまでの錯綜した競争実験の結果は、種間競争と繁殖干渉を組み合わせることによ
って合理的に説明できる。繁殖干渉の強さに影響を与える行動的、進化的要因について考察する。 【 S2-3】 繁殖干渉による棲み分けと資源利用の統一的な説明 西田隆義(滋賀県立大・環境生態)・高倉耕一(大阪市立環境科学研)・ 巖圭介(桃山学院大・社会) 近縁種が側所的に分布したり,生息場所が分かれたり,あるいは異なる資源(食草)を使う現象は
古くから知られ,生態学者の興味を惹いてきた。しかし,現在でも普遍的な説明の枠組みはない。
逆に現象を細分化し,個別の現象を個別の理由で説明しようというのが最近の潮流だが,それもう
まくいっていない。この講演では,近縁種間に潜在的に存在する繁殖干渉によって,こうした現象
が統一的に説明できることを示す。 二次元の格子状生息地のそれぞれに2種の寄主植物のいずれか一方がランダムに生育している環
境に,2種の植食性昆虫が分布を拡大し二次的に接触する状況を考える。2種の昆虫は,両方の植
物を利用可能だが,一方の植物がより好適であり,さらに相互に繁殖干渉と資源競争をするものと
する。両種の分布は,繁殖干渉が強いときには側所分布に、弱い時には寄主特殊化が生じ、ないと
きには共存が生じた。これに対して,資源競争の影響は単独ではごくわずかだった。こうした予測
に基づいて,現実の系について考察する。 - 24 -
【 S2-4】 最後のピース:植食性昆虫の食草選択に対する繁殖干渉の影響 大秦正揚(京都学園大学)・大崎直太(山形大学) 植食性昆虫が利用する食草は幼虫期生存率が相対的に高い植物であると考えられてきたが当ては
まらないことが多く、食草選択パズルの完成にはあと一歩ピースが足りないというのが現状である。
一方、理論上 「植食性昆虫の食草選択に近縁種間の繁殖干渉が決定的な影響を及ぼす」ことが予
測されている。本講演では、食草選択に対する繁殖干渉の影響を初めて実証的に明らかにしたので
報告する。 エゾスジグロシロチョウとスジグロシロチョウの食草選択は食草の質と捕食寄生圧とのトレード
オフで説明されてきた。しかし、移入した新規食草キレハイヌガラシをめぐる両種の適応は従来の
説明では解釈不可能であった。つまり、キレハイヌガラシは両方のチョウ種にとって食草の質が高
く捕食寄生圧が低いにもかかわらず、現在利用しているのはエゾスジグロシロチョウだけだったの
である。したがって、両種の食草選択は種間に働く排除の機構を組み込まねば解釈ができなくなっ
た。資源競争がないことを考えればその機構は繁殖干渉をおいて他にない。両種の繁殖行動観察・
実験の結果は予測を裏付けるものであり、植食性昆虫の食草選択の説明に必要な最後のピースは繁
殖干渉であると考えられた。 【 S2-5】 繁殖干渉の検証としての島の生物地理学:イヌノフグリを例に 高倉耕一(大阪市環科研)・藤井伸二(人間環境大) 近年、多様な生物を対象に繁殖干渉の実証研究が蓄積され、その普遍性が認識されつつある。しか
し、繁殖干渉の生態学的な重要性は、競争排除や異所的分布など個体群レベルでの現象を駆動する
ことにこそある。このことは、繁殖干渉の概念を提唱した初期の研究の多くが個体群動態モデルを
用いていたことにも象徴されている。にもかかわらず、これまでの実証研究の多くは、一部を除き
個体レベルでの検証にとどまっており、個体群レベルの現象と直接結びついてはいなかった。そこ
で、演者らは繁殖干渉に起因する個体群レベルでの種の置き換わりを検証するため、多数の島嶼を
それぞれ独立な試行とみなし、イヌノフグリとその近縁外来種を対象に、繁殖干渉が実際に個体群
レベルでの種の置き換わりを駆動してきたのかを検証した。その結果、繁殖干渉を及ぼす外来種オ
オイヌノフグリの侵入によってイヌノフグリの駆逐が繰り返し生じてきたこと、繁殖干渉が引き金
になってイヌノフグリの生息地が変わってきたことを明らかにすることができた。これらの研究に
ついて紹介し、繁殖干渉の検証として今後目指すべき方向性・方法論についても議論する。 - 25 -
ポスター発表 一覧
ポスター番号の後の☆印はポスター賞対象、氏名の前の*印は発表者を示します。
P01☆ 沖縄県本部町におけるコノハチョウKallima inachusの個体数の時空間変動
*中井桃子(琉球大・院・農),柿嶋聡(静岡大・創造院), 和希(琉球大・農)
P02☆ 生物的防除のパラドックス: 複数種の天敵の導入は効果的か?
*池川雄亮, 江副日出夫, 難波利幸 (大阪府大院・理)
P03☆ モモノゴマダラノメイガの分子系統に関する研究:全国に混在する2系統の分布
*青島正昂(岐阜大・応用生物),中秀司(鳥取大・農),土田浩冶(岐阜大・応用生物)
P04☆ トランスクリプトーム解析で迫るエゾサンショウウオの表現型可塑性の分子機構
*松波 雅俊(北大・地球環境),岸田 治(北大・FSC),北野 潤(遺伝研・生態遺伝),道前 洋史(北里
大・薬),三浦 徹(北大・地球環境),西村 欣也(北大・水産)
P05☆ 植物と菌類の動的な栄養交換に関する理論研究
*内之宮光紀, 巌佐庸 (九州大学)
P06☆ 侵入地において、セイタカアワダチソウは天敵から解放されているのか?-原産地と侵入地
における植食者昆虫の分布パターンの比較*坂田ゆず(京大・生態研), Joanne Itami (University of Minnesota, Duluth), Timothy P. Craig
(University of Minnesota,Duluth), 大串隆之(京大・生態研)
P07☆ 血縁度が協力レベルの多型進化に与える影響
*伊藤公一,山内淳(京都大学・生態研セ)
P08☆ ホソヘリカメムシの交尾前性選択
*洲崎雄(岡山大・院・環境),香月雅子(筑波大・院・生命環境科学),宮竹貴久(岡山大・院・環境生命),岡田
泰和(東京大・院・総合文化),岡田賢祐(岡山大・院・環境生命)
P09☆ 気候と生理生態学的要素に基づく広域的なマラリア媒介蚊各種の時空間的分布の予測
*加我拓巳, 太田俊二(早大・院・人間科学)
P10☆ 生態系・代謝過程を考慮した生物濃縮モデル
*中井信吾,近藤倫生(龍谷大・理工)
P11☆ シラタマノキ種子の動物散布と発芽のハビタット間比較
*野村七重,露崎史朗(北大・環境科学院)
P12☆ 偏った性比による絶滅回避
*伊東啓,上原隆司(静岡大・創造院),守田智(静岡大・工),泰中啓一(静岡大・創造院),吉村
仁(静岡大・創造院)
P13☆ 捕食者のストイキオメトリーの二型化:共食いをするサンショウウオを使って
*高津邦夫(北大・院・環境科学), 片山昇,岸田治(北大・北方生物圏FSC)
P14☆ ふ化タイミングのずれはサイズ依存の捕食被食関係の強さを左右する
*野坂恵(北大・院・環境科学), 片山昇,岸田治(北大・北方生物圏FSC)
P15☆ ハナグモによるヤナギルリハムシ幼虫の行動変化を介したトップダウンカスケード *平野滋章(京大・生態研), 大串隆之(京大・生態研)
P16☆ Antagonistic indirect interactions between large and small frog tadpoles via
larval salamander predator
*Aya Yamaguchi (Graduate school of Environmental Science, Hokkaido University),
Noboru Katayama, Osamu Kishida (Field Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido
University)
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P17☆ Close-packing stress against newcomers: the spacing mechanism of heron colony
distribution
*Miyuki Mashiko, Yukihiko Toquenaga (Univ. of Tsukuba)
P18☆ アズキゾウムシのオス交尾器に見られる損傷
*京極大助,曽田貞滋(京都大・院・理)
P19☆ 砂浜に侵入したセアカゴケグモによる在来希少種へのトップダウン効果
*高木俊(東邦大・理)
P20 Climate influences cyclic patterns of vole populations through altering ecological
communities: advanced density dependence analyses using time-series data on the
Hokkaido vole.
*Takashi Saitoh, Noelle I. Samia (Northwestern University), Osnat Stramer (University of
Iowa), Nils Chr. Stenseth (University of Oslo)
P21 Ecological resilience of population cycles: a dynamic perspective of regime shift
Kenta Suzuki (U Tokyo), *Takehito Yoshida (U Tokyo)
P22 実験生態系の個体群動態に生化学反応を入れる
*細田一史(大阪大・未来),浅尾晃央(大阪大・生命),鈴木真吾(理研・QBIC),四方哲也
(大阪大・情報)
P23 タケノコ採集の生態学∼タケノコの収穫における親ササの数と太さの重要性∼
*片山昇, 岸田治, 坂井励, 伊藤欣也, 実吉智香子, 浪花愛子, 高橋廣行, 高木健太郎 (北大・FSC)
P24 How to parameterize bacterial community in marine ecosystem model: a
comparison of models with different complexity
Takeshi Miki (National Taiwan University)
P25 川のメタ生態系モデル -国際河川メコン川のダム開発と環境保全吉田勝彦(国立環境研・生物)
P26 A learning parasitoid wasp switches two hosts: population oscillatoins, coexistence
and transgenerational effects
*嶋田正和,中山新一朗,笹川幸治,柴尾晴信 (東大・総合文化・広域)
P27 Causes and consequences of cannibalism: a series of experiments using
salamander larvae
*Osamu Kishida (Hokkaido University, Field Science Center for Northern Biosphere)
P28 孝行息子は性の負債を完済する:性的対立における間接選択が性の維持に与える影響
川津一隆(龍谷大・理工)
P29 環境中のCO2濃度が寄主・捕食寄生者の個体群動態に与える影響:種内競争様式で予測可能
か?Effect of environmental CO2 concentration on host and parasitoid population
dynamics: Is it predictable based on intraspecific competition type?
Than Lin Aung, Midori Tuda(Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental
Sciences, Kyushu University)
P30 長期の狩猟データを用いて階層ベイズモデルにより全国のシカの個体数を推定する
*松本崇,岸本康誉,坂田宏志(兵庫県大・自然環境研)
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ポスター発表 要旨
ポスター番号の後の☆印はポスター賞対象であることを示しています。
P01☆ 沖縄県本部町におけるコノハチョウKallima inachusの個体数の時
空間変動
*中井桃子(琉球大・院・農),柿嶋聡(静岡大・創造院), 和希(琉球大・農)
沖縄県には生息環境の破壊や密猟などにより個体数の減少が危惧されている生物が多い.
しかし脊椎動物や珊瑚などの保全活動は盛んだが,昆虫類に関しては科学的な知見にもと
づいた保全活動は少ない.生物多様性と生態系の保全には,あらゆる分類群の生物に着目
する必要がある.
コノハチョウKallima inachusは南西諸島の沖永良部島,沖縄島や西表島などの一部の島に
分布している.沖縄県と環境省のRDBで共に準絶滅危惧とされ,沖縄県指定の天然記念物
であるが,本種に関する論文化された情報は少なく,基本的な生活史さえも不明な点が多
い.
本研究では,発生密度が高い沖縄本島本部町を調査地に定め,コノハチョウの保全生態学
的な基礎データの採集を目的とした.2010年12月から調査をはじめ,週に一度ルートセン
サスを行い発生消長の確認をし,5月∼8月のうち個体数が多い時に標識再捕獲を行った.
さらに本種の幼虫の寄主植物であるオキナワスズムシソウStrobilanthes tashiroi及びコダ
チスズムシソウS. flexicaulisとコノハチョウの密度分布を比較し,局所密度と相関のある
地形等の情報をGISデータより抽出した.
P02☆ 生物的防除のパラドックス: 複数種の天敵の導入は効果的か?
*池川雄亮, 江副日出夫, 難波利幸 (大阪府大院・理)
生物的防除は、天敵を導入することで農業害虫を駆除する方法である。2種の天敵間に捕
食-被食関係がある場合、この系は害虫(共有被食者)、天敵(中間捕食者)とそれら2種
を食う別種の天敵(雑食者)で構成されたギルド内捕食系 (IGP系)とみなせる。古典的な
IGPの理論研究は、捕食効率の良い天敵1種のみの導入が複数種の導入よりも効果的である
と予測するが、実証研究の結果は必ずしもこれと一致しない。 本研究では、古典的な
IGPモデルを拡張し、共有被食者の防御および雑食者の 選択が共有被食者の平衡個体群
密度に与える影響を調べた。共有被食者は2種の捕食者の捕食圧に反応して防御努力を変化
させ、雑食者は共有被食者と中間捕食者に対してスイッチング捕食を行うと仮定する。 共有被食者の防御のみを考慮した場合、ギルド内捕食が弱ければ、複数種の天敵導入に
よって、1種導入の場合よりも、共有被食者の密度が抑制された。また、雑食者のスイッチ
ング捕食を合わせて考慮した場合、ギルド内捕食が大きい場合でも同様の結果が得られ
た。つまり、生物の行動の可塑性によって、複数種の天敵導入が生物的防除の効果を増大
させうることが示された。
P03☆ モモノゴマダラノメイガの分子系統に関する研究:全国に混在する
2系統の分布
*青島正昂(岐阜大・応用生物),中秀司(鳥取大・農),土田浩冶(岐阜大・応用生物)
モモノゴマダラノメイガ(Conogethes punctiferalis)は果樹を中心とした農作物の重要害虫
である。特にクリとモモに対する本種の被害は甚大で交信撹乱法による防除が期待されて
いるが、現在のところ効果が低く実用化に向けて防除法の確立が急務である。先行研究に
より本種には合成性フェロモンへの感受性が異なる西日本型・東日本型の存在が示唆され
ている。そこで、本研究では全国を対象に本種のミトコンドリアDNA COI領域を解析し、
遺伝的集団構造を明らかにすることを第一の目的とした。結果、解析した196個体には遺
伝的に異なる2つの系統が存在した。さらに、2つの系統の分布は全国規模で混在している
ことが示された。そこで、この2つの系統について、合成性フェロモンへの感受性や生殖隔
離など生態的な差異を明らかにすることを第二の目的とした。本発表では既存の合成性
フェロモンを用いた誘引試験と交雑実験の結果について議論し、2つの系統が全国規模で混
在している要因と、本種の防除法について考察したい。
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P04☆ トランスクリプトーム解析で迫るエゾサンショウウオの表現型可塑
性の分子機構
*松波 雅俊(北大・地球環境),岸田 治(北大・FSC),北野 潤(遺伝研・生態遺伝),道前 洋
史(北里大・薬),三浦 徹(北大・地球環境),西村 欣也(北大・水産)
同一のゲノム情報をもつにも関わらず、環境の変化に応じて形質が変化する現象は表現型
可塑性と呼ばれ、個体群の動態に大きな影響を及ぼす。北海道に生息するエゾサンショウ
ウオ(Hynobius retardatus)の幼生は、環境に応じてさまざまな表現型可塑性を示す。被食
者であるオタマジャクシ存在下では頭部が巨大化し、捕食者であるヤゴの存在下では外
鰓・尾高が発達する。本研究では、この表現型可塑性の分子機構を解明するために、トラ
ンスクリプトーム解析をおこなった。道内でサンプリングした卵を捕食者存在下・被食者
存在下・それぞれのコントロールの4つの条件で飼育し、形態変化を誘導した。誘導開始か
ら0時間後・12時間後・7日後の個体の脳・頭部・鰓・尾からRNAを抽出し、解読した。
解読結果をアセンブルすることで、遺伝子の配列を復元した。このなかから各処理・コン
トロール間で有意に発現量が変化している遺伝子を同定するために、それぞれの処理での
遺伝子の発現量を推定し、各処理とコントロール間で二群間比較をおこなった。比較の結
果、各二群間で発現変動遺伝子を同定した。
P05☆ 植物と菌類の動的な栄養交換に関する理論研究
*内之宮光紀, 巌佐庸 (九州大学)
ほとんどの陸上植物は根において菌類(菌根菌)と共生している。植物は光合成により二酸
化炭素から炭水化物を作り出し、菌類に与える。一方の菌類は土壌中のリンや窒素などを
取り込んで植物に供給する。植物は菌類による栄養の供給が少ない場合には炭素供給を低
下させ、菌類も植物からの炭素供給が少ない場合には栄養供給を減らすことが知られてい
る。本研究では植物と菌類が互いに相手に与える資源(炭素やリン)の分配をコントロール
する場合を想定し、最適な資源分配戦略に関するフレームワークについて議論する。資源
の分配が動的に変化できるとすると、自身が取り込んだ資源を全て相手に与えたり、逆に
全く与えないような戦略も最適となる場合がある。また、植物と菌類の双方が成長する場
合、相手から与えられる資源の重要性が高いほど相手への分配量は増える。
P06☆ 侵入地において、セイタカアワダチソウは天敵から解放されている
のか?-原産地と侵入地における植食者昆虫の分布パターンの比較-
*坂田ゆず(京大・生態研), Joanne Itami (University of Minnesota, Duluth),
Timothy P. Craig (University of Minnesota,Duluth), 大串隆之(京大・生態研)
外来植物の侵入過程において、生物的環境の変化、特に天敵から解放されることは植物の
防御形質の変化に大きく影響を与えるといわれている。しかし、生物的環境は、外来生物
の定着後の時間の経過にともなって変化すると考えられる。北米が原産地の多年生草本セ
イタカアワダチソウの侵入地である日本では、近年、同じく北米が原産地の外来昆虫アワ
ダチソウグンバイとセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシが急速に分布を拡大してい
る。そこで本研究では、セイタカアワダチソウが侵入地において植食性昆虫から解放され
ているかを調べるために、北米(16集団)と日本(47集団)において植食性昆虫の分布パターン
の調査を2年間行った。その結果、北米においては、10-15の多様な分類群の植食性昆虫が
観察されたが、日本においては2種の外来昆虫以外はほとんど見られなかった一方で、植物
あたりの個体数は多かった。また、植食昆虫の個体数には、気候(平均気温、降水量)が
有意に影響を及ぼし、種や分類群によって異なる緯度分布パターンが示された。これらの
結果から、セイタカアワダチソウの植食性昆虫の分布パターンは、気候によって大きく異
なり、侵入地においては原産地に比べて、分布拡大後に再会した特定の植食性昆虫が植物
形質に及ぼす影響が大きいことが示唆された。
- 29 -
P07☆ 血縁度が協力レベルの多型進化に与える影響
*伊藤公一,山内淳(京都大学・生態研セ)
協力行動は、バクテリアから霊長類まで幅広い生物群にみられる現象であるが、様々な生
物の協力関係において、集団内に協力レベルの多型が見られることが報告されている。協
力の進化については、主に適応ダイナミクスの観点から研究されてきたが、そうした研究
では、進化の過程で協力レベルに分岐が生じる事で、単一の協力レベルを持つ集団から協
力的な個体(協力戦略)と非協力的な個体(裏切戦略)といった、協力レベルの多型が条
件によっては進化的に生じうることが示されている。一方で、このような異なる協力レベ
ルの共存には、血縁淘汰の存在が大きな影響を及ぼすことが知られている。例えば、空間
中で個体の分散が制限されている場合には、近隣の個体との協力ゲームでは血縁淘汰が働
くが、その影響はゲームの構造によって協力戦略と裏切戦略の共存を促進する場合も抑制
する場合もある。本発表では、包括適応度を考慮したモデルを用いて、血縁淘汰が協力レ
ベルの多型進化にもたらしうる影響について報告する。
P08☆ ホソヘリカメムシの交尾前性選択
*洲崎雄(岡山大・院・環境),香月雅子(筑波大・院・生命環境科学),宮竹貴久(岡山大・院・環境生
命),岡田泰和(東京大・院・総合文化),岡田賢祐(岡山大・院・環境生命)
メスの配偶者選択とオス間競争に代表される性選択は、オスの形態的・行動的な形質の進
化を促進する。メスの配偶者選択ではメスの利益に寄与する形質に、オス間競争ではオス
の闘争能力に関係する形質に、選択がかかる。これらは、互いに排他的な関係ではないの
で、2つの性選択の関係を調べる事は、性形質の進化を理解する上で重要である。オスが
誇張された後脚を持つホソヘリカメムシRiptortus pedestrisは、交尾前に誇張形質を用い
たオス間競争と、前脚でメスをタッピングする求愛行動を行う。我々は、1)オス間闘争に
誇張形質が与える影響と、2)求愛行動と誇張形質がメスの配偶者選択に与える影響、3)魅
力度の高いオスとの交尾によって、メスが直接的・間接的利益を得ているかどうかを調べ
た。結果、オス間闘争では、より後脚の大きいオスが勝ちやすかった。メスは、魅力度の
高いオスとの交尾からは直接的利益を得ていなかった。しかし、オスの魅力度と求愛率、
武器サイズは有意に遺伝しており、オスの魅力度は求愛率、武器サイズと正の遺伝相関を
持つことから、魅力度の高いオスから間接的利益を得ていることがわかった。
P09☆ 気候と生理生態学的要素に基づく広域的なマラリア媒介蚊各種の時
空間的分布の予測
*加我拓巳, 太田俊二(早大・院・人間科学)
マラリア媒介蚊(Anopheles)は種によって、マラリアの媒介能が大きく異なっていることが
近年の研究で分かってきており、特に同じ地域に複数の種が混在して生息しているモン
スーンアジア域では、各種の時空間的分布を予測する必要性が高い。
そこで、本研究では種による生理生態学的特性の違いが顕著にみられる未成熟段階での各
種の生理生態学的要素と気候要素の関係性をパラメータ化し、生息地の水温と土壌含水率
を関数とした生育モデルと個体群動態モデルを用いて媒介蚊5種の潜在生育可能域と日ごと
の生育状況をそれぞれ予測した。
その結果、各種の潜在生育可能域は種によって大きく異なるものの、インドシナ半島の温
暖湿潤地域を中心に、複数種の潜在生息可能域に重複がみられた。さらに潜在生息域が重
複している地域では、年中温暖湿潤な赤道域を除き、dry season (1‒3月)、pre monsoon
season (4‒5月)、monsoon season (6‒9月)、post monsoon season (10‒12月)の4つの季
節的な気候条件の変化に応じて、優占して発生する種が変化する可能性が高いことが明ら
かとなった。
- 30 -
P10☆ 生態系・代謝過程を考慮した生物濃縮モデル
*中井信吾,近藤倫生(龍谷大・理工)
生物濃縮には、生理学的機構と生態学的機構の両方が関わっている。過去の数理モデル
では、しばしば、排出される化学物質濃度が体内の化学物質濃度に対して線形、または、
頭打ちになる増加関数が仮定されている(Gobas 1993:Nichols et al.2006)。しかし、生物
は恒常性維持の仕組みを持つため、体内の化学物質濃度に従って、排出される化学物質濃
度を調節するかもしれない(Kagata & Ohgushi 2006)。この時、排出される化学物質濃度
は体内濃度に対してS字曲線で表されるだろう。 本研究では、この恒常性の仕組みを考慮
にいれた、捕食者とその の体内における化学物質量の動態を表す数理モデルを構築・解
析した。その結果、捕食者体内の化学物質濃度は、生物による排出関数と 生物体内の化
学物質濃度に強く依存することがわかった。さらに全ての生物の代謝特性が同じだと単純
化した仮定のもとで、高次の栄養段階の生物ほど、基底生物の化学物質濃度の変化に対し
て体内の化学物質濃度は変化しにくい場合があることを示した。このことは、個体レベル
での生理学的な恒常性が、群集レベルにおける恒常性と強い関わり持つことを示唆してい
る。
P11☆ シラタマノキ種子の動物散布と発芽のハビタット間比較
*野村七重,露崎史朗(北大・環境科学院)
種子の動物被食散布に関しては、散布先のハビタット特性と発芽特性の関係が個体群の維
持拡大に重要であるにも関わらずほとんど着目されなかった。そこで種子散布と発芽特性
をハビタット間で比較した。
北海道南西部に位置する渡島駒ヶ岳(1131m)では、エゾユキウサギのフン中に高い発芽能
を有する多量のシラタマノキ種子が含まる。そこで、渡島駒ヶ岳において4ハビタット(裸
地、シラタマノキパッチ、カラマツパッチ、ミネヤナギパッチ)でのフンの移入と分布を調
べたところ、約半数が裸地に分布しておりカラマツパッチには少なかった。一方、シラタ
マノキ種子を各ハビタットに播種したところ、シラタマノキパッチ及びカラマツパッチは
発芽適地、裸地及びミネヤナギパッチは不適地であることが明らかとなった。したがっ
て、ウサギはシラタマノキ種子の散布には貢献しているものの、散布先のハビタットは必
ずしも発芽適地とはならないことが示唆された。しかし、播種試験を行った年は平年に比
べ降水量が少なく、気象等の条件が整えば裸地における発芽率が高まる可能性は残されて
いる。種子がフンに含まれることで発芽率が高まる可能性も考えられ、これらを検証する
必要がある。
P12☆ 偏った性比による絶滅回避
*伊東啓,上原隆司(静岡大・創造院),守田智(静岡大・工),泰中啓一(静岡大・創造
院),吉村仁(静岡大・創造院)
少しだけ男性に偏った性比は、人間を始めとした動物に一般に見られる現象である。これ
は男性の幼児期死亡率が女性に比べてほんの少し高いことから引き起こされると言われて
いる。1:1性比を説明したFisherの理論でも、わずかに偏った性比の問題は解決されていな
い。近年Tainaka et al.(2006)は、格子モデルを用いたシミュレーションによって、男
性の死亡率が高いことが、性比が偏る原因になっていると示した。しかし、その理論的な
解明はなされていない。
本研究ではより簡単な数理モデルを作成し、性比の偏りを理論的に説明することを試み
た。毎世代総個体数がn人の集団を考え、男性x人、性比rとし、二項分布で男女が生まれ
るモデルを考える。男性は女性よりもmだけ追加の死亡率がかかるとしたときの絶滅確率
を計算した。結果、幼少期の死亡率mの差によって性比がずれることがことが数学的に導
かれた。また、集団サイズnが大きくなるほど性比rの偏りが大きくなることが示された。
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P13☆ 捕食者のストイキオメトリーの二型化:共食いをするサンショウウ
オを使って
*高津邦夫(北大・院・環境科学), 片山昇,岸田治(北大・北方生物圏FSC)
個体が保持したり排泄する化学元素の量や組成(個体のストイキオメトリー)は物質循環
における生物の役割を評価するうえでの情報の一つになる。従来、個体のストイキオメト
リーは種内で均質と考えられてきたが、近年、同一種であっても個体群によって個体のス
トイキオメトリーが異なる場合があることが指摘され始めている。このようなストイキオ
メトリーの種内変異は、体サイズや形態、利用する など個体レベルの特徴の違いを反映
していると考えられるため、どんな生態学的文脈が個体のストイキオメトリーに影響する
のかを明らかにすることが次の研究テーマになる。我々は、個体のストイキオメトリーに
影響する要因の一つとして「共食い」に注目した。魚類や両生類のいくつかの種では、共
食いした個体が極端に早く成長するため、共食いは集団中に生態的二型(共食い個体と非
共食い個体)を生じさせる。私たちはこの共食いによる二型化がストイキオメトリーの二
型化を伴うと考えた。そこで、エゾサンショウウオ幼生を対象とした操作実験により、共
食いを生じさせる集団と、生じさせない集団をつくり、個体の二型化に注目して個体のス
トイキオメトリーを比較する研究を行った。
P14☆ ふ化タイミングのずれはサイズ依存の捕食被食関係の強さを左右す
る
*野坂恵(北大・院・環境科学), 片山昇,岸田治(北大・北方生物圏FSC)
捕食者種と被食者種のふ化タイミングのずれが、捕食-被食関係に影響する場合があるが、
それがどのようなメカニズムによって起こるのかや、結果として個体群をどうかえるのか
はよくわかっていない。私たちは、孵化タイミングのずれが捕食者と被食者の相対的なサ
イズ関係を決めることで、その後の捕食−被食関係に影響すると考えた。つまり、多くの
捕食者は自分よりも小さな個体を とすることから、サイズが均衡する捕食者種と被食者
種では、捕食者種の孵化が被食者種に比べて遅れれば遅れるほど、被食者種を食いにくく
なると予測した。私たちは、孵化後の体サイズが似通っているエゾサンショウウオ幼生
(捕食者,以下サンショ)とエゾアカガエル幼生(被食者,以下オタマ)を用いてふ化タ
イミングを操作した実験を行い、この仮説を検証するとともに、ふ化タイミングが捕食圧
に作用した結果、2種の形態や生活史にさまざまな影響が及ぶことを確かめた。
P15☆ ハナグモによるヤナギルリハムシ幼虫の行動変化を介したトップダ
ウンカスケード *平野滋章(京大・生態研), 大串隆之(京大・生態研)
捕食者は植食者を捕食したり、植食者の行動を変化させる。そして捕食者が植食者に与え
た影響は食物連鎖を通して間接的に植物にまで波及することが知られている(トップダウ
ンカスケード)。植物上には多くの節足動物が生息し、様々な生物間相互作用が起こって
いる。しかし、樹木上での捕食者ー植食者の相互作用によって生じるトップダウンカス
ケードを明らかにした研究は少ない。私達は、植物ジャヤナギの当年枝上で捕食者ハナグ
モが植食者ヤナギルリハムシ幼虫を介して与えるトップダウンカスケードを明らかにする
ために室内実験を行った。ジャヤナギのポット苗の枝にヤナギルリハムシ幼虫を接種し、
ハナグモがいる処理区といない処理区に分け、5日後に食害を受けた葉の位置と面積を記
録した。その結果、ハナグモがいると食害葉数は減少したが、総食害面積は変化しなかっ
た。本発表では、ハナグモがヤナギルリハムシ幼虫の行動変化を介してジャヤナギに与え
るトップダウンカスケードについて考察する。
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P16☆ Antagonistic indirect interactions between large and small
frog tadpoles via larval salamander predator
*Aya Yamaguchi (Graduate school of Environmental Science, Hokkaido
University), Noboru Katayama, Osamu Kishida (Field Science Center for
Northern Biosphere, Hokkaido University)
In general, a population consists of individuals with various sizes, and size variation
within a population differs among populations. That is, some populations consist of
various sizes of individuals and others consist of similar sizes of individuals. Hence,
to better understand the variable nature of population dynamics, we need to
investigate not only ecological roles of each size group but also direct and indirect
intraspecific interactions among different size groups. We conducted an experiment,
in which the presence of large and small individuals of prey species (Rana pirica,
frog tadpole) and its potential predator species (Hynobius retardatus, salamander
larva) were manipulated, to examine how large and small tadpoles affect each other s
mortality. The experimental results indicated that there was no difference in the
mortality among the treatments in the absence of larval salamander predator,
implying that large and small tadpoles exhibited no direct interactions. In the
presence of predator, tadpoles incurred significant mortalities of which extents
depended on their own sizes and also the existence of the other size group. That is,
when large and small tadpoles coexisted, the mortalities of each size group were
higher comparing to the mortalities in the absence of the other group. This result
implies that large and small tadpoles indirectly and negatively interact with each
other through their shared predators. While past researches have pointed out
importance of size variation of predators in population and community dynamics,
our study suggests that size variation of prey can also dictate population dynamics in
nature.
P17☆ Close-packing stress against newcomers: the spacing
mechanism of heron colony distribution
*Miyuki Mashiko, Yukihiko Toquenaga (Univ. of Tsukuba)
Colonial birds usually form their breeding colony apart from neighboring colonies so
as to avoid overlap of foraging sites among them. Even distribution is well
documented in the region where available nesting and foraging area are distributed
in one-dimensional regions like coastlines. However, in two-dimensional regions like
lowland plains, colony distributions are hardly distinguished from random null
distributions even with spatial analyses incorporating random point processes such
as Ripley s K and L functions. Here we propose a new method for analyzing spacing
pattern of colonies using 28-year data of heron colony distribution around Ibaraki
Prefecture. For each year, we evaluated the repulsive force against each colony from
all surrounding colonies by summing up their inter-colony distance considering
inverse-square law of physics. We compared the strength of repulsive force between
newcomer and existing colonies and found that newcomer colonies had suffered
stronger repulsive forces than existing colonies. Repulsive force of a colony did not
weaken during its persistence period. Moreover, repulsive forces of long-lasting
colonies were low and did not change since their establishment. Those results were
not affected when repulsive force was weighted with colony size or persistence
period. Thus, spacing of heron colonies is controlled only by distance among them.
Long-lasting colonies could settled in locations with lower close-packing stress from
the beginning, but finding locations with such low stress becomes difficult for
newcomer colonies.
- 33 -
P18☆ アズキゾウムシのオス交尾器に見られる損傷
*京極大助,曽田貞滋(京都大・院・理)
オスとメスは繁殖をめぐって利害が対立し(性的対立)、拮抗的共進化を見せることがあ
る。マメゾウムシ類に見られるオス交尾器の棘、メス膣壁の発達した結合組織は性的対立
による共進化の典型的な例だと考えられている。発達したオス交尾器の棘はメスを傷つけ
ることでメスの繁殖成功を低下させる。一方で、この棘がオス自身に与えるコストについ
てはあまり注目されてこなかった。アズキゾウムシでは交尾の際にメスが暴れ、オス交尾
器が損傷を受けるように見える。実際、交尾が終わってから交尾器がオス体内に戻るまで
に数分程度時間がかかることが知られている。このような交尾器の損傷が繰り返されると
オスの交尾能力が奪われる可能性がある。そこで本研究ではアズキゾウムシの雌雄を死ぬ
まで一緒に飼育し、死亡したオス個体の交尾器を目視で観察した。その結果、一部のオス
個体で交尾器が明らかに損傷していることが明らかとなった。この交尾器の損傷は発達し
た棘によってオス交尾器がメスから容易には離れなくなったために生じるものと考えられ
る。交尾器への損傷による繁殖成功の低下は、オス交尾器の発達を抑制する選択圧の一つ
になっているかもしれない。
P19☆ 砂浜に侵入したセアカゴケグモによる在来希少種へのトップダウン
効果
*高木俊(東邦大・理)
海浜の護岸工事は、海浜性生物の生息地の分断化をもたらすだけでなく、人工的環境を
好む外来生物の侵入圧を高める危険性も懸念される。過去の調査において、海浜砂丘上部
の護岸における特定外来生物セアカゴケグモ(以下セアカ)の定着が確認され、海浜性昆
虫の捕食が観察された。特に、準絶滅危惧種であるオオヒョウタンゴミムシ(以下オオ
ヒョウタン)は頻繁にセアカの網から確認され、分断化した本種の個体群の存続にセアカ
の侵入が負の影響を与えると予想された。本研究では、海浜性昆虫の保全におけるセアカ
駆除の必要性を検討するため、セアカによるオオヒョウタンへの捕食圧の定量評価を行っ
た。
2013年7∼8月にセアカの定着した砂浜においてオオヒョウタンの標識調査を行い、標識
個体が再捕もしくはセアカに捕食される頻度のデータを得た。閉鎖個体群を想定して、局
所個体数と捕食圧をベイズ推定した結果、調査区域内のオオヒョウタン個体数は
62.8 24.9頭、セアカによる捕食圧は調査期間合計で24.5 9.5%と推定された。セアカに
よる生態系への影響の報告はほとんどないが、オオヒョウタンへの強いトップダウンが生
じている状況が示唆された。
P20 Climate influences cyclic patterns of vole populations through
altering ecological communities: advanced density dependence
analyses using time-series data on the Hokkaido vole.
*Takashi Saitoh, Noelle I. Samia (Northwestern University), Osnat Stramer
(University of Iowa), Nils Chr. Stenseth (University of Oslo)
Abundance of rodents has been investigated at various forests of Hokkaido, Japan,
for a management purpose. In previous studies on the grey-sided voles, using 225
time series, cyclic populations with delayed density dependence were found in
colder areas, whereas in warmer areas voles were less cyclic. Using new statistical
techniques, we demonstrate that temperature represented by the warm index, by
limiting the abundance of other prey such as wood moice (Apodemus spp.), is a key
factor determining the cyclicity and the density dependence structure of vole
populations. In cold areas, a 3-year cycle length due to the predator-prey interaction
was prevalent. In warmer areas, wood mice were relatively abundant. Where
competition with wood mice was moderate, voles experienced an exponential decay
in their population growth rate and an elongation of their predator-prey cycle (3-4
years). With severe interspecific competition, a combined cycle with two different
lengths was exhibited.
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P21 Ecological resilience of population cycles: a dynamic
perspective of regime shift
Kenta Suzuki (U Tokyo), *Takehito Yoshida (U Tokyo)
Studies of regime shifts have so far considered a simple equilibrial case that consists
of two equilibria and an unstable point dividing the basin of attraction. Because a
natural ecological community can exhibit non-equilibrium population dynamics, such
a simple model of regime shift is a special case of more general one, in which
attractors and basin boundaries can have high-dimensional structures. We introduce
a numerical method to approximate basin boundaries and quantified the temporal
variation of ecological resilience of three-species models as examples. The results
showed that the ecological resilience in a multistable system with non-point
attractors is quite different from that of point attractors because of the effect of the
geometric configuration of the attractors and basin boundary. Our result provides a
new dynamic aspect of ecological resilience that has not been considered in a simple
abstracted model showing only equilibrium dynamics.
P22 実験生態系の個体群動態に生化学反応を入れる
*細田一史(大阪大・未来),浅尾晃央(大阪大・生命),鈴木真吾(理研・QBIC),
四方哲也(大阪大・情報)
生物は、初めて会った別の生物との遭遇に対しても何らかの応答をする。遭遇した双方の
生物がこの過程を乗り越え、安定に存在すると、新しい共生系ができる。私たちはこれま
でに、この初めての遭遇に対する応答を観察するために、異なる二種類の大腸菌集団を混
合し、これらが共生系を確立する過程を観察した。これら二種類の大腸菌は、両者ともに
単独では繁殖できず、互いに相手の要求する栄養を供給しあうことで初めて繁殖できる相
利の関係にある。過去の結果から、混合直後に一方による栄養供給が50倍程度増加すると
いう迅速な表現型変化がおこり、共生系が確立することが見つかった。本研究では、この
初めての遭遇に応答した迅速な表現型変化の分子機構を解明するために、細胞内の生化学
反応および細胞外の生化学物質を考慮した個体群動態の解析を行った。結果、二種による
一つの代謝回路が新しくでき、一方の栄養供給増加という形として観察されると同時に、
共生系が確立する、という仮説を支持する結果が得られた。発表では、これらの結果およ
びこのような現象の一般性について議論されたい。
P23 タケノコ採集の生態学∼タケノコの収穫における親ササの数と太さの重
要性∼
*片山昇, 岸田治, 坂井励, 伊藤欣也, 実吉智香子, 浪花愛子, 高橋廣行, 高木健太郎 (北大・
FSC)
山菜は森林生態系から享受される「生態系サービス」として古くから人々に愛されてき
た。山菜からの生態系サービスを効率的に活用するためには山菜の収穫量や品質に及ぼす
要因を特定し、その情報をまとめることが必要となる。本研究では北大天塩研究林のチシ
マザサを対象として、どのような場所でどのようなタケノコが取れるかについて明らかにす
るために野外調査を行った。タケノコの生育地で多くの人が利用できる情報は親ササの数
や太さである。そこで特に「親ササの数や太さ」と「タケノコの数や太さ」との関係につ
いて調べ、収穫に適したタケノコを多く採取するためには、親ササの「数」と「太さ」の
どちらの情報が適しているかについて解析した。親ササが多い場所ほどタケノコも多く、
親ササが太いほどタケノコも太かった。タケノコ採取する人からの聞き取り調査の結果、
基部直径18 mm以上のタケノコが収穫に適したタケノコだった。統計解析から、直径18
mm以上のタケノコの数は親ササの「数」ではなく「太さ」と強い相関がみられた。以上
の結果は、収穫に適したタケノコを多く採取するためには親ササの「数」ではなく「太
さ」を指標とした方が良いことを示す。
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P24 How to parameterize bacterial community in marine ecosystem
model: a comparison of models with different complexity
Takeshi Miki (National Taiwan University)
In order to elucidate the appropriate levels of microbial complexity in marine
ecosystem models, the behaviors of community-based model including microbial
diversity and three simpler models were compared, with focus on the dynamics of
particulate and dissolved organic carbon (POC and DOC) in the surface ocean. The
strategy of the comparison was (1) to set parameter values of these four models so
that they have the identical equilibrium at a specific environmental condition (here,
the environment before the phytoplankton bloom) and then (2) to compare the
non-equilibrium dynamics of these four models at another environmental condition
(during the phytoplankton bloom). For the non-equilibrium dynamics during the
phytoplankton bloom, the ratio of bacteria-mediated POC decay rate and that of
DOC decay rate in simpler models to those in the community-based model ranged
between 56% and 282%, and between 50% and 2872%, respectively. However, these
differences in bacterial functions resulted in much smaller variations in the net
carbon fluxes; the ratio ranged between 77% and 128%. These damped impacts on
carbon fluxes were due to the presence of competing processes in POC and DOC
decay, i.e., zooplankton grazing and photochemical degradation. These results may
undermine the importance of the consideration of microbial diversity in ecosystem
models. The model comparison also indicates that the discrimination of free-living
bacteria from particle-associated bacteria is important even without considering
microbial diversity for simulating carbon fluxes in the surface oceans.
P25 川のメタ生態系モデル -国際河川メコン川のダム開発と環境保全-
吉田勝彦(国立環境研・生物)
メコン川は世界で二番目に淡水魚の多様性が高く、また世界最大の漁獲量を持つ国際河
川である。しかし近年の著しい経済発展に伴う電力需要の増大を受けて、水力発電などを
目的としたダムの建設計画が複数進められており、ダム建設による環境改変が漁業資源や
生物多様性に対して甚大な影響を及ぼすのではないか、と懸念されている。そこで本研究
では、ダム建設が淡水魚類に与える影響やその軽減策を、コンピュータシミュレーション
を用いて明らかにすることを目的とし、その基盤となる川のメタ生態系モデルを開発し
た。本研究のモデルでは川の生態系を流路に従って複数のサブ生態系に分け、それぞれの
サブ生態系内での物質循環を計算する。魚のように移動能力を持つ生物は隣の生態系に移
動可能であるが、プランクトンや栄養塩などは流れに従って下流に移動する。また、雨季
と乾季を導入し、産卵に伴う魚の季節移動や流量の変化をモデルに導入した。予備的なシ
ミュレーションを行った結果、上流に移動して産卵する魚種が卓越するという、実際のメ
コン川と同様の特徴を再現できた。今後はパラメータ調整などを進めてモデルの精度を上
げていく予定である。
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P26 A learning parasitoid wasp switches two hosts: population
oscillatoins, coexistence and transgenerational effects
*嶋田正和,中山新一朗,笹川幸治,柴尾晴信 (東大・総合文化・広域)
We have previously reported effects of predator learning on coexistence of prey
populations in three-species experimental systems with two bruchine beetles,
Callosobruchus chinensis and C. maculatus as hosts, and the pteromalid wasp,
Anisopteromalus calandrae (Ishii and Shimada 2012 PNAS). Introducing the
parasitoid greatly enhanced coexistence time, to a maximum of 118 weeks, where C.
maculatus and C. chinensis showed periodic anti-phase oscillations. Behavioral
experiments confirmed frequency-dependent predation of A. calandrae, based on its
learning. Anisopteromalus calandrae females learned host-related olfactory cues
during oviposition and increased their preference for the common host species.
We formulated the learning process of Individual-Based Model (IBM) including
operant conditioning of the parasitic wasp that has a success-experience-reward
neural system. The preference for either host species was dynamically calculated
using Rescorla-Wagner model in each step. Using the model, we could predict
quantitative results on associative learning with olfactory cue of each host,
frequency-dependent predation of the wasp, and the same population dynamic
patterns as the experiments with anti-phase oscillations of the two hosts. In addition,
our experiment revealed that larval/early-adult learning on the host remains also
induced host preference as well as the oviposition learning by adults. The formal
preference was transferred to the next generation. Therefore, we expanded the IBM
for analyzing evolutionary dynamics using Genetic Algorithm for a three-species
system with a native and an alien hosts, and the wasp. The IBM predicts that
larval/early-adult learning makes the evolutionary rate of preference faster (Baldwin
effect) for the first 50 generations.
P27 Causes and consequences of cannibalism: a series of
experiments using salamander larvae
*Osamu Kishida (Hokkaido University, Field Science Center for Northern
Biosphere)
Cannibalisms are ubiquitous in carnivore populations, but we have very limited
knowledge about their ecological causes and consequences. Here, I discuss
population ecology of cannibalism by reporting results of a series of experiments
using salamander larvae, Hynobius retardatus. First, I show importance of predators
as factors suppressing cannibalisms. Salamander larvae often cannibalize in the
absence of predators and therefore size dimorphism which feedback subsequent
cannibalisms occurs due to intensive growth of cannibals in such populations. On
the other hand, because predation risk strongly suppresses salamander cannibalisms
and size dimorphism, abundance of salamander hatchlings can be higher in the
presence of predators than the absence of predators. Next, I discuss how predator
cannibalisms affect their top-down impacts on heterospecific prey community.
Although past researchers have consistently argued that cannibalism of predators
weaken their top-down effects through reduction in their density, I suggest that sign
of top-down impacts of predator cannibalism depends on size balance between
cannibalistic predators and heterospecific prey. Indeed, our experiment showed that
salamander cannibalisms strengthen their predation impacts on their heterospecific
prey, frog tadpoles because intensive growth of salamander individuals which had
cannibalized other conspecifics allows the salamanders to swallow the tadpoles
which are relatively larger prey items. A series of the experiments highlight that we
need to incorporate cannibalistic interactions into interaction-based ecology to
deepen our understanding of dynamic and complex nature of ecological community.
- 37 -
P28 孝行息子は性の負債を完済する:性的対立における間接選択が性の維持
に与える影響
川津一隆(龍谷大・理工)
生殖隔離が不完全な単為生殖メスが進化した場合,自身の繁殖成功を高めたいオスと2倍
のコストを避けたい単為メスとの間には潜在的な対立が生じている.そのため,交尾を拒
否する隔離形質とその隔離を破る強制形質が単為メスとオスのそれぞれで進化可能な場
合,両形質間には拮抗的な選択圧が働くことが予想される.一方で,強制形質を持つオス
と交尾した単為メスは,その形質を受け継ぐ息子を産めるため,単為メスがまだ周囲に多
数存在する状況ではこの息子が獲得する高い繁殖成功を通して母親に間接的な利益が生じ
る可能性がある.
本研究では,性的対立が生じる状況を調べるbattlegroundモデルと対立の進化動態を調べ
る集団遺伝モデルの2種類を作成し,上述の息子を通した間接的な利益が性の維持に与える
影響を検証した.その結果,1)間接的利益が2倍のコストを上回ることで対立が解消され
る状況が存在する,2)間接選択が生じるような生殖様式は他の生殖様式と比較して性の維
持領域が拡大する,という2点が明らかとなった.以上の結果は,性の維持を巡る性的対
立において息子を通した間接選択が重要な影響を与えることも示唆している.
P29 環境中のCO2濃度が寄主・捕食寄生者の個体群動態に与える影響:種内
競争様式で予測可能か?Effect of environmental CO2 concentration
on host and parasitoid population dynamics: Is it predictable
based on intraspecific competition type?
Than Lin Aung, Midori Tuda(Graduate School of Bioresource and
Bioenvironmental Sciences, Kyushu University)
Despite the worldwide steady increase of atmospheric carbon dioxide (CO2)
concentration, there are few studies on response of interacting species over many
generations to the CO2 rise. Even less well understood at the moment is intraspecific
variation in response to the CO2 rise. Here, we aim to study host intraspecific
variation in response to environmental CO2 and its consequences to host-parasitoid
interaction over multiple generations for possible long-term prediction. First, life
history traits were investigated of three populations of insect host (the cowpea beetle)
that were different in intraspecific competition type and a parasitoid (braconid wasp)
under two different CO2 levels. Second, we assembled each host population and the
parasitoid to monitor their population dynamics and time of extinction for 200 days,
or 8.3―10 host generations, at the respective CO2 levels.
None of the host populations showed negative response to the higher CO2 but the
host showing scramble-type competition developed faster at the higher CO2, whereas
parasitoid development was delayed. The population level of the scramble-type host
was higher at the higher CO2. Host-parasitoid interaction persisted longer with the
scramble-type host and at the higher CO2. We suggest possible mechanism of the
increased fitness and persistence of species interaction of the scramble type host.
- 38 -
P30 長期の狩猟データを用いて階層ベイズモデルにより全国のシカの個体数
を推定する
*松本崇,岸本康誉,坂田宏志(兵庫県大・自然環境研)
ニホンジカCervus nipponの被害拡大を防ぐためには捕獲を基盤とした、適切な個体数管
理が必要である。個体数管理を行う上で目標捕獲数決定のためには絶対数を推定する必要
がある。しかし、直接推定法や標識再捕法で広域でのシカの個体数推定は不可能である。
そこで、全国のシカの個体数・増加率・捕獲率・捕獲効率などを捕獲数の変動を主な情報
としたHarvest-based modelを基盤とした階層ベイズモデルにより推定した。用いたデー
タは、環境省の鳥獣関係統計資料の1989年から2011年までの23年間のデータである。一
般的に長期間のデータを用いるほど精度の高い推定ができると考えられている。しかし、
社会・環境条件の変化により、推定期間が長いほど推定変数も時間的に変動する可能性が
ある。そこで、1)変数が前年の値から正規分布に従う確率の変動幅で変化する酔歩モデ
ル、2)一定モデル、3)ランダム変動モデル、以上3つのモデルで、23年間、および最近
10年間のデータを用いて推定を行った。その結果、一定モデルは23年間のデータを用いた
場合特に期待値と観測値のずれが非常に大きく、ランダム変動モデルはどちらも収束せ
ず、長期間のデータを用いる場合は酔歩モデルが適していることが示された。
- 39 -
参加者名簿(2013年9月19日までの参加登録分)
氏名
発表
懇親会
Stefano Allesina University of Chicago
基調A
○
Charles W. Fox
基調B
○
基調A
○
Elisa Thébault
所属
University of Kentucky
CNRS Biogéochimie et écologie des milieux
continentaux
青島 正昂
岐阜大・院・応用生物
P03
浅見 崇比呂
信州大・理・生物
○
荒木 仁志
北海道大・院・農
○
池川 雄亮
大坂府大院・理
石原 道博
大阪府大院・理
伊藤 公一
京都大学生態学研究センター
P07
○
伊東 啓
静岡大・創造院
P12
○
潮 雅之
京大・生態研センター
企画A
○
内之宮 光紀
九大・システム生命科学
P05
○
内海 俊介
北大・FSC
○
浦野 知
株式会社ペコIPMパイロット
○
江副 日出夫
大阪府大・院・理
○
大串 隆之
京大・生態研
○
大秦 正揚
京都学園大学
加我 拓巳
早大・院・人間科学
片山 昇
北大・FSC
川津 一隆
P02
○
○
企画B
○
P09
○
基調B, P23
○
龍谷大・理工
P28
○
岸 茂樹
東大・院・農
企画B
○
岸田 治
北大・北方圏FSC
P27
○
岸本 圭子
東大・院・広域
企画A
○
京極 大助
京都大・院・理
P18
○
桐谷 圭治
○
工藤 慎一
鳴門教育大・院・学校教育
基調B
○
近藤 倫生
龍谷大・理工
基調A
○
齊藤 隆
北海道大学フィールド科学センター
P20
○
齋藤 保久
島根大・院・総合理工
坂田 ゆず
京大・院・生態研センター
佐藤 一憲
静岡大・院・工
佐藤 安弘
京大・生態研センター
○
P06
○
- 40 -
氏名
所属
発表
懇親会
嶋田 正和
東大・情報学環/総合文化
P26
○
洲崎 雄
岡山大・院・環境
P08
○
相馬 雅代
北大・院・理
高木 俊
東邦大・理
高倉 耕一
大阪市立環境科学研究所
高津 邦夫
北大・院・環境科学
高橋 紀夫
水産総合研究センター国際水産資源研究所
高橋 佑磨
東北大学
谷川 真弓子
Population Ecology 編集部
津田 みどり
九大・院・農
椿 宜高
京大・生態研
東樹 宏和
京大・人環
基調A
時田 恵一郎
名大・情報科学
基調A
徳永 幸彦
筑波大学・生物科学専攻
中井 信吾
龍谷大・理工
P10
中井 桃子
琉球大・院・農
P01
仲澤 剛史
国立成功大学
難波 利幸
大阪府大・院・理
西田 隆義
滋賀県立大・環境生態
野坂 恵
基調B
P19
○
企画A
○
P13
○
奨励賞
○
○
P29
○
○
○
○
奨励賞
○
○
企画B
○
北大・院・環境科学
P14
○
野村 七重
北大・環境科学院
P11
原口 岳
京大生態研
平野 滋章
京大・生態研
P15
細田 一史
大阪大・未来戦略
P22
益子 美由希
筑波大・院・生物科学
P17
松波 雅俊
北大・院・地球環境
P04
松本 崇
兵庫県大・自然環境研
P30
○
三木 健
国立台湾大学・海洋研
P24
○
源 利文
神戸大・院・発達
企画A
○
舞木 昭彦
島根大
基調A
○
山内 淳
京大・生態研センター
山口 彩
北海道大学環境科学院
山中 武彦
(独)農環研
吉田 勝彦
国立環境研・生物
P25
○
吉田 丈人
東京大・院・総合文化
P21
○
米谷 衣代
京大・生態研
企画A
○
○
○
P16
○
○
○
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第 29 回個体群生態学会大会 プログラム・講演要旨集 2013 年 10 月 11 日発行 編集・発行 第29回個体群生態学会大会実行委員会 大会会長 難波利幸 実行委員長 石原道博 実行委員 江副日出夫 表紙デザイン 石原道博 実行委員会連絡先 〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1番1号 大阪府立大学大学院理学系研究科 石原 道博 電話:072-254-9184 E-mail:[email protected] 大会ウェブサイト http://www.geocities.jp/populecol29/index.html 
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