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報告書全文(PDF) - 静岡県立大学短期大学部

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報告書全文(PDF) - 静岡県立大学短期大学部
平成10年度
静岡県立大学短期大学部(浜松校)の自己点検・自己評価
目
文化教養学科・英米文化コース
文化教養学科・秘書教養コース
図書館委員会
紀要委員会
人事委員会
OA実習室管理運営委員会
自己点検・自己評価委員会
学術情報システム
次
文化教養学科・英米文化コース
1
研修旅行について
英米文化コースでは、1996 年度より研修旅行を再開し、ここ3年間以下のような内容
で行ってきた。
1996 年度
4月3日・4日
東京
観劇「幸せの背くらべ」(銀座セゾン劇場)・ニューヨーク近代美術館展鑑賞(上野
の森美術館)など
1997 年度
4月3日・4日
東京
観劇「美女と野獣」・東京臨海副都心見学など
1998 年度
9月 29 日・30 日
鳳来町
各ゼミによる発表など
このように 96 年度、97 年度は観劇を中心にしてきたのだが、本年度は少し方向を変え
て、各ゼミごとに担当して発表を行うという形をとってみた。研修旅行終了後学生を対象
に実施したアンケートの結果は次の通りである。
平成 10 年度英米文化コース研修旅行に関するアンケート集計結果(抄)
1.旅行実施の時期について
(1)9月末でよかった 14 名(33 %)
(2)別の時期の方がよかった
27 名(64 %)
具体的には春休み、長期休暇中、もう少し早く、もう少し遅く、秋休み以外など
2.旅行代金について
(1)2万円程度でよかった
21 名(50 %)
(2)もっと安くして欲しかった 19 名(45 %)
(3)もう少し高くてもよい
1名(2%)
3.研修場所について
(1)今回の場所でよかった
(2)別の場所の方がよかった
18 名(43 %)
22 名(52 %)
具体的には、海外、京都、もう少しにぎやかなところ、もう少し遠いところなど
4.研修形態について
(1)今回の形態でよかった
31 名(74 %)
(2)今回の形態でない方がよかった
7名(17 %)
5.スケジュールについて
(略)
6.English Hour について
ア.時間中の英語使用について
(1)英語を使って十分に会話できた
0名(0%)
(2)英語も少しは使ったが、ほとんど日本語を使ってしまった
(3)英語は全く使わず、日本語のみを使ってしまった
-1-
23 名(55 %)
11 名(26 %)
イ.English Hour を設ける意義について
(1)有意義だったと思う
1名(2%)
(2)無意味だったと思う
20 名(48 %)
(3)どちらでもよい
(4)その他
9名(21 %)
5名(12 %)
具体的には、徹底してするなら有意義だ、日本人相手に英語を使うのは変だなど
ウ.時間について
長すぎた
7名(17 %)、
適当
23 名(55 %)、
短すぎた
3名(7%)
エ.設定方法について
(1)今回の方法(2日目の朝食時)でよかった
(2)別の方法の方がよかった
13 名(31 %)
22 名(52 %)
具体的には、研修時間内、朝食時間以外、休憩時間、なくてよいなど
7.研修内容について(感想)、
8.宿泊施設について
(略)
以上のように、おおむね実施形態、内容などについては好意的な意見が多かったように
受け止めている。英米文化コースの研修旅行については、予算や日程的な面から考えて、
国内で英米文化に触れられるような内容を考える必要があり、関係者が頭を悩ませるとこ
ろであるが、今までの実施結果や今回のアンケートの結果などを考慮しながら、あと2回
の研修旅行について検討していきたいと考えている。
2
教員の授業の工夫について
英米文化コースでは各教員がそれぞれの裁量で授業を行っているが、各授業の間の連携
をとるということについては今まであまり行われてこなかった。そこで今回は各教官にア
ンケート調査を試み、それぞれが各自の授業でどのような工夫を行っているかを調べてみ
ることにした。その結果を公開することによって、各教官が自分の授業を見直し、今後よ
りよい授業運営をするためのきっかけになればと考えている。
アンケートは、各教官に1)テキスト・教材について、2)授業回数・時間厳守につい
て、3)学生の出欠状況・受講態度について、4)授業運営について、5)授業内容につ
いてという5項目についてそれぞれ各自が工夫していることを書いてもらう形で行った。
ここではその結果をできるだけそのままの形で公開することにする。(ただし、言葉遣い
などについては統一してある)また、その記述についてはだいたい全体的なもの、英語、
口語英語、講義科目、演習・ゼミにかかわるものの順に並べた。
ご授業について、以下の点に関して、工夫された点とその効果及び問題点等について、
具体的にお答え下さい
(1)テキスト・教材について
・英語については、今年は注のついていない生の英語をテキストに選んでみた。結
果としては、標準的でない英語が出てきたり、辞書に載っていない単語が出てきた
-2-
りと大変だったが、一方で辞書に頼らずに文脈から全体の筋をとらえようとする姿
勢が養われたのではないかと思う。
・ TIME の最新号を使用した。内容は、学生の興味をそそる Clinton-Lewinsky
Scandal のような up-to-date な話題である。英語は、学生向けの特別配慮が一切な
されていない、journalistic なもので、よい勉強になる。
・ 今年はオクスフォード出版の"Gateways" I、II (テープ、ワークブックつき)と
いう新しいテキストを採用した。このテキストは日本人の多人数クラスで使用でき
るようによく工夫してあり、大変うまくいっている。リスニング、スピーキング、
ペア・プラクティス、ライティング練習がバランスよく配分されており、ワークブ
ックも会話表現や例文を身につけるのに役立つ。
・講義講座では、一切テキストは使用しない。テキストに縛られず、自由に話を展
開させることが出来る。
・一つの講座で、二つのテキストを併用することによって、学生を飽きさせずに、
興味を持続させることができた。具体的には、一冊のヒヤリング用テキストに授業
時間の半分少々をあて、残りの時間は別のテキストで講義をした。その Exercise を
次の授業までにやってくることで、英語のライティング能力も養うことができた。
・今年は一冊の絵本をひとりで翻訳してみる機会も設けた。翻訳コンテストに応募
しようということでやってみたのだが、実際に応募したものはひとりもいなかった
ようである。
・ロングマン社の "Basics in Listening" (前期) と "Strategies in Listening" (後期)を
使用した。今年はテキストが早く終わったので、あとの時間はLL所蔵の別のオー
ディオ・ビジュアル教材を使用する予定である。
(2)授業回数・時間遵守について
・休講はできるだけしないように心がけ、休講した場合には必ず補講を行うように
した。
・状況が許す限りは休講することなく授業をしている。また、体調不良等で休講し
た場合には、補講希望調査締切日以前の休講回数分の補講はするようにしている。
時間については、ほぼ定刻に開始し、ほぼ定刻に終了するようにしているが、時に
数分前後することもある。
・開講時に、教官として、休講・遅刻は絶対にしないと宣言する。(但し、葬式等
での休講はあり得るが、その場合、直ちに補講する。)
・ ほぼ時間通りに始め、時間通りに終わっている。絶対に早く終えることはない。
他の授業で 10 分から 15 分早く終わることもあるようだが、よくない傾向である。
授業を進めようとしているときに、廊下が騒がしくなってしまう。。
・最初にコーヒーとお茶の時間をとるので、授業自体は 30 分ほど開始が遅れるこ
とになるが、それ以上に終了時間がオーバーすることも多い。今年は金曜日の午後
1:00 ∼ 2:30 にゼミを行っているが、4:00 頃まで続くこともある。それでも内容が
面白く、時間も忘れるほど集中しているので、学生から文句がでることはない。
-3-
(3)学生の出欠状況・受講態度について
・2年生については就職活動等により、欠席が多い学生が何人か見受けられた。
その学生については、早めに本人に連絡し、どうしても出席回数が足りないもの
については別途課題を与えるなどの処置をとった。
・出席状況は皆出席の学生もいれば、早い段階で引っかかって来る学生もおり、
後者に関しては早期に注意を促すようにしている。受講態度は指定席制をとって
いることもあり、著しく悪い学生はいない。
・ 開講時に、学生に、絶対に欠席・遅刻はしないと決心させる。やむを得ず欠
席・遅刻する時は、事前に、また事後直ちに、口頭で連絡させる。学生に研究室
電話番号をノートに控えさせる。
・番号順に座席指定する。私語が皆無、出欠状況が一瞬にして把握出来る、学生
の特定が容易などの利点があり、雰囲気はまことに良好である。
・授業の妨げとなるような行為には、直ちに注意を与える。あくびをする時は、
口を隠すよう指導し、十分に睡眠を取って来るよう忠告する。
・毎回必ず出席を取る。授業中の参加態度が最終評価の重要な要素であることを学
生が理解しているので、欠席はほとんどない。今年の学生は非常によく集中し、ま
じめで、活発である。学生が積極的に参加できるような教授法を用いて、学生の注
意を引くようにしている。今までで最高のクラスになっていると思う。.
・毎回出席を取る。リスニングの実践練習は授業中にしかできない重要なことなの
で、欠席はほとんどない。学生は欠席すると、その日の課題が録音できないからで
ある。数少ない欠席は就職活動によるもので、特に前期に多かった。欠席した場合
は理由の如何によらず自由なテーマで英語のエッセイを書くことを義務づけた。こ
のエッセイに新鮮で刺激的で面白いものが多かったのは驚きだった。ほとんどの学
生は、格式張らず、スペルや句読法、語彙、文法の間違いなどを気にせずに英文を
書くことは好きなようである。
・就職活動以外の欠席はなかった。
(4)授業運営について
・学期初めに席を決め、その席で1年間授業を受けてもらう(但し、申し出れば変
更も可ということにしている)。席は番号順等ではなく、学生の座りたい席を学生
に選ばせる形を取っている。出欠確認のための点呼に要する時間が短縮される・学
生の顔と名前が早く覚えられる・受講態度の気になる学生を即座にチェックできる
等の利点を持つ反面、申し出ることなく席を移動している場合も稀にあり注意を要
するという問題点もある。
・きちんとノート・メモを取らせる。ノートの取り方を指導する。
・英語については、辞書の持参を義務づけ、わからないところがあったり、予習
をしていても勘違いしていたりしたところは、その場でひかせるようにしている。
辞書の使い方が下手なために、英語の意味がとれないことが多いが、辞書のひき
方などもあわせて説明しながら、ひとりで辞書を引きながら英文を読めるように
指導している。
-4-
・ひとつの話が終わったところで、小テストを行うほか、感想なども書いてもら
い、学生に紹介している。他の学生の感想を聞くことで、ひとつの話を違った角
度から読み直すことができ、より理解が深まる。
・「英語」では、予習を義務づけない。辞書を引くことは、英語学習にとって、
必ずしも必須の前提条件ではなく、むしろ、学生にとっての時間のロスとも言え
る。教官が先に立って未知の英語の意味等を教えてしまう方が、学生はうろうろ
しないですむし、時間的ロスもなく、理解も深まる。
・「英語」では、いわゆる「英文和訳」は避ける。学生に、なるたけ具体的な答
が作れるような発問をする。例えば、ここで彼は何と言っているのか、とか、こ
の that は具体的にどういうことを指しているのか、とか。
・ 緊張した授業を行い、私語は許さない。そのため、学生はいつも静かに集中し
ている。毎年初めに英語と日本語で書かれた「授業のルール」を配布して読み上げ
る。このルールによって学生はどのような態度を求められているかが明らかになり、
礼節も保たれる。授業中の騒音や私語を容認している教員も多いが、これは好まし
くない。西洋の大学では許されないことである。
・講義科目については、ひとつのテーマが終わるごとに感想や質問を書いてもらい、
それに答える形で授業を進めている。
・
「演習」では、予習を義務づける。討論を通じてとことん理解を深める。
・学生の授業参加を奨励した。そのために、学生が発言しやすい和やかな雰囲気
を作り、間違えても恥ずかしくないと指導した。授業中に、一人の学生が最低一
回は、何らかの形で発言する。英文を読む、訳をする、問題に答える、黒板に書
く、説明する、感想や意見を発表する、隣の人とペアで英会話をする、グループ
で英語で簡単なディスカッションをするなど。
・ 使用テキストは受け身ではない能動的なリスニングができるよう編集されてい
る。学生は聞きながら、書いたり、テープに応答したりせねばならない。あらかじ
め各練習問題の説明を行い、難しい単語の解説をし、ヒントを与えてからテープを
聴かせる。今年から練習問題の解答を与えないようにした。今までは各練習問題の
あとで、必ず正答を与えていたが、今年からもしわからないところがあれば質問す
るようにさせた。そして解答を教えるのではなく、学生が先に進めるようなヒント
だけを与えるようにしている。このため、学生は正答を得るために録音したテープ
を何度も繰り返して聴かねばならない。毎回授業の最初に前回の授業に関する質問
を受け付け、それに答えてから、新しい課題に進むようにしている。授業は厳しく
行っている。
・手の加えられていない完全版のシェイクスピアを読んでいる。("Romeo and
Juliet," "Midsummer Night's Dream," "Hamlet")まず最初に 10 分ほどテキストをざっ
と説明した後、それぞれの担当する役を決めて演じる。途中で難しい箇所を説明し
たり、発音やイントネーションを直したりする。最初の2つの作品では配役を交代
して演じたりしたが、『ハムレット』については全編を通じて同じ役を割り当てて
いる。(ひとり2役、3役になることもある)ゼミでいつも暗唱しているので、発
音が見違えるほどよくなった学生もいる。また、それぞれの作品について複数の映
-5-
画版を見ることでプロの俳優がどのように「自分の」役を演じるのかを見ることが
できた。
(5)授業内容について
・英語では、知っているつもりの単語でも用法があやふやなものや、複数の意味
があるものについて、間違ったものについては辞書をひきなおさせて、知ってい
る単語でも納得がいかない場合はこまめに辞書を引くように注意している。
・特に語法面に注意を払って授業をしている。語法的な観点からいうと、「意味は
分かっているから」と辞書を調べることを普段しないような基本的な単語の方が、
綴りの難しい(したがって辞書を参照することの多い)単語よりも難しく、またそ
の分興味深いので、英文和訳の際に少しでも疑問が生じた単語については辞書を確
認するようにいつも注意を促している。同義語の用法の違い等に言及することもあ
る。したがって、どのような教材も精読することになってしまっているというのが
現状である。
・学生にすべての語彙とダイアログを暗記させた。授業の初めに少し練習をした
あと、テキストを閉じさせ、教室内を歩いて発表者を選ぶ。指名されたものはペア
で立って、全員の前でダイアログを暗唱する。必要に応じて、間違いを訂正するこ
とで、クラス全員が正しい言い方を覚えることができる。1回のクラスで少なくと
も半分以上、多いときには全員が会話を発表したり、教師の質問に答えなければな
らない。これで学生の流暢さや発音が非常に向上した。最初の練習以外のときはダ
イアログを「読む」ことは許さない。会話練習以外には、テープを聴き、文法や統
語法、語彙、発音などの練習を行う。.
・講義科目では、なじみのない英米の文化を身近な日本の文化と比較してみること
で、理解を助けるよう心がけている。
・講義講座では、単なる事項の羅列等無味乾燥な一方通行的な講義でなく、作家・
作品等を生き生きと浮き上がらせるような、教官の感動を伝えるような、具体的な
話をする。学生にぽんぽんと問いかけをし、反応を見ながら話を進める。講義内容
は、思い切った取捨選択をする。学生の目がきらきらして来るのが分かる。
・ゼミでは、自分の好きなテーマを追究し、調べ、発表することの面白さを実感さ
せる。
「文化教養総合演習」ということであるので、英語英米文学にこだわらない。
幅広い奇抜なテーマでの研究が出て来て、面白い。
・OA実習室のパソコンを使って、英語の学習をしてみた。各学生が自分の能力に
応じた進度で、教材を進めることができるのが、CAIの長所である。ただ、パソ
コン相手の一対一の学習になるので、かなりの集中力が要求され、一授業時間終わ
ったときの疲労は激しい。
・リスニング能力を中級から上級レベルにまで引き上げるには、ダイアログを正確
に理解できなければならない。リスニング能力を高めることに重きを置き、視覚教
材は利用しなかった。
-6-
文化教養学科・秘書教養コース
<秘書教養コース選択希望者数をめぐる一考察>
文責:伊藤(社会学)
本コースにかかわる全般的な「自己点検・評価」は、最も近くは昨年度に報告済みであ
るところに委ねて、ここでは既刊のそうした概要ものとはあえてちがった「焦点」を設定
して、一考を試みたい。あるいは私見が介入することも懸念されるので、文責者を明らか
にしておく次第である。
ところで本コース(したがって文化教養学科)スタート時(1987)からの選択者実績を、
学科全体に占める割合で示すならば−
Ⅰ期('87 ∼'89)
三年度平均にして、 35.8 %
Ⅱ期('90 ∼'96)
七年度平均にして、 42.2 %(最高値 48.3 %)
Ⅲ期('97 ∼'98)
二年度平均にして、 22.2 %
一瞥したかぎりでは、Ⅰ期の〝黄金分割〟(三コース均等割33.3%に近いがゆえに)、Ⅱ
期の〝人気偏り〟、Ⅲ期の〝落ち込み〟
という印象だろうか。しかし、スタッフの一員
として十二年間の内情をつぶさに見てきた者とすれば、Ⅰ期でさえも予備登録時には60%
前後であったものを、学科全体会議の「均等割意向」に無理にも添わせるべく、コース選
択委員による強力な指導の賜物(?)であったというべきである。さすがにⅡ期には、学
生側の不満の声も高まり学科会議の意向転換もあって、「学生の意思」を尊重するタテマ
エのもとしばらくは偏りがありながらも4∼5割の安定的な推移を重ねた。
そもそも三コース「均等割」を是とする論拠はきわめて乏しく、せいぜい
スタッフが各五人ずつ配属されている
①コース・
②教育機器(とりわけOA実習用)の設備が〈40
人+α〉分しか用意されていない−などの域を出ない。それを遡ると、文化教養学科の
三コース編成を構想した開設準備委員会の予測が甘かったことに因ろう。もっとも、そう
した読み込み誤りは予測につきものなのでさておき、すでにⅠ・Ⅱ期十年間の実績が6∼
5割を下がらないことをふまえて、コース・スタッフ人員を再編成しなおすこと、ならび
に実習授業に支障を来さない教育機器・設備を補充することなど大学側の対応がなされた
ならば、Ⅰ期生に対処した〝圧力〟を行使せずとも、きわめて穏便な解決がはかれたはず
である。とりわけ人員再編成の問題は、文化教養学科開設への一つの起因が、かつて静岡
女子短期大学時代の「一般教育等教員群」科会の席上で、「教養学科構想案」『
( 静岡女子
短期大学三十年誌』)が13:1:1で可決されており、その絶対多数者の責任遂行からし
てもさらに2人が本コースに加わることは難しくない処理ではなかったか(一般教育等教
員群から4人、文学科から7人が転属し、新しく4人を迎えて、文化教養学科が設立され
た)。他コースに5人ずつ、本コースには7人の陣営が整うならば、たとえコース選択希
望者が学科の半数(60人)を超えたにしても、教育上の包容力は十分にあろう。いまから
ふり返れば、あたかも「プロクルテスの寝台」よろしく、三コース編成やスタッフ員数と
いう「寝台」に学生の希望や意思という「背丈」を切っては、強引に合わせていたことが
悔やまれる。
もうひとつの問題点は、「学生の希望や意思」なるものにもいささかの疑義がないとは
いえない。いうまでもなく本コースのカリキュラム群は、他の二コースが「人文学系」カ
-7-
リキュラムであるのに対すれば、
「社会科学系」科目で構成されている。Ⅰ期とは異なり、
三コースの人数にアンバランスが生じてもあえて自由な選択意思を尊重されたはずのⅡ期
生であるにもかかわらず、卒業判定教授会の席上で配布される各自の「履修一覧表」は、
かならずしも本コース生としての学習経過を明らかには物語ってくれない。たしかに、10
単位分の各コース<指定科目>は必須制とされてはいるものの、いずれのコース系科目で
あれ卒業単位に組み込まれるシステムになっているのは、ひとつのコースに偏らないで幅
広く履修し学習することが文化教養学科の理念には相応しいがゆえである。とはいえそれ
も、所属コース系科目で62単位を充足したうえの、あくまでプラスα単位として期待され
たものであった。学生の実態からすると 、「コース選択(所属)」という形式や外面的に
は本コースを希望しながら、「社会科学に興味を示し、関心をもって深く学ぶ」という実
質が伴わず、むしろ内容的には人文学系に流れる傾向がある。
この乖離を埋めて、名実ともに本コース生らしい履修経過を辿るよう指導することが、
Ⅲ期のガイダンス目標であると再確認された。もとより限られた時間のガイダンスに委ね
るよりも、正規のカリキュラムを編成する工夫が望ましく、一般にどこの大学でも開講さ
れているはずの『社会科学概論』を新たにもうけるか、ないしそれに類した既設科目を一
年前期に配する案が学科会議にはかられた。
あわせて担当者との交渉まですすんだものの、
結論的には成案にいたらなかった。残された道は、他コースのガイダンス・レベルを超え
る質と体裁を備えた、「模擬授業」ふうの『社会科学概論』講義をコース・スタッフで展
開する方法しかない。講義ノート仕立ての『小冊子』(20頁)を用意するとともに、所要
時間も他コースの二倍180分が設定された。職業資格を連想させる「秘書」教養コースと
いったネーム・バリューのみで選択決定する浮動層を、自主的にセレクトさせることで上
掲Ⅲ期の22.2パーセントが得られた。
他方で、全国の国公私立短期大学における「分野別学生数」は、ある意味で短期大学生
が問題関心をもっている専門分野(比)を測るバロメーターたりえよう。そこでの人文+
教育系
40.5%、社会系
13.2%(『 学校基本調査報告書』'98年度速報による。ほかに
家政系
23.7%、その他
22.6%)
を本学科定員120人に按分比例をさせると、日本文
化・英米文化コースあわせて90人、秘書教養コース30人
れぞれ'97年度
21人、'98年度
33人
と算出される。Ⅲ期二年間にそ
という実数は、この点からもきわめて妥当な数字
とはいえないだろうか。試行錯誤を積み重ねながら、ようやくここに到達するまでに十年
余を経たことになる。
-8-
図書館委員会
1
高坂文庫の開設
故高坂正堯京都大学教授(新大学学長予定者)のご遺族から寄贈された高坂研究室所蔵
図書 6,348 冊(内訳和書 5,042 冊、洋書 1,306 冊)の装備が完了し、本学附属図書館に排
架された。1998 年 5 月 8 日、同氏の長男昌信氏に対する感謝状の贈呈式が県関係者およ
び本学関係者参席のもとに行われた。これらの図書を「高坂文庫」と称することとし、同
日をもって一般に公開された。
国際政治、外交、軍事、社史、伝記類など、従来本学附属図書館では手薄であるか、ほ
とんど所蔵しない分野の図書資料をえて、蔵書の一層の充実が図られることとなった。附
属図書館としては特殊文庫「和田文庫」受け入れ以来の慶賀すべきことといえよう。なお、
本文庫は 2000 年 4 月以降は「静岡文化芸術大学」に移設される予定である。
2
附属図書館所蔵図書資料の移管問題
本学は 2001 年 3 月末日をもって閉学となる予定であるが、図書資料のうち、より多く
は本学を基礎として設立される「静岡文化芸術大学」に移されるものの、しかし少なから
ぬ図書資料は、本学静岡校および県立大学のそれぞれ附属図書館に移管される。教員各位、
図書館スタッフの多大なる協力の下、移管先決定のための選定作業はほぼ終了した。
3
遡及入力のこと
1992 年度以前購入図書の遡及入力業務が本年度末から開始されることになった。「分散
所蔵」の形になる図書が移管後も有効、効果的かつ迅速に利用に供されるためには是非と
もに必要な作業であるが、通常開館状態での対応が要求されるので困難な面がある。
4
人員削減のこと
県の行政改革の一環として人員の削減が断行され、図書館スタッフも 1 名減となった。
上述のように、仕事自体は何倍も増加している中での減員であって、そのダメージは一通
りではない。2000 年 4 月からは、静岡文化芸術大学の学生・教職員の利用も想定される
事であり、むしろ増員を要望したいところである。それが困難であるなら、せめて人員の
回復を望むところである。
5
雑誌予約代金の高騰のこと
周知の通り、洋雑誌定価の値上がりは研究遂行上、看過できないほどになっており、予
約を解消するなどの処置をとらざるをえない状態で、実際には既にマイナスの影響が大き
く出ている。今後、円安が是正されないとなると、ますます予算が圧迫され、研究・教育
-9-
に支障が出ると予測される。さらなる予算措置が要望されるものである。
6
県立大学3キャンパス間の図書館相互利用の実施
これまで県立大学3キャンパス間には適切な物流システムがなかったため、OPAC で検
索し、ある資料の所蔵を確認しても、それを利用するためには、わざわざ各図書館・分館
に出向かなければならなかった。この不便さを解消するために、1999 年 1 月より搬送費
を図書館が負担する形で3キャンパス間の相互貸借を実施し、利用者サービスの向上を図
ることになった。
7
静岡県西部高等教育ネットワーク図書館連絡会
静岡県西部地方 9 大学の協力、県西部高等教育ネットワーク会議の運営により「共同授
業」が実施されて 3 年目となる。理科系大学の多い地方なので、文科系の講義のレポート
作成や日常の学習のおりに参考図書があまり多くなくて、困るということをよく聞く。9
大学相互に簡便に図書が利用しあえるようにするために、「静岡県西部高等教育ネットワ
ーク図書館連絡会」の設立に向けて、関係機関との協議が進んでいる。
- 10 -
紀要委員会
1
はじめに
97 年 4 月に、第一および第二看護学科が静岡市に移転し、歯科衛生学科と社会福祉学
科を新設して静岡校が開校した。それに伴い、研究紀要は、浜松校で 11-1 号が、静岡校
で 11-2 号が発行された。両者は短期大学部研究紀要の分冊の扱いであり、同じ ISSN をも
っている。この年には 11-3 号も発行された。これは Internet 上に置かれた冊子体をもたな
い電子出版物(Web 版)であり(http://sg.t.u-shizuoka-ken.ac.jp/kiyou/kyindex.html)、大学研
究紀要の電子出版としては極めて早期の試みであった。各論文は今や電子出版物の標準形
式ともいえる PDF ファイルとして掲載されており、これによって次のようなメリットが
得られた。
(1)ページ制限、投稿論文数の制限が解消
印刷業者を介することなく出版できるので、設備投資以外にはほとんど経費がかからな
い。したがって、今まで紀要出版経費の制限から設けられていた「ページ数の制限」や「投
稿論文数の制限」が取り除かれた。
(2)投稿後一両日で出版が可能
投稿された完成原稿を PDF 化して Web site におき、目次を編集するだけの作業である
ので、出版が容易である。煩雑な校正作業等も不要である。
(3)Distribution が広範囲である
全国的な学会誌の流通状況とは異なり、冊子体研究紀要の配布先は僅かである(本短大
部で 400 部程度)。これに対し,Web 版研究紀要の購読は。Internet に接続されているコン
ピュータさえあれば。世界中どこからでも可能である。研究紀要も(形態上は)International
journal となったのである。
ところで前年度紀要委員会の自己点検・自己評価報告に「この Web 版研究紀要の存在
をいかにして世に知らしめるか」という問題が提起されていた。「本短大部研究紀要をい
かにして広く認知せしめるか」という問題は別にして、読む意志のある人が Web 版紀要
にたどり着くのは容易である。例えば、Yahoo(http://www.yahoo.co.jp)や Infoseek
Japan
( http://japan.infoseek.com )で、静岡県立大学短期大学部と研究紀要の論理積を検索すれ
ばたちどころに所在が示されるからである。
(4)冊子体では不可能な出版形態が可能である
電子出版は冊子体のイメージを損なうことなく電子化することから始まったが、PD フ
ァイルの採用によって、冊子体では困難あるいは不可能な事柄が可能になった。それは、
論文のフルカラー化、マルチメディアの埋め込み、リンクの設定などである。昨年度まで
の掲載論文にはまだこのような事例はないが、今後,電子出版物であるがゆえのメリット
- 11 -
に目が向けられるであろう。
なお、冊子体の PDF 化も進められており、9 号(1995 年度発行)および 11-1 号(1997
年度浜松校発行)が前述の URL に掲載された。版型の消失のために、かなりの部分の論
文が印刷物をスキャナで読み込んだ、解像度のあまり良くないイメージファイルになって
いるのは残念である。
2
本年度の研究紀要
98 年度は、12-1 号(浜松校発行
および 12-3 号(Web 版
掲載論文 12 篇
200 頁弱)、12-2 号(静岡校発行)
、
現在のところ浜松校から 7 篇の掲載を予定)の 3 分冊が出版さ
れる予定である。12-1 号は冊子体発行と同時に PDF 化され Internet 上でも公開される。10
号(1996 年度発行冊子体)も PDF 化し公開する予定である。
3
懸案事項
昨年(1998 年)秋に、国立国会図書館に対して、研究紀要 Web 版(冊子体の Internet Edition
を含む)に対して ISSN を付与するよう申し出てあるが、未だに回答はない。担当者の弁
によると、国会図書館での作業の遅れが原因であるそうである。
他には大きな懸案事項もなく、研究紀要出版は順調であるように思われる。紙(冊子体)
の文化と電子出版が相補いあって、本短大部研究紀要がますますその価値を高めるよう努
力したい。
- 12 -
人事委員会
本年度の課題と経過
1
採用人事について
本年度は、文化教養学科教員のうち教授2名が定年退職を迎えるため、来年度に向
けて、その後任補充という課題が生じた。
2年後の閉学科という要因を踏まえ、県側とも調整の結果、平成10年9月10日
の人事委員会において、後任補充採用は1名、文化教養学科英米文化コース担当、
職位は助教授又は講師、採用は平成11年4月1日付けとし、さらに当該教員は平成
13年度以降は静岡校の一般教育担当として静岡市に勤務することと決定した。
本方針について、9月17日の定例教員会議に提案し、異議なく承認されたため、
早速全国公募を開始するとともに、学内に専門審査委員会を設置した。
公募期限を平成10年11月26日正午としたが、最終的に53名という多数の応
募が寄せられた。これは各教育関係機関あての依頼状のみならず、専門雑誌や大学学
術情報センターのネットワーク等に公募案内を掲載したためと思われる。
これらの応募を受け、人事委員会及び専門審査委員会における所定の審査手続きを
経て採用候補者及びその職位を講師とする旨を決定、さらに平成10年12月24日
開催の定例教員会議にこれを提案し、原案通り承認された。
2
昇任人事について
平成11年1月14日に人事委員会を開催し、文化教養学科における定年退職教員
2名及び後任補充としての講師採用に伴い、来年度以降の教育研究の一層の充実を図
るため、下位補充による助教授昇任2名分の昇任人事を行うことを決定した。
これについては、平成11年1月21日の定例教員会議に報告するとともに、対象
となる教員に応募書類の提出を文書で通知したところであるが、平成11年2月18
日の定例教員会議において審議される予定である。
- 13 -
OA実習室管理運営委員会
1
昨年度からの課題
(1)利用時間と部屋の管理上の問題
OA実習室の自由利用の時間は平日の午前9時から午後5時までと利用規程で定められ
ている。それにもかかわらず、5時までに利用を終えなかったり、消灯、施錠をしないま
ま帰ってしまう、などの行動が目についた。学生の自主性に任せていたのだが、このまま
遵守事項が守られないようならば、自由利用の見直しなど、なんらかの方策を考えなけれ
ばならない状況だった。
(2)パソコンの設定を学生が勝手に変更してしまうこと
OA実習室に設置されているのはいわゆる「パソコン」であるが、決してパーソナルな
ものではなく、大勢の学生が共有して使うものである。そのため、パソコンの環境(壁紙、
日本語FEP、デスクトップ環境など)を勝手に変更されては困るのだが、実際は学生が
勝手に変更してしまう例が数多く見受けられた。
2
現状と今後の課題
(1)利用時間と部屋の管理上の問題
学生の部活動としてOA部が存在する。この部は今までいわゆる「幽霊部員」から成り、
部としては機能していなかった。それが今年度の学生は積極的に部活動を行うようになり、
OA実習室の管理も部員自らが気遣うようになった。消灯、施錠をしないまま帰宅するな
どの無責任な行為は部活動が行われる日には見られなくなった。しかしながら、活動が行
われない日にはあいかわらず消灯、施錠をしないまま帰宅する、といった行為が見受けら
れ、課題は解決されていない。
(2)パソコンの設定を学生が勝手に変更してしまうこと
ますますひどくなったと言わざるを得ない。多いのはインターネット上から勝手にソフ
トウェアをパソコン内部にダウンロードしてしまう例である。メール、掲示などで注意を
喚起しているが依然として行われている。ウィルスの感染源になるので、絶対に勝手なダ
ウンロードは認められないが、これも教職員が四六時中監視しているわけにはいかないし、
課題として残される。
(3)パソコンのトラブルへの対応
96年度にパソコンが更新されてから、今年度に至るまで丸3年が経過したが、今年度
はパソコンの故障が増加した。学生の利用頻度の増加と無茶な操作、前述のソフトウェア
のダウンロード等が原因と思われる。学生は不調なパソコンをそのまま放置しておくか、
パソコンに「調子悪いです」などと貼り紙を貼る程度で済ませてしまうので、教職員側は
どのパソコンのどこがどう不調なのかを把握しきれず、対応の遅れにつながってしまう。
- 14 -
パソコンにトラブルが発生した際の学生からの教職員への伝達経路を確立する必要があ
る。
(4)パソコンの保守管理上の問題
パソコンの故障が発覚した際には、保守管理契約を結んでいる業者に修理を依頼してい
るが、業者との契約は故障の修理までで、ソフトウェアのインストールは含まれていない。
ソフトウェアのインストール作業は現状では一部の教員のボランティアに頼っている状況
である。インストール作業は1台につき数時間を要するもので、教員への多大な負担が強
いられている。その作業のための予算の確保、要員の確保等の対策が必要である。
- 15 -
自己点検・自己評価委員会
自己点検・自己評価に関するアンケート調査
1
調査の目的
平成3年7月1日付の短期大学設置基準の改正に伴い、大学は、教育研究活動等の状況
について、自ら点検及び評価を行うように努めねばならないことになった。この改正の趣
旨は、大学がその教育理念、教育目標に基づいて、学術の進展や社会の要請に適切に対応
しつつ、特色ある教育研究を展開することを目指すものである。
本短期大学部は、平成4年から5年にかけて短期大学部部長を長とする諸制度再検討委
員会を設けて、教育の理念、カリキュラムの編成などの「諸問題」を検討した。本学は、
平成6年に自己点検・自己評価委員会を設置し、その後毎年度自己点検・自己評価を実施
してきたのである。今年度はひとつの節目である5年目を迎えることになり、本委員会は、
本学の今までの自己点検・自己評価の在り方について、学内の意見を聴取し、今後の在り
方を検討するために学内の教員にアンケートを実施することにした。
なお、本アンケート調査は自己点検・自己評価小委員会(浜松校)の自己点検・自己評
価の一環として実施されたものである。
2
調査の方法
アンケートは別添のとおり、浜松校の教員に対して本学の過去と将来の自己点検・自己
評価の在り方について問いかけた。
最初に、設問1において、一般的に大学が自己点検・自己評価を行うことについて質問
した。次いで、設問2、3、4において、本学の具体的内容について、すなわち本学の自
己点検・自己評価に関する規定−「毎年度」「自己点検・自己評価を行う」−、自己点検
・自己評価の主体について質問した。設問5、6、7、8、9において、報告書の印象、
評価、形態、公表の在り方、今後の報告書の改善点について問うた。設問 10 において、
1)自己点検・自己評価の在り方・進め方について、2)今後の点検項目の選定について、
3)自己点検・自己評価の基準について、4)その他−自己点検・自己評価についての全
般的な意見を求めた。最後に、設問 11 において、本委員会の予算確保について質問した。
調査は、平成 10 年7月7日付で浜松校の全教員にアンケート用紙を配布し、9月 11 日
を締切日として行われたが、その後回答状況をふまえて、締切日を9月 25 日に延長した。
回収率は、34 人中 24 人で 70.6 %(文化教養学科− 16 人中 12 人で 75 %、食物栄養学科
−9人中7人で 77.8 %、一般教育−9人中5人で 55.6 %)であった。
- 16 -
3
集計結果
(1)大学が自己点検・自己評価を行うことについてどのように思われますか。
単位:人(%)
合計
文化教養
食物栄養
一般教育
14(58.3)
5
6
3
②やや賛成
3(12.5)
3
0
1
③あまり賛成ではない
3(12.5)
2
0
0
④反対である
0(0)
0
0
0
⑤関心がない
0(0)
0
0
0
⑥その他
4(16.7)
2
1
1
①賛成
自己点検・自己評価に対する賛成理由としては「これまでの自己点検・自己評価の結果
不十分と指摘したことが毎年度改善されてきた」「問題点の改善、向上が期待される」「現
状に満足してしまえばマンネリ化し、社会の支持が得られなくなる」「組織である以上自
己点検・自己評価は不可欠」といった意見が見られる。一方「あまり賛成ではない」意見
としては、「形式的でその結果が前向きな歩みが見られない 」「独りよがり、おざなりに
お茶を濁すだけ」「誰も本気で(報告書)を読まないだろう」といった意見が見られた。
「その他」と回答した人は一般論としての自己点検・自己評価には反対していないが、現
在の本学での方法や目的意識、また数年後に控えた浜松校の閉学という特殊事情から、現
在の自己点検・自己評価に対する消極的意見を表明している。
(2)本学は「毎年度」「自己点検・自己評価を行う」ことを規定で定めていますが、ご
存知でしたか。
単位:人(%)
合計
①知っていた
②知らなかった
文化教養
食物栄養
一般教育
21(87.5)
10
6
5
3(12.5)
2
1
0
回答者の約9割が「毎年度、自己点検・自己評価を行う」ことを「知っていた」と答え
ており、十分周知されていることがわかる。
(3)
「毎年度」「自己点検・自己評価を行う」ことについてどのように思われますか。
単位:人(%)
合計
文化教養
食物栄養
一般教育
①多すぎる
14(58.3)
7
4
3
②適度である
10(41.7)
5
3
2
③少なすぎる
0(0)
0
0
0
「多すぎる」と回答した人が6割であり、「適度である」と回答した人は4割程度であ
- 17 -
る。「少なすぎる」と答えた人はいなかった。
(4)自己点検・自己評価の対象(主体)は各種委員会及び各学科になっていますが、ど
のように思われますか。
単位:人(%)
合計
文化教養
食物栄養
一般教育
15(62.5)
7
4
4
②適当でない委員会もある
6(25.0)
2
3
1
(無回答)
1( 4.2)
(その他)
2( 8.3)
①適当である
主体が各種委員会及び学科になっていることについて、回答者の7割は「適当である」
と答え、「適当でない委員会もある」は3割であった。
「適当でない委員会」として、規程委員会、予算委員会の名前があがっており、また「特
定の委員会はないが、もっと大所高所からの点検・評価が必要」という意見があった。
上記①、②の選択肢に当てはまらない回答として、「個人が主体となるべし」「各種委
員会のメンバー交代が激しく、評価する問題意識が教授会全体に乏しくなる。主体の委員
会を固定する(少なくと3∼4年)ことも一案」などの意見があった。
(5) 本学の報告書 についてどのような印象を持たれましたか。
単位:人(%)
平成6年度
平成 7 年度
平成 8 年度
平成 9 年度
11(45.8)
3(12.5)
2( 8.3)
4(16.7)
②やや良い
3(12.5)
3(12.5)
0(0)
1( 4.2)
③普通
7(29.2)
14(58.3)
16(66.7)
13(54.2)
④やや悪い
0(0)
1( 4.2)
4(16.7)
3(12.5)
⑤悪い
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
(無回答)
3(12.5)
3(12.5)
2( 8.3)
2( 8.3)
(その他)
0(0)
0(0)
0(0)
1( 4.2)
①良い
平成 6 年度の報告書のみが、「良い」の評価を得ている。平成7・8・9年度とも「普
通」の評価となっている。
(6) 本学の報告書についてどのように評価されましたか。
<大学の現状分析>
単位:人(%)
平成6年度
平成 7 年度
平成 8 年度
①適切
13(54.2)
5(20.8)
②普通
6(25.0)
15(62.5)
18(75.0)
17(70.8)
③不適切
0(0)
0(0)
2(8.3)
0(0)
(無回答)
5(20.8)
4(16.7)
3(12.5)
4(16.7)
- 18 -
1(4.2)
平成 9 年度
3(12.5)
<問題の取り上げ方>
単位:人(%)
平成6年度
平成7年度
平成8年度
平成9年度
①適切
11(45.8)
5(20.8)
2( 8.3)
5(20.8)
②普通
8(33.3 )
14(58.3 )
18(75.0)
14(58.3)
③不適切
0(0)
1( 4.2)
1( 4.2)
1( 4.2)
(無回答)
5(20.8)
4(16.7)
3(12.5)
4(16.7)
<評価の取り上げ方>
単位:人(%)
平成6年度
平成7年度
平成8年度
平成9年度
①適切
10(41.7)
4(16.7)
2( 8.3)
4(16.7)
②普通
9(37.5)
16(66.7)
19(79.2)
16(66.7)
③不適切
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
(無回答)
5(20.8)
4(16.7)
3(13.3)
4(16.7)
<改善策>
単位:人(%)
平成6年度
①適切
7(29.2)
②普通
11(45.8)
平成7年度
3(13.3)
16(66.7)
平成8年度
平成9年度
2( 8.3)
3(13.3)
17(70.8)
15(62.5)
③不適切
1( 4.2)
1( 4.2)
2( 8.3)
2( 8.3)
(無回答)
5(20.8)
4(16.7)
3(13.3)
4(16.7)
平成6年度の報告書は、「大学の現状分析」「問題の取り上げ方」「評価の取り上げ方」
において「適切」の評価を得ているが、平成7・8・9年度報告書では、すべての項目に
おいて「普通」の評価しか得られていない。
(7)本学の報告書はどのような形態が望ましいと思われますか。
単位:人(%)
合計
文化教養
食物栄養
一般教育
2( 8.3)
0
1
1
②電子情報
12(50.0)
6
2
4
③①と②の両者
10(41.7)
6
4
0
①印刷物
「②電子情報のみ」が半数(5割)
、「③①と②の両者」4割の二つの答えに分かれた。
もっとも「②電子情報」の根拠には、設問9や設問 10 における「自由意見」を参看する
と、内容が「簡素すぎる場合」とか「印刷費が捻出されない場合」を想定しているらしい。
- 19 -
(8)本学の報告書の公表についてどのように思われますか。
単位:人(%)
合計
①学内・外
文化教養
食物栄養
一般教育
1 9(79.2)
8
6
5
2( 8.3)
2
0
0
②学内に限定
(無回答)
3(12.5)
大多数が 、「学内・外ともに」8割。ただし「学外」という点にかんしては、「外から
要請があれば拒絶しない」、あるいは「外部の目にも耐えられるだけの充実した内容があ
る場合」などの留保がつけられている。
(9)今後の報告書の改善点(内容、読み易さ、体裁など)についてご意見をお聞かせく
ださい。
「自由記述回答」を求めた設問で、有効回答は8人(回答率3割)にとどまった。うち、
あくまでも建設的な「改善策」と判読されたものは、その半数の4人。
・
「数値データ」類には、十分な考察(解説)をほどこされたい
・学外者にも、興味のもてる内容に努められたい
・「 学科コース」「
・ 各種委員会」など組織・機関の自己点検にとどまらず、「スタッフ
個々人」の自己点検の項も設けられたい
・学生側による「授業評価」の項も、設けられたい
(10)自己点検・自己評価について、全般的なご意見(例えば、自己点検・自己評価の
在り方・進め方、今後の点検項目の選定など)をお聞かせください。
1)自己点検・自己評価の在り方・進め方について
<文化教養からの回答>
・自己点検・自己評価はその結果をフィードバックして現状を改善していくことが目的の
はず。しかし、現状では行われっぱなしで改善を行うことは難しい。その中で自己点検
・自己評価の意味は何か。「やっている」という事実が大切ならば、言葉は悪いがそれ
なりのものでいいのではないか。
・大学という組織には必要だと思うが、本学に限っては点検・評価してもそれをフィード
バックする期間が限定されてしまうのがつらいところ。自己点検・自己評価を広報・宣
伝の場として割り切るのならば、相応の意味が付与されようが、「点検・評価」をまじ
めに下すのであれば、その「事後」の検証こそがきちんと行われねばならぬ。言いっぱ
なし、書きっぱなしでは無責任である。しかし、本学は正常に機能するのはあと199
9年度しかない。こういう時期にこれを実施して「言いっぱなし」にならぬ保証はどこ
にあるだろうか。「実施した」という実績だけは残した、というのなら、それはそれで
よいのかもしれないけれども、それでは本来の趣旨にもとると言わざるを得ないだろう。
- 20 -
・自己点検・自己評価を行う以上は、「言いっぱなし」は無責任で、必ず何らかの形でフ
ィードバックが必要なのでは。毎年行うのは良いが、前年度の反省なしに、新しい事項
について評価・点検し、また次年度違うことを…の繰り返しでは、本来の自己点検・自
己評価の意義が薄れてしまう(或いはなくなってしまう)と危惧する。
・9月中旬に当該年度の自己点検・評価の在り方を検討するのはやや遅いのではないか。
・自己点検・自己評価は定期的に行ってよいと思うが、その結果を必ずしも公表しなけれ
ばならないものではない。たとえば、毎年自己点検・自己評価は行うが、公表は節目の
年だけにするなど。
・議会(県民一人一人)にちゃんと説明できる資料作り。大学・学科・委員会のほか個人
もあるはず。自分の研究、自分の教育(到達目標と達成度)、自分の学生指導(クラブ
顧問を含む)、自分の予算執行(公私のケジメ)、自分の学内行政への参加度、自分の
給与その他(税金泥棒になっていないか)。
・数年に一度でよい。
<食物栄養からの回答>
・自己点検・自己評価委員会が項目を検討し、各委員会とのやりとりを経て選定するのも
よし。
・2∼3年に一度位でもよいのではないか。
・今まで通りでよい。
・大学のあるべき姿の確認、教職員の現状の把握と問題点の改善、地域社会への情報公開
を進める。
<一般教育からの回答>
・単なるアンケートの類や空論は不要で、現在の不十分な点を指摘し、改善する手段とす
べき。
・評価する以上、その基準が明確でなければならない(目標があってはじめてそれが達成
できたかどうかの評価ができるのではないか)。
・報告書の作成をもって終わりにするのではなく、改革に結びつけていければよい。
・委員会は管理職を中心にした特別委員会にすべき。
各学科からの回答は以上の通りであるが、自己点検・自己評価を行うことは概ね肯定的
にとらえられているようである。とは言ってもなかなか問題点の改善につながっていると
はいえず、公表された報告書が「言いっぱなし」に終始しているという印象をもつ教員も
いることがわかる。
これにはいくつかの要因が考えられるが、ここでは次の三つを挙げることにする。先ず
第1は、点検してもそれを評価する基準が教員間でまちまちで基準を設定することが困難
なケースが多いことである。第2は、新規の予算を必要とするものは財政当局の承認がな
ければ実行不可能ということである。とりわけ緊縮財政下に加えて平成 12 年度でもって
閉学予定という本学の特殊事情も無関係ではない。そして第3の要因は、点検・評価のか
なりの部分を担当している各種委員会の多くが単年度で運営されており、余程のことがな
- 21 -
い限り次年度に問題点を持ち越さないという原則が貫かれていることである。
今後、より満足度の高い報告書を作成するには、第2の要因の打開は困難としても、第
1と第3の要因をクリアすることが必要と考えられる。
2)今後の点検項目の選定について
回答の結果は次の表に示す通りである。
複数回答可、単位:人(%)
合計
文化教養
食物栄養
一般教育
①地域社会への貢献
7(25.9)
2
4
1
②教授方法の工夫
8(29.6)
6
0
2
③学生の授業評価
5(18.5)
5
0
0
④卒業生の進路
6(22.2)
3
3
0
⑤その他
1( 3.7 )
1
0
0
回答者数が少ないので、この表から一定の結論は出せないが、回答した教員に関してはす
べての項目に関心があるようである。
3)自己点検・自己評価の基準について
<文化教養からの回答>
・主体となる各種委員会、各学科にまかせてよい。
・①教育面の基準…これを全体で合意しておかないと。多分学則1あたり。あとは各学科、
コースの教育目標など。②各種委員会の「基準」は何だろう。ワカラナイ。
・数年に一度、討議して決めればよい。
・①どの程度の研究成果を上げているか。②どの程度の学生指導をしているか。
<食物栄養からの回答>
・絶対的な基準はない。その年の委員会のメンバーで変わりうる。
・自己点検・自己評価の主体が各種委員会、及び学科になっており、点検・評価の項目(視
点)が違う。従って基準を作るのは難しい。
<一般教育からの回答>
・大学であることをふまえて、教授会が判断あるいは基準作りをすればよい。
・当面の重点点検項目を全教員の合意の下に決定し、基準に関してはこの項目との関係で
考えるべきであろう。
以上の回答から、基準作りはなかなか難しいものの、全教員の合意の下で作るべきと考え
ている教員が多いようである。
- 22 -
4)その他(上記以外の事柄)について
以下の回答が得られた。
・各グループ内でのお互いの批評の出し合いの場を持つべし。(文化教養)
・他大学の状況についての上記事柄についての紹介など。(食物栄養)
・自己点検・自己評価の項目をある程度統一しても良いのでは。(食物栄養)
・あまり個人的な問題は避けるべき。
(一般教育)
・毎年1件の問題について重点的に行えばよい。(一般教育)
この質問には無回答が多く、上記の事柄で大体の自己点検・自己評価の内容が含まれてい
るとの判断の結果と考えられる。
(11)本委員会の費用については、必ずしも予算の確保がなされておらず、不安定な状
態にありますが、どのように思われますか。
単位:人(%)
合
①共通経費
②大学運営費
(無回答)
計
文化教養
食物栄養
一般教育
4(16.7)
2
1
1
13(54.2)
6
4
3
7(29.2)
「大学運営費」5割強、「共通経費」2割弱。いずれかのちがいはあれ、合わせた 17 人
(70.8)の7割までが、予算の確保を期待しているようだ。そのための手順としては、「前
年度に予算請求しておく」。
4
まとめ・課題・自己評価
大学が自己点検・自己評価を行うことについてどのように思われますか、という設問1
に対しては、「賛成」が約6割、「やや賛成」と「その他」(賛成と見なせる)を含めると
約8割8分になり、肯定的意見が大多数を占めているように思われる。しかしながら、否
定的・消極的意見として、本学の点検・評価の目的意識や方法の不十分さ、数年後に控え
た本学浜松校の閉学という特殊事情などの指摘があり、貴重な意見として留意される必要
があろう。
設問2、3、4については、「毎年度 」「自己点検・自己評価を行う」という規定は周
知されているが、「毎年度」は「多すぎる」と回答した者が6割、「適度である」と回答
した者が4割程度であり、ほぼ均衡している。点検・評価の主体が委員会及び学科になっ
ていることについて回答者の7割は「適当である」と答えているが、「適当でない委員会
もある」は3割である。「適当でない委員会」として規程委員会、予算委員会の名前があ
がっており、検討の余地がありそうである。
報告書の印象・評価に関する設問5、6に対しては、平成6年度の報告書のみが「良い」
- 23 -
の印象を得ているが、平成7・8・9年度とも「普通」となっている。また平成6年度の
報告書は、「大学の現状分析」、「問題の取り上げ方」、「評価の取り上げ方」において「適
切」の評価を得ているが、平成7・8・9年度報告書では、すべての項目について「普通」
の評価になっている。今までの報告書は程度の差はあるものの、一定の評価を得ていると
考えられる。
設問7の報告書の形態については 、「電子情報のみ」が5割、「印刷物と電子情報の両
者」が4割を占め、回答が二分され、設問8の報告書の公表については、8割の大多数が
「学内・外ともに」になっている。「自由記述回答」を求めた設問9の報告書の改善点に
ついては、回答率は3割にとどまったが、「数値データ」類の正確さ、学外者にも興味の
もてる内容、スタッフ個々人の自己点検項目の設定、学生による「授業評価」項目の設定
などの有益な意見が寄せられた。
設問 10 では、自己点検・自己評価に関する全般的な意見が求められている。1)の自
己点検・自己評価の在り方・進め方については、自由記述形式ではあるが、かなりの数の
回答が寄せられた。自己点検・自己評価を行うことは、概ね肯定的にとらえられているよ
うである。しかしながら、なかなか問題点の改善につながっているとは言えず、公表され
た報告書が「言いっぱなし」に終始しているという印象をもつ教員もいることがわかる。
その要因としては、第1に、点検・評価の基準が教員間で異なっており、基準設定の困難
なケースが多いこと、第2に、新規の予算を必要とする場合に、その獲得が困難であるこ
と、第3に、各種委員会が単年度で運営され、次年度に問題点を持ち越さないという傾向
があることが挙げられるであろう。2)の今後の点検項目の選定については、回答数が少
ないので一定の結論は出せないが、すべての項目に関心があるようである。3)の自己点
検・自己評価の基準については、基準作りは難しいものの、全教員の合意の下で作るべき
と考えている教員が多いようである。
予算の確保に関する設問 11 については、
「大学運営費」5割強、
「共通経費」2割弱で、
合わせると、7割がその確保を期待している。
以上から、今後の主要な課題としては、(1)今後の点検項目の選定、(2)評価基準
の設定 、(3)浜松校の閉学(予定)までの自己点検・自己評価の在り方、(4)予算の
確保、などが検討されねばならないであろう。
本学は自己点検・自己評価を実施して5年目を迎え、本委員会は今までの自己点検・自
己評価の在り方と今後の在り方について、学内の教員に問うた。このような調査は今まで
なされておらず、十分とは言えないけれども、かなりの数の教員から意見を聴取できたの
で、本アンケート調査は貴重な資料になりうると思われる。内容としては満足できない面
が残るにせよ、平成6年度以降、自己点検・自己評価を毎年度実施し続けてきたことにつ
いては、われわれは誇りをもってよいであろう。しかしながら、アンケート調査の意見に
見られるように、自己点検・自己評価の形骸化・空洞化の危険性が存在することは否定で
きないように思われる。本学浜松校は現在、誕生、成長、脱皮が同時になされねばならな
いような、錯綜した状況にあるとも考えられるが、本学の目的及び社会的使命を達成する
ための教育研究活動の遅滞は一日たりとも許されないことは明らかである。このことを思
えば、従来の問題や新たな問題点を整理し、問題解決の方策を模索しながら、見通しを立
て、年度の経過をまとめ、評価すること、すなわち自己点検・自己評価をとおしてこの形
- 24 -
骸化・空洞化の危険性を乗り越え、充実した教育研究状況を創造することがなによりも大
切であるように思われる。
最後に、多忙の折りに、本アンケート調査にご協力いただいた教員各位に深く感謝の意
を表する。
- 25 -
<付録>
自己点検・自己評価に関するアンケート
所属学科
記入者名
(無記名でも結構です)
(選択肢については、適当と思うもの一つを選んで〇を付してください)
1
大学が自己点検・自己評価を行うことについてどのように思われますか。
(1)賛成である
(2)やや賛成である
(4)反対である
(5)関心がない
(6)その他
(3)あまり賛成できない
(
)
その理由:
2
本学は「毎年度」「自己点検・自己評価を行う」ことを規定で定めていますが、ご存
知でしたか。
(1)知っていた
3
「毎年度」「自己点検・自己評価を行う」ことについてどのように思われますか。
(1)多すぎる
4
(2)知らなかった
(2)適度である
(3)少なすぎる
自己点検・自己評価の主体は各種委員会及び各学科になっていますが、どのように思
われますか。
(1)適当である
(2)適当でない委員会もある
(その名称:
5
)
本学の報告書についてどのような印象を持たれましたか。
平成6年度報告書
(1)良い(2)やや良い(3)普通(4)やや悪い(5)悪い
平成7年度報告書
(1)良い(2)やや良い(3)普通(4)やや悪い(5)悪い
平成8年度報告書
(1)良い(2)やや良い(3)普通(4)やや悪い(5)悪い
平成9年度報告書
(1)良い(2)やや良い(3)普通(4)やや悪い(5)悪い
- 26 -
6
本学の報告書についてどのように評価されましたか。
平成6年度報告書
大学の現状分析
(学内・外公表
問題の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
印刷物)
評価の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
平成7年度報告書
(学内・外公表
改善策
(1)適切(2)普通(3)不適切
大学の現状分析
(1)適切(2)普通(3)不適切
問題の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
印刷物)
評価の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
平成8年度報告書
(学内公表
改善策
(1)適切(2)普通(3)不適切
大学の現状分析
(1)適切(2)普通(3)不適切
問題の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
印刷物)
評価の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
平成9年度報告書
(学内公表
改善策
(1)適切(2)普通(3)不適切
大学の現状分析
(1)適切(2)普通(3)不適切
問題の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
電子情報)
評価の取り上げ方 (1)適切(2)普通(3)不適切
改善策
7
(2)電子情報
(3)(1)と(2)の両者
本学の報告書の公表についてどのように思われますか。
(1)学内・外にすべきである
9
(1)適切(2)普通(3)不適切
本学の報告書はどのような形態が望ましいと思われますか。
(1)印刷物
8
(1)適切(2)普通(3)不適切
(2)学内に限定すべきである
今後の報告書の改善点(内容、読み易さ、体裁など)についてご意見をお聞かせくだ
さい。
10
自己点検・自己評価について、全般的なご意見(例えば、自己点検・自己評価の
在り方・進め方、今後の点検項目の選定など)をお聞かせください。
1)自己点検・自己評価の在り方・進め方について:
- 27 -
2)今後の点検項目の選定について:
(1)大学の地域社会への貢献(2)教授方法の工夫(3)学生の授業評価(4)卒
業生の進路(5)その他(
)
3)自己点検・自己評価の基準について:
4)その他(上記以外の事柄)について:
11
本委員会の費用については、必ずしも予算の確保がなされておらず、不安定な状態に
ありますが、どのように思われますか。
(1)共通経費によるべきである
(2)大学運営費によるべきである
ご協力ありがとうございました。
- 28 -
学術情報システム
98 年度の自己点検・自己評価の公開にあたり、すでに学内に向けて公表した 97 年度の
報告を示したのちに、本年度の自己点検・自己評価を記す。
97 年度報告
静岡県立大学短期大学部発足時に、事務部、図書館、および各研究室がイーサーネット
ケーブルで結ばれ学内 LAN が構築されており、95 年 12 月には谷田キャンパスと 64 kbps
の公衆回線によって接続されていた。関係各位の尽力によって、96 および 97 年度には学
内の情報システムが、以下に述べるように大幅に改善され、現在の情報化社会に対応する
教育研究の基本的な環境整備がなされた。
1
情報システムの改善点
(1)UNIX ワークステーション、Windows NT server 各 1 台とネットワークプリンタ 1
台の追加
従来の SUN workstation は運用後10年を経過し、その能力の限界にあった。この1、
2年の間に、Internet mail のやりとりも著しく増加し、mail host である sizcol1 はときどき
トラブルを起こしていた。97 年度から全教職員学生が mail host を利用するにあたり、新
しい SUN workstation (sizcol) が導入され、スムーズなサービスが可能となった。Windows
NT server は OA 実習室および図書館に配備された Windows 95 パソコンの server となって
いる。
(2)OA 実習室用に Windows 95 パソコン 61 台とレーザプリンタ 31 台、教員のパソコ
ン画面を学生に提示するための大型 CRT 6 台。図書館に Windows 95 パソコン 3 台
とレーザプリンタ 1 台を設置
これらのパソコンは全て LAN 接続されており、利用者の home directory は Windows NT
server 上に存在する。ユーザはどのパソコンを使っても各自の環境で利用できるように設
定されている。情報の科学演習、OA 実習、生活統計学、統計学、情報検索演習等の講義
・演習、および学生の自習に広く利用されており、OA 実習室および図書館パソコンコー
ナーはいつも盛況を呈している。
(3)LAN 接続された Windows 95 ノートパソコンの全教職員への配布
これらには Internet
browser、mailer、およびワープロソフトがインストールされている
ので、短大部内諸連絡はペーパーレス化の時代を迎えた。事務処理および諸連絡、教育研
究に大いに利用されている。
(4)短大部 home page の立ち上げ
UNIX workstation および Windows NT server を利用して、短大部の home page が作られ、
- 29 -
情報発信するに至った。URL は、
http://sizcol.u-shizuoka-ken.ac.jp/
であり、ここには随時、大学からのお知らせ(入試、公開講座の情報など)、大学や図書
館の案内などが記載されており、アカデミックなページとしては、短期大学部研究紀要、
Versification がある。教職員・学生も自主的に個人の home
page を作り、情報発信するに
至っている。
(5)短大部研究紀要 Web 版の発刊
紀要委員会の尽力によって、大学間の先陣を切って研究紀要の Web 版(Internet 版)が
発刊された。論文は PDF ファイルとして収録されており、冊子体と同じイメージでモニ
ター上に表示あるいは印刷が可能である。この出版によって本短大部研究紀要は全世界か
ら瞬時にして参照されることが可能となった。
(6)図書館システムの ILIS/X への更新
図書館システムが 97 年 4 月に UNIX 上の ILIS/X に更新され、業務の効率化が図られた
が、遡及データの入力が未解決のままである。
2
情報システムの問題点
(1)谷田キャンパスとの間の通信速度および Internet 接続等
短大部浜松校と谷田キャンパスとの間が、
95 年 12 月には 64kbps、97 年度からは 128 kbps
デジタル回線で接続されたが、利用者の急増に回線増強が追いつかず、レスポンスの悪い
状態が続いている。短大部浜松校では教職員・学生の回線利用度が極めて高く、講義・演
習等における Internet 利用には、レスポンスの悪さに対する忍耐すら必要である。さらに、
浜松校側の回線の細さゆえに、静岡校と浜松校との間のファイル転送速度は 10 kbps に満
たないことが多く、転送に時間を要しすぎている。なお、短大部静岡校、静岡・浜松の両
工業技術センターと谷田キャンパスの間は 256 kbps 接続であり、せめてこの程度にまで
短大部浜松校−谷田キャンパス間の回線を増強することが急務である。
Internet 接続については、学術情報センターと商用回線間の回線増強も望まなくてはな
らない。
(2)システム利用のガイダンスおよび管理運営
コンピュータを道具として利用するには、誰でもそれを容易に使いこなせなくてはなら
ない。ところで残念なことに、学生向けの講義演習以外には、システム利用方法のアナウ
ンスメントすら満足になされていない状態である。この原因は、システム運用が、3 名の
情報企画スタッフとコンピュータ会社への委託によって、谷田キャンパスにおいてなされ
ていることに起因する。この点を改善するために、多くの大学にならって、情報システム
利用の教育・研究・管理を行う「情報処理センター」の設置が切に望まれる。
OA 実習室および図書館のパソコンを、ユーザ毎の環境で利用できるようにするために
は、そのための設定が必要である。UNIX の userID の設定等は情報スタッフが行うが、そ
- 30 -
れ以外の事柄についてはすべて、本短大部教職員からなる「情報システム研究会」のボラ
ンティアに頼っている現状である。今後今年4月までに行わなくてはならない作業として、
Windows NT server からの卒業生の userID 削除、新入生個人毎の home directory と環境の
作成、64 台のパソコンの再設定などがある。この他に教職員・学生の質問や依頼に対す
る個別の対応やコンピュータの日常的な管理など、その作業量はボランティア教職員の本
来の業務を圧迫する状態である。この状態を改善し、本学の教育研究をさらに活性化する
ために、上述の「情報処理センター」の設置が切に切に望まれる。
(3)短大部サブシステムの必要性
教務および図書館関係業務など、コンピュータ利用するすべての業務が谷田キャンパス
のホストコンピュータを利用する形で行われている。この一元管理そのものには問題はな
いのであるが、谷田キャンパスの停電あるいはコンピュータ停止によって、短大部では何
もできないに近い事態が生じることが問題なのである。このとき、短大部付属図書館業務
をかなりの部分を停止せざるを得ない、成績証明書の発行が不可能になる、学外との接続
が不可能になる、e-mail が使えなくなる、などの事態が生じる。これらは短大部にサブシ
ステムを設置し管理すれば解決される事柄であることを指摘しておきたい。
98 年度報告
1
情報システムの改善(変更)点
(1)NIS 環境の運用停止
静岡県立大学短期大学部発足時から利用してきた 3 台のワークステーション、sizcol1、
sizcol2、および sizcolgw の OS は 2000 年問題に対応しておらず、OS のバージョンアップ
にはディスク容量が不足のため、そしてセキュリティの向上のために、これらの運用を停
止した。旧サーバ上にあった教職員の home
directory をすべて、昨年度に導入した sizcol
に移行し、NIS+環境とした。
(2)静岡校とのパスワードファイルの分離
昨年度までは、sizcol にアクセスした場合,静岡校に設置されている bambi 上のパスワ
ードファイルを参照していたため、静岡校停電等の影響で LAN 使用が不可能な場合があ
ったので、この点を改めた。
(3)学外からの SMTP サーバの使用禁止
セキュリティ上の問題から、学外から学内のメールサーバを使ってメールを出すことを
不可能にした。(読み出しは可能)
(4)短大部研究紀要 Web 版の継続発行
本年度も研究紀要 Web 版が継続発行された。なお、過年度冊子体紀要の一部を PDF 化
して、Internet browser での閲覧を可能にした。URL は、
- 31 -
http://sg.t.u-shizuoka-ken.ac.jp/kiyou/kyindex.html
である。
(5)図書館 ILIS/X システムへの遡及データ入力
本年度末から次年度にかけて、概ね解決される見通しが立った。なお、このシステムは
優れたものではないことがわかってきた。例えば、短大部付属図書館の NDC430 番台の
図書一覧を出力したいと思っても、SE の手を借りなくてはならない。つまりユーザの要
求に対する柔軟性がないシステムである。
2
情報システムの問題点
(1)前年度に指摘された問題点について
「(1) 谷田キャンパスとの間の通信速度および Internet 接続」については何ら前進が見
られなかった。浜松キャンパスは 2001 年 3 月をもって廃止となる予定であるので、設備
更新のための今後の支出を期待できず、見通しは暗い。
「(2) システム利用のガイダンスおよび管理運営」についても何ら改善は見られなかっ
た。静岡校情報処理実習室のサーバおよびクライアントシステムの運用業務など、仕事量
は増大するばかりである。99 年度には、障害によってハードディスクを交換した OA 実
習室パソコンへの、OS およびアプリケーションのインストール作業が業者委託になる可
能性があることは喜ばしい。
「(3) 短大部サブシステムの必要性」についても、何ら見るべき結果は得られなかった。
(2)OA 実習室のシステム改善
短大部浜松校の閉校が 2001 年 3 月に予定されているために、設備更新は望めないのか
も知れない。現在のマシンは Pentium 133 MHz、OS は MS Windows 95、インストールさ
れている主なアプリケーションは、MS Office 97、一太郎 V.8、および Visual Basic 4.0 で
ある。残る 2 年間の教育がこの状態で続けられるのかどうかについて、不安を隠すことは
できないが、努力せざるを得ないであろう。
以上のような問題点を抱えているとは言え、本短大部浜松校の学術情報システムは決し
て劣るものではない。教職員・学生のさらなる有効利用とシステム運用への協力を願う次
第である。
- 32 -
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