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No.1759 - 兵庫県教職員組合

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No.1759 - 兵庫県教職員組合
2010/1・21
No. 1759
2面
日( 日 )、 ラ ッ セ
周年記念事業「日常的な
心のケアを考えるシンポジ
ウ ム 」 が 日 本 教 職 員 組 合、
兵庫県教職員組合の共催で
日教組の中村讓中央執行
開催された。
・阪神・淡路大震災
周年記念事業
パネルディスカッション
「日常的な心のケアを考える国際シンポジウム」より
援活動にあたってきた。こ
の実績は、内閣総理大臣か
ら防災功労者表彰を受ける
ちが、今年度末で中学校を
までのシンポから、震災体
卒業し、文科省からの加配
震災を体験した子どもた
定、頭痛や腹痛などのさま
など高く評価されている。
ざまな症状を引きずる「ト
措置である心のケア担当教
験が深い心の傷となって残
ラウマ」を抱えた被災地の
子 ど も た ち に は、「 心 の ケ 員も終了する見込みだ。し
テインさんらが参加した。
ントのロベルタ・バーンス
災・学校支援チーム(EA
員 が 力 合 わ せ を し た「 震
庫県では県教委と現場教職
Aのあり方に学びつつ、兵
また、アメリカのFEM
事件、子ども虐待など心の
はもとより、いじめや残虐
れている。また、自然災害
存在が調査結果より報告さ
影響を受けている子どもの
ア」が必要だと学んできた。 かし、震災による何らかの
はロサンゼルス教職員組合
0名が参加、アメリカから
教職員のなかまなど約25
のA.J.ダッフィー会長
のさまざまな自然災害の被
R T H )」 が 発 足。 国 内 外 ケ ア を 要 す る 子 ど も は 多
兵教組は阪神・淡路大震
災地に駆けつけ、兵庫の体
良喜さん(兵庫教育大学教
教育創造をめざす決意を新 「 し あ わ せ 運 べ る よ う に 」 たち兵教組は、命の尊さ大
シンポジウムでは、冨永
い。
験をもとに復興・復旧の支
年に、初
マ ー リ ー ン・ ウ ォ ン さ ん、 めて国際シンポを開催し今
学大学院教育学部副部長の
回目を数える。これ
回で
育の創造は重要な課題。私
た に す る、「 追 悼 の 夕 べ 」「 届 け よ う こ の 歌 を 」 が 歌 切さを育む教育の充実のた
復興と、震災の教訓に学ぶ
記念事業のシンポジウムに
(1月17日、ラッセホールで)
阪神・淡路大震災15周年
兵庫県教職員組合・兵庫教育文化研究所は、
「大震
災の教訓に学ぶ教育創造」のとりくみをすすめてきた。
とりわけ、被災地の子どもたちに対する教職員による
心のケアのとりくみは、全国的にも例をみない実践と
して高い評価を得ている。阪神・淡路大震災15周年に
あたり、この兵庫における心のケアのとりくみの検証
をおこない、学校における日常的な心のケアのあり方
についてを学ぶために、元 FEMA(アメリカ合衆国緊
急事態管理庁)のメンバー及び UTLA( ロサンゼルス
教職員組合 ) の代表者をお招きし日本教職員組合との
共催で国際シンポジウムを開催した。
全国から教職員のなかま、教育関係者など約250名が参加した。
年と
黙祷の後、山名幸一兵教
組委員長は「節目の
ともご指導・ご助言を」と
述べた。
授)をコーディネーターに、
パネリストから、日常的な
心のケアに関する提起が
あった。続いて、兵庫にお
ける教育実践の報告とフロ
ア か ら の 実 践 報 告 と し て、
新潟県中越地震の被災地よ
り山本和代さん(新潟県教
職 員 組 合 教 文 部 長 )、 石 川
県能登半島地震被災地より
宮本秀人さん(石川県教職
員組合穴水輪島支部書記
長)からの報告が語られた。
これらの発言とフロアか
らの質問や感想をもとにパ
ネルディスカッションがお
こなわれ、活発な討議がお
こなわれた。(裏面掲載)
ハウをとりまとめ、教員の
災害時等における児童生徒
の心の理解とケアの実践力
を高めるとともに、各学校
において児童生徒の心のケ
アの組織的なとりくみを推
された私たちの責務だと思
ならない』このことは、残
はならない、風化させては
心の傷を受け、精神的に不
積 み 重 ね て き た。 し か し、 戸・魚崎小)と掛田沙耶子
け、営々としたとりくみを
からの創造的な復興に向
メモリアルコンサートで
進する」と語った。
う。そして『困ったときは
安定な状況にある児童生徒
よるアルト・サクソフォン
さん(神戸・小束山小)に
は、四之宮亜沙美さん(神
お互い様』の精神は、阪神・
二重奏が演奏された。続い
東山小)と神垣文恵さんに
る。しかし、大震災から学
影響は深刻さを増してい
用・経済情勢が続き、その
現 在、 日 本 は 厳 し い 雇
験していない子どもたちに
の経験を生かし、震災を経
らに大切なことは、今まで
的に関わっていきたい。さ
徒の心の理解とケアに積極
在籍しており、これらの生
よるソプラノ独唱の「手紙」
んだ『支え合い、励まし合
も震災の経験と教訓を伝え 「 し あ わ せ 運 べ る よ う に 」
名が
い、困った人には手を差し
ていくこと。これまでの支
が歌われた。
花し、会場の参加者全員で
刻まれた銘板に参加者が献
童・生徒、教職員の名前が
震災で亡くなられた児
では、涙する参加者もいた。
伸べる』当たり前の地域づ
援体制の成果や活動のノウ
今なお中学3年生で
(こどもの詩と絵 第29集より)
くり、人間づくりをもう一
んだ教訓である。
がピーク時の4,106名
大西孝県教育長は「震災
宝塚市宝塚小学校二年 世良田 裕貴
か ら 減 少 し て い る も の の、 て、小池由美さん(西宮・
を忘れて
カラー P.2
淡路大震災からの復旧・復
言 う が、『 1・
15
興ボランティアの中から学
17
め全力投球する決意。今後
引き続き、大震災で犠牲と
神戸市立桂木小学校合唱団の美しい歌声が会場に響いた。
われた。
がおこなわれ、314人が
追悼の歌として、神戸市
なった児童・生徒、教職員
周年
97
参加した。
阪神・淡路大震災
10
の方々のご冥福をお祈りす
15
メンタルヘルスコンサルタ
立桂木小学校合唱団による
災から2年後の
夫妻、南カリフォルニア大
委員長をはじめ、全国から
り、退行現状や情緒的不安
「日常的な心のケアを考える国際シンポジウム」
月
17
ホールで阪神・淡路大震災
1
15
るとともに、創造的な教育
追悼の夕べ
(1月17日、ラッセホールで)
児童・生徒、教職員
TEL 078-331-9974(直通)
15
度考え、防災教育・減災教
74
第1759号
2010年1月21日(木)
(1)
お問い合せ先
(財)兵庫県学校厚生会信用共済部
日常的な心のケアに関して
まな立場の人たちにも、広
は、ノーミング(統一)の
アメリカの中学・高校で
○A.J.ダッフィーさん
でも防災教育ができること
ければ、どんな教科・分野
と防災とのつながりを見つ
子どもたちが自分の得意技
サ ポ ー ト す る 教 育 も あ る。
く語り結んでいくことが防
プロセス=ある地域の子ど
験してきたことを、さまざ
災教育では大事だと思う。
に気づいてほしい。
訪日団より
もたちはカウンセリングを
また、対象者に対しての効
子どもたち、教職員との
○ ロベルタ・バーンステインさん
◇◇◇◇◇◇
防的なケアを学び、自分の
果があるものには、連邦や
受 け る と い う も の が あ る。
題を見る目を変えることを
州から「学校向上のための
大症状として①精神 どもの話を聞く。③子ども
命、人の命を守るプログラ
コミュニケーションを続け
ム教育の展開もできるので
予算」がでる。州の
ていくことが重要。そして
%の
はないか。
問題を自国のみではなくさ
子どもたちに教えることで
◇
税金が教育にまわされなく
はないか。
(UTLA会長) ウ マ の 原 因 に な っ た 障 害、 ないよ。友だちが、先生が、
てはならないが、税収自体
的不安定による不安、不眠 たちと遊ぶ。とにかく子ど
○瀧ノ内さん
ばならないのは、虐待や事
今後、震災を体験してい
今、私たちが考えなけれ
① の、「 学 校・ 教 職 員 が
件で傷ついた子どもたちの
○冨永さん
避傾向。③事故・事件・犯 きた。
心のケアを要する子どもへ
ない子どもたちに、どのよ
関連する事物に対しての回 みんながいるよ」と伝えて
心。安全でなければならな
罪 の 目 撃 体 験 等 の 一 部 や、
のかかわりの視点を見直
学校はコミュニティの中
いため、建築基準法をきち
全 体 に 関 わ る 追 体 験( フ
うに語り継いでいくのか
とが大切だと思う。
まざまな国で語っていくこ
んと定めることが必要であ
ケアをどうするのか。被害
○冨永さん
体験を安心して語る場の確
が自然に心のケアに寄与し
す」とは、どのようにすす
ていたが、一方で、暴力や
ラ ッ シ ュ バ ッ ク ) が あ る。
いろんな子どもたちの反
る。被災した子どもたちに
あり方を見直す。②人の配
応を理解し、その段階に応
アメリカでのカウンセ
私たちは、子どもを全体
ラーの配置数は減ってきて としてみんなをみていくこ
おり、グループでのカウン とが大切。心理学的に見た
きないことも含め討論を深
り継ぎの中だけでは保障で
る。
災教育としての意味があ
師などいろんな役割が期待 必要なニーズを満たしてい
カウンセラーや看護師や医 必 要 だ。 つ な が り を 持 ち、
と 思 う が、 学 校 の 先 生 に、 耳を傾け守っていくことが
セリングをすることも必要 場合、まだ学ぶ準備ができ
み上げが、阪神・淡路大震
めていきたい。
(大阪府教職員組合)
同じ体験をした子ども同
○A.J.ダッフィーさん
ういった歴史を子どもたち
方々の協力を得ながら、こ
くみをおこなった。地域の
の中で慰霊碑をつくるとり
もたちの写真があり、学校
うシステムが動いている。 中心になる。その中でリー
同様の心理健康教育士とい
四川の大地震後、中国でも ○A.J.ダッフィーさん
ナ ル な シ ス テ ム だ と 思 う。
床心理士ではない。オリジ
スクールカウンセラー、臨
◇◇
士が出会い、生きているこ
日 本 の 復 興 担 当 教 員 は、
○冨永さん
ていかなければならない。
うした事について声を上げ
されている。私たちは、こ くことが大事だろう。
災後の兵庫の教職員のとり
フロアより
◇◇◇
くみだと思う。
いと思う。
○ ロベルタ・バーンステインさん ○マーリーン・ウォンさん
症状である、共感疲労があ
置。③体験の語り継ぎ。な
を、伝える側、語り継ぐ側
は、速やかに心のケアのプ
る。私たちにとって大切な
どがあげられ、パネルディ
「 語 り 継 ぐ 」 こ と は、 次 だ。また、日本でも同様だ ていない子どもに対しては
「 語 り 継 ぐ 」 こ と は、 自 が考え直さなければならな
ロジェクトをはじめること
のは、トラウマに敏感な社
虐待などの個別性の高いト
保をしなければならない。
が良い。災害が起こる前か
会をつくること。トラウマ
じた対処法を勉強しておく
めればよいのか。
ら教育WEBサイトなどを
スカッションのテーマとし
また、教職員がかかり易い
使った教育の準備をしてお
がどのような影響を及ぼす 諏訪清二さん
ラウマの場合、集団での語
然災害の場合は、この営み
く。これらの事は、政府を
必要がある。その一番の積
○諏訪さん
動かし、みんなを巻き込ん
世代の命を守ることと、防
◆◆
パネルディスカッション
フロアより
私たちにとって、子ども
地域や学校の中には歴史
○ ロベルタ・バーンステインさん ○酒井博文さん
に語る場を持たせるだけで
授業の中で、事前の生き
○瀧ノ内さん
も 壊 滅 的 な 打 撃 を 受 け た。 る力やストレスの対応など
芦屋は地域コミュニティ
どう備えたらよいのかが分
がある。勤務校には戦前の
の視点を今後もっていかな
室戸台風で亡くなった子ど
震災後もまだ、精神的、経
持つことが大切だろう。
かる。そして、備えが出来
科 学 的 に 勉 強 す る こ と で、
て 伝 え な け れ ば な ら な い。 ○永田守さん(芦屋)
難。を防災教育が知識とし
地震の揺れに合わせた避
考えた時、①強い建物。②
教職員として避難訓練を
かの正しい知識を知り、対 (舞子高校環境防災科教諭) た。
い。
応していかなければならな
は下がっている。
が減っているため年々予算
などの過覚醒症状。②トラ もたちに「一人ぼっちじゃ
Dの
震災から得た教訓を糧に
子どもたちの心のケアを考える
冨永良喜さん(兵庫教育大学教授)をコーディネーターに、A.J.ダッフィー
さん、マーリーン・ウォンさん、ロベルタ・バーンステインさん、瀧ノ内秀都さん、
諏訪清二さんがパネリストとして参加。阪神・淡路大震災15年のまとめとして、フ
ロアから兵庫教育文化研究所副所長の神田英幸さんからも報告があった。
(南カリフォルニア大学大
災害と暴力事件は異なる
学院教育学部副部長)
ように見えるが、与える影
響は共通している。PTS
ければならないのではない
なく、教職員が共通の絆を
た学校は、事前に安心感を
かと思う。
校は希望、コミュニティの
とを実感する。自分が友を
事を感じれば、それだけで
関心をつないでいくことが
ら、宗教や文化を大切にし ち・家族にとっても、正常
ウマケアの知恵を学びなが していくことが、子どもた
子 ど も た ち の 心 を つ な ぎ、 現実を踏まえ、西洋のトラ い。また、学校教育を継続
の 一 つ の 営 み で は な い か。 ジアの人たちであるという 事態に備えなければならな
ダーシップを発揮し、緊急
も癒しになる。自分が一人
私たちの責任ではないかと
ン・ウォンさんの話で、学
回復の場だとあったが、そ
済的に苦しんでいる地域の
手 に 入 れ る こ と が で き る。 保護者に対して、マーリー
( メ ン タ ル ヘ ル ス コ ン サ ル に人を安心させるだけでな
の学校ができることの示唆
に伝えていくことが教職員
心のケアというのは、事後
く、災害があっても心のケ
助け、また助けられている
ロベルタ・バーンステインさん
アが不要なぐらいに備える
を頂きたい。
要素は、①自然現象の災害
ぼっちではないと分かるこ
大
学校はコミュニティーの
トラウマの影響を教員や
ことが大事なのではない
タント)
身近な人がもっと知る必要
か。また、防災教育の
世界の被災者の %がア
がある。災害だけでなく暴
とが、大きな希望、或いは
力の影響は、子どもの学力
予 想 を 学 ぶ。 ② 災 害 対 応。
を低下させる。まずは早期
③ 社 会 背 景。 ④ 語 り 継 ぎ。
発見が大切。それから子ど
教育は、心のケアのプログ
○冨永さん
があるのではないか。
ある。
システムを作って行く必要 ることができるため重要で
たアジア特有の心のケアの であるという感情を受け取
ラムと重なる。
◇◇◇◇
感じた。
つの要素を持つ防災
員へのSSET(トラウマ
この
を持つ生徒支援)のプログ
私たちはお互いに情報交
②のスクールカウンセ
○諏訪さん
デアをいただきたい。
ころうとも子どもたちの教
ればならない。将来何が起
これらの継続法を考えなけ
日常的な防災学習のアイ のか、災害が起こった時の
◇◇◇◇◇
「 語 り 継 ぎ 」 に は、 心 の
る 場 が 大 事 で あ る。 ま た、 う考えているのか。
換していき、教育や心のケ
学校がいかに傷ついた子
防災教育のための語り継ぎ
ラーなどの人の配置につい
○諏訪さん
助けになってくれる。
○冨永さん
どもたちをケアし、支援し
フロアからの報告とし
私たち教員ができること
ていくかについて、傷つい
○マーリーン・ウォンさん
アをどのように続けていく
は、回復への道のりを教え
アメリカでは、決められ
フロアより
て、神田英秀幸さん(兵庫
ること。被災前通りの生活
として、命の大切さや思い
た予算の中での資金の割振
○立野亮さん(神戸)
教育文化研究所)から、兵
た子どもたちへの早期介入
やりや助け合いといった教
て、教育行政や専門家がど
庫でのこの間のとりくみに
に戻るのではなく、新しい
訓が詰まった話を、事実の
ケアとして震災体験の語り
ついてのまとめが報告され
が重要で、行動だけでなく
の課題として①私たち教職
防 災 教 育 や 心 の ケ ア は、 育を守り、心のケアをおこ
る こ と。 広 い 視 野 に 立 ち、 内面も見据えた発見をどう
震災当時に注意を心がけ
また、授業を通しての予
すればいいのか。
自分の命を守るためだけの なっていかなければならな
心理的な傷やストレスを少
りは、各学校に任されてお
員の子どもや保護者にかか
まま語り継いでいくことが
ていた事は、①子ども一人
しずつ下げる。考え方や問
教育ではない。周りの人を い。
わる姿勢・また学校体制の
り柔軟性がある。
直しをしていける安心でき
瀧ノ内秀都さん
段階での正常な生活にもど
○マーリーン・ウォンさん
90
大事だと思う。そして、体
ひとりに声をかける。②子
兵庫からの教育実践報告
(芦屋・宮川小学校教諭) た。子どもたちの心のケア
されている。
◆
もへの心理教育。また、教
4
ラムの有効性がデータで示
4
マ ー リ ー ン・ ウ ォ ン さ ん
でいかなければならない。
40
A.J.ダッフィーさん
3
(2)
第1759号
(第三種郵便物認可)
2010年1月21日(木)
阪神・淡路大震災15周年記念事業 シンポジウムより
「日常的な心のケア」
について
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