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中国地震被災地支援 経過報告

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中国地震被災地支援 経過報告
2008/11/30
中国地震被災地支援 経過報告
(2008 年 11 月時点)
(財)日本 YMCA 同盟
稲見綾乃
■支援対象団体:
(1)
成都(せいと/チョンドゥー:Chengdu)YMCA *2009 年度以降青少年ワークキャンプとして
(2)
西安(せいあん/シーアン:X ian)YMCA *施設補修および子どもたちの教育支援として
■支援スケジュール:
<2008 年>
9 月: 中華 YMCA 全国協会総主事代行から提出された3つの計画書について、国際協力委員会にて検討。大筋の
支援方針決定。
11 月: 日本 YMCA 同盟より中華 YMCA 全国協会に 300 万円を銀行送金、同時期に日本 YMCA 同盟山田総主事に
よる現地での詳細な支援方針協議。
12 月: 食堂修理設計開始→工事着工、地震による被害の影響を受けた貧困地区出身の子どもたちのための教育
支援(奨学金、農村開発教育)。
<2009 年>
5 月: 食堂完成
8 月:
2009 年度ワークキャンプ実施(日本・中国・韓国)、今後 3 年間の支援計画について協議
2010 年および 2011 年: 中長期的に子どもと青少年のためのプロジェクト実施(地震によって被害を受けた子どもた
ちのための教育プログラム)
■ 概要:
<被災状況>
2008 年 5 月 12 日 15:28、中国中西部にて大地震が発生した。これにより中国において死者 6 万 9197 人、負
傷者 37 万 4176 人、行方不明1万 8222 人、家屋倒壊 21 万6千棟、損壊家屋 415 万棟、被災者累計 4616 万 865
人という被害が出た(ウィキペディア「四川大地震」にて掲載の数字:中国政府発表)
。
<中国地図>
出所: テキサス大学図書館(http://www.lib.utexas.edu/maps/cia08/china_sm_2008.gif) 2008 年 11 月 26 日閲覧。
*成都および西安は本地図中央に位置する。
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2008/11/30
<対象地域>
今回日本の YMCA として支援する地域は、成都および西安である。
中国では内陸部と沿海地域との経済格差が大きく広がっているが、西安 YMCA では、青少年のため
のユースホステルを経営する一方で、こうした農村貧困地域を対象に、農村開発事業(奨学金事業、
HIV 予防教育含む)を行っている。以前より香港や韓国 YMCA、米国 YMCA との交流があるが、日本と
しては奈良 YMCA とパートナー関係にあり、積極的な交流が行われている。
西安 YMCA が社会教育活動を行っている地域で、今回の地震の被害が大きく、かつ貧困農村地域に
ある学校を選定し、支援することとなった(藍田県鎮馬家村中学校)
。この学校に寄宿する寮生 300
名が、地震により食堂が損壊したために使用できず、ビニール屋根の下で食事をせざるを得ない状
況である。特に今は冬の到来ということもあり、寒空の下での簡素な食事ということである。成長
期の生徒たちの日々の食生活を整え、充実した基礎的な生活環境を整えるためにも、今回(2008 年
11 月)現地に送った 300 万円で、まずは緊急に食堂と厨房を修復する。また、建設費残額を利用し、
地震によって家族の経済状況の悪化などによる被害を受けた生徒を対象に教育支援を行う予定であ
る(奨学金・農村開発教育プログラム提供などの案が出ている)
。
そのうえで、2009 年以降には日本・韓国・中国の3カ国交流という形で、生徒たちの心のケアに
も配慮した青少年交流キャンプを行う。ここでは、西安 YMCA のみならず、成都 YMCA や中華 YMCA
全国協会が募集する近隣被災地(漢中など)の子どもたちも招待する。日本では奈良 YMCA が主管と
なり、参加ユースを募る。加えて韓国 YMCA 同盟のアレンジにより、韓国からもユースが参加する予
定である。これにより、地震によって経済的にも精神的にも被害を受けた現地の子どもたちが、国
際的な友情により元気づけられ、さらにはこうした被害を克服する強い心と体を培うことを狙う。
*対象地域選定理由: 西安 YMCA のプロジェクトでは学校施設(食堂)補修が支援の中心となり、
本来の YMCA の国際協力支援方針である「単に建物やモノの提供ではなく、子どもたちの心のケアや
教育のサポートを行う」という点から見れば、例外的な支援であるといえる。しかしながら西安は、
地震被災地としての知名度に欠けるため、これまでほとんど支援を受けられていないこともあり、
日本の YMCA からの支援を最も必要としている地域であった。
また今回支援先として選定した学校と
近隣地域では、西安 YMCA が長年子どものためのプログラムを行ってきており、奈良 YMCA と友好的
な関係を築き上げていることからも、カウンターパート団体として適切と考えられる。
*支援額: 日本 YMCA 同盟に寄せられた募金総額 7,117,452 円(内 3,006,500 円を今回送金したため、現在の残高
4,110,952 円・・・次年度以降 2009-2011 に、心のケアのための青少年国際ワークキャンプに支援予定)
写真1 : 対象中学校の仮設の食堂(1)
(2008 年 11 月現地にて撮影)
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2008/11/30
写真2 : 対象中学校の仮設の食堂(2)
(2008 年 11 月現地にて撮影)
写真3 : 支援対象となる子どもたち∼食事の提供を行列して待つ(1)
(2008 年 11 月現地にて撮影)
写真4 : 支援対象となる子どもたち∼食事の提供を行列して待つ(2)
(2008 年 11 月現地にて撮影)
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