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大分県における観光の現状と今後の課題

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大分県における観光の現状と今後の課題
OITA
2015年6月5日
日本銀行大分支店
大分県における観光の現状と今後の課題
本稿は、柳内健吾が作成しました。内容に関する照会は、日本銀行大分支店総務課(TEL:
097-533-9106 FAX:097-538-7085)までお寄せください。
本稿はインターネット(http://www3.boj.or.jp/oita/)からもご覧いただけます。
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行大分支店まで
ご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
【要
旨】
① 大分県の観光は、振れを伴いつつも 2009 年をボトムに持ち直しの傾向が続いており、
15 年入り後は海外客を中心に堅調な動きとなっている。この間、国内客についても、
新たな大型商業施設・観光スポットのオープンや東九州自動車道の県内全線開通の効果
等から、着実に持ち直しつつある。
② こうした中、各地域・自治体や民間レベルにおいて、国内外に向けた誘客活動・情報発
信が活発化している。例えば、大分県では、12/8 月に県内観光戦略の軸となる「大分
県ツーリズム戦略」を策定し、従来にも増して観光振興に注力しており、こうした取り
組みが奏功し、JR グループによる「デスティネーションキャンペーン」
(15/7~9 月)
や、「ラグビーワールドカップ」(19/9~10 月)の誘致に成功した。また、官民が一体
となって、観光目的の多様化に対応したイベントを実施したり、地域内や地域間での連
携を進める動きも広がっている。
③ 今後の大分県における観光需要を展望すると、短期的には、海外客が引き続き増加基
調を辿る中、国内客についてもデスティネーションキャンペーン開催の効果等から、
堅調に推移するとみられる。但し、中長期的には、必ずしも楽観できる状況にはない。
すなわち、海外客は引き続き増加していくことが見込まれるものの、国内客について
は、人口減少を背景とした国内旅行市場の縮小により減少していく見通しにあり、自
然体のままでは、県内宿泊客数は全体として緩やかな減少傾向を辿ることが想定され
る。
④ こうした中において、大分県観光の前向きな動きを持続させるためには、以下のよう
な課題が挙げられる。
 1 人当たり観光消費額の増加に向けた取り組み
 国内旅行市場の中で存在感を増していくと想定される「団塊ジュニア」に対する
アプローチ強化
 空港や鉄道駅から各観光地に移動するための交通手段(二次交通)の整備
 「大分」の認知度向上に向けた海外への積極的な情報発信
 大分県の魅力の維持・向上を意識した「量」よりも「質」の誘客
 ハード・ソフト両面での海外客受入体制の更なる整備
1
1.はじめに
○ 大分県は、別府や湯布院といった全国有数の温泉地を有し、日本一の温泉源泉総数・
源泉湧出量を誇るほか、世界農業遺産の国東半島・宇佐地域(認定:13/5 月)や日本
ジオパークの認定を受けた豊後大野市・姫島村(同:13/9 月)、日本遺産に認定された
「咸宜園」
(同:15/4 月)など、自然・食・歴史・文化面で多数の魅力ある資源を有し
ている。
○ こうした中、大分県では、今年入り後、3 月の東九州自動車道の県内全線開通のほか、
4 月の JR 大分駅ビルや大分県立美術館のオープンなど大型イベントが相次いでいるこ
とに加え、7~9 月には JR グループによる「デスティネーションキャンペーン1」も予
定されており、観光実の増加を通じた交流人口の拡大や雇用創出が期待されている。
──
観光産業は、宿泊・飲食サービス業や運輸業だけでなく、商業や製造業など
関連する産業の裾野が広く(図表 1)
、高い経済効果が期待できる分野である。
○ 本レポートでは、最近の大分県における観光の現状や、官民における特徴的な取り
組みについて整理するとともに、短期・中長期的な観光需要の展望とそれを踏まえた
今後の課題について考察する。
2.大分県の観光の現状評価
○ 2014 年の大分県における観光需要は、やや低調な動きとなった。県内主要宿泊施設
の宿泊実数(14 年、速速報ベース)は、韓国における旅実船沈没事故(14/4 月)や夏
場前後の台風接近の影響等がみられたほか、前年に北部九州総体(13/7~8 月)が開催
された反動もあって、前年を下回った。但し、時系列的にみると、こうした特殊要因
による振れはあるものの、2009 年をボトムに基調としては持ち直しの傾向が続いてお
り(図表 2~4)、中でも海外実は、為替円安による訪日旅行の割安感の浸透や東アジア
諸国の査証(ビザ)発給要件の緩和、前年の格安航空会社の就航等を背景に増加して
いる(図表 5、6)
。
○ 15 年入り後は、海外実を中心に堅調に推移している。この間、国内実についても、
東九州自動車道の県内全線開通(15/3 月)や JR 大分駅ビル開業(15/4 月)
、大分県立
美術館のオープン(同)など一連のイベント効果もあって、着实に持ち直しつつある。
3.大分県における観光振興に向けた取り組み
○ 大分県は、12/8 月に県内観光戦略の軸となる「大分県ツーリズム戦略」(2013~15
年度)を策定し、「日本一のおんせん県おおいた ♨味力も満載」というキーワードの
1
特定の地域をデスティネーション(目的地)とし、JR グループ 6 社が地方自治体や観光関係者と連
携して全国的に宠伝して誘実を図る国内最大規模の観光キャンペーン。
2
下、官民協働で取り組むべき観光振興の方向性を提示するとともに、従来以上に国内
外からの誘実に努める方針を打ち出している(図表 7)
。こうした取り組みが奏功し、
同戦略で掲げられていた目標のひとつである JR グループによるデスティネーションキ
ャンペーン(15/7~9 月)の誘致に 20 年振りに成功したほか(図表 8)
、最近では、19/9
~10 月のラグビーワールドカップの誘致にも成功した(図表 9)。
── 大分県では、15/3 月に「おんせん県おおいた観光振興条例」を制定し、観光振
興の基本理念や県の責務・市町村の役割、観光振興に関する施策の基本事項を定
めた。また、15/5 月には、
「大分県ツーリズム戦略」の後継となる次期戦略案「日
本一のおんせん県おおいたツーリズム戦略 2015(仮称)」
(2016~18 年度)を策定。
本年秋の最終決定・発表が予定されている。
○ こうした中、民間レベルや各地域・自治体レベルでも、観光を地域の成長産業と位
置付け、国内外での誘実活動・情報発信を積極化しているほか、観光目的(温泉、ア
ート、アニメ、健康増進)の多様化に対応したイベントを实施したり(図表 10)
、国際
会議や学会等の MICE 誘致を積極化する事例がみられている。また、観光実の回遊や相
互送実を促す目的で地域内や地域間での連携を進める動きも広まっている(図表 11)。
○ この間、地域金融機関では、①観光振興や地方自治体との連携推進を目的とした部
署の新設や②資金使途を観光分野に絞ったファンドを設立する動きがみられるほか、
③他地域の金融機関と協働して商品開発や観光 PR を行う取り組みもみられている(図
表 12)
。
4.観光需要の見通しと今後の課題
(1)短期的な見通し
○ 今後の大分県における観光需要を展望すると、既往の為替円安等を背景に海外実が
引き続き増加基調を辿るほか、国内実についても、JR 大分駅ビルや大分県立美術館の
オープン、東九州自動車道の県内全線開通の効果が持続する中、15/7~9 月に開催され
るデスティネーションキャンペーンの効果等も相俟って、当面は堅調に推移すること
が見込まれる。これまで同キャンペーンが開催された地域においては、キャンペーン
期間中の 3 か月間だけでなく、その前後にわたって県内宿泊実数が増加しており(図
表 13)
、大分県においても相応の押上げ効果が期待されている。
── なお、大分県は、電車以外の交通手段を利用した来訪者が多いことから(図表
14)
、こうした観光実の増加を想定した受入体制の整備(駐車場の確保や空港・港
湾施設における来訪実のスムーズな誘導など)が重要であると考えられる。
3
(2)中長期的な見通し
○ 但し、中長期的には、必ずしも楽観できる状況にはない。すなわち、日本の将来推
計人口や国連世界観光機関(UNWTO)の予測等を基に、県内宿泊実数の中長期的な見通
しを推計すると、海外実は引き続き増加が見込まれるものの、国内実については、人
口減尐を背景とした国内旅行市場の縮小により減尐していく見通しにあり、自然体の
ままでは、県内宿泊実数は全体として緩やかな減尐傾向を辿ることが想定される(図
表 15)
。
── 国連世界観光機関では、北東アジアの国際観光実到着数の年平均伸び率を 10~
20 年は+5.7%、20~30 年は+4.2%と予測しており、仮に大分県を訪れる海外実
が同率で増加した場合、現在(14 年見込み)の 32.5 万人から 2030 年には 68.3 万
人に増加する計算。
── 一方、国内実については、仮に年齢階層別にみた宿泊需要が各々の階層の将来
推計人口の増減率と同率で推移した場合、
現在の 390.1 万人から 2030 年には 342.6
万人に減尐する計算。具体的には、50・70・80 歳代が増加するものの、ウェイト
が高い 30・40・60 歳代が減尐することから、全体では年率▲0.8%程度のペース
で減尐していく計算。
── なお、上記見通しは、国内外の社会経済情勢(雇用・所得環境、旅行に伴うコ
スト、休暇制度、観光施策等)によって、大きく変動し得る点には留意が必要で
ある。
(3)上記を踏まえた今後の課題
○ このように、大分県の観光需要は、短期的にはデスティネーションキャンペーン等
による押し上げ効果から堅調に推移するとみられるが、中長期的には、国内人口の減
尐を背景に緩やかな減尐基調を辿ると想定される。
○ こうした中において、大分県観光の前向きな動きを持続させるためには、以下のよ
うな課題が挙げられる。
① 1 人当たり観光消費額の増加に向けた取り組み
中長期的な国内実の減尐をカバーすべく、
(a)滞在日数の長期化(県内周遊観
光に繋がる提案・企画)、
(b)商品単価の引き上げ(オプショナルツアーの充实、
魅力ある地元食材の提供と情報発信)、
(c)来訪頻度の増加(リピーター増加に
繋がる取り組み)等を図ることで、1 人当たりの観光消費額(図表 16)を増加さ
せていくことが求められる。
── 仮に国内実 1 人当たりの観光消費額(円/回)を年間+100 円程度ずつ増や
していくことができれば、県内宿泊実数の減尐をカバーできる計算。
4
── 例えば、特定のテーマを設けて県内各地を周遊するツアー(県内各地に点
在する城・城址を巡るスタンプラリー2など)を設定し、県内での滞在時間を
増やしたり、夕方・夜間のイベント(観光施設・テーマパークの夜間開園な
ど)を充实させることで県内のホテル・旅館に宿泊してもらえる機会を増や
すことも、1 人当たりの観光消費額の押し上げに効果的であると考えられる。
② 国内旅行市場の中で存在感を増していくと想定される「団塊ジュニア」に対する
アプローチ強化
高齢化の進展に合わせ、シニア層の旅行需要の取り込みを図っていくことは引
き続き重要であるが、これに加え、今後、国内旅行市場の中で存在感を増してい
くと想定される「団塊ジュニア」世代に対するアプローチを強化していくことも
重要である。
── 現在 40 歳代前半である「団塊ジュニア」の多くは、子育て世代であり、
家族で旅行を楽しむ機会が多いことが特徴。誘実に際しては、様々なイベン
トやアトラクションなど短期間でも家族一緒に楽しめるコンテンツを紹
介・提案することも重要なポイントの 1 つと考えられる。また、ファミリー
世帯の需要取り込みは、「将来のリピーター」となり得る子ども世代に大分
県への愛着を持ってもらうことにも繋がると考えられる。
③ 空港や鉄道駅から各観光地に移動するための交通手段(二次交通)の整備
県内宿泊業者等からは、
「大分に到着してから各観光地に移動するための交通手
段の整備が必ずしも十分でない」との声が聞かれており、鉄道・航空機等の公共
交通機関を利用する旅行実の需要を取りこぼしている可能性があるため、空港や
鉄道駅からの交通手段を整備していくことが重要と考えられる。
── 大分県を訪れる観光実の移動手段としては、現状では前述のとおり自家用
車等の割合が圧倒的に高い(前掲図表 14)が、高齢化の一段の進行や国際免
許を持たない海外実の増加に伴い、自家用車以外の移動手段を利用した来訪
ウェイトが高まっていく可能性もある。
④ 「大分」の認知度向上に向けた海外への積極的な情報発信
日本政策投資銀行の「アジア 8 地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成 26
年版)
」によると、日本の観光地の中で「別府・湯布院」の認知度は 15%と、九
州内の他地域に比べて低いほか、全国の中でも必ずしも高いとは言えない(図表
2
大分県は、豊臣秀吉によって所領が細分化されて以降、江戸時代も天領や他藩の飛び地、旗本領・
神宮領以外に 8 つの藩があり、その分、城の数も多い(中津城、杵築城、日出城、府内城、臼杵城、
佐伯城、岡城など)
。県内各地に点在しているため、これらを巡ることにより、地域毎に異なる大分
の魅力を広く知ってもらうことができる。
5
17)
。裏を返せば、
「大分」の認知度を向上させることにより、海外実を一段と増
加させることができるということであり、海外への情報発信を一段と積極化する
ことが求められる。
── 海外実の取り込みにあたっては、訪日旅行に関心を持つ外国人が旅行の計
画を立てる段階で、いかに「大分」をアピールできるかが大きなポイントと
なる。旅行先の検討に際しては、海外の旅行情報サイト(「TripAdvisor」、
「Booking.com」など)や「Twitter」などのソーシャルメディアの書き込み
情報を参考にすることが多いことを踏まえると、こうしたチャネルを意識し
た情報発信を強化することも、費用対効果の観点から有効であると考えられ
る。
──
当地の交通事情等に詳しくない外国人向けにモデルコースを設定するな
ど「分かりやすさ」に重点を置いた施策も重要である。海外実は大分県だけ
を訪れるのではなく、近隣県・地域を周遊するケースが多いことから、モデ
ルコース策定にあたっては、複数の都道府県に跨った広域周遊ルート(九
州・中国・四国版「ゴールデンルート」
)を形成することも一案である。
⑤ 大分県の魅力の維持・向上を意識した「量」よりも「質」の誘客
海外実については、全国各地の観光地が積極的な誘実活動を展開しており、地
域間の競争も一段と厳しくなっている。この結果、海外実をかなり安い価格で受
け入れる宿泊施設も尐なくなく、
「稼働率が上昇している割には収益が上がらない」
との声も聞かれている。このため、湯布院地区をはじめとした一部旅館が实践し
ているように、外国人の中でも富裕層をターゲットとした高付加価値・高価格帯
の商品を展開することで、海外実取り込みのための全国的な価格競争とは一線を
画し、県内全域で各観光地の雰囲気・景観を維持しつつ、収入増を図る取り組み
も有効と考えられる。
⑥ ハード・ソフト両面での海外客受入体制の更なる整備
現在進められている海外実受入体制の整備(無料公衆無線 LAN の整備、海外カ
ードに対応した店舗・ATM の拡充、ハラール対応など)の更なる充实が期待され
る。
── 無料公衆無線 LAN の整備は、海外実の利便性向上に寄与するだけでなく、
将来的には各アクセスポイントから取得された位置情報等のビッグデータを
基にして、海外実の行動パターンの分析にも活用することができる可能性を
有する。
6
5.おわりに
○ 足もとの大分県経済は、緩やかに持ち直しの動きが広がりつつある。今後、本格的
な人口減尐局面を迎える中で、大分県が安定的な経済成長を維持するためには、観光
関連産業の成長・発展を通じた交流人口の増加とそれに伴う消費の活性化が不可欠で
ある。現在、全国の地方自治体が、
「地方版総合戦略」の策定にあたって観光振興を目
玉に掲げているが、大分県がこうした地域間競争の中で優位に立つためには、大規模
イベントが重なる「100 年に一度」と言われる好機を活かし、官民一体となった取り組
みをこれまで以上に強化していくことが重要である。
以
7
上
図表編
【図表 1】観光消費の大分県内産業への経済波及効果
③旅行客・観光客の消費による大分県内での生産誘発額(推計)
①大分県への実旅行客・観光客数(推計)
(人)
20,674,626
合計
(百万円)
241,921
合計
宿泊客
5,265,292
サービス
117,111
日帰り客
15,409,334
運輸
42,838
商業
29,172
製造業
18,695
金融・保険
9,012
不動産
8,541
電気・ガス・水道
5,035
情報通信
4,504
農業
3,318
建設
1,305
漁業
822
②①による総消費額(推計)
(百万円)
172,982
合計
宿泊客
104,768
日帰り客
68,214
その他
1,568
(注)観光庁「宿泊旅行統計調査」、「共通基準による観光入込客統計」の平成 22 年調査結果を基にした推計結果。
生産誘発額は、直接効果と間接効果(第一次+第二次)の合計。
(資料)大分県、大分大学経済学部「旅行客・観光客の消費がもたらす県内産業への経済波及効果について」
【図表 2】大分県内の主要宿泊施設における实宿泊実数の推移(国内実・海外実)
(万人)
(%)
500
450
海外客
国内客
前年比(右軸)
10.0
8.0
400
6.0
350
4.0
300
2.0
250
0.0
200
▲ 2.0
150
▲ 4.0
100
▲ 6.0
50
▲ 8.0
▲ 10.0
0
06年
07
08
09
10
(注)13 年は速報、14 年は速速報。
(資料)大分県「大分県観光統計調査」
8
11
12
13
14
【図表 3】宿泊旅行統計調査でみた延べ宿泊実数の推移(全国・九州・大分)
(2010年=100)
120
全国
九州
110
大分県
100
90
80
07年
08
09
10
11
12
13
14
(注)従業員 10 人以上の施設。14 年は速報値。
(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」
【図表 4】大分県内の主要宿泊施設における宿泊実数の推移(国内実・海外実)
(前年比、寄与度、%)
15.0
15.0
海外客
国内客
10.0
10.0
前年比
5.0
5.0
0.0
0.0
▲ 5.0
▲ 5.0
▲ 10.0
▲ 10.0
▲ 15.0
▲ 15.0
┗
12
年
┛
┗
1
3
┛
┗
1
4
┛
(注)13 年は速報、14 年以降は速速報。
(資料)大分県「大分県観光統計調査」
9
┗15
14/11月
12
15/1
2
3
4
【図表 5】ドル円レートの推移
130
(円)
120
110
100
90
80
70
┗
08年 ┛
┗
09
┛
┗
10
┛
┗
11
┛
┗
12
┛
┗
13
┛
┗
14
┛
┗ 15
(注)東京市場ドル・円スポット(17 時時点)の月中平均。
(資料)日本銀行「外国為替市況」
【図表 6】13 年以降の主なビザ発給緩和・免除措置
開始日
13/7月
13/10月
13/11月
14/1月
14/7月
14/9月
14/12月
15/1月
国名
ビザ発給・免除緩和措置
タイ、マレーシア
マレーシア
インドネシア
フィリピン、ベトナム
アラブ首長国連邦
カンボジア、ラオス、パプアニューギニア
ミャンマー
インド
インドネシア、フィリピン、ベトナム
インドネシア
中国
ビザ
ビザ
数次ビザ
数次ビザ
数次ビザ
数次ビザ
数次ビザ
数次ビザ
数次ビザ
ビザ
数次ビザ
(資料)外務省
10
IC旅券ビザ免除
ビザ免除再開
滞在期間延長
発給開始
発給開始
発給開始
発給開始
発給開始
発給要件緩和
IC旅券事前登録制によるビザ免除
発給要件緩和
【図表 7】大分県ツーリズム戦略の概要
戦略1 地域の観光素材磨き
(1)魅力ある商品づくり
(2)旅行目的に応じた心あたたまるおもてなしの提供
(3)地域間をつなぐ二次交通の整備
戦略2 誘客
(1)国内誘客
(2)海外誘客
(3)団体誘客
戦略3 情報発信
(1)関係機関が一体となった情報発信
(2)あらゆる媒体を活用した情報発信
(3)県外事務所・海外事務所等を通じた情報発信
(4)大規模イベント等を活用した情報発信
戦略4 広域観光
戦略5 戦略ある現場主義の推進
(1)人材の育成とネットワークづくり
(2)地域観光協会の活性化と相互の連携強化
(3)大分県ツーリズム戦略推進協議会(仮称)の設置
(4)ツーリズムおおいたの機能強化
(資料)大分県「大分県ツーリズム戦略」
11
【図表 8】08 年以降のデスティネーションキャンペーン開催地一覧
実施時期
開催地域
名 称
08/4-6月
山梨県
週末は山梨にいます。
7-9月
山口県
はじめてなのに、なつかしい。おいでませ山口へ
10-12月
宮城県
美味し国伊達な旅 仙台・宮城
09/4-6月
兵庫県
あなたにあいたい兵庫がいます。
6-8月
神奈川県
ストーリーが、はじまる。ヨコハマ
10-12月
新潟県
うまさぎっしり新潟
10/4-6月
奈良県
はじまりの奈良、めぐる感動。
7-9月
─
─
10-12月
長野県
未知を歩こう。信州
11/4-6月
青森県
行くたび、あたらしい。青森
7-9月
群馬県
心にググっとぐんま わくわく 体験 新発見
熊本・宮崎・鹿児島県
のんびり過ごす極情の旅 熊本 宮崎 鹿児島
10-12月
12/4-6月
岩手県
イーハトーブいわて物語 そういう旅に私はしたい。
7-9月
北海道
こころにくる旅。キュンと北海道
10-12月 鳥取・島根県 ほっと一息 あなたの旅 山陰から
13/4-6月
宮城県
笑顔咲くたび 伊達な旅
7-9月
広島県
瀬戸内ひろしま、宝しま
10-12月
秋田県
あきたにしました。
14/4-6月
新潟県
うまさぎっしり新潟「彩とりどりの春めぐり」
6-9月
山形県
山形日和。
9-12月
和歌山県
和み、和らぐ。和歌山からはじまる旅。
15/4-6月
福島県
福が満開、福のしま。
7-9月
大分県
いやします。ひやします。おんせん県おおいた
10-12月
16/4-6月
富山県・石川県・福井県
岡山県
Japanese Beauty Hokuriku~日本の美は、北陸にあり。~
晴れらんまん おかやまの旅
7-9月 青森県・函館 ひと旅ふた旅、めぐる旅。青森⇔函館
10-12月
─
─
17/4-6月
四国4県
─
7-9月
長野県
─
9-12月
山口県
─
(注)例年 1-3 月の開催地となっている京都を除く。
(資料)報道情報等
12
【図表 9】ラグビーワールドカップ 2019 開催都市
札幌市
岩手県・釜石市
埼玉県・熊谷市
東京都
神戸市
静岡県
愛知県・豊田市
福岡市
神奈川県・横浜市
大阪府・東大阪市
熊本県・熊本市
大分県
(資料)日本ラグビーフットボール協会
【図表 10】観光目的の多様化に対応したイベントの一例
分野
イベント名
概要
別府八湯温泉道
別府市内の約 140 か所の共同温泉・ホテル旅館の温泉を巡るスタンプラリ
ー。「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳に 88 湯のスタンプを集めると「別府
八湯温泉道名人」の称号を得ることができる。
九州八十八湯めぐり
~九州温泉道~
九州の約 140 か所の共同温泉・ホテル旅館の温泉を巡るスタンプラリー
(大分は 43 か所と最多)。「御湯印帳」と呼ばれるスタンプ帳に 88 湯のスタ
ンプを集めると「泉人」の称号を得ることができる。
おおいたトイレンナーレ
3 年に一度開催されるアートフェスティバルを指す「トリエンナーレ」と、まち
なかの空間に欠かせない「トイレ」を組み合わせたアートイベント。
国東半島芸術祭
国東半島を舞台にしたアートイベント。海岸線や山間部などに現代アート
作品を展示するとともに、それらを巡るトレッキングツアーなどを開催。
混浴温泉世界
別府市で 3 年に一度開催される現代芸術フェスティバル。15/7-9 月は、
「世界は不思議に満ちている」をテーマにプロジェクトを展開する。
TRANS CITY 2015
別府市のビーコンプラザで開催。アニメキャラクターが登場するプロジェク
ションマッピングや実寸代の模型などが楽しめる。
進撃の巨人展
大分県日田市出身の諫山創氏による人気漫画「進撃の巨人」の原画展
(大分県立美術館)。日田市大山町では「聖地」としてコスプレイベントやコ
ラボ商品の販売が盛んとなっている。
九州オルレ
韓国・済州島発祥のトレッキング「オルレ」の九州版。九州観光推進機構と
済州オルレ協会が協定を結び、13/3 月からスタート。大分県では、「別府
コース」、「奥豊後コース」、「九重・やまなみコース」の 3 コースを設定。
国東半島峯道
ロングトレイル
国東半島一帯の霊場を僧侶が歩いて辿る修験行事「峯入り」に使う道を中
心に、ロングトレイルのコースとする取組み。15/3 月に全 10 コースが開
通。
温泉
アート
アニメ
健康増進
13
【図表 11】地域内・地域間での連携の一例
名称
連携主体
概要
豊の国千年
ロマン観光圏
別府市、中津市、豊後高田
市、杵築市、宇佐市、国東
市、日出町、姫島村
大分県北部の 8 市町村のエリアが観光圏整備法に基づく滞在交
流型の観光圏に認定(14/7 月)されたことを受け、広域観光商品
の開発や訪日外国人の取り込みを図っている。
東九州広域
観光推進協議会
大分県、宮崎県
東九州自動車道の全線開通を見据え、大分県と宮崎県およびそ
れぞれの観光団体が連携して両県の魅力を PR。
東九州サンライン
別府市、北九州市、宮崎市
東九州自動車道の全線開通を見据え、別府市、北九州市、宮崎
市の 3 市が連携して観光 PR パンフレットを作成するなど広域交
流を図っている。
チキチキナンバン
プロジェクト
大分市、宮崎市
東九州自動車道の大分-宮崎間開通に合わせ、大分市と宮崎
市が連携し、観光 PR による観光客誘致や広域交流を図ってい
る。なお、名称は大分県名物の「とり天」や「南蛮文化」と宮崎県
名物の「チキン南蛮」に由来。
ふるさと割クーポン
リクルートライフスタイル、
大分県、別府市等
リクルートライフスタイルが大分県、別府市と共同で「地域住民生
活等緊急支援のための交付金」を活用した「ふるさと割クーポン」
(宿泊料金が最大半額)を「じゃらん net」を通じて発行。
国東市、ソラシドエア
国東市とソラシドエアが連携し、世界農業遺産を PR するプロジェ
クトを実施(13/12-15/3 月)。期間中は世界農業遺産のロゴが記
載された機体が運行したほか、機内には世界農業遺産に関する
パンフレットを設置することで、PR を実施。
空恋プロジェクト
【図表 12】地域金融機関の取り組みの一例
取組内容
金融機関
概要
部署の新設
A 銀行
観光支援や地公体との取引、社会貢献などの業務を推進するた
めの部署を新設。「地方創生」への取り組みについても中心的な
役割を果たしている。
ファンドの設立
A 銀行、B 銀行
地域観光の発展と活性化に向けた取り組みに対して金融面での
サポートを図るため、資金使途を観光分野等に絞ったファンドを
創設。
A 銀行
東九州自動車道の開通を記念し、隣県の地方銀行と共同で懸賞
付定期預金を取り扱うほか、両行の本支店に両県の観光パンフ
レットを設置。
C 信金
全国の信金と連携して、お互いの取引先の団体旅行を誘致する
とともに、取引先の宿泊施設や土産物屋を紹介。
他地域の金融機関
との連携
14
【図表 13】デスティネーションキャンペーン前後の延べ宿泊実数の前年比
(%)
DC開催地
T-3
山梨県(08/4-6月)
山口県(08/7-9月)
宮城県(08/10-12月)
兵庫県(09/4-6月)
神奈川県(09/6-8月)
新潟県(09/10-12月)
奈良県(10/4-6月)
長野県(10/10-12月)
青森県(11/4-6月)
群馬県(11/7-9月)
熊本県(11/10-12月)
宮崎県(11/10-12月)
鹿児島県(11/10-12月)
岩手県(12/4-6月)
北海道(12/7-9月)
鳥取県(12/10-12月)
島根県(12/10-12月)
宮城県(13/4-6月)
広島県(13/7-9月)
秋田県(13/10-12月)
新潟県(14/4-6月)
山形県(14/6-9月)
和歌山県(14/9-12月)
福島県(15/4-6月)
大分県(15/7-9月)
▲ 0.5
0.7
0.8
0.8
12.0
31.2
▲ 4.3
14.4
9.8
▲ 27.0
▲ 17.8
24.7
3.7
2.3
0.2
▲ 3.6
0.6
▲ 2.9
▲ 7.9
4.7
▲ 2.1
0.4
▲ 7.8
平均増加率
伸び率上位5県
伸び率下位5県
8.0
T-2
T
(DC期間)
T-1
▲ 0.4
▲ 5.7
▲ 1.9
6.8
7.6
▲ 1.5
11.3
3.8
▲ 16.4
9.5
3.7
4.9
15.5
1.9
1.9
▲ 3.7
▲ 2.8
▲ 2.4
▲ 4.2
▲ 3.9
11.8
2.5
7.0
T+1
T+2
T+3
3.5
▲ 2.5
▲ 14.5
▲ 0.5
2.4
16.8
46.5
20.0
3.9
▲ 17.1
23.9
17.2
15.0
28.7
13.4
1.5
▲ 10.6
0.2
3.8
9.8
▲ 3.3
▲ 3.2
▲ 0.2
1.7
▲ 0.9
▲ 10.7
▲ 12.8
4.3
5.6
99.2
21.0
▲ 13.0
13.7
6.7
▲ 6.7
15.0
▲ 6.1
1.4
▲ 9.1
▲ 5.6
5.7
5.9
▲ 4.5
3.0
6.9
▲ 4.9
6.5
▲ 5.8
▲ 3.9
▲ 3.2
8.1
6.5
79.6
▲ 12.1
11.5
▲ 1.5
▲ 2.8
45.0
20.7
▲ 8.9
7.6
2.1
▲ 6.6
▲ 0.1
6.7
▲ 13.5
2.6
▲ 0.5
▲ 2.2
▲ 6.5
▲ 2.9
▲ 3.9
32.4
4.4
72.2
▲ 6.7
1.1
4.5
0.0
24.6
5.2
▲ 1.2
0.1
1.8
23.9
2.2
8.5
▲ 5.6
3.4
▲ 5.7
▲ 2.7
3.0
22.1
21.5
▲ 7.8
▲ 11.1
13.9
▲ 5.0
18.7
▲ 10.6
21.2
▲ 1.7
▲ 8.1
6.2
3.9
34.4
▲ 1.0
6.8
▲ 10.1
1.4
2.0
6.7
5.0
6.3
7.4
4.4
▲ 4.4
▲ 0.4
4.9
▲ 1.8
23.9
▲ 5.7
24.0
▲ 7.0
29.8
▲ 4.9
21.3
2.7
▲ 2.0
14.2
(%)
7.0
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
平均増加率
1.0
0.0
T-3
T-2
T-1
T
(DC期間)
T+1
T+2
T+3 (四半期)
(注)従業員 10 人以上の施設。「T」は、デスティネーションキャンペーンが開催された四半期(神奈川県は 09/7-9 月、山形県は
14/7-9 月、和歌山県は 14/10-12 月を基準としている)。伸び率上位 5 県(奈良県、宮崎県、鹿児島県、新潟県<09/10-12
月>、熊本県)、下位 5 県(和歌山県、山口県、兵庫県、島根県、宮城県<08/10-12 月>)は、デスティネーションキャンペー
ンが開催された期間を含む 3 四半期(T-1、T、T+1)の延べ宿泊者数の前年比を基準とした。
(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」
15
【図表 14】大分県までの交通手段(複数回答)
(%)
自家用車、社用・公用車
67.7
飛行機
9.5
貸切バス・観光バス
8.9
レンタカー
6.2
フェリー
4.6
JR新幹線
4.3
JR在来線
4.0
バイク
1.3
高速バス
1.3
路線バス
1.0
タクシー・ハイヤー
0.7
私鉄・地下鉄
0.3
その他
0.3
0.0
20.0
40.0
(資料)大分県「平成 25 年度大分県観光実態調査報告書」
16
60.0
80.0
【図表 15】大分県内の主要宿泊施設における实宿泊実数の将来予測
500
(万人)
国内客(60歳未満)
国内客(60歳以上)
予
測
450
海外客
400
350
300
250
200
150
100
50
0
08年 09
80
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
(万人)
10代未満
30代
60代
外国人
予
測
70
10代
40代
70代
20代
50代
80代以上
60
50
40
30
20
10
0
08年 09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
(注)国内客の年齢別内訳は、観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2013 年)における年代別シェア(全国)を基に推計。15
年の国内客は、過去のデスティネーションキャンペーン開催地における延べ宿泊客数の年間増加率(+5.1%)を基に推
計。16 年以降の国内客は、総務省「人口推計(平成 26 年 10 月 1 日現在)
」
、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将
来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」
(出生中位・死亡中位推計)の年齢別人口推計を基に算出。海外客は、国連世界観光
機関(UNWTO)の予測における北東アジアの国際観光客到着数の年平均伸び率(10-20 年:5.7%、20-30 年:4.2%)を
基に推計。
(資料)大分県「大分県観光統計調査」
、観光庁「旅行・観光消費動向調査」
、総務省「人口推計」
、国立社会保障・人口問題研
究所「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)」
、UNWTO「Tourism Towards 2030 Global Overview」
17
【図表 16】県外実の観光消費額単価(日本人・観光目的、2013 年)
1
2
3
4
5
21
<宿泊客>
(円/人回)
北海道
76,825
沖縄県
70,132
鹿児島県
54,989
秋田県
43,433
千葉県
39,985
大分県
1
2
3
4
5
25,496
20
<日帰り客>
(円/人回)
北海道
21,709
秋田県
11,607
鹿児島県
11,331
静岡県
11,079
徳島県
10,808
大分県
7,791
(注)集計結果が得られている 40 都道府県のみ。観光消費額単価(円/人回)は、観光入込客 1 人の 1 回の旅行における観光消
費額を指す。
(資料)観光庁「共通基準による観光入込客統計」
【図表 17】日本の観光地の認知度(アジア 8 地域)
90
(%)
80
70
60
50
40
30
20
15
10
0
東富箱日松軽北札函帯ニ 知釧東青仙松平新佐北金立富名伊飛関京奈大神岡広山鳥松四し 高松九福長別熊宮鹿沖知
京士根光本井海幌館広セ 床路北森台島泉潟渡陸沢山山古勢騨西都良阪戸山島陰取江国ま松山州岡崎府本崎児縄っ
コ
て
な
山
・
・
・
屋・
・
・
沢道
・
島
・
十
阿
黒
志・
出
博
高
道
湯 ・阿
い
み
る
勝
寒
部
摩山
雲
多
後
布蘇
海
場
院
道
所
は
な
い
(注)韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの 8 地域を対象としたアンケート調査。選択肢には個
別の都市名と広域の地方区分が混在している。
(資料)日本政策投資銀行「アジア 8 地域・訪日外国人旅行者の意向調査(平成 26 年版)」
18
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