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第2【事業の状況】

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第2【事業の状況】
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
①
第16期(自
平成15年5月1日
至
平成16年4月30日)
当事業年度におけるわが国経済は、当初は株価の低迷、イラク攻撃問題、SARS不安等のマイナス要因
により、一時的に企業・消費マインドが停滞したものの、設備投資に牽引されて基本的に緩やかな景気回復
傾向が持続、中盤には雇用・所得環境の悪化に歯止めがかかり、デジタル家電の販売増加が顕在化する等消
費マインドが改善したことに加え、輸出全体の伸びが高まったほか、国内での設備投資・耐久消費財需要も
一段と回復し、11月には政府も月例経済報告で「景気持ち直し」を宣言、年度末にかけては株価も上昇局面
に入り、景気は設備投資と輸出に支えられ、企業部門の改善に広がりが見られました。
当社の属する通信業界におきましては、移動体通信分野では高画質カメラ付携帯端末、第三世代携帯端末
等の高機能端末機器が新たな需要を喚起し、平成15年度(平成15年4月から平成16年3月まで)の移動電話
国内出荷数量が51,015千台(前年度比115.4%)と平成12年度(平成12年4月から平成13年3月まで)の
54,586千台に次ぐ水準となる等、買替需要を中心として堅調に推移してまいりました。また、固定通信分野
におきましても、ADSL等の高速大容量通信回線サービスやIP電話サービス等が引続き普及した他、F
TTHも都心部の一般家庭を中心に普及が始まり、ますます活況を帯びて参りました。
(注)上記の移動電話国内出荷数量は、社団法人電子情報技術産業協会ホームページから引用
(移動体通信関連事業)
移動体通信関連事業におきましては、携帯電話およびPHSの加入者は平成16年3月末現在で約8,665万
人、普及率にして67.8%(総務省発表の平成16年4月1日現在の人口概算値12,771万人を分母として算出)
に達し、年間契約増加数は移動体端末機器の普及と共に伸び率が低下してきております。このような状況の
中、当社と致しましては売上高の拡大と収益の確保を目指し、直営店舗の展開と店舗運営におけるローコス
トオペレーションの徹底を実施いたしました。その結果、売上高は携帯電話・PHSを合わせ10,116百万円
(200,332台)と前事業年度9,668百万円(188,183台)を448百万円(前年同期比12,149台増)増加、率にして
4.6%上回る結果となりました。
(注)上記の携帯電話およびPHSの加入者数は、社団法人電気通信事業者協会のホームページから引用
(固定通信関連事業)
固定通信関連事業におきましては、ADSL等の大容量高速データ伝送サービスが引続き普及する等、通
信ネットワーク基盤整備の流れの中でインフラの利用権たる「電話加入権」に対する顧客のニーズが一層高
まったことにより取扱数量が増加し、販売数量は54,104回線と前年同期比10,354回線増加しました。売上高
につきましては、販売価格の低価格化により電話加入権販売にかかる売上高は微減となった一方、ADS
L・マイライン等の加入電話サービスに付加されるサービスの取扱を強化したことにより、受取手数料収入
は242百万円と前年同期比147百万円増加しました。また、電話加入権仕入においては平成15年12月に「電話
加入権料の廃止を検討」する旨の新聞報道がなされたことを契機として電話加入権の市場価値が下落し、事
業年度末にかけて調達コストが徐々に低下したことも、当社の利益に貢献いたしました。
これらの結果、売上高は1,703百万円(54,104回線)と前期1,396百万円(43,750回線)を307百万円(前年同期
比10,354回線増)増加、率にして22.0%上回ることとなりました。
(その他)
その他売上におきましては、レンタル事業売上高は減少しましたが、リユース事業におけるWEBチャネ
ルの展開、移動体通信機器販売を行う直営店に通信とかかわりの深いゲーム機器・ゲームソフト等の新商材
を投入したことにより前期を上回る結果となりました。
− 15 −
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この結果、当期の業績につきましては、売上高は12,149百万円と前事業年度に比べ778百万円(前年同期
比6.9%増)の増加となりました。損益につきましては、移動体通信関連事業の売上総利益率の低下等によ
り利益率を圧迫し、固定通信関連事業による下支えがあったものの、経常利益は335百万円(前年同期比
6.1%減)と前期に比べ21百万円の減少となりました。当期純利益に関しましては、レンタル電話加入権の
売却損を計上した結果、162百万円と前期に比べ636千円(前年同期比0.4%減)の減少となりました。
なお、事業部門別の売上高の内訳は次表のとおりとなっております。
事業部門別売上高の内訳
区分
平成16年4月期
構成比
平成15年4月期
平成16年4月期
千円
千円
千円
%
①受取手数料収入
7,644,594
8,404,878
760,283
69.18
②通信機器販売
2,023,697
1,711,745
△311,952
14.09
9,668,292
10,116,623
448,331
83.27
①電話加入権販売
1,301,062
1,461,277
160,215
12.03
②受取手数料収入
95,086
242,587
147,500
1.99
1,396,149
1,703,864
307,715
14.02
306,152
329,097
22,945
2.71
11,370,593
12,149,586
778,992
100.00
(1)移動体通信関連事業
小計
増減額
(2)固定通信関連事業
小計
(3)その他
売上合計
(注)
②
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
第17期中間会計期間(自 平成16年5月1日
至
平成16年10月31日)
当中間会計期間におけるわが国経済は、原油価格の上昇等のマイナス要因があったものの、輸出および設
備投資の増加に支えられ、企業部門においては景気の回復傾向を維持し、企業収益は大幅な改善が見られま
した。一方、個人消費も雇用情勢に厳しさが残るものの改善が進み、緩やかな回復基調となりました。
当社の属する移動体通信業界におきましては、高画質カメラ付携帯電話等の高機能携帯電話の普及が一巡
し、買替需要が沈静化いたしましたが、固定通信業界におきましては引続きADSL等のブロードバンドサービ
スが順調に契約者を伸ばしました。
このような事業環境のもとで、当社は直営店に対する指導機能の強化、既存店の一部改装等、販売力の強
化に取組み、固定通信に関するコンサルティング業務の提供拡大等販売体制を充実し、一層の収益力の向上
を図りました。
これらの結果、当中間会計期間の業績は、売上高6,039百万円となり、経常利益300百万円、中間純利益は
143百万円となりました。
− 16 −
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(2)キャッシュ・フロー
①
第16期(自
平成15年5月1日
至
平成16年4月30日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が292百万円
(前事業年度の税引前当期純利益は302百万円)とその減少は僅かであったものの、貸倒引当金の大幅な減
少、法人税等の支払額の増加、店舗設備および差入保証金の差入による支出の増加により、前事業年度に比
べ84百万円減少し、当事業年度末には113百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、営業活動の結果使用した資金は、19百万円(前事業年度は59百万円の獲得)となり
ました。これは主として、税引前当期純利益として292百万円を計上したものの、売上債権が134百万円、た
な卸資産が160百万円それぞれ増加し、法人税等の支払が183百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、投資活動の結果使用した資金は、122百万円(前事業年度は141百万円の使用)とな
りました。これは主として、本社事務所の移転および直営店舗の閉鎖に伴う差入保証金の返還による収入が
66百万円ありましたが、直営店舗の新設、改装および大阪本社移転に伴う固定資産の取得による支出が141
百万円、差入保証金の差入による支出24百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動の結果得られた資金は、57百万円(前事業年度は44百万円の獲得)となり
ました。これは主として、長期借入金の返済による支出153百万円、社債の償還による支出100百万円があり
ましたが、短期借入金の増加165百万円、長期借入金による収入200百万円があったことによるものです。
②
第17期中間会計期間(自 平成16年5月1日
至
平成16年10月31日)
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前中間純利益が245百万
円となりましたが、一部を借入金の返済等に充当した結果、当中間会計期間末には135百万円となりました。
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動の結果得られた資金は482百万円となりました。
これは主に、固定通信関連事業が好調であったこと等により税引前中間純利益が245百万円計上されたこ
と、および売上債権が246百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動の結果使用した資金は50百万円となりました。
これは主に、既存店改装等に伴う固定資産の取得による支出40百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動の結果使用した資金は410百万円となりました。
これは、利益処分による配当金の支払額54百万円および借入の返済による支出356百万円によるものであ
ります。
− 17 −
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2【仕入及び販売の状況】
(1)仕入実績
第16期事業年度及び第17期中間会計期間の仕入実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別
(自
至
第16期
平成15年5月1日
平成16年4月30日)
前年同期比(%)
第17期中間会計期間
(自 平成16年5月1日
至 平成16年10月31日)
移動体通信関連事業(千円)
8,510,485
106.6
3,844,930
固定通信関連事業(千円)
1,060,436
110.6
350,576
295,546
127.1
236,987
9,866,467
107.5
4,432,494
その他(千円)
合計(千円)
(注)
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
第16期事業年度及び第17期中間会計期間の販売実績を事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別
(自
至
第16期
平成15年5月1日
平成16年4月30日)
移動体通信関連事業(千円)
固定通信関連事業(千円)
その他(千円)
合計(千円)
前年同期比(%)
第17期中間会計期間
(自 平成16年5月1日
至 平成16年10月31日)
10,116,623
104.6
4,614,838
1,703,864
122.0
1,188,943
329,097
107.5
236,183
12,149,586
106.9
6,039,965
(注)1.第15期、第16期事業年度及び第17期中間会計期間の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販
売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
第15期
(自 平成14年5月1日
至 平成15年4月30日)
金額(千円)
割合(%)
第16期
(自 平成15年5月1日
至 平成16年4月30日)
金額(千円)
割合(%)
第17期中間会計期間
(自 平成16年5月1日
至 平成16年10月31日)
金額(千円)
割合(%)
株式会社ダイヤモンドテ
レコム
3,850,472
33.9
5,075,048
41.8
2,382,470
39.4
ボーダフォン株式会社
1,734,884
15.3
1,413,146
11.6
651,211
10.8
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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3【対処すべき課題】
今後の経済見通しにつきましては、企業部門の収益に改善が見られ、引続き設備投資と輸出に支えられ着実に
回復に向かうものと予測されますが、個人消費は持ち直しているものの本格的な回復はなおも不透明な状況であ
ります。当社と致しましては、このような景況に鑑み以下の事項を今後の課題と考え対処して参りたいと考えて
おります。
(1)移動体通信関連事業
普及率が一層高まり、新規需要は減少の傾向にあり「成熟した市場」であるとの見方がありますが、新商品
および高機能端末への買替需要は堅調に推移するものと予測されます。当社においては、この買替需要と減少
する新規需要の確実な取込みが、当事業の課題であると認識しており、新情報通信ショップ「e−BoooM
ショップ」の関西圏および首都圏への出店を積極的に展開、既存店の「e−BoooMショップ」への転換に
より通信関連商品およびサービスの取扱いを拡大し、新たな顧客を誘致することで、販売シェアを拡大してい
く方針であります。
(2)固定通信関連事業
将来的に電話加入権料が廃止される可能性が高いことから、当社においては引続き電話加入権販売を行う一
方で、加入電話サービスに付加されるADSLやマイライン等の通信サービス(以下「付加サービス」とい
う)の取扱いを一層拡大し、これまで以上に電話加入権販売に依存しない収益体制の構築が急務と考えており
ます。当社は、これらの懸案事項に対して既に対策を講じ平成16年4月期における前述の付加サービス取扱い
による売上高は242百万円と、前年を147百万円(前年比155.1%増加)上回る実績を残しておりますが、より
一層の強化により、固定通信に関する総合的なサービス提供事業へと転換を図る方針であります。
(3)その他の事業
当社は、中核事業である移動体通信関連事業および固定通信関連事業の他に、事業拡大のための多角化戦略
で経営の柱となる新たな事業が必要と考えております。当社は、店舗運営等に関するノウハウを利用して平成
14年6月に「リユース事業」に参入し、徐々に実績を挙げてきております。今後はWEBチャネルの強化等に
より販売機会を大幅に増加させ、売上拡大を図る方針であります。
− 19 −
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4【事業等のリスク】
以下においては、当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると
考えられる主要な事項について記載を行っております。またその他の事項であっても、投資者の判断に重要な影
響を及ぼすと考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示を行っております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合においては適切な対応に努
める方針でありますが、投資判断を行われるにあたっては本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に
検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日(平成17年3月3日)現在において当
社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)当社の収益構造について
当社の事業別の売上高構成は下記のとおりとなっており、売上高全体に占める移動体通信関連事業の構成比
が平成16年4月期で83.3%、平成16年10月中間期で76.4%と相対的に高いものとなっております。当社では今
後、新しいストアコンセプトである「e−BoooMショップ」を展開し、オンラインゲームが可能なゲーム
機や周辺機器、ゲームソフトの販売に注力することや、固定通信関連事業における受取手数料収入の獲得、そ
の他の事業におけるインターネット通信販売事業(インターネットショッピングモールを活用したリサイクル
商品やアウトレット商品の販売)を伸ばしていくことにより、収益機会の拡大に努める方針でありますが、当
面は売上高全体に占める同事業の売上構成比が高い状態が継続するものと考えられます。当社業績は移動体通
信関連事業の業績に大きな影響を受けており、同事業の業績が悪化した場合、当社業績に悪影響を及ぼす可能
性があります。
一方、利益面から見た場合、移動体通信関連事業は相対的に利益率が低く、固定通信関連事業は相対的な利
益率が高いものとなっており、利益面における移動体通信関連事業への依存度は低下します。また、近年は移
動体通信機器端末の高性能・高機能化等により端末仕入価格が上昇する傾向にありますが、同業者間との競合
等の影響により仕入価格の上昇分を十分に販売価格に転嫁しにくい状況となっており、移動体通信関連事業の
利益率については低下する傾向となっております。今後、移動体通信関連事業の利益率の悪化による利益の減
少分を他事業の利益の増加分で補うことができなかった場合、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(単位:千円)
平成15年4月期
平成16年4期期
構成比(%)
売上高
平成16年10月中間期
構成比(%)
構成比(%)
11,370,593
100.0 12,149,586
100.0
6,039,965
100.0
移動体通信関連事業
9,668,292
85.0 10,116,623
83.3
4,614,838
76.4
通信機器販売
2,023,697
17.8
1,711,745
14.1
647,277
10.7
受取手数料収入
7,644,594
67.2
8,404,878
69.2
3,967,561
65.7
1,396,149
12.3
1,703,864
14.0
1,188,943
19.7
電話加入権販売
1,301,062
11.4
1,461,277
12.0
758,546
12.6
受取手数料収入
95,086
0.8
242,587
2.0
430,396
7.1
306,152
2.7
329,097
2.7
236,183
3.9
固定通信関連事業
その他
(注)
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
− 20 −
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(2)移動体通信関連事業の運営上のリスクについて
①
同事業の事業モデルについて
当社の移動体通信関連事業では直営店を主たる販売チャネルとして移動体通信機器端末の販売を行ってお
りますが、移動体通信機器端末はメーカーから直接仕入れているのではなく、移動体通信事業者(以下、移
動体キャリアという)がメーカーから一括して買い上げ一次代理店に卸しており、当社においては移動体
キャリアや一次代理店から移動体通信機器端末を仕入れております。また、移動体通信機器端末については
主に一般消費者に販売を行っておりますが、移動体電話サービスの申し込み取次ぎにかかる対価として移動
体キャリアや一次代理店から基本手数料や継続手数料等の受取手数料を収受しております。一般的に販売代
理店は仕入価格を下回る価格で移動体通信機器を一般消費者に販売しておりますが、移動体通信サービスの
加入契約を取り次ぐことにより移動体キャリアや一次代理店より受取手数料を収受しているため、一連の取
引全体としては利益が確保できる仕組みになっております。
②
移動体通信機器端末の値引販売について
当社においても移動体キャリアや一次代理店から収受する受取手数料を原資として仕入価格を下回る価格
で移動体通信機器端末を販売しておりますが、受取手数料の料率等の支払条件は移動体キャリアや一次代理
店と当社との交渉で決定されるため、受取手数料収入の売上高は移動体キャリアや一次代理店の手数料政策
に影響を受けます。また受取手数料の料率等の支払条件は毎月見直しが行われており、支払条件の変更頻度
が高いものとなっております。
業界における一般的な傾向として受取手数料率は近年低下する傾向にありますが、将来において手数料率
が現状よりも引き下げられた場合、当社は利益を確保するため販売価格の引き上げを行う必要があります。
しかしながら、携帯電話の加入者数は8千万人を超え、新規加入の需要については鈍化し、競合他社との競
合が激化しており、価格競争等により手数料率の引き下げ分を十分に販売価格に転嫁することが出来ない可
能性があり、利益率が悪化する可能性があります。また販売価格を引き上げた場合においては、顧客の購買
意欲が減退することにより販売台数が減少し、売上高が減少する可能性があり、その場合、当社業績に悪影
響を及ぼす可能性があります。
(注)上記の携帯電話の加入者数は、社団法人電気通信事業者協会のホームページから引用
③
手数料体系の変化について
受取手数料収入には主に基本手数料と継続手数料とがあり、基本手数料は販売台数等に応じて支払われる
手数料で、販売した時点で売上高に計上されます。また継続手数料は当社経由で販売された端末のユーザー
が移動体キャリアに支払う基本料金および通話料に応じて支払われる手数料であり、当該ユーザーが契約を
継続している間、最長で6年間支払われることとなります。現在の手数料体系はこのようなものとなってお
りますが、今後この手数料体系が変化した場合、場合によっては受取手数料が減少する可能性があり、当社
業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
今後においては第三世代携帯電話サービス(※1)の普及やナンバーポータビリティ制度(※2)の導入
が予定されており、機種変更や乗換需要が高まることが期待される反面、ナンバーポータビリティ制度が導
入されること等で移動体キャリアや一次代理店の手数料政策が大幅に変更され、手数料体系が変更されたり
手数料率が低下し、当社業績に悪影響を及ぼす可能性については否定できません。当社は移動体キャリアや
一次代理店の手数料体系が変更された場合、その手数料体系下で最も効率的に収益を獲得できるよう、販売
戦略やビジネスモデル等について検討していく方針でありますが、ナンバーポータビリティ制度の導入等に
よる移動体キャリアや一次代理店の手数料政策の変化の方向性や影響を現時点で予測することは不可能であ
り、また当社がそれに適切に対応できるかどうか、現状では不明であります。ナンバーポータビリティ制度
の導入等により、当社の収益構造が大幅に変化する可能性や営業政策の大幅な変更を余儀なくされる可能性
があり、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※1
第三世代携帯電話サービス
ITU(国際電気通信連合)によって定められた「IMT-2000」標準に準拠したデジタル携帯電話サービ
スのことで、高速なデータ通信やマルチメディアを利用した各種のサービスなどが提供されております。
− 21 −
(21) / 2005/02/28 9:11 (2005/02/28 9:11) / 2k_04220384_05第2事業_os2日本テレホン_目論見書.doc
※2
ナンバーポータビリティ制度
携帯電話の電話番号を変更せずに移動体キャリアを変更できる制度で、平成18年度中に実施される見
通しとなっております。
④
需要の変化について
当社の移動体通信関連事業の売上高は、移動体通信機器端末の販売や移動体キャリア・一次代理店からの
受取手数料収入が主なものであり、携帯電話・PHS等の移動体通信機器・サービスの新規加入の需要や機種
変更の需要、他の移動体キャリアへの乗換需要に影響を受けております。過去においては、アナログ携帯電
話からデジタル携帯電話への移行、インターネット接続機能付端末の発売、液晶のカラー化、カメラ付携帯
電話等の発売により消費者の需要を喚起し、当社業績にもプラスの影響を与えてきております。
近年、携帯電話の加入者数は8千万人を超えてきており、新規加入の需要については鈍化しております。
今後については機種変更や他の移動体キャリアへの乗換需要が中心となるものと考えられますが、デザイン
や機能の面で消費者にとって魅力ある端末・サービスが継続的に市場に投入されなかった場合、消費者の機
種変更や他の移動体キャリアへの乗換の需要が減退する可能性があり、その場合、当社業績に悪影響を及ぼ
す可能性があります。
(注) 上記の携帯電話の加入者数は、社団法人電気通信事業者協会のホームページから引用
⑤
短期解約時の手数料の返戻について
当社が顧客に対し移動体通信機器端末を販売後、6ヶ月以内に顧客が解約を行った場合、当社は移動体
キャリアや一次代理店に対し、当該顧客への販売に係り当社が受け取った基本手数料の一部について、契約
から解約までの期間に応じて返還しなければならない契約となっております。なお、基本手数料の戻し高は
平成16年4月期173,036千円となっております。将来において何らかの要因により6ヶ月以内の短期に解約
する顧客が急激に増加した場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社では顧客が6ヶ月以上利用することを前提に販売価格を設定しており、顧客が6ヶ月以内に解約
を行った場合は、赤字の取引となってしまう可能性があります。当社では顧客に対して無理な販売は行わな
いことや、長期契約割引サービスの加入を促進することで短期解約の防止に努めてはおりますが、6ヶ月以
内の短期に解約する顧客が急激に増加した場合、利益率が悪化し、当社業績に影響を及ぼす可能性がありま
す。
なお、第17期事業年度の中間会計期間(平成16年5月1日から平成16年10月31日まで)から、契約件数お
よび解約件数の増加により短期解約に係る返戻金の重要性が増していること、短期解約データの整備に伴い
将来の短期解約による返戻金を合理的に見積ることが可能となったことから、短期解約返戻金見込額を引当
計上しております。
⑥
主要な販売先について
当社の主要な販売先は下記のとおりとなっており、NTTドコモの一次代理店である㈱ダイヤモンドテレコ
ムとボーダフォン㈱向けの売上高が相対的に大きいものとなっております。これら2社に対する売上高の内
容はいずれも移動体通信関連事業における受取手数料収入でありますが、これら2社に対する売上高が大き
くなっているのはNTTドコモ製品やボーダフォン製品の取扱高が他の移動体キャリア製品に比べて大きいこ
とによります。当社では併売店の出店を中心としており、特定キャリアの専売店の出店に注力する戦略は
採ってはおりませんが、顧客ニーズに合った製品の提供を行った結果、これら2社に対する売上高が高まっ
たものであります。
− 22 −
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平成16年4月期
平成15年4月期
相手先
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
平成16年10月中間期
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
株式会社ダイヤモンドテレコム
3,850,472
33.9
5,075,048
41.8
2,382,470
39.4
ボーダフォン株式会社
1,734,884
15.3
1,413,146
11.6
651,211
10.8
(注)
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)固定通信関連事業の運営上のリスクについて
①
同事業の事業モデルについて
当社の固定通信関連事業では家電量販店等を主たる販売チャネルとして、主に電話加入権(※3)の販売
を行っており、売上は電話加入権販売と受取手数料収入から構成されています。電話加入権とは施設設置負
担金を支払うことで得られる加入電話サービス(※4)の提供を受けられる権利を言いますが、当社ではこ
の電話加入権を仕入れて販売しており、仕入価格と販売価格の価格差が当社の利益となっております。また、
主に電話加入権の販売時に、付加サービス(キャッチホン、ナンバーディスプレイ等)やマイライン登録、
ADSL等を受注し、これを固定通信事業者(以下、固定系キャリアという)に取り次ぐことにより、固定系
キャリアから受取手数料等を収受しております。
※3
電話加入権とは
一般電話回線を引く場合、NTT地域会社に対して施設設置負担金(平成17年2月まで72,000円、平成
17年3月以降36,000円、税抜き)等を支払い、加入電話契約を締結する必要があります。施設設置負担
金とは加入者回線部分の新規架設工事に要する費用であり、施設設置負担金を支払うことにより契約者
は加入電話契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利が得られます。この権利のことを一般的に電話
加入権と呼んでおります。電話加入権は譲渡が可能であり、経済的価値を有していると考えられること
から、売買の対象とされ質権設定の対象にもなっております。
※4
加入電話サービスを受けるには
消費者がNTTの一般電話回線を引く場合、現時点においては以下の3通りの方法が考えられます。
a)NTT地域会社に対して施設設置負担金を支払い加入電話契約を締結する。
b)当社のような電話加入権売買業者を通じて電話加入権を購入する。
c)施設設置負担金は不要だが月額基本料金が高い(平成17年2月まで月額640円、平成17年3月以降月
額250円、税抜き)ライトプランを申し込む。
前述のように、一般電話回線を引く場合、NTT地域会社に対して施設設置負担金等を支払い加入電話契約
を締結する必要がありますが、電話加入権については譲渡可能なことから電話加入権売買業者を通じて電話
加入権を購入し、加入電話契約を締結することもできます。また、施設設置負担金を不要とする代わりに毎
月の基本料金を上乗せするライトプランがデジタル電話回線については平成9年から、アナログ電話回線に
ついては平成14年から提供されており、同プランに申し込むことで加入電話サービスの提供を受けることも
可能です。
− 23 −
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②
施設設置負担金の廃止について
加入電話サービス申し込み時にNTT地域会社に支払う施設設置負担金の意義は元来、加入電話の早期普及
のための設備投資資金の調達にありましたが、既に電話網が全国に整備された今日においては新規架設は減
少しており、その意義は失われつつあります。また、加入時の費用が高いことが新規加入や回線増設を妨げ
ている可能性も指摘されております。特に近年、急速に普及した携帯電話・PHS等移動体電話の加入コスト
は比較的安価であり、施設設置負担金の加入コストの割高なことが目立ってきており、携帯電話のみで十分
とする消費者も増加しております。このような現状を踏まえて平成16年10月19日に情報通信審議会から総務
省に対し、「平成17年度以降の接続料算定の在り方について」という答申が提出されております。答申によ
ると施設設置負担金は既に本来の意義を失っており、NTT東西が今後の競争環境へ対応するための料金戦略
として廃止も選択肢とした見直しを行いたい場合については容認すべきであるとの考えが提示されています。
これを受けてNTT東西では平成16年11月5日「施設設置負担金の見直しについて」において、施設設置負担
金をこれまでの72,000円(税抜き)から36,000円へ、ライトプランの加算額をこれまでの月額640円(税抜
き)から250円へ平成17年3月1日より値下げしております。電話加入権は加入電話契約を解除しても返還
はされないものとされていることや、電話加入権は減価償却のできない無形固定資産として企業の貸借対照
表上に計上されていること、多くの一般家庭に保有されていることを勘案すると、施設設置負担金の廃止に
当たっては社会的な影響が大きいことが予想されますが、十分な周知期間や段階的な廃止等、一定の配慮が
なされた上で将来的には廃止されるものと考えられます。
③
電話加入権の売買価格の推移について
電話加入権の売買取引価格の推移(総務省調べ)は下記のとおりとなっており、総務省やNTTにより施設
設置負担金の廃止が検討されていることもあって販売価格は低下する傾向となっております。しかしながら、
当社では販売価格の水準や今後のトレンドを勘案して仕入価格を決定しており、販売価格に合わせて仕入価
格についても低下させ、利益を確保しております。ただし、将来において電話加入権の価値が当社の予測よ
りも急激に低下した場合、当社が保有している電話加入権の在庫の平均単価と販売価格の価格差が縮小する
可能性や在庫の平均単価よりも販売価格を下げざるを得なくなる可能性があり、当社業績に悪影響を及ぼす
可能性があります。
電話加入権売買取引価格の推移(総務省調べ)
60,000円
50,000円
40,000円
30,000円
20,000円
10,000円
0円
H7.3
H8.3
H9.3
H10.3
H11.3
H12.3
H13.3
H14.3
H15.3
※仲値気配値(買値と売値の中間相場)
− 24 −
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H16.3 H16.10 H16.11
④
資産として保有している電話加入権について
当社は自社利用の電話加入権以外にも販売用として電話加入権を保有しており、平成16年4月期末の販売
用電話加入権は142,909千円(総資産額の4.2%)、電話加入権19,197千円(同0.6%)、レンタル用電話加
入権2,293千円(同0.1%)、平成16年10月中間期末の販売用電話加入権は38,628千円(総資産額の1.3%)、
電話加入権19,197千円(同0.6%)レンタル用電話加入権2,223千円(同0.1%)であります。
施設設置負担金の廃止が公表されたとしても、その社会的影響の大きさから利用者への説明や周知徹底の
ため、実際の廃止までには相当の期間が置かれるものと当社では予想しており、その間に制度の変化には十
分対応することができるものと当社では考えております。また電話加入権と電話加入権不要のライトプラン
との間には月額基本料金の差(平成17年2月まで月額640円、平成17年3月以降月額250円、税抜き)が存在
しており、廃止が決定されても「月額基本料金の差額×実際の廃止までの月数」の経済的価値が電話加入権
にはあり、その経済的価値は時間の経過とともに減少していくものと考えられ、電話加入権がすぐに無価値
化する可能性は少ないと当社では考えております。
当社では現在においても顧客のニーズが存在することから、電話加入権の取扱いを継続していく方針であ
ります。当社では必要以上の在庫は保有せず、仕入単価も低く抑え、損失が発生したとしても最小限に留め
るよう努めておりますが、施設設置負担金の廃止の動向が当社の想定通りとなる保証はなく、制度の変化に
適切に対処できるかどうかについても現時点では不明であります。また現在は電話加入権とライトプランと
の間には月額基本料金に差がありますが、ライトプランが廃止される可能性や価格差が縮小する可能性につ
いては否定できません。その場合、当社の保有する電話加入権の資産価値が低下または消失することにより
当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤
施設設置負担金の廃止による収益への影響について
施設設置負担金の廃止の動向については上記のとおりでありますが、施設設置負担金廃止後は、当社固定
通信関連事業における電話加入権販売の収益は消失することとなります。
また、施設設置負担金が廃止されるまでの期間においても、既にNTT以外の固定系キャリア(日本テレコ
ム株式会社、KDDI株式会社等)が独自の通信網と通信設備を使用したNTTの加入電話サービスと同様の固定
電話サービス(以下、直収電話サービスという)の提供を開始しており、これらのサービスは高額な施設設
置負担金が不要なうえ、月々の利用料等も割安となっていることから、NTTの提供する加入電話サービスの
価格競争力が急速に低下する可能性があり、施設設置負担金の廃止以前にも顧客の需要が著しく減少し、主
たる販売チャネルである家電量販店等が電話加入権販売の優先度を下げる等した場合は、電話加入権販売の
収益が著しく減少、または無くなる可能性があります。
加えて固定通信関連事業における受取手数料は電話加入権の販売に付随して発生することが多いものと
なっておりますので、電話加入権販売の減少に伴って受取手数料についても減少する可能性があります。以
上のように施設設置負担金が廃止となること等で固定通信関連事業の収益が減少し、当社業績に悪影響を及
ぼす可能性があります。
− 25 −
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⑥
今後の対応方針について
施設設置負担金が廃止されたとしてもNTTが行う加入電話サービスが廃止されるわけではなく、NTTの加入
電話サービスを利用したい顧客はNTTに加入申込を行う必要があります。また、NTT以外の固定系キャリアも
NTTの加入電話サービスと同様の直収電話サービスの提供を開始しております。ADSLを初め各種固定通信
サービスの選択や申し込み、開通に至るまでの諸手続きは事業者毎に相違し複雑であることから、固定通信
サービスへの加入窓口である家電量販店やADSL事業者等においては顧客の利用場所や利用目的、利用料金等
の個別のニーズに応じた固定通信サービスのコンサルティングを実施するにあたっては当社に委託をしてお
ります。当社では家電量販店やADSL事業者等の取次店と提携し、取次店から紹介のあった顧客に対して当社
コールセンター等を利用して固定通信サービス等のコンサルティングを実施、サービスの申し込みから開通
に至るまでの各種手続きの処理を代行する業務への取り組みを既に開始しており、今後同業務の拡大を計画
しております。
このように当社では、これまでの長年にわたる固定通信に関するノウハウの蓄積を活かし、今後は固定通
信関連事業を電話加入権販売を核とする事業から、固定通信に関する総合的なサービス提供事業へと転換す
ることにより受取手数料収入を増加させ、電話加入権販売が無くなることによる収益の減少分を確保してい
く方針であります。しかしながら、このような当社の施策が奏功するか否かについては現時点では不明であ
り、電話加入権販売の収益が消失することにより、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦
電話加入権の仕入について
電話加入権の仕入については、電話加入権が不要になった不特定多数の法人等からの買取という仕入形態
を採用しており、これにより当社は安価に電話加入権を仕入れることが可能になっております。具体的には
電話加入権を比較的多数保有していると考えられる法人等に対して、不要となった回線の売却を働きかけ、
電話加入権の安定的な確保に努めております。
しかしながら、不特定多数の法人等からの買取という仕入形態の特性上、継続して安定的な仕入が行える
とは必ずしも言い難いため、顧客の需要に応じて必要な量の電話加入権が確保できない可能性があります。
その場合、販売を抑制せざるを得なくなり、機会損失が発生する可能性があります。また電話加入権の在庫
が不足した場合、同業者から仕入を行うことがありますが、その場合、仕入コストが上昇し利益率が悪化す
る可能性があり、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
− 26 −
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(4)出店政策について
①
店舗の形態について
移動体通信機器の販売ショップには一般的に専売店と併売店とがあります。専売店とは特定の移動体キャ
リアの製品・サービスのみを取り扱う販売店であり、併売店とは複数の移動体キャリア製品・サービスを取
り扱う販売店であります。専売店は表向きはあたかも移動体キャリアの直営店のような外装となっており、
新規申し込みや機種変更申し込みの受付だけでなく、料金収納、故障受付等、アフターサービス拠点として
の機能を担っております。一方、併売店では複数の移動体キャリアの製品を取り扱っているため、顧客の
ニーズに合わせて幅広い商品を提供することができます。専売店と併売店にはそれぞれ上記のような特徴が
あり、当社では専売店と併売店の両方の出店を行っております。また、その他の事業におきましては、リサ
イクル商品およびアウトレット商品等を販売する「ReBooooMショップ」を運営しております。
併売店におきましては、当社は従来より、全ての移動体キャリアの商材および電話加入権等を取扱う「日
本テレホンショップ」を展開してきましたが、平成15年4月期より新しいストアコンセプトである「e−B
oooMショップ」ブランドでの出店を開始しております。「e−BoooMショップ」は、近年の移動体
通信機器端末の高性能・高機能化等により端末仕入価格が上昇傾向にあること、同業者間との競合等の影響
により仕入価格の上昇分を十分に販売価格に転嫁しにくい状況であること等により移動体通信関連事業の利
益率については低下する傾向にあるため、従来の「日本テレホンショップ」の機能である携帯電話・PHS等
の新規および機種変更申込受付け、および電話加入権の販売はもちろんのこと、ADSL等のブロードバンド体
験コーナーを併設する等によりお客様により快適な通信環境を提案し、オンラインゲームが可能なゲーム機、
周辺機器、およびゲームソフトの販売を行う等、ブロードバンドを利用した新しい生活スタイルを支援する
ことで新たな顧客を誘致し、収益性の向上を図ることを目的としております。
当社では、今後の出店政策において、「e−BoooMショップ」の新規出店、既存店の「e−Booo
Mショップ」への転換により、収益性の向上に努めていきたいと考えております。しかしながらこのような
当社の施策が奏功することを現時点で保証することはできません。
なお、業態別の店舗数の推移は次表のとおりとなっております。
(単位:店)
平成12年4月期 平成13年4月期 平成14年4月期 平成15年4月期 平成16年4月期
平成16年10月
中間期
期末店舗数
23
31
30
33
35
33
専売店
6
9
10
11
12
12
NTTドコモ
3
3
3
4
4
4
ボーダフォン
1
2
2
2
2
2
ツーカーホン
2
4
4
4
5
5
エーユー
0
0
1
1
1
1
17
22
20
21
22
20
日本テレホンショップ
17
22
20
19
17
14
e−BoooMショップ
0
0
0
2
5
6
0
0
0
1
1
1
(取扱いキャリア)
併売店
(店舗業態)
ReBooooMショップ
(注)
ReBooooMショップは平成16年10月31日付で閉店し、平成16年11月8日付でWEB販売拠点となる
ネット通販センターを開設しております。
− 27 −
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②
店舗保証金について
当社の直営店の出店については、基本的には土地を購入せず、店舗を賃借する形をとっております。店舗
の賃貸借契約の締結にあたっては、貸主に保証金を差し入れることが一般的でありますが、当社においても
平成16年4月期末で716,881千円(総資産額の21.2%)、平成16年10月中間期末で698,535千円(同22.8%)
の保証金を差し入れております。
差入保証金については当社が当該店舗を退去する際には返還される契約となっておりますが、貸主の財政
状態が悪化した場合等においては、保証金の全部又は一部の回収が困難となる可能性があります。なお、平
成15年4月期には店舗貸主の経営状態の悪化により、当社では特別損失として貸倒引当金繰入額53,970千円
を計上しております。当社では、賃貸借契約を締結する際には貸主の信用調査を十分行うよう努めてはおり
ますが、保証金の全部又は一部の回収が困難となり、貸倒引当金・貸倒損失の計上を余儀なくされるような
事態が発生した場合、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③
新規出店に伴うリスクについて
専売店を出店するにあたっては、移動体キャリアから物件についての条件が提示され、その条件に合致し
た物件を確保できた運営会社が専売店の運営を受託することができます。当社が出店を希望していても移動
体キャリアの審査を通過しなければならないため、当社の計画通りの時期に出店ができる保証はなく、また
当社以外の企業が運営を受託し、当社が出店できなくなる可能性があります。その場合、当社は計画してい
た売上高を計上できず、業績に悪影響を与える可能性があります。
一方、併売店の出店に際しても、当社が移動体キャリアの商材を取り扱う営業拠点を新設や移転、廃止す
る場合、移動体キャリアや一次代理店に報告を行う必要があります。当社が新規に併売店を出店するにあ
たっては、移動体キャリアの方針に影響を受ける可能性があります。
また、新規出店を行う場合、出店方針及び出店コンセプトに合致する店舗が見付からない等の理由により、
予定よりも出店時期が遅れる可能性や出店中止を余儀なくされる可能性については否定できません。また、
近隣に競合店が新規出店する等、事前に予測不可能な外部環境の変化等により、事前に計画していた収益を
計上できない可能性があり、場合によっては退店を余儀なくされる可能性については否定できません。これ
らの場合、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
− 28 −
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(5)重要な契約について
①
移動体通信関連事業における重要な契約について
移動体通信機器端末の販売業務や移動体通信サービス申し込みの取次業務を行うにあたっては移動体キャ
リアや一次代理店と代理店契約を締結する必要があり、また代理店契約はキャリア毎に契約締結する必要が
あります。
当社が締結している主な代理店契約は以下のとおりであり、契約期間は1年毎の自動更新となっておりま
すが、契約期間中であっても事前に通知することにより解除が可能な契約となっており、また重要な契約違
反があった場合等においては即時解除ができるものとなっております。特に近年、個人情報の漏洩が社会的
問題となっているため、移動体キャリアや一次代理店は契約事項の中でも特に個人情報の管理の徹底につい
ては重要視しておりますが、当社の保有する個人情報が何らかの理由により漏洩することとなった場合、移
動体キャリアや一次代理店との契約が打ち切られる可能性があります。
移動体キャリアや一次代理店との関係は良好で、現時点で契約が解除されるような事実は発生しておらず、
当社は今後も契約の遵守に努める方針でありますが、何らかの理由により契約が継続できなくなり、当該移
動体キャリアの製品やサービスが取り扱えなくなる可能性については否定できません。また契約の継続がで
きなかった場合や当社が契約の継続を行わなかった場合、移動体キャリアや一次代理店から収受していた継
続手数料についてもその時点で支払いが打ち切られます。その場合、売上高の減少や店舗の撤退等により、
当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
相手方の名称
契約内容
契約期間
株式会社ツーカーホン関西
ツーカー電話サービスの加入促進活動、および加入契
約の締結、変更等の媒介
平成10年4月1日から
平成11年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社ツーカーセルラー東京
ツーカー電話サービスの加入促進活動、および加入契
約の締結、変更等の媒介
平成6年7月28日から
平成7年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
ボーダフォン株式会社
顧客に対するボーダフォンサービス契約の締結促進お
よび契約維持活動
平成14年11月1日から
平成15年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社ダイヤモンドテレコム
NTTドコモの電話契約獲得のための諸活動、申込の
受付、取次ぎ等
平成9年6月30日から
平成10年5月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社テレパーク
エーユー電話サービス販売業務委託契約
平成15年7月1日から
平成16年6月30日まで
以後1年ごと自動更新
アイ・ティー・テレコム株式会社
エーユー電話サービス販売業務委託契約
平成16年5月1日から
平成17年4月30日まで
以後1年ごと自動更新
②
固定通信関連事業における重要な契約について
固定通信関連事業における受取手数料収入は、付加サービス(キャッチホン、ナンバーディスプレイ等)
やマイライン登録、ADSL等を受注することにより受け取る手数料等であり、これらの業務を行うにあたって
は固定系キャリアと販売パートナー契約等を締結する必要があり、当社が現在締結している主な契約は下記
のとおりであります。契約は1年毎に締結することとなっておりますが、契約期間中であっても事前に通知
することにより解除が可能な契約となっており、また重要な契約違反があった場合等においては即時解除が
できるものとなっております。
固定系キャリアと当社との関係は良好であり、現時点で契約が解除されるような事実は発生しておらず、
当社は今後も契約の遵守に努める方針でありますが、何らかの要因により契約が継続できなくなった場合、
付加サービス等の取次業務が行えなくなることで売上高が減少し、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があり
ます。
相手方の名称
契約内容
西日本電信電話株式会社および東日本電信電話株式会社
(注)
販売パートナー契約
契約期間
平成16年4月1日から
平成17年3月31日まで
西日本電信電話株式会社が行う地域電気通信業務の区域に関する契約は、西日本電信電話株式会社と、東
日本電信電話株式会社が行う地域電気通信業務の区域に関する契約は、西日本電信電話株式会社を代理人
として、東日本電信電話株式会社と契約を締結しております。
− 29 −
(29) / 2005/02/28 9:11 (2005/02/28 9:11) / 2k_04220384_05第2事業_os2日本テレホン_目論見書.doc
③
契約による事業運営上の制約について
当社の移動体通信関連事業や固定通信関連事業は前述のとおり、移動体キャリアや一次代理店、固定系
キャリアとの契約に基づいた事業を行っておりますが、店舗の運営にあたっては当社は移動体キャリアや一
次代理店、固定系キャリアの作成するマニュアルや指示等に従わねばならない義務があります。当社は契約
の継続のためマニュアルや指示等の遵守に努める方針でありますが、今後移動体キャリアや一次代理店、固
定系キャリアからの指示内容が変更された場合、場合によっては機械・設備や人員等を追加で設置・配置す
ることが必要となる可能性があります。移動体キャリアや一次代理店、固定系キャリアが費用を負担する場
合もありますが、当社が費用を負担しなければならない可能性もあり、その場合、追加のコストが発生する
等の理由により当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等について
当社では移動体通信関連事業、固定通信関連事業およびその他の事業を行うにあたって、以下のような法令
やガイドライン等の規制を受けており、当社はこれらの法的規制等を遵守し企業活動を行っております。しか
し、将来においてこれらの法的規制等が改正された場合、または当社がこれらの法的規制等に抵触した場合は
当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
関係する事業
法的規制等
移動体通信関連事業
電気通信事業法
消費者契約法
代理店の営業活動に対する倫理要綱(社団法人電気通信事業者協会制定)
電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン(総務省告示)
固定通信関連事業
電気通信事業法に基づきNTTが定める約款
インターネットを介して商
品を提供する場合
特定商取引に関する法律
電子契約法
中古品の売買
古物営業法
事業全般
個人情報保護法
(7)個人情報の取扱いについて
当社では、移動体通信関連事業においては移動体通信サービスの申込取次を行う場合や、固定通信関連事業
においては付加サービスの取次や電話加入権の売買を行う場合等において、顧客の生年月日や住所等の個人情
報を取り扱っております。個人情報の記載された書類としては申込書等があり、また社内のサーバ内やキャリ
アから貸与されている端末には個人情報がデータとして保存されておりますが、当社では個人情報が記載され
た書類等については必要時以外はキャビネットの中に入れて施錠をする、また電子データについてはパスワー
ド管理を行う等して、厳重に管理を行うよう努めております。
しかしながら、書類が盗難等される場合や第三者がネットワークへ不正侵入する等により、個人情報の記載
された書類や電子データ等が社外に流出し、個人情報が漏洩する可能性については否定できません。その場合、
顧客から損害賠償を請求されたり、既存顧客の信用や社会的な信用が低下することにより、当社業績に悪影響
を及ぼす可能性があります。
− 30 −
(30) / 2005/02/28 9:11 (2005/02/28 9:11) / 2k_04220384_05第2事業_os2日本テレホン_目論見書.doc
(8)ヤフー株式会社との契約について
当社はヤフー株式会社と提携し、同社の開設するポータルサイト「Yahoo!JAPAN」においてソフトバンクBB
株式会社および同社が提供するブロードバンドサービスである「Yahoo!BB
ADSLサービス」と当社の提供する
電話回線のセット販売を平成16年4月から開始しております。具体的には「Yahoo!BB
ADSLサービス」に加入
を希望される顧客に対する電話加入権の販売、加入電話ライトプランの申し込み取次ぎ、「Yahoo!BB
ADSL
サービス」の申込処理業務の受託を行っており、当社内にコールセンターを設けて顧客からの問い合わせに対
応しております。「Yahoo!BB ADSLサービス」と電話回線のセット販売においては電話加入権は仕入価格を下
回る価格で販売を行っておりますが、同社から業務委託手数料を収受することで利益を確保しております。
同社との提携による「Yahoo!BB ADSLサービス」と電話回線のセット販売による収益は平成16年4月から開
始し、平成16年10月中間期における固定通信関連事業の収益増加に貢献しておりますが、同社との契約が何ら
かの理由により継続できなくなった場合、また継続できたとしても同社がNTT以外の固定系キャリアの回線の
販売に注力する等、何らかの理由により販売の優先度を下げた場合、当社業績に悪影響を及ぼす可能性があり
ます。
(9)三井物産グループとの関係について
三井物産株式会社は当社株式の14.9%を保有しており、当社の主要株主であります。出資の経緯としては、
当社代表取締役である高山守男が携帯電話レンタルの事業化を計画していた平成2年5月、当該事業に興味を
もった同社が当社に出資を行ったものであります。
平成16年4月期末時点での三井物産株式会社の当社株式保有比率は20%でありますが、平成16年5月および
10月に同社から高山守男へ株式譲渡が行われ、平成17年3月3日現在における同社の保有株比率は14.9%と
なっております。三井物産グループにおいては、当社と同様に携帯電話等の販売及び代理店業務やマイライン、
ブロードバンド等通信サービスの販売取次業務等を行う株式会社テレパークが存在し、当社は関西圏における
エーユー電話サービスの申込取次業務については同社の二次代理店として事業を行っているものの、同社と当
社とは一部で競合関係にあります。
また、三井物産株式会社および株式会社テレパークと当社の間においては、それぞれ取引関係があります。
取引の内容および取引金額等につきましては、「第二部
財務諸表
企業情報
第5
経理の状況
財務諸表等
(1)
関連当事者との取引」の項をご参照ください。
なお、当社は三井物産グループから受け入れている役員・社員等はなく、経営の独立性は保たれていると認
識しております。
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5【経営上の重要な契約等】
(1)移動体通信関連事業に関する契約
主たる契約は以下のとおりです。
相手方の名称
契約内容
契約期間
株式会社ツーカーホン関西
ツーカー電話サービスの加入促進活動、および
加入契約の締結、変更等の媒介
平成10年4月1日から
平成11年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社ツーカーセルラー東京
ツーカー電話サービスの加入促進活動、および
加入契約の締結、変更等の媒介
平成6年7月28日から
平成7年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
ボーダフォン株式会社
顧客に対するボーダフォンサービス契約の締結
促進および契約維持活動
平成14年11月1日から
平成15年3月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社ダイヤモンドテレコム
NTTドコモの電話契約獲得のための諸活動、
申込の受付、取次等
平成9年6月30日から
平成10年5月31日まで
以後1年ごと自動更新
株式会社テレパーク
エーユー電話サービス販売業務委託契約
平成15年7月1日から
平成16年6月30日まで
以後1年ごと自動更新
アイ・ティー・テレコム株式会社
エーユー電話サービス販売業務委託契約
平成16年5月1日から
平成17年4月30日まで
以後1年ごと自動更新
(2)固定通信関連事業に関する契約
主たる契約は以下のとおりです。
相手方の名称
契約内容
西日本電信電話株式会社
および東日本電信電話株式会社
販売パートナー契約
契約期間
平成16年4月1日から
平成17年3月31日まで
(注)1.自動更新条項はありませんが、毎年契約書を取交わし契約を更新しています。
2.西日本電信電話株式会社が行う地域電気通信業務の区域に関する契約は、西日本電信電話株式会社と、
東日本電信電話株式会社が行う地域電気通信業務の区域に関する契約は、西日本電信電話株式会社を代
理人として、東日本電信電話株式会社と契約を締結しております。
6【研究開発活動】
第16期事業年度(自
平成15年5月1日
至
平成16年4月30日)
該当事項はありません。
第17期中間会計期間(自
平成16年5月1日
至
平成16年10月31日)
該当事項はありません。
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7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態の分析
①
流動資産
当事業年度末における流動資産残高は、前事業年度末と比べて241,322千円増加し、2,392,674千円となり
ました。主たる増加要因は、当事業年度末における売上高の増加に伴う売掛金の増加額として139,630千円、
売れ筋商品確保のための携帯電話等商品在庫の増加額が107,530千円、電話加入権の販売見込増加に伴う販
売用電話加入権在庫の増加額が54,421千円となっております。なお、現金預金は63,217千円減少いたしまし
た。
②
固定資産
当事業年度末における固定資産残高は、前事業年度末と比べて8,522千円減少し、984,858千円となりまし
た。有形固定資産については直営店の新規出店および改装、大阪本社の移転等に伴う増加額が75,131千円あ
りましたが、無形固定資産はレンタル用電話加入権の売却等により24,676千円減少しました。また、投資そ
の他の資産においては旧大阪本社事務所の差入保証金の返還等による減少58,978千円がありました。
③
流動負債
当事業年度末における流動負債残高は、前事業年度と比べて53,268千円増加し、1,579,825千円となりま
した。主たる増加要因は、商品および販売用電話加入権の仕入増加に対応した短期借入金の増加額が
165,000千円、携帯電話等の期末仕入の増加に伴う買掛金の増加額が59,152千円となっております。なお、
1年以内償還予定の社債が100,000千円減少しております。
④
固定負債
当事業年度末における固定負債残高は、前事業年度末と比べて71,926千円増加し、715,037千円となりま
した。主たる増加要因は、社債の償還100,000千円に伴う長期借入金の増加額71,190千円であります。
⑤
資本
当事業年度末における資本残高は、前事業年度と比べて102,086千円増加し、1,087,036千円となりました。
これは、当期純利益の計上額が162,536千円、配当金の支払額54,000千円等によるものであります。
(2)経営成績の分析
①
売上高
当事業年度における移動体通信関連事業は、第三世代携帯電話を含む携帯電話端末の高機能化による需要
の喚起で市場が活性化し、販売台数が増加しました。また、固定通信関連事業におきましても販売単価は減
少したものの、ADSL等のブロードバンドの普及により販売数量が大幅に増加し、付加サービスの獲得強化に
より受取手数料収入が増加いたしました。その結果、売上高は前年同期比6.9%増の12,149,586千円となり
ました。
②
営業利益
移動体通信関連事業は、競合他社との販売競争の激化による販売単価の減少が主たる要因で売上総利益率
が低下いたしました。一方、固定通信関連事業は、売上原価の低下および受取手数料収入の増加により売上
総利益率が良化し、販売費及び一般管理比率も前年同期比0.4ポイント改善いたしましたが、営業利益は前
年同期比4.0%減の348,089千円となりました、
③
税引前当期純利益
営業外損益では、営業支援金収入の減少等により、経常利益は前年同期比6.1%減の335,885千円となりま
した。
また、特別損失にてレンタル用電話加入権の売却損、大阪本社の移転、店舗の閉店・改装に伴う固定資産
除却損等を計上した結果、税引前当期純利益は前年同期比3.3%減の292,832千円となりました。
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④
当期純利益
法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金項目は、前年同期比6.7%減の130,295千円とな
りました。
以上の結果、当期純利益は前年同期比0.4%減の162,536千円となりました。自己資本利益率は2.0ポイン
ト低下し15.69%となり、1株あたり当期純利益は17,301円88銭となりました。
(3)キャッシュ・フローに関する分析
当事業年度における現金及び現金同等物は、前年同期比84,933千円減少し、113,203千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益として 292,832千円を計上しましたが、売上債権
134,261千円の増加、たな卸資産 160,100千円の増加、法人税等の支払 183,142千円を主な要因として、
19,948千円の使用(前事業年度は59,475千円の獲得)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、直営店舗の新設、改装および大阪本社移転に伴う固定資産の取得に
よる支出141,276千円、差入保証金の差入れによる支出24,849千円がありましたが、本社事務所の移転および
直営店舗の閉鎖に伴う差入保証金返還による収入66,840千円を主な要因として、122,545千円の使用(前事業
年度は141,834千円の使用)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出 153,440千円、社債の償還による支出
100,000千円がありましたが、短期借入金の増加 165,000千円、長期借入金による収入200,000千円を主な要因
として、57,560千円の獲得(前事業年度は44,344千円の獲得)となりました。
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