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野原本部員提出資料
資料 10-4 ⾼度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第64回)にあたっての意⾒ 2014 年6⽉3⽇ 株式会社イプシ・マーケティング研究所 代表取締役社⻑ 野原 佐和⼦ 革新的な新産業・新サービスの創出のための施策を充実させることは、現 IT 戦略の追加 施策の中で、ひいては、成長戦略の追加施策の中で、極めて重要と考えます。 今回の改定ではそのための改定策が数多く検討されていると思いますが、充分な成果を 上げるために、さらに以下の点を追加検討いただきたい。 ●「アントレ×IT パッケージ」には、VC 機能の思い切った拡充策を わが国は、欧米諸国に比べ創業率・廃業率が低いが、必ずしも起業家精神を持つ個人が 少ないからではなく、むしろ、起業支援環境が未熟なことが重要な要因ではないか。 起業家支援環境の充実、中でも、VC(ベンチャーキャピタル)機能・産業の育成が極め て重要と考える。 1. スタートアップ期の IT ベンチャー育成のための、⽬利き・メンター⼈材を育成 2. 官⺠ VC 産業育成のために、VC ⼈材をシリコンバレー等に派遣・育成 3. スタートアップ期の IT ベンチャーへの投資を国が実施 <参考>に記載したとおり、イスラエルでは、官民の VC が連携し、充実したハイテクベ ンチャー育成支援体制を構築しており、人口わずか約 800 万人のイスラエルで、国の外郭 団体 VC に 120 名もの審査員が活動している。 経済規模がはるかに大きい日本では、ハイテクベンチャーのスタートアップ期の支援・ 育成だけを考えても、今回改定で検討している以上に、より多数の目利き・メンターを育 成することが必要である。 目利き人材だけでなく、官民の VC 産業を育成していく必要があり、早期に育成するため に、目利き・VC 人材をシリコンバレー等に派遣・育成してはどうか。 また、スタートアップ期の IT ベンチャーへの支援・投資を国が行うことを検討してはど うか。 経済大国で成熟した大手企業が多数存在するわが国で、ベンチャーのスタートアップ支 援及び育成の成果を上げるには、思い切った施策を思い切った規模で展開することが重要 である。 こうした多様な施策でスタートアップを支援・育成し、それ以降のステージでは、民間 VC、IPO や大手企業の買収等を促進することで、新産業・新サービス創出につながると思 われる。 <参考:イスラエルにおけるベンチャー⽀援環境> イスラエルでは、官民の VC が連携し、充実したハイテクベンチャーの育成支援体制が構 築されている。 経済省外郭団体 OCS(Office of the Chief Scientist)の「インキュベーションプログラム」 では、ごく初期のスタートアップ企業や個人を評価するために、10 セクターに分かれた多 様な専門領域を持つ約 120 名の審査員が、対象者を訪問・ヒアリング・技術・人材・市場 等の可能性を審査し、報告書を提出。上部の審査委員会で支援・投資先を選定する。 リスクの大きいスタートアップ期への支援及び投資は 100%国が行い、ステージが進むに 連れて民間 VC が中心となってより大規模な投資・支援を行っている。 (図1) また、テルアビブ市ロスチャイルド通り周辺という限られた範囲に、約 700 社スタート アップが集中するエリアがあり、審査員やメンターが頻繁に行き来できる環境を構築して いる。(図2) 図 1 イスラエルにおけるスタートアップ企業 への投資 図2テルアビブ市におけるスタートアップ起 業分布 ●スタートアップ期は 100%OCS が投資 ●ステージが進むに連れ、⺠間 VC ⽐率、投資 規模が増加。 ●全ステージでは、OCS 投資額は6%程度 ●市内ロスチャイルド通り周辺部だけで、約 700 社のスタートアップが集中。(図中では⻘ い点で表⽰)