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ニカラグア通信
☆青 年 海 外 協 力 隊 ニカラグア通 信 No57☆ 2013 年 4 月 7 日 発 行 者 夏 目 佳 代 子 ¡Hola!今度は日本からこんにちは。帰国して 2 週間、引っ越しをしたり、 いろいろな契約をしたり、バタバタと毎日が過ぎていきました。曇りや雨 が続いて肌寒く、ニカラグアの青い空が恋しくなりました。同じ青でも濃 いのです。ニカラグアでの生活を思うと、サービスや手続きはどこにいっ ても丁寧で速くてすごい!と感心します。家でも外でも、「便利だな。」と 感じることがたくさんあります。でも、ものや情報が本当に多くて目が回 りそうです。そして、これまで歩き生活だったのが一転、車生活に戻りま ☆大好きな修道院も桜が満開 した。最初こそ、エンジンはどうかけるんだっけ?サイドブレーキを外し てなかった!ガソリンスタンドでは、給油口はどう開けるんだ??という感じでしたが、もうすっか り車生活です。慌ただしく過ぎる日々の中、車を運転しながら、車だと道で出会って呼ばれることも あいさつをすることもないんだな とさみしくなり、出会うと笑顔で声をかけてくれたり、おしゃべ りをしたりした町の人との温かい時間が思い出されました。また、どこまでもコンクリートの道が続 き、土はどこだ ?という感じです。道沿いに咲く桜を見て気持ちがなごみましたが、たんぽぽやは こべなどの野の花が咲いているのは自分で歩かないと気づかないままだっただろうな。歩きや便利な ものが少ない生活は時間も手間もかかるけれど、だからこそ感じられることがあり、工夫が生まれる のだと改めて思います。日本とニカラグアどちらがいいということではなく、ものの豊かさや便利さ よりも、心の豊かさや人とのつながりを大切にできるような生活を送っていきたいなと思っています。 ☆子どもたちの夢 高橋尚子さんがヌエバギネアに来て下さった時、アートマイルプロジェクロに参加している子ども たちに将来の夢を質問されました。その時の子どもたちの表情がとっても生き生きしていたのが印象 的でした。他の子どもたちはどんな夢をもっているのかなと思い、ヌエバギネアの子どもたちに、 「好 きなこと」「大切なもの、大切にしていること」「将来の夢」についてインタビューをすることにしま した。これまでに青少年の家の活動に参加した子、道ばたで声をかけてくれる子、などなど町で出会 った時にインタビューしていたら全部で 130 人ほどになりました。全員紹介したいところですが、紙 面に収まらないので一部紹介します。これまでの通信で紹介した子どもたちもいますよ 。 (①名前(年齢) ②好きなこと ③大切なもの ④将来の夢) ①ミルナ(10)②遊ぶこと ③家族 ④歌手 レースがたくさんついたエプロン姿がかわ いいミルナは、お母さんたちがトルティーヤ を作る横にいつもいます。トルティーヤがで きあがったら、パナ(たらい)に入れて売りに 行くお手伝い。エプロンにはチャックがたく さんついていて、ここにお金を入れるのです。 道で野球をする子どもたち。近所に 住むみんな仲良しで、よく一緒に遊ん でいます。この道を通るといつも声を かけてくれ ます。 ①ブライアン(8)②サッカー ①アーロン(10) ②サッカー ③家族 ④サッカー選手 ③家族 ④新聞記者 ①ノーリン(11) ①ルドゥイング(16) ②勉強すること ②サッカー、友だちと 働くこと 楽しむこと ③お母さん、家族 ③家族、友だち ④もっと勉強したい。 ④大学で英語を学び、 弁護士ニカラグアについて ノーリンに好きなことと将来の夢を聞いた時、 外国の人に紹介する。日本に行くこと。 「勉強」という言葉がぱっと出てきました。その ルドゥイングはとても陽気。青少年の家でイベ ときの表情が、本当にキラキラしていたのがとて ントを行なう時などによく手伝いに来ていました。 も心に残っています。 日本の文化にもとても興味をもっていました。 ←①ケビン(10) ←①カティ(8) ② 遊 ぶ こ と 、 働 く こ と ②遊ぶこと、小さい子 ③ 家 、 家 族 、 働 く こ と の世話をすること ④弁護士 ③ 家族 ④先生 フィンカに住む兄弟思 まだ小さいいとこたち いで働き者のケビン をあやすのがとっても 上手なカティ ①カティ(13)→ ②フォルクローレを 踊ること ③家族、勉強 ④お医者さん ソーラン節の練習を一 番がんばったカティ ①ハディル(13)→ ②働くこと、売ること ③働くこと、家族 ④大学に行く。 トルティーヤを売った りして家族を支えてい ます。 ←①ルイサ(7) ※弁護士は、結婚式で入 ②踊ること 籍の誓約書のサインをす ③お母さん るときに立ち会うなど、 ④お姫様、お城に行く。 職に就く過程や仕事内容 ソーラン節を一緒に が、日本の弁護士と少し 踊ったルイサ。お母さ 違う部分もあります。町 んたちがやっている お店に出すタコスを作るお手伝い。いとこのカティ、ブライアン共に には弁護士事務所のよう な所が結構あります。 とっても上手に作ります。私も教えてもらいました。 日本とニカラグアの子どもたち、文化や生活環境が違っても、共通していることがたくさんありま す。遊ぶことはみんな大好き。携帯電話を持っている子も多く、友だちとチャットしたり音楽を聴い たりする姿もよく見ます。インタビューをする中で、驚いたこともあります。 「好きなことは?」と聞 くと「勉強すること」 「働くこと」という答えが返って来る子がたくさんいました。学校や家での勉強 量や厳しさは日本より少ないこともあるかもしれませんが、すぐにその答えが出てくることに感心し ました。また、 「大切なものは?」と聞くと、ほとんど子が考える間もなく「家族」と答えました。ニ カラグアでは、家庭内暴力や子どもへの虐待、若年妊娠や望まない妊娠など、家族を取り巻く課題が まだまだたくさんあるのも事実です。それでも、家族のことを一番に思うニカラグアの人たちから学 ばされることがたくさんありました。子どもたちの夢がいつか叶いますように。 この 2 年間活動を進めてこられ、無事に日本に帰国できたのも、日本の家族や友人、任地の人々、 JICA 職員の方々、協力隊員の支えのおかげであり、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、訓練中か ら発行してきたニカラグア通信を読んでいただき、ありがとうございました。 「ニカラグアが身近に感 じられるようになったよ。」という言葉を聞くと、とてもうれしくなります。ここまで続けてこられた のは、みなさんに読んでいただいたおかげです。本当にありがとうございました。¡Muchasgracias!