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世田谷区商店街買い物弱者対策 提案書

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世田谷区商店街買い物弱者対策 提案書
資料 4
世田谷区商店街買い物弱者対策
提案書
目
次
1.調査の概要..................................................................................................................................... 1
【1】調査の目的 ................................................................................................................................ 1
【2】調査担当部署 ........................................................................................................................... 1
【3】調査実施機関 ........................................................................................................................... 1
【4】専門家意見聴取 ...................................................................................................................... 1
2.アンケート調査及びヒアリング調査結果の分析 ........................................................... 2
【1】アンケート調査 ...................................................................................................................... 2
【2】商店街ヒアリング調査........................................................................................................ 7
3.買い物弱者対策事業の検討 ................................................................................................... 9
【1】買い物弱者対策事業検討フロー .................................................................................... 9
【2】買い物弱者対策事業の方向性 ...................................................................................... 10
【3】買い物弱者対策事業の検討と提案 .............................................................................11
1.調査の概要
【1】調査の目的
本調査は世田谷区内において問題となっている買い物弱者対策について、区民 4,000 人
へのアンケート調査結果及び区内の 5 商店街の役員へのヒアリング調査結果を分析
し、それに基づき商店街の買い物弱者への施策を提案するものである。
【2】調査担当部署
世田谷区産業政策部商業課
【3】調査実施機関
ソシオエンジニアリング株式会社
【4】専門家意見聴取
本調査の実施にあたっては、アンケート調査、ヒアリング調査時の設問内容の設
定や調査結果の分析、調査結果を事業化する場合の注意点等について、成城大学経
済学部の境新一教授にご助言いただいた。
1
2.アンケート調査及びヒアリング調査結果の分析
【1】アンケート調査
① 買い物利用店舗
アンケート調査結果によると、区民が利用する店舗は食品スーパーや総合スーパ
ー(医療品・化粧品の場合はドラッグストア)の比率が高く、近隣商店の利用率は
低い(書籍・文具除く)。70 歳以上の高齢者においても同様の結果となっている
が、他の年齢層と比較すると、全品目において、近隣商店の利用率が高い結果とな
っている。
生鮮食料品
20歳代(N=47) 4.3%
68.1%
30歳代(N=93) 2.2%
40歳代(N=112)
72.0%
6.3%
20%
30%
2.6%
5.2% 1.5%
2.7% 1.5%
4.1% 4.2%
26.7%
40%
50%
60%
1.8%
1.8%
1.4% 1.4%
4.3% 2.9%
22.3%
53.1%
10%
4.3%
2.2%
6.5% 2.2%
8.0%
20.3%
63.0%
7.5%
0%
11.6%
68.1%
5.4%
70歳以上(N=1065)
12.9%
70.5%
50歳代(N=69) 1.4%
60歳代(N=462)
23.4%
2.2%
70%
80%
90%
100%
その他食料品
20歳代(N=47) 2.1%
53.2%
17.0%
21.3%
6.4%
2.2%
1.1%
30歳代(N=93) 3.2%
55.9%
14.0%
7.5%
14.0%
2.2%
2.7%
2.7% 1.8%
40歳代(N=112) 1.8%
67.9%
17.9%
4.5% 0.9%
1.4%
50歳代(N=69) 2.9%
60.9%
24.6%
7.2%
1.7%
60歳代(N=462)
7.4%
53.7%
27.5%
4.8% 2.4%
0.9%
70歳以上(N=1065)
7.8%
0%
近隣の商店
ドラッグストア
42.1%
10%
20%
30.0%
30%
40%
食品スーパー
宅配サービス(生協など)
図1
50%
60%
総合スーパー
その他
買い物利用店舗 ①
2
6.4%
70%
2.9%
0.9% 1.7%
80%
5.4%
1.8%
5.5%
90%
コンビニエンスストア
不明
100%
日用品・雑貨
2.1%
20歳代(N=47) 4.3%
8.5%
30歳代(N=93) 3.2%
11.8%
21.5%
8.9%
25.9%
40歳代(N=112)
4.5%
50歳代(N=69)
5.8%
60歳代(N=462)
8.7%
8.4%
70歳以上(N=1065)
40.4%
0%
38.3%
2.2%
10%
43.0%
20%
30%
4.3%
1.1%
7.5%
50%
4.8%2.8%3.7%
20.4%
60%
1.8%
8.7% 2.9%
27.5%
4.0%
40%
2.1%
3.6%
43.5%
42.0%
6.3%
7.5%
51.8%
1.4%
9.7%
2.1%
41.9%
0.9%
24.6%
12.9%
2.1%
70%
4.1%4.1% 5.2%
80%
90%
100%
医療品・化粧品
20歳代(N=47) 4.3%
91.5%
1.1%
2.2%
3.2%
30歳代(N=93)
2.1% 2.1%
1.1%
79.6%
10.8%
1.8%
2.2%
0.9%
40歳代(N=112) 1.8% 3.6%
1.4%
2.7% 1.8%
87.5%
1.4%
50歳代(N=69) 2.9%
82.6%
8.7%
2.9%
0.6%
60歳代(N=462)
6.3% 5.8%
78.1%
0.7%
70歳以上(N=1065)
14.0%
0%
10%
3.7%
5.2%
2.3%
0.7%
7.1%
64.8%
20%
30%
40%
50%
6.3% 4.2%
60%
70%
80%
90%
100%
書籍・文具
20歳代(N=47)
34.0%
14.9%
8.5%
40.4%
2.1%
41.9%
1.1%
2.2%
30歳代(N=93)
34.4%
1.1%
18.3%
1.1%
1.8%
40歳代(N=112)
40.2%
2.7%
14.3%
4.5%
34.8%
1.8%
4.3%
50歳代(N=69)
42.0%
1.4%
20.3%
2.9%
26.1%
2.9%
25.8%
2.6%
1.1%
60歳代(N=462)
47.6%
70歳以上(N=1065)
0.9%
51.2%
0%
近隣の商店
ドラッグストア
10%
20%
0.7%
30%
40%
食品スーパー
宅配サービス(生協など)
図2
3
50%
18.8%
16.1%
60%
総合スーパー
その他
買い物利用店舗 ②
3.2%
0.9% 0.7%
4.6%
19.7%
70%
80%
6.2%
90%
100%
コンビニエンスストア
不明
② 利用交通手段
区民へのアンケート調査結果によると、買い物時の利用交通手段は、徒歩が最も
多い。70 歳以上についても徒歩が最も多いが、自転車や自動車・バイクが他の年齢
層と比べ低く、バスが高い結果となっている。運転ができない 70 歳以上の区民は
徒歩に頼っていることがうかがえる。
90.0%
83.0%
80.0%
69.9%
70.0%
57.1%
60.0%
50.0%
40.0%
17.0%
20.0%
徒歩
30歳代(N=93)
自転車
40歳代(N=112)
電動カート
図3
10.1%
7.2%
1.8%
0.0%
32.4%
29.2%
23.5%
10.7%
7.1%
5.4%
20歳代(N=47)
36.2%
34.8%
16.1%
6.4%
10.0%
48.9%
44.9%
28.0%
25.5%
30.0%
56.3%
47.3%
46.8%
73.5%
66.9%
65.2%
50歳代(N=69)
9.7%
9.5%
0.2%
1.9%
60歳代(N=462)
自動車・バイク
バス
15.6%
0.2%
8.4%
3.9%
70歳以上(N=1065)
鉄道
その他
買い物時の利用交通手段
③ 日常の買い物の不満な点
日常の買い物の不満な点はどの年齢層においても「特にない」が最も高い結果で
あった。70 歳以上を除くすべての年齢層では、次いで「最寄りの商店街に行きたい
店がない」、「家の近くに適当な店がなく、日常的に不便を感じている」の順とな
っている。70 歳以上は「家の近くに適当な店がなく、日常的に不便を感じている」、
「最寄りの商店街に行きたい店がない」の順となっているほか、「からだのことも
あり、なかなか買い物にいけない」も高い結果となっており、主な交通手段が徒歩
の高齢者ならではの結果となった。
60.0%
55.1%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
44.7%
49.2%
41.9%
32.3%
31.9%
23.4%
54.3%
47.3%
18.3%
24.1%
22.3%
21.5%
12.8%
10.0%
2.2%
17.4%
11.6%
30歳代(N=93)
26.0%
21.2%
11.6%
1.4%
0.9%
0.0%
20歳代(N=47)
29.0%
40歳代(N=112)
50歳代(N=69)
24.8%
20.1%
1.9% 8.2%
1.7%
60歳代(N=462)
10.4% 8.1%
3.3%
70歳以上(N=1065)
家の近くに適当な店が少なく、日常的に不便を感じている
最寄りの商店街に、行きたいと思う店があまりない
買い物に行きたくても、交通の便が悪くて行けない
からだのこともあり、なかなか買い物に出かけることができない
特に、不満を感じることはない
その他
図4
日常の買い物の不満な点
4
④ 日常の買い物をする上で新たに望むこと
交通・インフラ整備、特になしを除くソフト対策はすべての年齢層において低い
結果となっている。ソフト対策のみを年齢層でみると 40 歳以下は営業時間の拡大
を希望しているのに対し、50 歳代以上はそうでもないことがうかがえる。また、50
歳以上は有料の配達サービスや買い物代行、移動販売など、買い物という行動の負
担軽減を図る対策の希望が 40 歳代以下に比べ高い結果となった。
40.0%
36.2%
35.0%
33.3%
31.9%
24.7%
30.0%
25.5%
25.0%
19.1%
20.0%
19.1%
17.0%
23.2%
22.3%
21.5%
19.6%
18.8%
17.2%
17.9%
14.9%
15.0%
10.0%
5.0%
24.1%
21.5%
23.7%
23.4%
4.3%
4.3%
8.9%
4.5%
6.5%
3.2%
2.2%
2.1% 2.1% 2.1%
11.6%
10.8%
4.3%
2.7%
1.1%
1.8% 0.9%
0.0%
20歳代(N=47)
30歳代(N=93)
40歳代(N=112)
40.0%
35.0%
33.6%
33.1%
31.9%
30.0%
24.6%
25.0%
23.9%
21.6%
21.4%
15.9%
20.0%
15.0% 7.2%
10.0%
23.2%
14.5%
14.5%14.5%
15.9%
13.0%
4.3% 4.3%
4.3%
8.7% 8.7%
4.3%
7.8%
6.9%
3.9%
5.0%
10.5%
12.1%
4.8% 11.5%
5.8%
5.7%
6.6% 4.1%
9.3%
9.3%
5.7%
3.2%
1.5%
13.3%
2.2%
0.0%
50歳代(N=69)
60歳代(N=462)
有料の配達サービス
有料の買い物代行サービス
70歳以上(N=1065)
移動販売者(移動スーパー)の巡回
40.0%
送迎サービス
20.0%
0.0%
商店街のインターネット販売
50歳代(N=69)
60歳代(N=462)
商店街内の駐車場整備
70歳以上(N=1065)
営業時間帯の拡大
ベンチ等の休憩施設の設置
小型スーパーの新設
バスの利便性の向上
歩道の拡幅・整備
特になし
その他
図5
日常の買い物をする上で新たに望む点
5
⑤ 日常の買い物で重要視している点
20 歳代、30 歳代が商品の価格を最も重要視しているのに対し、40 歳以上では、
商品の質を最も重要視している結果となった。また、70 歳以上においては、商品
の品質に続いて、品揃えが多くなっており、自宅からの距離も他の年齢層よりも多
い結果となっている。
80.0%
70.0%
68.1%
60.0%
61.3%
51.1%
50.0%
30.0% 27.7%
34.4%
29.8%
20.0%
0.0%
6.4%
2.1%
20歳代(N=47)
品揃え
商品の価格
34.4%
6.5%
3.2%
2.2%
30歳代(N=93)
商品の質
54.6%
46.4%
42.9%
40.0%
10.0%
51.8%
48.4%
61.3%
60.9%
57.1%
40.6%
30.4%
1.8% 3.6%
1.8%
40歳代(N=112)
自宅からの距離
46.3%
43.1%
33.3%
5.1%
3.5%
2.8%
1.5%
60歳代(N=462)
店の雰囲気
図 6 日常の買い物で重要視している点
6
37.2%
29.2%
4.3%
1.4%
1.4%
50歳代(N=69)
39.7%
36.8%
3.3%
1.4%
70歳以上(N=1065)
店員の接客態度
営業時間
【2】商店街ヒアリング調査
アンケート調査結果をもとに、区内の 5 商店街において、買い物弱者対策への意
欲等についてのヒアリング調査を実施した。その概要を以下に示す。
表1
買い物弱者対策への商店街のヒアリング結果
【ア】
宅配サービス
【イ】
取り組む余裕
がない
概要
・効率性を考慮し範囲限定でのサービスを考えてい
る。
・1 件につき 30 円∼50 円程度の送料を検討してい
る。
・事業の採算性が確保できるのか、入念な事前マー
ケティングが必要と考えている。
・商店街には、現状、拠点となる場所、人が確保で
きない状況にある。また、実施にあたっては車両
の手配も必要と考えている。
-
B
買い物弱者への
効果
買い物弱者
対策
実現性
商店街名
商店街の意欲
評価(A∼D)※
C
B
-
-
-
-
-
-
備考
コ ミ ュ ニ テ ィ ・現状のコミュニティ施設は利用頻度が高く、2件
施設
目のコミュニティ施設の設置を希望している。
【ウ】
【エ】
【オ】
商店街の PR
・最新 IT 技術を利用した PR(タッチパネル液晶看
板、動画配信(商店街イベント)、Beacon の活
用(企画段階)による商店街情報の提供、QR コ
ードの活用による商店街情報の提供)。
商店街の PR
・掲示板設置
かつて商店街に大きな掲示板が設置されていた
時に、お年寄りも含め、掲示板を活用した、セ
ールやイベント告知による効果は実証済み。
・ポスティングの実施
お年寄りは新聞を取っていない世帯も多く、ポ
スティングを試したい(【オ】で実施されたポ
スティングの効果を確認済み)。
A
B
B
御用聞
・便利屋事業
草むしり、ベランダ掃除や、ちょっとした買い
物も含めた、有料(料金 2,100 円/時)の住民サ
ービス(主としてお年寄りが対象)。
すでに試験運用が開始されており、徐々に利用
者は増加している(リピーターも多い)。
将来的には簡単な「お手伝い」だけでなく、商
店街が持つ専門的な知識・技術と結びつけ、商
店街の活性化にも寄与させることが目標。
近隣大学生の協力有。
A
A
A
7
買い物弱者
対策の範囲
外
表2
項
目
商店街の意欲
評価の判断基準
評
価
判断基準
A
事業への積極的な姿勢が認められ、事例調査や試験的運営等、すでに具体的な動向
が認められる。
実現性
B
具体的な動向が認められないものの、事業への積極的な姿勢が認められる
C
事業の必要性は理解しているが、やや消極的である。
D
事業の必要性は理解しているが、消極的である。
A
事業を実施する条件(事業拠点となる場所の家主の同意、人手の確保等)がすでに
整っており、早期の事業実施が可能と考えられる。
買い物弱者への効果
B
事業を実施する条件が整い次第、事業実施が可能と考えられる。
C
事業を実施する条件のハードルが高く、早期の事業実施が困難と考えられる。
D
事業を実施する条件のハードルが高く、事業実施が困難と考えられる。
A
買い物弱者の大幅な利便性の向上が見込まれる。
B
買い物弱者の利便性の向上が見込める。
C
買い物弱者の利便性の向上があまり見込めない。
D
買い物弱者への利便性の向上が見込めない。
8
3.買い物弱者対策事業の検討
【1】買い物弱者対策事業検討フロー
以下のフロー図に従い、買い物弱者対策事業を検討した。
アンケート・ヒアリング結果
買い物弱者対策事業候補
事業の方向性
事業の方向性との整合
不整合
整合
既存の補助制度の過不足判定
不足
既存の補助制度
+
新たに提案する補助制度
図7
充足
既存の補助制度を活用
商店街買い物弱者対策事業の施策の検討フロー
9
【2】買い物弱者対策事業の方向性
本事業の目的は、商店街の主導による事業として「買い物弱者対策」を実施す
ることにより、区内の買い物弱者の買い物の負担の軽減を図るものである。
一方、本事業を支援する世田谷区の補助制度は期間及び金額が限られているこ
とから、本事業は、区の補助制度活用後においても、商店街が実施する事業とし
て継続して実施されることが前提となる。
このため、買い物弱者対策事業を効果的にするために、
「買い物弱者への効果」
の視点、「事業としての継続性」の視点を持って、買い物弱者対策事業の方向性
を以下のとおり設定した。
事業の方向性
買い物弱者への効果
買い物時に不便な思いをしている主として、70 歳以上の高齢者への買い物利
便性向上を図る。
事業としての継続性
商店街が実施する採算性が確保できる事業として成立させる。
10
【3】買い物弱者対策事業の検討と提案
(1)事業検討
アンケート調査をもとに実施したヒアリング結果から得られた、商店街が意欲を示
した「宅配サービス(注文宅配、お届けサービス)」、「掲示板やポスティングチ
ラシ等を用いた商店街 PR(高齢者向け告知)」、「御用聞(便利屋)」について、
P.9 の事業の方向性を踏まえ、「買い物弱者への効果の視点」、「事業としての継
続性の視点」との整合性について以下のとおり検討した。
なお、「宅配サービス(注文宅配、お届けサービス)」、「御用聞(便利屋)」に
ついては、商店街が個々の店舗の集合体であること、事業規模は最大でも商店街の
商圏にとどまることを踏まえ、前提条件を設定した。
■■検討 1 :宅配サービス①(注文宅配)■■
事業の前提条件
・委託配送:事業主の異なる複数店舗の荷を取り扱うため、営業ナンバーが
必要となるため。
・商店街取扱商品を販売:商店を倉庫機能として有効活用するため、また、
商店街以外の商品の発注は煩雑であり、商店街の同意も得られ
にくいため。
・配達先での現金決済:会計システムが煩雑になるため。
・商品構成が多様:買い物弱者の日常生活に支障が生じないよう、生鮮 3 品
が揃っているなど、商品構成が多様な商店街で実施される必要
がある。
・電話、FAX 注文:本事業のサービス利用者は主として高齢者を想定して
おり、注文に PC やスマートフォンを使用することは現実的で
ないため、電話や FAX による注文とする必要がある。
・一括受注:利用者の利便性を考慮し、注文は商店街事務局で一括受注し、
各店舗に発注する。
・商店街周辺限定サービス:配送効率、他の商店街への影響を考慮し、エリ
アは最大でも商店街の商圏にとどめる。
・サービス提供件数最大値:下表より設定。
区全体世帯数
H26年1月
①
1商店街あたり
世帯数
②=①/138商店街
451,965世帯
3,275世帯/商店街
11
③=②*5%
1週間あた り
利用回数
③*2回/週
164世帯
328回/週
最大利用世帯数
買い物弱者への効果
以下の内容より、買い物弱者への効果は期待できるものと判断した。
・注文後の速やかな配達
既存の宅配業者は在庫負担を軽減するために、基本的に受注後、問屋や
メーカー、生産者に発注する形態をとっており、受注から配達までに一定
の日数を必要としている。一方、商店街の場合、各店舗自体が一定の在庫
を有するため、注文後に速やかな配達が可能となるため、既存の宅配事業
者を超える利便性を提供することが可能である。
・電話、FAX 注文
高齢者は PC に不慣れなため、注文方法として電話や FAX の利用が可能
であれば、利便性は高まる。同時に既存の宅配業者との差別化が図られ競
争力を持つことができる。
事業としての継続性
以下の内容より事業としての継続性は厳しいものと判断した。
・人件費
受注∼発注∼集荷の流れが煩雑で複数の専任者が必要であり、人件費が
高くなる。
・送料
基本的に事業に要する委託配送費や専任者の人件費、事務所費用を送料
で賄う必要があるが、実際には売上からの補填が必要になると考えられる
(①既存の食品宅配事業者ヒアリング:配送料金は 1 件当たり 380 円、②
軽トラック便借り上げ:5 時間で 8,000 円、40 件配送の場合 200 円/件)そ
の場合、送料の負担方法をどうするのか、売上に応じて設定する場合、取
扱商品ごとに原価率が異なり不公平感が生じる(原価率:生鮮品 40%、加
工食品 50∼60%)。
12
・低い客単価
継続させるためにはある程度の客単価(既存の食品宅配事業者ヒアリング
によると世田谷区客単価は 1 件当たり 4,500 円/週)が必要であるが、商店
街の買い物で高い客単価を確保するのは困難である。
・煩雑な事務
注文商品の在庫確認、欠品時連絡が煩雑(基本電話連絡が想定されるため)。
・価格変動への対応
本サービスは基本的にカタログ販売となるため、商品価格はカタログを更
新するまでは固定する必要がある。生協等の既存宅配業者は規模が大きいた
め、仕入れ価格の変動を受容することが可能であるが、個人店舗の集合体で
ある商店街において、価格を固定することは不可能である。
・民間事業者の動向
宅配事業への取り組みは生協等で行われているが、昨今の大手スーパーの
宅配サービス撤退等の事例より、狭域での事業継続は困難な傾向がみられる。
13
−参考(事業成立条件)―
宅配事業を成立させるために必要な配送件数、客単価、送料の試算結果を
以下に記載する。なお、事業収支については、各店舗の作業コストを加味し
ていない。
宅配事業に要するコスト(円/日) ①
項目
コスト
備考
1日60件まで配送可能と設定(既存の宅配
8,000
業者へのヒアリングより設定)
12,000
8,000
8,000 受発注、仕分・梱包、保管スペース
1,000
2,000
2,400
41,400
委託配送費(軽トラック配送5時間借り上げ)
人件費①(30万円/月÷25日)
人件費②(1,000円/時×8時間/日)
事務所家賃(25日/月稼働(25万円/25日))
水道光熱費(2.5万円/25日)
通信費(5万円/25日)
その他諸経費(人件費の20%)
計
送料収入(円/日) ②
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
3,000
6,000
9,000
12,000
15,000
4,000
8,000
12,000
16,000
20,000
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
送料収支(円/日) ③=②-①
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
▲ 40,400 ▲ 39,400 ▲ 38,400 ▲ 37,400 ▲ 36,400
▲ 39,400 ▲ 37,400 ▲ 35,400 ▲ 33,400 ▲ 31,400
▲ 38,400 ▲ 35,400 ▲ 32,400 ▲ 29,400 ▲ 26,400
▲ 37,400 ▲ 33,400 ▲ 29,400 ▲ 25,400 ▲ 21,400
▲ 36,400 ▲ 31,400 ▲ 26,400 ▲ 21,400 ▲ 16,400
▲ 35,400 ▲ 29,400 ▲ 23,400 ▲ 17,400 ▲ 11,400
商品売り上げ ④
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
30,000
45,000
60,000
75,000
90,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
50,000
75,000
100,000
125,000
150,000
60,000
90,000
120,000
150,000
180,000
粗利(日配品の一般的な原価率50%と設定) ⑤=④*0.5
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
10件/日
5,000
7,500
10,000
12,500
15,000
20件/日
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
30件/日
15,000
22,500
30,000
37,500
45,000
配達件数
40件/日
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
50件/日
25,000
37,500
50,000
62,500
75,000
60件/日
30,000
45,000
60,000
75,000
90,000
14
事業収支(送料収支+粗利) ③+⑤
配送料100円/件
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
▲ 35,400 ▲ 32,900 ▲ 30,400 ▲ 27,900 ▲ 25,400
▲ 29,400 ▲ 24,400 ▲ 19,400 ▲ 14,400
▲ 9,400
▲ 23,400 ▲ 15,900
▲ 8,400
▲ 900
6,600
▲ 17,400
▲ 7,400
2,600
12,600
22,600
▲ 11,400
1,100
13,600
26,100
38,600
▲ 5,400
9,600
24,600
39,600
54,600
配送料200円/件
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
▲ 34,400 ▲ 31,900 ▲ 29,400 ▲ 26,900 ▲ 24,400
▲ 27,400 ▲ 22,400 ▲ 17,400 ▲ 12,400
▲ 7,400
▲ 20,400 ▲ 12,900
▲ 5,400
2,100
9,600
▲ 13,400
▲ 3,400
6,600
16,600
26,600
▲ 6,400
6,100
18,600
31,100
43,600
600
15,600
30,600
45,600
60,600
配送料300円/件
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
▲ 33,400 ▲ 30,900 ▲ 28,400 ▲ 25,900 ▲ 23,400
▲ 25,400 ▲ 20,400 ▲ 15,400 ▲ 10,400
▲ 5,400
▲ 17,400
▲ 9,900
▲ 2,400
5,100
12,600
▲ 9,400
600
10,600
20,600
30,600
▲ 1,400
11,100
23,600
36,100
48,600
6,600
21,600
36,600
51,600
66,600
配送料400円/件
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
▲ 32,400 ▲ 29,900 ▲ 27,400 ▲ 24,900 ▲ 22,400
▲ 23,400 ▲ 18,400 ▲ 13,400
▲ 8,400
▲ 3,400
▲ 14,400
▲ 6,900
600
8,100
15,600
▲ 5,400
4,600
14,600
24,600
34,600
3,600
16,100
28,600
41,100
53,600
12,600
27,600
42,600
57,600
72,600
配送料500円/件
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
客単価
1000円/件 1500円/件 2000円/件 2500円/件 3000円/件
▲ 31,400 ▲ 28,900 ▲ 26,400 ▲ 23,900 ▲ 21,400
▲ 21,400 ▲ 16,400 ▲ 11,400
▲ 6,400
▲ 1,400
▲ 11,400
▲ 3,900
3,600
11,100
18,600
▲ 1,400
8,600
18,600
28,600
38,600
8,600
21,100
33,600
46,100
58,600
18,600
33,600
48,600
63,600
78,600
15
■■検討 2 :宅配サービス②(お届けサービス)■■
事業の前提条件
・委託配送:事業主の異なる複数店舗の荷を取り扱うため、営業ナンバーが
必要となるため。
・商店街購入商品を配達:商店街の不利益が発生するため。
・現金決済:会計システムが煩雑になるため。
・受注は一箇所:事務処理を簡便化するため、各店舗がサービスを受けるの
ではなく、客が買い物商品を事務所に持っていく形態とする。
・速やかな配送:利用者の利便性を考慮し、受付後、2∼3 時間以内にお届
けとする。
・商店街周辺限定サービス:配送効率、他の商店街への影響を考慮し、エリ
アは最大でも商店街の商圏にとどめる。
・サービス提供件数最大値:下表より設定。
区全体世帯数
H26年1月
①
1商店街あたり
世帯数
②=①/138商店街
451,965世帯
3,275世帯/商店街
③=②*5%
1週間あたり
利用回数
③*3回/週
1日あたり
利用件数
③/5日/週
164世帯
491回/週
98件/日
最大利用世帯数
買い物弱者への効果
以下の内容より、買い物弱者への効果は期待できるものと判断した。
・徒歩利用客の利便性向上
アンケート調査では高齢者の買い物時の交通手段は「徒歩」が最も多く、
50 歳以上の年齢層を中心にお届けサービスを望む人が一定割合存在して
いるため、徒歩利用の高齢者の買い物客の利便性は向上する。
・既存宅配業者との競争力大
生協宅配をはじめとした既存の宅配業者は、在庫を抱えないために、注
文後、翌週配送のシステムとなっている。このため、利用客は急に必要と
なった商品については、スーパーや商店街等において購入している。一方、
本サービスは必要なものを必要な時に購入することができるサービスで
ある(商店街周辺にサービスエリアを限定すれば 2∼3 時間以内の配送可
能(既存の食品宅配事業者ヒアリング:世田谷区の配送効率 18 件/時))。
16
また、「購入するものは直接、自分の手に取って確かめたい」というの
は、消費者の本音であるが、既存の宅配業者はカタログ販売であるため、
たくさんの野菜の中から「大根」を選ぶことができても、さらにその中か
ら「気に入った大根」を選択することは不可能であり、この点についても
本サービスが既存の宅配業者のサービスを上回っているといえる。
事業としての継続性
以下の内容より、基本的には事業としての継続性は厳しいものと判断した。
ただし、既存の商店街事務所機能(事務所スペース、事務員)が活用可能な場
合や、商店街に米屋・酒屋等、宅配が通常業務に含まれる店舗があり、当該店
舗の店主の協力を得られる場合(営業ナンバー取得の問題あり)など、本サー
ビスに要するコストの削減が望める商店街については、事業の採算性について
確保可能と考えられる。
・人件費、事務所費用の負担
受注や預かった商品の管理等の作業に専任者が必要であり、人件費が高
くなる。また、預かった商品を集積するためのスペースが必要となる(商
品によっては保冷機能も必要)。
・送料の必要性
基本的に事業に要する委託配送費や専任者の人件費、事務所費用を送料
で賄う必要があるが、利用客が支払い可能な金額に抑えることが可能であ
るかが課題。(①既存の食品宅配事業者ヒアリング:配送料金は 1 件当た
り 380 円、②軽トラック便借り上げ:5 時間で 8,000 円、40 件配送の場
合 200 円/件)
17
−参考(事業成立条件)―
宅配事業②(お届けサービス)を成立させるために必要な配送件数、送料
の試算結果を以下に記載する。
専用事務所、専任者(正スタッフ 1 名、アルバイト 1 名)
宅配事業に要するコスト(円/日) ①
項目
コスト
委託配送費(軽トラック配送5時間借り上げ)
人件費①(30万円/月÷25日)
人件費②(1,000円/時×8時間/日)
事務所家賃(25日/月稼働(25万円/25日))
水道光熱費(2.5万円/25日)
通信費(5万円/25日)
その他諸経費(人件費の20%)
計
備考
1日60件まで配送可能と設定(既存の宅配
8,000
業者へのヒアリングより設定)
12,000
8,000
8,000 サービス受付、保管スペース
1,000
2,000
2,400
41,400
送料収入(円/日) ②
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
3,000
6,000
9,000
12,000
15,000
4,000
8,000
12,000
16,000
20,000
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
7,000
14,000
21,000
28,000
35,000
8,000
16,000
24,000
32,000
40,000
9,000
18,000
27,000
36,000
45,000
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
事業収支(円/日) ③=②-① ※60件超は配送車2台体制(委託配送費2倍)
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
10件/日
▲ 40,400 ▲ 39,400 ▲ 38,400 ▲ 37,400 ▲ 36,400
20件/日
▲ 39,400 ▲ 37,400 ▲ 35,400 ▲ 33,400 ▲ 31,400
30件/日
▲ 38,400 ▲ 35,400 ▲ 32,400 ▲ 29,400 ▲ 26,400
40件/日
▲ 37,400 ▲ 33,400 ▲ 29,400 ▲ 25,400 ▲ 21,400
50件/日
▲ 36,400 ▲ 31,400 ▲ 26,400 ▲ 21,400 ▲ 16,400
配達件数
60件/日
▲ 35,400 ▲ 29,400 ▲ 23,400 ▲ 17,400 ▲ 11,400
70件/日
▲ 42,400 ▲ 35,400 ▲ 28,400 ▲ 21,400 ▲ 14,400
80件/日
▲ 41,400 ▲ 33,400 ▲ 25,400 ▲ 17,400
▲ 9,400
90件/日
▲ 40,400 ▲ 31,400 ▲ 22,400 ▲ 13,400
▲ 4,400
100件/日
▲ 39,400 ▲ 29,400 ▲ 19,400
▲ 9,400
600
18
事務所兼用、専任者(アルバイト 1 名)、商店街配送機能を有する店舗(米
屋、酒屋)車両配送
宅配事業に要するコスト(円/日) ①
項目
人件費②(1,000円/時×8時間/日)
その他諸経費(人件費の20%)
計
コスト
8,000
2,400
10,400
備考
宅配事業に要する配送コスト(円/件) ②
項目
コスト
備考
配送料
200
配送サービスを行っている店舗(米屋、
酒屋)の車両を活用
送料収入(円/日) ③
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
3,000
6,000
9,000
12,000
15,000
4,000
8,000
12,000
16,000
20,000
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
7,000
14,000
21,000
28,000
35,000
8,000
16,000
24,000
32,000
40,000
9,000
18,000
27,000
36,000
45,000
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
事業収支(円/日) ④=③-((②*配送件数)+①)
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
▲ 11,400 ▲ 10,400
▲ 9,400
▲ 8,400
▲ 7,400
▲ 12,400 ▲ 10,400
▲ 8,400
▲ 6,400
▲ 4,400
▲ 13,400 ▲ 10,400
▲ 7,400
▲ 4,400
▲ 1,400
▲ 14,400 ▲ 10,400
▲ 6,400
▲ 2,400
1,600
▲ 15,400 ▲ 10,400
▲ 5,400
▲ 400
4,600
▲ 16,400 ▲ 10,400
▲ 4,400
1,600
7,600
▲ 17,400 ▲ 10,400
▲ 3,400
3,600
10,600
▲ 18,400 ▲ 10,400
▲ 2,400
5,600
13,600
▲ 19,400 ▲ 10,400
▲ 1,400
7,600
16,600
▲ 20,400 ▲ 10,400
▲ 400
9,600
19,600
19
商店街配送機能を有する店舗への(米屋、酒屋)委託
宅配事業に要するコスト(円/件) ①
項目
サービス委託料① 20件/日まで
サービス委託料② 20件/日超
コスト
備考
350 配送サービスを行っている店舗(米屋、
250 酒屋)の車両を活用
送料収入(円/日) ②
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
3,000
6,000
9,000
12,000
15,000
4,000
8,000
12,000
16,000
20,000
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
7,000
14,000
21,000
28,000
35,000
8,000
16,000
24,000
32,000
40,000
9,000
18,000
27,000
36,000
45,000
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
サービス委託料(円/日) ③
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
3,500
3,500
3,500
3,500
3,500
7,000
7,000
7,000
7,000
7,000
9,500
9,500
9,500
9,500
9,500
12,000
12,000
12,000
12,000
12,000
14,500
14,500
14,500
14,500
14,500
17,000
17,000
17,000
17,000
17,000
19,500
19,500
19,500
19,500
19,500
22,000
22,000
22,000
22,000
22,000
24,500
24,500
24,500
24,500
24,500
27,000
27,000
27,000
27,000
27,000
事業収支(円/日) ④=②-③
配達件数
10件/日
20件/日
30件/日
40件/日
50件/日
60件/日
70件/日
80件/日
90件/日
100件/日
配送料
100円/回 200円/回 300円/回 400円/回 500円/回
▲ 2,500
▲ 1,500
▲ 500
500
1,500
▲ 5,000
▲ 3,000
▲ 1,000
1,000
3,000
▲ 6,500
▲ 3,500
▲ 500
2,500
5,500
▲ 8,000
▲ 4,000
0
4,000
8,000
▲ 9,500
▲ 4,500
500
5,500
10,500
▲ 11,000
▲ 5,000
1,000
7,000
13,000
▲ 12,500
▲ 5,500
1,500
8,500
15,500
▲ 14,000
▲ 6,000
2,000
10,000
18,000
▲ 15,500
▲ 6,500
2,500
11,500
20,500
▲ 17,000
▲ 7,000
3,000
13,000
23,000
20
■■検討 3 :
掲示板やポスティングチラシ等を用いた商店街 PR(高齢者向け告知)■■
買い物弱者への効果
以下の内容より、買い物弱者への効果はあまり見込めないと判断した。
・広告は内容が重要である
PR により、高齢者の商店街活動への認知度が向上し、それに伴い、来
街機会の増加が期待できるが、同時に商店街自体の新たな魅力を提供す
ることができなければ、その効果はさほど大きいものとはなりえない。
・買物弱者対策となりえるか疑問が残る
掲示板設置やポスティングによる商店街の活性化の効果は実績がある
ものの、来街者全員に向けたものであり、買い物弱者対策としてのイン
パクトに欠ける。
事業としての継続性
以下の内容より、事業としての継続性は見込めるものと判断した。
・低コストである
掲示板については、初期費用がかかるものの比較的安価であり、維持コ
ストも安価で可能である。ポスティングチラシについても、配布エリアを
商圏に限定することが可能なため、安価で実施可能である。
21
■■検討 4 :御用聞(便利屋)■■
事業の前提条件
・サービスは時間制(【オ】をモデル)
・エリアは商店街の商圏に限定(【オ】をモデル)
サービス利用料金
【オ】の事例より 2,100 円/時と設定した。
1 世帯/回あたりのサービス提供時間
1.5 時間/世帯・回と設定した。
最大時のサービス提供時間
商店街の商圏をサービス提供エリアとし、商圏内の 5%の世帯による月
1.5 時間利用をサービス利用の最大値と設定した。
区全体世帯数
H26年1月
①
1商店街あたり世帯数
②=①/138商店街
最大利用世帯数
③=②*5%
月刊最大サービス
利用時間
③*1.5時間
451,965 世帯
3,275世帯/商店街
163.8世帯
245.7時間/月
サービス利用者数の変動
サービスの利用者数は 1 日 1 世帯からスタートし、3 か月ごとに実施する
チラシ配布後 1 日 1 世帯増加するものと設定した。
アルバイト賃金
【オ】の事例により、近隣の大学やNPOとの連携するものと仮定し、サ
ービス提供時間のみ支払うことを前提とした。
買い物弱者への効果
以下の内容より、買い物弱者への効果は期待できるものと判断した。
・実施実績がある
すでに【オ】においてエリア限定で実施されており、リピーターが増加傾
向にあり、効果は期待できる。
22
事業としての継続性
御用聞(便利屋)の事業としての継続性を以下の前提条件で検討した結果、
表 3 のとおり想定される最大のサービス提供時においても、コストが事業収入
を上回る結果となった。
事業を継続するにはサービスの提供メニューの拡充やそれに伴う料金設定
が必要である。
23
表3
御用聞(便利屋)の事業性の検討(本格運用時:事務所兼用・専任スタッフ)
1
コスト
(万円)
広告宣伝費
試験運用 通信費
(1年間) 給料(正スタッフ)
賃金(アルバイト:稼働時のみ支払1千円/時)
コスト計
収入
0.0
サービス利用世帯(世帯/日)①
サービス利用時間(時/日)②
サービス利用時間 20日/月稼働(時/月)③
収入 2,100円/時:用賀商店街モデル(万円)②*③
【オ】モデル
2
10.0
3.0
25.0
3.0
41.0
3
3.0
25.0
3.0
31.0
4
10.0
3.0
25.0
6.0
44.0
1.0
1.5
30.0
6.3
1.0
1.5
30.0
6.3
2.0
3.0
60.0
12.6
収支
コスト
(万円)
本格運用
HP開設
光熱費
広告宣伝費
通信費
給料(正スタッフ)
賃金(アルバイト:稼働時のみ支払1千円/時)
コスト計
収入
サービス利用世帯(世帯/日)①
サービス利用時間(時/日)②
サービス利用時間 20日/月稼働(時/月)③
収入 2,100円/時:用賀商店街モデル(万円)②*③
【オ】モデル
1
50.0
2.0
30.0
3.0
25.0
15.0
125.0
2
3
2.0
2.0
3.0
25.0
15.0
45.0
3.0
25.0
15.0
45.0
4
2.0
30.0
3.0
25.0
18.0
78.0
コスト
(万円)
本格運用
コスト計
収入
サービス利用世帯(世帯/日)①
サービス利用時間(時/日)②
サービス利用時間 20日/月稼働(時/月)③
収入 2,100円/時:用賀商店街モデル(万円)②*③
【オ】モデル
5
2年目(本格運用)
6
7
8
2.0
3.0
25.0
18.0
48.0
5.0
5.0
5.0
6.0
6.0
7.5
7.5
7.5
9.0
9.0
150.0 150.0 150.0 180.0 180.0
31.5 31.5 31.5 37.8 37.8
収支
光熱費
広告宣伝費
通信費
給料(正スタッフ)
賃金(アルバイト:稼働時のみ支払1千円/時)
1年目(試験運用)
6
7
8
10.0
3.0
3.0
3.0
3.0
25.0 25.0 25.0 25.0
6.0
6.0
9.0
9.0
34.0 34.0 47.0 37.0
435.0
2.0
2.0
3.0
3.0
3.0
3.0
4.5
4.5
60.0 60.0 90.0 90.0
12.6 12.6 18.9 18.9
182.7
▲ 252.3
5
1
2.0
30.0
3.0
25.0
24.0
84.0
2
2.0
3
2.0
3.0
25.0
24.0
54.0
3.0
25.0
24.0
54.0
4
2.0
30.0
3.0
25.0
24.0
84.0
8.0
8.0
8.0
8.0
12.0 12.0 12.0 12.0
240.0 240.0 240.0 240.0
50.4 50.4 50.4 50.4
収支
3年間の収支
3.0
25.0
9.0
37.0
10
10.0
3.0
25.0
12.0
50.0
11
12
3.0
25.0
12.0
40.0
3.0
25.0
12.0
40.0
3.0
4.0
4.0
4.0
4.5
6.0
6.0
6.0
90.0 120.0 120.0 120.0
18.9 25.2 25.2 25.2
9
10
11
12
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
30.0
30.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0
18.0 21.0 21.0 21.0 24.0 24.0 24.0
48.0 81.0 51.0 51.0 84.0 54.0 54.0
764.0
6.0
7.0
7.0
7.0
8.0
8.0
8.0
9.0 10.5 10.5 10.5 12.0 12.0 12.0
180.0 210.0 210.0 210.0 240.0 240.0 240.0
37.8 44.1 44.1 44.1 50.4 50.4 50.4
491.4
▲ 272.6
3年目(本格運用)
5
6
7
8
9
10
11
12
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
2.0
30.0
30.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
3.0
25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0 25.0
24.0 24.0 24.0 24.0 24.0 24.0 24.0 24.0
54.0 54.0 84.0 54.0 54.0 84.0 54.0 54.0
768.0
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
8.0
12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0
240.0 240.0 240.0 240.0 240.0 240.0 240.0 240.0
50.4 50.4 50.4 50.4 50.4 50.4 50.4 50.4
604.8
▲ 163.2
▲ 688.1
24
9
(2)商店街買い物弱者対策事業の施策の提案
「検討 2 :宅配サービス②(お届けサービス)」事業及び「検討 4 :御用聞(便利
屋)」事業の 2 事例を成功に導くための具体的な施策について提案する。
なお、「検討 1 :宅配サービス①(注文宅配)」については、採算があわず、事
業を継続して実施することが困難と判断されるため、「検討 3 :掲示板やポスティ
ングチラシ等を用いた商店街 PR(高齢者向け告知)」については、同時に商店街自
体の新たな魅力を提供することができなければこの事業単独では直接買い物弱者
への対策には結びつき難いと判断されるため、それぞれ提案から除外した。
提案 1)
宅配サービス②(お届けサービス)
P.15∼p.19 の内容により、基本的には事業としての継続性は厳しいものと判断
した。
ただし、既存の商店街事務所機能(事務所スペース、事務員)が活用可能な場合
や、商店街に米屋・酒屋等、宅配が通常業務に含まれる店舗があり、当該店舗の店
主の協力を得られる場合など、本サービスに要するコストの削減が望める商店街に
ついては、事業の採算性について確保可能と考えられる部分もあることから、事前
に十分なマーケティング調査を実施することが適当と考えられる。事業の実施はマ
ーケティング調査の結果次第になると考えられる。
既存の補助制度
商店街によるマーケティング調査実施においては、世田谷区活力ある商店街育成
事業補助金「計画策定事業及び調査・研究事業」にてすでに補助対応している。
事業区分
表4
宅配サービス②(お届けサービス)マーケティングに関する既存の補助制度
補助対象事業
商店街活性化事業︵
ソフト事業︶
3 計画策定事業
及び
調査・研究事業
(商店街振興プラ
ン策定、活性化委
員会開催、来街
者調査、購買行
動調査、商店街
事業導入調査及
び振興組合化等
促進等)
一事業あたりの
補助限度額
補助率
補助対象経費が100万円以内の場合は1/2以内
補助対象経費が100万円を超える場合は1/3以内
ただし、
① 東京都新・元気を出せ!商店街事業費補助金交付要綱(平成1
5年3月26日14産労商地第1643号)に基づき交付決定を受
けた事業については
2/3以内
② ①かつ新たに振興組合化した商店街については 1 年度間のみ
5/6以内
③ 生活支援拠点型商店街、特定施策推進型商店街の当該指定に
かかる指定通知書に記載された事業については5/6以内
④ 区単独補助の生活支援拠点型商店街の、当該指定にかかる指
定通知書に記載された事業については5/6以内
⑤ 地域連携型商店街については4/5以内
⑥ 買物弱者支援モデル事業については5/6以内
⑦ 国の補助金交付決定を受けた商店街については
7/30以内
25
補助対象経費
50,000千円
① 100,000千円
② 125,000千円
③ 125,000千円
④ 1,020千円
(初年度は510千円)
⑤ 200,000千円
⑥ 16,666千円
⑦ 70,000千円
賃金、報償費、需用費
(会議費を除く。)、役
務費、委託料、賃借料
(コミュニティ施設等賃借
料を除く。)、備品購入
費及び負担金
補助制度の過不足判定
マーケティング調査は住民アンケート調査、既存事例調査等で概ね 300 万円程度
と考えられる。補助率を 2/3 とすると、補助金額は 200 万円であり、補助制度として
充実した金額であると考えられることから既存の補助制度を活用するものとする。
提案 2)
御用聞(便利屋)
P.21∼p.23 の内容により、基本的には事業としての継続性は厳しいものと判断
した。
御用聞(便利屋)事業の継続にあっては、サービスの提供メニューの拡充やそれ
に伴う料金設定により、事業の採算性の確保が可能と考えられる部分もあることか
ら、事前に十分なマーケティング調査を実施することが適当と考えられる。事業の
実施はマーケティング調査の結果次第になると考えられる。
既存の補助制度
商店街によるマーケティング調査実施においては、世田谷区活力ある商店街育成事
業補助金「計画策定事業及び調査・研究事業」にてすでに補助対応している。
事業区分
表5
補助対象事業
御用聞(便利屋)マーケティングに関する既存の補助制度
一事業あたりの
補助限度額
補助率
商店街活性化事業︵
ソフト事業︶
補助対象経費が100万円以内の場合は1/2以内
補助対象経費が100万円を超える場合は1/3以内
ただし、
⑧ 東京都新・元気を出せ!商店街事業費補助金交
付要綱(平成15年3月26日14産労商地第1643
号)に基づき交付決定を受けた事業については
3 計画策定事業及び
2/3以内
調査・研究事業
⑨ ①かつ新たに振興組合化した商店街については 1
年度間のみ5/6以内
(商店街振興プラン策定、 ⑩ 生活支援拠点型商店街、特定施策推進型商店街
活性化委員会開催、来街
の当該指定にかかる指定通知書に記載された事
者調査、購買行動調査、
業については5/6以内
商店街事業導入調査及
⑪ 区単独補助の生活支援拠点型商店街の、当該指
び振興組合化等促進等)
定にかかる指定通知書に記載された事業について
は5/6以内
⑫ 地域連携型商店街については4/5以内
⑬ 買物弱者支援モデル事業については5/6以内
⑭ 国の補助金交付決定を受けた商店街については
7/30以内
26
補助対象経費
50,000千円
⑧ 100,000千円
⑨ 125,000千円
⑩ 125,000千円
⑪ 1,020千円
(初年度は510千円)
⑫ 200,000千円
⑬ 16,666千円
⑭ 70,000千円
賃金、報償費、需用費
(会議費を除く。)、役
務費、委託料、賃借料
(コミュニティ施設等賃借
料を除く。)、備品購入
費及び負担金
補助制度の過不足判定
マーケティング調査は住民アンケート調査、既存事例調査等で概ね 300 万円程度
と考えられる。補助率を 2/3 とすると、補助金額は 200 万円であり、補助制度として
充実した金額であると考えられることから既存の補助制度を活用するものとする。
参考
さらに、マーケティング調査の結果、買い物弱者対策事業として実施することとなっ
た際には、既存の以下の補助制度を活用することにより、スタートアップ時の商店街負
担経費を 1/6 に抑えることが可能である。
表6
宅配サービス②(お届けサービス)および御用聞(便利屋)に関する
既存の補助制度
事業名
商店街施設
整備事業
(ハード事業)
内容
補助率
商店街共同施設の
整備・改修・撤去
⑥東京都買物弱者支援モデル事
業費補助金交付要綱(平成24
年4月1日23産労商地第2748
号)に定める買物弱者支援モデ
ル事業のモデル指定を受けた商
店街事業(以下「買物弱者支援
モデル事業」という。)については
5/6以内
販売促進等事業
⑥買物弱者支援モデル事業につ
いては5/6以内
計画策定事業及び
調査・研究事業
⑥買物弱者支援モデル事業につ
いては5/6以内
1 事業
あたり
補助限度額
補助対象経費
16,666 千円
賃金、報償費、需用費、役務費、委
託料、賃借料、工事請負費、備品
購入費、負担金及び完成記念イベ
ント経費
16,666 千円
賃金、報償費、需用費(会議費を除
く。)、役務費、委託料、賃借料、工
事請負費、備品購入費、負担金及
び完成記念イベント等経費
16,666 千円
賃金、報償費、需用費(会議費を除
く。)、役務費、委託料、賃借料、工
事請負費、備品購入費、負担金及
び完成記念イベント等経費
商店街
活性化事業
(ソフト事業)
27
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