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ユニファイド コミュニケーション による費用とリソースの削減

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ユニファイド コミュニケーション による費用とリソースの削減
ユニファイド コミュニケーション
による費用とリソースの削減
厳しい経済環境に主体的に対応するためのユニファイド
コミュニケーションの活用方法、およびマイクロソフトの
UC ソリューションがその対応を可能にするしくみ
UniComm Consulting, LLC、社長、Marty Parker
UniComm Consulting, LLC、社長、Don Van Doren
2009 年 3 月
ii
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
要約
各企業は、常に費用を削減してリソースの使用を最適化することに努めています。現在のこの
厳しい経済情勢下では、その必要性がこれまで以上に切実なものになっています。このホワイ
ト ペーパーでは、マイクロソフトのユニファイド コミュニケーション ソリューションを企業
の業務運用と IT 運用に適用することで実現する、従業員 1,000 人あたり年間 5,000,000 ドルを
上回る潜在的な費用削減について説明します。
ユニファイド コミュニケーション (UC) は、コミュニケーションの方法とソリューションに対
する新たなアプローチであり、費用とリソースについて即効性が高くかつ継続可能な削減を実
現するための新しい重要な手段となります。従来、コミュニケーション ベースの業務活動は手
作業によるものが非常に多く、遅延が生じたりその場しのぎの対処になったりする傾向があり
ました。現在では UC を利用することにより、こうしたコミュニケーション手順を効率化する
ことやソフトウェアによる支援を得ることが可能になり、費用を削減すると同時に業績を向上
させることができます。
このホワイト ペーパーでは、UC ソリューションのメリットを次の 3 つのカテゴリに大きく分
け、それぞれについて費用削減の機会と対策を示しています。
„ コミュニケーション サービスの費用 (通信費や携帯電話の通話料、ホストされた音声ビ
デオ会議の費用など) と関連経費 (出張費やオフィスの施設費など) における従業員一人
当たりの負担費を削減。年間の潜在的な費用削減は、従業員 1,000 人あたり 260 万~
800 万ドル以上です。
„ 複数の分散したさまざまな従来製品を新しい UC ソリューションの統合機能に置き換え
ることで、通信インフラストラクチャを統合して運用費を削減。年間の潜在的な費用削
減は、従業員 1,000 人あたり 90 万ドル相当です。
„ 個人の生産性、ワークグループとコラボレーション、企業の統制をサポートすることで
人材を活用。年間の潜在的な費用削減は、従業員 1,000 人あたり 200 万ドル以上に達し
ます。
このホワイト ペーパーで推奨する削減対策により、1 年未満 (1 回の年間予算サイクル内) で投
資を回収できます。また、削減率の高い使用事例に該当するときは、多くの場合 6 か月未満で
投資を回収できます。このホワイト ペーパーでは UC によるそれぞれの費用削減の機会を包括
的に定義し、次に Microsoft UC ソリューション (Office Communications Server 2007 R2 と
Exchange Server 2007) を使用した推奨対策を示しています。また、費用削減の計算に関するガ
イドラインを提供し、それを参照事例として裏付けています。
iii
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
目次
要約 ...........................................................................................................................................................ii
2009 年以降の経済情勢............................................................................................................................1
ユニファイド コミュニケーションとその重要性 ................................................................................ 2
Microsoft ユニファイド コミュニケーション ソリューション .......................................................... 3
UC ソリューションによる費用とリソースの削減機会 ....................................................................... 3
現金支払経費の削減 ............................................................................................................................ 4
機会: 出張費の削減 .......................................................................................................................... 4
機会: 会議サービス料金の削減 ...................................................................................................... 5
機会: 長距離電話料金と携帯電話料金の削減 ............................................................................... 7
機会: 施設費の削減 .......................................................................................................................... 9
通信インフラストラクチャの最適化 ................................................................................................10
機会: 通信システムの統合 .............................................................................................................10
機会: メッセージング システムとインフラストラクチャの統合 .............................................. 12
機会: UC アプリケーション ソフトウェア パッケージの統合 .................................................. 13
機会: ソフトウェア ライセンスの最適化 .....................................................................................14
人材の活用.......................................................................................................................................... 16
機会: 従業員の効率の向上 ............................................................................................................ 16
機会: ワークグループとコラボレーション プロジェクトの効率化 ..........................................18
機会: 統制とコンプライアンスの簡素化 ..................................................................................... 19
まとめ ...................................................................................................................................................... 21
付録 A: スタンドアロン アプリケーションの統合 ............................................................................ 24
付録 B: 著者について ............................................................................................................................ 26
1
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
2009 年以降の経済情勢
過去 1 年間の世界経済の情勢悪化により、今日の IT 部門および基幹業務部門の管理者は前例のな
い課題に直面すると同時に、潜在的なチャンスを迎えています。世界の金融市場システムの崩壊
によってもたらされた社会不安と、その結果として生じる不確実性や業務への影響により、従来
の多くの優先事項を中断して、新たな差し迫った状況に対応することが必要になっています。
過去 10 年の間に企業がさらにグローバルになったことで、経済情勢もより困難なものになって
います。こうした状況下で、自社の施設をグローバルに分散させ、より費用効果の高い労働要
員または製造施設を利用している企業があります。また、インターネットインフラや増大する
国際的なビジネス チャンスを背景に、市場をグローバルに拡大している企業もあります。多く
の企業が世界中でサプライ チェーンとパートナーシップを拡大しています。
こうした経済情勢がもたらす不確実性や課題が原因で身動きが取れなくなる可能性があります
が、それは好ましい状態ではありません。賢明な管理者は自らの選択肢を真剣に考慮し、組織
の強み、財政状況、およびニーズ、また提供する製品とサービスの特性、さらにこの景気の低
迷が顧客と競合他社の両方に与えると考えられる影響について適切な実行計画を立てます。
このような状況において多くの場合、基幹業務部門の管理者は、経済的影響の範囲に応じて業
務手順を調整する必要があります。もちろん、費用を削減してより実質的なプロセス調整のた
めの資金調達が可能になるよう、削減対策も積極的に推進します。IT 管理者の場合は、ボ
リューム ベースの商品やサービス、または個別の商品やサービスに対する現金支払経費の迅速
な削減にまず重点を置くことが考えられます。同時に、多くの IT 管理者は、長期にわたる継続
的な費用削減を行うために、インフラストラクチャ、運用サポート費、およびサポート対象
サービスの範囲において構造上の変更を追求することになります。
すべての組織にわたり、資金確保のための費用削減が必須になります。経済的な圧力は、雇用
の削減や人員の削減につながります。多くの場合、プロジェクト関連の投資や資本投資が短期
間で回収できないものであるとき、または明確な戦略的価値を伴わないものであるときは、
それらの投資は延期または中止されることになります。このホワイト ペーパーでは、UC ソ
リューションを利用してこれらの費用削減に関する問題に対処し、1 回の年間予算サイクル内
で資本を回収するしくみについて取り上げています。
2
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
ユニファイド コミュニケーションとその重要性
ユニファイド コミュニケーション (UC) は、即効性の高い費用削減と、リソース利用における
長期間の効率性促進が可能であることから、現在の経済情勢に対応する重要な分野となります。
基本的なレベルにおいて、UC は複数の通信テクノロジを単一のソリューションにまとめたも
のです。PC、スマートフォン、および同様のデバイスを介して基本的にどこからでもアクセス
できる、テキスト、音声、およびビデオ通信のための単一の効率的なパッケージに従来の個別
のシステムやサービスを統合することで、費用の削減を実現しています。これらのテクノロジ
には、電子メール、テキスト メッセージ、インスタント メッセージング、グループ チャット、
音声/ビデオ通話および音声/ビデオ会議、ディレクトリ、予定表、タスクが含まれます。また、
これらの機能をモビリティ アプリケーションやコラボレーション ワークスペースなどの業務に
特化したアプリケーションにまとめたさまざまな集合体も含まれます。
より高度なレベルにおいて、これらのソフトウェア ベースの UC 機能は、ユーザーおよびグ
ループのビジネス プロセスと統合することが可能であり、コミュニケーションが必要とされる
活動において重複や無駄を少なくし、再作業を減少させることができます。その結果、プロセ
スの効率性向上とプロセスに関連する作業量の減少により、必要な雇用停止や人員削減の管理
を的確に行うことが可能になります。
UC 主導型の即効性の高い費用削減に関して、通信はほとんどの場合に大きく変動する費用で
あり、ビジネスの対象範囲がよりグローバルになることに伴って増加します。長距離電話料金、
携帯電話料金、会議サービス費、出張費、およびミーティング費用はすべて、UC ソリュー
ションを効果的に適用することで迅速に削減できる通信費です。また、多くの場合、従来の複
数の通信システムを単一の統合された UC プラットフォームに統合することで大幅な費用削減
を実現できます。これらの費用削減のカテゴリについてはいずれもこのホワイト ペーパーで詳
しく説明します。
リソースの削減に関しては、UC ソリューションを通じて改善されたコミュニケーションによ
り、ビジネス プロセスの効率化を図り、コミュニケーション ベースの作業に費やす時間と労力
を削減できるだけでなく、ビジネス プロセスにおいてコミュニケーション ベースの遅延、重複、
および再作業を減少させることも可能になります。これらのプロセス変更で利益がもたらされ
るまでには数か月または数四半期を要する場合がありますが、プロセス変更はインフラストラ
クチャ費用だけでなく、業務の運用方法にも影響するため、多くの場合により大きな費用の削
減が実現します。
これらの費用とリソースの削減機会について、以下のセクションで詳しく説明します。
3
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
Microsoft ユニファイド コミュニケーション ソリューション
マイクロソフトの UC ソリューションは、電子メール、予定表、インスタント メッセージング、
ボイス メール、電話/ビデオ/Web 会議、および VoIP、さらに他のビジネス アプリケーション
へのインターフェイスを統合します。この統合により、単一のエンド ユーザーに単一の識別情
報を利用できるようになるため、ユーザーとその同僚は異なる会話モードでコミュニケーショ
ンを円滑化できます。また、IT 専門家は、メッセージング サービスと音声システムの両方を単
一のインフラストラクチャで効率的かつ費用対効率に優れた方法で管理できます。これらの機
能は、オンサイト システムおよびホスティングされたクラウド サービスの両方として利用でき
る Office Communications Server 2007 R2 (OCS R2) および Exchange Server 2007 を介してマイ
クロソフトが提供しています。
マイクロソフトの UC ソリューションは、Microsoft Office クライアント (Office Outlook およ
び Office Communicator) の PC、Web ブラウザ、およびスマート フォン向けバージョンで、非
常になじみのあるユーザー インターフェイスを通じてユーザーに提供されます。これらの UC
ソリューションは、UC 業界のテクノロジ パートナー、システム インテグレータ、および開発
者の最も包括的なコミュニティによってサポートされ、非常に広範囲にわたる実証済みのソ
リューションとなります。マイクロソフトの UC ソリューションに関する詳細情報については、
http://www.microsoft.com/japan/ucscm を参照してください。
では、ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減機会と共に、各企業
においてマイクロソフトの UC ソリューションでこうした削減を実現する方法について確認し
ていきましょう。
UC ソリューションによる費用とリソースの削減機会
このホワイト ペーパーでは、既に説明した課題をベースとして、次の 3 つの主要な機会のカテ
ゴリについて説明します。
„ 現金支払経費の削減: 出張費、会議サービス費、長距離電話料金、携帯電話料金、およ
び施設費の即座の削減に重点を置きます。
„ 通信インフラストラクチャの最適化: 老朽化したり余分になっている通信機器およびア
プリケーションの統合や廃止による、短期的および継続維持可能な費用削減と IT ス
タッフの経済性に関する推奨事項です。
„ 人材の活用: 即座の削減に対処するため、または残業の削減、雇用停止、および人員削減
に対処するための、コミュニケーション関連の作業量を軽減する方法に重点を置きます。
次の各セクションで説明するように、各カテゴリには複数の機会が存在します。
4
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
現金支払経費の削減
このカテゴリでは、出張費、会議サービス費、長距離電話料金、施設費など、通常は大きな自
己負担の変動費を伴う 4 つの領域における即座のまたは目前の費用削減を実現することに重点
を置きます。これらの領域での費用の削減は比較的即座に実現でき、長期にわたって継続維持
可能なものになります。このような削減を実現するために UC を展開することで、3 つ目のセ
クションで推奨される「人材の活用」のためのプラットフォームも提供されます。ここでは、
4 つの主な機会の領域について説明します。
機会: 出張費の削減
費用削減の機会
近場および遠方への出張費は、最も明白な費用カテゴリの 1 つであり、UC 主導による重要
な費用削減の機会をもたらします。
従業員の出張を制限することで、現在の経費を即座に削減できます。UC では、業務の効率
を損なうことなくこれが実現します。電話/Web/ビデオ会議は、この目的のための実証済み
のソリューションです。レコーディングのオプションを追加したり、ミーティングの内容を
共有ワークスペースにポストしたりすることで、ミーティングに参加できないチーム メンバ
に最新の情報を提供することができるようになります。可能な限り、会議の機能をサプライ
チェーン パートナーと顧客に拡張することで、さらに大きな費用削減を実現できます。
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
Office Communications Server 2007 R2 (OCS R2) の一部として、またはホスティングされた
クラウド ソリューションとして Live Meeting 会議を使用するマイクロソフトの会議ソ
リューションは、これらの費用削減を実現するための優れた手段です。Live Meeting は、主
要な "統合" 会議ソリューションの 1 つであり、PC クライアント、Web ブラウザ、(OCS R2
を搭載した) モバイル デバイス、およびミーティング ルームからの "場所を問わないアクセ
ス" により、音声、Web、ビデオ会議の機能をすべて提供します。Live Meeting への音声に
よる参加は、PC から VoIP 機能を通じて、あるいは任意の電話または携帯電話から電話網
を通じてサポートされます。
ミーティング ルームでの会議には、非常に機能豊富な独自の Microsoft RoundTable1 を利用
でき、これによりすべての参加者の映像が表示され、現在の発表者がハイライトされます。
また、Live Meeting の OCS R2 バージョンは、既存のミーティング ルームのオーディオと
ビデオのデバイス、およびテレプレゼンス システムに統合することもできます (これらの形
式で Live Meeting が必要とされる場合)。Live Meeting では、ミーティングのレコーディン
グが使いやすい方法で完全にサポートされ、OCS R2 のグループ チャット セッションまた
は SharePoint のどちらかにミーティング内容をポストすることができます。また、Live
Meeting クライアントまたは Web ブラウザで確保される安全なアクセスにより、サプライ
チェーン パートナーと顧客を音声、Web またはビデオの任意のミーティングに招待できま
す。これらすべての機能により、従業員は出張のための時間と費用を削減しながら各自の
業務と役割を遂行できます。
1
http://www.microsoft.com/japan/office/2007/OCS/roundtable/default.mspx
5
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
潜在的な費用削減の評価
この費用削減に含まれるのは、現在の出張費の一部削減、および移動時間に関する節約を
把握して集約することで見込まれる人員の削減です。出張を伴うアクティブ ユーザーを対
象とした展開では、6 か月以内に資本を回収できます。
実際の部門別の出張費の分析を財務部門または管理部門から入手できる場合は、それが費
用削減の機会を評価するための最適な基準になります。ROI モデルでは、次のシンプルな
式に基づき、従業員 1 人あたり通常 913 ドルを削減できることがわかります。
(すべての従業員の出張の 30% x 出張する従業員 1 人あたり年間 5 回の出張 x
1 回の出張につき 1,522 ドル2) x 40% (または年間 2 回の出張) の削減
費用削減の例
Crédit Agricole S.A. はヨーロッパの主要な銀行グループの 1 つであり、OCS R2 の会議機能
を利用して、出張をせずに専門チームを結集したり、記録されたビデオ会議によって支社
の従業員にトレーニングや指導を行ったりしています。さらに、クライアント、銀行の代
表者、および関連する銀行の専門家との間で "3 方向の" 銀行会議を実施しています。全体
として、出張費は最初の年に 10% ~ 20% 削減されており、これは前に示した潜在的な費用
削減と一致します。
機会: 会議サービス料金の削減
費用削減の機会
使用率に応じて料金が設定される外部サービス 1 つ以上を音声、ビデオ、または Web 会議
に利用している企業では、社内会議システムまたは定額料金のホストされたクラウド サー
ビスに移行することで、それらの費用を迅速に削減できます。
Web 会議 (デスクトップ、プレゼンテーション、およびアプリケーションの共有) およびビ
デオ会議のサービスは 1 分あたりの費用が高額になるため、これらのサービスでは最も費用
を削減できる可能性があります。また、社内電話会議を導入することでも費用を削減でき
ます。電話会議の 1 分あたりの費用はビデオ会議に比較して大幅に低くなりますが、使用率
ははるかに高くなる場合が多いため、大幅に費用を削減できます。もちろん、費用削減は
長期にわたり継続維持可能なものになり、出張の回避や新しいビジネス手法に基づく会議
使用の増加に伴いさらに大きくなります。
2
2008 年の American Express による出張に関する予測データ (国内出張 4 回 (1,110 ドル) および海外出
張 1 回 (3,171 ドル)) より。http://home3.americanexpress.com/corp/pc/2007/pdf/GBTF.pdf
6
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
OCS R2 の一部として、またはホスティングされたクラウド サービスとして提供される
Microsoft Live Meeting は、外部サービスの料金を削減または排除するための非常に効果
的なソリューションです。「出張費の削減」で既に説明したように、Live Meeting は主要
な "統合" 会議ソリューションであり、音声、Web、ビデオ会議の機能をすべて提供し、
RoundTable 会議室音声/ビデオ モジュールのような独自の機能を備えています。これらの
機能により、すべての外部サービスを統合して代替することができます。OCS R2 の不可欠
な要素として利用する場合でも、ユーザーあたりの固定料金に基づく、きわめて経済的な
(1 ユーザーにつき 1 か月最高 5 ドル) ホスティングされたクラウド サービスとして利用する
場合でも、総所有コスト (TCO) は低くなります。このトピックに関する広範囲にわたる説
明および関連する費用削減やビジネス上の価値については、2009 年のホワイト ペーパー
『The Compelling Case for Conferencing』を参照してください。
潜在的な費用削減の評価
社内会議に関する資本回収は通常 6 か月未満の非常に短期間ですが、Microsoft Live Meeting
の統合会議オプションを使用すると確実に短くなります。電話会議サービスの費用は通常
1 分あたり約 0.10 ドルで、ビデオ会議の費用は 1 分あたり約 0.35 ドルであるため、100 ユー
ザーの場合の使用料金は 1 か月あたり 10,000 ドル以上に達する可能性があります。社内用
OCS R2 Live Meeting 会議の所有コストは 1 ユーザーにつき 1 か月あたり 10 ドルをはるか
に下回り、ホストされた Live Meeting クラウド サービスの場合も同様であるため、結果と
して資本回収期間は通常 3 か月未満であり、それ以降は継続的に費用を削減できます。
1,000 ユーザーの場合の費用削減の概算は次のとおりです。
(1 ユーザーにつき 1 か月 100 ドルの使用料金 - 1 ユーザーにつき 1 か月 10 ドル
の Live Meeting OCS R2 費用) x 1000 x 12 か月 = 年間 108 万ドルの潜在的な削減
費用削減の例
Crédit Agricole S.A. では、既に説明した出張費の削減に加え、OCS R2 の社内システムを使
用することで年間の会議費用を 200,000 ドル以上削減しました。
また別の例として、世界的な農業事業を行う Syngenta では、自社のサービス ベースの仮想
(Web) 会議ソリューションをマイクロソフトの Web 会議に置き換えることで、会議費用を
50% 削減しました。
7
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
機会: 長距離電話料金と携帯電話料金の削減
費用削減の機会
長距離電話と携帯電話の通信事業者から請求される長距離電話料金またはテレホン カード
料金を削減できる重要な機会が存在する可能性があります。長距離電話料金は米国内で大
幅に低下しましたが、国際電話料金は依然として高く、通常イギリスへの通話は 1 分あたり
約 0.19 ドル、中国およびアジアの多くの国への通話は 1 分あたり約 0.34 ドルです3。
同様に、携帯電話料金は、多くの場合、現場のアクティブ ユーザー 1 人につき 1 か月あたり
約 100 ドルで、特に他の国の従業員、クライアント、またはパートナーへの携帯電話による
国際通話ではさらに高額になる場合があります。安全な VoIP ソリューション (OCS R2 な
ど) を利用すると、企業のデータ ネットワークまたはインターネット上でこれらの通話を
ルーティングして、それにより電話料金ベースのネットワークをバイパスすることで、外
部プロバイダに対して支払われる長距離電話料金を削減できます。長距離電話料金と携帯
電話料金を削減するためのその他の実証済みの方法として、プレゼンス表示を使用して特
にモバイル デバイスからの無駄な通話をすべて回避し、多くの通信をインスタント メッ
セージング (IM) に移行する方法があります。これは電話での多数の短い通話に取って代わ
る方法です。
発信者が通話に対する支払いを行う国における携帯電話通話の場合、UC ソリューションで
は、企業の UC システムでユーザーを呼び出して目的の相手に接続する機能をモバイル
ユーザーに提供できます。これにより、携帯電話のネットワーク料金を回避できます。
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
OCS R2 には、安全な VoIP 通信スイートが用意されており、自己負担による長距離電話料
金と携帯電話料金を大幅に削減できます。これらの費用削減は次の 3 つの主要な方法を使
用することで実現します。
1) OCS R2 は、PC、Web ブラウザ、またはマイクロソフトのパートナーが提供する IP
音声デバイスを介した、ユーザー間での非常に簡単な "クリック操作によるコミュニ
ケーション" を可能にします。OCS R2 は、サポートされるデバイスの範囲、および
任意の顧客またはビジネス パートナーを安全な通話に含める機能に関して卓越して
います。このため、長距離電話の費用削減の範囲が最大化します。
3
AT&T のテレホン カード料金 (2009 年、第 1 四半期)。www.att.com。
8
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
2) Communicator Mobile クライアントを使用する携帯電話のユーザーは、通話を開始
する前に Windows Mobile、BlackBerry、または Nokia のスマートフォンを使用して
プレゼンス状態を確認したり、場合によっては通話の代わりにインスタント メッ
セージング (IM) を使用したりできます。
3) ユーザーは、社内の OCS R2 サーバーで各自の携帯電話を呼び出すようにすること
で長距離電話料金を回避したり、発信者が通話に対して支払いを行う国での携帯電
話料金をバイパスしたりできます。たとえば、海外出張者が海外から OCS R2 にロ
グインし、インターネットを使用して VoIP により本社に接続して、無料で会社の同
僚と話をしたり、OCS R2 サーバーから市内通話を発信したりする場合、長距離電話
料金を回避できます。モバイル ユーザーはクリックして別の関係者に電話をかける
ことで通話料金を回避します。OCS R2 は、まずユーザーの携帯電話を呼び出し、次
に企業の電話料金で目的の相手に接続します。
また、VoIP への移行を通じて、通信事業者のトランク終端の数を企業内の場所に減少させ
たり、携帯電話の支払いプランを再交渉して、場合によっては契約を再入札に出したりす
る機会が生じる可能性があります。最終的に、長距離電話料金および携帯電話料金を大幅
に削減できる可能性があります。
潜在的な費用削減の評価
企業が支払っている長距離電話の請求書および利用状況に基づく携帯電話の請求書を評価
します。または、企業の方針に応じて、従業員が直接これらの請求書の支払いを行ってい
る場合には、返済された費用およびテレホン カードの請求書の一部を取り上げて評価しま
す。多くの場合、一部の高速スプレッドシート分析では使用率の高い状況が特定され、
このような状況に対して、UC ベースの通話に迅速に移行することを計画できます。
費用削減の評価に関する目安は次のとおりです。
(平均的な長距離電話料金 (50 ドル/月) x 70% の削減) + (平均的な携帯電話の使用
(90 ドル/月) x 30% の削減 (米国内の場合)) x 12 か月 x 1000 ユーザー = 年間
744,000 ドルの潜在的な削減
費用削減の程度は、ユーザーの役割および国際通話の量によって異なります。使用料金の
高いユーザーを対象にすることで、6 か月未満で資本を回収することができます。
費用削減の例
Global Crossing では、社内スタッフと遠隔の要員の両方を OCS R2 に移行し、現在では電
話料金と従業員の出張費を合わせて年間 100 万ドル以上の削減を実現しています。これには、
既に説明した OCS R2 による携帯電話料金の削減が含まれ、7 か月で資本を回収しています。
OCS R2 ソフトウェアは既存の PC およびモバイル デバイスで動作するので、ユーザーは簡
単に移行を受け入れることができました。
9
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
機会: 施設費の削減
費用削減の機会
賃貸料および運用費 (光熱費、警備費などの費用) を含む施設費は、費用の削減対象として
重要です。
多くの企業は UC ソリューションを利用して、従業員が少なくとも業務時間の一部において
リモートで作業できるようにし、従業員が出社する必要のある場合に利用可能な共有の予
備のデスクを備えています。企業がより広範囲に広がり、従業員の通勤時間が長くなると、
効果的なリモート作業機能を導入した場合に従業員の満足度と生産性の両方が向上するこ
とが研究によって明らかになっています。これらのプログラムを開始すると、残りのオン
サイトの従業員を統合して、部署、フロア、またはビル全体の光熱電気を止めることで、
費用の削減を開始することが可能です。場所の節約に関する見通しが長期にわたるもので
あれば、空いた場所を転貸すること、賃貸契約を解約すること、会社が所有する施設を売
却することができます。
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
マイクロソフトの UC ソリューションは、柔軟性のある労働形態に対する優れたサポートを
提供します。Exchange 2007 および OCS R2 は、すべての通信方法 (通信の "負荷") および
シームレスな一連のツール全体でクラス最高の包括的な機能を提供します。したがって、
従業員は "どこからでもアクセス可能" で、あらゆる場所から効率的に作業できます。OCS R2
のプレゼンス機能を使用すると、従業員どうしが同じビル内にいる場合と同様に、チーム
またはグループ内で相互の状態を把握できます。また、リモート ユーザーは、ビル内にい
る場合と同じ Microsoft Office ソフトウェア アプリケーションを使用して同じディレクトリ
構造で作業するので、同じビル内で作業しているすべての従業員メンバと同等の生産性と
セキュリティでシームレスにリモート作業を進めることができます。
潜在的な費用削減の評価
もちろん、環境費用 (光熱費) と床面積あたりの純費用について、費用削減は業界および地
理的な条件によって異なります。費用削減の対象として最も適格なオフィス スペースの使
用率は4、従業員 1 人あたり 150 ~ 300 平方フィートに及び、平均して 220 平方フィートで
す。大都市5では、年間で 1 平方フィートあたり約 27 ドルの費用がかかり、電気を消してエ
ネルギーを節約しただけで従業員 1 人あたり年間数百ドル削減でき、さらに、賃貸契約を
解約するか、大都市圏でのビルの賃貸を回避することで従業員 1 人あたり年間 6,000 ドルも
削減できる可能性があります。賃貸契約の解約または回避における資本回収期間は通常
3 ~ 6 か月です。
4
5
目安としての計算ツール: http://www.officefinder.com/officespacecalc.html
シカゴのオフィス料金に関する予測: http://www.scribd.com/doc/4621481/Chicago-Office-8-8-08
10
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
費用削減の例
Rabobank では、必要なオフィス スペースを従業員 1 人あたり 26 m² (280 平方フィート) か
らわずか 15 m² (161 平方フィート) に 40% 削減し (従業員 1 人あたり約 100 平方フィートの削
減)、本社ビルにおける運用費を 10% 以上削減できました。
Renault では、従業員が出社する場合に共有する予備のデスクを用意し、OCS を使用して柔
軟な作業方法を実現しています。合計 8.3% (2,000 台) のデスクを削減することで、柔軟な
作業ソリューションを通じて年間最高 2,000 万ユーロ (2,770 万 U.S. ドル) を削減できる可能
性があると見込んでいます。
通信インフラストラクチャの最適化
この領域では、即座のまたは短期的な費用削減を実現することに重点を置きます。統合を
行うことで、結果として管理の負荷を軽減し、メンテナンス契約料を削減することは、す
べての通信負荷 (メッセージング、ボイス システム、サーバーおよびサイト、アプリケー
ション パッケージ) で可能です。場合によっては、包括ライセンスまたは一括ライセンス
パッケージに移行することでライセンス費用を削減できます。
機会: 通信システムの統合
費用削減の機会
電話、ボイス メール、インスタント メッセージング、電話/ビデオ/Web 会議などの通信シ
ステムを統合することで、費用削減のための大きな機会が生じます。従来は、基本的に 1 か
所につき 1 つまたは複数の PBX/キー システムがあり、多くの場合、ボイス メール、対話型
音声応答 (IVR)、コール センター、通話のアカウンティング、管理コンソールなどの一連の
関連システムが付属していました。現在ではユニファイド コミュニケーションを利用して、
システムを単一または 2 ~ 3 の場所やシステムに統合し、企業のワイド エリア ネットワー
ク (WAN) またはインターネット上での安全なインターネット プロトコル接続を介して他
のサイトをサポートすることがきわめて実用的です。
多くの場合、この費用削減に関する取り組みを行うには、現在は非常に適切なタイミングで
す。つまり、1990 年代後半にインストールされた多くの PBX およびボイス メール システム
が製造業者のサポート終了時期に近づいており、いずれにしても今後についての決定を行う
必要があるのです。このような決定に統合モデルを適用することで、多くの場合大幅に費用
を削減できます。このアプローチでは、サイトを統合できる中央プラットフォームを構築ま
たは拡張して、次に、対象となるサイトをその中央プラットフォームに徐々に統合します。
IVR または複雑なコール センターのような一部の特定項目がこの時点で統合できる状態では
ない場合でも、他のすべてのシステムを集約することで費用を削減できます。
11
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
OCS R2 は、音声通信システム統合のための高度に機能的なプラットフォームです。ボイス
メール システムも統合の対照とする場合には、多くの企業において Exchange 2007 ユニ
ファイド メッセージングでそのニーズを満たすことができます。ユニファイド メッセージ
ングのトピックに関する広範囲にわたる説明および関連する費用削減やビジネス上の価値
については、2009 年のホワイト ペーパー『The Compelling Case for Unified Messaging』を
参照してください。多くのワークグループおよびサイトに必要とされるすべての通信には、
これら 2 つの通信プラットフォームで対応することができます。OCS R2 および Exchange 2007
はそれぞれ単一の管理インターフェイスを備えた完全なソフトウェア環境であり、大幅に
管理を軽減することができます。OCS R2 および Exchange 2007 は、グループ、サイト、お
よびリモート作業者のサポートに関する柔軟性の点で優れており、大幅に費用を抑えた迅
速な統合を実現できます。
潜在的な費用削減の評価
通信インフラストラクチャの統合または代替交換は、費用回避の最大の機会になります。
これは、PBX およびボイス メールの代替交換が、特定のベンダおよび関連するサービスの
価格に応じて 1 ユーザーあたり 600 ドルから 2,000 ドル以上に相当する可能性があるためで
す。代替となる OCS R2 の費用はこれらの価格帯の約半分であるので6、OCS R2 を使用する
UC に 1,000 ユーザーを移行すると、長期的に固定費を 300,000 ドルから 1,700,000 ドルも回
避できる可能性があります。
固定費を回避して即座に投資を回収できるだけでなく、従来の PBX およびボイス メール
システムの継続的なメンテナンス契約費用を排除することで、1 ユーザーの PBX ステー
ション/ボイス メール用メールボックスあたり年間 100 ドル程度を削減できます。さらに
システムの運用管理を排除することで 1 つのシステムにつき年間 25,000 ~ 75,000 ドル程
度の費用を削減できます。これは、企業内に複数の PBX/キー システムがある場合、最も
簡単に実現します。OCS R2 および Exchange 2007 が最も大きな影響をもたらすワークグ
ループまたは場所から開始し、これらのシステムを徐々に廃止することができるためです。
費用削減の例
Lifetime Products では、ボイス メール システムを Exchange 2007 ユニファイド メッセージ
ングに統合することで、従業員 1 人あたり年間 16 ドル削減し、9 か月で資本を回収しまし
た。さらに、FAX の管理に Exchange UM を使用して多くの FAX 機器を廃止することで、
年間 600,000 ドル削減しました。
26 か国に 4,600 人の従業員を擁し、言語、コンテンツ、およびテクノロジの外部委託サー
ビスを提供する主要プロバイダである Lionbridge では、40 の PBX システムを置き換えるこ
とで、資本投資を約 140 万ドル削減し、7 か月で資本を回収できると見込んでいます。
6
http://www.unicommconsulting.com/library/DeMystify_VoIP_and_UC_Price_Trends_mp_Sep07.pdf
12
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
機会: メッセージング システムとインフラストラクチャの統合
費用削減の機会
エンタープライズ メッセージングをサポートする統合されたソフトウェアと、向上した処
理能力 (64 ビット プロセッサ) およびストレージ オプションを組み合わせることで、多く
の企業で重要な費用削減の機会が生まれます。統合による費用削減が可能な既存のメッ
セージング インフラストラクチャの主要な要素は次のとおりです。
„
必要に応じて 64 ビットの仮想サーバーを使用して、場所別または部門別のサーバーを
統合 (必要であれば個別のドメインまたは識別情報を保持)。これにより、リモート サイ
トでの設備やサポートの費用を削減しながら一元的な統合を行うことができます。
„
費用のかかるローカル/冗長メッセージ ストレージまたはアーカイブ システムが急増し
ている場所での SAN/NAS 構成の排除または回避。
„
メッセージング ベースのアプリケーションの統合。通常は、コンプライアンス、アーカ
イブ、スパムおよびウイルス制御、メッセージング ベースのワークフロー アプリケー
ション、共有フォルダ サポートまたはボイス メッセージングに対応するための多数の
スタンドアロンのローカル システムが存在します。多くの場合、これらのローカルに分
散したアプリケーションを統合して、運用費とメンテナンス費を大幅に削減することが
できます。
通信インフラストラクチャの場合同様、費用削減のためのここでの方法論は、一元化され
たメッセージング プラットフォームを構築または拡張すると同時に、既存のリモートまた
は異種混在のメッセージング システムおよび関連するインフラストラクチャを廃止するこ
とです。
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
Exchange 2007 は、メッセージング、ストレージ、およびアクセス方式を統合して費用を削
減するための業界最高レベルの強力なソリューションです。費用の削減は、通常 64 ビット
システムに統合することで、メッセージング サーバーの数を減らすことから開始します。
これにより、多くの場合にサーバー数を半減させることができます。さらに、Exchange 2007
は直接接続型記憶装置 (DAS) をサポートするため、付加的なネットワーク接続ストレージ
(NAS) またはストレージ エリア ネットワーク (SAN) システムの費用を回避できます。また、
Exchange 2007 は、自動アーカイブおよびバックアップ ソリューション、スパム フィルタ、
およびウイルス保護機能を備えているため、これらの目的で運用する既存のスタンドアロ
ンのシステムを廃止することができます。
13
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
潜在的な費用削減の評価
潜在的な費用削減は次の 2 つのカテゴリにおいて実現可能であり、新たな購入を回避した
場合、またはメンテナンス/サービス契約を解約した場合には 6 か月未満で投資を回収でき
ます。
1) まず、メンテナンスおよびサポートの対象となるサーバーの数を、通常、50% 削減
できます。1 台のサーバーあたり年間 15,000 ~ 25,000 ドルの所有コストで、100 台
から 50 台のサーバーに統合すると、年間で平均 100 万ドルの費用を削減できます。
2) 次に、ストレージとアーカイブのための補助的な SAN/NAS システムを統合するか、
拡張を回避することで、企業のメッセージ保持のポリシーに対応するために必要な
ストレージの量に応じて、数万ドルから数十万ドルの費用を回避できます。
費用削減の例
イタリアの主要な電気通信企業である Telecom Italia では、専用の電子メール サーバーの
数が 40% 以上 (130 台から 70 台に) 減少しました。
米国ジョージア州にあるエモリー大学では、ストレージ費用が 50% 削減し、サーバー 1 台
あたりのユーザー数が 2 倍になりました。ホワイト ペーパーでは、エモリー大学が
Exchange Server 2007 へのアップグレードによって実現した総合的な利益について説明して
います。
機会: UC アプリケーション ソフトウェア パッケージの統合
費用削減の機会
UC ソリューションでは、一般的に異なる種類の通信アプリケーション パッケージおよびサ
ポート ハードウェアの一部またはすべてを統合することができます。ほとんどの場合、こ
のことも、通信またはメッセージング インフラストラクチャの統合 (前記を参照) に加えて
費用削減の要因となります。例として、通話のアカウンティング/レポート作成システム、
通話の記録システム、対話型音声応答 (IVR) および音声ポータル アプリケーション、音声
応答およびディレクトリ アクセス アプリケーション、通知システム、ポケットベル アプリ
ケーション、ボイス システムまたはメッセージング システムへのリモート アクセス、メッ
セージのアーカイブ システム、業務継続、バックアップ システムなどが挙げられます。こ
れらの機能を UC ソリューションの統合された要素として提供することができれば、管理お
よびメンテナンスに要する時間、ライセンス費、サービス契約料、ベンダ管理費用、賃貸
料または減価償却費、およびエネルギー費をはじめ、特に異なるシステムの個別の管理に
関して所有コストを削減できます。
前記のような一連のアプリケーション ソフトウェアおよび関連するサーバーや機器は、UC
ソリューションに置き換えることができる要素を特定するうえでの基準となります。従業員
の配置や繰り返し発生する費用 (メンテナンス契約など) を同時に評価することで、UC ソフ
トウェア アプリケーションによる代替交換を通じて削減できる費用の合計を集計できます。
14
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
マイクロソフトの UC ソリューションである Exchange 2007 および OCS 2007 R2 には、従
来は個別に販売および展開されていた、最も広範囲にわたる統合された通信アプリケー
ションの一連の要素が含まれています。基本的に、「費用削減の機会」で示した個別の機
能はすべてマイクロソフトの UC ソリューションの一部として利用できるようになり、統合
された Enterprise CAL Suite ライセンスを通じて入手できます。「付録 A」の表 1 では、
Exchange 2007 および OCS 2007 R2 ソリューションへの統合対象となる、さまざまなスタン
ドアロンおよび従来の UC 関連のソフトウェア パッケージを示しています。「付録 A」の
表 2 では、単一の Enterprise CAL Suite ライセンスに基づいて統合できるその他の運用およ
びインフラストラクチャ ソフトウェアの機能を示しています (Enterprise CAL Suite の詳細
については後述します)。
潜在的な費用削減の評価
潜在的な費用削減を概算することは簡単であり、Microsoft UC ソリューションに統合可能
なスタンドアロンまたはサードパーティのソフトウェアのインベントリを実行することで
行えます。「付録 A」に記載された機能を実行するために現在使用しているアプリケー
ションについて、対応する代替オプションをアプリケーションごとに評価することで、
アプリケーションの統合および結果として生じる費用削減の機会が特定されます。
目安として、大規模な企業では、そうしたアプリケーションを 10 個所有し、500,000 ドル
を投資して、それらのアプリケーションをサポートするための常勤の従業員を少なくとも
1 人必要とします。既存の異種のアプリケーションの購入、アップグレード、または交換を
回避できれば、通常は即座に投資を回収できます。その結果、統合に伴う人件費の削減は
年間 75,000 ドルに達する可能性があり、ライセンス回避による費用削減は 5 年間にわたり
年間約 100,000 ドルになります。
費用削減の例
時間管理の分野で業務を展開する米国の企業である Franklin Covey では、Exchange Server 2007
および Outlook Web Access にアップグレードすることで、個別のサーバー費用としてのリ
モート接続費を約 40% 削減しました。
機会: ソフトウェア ライセンスの最適化
費用削減の機会
前に説明したアプリケーション ソフトウェアの統合に加え、企業は、主要なソフトウェア
プロバイダが提供する最適な一括販売のオプションに注目することで、大幅な費用の削減を
実現できます。このオプションは、多数の UC プロバイダから提供され、特に Microsoft UC
および Office ソリューションを利用する企業に機会をもたらします。
115
ユニファ
ァイド コミュニケーション
ンがもたらす費
費用とリソース
スの削減
統合型
型または一括
括販売のソフ
フトウェアの
の価格設定に移行することによる費用
用削減は多大
大な
もので
であり、数か
か月で実現し
します。移行
行のためには、単に購買注
注文およびラ
ライセンス契
契約
を交渉
渉して更新す
するだけで済
済み、ユーザ
ザー アプリケ
ケーションに対するテクノロジの展開
開ま
たは変
変更を必要と
とせずに費用
用を削減でき
きます。また、多くの場合
合、UC また
たは一括ライセン
スに含
含まれる関連
連アプリケー
ーションによ
よって新しいビジネス要件
件に対応でき
きるので、費
費用
を回避
避することも
も可能です。ソフトウェ
ェア パッケー
ージを使用しているすべて
ての部門 (IT
T、通
信、施
施設管理、管
管理、および
び基幹業務部
部門) を含める
るために、広
広い視野でこ
この問題を検討す
ることが重要です
す。また、購
購買/調達部門
門と話し合い
いをして、ライセンスの機
機会について
て指
導した
たり、既存の
の契約に関す
する最新情報
報を入手したりすることが
が不可欠です
す。
Microsoft UC の費用削減のた
ためのアプリ
リケーション
ン
7
クロソフトが
が提供する Enterprise
E
CA
AL Suite (E--CAL Suite) は、多岐にわ
わたる Officee 機
マイク
能と UC ソリュー
ーションの完
完全なパッケ
ケージを提供し、潜在的な
な費用削減は
は最大 50% に達
に
します
す。特に UC
C では、E-CA
AL Suite に Exchange
E
20
007 向けの Sttandard CAL
L および
Enterrprise CAL (E
Enterprise CA
AL には、ユ
ユニファイド
ド メッセージ
ジングとスパム/ウイルス
ス対策
のパッ
ッケージが含
含まれます) と OCS 20077 R2 向けの Standard CA
AL および En
nterprise CA
AL
(Stan
ndard CAL には、ピアツ
に
ーピア通信の
のフル スイー
ートが含まれ
れ、Enterpriise CAL には
は、会
議、グ
グループ チャ
ャット、およ
よびエンター
ープライズ VoIP
V
の強力な
なソリューシ
ションが含ま
まれま
す) の両方が用意
の
意されています。また、E
E-CAL Suite には、きわめて重要なコ
コラボレーシ
ショ
ン プラットフォー
プ
ームである Microsoft
M
Offfice SharePo
oint Server も含まれてお
も
おり、これは
は
Exchaange/Outloo
ok 環境および
び OCS/Com
mmunicator 環境の両方と
環
と連携します
す。次の表に
には、
Micro
osoft Volumee License Priicing (MVLP
P) から E-CA
AL Suite (Stan
ndard または
は Platform
Enterrprise Agreem
ment) に移行
行した、従業
業員数 5,000 人の企業の費
費用削減を示
示しています
す。
損益分岐
岐点分析: コンポーネン
ント CAL と Enterprise CAL Suite の比較
の
$1,000kk
$900kk
$800kk
$700kk
$600kk
$500kk
$400kk
$300kk
$200kk
$100kk
$0kk
Office Co
ommunications Server
S
STD CAL
Windowss Rights Manageement Services CAL
C
Microsofft Operations Maanager Client OM
ML
Office Exchange Server Enterprise
E
CAL
Forefrontt Security Suite
Office SharePoint Server ENT CAL
Office Co
ommunications Server
S
Enterprise
e CAL
ECAL Sute Replacement Value
V
MVLP A
7
Stan
ndard EA
Platform EA
http://ww
ww.microsoftt.com/japan/ccalsuites/defau
ult.mspx
ECAL Suitte
16
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
潜在的な費用削減の評価
マイクロソフトのライセンス情報では、Enterprise CAL Suite のライセンス価格に関して最
大 50% の費用削減が可能であることが示されており、融資オプションを利用すると即座に
資本を回収できます。前の例では、Platform EA の場合に 1 ユーザーあたり 190 ドルの費用
が 69 ドルに削減されました。E-CAL Suite に関する詳細情報については
http://www.microsoft.com/japan/calsuites/default.mspx を参照してください。
費用削減の例
Del Monte Foods では、"次世代デスクトップ" ソフトウェアのライセンスを、個々のライセ
ンスから Enterprise CAL Suite に移行することで、テクノロジ関連の費用を 16% 削減し、
3 年間で 492,000 ドルを直接削減すると共に、Enterprise CAL Suite に含まれる有益なアプ
リケーションがさらに加わることになりました。費用の削減と回避を合わせた合計は 150 万
ドルに達しています。
人材の活用
この領域では、基幹業務において実質的な生産性向上を実現することに重点を置きます。これ
により、経済情勢に応じた人員の削減、または採用や空いている職種の補充に関する制約が要
求される場合でも、ブランド価値や顧客サービスを維持または改善することができるようにな
ります。これは、1) 全般的な従業員の効率性 2) 効率化されたワークグループ プロセスおよびコ
ラボレーション プロジェクト、という 2 つの層で行われます。また、UC ソリューションを利
用すると、コミュニケーション関連の領域において企業の統制および法令遵守のために必要と
される従業員を削減できます。
機会: 従業員の効率の向上
費用削減の機会
従業員の効率性向上は多大なものになると共に、人員の削減を考慮した場合に不可欠とな
ると考えられます。UC ソリューションを利用して、日常の作業環境におけるコミュニケー
ション関連の障壁を取り除くことで機会が生まれます。重要な費用削減の機会としては、
適切なリソースを迅速に探し、応答できない人に対する電話やメッセージを回避するため
の、プレゼンスおよび IM ツールが挙げられます。それ以外にも、ドキュメント、電子メー
ル、連絡先の名前をクリックしてコミュニケーションを行うなど、簡素化されたコミュニ
ケーション作業を通じて費用を削減できます。"場所を問わないアクセス" によって、モバ
イルの場合にユーザーの生産性が維持され、時間と移動を削減できます。これらはすべて
同じ作業負荷での従業員レベルの削減につながり、結果として部門レベル、機能レベル、
また最終的に企業の費用レベルでの削減が実現することになります。
17
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
以下のケース スタディの事例で説明しているように、個々の従業員の生産性は 1 日につき
1 人あたり 10 ~ 60 分以上の範囲で向上し、従業員の時間が 2 ~ 12% 節約されることになる
と考えられます。費用の削減を実現するために、IT/通信および基幹業務部門の両方におい
て推奨されるアプローチは、残っている従業員用に新しい UC ツール (およびトレーニング)
を利用することで、状況に応じた雇用停止、残業削減、または一時解雇に対応することで
す。こうした新しい UC ツールを迅速に導入展開することは、営業、サービス、カスタマ
ケア/売掛金担当など、顧客に直接対応する職務を対象に削減を行う場合に特に重要です。
Microsoft UC の費用削減のためのアプリケーション
マイクロソフトの UC、特に OCS R2 は、次のようなコミュニケーションに関する生産性を
通じて実際の現金の支払いを伴う費用の削減、人員の削減による費用の削減を実現するた
めの最適なソリューションの 1 つです。
•
•
•
まず、OCS R2 と Exchange 2007 はいずれも完全に統合されたスイートであり、
従業員のコミュニケーションに関する生産性を最適化します。
次に、マイクロソフトの UC ソリューションは、PC クライアント、ブラウザ、お
よびモバイル デバイスを介して "場所を問わないアクセス" を提供し、こうした生
産性の向上を最も広範囲にわたって実現します。
3 番目に、マイクロソフトの UC ソリューションは Office 製品および SharePoint と
ネイティブに統合され、効率性をさらに高めることが可能になります。
新しい UC ツールは、他の使い慣れた Microsoft Office ツールと一貫性があるため、トレー
ニングと導入が簡単です。
潜在的な費用削減の評価
基本的な生産性ツールを実装することによる費用の削減は、年間に削減される人件費の
5 ~ 10% に及びます。従業員は次の 3 つのグループに簡単に分類できます。
1)
頻繁に移動する従業員。サポートのための連絡に要する時間の削減、また、顧客か
らの不在時の着信およびコールバックを回避することで費用を削減できます。
2)
社内で作業する、1 日のコミュニケーション量が多い従業員 (使用状況のレポート
で確認できます)。より優れたツールでこれらのコミュニケーションを自動化し、
効率化を図ることで費用を削減できます。
3)
製造または物流管理担当の従業員など、その他すべての従業員。通常は、(ワイヤ
レス デバイスおよびポータルを介した) 優れた情報配信によって費用を削減するこ
とが可能であり、サポート、承認、または特例に伴う遅延を大幅に軽減できます。
多くの場合、それぞれの対象グループについて試験調査を実施し、生産性の向上に関して
最も効果的な領域を見つけることが役立ちます。これらの最も効果的な領域での実装によ
り、雇用の回避や人員の削減または異動が可能になる場合、通常 6 か月未満で資本を回収
できます。
18
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
費用削減の例
Global Crossing では、自社のビジネス プロセスに統合された UC プレゼンスおよびインス
タント メッセージングに移行することで、3 年間にわたって営業実績を 70% 向上させると
同時に、顧客への応答性を改善し、人件費を 75% 削減することができました。
Microsoft IT では、OCS R2 の広範囲にわたる展開を評価した際に、Microsoft UC のユーザー
からの報告に基づくと 1 日あたり 28 分 (5.8%) 生産性を向上できることを確認しています。
機会: ワークグループとコラボレーション プロジェクトの効率化
費用削減の機会
個人の生産性を向上させることは重要ですが、UC ツールをチーム (ワークグループ、部門、
プロジェクト チーム、または連携して共同で作業を行う同様のグループ) 内に適用して特定
の目標を実現したり、プロジェクトの成果を生み出したりすることで、利益がさらに大き
くなり、多くの場合、より簡単に利益を測定できるようになります。UC 機能を使用して迅
速に作業を行うワークグループの例は数多くあります。UC 機能を使用しなければ、電子
メールの応答、または音声メッセージに対するアクセスを待ったり、特定の人がオフィス
に戻るのを待ったりして時間を無駄に費やすことになる可能性があります。
これを効率化する 2 つの主要なツールとして、(1) コラボレーション ツールにリンクされた
会議、および (2) 単一の番号/ID アクセスによる "クリックでコミュニケーション" 機能を備
えたプレゼンス情報があり、いずれも "場所を問わないアクセス" によって実現します。メ
リットとしては、プロジェクトの期間の短縮により消費するリソースを削減し、販売サイ
クルの短縮により収益の増加または営業人員の削減を実現でき、さらに、少ないリソース
で顧客サポートを改善することができます。
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
OCS 2007 R2 ソリューションは、Exchange Server 2007 および SharePoint Server と組み合わ
せることで、この費用削減カテゴリのためのあらゆる機能を備えたソリューション セット
を提供します。OCS R2 は、(1) 前に説明したすべてのコミュニケーション ツールにより、
また (2) Office アプリケーション、SharePoint のワークスペースやポータル、および (OCS
の展開ツールや API を使用する) ビジネス アプリケーションのような、ワークグループの
ビジネス ツールにコミュニケーション ツールを完全かつ効果的に統合することで、ワーク
グループの生産性を十分にサポートします。
リソースの削減や最適化は、統合されたソリューション セットに大きく依存します。さま
ざまなベンダがスタンドアロン アプリケーションとして提供する個々のソリューション要
素が市場に数多く存在しますが、マイクロソフトによる統合は、ワークグループの生産性
向上に必要とされる統合された機能の提供において推奨されます。
19
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
潜在的な費用削減の評価
コミュニケーションや会議における遅延をなくし、作業成果物のやり直しや調整を回避し
てプロジェクトまたは作業の完了を加速化することで、費用を削減できます。これを評価
する最良の方法は、企業内で同時に進行するプロジェクト、販売提案、または同様の作業
の数を見積もって、必要に応じて大小のプロジェクト別にグループ化し、コミュニケー
ションの向上を通じて縮小されるこれらのプロジェクトの範囲を見積もることです。投資
回収はプロジェクトの完了に関連付けられるため、最初に企業内でプロジェクト期間の短
縮に焦点を当てることにより、6 か月未満で投資を回収できます。
一般的に、プロジェクトの期間と範囲が約 25% 削減されます。プロジェクトに関連する従
業員 100 人あたりの費用削減の概算は次のとおりです。
(100 x プロジェクト完了時間における 25% の削減 x 従業員 1 人あたり年間平均
70,000 ドルの報酬と諸経費) = 年間 1,750,000 ドルの潜在的な人件費削減。
費用が削減されるだけでなく、より迅速にプロジェクトを完了して利益を実現できます。
費用削減の例
大手製薬会社である Astra Zeneca では、新製品の市場投入までの期間を 6 か月以上早める
ことで、結果としてプロジェクト費用を削減し、さらに重要な点として、数十億ドルもの
追加収益達成の可能性があると報告しています。
メキシコ全体で 80 か所のオフィスに 4,000 人の従業員を擁する Infonavit (National
Workers' Housing Fund Institute) では、Microsoft OCS 2007 により、合理化されたコミュ
ニケーションとコラボレーションに基づいて従業員がより効率的に融資の処理を行うこと
ができるようになっています。これにより、Infonavit の従業員の融資処理能力が 6% 向上
し、年間 30,000 件の追加融資が処理されています。
200,000 人以上の低所得者および身体障害者の会員にサービスを提供する医療ネットワーク
である Care1st Health Plan では、音声対応の発信アプリケーションを作成して患者の予約設
定や予約の確認を行うことでワークグループの時間を解放すると同時に、Initial Healthcare
Assessments に関する新会員の規定要件への対応が 3 倍に向上しています。
機会: 統制とコンプライアンスの簡素化
費用削減の機会
法律、規制、または企業ポリシーのいずれによるものであっても、多くの企業は、かなり
の時間とリソースを費やして、適切な統制および指定されたガイドラインへの準拠を確実
に行う必要があります。
従来、コミュニケーション ソリューションにおける統制とコンプライアンスは、既存のシ
ステムへの手動プロセスによる重複、またはビジネス アプリケーション ソフトウェアに対
する個別のアドオン ソフトウェア モジュールの追加によって行われていました。機能の中
核となる UC ソリューションに統制とコンプライアンスを組み込み、手動の重複または次善
策による手順を回避し、個別のモジュールを削除できるようにすることで費用削減の機会
が生じます。
20
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
Microsoft UC を適用して費用削減を実現
現在 Exchange 2007 と OCS R2 はいずれも、自動的にコンプライアンスのサポートと実施を
行うことができるようにする機能の統合と完全性に関して、企業向けのコミュニケーショ
ン ソリューションの中でも独自に差別化される存在となっています。証拠書類を必要とす
る規制に準拠するために、OCS R2 と Exchange 2007 はいずれもログの記録、録音、アーカ
イブ、および必要な情報の検索機能を備えています。セキュリティとプライバシーを必要
とする規制に関しては、いずれの製品も、情報およびコミュニケーションの送信の暗号化
に最大限に対応しています (たとえば、企業ファイアウォールの外部にいる場合は、PSTN
または携帯電話ネットワークでの音声通話は暗号化されません)。さらに、Exchange 2007
には、承認されていないユーザーによる情報アクセスを制限できる Rights Management 設
定が用意されています。また、OCS R2 は、通信セッションに対するアクセス制御を備えて
おり、不正アクセスを防止して、任意の時点でアクティブな参加者を記録できます。
その結果、運用費を抑えて統制とコンプライアンスを向上させることができます。もちろ
ん、従業員の時間を削減し、従来必要とされていたサードパーティのアプリケーションや
システムを廃止することで直接費用を削減できます。品質、確実性、および遵守の簡素化
の点で成果が向上し、場合によっては、数千ドル、さらには数百万ドルの補償費用を回避
できます。
潜在的な費用削減の評価
統制とコンプライアンスの向上に伴う価値は、企業の業界や歴史的な状況に応じて異なりま
す。従業員の時間と使用される個々のアプリケーションやサーバーの一覧を作成してその
ニーズに応じることをお勧めします。情報調査やレポート作成の作業は引き続き発生します
が、複数のアプリケーションまたはサーバーを管理するための人員や手動での情報抽出の手
間は減少します。それぞれの事例は特有なものであるため、概算は提供していません。
費用削減の例
米国カリフォルニア州に 1,200 人の従業員を擁する建築業者である Webcor Builders では、
Exchange Server 2007 の高度なアーカイブ機能を使用して効果的なメッセージ保持と法令遵
守を確実に行うことで、IT スタッフの時間に関して 70,000 ドル、弁護士スタッフの時間に
関して 40,000 ドルの削減を実現しました。Webcor では、Exchange Server 2007 を
Symantec Enterprise Vault と組み合わせて、訴訟事件に対応できるように高速検索と電子情
報開示を有効にしています。
21
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
まとめ
このホワイト ペーパーでは、自己負担費の削減、通信インフラストラクチャの統合、および人
材の活用の 3 つの広範囲にわたる費用削減カテゴリで、具体的な削減の機会について説明して
きました。次の表は、潜在的な費用削減の概算をまとめたものです。
削減のカテゴリ
自己負担費の削減
出張費
会議サービス費の削減
電話料金および携帯電話料金
施設費の削減
通信インフラストラクチャの最適化
通信システムの統合
メッセージング/FAX システムの統合
アプリケーション パッケージの統合
ソフトウェア ライセンスの最適化
人材の活用
従業員の効率の向上
ワークグループ プロジェクトの
効率化
統制とコンプライアンスの簡素化
Microsoft UC の重点機能
潜在的な費用削減 (概算)
統合会議
統合会議
UC のデスクトップ/モバイル
デバイス
柔軟な勤務形態、場所を問わ
ないアクセス
従業員 1 人あたり年間 913 ドル
ユーザー 1 人あたり年間 1,000 ドル
従業員 1 人あたり年間 744 ドル
UC とシステムの統合
Exchange 2007 の機能
統合された UC ソリュー
ション
Enterprise CAL Suite の価格
設定
従業員 1 人あたり年間 400 ドル
従業員 1 人あたり年間 300 ドル
従業員 1 人あたり年間 100 ドル
UC に基づく生産性の向上
UC ベースのコラボレーショ
ン ツール
UC の機能強化とツール
従業員 1 人あたり年間 2,000 ドル
プロジェクトの HC あたり年間
17,500 ドル
従業員 1 人あたり年間 92 ドル
従業員 1 人あたり年間 6,000 ドル
従業員 1 人あたり年間 120 ドル
すべての主要カテゴリにおいて注目に値する費用削減の機会があります。実行に関する意思決
定は、ビジネスのニーズとタイミングによって異なります。ほとんどすべての場合、出張、会
議サービス費、電話料金および携帯電話料金を削減することでわずか数か月以内に大幅に費用
を削減できます。同様に、ソフトウェア ライセンスを最適化することで、数か月以内に費用を
削減できるようになります。インフラストラクチャの最適化は、物理的な変更やソフトウェア
の再構成を行う必要があるので、通常、利益が出るまでに場合によっては 3 ~ 6 か月という長
い期間を要しますが、費用の削減と利益は多大で、持続的なものになります。人材の活用は、
より大きな費用削減または費用回避の実現につながり、人員の削減を考慮した場合に不可欠と
なる可能性がありますが、可能な費用削減を最大限に実現するには、ビジネスの方法やプロセ
スを変更する必要があります。
22
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
費用削減の計画と実現における支援を行うために、マイクロソフトはビジネス価値の計算ツー
ルを開発し、費用削減とユニファイド コミュニケーションの価値を評価しました。マイクロソ
フトの顧客担当者とパートナーは、特に各企業でその価値を評価できるようにこの計算ツール
を提供することができます。次の表は、大規模 (5,000 ユーザー) および中規模 (500 ユーザー)
のそれぞれの企業について、その計算ツールによる標準的な 2 つの分析結果をまとめたもので
す。このデータは、それぞれの場合について、1 年目に見込まれる利益と費用削減を示してい
ます。潜在的な費用削減は 2 年目以降に大きくなりますが、表では、1 年以内の迅速な資本回
収を実現できることを強調するために、1 年目の潜在的な費用削減のみを示しています。もち
ろん、前に示した表の費用削減の概算に基づくケース スタディの場合とは、1 人の従業員につ
いて計算される潜在的な費用削減は異なります。
1 年目の潜在的な年間利益
大規模企業
( 5,000 ユーザー)
業務の成果の向上
エンド ユーザーの生産性の向上
1 年目の利益
U S$
545,942
中規模企業
(500 ユーザー)
1 年目の利益
US$
1 年目
費用の削減
94,182
1 年目
会議とトレーニングのための出張費の削減
U S$
2,475,000
US$
247,500
電話/ビデオ/Web 会議の費用の削減
U S$
1,765,680
US$
154,428
テレフォニー料金の削減
U S$
420,000
US$
122,000
不動産および事業所の費用の削減
U S$
230,000
US$
30,000
ボイスメールの費用の削減
U S$
150,000
US$
30,000
メッセージングの費用の削減
U S$
660,089
US$
57,263
1 年目の潜在的な年間利益の合計
U S$
6,246,711
US$
735,373
1 ユーザーあたりの利益
U S$
1,249
US$
1,471
このホワイト ペーパーおよびまとめの表に示したように、UC の機能は費用削減の取り組みに
直接関係します。また、UC ソリューションは、雇用の停止または人員の削減によって生じる
課題を解消するのに役立ちます。同時に UC は、コミュニケーションにおける障害を取り除き、
トランザクションを加速化させ、部門、チーム、さらには個人の生産性と効率性を高めること
でビジネス上の価値を創出します。企業のビジネス プロセスを最適化するために統合された
OCS R2 と Exchange 2007 によるコミュニケーションを通じてさらなるビジネス上の価値が実現
します。
こうした利益を実現するための費用は企業の状況によって異なりますが、ほとんどすべての場
合、特に大企業においては、選択的かつ段階的な実装を行うことで大幅な純利益が生じます。
高い競争力を持つ企業は、費用削減の取り組みに加えて、現在の景気の低迷を利用して再編成
や再配置を行い、景気回復サイクルの期間に市場シェアを拡大し、顧客との関係を強化して、
ビジネス上の価値全般を高めることで、より有利な状況になります。
23
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
マイクロソフトの UC ソリューションでこうした即効性が高くかつ継続可能な費用削減と利益
を実現する多くの方法について説明してきました。マイクロソフトの UC ソリューションには、
費用の削減を裏付けるために示した価値に加えて、将来の成長および展開のためのプラット
フォームを備えた、今日の重要なビジネス ソリューションを提供するように設計されたインフ
ラストラクチャが用意されています。
これらの UC による費用削減オプションを徹底的に検討することをお勧めします。継続可能な
長期にわたる利益と競争上の優位性によって即座に短期間で費用を削減できます。現在のよう
な困難な時期において、UC ソリューションの強力な新機能を理解して導入する機会は不可欠
です。そのプロセスにリソースをお役立てください。ご成功をお祈りします。
24
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
付録 A: スタンドアロン アプリケーションの統合
表 1: 次の表は、OCS R2 と Exchange 2007 スイートに統合することが可能なサードパーティお
よびスタンドアロンの標準的なソフトウェア アプリケーション パッケージの一覧です。企業で
使用しているアプリケーションの確認、およびマイクロソフトの UC ソリューションへの統合
による潜在的な費用削減の概算については、マイクロソフトのパートナーまたは顧客チームに
お問い合わせください。
統合の対象となる UC 関連のアプリケーション
Web 会議サービスまたはサーバー
マルチパーティの電話/ビデオ会議サービスまたはシステム
統合先の Microsoft UC
製品
Office Communications
Server 2007 R2
従来の PBX/キー システムおよび初期の VoIP システム
サード パーティまたはパブリック インスタント メッセージング/プレ
ゼンス
グループ チャットまたは永続的なチャット システム
通話記録システム
通話明細システム
IVR および音声応答システム
部門別 ACD システム
ボイス メッセージング システム
電子メール保護アプリケーションまたは機器 (ウイルス対策またはスパ
ム対策アプリケーションなど)
• 電子メールのセキュリティ
• ジャーナリングとアーカイブ
• 携帯メールの配信
• ボイス メールおよびユニファイド メッセージング システム
• ウイルス対策およびスパム対策ソフトウェア
• 電子メール メッセージおよびファイル共有へのアクセス用の VPN ソ
フトウェア
電子メールのスパム対策およびウイルス対策
ホストされた電子メール フィルタ処理
電子メールのアーカイブ
ドキュメントの保護、監査、保持
コラボレーションのウイルス対策
クライアントのマルウェア対策
デスクトップの監視および監査
Exchange Server 2007
25
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
表 2: 次の表は、Enterprise CAL Suite に含まれるその他の企業アプリケーションを示していま
す。これらのアプリケーションにより、潜在的な費用削減がさらに加わり、UC への投資が強
化され拡大します。
統合の対象となるその他のビジネス アプリケーションとインフ
ラストラクチャ アプリケーション
電子メールの保護
統合先の Microsoft Enterprise
CAL Suite 製品
ForeFront for Exchange
電子メールのスパム対策およびウイルス対策
ホストされた電子メール フィルタ処理
ビジネス データの検索
Office SharePoint Server
電子情報開示
ブラウザ ベースの KPI、ダッシュボード、Excel サービス
ビジネス データ接続
ブラウザ ベースのレポート作成
ブラウザ ベースのフォーム
一元化されたフォーム データ収集
フォーム ワークフロー
ドキュメントの保護、監査、保持
Windows Rights Management
コラボレーションのウイルス対策
ForeFront for SharePoint
クライアントのマルウェア対策
ForeFront for Client
デスクトップの監視および監査
Microsoft Systems Center
26
ユニファイド コミュニケーションがもたらす費用とリソースの削減
付録 B: 著者について
UniComm Consulting, LLC、社長、Marty Parker
Marty Parker は、1990 年代後半以降のユニファイド コミュニケーショ
ンにおけるリーダー的存在であり、リアルタイムおよび非リアルタイ
ムの通信をビジネス アプリケーションに統合することで、ユニファイ
ド コミュニケーションが新しい不可欠なソリューションとなるよう促
進してきました。垂直市場の営業、マーケティング、財務、および
IBM との戦略企画の経験を持ち、一貫して新しいテクノロジのビジネ
ス上および財政面での利益に焦点を当てています。Lucent と Avaya で
は、UC 製品およびソリューションの定義と開発においてリーダー的役
割を担い、効果的な UC パッケージの中核的要素としての音声、Web、
およびビデオ会議の融合を提案してきました。2005 年以降は、UC を
専門とする独立したコンサルタントになっています。
カリフォルニア大学バークレー校 Haas ビジネス スクールの経営学学士号を取得しています。
UniComm Consulting, LLC、社長、Don Van Doren
Don Van Doren は、コール センター、コンタクト センター、および対
話型音声応答のテクノロジとソリューションにおける独立した主要な
コンサルティング会社である Vanguard Communications での創業者兼
社長としての 25 年の実績を活かして、ユニファイド コミュニケーショ
ン業界に参入しました。彼は、ユニファイド コミュニケーションが、
コンタクト センター業界の知識と経験が基盤になる領域であると考え
ています。ユニファイド コミュニケーションにおいて彼が重視する点
は、通信イベントを管理し、ビジネス プロセスの情報と統合すること
で、企業がビジネス プロセスを向上させ、顧客と従業員の満足度を高
め、それと同時に、現金の支払いを伴う費用の削減と最大の ROI を実
現できるようにすることです。
ミシガン大学の経営学修士号を取得しています。
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