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日本基督教団信仰問答

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日本基督教団信仰問答
日本基督教団信仰問答
信
仰 告 白
1954 年 10 年 26 日教団総会制定
(1967 年 7 月 6 日第 4 回常議員会においてふりがな確定)
我らは信じかつ告白す。
あかし
ふくいん
旧新約聖書は、神の霊感によりて成り、キリストを 証 し、福音の真理を示し、教会の拠
るべき唯一の正典なり、されば聖書は聖霊によりて、神につき、救ひにつきて、全き知識
を我らに与ふる神の言にして、信仰と生活との誤りなき規範なり。
主イエス・キリストによりて啓示せられ、聖書において証せらるる唯一の神は、父・子・
聖霊なる、三位一体の神にていましたまふ。御子は我ら罪人の救ひのために人と成り、十
字架にかかり、ひとたび己を全き犠牲として神にささげ、我らの贖ひとたまへり。
神は恵みをもて我らを選び、ただキリストを信ずる信仰により、我らの罪を赦して義と
み
み
したまふ。この変わらざる恵みのうちに、聖霊は我らを潔めて義の果を結ばしめ、その御業
を成就したまふ。
からだ
教会は主キリストの 体 にして、恵みにより召されたる者の集ひなり。教会は公の礼拝を
守り、福音を正しく宣べ伝へ、バプテスマと主の晩餐との聖礼典を執り行ひ、愛のわざに
励みつつ、主の再び来りたまふを待ち望む。
我らはかく信じ、代々の聖徒と共に、使徒信条を告白す。
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。我はその独り子、我らの主、イエス・キリ
お と め
ストを信ず。主は聖霊によりてやどり処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦
よ
み
しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちより
よみがへり、天に昇り、全能の父なる神の右に座したまへり、かしこより来りて、生ける
者と死ねる者とを審きたまはん。我は聖霊を信ず。聖なる公同の教会、聖徒の交はり、罪
か ら だ
とこしへ
い の ち
の赦し、身体のよみがへり、永遠の生命を信ず。
アーメン
1
目
序
次
言
1 人生の意味
問1
われわれ人間の生きる最も大切な意味は何であるか。
5
問2
神を知るにはどうすればよいか。
5
問3
聖書はどのような書であるか。
6
問4
聖書はどのような書から成っているか。
7
問5
聖書は何を教えるか。
7
問6
その福音とは何であるか。
7
問7
神はどのようなかたであるか。
8
問8
代々教会は神についてどのような信仰を告白してきたか。
8
2 聖
書
3 神
4 イエス・キリスト
イエス・キリストはどのようなかたであるか。
9
問10 「神から遣わされて人と成った」とはどういうことか。
10
問11 イエスはキリストであるとはどういうことか。
10
問12 神の独り子はどのようなかたであるか。
11
問13 神の独り子はどのようにして人と成りたもうたか。
11
問14 イエスの生涯について知らねばならないことは何か。
12
問9
問15 しかしわれわれの信仰告白がイエスの生涯について言及
12
していないのはなぜか。
問16 それでは使徒信条の中に「ポンテオ・ピラトのもとに」
とあるのは、どのような意味か。
13
問17 「苦しみをうけ」とは。
14
問18 「十字架につけられ」とは。
14
問19 「死にて葬られ」とは。
15
問20 「陰府にくだり」とは。
15
問21 「三日目」とは。
15
問22 「死人のうちよりよみがえり」とは。
16
問23 「天に昇り」とは。
16
問24 「全能の父なる神の右に座したまへり」とは。
17
問25 「かしこより来りて 生ける者と死ねる者とを審きたまはん」
17
とは。
問26 それからキリストは何を行いたもうか。
2
19
5 聖
霊
問27 このキリストは、どのようにして地上のわれわれと共に
19
いたもうか。
問28 聖霊とは、どのようなかたであるか。
19
問29 聖霊は、どのような働きをなしたもうか。
20
問30 聖霊はどのようにして働きたもうか。
21
6 赦しと潔め
問31 罪とは、何であるか。
21
問32 罪からの救いはどのようにしてなされたか。
22
問33 罪の赦しとは何であるか。
23
問34 罪の潔めとは何であるか。
23
問35 赦しと潔めとはどのように関係するか。
24
7 神
の
国
問36 救われた者の希望は何であるか。
24
問37 神の国の到来とは何であるか。
25
8 教会と聖礼典
問38 神の国の祝福にあずかるにはどのようにしたらよいか。
25
問39 教会とは何であるか。
26
問40 礼拝とは何であるか。
27
問41 聖礼典とは何ですか。
27
問42 バプテスマとは何であるか。
28
問43 聖餐とは何であるか。
29
問44 聖礼典はだれが執行するか。
31
問45 教職者とは何であるか。
31
問46 教会の役員とは何であるか。
31
9 キリスト者の生活
問47 キリスト者とは何であるか。
32
問48 キリスト者の教会における務めは何であるか。
32
問49 礼拝にはどのような意味があるか。
33
問50 祈りとは何であるか。
34
問51 献金とは何であるか。
35
問52 伝道とは何であるか。
36
問53 キリスト者の家庭における務めは何であるか。
36
問54 キリスト者の国家・社会における務めは何であるか。
37
38
生活綱領
3
序
言
福音主義キリスト教が日本に初めて伝えられたのは一八五九年(安政六年)
、その教会が
初めて横浜に設立されたのは一八七二年(明治五年)であった。最初の教会は外国のいず
れの教派にも所属しない超教派的な教会であったが、その後欧米の諸教派が移植されてそ
の数は増加した。他方各教派の間にしばしば合同の議が生じたけれども、容易に実現しな
かった。ついに一九四一年(昭和十六年)六月二十四日わが国の三十余派の福音主義教会
は次のような「教義の大要」のもとに合同し、日本基督教団を創立した。
「イエス・キリストに由りて啓示せられ聖書に於て証せらるる父・子・聖霊なる三位一
体の神は世の罪と其の救の為め人となり死にて甦へり給へる御子の贖に因り信ずる者の罪
を赦して之を義とし之を潔め永遠の生命を与へ給ふ。
教会はキリストの体にして恩寵に依りて召されたる者礼拝を守り福音を宣伝へ聖礼典を
行ひ主の来り給ふを待ち望むものなり。
」
その後一九四八年(昭和二十三年)の総会で教団は使徒信条を告白することを決定した
が、合同以来最も重要な懸案であった信仰告白を一九五四年(昭和二十九年)十月二十六
日の総会で制定するに至った。
はじめに
本教団の「信仰問答」は、戦時中教学局の責任において、すでにまとめられていたのが、
公にできない事情もあって、ようやく昭和二十一年十月十五日に、出版の運びとなった。
そして半年の間に三版を重ねたが、当時の教学委員会は戦後の社会の変化に伴い、その修
正の必要を感じ、一部を省略または訂正をし、引用聖句を付けて昭和二十四年十月十八日
に重版した。その後、信仰職制委員会は、一般の意見を求め調査研究の結果、なるべく当
用漢字を用い、また新かなづかいによる外、内容にも多尐手を加える程度に訂正すること
を定め、昭和二十八年七月二十五日に増補改訂版を発行した。
昭和二十九年十年二十六日第八回教団総会において、信仰告白が制定されたのに伴って
信仰問答の改訂の必要が生じたので、信仰職制委員会は、歴史的遺産としての内容を生か
しながら、文体はできるかぎり口語訳聖書に添い、さらに自由な口語を採用することを方
針として、相当根本的な改訂をすることとし、教団総会の議を経てこの改訂版を発行する
に至った。本書の利用に上よりの祝福を祈ってやまない。
昭和三十四年三月
日本基督教団信仰職制委員会
4
1 人生の意味
問1 われわれ人間の生きる最も大切な意味は何であるか。
答
1
2
3
それは、まず神を知り、神と交わり、またすべての時に身をもって神の栄光をあらわ
すことである。
1
「永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになった
イエス・キリストを知ることです。
」(ヨハネ17:3)
2
「わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわ
たしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエ
ス・キリストとの交わりです。
」(第一ヨハネ1:3)
3
「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を
現しなさい。
」(第一コリント6:20)
問2 神を知るにはどうすればよいか。
1
2
答 生まれながらの知恵と力とによっては神を知ることができない。へりくだった心をも
3
って聖書を学び、悔い改めて信じることによって神を知るのである。
1 「イエスは答えて言われた。『はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神
の国を見ることはできない。』
」
(ヨハネ3:3)
2
「だがあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたは、そ
れをだれから学んだかを知っており、また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことを
も知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵
を、あなたに与えることができます。聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、
戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、ど
のような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。」
(第二テモテ3:14~17)
3 「すると、ペトロは彼らに言った。
「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの
名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受け
ます。」
(使徒2:38)
5
2
聖
書
問3 聖書はどのような書であるか。
1
答
2
3
聖書は、神がそのみ旨を啓示するために与えたもうた神の言であって預言者と使徒
4
5
6
が聖霊に導かれて書きしるしたものであり、教会がこれを正典として受けいれ、信仰と生
活との唯一の規範としたものである。
1
「あなたの定めは驚くべきものです。わたしの魂はそれを守ります。御言葉が開かれ
ると光が射し出で/無知な者にも理解を与えます。
」(詩篇119:129~130)
、
「主よ、わたしは知っています。人はその道を定めえず/歩みながら、足取りを確か
めることもできません。主よ、わたしを懲らしめてください/しかし、正しい裁きによっ
て。怒りによらず/わたしが無に帰することのないように。」
(エレミヤ書10:23~2
4)
2
「神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語
られたが、この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この
御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。」
(ヘブル1:1
~2)
3
「初めに手短に書いたように、秘められた計画が啓示によってわたしに知らされまし
た。
この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今
や“霊”によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。」
(エペソ
3:3、5)
4
「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く
訓練をするうえに有益です。」
(第二テモテ3:16)
5
「この書物の預言の言葉を聞くすべての者に、わたしは証しする。これに付け加える
者があれば、神はこの書物に書いてある災いをその者に加えられる。また、この預言の書
の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書物に書いてある命の木と聖なる都から、
その者が受ける分を取り除かれる。
」(黙示録22:18~19)
「聖書の預言はすべて、自分勝手に解釈すべきでないことを、まず第一に知るべきで
ある。なぜなら、預言は決して人間の意志から出たものではなく、人々が聖霊に感じ、神
によって語ったものだからである。
」(第二ペテロ1:20~21)
6 「あなたの御言葉は、わたしの道の光/わたしの歩みを照らす灯。」
(詩篇119:1
05)
6
問4 聖書はどのような書から成っているか。
1
答
2
聖書は、旧約と新約とから成っており、旧約は39巻、新約は27巻である。
旧約は創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記、ヨシュア記、士師記、ルツ記、
サムエル記上、サムエル記下、列王紀上、列王紀下、歴代志上、歴代志下、エズラ記、ネ
ヘミヤ記、エステル記、ヨブ記、詩篇、箴言、伝道の書、雅歌、イザヤ書、エレミヤ書、
哀歌、エゼキエル書、ダニエル書、ホセア書、ヨエル書、アモス書、オバデヤ書、ヨナ書、
ミカ書、ナホム書、ハバクク書、ゼバニヤ書、マラキ書であり、
新約は、マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる
福音書、使徒行伝、ローマ人への手紙、コリント人への第一の手紙、コリント人への第二
の手紙、ガリラヤ人への手紙、エペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手
紙、テサロニケ人への第一の手紙、テサロニケ人への第二の手紙、テモテへの第一の手紙、
テモテへの第二の手紙、テトスへの手紙、ピレモンへの手紙、ヘブル人への手紙、ヤコブ
の手紙、ペテロの第一の手紙、ペテロの第二の手紙、ヨハネの第一の手紙、ヨハネの第二
の手紙、ヨハネの第三の手紙、ユダの手紙、ヨハネの黙示録である。
1 「モーセは血を取り、民に振りかけて言った。
『見よ、これは主がこれらの言葉に基づ
いてあなたたちと結ばれた契約の血である。』
」
(出エジプト記24:8)
2 「食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために
流される、わたしの血による新しい契約である。」
(ルカ22:20)
問5 聖書は何を教えるか。
答
1
旧約は、律法と預言とをもってイエス・キリストを証しし、新約は、その成就として
イエス・キリストの福音を告げ知らすものである。
1 「イエスは言われた。
「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある
事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておい
たことである。」
(ルカ24:44)
「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止する
ためではなく、完成するためである。」
(マタイ5:17)
問6 その福音とは何であるか。
答
1
福音とは喜ばしい音ずれの意味であって、神がイエス・キリストによって救いの恩
寵と真理とを啓示したもうたことである。
1
「律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れ
たからである。」
(ヨハネ1:17)
7
3
神
問7 神はどのようなかたであるか。
答
4
1
2
3
神は永遠から永遠にわたって生きたもう唯一の霊なる主である。神は聖であると共に
5
6
7
8
愛であり、義であると共に憐みにみち、全知全能のみ手をもって万物を創造し、くししき
9
摂理のうちに正義と慈愛のみわざを行いたもう。
1 「山々が生まれる前から/大地が、人の世が、生み出される前から/世々とこしえに、
あなたは神」
(詩編90:2)
2 「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。」
(申命記6:4)
「神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければなら
ない。」(ヨハネ4:24)
3 「彼らは互いに呼び交わし、唱えた。
「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、
地をすべて覆う。
」
」(イザヤ6:3)
4 「愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。」
(第1ヨハネ4:8)
5
「しかし、わたしたちの不義が神の義を明らかにするとしたら、それに対して何と言
うべきでしょう。人間の論法に従って言いますが、怒りを発する神は正しくないのですか。」
(ローマ3:5)
6 「主は彼の前を通り過ぎて宣言された。
「主、主、憐れみ深く恵みに富む神、忍耐強く、
慈しみとまことに満ち」(出エジプト34:6)
7
「主よ、あなたはわたしを究め/わたしを知っておられる。座るのも立つのも知り/
遠くからわたしの計らいを悟っておられる。」
(詩編139:1~2)
8 「初めに、神は天地を創造された。
」(創世記1:1)
9
「五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお
忘れになるようなことはない。
」(ルカ12:6)
8
問8 代々教会は神についてどのような信仰を告白してきたか。
1
2
3
答 代々の教会は聖書にしたがって、父・子・聖霊である三位一体の神を告白して来た。
4
5
父なる神を啓示するのはみ子イエス・キリストであり、イエスを主キリストであると証し
するのはわれわれのうちに働きたもう聖霊である。
1
「すべてのものの父である神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのも
のを通して働き、すべてのものの内におられます。
」(エペソ4:6)
2 「シモン・ペトロが、
「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。
」
(マタイ16:16)
3
「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のも
とから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。
」
(ヨハネ15:26)
4
「いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方
が神を示されたのである。
」(ヨハネ1:18)
5
「ここであなたがたに言っておきたい。神の霊によって語る人は、だれも「イエスは
神から見捨てられよ」とは言わないし、また、聖霊によらなければ、だれも「イエス
は主である」とは言えないのです。
」(第一コリント12:3)
4
イエス・キリスト
問9 イエス・キリストはどのようなかたであるか。
答
1
2
イエス・キリストはわれわれの救いのために、神から遣わされて人と成った神の独り
3
子であり、われわれの救い主である。
1 「『キリスト・イエスは、罪人を救うために世に来られた』という言葉は真実であり、
そのまま受け入れるに値します。わたしは、その罪人の中で最たる者です。
」(第一テ
モテ1:15)
2
「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それ
は父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」
(ヨハネ1:14)
3
「神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い
主として、御自分の右に上げられました。」
(使徒言行録5:31)
9
問10 「神から遣わされて人と成った」とはどういうことか。
1
答 それは、時が満ちて、神のもとから遣わされ、真の人と成りたもうことである。
1
「しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者と
してお遣わしになりました。」
(ガラテヤ4:4)
「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思
わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人
間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でし
た。
」(ピリピ2:6~8)
問11 イエスはキリストであるとはどういうことか。
答
1
キリストは、油そそがれた者という意味であって、イエスが神から聖霊の油をそそが
2
3
4
れて、王・祭司・預言者とせられたということである。
1 「神よ、あなたの王座は世々限りなく/あなたの王権の笏は公平の笏。」
(詩篇45:7)
「あなたは義を愛し、不法を憎んだ。それゆえ、神よ、あなたの神は、喜びの油を、
/あなたの仲間に注ぐよりも多く、あなたに注いだ。」
(ヘブル1:9)
2 「聖なる山シオンで/わたしは自ら、王を即位させた。
」(詩篇2:6)
「その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビ
デの王座をくださる。
」(ルカ1:32)
3 「主は誓い、思い返されることはない。「わたしの言葉に従って/あなたはとこしえの
祭司/メルキゼデク(わたしの正しい王)。
」」
(詩篇110:4)
「この方は、誓いによって祭司となられたのです。神はこの方に対してこう言われま
した。
「主はこう誓われ、/その御心を変えられることはない。
『あなたこそ、永遠に
祭司である。
』
」(ヘブル7:21)
4
「あなたの神、主はあなたの中から、あなたの同胞の中から、わたしのような預言者
を立てられる。あなたたちは彼に聞き従わねばならない。」
(申命記18:15)
「モーセは言いました。『あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、わ
たしのような預言者をあなたがたのために立てられる。彼が語りかけることには、何
でも聞き従え。」
(使徒3:22)
10
問12 神の独り子はどのようなかたであるか。
1
答
2
神の独り子は、父なる神と共に永遠から存在し、つくられたのではなく、生まれたも
3
うかたであり、父なる神と本質を同じくしていたもう。
1
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と
共にあった。
」(ヨハネ1:1~2)
「この命は現れました。御父と共にあったが、わたしたちに現れたこの永遠の命を、わ
たしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。
」第一ヨハネ1:2)
2 「天使は答えた。
「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生
まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」
(ルカ1:35)
3
「いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方
が神を示されたのである。
」(ヨハネ1:18)
「御子は、神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力
ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におら
れる大いなる方の右の座にお着きになりました。」
(ヘブル1:3)
問13 神の独り子はどのようにして人と成りたもうたか。
答
「聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ」と使徒信条に告白されている。その意
1
2
味は、人間の自然的誕生と異なり、聖霊によって、マリヤにやどり、その肉より真の
人性をとり、律法のもとに生れたもうた、ということである。
1 「天使は答えた。
『聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生
まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。』
」(ルカ1:35)
「イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約して
いたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。
夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそか
に縁を切ろうと決心した。 このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。
『ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によ
って宿ったのである。
』
」(マタイ1:18~20)
2
「しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者と
してお遣わしになりました。」
(ガラテヤ4:4)
11
問14 イエスの生涯について知らねばならないことは何か。
答
1
主イエスはガリラヤのナザレでヨセフとマリヤとの子として育てられ、勤労の生活を
2
3
4
おくり、およそ三十歳のころ、ヨハネからバプテスマを受けて世に現われ、神の国の
5
6
7
福音を宣べ、使徒たちを選び、人々の罪を赦し、愛のわざと奇跡を行いたもうた。
1
「それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしにな
った。母はこれらのことをすべて心に納めていた。イエスは知恵が増し、背丈も伸び、
神と人とに愛された。
」(ルカ2:51~52)
2 「イエスが宣教を始められたときはおよそ三十歳であった。
」(ルカ3:23)
3
「そのとき、イエスが、ガリラヤからヨルダン川のヨハネのところへ来られた。彼か
ら洗礼を受けるためである。」
(マタイ3:13)
4 「
『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい』と言われた。
」
(マルコ1:15)
5 「そして、十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。」
(マルコ6:7)
6 「人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。
」そして、中風の人に
言われた。」
(マルコ2:10)
7
「そのとき、イエスは病気や苦しみや悪霊に悩んでいる多くの人々をいやし、大勢の
盲人を見えるようにしておられた。 それで、二人にこうお答えになった。
『行って、
見聞きしたことをヨハネに伝えなさい。目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩
き、らい病を患っている人は清くなり、耳の聞こえない人は聞こえ、死者は生き返り、
貧しい人は福音を告げ知らされている。 わたしにつまずかない人は幸いである。
』」
(ルカ7:21~23)
問15
しかしわれわれの信仰告白がイエスの生涯について言及していないのはなぜ
か。
答
1
それは、イエスの全生涯が、服従と苦難と犠牲とであり、それが特にその生涯の
終りにおいて頂点に達しているからである。
1
「あなたがたは、キリストを死者の中から復活させて栄光をお与えになった神を、
キリストによって信じています。従って、あなたがたの信仰と希望とは神にかかって
いるのです。あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱く
ようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい。あなたがたは、朽ちる種か
らではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって
新たに生まれたのです。こう言われているからです。『人は皆、草のようで、/その華
やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、/花は散る。しかし、主の言葉は永遠
12
に変わることがない。
』これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なので
す。
」(第一ペトロ2:21~25)
「キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しな
がら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度
のゆえに聞き入れられました。キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみ
によって従順を学ばれました。そして、完全な者となられたので、御自分に従順であ
るすべての人々に対して、永遠の救いの源となり、神からメルキゼデクと同じような
大祭司と呼ばれたのです。
」(ヘブライ5:7~10)
「まことに彼はわれわれの病を負い、われわれの悲しみをになった。しかるに、わ
れわれは思った、彼は打たれ、神にたたかれ、苦しめられたのだと。しかし彼はわれ
われのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずか
ら懲らしめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれは
いやされたのだ。われわれはみな羊のように迷って、おのおの自分の道に向かって行
った。主はわれわれすべての者の不義を、彼の上におかれた。」
(イザヤ53:4~6)
問16
それでは使徒信条の中に「ポンテオ・ピラトのもとに」とあるのは、どのような
意味か。
答
1
2
それは、イエスの事実が歴史の中でただ一度起ったことであり、また主がこの世の裁
判官によって、罪なくして、死刑の宣告をうけたもうたことを意味している。
1
「キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、
罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れ
てくださるのです。」
(ヘブライ9:28)
「だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十
字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」
(使徒2:36)
2 「ピラトはまた出て来て、言った。
『見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。
そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。』イエスは茨の
冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは、『見よ、この男だ』と言った。
祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると、『十字架につけろ。十字架につけろ』と叫
んだ。ピラトは言った。『あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしは
この男に罪を見いだせない。』
」
(ヨハネ19:4~6)
「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わた
しはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つか
らなかった。
」(ルカ23:14)
13
問17 「苦しみをうけ」とは。
1
答
それは、イエス・キリストが、この世とその支配者たちから、不当な苦しみをうけた
2
のでなく、われわれの罪のために神に打たれ、死にいたるまで服従したもうたことである。
1 「イエスは言われた。
『わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある
事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておい
たことである。』そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、言われた。
「次のように書いてある。
『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。』
」
(ルカ24:44~46)
2
「彼が担ったのはわたしたちの病/彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに/
わたしたちは思っていた/神の手にかかり、打たれたから/彼は苦しんでいるのだ、と。
彼が刺し貫かれたのは/わたしたちの背きのためであり/彼が打ち砕かれたのは/わたし
たちの咎のためであった。彼の受けた懲らしめによって/わたしたちに平和が与えられ/
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
わたしたちは羊の群れ/道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。そのわたしたちの
罪をすべて/主は彼に負わせられた。」
(イザヤ53:4~6)
「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、
かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現
れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」
(ピリピ2:
6~8)
問18 「十字架につけられ」とは。
1
答
十字架はイエスの服従と苦難との極みであり、またわれわれの罪のための全き犠牲で
2
あった。かくして、神は「肉において罪を罰し」〈ローマ8:3〉罪と律法ののろいからわ
3
れわれを贖い出し、信仰による神の義を現わしたもうたのである。
1
「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思
わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の
姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。
」
(ピ
リピ2:6~8)
「けれども、キリストは、既に実現している恵みの大祭司としておいでになったのですか
ら、人間の手で造られたのではない、」
(ヘブライ9:11)
2
「キリストは、わたしたちのために呪いとなって、わたしたちを律法の呪いから贖い
出してくださいました。『木にかけられた者は皆呪われている』と書いてあるからです。
」
(ガラテヤ3:13)
14
3
「ところが今や、律法とは関係なく、しかも律法と預言者によって立証されて、神の
義が示されました。」
(ローマ3:21)
問19 「死にて葬られ」とは。
1
答
それは、イエス・キリストがわれわれと同じように、真実に死にたもうたことを示し
ている。
1
「岩に掘った自分の新しい墓の中に納め、墓の入り口には大きな石を転がしておいて
立ち去った。
」(マタイ27:60)
「その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していた
アリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピ
ラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。そこへ、かつてある夜、イエ
スのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って
来た。彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜
麻布で包んだ。」
(ヨハネ19:38~40)
問20 「陰府にくだり」とは。
答
それは、イエス・キリストが暗黒と絶望の底にある死人の所までくだりたもうたこと
である。
1
「あなたが死者に対して驚くべき御業をなさったり/死霊が起き上がって/あなたに
/感謝したりすることがあるでしょうか。」
(詩篇88:11)
「墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。」
(マタイ27:
52)
「死んだ者にも福音が告げ知らされたのは、彼らが、人間の見方からすれば、肉におい
て裁かれて死んだようでも、神との関係で、霊において生きるようになるためなのです。」
(第一ぺトロ4:6)
問21 「三日目」とは。
1
答
それは、イエスが十字架につけられた金曜日から復活した日曜日まで死の状態の中に
いたもうたことを意味する。
1 「明くる日、すなわち、準備の日の翌日、祭司長たちとファリサイ派の人々は、ピラ
トのところに集まって、こう言った。「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、
『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、わたしたちは思い出しました。ですか
ら、三日目まで墓を見張るように命令してください。そうでないと、弟子たちが来て死
体を盗み出し、『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に言いふらすかもしれませ
15
ん。そうなると、人々は前よりもひどく惑わされることになります。
」ピラトは言った。
「あなたたちには、番兵がいるはずだ。行って、しっかりと見張らせるがよい。」
そこで、彼らは行って墓の石に封印をし、番兵をおいた。」
(マタイ27:62~66)
問22 「死人のうちよりよみがえり」とは。
答
1
イエス・キリストが、死人の中からただひとり、復活の初穂としてよみがえらされ、
2
3
まことに神の子であることを示したもうたことである。そこにわれわれ罪人を義とし
死人をよみがえらせる神の力と栄光とが輝きわたっている。
1
「しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となら
れました。死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来る
のです。
(第一コリント15:20~21)
2 「聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。
この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。
」(ローマ1:4)
3
「イエスは、わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちが義とされるために復
活させられたのです。
」(ローマ4:25)
問23 「天に昇り」とは。
答
1
2
3
復活のキリストがしばしば弟子たちに現われ、福音宣教の使命を託して後、弟子たち
の見ている前で神のもとに昇りたもうたことである。
1
「イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒
たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。」
(使徒言行録
1:3)
2
「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムば
かりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人
となる。
」(使徒言行録1:8)
3
「こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われ
て彼らの目から見えなくなった。」
(使徒言行録1:9)
16
問24 「全能の父なる神の右に座したまへり」とは。
答
1
2
「右」とは場所ではなく権能を意味する。キリストがつねにわれわれのために取り成
したもうのみでなく、天と地とのすべてを支配する権能を委ねられたもうたことであ
3
る。そしてキリストは世の終りまで、われわれと共にいまし、教会のかしら及び、世
界の主として支配したもう。
1 【ダビデの詩。賛歌。
】わが主に賜った主の御言葉。
「わたしの右の座に就くがよい。
わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。
」(詩編110:1)
「主はあなたの右に立ち/怒りの日に諸王を撃たれる。
」(詩編110:5)
「今述べていることの要点は、わたしたちにはこのような大祭司が与えられていて、
天におられる大いなる方の玉座の右の座に着き、」
(ヘブル8:1)
2
「しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられ
るのです。それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられる
ので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。
」
(ヘ
ブル7:24~25)
3
「あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わ
りまで、いつもあなたがたと共にいる。
」(マタイ28:20)
問25 「かしこより来りて 生ける者と死ねる者とを審きたまはん」とは。
答
1
それは、世の終りに主が「生ける者と死ねる者とを」審くために神のもとから再び来
2
たりたもうことである。しかし、審判者は恵みの救い主であるゆえに、われわれには
大いなる慰めである。
1 「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。 そし
て、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼
らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。そこで、王は右側にいる人たちに言う。
『さ
あ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されて
いる国を受け継ぎなさい。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが
渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のと
きに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。
』すると、正しい人たちが王に答え
る。
『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇
いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを
見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさっ
たり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』 そこで、王は答える。
17
『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わ
たしにしてくれたことなのである。
』それから、王は左側にいる人たちにも言う。
『呪
われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火
に入れ。 お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲
ませず、旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいた
ときに、訪ねてくれなかったからだ。
』すると、彼らも答える。
『主よ、いつわたした
ちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、
牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。
』そこで、王は答える。
『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてく
れなかったことなのである。』こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たち
は永遠の命にあずかるのである。」
」
(マタイ25:31~46)
「すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、
主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、
まず最初に復活し、それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うた
めに、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちは
いつまでも主と共にいることになります。」
(第1テサロニケ4:16~17)
2
「現在の苦しみは、将来わたしたちに現されるはずの栄光に比べると、取るに足りな
いとわたしは思います。被造物は、神の子たちの現れるのを切に待ち望んでいます。
被造物は虚無に服していますが、それは、自分の意志によるものではなく、服従させ
た方の意志によるものであり、同時に希望も持っています。 つまり、被造物も、いつ
か滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからで
す。
」(ローマ8:18~21)
「しかし、わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主
として来られるのを、わたしたちは待っています。
」(ピリピ3:20)
18
問26 それからキリストは何を行いたもうか。
答
1
神にさからうもろもろの力と最後の敵である死をほろぼし、その支配を父なる神にか
えして、神の国を成就したもう。その栄光のキリストに最もふさわしいみわざである。
1
「次いで、世の終わりが来ます。そのとき、キリストはすべての支配、すべての権威
や勢力を滅ぼし、父である神に国を引き渡されます。キリストはすべての敵を御自分
の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。最後の敵として、
死が滅ぼされます。「神は、すべてをその足の下に服従させた」からです。すべてが服
従させられたと言われるとき、すべてをキリストに服従させた方自身が、それに含ま
れていないことは、明らかです。すべてが御子に服従するとき、御子自身も、すべて
を御自分に服従させてくださった方に服従されます。神がすべてにおいてすべてとな
られるためです。
」(第一コリント15:24~28)
5
聖
霊
問27 このキリストは、どのようにして地上のわれわれと共にいたもうか。
1
答 キリストは、助け主である聖霊において、信じる者と共にいたもう。
1
「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒
にいるようにしてくださる。」
(ヨハネ14:16)
問28 聖霊とは、どのようなかたであるか。
答
聖霊は、父と子と共に永遠にいまし、主キリストのうちに宿り、主の復活後、弟子た
ちに与えられ、ペンテコステ以来、教会の中にとどまって、キリストのみわざを行っ
ていたもうかたである。
1 「それゆえ、主なる神はこう言われる。「わたしは一つの石をシオンに据える。これは
試みを経た石/堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。信ずる者は慌てることはない。
」
(イザヤ48:16)
2
「イエスは洗礼を受けると、すぐ水の中から上がられた。そのとき、天がイエスに向
かって開いた。イエスは、神の霊が鳩のように御自分の上に降って来るのを御覧にな
った。」
(マタイ3:16)
3 「そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。」
19
(ヨハネ20:22)
4
「五旪祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて
来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような
舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たさ
れ、
“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
」(使徒2:1~4)
「こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、
聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。」
(使徒9:31)
問29 聖霊は、どのような働きをなしたもうか。
答
1
2
聖霊は、イエスが主であることをわれわれに示し、福音の真理をさとらせ、新し
3
4
5
い生命を与え、われわれを潔め、天来の力と愛と慰めとを授けたもう。また来るべき
神の国を嗣ぐべき保証として、われわれの心に注がれる。
1「ここであなたがたに言っておきたい。神の霊によって語る人は、だれも「イエス
は神から見捨てられよ」とは言わないし、また、聖霊によらなければ、だれも「イエ
スは主である」とは言えないのです。」
(第一コリント12:3)
2「もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っている
なら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊
によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。」
(ローマ8:11)
3「真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。
」
(ヨハネ17:17)
4「神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださっ
たのです。」
(第二テモテ1:7)
5「この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたし
たちは贖われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。
」
(エペソ1:14)
20
問30 聖霊はどのようにして働きたもうか。
答
1
聖霊は、祈りにこたえて与えられ、み言においては働きたもう。
1 「祈りが終わると、一同の集まっていた場所が揺れ動き、皆、聖霊に満たされて、
大胆に神の言葉を語りだした。
」(使徒4:31)
6
赦しと潔め
問31 罪とは、何であるか。
答
1
2
罪とは、神にそむき、神を崇めず、自己を誇り、自己を中心として生きることで
3
4
ある。罪はあらゆる悪と悲惨との源であり、神の審判を招いてわれわれを滅びに至ら
5
6
せる。人はみな罪の中に生まれた者であり、自己の力をもってはこれからのがれるこ
とはできない。
1
「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性
は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁
解の余地がありません。なぜなら、神を知りながら、神としてあがめることも感謝す
ることもせず、かえって、むなしい思いにふけり、心が鈍く暗くなったからです。
」
(ローマ1:20~21)
2
「彼らの行き着くところは滅びです。彼らは腹を神とし、恥ずべきものを誇りと
し、この世のことしか考えていません。
」(ピリピ3:19)
3
「彼らは神を認めようとしなかったので、神は彼らを無価値な思いに渡され、そ
のため、彼らはしてはならないことをするようになりました。あらゆる不義、悪、む
さぼり、悪意に満ち、ねたみ、殺意、不和、欺き、邪念にあふれ、陰口を言い、人を
そしり、神を憎み、人を侮り、高慢であり、大言を吐き、悪事をたくらみ、親に逆ら
い、無知、不誠実、無情、無慈悲です。彼らは、このようなことを行う者が死に値す
るという神の定めを知っていながら、自分でそれを行うだけではなく、他人の同じ行
為をも是認しています。」
(ローマ1:29~32)
4
「あなたは、かたくなで心を改めようとせず、神の怒りを自分のために蓄えてい
ます。この怒りは、神が正しい裁きを行われる怒りの日に現れるでしょう。
」(ローマ
2:5)
21
5
「では、どうなのか。わたしたちには優れた点があるのでしょうか。全くありま
せん。既に指摘したように、ユダヤ人もギリシア人も皆、罪の下にあるのです。
次のように書いてあるとおりです。
「正しい者はいない。一人もいない。悟る者もなく、
/神を探し求める者もいない。皆迷い、だれもかれも役に立たない者となった。善を
行う者はいない。ただの一人もいない。彼らののどは開いた墓のようであり、/彼ら
は舌で人を欺き、/その唇には蝮の每がある。口は、呪いと苦味で満ち、足は血を流
すのに速く、その道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。彼らの目に
は神への畏れがない。
」
さて、わたしたちが知っているように、すべて律法の言うところは、律法の下にい
る人々に向けられています。それは、すべての人の口がふさがれて、全世界が神の裁
きに服するようになるためなのです。なぜなら、律法を実行することによっては、だ
れ一人神の前で義とされないからです。律法によっては、罪の自覚しか生じないので
す。
」(ローマ3:9~20)
6
「わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、
かえって憎んでいることをするからです。」
(ローマ7:15)
問32 罪からの救いはどのようにしてなされたか。
1
2
答 神は憐れみに富みたもうがゆえに、滅ぶべきわれわれを罪に棄ておくことなく、さ
3
まざまの方法によって救いの道を備え、時満ちてみ子イエス・キリストを世につかわ
4
したもうた。み子は自ら罪なくして世の罪のために苦しみを受け、十字架にかかって、
5
罪からの救いを成就したもうた。
1
「しかし、憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛
によって、罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、――あなたが
たの救われたのは恵みによるのです――」
(エペソ2:4~5)
2
「神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖
に語られたが、」
(へブル1:1)
3
「しかし、時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた
者としてお遣わしになりました。」
(ガリラヤ4:4)
4
「罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。わ
たしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。」
(第二コリント5:21)
22
5
「けれども、キリストは、既に実現している恵みの大祭司としておいでになった
のですから、人間の手で造られたのではない、すなわち、この世のものではない、更
に大きく、更に完全な幕屋を通り、雄山羊と若い雄牛の血によらないで、御自身の血
によって、ただ一度聖所に入って永遠の贖いを成し遂げられたのです。」
(へブル9:11~12)
問33 罪の赦しとは何であるか。
1
2
3
答 罪の赦しとは功なくして、神の前に義とされ、神と和らぎ、神の子とされることであ
4
る。この恵みはキリストの十字架の贖いを信じて彼を救い主と仰ぐ者に与えられる。
1
「人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、ただキリスト・イエ
スによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。」
(ローマ3:23
―24)
2
「このように、わたしたちは信仰によって義とされたのだから、わたしたちの主イエ
ス・キリストによって神との間に平和を得ており、このキリストのお陰で、今の恵みに信
仰によって導き入れられ、神の栄光にあずかる希望を誇りにしています。
」
(ローマ5:1)
3
「御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたち
が神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、
御父を知らなかったからです。
」(第一ヨハネ3:1)
4
「事実、あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自ら
の力によるのではなく、神の賜物です。
」(エペソ2:8)
問34 罪の潔めとは何であるか。
答
1
2
罪の潔めとは、聖霊の力によって新しく造られ、罪の世から聖別されて神にささげら
3
4
れ、信仰の実としての善い行為にはげむ者となることである。新しい律法として愛が、善
い行為の源である。
1「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いもの
は過ぎ去り、新しいものが生じた。
」(第二コリント5:17)
2「しかし、神に感謝します。あなたがたは、かつては罪の奴隷でしたが、今は伝えられ
た教えの規範を受け入れ、それに心から従うようになり、罪から解放され、義に仕えるよ
23
うになりました。
」(ローマ6:17~18)
3「これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、
節制です。これらを禁じる掟はありません。キリスト・イエスのものとなった人たちは、
肉を欲情や欲望もろとも十字架につけてしまったのです。」
(ガラテヤ5:22~24)
4「互いに愛し合うことのほかは、だれに対しても借りがあってはなりません。人を愛す
る者は、律法を全うしているのです。
「姦淫するな、殺すな、盗むな、むさぼるな」
、その
ほかどんな掟があっても、
「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉に要約されます。
愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするものです。
」(ローマ13:8~
10)
問35 赦しと潔めとはどのように関係するか。
答
1
潔めは、すでに与えられた赦しの恵みに基いて、追い求められるものである。そのよ
うに追い求めるわれわれにキリストは潔めの完成としての栄光を与えたもう。
1「このように、わたしたちは信仰によって義とされたのだから、わたしたちの主イエス・
キリストによって神との間に平和を得ており、このキリストのお陰で、今の恵みに信仰に
よって導き入れられ、神の栄光にあずかる希望を誇りにしています。
」
(ローマ5:1~2)
7 神
の
国
問36 救われた者の希望は何であるか。
答
1
2
キリストの福音があまねく世に行きわたり、贖われた者が永遠の生命をうけ、主キリ
3
4
5
ストの再び来たりたもう日、復活の栄光にあずかることである。聖書はこれを神のみ旨が
全く成る日として、神の国の到来という。
1
「そして、御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。
それから、終わりが来る。
」(マタイ24:14)
2
「あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子は
あなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。」
(ヨハネ1
7:2)
3 「イエスは言われた。
「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言ってお
24
く。あなたたちはやがて、/人の子が全能の神の右に座り、/天の雲に乗って来るのを見
る。
」(マタイ26:64)
4
「わたしはあなたがたに神秘を告げます。わたしたちは皆、眠りにつくわけではあり
ません。わたしたちは皆、今とは異なる状態に変えられます。最後のラッパが鳴るととも
に、たちまち、一瞬のうちにです。ラッパが鳴ると、死者は復活して朽ちない者とされ、
わたしたちは変えられます。」
(第一コリント15:51~52)
5 「御国が来ますように。御心が行われますように、/天におけるように地の上にも。
」
(マタイ6:10)
問37 神の国の到来とは何であるか。
1
2
答 神の国は神の御支配であって、それは信ずる者の中に、すでに恩寵と祝福とをもって
3
4
現われているが、また来たるべき審判による神のみ旨の成就としてわれわれの待ち望むべ
きものである。
1
「御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してく
ださいました。」
(コロサイ1:13)
2 「『ここにある』
『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがた
の間にあるのだ。
」(ルカ17:21)
3
「こうして、自分が預言者を殺した者たちの子孫であることを、自ら証明している。
先祖が始めた悪事の仕上げをしたらどうだ。」
(マタイ25:31~32)
4 「以上すべてを証しする方が、言われる。
「然り、わたしはすぐに来る。
」アーメン、
主イエスよ、来てください。」
(黙示録22:20)
8 教会と聖礼典
問38 神の国の祝福にあずかるにはどのようにしたらよいか。
答
1
2
3
神から福音をゆだねられている教会において信仰をやしない、聖徒の交わりにあずか
らねばならない。
1 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばか
25
りでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」
(使徒言行録1:8)
2 「彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。」
(使
徒言行録2:42)
3 「わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわた
したちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・
キリストとの交わりです。
」(第一ヨハネ1:3)
問39 教会とは何であるか。
答
1
教会は、キリストの昇天後、ペンテコステにおける聖霊の活動によって地上に形成さ
2
3
れた聖徒の群れである。それはキリストの基として、使徒の伝統を保ち歴史を貫いて今日
4
からだ
えだ
に至った。教会はキリストをかしらとする彼の 体 であって、聖徒はおのおのその枝として、
5
共に礼拝を守り、互いに愛の交わりをなすべきものである。教会は救いに欠くことのでき
6
7
ないものであって聖書に基きこれに従って福音を宣べ伝え聖礼典を執り行い、キリストの
み業を受けつぐものである。
1「五旪祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来
るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分
かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、
“霊”が
語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
」(使徒言行録2:1~4)
2「イエス・キリストという既に据えられている土台を無視して、だれもほかの土台を据
えることはできません。」
(第一コリント3:11)
3「使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス
御自身であり」(エペソ2:20)
4「教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられ
る場です。」
(エペソ1:23)
「キリストにより、体全体は、あらゆる節々が補い合うこと
によってしっかり組み合わされ、結び合わされて、おのおのの部分は分に応じて働いて体
を成長させ、自ら愛によって造り上げられてゆくのです。」
(エペソ4:16)
5「行くのが遅れる場合、神の家でどのように生活すべきかを知ってもらいたいのです。
神の家とは、真理の柱であり土台である生ける神の教会です。」
(第一テモテ3:15)
26
6「それから、イエスは言われた。
「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ
伝えなさい。信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。
」
(マ
ルコ16:15~16)
7「はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大
きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。」(ヨハネ14:12)
問40 礼拝とは何であるか。
1
2
答 救い主の執り成しによって、主にある兄弟姉妹とともに一つ所につどい霊と真とをも
3
って父・子・聖霊なるひとりの神を拝し、神と交わり、神の栄光をあらわすことである。
讃美・聖書朗読・祈祷・説教・聖礼典・献金等をその内容とする。
1「また、彼らのためだけでなく、彼らの言葉によってわたしを信じる人々のためにも、
お願いします。父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、
すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そ
うすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。あ
なたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、
彼らも一つになるためです。」
(ヨハネ17:20~22)
2「神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならな
い。
」(ヨハネ4:24)
3「キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画に
よって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。それは、以前からキリ
ストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。あなたがたもまた、
キリストにおいて、真理の言葉、救いをもたらす福音を聞き、そして信じて、約束された
聖霊で証印を押されたのです。この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であ
り、こうして、わたしたちは贖われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるの
です。」
(エペソ1:11~14)
問41 聖礼典とは何ですか。
答
1
2
聖礼典は、聖書にしるされているように主イエスが定めたもうたもので、見えざる恩
3
寵の見える徴として、代々の教会がつねに守って来たものである。それは福音の奥義を具
体的な形をもって示すものであるから、これによってキリストの教会であることが証しさ
27
れる。バステスマと聖餐とがそれである。
1「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子
と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教え
なさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
(マタイ28:19~
20)
「そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。
『これを取り、互
いに回して飲みなさい。言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から
作ったものを飲むことは決してあるまい。
』それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを
唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。
『これは、あなたがたのために与えられ
るわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。』食事を終えてから、杯
も同じようにして言われた。『この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による
新しい契約である。』
」
(ルカ22:17~20)
2「アブラハムは、割礼を受ける前に信仰によって義とされた証しとして、割礼の印を受
けたのです。こうして彼は、割礼のないままに信じるすべての人の父となり、彼らも義と
認められました。
」(ローマ4:11)
「兄弟たち、次のことはぜひ知っておいてほしい。わたしたちの先祖は皆、雲の下にお
り、皆、海を通り抜け、皆、雲の中、海の中で、モーセに属するものとなる洗礼を授けら
れ、皆、同じ霊的な食物を食べ、皆が同じ霊的な飲み物を飲みました。彼らが飲んだのは、
自分たちに離れずについて来た霊的な岩からでしたが、この岩こそキリストだったので
す。
」(第1コリント10:1~4)
3「一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂い
てお渡しになった。すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなく
なった。
」(ルカ24:30~31)
問42 バプテスマとは何であるか。
1
2
3
答 水によって行う聖礼典であって、父と子と聖霊のみ名によって授けられる。福音を信
4
5
6
じ悔い改めてこれを受ける者は罪の赦しと新生とを与えられ、キリストの死と共に古き人
7
に死に、彼の復活と共に新しき人によみがえらされるのである。その新しき人はキリスト
8
の体の枝となって、教会に加えられ、キリストによる救いを確かにされる。
1「イエスはお答えになった。
「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれな
ければ、神の国に入ることはできない。
」(ヨハネ3:5)
2「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子
28
と聖霊の名によって洗礼を授け、」
(マタイ28:19)
3「
『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい』と言われた。
」
(マルコ1:15)
4「すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名
によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けま
す。
」(使徒2:38)
5「神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊か
に注いでくださいました。
」(テトス3:6)
6「わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりまし
た。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたし
たちも新しい命に生きるためなのです。
」(ローマ6:4)
7「あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。
」
(第1コリント12:27)
8「わたしはあなたと契約を立てる。あなたは妻子や嫁たちと共に箱舟に入りなさい。」
(創世記6:18)
問43 聖餐とは何であるか。
1
2
3
答 パンとぶどう酒とによって行う聖礼典である。これは、主イエスのみ言に基き、その御
4
苦難を常に新しく想起しつつ、主の再臨の時まで守り続けてゆくのである。われわれはこ
5
6
れによって主の体と血とにあずかる。信仰をもってこの聖礼典にあずかる者は、聖霊によ
7
8
9
り、キリストと一体になり、その生命にやしなわれ、教会の交わりを堅うするのである。
1「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、
弟子たちに与えながら言われた。
『取って食べなさい。これはわたしの体である。』また、
杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。
『皆、この杯から飲みなさい。これ
は、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。言っ
ておくが、わたしの父の国であなたがたと共に新たに飲むその日まで、今後ぶどうの実か
ら作ったものを飲むことは決してあるまい。』
」
(マタイ26:26~29)
2「感謝の祈りをささげてそれを裂き、『これは、あなたがたのためのわたしの体である。
29
わたしの記念としてこのように行いなさい』と言われました。
」(第1コリント11:24)
3「それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与え
て言われた。
『これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念と
してこのように行いなさい。
』食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。『この杯
は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。
』」
(ルカ22:19~20)
4「だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、
主の死を告げ知らせるのです」
(第1コリント11:26)
5「わたしたちが神を賛美する賛美の杯は、キリストの血にあずかることではないか。わ
たしたちが裂くパンは、キリストの体にあずかることではないか。パンは一つだから、わ
たしたちは大勢でも一つの体です。皆が一つのパンを分けて食べるからです」
(第1コリント10:16~17)
6「従って、ふさわしくないままで主のパンを食べたり、その杯を飲んだりする者は、主
の体と血に対して罪を犯すことになります。だれでも、自分をよく確かめたうえで、その
パンを食べ、その杯から飲むべきです。
」(第1コリント11:27~28)
7「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまた
いつもその人の内にいる。
」(ヨハネ6:56)
8「イエスは言われた。
「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、
あなたたちの内に命はない。」
(ヨハネ6:53)
「わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。」
(ヨハネ6:55)
9「つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろう
と、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆
一つの霊をのませてもらったのです。体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成って
います。
」(第1コリント12:13~14)
「信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの
必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、
家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたの
で、民衆全体から好意を寄せられた。こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つ
30
にされたのである。」
(使徒2:44~47)
問44 聖礼典はだれが執行するか。
1
答 それは、按手礼を受けた教職者が執行する。
1
「あなたの内にある恵みの賜物を軽んじてはなりません。その賜物は、長老たちがあ
なたに手を置いたとき、預言によって与えられたものです。」(第1テモテ4:14)
問45 教職者とは何であるか。
答
1
2
3
4
聖書に基いて教会を教え導く者であり、特別に神に選ばれ、教会の伝統に従って按手
礼を受けた教師ならびにこれに準ずる者をいう。
1「よく指導している長老たち、特に御言葉と教えのために労苦している長老たちは二倍
の報酬を受けるにふさわしい、と考えるべきです。
」(第1テモテ5:17)
2「しかし、わたしを母の胎内にあるときから選び分け、恵みによって召し出してくださ
った神が、御心のままに、
」(ガラテヤ1:15)
3「ですから、兄弟たち、しっかり立って、わたしたちが説教や手紙で伝えた教えを固く
守り続けなさい。
」(第2テサロニケ2:15)
4「あなたの内にある恵みの賜物を軽んじてはなりません。その賜物は、長老たちがあな
たに手を置いたとき、預言によって与えられたものです。」
(第1テモテ4:14)
問46 教会の役員とは何であるか。
1
2
3
答 教会員は各自聖霊の賜物により、その能力に応じて教会に奉仕すべきものであるが、特
に選ばれて、教職者を助け、教会の礼拝・伝道・奉仕・運営等に責任を負う者を役員とい
う。
1「賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。務めにはいろい
ろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。働きにはいろいろありますが、すべ
ての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。
」(第1コリント12:4~6)
2「それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人に
は一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、
」(マタイ25:15)
31
3「それで、兄弟たち、あなたがたの中から、
“霊”と知恵に満ちた評判の良い人を七人選
びなさい。彼らにその仕事を任せよう。
」(使徒6:3)
9
キリスト者の生活
問47 キリスト者とは何であるか。
1
2
3
4
答 信仰を告白し、バプテスマを受け、キリストの体なる教会に属し、聖霊の導きのもと
に生活する者である。
1「実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。」
(ローマ10:10)
2「信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。」
(マルコ16:16)
3「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わ
たしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなた
がたは何もできないからである。」
(ヨハネ15:5)
4「わたしが言いたいのは、こういうことです。霊の導きに従って歩みなさい。そうすれ
ば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません。肉の望むところは、霊に反し、
霊の望むところは、肉に反するからです。肉と霊とが対立し合っているので、あなたがた
は、自分のしたいと思うことができないのです。しかし、霊に導かれているなら、あなた
がたは、律法の下にはいません。肉の業は明らかです。それは、姦淫、わいせつ、好色、
偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、ねたみ、泥酔、
酒宴、その他このたぐいのものです。以前言っておいたように、ここでも前もって言いま
すが、このようなことを行う者は、神の国を受け継ぐことはできません。これに対して、
霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。これら
を禁じる掟はありません。キリスト・イエスのものとなった人たちは、肉を欲情や欲望も
ろとも十字架につけてしまったのです。
」(ガラテヤ5:16~24)
問48 キリスト者の教会における務めは何であるか。
1
2
3
4
答 教会の礼拝につどい、聖餐にあずかり、祈祷会その他の集会に出席し、つねに聖書を
5
6
7
8
学び、祈りに励み、聖徒の交わりをなし、伝道と奉仕とに力を尽し、教会の充実発展をは
かることである。
32
1「それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、見つけ出してアンティオキア
に連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアン
ティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。」
(使徒11:25~26)
2「だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、
主の死を告げ知らせるのです。
」(第1コリント11:26)
3「彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心
に祈っていた。」
(使徒1:14)
4「だがあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたは、それ
をだれから学んだかを知っており、また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも
知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、
あなたに与えることができます。」
(第2テモテ3:14~15)
5「絶えず祈りなさい。」
(第1テサロニケ5:17)
6「彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。」
(使徒2:42)
7「これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自
分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。つ
まり、神はキリストによって世を御自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和
解の言葉をわたしたちにゆだねられたのです。
」(第2コリント5:18~19)
8「こうして、聖なる者たちは奉仕の業に適した者とされ、キリストの体を造り上げてゆ
き、ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、
成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。こうし
て、わたしたちは、もはや未熟な者ではなくなり、人々を誤りに導こうとする悪賢い人間
の、風のように変わりやすい教えに、もてあそばれたり、引き回されたりすることなく、
むしろ、愛に根ざして真理を語り、あらゆる面で、頭であるキリストに向かって成長して
いきます。」
(エぺソ4:12~15)
問49 礼拝にはどのような意味があるか。
答
1
2
3
それはみ言を聞き、恩寵にこたえて、主キリストを讃美し神に栄光を帰することであ
33
4
る。特に教会における聖日の礼拝は信徒の生活の中心であって、それは家庭礼拝・個人の
祈り・その他一切の生活の原動力である。
1「イエスはこう答えて言われた。
「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの
父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。わたしを愛さ
ない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではな
く、わたしをお遣わしになった父のものである。」
(ヨハネ14:23~24)
2「わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償
ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。愛する者たち、
神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきで
す。
」(第1ヨハネ4:10~11)
「わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのこと
を証ししています。イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、神がその人
の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。」
(第1ヨハネ14~15)
3「すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえる
のです。
」(ピリピ2:11)
4「その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのい
る家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があ
るように」と言われた。」
(ヨハネ20:19)
問50 祈りとは何であるか。
1
2
3
4
5
6
答 聖霊の助けによって神と語り合うことである。懺悔・祈願・感謝・讃美・とりなし等
7
8
から成り、すべて、主イエス・キリストのみ名によってささげられる。主キリストは、
「主
の祈り」によって祈りの模範を示したもうた。
1「同様に、
“霊”も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきか
を知りませんが、
“霊”自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからで
す。
」(ローマ8:26)
2「神よ、わたしを憐れんでください/御慈しみをもって。深い御憐れみをもって/背き
の罪をぬぐってください。わたしの咎をことごとく洗い/罪から清めてください。
」
(詩編51:3~4)
「ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言っ
34
た。
『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』
」
(ルカ18:13)
3「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いを
ささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。」
(ピリピ4:6)
4「【賛歌。感謝のために。】全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ。喜び祝い、主に
仕え/喜び歌って御前に進み出よ。知れ、主こそ神であると。主はわたしたちを造られた。
わたしたちは主のもの、その民/主に養われる羊の群れ。感謝の歌をうたって主の門に進
み/賛美の歌をうたって主の庭に入れ。感謝をささげ、御名をたたえよ。主は恵み深く、
慈しみはとこしえに/主の真実は代々に及ぶ。
」(詩編100)
「【賛歌。歌。安息日に。
】
」(詩編92:1)
5「ハレルヤ。聖所で神を賛美せよ。大空の砦で神を賛美せよ。」(詩編150:1)
6「そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のため
にささげなさい。
」(第1テモテ2:1)
7「わたしの名によって願うことは、何でもかなえてあげよう。こうして、父は子によっ
て栄光をお受けになる。わたしの名によって何かを願うならば、わたしがかなえてあげよ
う。
」(ヨハネ14:13~14)
8「だから、こう祈りなさい。
『天におられるわたしたちの父よ、/御名が崇められますよ
うに。御国が来ますように。御心が行われますように、/天におけるように地の上にも。
わたしたちに必要な糧を今日与えてください。わたしたちの負い目を赦してください、/
わたしたちも自分に負い目のある人を/赦しましたように。わたしたちを誘惑に遭わせず、
/悪い者から救ってください。
』
」(マタイ6:9~13)
問51 献金とは何であるか。
答
1
2
神の恩寵に対する感謝の心をあらわして財をささげることであり、教会の事業を支え
3
4
るために用いられる。キリスト者は身と心とを献げる思いをもって、喜んでこれをなすの
である。
1「主に感謝せよ。主は慈しみ深く/人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。感謝の
いけにえをささげ/御業を語り伝え、喜び歌え。」
(詩編107:21~22)
2「聖なる者たちのための募金については、わたしがガラテヤの諸教会に指示したように、
35
あなたがたも実行しなさい。わたしがそちらに着いてから初めて募金が行われることのな
いように、週の初めの日にはいつも、各自収入に応じて、幾らかずつでも手もとに取って
置きなさい。
」(第1コリント16:1~2)
3「こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を
神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき
礼拝です。」
(ローマ12:1)
「もしいけにえがあなたに喜ばれ/焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら/わたしは
それをささげます。」
(詩編51:18)
4「各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにし
なさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。」
(第2コリント9:7)
問52 伝道とは何であるか。
1
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答 主キリストの愛に迫られて、すべての人に福音を宣べ伝えることである。
1「なぜなら、キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです。わたしたちはこう
考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人
も死んだことになります。
」(第2コリント5:14)
2「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。」
(マタイ28:19)
問53 キリスト者の家庭における務めは何であるか。
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答 家庭礼拝を守り、純潔な生活を営み、互に和合し、子女を信仰に導き、相共に信仰の
道に歩むことである。
1「また、彼らの家に集まる教会の人々にもよろしく伝えてください。わたしの愛するエ
パイネトによろしく。彼はアジア州でキリストに献げられた初穂です。」
(ローマ16:5)
2「実に、神の御心は、あなたがたが聖なる者となることです。」
(第1テサロニケ4:3)
3「妻たちよ、主を信じる者にふさわしく、夫に仕えなさい。夫たちよ、妻を愛しなさい。
つらく当たってはならない。子供たち、どんなことについても両親に従いなさい。それは
主に喜ばれることです。」
(コロサイ3:18~20)
「乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば/いけにえの肉で家を満たして争うより
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よい。」
(箴言17:1)
4「二人は言った。
「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」
そして、看守とその家の人たち全部に主の言葉を語った。まだ真夜中であったが、看守は
二人を連れて行って打ち傷を洗ってやり、自分も家族の者も皆すぐに洗礼を受けた。この
後、二人を自分の家に案内して食事を出し、神を信じる者になったことを家族ともども喜
んだ。」
(使徒16:31~34)
問54 キリスト者の国家・社会における務めは何であるか。
1
答 国家・社会に対するキリスト者としての責任を自覚し、おのおの与えられた務めには
2
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4
げみ、
「地の塩」
「世の光」として、正しい社会と平和な世界とを実現するために尽すこと
である。
1「そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のため
にささげなさい。
」(第1テモテ2:1)
2「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味
が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられる
だけである。あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。」
(マ
タイ5:13~14)
3「正義を洪水のように/恵みの業を大河のように/尽きることなく流れさせよ。」
(アモス5:24)
4「主は多くの民の争いを裁き/はるか遠くまでも、強い国々を戒められる。彼らは剣を
打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや戦う
ことを学ばない。
」
(ミカ4:3)「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは
剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや
戦うことを学ばない。
」(イザヤ2:4)
37
生 活
綱
領
われわれは、神の恵みにより父と子と聖霊との名においてバプテスマをうけ主の体(から
だ)なる教会に入れられた者であるから、すべての不義と迷信とをしりぞけ、互に主にある
兄弟姉妹の交わりを厚うし、常に神の栄光のあらわれるように祈り、つぎのことを相共に
つとめる。
一、教会の秩序を守り、その教えと訓練とに従い、聖日礼拝・祈禱会その他の集会を重ん
じ、聖餐にあずかり、伝道に励み、時と財(たから)と力とをささげて教会の維持発展につ
くすこと。
二、日々(ひび)聖書に親しみ、常に祈り、敬虔・純潔・節制・勤労の生活を全うすること。
三、家庭の礼拝を重んじ、家族の和合を尊び、子女を信仰に導き、一家そろって神につか
えること。
四、互に人格を重んじ、隣人を愛し、社会の福祉のために労し、キリストの正義と愛とが
あまねく世に行われるようにすること。
五、神の御旨に従って、国家の道義を高め、国際正義の実現をはかり、世界平和の達成を
期すること。
願わくは神、われわれを憐み、この志を遂げさせたまわんことを。 アーメン
一九五四年十月二十八日
第 8 回教団総会で議決
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日本基督教団
信
仰
問
答
日本基督教団信仰問答
1946 年 10 年 15 日 初
版
1949 年 10 月 18 日 改 訂 初 版
1953 年 7 月 25 日
増補改訂初版
1956 年 12 月 25 日 増補改訂4版
1959 年 3 月 29 日
改 訂 初 版
1978 年 1 月 20 日
改 訂 14 版
日
本
基
督
教
団
編集者
信仰職制委員会
発行所
日本基督教団出版局
〒160 東京都新宿区西早稲田2丁目3の 18
振替東京
8-145610 電話 (202)0541(代)
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