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号外-31(別冊) (PDF : 6MB)

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号外-31(別冊) (PDF : 6MB)
平成18年度
包括外部監査結果報告書
山口県包括外部監査人
森
永
敏
夫
目
次
包括外部監査の結果報告書(その1)
第1
外 部 監 査 の 概 要 ·······································1
1 外 部 監 査 の 種 類 ·····································1
2 選 定 し た 特 定 の 事 件 ( テ ー マ ) ······················1
3 特 定 の 事 件 ( テ ー マ ) と し て 選 定 し た 理 由 ············1
4 外 部 監 査 の 実 施 者 ···································2
5 外 部 監 査 の 方 法 ·····································2
6 外 部 監 査 の 実 施 期 間 ·································3
7 根 拠 法 令 の 略 称 ·····································3
8 利 害 関 係 ···········································3
第2
試 験 研 究 機 関 全 般 ·····································4
1 概 要 ···············································4
2 監 査 結 果 ···········································8
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ······················· 2 1
第3
山 口 県 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー ·······················
1 概 要 ············································
2 監 査 結 果 ········································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·······················
39
39
43
55
第4
山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー ····························
1 概 要 ············································
2 監 査 結 果 ········································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·······················
62
62
65
76
第5
山 口 県 農 業 試 験 場 ·································· 8 7
1 概 要 ············································ 8 7
2 監 査 結 果 ········································ 9 2
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ····················· 1 0 5
第6
山 口 県 畜 産 試 験 場 ································
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
113
113
117
126
第7
山 口 県 林 業 指 導 セ ン タ ー ··························
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
136
136
140
149
第8
山 口 県 水 産 研 究 セ ン タ ー ··························
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
157
157
161
171
包括外部監査の結果報告書(その2)
第1
外 部 監 査 の 概 要 ··································
1 外 部 監 査 の 種 類 ································
2 選 定 し た 特 定 の 事 件 ( テ ー マ ) ·················
3 特 定 の 事 件 ( テ ー マ ) と し て 選 定 し た 理 由 ·······
4 外 部 監 査 の 実 施 者 ······························
5 外 部 監 査 の 方 法 ································
6 外 部 監 査 の 実 施 期 間 ····························
7 根 拠 法 令 等 の 略 称 ······························
8 利 害 関 係 ······································
177
177
177
177
177
178
178
178
179
第2
人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 全 般 ·····················
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
180
180
182
191
第3
山 口 県 立 農 業 大 学 校 ······························
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
196
196
200
210
第4
山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院 ····························
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
219
219
222
228
第5
山 口 県 立 萩 看 護 学 校 ······························
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
239
239
242
248
第6
山 口 県 立 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校 ··················· 2 5 5
1 概 要 ·········································· 2 5 5
2 監 査 結 果 ······································ 2 5 8
第7
山 口 県 立 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校 ···················
1 概 要 ··········································
2 監 査 結 果 ······································
3 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 ·····················
266
266
270
276
包括外部監査の結果報告書(その1)
第1
1
外部監査の概要
外部監査の種類
地 方 自 治 法 第 252 条 の 37 第 1 項 に 基 づ く 包 括 外 部 監 査
2 選定した特定の事件(テーマ)
(1)監査テーマ
試験研究機関の財務事務について
(2)監査対象機関
山口県環境保健研究センター
山口県産業技術センター
山口県農業試験場
山口県畜産試験場
山口県林業指導センター
山口県水産研究センター
(3)監査対象期間
原 則 と し て 平 成 17 年 度 ( 必 要 と 認 め た 場 合 過 年 度 分 を 含 む )
3
特定の事件(テーマ)として選定した理由
平 成 17 年 度 の 国 勢 調 査 で 山 口 県 に お い て は 、県 内 の 総 人 口 が 58 年 ぶ り
に 150 万 人 を 下 回 り 、人 口 の 減 少 や 少 子 高 齢 化 が 一 層 進 展 し て い る 。一 方 、
国 の 三 位 一 体 改 革 の 推 進 に よ り 、産 業 振 興 に 係 る 各 種 補 助 金 が 見 直 し さ れ
る な ど 地 方 分 権 が 進 ん で い る こ と か ら 、地 域 の 特 性 や シ ー ズ を い か し た 地
域独自の産業振興の重要性がますます高まっている。
こ の よ う な 状 況 の 中 で 、山 口 県 で は 産 業 部 門 ご と に 6 つ の 試 験 研 究 機 関
が 設 置 さ れ て い る が 、各 試 験 研 究 機 関 に は 研 究 開 発 に よ る 成 果 を 基 盤 と し
て、県内の産業創出を促進する役割が求められている。また、山口県行政
改 革 推 進 プ ラ ン ( 平 成 18 年 3 月 策 定 ) の 中 で 、 経 営 の 視 点 に 立 っ た 効 率
的 な 組 織 体 制 の 見 直 し の 対 象 に 加 え ら れ て い る こ と か ら 、試 験 研 究 機 関 に
お け る 財 務 に 関 す る 事 務 が 、地 方 自 治 法 第 2 条 第 14 項 及 び 第 15 項 の 趣 旨
に 沿 っ て 執 行 さ れ て い る か 検 討 す る 必 要 が あ る と 判 断 し 、テ ー マ と し て 選
定した。
1
4
外部監査の実施者
外部監査人
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
公認会計士
公認会計士
公認会計士
公認会計士
公認会計士
事務所職員
森永
水谷
小田
田中
古林
中田
敏夫
芳昭
正幸
博之
照己
麻美
5 外部監査の方法
(1)監査の着眼点
ア 試 験 研 究 機 関 の 管 理 運 営 は 設 置 目 的 に 従 っ て 法 令 、条 例 、規 則 等 に
基づき適正に運営されているか。
イ 試 験 研 究 機 関 の 管 理 運 営 は 経 済 的 、効 率 的 に 行 わ れ て い る か 。ま た 、
組織及び運営の合理化に努めているか。
ウ 研究課題の評価及びその結果の公表は適切に行われているか。
エ 研究開発課題ごとの費用管理及び受益者負担の状況は適切に行わ
れているか。
オ 生産物売払収入等の収入は適正に計上されているか。
カ 契約事務は適切に執行されているか。
キ 人件費その他の支出事務は適切に行われているか。
ク 試 験 研 究 用 財 産( 機 器 及 び 試 験 薬 を 含 む )及 び 施 設 の 維 持 管 理 は 適
切に行われているか。また、有効に活用されているか。
ケ 知的財産権の管理と技術移転等の手続及び活用の状況は適切に行
われているか。
コ 現金管理は適切に行われているか。
サ 管理運営にITの利用に伴うセキュリティの管理は適切に行われ
ているか。
シ 県 内 及 び 他 県 の 試 験 研 究 機 関 及 び 民 間 企 業・大 学 等 と の 研 究 機 器 の
共同利用や共同研究等の連携が効果的に行われているか。
(2)実施した主な監査手続
ア 各 試 験 研 究 機 関 の 組 織 及 び 運 営 に つ い て 、概 要 の 聴 取 及 び 質 問 に 対
する回答内容の分析・評価
イ 各試験研究機関の財務事務に係る関係帳簿及び書類の閲覧・照合
ウ 各試験研究機関の研究室・ほ場等の現状を視察
エ 物 品( 毒 物 、劇 物 を 含 む )管 理 に つ い て 、現 場 の 管 理 状 況 の 調 査 及
び現物の実査
オ 研 究 評 価 制 度 及 び 研 究 成 果 の 状 況 に つ い て 、必 要 に 応 じ て 質 問 し 評
価書等を閲覧
カ 他 の 試 験 研 究 機 関 、民 間 企 業・大 学 等 と の 連 携 の 状 況 に つ い て 聴 取
キ 研究課題別のコスト管理状況の把握
2
な お 、必 要 と 認 め た 場 合 、各 監 査 項 目 の 箇 所 に 監 査 手 続 を 記 載 し て い
る。
6
外部監査の実施期間
平 成 18 年 7 月 26 日 か ら 平 成 19 年 2 月 28 日 ま で
7
根拠法令の略称
本文中の法令の略称は次のとおりである。
地方自治法
「法」
地方自治法施行令
「令」
山口県会計規則
「会計規則」
山口県公有財産規則
「公有財産規則」
山口県物品規則
「物品規則」
地方公務員法
「地公法」
山口県使用料手数料条例
「使手条例」
8
利害関係
包 括 外 部 監 査 の 対 象 と し た 事 件 に つ き 、 私 は 地 方 自 治 法 第 252 条 の 29
の規定により記載すべき利害関係はない。
報告書中の表の金額は、端数処理の関係で合計が一致しない場合がある。
3
第2 試験研究機関全般
1 概要
(1)試験研究機関の設置の状況
環 境・保 健 、商 工 業 、農 林 水 産 業 の 分 野 に 6 つ の 試 験 研 究 機 関 が 設 置
されており、各分野別の状況は次のとおりである。
(環境・保健分野)
健康福祉部
厚政課
環境保健研究センター
新産業振興課
産業技術センター
農業振興課
農業試験場
森林企画課
林業指導センター
畜産振興課
畜産試験場
水産振興課
水産研究センター
(商工業分野)
商工労働部
(農林水産分野)
農林水産部
( 2 )試 験 研 究 機 関 の 業 務 内 容 に つ い て は 、各 試 験 研 究 機 関 の 箇 所 に 記 載 し
ている。
( 3 ) 試 験 研 究 機 関 全 体 の 財 務 の 概 要 ( 平 成 17 年 度 )
(単位:千円)
項 目
環境保健
産業技術
研究センター
センター
農業試験場
畜産試験場
林業指導
水産研究
センター
センター
計
収入
使用料
9
15,944
87
52,838
手数料
7,143
5,121
737
1,151
財産運用収入
受託事業収入
雑入
小計
対象試験研究機関以外の
調定分
収入合計
16
0
11,691
69,051
14,152
542
財産売払収入
預金利子
157
542
71,273
1,199
84,163
3,898
32,629
0
0
0
0
12,635
0
0
49,162
0
51
22,109
99
703
61
88
23,111
7,203
47,072
45,785
125,965
14,052
104
240,181
41,550
60,539
28,973
14,187
11,356
46,946
203,551
48,753
107,611
74,758
140,152
25,408
47,050
443,732
支出
報酬
共済費
賃金
報償費
旅費
需用費
一般需用費
食糧費
6,667
14,620
0
1,991
5,630
28,908
1,070
1,070
1,948
1,572
708
1,448
7,816
13,677
8,699
50,108
24,416
19,210
19,215
135,325
427
2,769
279
1,136
2,098
6,709
6,610
18,244
16,231
4,864
6,191
11,873
64,013
124,787
84,534
97,542
121,543
16,240
114,383
559,029
124,775
84,532
97,521
121,511
16,227
110,080
554,646
12
2
21
32
13
4,303
4,383
4
役務費
8,161
4,858
9,750
9,845
6,244
3,246
42,104
委託料
63,184
83,982
20,014
7,041
6,310
11,216
191,747
使用料及び賃借料
21,080
973
7,262
510
943
5,308
36,076
8,967
0
2,888
0
0
1,940
13,795
4
50
295
39,222
61,338
10,421
25,030
3,877
942
140,830
271
2,321
670
68
612
155
4,097
51
0
51
63,513
177,454
1,230,850
工事請負費
原材料費
備品購入費
負担金補助及び交付金
補償補填及び賠償金
0
公課費
349
1
小計
287,456
対象試験研究機関以外の
予算執行分
正規職員人件費
1
275,460
231,783
3,632
2,851
195,184
6,483
511,950
362,154
922,059
488,011
172,332
429,827
2,886,333
支出合計
799,406
641,246
1,156,693
683,195
235,845
607,281
4,123,666
収支差額
△ 750,653
△ 533,635 △ 1,081,935
△ 543,043
△ 210,437
△ 560,231 △ 3,679,934
平 成 17 年 度 の 試 験 研 究 機 関 全 体 の 県 費 の 負 担 額 は 3,680 百 万 円 で あ る 。
財務の概要の項目の説明
※1 対象試験研究機関以外の調定分
本 庁 で の 調 定 分 の 収 入 で あ る 。( 国 庫 補 助 金 等 の 収 入 )
※2 対象試験研究機関以外の予算執行分
本庁での予算執行分である。
※3 正規職員の人件費は共済費を含む。
※4 収支差額のマイナス金額
県の財政負担額である。
(4)県の試験研究機関の活性化に向けた取組み
ア 山口県における試験研究機関の見直し
平 成 18 年 3 月 、 県 が 策 定 し た 「 山 口 県 行 政 改 革 推 進 プ ラ ン 」 に お
い て 、社 会 経 済 情 勢 の 変 化 に 対 応 し た 簡 素 で 効 率 的 な 組 織 づ く り を 進
め る 観 点 か ら 、 更 な る 機 構 改 革 に 取 り 組 む こ と と し 、 平 成 18 年 度 に
お い て は 、そ の 重 点 的 な 取 組 と し て 、部 門 ご と に 設 置 し て い る 試 験 研
究 機 関 に つ い て 、そ の 活 性 化 や 連 携 強 化 を 進 め る た め 、業 務 運 営 、組
織 体 制 全 般 に わ た る 見 直 し を 行 う こ と と し 、現 在 作 業 が 進 行 中 で あ り 、
平 成 18 年 11 月 に は 、
「 試 験 研 究 機 関 見 直 し 計 画( 中 間 案 )」が 公 表 さ
れている。
な お 、平 成 19 年 2 月 に 、
「 試 験 研 究 機 関 見 直 し 計 画( 最 終 案 )」
(以
下 「 最 終 案 」 と い う 。) が 公 表 さ れ た 。
イ
県 の 資 料 に よ れ ば 、こ れ ま で の 主 な 見 直 し の 状 況 は 次 の と お り で あ
る。
5
( ア )第 三 次 行 政 改 革 に お い て 、試 験 研 究 機 関 の 活 性 化 の 取 組 を 実 施( 平
成 11 年 度 )
・ 内 部 組 織 の 科・研 究 室 を 廃 止 し 、組 織 階 層 を フ ラ ッ ト 化 す る と と
もに、部制を再編
・ 所内の企画立案・部間調整機能等を強化するため「企画情報室」
を設置
・ 産業技術センター内に「食品共同研究センター」を設置
・ 外海水産試験場と内海水産試験場を統合し、
「水産研究センター」
を設置
・ 試験研究評価システムを段階的に整備
( イ ) 育 成 牧 場 を 畜 産 試 験 場 に 統 合 ( 平 成 13 年 度 )
( ウ ) 農 業 試 験 場 に 企 画 普 及 部 を 設 置 し 、試 験 研 究 と 普 及 活 動 の 一 体 的 体
制 を 整 備 ( 平 成 17 年 度 )
( エ )農 業 試 験 場 の 分 場 と し て フ ラ ワ ー ラ ン ド( 柳 井 市 )に 花 き 振 興 セ ン
タ ー を 設 置 ( 平 成 18 年 度 )
ウ
平 成 19 年 2 月 、 県 が 公 表 し た 「 最 終 案 」 は 、 試 験 研 究 機 関 を 巡 る 環
境 変 化 を 踏 ま え 、見 直 し に 係 る 視 点 や 具 体 的 な 方 向 性 を 示 す も の で あ り 、
試験研究機関全体に係る部分は次のとおりである。
試験研究機関を巡る環境変化
( ア )国 立 試 験 研 究 機 関 や 大 学 の 独 立 行 政 法 人 化 、道 州 制 の 議 論 が 進 む 中
で 、地 方 公 設 試 験 研 究 機 関 と し て 担 う べ き 機 能・役 割 や 相 対 的 な 位 置
付けの変化
( イ )産 地 間 競 争 の 激 化 、担 い 手 の 減 少・ 高 齢 化 な ど 、厳 し さ を 増 す 地 域
産業の状況
( ウ )県 民 の 安 心・ 安 全 や 資 源・ 環 境 問 題 な ど 試 験 研 究 ニ ー ズ の 高 度・ 多
様化
(エ)厳しい財政環境と行政に対するスリム化・効率化の要請
エ 見直しの視点と検討項目
( ア )公 設 試 験 研 究 機 関 を 巡 る 環 境 変 化 を 踏 ま え た 役 割・機 能 の 在 り 方 の
検討
担 い 手 の 減 少 、高 齢 化 を は じ め と す る 地 域 産 業 構 造 の 変 化 、国 の 試
験 研 究 機 関 や 大 学 の 独 立 行 政 法 人 化 に よ る 応 用 研 究 分 野 へ の 参 入 、道
州制の議論が本格化する中で求められる県域を超えた広域連携と役
割 分 担 な ど 、公 設 試 験 研 究 機 関 を 巡 る 様 々 な 環 境 変 化 を 踏 ま え 、各 試
験研究機関の役割・機能の在り方を検討する。
・ 果たすべき使命・役割の再確認
・ 県が直接実施すべき事業領域の検証(民間との役割分担)
(イ)試験研究をはじめとする業務の重点化・効率化
各 試 験 研 究 機 関 の 使 命・役 割 を 踏 ま え 、県 民 や 地 域 産 業 の 技 術 ニ ー
6
ズ に 的 確 に 応 え る 試 験 研 究 を 実 施 す る と と も に 、「 選 択 と 集 中 」 の 観
点から、試験研究をはじめとする業務の重点化・効率化を図る。
・ 県民や地域産業の技術ニーズに的確に対応する試験研究の実施
・ 地 域 特 性 や 個 々 の 試 験 研 究 機 関 の 強 み を 活 か し な が ら 、選 択 と 集
中の観点から、試験研究課題を重点化
・ 民間等との役割分担を踏まえた業務の重点化・効率化
・ 他県の公設試験研究機関との更なる連携と役割分担
(ウ)業務の重点化等に対応した組織、施設設備等のスリム化
試 験 研 究 等 の 業 務 の 重 点 化・効 率 化 に 対 応 し 、ま た 、厳 し い 財 政 状
況 や 行 政 に 対 す る ス リ ム 化・効 率 化 の 要 請 も 踏 ま え 、分 場 を 含 め た 組
織 体 制 や 、研 究 員 等 の 職 員 配 置 、施 設 設 備 、試 験 ほ 場 等 の 在 り 方 を 見
直す。
・ 分場等の組織体制の在り方
・ 試験研究等の業務の重点化に対応した研究員等の職員配置の見直
し
・ 施設設備、試験ほ場等の見直し
(エ)試験研究機関の連携強化に向けた組織や業務執行の在り方の検討
6 試 験 研 究 機 関 の 長 で 構 成 す る「 山 口 県 試 験 研 究 機 関 技 術 交 流 協 議
会 」の 下 で 実 施 し て き た 共 同 研 究 や 機 器 の 共 同 利 用 の 取 組 、食 品 共 同
研 究 セ ン タ ー に よ る 連 携 の 取 組 等 を 充 実 さ せ る と と も に 、試 験 研 究 機
関 の 更 な る 活 性 化 や 連 携 強 化 の 観 点 か ら 、組 織 や 業 務 執 行 の 在 り 方 を
検討する。
・ 食品共同研究センターの在り方
・ 一次産業部門の試験研究機関の連携の在り方
・ 普及指導部門等との連携の在り方
( オ )そ の 他 第 三 次 行 革 の 取 組 の フ ォ ロ ー ア ッ プ な ど 、活 性 化 に 向 け た 取
組の充実
部 制 の 再 編 、組 織 の フ ラ ッ ト 化 、研 究 評 価 シ ス テ ム の 整 備 な ど 、第
三 次 行 革 以 降 、実 施 し て き た 試 験 研 究 機 関 活 性 化 の 取 組 を フ ォ ロ ー ア
ップするとともに、更なる活性化に向けた取組の充実を検討する。
・ 組織のフラット化の在り方
・ 研究評価システムの充実
・ 地方独立行政法人制度の導入検討
オ 計画期間
( ア ) 平 成 18 年 度 計 画 策 定
( イ ) 平 成 19 年 度 か ら 平 成 21 年 度 ま で の 3 年 間 で 実 施
カ
計画の点検・評価
本 計 画 に 基 づ く 見 直 し の 実 施 状 況 は 、計 画 期 間 中 、毎 年 度 、点 検・評
価し、その結果を公表するものとされている。
7
2
監査結果
試 験 研 究 機 関 の 財 務 事 務 は 、下 記 の 指 摘 事 項 を 除 き 、関 係 法 令 等 に 基 づ
き概ね適正に処理されていると認められる。
な お 、指 摘 事 項 の 詳 細 は 、各 試 験 研 究 機 関 の 監 査 結 果 の 欄 に 記 載 し て い
る 。(( 2 ) ア の 人 件 費 の 詳 細 は 、 下 記 ( 3 ) ア 人 件 費 に 記 載 )
(1)指摘事項は次のとおりである。
ア 収入に関する財務事務
行 政 財 産 の 使 用 許 可 に 際 し て 、使 用 料 を 減 免 す る 場 合 、許 可 申 請 書
に 減 免 を 受 け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 、水 産 研 究 セ ン タ ー を 除 く 試
験研究機関において、当該記載のないものがあった。
イ 契約に関する財務事務
(ア)産業技術センターの業務委託契約事務について
指 名 競 争 に 係 る 契 約 事 務 に お い て 、受 託 先 が 業 務 の 再 委 託 を す る
場 合 、業 務 委 託 契 約 に よ り 、書 面 に よ る 試 験 研 究 機 関 の 承 認 を 要 す
ることになっているが、承認を得ていないものが1件あった。
(イ)農業試験場の業務委託契約事務について
a 指 名 競 争 に 係 る 契 約 に お い て 、作 業 の 履 行 確 認 を し 、場 長 の 承
認 の 印 を 得 る よ う に な っ て い る が 、押 印 の な い も の が 1 件 あ っ た 。
b 不用薬品等処分業務委託において、業者の選定に問題があり、
し か も 契 約 締 結 伺 が 行 わ れ て い な い 。ま た 、当 該 業 務 に お い て 本
契 約 の 他 に 合 意 書 を 交 わ し て い る が 、こ の 合 意 書 の 内 容 が 不 適 切
である。
(ウ)林業指導センターの業務委託契約事務について
随 意 契 約 に 係 る 契 約 に お い て 、業 務 の 履 行 確 認 に 係 る「 空 調 設 備
点検報告書」が保管されていないものが1件あった。
ウ
知的財産に関する財務事務
林 業 指 導 セ ン タ ー で は「 発 明 台 帳 」及 び「 品 種 育 成 台 帳 」の 作 成 が
行われていなかった。
エ 財産管理
(ア)公有財産の管理について
a 公有財産台帳の記載の不備により登記簿謄本と不一致のもの
があった。
水産研究センター
取得年月日の記載誤り
農業試験場
面積の記載誤り
畜産試験場
地目の記載誤り
農業試験場
未登記物件
b 公有財産台帳の記載を誤っていた。
水産研究センター
区分についての誤り
8
(イ)物品の管理について
a 現物が存在しないものがあった。
農業試験場徳佐寒冷地分場
農業試験場萩柑きつ試験場
農業試験場美東原種農場
b 物品標示票の不鮮明なものがあった。
農業試験場
林業指導センター
水産研究センター
c 物品標示票の記載と備品管理簿が不一致のものがあった。
環境保健研究センター
林業指導センター
d 備 品 に 物 品 標 示 票 が 貼 付 さ れ て い な い も の が あ っ た 。( 貼 付 の 場
所・方法の不備を含む)
産業技術センター
林業指導センター
e 指定物品取得の報告漏れがあった。
農業試験場
f 物品の寄附採納手続きを失念しているものがあった。
畜産試験場
g 廃棄手続
・物品の不用の決定が漏れていたものがあった。
環境保健研究センター
農業試験場萩柑きつ試験場
農業試験場美東原種農場
畜産試験場
林業指導センター
水産研究センター
・廃棄処分について個体名号が記載されていないものがあった。
畜産試験場
h 物品廃棄決議書の決裁日の記載が漏れていたものがあった。
環境保健研究センター
i 借 入 品 に つ い て 、物 品 借 入 調 書 及 び 同 返 還 調 書 に 場 長 及 び 次 長 の
決裁印が漏れているものがあった。
農業試験場
j 指 定 物 品 不 用 決 定 の 決 議 は さ れ て い る が 、処 分 の 手 続 き が な さ れ
ず現物が保管されているものがあった。
水産研究センター
9
(ウ)毒物・劇物の管理について
a 一部在庫点検を行っていないもの又は点検結果の確認ができな
い も の が あ っ た 。( 在 庫 点 検 の 承 認 方 法 が 適 切 で な い も の を 含 む )
環境保健研究センター
産業技術センター
農業試験場
畜産試験場
水産研究センター
b 保 管 庫 の 鍵 の 管 理 及 び 毒 物・劇 物 の 標 示 漏 れ 等 安 全 管 理 上 の 不 備
があった。
産業技術センター
農業試験場
水産研究センター
c 使用簿及び出納簿の記載・作成方法の不備があった。
環境保健研究センター
産業技術センター
水産研究センター
d 使用簿の残高数量と現物の不一致のものがあった。
環境保健研究センター
農業試験場
e 不用の決定をした薬品が廃棄手続がされないまま保有されてい
た。
水産研究センター
f 毒物・劇物取扱管理に関する要領等が存 在 し な いも の が あ っ た。
畜産試験場
林業指導センター
水産研究センター
(エ)廃棄物の管理について
a 廃 棄 物 に つ い て「 特 管 産 廃 等 搬 入 報 告 書 」を 保 管 容 器 に 貼 付 し て
いなかった。
環境保健研究センター
b 「不用試薬一覧」に記載のない廃棄物があった。
環境保健研究センター
(オ)現金管理について
a 農 業 試 験 場 に お い て 、生 産 物 の 売 払 収 入 に つ い て 、現 金 出 納 簿 へ
の記載漏れがあった。
b 農 業 試 験 場 で 、 会 計 規 則 第 32 条 ( 現 金 の 直 接 収 納 ) に 従 っ て い
ない処理があった。
10
(2)監査結果に関連する意見
ア 時間外勤務命令の理由の記載について
試 験 研 究 機 関 に お け る 時 間 外 勤 務 手 当 の 支 給 に つ い て 、「 時 間 外 勤
務・休 日 勤 務 命 令 簿 」に 記 載 す る 時 間 外 勤 務 命 令 の 理 由 が 会 計 用 務 、企
画用務、試験研究用務といった用務名の記載をしているケースが多く、
ど の よ う な 業 務 で 勤 務 命 令 が 出 さ れ た の か 明 確 で は な く 、適 当 で は な い 。
イ
随意契約から指名競争入札への変更(経済性の観点)
随意契約第2号から指名競争入札に変更した年度から契約金額の下
落 傾 向 が み ら れ た 。( 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー 1,000 千 円 以 上 の 定 型 的
な業務委託契約2件)
こ の こ と か ら 、競 争 入 札 の 方 が 競 争 原 理 が 働 き 、コ ス ト 面 で 有 利 で あ
ることが分かる。
今 後 も 、単 独 随 意 契 約 を 行 っ て い る 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に つ い て は 、
競争入札に変更できないか検討していくことが必要である。
ウ
業務委託契約の予定価格の積算について
産 業 技 術 セ ン タ ー に お け る 業 務 委 託 契 約 の 予 定 価 格 に つ い て 、契 約 金
額が大きく下落しているにも拘わらず変化が小さい状況にある。
こ れ ま で 庁 舎 積 算 マ ニ ュ ア ル に 基 づ き 積 算 を 行 っ て い る が 、こ う し た
予 定 価 格 と 契 約 金 額 が 大 き く 乖 離 す る こ と が 継 続 す る 場 合 、こ れ に 加 え
て 、業 務 の 実 態 や 過 去 の 入 札 執 行 結 果 等 、同 種 及 び 同 規 模 の 施 設 に お け
る 積 算 、契 約 金 額 を 調 査 す る な ど し て 、予 定 価 格 の 積 算 に つ い て 検 討 し
ていく必要がある。
エ
未利用の土地・建物
試験研究機関の主な未利用の土地・建物は下記のとおりである。
試験研究機関
種類
環境保健研究センター 土地
資産の概要
未利用期間
庁舎敷(旧環境保健所)
(面積2,344.09 ㎡) 平成 9 年 4 月山口環境保健所より
所管替え
建物
事務所建(旧環境保健所)
(面積 1,390.60 ㎡) 総務部で利用を検討することとして
平成 18 年 11 月に総務部へ所管替え
農業試験場(本場)
土地
山口市大内御堀西谷 390(面積 2,310 ㎡)
平成 11 年度管財課へ未利用土地と
して報告している
農業試験場(本場)
土地
山口市大内御堀西谷 391(面積 485 ㎡)
平成 11 年度管財課へ未利用土地と
して報告している
(萩柑きつ試験場)
建物
分場長公舎(面積68.09 ㎡)
平成 5 年 4 月以降未利用
(美東原種農場)
建物
分場長公舎(面積64.93 ㎡)
平成 9 年 4 月以降未利用
建物
職員公舎(面積 109.70 ㎡)
職員公舎1は平成 10 年4 月以降未
利用、職員公舎2は平成 6 年 4 月
以降未利用
建物
林木育種園管理事務所(面積 62.37 ㎡)
10 年以上未利用
建物
林木育種園作業場他2棟(面積 38.27 ㎡)
10 年以上未利用
林業指導センター
11
水産研究センター
土地
庁舎敷地の一部(面積約 2,500 ㎡)
昭和 47 年5月以降未利用
建物
場長公舎(面積 78.04 ㎡)
平成 5 年以降未利用
建物
職員公舎二棟(面積約 109.08 ㎡)
平成 5 年以降未利用
上 記 の 財 産 の 詳 細 は 、各 試 験 研 究 機 関 の 公 有 財 産 の 箇 所 に 記 載 し て い
る。
各 資 産 と も 購 入・設 置 の 目 的 か ら 今 後 の 必 要 性 、利 用 の 可 能 性 を 検 討
す る 必 要 が あ る 。( 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー の 旧 環 境 保 健 所 建 物 を 除 く )
オ
備品として取り扱う金額の基準について(効率性の観点)
各 試 験 研 究 機 関 の 物 品 の 管 理 状 況 を チ ェ ッ ク し た と こ ろ 、現 物 管 理 の
意 識 が 乏 し く 、物 品 標 示 票 の 貼 付 漏 れ や 、未 使 用 の 機 器 の 利 活 用 の 方 法
も検討されていない状況がみられた。
これらの状況から、現物管理が重点的かつ効率的に行われるように、
物品規則の備品として扱う金額の基準を改正することを検討する必要
がある。
現 状 で は 、物 品 規 則 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に よ る と 、取 得 価 格 が 3 万 円
以 上 の も の を 備 品 と し て 扱 う こ と に な っ て い る ( 平 成 10 年 4 月 1 日 以
降 )が 、例 え ば 税 法 の 規 定 で は 1 個 ま た は 1 組 当 た り の 取 得 価 格 の 金 額
基 準 は 10 万 円 以 上 と な っ て お り 、 こ の 基 準 を 参 考 に 金 額 を 引 き 上 げ 、
対 象 を 絞 っ て 管 理 の 重 点 化 を 図 る こ と 、ま た 物 品 規 則 に は 実 地 棚 卸 に 関
す る 定 め は な い が 、現 物 管 理 が 適 切 に 行 わ れ る よ う に 、1 年 に 1 回 は 棚
卸を行うことを同規則に定めることを検討すべきである。
カ
試 験 研 究 用 機 器 の 使 用 実 績 簿 の 作 成 と 活 用 に つ い て( 効 率 性 、有 効 性
の観点)
( ア )物 品 規 則 上 、作 成 が 義 務 づ け ら れ て は い な い が 、少 な く と も 指 定 物
品 に 対 し て は 、導 入 当 初 に 予 定 し て い た と お り の 使 用 が な さ れ て い る
か 、効 率 性 、有 効 性 な ど を 判 断 す る た め に 、ま た 、将 来 に お け る 機 器
導 入 に 際 し て の 機 器 の 整 備 計 画 の 参 考 に す る た め に 、各 試 験 研 究 機 関
で統一した使用実績簿を作成することを検討する必要がある。
( イ )現 状 で は 、機 器 の 導 入 当 初 に 年 間 の 利 用 回 数 や 日 数 、時 間 等 の 稼 動
目 標 が 定 め ら れ て い な い 。今 後 、稼 動 目 標 を 定 め 、上 記 の 使 用 実 績 簿
の 使 用 実 績 と 対 比 し 、効 率 性 の 判 断 及 び 購 入 が 妥 当 で あ っ た か ど う か
の 分 析 を す る 必 要 が あ る 。ま た 、そ の 分 析 結 果 を 今 後 の 機 器 の 選 定 に
活用すべきである。
キ
重要機器の付保について(リスクマネジメントの観点)
産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、 50 百 万 円 以 上 の 機 器 に つ い て 保 険 が 付 さ れ
て い る が 、例 え ば 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー で は 下 記 の よ う な 高 額 機 器 に 付
12
保されていない。
ガス質量分析装置
平 成 元 年 3 月 購 入 58 百 万 円
精 密 解 析 用 電 子 計 算 機 平 成 6 年 3 月 購 入 91 百 万 円
精 密 解 析 用 電 子 計 算 機 平 成 8 年 3 月 購 入 110 百 万 円
高 分 解 能 力 ガスクロマトグラフ 平 成 1 2年 3 月 購 入 62 百 万 円
物 品 規 則 に お い て は 保 険 を 付 す と い う 規 定 は な い が 、一 定 金 額 及 び 一
定 の 使 用 期 間 の 見 込 ま れ る 機 器 に つ い て は 、リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト の 観 点
から保険を付保する基準を定めることを検討すべきではないかと思わ
れる。
ク
知的財産権の国際的な対応について
農 業 試 験 場 で は 、「 シ ワ ス ア オ バ 」 に 関 し 、 米 国 内 で の 植 物 品 種 保 護
法 に 基 づ き 保 護 の 申 請 が 行 わ れ て い る 。海 外 に お け る 知 的 財 産 権 の 保 護
に つ い て は 、特 に 方 針 等 が 定 め ら れ て い な い 。こ の 事 例 も 個 別 的 に 検 討
が な さ れ 手 続 が 行 わ れ て い る 。品 種 登 録 も 含 め 、知 的 財 産 権 は 、研 究 開
発 の た め に 多 大 な コ ス ト 及 び 長 い 期 間 を 要 し て お り 、そ の 権 利 の 保 護 は
重 要 な 問 題 で あ る 。例 え ば 農 産 物 に お い て は 、種 子 が 海 外 に 持 ち 出 さ れ
海外で生産されて逆輸入されることも考えられる。このようなことは、
農 業 試 験 場 の み の 問 題 で は な く 、産 業 技 術 セ ン タ ー を 含 め た 県 の 試 験 研
究 機 関 全 体 の 問 題 と し て 捉 え る こ と が 必 要 で あ る 。情 報 収 集 か ら リ ス ク
への対応等について、県全体の課題として検討 す る こ と も 必 要で あ る 。
ケ
毒物・劇物の数量の把握方法について(正確性の観点)
ほ と ん ど の 試 験 研 究 機 関 で 、薬 品 使 用 簿 の 数 量 を 中 身 の 重 量 、容 量 で
記 載 し て い る た め 、薬 品 使 用 簿 の 数 量 を 確 認 す る こ と が で き ず 、薬 品 使
用簿が十分機能していない。
薬 品 使 用 簿 へ の 記 入 の 正 確 性 を 改 善 し 、現 物 と の 照 合 が 可 能 と な る よ
うに、数量は風袋込みで記帳することにすべきである。
コ 薬品の取扱要綱等の整備について(統一的管理の観点)
( ア )使 用 期 限 切 れ の 薬 品 及 び 長 期 間 未 使 用 の 薬 品 が み ら れ る が 、そ の 取
扱 い に つ い て 定 め ら れ て い な い た め 、廃 棄 等 の 検 討 が 行 わ れ て い な い 。
定 期 点 検 時 に 期 限・使 用 状 況 等 の 確 認 を 行 う と と も に 、そ の 取 扱 い に
ついて取扱要綱等で規定することが必要である。
( イ )薬 品 の 取 扱 い は 、試 験 研 究 機 関 に よ っ て 、各 部 署 で 取 扱 い が 異 な る
ケ ー ス も み ら れ る 。各 試 験 研 究 機 関 で 統 一 し た 取 扱 要 綱 等 の 作 成 の 検
討が必要である。
( 3 )人 件 費( 各 機 関 で 執 行 さ れ る 臨 時 的 職 員( 地 公 法 第 22 条 職 員( 以 下「 22
条 職 員 」と い う 。)、日 々 雇 用 職 員 及 び 非 常 勤 嘱 託 職 員 を い う 。以 下 同 じ 。)
13
の 給 与 を 含 む )及 び 研 究 デ ー タ の セ キ ュ リ テ ィ 管 理 に つ い て の 概 要・監 査
手続・監査結果及び意見はこの箇所に記載する。
ア 人件費(給与に関する財務事務)
(ア)概要
正 規 職 員 の 給 与 関 係 事 務 は 、給 与 マ ス タ を 基 に 計 算 さ れ 、給 与 の 支
給方法は口座振替を基本とし、一部現金支給により行っている。
監 査 対 象 と し た 給 与 の 種 類 は 、給 料 、管 理 職 手 当 、扶 養 手 当 、調 整
手 当 、住 居 手 当 、初 任 給 調 整 手 当 、通 勤 手 当 、時 間 外 勤 務 手 当 、休 日
勤務手当、農林漁業普及指導手当、特殊勤務手当である。
一 般 職 に 属 す る す べ て の 職 員 に は 、「 一 般 職 の 職 員 の 給 与 に 関 す る
条 例 」( 以 下「 給 与 条 例 」と い う 。)及 び「 一 般 職 の 職 員 の 特 殊 勤 務 手
当 に 関 す る 条 例 」( 以 下「 勤 務 条 例 」と い う 。)が 適 用 さ れ る 。特 例 と
し て 、予 算 の 範 囲 内 で 別 に 任 命 権 者 が 定 め る 臨 時 的 任 用 職 員 、及 び 職
務の特殊性を考慮して別に任命権者が定める現業職員にも給与条例
が 適 用 さ れ る 。( 給 与 条 例 第 20 条 及 び 第 21 条 第 2 項 )
(イ)監査手続
a 支 給 額 の 算 定 根 拠 と な る 行 政 職 給 料 表 、海 事 職 給 料 表 、研 究 職 給
料 表 、現 業 職 給 料 表 、各 種 規 程 及 び 受 給 資 格 要 件 等 を 閲 覧 し 、ま た
給与マスタの支給額と照合した。
b 各 種 手 当 の 入 力 デ ー タ の 正 当 性 及 び 正 確 性 を 確 認 し 、入 力 デ ー タ
の承認状況を検証した。
c 時 間 外 手 当 に つ い て は 、時 間 外 勤 務 命 令 簿 の 時 間 外 手 当 金 額 の 正
確 性 を 検 証 し 、給 与 支 給 明 細 書 上 の 金 額 と 一 致 し て い る か 確 認 し た 。
(ウ)監査結果
給 与 の 計 算 は 、給 与 マ ス タ を 基 に 適 切 に 行 わ れ て お り 、そ の 給 与 マ
ス タ に は 、支 給 額 の 算 定 根 拠 と な る 各 種 給 料 表 や 各 種 規 程 及 び 各 種 手
当 の 入 力 デ ー タ が 正 し く 反 映 さ れ 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(エ)意見
a 時間外勤務命令の理由の記載について
ど の 試 験 研 究 機 関 も 会 計 用 務 、企 画 用 務 、試 験 研 究 用 務 と い っ た
簡 略 的 な 用 務 名 を 記 載 し て い る ケ ー ス が 多 い 。ど の よ う な 業 務 で 超
過 勤 務 命 令 が 出 さ れ た の か 明 確 で は な く 、超 過 勤 務 命 令 の 具 体 的 理
由を明確に記載する必要がある。
b 平 成 17 年 度 に お け る 研 究 職 員 の 時 間 外 勤 務 時 間 の 発 生 状 況 は 、
下表に示すとおりである。
14
(単位:時間、人)
研究職員の時間外勤務時間 研究職員数(管理職を除く) 研究職員1人当たりの時間
外勤務時間
環境保健研究センター
3,045
40
76.1
産業技術センター
2,728
34
80.2
農業試験場
6,996
63
111.0
畜産試験場
2,879
19
151.5
林業指導センター
835
8
104.4
水産研究センター
2,400
23
104.3
研究職員1人当たりの時間外勤務時間
(時間)
160
140
120
(a)環境保健研究センター
100
(b)産業技術センター
80
(c)農業試験場
60
(d)畜産試験場
40
(e)林業指導センター
20
(f)水産研究センター
0
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
・
(f)
畜産試験場において研究職員1人当たりの時間外勤務時間が比
較的多い理由
こ れ は 、動 物 の 飼 育 管 理 等 の た め 土 日 の 休 日 出 勤 が 多 く な ら ざ
るを得ないためである。時間外勤務時間を平均水準にするため、
土日の飼育管理等を研究職員の勤務シフトまたは日々雇用者で
対応できないかどうか検討する必要がある。
c 任期付き研究職員及び臨時的職員の活用
(a)任期付き研究職員
・ 概要
山 口 県 で は 、平 成 14 年 11 月 1 日 に「 一 般 職 の 任 期 付 研 究 員 の 採
用 等 に 関 す る 条 例 」が 施 行 さ れ 、任 期 付 き 研 究 員 の 受 け 入 れ が 可 能
に な っ た 。こ れ に 基 づ き 、産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、
「専門的な知識・
経 験 を 有 す る 人 材 を 受 け 入 れ 、研 究 者 の 相 互 の 交 流 を 推 進 す る こ と
に よ り 、 そ の 研 究 活 動 の 活 発 化 を 図 る 」 と い う 観 点 か ら 、 平 成 15
年 4 月 か ら 平 成 18 年 3 月 ま で 任 期 付 研 究 員 1 人 を 受 け 入 れ て い る 。
( 他 の 試 験 研 究 機 関 で は 任 期 付 研 究 員 の 採 用 実 績 は な い 。)
そ の 効 果 は 、研 究 活 動 の 面 で は 他 の 研 究 員 の 研 究 へ の 取 組 姿 勢 に
大 き な 影 響 を 与 え 、ま た 、先 端 的 な 技 術 開 発 で 求 め ら れ る 評 価・解
析 技 術 は 、研 究 員 に 継 承 さ れ 、技 術 力 を 高 め ら れ た と 自 己 評 価 し て
15
いる。
・ 任期付研究員の受入れの必要性
産 業 技 術 セ ン タ ー 以 外 の 試 験 研 究 機 関 で は 、研 究 テ ー マ と の 関 連
で 任 期 付 研 究 員 の 必 要 性 が な い こ と 、ま た 任 期 付 研 究 員 と す べ き 対
象が不足している等の理由から、任期付研究員の採用実績はない。
し か し 、専 門 性 の 高 い 研 究 課 題 が 生 じ た 場 合 や 研 究 環 境 の 変 化 に 迅
速 に 対 応 す る た め に 、優 れ た 資 質 や 高 い 研 究 能 力 を 有 す る 研 究 員 の
配 置 が 弾 力 的 に で き る よ う に 、任 期 付 研 究 員 制 度 の 活 用 を 検 討 す る
必要がある。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 多 様 な 人 材 の 確 保 の 観 点 か ら 、 各 試 験 研
究 機 関 の 実 情 に 応 じ て 、民 間 出 身 者 や 任 期 付 研 究 員 、客 員 研 究 員 の
採用等による多様な人材確保を推進することとしている。
(b)臨時的職員
① 概要
平 成 17 年 度 に お け る 研 究 職 員 1 人 当 た り の 臨 時 職 員( 22 条 職 員
及 び 日 々 雇 用 職 員 を い う 。 以 下 同 じ 。) の 数 は 、 下 表 に 示 す と お り
である。
(単位:人)
研究職員1人当
たりの臨時職員
研究職員
臨時職員
環境保健研究センター
47
8.8
0.18
産業技術センター
40
7.2
0.18
農業試験場
73
31.3
0.43
畜産試験場
23
2
0.09
林業指導センター
8
4.6
0.57
水産研究センター
26
12.7
0.49
( 注 )・ 研 究 職 員 は 管 理 職 を 含 む 。
・臨時職員のうち、日々雇用者の人数は、年間の延べ雇用人数を
も と に 月 21 日 ( 年 間 252 日 ) で 常 勤 換 算 し た 。
研究職員1人当たりの臨時職員
(人)
0.6
0.5
(a)環境保健研究センター
0.4
(b)産業技術センター
0.3
(c)農業試験場
(d)畜産試験場
0.2
(e)林業指導センター
0.1
(f)水産研究センター
0.0
(a)
(b)
(c)
(d)
16
(e)
(f)
②
監査手続
22 条 職 員 及 び 日 々 雇 用 職 員 に 関 す る 勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給 明
細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
③ 監査結果
22 条 職 員 及 び 日 々 雇 用 職 員 の 賃 金 は 正 確 に 算 定 さ れ て お り 、
書類の不備、不整合はなく特記すべき事項はなかった。
④ 意見
畜 産 試 験 場 で は 、研 究 職 1 人 当 た り の 臨 時 職 員 が 比 較 的 少 な
い 。今 後 の 方 針 と し て 、畜 産 員( 現 業 員 )の 退 職 に よ る 正 規 職
員 は 補 充 せ ず 、22 条 職 員 で 補 充 す る こ と が 本 庁 と の 話 し 合 い で
決 ま っ て い る と の こ と で あ る 。22 条 職 員 は 3 年 し か 雇 用 で き な
い た め 、業 務 の 継 続 性 を 確 保 す る た め 、そ の 後 は 非 常 勤 嘱 託 と
して採用する予定とのことである。
試 験 研 究 機 関 の 人 件 費 を 長 期 的 に 削 減 し て い く た め に は 、臨
時 的 職 員 の 給 与 割 合 を 高 め る こ と が 考 え ら れ る が 、そ の 前 提 と
して、正規職員の業務内容の分析が必要である。具体的には、
正規職員である研究員等が本来の研究業務以外の業務を行っ
て い な い か 、ま た 研 究 業 務 の う ち 、研 究 員 で な く て も 行 え る 補
助 業 務 等 に 従 事 し て い な い か 等 を 調 査 し て 、正 規 職 員 が 行 う こ
と の 必 要 性 を 検 討 し 、臨 時 的 職 員 の 適 切 な 配 置 を 検 討 す る 必 要
がある。
な お 、現 状 の 正 規 職 員 の 給 与 総 額 の 全 職 員 の 給 与 総 額 に 対 す
る割合は下記に示すとおりである。
(単位:千円、%)
環境保健研究センター
正規職員の給与
431,741
97%
322,431
95%
臨時的職員の給与
13,677
3%
15,366
5%
合計
445,418
100%
337,797
100%
林業指導センター
正規職員の給与
144,884
87%
水産研究センター
380,991
臨時的職員の給与
21,201
13%
24,845
合計
166,085
100%
405,836
注
d
産業技術センター
農業試験場
778,189
93%
62,295
7%
24,416
5%
840,484 100%
458,940
100%
434,524
95%
合計
94% 2,492,760
6%
畜産試験場
161,800
94%
6%
100% 2,654,560 100%
共済費の金額は含まない。
給 与 の 支 給 に つ い て 、現 金 支 給 か ら 口 座 振 替 へ の 切 替 推 奨 に つ い て
給与の支給方法は、人事給与システムを導入した平成6年頃から、
現 金 支 給 か ら 口 座 振 替 へ の 切 替 を 推 奨 し て い る が 、ど の 程 度 進 ん で い
る か を 確 か め る た め に 平 成 18 年 3 月 時 点 及 び 平 成 14 年 3 月 時 点 の 給
与現金支給の割合を調べた。
各研究施設の給与の現金支給は、次のとおりである。
17
(単位:人、千円)
環境保健研究センター
産業技術センター
農業試験場
平成18 年
平成14 年
平成18 年
平成14 年
平成18 年
平成14 年
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
給与支給人数(a)
52
54
45
44
115
99
現金支給人数(b)
24
47
16
25
27
84
現金支給人数の割合(b)/(a)
46.2%
87.0%
35.6%
56.8%
23.5%
84.8%
現金支給総額
2,694
6,942
1,240
2,738
1,674
7,123
畜産試験場
林業指導センター
水産研究センター
平成18 年
平成14 年
平成18 年
平成14 年
平成18 年
平成14 年
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
給与支給人数(a)
62
68
20
22
54
46
現金支給人数(b)
61
68
6
20
19
31
現金支給人数の割合(b)/(a)
98.4%
100%
30%
90.9%
35.2%
67.4%
現金支給総額
7,013
8,480
667
1,925
1,390
2,459
( 注 )平 成 18 年 3 月 期 の 正 規 職 員 の 数 と 上 記 表 (a)の 給 与 支 給 人 数 は 、育 児 休 業 者 が い
るため一致しない。
畜 産 試 験 場 を 除 き 、 平 成 18 年 3 月 期 に お け る 各 試 験 場 の 現 金 支 給
人 数 、 現 金 支 給 総 額 は と も に 、 平 成 14 年 3 月 期 に 比 べ れ ば 改 善 さ れ
て い る 。畜 産 試 験 場 で の 改 善 が 進 ん で い な い の は 、山 間 部 で 近 く に 銀
行がないからとのことである。
現 金 支 給 の 場 合 、引 き 出 し の 際 に は 二 人 一 組 で 車 を 利 用 し 、引 き 出
し た 日 に 全 額 渡 し 、現 金 の 移 動 及 び 保 管 の リ ス ク に 適 切 に 対 処 し て い
る と の こ と で あ る 。し か し 、現 金 支 給 に は 現 金 移 動 保 管 等 の リ ス ク が
あ り 、ま た 、事 務 効 率 を あ げ る た め 、振 込 に よ る 給 与 支 給 の 完 全 化 に
向けて現金支給職員の協力を要請していく必要がある。
なお、給与の支給については、現地調査後において各所属における
取 組 が 進 め ら れ た こ と に よ り 、 平 成 19年 1 月 現 在 で は 口 座 振 替 へ の 切
替が進み、現金支給人数の割合は大幅に改善されている。
イ 研究データのセキュリティ管理
(ア)概要
県 は 、管 理 運 用 す る 情 報 シ ス テ ム の 利 用 に つ い て は 情 報 の 盗 難 、漏 え
い 、改 ざ ん 及 び 破 壊 等 の 脅 威 か ら 情 報 資 産 を 守 る と と も に 、情 報 資 産 の
活 用 に お け る 機 密 性 、完 全 性 及 び 可 用 性 を 維 持 す る た め 、山 口 県 情 報 セ
キュリティ基本方針及びそれを具体化した山口県情報セキュリティ対
策 基 準 を 定 め て い る 。各 試 験 研 究 機 関 が 管 理 運 用 す る 情 報 シ ス テ ム を 利
用 す る 場 合 に は 、上 記 の セ キ ュ リ テ ィ 基 本 方 針 や 同 対 策 基 準 に 従 っ て 運
18
用 さ れ て い る 。こ こ で は 、各 試 験 研 究 機 関 に 委 ね ら れ て い る 情 報 資 産 の
セキュリティ管理について検討した。
(イ)監査手続
a 研 究 デ ー タ の 消 失 リ ス ク 及 び 漏 出 リ ス ク に 対 し て 、必 要 十 分 な 統 制
シ ス テ ム が 整 備 さ れ 有 効 に 運 用 さ れ て い る か ど う か を 、責 任 者 へ の 質
問等により確かめた。
b 研究データのセキュリティ管理が機密度に応じてなされているか
どうか確かめた。
c 人事異動等において研究データの引継ぎが適切になされているか
どうか確かめた。
(ウ)監査結果
研 究 デ ー タ が 記 録 さ れ た U S B メ モ リ 、M O 等 の 外 部 記 録 媒 体 の 引 継
ぎは「業務引継書」に基づいており、特記すべき事項はなかった。
(エ)意見
a セキュリティ基準について
各 試 験 研 究 機 関 に 管 理 が 委 ね ら れ て い る 情 報 資 産 に つ い て は 、セ キ
ュ リ テ ィ の 具 体 的 な 基 準 が 定 め ら れ て い な い 。研 究 デ ー タ の 消 失 リ ス
ク 及 び 漏 出 リ ス ク 等 を 低 減 さ せ る た め に は 、セ キ ュ リ テ ィ の 具 体 的 な
基 準 を 定 め 、目 標 と す べ き セ キ ュ リ テ ィ 水 準 に 向 け て 管 理 す る 必 要 が
ある。
b 研究データの消失リスク
研 究 デ ー タ を 消 失 し た 場 合 に は 、研 究 員 個 人 だ け で な く 組 織 と し て
も 重 要 な 損 害 に な る が 、バ ッ ク ア ッ プ の 頻 度 、保 管 方 法 に つ い て は 各
研 究 員 に ま か せ て い る だ け で あ り 、組 織 と し て の 管 理 が さ れ て い な い 。
し た が っ て 、研 究 デ ー タ の 消 失 リ ス ク を 軽 減 す る た め 、バ ッ ク ア ッ
プファイルの取得方法を手順書として作成し、関係者に周知するか、
あ る い は チ ェ ッ ク リ ス ト を 作 成 し て 、セ キ ュ リ テ ィ 意 識 を 高 め る 工 夫
をする必要がある。
c 研究データの漏出リスク
(a)研究データ保管の外部記録媒体の定期的な棚卸
研 究 デ ー タ の 機 密 性 は 高 く 、外 部 へ 持 ち 出 さ れ た 場 合 の 影 響 は 大
き い 。し か し 、研 究 員 が 使 用 し て い る 各 端 末 か ら U S B メ モ リ 等 の
外 部 記 録 媒 体 に 容 易 に 複 写 で き 、研 究 デ ー タ を 外 部 へ 持 ち 出 す こ と
が 容 易 な 状 況 に あ る に も 拘 わ ら ず 、研 究 デ ー タ の 外 部 持 ち 出 し 防 止
は 研 究 員 の 信 頼 に 依 存 し た ま ま で あ る 。研 究 デ ー タ の 漏 出 リ ス ク を
軽減するためには、研究員の信頼だけに依存せず、USBメモリ、
M O 等 の 外 部 記 録 媒 体 の 台 帳 管 理 を 行 い 、定 期 的 に 棚 卸 を 行 う 必 要
がある。
(b)バックアップ用CDの保管
林業指導センターではバックアップ用のCDが各研究員の机の
19
上 に 置 か れ た ま ま に な っ て い る 。施 錠 付 き の ラ ッ ク 等 に 保 管 す る 必
要がある。
(c)パスワードの設定及び変更
県 庁 L A N に 接 続 さ れ て い る 端 末 に は パ ス ワ ー ド を 設 定 し 、3 ヶ
月ごとに変更しないと使用できない仕組みになっている。しかし、
県 庁 L A N に つ な が っ て い な い 研 究 用 端 末 に つ い て は 、林 業 指 導 セ
ン タ ー で は 外 部 侵 入 に よ る デ ー タ 漏 出 を 想 定 し て い な い た め 、パ ス
ワ ー ド が 設 定 さ れ て い な い 。研 究 用 端 末 に は 機 密 度 が 高 い デ ー タ が
入っているため、パスワード設定する必要がある。
他 の 試 験 研 究 機 関 で は 、パ ス ワ ー ド 設 定 が さ れ て い る も の の 、パ
ス ワ ー ド 変 更 に つ い て 特 に 定 め が な い 。定 期 的 に パ ス ワ ー ド を 変 更
することを定め、文書化することを検討する必要がある。
(d)未利用のパソコン
農 業 試 験 場 で 、県 庁 L A N に つ な が っ て い な い パ ソ コ ン の 中 に 未
利 用 の も の が 2 台 あ っ た 。そ の 中 に 重 要 機 密 デ ー タ が あ る か な い か
は 把 握 さ れ て い な い 。デ ー タ 漏 出 の 可 能 性 が あ り 、デ ー タ の 有 無 の
確 認 を し 、あ る 場 合 に は デ ー タ の 消 去 を 徹 底 し 、さ ら に パ ソ コ ン の
利用の見込みがない場合は、不用の決定後、廃棄すべきである。
d 研究データの機密度設定
デ ー タ の 機 密 度 の 設 定 は 運 用 と し て は な さ れ て い る 。し か し 、文 書
化 さ れ て い な い た め 、機 密 度 の 設 定 が 組 織 的 に な さ れ 、定 期 的 に 見 直
されているかは検証できなかった。紙ベースの書類や、電子データ、
機 密 度 の 設 定 、管 理 の 方 法 を 示 し た 方 針・規 定 等 を 作 成 す る 必 要 が あ
る。
20
3
組織及び運営に関する意見
試験研究機関の組織及び運営の合理化に資すると考える事項について、
そ の 内 容 を 記 載 し て い る 。以 下( 1 )か ら( 5 )の 詳 細 に つ い て は 各 試 験
研 究 機 関 の 組 織 及 び 運 営 に 関 す る 意 見 に 記 載 し て い る 。( 6 ) は 試 験 研 究
機 関 の 組 織 の 在 り 方 に 関 し て 、( 7 ) は 行 政 コ ス ト 計 算 書 の 作 成 と 活 用 状
況に関する意見を記載している。
(1)研究開発の評価制度の充実について
ア 評価制度充実の必要性
研 究 課 題 の 評 価 は 、研 究 開 発 の 質 を 高 め 、そ の 成 果 が 県 民 に 還 元 さ
れ る 研 究 開 発 か ど う か 等 を 判 断 す る 重 要 な 役 割 を 担 う も の で あ る 。ま
た 、的 確 な 評 価 に 基 づ い て 試 験 研 究 を 行 う こ と が 、効 率 的 な 資 源 配 分
や 研 究 開 発 施 策 の 見 直 し に 効 果 が あ り 、無 駄 な 評 価 や 形 式 的 な 評 価 が
あってはならず、充実した評価制度を確立し運用する必要がある。
イ
評価制度実施の状況
産 業 技 術 セ ン タ ー は 平 成 11 年 度 か ら 評 価 制 度 の 運 用 を 開 始 し て い
る が 、他 の 試 験 研 究 機 関 は 平 成 14 年 度 か ら 16 年 度 に か け て 開 始 し て
い る 。こ の 制 度 は 徐 々 に 定 着 し つ つ あ る が 、中 に は 評 価 す べ き も の に
も 拘 わ ら ず 評 価 を 失 念 し て い る 課 題 が あ り 、定 め ら れ た 評 価 実 施 要 領
等により評価を行う必要がある。
ウ 評価制度の改善点
(ア)事前評価
a 評価目的
事 前 評 価 は 、研 究 課 題 の 採 択 、不 採 択 若 し く は 実 施 の 可 否 、ま
た 、研 究 課 題 の 発 案 者 に は 研 究 内 容 の 再 検 討 の 判 断 に 利 用 さ れ て
いる。
b 改善点
水 産 研 究 セ ン タ ー で は 、事 前 評 価 に 外 部 評 価 を 行 っ て い な い が 、
県費を投入して研究開発をすることの妥当性を明確にするため
に、外部評価制度の導入を検討する必要がある。
(イ)中間評価
a 評価目的
中 間 評 価 は 、進 捗 度 の 点 検 と 継 続 、中 止 、方 向 転 換 、研 究 開 発
の質の向上などの判断に利用されている。
b 改善点
評価の効率性を高めるために下記の方法を検討する必要があ
る。
・ 試 験 研 究 機 関 に よ っ て は 、研 究 開 発 初 年 度 に 中 間 評 価 を 行 っ
て い る 場 合 が あ る が 、基 礎 的 研 究 か 重 点 課 題 の 研 究 か な ど 、研
21
究開発の種類により中間評価を行う対象及び評価時期につい
て実施要領等で明文化する必要がある。
・ 短 期 的 な 研 究 課 題 で は 、研 究 課 題 の 選 定 と 完 了 後 の 評 価 を 重
視 す る 観 点 か ら 、中 間 評 価 を 書 面 審 査 に す る こ と が で き な い か
検討する必要がある。
(ウ)事後評価
a 評価目的
事 後 評 価 は 、研 究 の 完 成 度 や 今 後 の 波 及 効 果 を 考 慮 し て 、継 続
試験や新たな方向性に関する研究をするかなどの判断に利用さ
れている。
b 改善点
事 後 評 価 の 時 期 に つ い て 、当 年 度 完 了 分 を 当 年 度 末 に 評 価 し て
い る 試 験 研 究 機 関( 農 業 試 験 場 、畜 産 試 験 場 )が あ る が 、研 究 課
題 の 完 了 実 績 等 の 把 握 が 十 分 に 行 え な い 可 能 性 が あ り 、評 価 の 時
期は翌事業年度開始後できるだけ早い時期に行うように改める
こ と を 検 討 す べ き で あ る 。 な お 、 水 産 研 究 セ ン タ ー は 平 成 17 年
度 に 、事 後 評 価 の 時 期 を 研 究 課 題 完 了 の 翌 事 業 年 度 に 評 価 す る こ
とに改めている。
(エ)追跡評価
a 評価目的
追 跡 評 価 は 、研 究 課 題 の 成 果・効 用 や 波 及 効 果 の 確 認 及 び 次 の
研 究 課 題 の 選 定 な ど の 判 断 に 利 用 す る 。ま た 、成 果 の 波 及 効 果 に
よりフォローアップが必要かどうかの判断にも利用される。
b 改善点
評価制度が導入されて間もない試験研究機関では追跡評価が
実施されたことがなく、評価に関する定めがない。
評 価 項 目 、評 価 基 準 、評 価 時 期 に つ い て 実 施 要 領 な ど を 明 確 に
定める必要がある。
(オ)内部評価と外部評価の関係
内部評価したものについて外部評価に付す基準が実施要領等で
明 確 に な っ て い な い 。外 部 評 価 委 員 の 負 担 を 軽 減 す る と い う 観 点 と 、
評 価 の 透 明 性・有 効 性 を 高 め る 観 点 と の バ ラ ン ス に 配 慮 し 、外 部 評
価に付する基準を実施要領等で明文化する必要がある。
(カ)評価結果の活用について
事 前 、中 間 、事 後 の 評 価 に つ い て 、評 価 結 果 へ の 対 処 や 活 用 方 法
が 特 に 定 め ら れ て い な い 。各 評 価 の 総 合 評 価 に よ り 、研 究 課 題 の 取
り扱いをどのようにするのか基準を明確にする必要がある。
(キ)評価の視点について
評 価 が 研 究 に お け る 専 門 技 術 分 野 を 重 視 す る 傾 向 に あ る が 、受 益
者 及 び 消 費 者 の 視 点 の 重 視 、ま た 、県 の 施 策 と の 整 合 性 を 図 る 観 点
22
及び中長期的視点から評価する基準の検討も必要である。
加 え て 、将 来 の 重 点 研 究 の 芽 が 育 つ よ う な 萌 芽 的 な 研 究 課 題 に 対
して、的確な評価基準の検討が必要である。
(ク)研究テーマごとのコスト管理
a 現状
各試験研究機関において研究テーマごとのコスト計算は行わ
れ て い な い 。事 業 ご と に 需 用 費 等 の 集 計 を 行 っ て い る の が 現 状 で
ある。
b 意見
研究テーマごとのコスト計算は試験研究機関が実施している
研 究 の 経 済 性・効 率 性 を み る 指 標 と し て 重 要 で あ る 。研 究 成 果 の
指 標 と し て 何 が 適 切 で あ る か は 問 題 で あ る が 、研 究 成 果 と 対 比 す
べ き 指 標 と し て 、研 究 テ ー マ ご と の コ ス ト 計 算 は 、研 究 テ ー マ の
評価を適切に行うために必要である。
コ ス ト 計 算 を 行 う た め に は 、特 定 の 研 究 テ ー マ に 直 接 集 計 で き
る直接費と複数の研究テーマに共通的に発生する間接費に分け
て考える必要がある。
直接費の中で大きなウエイトを占める研究員の人件費を各研
究 テ ー マ ご と に 集 計 す る た め に は 、例 え ば 研 究 員 に 業 務 日 報 の 作
成 及 び 提 出 を 求 め 、研 究 時 間 の 集 計 を 行 う 必 要 が あ る 。業 務 日 報
の 作 成 や 集 計 は 手 間 の か か る 作 業 で あ る が 、コ ス ト 計 算 以 外 に も
勤 怠 管 理 の 資 料 と し て 、あ る い は 人 事 考 課 の 参 考 資 料 と し て 役 立
て る こ と も で き る し 、研 究 テ ー マ ご と に 必 要 時 間 数 が 分 か れ ば 人
員の適切な配分の参考資料にもなると考えられる。
間 接 費( 設 備・施 設 の 減 価 償 却 費 等 )に つ い て は 、研 究 コ ス ト
の 発 生 と 密 接 な 関 係 に あ る 指 標 を 基 準 と し て 、各 研 究 テ ー マ に 配
賦 す る 必 要 が あ る 。例 え ば 、前 述 し た 業 務 日 報 の 集 計 結 果 を 利 用
することが考えられる。
ま た 、研 究 テ ー マ に コ ー ド を 付 し て 管 理 す る な ど 、管 理 上 の 効
率性も検討すべきである。
な お 、現 在 、県 の 事 業 費 予 算 で は 正 規 職 員 の 人 件 費 を 事 業 コ ス
ト と し て 認 識 す る こ と に な っ て い な い が 、研 究 テ ー マ ご と の コ ス
ト 計 算 が 行 わ れ る た め に は 、正 規 職 員 の 人 件 費 を 事 業 コ ス ト と し
て算定する方式が検討されることが必要であると考える。
(ケ)評価結果の公表
評 価 結 果 の 県 民 に 対 す る 公 表 は 、3 つ の 試 験 研 究 機 関( 産 業 技 術
セ ン タ ー 、畜 産 試 験 場 、林 業 指 導 セ ン タ ー )が 行 っ て い な い 。公 表
は 評 価 の 公 平 性 と 透 明 性 を 確 保 し 、県 民 に 研 究 開 発 活 動 に 資 金 が 投
入 さ れ る こ と の 説 明 責 任 を 果 た す た め に 必 要 で あ り 、公 表 す る こ と
を 検 討 す る 必 要 が あ る 。た だ し 、特 許 等 の 関 係 や 個 人 情 報 保 護 等 に
23
配 慮 し た 上 で 公 表 す る 必 要 が あ り 、規 定 等 で 公 表 の 基 準 を 明 文 化 し
ておく必要がある。
公 表 媒 体 と し て 、イ ン タ ー ネ ッ ト の ホ ー ム ペ ー ジ を 利 用 す る な ど 、
評 価 結 果 が 正 確 に 伝 わ る よ う に 配 慮 し 、分 か り や す く 公 表 す る 必 要
がある。
(2)検査業務について
検 査 業 務 に つ い て は 、本 庁 事 業 課 に お い て 民 間 委 託 分 と 環 境 保 健 研 究
セ ン タ ー 委 託 分 と 割 り 振 っ て い る も の で 、水 質 環 境 基 準 の 定 点 検 査 等 す
で に か な り の 検 査 業 務 が 民 間 委 託 さ れ て い る 。こ の 点 は 認 め ら れ る と こ
ろ で あ る が 、環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー と し て は 、現 在 行 っ て い る 検 査 業 務
に つ い て 、民 間 委 託 の 可 能 性 に つ い て 検 討 し 、本 庁 事 業 課 と 連 携 し 、民
間委託がより進められるように取り組む必要がある。
( 3 )県 内 外 の 公 設 試 験 研 究 機 関 と の 機 器 の 相 互 利 用 及 び 連 携 に よ る 共 同 研
究等の推進
県 内 の 試 験 研 究 機 関 で は 、「 試 験 研 究 機 関 技 術 交 流 協 議 会 規 約 に 係 る
機器・施設の相互利用覚書」に基づいて相互利用を行っており、平成
17 年 度 の 実 績 は 10 件 で あ る 。
中 国 地 方 5 県 で は 、「 中 国 地 方 5 県 の 公 設 試 験 研 究 機 関 に お け る 機
器・施 設 の 相 互 利 用 に 関 す る 協 定 書 」が 締 結 さ れ て い る が 、こ ち ら は 産
業 技 術 セ ン タ ー が 1 件 利 用 し て い る の み で あ る 。中 国 地 方 5 県 の 相 互 利
用 に 関 す る 協 定 書 で は 、保 有 機 器 の リ ス ト を 交 換 す る よ う に な っ て お り 、
当 初 は 各 県 の 試 験 研 究 機 関 で 保 有 機 器 の リ ス ト を 交 換 し て い る が 、そ の
後の更新は、環境保健研究センター以外は行っていない。
相 互 利 用 の 前 提 と し て 保 有 機 器 の リ ス ト を 更 新 し 、他 県 の 試 験 研 究 機
関 の 機 器 の 保 有 状 況 を 把 握 し て 、研 究 課 題 に 応 じ て 必 要 な 機 器 を 購 入 す
る か 、他 県 の 試 験 研 究 機 関 の も の を 借 り 受 け る か 等 の 選 択 が で き る よ う
にすべきである。
こ れ ま で 、他 県 と の 相 互 利 用 が 進 ま な い 理 由 と し て 、地 理 的 に 離 れ て
い る と い う こ と 以 外 に 、損 傷 等 が あ っ た 場 合 の 補 償 方 法 が 決 め ら れ て い
な い こ と が 揚 げ ら れ て い る 。こ の 点 の 障 害 を 取 り 除 き 、相 互 利 用 を 促 進
す る た め に 、損 傷 の 補 償 に つ い て の 扱 い を 具 体 的 に 明 文 化 す る 必 要 が あ
る。
共 同 研 究 は 、新 し い 研 究 手 法 や 新 技 術 の 導 入 の た め に 必 要 で あ り 、よ
り 一 層 推 進 す る 必 要 が あ る 。留 意 点 に つ い て( 5 )外 部 研 究 資 金 導 入 に
よる財源確保の観点の箇所に記載している。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 他 県 の 試 験 研 究 機 関 と の 連 携 に つ い て 中 国 知
事 会 の 下 で の 取 り 組 み の 強 化 が 示 さ れ て お り 、一 層 の 連 携 と 役 割 分 担 の
在り方について協議・検討することとしている。
24
( 4 )人 材 育 成 に よ る 業 務 品 質 の 確 保・向 上 及 び 職 員 の 研 究 開 発 意 欲 の 向 上
策について
ア 業 務 の 高 度 化・細 分 化 に 対 応 で き る 研 究 技 術 者 の 育 成 が 必 要 で あ り 、
人 材 育 成 の 基 本 方 針 を 作 成 し 、計 画 的 に 人 材 を 育 成 す る 研 修 制 度 の 確
立が必要である。
イ
団 塊 の 世 代 の 定 年 退 職 者 が 見 込 ま れ て お り 、( 定 年 退 職 者 が 多 い 機
関 と 少 な い 機 関 が あ る )技 術 の 継 承 問 題 に 対 応 す る 必 要 が あ る 。退 職
者 を 嘱 託 と し て 採 用 す る こ と や グ ル ー プ 研 究 を 通 し て の 技 術・ノ ウ ハ
ウ の 継 承 を 図 る こ と な ど が 考 慮 さ れ て い る が 、技 術 継 承 の 方 策 を 試 験
研究機関全体の課題として検討することが必要である。
ウ
試 験 研 究 機 関 の 人 事 異 動 は 、定 期 的 に 行 う こ と に よ り 組 織 を 活 性 化
す る と い う こ と も 必 要 で あ る が 、試 験 研 究 機 関 に ス ペ シ ャ リ ス ト を 育
成 す る と い う 観 点 も 必 要 で あ る 。試 験 研 究 機 関 の 人 事 管 理 に お い て 公
平 性 を 害 さ な い よ う に 、ス ペ シ ャ リ ス ト を 育 成 す る と い う 目 的 の た め
に 、特 別 な 扱 い を す る こ と が 組 織 内 で 容 認 さ れ る 客 観 的 な デ ー タ が 存
在 す る 場 合 に は 、特 別 な 扱 い を 受 け る こ と の 可 能 な 人 事 制 度 が で き な
い か 検 討 さ れ る 必 要 が あ る 。こ の こ と は 、下 記( 5 )の 外 部 研 究 資 金
導入による財源確保を効果的に行うためにも必要である。
エ
職員の研究開発意欲の向上策について
職 務 発 明 等 に よ っ て 研 究 成 果 を 挙 げ た 職 員 に 対 し て は 、特 許 権 等 を
取 得 し た と き に 、特 許 権 等 1 件 に つ き 1 万 円 の 登 録 補 償 金 が 支 払 わ れ
る 。 ま た 、 実 施 許 諾 の 結 果 、 県 が 得 た 財 産 上 の 利 益 に 対 し 、 従 来 30
万 円 以 下 の 場 合 : 30/100, 30 万 円 超 ~ 50 万 円 以 下 : 20/100, 50 万 円
超 ~ 100 万 円 以 下:10/100,100 万 円 超:5/100 と さ れ て い た 基 準 を 、
平 成 17 年 4 月 1 日 か ら 、一 律 50/100 と し て 、全 国 ト ッ プ レ ベ ル に 改
善 し 、実 施 補 償 金 を 支 払 う こ と と し て い る 。地 方 公 共 団 体 で あ る 県 は 、
知 的 財 産 権 を 利 用 し て の 事 業 は 実 施 で き ず 、不 実 施 補 償 と し て 実 施 料
を 徴 収 し て お り 、利 益 活 動 で あ る 事 業 展 開 に 直 接 関 係 し な い た め 、研
究 成 果 と 当 該 補 償 金 が 必 ず し も 直 結 し な い 場 合 も あ り 、職 員 の 開 発 意
欲の向上に役立つのか検討が必要である。
研 究 開 発 に お い て は 、そ の 過 程 よ り も 成 果 が 重 視 さ れ る 。職 員 の 研
究 意 欲 を 更 に 向 上 さ せ 成 果 を 挙 げ る た め に 、成 果 を 挙 げ た 職 員 に 対 し
て は 、成 果 に 見 合 っ た 評 価 を 行 う こ と で 給 与 等 に 反 映 さ せ 、成 果 の な
い 職 員 に つ い て は そ れ に 応 じ た 処 遇 を 行 う な ど 、成 果 主 義 に よ る 評 価
を導入することが考えられる。
25
(5)外部研究資金導入による財源確保について
ア 財 源 の 制 約 が あ る 中 で 、外 部 研 究 資 金 を 確 保 す る た め に は 、本 来 果
た す べ き 試 験 研 究 業 務 が 阻 害 さ れ る こ と の な い よ う に 、受 託 研 究 や 共
同研究を受入れる基準や経費負担等について基本方針等を作成する
必要がある。
現 状 で は 、受 託 研 究 、共 同 研 究 に 関 す る 規 則 の 定 め が あ る の は 産 業
技 術 セ ン タ ー の み で あ り 、他 の 試 験 研 究 機 関 に つ い て も 規 則 等 の 整 備
が必要である。
ま た 、規 則 に 従 っ て 受 託 研 究 、共 同 研 究 の 研 究 目 的 を チ ェ ッ ク す る
などの体制を構築する必要がある。
イ
競 争 的 資 金 獲 得 の た め に は 企 画 力 、独 創 性 に 富 ん だ 高 度 な 能 力 を 有
す る 人 材 を 配 置 す る 必 要 が あ り 、ま た 、よ り 効 率 的 に 行 う た め に 国 の
独 立 行 政 法 人 や 他 県 の 関 係 機 関 と の 連 携 を 図 っ て 、情 報 の 収 集 及 び 交
換を行うこと等も必要である。
上記の各試験研究機関共通に係る組織及び運営の合理化に資すると考
え る 事 項 に つ い て 意 見 を 記 載 し て い る が 、県 が 公 表 し た「 最 終 案 」で は 各
試験研究機関共通的事項として業務運営マネジメントの見直し等の工程
が示されている。その見直し工程表は次のとおりである。
26
(6)試験研究機関の組織の在り方の検討について
ア 機関評価
機 関 評 価 と は 、 平 成 17 年 9 月 の 文 部 科 学 省 に お け る 「 研 究 及 び 開
発 に 関 す る 評 価 指 針 」に よ れ ば 、機 関 の 設 置 目 的 や 研 究 開 発 の 目 的 ・
目 標 に 即 し て 機 関 運 営 面 と 研 究 開 発 の 実 施・推 進 面 か ら 評 価 を 行 う と
ある。
機 関 運 営 面 に つ い て は 、研 究 開 発 の 目 的・目 標 の 達 成 や 研 究 開 発 環
境 の 整 備 等 の た め の 運 営 に つ い て 、効 率 性 の 観 点 も 踏 ま え 評 価 を 行 う 。
研 究 開 発 の 実 施・推 進 面 に つ い て は 、機 関 が 実 施・推 進 し た 研 究 開
発課題の評価と所属する研究者等の業績評価の総体で行うとある。
こ の 機 関 評 価 は 、3 年 か ら 6 年 程 度 の 期 間 を 一 つ の 目 安 と し て 、中
長期的な観点から評価が行われる。
こ の た び の 外 部 監 査 で 、6 つ の 試 験 研 究 機 関 に 機 関 評 価 実 施 の 有 無
を 質 問 し た と こ ろ 、個 別 の 試 験 研 究 課 題 の 評 価 は 実 施 し て い る が 、機
関評価は実施していないということであった。
機 関 評 価 に よ り 、各 試 験 研 究 機 関 が 抱 え る 課 題 を 抽 出 し 、改 善 策 を
検 討 す る 。こ の 改 善 策 が 試 験 研 究 機 関 全 般 に 係 る 改 善 事 項 か 、単 独 の
試験研究機関に係る改善事項か分析等に活用すべきである。
なお、
「 最 終 案 」で は 、試 験 研 究 課 題 の 評 価 の 取 組 に 加 え 、新 た に 、
産 学 公 提 携 や 技 術 支 援 の 取 組 、技 術 移 転 の 状 況 な ど 試 験 研 究 機 関 の 組
織 運 営 全 般 に つ い て 評 価 す る「 試 験 研 究 機 関 評 価 」を 導 入 す る こ と が
示されている。
イ 地方独立行政法人制度導入の検討
(ア)概要
地 方 独 立 行 政 法 人 法( 以 下「 独 法 」と い う 。)が 平 成 16 年 4 月 1 日
か ら 施 行 さ れ 、地 方 自 治 体 は 定 め ら れ た 業 務 に 地 方 独 立 行 政 法 人 制 度
を 導 入 す る こ と が 可 能 に な っ た 。( 試 験 研 究 機 関 は 地 方 独 立 行 政 法 人
( 以 下 「 法 人 」 と い う 。) が 行 う 業 務 に 含 め ら れ て い る 。(「 独 法 」 第
21 条 )
地 方 独 立 行 政 法 人 制 度 は 、公 共 性 、透 明 性 、自 主 性 を 基 本 と し 、目
標 に よ る 管 理 と 適 正 な 実 績 評 価 、財 務 運 営 の 弾 力 化 、徹 底 し た 情 報 公
開 な ど が 制 度 の 骨 格 と な っ て い る 。こ の た め 、透 明 性 が 高 く 、責 任 の
所 在 が 明 確 な 法 人 運 営 に よ り 、質 の 高 い 行 政 サ ー ビ ス を 効 果 的・効 率
的に提供できるといわれている。
そ の よ う な 観 点 か ら 、県 で は「 最 終 案 」に お い て 地 方 独 立 行 政 法 人
化 の 可 能 性 を 検 討 し 、 平 成 19 年 度 を 目 途 に 方 向 性 を 示 す こ と を 掲 げ
ている。
27
(イ)制度への対応について
法 人 化 に 当 た っ て は 、ア の 機 関 評 価 等 に よ り 試 験 研 究 機 関 の 改 善 目
標 を 明 確 に し 、法 人 化 す る こ と に よ り 改 善 が 可 能 か 、試 験 研 究 機 関 の
特質を踏まえ検討する必要がある。
(ウ)検討事項
a 組織運営の管理方式について
独 法 で の 目 標 管 理 型 の 管 理 方 式 の 概 要 は 次 の( a )~( d )の よ
うに定められている。
( a )法 人 は 中 期 目 標( 3 年 ~ 5 年 )、中 期 計 画( 3 年 ~ 5 年 )、年 度
計 画 が 独 法 に よ り 義 務 化 さ れ て お り 、年 度 計 画 が 中 期 目 標 に 基 づ
いた中期計画を具体的に実行していく計画として位置づけられ
ている。
( b )こ の 各 事 業 年 度 及 び 中 期 計 画 期 間 の 事 業 実 績 を 第 三 者 機 関 の 評
価 委 員 会 が 定 期 的 に 評 価 し 勧 告 す る 。そ の 結 果 を 法 人 設 立 団 体 の
長に通知する。
( c )中 期 目 標 期 間 終 了 時 に 設 立 団 体 の 長 は 法 人 の 組 織 業 務 全 般 に わ
たり見直しをする。
( d )( a ),( b ) に つ い て は 公 表 さ れ る 。
こ の 目 標 管 理 型 の 組 織 運 営 は 、組 織 の 使 命 、役 割 に 適 合 し た 組 織
運 営 が な さ れ て い る か 、定 期 的 に 評 価 し 修 正 す る と い う 事 後 チ ェ ッ
ク を 重 視 し た 管 理 方 式 で あ る 。こ の メ リ ッ ト が 生 か さ れ る た め に は 、
事 業 が 事 後 的 に 検 証 可 能 で あ る こ と が 必 要 で あ り 、例 え ば 定 量 評 価
手 法 が 確 立 さ れ 運 用 さ れ る 必 要 が あ る 。ま た 、定 量 評 価 法 が な じ ま
ないということで定量評価法が確立されていない分野の試験研究
機 関 に お い て は 、評 価 の 客 観 性 や 検 証 可 能 な 評 価 手 法 の 研 究 が 必 要
である。
b 人事管理について
(a)法人の長の判断で多様な形態の雇用が可能
( b )法 人 の 長 の 判 断 で 適 材 適 所 及 び 業 務 量 に 応 じ た 人 員 配 置 が 可 能
(c)法人の職員の帰属意識の向上
上 記 の よ う な メ リ ッ ト が あ る が 、法 人 化 後 は 人 事 管 理 事 務 を 法 人
が 行 う 必 要 が あ り 、法 人 の 負 担 が 増 加 す る 。ま た 、法 人 職 員 を 平 等
に 扱 う 必 要 が あ る 反 面 、成 果 給 制 度 の 導 入 が 可 能 で あ り 、同 制 度 の
導 入 に 伴 い 、職 員 の 勤 務 成 績 の 評 価 に よ り 扱 い が 異 な る こ と に な り 、
業 務 向 上 へ の 動 機 づ け に は な る が 、評 価 の 公 平 性・透 明 性 が 求 め ら
れる。
こ の よ う な こ と か ら 、人 事 管 理 上 の メ リ ッ ト を 生 か す に は 、法 人
の 人 員 等 の 規 模 が あ る 程 度 大 き く な い と 、法 人 の 長 の 裁 量 の 余 地 を
生かしきれないことや事務負担を軽減できないと思われる。
28
(エ)予算・経費について
a 法 人 で は 、中 期 目 標・中 期 計 画 の 中 で 、単 年 度 予 算 主 義 に 縛 ら れ
な い 予 算 執 行 が 可 能 で あ る 。収 入 の 面 で は 、受 託 研 究 、共 同 研 究 の
収 入 計 上 に つ い て 、予 算 上 の 手 続 や 予 算 枠 の 問 題 か ら 開 放 さ れ 、適
時受入れが可能である。
b 法 人 は 、設 立 団 体 で あ る 地 方 公 共 団 体 か ら 法 人 の 業 務 の 財 源 に 充
てるために必要な金額またはその一部に相当する金額を運営交付
金として交付を受けることができる。
こ の 運 営 交 付 金 は 、当 初 の 予 算 と は 異 な る 使 途 に 流 用 し て も 特 別
な 手 続 が 必 要 で は な く 、弾 力 的 な 運 用 が 可 能 で あ る 。予 算 執 行 が 弾
力 的 に 行 わ れ る メ リ ッ ト が あ る が 、運 営 交 付 金 は 予 算 の 財 源 が 厳 し
い 中 で ど の よ う に 確 保 で き る か の 問 題 も あ り 、別 途 、法 人 独 自 で 獲
得する財源の確保を見込むことが可能かどうかの検討が必要にな
る。
経 費 は 、法 人 設 立 時 の 法 人 会 計 シ ス テ ム や 法 人 資 産 等 管 理 シ ス テ
ム 及 び そ れ ら の 導 入 費 用 や 不 動 産 鑑 定 評 価 、不 動 産 登 記 費 用 等 、イ
ニシャルコストが発生する。
ま た 、法 人 に 移 行 後 、法 人 の ガ バ ナ ン ス の た め の 理 事 長 、監 事 報
酬 や 、外 部 監 査 費 用 、弁 護 士 の 顧 問 料 等 の ラ ン ニ ン グ コ ス ト が 必 要
となる。
(オ)透明性の確保について
3 年 ~ 5 年 の 中 期 目 標 、中 期 計 画 、年 度 計 画 の 業 務 遂 行 の 実 績 、こ
の 実 績 に 対 す る 評 価 委 員 会 の 評 価 結 果 、財 務 諸 表 等 の 公 表 が 独 法 に 定
められ、透明性が確保されており、この観点で は デ メ リ ッ ト はな い 。
以 上 の 検 討 か ら 、目 標 に よ る 管 理 と 実 績 評 価 に よ り 、行 政 サ ー ビ ス の
質 の 向 上 や 弾 力 的・機 動 的 な 予 算 執 行 、人 事 管 理 上 な ど の メ リ ッ ト は あ
る も の の 、法 人 設 立 時 、移 行 時 の コ ス ト 増 、組 織 の ガ バ ナ ン ス や 評 価 の
ための人件費増や事務負担が増加するなどのデメリットもあることが
分かる。
法人の裁量の余地を生かすことや増加する固定費の負担割合が軽減
さ れ る と い う こ と 等 か ら す れ ば 、法 人 の 規 模 は 小 さ い よ り 大 き い 方 が 良
いということで規模の問題を考慮する必要がある。
先 般 公 表 さ れ た「 最 終 案 」の 中 で 、試 験 研 究 機 関 で は 産 業 技 術 セ ン タ
ーが法人化の可能性を検討するということが示されている。
産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、機 関 全 体 の 評 価 で は な い が 個 別 の 研 究 課 題 の
内 部 評 価 に 定 量 評 価 を 行 っ て お り 、ま た 、予 算 面 で は 受 益 者 が 特 定 さ れ
やすいという面があり、運営上、独自財源の確保の面で有利性がある。
こ の よ う に 、産 業 技 術 セ ン タ ー は 業 務 の 特 質 か ら 法 人 化 に な じ み や す い
傾 向 は 有 し て お り 、目 標 設 定 と 評 価 の 実 施 に よ り 、管 理 の 自 主 責 任 や 透
明 性 が 高 ま り 、行 政 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 は 可 能 で あ る 。し か し 、評 価 に
29
ついて機関全体の評価基準等の評価手法が確立されていないこと及び
評 価 事 務 が 増 加 す る こ と へ の 対 応 、ま た 規 模 の 問 題 か ら 、独 法 で 法 人 に
与 え ら れ た 裁 量 の 余 地 が ど の 程 度 生 か さ れ る か 、固 定 費 が 増 加 す る 割 合
が ど の 程 度 か な ど の 問 題 に 対 す る 検 討 が 必 要 で あ る 。法 人 へ の 移 行 に つ
い て は 、先 行 し て 独 法 化 し て い る 県 等 の 状 況 を 検 証 し 、慎 重 に 検 討 す る
ことが必要である。
ウ
一次産業部門の試験研究機関等の連携強化について
「 最 終 案 」 で は 、「 農 業 試 験 場 」「 畜 産 試 験 場 」「 林 業 指 導 セ ン タ ー 」
「 農 業 大 学 校 」の 組 織 の 統 合 を し 、
「 農 林 総 合 技 術 セ ン タ ー( 仮 称 )」を
平 成 19 年 度 に 設 置 す る こ と が 示 さ れ て い る 。
次の理由により、組織の統合は必要である。
(ア)分野を超えた一次産業に共通する研究課題の増加傾向
鳥 獣 被 害 対 策 や 農 林 水 産 業 が 果 た す 環 境 保 全 機 能 の 問 題 等 か ら 、一
次 産 業 部 門 の 試 験 研 究 機 関 が 個 別 に 研 究 開 発 を 進 め る よ り も 、研 究 分
野 を 超 え た 横 断 的 な 取 組 み を す る こ と に よ り 、効 率 的 に 研 究 成 果 が 得
ら れ る 可 能 性 が あ る 。ま た 、農 業 大 学 校 と の 統 合 に つ い て は 、研 究 成
果 を 教 育 研 修 に 生 か す こ と に よ り 、研 究 と 研 修 双 方 に メ リ ッ ト が あ る
と考える。
(イ)選択と集中の観点
a 組 織 統 合 に よ り 予 算 を 一 元 化 す る こ と に よ り 、そ の 規 模 が 大 き く
な り ( ス ケ ー ル メ リ ッ ト )、 そ の 中 で 必 要 な 施 設 の 修 繕 等 の 決 定 を
行 え ば 、選 択 と 集 中 が 進 み 、個 々 の 研 究 機 関 の 個 別 の 予 算 の 中 で そ
れぞれ修繕等の決定を行うよりも県全体として予算が効率的に使
用される。
こ の た び 試 験 研 究 機 関 を 往 査 し た と こ ろ 、産 業 技 術 セ ン タ ー 以 外
の 施 設 は 、昭 和 40 年 代 か ら 昭 和 50 年 代 の 半 ば に 建 設 さ れ た も の が
ほ と ん ど で 老 朽 化 が 進 ん で い る 。こ れ ら 各 試 験 研 究 機 関 は 組 織 の 弱
点 と 捉 え て い る 。現 状 の ま ま 施 設 の 老 朽 化 が 進 行 す れ ば 、研 究 開 発
活 動 等 の 障 害 に な る 可 能 性 が あ り 、試 験 研 究 機 関 を 取 り 巻 く 環 境 が
変 化 す る 中 で 、研 究 開 発 の 環 境 整 備 を 効 率 的 に 進 め る た め に 、組 織
の統合を図ることは必要である。
b 各機関の企画調整機能の扱いについて
企 画 調 整 部 門 の 集 約 に よ り 、県 の 産 業 政 策 等 の 整 合 性 の 確 保 や 研
究開発の連携を推進すること等の効果がより高められる。
し か し 、企 画 調 整 機 能 の 集 約 化 に は 留 意 が 必 要 で あ る 。農 業 、林
業 、畜 産 業 と そ れ ぞ れ 業 種 の 特 質 が あ り 、分 野 別 に 研 究 開 発 推 進 施
策 と の 整 合 性 を 図 っ て 研 究 開 発 等 を 行 っ て お り 、企 画 機 能 の 集 約 に
よりそれぞれの試験研究機関が果たしている機能が低下しないよ
う に 、ま た 混 乱 し な い よ う に 、選 択 と 集 中 の 観 点 か ら 各 機 関 の 戦 略
30
を調整する基準等の策定及び組織上の工夫が必要である。
な お 、各 試 験 研 究 機 関 を 監 査 し た 状 況 で は 、総 務・事 務 部 門 の 集
約は効率化に寄与するものであり、大きな問題はないと考える。
c 普及部門等との連携について
農業試験場では、本庁の経営普及課(現 農業経営課)の分室職
員 14 人 を 受 け 入 れ て( 平 成 17 年 4 月 1 日 か ら )専 門 普 及 班 と し て
試験研究部門と普及部門の連携を強化している。
「 最 終 案 」で は 、農 業 試 験 場 の 普 及 指 導 部 門 は 試 験 研 究 と 普 及 指
導 を 結 ぶ パ イ プ 役 と し て 、高 度 専 門 的 な 技 術 課 題 に 特 化 し 、通 常 の
普及指導課題や広域普及活動に係る業務は農林事務所に一元化す
る こ と と し て い る 。試 験 研 究 成 果 を 迅 速 か つ 的 確 に 現 場 に 普 及 さ せ
ていくために、適切な配置と考えられる。
こ の よ う に 、試 験 研 究 、普 及 、教 育 の そ れ ぞ れ の 機 能 を 縦 割 り で
行 う の で は な く 、そ の 弊 害 を 是 正 し 、連 携 を 図 っ て 県 の 農 業 を 総 合
的 に 支 援 す る と い う 方 向 で あ る 。そ れ ぞ れ の 機 能 が よ り 効 率 的 に 発
揮されるようにすべきである。
こ の た め に は 、組 織 統 合 後 の ビ ジ ョ ン( 目 的 や 展 望 )を 明 確 に す
る必要がある。
エ 環境保健研究センター、水産研究センター
( ア )環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー は 、健 康 危 機 管 理 や そ の 他 の 緊 急 事 例 に 係 る
試 験 検 査・調 査 研 究 を 通 じ て 県 民 の 安 心・安 全 な 生 活 に 貢 献 す る こ と
や 、信 頼 性 あ る 科 学 的 デ ー タ の 提 供 及 び 解 析 に よ り 行 政 処 分 等 行 政 活
動 の 根 拠 を 支 え る 業 務 等 の た め に 、分 析 レ ベ ル の 維 持 や 情 報 管 理 面 で
特 段 に 留 意 を 要 す る こ と な ど の 特 質 を 有 し て い る 。そ の 観 点 か ら す れ
ば 、当 面 、組 織 内 部 の 部 制 の 再 編 や 研 究 グ ル ー プ の 大 括 り 化 等 の 改 編
に 着 手 す る こ と は 、実 態 に 合 っ た 組 織 体 制 の 在 り 方 の 検 討 と 思 わ れ る 。
し か し 、長 期 的 に は 道 州 制 の 展 開 を 踏 ま え 、例 え ば 中 国 5 県 の そ れ
ぞ れ が 調 査 研 究 の 専 門 分 野 に 特 化 し 、役 割 分 担 を 明 確 に し た 上 で 連 携
を図り効率的な運営を目指すことを視野に入れ た 検 討 も 必 要 であ る 。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 果 た す べ き 使 命 ・ 役 割 や 業 務 実 態 等 を 踏 ま
え 、 組 織 名 称 を 「 環 境 保 健 セ ン タ ー ( 仮 称 )」 に 変 更 す る こ と が 示 さ
れている。
(イ)水産研究センター
a 「 最 終 案 」で は 、漁 業 調 査 船 に よ る 調 査 体 制 の 効 率 化 が 示 さ れ て
お り 、現 行 の 稼 動 状 況 を 踏 ま え 、く ろ し お 、第 2 く ろ し お の 運 航 体
制を見直すことにより、調査体制を効率化することとしている。
漁 業 調 査 船 の 過 去 5 年 間 の 運 航 状 況 は 、 平 成 13 年 度 の 稼 働 日 数
が 94 日 で あ る が 、平 成 17 年 度 は 62 日 で あ り 、年 々 減 少 し て い る 。
漁業調査船の稼働率は研究課題の内容によって大きく左右される
31
部 分 が あ る と い う こ と で あ り 、漁 業 調 査 船 の 運 航 を 効 果 的・効 率 的
に す る た め に 、研 究 課 題 の 評 価 制 度 の 運 用 状 況 及 び 漁 業 者 の ニ ー ズ
に 合 っ た 試 験 研 究 が 行 わ れ て い る か な ど を 検 証 す る 必 要 が あ る 。そ
の 結 果 を 踏 ま え 、漁 業 調 査 船 の 運 航 体 制 の 効 率 的 な 体 制 が 検 討 さ れ
る必要がある。
b 一 次 産 業 系 の 試 験 研 究 機 関 と の 連 携 に つ い て 、水 産 研 究 セ ン タ ー
が連携可能な分野は、森川海の連携に関わる試験研究、食品加工、
未 利 用 資 源 利 用 の 分 野 と い わ れ て い る が 、実 際 に 連 携 し て い る 課 題
は少ない。
し か し 、最 近 の 県 民 の 食 に 対 す る 安 心・安 全 に 配 慮 し た ニ ー ズ が
強 い こ と も あ り 、他 の 一 次 産 業 部 門 の 試 験 研 究 機 関 と の 連 携 に よ り
水 産 物 を 使 用 し た 食 品 開 発 研 究 を 目 指 し 、県 産 水 産 物 の 販 路 拡 大 に
貢献するようにすべきである。
オ 食品共同研究センター
(ア)設置
各 試 験 研 究 機 関 の 食 品 関 連 部 門 に お け る 相 互 の 連 携 を 強 化 し 、研 究
内 容 の 高 度 化 、研 究 機 器 の 効 率 的 活 用 、共 同 研 究 の 効 果 的 推 進 等 を 図
る た め 、 平 成 11 年 4 月 、 産 業 技 術 セ ン タ ー 内 に 「 食 品 共 同 研 究 セ ン
ター」が設置されている。
(イ)組織
産業技術センター
食品共同研究センター長
研 究 員 ( 10~ 20 名 )
(産業技術センター所長が兼務)
各試験研究機関の研究員から研究テー
マに応じて兼務発令
(ウ)業務概要
県 の 試 験 研 究 機 関 が 共 同 で 研 究 す る こ と が 効 率 的 、効 果 的 で あ る と
認められる食品に関する試験研究の実施
大 学 等 他 の 試 験 研 究 機 関 や 生 産 者 、民 間 企 業 と の 食 品 に 関 す る 共 同
研究の実施
(エ)研究成果及び利用の状況
a 研究課題数の推移は次のとおりである。
(単位:件)
課題数
技術移転等
平 成 13 年 度 平 成 14 年 度 平 成 15 年 度 平 成 16 年 度 平 成 17 年 度
4
2
4
4
4
技 術 移 転 (注 1)
特 許 出 願 (注 2)
2
2
( 注 1 ) 健 康 志 向 に 即 し た 低 脂 肪 畜 産 加 工 品 の 開 発 、「 西 都 の 雫 」 の 商 品 化
(注2)タケノコ(水煮)の加工方法の改善、低脂肪畜産加工品
32
上 記 の 研 究 課 題 数 の 推 移 に あ る よ う に 、研 究 成 果 の 事 業 化・製 品
化 の 件 数 は 十 分 で は な く 、試 験 研 究 機 関 の 見 直 し の 中 で 、産 業 技 術
センターに設置されている食品共同研究センターの在り方が検討
されている。
b 現在の運営の状況
・ 兼務職員による構成で専ら所属機関での研究が中心である。
・ 予算的に明確な位置づけがない。
・ 産 業 技 術 セ ン タ ー に 付 属 し た 形 に な っ て い る が 、現 状 は 情 報 交
換と一部機器等の使用の面で活用がなされているのみである。
( オ )こ の た び 試 験 研 究 機 関 の 各 現 場 で 聴 取 し た 状 況 な ど か ら 改 善 を 要 す
る点を要約すれば次のとおりである。
a 総合的観点
食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー の 研 究 に お い て 、研 究 成 果 の 事 業 化・製 品
化 を 図 っ て い く た め に は 、農 産 物 の 流 通・加 工 企 業 等 と の 連 携 が 必
要であり、積極的に連携・協力を進める必要がある。
「 や ま ぐ ち 食 と 緑 の プ ラ ン 2 1 」に も 、県 産 の 農 林 産 物 が 県 民 に
安 定 し て 供 給 さ れ る た め に 、流 通・加 工 関 係 者 と 農 林 業 者 な ど が 積
極 的 に 連 携・協 力 す る 取 組 み が 必 要 で あ る こ と が 盛 り 込 ま れ て い る
ところである。
b 食品共同研究センターの認知度を高める工夫が必要である。
地 産 地 消 を 進 め る と い う 県 の 施 策 に 基 づ き 、山 口 県 の 農 林 水 産 一
次 産 品 を 使 っ て 、新 規 特 産 品 の 開 発 を 行 っ て い る こ と を 、県 内 の 農
林水産事業者をはじめ加工業者及び消費者に向けてPRする必要
が あ る 。同 時 に 消 費 者 の 視 点 か ら ど の よ う な 特 産 品 を 求 め て い る か 、
ニーズをアンケートなどにより把握することも必要である。
c 食品共同研究センターの設置場所について
県 内 の 農 産 加 工 企 業 と 連 携 し 、加 工 企 業 か ら の 意 見 や 保 有 し て い
る 消 費 者 の ニ ー ズ を 把 握 し 、新 し い 食 品 加 工 の 技 術 開 発 に 反 映 さ せ
ることが必要である。そのためには、県内の農産加工企業等から、
原 材 料 確 保 の た め の 品 種 改 良 か ら 供 給 安 定 、加 工 技 術 の 開 発 ま で 一
貫した支援要望が農業系の試験研究機関にあるということであり、
現在産業技術センター内に食品共同研究センターは設置されてい
る が 、研 究 開 発 と 事 業 化 機 能 の 充 実 強 化 を 図 る 観 点 か ら 、食 品 共 同
研究センターの設置場所について検討する必要がある。
な お 、こ の た び の 外 部 監 査 で「 最 終 案 」が 公 表 さ れ る 前 は 、食 品
共同研究センターの設置場所について上記のような問題意識を有
し て い た が 、「 最 終 案 」 に お い て 、 食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー 機 能 の 再
編 が 示 さ れ 、問 題 は 解 消 さ れ る 内 容 と な っ て い る 。そ の 内 容 は 、一
次 産 業 部 門 の 試 験 研 究 機 関 の 再 編 の 中 で 、「 農 林 総 合 技 術 セ ン タ ー
( 仮 称 )」 内 に 、 農 業 ・ 畜 産 ・ 林 業 ・ 水 産 の 食 品 加 工 研 究 部 門 を 集
33
約・機 能 強 化 し た「 食 品 加 工 研 究 室 」が 設 置 さ れ 、産 業 技 術 セ ン タ
ー 内 に 設 置 さ れ て い る 食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー は 廃 止 と な り 、「 食 品
加 工 研 究 室 」が 食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー の 役 割 を 代 替 す る こ と に な っ
ている。
d 県と民間事業者の共同研究について
( a )事 業 化 す る に は 一 定 の 生 産 数 量 の 確 保 が 必 要 と な り 、そ の た め
に は 原 材 料 等 の 貯 蔵 の 問 題 が 発 生 す る 。安 全 管 理 の 面 か ら 冷 凍 庫
等 の 設 備 投 資 が 必 要 に な る 場 合 も 生 じ 、民 間 事 業 者 に と っ て は 投
資 が 必 要 と な る が 、収 益 の 実 現 は 不 透 明 で あ り 、投 資 リ ス ク が 大
きく事業化が進まないという状況がある。
こ れ ま で 低 脂 肪 ソ ー セ ー ジ の 開 発 で 、民 間 事 業 者 と の 共 同 研 究
の 例 が あ る と い う こ と で あ る 。今 後 は 、共 同 研 究 の 成 果 が 広 く 県
民 に 還 元 さ れ る も の で あ る か 十 分 評 価 を 行 い 、そ の 評 価 で 認 め ら
れ た も の に つ い て は 、民 間 事 業 者 の 負 担 を 軽 減 し 、事 業 化 を 進 め
る と い う 観 点 か ら 、県 と 民 間 事 業 者 と の 共 同 研 究 を よ り 進 め る こ
とが必要である。
( b )実 験 室 レ ベ ル で は 、製 品 化 が 可 能 と い う 結 果 が 得 ら れ て も 製 造
工程レベルで試作すると実験室レベルの結果が得られないとい
う こ と が 起 こ っ て い る 。こ の よ う な こ と を 避 け 、効 率 的 、効 果 的
な 研 究 技 術 開 発 を 行 う た め に 、こ れ ま で 、西 都 の 雫 の 開 発 で 民 間
事業者の技術シーズやノウハウ等を活用した実例があるという
こ と で あ る が 、( a ) と 同 様 、 民 間 事 業 者 と 共 同 な い し は 連 携 し
た 研 究 を 行 い 、民 間 事 業 者 の 技 術 シ ー ズ や ノ ウ ハ ウ 等 の 活 用 を よ
り進めることが必要である。
上 記 a ,b ,d は「 最 終 案 」が 公 表 さ れ る 前 の 意 見 を 記 載 し て い る
が 、「 最 終 案 」 で 示 さ れ て い る 「 食 品 加 工 研 究 室 」 は 食 品 共 同 研 究 セ
ン タ ー の 役 割 を 代 替 す る も の で あ り 、同 研 究 室 設 置 後 に お い て も 取 り
組みが必要である。
(7)行政コストについて
ア(ア)全般
行政コスト計算書の作成及び活用の状況を検討した。
現 状 、県 で は 行 政 コ ス ト 計 算 書 を 作 成 し て い る が 、分 析・評 価 の
段 階 に は な く 、行 政 活 動 の 効 率 性 を 判 断 す る 材 料 と し て 活 用 さ れ て
いない。
今後有効に活用するために、下記の点等に留意が必要である。
・ 経年比較をするために継続して行政コスト計算書を作成するこ
と。
・ 他 県 の 同 種 の 機 関 の 行 政 コ ス ト の デ ー タ を 入 手 し 、指 標 単 位 当
たり行政コスト計算書を作成し比較すること。
・ 行政活動の成果を定量的・定性的に評価する方法の検討。
34
( イ ) 平 成 17 年 度 の 各 試 験 研 究 機 関 の 行 政 コ ス ト 計 算 書
平 成 17 年 度 の 各 試 験 研 究 機 関 の 行 政 コ ス ト 計 算 書 は 、 県 が 、 内
容 の 分 か り や す さ や 、作 成 の 容 易 性 等 の 向 上 を 目 的 と し て 、い わ ゆ
る 総 務 省 方 式 の 作 成 マ ニ ュ ア ル に 準 じ た「 施 設 別 行 政 コ ス ト 計 算 書
作成マニュアル」に基づいて作成したものである。
平 成 17 年 度 の 各 試 験 研 究 機 関 の 行 政 コ ス ト 計 算 書 は 下 表 に 示 す
とおりである。
(単位:千円)
区分
人件費
人にかかる
コスト
センター
368,250
931,235
488,075
林業指導
水産研究
センター
センター
174,684
436,906
計
2,911,100
29,966
94,155
79,288
28,866
12,577
9,071
253,923
小計
541,916
462,405
1,010,523
516,941
187,261
445,977
3,165,023
241,802
10,391
131,545
1,852
210,051
6,051
189,585
3,222
58,036
2,042
120,401
46,442
951,420
70,000
29,672
215,247
35,654
34,216
16,477
84,196
415,462
281,865
348,644
251,756
227,023
76,555
251,039
1,436,882
2,253
2,253
小計
その他の
コスト
研究センター
農業試験場 畜産試験場
退職手当引当金繰入
減価償却費
移転にかかる
コスト
産業技術
511,950
物件費
維持修繕費
物にかかる
コスト
環境保健
補助費等
災害復旧事業費
1,207
公債費(利子のみ)
行政コスト総額
1,279
97,705
2,486
97,705
823,781
908,754
1,263,486
743,964
263,816
700,548
4,704,349
使用料・手数料等
7,203
25,727
45,786
128,232
14,052
19,101
240,101
国庫補助金
41,550
0
28,973
11,920
11,356
27,634
121,433
その他
行政コスト純額
0
775,028
35,621
847,406
0
1,188,727
0
603,812
1,409
236,999
0
653,813
37,030
4,305,785
平 成 17 年 度 の 試 験 研 究 機 関 全 体 の 行 政 コ ス ト 純 額 は 、 4,306 百
万円である。
<参考>
上 記 の 行 政 コ ス ト 計 算 書 は 歳 出・歳 入 の 金 額 に 下 記 の 調 整 が 加 え ら れ て
作成されている。
調整事項
・ 資 産 形 成 と な る 100 万 円 以 上 の 備 品 購 入 費 及 び 工 事 請 負 費 を 除 き 、
資産の減価償却費及び退職給与引当金繰入等の非資金支出を加え形
成 さ れ て い る 。( 退 職 給 与 年 間 増 加 見 積 額 の 計 算 は 外 部 監 査 人 が 一 部
補 正 し た 。)
・ 歳入から資産形成に係る国庫補助金収入を除き作成されている。
イ
行政コスト計算書の活用
県が作成した「施設別行政コスト計算書作成マニュアル」によれば、
行 政 コ ス ト 計 算 書 は 、「 企 業 に お け る 損 益 計 算 書 に 倣 っ た も の で あ り 、
35
人 的 サ ー ビ ス や 給 付 サ ー ビ ス な ど 、資 産 形 式 に つ な が ら な い 当 該 年 度 の
行政サービスの提供のために当該施設が行った活動内容について把握
す る た め の 報 告 書 で あ る 。こ れ に よ り 施 設 ご と の コ ス ト の 状 況 や コ ス ト
に 充 て ら れ た 使 用 料 、手 数 料 等 の 財 源 の 把 握 が 可 能 と な る 」と み て い る 。
し か し 、 全 般 の 箇 所 に 記 載 し た よ う に 、 平 成 17 年 度 の 行 政 コ ス ト 計
算 書 は 作 成 さ れ た だ け で あ り 、分 析 す ら さ れ て い な い の で 、以 下 外 部 監
査人が分析を行ったが、その内容は下記のとおりである。
(ア)県内の試験研究機関の比較
a 正規職員1人当たりの行政コストの分析
山口県内の試験研究機関ごとの正規職員数及び正規職員1人当
た り の 行 政 コ ス ト( 人 的 コ ス ト・物 的 コ ス ト )は 、下 の 表 に 示 す と
おりである。
(単位:千円、人、%)
区分
環境保健
産業技術
研究センター
センター
正規職員数
正規職員1人当たり
の行政コスト総額
正規職員1人当たり
の人的コスト
正規職員1人当たり
の物的コスト
農業試験場
畜産試験場
林業指導
水産研究
センター
センター
54 人
45 人
115 人
64 人
21 人
54 人
100% 15,255
100% 20,195
100% 10,987
100% 11,624
100% 12,563
100% 12,973
65.8% 10,035
50.9% 10,276
80.0%
8,787
69.5%
8,077 71.0%
8,917 63.7% 8,259
34.2%
38.4%
19.9%
2,189
30.5%
3,547 29.0%
3,645 35.8% 4,649
5,210
7,748
上記の表をみると、産業技術センターの正規職員1人当たり
の行政コストが試験研究機関の中では一番高い。原因は、正規
職 員 1 人 当 た り の 物 的 コ ス ト が 比 較 的 高 い こ と に あ る 。こ れ は 、
平 成 11 年 の セ ン タ ー 開 所 に よ る 施 設 等 の 建 築 、毎 年 の 機 器 整 備
により、減価償却費負担が大きくなったことが要因である。
b 正規職員1人当たりの人的コストと平均年齢との関係の分析
次 に 、平 成 17 年 度 に お け る 山 口 県 の 試 験 研 究 機 関 ご と の 正 規
職員1人当たりの人的コストと平均年齢との関係は、以下の表
に示すとおりである。
(単位:千円)
区分
環境保健
産業技術
研究センター
センター
林業指導
水産研究
センター
センター
農業試験場
畜産試験場
8,077
8,917
8,259
43.1 歳
42.5 歳
42.8 歳
正規職員1人当たりの
人的コスト
10,035
10,276
8,787
平均年齢
47.7 歳
42.2 歳
40.3 歳
上記の表をみると、産業技術センターの正規職員の平均年齢は
42.2 歳 で あ り 、 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー を 除 く 4 つ の 研 究 機 関 と ほ
ぼ 同 じ で あ る 。し か し 、環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー 、産 業 技 術 セ ン タ ー
を除く4つの研究機関平均の正規職員1人当たりの人的コストが、
36
人 に か か る コ ス ト 合 計 2,160,702 千 円 を 正 規 職 員 数 254 人 で 除 し て
8,507 千 円 と 算 出 さ れ る の に 対 し 、産 業 技 術 セ ン タ ー の 正 規 職 員 1
人 当 た り の 人 的 コ ス ト は 10,276 千 円 で あ り 、 1,769 千 円 も 高 い 結
果 と な っ て い る 。そ の 原 因 は 、下 表 に 示 す と お り 、正 規 職 員 数 に 占
める研究職員数の割合が高いことが理由の一つにある。
(単位:人、%)
区分
環境保健
産業技術
研究センター
センター
農業試験場
畜産試験場
林業指導
水産研究
センター
センター
研究職員数
47 人
40 人
73 人
23 人
8人
26 人
正規職員数
54 人
45 人
115 人
64 人
21 人
54 人
正規職員数に占める
研究職員数の割合
87.0%
88.9%
63.5%
35.9%
38.1%
48.1%
(イ)指標単位当たりの行政コストの分析
指 標 単 位 当 た り の 行 政 コ ス ト を 算 出 し て 、類 似 の 試 験 研 究 機 関 と 比
較 す る こ と に よ り 、当 試 験 研 究 機 関 の 特 徴 な ど の 分 析 が 可 能 に な る が 、
下 記 で は 成 果 指 標 と 考 え ら れ る も の を 取 り 上 げ た 。( 他 県 の 類 似 の 試
験 研 究 機 関 の デ ー タ が な い た め 比 較 し て い な い 。)
行 政 活 動 の 成 果 指 標 と し て 何 を 指 標 と す る か は 、こ れ か ら 検 討 が 重
ね ら れ る 必 要 が あ る が 、行 政 活 動 の 必 要 性 と あ る べ き 内 容・規 模 を 分
か り や す く 示 す た め に は 、成 果 を で き る だ け 定 量 化 し 、行 政 コ ス ト と
対比し分析する必要がある。
そ の た め に は 、試 験 研 究 機 関 ご と の 正 し い 成 果 指 標 を 設 定 し 、そ の
デ ー タ を 集 計 し て い く 体 制 を 整 え る 必 要 が あ る 。こ こ で は 、各 試 験 研
究機関における成果指標として単位指標の欄に記載したものを指標
として各試験研究機関の行政コストを算出した。
成果指標当たりの行政コストは下記のとおりである。
(単位:千円、円、時間、人、戸、経営体)
区分
環境保健
産業技術
研究センター
センター
農業試験場
畜産試験場
林業指導
水産研究
センター
センター
行政コスト総額
ヒトにかかるコスト
823,781 千円
541,916 千円
908,754 千円 1,263,486千円
462,405 千円 1,010,523千円
743,964 千円
516,941 千円
263,816 千円
187,261 千円
700,548 千円
445,977 千円
モノにかかるコスト
281,865 千円
348,644 千円
251,756 千円
227,023 千円
76,555 千円
251,039 千円
単位指標当たり行政
コスト
8,812 円
9,498 円
42,657 円
835,915 円
7,967 円
134,591 円
単位指標
(93,482 時間) (95,676 人)
検査時間
従業者数
(29,620 人)
基幹的農業
従事者数
(890 戸)
畜産農家数
(33,114 戸) (5,205経営体)
林業事業体数 海面漁業及養
殖業経営体数
な お 、 こ の 同 じ 単 位 指 標 を 使 っ て 平 成 17 年 度 の 行 政 コ ス ト か ら 平
成 12 年 度 の 行 政 コ ス ト を 平 均 や 推 定 値 を 用 い て 算 出 し て 単 位 指 標 当
37
た り 行 政 コ ス ト を 比 較 し た 結 果 、成 果 指 標 と し て 抽 出 し た 経 営 体 数 が
減 少 傾 向 に あ り 、成 果 指 標 単 位 当 た り の 行 政 コ ス ト は 高 く な っ て い る 。
(ウ)行政評価への活用について
県の財政が厳しい状況において、財政の効率化が求められており、
そ の た め に は 行 政 活 動 を 評 価 す る 行 政 評 価 は 必 要 で あ る 。そ の 行 政 評
価 が 適 切 に 行 わ れ る た め に は 、行 政 活 動 分 野 ご と の 正 確 か つ 客 観 的 な
コ ス ト の 把 握 ( 行 政 コ ス ト 計 算 書 の 作 成 ) と 、( イ ) で 記 載 し た よ う
に 行 政 活 動 の 成 果 を 定 量 的・定 性 的 に 評 価 す る 指 標 の 研 究 が 必 要 で あ
る 。な お 、行 政 評 価 の 目 的 は 効 率 性 の 判 断 の み で は な い が 、効 率 性 を
判 断 す る 場 合 の 材 料 と し て 、県 で 統 一 し た 基 準 に よ り 行 政 コ ス ト 計 算
書を作成し、行政評価に活用されることが望まれる。
38
第3 山口県環境保健研究センター
1 概要
(1)設置
山口県環境保健研究センターは、山口県環境保健研究センター条例
( 昭 和 62 年 山 口 県 条 例 第 2 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ 、 環 境 の 保 全 及 び
保 健 衛 生 に 関 す る 調 査 、研 究 等 を 行 い 、も っ て 生 活 環 境 の 保 全 及 び 健 康
の確保を図ることを目的としている。
(2)所在地
葵庁舎
山 口 市 葵 2 丁 目 5- 67
大 歳 庁 舎 山 口 市 朝 田 535
ホームページアドレス
http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/
(3)沿革
昭 和 33 年 3 月
昭 和 44 年 2 月
昭 和 45 年 4 月
昭 和 49 年 4 月
昭 和 62 年 4 月
平 成 11 年 4 月
平 成 12 年 3 月
衛生試験所、細菌検査所及び食品衛生検査室を統合
し、
「 山 口 県 衛 生 研 究 所 」と し て 県 庁 構 内 に 新 築 発 足
した。
現在地(山口市葵 2 丁目)に新築移転し機能の強化
を図った。
衛生部公害課に、テレメータ設置による大気汚染監
視網完成、中央監視局を県庁内に設置した。
衛生研究所の公害部門を分離し、山口市朝田に「山
口県公害センター」を新築独立させた。併せて大気
汚染中央監視局を公害センターへ移設した。
衛 生 研 究 所 と 公 害 セ ン タ ー を 統 合 再 編 し 、名 称 を「 山
口県衛生公害研究センター」として発足した。
山口県行政改革の一環として、名称を「山口県環境
保健研究センター」に改め、科制を廃止しグループ
制を導入した。
高度安全分析棟(ダイオキシン類分析棟)竣工。
(4)業務
① 環境の保全及び保健衛生に関する調査及び研究に関すること
② 環境の保全及び保健衛生に関する指導及び研修に関すること
③ 環境の保全及び保健衛生に関する情報及び資料の収集及び管理に
関すること
④ 環境の保全及び保健衛生に関する試験及び検査に関すること
⑤ 環境の保全のために必要な監視に関すること
39
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 54 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
(6)
総務課
(
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
企 画 情 報 室 (2)
所 長 (1)
次 長 (2)
生 物 学 部 (11)
(8)
理化学部
大気部
(12)
水質部
(12)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 平 成 18 年 度 と 同 数 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額等の推移
(単 位 : 千 円 、 人 )
区 分
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
研究職(金額)
(人数)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
39,356
5
7,871
40,280
5
8,056
39,821
5
7,964
45,684
5
9,137
43,796
6
7,299
408,840
47
399,064
48
388,639
47
385,817
47
382,576
47
8,699
8,314
8,269
8,209
8,140
9,464
2
9,800
2
9,809
2
9,921
2
5,369
1
4,732
4,900
4,905
4,961
5,369
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
共済費(正規職員)
86,973
84,437
80,651
80,615
80,209
正規職員計(金額)
(人数)
544,633
54
533,581
55
518,920
54
522,037
54
511,950
54
10,086
9,701
9,610
9,667
9,481
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
13,236
12,088
13,682
13,070
13,677
731
835
936
856
1,070
1 人当たり人件費
非常勤職員(金額)
(人数)
その他(金額)
共済費(非常勤・臨時等)
非常勤・臨時等計(金額)
13,967
12,923
14,618
13,926
14,747
合計(金額)
558,600
546,504
533,538
535,963
526,697
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
29
11
10
4
54
46.6
平成 17 年度
1
31
5
13
4
54
47.7
40
正 規 職 員 の 平 均 年 齢 は 、 5 年 間 で 1.1 歳 高 く な っ て い る 。
(7)主要施設の状況
(単位:㎡)
種別
区
分
面積(㎡)
種別
分
面積(㎡)
庁舎敷(葵庁舎)
2,363.62
事務所建(葵庁舎本館)
2,425.80
庁舎敷(葵庁舎)
庁舎敷(旧環境保健所)
1,475.51
2,344.09
雑屋建(動物舎)
車庫建(車庫及び倉庫)
146.50
50.40
庁舎敷(大歳庁舎)
6,434.00
事務所建(旧環境保健所)
道路敷(大歳庁舎)
115.00
車庫建(車庫)
県
県
建
土
有
有
物
地
計
6.17
庁舎敷 2 件
31.02
宅地
24 件
計
雑屋建(栄養実習室)
105.00
雑屋建(野犬抑留所)
11.49
車庫建(車庫)
43.64
事務所建(大歳庁舎本館)
357.89
車庫建(車庫)
167.23
雑屋建(渡り廊下)
21.00
雑屋建(排水処理管理棟)
31.50
計
223.76
校舎建
146.67
173.08
8,244.21
事務所建 10 戸
142.21
5戸
260.95
26.90
計
12,993.17
3,091.91
雑屋建(機械棟)
12,732.22
1件
1,390.60
81.50
事務所建(高度安全分析棟)
大気測定雑屋建 19 戸
借 用
借 用
山林
合計
注
区
169.11
合計
8,413.32
高度安全分析棟
本 施 設 は 、極 微 量 で 生 体 や 環 境 へ 大 き な 影 響 を 及 ぼ す ダ イ オ キ シ ン 類
を 測 定 す る た め 、高 性 能 の 分 析 装 置 を 備 え た ク リ ー ン な 分 析 室 を 備 え て
いる。
こ の た め 、本 施 設 は 機 密 性 の 高 い 負 圧 の 二 重 構 造 を 有 し て い る 。高 性
能 フ ィ ル タ ー や 活 性 炭 に よ る 給 排 気・排 水 処 理 対 策 を 講 じ た 分 析 棟 で あ
る。
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
5
5
5
5
9
手数料
10,924
10,743
9,599
6,849
7,143
預金利子
0
0
0
0
0
雑入
4
1
0
47
51
10,933
10,749
9,604
6,901
7,203
小計
41
当センター以外の調定分
収入合計
14,948
53,209
41,039
73,261
41,550
25,881
63,958
50,643
80,162
48,753
731
835
936
856
1,070
13,236
12,088
13,682
13,070
13,677
120
70
35
274
427
6,355
5,468
5,641
7,471
6,610
125,147
117,861
125,277
153,880
124,787
125,128
117,844
125,262
153,867
124,775
支出
共済費
賃金
報償費
旅費
需用費
一般需用費
19
17
15
13
12
役務費
委託料
食糧費
7,133
67,470
6,626
64,072
5,672
61,720
8,550
62,175
8,161
63,184
使用料及び賃借料
12,164
11,910
11,396
12,438
21,080
工事請負費
17,751
0
5,072
13,666
8,967
備品購入費
21,630
55,178
92,533
35,033
39,222
432
444
349
341
271
272,169
274,552
322,313
307,754
287,456
0
0
0
31,238
0
負担金補助及び交付金
小計
当センター以外の予算執行分
正規職員人件費
544,633
533,581
518,920
522,037
511,950
支出合計
816,802
808,133
841,233
861,029
799,406
収支差額
△ 790,921
△ 744,175
△ 790,590
△ 780,867
△ 750,653
(財務の状況の項目の説明)
※1 当センター以外の調定分
本 庁 で の 調 定 分 の 歳 入 で あ る 。( 国 庫 補 助 金 等 の 収 入 )
※2 当センター以外の予算執行分
本 庁 で の 予 算 執 行 分 で あ る 。( 施 設 の 工 事 費 等 の 支 出 )
※3 正規職員の人件費には共済費を含む。
※4 収支差額のマイナス金額
県の財政負担額である。
な お 、以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 の 箇 所 に 記 載 し た 財 務 の 状 況 に 該 当 す る
各項目は同じ内容であり、※4を除き記載は省略する。
42
2
監査結果
山 口 県 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー( 以 下「 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー 」と い う 。)
の 財 務 事 務 は 、以 下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基
づき、概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電柱・支線などの設置に係る土地使用、大気汚染物質広域監視
システム装置に係る建物使用などの行政財産使用料である。
(イ)監査手続
使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、 調 定 票 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定 収 納 状 況
一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い て 使 手 条 例 等 と 照 合 し た 。
(ウ)監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を受
け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 当 該 記 載 が な さ れ て い な か っ た 。そ の
他照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 手数料
(ア)概要
環境分析などに関する手数料で一般依頼検査がほとんどである。
(イ)監査手続
調 定 票 と 試 験 依 頼 書 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合
した。また手数料金額について使手条例と照合した。
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
ウ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
大気監視施設管理
34,499
各種試験検査
3,081
動物由来感染症情報分析体制整備
1,475
感染症流行予測調査
1,387
(イ)監査手続
国 庫 交 付 金 に つ い て は 、交 付 申 請 書 、交 付 決 定 通 知 書 、実 績 報 告
書、確定通知書などを閲覧した。
受 託 事 業 収 入 に つ い て は 、申 込 書 類 、決 裁 書 類 、委 託 契 約 書 、成
果報告書などを閲覧した。
43
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 に お い て 、次 の 歳 出 項 目 に 係 る 財 務 事 務 の 概
要が同じ場合、記載を省略している。
ア 共済費
(ア)概要
共 済 費 の 内 容 は 22 条 職 員 の 社 会 保 険 料 及 び 日 々 雇 用 職 員 の 労 働
者災害補償保険料である。
(イ)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書を照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
イ 報償費
(ア)概要
報 償 費 の 主 な 内 容 は 、委 員 会 や 運 営 協 議 会 の 開 催 費 用 、講 師 や ア
ド バ イ ザ ー に 対 す る 謝 礼 、日 本 周 辺 高 度 回 遊 性 魚 類 資 源 調 査 に 係 わ
る市場調査の謝金である。
(イ)監査手続
支出負担行為・支出票から任意に抽出し、実績報告書、支出伺、
支出票の保管状況及び資料間の整合性を確認した。また、支出負担
行為・支出票の合計額と歳出決算額調とを照合し、データの正当性
及び入力の正確性を確認した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
ウ 旅費
(ア)概要
旅 費 は 、職 員 等 が 公 務 に よ り 旅 行 す る 場 合 、そ の 旅 行 中 に 必 要 と
さ れ る 交 通 費 、宿 泊 料 等 の 経 費 に あ て る た め に 支 給 さ れ る 費 用 で あ
る。旅費には、普通旅費と水産研究センターの海事職に支給される
日額旅費がある。
(イ)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
44
記すべき事項はなかった。
エ 役務費
(ア)概要
役 務 費 の 主 な 内 容 は 、電 報 、電 話 料 、切 手 代 、保 守 料 、点 検 料 で
ある。
(イ)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 使用料及び賃借料
(ア)概要
使 用 料 及 び 賃 借 料 の 主 な 内 容 は 、高 速 道 路 使 用 料 、研 究 機 器 及 び
研究室の賃借料、システムプラント管理室の賃借料である。
(イ)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 1,000 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約
について過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
3,171
3,171
100.0%
A社
平成 14 年度
2,621
2,922
89.7%
B社
平成 15 年度
2,436
2,490
97.8%
B社
平成 16 年度
1,481
2,377
62.3%
C社
平成 17 年度
1,575
1,585
99.3%
C社
平成 13 年度
ガスクロマトグラ
平成 14 年度
フ質量分析装置
平成 15 年度
保守管理業務
平成 16 年度
(随意契約(2 号))
平成 17 年度
1,365
1,365
1,365
1,365
100.0%
100.0%
J社
J社
1,365
1,365
100.0%
J社
1,365
1,365
100.0%
J社
1,333
1,365
97.7%
J社
3,990
3,990
100.0%
N社
庁舎清掃業務
(指名競争入札)
高度分析用ガス
平成 13 年度
45
備考
クロマトグラフ
質量分析装置
保守管理業務
(随意契約(2 号))
平成 14 年度
3,990
3,990
100.0%
N社
平成 15 年度
3,990
3,990
100.0%
N社
平成 16 年度
3,990
3,990
100.0%
N社
平成 17 年度
3,885
3,990
97.4%
N社
大気汚染測定機器
保守管理
(平成 13 年度随意契
約(2 号),平成14年度
より指名競争入札)
平成 13 年度
37,800
37,989
99.5%
O社
平成 14 年度
35,847
35,861
99.9%
O社
平成 15 年度
35,280
36,168
97.5%
O社
平成 16 年度
34,965
36,111
96.8%
O社
平成 17 年度
33,894
34,965
96.9%
O社
平成 13 年度
大気汚染監視
平成 14 年度
データ処理系装置
平成 15 年度
保守管理
平成 16 年度
(随意契約(2 号))
平成 17 年度
2,746
2,746
100.0%
Q社
2,746
2,746
2,746
2,746
100.0%
100.0%
Q社
Q社
2,746
2,746
100.0%
Q社
2,746
2,746
100.0%
Q社
平成 13 年度
3,522
3,522
100.0%
R社
平成 14 年度
3,522
3,522
100.0%
R社
平成 15 年度
3,522
3,522
100.0%
R社
平成 16 年度
3,522
3,522
100.0%
R社
平成 17 年度
3,522
3,522
100.0%
R社
高度安全分析棟空調 平成 13 年度
設備等保守管理業務 平成 14 年度
(平成16 年度まで随 平成 15 年度
意契約(2 号),平成17 平成 16 年度
年度指名競争入札) 平成 17 年度
3,874
3,874
100.0%
T社
3,874
3,874
100.0%
T社
3,874
3,874
100.0%
T社
3,874
3,318
3,874
3,874
100.0%
85.6%
T社
U社
大気汚染監視
データ収集系装置
保守管理
(随意契約(2 号))
(注 )業 務 名 の 下 の 記 載 は 契 約 の 方 法 で あ り 、随 意 契 約 右 隣 の 号 数 は 、令 第 16 7 条 の 2( 随 意 契 約 )の
各 号 で あ る 。 ま た 、 令 第 16 7 条 の 2 に つ い て 、 平 成 16 年 度 よ り 改 正 に な っ て い る こ と か ら 、 そ れ ま
で の 随 意 契 約 ( 4 号 ) が (6 号 )と な っ て い る 。表 に お い て は 、改 正 後 の 随 意 契 約 (6 号 )で 表 現 し て い る 。
他の機関における記載も同様である。
イ
監査手続
業務委託、営繕工事等に係る契約について、会計規則等に従って、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
契約に関する手続及び契約形態について特記すべき事項はなかっ
た。
エ
意見
庁 舎 清 掃 業 務 に つ い て は 、平 成 14 年 度 及 び 平 成 16 年 度 に 業 者 が 代
わ り 契 約 金 額 も 大 き く 下 落 し て い る 。ま た 、大 気 汚 染 測 定 機 器 保 守 管
46
理 業 務 及 び 高 度 安 全 分 析 棟 空 調 設 備 等 保 守 管 理 業 務 に お い て は 、随 意
契約2号から指名競争入札に変更した年度に契約金額の下落がみら
れ る 。こ の こ と か ら も 、単 独 随 意 契 約 で は な く 競 争 入 札 の ほ う が 競 争
原 理 が 働 き 、コ ス ト 面 で 有 利 で あ る こ と が 分 か る 。今 後 も 、単 独 随 意
契約ではなく競争入札に変更できる業務がないか検討していくこと
が必要である。
(4)物品購入に関する財務事務
ア 概要
物 品 の 取 得 に つ い て は 、物 品 規 則 及 び 会 計 規 則 に 基 づ い て 手 続 き が
行われる。
一 般 に は 、課 長 等 は 、物 品 購 入 決 議 書 に よ り 決 裁 を 行 い 、決 裁 の 後 、
物 品 購 入 契 約 締 結 伺 書 に よ り 契 約 締 結 の 決 裁 を 受 け る 。そ の 後 、物 品
の給付の完了の確認に基づき物品検査調書により課長等へ通知する。
( 150 万 円 を 超 え な い も の で あ る と き は 、検 査 職 員 が 請 求 書 等 に 検 査
済みの旨を記載し記名押印して物品検査調書に代えることができ
る 。) そ の 後 、 課 長 等 は 物 品 購 入 契 約 締 結 伺 書 を 回 付 し 出 納 員 に 受 入
れ の 通 知 を 行 う 。出 納 員 は 、当 通 知 を 受 け た と き は 、直 ち に 購 入 契 約
の 相 手 方 か ら 物 品 の 引 渡 し を 受 け る 。物 品 が 指 定 物 品 で あ る と き に は 、
指定物品取得報告書により課長等から知事へ報告を行う。
な お 、以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 に お い て 、物 品 購 入 に 関 す る 財 務 事
務の概要は同様のため、概要の記載を省略している。
イ
監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に 当 た り 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
ウ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 知的財産権の定義・出願手続・実施許諾・処分について
こ の 項 は 、試 験 研 究 機 関 に お い て 同 様 で あ る た め 、こ の 箇 所 に 記 載
し、環境保健研究センター以外では記載を省略している。
(ア)定義
知 的 財 産 基 本 法 ( 平 成 14 年 法 律 第 122 号 ) 第 2 条 に お い て 、 知
的財産及び知的財産権は、次のように定義されている。
47
「 知 的 財 産 」と は 、発 明 、考 案 、植 物 の 新 品 種 、意 匠 、著 作 物 そ
の 他 の 人 間 の 創 造 的 活 動 に よ り 生 み 出 さ れ る も の( 発 見 又 は 解 明 が
さ れ た 自 然 の 法 則 ま た は 現 象 で あ っ て 、産 業 上 の 利 用 可 能 性 が あ る
も の を 含 む 。)、商 標 、商 号 そ の 他 事 業 活 動 に 用 い ら れ る 商 品 又 は 役
務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上
又は営業上の情報をいう。
「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、
著 作 権 、商 標 権 そ の 他 の 知 的 財 産 に 関 し て 法 令 に よ り 定 め ら れ た 権
利又は法律上保護される利益に係る権利をいう。
ま た 、同 法 第 6 条 に お い て は 、地 方 公 共 団 体 の 責 務 と し て「 地 方
公 共 団 体 は 、基 本 理 念 に の っ と り 、知 的 財 産 の 創 造 、保 護 及 び 活 用
に 関 し 、国 と の 適 切 な 役 割 分 担 を 踏 ま え て 、そ の 地 方 公 共 団 体 の 区
域 の 特 性 を 生 か し た 自 主 的 な 施 策 を 策 定 し 、及 び 実 施 す る 責 務 を 有
す る 。」 と 規 定 さ れ て い る 。
知 的 財 産 権 の う ち 、特 許 権 、実 用 新 案 権 、意 匠 権 、商 標 権 の 4 つ
が 産 業 財 産 権 と い わ れ 、特 許 庁 が 所 管 を 行 っ て い る 。権 利 の 保 護( 権
利 )期 間 に つ い て は 、法 改 正 に よ り 出 願 時 で 異 な る が 、現 在 の 産 業
財産権の種類別の保護(権利)期間は次のとおりとなっている。
種
類
保護(権利)期間
特許権
出願から 20 年
実用新案権
意匠権
出願から 10 年
登録から 15 年
商標権
登録から 10 年(更新が可能)
(イ)特許権の出願手続
山 口 県 で は 、 職 員 が 職 務 発 明 を 行 っ た 場 合 に は 、「 職 員 の 職 務 発
明等に関する規程」
( 平 成 元 年 3 月 30 日 山 口 県 訓 令 第 2 号 最 終 改
正 平 成 18 年 3 月 14 日 山 口 県 訓 令 第 1 号 )、
「職員の職務発明等に関
する事務取扱要領」
( 平 成 元 年 4 月 1 日 管 財 第 59 号 最 終 改 正 平 成
16 年 3 月 10 日 付 管 財 第 621 号 ) に よ り 、 手 続 が 行 わ れ る 。
(ウ)実施許諾について
特 許 権 等 の 権 利 に つ き 、県 と 権 利 等 を 共 有 す る 者 が そ の 権 利 を 利
用 す る 場 合 、あ る い は 県 が 単 独 で 保 有 す る 権 利 の 利 用 を 希 望 す る 者
がいる場合、
「県有特許等の実施許諾に関する事務取扱要領」
(平成
元 年 4 月 1 日 管 財 第 60 号 ) に 基 づ き 、 実 施 許 諾 に 関 す る 契 約 が 結
ばれる。
契 約 が 締 結 さ れ た 場 合 、県 は 、実 施 権 者 に 毎 年 定 期 に 実 施 状 況 報
告書を提出させるとともに実施料を徴収する。実施料については、
「実施料算定基準」により算定される。
48
(エ)特許権等の処分にかかる手続
特 許 権 に つ い て は 、出 願 後 、そ の 利 用 の 促 進 を 図 る こ と が 重 要 と
な る 。し か し な が ら 、権 利 の 出 願 後 、利 用 が 行 わ れ ず 、ま た 、将 来
も 利 用 さ れ る 見 込 み が な い 場 合 に は 、権 利 を 維 持 す る 費 用 の み 発 生
することとなる。このような場合は、特 許 権等 の 処 分 が 行 わ れる 。
処分に当たっては、
「県有特許権等の処分事務取扱要領」
(平成4
年 9 月 1 日 管 財 第 268 号 ) に 基 づ き 手 続 が 行 わ れ る 。
イ
概要
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー は 、保 健 環 境 行 政 を 主 な 業 務 と し て お り 、産
業に関する研究開発を主な業務としていないことから知的財産権の
取 得 は 通 常 行 っ て い な い 。過 去 10 年 間 は 平 成 17 年 度 に 特 許 権 1 件 の
出願があるのみである。
過 去 10 年 間 の 出 願 ・ 取 得 ・ 許 諾 の 状 況
(単位:件)
保有件数
過去 10 年間の実績(平成 7 年度~平成17 年度)
平成 7 年度末 平成 17 年度末 出願件数 権利取得件数
処分
実施許諾件数 実施料収入累計
特許権
0件
0件
1件
0件
0件
0件
― 円
実用新案権
0件
0件
0件
0件
0件
0件
― 円
平 成 17 年 度 に 出 願 し た 特 許 権 は 、
「マグネシウム化合物及びその製
造 方 法 並 び に そ れ を 用 い た ラ ン 藻 類 除 去 方 法 及 び 汚 水 処 理 方 法 」と な
っ て い る 。こ の 特 許 は 、マ グ ネ シ ウ ム 化 合 物 を 用 い て 、ア オ コ や 赤 潮
の 回 収 、浚 渫 や 土 地 開 発 に 伴 う 濁 度 の 除 去 及 び 畜 産( 豚 舎 )排 水 、食
品排水等の高濃度のリン、窒素を除去することができるものであり、
県 内 の 湖 沼 、溜 め 池 等 の 環 境 の 改 善 に 役 立 つ も の で あ る 。こ の 研 究 は 、
平 成 18 年 度 の 公 設 試 験 研 究 機 関 連 携 の 事 業 と し て 産 業 技 術 セ ン タ ー
と共同研究を行う計画となっている。
ウ
エ
監査手続
特許権の取得手続が適切に行われているか検証した。
監査結果
「 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 規 程 」「 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 事
務取扱要領」に従っており、特記すべき事項はなかった。
(6)公有財産の管理
ア 概要
公 有 財 産 と は 、地 方 公 共 団 体 の 所 有 す る 財 産 の う ち 次 に 掲 げ る も の
( 基 金 に 属 す る も の を 除 く 。) を い う 。( 法 第 238 条 第 1 項 )
① 不 動 産 ② 船 舶 、浮 標 、浮 桟 橋 及 び 浮 ド ッ ク 並 び に 航 空 機 ③ 前
49
2 号 に 掲 げ る 不 動 産 及 び 動 産 の 従 物 ④ 地 上 権 、地 役 権 等 の 用 益 物 件
⑤ 特 許 権 、著 作 権 等 の 無 体 財 産 権 ⑥ 株 式 、社 債 等 の 有 価 証 券 ⑦ 出
資に係わる権利 ⑧不動産の信託の受益権
山 口 県 に お い て は 、 公 有 財 産 規 則 ( 昭 和 39 年 山 口 県 規 則 第 56 号 )
を定めている。
な お 、以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 に お い て は 、公 有 財 産 の 管 理 の 概 要
は同様のため、概要の記載を省略している。
イ 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われていることを確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
ウ
エ
監査結果
特記すべき事項はなかった。
意見
未利用財産(遊休資産)は次のとおりである。
旧 環 境 保 健 所 で あ っ た 庁 舎 敷 ( 面 積 2,344.09 ㎡ )
事 務 所 建 ( 旧 環 境 保 健 所 )( 面 積 1,390.60 ㎡ )
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー と し て 利 用 の 必 要 性 が 特 に な く 、耐 震 性 も 十
分 で な い こ と か ら 、普 通 財 産 と し て 管 財 課 へ 所 管 を 移 し 、利 活 用 を 検
討する必要がある。
( 総 務 部 で 利 用 を 検 討 す る こ と と し て 、平 成 18 年
11 月 総 務 部 へ 所 管 替 え し て い る 。)
(7)物品管理
ア 概要
物 品 と は 、地 方 公 共 団 体 の 所 有 に 属 す る 動 産( 現 金 及 び 公 有 財 産 又
は 基 金 に 属 す る も の を 除 く 。) 及 び 地 方 公 共 団 体 が 使 用 の た め に 保 管
す る 動 産( 政 令 で 定 め る 動 産 を 除 く 。)を い う 。
( 法 第 239 条 第 1 項 令
第 170 条 )
山 口 県 に お い て は 、物 品 規 則( 昭 和 39 年 山 口 県 規 則 第 57 号 )を 定
め、同規則第5条において、物品を備品、消耗品、動物、原材料品、
生 産 品 、燃 料 、不 用 品 及 び 借 入 品 に 区 分 し て 整 理 す る も の と し て い る 。
な お 、以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 に お い て 、物 品 管 理 に 関 す る 概 要 は
同様のため、概要の記載を省略している。
イ 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
50
状況と現物との関係を確認した。
( イ )試 験 研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ
て い る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い
るかを確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続が適切であるかどうか検証した。
ウ 監査結果
(ア)備品の管理について
任 意 に 抽 出 し た 備 品 に つ い て 、管 理 簿 と 物 品 標 示 票 が 相 違 し て い
た 。原 因 は 不 明 で あ る が 、実 地 棚 卸 し を 行 っ て い れ ば 判 明 し て い た
と思われるものである。
理 化 学 部 ク ロ マ ト グ ラ フ 分 析 装 置( 取 得 平 成 14 年 12 月 13 日 )
管理簿上の番号
149( 誤 )
物品標示票の番号
147( 正 )
(イ)廃棄手続
a 物 品 規 則 第 45 条 に 定 め る 不 用 の 決 定 漏 れ の 機 器
以下のものは更新により新機器を導入したことや大気部の測
定 関 係 の 業 務 が 休 止 さ れ た こ と に よ り 、長 期 間 使 用 が な い も の で
あ り 、今 後 使 用 の 見 込 み が な く 不 用 の 決 定 を す べ き で あ る が 、そ
の手続きが漏れていた。
大気部
ガ ス 分 析 装 置 (等 速 吸 引 装 置 )1 台 取 得 金 額 2,827 千 円
測定局にあるテレメータ備品
受信装置
2 台 取 得 金 額 計 21,647 千 円
直 流 電 源 装 置 2 台 取 得 金 額 計 7,193 千 円
水質部
流 速 計 (超 音 波 流 向 流 速 計 )1 台 取 得 金 額 5,923 千 円
分 光 光 度 計 1 台 取 得 金 額 2,100 千 円
b 物品廃棄決議書の決裁日の記載漏れが2件あった。
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー に お い て は 、各 種 の 研 究 、分 析 等 を 行 う た め
に 必 要 な 薬 品 を 購 入 、保 管 し て い る 。薬 品 の 中 に は 、毒 物・劇 物 に 該
当するものがあり、適切な管理が求められる。
管 理 に つ い て は 、「 毒 物 劇 物 の 管 理 等 の 取 扱 内 規 」 及 び 「 毒 物 劇 物
の管理等の取扱要領」が定められている。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 に つ い て 、購 入 か ら 保 管 、使 用 及 び 点 検 に つ い て 、管 理
51
状 況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 の 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の
視察、薬品使用簿と現物との照合、薬品の点検状況の確認を行った。
照合に当たっては、各資料を通査の上、任意に抽出した。
ウ 監査結果
(ア)生物学部
特記すべき事項はなかった。
(イ)理化学部
a 薬品出納簿と薬品使用簿について
物 品 規 則 第 36 条 第 3 項 に お い て 、 出 納 員 等 は 、 薬 品 出 納 簿 に 物
品 の 交 付 の 請 求 を し た 職 員 の 受 領 印 を 徴 し 、当 該 職 員 に 対 し 、当 該
物 品 の 引 渡 し を し な け れ ば な ら な い と 規 定 さ れ て お り 、薬 品 出 納 簿
は 出 納 員 等 が 管 理・作 成 す べ き も の で あ る が 、実 際 に は 理 化 学 部 の
担当者が作成していた。
b 現物確認について
使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 を 行 っ た が 、理 化 学 部 に つ い て 不 一 致 が 3
件あった。
薬品名
アセトニトリル
トルエン
農薬混合標準液 34
使用簿
現物
未開封1(3ℓ)
開封 1,495.6g
未開封1(3ℓ)
開封 3,447.0g
未開封2本(6ℓ)
開封 2,368.0g
8A(アンプル)
未開封2本(6ℓ)
開封 2,437.7g
7A(アンプル)
こ の う ち 農 薬 混 合 標 準 液 1 件 は 、使 用 時 に 記 帳 さ れ て い な か っ た 。
c 薬品の点検表の所長の承認について
棚卸時には点検表を作成し管理責任者である所長の承認を受け
て い る 。し か し な が ら 、平 成 18 年 3 月 31 日 の 点 検 表 の う ち 、管 理
状 況 、帳 簿 記 入 状 況 、廃 棄 状 況 の 記 載 が な い に も 拘 わ ら ず 、点 検 者
及 び 所 長 の 承 認 印 の あ る も の が 1 件 あ る 。ま た 、管 理 責 任 者 職 氏 名
欄 に 所 長 の 名 前 の 記 入 及 び 押 印 が あ る が 、所 長 の 名 前 は 点 検 者 が 記
入 し て い る と の こ と で あ る 。こ れ は 所 長 本 人 が 記 入 す べ き も の で あ
る。
(ウ)水質部
a 薬品出納簿について
薬 品 出 納 簿 は 平 成 16 年 度 ま で は 記 帳 し て い る が 、 そ れ 以 降 は 記
帳せず、代わりに市販のノートに出納員が記録している。
b 薬品使用簿について
P C B の 使 用 状 況 に つ い て 、年 度 末 の 現 物 検 査 時 に 使 用 の 記 載 し
たものはあったが、継続して記録するための使用簿ではなかった。
52
今後、継続記録としての使用簿の作成を検討する必要がある。
c 現物との照合
使用簿と現物との照合の結果、不一致の毒物・劇物がある。
薬品名
ふっ化水素酸HF
使用簿
未開封4
開封1・・・229g
(3 月 31 日現在の重量)
現物
未開封4
開封2・・・229g
572.15g
(エ)大気部
特記すべき事項はなかった。
(オ)葵庁舎の廃棄物管理について
a 廃棄物管理に関する内規では、廃棄物を保管庫に搬入した場合、
廃 棄 物 担 当 責 任 者 は 、「 特 管 産 廃 等 搬 入 報 告 書 」 を 廃 棄 物 管 理 責 任
者 へ 提 出 す る と と も に 、そ の 写 し を 保 管 容 器 に 貼 付 す る 。ま た 、廃
棄 物 管 理 責 任 者 は 、「 特 管 産 業 廃 棄 物 等 保 管 帳 簿 ・ 月 報 」 を 総 務 課
長 へ 提 出 す る こ と と な っ て い る 。し か し 、
「特管産廃等搬入報告書」
は 保 管 容 器 に は 貼 付 さ れ て お ら ず 、「 特 管 産 業 廃 棄 物 保 管 帳 簿 ・ 月
報」も総務課長に提出されていない状況があった。
b 「 理 化 学 部 不 用 試 薬 一 覧 」 に 記 載 の な い 廃 棄 物 ( ポ リ 缶 5 ℓ以
上)があり、内容も不明であった。
エ 意見
(ア)薬品の数量管理について
毒 物 は 数 量 単 位 で 管 理 し て い る が 、劇 物 は 容 器 単 位 で 管 理 し て い る 。
し た が っ て 、劇 物 は 、一 つ の 容 器 が な く な っ て 初 め て 使 用 簿 に 記 帳
さ れ る 。容 器 単 位 で は な く 、使 用 し た 都 度 の 数 量 で 管 理 す る こ と が 必
要である。
(イ)薬品の開封について
薬 品 の 開 封 に つ い て 、同 じ 薬 品 で 複 数 開 封 さ れ て い る 薬 品 が み ら れ
た 。複 数 開 封 せ ず 、薬 品 の 管 理 上 、1 本 封 を 切 っ た ら 使 い 切 っ て 次 の
1本の封を切ることが必要である。
(ウ)長期間未使用の薬品について
理 化 学 部 に 保 管 し て い る 毒 物・劇 物 に つ い て 、過 去 7 ~ 8 年 間 使 用
し て い な い も の が み ら れ る 。必 要 時 に 入 手 に 時 間 が か か る も の が あ り 、
緊 急 時 に 備 え 常 備 し て い る も の も 多 い と の こ と で あ る が 、一 度 見 直 し
も必要である。
ま た 、 1 F の 理 化 学 部 薬 品 庫 に は 、 平 成 11 年 度 以 降 、 全 く 使 用 し
て い な い も の が 多 く み ら れ た 。不 用 薬 品 の 管 理( 廃 棄 の 必 要 性 )に つ
いて検討が必要である。
(エ)使用期限切れ薬品について
セ レ ン 標 準 液 72mg の 使 用 期 限 は 昭 和 65 年 11 月 、 セ レ ン 標 準 液
53
(1000ppm)MLK9234① 99mg に つ い て は 、 2004 年 7 月 で 期 限 切 れ と な っ
て い る 。内 規・取 扱 要 領 に は 、期 限 切 れ の 薬 品 の 取 扱 い に つ い て の 記
載がないことから、その取扱いについて改訂する必要がある。
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)概要
書 類 の 発 送 等 の た め に 郵 便 切 手 、は が き 等 を 保 有 し 、ま た 受 払 い
残高管理のために出納簿を作成している。
な お 、以 下 5 つ の 試 験 研 究 機 関 に お い て 、郵 便 切 手 等 に 関 す る 財
務事務の概要は同様のため、概要の記載を省略している。
(イ)監査手続
切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の 有 無
や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を 行 っ
ているかを確認した。
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
を照合した。
(イ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
54
3
組織及び運営に関する意見
環境保健研究センターの組織及び運営の合理化に資すると考える事項
を意見として記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の現状と改善点
ア 検査業務について
( ア )本 庁 関 係 各 課 等 か ら の「 試 験 検 査 等 行 政 依 頼 業 務 」が 全 体 の 予 算
の 管 理 費 を 除 い た 金 額 に 占 め る 割 合 は 、 平 成 15,16,17 年 度 と も に
約 96% で あ り 、 一 般 依 頼 検 査 を 含 め る と 予 算 の ほ と ん ど が 検 査 業
務に使用されている。
なお、試験検査の3年間の推移は次のとおりである。
(単位:件、%)
生物学部
行政依頼
平成15 年度
一般依頼
計
行政依頼
平成16 年度
一般依頼
計
行政依頼
平成17 年度
一般依頼
計
理化学部
大気部
水質部
合計
件数
10,472
387
7,242
1,269
19,370
構成割合
89.1%
57.6%
100.0%
70.2%
90.2%
件数
1,283
285
3
539
2,110
構成割合
10.9%
42.4%
0.0%
29.8%
9.8%
件数
11,755
672
7,245
1,808
21,480
構成割合
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
件数
6,133
362
4,779
1,040
12,314
構成割合
91.9%
70.8%
100.0%
68.6%
91.4%
件数
537
149
0
477
1,163
構成割合
8.1%
29.2%
0.0%
31.4%
8.6%
件数
6,670
511
4,779
1,517
13,477
構成割合
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
件数
3,534
357
4,530
791
9,212
構成割合
83.3%
75.8%
100.0%
60.1%
87.2%
709
114
0
526
1,349
構成割合
16.7%
24.2%
0.0%
39.9%
12.8%
件数
4,243
471
4,530
1,317
10,561
構成割合
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
件数
(イ)依頼試験検査業務
a こ れ ま で の 依 頼 試 験 検 査 業 務 に つ い て 、試 験 検 査 機 能 を 有 す る
5健康福祉センターとの役割分担の明確化及び一部移管の経緯
・平 成 4 年 11 月 2 日 付 医 務 環 境 第 1144 号「 試 験 検 査 業 務 分 担 表
(第1次改訂版)の策定について」
・ 平 成 11 年 9 月 29 日 付 厚 政 第 1055 号 県 民 生 活 第 436 号 「 試 験
検査業務の環境保健研究センターから健康福祉センターへの
移管について」
・ 平 成 15 年 3 月 17 日 付 厚 政 第 1499 号 県 民 生 活 第 701 号 「 試 験
検査業務の環境保健研究センターから健康福祉センターへの
一部移管について」
55
こ れ 等 の 5 健 康 福 祉 セ ン タ ー に 、さ ら に 試 験 検 査 業 務 の 移 管 の 可
能 性 に つ い て は 、施 設 や 機 器 の 整 備 及 び 人 的 増 員( 能 力 向 上 を 含 め
て )を 行 え ば 不 可 能 で は な い と い う こ と で あ る 。し か し 、検 査 需 要
の 問 題 、コ ス ト の 問 題 、試 験 検 査 機 能 が 集 約 化 の 方 向 に あ る な ど の
問 題 点 が あ げ ら れ て お り 、環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー と 健 康 福 祉 セ ン タ
ーのそれぞれの役割分担を明確にした上で連携を図り、県民の安
心・安全の確保を前提に効率化を図る必要がある。
b 環境保健研究センターの依頼検査の外部委託について
本 庁 の 依 頼 課 が 、法 律 の 根 拠 等 を 基 に 外 部 委 託 が 可 能 と 判 断 し
た件数は次のとおりである。
(単位:件)
部
調査の種類
事業名
生物学部
行政依頼検査
一般依頼検査
理化学部
大気部
一般依頼検査
一般室内環境検査
委託可能なものはない
水質部
行政依頼検査
感染症予防対策
食品等細菌検査
廃棄物関連調査
平成 17 年度件数
委託先
1,499 件
373 件 民間試験検査機関
0 件 民間試験検査機関
63 件 民間試験機関
な お 、過 去 に お け る 民 間 委 託 の 状 況 で 水 質 部 関 連 業 務 に お け る
民間委託の実績は次のとおりである。
・ゴルフ場農薬検査
・地下水汚染地区モニタリング調査
・瀬戸内海広域一斉調査
・りん排出量調査
・公共用水域水質調査(生活環境項目、健康項目等)
現 状 で は 、ル ー チ ン 業 務 の 民 間 委 託 は 、民 間 受 託 業 者 が 毎 年 代
わ り 調 査 結 果 が 安 定 し な い と い う 理 由 で 委 託 さ れ て い な い が 、調
査 に 必 要 な デ ー タ の 種 類 や 基 準 の 枠 を 示 す こ と に よ り 、受 託 業 者
が 異 な っ て も 統 一 的 な 調 査 や デ ー タ 管 理 が で き な い か 検 討 し 、本
庁事業課と連携し民間委託をより進める必要がある。
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー で は 、民 間 検 査 機 関 が で き な い 依 頼 検 査
や行政検査について実施することが基本であり、効率化の観点、
ま た 民 業 圧 迫 を 避 け る こ と か ら も 、県 民 の 安 心・安 全 に 配 慮 し つ
つ、外部委託を進めることを検討する必要がある。
c 検査分析の方法等の改善
検 査 の 方 法 は 、法 律 、通 知 等 で 定 め ら れ て い る も の は 簡 素 化 で
き な い 。こ の た め 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー で 考 え て い る 効 率 化 の た
めの対策は次のとおりである。
・検査に長時間を要する旧来型の検査機器の更新
56
・一括検査の実施による所要時間の短縮
・過去の検査成績のデータベース化とその活用
・効率的な検査作業の分担
イ 調査研究業務について
(ア)ルーチン業務のスリム化・効率化
環境保健研究センターの設置目的から依頼検査等ルーチン業務は
必 須 で あ り 、業 務 量 の 大 部 分 を 占 め 、時 間 的 に も 予 算 的 に も 厳 し い も
のとなっている。
ま た 、ル ー チ ン 業 務 を 効 率 的 に 行 う た め に 、各 業 務 ご と に 分 析 技 術
や 作 業 分 担 の 効 率 化 を 心 掛 け て お り 、さ ら に 効 率 化 す る た め に は 最 新
の 機 器 の 導 入 が 不 可 欠 と い う こ と で あ る が 、よ り 適 切 な 機 器 の 整 備 計
画が必要である。
(イ)研究及び評価制度
a 研究課題は、ほとんどが継続事業である。
主な研究課題は次のとおりである。
・ フグ毒等に関する研究
・ 感染症及び食中毒に関する行政支援のための検査技術の開発と
基礎研究
・ 農産物中の残留農薬一斉分析手法の研究
・ 酸性成分の空間分布調査
・ 水生植物(葦)の有効利用
b 研究実績の推移
研究実績の推移表
(単位:件)
年度
前年持越
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
8
b
8○
新規
5
b
8○
e
a○
1○
完了
c
5○
f
1○
4
中止
e
14○
d
1○
休止
課題結合による減
次年度へ継続
(うち継続課題として評価)
8
14
11
-
13
7
57
c
研究課題の評価の実施状況
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
事前評価
内部
a
1○
中間評価
外部
内部
a
1○
b
13○
3
e
10○
外部
b
7○
e
7○
内部
1c
○
f
1○
外部
c
1○
f
1○
事後評価
追跡評価
3
内部
―
―
外部
―
―
d
研究課題の評価と研究実績の関係
a から○
f は研究実績の推移表と研究課題の評価の実施状況
表の○
との関係を示している。
a 平 成 16 年 度 事 前 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 ) 1 件 は 平 成 17 年 度 の
○
新規着手分 1 件を評価している。
b 平 成 16 年 度 中 間 評 価( 内 部 評 価 )13 件 は 、平 成 16 年 度 持 込 分
○
8 件 と 平 成 16 年 度 新 規 課 題 8 件 の う ち 5 件 と 評 価 を し 、3 件 評 価
をしていない。
外 部 評 価 は 「 内 部 評 価 委 員 会 」 の 決 定 に よ り 13 件 の う ち 7 件
を評価している。
c 平 成 16 年 度 の 事 後 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 ) 1 件 は 平 成 15 年 度
○
完了分 5 件のうち 1 件のみ評価を行っている。4 件は評価をして
いない。
d
○
平 成 16 年 度 の 研 究 中 止 1 件 は 希 少 種 に お け る 生 息 環 境 の 保 全
に関する調査研究であり、廃止につき事後評価の対象としていな
い。
e
○ 平 成 17 年 度 の 中 間 評 価( 内 部 評 価 )10 件 は 、持 越 課 題 14 件 と
平 成 17 年 度 新 規 1 件 の う ち 10 件 評 価 を 行 い 、 5 件 は 事 業 に 付 随
した課題等のため、事後評価のみ実施するなどの理由により評価
をしていない。
外部評価は「内 部 評価 委 員 会 」 の 決 定 によ り 7 件 行 っ て いる 。
f 平 成 17 年 度 の 事 後 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 ) 1 件 は 平 成 16 年 度
○
の完了分 1 件である。
な お 、平 成 17 年 度 の 事 前 評 価 は 平 成 18 年 度 の 新 規 課 題 、平 成 17
年 度 の 完 了 分 は 平 成 18 年 度 の 事 後 評 価 の 対 象 と な る 。
e 評価制度の改善点
「 環 境 保 健 セ ン タ ー 調 査 評 価 シ ス テ ム 」 は 平 成 16 年 度 か ら 適 用
され運営されているが、以下の問題があり改善を要する。
b 中 間 評 価( 内 部 評 価 )で は 3 件 、○
c 事 後 評 価( 内 部
・ 上記dの○
評 価 )で は 4 件 評 価 を 行 っ て い な い 。そ の 理 由 は 、環 境 保 健 研 究
58
セ ン タ ー に 質 問 し た と こ ろ 不 明 で あ る が 、評 価 制 度 が 最 初 に 適 用
に な っ た と い う こ と も あ り 、評 価 を 失 念 し た と 思 わ れ る 。評 価 対
象は定められた評価システムに従って漏れなく評価する必要が
ある。
・ 平 成 17 年 度 は 12 月 に 事 前 、中 間 、事 後 の 評 価 は 1 度 に 実 施 し
ているが、事前評価と事後評価の適切な実施時期は異なるので、
下記のように定めることを検討する必要がある。
現状の上記評価システムでは評価の時期についての定めがない
が 、要 綱 、要 領 に お い て 、事 前 評 価 は 予 算 作 成 前 に 、中 間 評 価 は 複
数 年 に わ た る も の は い つ の 時 点 で 行 う か 、事 後 評 価 は 研 究 完 了 後 の
翌事業年度にすみやかに実施すること等それぞれの評価について
評価時期を規程上明確にする必要がある。
b で は 、中 間 評 価 に つ い
例えば上記研究課題の評価の実施状況の○
て 、当 該 年 度 に 着 手 し た も の に つ い て 中 間 評 価 を 実 施 し て い る も の
が 5 件 あ る 。新 規 に 着 手 し た も の を 半 年 あ ま り で 継 続 す る か 否 か 評
価 す る こ と は 、事 前 評 価 の 実 効 性 が な く な り 、評 価 の 効 率 性 か ら も
問 題 で あ る 。中 間 評 価 の 実 施 を い つ の 時 点 で 行 う か の 規 程 が 必 要 な
例である。
・ 研 究 課 題 の 評 価 で 中 間 評 価 し た も の に つ い て 、内 部 評 価 し た も
の と 外 部 評 価 の 数 に 差 が あ り 、外 部 評 価 に 付 す も の は 内 部 評 価 等
委 員 会 の 決 定 に よ る と い う こ と で あ る が 、そ の 基 準 が 明 確 で は な
く、要領等で明確にする必要がある。
・ 事 前 、中 間 、事 後 評 価 は そ れ ぞ れ 5 段 階 の 定 量 評 価 を 行 っ て い
る が 、総 合 評 価 点 に よ る 措 置 が 明 文 化 さ れ て い な い の で 、措 置 基
準の明文化を図る必要がある。
・ 追跡評価は、評価制度が導入後2年経過の状態であり、平成
17 年 度 で は 実 施 さ れ て い な い 。 予 定 で は 完 了 後 3 年 と い う こ と
で あ る が 、評 価 の 実 施 時 期 に つ い て 要 綱 、要 領 等 で 明 文 化 す る 必
要は同様である。
( ウ )「 基 礎 的 研 究 」「 応 用 研 究 」 の 必 要 性 と 対 応
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー は 、環 境 保 健 行 政 を 行 う た め の 科 学 的 デ ー
タ の 提 供 を 迅 速 か つ 的 確 に 実 施 す る こ と が 求 め ら れ る の で 、試 験 検
査 法 の 開 発 や 問 題 の 解 決 な ど の た め に 、基 礎 的 、応 用 的 な 経 常 研 究
が 必 要 で あ る と の 考 え で あ る 。し か し 予 算 が 削 減 さ れ る 中 で 、高 度
な 試 験 検 査 技 術 が 必 要 と な る 場 合 等 に 対 応 す る た め に は 、国 立 環 境
研 究 所 、地 方 研 究 所 等 と の 連 携・協 力 に よ る 研 究 技 術 の 修 得 、大 学
等との共同研究の推進に努める必要がある。
(2)連携による業務の効率化と品質向上について
山 口 県 で は 不 測 の 緊 急 事 態 等 に 対 応 す る た め 、「 山 口 県 健 康 危 機 管 理
59
要 綱 」に 基 づ き 、県 内 関 係 機 関 に よ る 連 携 と 役 割 分 担 を 定 め て い る 。ま
た「 中 国 地 方 5 県 の 保 健 環 境 系 公 設 試 験 研 究 機 関 相 互 応 援 に 関 す る 協 定
書 」及 び「 中 国 地 方 5 県 の 公 設 試 験 研 究 機 関 に お け る 施 設・機 器 の 相 互
利 用 に 関 す る 協 定 書 」に よ り 、中 国 地 方 5 県 の 連 携・協 力 を 図 る こ と と
している。
検 査 に お い て 、他 県 の 試 験 研 究 機 関 と 連 携 す る こ と は 、検 査 レ ベ ル を
標 準 レ ベ ル と 合 わ せ る こ と や 分 析 方 法 の 統 一 化 、標 準 品 の デ ー タ 交 換 等 、
検 査 結 果 の 信 頼 性 を 高 め る こ と に 効 果 が あ り 、ま た 危 機 管 理 時 に 迅 速 か
つ明確に対応できるようにするためにも、上記の協定書等に基づいて、
さらに連携・協力の取り組みを一層強化する必要がある。
(3)人材育成による業務の品質の確保・向上について
ア 環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー は 、大 規 模・重 大 感 染 症 や 残 留 農 薬 問 題 な ど 、
多 様 化・高 度 化 す る 健 康 危 機 管 理 に つ い て 、平 時 よ り 不 測 の 事 態 に 備
え、高度かつ迅速な検査体制の構築をめざしている。そのためには、
高 度 な 分 析 の で き る 技 術 者 の 育 成 が 必 要 で あ り 、計 画 的 に 人 材 を 育 成
する研修制度の確立が必要である。
イ
平 成 18 年 度 以 降 3 年 間 に 17 名 の 定 年 退 職 者 が 予 定 さ れ て お り 、技
術 伝 承 の た め の 方 策 の 実 行 が 必 要 で あ る 。な お 、技 術 ノ ウ ハ ウ の 伝 承
に は 5 年 程 度 要 す る と い う こ と で あ る が 、次 の よ う な 対 策 を 講 じ る 必
要がある。
① 検査マニュアルの充実を図ること。
② 退職予定の研究員の技術ノウハウを退職前に他の技術員に伝承
し、それを後任者に伝えること。
③ 学 会 へ の 論 文 発 表 は 正 し い 技 術 、ノ ウ ハ ウ の 伝 承 に 効 果 が あ る と
いうことであり、組織として計画的に取り組むこと。
当 面 は 若 手 職 員 の 育 成・指 導 に 努 め る と と も に O B 職 員 の 活 用 を 図
り 、ま た 、長 期 的 に は 道 州 制 を 睨 ん で 各 県 で 役 割 分 担 を し 、検 査 業 務
の特化を図って、人材育成を効率化すること等 の 観 点 も 必 要 であ る 。
(4)外部研究資金の導入による財源確保について
平 成 17 年 度 は 外 部 研 究 資 金 は な い が 、 研 究 予 算 は 元 々 少 な い 上 に
年 々 減 少 し て お り 、質 の よ い 研 究 を す る た め に は 、研 究 時 間 の 確 保 と と
もに、外部資金の導入も含めた研究資金の獲得が必要である。
そ の た め 、環 境 省 の 委 託 研 究 、国 立 環 境 研 究 所 、地 方 環 境 研 究 所 と の
共同研究及び公募研究への応募等による研究予 算 の 確 保 も 必 要で あ る 。
特 に 公 募 型 へ の 応 募 は 、高 度 な 企 画 力 を 要 す る こ と 等 、企 画 力・研 究
開 発 能 力 の 高 い 人 材 が 求 め ら れ 、外 部 研 究 資 金 の 獲 得 を 目 指 す 観 点 か ら
も 、( 3 ) に 記 載 し た 人 材 育 成 制 度 の 確 立 が 必 要 で あ る 。
60
(5)環境保健研究センターの役割遂行について
環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー の 業 務 の 成 果 指 標 と し て 、「 や ま ぐ ち 住 み 良 さ
指 標 」( 平 成 17 年 10 月 ) の 中 で 「 食 生 活 が 安 全 で あ る 」 食 品 の 検 査 件
数 ( 人 口 10 万 人 当 た り ) が 全 国 3 位 と い う こ と が あ げ ら れ る が 、 物 づ
くり的な成果ではないため成果が県民に見えにくい部分が多い。
こ う し た こ と か ら 県 民 へ 業 務 の 成 果 等 を P R す る た め に 、研 究 課 題 の
評 価 を 定 量 評 価 に よ り 点 数 を ホ ー ム ペ ー ジ で 公 表 す る こ と や 、公 開 講 座 、
環境学習等を行っている。
し か し 、環 境 保 健 研 究 セ ン タ ー の 業 務 の 成 果 が 県 民 に 直 接 還 元 さ れ る
も の は あ ま り な く 、行 政 施 策 に 如 何 に 反 映 さ れ る か で 判 断 さ れ る も の で
あ る こ と か ら 、県 民 の 理 解 度 を 高 め る た め に は 、検 査 及 び 研 究 成 果 を 生
かした具体的な行政への政策提言をすることが重要である。
61
第4 山口県産業技術センター
1 概要
(1)設置
山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー は 、 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 条 例 ( 昭 和 42
年 山 口 県 条 例 第 2 号 )に 基 づ い て 設 置 さ れ 、産 業 技 術 に 関 す る 研 究 開 発 、
指導等を行い、もって産業技術の向上を図ることを目的としている。
(2)所在地
宇 部 市 あ す と ぴ あ 4- 1- 1
ホームページアドレス
http://www.iti.pref.yamaguchi.lg.jp/
(3)沿革
大正 7 年 5 月
昭 和 42 年 4 月
昭 和 63 年 4 月
平 成 11 年 4 月
平 成 16 年 4 月
山口県工業試験場を山口市大殿に設置
山口県商工指導センターを山口市朝田に設置
商 工 指 導 セ ン タ ー を 改 組 し 、山 口 県 工 業 技 術 セ ン タ
ーを設置
山口県工業技術センターを改組し、山口県産業技術
センターを宇部市あすとぴあに設置
新事業創造支援センターを付属施設として隣接地
に設置
(4)業務
① 産業技術に関する研究開発及び指導に関すること
② 産業技術に関する試験及び検査に関すること
③ 産業技術の研修に関すること
④ 産業技術に関する情報及び資料の収集及び提供に関すること
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 46 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
所 長 (1)
次 長 (2)
総務課
(4) ( )内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
企画情報室
(4)
生 産 システム部
(11)
材料技術部
(7)
食品技術部
(5)
デザイン部
(4)
戦 略 プロジェクト部 (8)
食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー 長 (兼 )
( 平 成 17 年 度 の 正 規 の 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 1 名 少 な く 45 人 で あ る 。)
62
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額の推移
(単位:千円、人)
区 分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
30,209
4
7,552
28,220
4
7,055
28,630
4
7,158
28,034
4
7,009
28,188
4
7,047
304,822
40
308,997
41
303,809
41
300,093
41
286,936
40
7,621
7,537
7,410
7,319
7,173
7,418
1
7,296
1
7,269
1
7,350
1
7,307
1
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
研究職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
7,418
7,296
7,269
7,350
7,307
共済費(正規職員)
1 人当たり人件費
39,003
40,014
39,866
40,394
39,723
正規職員計(金額)
(人数)
381,452
45
384,527
46
379,574
46
375,871
46
362,154
45
8,477
8,359
8,252
8,171
8,048
非常勤職員(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
6,670
3
4,547
1
4,883
2
6,692
3
6,667
3
その他(金額)
9,326
8,822
7,936
7,567
8,699
共済費(非常勤・臨時等)
989
1,023
936
905
1,070
非常勤・臨時等計(金額)
16,985
14,392
13,755
15,164
16,436
合計(金額)
398,437
398,919
393,329
391,035
378,590
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
15
9
16
5
45
42.2
平成 17 年度
1
11
13
14
6
45
42.2
正規職員の平均年齢は 5 年間でほとんど変わっていない。
(7)主要施設の状況
(単位:㎡)
土 地
県有
種別
区
分
面積
49,540.30
庁舎敷
4,538.99
計
54,079.29
建 物
県 有
事務所建
15,712.67
工場建
157.56
雑屋建
事務所建(新事業創造支援センター)
73.22
891.00
計
16,834.45
63
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
2,432
2,583
5,759
10,401
15,944
手数料
5,734
6,211
6,587
5,559
5,121
財産売払収入
0
54
28
33
0
受託事業収入
11,590
2,967
6,175
4,421
3,898
預金利子
雑入
小計
当センター以外の調定分
収入合計
0
0
0
0
0
3,206
15,313
22,373
26,072
22,109
22,962
27,128
40,922
46,486
47,072
266,685
104,659
292,174
152,054
60,539
289,647
131,787
333,096
198,540
107,611
6,670
4,547
4,883
6,692
6,667
989
1,023
936
905
1,070
9,326
8,822
7,936
7,567
8,699
支出
報酬
共済費
賃金
報償費
4,729
4,578
4,314
4,098
2,769
旅費
21,261
21,396
18,026
15,812
18,244
需用費
80,353
77,218
82,109
84,535
84,534
80,353
77,211
82,109
84,529
84,532
一般需用費
0
7
0
6
2
役務費
食糧費
4,874
4,316
3,988
4,097
4,858
委託料
106,019
101,659
87,091
97,071
83,982
1,061
0
577
0
2,195
0
1,044
332
973
0
0
186
160
160
4
293,033
117,162
82,877
62,681
61,338
1,795
841
1,702
1,636
2,321
0
19
23
16
1
530,110
342,344
296,240
286,646
275,460
4,564
11,110
223,112
185,566
3,632
381,452
384,527
379,574
375,871
362,154
支出合計
916,126
737,981
898,926
848,083
641,246
収支差額
△ 626,479
△ 606,194
△ 565,830
△ 649,543
△ 533,635
使用料及び賃借料
工事請負費
原材料費
備品購入費
負担金補助及び交付金
公課費
小計
当センター以外の予算執行分
正規職員人件費
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
64
2
監査結果
山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー ( 以 下 「 産 業 技 術 セ ン タ ー 」 と い う 。) の 財 務
事務は、以下の指摘事項の部分を除き、総合的には関係法令等に基づき、
概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電 柱 ・支 線 な ど の 設 置 に 係 る 土 地 使 用 、自 動 販 売 機 設 置 に 係 る 建
物 使 用 な ど の 行 政 財 産 使 用 料 が あ る が 、そ の 他 、開 放 機 器 使 用 料 が
あ る 。産 業 技 術 セ ン タ ー で は 中 小 企 業 で 整 備 で き な い 高 度 な 研 究 設
備を一般に開放して中小企業の研究活動を支援している。
(イ)監査手続
使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、調 定 票 、領 収 書( 控 )、調 定 収 納 状 況
一覧表を照合した。また使用料金額について使手条例等と照合し
た。
(ウ)監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を受
け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 当 該 記 載 が な さ れ て い な か っ た 。そ の
他照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 手数料
(ア)概要
製品・原材料等の各種試験・分析・測定等の依頼試験に関する手
数料である。
(イ)監査手続
調 定 票 と 試 験 依 頼 書 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合
した。また手数料金額について使手条例と照合した。
(ウ)監査結果
照合した結果、特記すべき事項はなかった。
ウ 受託事業収入・雑入
(ア)概要
産業技術センターでは、各種提案公募型事業の実施委託を受け
た研究課題に企業や大学と共同で取り組むなど、競争的資金獲得
と産学公の連携に努めている。また、県内中小企業者等からの要
望に基づき、製品開発や技術的課題の解決を支援し、独創的で優
位性があり付加価値の高い新製品・新技術の創出、企業化や事業
化を促進するため、企業者等との共同研究や受託研究を行ってい
る 。平 成 17 年 度 に 企 業 等 か ら の 外 部 研 究 資 金 を 導 入 し て 実 施 し た
65
事業のうち、産業技術センターで調定した収入は、以下のとおり
である。
科目
受託事業収入
雑入「技術調
査研究費」
事業
金額(千円)
地域コンソーシアム研究開発事業
3,898
中核技術研究開発事業
4,412
課題対応型研究開発事業
8,085
重点育成分野新製品創出事業
4,500
(イ)監査手続
a 契約書を閲覧し、必要に応じて依頼書、決裁書類を照合した。
また収納については調定票と調定収納状況一覧表を照合した。
b 契 約 金 額 の 妥 当 性 に つ い て「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 受 託 研 究
取 扱 規 則 」( 以 下「 取 扱 規 則 A 」と い う 。)及 び「 山 口 県 産 業 技 術
センター共同研究取扱規則」
( 以 下「 取 扱 規 則 B 」と い う 。)に 照
らし検討した。
(ウ)監査結果
a 収入事務については特記すべき事項はなかった。
b 契 約 金 額 の 積 算 は 、取 扱 規 則 A 及 び 取 扱 規 則 B に 基 づ い て 算 定
されていた。
エ 本庁で調定した収入
(ア)概要
内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
重点育成分野新製品創出支援事業
23,418
先端試験研究機器整備事業
34,080
技術アドバイザー派遣事業
1,164
特許出願事業
1,877
(イ)監査手続
国庫交付金について交付申請書、交付決定通知書、実績報告書、
確定通知書などを閲覧した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)概要
報 酬 は 、非 常 勤 嘱 託 職 員 ま た は 客 員 研 究 員 に 対 し て 支 給 さ れ る も
66
のである。
(イ)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 係 る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給 明
細書と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。以下4つの
試験研究機関において、歳出に係る財務事務の概要が同じ場合、記
載を省略している。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 の 中 か ら 任 意 に 抽 出 し 、実 績 報 告 書 、支 出
伺、支出票の保管状況及び資料間の整合性を確認した。また、支出
負 担 行 為 支 出 票 の 合 計 額 と 歳 出 決 算 額 調 と を 照 合 し 、デ ー タ の 正 当
性及び入力の正確性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 の 中 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、
資金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
67
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 の 中 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 や 請 求 書 の
保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
( ア ) 平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 2,000 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契
約について過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
清掃業務
(指名競争入札)
特定機械設備
保守点検業務
(指名競争入札)
特殊空調設備
保守点検業務
(指名競争入札)
設備運転監視
保全業務
(指名競争入札)
コンピュータ
ネットワーク
システム保守
(随意契約(2 号))
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
5,617
8,750
64.2%
A社
平成 14 年度
4,704
8,728
53.9%
A社
平成 15 年度
4,053
8,179
49.6%
B社
平成 16 年度
3,307
8,184
40.4%
B社
平成 17 年度
3,885
8,184
47.5%
B社
平成 13 年度
平成 14 年度
24,150
24,150
24,217
24,150
99.7%
100.0%
C社
C社
平成 15 年度
24,150
24,279
99.5%
C社
平成 16 年度
17,640
26,422
66.8%
D社
平成 17 年度
14,437
22,953
62.9%
D社
平成 13 年度
6,058
6,174
98.1%
E社
平成 14 年度
6,058
6,058
100.0%
E社
平成 15 年度
6,284
7,363
85.3%
D社
平成 16 年度
5,890
7,476
78.8%
D社
平成 17 年度
5,208
6,272
83.0%
D社
平成 13 年度
14,238
14,292
99.6%
F社
平成 14 年度
14,238
14,238
100.0%
F社
平成 15 年度
平成 16 年度
13,324
12,726
14,641
14,760
91.0%
86.2%
F社
F社
平成 17 年度
11,014
14,964
73.6%
G社
平成 13 年度
2,520
2,520
100.0%
H社
平成 14 年度
2,520
2,520
100.0%
H社
平成 15 年度
771
771
100.0%
H社
平成 16 年度
2,873
2,873
100.0%
H社
68
備考
平成 17 年度
3,322
3,322
100.0%
H社
平成 13 年度
1,219
1,223
99.7%
L社
平成 14 年度
昇降機設備
保守点検業務
平成 15 年度
(随意契約(2 号)) 平成 16 年度
1,219
1,219
100.0%
L社
1,219
1,269
96.1%
L社
1,219
1,269
96.1%
L社
平成 17 年度
1,219
1,219
100.0%
L社
平成 13 年度
756
756
100.0%
V社
蛍光 X 線分析装置 平成 14 年度
保守業務
平成 15 年度
(随意契約(2 号)) 平成 16 年度
1,225
1,225
100.0%
V社
1,225
1,225
100.0%
V社
1,225
1,225
100.0%
V社
平成 17 年度
平成 13 年度
1,225
592
1,225
974
100.0%
60.8%
V社
AA 社
平成 14 年度
除草作業
平成 15 年度
(随意契約(3・7号))
平成 16 年度
1,260
1,260
100.0%
AB 社
1,680
1,680
100.0%
AB 社
1,169
1,176
99.5%
AB 社
平成 17 年度
1,281
1,281
100.0%
AB 社
平成 13 年度
2,047
2,097
97.6%
E社
平成 14 年度
2,121
2,124
99.9%
E社
平成 15 年度
1,827
1,829
99.9%
E社
平成 16 年度
2,469
2,533
97.5%
E社
平成 17 年度
1,090
1,091
99.9%
E社
材料強度試験機の
定期点検整備及び
検定受検業務
(指名競争入札)
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
業務の再委託について
材 料 強 度 試 験 機 の 定 期 点 検 整 備 及 び 検 定 受 検 業 務 に つ い て は 、E 社
が 指 名 競 争 入 札 で 落 札 し て い る が 、実 際 の 業 務 は 他 の 会 社 が 行 っ て い
る 。契 約 上 、委 託 業 務 の 再 委 託 は 制 限 さ れ て お り 、そ の 必 要 が あ る と
きはセンターの承認を得なければならないこととなっているにも拘
わ ら ず 承 認 手 続 き が 行 わ れ て い な い 。委 託 業 務 の 再 委 託 は 極 力 避 け る
べ き で あ り 、止 む を 得 な い 場 合 に は 定 め ら れ た 手 続 き を 行 う 必 要 が あ
る。
エ
意見
業務委託契約の予定価格の積算について
指 名 競 争 入 札 で 行 っ て い る 「 清 掃 業 務 」「 特 定 機 械 設 備 保 守 点 検 業
務 」「 設 備 運 転 監 視 保 全 業 務 」 に つ い て は 、 委 託 先 が 代 わ る の に と も
69
な い 契 約 金 額 の 減 少 傾 向 が み ら れ 、競 争 入 札 の 効 果 が う か が え る 。し
か し 、予 定 価 格 に つ い て は 、契 約 金 額 が 大 き く 下 落 し て い る に も 拘 わ
らず変化が小さい状況にある。
こ れ ま で 庁 舎 積 算 マ ニ ュ ア ル に 基 づ き 積 算 を 行 っ て い る が 、こ う し
た 予 定 価 格 と 契 約 金 額 が 大 き く 乖 離 す る こ と が 継 続 す る 場 合 、こ れ に
加 え て 、業 務 の 実 態 や 過 去 の 入 札 執 行 結 果 等 、同 種 及 び 同 規 模 の 施 設
に お け る 積 算 、契 約 金 額 を 調 査 す る な ど し て 、予 定 価 格 の 積 算 に つ い
て検討していく必要がある。
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に 当 た り 、会 計 規 則 に 従 い 指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約
等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行 わ
れているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 概要
産 業 技 術 セ ン タ ー は 、「 技 術 支 援 」 と 「 研 究 開 発 」 の 二 つ の 役 割 を
担 っ て い る 。研 究 開 発 の 結 果 取 得 し た 知 的 財 産 権 は 、研 究 開 発 の 成 果
として県内産業の振興育成のため県内企業のために利用することを
目的としている。
(ア)職務発明等の認定手続
産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、職 務 発 明 等 に 関 す る 届 け 出 を 審 査 す る た
め に「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 審 査 会 設
置要綱」を定めている。
職員が職務発明を行ってから職務発明等の認定を受けるまでの
手続は次のとおりである。
① 業 務 発 明 等 を 行 っ た 職 員 は 、特 許 出 願 等 を す る 前 に 、業 務 発 明
等届を審査会に提出する。
② 審 査 会 で は 、職 務 発 明 等 で あ る か ど う か 、特 許 権 等 の 取 得 の 可
能 性 ( 新 規 性 )、 実 施 ・ 事 業 化 の 可 能 性 ( 権 利 の 承 継 ) に つ い
て審査する。
③ 審 査 会 を 受 け て 、産 業 技 術 セ ン タ ー 所 長 は 業 務 発 明 等 届 及 び 意
見書等必要な書類を知事へ提出する。
④ 知 事 は 、当 該 業 務 発 明 等 が 職 務 発 明 等 で あ る か ど う か の 認 定 及
び県が特許を受ける権利等を承継するかどうかの決定を行い、
70
その結果を職員に通知する。
⑤ 当 該 職 務 発 明 等 を 行 っ た 職 員 は 、県 が 特 許 を 受 け る 権 利 等 を 承
継 す る こ と の 決 定 の 通 知 を 受 け た 場 合 に は 、そ の 権 利 を 県 に 譲
渡 し な け れ ば な ら な い 。( 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 規 程 第 4
条及び第5条)
県 が 特 許 権 等 を 取 得 し た と き は 、職 務 発 明 を 行 っ た 職 員 に 対 し 登
録 補 償 金 と し て 特 許 権 等 1 件 に つ き 1 万 円( 職 員 が 複 数 人 で あ る 場
合にはその持分の割合で按分)が支払われる。
さ ら に 、実 施 許 諾 等 に よ り 県 が 財 産 上 の 利 益 を 得 た 場 合 に は 、県
が 得 た 利 益 の 額 の 100 分 の 50 を 基 準 と し て 実 施 補 償 金 が 支 払 わ れ
る。
(イ)実施許諾について
実 施 許 諾 先 に つ い て は 、研 究 開 発 の 目 的 が 県 内 産 業 の 振 興 育 成 に
あ る こ と か ら 、県 内 企 業 を 優 先 し て い る 。た だ し 、一 定 期 間( 発 明
の陳腐化や特許出願後公開までの間の期間を勘案して 1年6月を
標 準 と す る )の 経 過 後 も 、各 種 P R 活 動 に も 拘 わ ら ず 、県 内 企 業 か
ら の 実 施 希 望 が な い 場 合 は 、県 内 企 業 に 限 ら ず 、幅 広 く 実 施 希 望 を
募 る こ と と し て い る 。県 有 の 権 利 で あ る こ と か ら 、県 単 独 所 有 特 許
の 場 合 、希 望 が あ れ ば 複 数 の 企 業 と 実 施 許 諾 の 契 約 を 締 結 す る こ と
が で き る 。し か し 、企 業 等 と の 共 有 特 許 の 場 合 、共 有 者 の 同 意 が 必
要である。
(ウ)特許権等の処分にかかる手続
知 事 は 、毎 年 度 、登 録 後 3 年 を 経 過 す る ご と に 特 許 権 等 を 対 象 に 、
産 業 技 術 セ ン タ ー 所 長 に 対 し 意 見 聴 取 を 行 う 。産 業 技 術 セ ン タ ー で
は 、こ れ を 受 け て 審 査 会 に お い て 検 討 し 、同 取 扱 要 領 様 式「 特 許 権
等 の 処 分 に か か る 調 査 表 」を 作 成 し 、新 産 業 振 興 課 へ 提 出 す る 。そ
の 後 、知 事 は 処 分 を 決 定 し た 場 合 は 、産 業 技 術 セ ン タ ー 所 長 に 通 知
する。実際の処分は特許料を支払わないことで行われる。
産業技術センターでは、処分の判断を行うに当たり、出願から
10 年 以 上 経 過 、 共 同 出 願 者 や 実 施 許 諾 者 か ら の 処 分 に 係 る 同 意 が
あ る 、各 方 面 で 特 許 内 容 を 開 示 し て い る に も 拘 わ ら ず 実 施 に 向 け て
の 協 議 が な い 、同 様 の 技 術 が 既 に 普 及 し て い る た め 特 許 を 維 持 す る
必要性が希薄になっていること等を判断の基準にしている。
( エ )当 セ ン タ ー に お け る 知 的 財 産 権 出 願 、取 得 、許 諾 等 の 状 況 は 以 下
のとおりである。
過 去 10 年 間 の 出 願 ・ 取 得 ・ 許 諾 の 状 況
(単位:件)
保有件数
過去 10 年間の実績(平成 7 年度~平成17 年度)
平成 7 年度末 平成 17 年度末 出願件数 権利取得件数
処分
実施許諾件数 実施料収入累計
特許権
25 件
20 件
58 件
34 件
39 件
26 件
10,196,882 円
実用新案権
0件
1件
1件
1件
0件
0件
0円
71
過 去 10 年 間 の 推 移
( 単 位 :件 )
平成 8 年度 平成9 年度 平成10 年度 平成11 年度 平成12 年度 平成13 年度 平成14 年度 平成15 年度 平成16 年度 平成17 年度
特許権
実用新案権
出願
3
4
4
1
4
10
3
9
11
9
処分
0
0
1
2
3
8
13
3
9
0
実施許諾
4
0
0
0
7
2
1
1
4
7
出願
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
処分
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
実施許諾
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
(単位:円)
平成 13 年度
1,198,835
平成 14 年度
1,069,533
平成 15 年度
1,516,419
平成 16 年度
2,735,541
平成 17 年度
1,877,252
計
8,397,580
権利維持費用
2,099,750
1,302,890
1,993,335
669,840
1,182,015
7,247,830
差引
△900,915
△233,357
△476,916
2,065,701
695,237
1,149,750
実施許諾料
イ
監査手続
特 許 権 等 の 取 得 手 続 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、権 利 に 係 る 契 約 等 が
適 切 に 締 結 さ れ て い る か に つ い て 検 証 し た 。ま た 、実 施 許 諾 の 状 況 に
ついて把握し、処分等の手続が適切に行われているか検証した。
ウ
監査結果
特 許 権 等 の 取 得 の 手 続 、処 分 等 の 手 続 に つ い て 特 記 す べ き 事 項 は な
かった。
エ
意見
特許権等の取得から技術移転に至る業務活動の実績の文書化によ
る保存について
産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、技 術 の 支 援 開 発 の み な ら ず 、研 究 開 発 し た
技術の県内企業への普及を図ることが重要な業務となっている。
取 得 し た 特 許 に つ い て 、開 発 後 、そ の 技 術 の 活 用 を 図 る た め 、企 業
で の 実 用 化 に 向 け て 活 動 を 行 っ て い る が 、特 許 ご と に ど の よ う な 活 動 、
普 及 活 動 が 行 わ れ て き た の か 実 績 と し て 残 し て い な い 。い つ ど の 企 業
と 接 触 し た の か 、ま た は 説 明 会 を 行 っ た の か 、H P で の 公 開 、企 業 訪
問の頻度等について記録を残すことが必要である。
特 許 ご と に 、使 用 許 諾 、実 用 化 に 向 け て の 活 動 内 容 、経 過 、結 果 に
つ い て 文 書 化 し 実 績 を 残 す こ と で 、継 続 的 に 使 用 許 諾 に つ い て の 活 動
状 況 が 把 握 で き 、利 用 さ れ な い 特 許 に つ い て 、処 分 の 判 断 の 根 拠 資 料
と な り 、ま た 、計 画 的 な 技 術 の 普 及 活 動 を 図 る た め の 資 料 と し て 利 用
が可能である。
72
(6)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われていることを確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ
ウ
監査結果
特記すべき事項はなかった。
意見
平 成 11 年 取 得 以 来 、 有 効 活 用 さ れ て い な い 土 地 に つ い て
庁 舎 南 脇 の 土 地( 面 積 4,913 ㎡ )は 、当 初 の 計 画 時 か ら 将 来 の 研 究
施 設 増 床 用 地 と し て 整 備 さ れ た が 、現 在 は 一 部 の 利 用 に と ど ま り 、積
極 的 な 利 用 が な さ れ て い な い 状 況 に あ る 。今 後 、産 業 技 術 セ ン タ ー の
中 長 期 的 な 計 画 の 中 で 、ど の よ う に 利 活 用 す る か 、検 討 を 行 う 必 要 が
ある。
(7)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ て い
る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い る か
を確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続が適切かどうか検証した。
イ 監査結果
(ア)備品の管理について
a 建物と一体的に整備された排気装置は備品管理簿には登記さ
れているが、すべて物品標示票が貼付されていなかった。
b 本 体 と 別 室 に 設 置 し て あ る 付 属 備 品 に つ い て は 、物 品 標 示 票 を
本 体 に ま と め て 2 枚 貼 付 し て い た 。そ れ ぞ れ に 貼 付 し な い と 現 物
と備品管理簿の照合ができない。
c 物 品 表 示 票 が 見 え に く い 場 所 に 貼 付 し て あ る も の が あ る が 、適
当な場所に貼付する必要がある。
(イ)廃棄手続
物 品 規 則 第 45 条 及 び 第 48 条 に 準 拠 し て お り 、特 記 す べ き 事 項 は
なかった。
73
ウ 意見
(ア)未使用の機器について
指 定 物 品 に つ い て 長 期 間 未 使 用 の も の が 32 件 、 取 得 金 額 は 合 計
で 223 百 万 円 で あ っ た 。
上 記 の 指 定 物 品 に つ い て 、今 後 使 用 す る 見 込 み の な い 可 能 性 に つ
い て 検 討 し 、産 業 技 術 セ ン タ ー で 使 用 の 見 込 の な い も の は 、保 管 転
換 等 の 処 理 が 困 難 な も の を 除 き 、 速 や か に 物 品 規 則 第 45 条 に 定 め
る 不 用 の 決 定 を 行 い 、時 価 に よ る 売 り 払 い を 行 う な ど 、適 時 適 切 な
処分に努める必要がある。
(イ)備品の持ち出しについて
平 成 18 年 4 月 か ら 平 成 19 年 3 月 ま で の 山 口 大 学 工 学 部 と の 共 同
研 究 の た め 、生 体 計 測 装 置 開 発 評 価 シ ス テ ム の ホ ス ト パ ソ コ ン を 当
セ ン タ ー の 研 究 員 が 山 口 大 学 工 学 部 で 使 用 し て い る が 、同 所 で 使 用
す る こ と に 関 す る 書 類 が な ん ら 残 さ れ て い な か っ た 。産 業 技 術 セ ン
タ ー 以 外 で 使 用 す る 場 合 の 使 用 期 間 、そ し て 物 件 の 所 在 を 明 確 に し 、
所 在 不 明 の 際 の 責 任 が 曖 昧 と な る こ と を 防 止 す る た め に 、許 可 を 得
て持ち出したことを証明する書類を作成する必要がある。
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
産 業 技 術 セ ン タ ー に お い て は 、各 種 の 研 究 開 発 、試 験 等 を 行 う 中 で
必 要 な 薬 品 を 購 入 、保 管 し て い る 。薬 品 の 中 に は 、毒 物・劇 物 に 該 当
するものがあり、適切な管理が求められる。
管理については、
「 化 学 物 質 取 扱 管 理 規 程 」に よ り 定 め ら れ て い る 。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 に つ い て 、購 入 か ら 保 管 、使 用 及 び 点 検 に つ い て 、管 理
状 況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 を 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の
視 察 、毒 物・劇 物 に つ い て 使 用 簿 記 載 の 現 在 量 と 現 物 と の 照 合 、薬 品
の点検状況の確認を行った。照合に当たっては、各資料を通査の上、
任意にサンプルを抽出した。
ウ 監査結果
(ア)棚卸結果の報告
棚 卸 は 、 毒 物 ・ 劇 物 は 10 月 末 と 3 月 末 の 年 2 回 、 普 通 薬 品 に つ
い て は 年 1 回 3 月 末 に 行 っ て い る 。し か し 、棚 卸 の 結 果 等 に つ い て
書面での資料は残っていない。
棚 卸 の 状 況 及 び 結 果 を 文 書 で 残 す と と も に 、保 管 状 況 も 含 め て 管
理責任者である所長へ報告することが必要である。
74
(イ)保管庫の鍵の管理
3 階 の 保 管 庫 は 施 錠 さ れ て い る が 、鍵 は 保 管 庫 の 入 口 の パ ソ コ ン
の 横 に 掛 け ら れ て お り 、安 全 管 理 上 、不 適 切 で あ る 。鍵 の 保 管 方 法
について検討が必要である。
(ウ)薬品簿の記載誤り
薬品出納簿は、薬品の購入時に出納担当者等が記帳しているが、
受入数量の記載誤りが1件あった。
エ
意見
薬品購入の必要性について(経済性の観点)
平 成 17 年 度 に 購 入 し た に も 拘 わ ら ず 未 使 用 の 薬 品 が あ っ た 。 研 究
の た め に 使 用 す る 予 定 で 購 入 し た が 、そ の 後 使 用 す る 必 要 が な く な っ
た こ と に よ る も の で あ る 。( 塩 化 亜 鉛 )
ま た 、購 入 後 一 度 も 使 用 さ れ て い な い 薬 品 が 一 部 に 見 ら れ た が 、購
入 に 際 し て は 、そ の 必 要 性 に つ い て 十 分 に 吟 味 し た 上 で 、購 入 す る こ
とが求められる。
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
を照合した。
(イ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
75
3
組織及び運営に関する意見
産業技術センターの組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意
見として記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の現状と改善点
ア 技術支援について
(ア)依頼試験業務
a 過去3年間の試験点数の推移は次のとおりである。
(単位:点)
平成 15 年度
生産システム部
平成 16 年度
平成 17 年度
2,716
2,273
1,652
材料技術部
495
383
778
食品技術部
285
248
320
デザイン部
計
0
0
0
3,496
2,904
2,750
平 成 15 年 度 以 降 、 依 頼 試 験 点 数 は 民 間 分 析 機 関 の 利 用 を 誘
導しているため減少傾向にある。
b 「山口県産業技術センター ニーズシーズ調査結果報告書」
( 平 成 17 年 2 月 )( 以 下 「 ア ン ケ ー ト 結 果 」 と い う 。) に よ れ
ば 、工 業 関 連 の 事 業 者 が 依 頼・試 験 検 査 業 務 を 利 用 す る 機 関 の
デ ー タ は 次 の と お り で あ る 。( 分 析 ・ 証 明 ・ 検 査 )
(件 )
76
c
依頼試験業務の在り方
アンケート結果では依頼試験業務では技術レベルの高さと
料 金 が 安 い こ と が 評 価 さ れ 、産 業 技 術 セ ン タ ー の 利 用 が ト ッ プ
に な っ て い る 。依 頼 試 験 業 務 は 公 的 な 試 験 成 績 書 を 必 要 と す る
企 業 に と っ て 有 益 な サ ー ビ ス で あ り 、ま た 産 業 技 術 セ ン タ ー に
とっては企業の現場の生の声を聞くことができる等の効果も
ある。
し か し 、簡 素 で 効 率 的 な 組 織 運 営 が 求 め ら れ る 中 で 嘱 託 職 員
を 配 置 す る こ と や 、産 業 技 術 セ ン タ ー で し か で き な い 依 頼 試 験
業 務 に 特 化 し 、試 験 業 務 の 重 点 化・効 率 化 を 図 る こ と は 必 要 で
ある。
(イ)技術相談
a 過去3年間の技術相談の推移は次のとおりである。
(単位:件)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
生産システム系(窓口)
(個別)
1,227
364
1,286
462
1,058
212
計
1,591
1,748
1,270
材料技術系(窓口)
(個別)
計
771
329
1,100
687
165
852
640
437
1,077
食品技術系(窓口)
(個別)
992
75
1,211
184
1,066
101
1,067
1,395
1,167
デザイン系(窓口)
(個別)
計
362
150
355
231
266
109
計
512
586
375
企画・総務・技術相談室
合計
572
102
39
4,842
4,683
3,928
77
b( a )ア ン ケ ー ト 結 果 に よ る 産 業 技 術 セ ン タ ー の 機 能 の 利 用 状
況
(件 )
( b )ア ン ケ ー ト 結 果 に よ る 産 業 技 術 セ ン タ ー で 強 化 す べ き 機 能
(件 )
78
c
技術相談への対応
アンケート結果によれば、最も良く利用されている機能は、
技 術 レ ベ ル の 高 さ や 情 報 量 が 多 い こ と 等 か ら「 技 術 相 談 」で あ
り、これから強化すべき機能としても一番高いことが分かる。
技 術 相 談 は 利 用 企 業 と の 最 初 の 接 点 で あ り 、担 当 職 員 の 役 割 は
重要である。
な お 、利 用 機 能 の 満 足 度 で は 不 満 足 は な い も の の 、技 術 相 談
に「 や や 不 満 足 」と 答 え た 企 業 が 若 干 あ り 、適 切 な 対 応 が で き
るよう担当職員の能力を向上させる必要がある。
(ウ)機器の開放
a 過去3年間の機器開放の件数の推移は次のとおりである。
(単位:件)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
生産システム部
228
330
643
材料技術部
食品技術部
566
86
622
128
1,029
247
デザイン部
75
55
156
計
955
1,135
2,075
機 器 の 開 放 は 、県 内 中 小 企 業 が 、高 価 で 設 置 で き な い 機 器 を
安価に利用できるメリットがある。アンケート結果によれば、
開 放 機 器 の 使 用 は 技 術 相 談 に 次 い で 高 く 、利 用 状 況 は 増 加 傾 向
にある。
b 利 用 時 間 は 祝 日・休 日 及 び 年 末 年 始 の 休 日 を 除 く 午 前 8 時 30
分 か ら 午 後 5 時 15 分 ま で で あ る が 、 利 用 者 の 申 し 出 に よ り 午
後 9 時 ま で 利 用 で き る こ と に な っ て お り 、時 間 外 の 利 用 の 実 績
及び時間外の職員の配置に伴うコストは次のとおりである。
開放機器の月別時間外利用日数
( 単 位:日 、% )
月
年度
4
5
6
7
8
9 10 11 12 1
2
3
平成15 年度
利用日数
日
14
11
10
15
10
8
10
7
23
13
3
10
平成16 年度
利用日数
134
日
4
8
6
10
3
18
10
6
7
6
19
18
115
9
13
25
18
19
22
22
18
10
16
17
18
207
平成17 年度
利用日数
合計
日
年間勤
年間の利用可能日
務日数
数に対する割合
日
%
246
54.5
日
243
%
47.3
日
244
%
84.8
職員の配置状況
時 間 外 の 職 員 の 配 置 状 況 に つ い て 、① 年 間 の 利 用 延 日 数 ② 延 時 間 数 ③
平 均 的 な 時 間 当 た り の コ ス ト ( 15,16,17 年 度 の デ ー タ )
79
開放機器の時間外利用状況
平成 15 年度
年間時間外
利用延日数
134 日
年間時間外延時間数
(17:30~21:00)
365 時間
時間外単価
(1h 当たり)
2,833 円
時間外相当額
1,035 千円
平成 16 年度
115 日
302 時間
2,746 円
830 千円
平成 17 年度
207 日
581 時間
2,700 円
1,569 千円
c
備 考
時間外単価は、
人事課が示し
た平均単価
機器開放の効率性について
平 成 15 年 度 か ら 遠 方 の 利 用 者 の 利 便 性 等 を 考 慮 し た 取 組 と し
て 、平 日 午 後 9 時 ま で の 時 間 外 利 用 を 行 っ て お り 、そ の 利 用 状 況
等は上記のとおりである。
時間外利用には職員を配置するため人件費のコストが発生す
る の で 、時 間 外 利 用 は 予 約 制 と し て い る 。な お 、当 日 の 機 器 使 用
中 に 時 間 外 使 用 の 希 望 が あ る 場 合 、で き る 限 り 対 応 し て い る と い
う こ と で あ る 。サ ー ビ ス の 観 点 は 必 要 で あ る が 、可 能 な 限 り 予 約
を遵守徹底する必要がある。
な お 、ア ン ケ ー ト の 開 放 機 器 に 対 す る 希 望 を み る と 、土 、日 も
開 放 し て ほ し い と い う の が 散 見 さ れ る が 、利 用 の ニ ー ズ が ど の 程
度 あ る の か 改 め て ア ン ケ ー ト を 実 施 し 、ニ ー ズ を 把 握 し 、ま た 費
用 対 効 果 を 考 慮 し 、土 、日 の 機 器 の 開 放 を す る の か ど う か の 検 討
も必要である。
イ 研究開発について
(ア)研究及び評価制度
a 研究課題は次の分野から行っている。
(a)技術コンソーシアム研究開発(産学公グループの連携によ
る研究)
(b)課題対応型研究開発(総務省消防庁からの委託で、山口大
学等と共同研究)
(c)重点育成分野新製品創出支援(県内中小企業が行う付加価
値の高い新製品の創出を支援)
(d)YSN活用技術開発(やまぐち情報スーパーネットワーク
を活用した事業展開を図るための研究)
(e)新エネルギー利活用型新産業創出(大学、企業の持つ技術
シーズとリンクした研究)
(f)中核技術研究開発(県内中小企業者の新技術、新製品開発
を促進するための研究)
な お 、資 源 の 集 中 化 を は か り 効 率 的 な 研 究 開 発 を 行 う た め 、
平 成 17 年 10 月 に 今 後 5 年 内 に 取 り 組 む べ き 研 究 開 発 指 針 と し
て 「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 研 究 開 発 中 期 計 画 ( 平 成 18 年 度
80
b
~ 平 成 22 年 度 )」 を 策 定 し 、 平 成 18 年 度 か ら こ の 指 針 に 従 っ
て研究開発を行うこととしている。
研究実績の推移表
(単位:件)
平成 15 年度
12
e○
f
14○
g○
h
7○
新規
14
a○
f
5○
b○
h
8○
完了
c
12○
6
0
0
0
休止
0
0
0
0
0
0
14
7
9
単年度テーマ、共同研究、受託研究は除いている。
研究課題の評価の実施状況
事前評価
中間評価
事後評価
追跡評価
※
d
12○
中止
次年度へ継続
c
平成 17 年度
前年度の持ち越し
課題結合による減
※
平成 16 年度
(単位:件)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
春
秋
春
春
内部
a
4○
a
1○
b
6○
b
2○
2
外部
4
1
7
2
3
内部
e
8○
f
2○
g
5○
h
6○
外部
8
内部
c
9○
0
外部
9
0
8
0
内部 外部
0
0
23
0
秋
f
11○
5
d
17○
秋
h
15○
0
a から○
h は研究課題数と研究課題評価数との関係を示している。
表の○
d 研究課題の評価と研究実績の関係
(a)事前評価
a
○
平 成 15 年 度 秋 の 内 部・外 部 評 価 4 件 、平 成 16 年 度 の 内 部・
外 部 評 価 1 件 は 平 成 16 年 度 の 新 規 テ ー マ 5 件 の 評 価 で あ る 。
b
○
平 成 16 年 度 秋 の 内 部 評 価 6 件 、平 成 17 年 度 春 の 内 部・外
部 評 価 2 件 は 平 成 17 年 度 の 新 規 テ ー マ 8 件 の 評 価 で あ る 。
な お 、 平 成 16 年 度 秋 の 外 部 評 価 が 1 件 多 い の は 、 他 機 関 主
体 の テ ー マ の た め 、内 部 評 価 し な い で 外 部 評 価 の み 行 っ た た め
である。
(b)事後評価
c
○
平 成 16 年 度 春 の 内 部・外 部 評 価 9 件 は 、平 成 15 年 度 完 了
課 題 12 件 の う ち 9 件 の 評 価 で あ る 。 な お 、 経 常 研 究 複 数 年
度完了分 3 件について評価をしていない。
d
○
平 成 17 年 度 秋 の 内 部 評 価 17 件 は 、 平 成 16 年 度 完 了 課 題
12 件 と 食 品 共 同 研 究 セ ン タ ー 2 件 、経 常 研 究 単 年 度 完 了 分 3
件 の 評 価 で あ る 。外 部 評 価 8 件 は 、平 成 16 年 度 完 了 課 題 12
件のうち 8 件の評価で 4 件は経常研究であり評価していない。
81
(c)中間評価
e
○
平 成 16 年 度 春 の 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 ) 8 件 は 、 平 成 16
年 度 持 ち 越 し 課 題 14 件 の う ち 8 件 の 評 価 で あ る 。6 件 は 経 常
研究のため評価をしていない。
f
○
平 成 16 年 度 秋 の 内 部 評 価 2 件 は 、平 成 16 年 度 の 単 年 度 研
究 の 評 価 で あ り 、研 究 実 績 の 推 移 表 に 計 上 さ れ て い な い 。外
部 評 価 11 件 は 、 内 部 評 価 し た 2 件 と 経 常 研 究 以 外 の 複 数 年
の課題 9 件である。
g
○ 平 成 17 年 度 春 の 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 ) 5 件 は 、 平 成 17
年度持ち越し課題 7 件のうち 5 件の評価である。2 件は経常
研究のため評価をしていない。
h
○
平 成 17 年 度 秋 の 内 部 評 価 6 件 は 、 研 究 実 績 の 推 移 表 に 計
上 さ れ て い な い 単 年 度 研 究 4 件 と 平 成 17 年 度 新 規 テ ー マ 2
件 で あ る 。 外 部 評 価 は 15 件 で あ り 、 内 部 評 価 を 実 施 し た 6
件と経常研究以外の複数年の課題 9 件の評価である。
(d)追跡評価
平 成 17 年 度 に 実 施 し た 追 跡 評 価 は 、平 成 15 年 度 に 終 了 し た
23 件 ( 単 年 度 テ ー マ 11 件 を 含 む ) に つ い て 実 施 し て い る 。
上 記 の 研 究 課 題 の 評 価 の 実 施 状 況 で 、内 部 評 価 と 外 部 評 価 に 差
があるのは、研究開発管理委員会で内部評価したものについて、
外部評価に付さないものがあるためである。
(イ)評価制度の改善点
a 平 成 11 年 度 か ら 「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 研 究 開 発 管 理 要
綱 」を 定 め 、研 究 開 発 の 評 価 を 行 っ て い る が 、同 要 綱 第 7 条 で
は 、産 業 技 術 セ ン タ ー に お い て 実 施 す る す べ て の 研 究 開 発 に つ
い て 評 価 を 行 う も の と す る と あ る が 、実 際 の 運 用 で は 評 価 す る
も の と 評 価 し な い も の が あ り 、評 価 の 対 象 範 囲 を 明 文 化 す る 必
要がある。
b 研究開発管理委員会で内部評価したものを専門委員会の外
部 評 価 に 付 す 基 準 が 明 確 で は な い の で 、そ の 基 準 を 明 文 化 す る
必要がある。
c 評 価 結 果 に つ い て 、外 部 評 価 委 員 会 で あ る 専 門 委 員 会 の 評 価
結 果 を 、一 般 公 開 で 行 わ れ る「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ ー 運 営 協
議会」注に報告している。しかし、県民に研究開発の実施状況
に つ い て の 説 明 責 任 を 果 た す た め に は 、特 許 の 出 願 に 関 す も の
に は 注 意 を 要 す る が 、ホ ー ム ペ ー ジ で 運 営 協 議 会 で の 個 別 意 見
や定量評価について公表することを検討することが必要であ
る。
注:山口県産業技術センター 運営協議会は、山口県産業技術センター
における業務の総合的かつ効果的な運営をはかるため、学識経験
者、産業界団体の代表者、行政関係のうちから商工労働部長が委
82
嘱 し た 委 員 20 人 以 内 で 構 成 さ れ る 。
(ウ)a
経常研究の位置づけ
研究費予算に対する経常研究予算の割合(単位:千円、件)
平成 15 年度
経常研究金額
4,578
3,962
20
11
5
130,063
123,657
119,639
51
55
45
3.6%
3.7%
3.3%
課題数
経常研究予算の割合
平成 17 年度
4,621
課題数
研究費全体金額
平成 16 年度
経 常 研 究 は 、県 単 独 で 実 施 す る 技 術 シ ー ズ の 萌 芽 の 発 掘 、研
究 成 果 の 更 な る 熟 成 、新 技 術 分 野 へ の 取 り 組 み な ど の 研 究 の 総
括 的 名 称 で あ る 。産 業 技 術 セ ン タ ー に お け る 経 常 研 究 予 算 及 び
課 題 数 は 上 記 の と お り で あ る が 、 当 セ ン タ ー で は 平 成 17 年 10
月 に 策 定 さ れ た 中 期 研 究 計 画 に よ り 実 用 化 を 目 指 し た 開 発 、ス
ケ ー ル ア ッ プ 研 究 を 中 心 に 研 究 課 題 を 採 り 上 げ 、計 画 的 に 研 究
を 進 め て い る 。た だ 研 究 予 算 面 か ら み る と 、国 の 研 究 補 助 金 が
廃 止 さ れ 、県 の 研 究 予 算 が 減 少 し て い る 中 で 、新 た な 研 究 助 成
金 獲 得 の た め 、提 案 公 募 型 な ど の 競 争 的 研 究 資 金 の 獲 得 が 必 要
で あ る が 、問 題 点 と し て 、実 用 化 研 究 で は 新 た な 技 術 シ ー ズ の
創 出 に 結 び つ き に く い と い っ た 面 が あ り 、競 争 型 研 究 資 金 に 耐
え得る技術シーズをどのようにして獲得するかが課題となっ
ている。
こ の よ う な 状 況 の 中 で 、 平 成 17 年 7 月 に 策 定 さ れ た 「 山 口
県 産 業 技 術 セ ン タ ー の 将 来 像 及 び 行 動 計 画 」に 記 載 さ れ て い る
「 選 択 と 集 中 」と い う 方 針 か ら 課 題 の 重 点 化 と 人 的 資 源 の 重 点
配 分 が 図 ら れ て い る 。経 常 研 究 に つ い て も 同 様 で あ り 、重 点 化
を よ り 進 め 、技 術 シ ー ズ の 萌 芽 等 の 研 究 の 取 り 組 み は 絶 や さ な
いようにする必要がある。
な お 、平 成 18 年 10 月 に 策 定 さ れ た「 山 口 県 産 業 技 術 セ ン タ
ー 研 究 開 発 中 期 計 画 」で は 、萌 芽 的 研 究 課 題 を 県 内 中 小 企 業 の
サ ク セ ス ス ト ー リ ー と し て 構 築 し 、優 先 的 技 術 課 題 に ま で 効 率
よ く 発 展 さ せ る た め 、充 分 な 研 究 開 発 環 境 を 早 急 に 整 備 す る 必
要があるとしている。
b 経常研究の評価の必要性について
研 究 開 発 管 理 委 員 会( 内 部 職 員 )に よ る 定 性 評 価 の み で 、定
量 評 価 や 外 部 委 員 の 定 性 評 価 の 対 象 に は し て い な い 。経 常 研 究
が 基 礎 研 究 に 該 当 す る 場 合 、研 究 成 果 の 効 果 が 発 現 し に く い の
で 、県 費 を 投 入 し て 研 究 を 行 う こ と に 対 す る 説 明 責 任 を 果 た す
た め に 研 究 開 発 の 妥 当 性 、研 究 方 法 、開 発 技 術 へ の ニ ー ズ 、新
規 性 、発 展 性 等 に つ い て 事 前 評 価 を 行 い 、外 部 評 価 の 対 象 と し 、
併せて評価結果を公表することを検討する必要がある。
83
ウ
連携による業務の効率化と効果的実施について
産 業 技 術 セ ン タ ー は 技 術 支 援 と 研 究 開 発 を 通 じ て 、県 内 産 業 の 技
術 力 向 上 を 図 り 、産 業 の 振 興 、発 展 に 貢 献 す る こ と を 使 命 と し て い
る が 、技 術 支 援 に 係 る 技 術 課 題 全 て に 産 業 技 術 セ ン タ ー が 対 応 し て
い く に は 限 界 が あ り 、こ の 使 命 を 効 果 的 か つ 効 率 的 に 果 た す た め に 、
他 機 関 と の 連 携 が 必 要 で あ る 。連 携 の 効 果 を あ げ る た め に 、企 業 者
のニーズを最も把握している産業技術センターがコーディネート
役を果たすことが必要である。
(2)人材育成による業務品質の確保・向上について
技 術 内 容 が 高 度 化・細 分 化 す る こ と へ の 対 応 と し て 、産 業 技 術 セ ン
タ ー の 研 究 職 員 を 独 立 行 政 法 人 の 試 験 研 究 機 関 、大 学 、民 間 企 業 等 に
派遣している。先端技術分野の知識や技術を習得させることにより、
研 究 職 員 の 資 質 の 向 上 を 図 り 、こ の 成 果 を 技 術 開 発 及 び 技 術 支 援 に 活
用し、山口県産業技術の向上を図ることを目的としている。
産 業 技 術 セ ン タ ー の 研 究 職 員 は 人 事 異 動 が ほ と ん ど な く 、定 年 ま で
勤 務 す る 体 制 に あ り 、技 術 の 蓄 積 に は 適 し て い る 反 面 、固 定 化 に 伴 う
デ メ リ ッ ト を 回 避 す る た め に 、上 記 の 技 術 職 員 研 修 事 業 を 計 画 的 に か
つ継続的に実施する必要がある。
(3)外部研究資金の導入による財源確保の観点について
平 成 17 年 度 の 外 部 研 究 資 金 の 状 況 は 次 の と お り で あ る 。
(単位:件、千円)
事業区分
件数
金額
提案公募型
2
9,505
研究開発事業
3
23,519
共同研究
8
5,180
受託研究
14
3,732
27
41,936
計
国 の 補 助 金 が 廃 止 さ れ る 中 で 、提 案 公 募 型 な ど の 競 争 資 金 の 獲 得 に
迫 ら れ て い る が 、こ れ ら の 研 究 助 成 金 の 獲 得 の た め に は 、申 請 機 関 に
核 と し た 技 術 シ ー ズ が あ り 、そ れ を 核 に 製 品 開 発 ま で の 開 発 ス ト ー リ
ー を 描 く こ と が 求 め ら れ る と い う こ と で あ る 。こ の よ う な 状 況 へ の 対
応 を 含 め て 、外 部 研 究 資 金 の 獲 得 に 向 け て の 基 本 方 針 を 作 成 し 、明 文
化の必要がある。
(4)新事業創造支援センターについて
ア 新 事 業 創 造 支 援 セ ン タ ー は 、新 技 術 や 新 商 品 の 開 発 に よ り 、地 域 に
84
新 し い 事 業 と 雇 用 を 創 出 し て 、地 域 経 済 の 活 性 化 を 図 る こ と を 目 的 に
平 成 16 年 7 月 に 開 設 さ れ た 。
産業技術センターの付属施設として隣接して設置されていること
か ら 、産 業 技 術 セ ン タ ー の 研 究 員 に よ る 技 術 支 援 や 開 放 機 器 の 利 用 が
容易である。
ま た 、常 駐 す る 支 援 マ ネ ー ジ ャ ー を 通 じ て 、山 口 県 及 び や ま ぐ ち 産
業振興財団の中小企業支援事業の活用や特許アドバイザーによる適
切 な ア ド バ イ ス が 受 け ら れ 、さ ら に は 山 口 大 学 工 学 部 や 宇 部 高 専 と の
産学提携による共同研究も可能な状況である。
イ
入居状況
平 成 17 年 度 末 現 在 で 、12 室 中 空 室 4、監 査 日 の 平 成 18 年 9 月 11
日 現 在 は 空 室 4 で あ る 。今 後 、企 業 訪 問 等 に よ り 、事 業 化 を 目 指 し
た 技 術 力 の 高 い 、や る 気 、熱 意 あ ふ れ る 中 小 企 業 を 発 掘 し 、新 事 業
創 造 支 援 セ ン タ ー は 産 業 技 術 セ ン タ ー に 隣 接 し て お り 、研 究 開 発 や
技 術 相 談 や 開 放 試 験 研 究 機 器 の 利 用 等 に 便 利 で あ る こ と や 、ま た 産
学連携を進めることが容易になるといったことなどの有利性をP
Rし、施設の利用をより高める活動が必要である。
ウ 入居企業の審査及び管理
(ア)入居審査方法
入 居 審 査 は 入 居 希 望 が あ っ た と き に 随 時 実 施 し て お り 、 平 成 17
年 度 は 2 回 開 催 し て い る 。入 居 審 査 会 は 、7 人 の 審 査 委 員 で 構 成 さ
85
れ 、入 居 希 望 企 業 が 研 究 計 画 等 に つ い て プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 行 い 、
所定の審査基準により審査している。
日 程 と の 関 係 で 入 居 審 査 会 が 開 催 で き な い 場 合 は 、書 面 審 査 に よ
ることも可能であるように、措置しておくことも必要である。
(イ)入居企業の管理
( ア )の 入 居 審 査 で は 、事 業・ 研 究 計 画 書 を 提 出 し 、地 域 に 新 し
い 事 業 と 雇 用 を 創 出 さ せ る 事 業 や 研 究 で あ る か ど う か 審 査 の 上 、必
要 性 が 認 め ら れ る 企 業 を 入 居 さ せ て い る 。入 居 後 、計 画 に 従 っ て 実
施 を し な い 者 や 著 し く 達 成 度 合 が 低 い 者 は 、使 用 許 可 を 取 り 消 す こ
と と な る が 、新 事 業 創 造 支 援 セ ン タ ー は 単 な る 貸 室 業 で は な く 、研
究 開 発 支 援 施 設 で あ る の で 、事 業・研 究 の 進 捗 状 況 を 十 分 に 把 握 し 、
適 正 な 研 究 室 の 管 理 を 行 い 、広 く 新 事 業 を 創 出 し よ う と す る 者 に 施
設の利用と支援を受けるチャンスを与えるよう努められたい。
(5)産業技術センターの役割の遂行について
産業技術センターの業務は、研究成果が事業化されることを通して、
中小企業の産業振興に資することにある。
そ の た め 、産 業 技 術 セ ン タ ー は 研 究 課 題 の 選 定 段 階 か ら 新 産 業 の 求 め
る 技 術 の 傾 向 や 、中 小 企 業 は 大 企 業 と 密 接 な 関 連 を 有 し て 事 業 を 行 っ て
お り 、大 企 業 が 中 小 企 業 に 求 め る 技 術 水 準 や 方 向 性 に つ い て 随 時 情 報 を
得 る 必 要 が あ り 、中 小 企 業 の 支 援 機 関 と し て 地 域 の 産 業 界 の 企 業 ニ ー ズ
や技術シーズを把握するシステムが必要である。
産 業 技 術 セ ン タ ー で は 、研 究 員 個 々 が 責 任 を も っ て 研 究 開 発 を 進 め て
い る が 、課 題 選 定 か ら 事 業 化 ま で の 過 程 に つ い て 、産 業 技 術 セ ン タ ー と
してシステム化することを検討する必要がある。
ま た 、こ の 数 年 間 、中 小 企 業 者 数 は 減 少 傾 向 に あ る こ と か ら 、技 術 力
の 高 い 中 小 企 業 を 発 掘 し 、産 業 技 術 セ ン タ ー と の 連 携 を 図 る こ と も 研 究
成果を事業化に結びつけるために必要である。
成 果 の 公 表 、普 及 に つ い て は 、研 究 途 中 、研 究 終 了 時 に 学 会 発 表 、セ
ミ ナ ー 等 で 行 っ て お り 、外 部 に 晒 す こ と で そ の 反 応 か ら 技 術 水 準 、技 術
傾 向 を 考 慮 し 修 正 す る た め に 活 用 し て お り 、評 価 で き る 。こ の 点 は 、さ
ら に ホ ー ム ペ ー ジ 等 で 県 民 に 広 く 公 表 す る こ と の 検 討 が 必 要 で あ る 。そ
の 結 果 、県 民 の 声 を 受 入 れ 、産 業 技 術 セ ン タ ー の 業 務 等 の 在 り 方 に 反 映
させることも必要である。
86
第5 山口県農業試験場
1 概要
(1)設置
山 口 県 農 業 試 験 場 は 、 山 口 県 農 業 試 験 場 条 例 ( 昭 和 39 年 山 口 県 条 例
第 37 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ 、 農 業 技 術 及 び 農 業 生 産 性 の 向 上 並 び に
農 村 生 活 の 改 善 を 図 る た め の 研 究 等 を 行 い 、も っ て 農 業 の 発 展 に 資 す る
ことを目的としている。
(2)所在地
( 本 場 ) 山 口 市 大 内 御 堀 1419
ホームページアドレス
http://www.nourin.pref.yamaguchi.jp/norin35/
(分場)
徳佐寒冷地分場
阿 武 郡 阿 東 町 徳 佐 中 3628
大島柑きつ試験場
大 島 郡 周 防 大 島 町 東 安 下 庄 安 高 1209- 1
萩柑きつ試験場
萩 市 椿 東 上 の 原 4860
美東原種農場
美 祢 郡 美 東 町 大 田 5735- 1
花き振興センター
柳 井 市 新 庄 500- 1
(3)沿革
明治
昭和
昭和
昭和
昭和
昭和
昭和
29 年
19 年
23 年
24 年
28 年
43 年
47 年
4月
4月
3月
6月
4月
9月
4月
昭 和 54 年 4 月
平 成 11 年 4 月
平 成 17 年 4 月
平 成 18 年 4 月
山口県農事試験場を吉敷郡大内村御堀馬塚に創設
本場を現在地に新築移転
大島柑きつ分場を設置
農事試験場を農業試験場と改名
徳佐寒冷地分場を設置
農業試験場本場新築工事完成
大島柑きつ分場を大島柑きつ試験場に、萩夏柑分場
を萩柑きつ試験場とする
美東原種農場を当場の分場とする
本場の組織を 4 研究部 1 室とし、病害虫防除所を病
害虫部に統合
企 画 情 報 室 と 経 営 普 及 課 技 術・情 報 推 進 室 を 統 合 し 、
企画普及部を設置
花き振興センターを設置、大島柑きつ試験場内に普
及指導員(高度普及)を設置
87
(4)業務
本場
① 各種の作物、土壌及び肥料、病害虫の研究等に関すること
② 営農、農機具、畜産特に飼料作物の研究に関すること
③ 農業気象の研究等に関すること
④ 農村生活に関すること
⑤ 農業関係資料の収集及び公表に関すること
⑥ 種苗の生産及び配布に関すること
⑦ 農業改良助長法に規定する普及指導活動及び普及指導員の研修に
関すること
⑧ 研究生の養成に関すること
⑨ 農業に関する分析依頼に関すること
⑩ 分場の総括調整に関すること
徳佐寒冷地分場
① 寒冷地帯の各種作物の研究に関すること
② 寒冷地帯の特殊環境利用の研究に関すること
③ 種苗の生産及び配布に関すること
④ 寒冷地農業研修生の養成に関すること
大島柑きつ試験場
① 柑きつ等の研究に関すること
② 柑きつ等の苗木の生産及び配布に関すること
③ 柑きつ研修生の養成に関すること
萩柑きつ試験場
大島柑きつ試験場と同様に柑きつ等関連の研究を行う
美東原種農場
① 稲、麦、大豆等の優良な種子の生産技術の研究に関すること
② 稲、麦、大豆等の原種の生産及び配布に関すること
③ 稲、麦、大豆等の品種の展示等に関すること
花き振興センター
① 花きの実証展示に関すること
② 花き生産研修生の養成に関すること
③ 花きの種苗供給に関すること
④ 花きに関する情報収集及び提供に関すること
⑤ 東部地域の花き生産経営技術の普及に関すること
88
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 126 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
(8)
総務課
場 長 (1)
次 長 (1)
企画普及部
(24)
育種開発部
(15)
栽培技術部
(18)
生産環境部
(10)
病害虫部
(14)
( )内 の 数 字 は 職 員 数 を
示す。
(7)
徳佐寒冷地分場
大 島 柑 き つ 試 験 場 (9)
萩柑きつ試験場
(5)
美東原種農場
(4)
花 き 振 興 センター
(10)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 11 人 少 な く 115 人 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額の推移
(単 位 : 千 円 、 人 )
区分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
48,837
7
46,415
7
46,197
7
40,190
6
172,115
24
6,977
6,631
6,600
6,698
7,171
研究職(金額)
(人数)
509,298
73
484,046
73
481,764
73
488,982
73
502,984
73
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
6,977
132,557
19
6,631
125,985
19
6,600
125,391
19
6,698
127,269
19
6,890
103,090
18
1 人当たり人件費
6,977
6,631
6,600
6,698
5,727
130,080
126,724
121,582
119,839
143,870
820,771
99
783,169
99
774,932
99
776,281
98
922,059
115
8,291
7,911
7,828
7,921
8,018
6,209
3
51,414
6,347
3
51,081
10,060
5
51,568
10,282
5
48,598
12,187
6
50,108
共済費(非常勤・臨時等)
1,444
1,533
1,795
1,794
1,948
非常勤・臨時等計(金額)
59,067
58,961
63,423
60,674
64,243
879,838
842,130
838,355
836,955
986,302
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
共済費(正規職員)
正規職員計(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
非常勤職員(金額)
(人数)
その他(金額)
合計(金額)
89
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
21
21
38
19
99
39.3
平成 17 年度
22
38
37
18
115
40.3
正規職員の平均年齢は 1 歳高くなっている。
(7)主要施設の状況
試験場用地面積(a)
施設用地
農用地
その他
491
916
493
660
40
農業試験場本場
落葉果樹試験地
33
167
115
442
30
306
63
393
徳佐寒冷地分場
大島柑きつ試験場
萩柑きつ試験場
美東原種農場
花き振興センター
1,011
合 計
注 )試 験 場 用 地 面 積 の(
2,884
本館研究施設 栽培施設
倉庫等
計
1,900
(-)
700
(-)
7,664
(10)
381
(1)
3,991
(36)
756
(1)
2,409
(18)
117
(4)
14,064
(64)
1,254
(6)
200
(200)
777
(3)
474
(4)
58
(3)
1,309
(10)
560
(-)
1,001
(4)
606
(3)
385
(5)
1,992
(12)
336
(321)
456
(328)
497
(3)
804
(5)
302
(6)
29
(1)
159
(4)
349
(3)
958
(13)
1,182
(9)
56
335
332
(1)
1,600
(3)
720
(8)
2,680
(12)
592
4,487
(849)
11,456
(27)
7,758
(54)
4,197
(45)
23,439
(126)
3
279
本館、研究施設等(㎡)
計
) は 借 地 面 積 を 、本 館 、研 究 施 設 等 の(
)は施 設等 の棟 数を
表す。
(8)財務の状況
(単位:千円)
項目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
73
75
82
85
87
手数料
1,523
678
941
798
737
財産運用収入
800
814
719
800
542
財産売払収入
12,178
10,723
15,621
13,050
11,691
受託事業収入
25,346
28,426
33,553
29,338
32,629
預金利子
雑入
小計
当試験場以外の調定分
収入合計
0
0
0
0
0
656
107
100
90
99
40,576
40,823
51,016
44,161
45,785
79,958
56,936
54,933
33,582
28,973
120,534
97,759
105,949
77,743
74,758
90
支出
報酬
8,722
8,780
12,493
12,715
14,620
共済費
1,444
1,533
1,795
1,794
1,948
51,414
51,081
51,568
48,598
50,108
賃金
報償費
旅費
需用費
一般需用費
食糧費
役務費
委託料
使用料及び賃借料
工事請負費
原材料費
備品購入費
負担金補助及び交付金
補償補填及び賠償金
小計
当試験場以外の予算執行分
55
107
117
279
19,013
16,234
11,812
16,231
112,612
99,415
95,891
80,980
97,542
112,591
99,390
95,886
80,959
97,521
21
25
5
21
21
6,546
6,031
5,548
5,010
9,750
12,634
3,090
12,246
2,060
11,926
2,349
10,308
2,512
20,014
7,262
1,717
840
679
39,184
2,888
165
112
105
42
50
23,300
6,111
7,965
7,713
10,421
588
566
589
528
670
0
0
86
0
0
243,880
207,843
207,335
221,313
231,783
3,660
2,400
1,897
1,847
2,851
820,771
783,169
774,932
776,281
922,059
支出合計
1,068,311
993,412
984,164
999,441
1,156,693
収支差額
△ 947,777
△ 895,653
△ 878,215
△ 921,698
△ 1,081,935
正規職員人件費
※
19
21,629
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
91
2
監査結果
山 口 県 農 業 試 験 場 ( 以 下 「 農 業 試 験 場 」 と い う 。) の 財 務 事 務 は 、 以 下
の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基 づ き 、概 ね 適 正 に 処
理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 財産売払収入
(ア)概要
農業試験場では試験研究の結果として生産された原種・米・果
物・ 野 菜・ 花 を 売 却 し て い る 。米( 屑 米 含 む )に つ い て は 農 業 協 同
組 合 に 販 売 し て お り 、果 物・野 菜・花 に つ い て は 基 本 的 に 農 業 試 験
場 内 で 販 売 し て い る 。美 東 原 種 農 場 の 原 種 に つ い て は 種 子 協 会 、農
業協同組合などに販売されている。
(イ)監査手続
米 及 び 屑 米 に つ い て は 、農 業 協 同 組 合 か ら の 精 算 金 明 細 、調 定 票 、
調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。原 種 に つ い て は 倉 出 指 図 書( 控 )、
倉 出 報 告 書 、荷 受 証 、調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。場
内 販 売 に つ い て は レ シ ー ト 、商 品 売 上 一 覧 表 、生 産 物 処 理 調 書 、調
定票、現金払込書兼領収書、現金出納簿を照合した。
ま た 、売 却 単 価 に つ い て は 積 算 根 拠 の 検 討 及 び 市 場 価 格 と の 比 較
を行った。
(ウ)監査結果
照 合 し た 結 果 、現 金 出 納 簿 の 記 入 に つ い て 問 題 が あ っ た 。詳 細 は
(9)イ(イ)現金管理で記述している。
(エ)意見
生産品の売却単価について
平 成 11 年 4 月 1 日 付 け 事 務 連 絡 「 生 産 品 の 取 り 扱 い の 手 引 」 第
9 条 で は 、生 産 品 を 売 り 払 お う と す る と き は 、時 価 に よ り 売 り 払 う
こ と を 定 め て お り 、時 価 は 、新 聞 等 の 市 況 情 報 を 参 考 に し て 決 定 す
る と あ る 。 現 状 は 、 生 産 品 の 売 却 価 格 は 、 市 場 価 格 の 約 50~ 70%
で 販 売 し て い る が 、生 産 品 の 売 却 価 格 に つ い て 、こ の 事 務 連 絡 と の
関 係 か ら 適 切 か ど う か チ ェ ッ ク の 必 要 が あ る 。ま た 場 内 販 売 に つ い
て は 県 民 に 対 し て の 周 知 が 十 分 と は 言 え ず 、周 知 さ れ た と し て も 地
理 的 に 購 入 の 機 会 が 公 平 と は 言 え な い 面 が あ る 。そ の よ う な 状 況 下
で市場価格よりも割安の価格で一部の県民に販売するのは公平性
の観点から問題がある。市場での販売も検討されるべきである。
イ 使用料・手数料
(ア)概要
a 電柱・支線などの設置に係る土地使用、自動販売機設置に係
92
る建物使用などの行政財産使用料である。
b 手数料は主に土壌分析の調査手数料である。
(イ)監査手続
a 使用料については使用許可申請書を閲覧し、調定票、領収書
( 控 )、調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い
て使手条例等と照合した。
b 手 数 料 に つ い て は 調 定 票 と 試 験 依 頼 書 、領 収 書( 控 )、調 定 収
納状況一覧表を照合した。また手数料金額について使手条例等
と照合した。
(ウ)監査結果
a 行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を
受ける旨の付記が必要であるが当該 記 載 が なさ れ て い な か っ た。
b 手数料の収納事務については特記すべき事項はなかった。
ウ 受託事業収入
(ア)概要
農薬の実用化試験などを行っている。
(イ)監査手続
受 託 事 業 に つ い て 、調 定 票 、委 託 契 約 書 、決 裁 書 類 、申 請 書 、調
定収納状況一覧表を照合し、収入事務の妥当性を検討した。
(ウ)監査結果
収入事務については特記すべき事項はなかった。
エ 財産運用収入
(ア)概要
農業試験場の職員公舎使用料を給与から天引きしている。
(イ)監査手続
職員公舎の配置図と職員公舎使用料の収入状況一覧表を照合し
た。また歳入決算額調の収入と一致していることを確認した。
(ウ)監査結果
収入事務について特記すべき事項はなかった。
オ 本庁で調定した収入
(ア)概要
内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
指定試験事業
25,344
土壌機能増進対策
2,472
地域農業技術体系化推進
1,157
93
(イ)監査手続
国庫交付金について交付申請書、交付決定通知書、実績報告書、
確定通知書などを閲覧した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
カ 雑入
(ア)概要
主なものは行政財産の使用許可をしている自動販売機の光熱水
費の実費徴収分である。
(イ)監査手続
調定票、調定収納状況一覧表を照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 係 る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給 明
細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書を照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支出負担行為・支出票から任意に抽出し、実績報告書、支出伺、
支出票の保管状況及び資料間の整合性を確認した。また、支出負担
行 為 支 出 票 の 合 計 額 と 歳 出 決 算 額 調 と を 照 合 し 、デ ー タ の 正 当 性 及
び入力の正確性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
94
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 500 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
985
989
99.6%
S社
庁舎機械警備業務 平成 14 年度
(本場)
平成 15 年度
(随意契約(6 号)) 平成 16 年度
985
985
985
985
100.0%
100.0%
S社
S社
985
985
100.0%
S社
平成 17 年度
936
960
97.4%
S社
浄化槽維持管理業務 平成 13 年度
(本場)
平成 14 年度
966
1,023
94.4%
F社
933
968
96.3%
F社
(平成 13 年度指名競争 平成 15 年度
入札,平成 14 年度以降 平成 16 年度
840
973
86.3%
F社
682
790
86.3%
Y社
95
備考
平成 17 年度
463
572
80.9%
F社
平成 13 年度
1,388
1,393
99.6%
M社
1,388
1,391
99.8%
M社
1,387
1,611
86.1%
M社
774
1,657
46.8%
M社
903
970
93.0%
M社
平成 13 年度
1,365
1,365
100.0%
S社
平成 14 年度
電子顕微鏡保守
作業(本場)
平成 15 年度
(随意契約(2 号)) 平成 16 年度
1,365
1,365
100.0%
S社
1,365
1,365
100.0%
S社
1,365
1,365
100.0%
S社
平成 17 年度
1,365
1,365
100.0%
S社
随意契約(1 号))
庁舎清掃業務(本場)
平成 14 年度
(平成16 年度まで指
平成 15 年度
名競争入札,平成 17
平成 16 年度
年度随意契約(1 号))
平成 17 年度
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ 監査結果
( ア )清 掃 業 務 契 約 に つ い て 、
「 山 口 県 農 業 試 験 場 庁 舎 清 掃 業 務 日 誌( 本
館 )」 に よ り 清 掃 業 者 か ら 当 日 の 清 掃 作 業 の 状 況 に つ い て 業 務 の 報
告 が 行 わ れ て い る 。担 当 者 は 報 告 内 容 の 確 認 を 行 い 、場 長 の 承 認 を
受けるようになっているが、場長の承認印が押印されていない。
( イ )不 用 農 薬・薬 品 等 処 分 業 務 委 託 に つ い て 、随 意 契 約 1 号 に よ り 5
社 を 選 定 し て い る 。見 積 段 階 で 3 社 辞 退 し 、最 終 的 に E 社 が 646 千
円 に て 落 札 し て い る 。し か し 、E 社 は 、産 業 廃 棄 物 収 集 運 搬 業 の 許
可 は あ る が 産 業 廃 棄 物 処 分 業 の 許 可 が な い こ と か ら 、見 積 書 の 提 出
時 に 、処 分 は T 社 で 行 う 旨 を 見 積 書 に 記 載 し て い る 。実 際 の 契 約 に
お い て は 、産 業 廃 棄 物 法 第 14 条 10 項 に お い て 業 務 の 再 委 託 を 原 則
と し て 禁 止 し て い る こ と か ら 、農 業 試 験 場 で は 、収 集 運 搬 業 務 に つ
い て の み E 社 と 契 約 を 締 結 し 、処 分 業 務 に つ い て は T 社 と の 間 で 別
途処分業務の契約を直接締結している。
ま た 、T 社 と の 間 で 、本 契 約 の 他 に「 支 払 条 件 変 更 に 伴 う 条 項 変
更 の 合 意 書 」を 本 契 約 と 同 一 日( 平 成 18 年 3 月 31 日 付 )で 締 結 し
て い る 。こ の 合 意 書 の 内 容 は 、廃 棄 物 の 委 託 手 数 料 に つ い て 、T 社
と の 本 契 約 で は 、「 第 7 条 2 甲 ( 農 業 試 験 場 ) は 、 産 業 廃 棄 物 管 理
票 の 写 し で 処 分 を 確 認 後 、甲 の 定 め る 支 払 い 方 法 に 基 づ き 、乙( T
社 )の 請 求 す る 処 分 料 金 を 乙 に 支 払 う 」と さ れ て い る に も 拘 わ ら ず 、
T 社 の 支 払 い 請 求 先 を 農 業 試 験 場 か ら E 社 に 変 更 す る と と も に 、農
業試験場はT社に対する委託手数料を一旦E社に対し支払うこと
96
としている。
この契約事務においては、以下の問題点がある。
a 産 業 廃 棄 物 処 分 業 の 許 可 の な い E 社 が 選 定 さ れ 、落 札 し て い る 。
加 え て 、T 社 は 当 初 選 定 業 者 と な っ て い な い が 、契 約 金 額 が E 社
47 千 円 に 対 し T 社 599 千 円 で あ り 、T 社 の 行 う 業 務 が 主 で あ り 、
ま た 、T 社 は 収 集 運 搬 業 の 許 可 を 受 け て い る こ と か ら 、業 者 の 選
定に問題がある。
b こ の 契 約 事 務 の 契 約 締 結 伺 に お い て 、契 約 の 相 手 方 に E 社 の 記
載 が あ る が 、T 社 の 記 載 は な い こ と か ら 、手 続 上 、業 務 委 託 契 約
事務取扱要領で求められている契約締結伺による承認手続きが
行 わ れ て い な い こ と に な る 。T 社 と の 契 約 締 結 に つ い て 、契 約 締
結 伺 に お い て 、そ の 理 由 を 明 示 し 承 認 手 続 き を 受 け る 必 要 が あ っ
た。
c 契 約 書 と 同 一 日 で 別 途 合 意 書 を 締 結 す る 必 要 は な く 、条 件 に つ
い て は 本 契 約 に 盛 り 込 め ば よ い と 考 え ら れ る 。ま た 、合 意 書 の 締
結について契約締結伺に記載しておく必要があった。
d 合 意 書 に よ っ て 、T 社 に 対 す る 委 託 手 数 料 を E 社 に 支 払 う こ と
に 変 更 し て い る が 、契 約 の 相 手 先 に 直 接 支 払 い を 行 わ な い こ と に
正当性はなく、取引として不適切である。
エ
意見
業者の選定範囲について
委 託 業 務 の 執 行 伺 の 業 者 選 定 理 由 に お い て「 昨 年 度 辞 退 し た 業 者 を
除 く ××社 と す る 。」と の 記 載 が 12 件 中 6 件 に み ら れ る 。昨 年 度 辞 退
し た こ と を も っ て 、当 年 度 の 選 定 か ら 除 く の は 理 由 に な ら な い の で は
な い か と 考 え ら れ る 。実 際 に は 、昨 年 度 の 辞 退 の 理 由 が 業 務 が 技 術 的
に 遂 行 で き な い 等 も あ る と の こ と で あ る が 、技 術 的 に 遂 行 で き な い の
で あ れ ば 最 初 か ら 選 定 外 と な る も の で あ る 。そ の 結 果 、選 定 の 業 者 数
が2社~3社となっており、選定の範囲を 広げ る こ と が 必 要 であ る 。
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に つ い て 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 購 入 の 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
97
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 概要
知 的 財 産 権 は 、産 業 財 産 権 の 他 に 、育 成 者 権 、著 作 権 等 が あ る 。農
業 試 験 場 に お け る 知 的 財 産 権 に は 、特 許 権 及 び 育 成 者 権 が あ り 、育 成
者 権 は 、種 苗 法 に 基 づ く 品 種 登 録 を 行 う こ と で 発 生 し 、品 種 登 録 の 日
か ら 25 年 間 存 続 し ( 種 苗 法 第 19 条 )、 登 録 品 種 及 び 登 録 品 種 と 特 性
により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有する
( 種 苗 法 第 20 条 第 1 項 ) 効 力 を 有 す る も の で あ る 。
農業試験場では、品種登録した農産物等を県内の農家等に広く普
及・定 着 を 図 る こ と で 、山 口 県 の 特 産 品 と し て 農 業 の 振 興 に 役 立 て る
ことが重要な業務となっている。
過 去 10 年 間 の 出 願 ・ 取 得 ・ 許 諾 の 状 況
保有件数
過去 10 年間の実績(平成 7 年度~平成17 年度)
平成 7 年度末 平成 17 年度末 出願件数 権利取得件数
特許権
品種登録
0件
4件
4件
14 件
10 件
16 件
処分
4件
14 件
実施許諾件数 実施料収入累計
0件
4件
3件
10 件
過 去 10 年 間 の 推 移
81,335 円
124,932 円
(単位:件)
平成 8 年度 平成9 年度 平成10 年度 平成11 年度 平成12 年度 平成13 年度 平成14 年度 平成15 年度 平成16 年度 平成17 年度
特許権
品種登録
出願
1
1
-
4
1
1
-
-
-
2
処分
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
実施許諾
-
-
-
-
-
-
2
1
-
-
出願
-
4
-
-
-
6
2
-
3
1
処分
-
2
-
-
1
-
-
-
-
-
実施許諾
-
-
-
-
-
-
2
9
1
-
(単位:円)
実施許諾料
権利維持費用
差引
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
―
―
19,025
78,903
38,552
計
136,480
104,700
166,200
129,000
148,550
181,400
729,850
△104,700
△166,200
△109,975
△69,647
△142,848
△593,370
平 成 17 年 度 末 に お い て 、 品 種 登 録 が 14 件 、 実 施 許 諾 が 10 件 行 わ
れ て い る 。品 種 登 録 に 際 し て は 、
「職員の職務育成品種に関する規程」
「 職 員 の 育 成 品 種 に 関 す る 事 務 取 扱 要 領 」に よ り 手 続 が 行 わ れ る 。ま
た 、実 施 許 諾 に つ い て は「 職 員 の 職 務 育 成 品 種 に 関 す る 許 諾 運 営 要 領 」、
処 分 に つ い て は「 職 務 品 種 育 成 に 係 る 登 録 地 位 放 棄 に 関 す る 事 務 取 扱
要領」により手続が行われる。
実 施 許 諾 は 、 主 と し て 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 山 口 県 本 部 、( 社 )
日 本 草 地 畜 産 種 子 協 会 等 と 契 約 を 行 っ て お り 、こ れ ら 実 施 許 諾 先 を 通
じて県内農家への普及を進めている。
98
ま た 、職 務 育 成 品 種「 シ ワ ス ア オ バ 」
( 平 成 13 年 度 品 種 登 録 )に つ
いては、米国の機関からの依頼により、米国での販売を行うために、
米国内での植物品種保護法に基づく保護の申請を行っている。
イ
監査手続
特 許 権 等 の 取 得 手 続 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、権 利 に 係 る 契 約 等 が
適 切 に 締 結 さ れ て い る か に つ い て 検 証 し た 。ま た 、実 施 許 諾 の 処 分 等
の手続が適切に行われているか検証した。
ウ
監査結果
特許権等の取得手続については「職員の職務育成品種に関する規
程」
「職員の育成品種に関する事務取扱要領」
「職員の職務育成品種に
関 す る 許 諾 運 営 要 領 」「 職 務 品 種 育 成 に 係 る 登 録 地 位 放 棄 に 関 す る 事
務取扱要領」に従って行われており、特記すべき事項はなかった。
エ
意見
知的財産権の国際的な対応について
「 シ ワ ス ア オ バ 」に 関 し 、米 国 内 で の 植 物 品 種 保 護 法 に 基 づ き 保 護
の申請が行われている。海外における知的財産権の保護については、
特 に 方 針 等 が 定 め ら れ て い な い 。こ の 事 例 も 個 別 的 に 検 討 が な さ れ 手
続 が 行 わ れ て い る 。品 種 登 録 も 含 め 、知 的 財 産 権 は 、研 究 開 発 の た め
に 多 大 な コ ス ト 及 び 長 い 期 間 を 要 し て お り 、そ の 権 利 の 保 護 は 重 要 な
問 題 で あ る 。農 産 物 に お い て は 、種 子 が 海 外 に 持 ち 出 さ れ 海 外 で 生 産
さ れ て 逆 輸 入 さ れ る こ と も 考 え ら れ る た め 、情 報 収 集 か ら リ ス ク へ の
対応等について検討することも必要である。
(6)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 や 、ま た 関 係 者 へ の 質 問 に よ り 、実 地 調 査 が
行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 や 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査 を
行った。
イ 監査結果
(ア)土地について
庁 舎 敷 地 の 土 地 台 帳 面 積( 36,980.57 ㎡ )と 登 記 簿 謄 本( 36,980.52
㎡)の面積が相違していたが、理由は不明であった。
(イ)建物について
a 本 館 の 建 物 台 帳 の 面 積( 3,782.52 ㎡ )と 登 記 簿 謄 本( 3,422.88
99
㎡)の面積が相違していたが、理由は不明であった。
b 企 画 普 及 部 の 研 修 室 と 農 林 業 情 報 管 理 棟 は 平 成 17 年 4 月 1 日
に 本 庁 の 経 営 普 及 課 か ら 、当 試 験 場 に 移 管 し た 。そ の 際 に 法 務 局
に 登 記 簿 謄 本 の 申 請 を し た と こ ろ 、当 該 物 件 の 申 請 す る 所 在 地 番
で は 登 記 簿 が 見 当 た ら な い と の 回 答 で あ っ た た め 、現 在 、調 査 中
である。
ウ 意見
(ア)未利用土地について
か つ て 、下 記 の 土 地 は 場 外 ほ 場 と し て 利 用 し て い た が 、現 在 は 未
利用となっている。
山 口 市 大 内 御 堀 西 谷 390( 面 積 2,310 ㎡ )
山 口 市 大 内 御 堀 西 谷 391( 面 積 485 ㎡ )
現 在 、総 務 部 管 財 課 で は 、ホ ー ム ペ ー ジ で 紹 介 す る と と も に 、利
用 方 法 の 提 言 を 募 集 し て お り 、活 用 計 画 を 再 度 聴 取 し 、将 来 的 に 行
政 財 産 と し て の 利 活 用 が 見 込 め な い 場 合 に は 、普 通 財 産 に 分 類 替 え
を し 、売 却 処 分 に つ い て 具 体 的 な 検 討 を 行 う こ と と し て い る 。管 財
課 へ は 平 成 11 年 度 に 報 告 し て お り 、 早 急 な 対 応 が 必 要 で あ る 。
(イ)萩柑きつ試験場の分場長公舎の未利用について
平 成 5 年 4 月 以 降 未 利 用 の 状 態 が 続 い て お り 、今 後 も 使 用 見 込 み
がない。処分を検討する必要がある。
(ウ)美東原種農場の分場長公舎及び職員公舎の未利用について
施設の概要は次のとおりである。
分場長公舎
職員公舎(1)(2)
取得年月
昭和 45 年 10 月
昭和 45 年 10 月
面積
64.93 ㎡
109.70 ㎡
評価額
1,494 千円
2,525 千円
分 場 長 公 舎 は 平 成 9 年 4 月 か ら 、 職 員 公 舎 の う ち 1 棟 は 平 成 10
年 4 月 か ら 、残 り 1 棟 は 平 成 6 年 4 月 か ら 未 利 用 の 状 態 が 続 い て お
り、今後も使用見込みがなく、処分を検討する必要がある。
(7)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )試 験 研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ
て い る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い
るか確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きが適当かどうか検証した。
100
イ 監査結果
(ア)備品の管理について
a 平 成 17 年 度 に 県 の 経 営 普 及 課( 現 農 業 経 営 課 )か ら 建 物 と と
も に サ ー バ ー 機 器 を 保 管 転 換 に よ り 引 き 継 い だ が 、指 定 物 品 取 得
報 告 書 が 知 事 へ 未 提 出 で あ る 。 取 得 か ら 20 日 以 内 に 提 出 す る よ
う規定されており、早急な対応が必要である。
b 任 意 に 抽 出 し た 備 品 に つ い て 現 物 確 認 を 行 っ た と こ ろ 、物 品 標
示 票 の 記 号 、番 号 が 鉛 筆 で 書 い て あ る た め に よ り 、消 え か か っ て
読めないものが2件あった。
c 物 品 管 理 簿 に は 記 載 さ れ て い る が 、現 物 が 見 当 た ら な か っ た も
のがあった。
徳佐寒冷地分場 刈払機3台他8台
萩柑きつ試験場 気象測定装置他4台
美東原種農場
移植器他1台
d 借 入 品 1 台 に つ い て は 、物 品 借 入 調 書 、借 入 物 品 返 還 調 書 に 場
長及び次長の決裁のないものがあった。
(イ)廃棄手続
a 長 期 間 未 使 用 の 赤 外 分 析 装 置 取 得 価 格 15,300 千 円 は 測 定 器
内 部 の 基 板 が 破 損 し 、製 造 年 月 の 記 載 が な く 、修 理 部 品 も な い た
め廃棄予定のものであるが、不用の決 定 が なさ れ て い な か っ た。
b 萩柑きつ試験場
加 湿 器 2 台 他 4 台 は 使 用 不 可 能 で あ り 、不 用 の 決 定 が な さ れ て
いなかった。
c 美東原種農場
焼却炉他3台が不用の決定がなされていなかった。
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
農 業 試 験 場 は 、毒 物・劇 物 の 他 に 農 薬 が あ り 、使 用 す る 場 所 の 近 く
に 保 管 さ れ て い る た め 、保 管 場 所 が 分 散 さ れ て い る 。し た が っ て 、管
理上も注意が必要である。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 に つ い て 、購 入 か ら 保 管 、使 用 及 び 点 検 に つ い て 、管 理
状 況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 を 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の
視 察 、毒 物・劇 物 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 、薬 品 の 点 検 状 況 の 確 認 を 行
っ た 。照 合 に 当 た っ て は 、各 資 料 を 通 査 の 上 、任 意 に サ ン プ ル を 抽 出
した。
101
ウ 監査結果
( ア )毒 物・劇 物 の 管 理 と 、薬 品 使 用 簿 及 び 現 物 管 理 に つ い て 以 下 の 状
況がみられた。
a 在庫点検の実施及び管理責任者への点検結果の報告
・ 薬 品 使 用 簿 に は 在 庫 点 検 等 の 記 載 は あ る が 、従 前 の 数 量 を 記
載 し て い る の み で 、 実 際 に は 照 合 が な さ れ て い な か っ た 。( 第
2倉庫、大島柑きつ試験場)
・ 点 検 の 結 果 に つ い て 、口 頭 で 各 部 長 へ 報 告 を 行 っ て い る と い
う こ と で あ る が 、点 検 項 目 に つ い て 記 載 し た チ ェ ッ ク リ ス ト 等
を 作 成 し 、 文 書 に よ り 報 告 を 行 う 必 要 が あ る 。( 農 業 試 験 場 全
体)
b 薬品庫の安全管理
・ 薬 品 庫 に 毒 物・劇 物 を 保 管 し て い る 旨 の 表 示 が な く 棚 及 び 保
管 庫 に は 施 錠 が な か っ た 。( 第 2 倉 庫 、 農 場 管 理 室 )
・ 劇 物 の 裸 ビ ン を 保 管 庫 の 入 口 の 足 元 に 置 い て い た が 、安 全 管
理 に 配 慮 し た 保 管 を す る 必 要 が あ る 。( 第 3 倉 庫 )
c 薬 品 使 用 簿 と 現 物 に 不 一 致 が あ っ た 。( 害 虫 実 験 室 2 品 目 、 園
芸育種2品目、作物栽培1品目)
エ 意見
(ア)薬品使用簿の使用数量の把握方法(第2倉庫、第3倉庫)
薬品使用簿の使用数量が風袋込みではなく中味の数量で記載さ
れ て い た 。使 用 量 は 、現 物 と の 照 合 が で き る よ う に 中 味 の 数 量 で は
なく風袋込みの数量を記載することに変える必要がある。
(イ)使用期限切れの薬品
a 本場
作 物 栽 培 に お い て 、パ ダ ン 水 溶 剤 1 品 目 に つ い て は 使 用 期 限 は
平 成 8 年 10 月 で あ っ た 。
b 徳佐寒冷地分場
D D V P 乳 剤 50 に つ い て は 、 550ml の 在 庫 の う ち 使 用 期 限 切
れ の も の が 40ml あ っ た 。 古 い 薬 品 か ら 先 に 使 い 切 る こ と が 必 要
である。
ア グ ロ ス リ ン 水 和 剤 に つ い て は 480g の 在 庫 す べ て が 使 用 期 限
切 れ ( 平 成 14 年 10 月 期 限 ) で あ っ た 。
ソ イ リ ー ン に つ い て は 15 リ ッ ト ル の 在 庫 す べ て が 使 用 期 限 切
れ ( 平 成 17 年 1 月 期 限 ) で あ っ た 。
ド ロ ク ロ ー ル に つ い て は 20 リ ッ ト ル の 在 庫 す べ て が 使 用 期 限
切 れ ( 平 成 17 年 10 月 期 限 ) で あ っ た 。
点検時には数量のチェックを行うのみでなく、在庫量、期限、
保管状況等管理状況も含め確認する必要がある。
102
(ウ)長期間未使用の毒物・劇物について
a 萩柑きつ試験場
下記のものは過去7年間未使用であった。
塩 化 第 二 水 銀 102g
シ ア ン 化 ナ ト リ ウ ム 456g
青 酸 カ リ 835g
そ の 他 16 種 類 の 薬 品 総 量 10,323g
a に つ い て 必 要 な 対 応 は 、 下 記 b (a )と 同 様 で あ る 。
b 大島柑きつ試験場
( a ) 平 成 17 年 度 末 の 在 庫 82 品 目 の う ち 、 平 成 17 年 度 を 含 め て
5 年 間 以 上 未 使 用 の 状 態 が 続 い て い る も の が 40 品 目 あ る
( 49% )。 未 使 用 の も の の う ち 、 11 品 目 は 平 成 11 年 度 ま で 大
島柑きつ試験場で行っていた土壌分析業務を本場の生産環境
部 に 移 し た こ と に よ る も の も 含 ま れ て い る が 、取 扱 管 理 要 領 の
規 定 に 従 っ て 保 管 場 所 の 移 動 を 行 う こ と 、ま た 他 の 劇 物・毒 物
に つ い て 安 全 管 理 の 観 点 か ら 保 有 の 必 要 性 を 検 討 し 、整 理 を 進
める必要がある。
( b ) 上 記 40 品 目 の う ち メ タ ノ ー ル ( メ チ ル ア ル コ ー ル ) は 5 年
間 以 上 未 使 用 の 滞 留 品 が 1,000ml あ り な が ら 、 平 成 17 年 度 に
3,000ml 購 入 し て い る 。滞 留 分 は 品 質 が 悪 い と い う こ と で あ る
が 、そ の 場 合 、物 品 不 用 の 決 議 に よ り 処 分 の 手 続 を し た 後 に 購
入手続をする必要がある。
(エ)農業試験場の毒物・劇物の管理について
す べ て の 薬 品 庫 及 び 薬 品 の 管 理 が「 毒 物 及 び 劇 物 取 扱 要 領 」に 準
じて取り扱われているか再点検する必要がある。
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
a 生 産 物 の 売 払 収 入 2 件 に つ い て 、現 金 出 納 簿 へ の 記 載 漏 れ が あ
った。その概要は以下のとおりである。
103
生 産 物 を 場 内 で 販 売 し て い る が 、販 売 代 金 の 一 部 を 現 金 出 納 簿
に 記 帳 し て い な か っ た 。通 常 は 場 内 で 販 売 し た と き 販 売 記 録 が 残
る こ と に な っ て お り 、こ の 販 売 記 録 に よ り 生 産 物 処 理 調 書 や 現 金
出 納 簿 を 作 成 し て い る 。今 回 は 大 量 に あ っ た た め 場 外 販 売 を 行 い 、
販 売 記 録 が な く 、生 産 物 処 理 調 書 は 作 成 し た も の の 現 金 出 納 簿 の
記帳を失念したものである。
b 平 成 18 年 2 月 , 3 月 分 の 現 金 出 納 簿 を 閲 覧 ・ 照 合 し た 結 果 、
1万円以上の販売代金収入金額を領収日から3~7日後に払い
込 ん で い た 。 会 計 規 則 第 32 条 で は 、 現 金 を 直 接 収 納 し た 場 合 は
即日(やむを得ない理由がある場合は当該理由がやんだ後直ち
に )払 い 込 む こ と と さ れ て い る 。会 計 規 則 の 遵 守 を 徹 底 す る 必 要
がある。
(ウ)意見
現 金 出 納 簿 は 現 金 の 動 き を 記 録 す る も の で あ る か ら 、常 に 現 物 の
動 き と 一 致 し て い な け れ ば な ら な い 。農 業 試 験 場 外 で 販 売 す る 場 合
の取扱いを文書化する必要がある。
104
3
組織及び運営に関する意見
農業試験場の組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意見とし
て記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の現状と改善点
ア 調査研究について
(ア)研究及び評価制度
a 長期間にわたる研究課題
研 究 課 題 は 4 つ の 基 本 課 題 に 即 し て 重 点 化 し て お り 、 平 成 14 年
度 94 件 、平 成 16 年 度 92 件 、平 成 17 年 度 84 件 と 漸 減 し て い る 。
「 最 終 案 」で は 、研 究 課 題 に つ い て 、生 産 現 場 に 直 結 し た よ り 実
用的かつ県民ニーズに合致した課題への重点化を志向しており、
研究課題が長期にわたっているものもあるが、上記の観点から、
研究を継続することの必要性を検討する必要がある。
b 4つの基本課題は次のとおりである。
(a)個性豊かなオリジナル農産物の開発
(b)立地条件を活かした生産・流通技術の開発
(c)環境に優しい農業技術の開発
(d)魅力あるむらづくりと多様な経営方式の確立
c 研究実績の推移表
(単位:件)
年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
前年持越
78
73
74
新規
完了
16
c
21○
19
f
17○
10
h
27○
中止
0
0
2
統合による課題減数
0
1
1
延長課題
継続課題
※1
(5)
(5)
(4)
(うち、国事業の延 (一部終了し、延長 (一部終了し、延長
長に伴う延長課題 する 1 課題含む。 する 1 課題含む。
3 課題)
国事業の延長に伴 国事業の延長に伴
う延長課題1課題) う延長課題1課題)
73
74
54
延長課題とは、研究期間を一年延長し、次年度に継続するもの及び国庫事業等
の継続延長に伴い課題を延長するもの
※2
中止課題とは研究期間を残し該当年度末をもって中止したもの
※3
統合による課題減とは、該当年度末をもって既存課題と統合したもの
参 考 : 平 成 18 年 度
前 年 持 越 54 件 新 規 24 件 実 施 課 題 計 78 件
105
d
研究課題の評価の実施状況
区
事前評価
中間評価 ○b
事後評価
追跡評価
※
分
(単位:件)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
内部
19
10
24
外部
内部
19
23
10
e
28○
24
22
外部
-
内部
e
27○
f
21○
22
c
26○
h
31○
外部
d
21○
g
20○
i
30○
内部
j
13○
j
14○
j
15○
外部
13(95)
14(107)
追 跡 評 価 の 内 部 評 価 は 対 象 課 題 の 選 定 を 意 味 す る 。(
15(85)
)は ア ン ケ ー ト 対 象 者 の
延べ人数を示す。
e 研究課題の評価と研究実績の関係
a
○ 事前評価は、新規課題着手の前年に行い、新規課題数と研究
課題数の評価数は一致している。
b 中間評価は、試験研究が終了する年の前年に該当するすべて
○
の課題及び 4 か年以上の課題で研究開始後 2 か年経過ごとに評
価を行う課題について内部評価及び外部評価を年 1 回行う。な
お 、 外 部 評 価 は 平 成 16 年 度 よ り 実 施 し て い る 。
c 平 成 15 年 度 研 修 実 績 の 推 移 表 の 完 了 件 数 21 件 と 平 成 15 年 度
○
事 後 評 価 ( 内 部 ) 26 件 と の 差 5 件 は 、 研 究 課 題 の 評 価 で は 延 長
課題になったものが含まれていることによる。
d 平 成 15 年 度 事 後 評 価 の 外 部 評 価 と 内 部 評 価 と の 差 5 件 は 、国
○
の事業で延長になったもの 3 件及び成果の受け渡し先が県組織
内部のもの 2 件は外部評価の対象外とされている。
e 平 成 16 年 度 中 間 評 価 の 内 部 評 価 28 件 と 外 部 評 価 27 件 の 差 1
○
件は、産地に風評被害を及ぼすことを避けるため内部評価にと
どめたことによる。
f 平 成 16 年 度 研 究 実 績 の 推 移 表 の 完 了 件 数 17 件 と 、平 成 16 年
○
度 事 後 評 価 ( 内 部 ) 21 件 と の 差 4 件 は 、 延 長 課 題 に 関 す る も の
が 5 件含まれ、国で評価を行うものが 1 件評価の対象外とされ
ているためである。
g 平 成 16 年 度 事 後 評 価 に つ い て 内 部 評 価 よ り 外 部 評 価 が 1 件 少
○
ないのは、成果の受け渡し先が県内部組織であるため外部評価
の対象外とされていることによる。
h 平 成 17 年 度 研 究 実 績 の 推 移 表 の 完 了 件 数 27 件 と 、平 成 17 年
○
度 事 後 評 価 ( 内 部 ) 31 件 と の 差 4 件 は 、 延 長 課 題 が あ る こ と に
よる。
i 平 成 17 年 度 事 後 評 価 の 外 部 評 価 に つ い て 内 部 評 価 31 件 と の
○
106
gと同様の理由での差である。
差 1 件は、○
j
○
追跡評価の研究成果の公表年との関係
平 成 15 年 度 13 件 の う ち
平 成 12 年 公 表 8 件 平 成 9 年 公 表 5 件
平 成 16 年 度 14 件 の う ち
平 成 13 年 公 表 5 件 平 成 10 年 公 表 9 件
平 成 17 年 度 15 件 の う ち
平 成 14 年 公 表 9 件 平 成 11 年 公 表 6 件
(イ)評価制度の改善点
現 状 、研 究 課 題 の 評 価 に つ い て は 、研 究 評 価 会 議 を 畜 産 試 験 場 と
合 同 で 行 っ て い る 。そ の 研 究 評 価 会 議 の 運 営 方 針 に 、評 価 の 種 類 及
び 対 象 課 題 、方 法 な ど が 定 め ら れ て お り 、そ の 方 針 に 基 づ い て 評 価
している。
な お 、 平 成 14 年 度 か ら 段 階 的 に 外 部 評 価 シ ス テ ム を 整 備 し て い
るが、下記の点について改善を要する。
a 中 間 評 価 と 事 後 評 価 を 同 一 日 に 行 っ て お り 、( 評 価 の 時 期 に つ
い て は 下 記 b 参 照 )評 価 委 員 の 負 担 が 大 き く な っ て い る 。中 間 評
価 に つ い て は 、内 部 評 価 を し た も の の う ち で 、外 部 評 価 に 付 す 基
準 を 作 成 し 、外 部 評 価 数 の 削 減 を 図 る か 、研 究 の 入 口 と 出 口 を 重
点 的 に 評 価 す る 観 点 か ら 書 面 審 査 を す る 等 、評 価 の 効 率 化 の 検 討
が必要である。
b 事後評価の時期
事 後 評 価 を 当 年 度 終 了 分 を 当 年 度 末 に 実 施 し て い る が 、研 究 課
題 の 完 了 実 績 等 の 把 握 が 十 分 で き る か 疑 問 が あ り 、当 年 度 完 了 分
の事後評価は翌事業年度開始後のできるだけ早い時期に実施す
るように変更すべきである。
c 追 跡 評 価 は 、「 成 果 」 と し て 公 表 後 2 ~ 5 年 経 過 し た も の に つ
いて実施することにしている。
追 跡 評 価 の 結 果 、利 活 用 の 状 況 が 不 十 分 な も の に つ い て フ ォ ロ
ーアップを実施している。
平 成 17 年 度 で は 、追 跡 評 価 の 課 題 は 15 課 題 の う ち 、フ ォ ロ ー
ア ッ プ が 必 要 な も の が 5 課 題 あ り 、こ の う ち 1 課 題 は 畜 産 課 と 連
携 し て フ ォ ロ ー ア ッ プ を 実 施 し 、現 地 検 討 会 を 実 施 し て い る 。ま
た3課題は新規または実施中の研究課題の中に指摘事項を組み
込 む こ と と し て い る 。現 状 で は 関 係 者 に 対 す る 資 料 提 供 や 検 討 会
の開催等でフォローアップが行われているが、より広く公表し、
研 究 成 果 の 普 及 を 図 る た め に は 、ホ ー ム ペ ー ジ の 利 用 を 検 討 す る
必要がある。
107
イ 試験検査・分析について
(ア)過去3年間の検査・分析数の推移は次のとおりである。
(単位:点)
検査の種類
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
土壌分析
水抽出
47
29
16
酸抽出
183
128
115
酸分解
0
14
23
農作物分析
5
7
4
計
235
178
158
(イ)試験検査・分析の効率的実施
依 頼 分 析 は 、民 間 分 析 機 関 の 利 用 を 誘 導 し て い る こ と か ら 、減 少
傾 向 に あ る 。「 最 終 案 」 で は 、 依 頼 試 験 業 務 を 縮 小 す る こ と が 示 さ
れ て お り 、土 壌 分 析 等 の 依 頼 試 験 業 務 に つ い て は 、そ の 大 部 分 が 民
間 の 分 析 機 関 に お い て 実 施 可 能 で あ る こ と か ら 、原 則 と し て 廃 止 し 、
公的証明が必要なものについてのみ対応することとしている。
ウ 研修指導、技術相談について
(ア)現状
(単位:人)
平成 15 年度
研修指導、技術相談
(来場者数)
4,186
平成 16 年度
4,740
平成 17 年度
6,870
な お 、 平 成 18 年 度 か ら 「 花 き 振 興 セ ン タ ー 」 が 設 置 さ れ 、 研 修
相 談 事 業 が 開 始 さ れ て お り 、花 き の 栽 培 を す る こ と を 目 指 す 者 の 実
地研修を行うということで数名の受入れを行っている。
(イ)改善点
a 農 業 試 験 場 へ の 来 場 者 数 は 増 加 傾 向 に あ る が 、農 業 系 の 研 究 開
発 の 成 果( 新 品 種・新 技 術 等 )が 広 く 県 内 に 公 開 さ れ 、多 く の 農
業 者 に 浸 透 し 、農 業 の 活 性 化 に 寄 与 す る よ う 広 く 県 内 に 公 開 す る
とともに、技術相談への対応を強化する必要がある。
b 農業大学校との連携について
農 業 試 験 場 で は 近 年 研 修 生 の 受 入 れ 実 績 は な い が 、今 後 、農 業
大 学 校 と の 連 携 の 中 で 、教 育・研 修 関 係 に つ い て 互 い の 役 割 分 担
を明確にし、効率的に実施することを検討する必要がある。
c 技術相談事例等のデータベース化について
技 術 相 談 に つ い て は 、高 度 な 技 術 や 新 品 種 に 対 す る 農 業 者・団
体等の高い関心に応え、開発技術の技術移転、普及を図るため、
108
視察研修や技術相談に積極的に対応するとともに、現地検討会、
成果発表会の開催等の増加が見込まれている。
現状は技術支援や技術相談を行った事例をデータベース化し
て い な い が 、今 後 、デ ー タ ベ ー ス 化 し 、事 例 の 類 型 化 等 を 図 っ て 、
試 験 研 究 課 題 の 選 定 や 技 術 支 援 、技 術 相 談 に 活 用 す る こ と を 検 討
する必要がある。
(2)他試験研究機関との連携による業務の効率化と品質向上について
ア 県内の一次産業部門の試験研究機関との連携の強化
畜 産 試 験 場 と は 、研 究 課 題 の 選 定 な ど の 外 部 評 価 を 合 同 で 行 い 、研
究成果の発表については林業指導センターも含めて3つの試験研究
機 関 が 合 同 で 行 う な ど 、効 果 と 効 率 性 の 向 上 を 目 指 し 連 携 に 努 め て い
る 。今 後 、鳥 獣 被 害 防 止 の 技 術 の 開 発 等 の 林 業 指 導 セ ン タ ー 、畜 産 試
験 場 と 関 連 す る 課 題 に つ い て は 、研 究 成 果 と 効 率 性 を 高 め る た め に 共
同研究等を進める必要がある。
なお、
「 最 終 案 」に お い て 、平 成 19 年 度 に「 農 林 総 合 技 術 セ ン タ ー
( 仮 称 )」 を 設 置 す る こ と が 示 さ れ て い る 。( 30 頁 に 記 載 )
イ
近畿・中国四国地域農業試験研究推進会議等との連携
こ の 推 進 会 議 で は 、研 究 課 題 の 調 整 、成 果 の 情 報 交 換 、公 表 等 を 行
い、その他近畿中国四国地域農業研究協議会等と連携している。
公 募 型 の 研 究 事 業 へ の 連 携 調 整 は 、中 四 国 地 域 農 林 水 産・食 品 先 進
技術研究協議会に参加して行っている。
共 同 の メ リ ッ ト は 、近 畿 中 国 四 国 地 域 や 専 門 研 究 分 野 に お け る 、今
後 解 決 す べ き 重 要 研 究 課 題 や 研 究 成 果 が 共 有 化 さ れ 、研 究 開 発 の 効 率
化に寄与している。
また農林水産研究高度化研究事業等の外部資金の獲得にも寄与し
ているので、その観点からも連携は強化する必要がある。
こ れ ら の 連 携 の 課 題 と し て は 、研 究 課 題 の オ リ ジ ナ ル 性 が 薄 れ る 可
能 性 が あ る こ と と 、重 要 な 研 究 シ ー ズ が 流 出 し な い よ う に 、連 携 に 当
たり慎重な対応が必要である。
ウ
民間企業との連携
九 州 地 方 知 事 会 の 下 で 、地 域 ブ ラ ン ド 農 産 物 の 育 成 に 向 け た 共 同 研
究について検討を始めている。
特 に 民 間 と の 連 携 で は 、研 究 と ほ ぼ 同 時 進 行 的 に 研 究 の 実 用 化・商
品 化 が 行 え る メ リ ッ ト が あ る と い う こ と で あ り 、民 間 と の 共 同 研 究 を
推 進 す る 体 制 の 整 備 を 一 層 進 め て い く 必 要 が あ る が 、特 に 知 的 財 産 権
に関するルールづくりを含めて民間との共同研究に対応する必要が
ある。
109
エ
大学等の教育機関との連携
山 口 大 学 農 学 部 と「 山 口 大 学 農 学 部・山 口 県 農 林 関 係 試 験 研 究 機 関
連携推進会議」を設立し、連携強化を図っている。
今 後 は 、農 業 大 学 校 や 農 業 高 校 等 も 含 め た 連 携 や 研 究 体 制 の 構 築 も
検 討 さ れ て い る 。こ の よ う な 状 況 の 中 で 研 究 開 発 を よ り 効 果 的・効 率
的 に 進 め る た め に は 、研 究 開 発 の 役 割 分 担 を 明 確 に し 、大 学 等 は 専 門
性 を 生 か し た 基 礎 的 研 究 、農 業 試 験 場 は そ の 研 究 成 果 を 受 け て 、生 産
現 場 や 県 民 に 還 元 さ れ る 応 用 研 究 や 実 用 化 研 究 を 行 う こ と と し 、各 機
関の人材・資源を有効に活用する取り組みが必要である。
オ
主務課、普及指導機関との連携
主 務 課 と 連 携 す る こ と に よ り 、県 の 施 策 の 推 進 と の 整 合 性 が 図 ら れ
る と と も に 、研 究 開 発 で 得 ら れ た 成 果 の 一 部 は 、地 域 農 業 の 振 興 に 向
け て 、主 務 課 で 事 業 化 が 進 め ら れ 、現 地 農 林 事 務 所 が 普 及 に 努 め て い
る。
さ ら に 農 林 事 務 所 は 、現 地 の 農 業 関 係 者 の ニ ー ズ や 課 題 等 の 情 報 に
精 通 し て お り 、こ れ ら を 研 究 開 発 課 題 の 選 定 に 反 映 さ せ る 役 割 や 研 究
成 果 の 早 期 普 及 の た め の 現 地 試 験・実 証 を 行 う 際 の 現 地 調 整 等 に 重 要
な役割を果たしており、これらの連携は強化する必要がある。
(3)人材育成による業務の品質確保・向上について
ア 研 究 員 の 人 材 育 成 制 度 に 関 す る 基 本 方 針 や 規 程 は 存 在 し な い が 、研
究 員 が 大 学 入 学 を 希 望 す る 場 合 支 援 す る こ と に し て お り 、2 名 が 連 合
大 学 院 に お い て 単 位 を 取 得 し 、現 在 1 名 が 在 学 し て い る 。人 材 育 成 の
基本方針を作成し、計画的に人材育成を実施する必要がある。
イ
技術の継承について
農 業 試 験 場 で は グ ル ー プ 研 究 を 基 本 と し て お り 、技 術・ノ ウ ハ ウ の
継 承 に は 特 に 支 障 は な い 。た だ し 、研 究 職 は 4 年 平 均 で 異 動 し て お り 、
研 究 テ ー マ は 3 年 程 度 の 期 間 が 多 い こ と か ら 、引 き 継 ぎ が 円 滑 に 行 わ
れるように人事異動において配慮する必要がある。
な お 、研 究 職 の 人 事 異 動 に つ い て 本 人 の 研 究 意 欲 が 非 常 に 高 く 、し
か も 発 表 論 文 数 や 研 究 成 果 の 普 及 状 況 に 貢 献 し て い る 場 合 に は 、試 験
場 に ス ペ シ ャ リ ス ト を 育 成 す る と い う 観 点 か ら 、特 別 な 適 用 を 受 け る
ことの可能な人事制度ができないか県全体として検討される必要が
ある。下記の外部研究資金獲得の面からも必要である。
110
(4)外部研究資金導入による財源確保について
ア 外部研究資金受入の状況は次のとおりである。
(金額単位:千円)
区
分
件
国庫補助事業
受託事業
イ
数
外部資金
3件
28,973
25 件
32,629
外 部 研 究 資 金 受 入 れ の 対 策 と し て 、中 四 国 地 域 農 林 水 産・食 品 先 進
技術研究協議会が開催する研究課題検討会への参加、山口大学農学
部・山 口 県 農 林 関 係 試 験 研 究 機 関 連 携 推 進 会 議 と の 連 携 、ま た 農 林 水
産 省 が 行 う 農 業 中 核 研 究 員 養 成 研 修 に 研 究 員 を 派 遣 し 、企 画 書 の 作 成
方法等のスキルアップを図ること等を行っている。
こ れ ら の 対 策 は 行 っ て い る が 、外 部 資 金 導 入 の た め の 規 程 が 設 け ら
れておらず、基本方針等を定め、その方針に基づいて規程を作成し、
対応する必要がある。
( 5 )分 場 に つ い て( 徳 佐 寒 冷 地 分 場 、大 島 柑 き つ 試 験 場 、萩 柑 き つ 試 験 場 、
美東原種農場)
ア ( ア ) 分 場 に お け る 平 成 17 年 度 の 歳 出 、 人 件 費 、 歳 入 の 状 況 は 次 の
とおりである。
(金額単位:千円)
徳佐寒冷地分場 大島柑きつ試験場 萩柑きつ試験場
歳出
人件費 ( )内人数
歳入(生産物売払収入)
差引県費負担額
2,475
美東原種農場
6,472
計
2,557
3,097
(7 人) 57,957
(9 人) 59,149
747
1,723
413
2,403
5,286
△59,767
△60,523
△43,161
△40,301
△203,752
(5 人) 41,099 (4 人) 36,232
14,601
194,437
4 つ の 分 場 の 県 費 負 担 額 が 農 業 試 験 場 全 体 の 県 費 負 担 額 ( 1,082
百万円)に占める割合は約2割である。
歳入、歳出については農業試験場 の 業務 年 報 より 記 載 し て い る。
人 件 費 に つ い て は 本 庁 で 執 行 さ れ て い る が 、農 業 試 験 場 の 正 規 職
員1人当たり単価を算出し、在籍人数を乗じて算出している。
(イ)分場において発生しているコストは上記のようになっているが、
コ ス ト 面 か ら の 費 用 対 効 果 の 分 析 も 必 要 で あ る 。そ の た め に は 、成
果(効果)をどのような指標で測るかの調査研究が必要である。
イ
分 場 の 機 能 再 編 の 問 題 は 、上 記( イ )の 観 点 を 含 め て 、全 県 的 、横
断 的 課 題 は 本 場 へ 集 約 し 、試 験 研 究 機 能 の 強 化 を 図 る こ と 等 効 率 化 の
観 点 と 、県 の 農 業 施 策 推 進 の 観 点 の 両 面 か ら 分 場 の 組 織 体 制 の 在 り 方
の検討が必要と思われる。機能集約等効率化の観点は、本場と分場、
分 場 相 互 間 で 同 一 の 業 務 を 行 っ て い な い か 等 の 検 討 、研 究 職 と 現 業 職
111
( 日 々 雇 用 を 含 め て )の 業 務 内 容 の 分 析 等 で あ る 。農 業 施 策 推 進 の 観
点 は 、地 産・地 消 の 推 進 、中 山 間 地 域 農 業 の 振 興 に 果 た す 役 割 、ま た
それぞれの分場の影響を受ける生産農家数等の規模等による地域へ
の 影 響 度 等 で あ る 。ま た 、生 産 農 家 や 消 費 者 を 対 象 に 、分 場 へ の 要 望
や分場の存在することによる影響度等についてアンケートを実施し、
県民のニーズを調査・分析することも必要と思われる。
な お 、県 は 分 場 の 機 能 再 編 に 関 し て「 最 終 案 」で は 、分 場 に つ い て
全 体 と し て の 試 験 研 究 機 能 の 強 化 を 図 る 観 点 か ら 、全 県 的 、横 断 的 課
題の本場への集約や産地特性を踏まえた業務の移管等を進め、平成
22 年 4 月 ま で に 順 次 再 編 を 実 施 す る こ と が 示 さ れ て い る 。 分 場 再 編
の観点、方向性は下記のとおりである。
[徳佐寒冷地分場]
作 物 栽 培 研 究 等 の 整 理・移 管 等 に よ り 、業 務 の 重 点 化・効 率 化 を 図 る
中で、本場へ再編統合
[萩柑きつ試験場・大島柑きつ試験場]
萩柑きつ試験場で実施している試験研究の大島柑きつ試験場等への
移 管・集 約 に よ り 、業 務 の 重 点 化・効 率 化 を 図 る 中 で 、萩 柑 き つ 試 験
場を再編統合
[美東原種農場]
主 穀 の 原 原 種 生 産 、原 種 生 産・配 布 業 務 の 効 率 的 実 施 を 図 る 中 で 、本
場へ再編統合
[花き振興センター]
本 場 で 実 施 し て い る 花 き の 栽 培 技 術 研 究 の 移 管 に よ り 、普 及 指 導 業 務
との一体的実施を図り、充実強化
(6)農業試験場の役割遂行について
ア 品質・技術については、業務の有効性を図る指標として栽培面積、
売 り 上 げ 等 が あ げ ら れ る が 、市 場 を 経 由 し た 後 は 、そ の 需 要 が 県 内 か
県 外 か の デ ー タ を 示 す も の が な く 、県 民 へ の 浸 透 度・理 解 度 に 繋 が る
か 把 握 す る こ と が 困 難 な 状 況 で あ る 。し か し 、試 験 研 究 開 発 成 果 を 県
民に示せるデータの模索は必要である。
イ
農 業 の 多 面 的 機 能 に 係 る 試 算 の 数 値 は 、国 に お い て は 実 施 し て い る 。
県 が 水 源 涵 養 、食 料 供 給 、自 然 環 境 の 保 全 、癒 し の 場 な ど の 確 保 に つ
い て 、農 業 の 多 面 的 機 能( 公 益 的 機 能 )の 確 保 の た め に ど の よ う な 研
究 開 発 成 果 が あ る か 、追 跡 評 価 の 結 果 を ホ ー ム ペ ー ジ 等 に よ り 広 く 県
民 に 公 表 す る こ と に よ り 、説 明 責 任 は 果 た し て い く 必 要 が あ る 。そ の
結 果 、県 民 の 声 を 受 入 れ 、農 業 試 験 場 の 業 務 等 の 在 り 方 に 反 映 さ せ る
ことも必要である。
112
第6 山口県畜産試験場
1 概要
(1)設置
山 口 県 畜 産 試 験 場 は 、 山 口 県 畜 産 試 験 場 条 例 ( 昭 和 53 年 山 口 県 条 例
第 1 号 )に 基 づ い て 設 置 さ れ 、畜 産 に 関 す る 試 験 、研 究 等 を 行 い 、も っ
て畜産の振興を図ることを目的としている。
(2)所在地
美 祢 市 伊 佐 町 河 原 1200
ホームページアドレス
http://www.nourin.pref.yamaguchi.lg.jp/norin35/
(3)沿革
明治
大正
昭和
平成
39
8
53
2
年
年
年
年
6
9
4
4
月
月
月
月
平成 6 年 4 月
平 成 11 年 4 月
平 成 13 年 4 月
山口県種畜育成所として創立
山口県種畜場と改称
山口県種鶏場を統合し山口県畜産試験場と改称
機構改革により山口県育成牧場岩永台団地を編入、
機 構 の 一 部 改 正 に よ り 、1 課( 総 務 )、2 室( 企 画 連
絡 、 畜 産 生 物 工 学 )、 2 部 ( 大 家 畜 、 中 小 家 畜 ) 新
設
機構の一部改正により生物工学班、繁殖班を新設
第 3 次 行 政 改 革 に 伴 い 、室 の 改 称 、部 の 再 編 、科 の
廃止を行い、組織階層のフラット化を実施
山口県育成牧場を合併
(4)業務
① 家 畜 及 び 畜 産 物 、草 地 及 び 飼 料 、家 畜 の 飼 養 環 境 の 試 験 研 究 に 関 す
ること
② 家畜の能力の検定、飼料の分析に関すること
③ 乳用牛及び肉用牛の育成管理に関すること
④ 家畜人工授精用精液、種畜及び種卵の配布に関すること
⑤ 畜産に関する資料の収集及び公表に関すること
⑥ 畜産に関する技術指導及び経営指導並びに研修に関すること
113
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 63 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
場 長 (1)
次 長 (1)
総務課
(4)
企画情報室
(2)
(
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
改 良 増 殖 部 (19)
飼 養 技 術 部 (26)
育 成 業 務 課 (10)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 1 名 多 く 64 人 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額の推移
(単位:千円、人)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
区 分
35,364
5
7,073
28,824
4
7,206
28,340
4
7,085
28,078
4
7,020
29,238
4
7,310
育成業務課行政職(金額)
(人数)
30,131
4
29,855
4
25,477
4
20,164
3
21,153
3
7,533
7,464
6,369
6,721
7,051
188,801
25
180,938
25
190,573
26
187,560
25
162,172
23
1 人当たり人件費
7,552
7,238
7,330
7,502
7,051
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
233,845
34
6,878
230,611
35
6,589
225,863
35
6,453
227,700
35
6,506
221,961
34
6,528
共済費(正規職員)
55,386
54,505
54,639
55,438
53,487
正規職員計(金額)
(人数)
543,527
68
524,733
68
524,892
69
518,940
67
488,011
64
7,993
7,717
7,607
7,745
7,625
1,975
1
0
0
0
0
0
0
0
0
その他(金額)
22,706
24,054
19,917
22,640
24,416
共済費(非常勤・臨時等)
非常勤・臨時等計(金額)
1,156
25,837
1,245
25,299
780
20,697
1,170
23,810
1,572
25,988
569,364
550,032
545,589
542,750
513,999
1 人当たり人件費
研究職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
非常勤職員(金額)
(人数)
合計(金額)
114
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
17
24
15
12
68
41.3
平成 17 年度
1
22
17
14
10
64
43.1
正 規 職 員 の 平 均 年 齢 は 1.8 歳 高 く な っ て い る 。
(7)主要施設の状況
① 用地面積
区分
面積(㎡)
県有地
193,198.66
敷地・宅地
33,237.23
畑地
121,032.39
田地
8,617.00
雑種地・山林
9,972.00
原野
2,348.00
道路敷
17,992.04
借用地
4,886,168.00
5,079,366.66
合計
②
建物
試験場本館他
棟の区分
育成業務課
棟数
面積(㎡)
棟の区分
牛舎棟群
25
豚舎棟群
4
929.25
飼料庫
7
867.81
14
1,839.99
2
420.42
3
13
2,270.43
1,315.69
鶏舎棟群
農機具棟群
管理棟群
岩永台管理棟群
公舎棟群
6
719.62
その他
7
1,230.06
81
15,033.69
合計
棟数
5,440.42 育成業務課管理棟群
合計
面積(㎡)
17
3,422.51
17
3,422.51
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
52,175
51,371
46,010
52,674
52,838
手数料
1,216
884
826
1,051
1,151
69,748
67,027
68,093
72,086
71,273
0
0
0
0
0
財産売払収入
預金利子
115
雑入
520
611
555
574
703
123,659
119,893
115,484
126,385
125,965
10,119
15,444
10,348
11,015
14,187
133,778
135,337
125,832
137,400
140,152
報酬
1,975
0
0
0
0
共済費
1,156
1,245
780
1,170
1,572
22,706
24,054
19,917
22,640
24,416
小計
当試験場以外の調定分
収入合計
支出
賃金
旅費
9,796
9,199
7,892
5,361
4,864
143,037
143,001
129,083
129,048
116,290
116,257
128,526
128,493
121,543
121,511
36
35
33
33
32
役務費
11,828
10,510
10,781
11,381
9,845
委託料
6,335
6,665
8,343
7,815
7,041
使用料及び賃借料
3,861
873
777
988
510
工事請負費
3,298
1,579
2,788
18,740
0
516
496
425
366
295
15,587
32,552
21,114
19,948
25,030
66
62
66
65
68
220,161
216,318
189,173
217,000
195,184
543,527
524,733
524,892
518,940
488,011
763,688
△ 629,910
741,051
△ 605,714
714,065
△ 588,233
735,940
△ 598,540
683,195
△ 543,043
需用費
一般需用費
食糧費
原材料費
備品購入費
負担金補助及び交付金
小計
正規職員人件費
支出合計
収支差額
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
116
2
監査結果
山 口 県 畜 産 試 験 場 ( 以 下 「 畜 産 試 験 場 」 と い う 。) の 財 務 事 務 は 、 以 下
の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基 づ き 、概 ね 適 正 に 処
理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)県有土地・建物使用料
a 概要
電柱・支線などの設置に係る土地使用、自動販売機設置に係
る建物使用などの行政財産使用料がある。
b 監査手続
使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合
した。また使用料金額について使手条例等と照合した。
c 監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を
受ける旨の付記が必要であるが当該記載がなされていなかった。
その他照合の結果特記すべき事項はなかった。
(イ)入牧牛
a 概要
畜 産 試 験 場 は 外 部 の 酪 農 家 等 か ら 牛 の 預 託 を 受 け て い る 。哺 育
部門は生後6ヶ月までが対象になっており育成部門は生後7ヶ
月から妊娠5ヶ月までの牛が対象である。
b 監査手続
・ 利 用 許 可 通 知 書 発 送 簿( 決 裁 欄 付 き )と 利 用 許 可 申 請 書 、利
用許可通知書を照合した。
・ 3ヶ月を超えて預託している牛について調定票と山口県育成
牧場管理システムの「四半期預託料金一覧」を照合した。
・ 調定票と調定収納状況一覧表を照合して入金されているか、
また料金が使手条例に従っているか検証した。
これらの手続きを実施し、収入事務の妥当性を検討した。
c 監査結果
収入事務について照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 手数料
(ア)概要
主に預託牛の家畜検診手数料である。
(イ)監査手続
歳 入 調 定 伺 、調 定 票 、病 傷 事 故 診 断 書 、家 畜 の 診 療 費 支 払 契 約 書 、
調定収納状況一覧表を照合した。
117
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
ウ 財産売払収入
(ア)概要
試 験・ 検 定 の 終 了 し た 牛 や 受 精 卵 、 精 液 、生 乳 、鶏 な ど を 売 却 し
ている。
(イ)監査手続
契 約 書 や 必 要 に 応 じ て 決 裁 書 類 を 閲 覧 し 、調 定 票 、そ の 他 関 連 証
憑書類を照合した。
(ウ)監査結果
閲覧及び照合の結果、特記すべき事項はなかった。
エ 雑入
(ア)概要
主に用水施設の共同利用に係る共同利用者からの水道維持管理
経費の負担分である。
(イ)監査手続
覚書、水道維持管理経費調査表、歳入調定伺、調定票、調定収納
状況一覧表を照合した。
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
オ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
肉用牛改良効率化推進事業
8,382
畜産技術先端化促進事業
1,880
自給飼料生産総合推進事業
1,523
公舎使用料
729
高能力みつばち供給事業
708
試験研究調査受託費
600
(イ)監査手続
国庫交付金については、申請書、交付決定通知書、実績報告書、
確定通知書などを閲覧、照合した。
委 託 事 業 収 入 に つ い て は 、申 込 書 類 、決 裁 書 類 、報 告 書 な ど を 閲
覧、照合した。
118
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
イ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票と照合した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
ウ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 500 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
( た だ し 、平 成 15 年 度
119
以 降 分 割 し た 業 務( 庁 舎・貯 水 槽 清 掃 業 務 )に つ い て は 、表 に 含 め て
い る 。)
(単位:千円、%)
業務名
年度
機械警備業務
平成 13 年度
2,430
2,430
100.0%
S社
(平成13~14 年度随意
平成 14 年度
2,430
2,430
100.0%
S社
契約(6 号),平成 15~16 年 平成 15 年度
2,357
2,406
98.0%
S社
度随意契約(2・7号),平成 平成 16 年度
2,327
2,333
99.7%
S社
17 年度随意契約(6 号)) 平成 17 年度
2,261
2,303
98.2%
S社
平成 13 年度
945
945
100.0%
Y社
平成 14 年度
945
945
100.0%
Y社
平成 15 年度
945
945
100.0%
Y社
平成 16 年度
945
945
100.0%
Y社
平成 17 年度
平成 13 年度
945
929
945
929
100.0%
100.0%
Y社
H社
平成 14 年度
929
929
100.0%
H社
平成 15 年度
840
857
98.0%
H社
平成 16 年度
798
831
96.0%
H社
自動搾乳システム
保守点検業務
(随意契約(2 号))
空調設備点検・
炉内清掃業務
(随意契約(2 号)
ただし平成15 年度
随意契約(1 号))
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 17 年度
777
790
98.4%
H社
平成 13 年度
1,158
1,158
100.0%
M社
平成 14 年度
1,158
1,158
100.0%
M社
平成 15 年度
―
―
―
―
平成 16 年度
―
―
―
―
平成 17 年度
―
―
―
―
平成 13 年度
庁舎清掃業務
平成 14 年度
(平成 15~16 年度指
平成 15 年度
名競争入札,平成 17
平成 16 年度
年度随意契約(1 号))
平成 17 年度
―
―
―
―
―
740
―
897
―
82.4%
―
G社
576
850
67.8%
K社
483
687
70.3%
Z社
平成 13 年度
―
―
―
―
平成 14 年度
―
―
―
―
庁舎・貯水槽
清掃業務
(指名競争入札)
貯水槽清掃業務
(随意契約(1 号))
平成 15 年度
144
248
58.2%
G社
平成 16 年度
191
345
55.3%
G社
平成 17 年度
191
337
56.7%
G社
備考
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
契約に関する手続及び契約形態について特記すべき事項はなかっ
120
た。
庁 舎 ・ 貯 水 槽 清 掃 業 務 に つ い て は 、 平 成 14 年 度 ま で は 、 1 つ の 業
務 と し て 指 名 競 争 入 札 に よ り 契 約 が 行 わ れ て い た が 、 平 成 15 年 度 か
ら 、庁 舎 清 掃 業 務 と 貯 水 槽 清 掃 業 務 の 2 つ に 業 務 を 分 割 し た 結 果 、契
約金額が大きく削減されており、その効果が現れている。
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に つ い て 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 概要
知 的 財 産 権 の 取 得 は 、特 許 権 が 1 件 の み と な っ て い る 。畜 産 試 験 場
の性格上、家畜の品種改良、成育に関する研究の比重が大きいため、
相対的に知的財産権に係る研究の比重が小さくなっている。
過 去 10 年 間 の 出 願 ・ 取 得 ・ 許 諾 の 状 況
保有件数
過去 10 年間の実績(平成 7 年度~平成17 年度)
平成 7 年度末 平成 17 年度末 出願件数 権利取得件数
特許権
0件
1件
1件
処分
1件
実施許諾件数 実施料収入累計
0件
1件
過 去 10 年 間 の 推 移
1,372 円
(単位:件)
平成 8 年度 平成9 年度 平成10 年度 平成11 年度 平成12 年度 平成13 年度 平成14 年度 平成15 年度 平成16 年度 平成17 年度
特許権
出願
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
処分
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
実施許諾
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
(単位:円)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
計
実施許諾料
権利維持費用
0
0
0
0
0
0
1,372
0
0
※ 26,100
1,372
26,100
差引
0
0
0
1,372
△26,100
△24,728
※ 平 成 17 年 度 に 特 許 権 取 得 。登 録 時 に 産 業 技 術 セ ン タ ー が 3 年 分 の 特 許 料 26,100 円 を 負 担
している。
121
山 口 県 畜 産 試 験 場 研 究 推 進 構 想 ( 平 成 14 年 3 月 山 口 県 試 験 場 )
「5 効率的な試験研究の推進 4)知的所有権の確保」において、
「 新 し い 研 究 手 法 の 開 発 、機 械 、機 器 な ど の 改 良 等 の 研 究 成 果 は 、特
許 出 願 に よ り 知 的 所 有 権 の 保 護 に 努 め る と と も に 、そ れ ら の 成 果 が 迅
速 に 畜 産 の 振 興 に 貢 献 で き る 体 制 を 整 備 す る 。」 と 謳 っ て い る 。
本 場 の 知 的 財 産 権 と し て は 、低 脂 肪 ソ ー セ ー ジ と そ の 製 造 方 法 に つ
い て の 特 許 権 の 取 得 が 1 件 あ る 。当 該 特 許 権 は 、産 業 技 術 セ ン タ ー と
の 共 同 研 究 で あ り 、 持 分 割 合 は 畜 産 試 験 場 が 80% 、 産 業 技 術 セ ン タ
ー が 20% と な っ て い る 。
特 許 の 費 用 に つ い て は 、登 録 申 請 費 用 及 び 当 初 3 ヵ 年 の 特 許 料 は 産
業 技 術 セ ン タ ー が 負 担 し 、4 年 目 以 降 の 特 許 料 等 の 費 用 は 畜 産 試 験 場
が負担することになっている。
イ
監査手続
特許権の取得手続が適切に行われているか検証した。
ウ
監査結果
「 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 規 程 」「 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 事
務取扱要領」に従っており、特記すべき事項はなかった。
エ
意見
畜 産 試 験 場 に お い て は 、特 許 の 取 得 は 1 件 と な っ て お り 、そ の 出 願
は 平 成 14 年 10 月 で あ り 、平 成 15 年 10 月 に は 、実 施 許 諾 が 行 わ れ て
い る 。当 初 、県 内 産 業 育 成 の 観 点 か ら 使 用 原 材 料 を 無 角 和 種 牛 肉 に 絞
っ て い た が 、コ ス ト 等 の 面 か ら 課 題 が あ り 、特 許 の 利 用 は 進 ん で お ら
ず 、特 許 料 収 入 も 低 額 に と ど ま っ て い る 。今 後 は 原 材 料 を 無 角 和 種 牛
肉に限らず、商品の開発を行っていくことも検討されている。
販 売 に つ い て は 、実 施 許 諾 先 に 負 う と こ ろ が 多 い が 、取 得 し た 特 許
権の有効活用についてどのように推進するのか更に検討を要する。
(6)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われているかどうか確認した。
( イ )公 有 財 産 台 帳 と 登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 、必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察
及び実地調査を行った。
イ
監査結果
土地について
公 有 財 産 台 帳 に は 地 目 を 山 林 と 記 載 し て い る が 、登 記 簿 謄 本 で は 畑
122
で 登 記 し て お り 地 目 が 異 な っ て い る ケ ー ス が あ っ た 。登 記 簿 謄 本 が 正
しいことが判明している。
所 在 美 祢 市 北 下 原 1230
面 積 1,242 ㎡
(7)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )試 験 研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ
て い る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い
るかを確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きが適切かどうか検証した。
イ
監査結果
物品規則に係る処理について
(ア)寄贈品の手続きの失念について
受精卵供給棟に他部署に転勤した職員から寄贈されたパソコン
が あ り 、現 研 究 員 が 引 き 続 い て 研 究 目 的 に 使 用 し て い る が 、物 品 規
則 第 17 条 に 定 め る 寄 附 採 納 の 手 続 き が 採 ら れ て い な い 。 研 究 デ ー
タ が 寄 贈 さ れ た 個 人 の パ ソ コ ン 内 に 保 管 さ れ て い る と 考 え ら れ 、セ
キ ュ リ テ ィ 上 も 問 題 が あ る 。早 急 に 寄 贈 の 手 続 き を 取 る べ き で あ る 。
(イ)廃棄手続
a 長期間未使用の機器について不用の決定が漏れているものが
あった。
同 機 種 の よ り 進 ん だ 機 器 が 導 入 さ れ た た め 、現 在 未 使 用 と な っ
て お り 、不 用 の 決 定 を 行 い 、処 分 を す べ き で あ る が 、そ の 決 定 が
漏れていた。
プ ロ グ ラ ム フ リ ー ザ ー 他 1 台 取 得 金 額 計 5,645 千 円
b 廃 用 供 卵 牛 3 頭 の 廃 棄 処 分 が 物 品 規 則 第 48 条 の 規 定 に 従 っ て
処理されているが、3頭の個体名号が記載されていなかった。
ウ
意見
廃 棄 手 続 済 の 機 器 が 、部 品 取 り の た め 倉 庫 に 保 有 さ れ て い る 。簿 外
の同機器は部品としての価値があるものがあるということであれば、
財 産 管 理 上 、部 品 取 り の て ん 末 に つ い て 、管 理 簿 を 作 成 し 、明 確 に し
ておく必要がある。
123
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
畜 産 試 験 場 に お い て は 、薬 品 が 試 験 場 内 の 各 施 設 に 分 散 し て 保 管 さ
れ て お り 、こ の た め 、管 理 は 施 設 ご と に 行 わ れ て い る こ と か ら 、管 理
方法の統一及び管理水準の確保に特に留意する必要がある。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 の 購 入 か ら 保 管 、使 用 、処 分 及 び 点 検 に つ い て 、管 理 状
況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 の 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の 視
察 、薬 品 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 、薬 品 の 点 検 状 況 の 確 認 を 行 っ た 。照
合に当たっては、各資料を通査の上、任意にサンプルを抽出した。
ウ 監査結果
( ア )薬 品 の 管 理 状 況 、定 期 点 検 の 実 施 状 況 及 び 毒 物・劇 物 に つ い て 薬
品使用簿と現物との照合の結果、以下の状況がみられる。
a 点 検 に つ い て は 、使 用 の 都 度 及 び 年 度 末 に 残 量 を 確 認 す る 部 署
と 、購 入 回 数 の 多 い 薬 品 に つ い て は 使 用 の 都 度 、購 入 回 数 の 少 な
い薬品については年2回残量の点検を行う部署とがある。
定 期 点 検 の 報 告 に つ い て は 、異 常 が あ っ た 場 合 に の み 口 頭 で 場
長 に 報 告 を 行 う こ と と し て い る が 、管 理 に つ い て 標 準 化 を 行 う と
と も に 、報 告 は 文 書 に て 異 常 性 の 有 無 に 拘 わ ら ず 行 う こ と が 必 要
である。
b 定 期 点 検 の 実 施 に つ い て 、薬 品 使 用 簿 に 記 載 が な い た め 励 行 さ
れているか確認ができなかった。
( イ )毒 物・劇 物 の 取 扱 に つ い て の 要 綱 等 が 整 備 さ れ て い な い 。保 管 場
所が多く別れていることからも薬品の取り扱いについて要綱等を
定めることが必要である。
エ
意見
毒物・劇物の数量の把握方法について
薬 品 使 用 簿 の 数 量 の 記 載 が 重 量 で は な く 、体 積 や 風 袋 抜 き の 数 量 で
記 載 さ れ て い る 薬 品 が あ る た め 、薬 品 使 用 簿 の 残 量 と 現 物 と の 照 合 が
できない薬品がある。
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
124
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
125
3
組織及び運営に関する意見
畜産試験場の組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意見とし
て記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の現状及び改善点
ア 調査研究について
(ア)研究及び評価制度
a 研究課題の主要なものは次のとおりである。
(a)肉用牛に関する研究
(b)酪農に関する研究
(c)草地に関する研究
(d)養鶏に関する研究
(e)加工に関する研究
b 研究実績の推移表
(単位:件)
区 分
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
22
10
8
24
7
8
23
5
6
中止
0
0
0
休止
0
0
0
前年持越
新規
完了
課題結合による減
次年度へ継続
c
0
0
23
22
研究課題の評価の実施状況
区
事前評価
中間評価
事後評価
追跡評価
d
0
24
分
平成 15 年度課題数
内部
15
(単位:件)
平成 16 年度課題数
12
平成 17 年度課題数
12
外部
a
7○
b
5○
c
4○
内部
0
6
5
外部
0
6
5
内部
8
8
6
外部
8
8
6
内部
2
3
2
外部
2
3
2
研究課題の評価と研究実績の関係
① 平 成 15 年 度 、 平 成 16 年 度 外 部 事 前 評 価 数 と 平 成 16 年 度 、
平 成 17 年 度 新 規 課 題 実 績 数 が 一 致 し て い る 。
a○
b○
c の 事 前 評 価 の 外 部 評 価 の 件 数 が 減 少 し て い る の は 、内
② ○
部 評 価 基 準 に お い て C 評 価( A 高 い 、B 普 通 、C 低 い )の 結
果 の あ る 課 題 は 外 部 評 価 に 諮 る 必 要 が な い た め で あ る 。外 部 評
価に付す基準が明確になっている。
③ 平 成 15 年 度 、16 年 度 、17 年 度 の 事 後 評 価 数( 内 部・外 部 評
価 )と 平 成 15 年 度 、16 年 度 、17 年 度 の 完 了 課 題 実 績 数 が 一 致
している。
126
④
追跡評価
平成 15 年度 2 件 1件= 9 年度公表課題(5 年経過) 1 件=12 年度公表課題(2 年経過)
平成 16 年度 3 件 1件=10 年度公表課題(5 年経過) 2 件=13 年度公表課題(2 年経過)
平成 17 年度 2 件 1件=11 年度公表課題(5 年経過) 1 件=14 年度公表課題(2 年経過)
追跡調査は、2か年目の成果、5か年目の成果をアンケート方
式 で 追 跡 調 査 を 行 い 、そ の 結 果 を 外 部 研 究 評 価 会 議 で 公 表 し て い る 。
(イ)評価制度の改善点
農 業 試 験 場 と 合 同 で 行 っ て い る 研 究 評 価 会 議 に つ い て は 、農 業 試
験場の箇所に記載している。なお、改 善 点 は下 記 の と お り で ある 。
① 評価時期について
・ 事 後 評 価 は 事 業 が 完 了 す る も の に つ い て 、そ の 年 度 末 に 評 価
し て い る が 、研 究 実 績 の 把 握 が 十 分 に で き る か 等 の 懸 念 が あ り 、
翌 年 度 に 入 っ て 数 か 月 以 内 の 適 切 な 時 期 を 定 め 、実 施 す る 必 要
がある。
・ 中 間 評 価 に つ い て 、研 究 開 始 後 い つ の 時 点 で 進 捗 状 況 等 の 評
価を行うか、評価対象にする時期を定める必要がある。
② 評 価 結 果 は ホ ー ム ペ ー ジ 等 で は 公 表 し て い な い が 、試 験 研 究 の
評価結果を広く県民に公表することを検討する必要がある。
イ 技術支援について
(ア)現状
技術支援の過去3年間の実施状況は次のとおりである。
(単位:件)
区
分
技術相談の合計
平成 15 年度
103
平成 16 年度
130
平成 17 年度
132
山口型放牧指導
40
60
51
肥育技術指導
14
19
46
1
7
16
48
44
19
良質堆肥指導
その他指導
(イ)改善点
技術支援、技術相談を受けた事例のデータベース化について
畜 産 に 関 す る 技 術 支 援 や 相 談 、情 報 等 の 様 々 な デ ー タ は 紙 ベ ー ス
に よ り 供 覧 し 、周 知 を 図 っ て い る 。相 談 事 例 、試 験 研 究 評 価 等 が 迅
速 に 共 通 認 識 が 図 ら れ る よ う 、ま た 開 か れ た 試 験 研 究 機 関 と し て 広
く 農 畜 産 関 係 者 が 利 用 で き る よ う 、イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し 、検 索
が容易な情報のデータベース化を図っていく必要がある。
127
ウ 山口型放牧の指導について
(ア)定義
山 口 型 放 牧 と は 、中 山 間 地 域 な ど の 生 産 条 件 が 不 利 な 地 域 に お い
て 、棚 田 や 急 傾 斜 地 な ど を 活 用 し た 低 コ ス ト で 省 力 的 な 飼 養 管 理 が
で き る 放 牧 方 法 で あ る 。( 草 地 造 成 を 伴 わ な い も の )
(イ)普及の状況と効果
山口型放牧面積の推移
平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
放牧面積(ha)
うち水田放牧
11.85
12.35
15.50
畜産農家への効果
52.17
104.62
136.00
96.90
162.7
113.4
耕種農家への効果
・飼養の省力化
・景観の保全
・飼養コストの低減
・耕地の有効活用
・糞尿処理作業の軽減
・鳥獣被害の低減
・飼 養 管 理 施 設 節 減( 規 模 拡 大 へ の ゆ と り ) ・ 生 活 環 境 の 保 全
・家畜衛生費の節減
・集落営農の活性化
山 口 型 放 牧 の 普 及 の 状 況 と 、そ の 効 果 は 上 記 の と お り で あ る 。畜
産 試 験 場 は 、放 牧 牛 の 貸 付 、放 牧 未 経 験 牛 の 馴 致 及 び 農 家 等 へ の 放
牧 技 術 の 指 導 を 担 っ て い る 。放 牧 牛 の 貸 付 は 無 償 で 行 っ て お り 、放
牧中の脱柵などの事故がないなど経費面や放牧による労働面で負
担 が 少 な い こ と か ら 、初 め て 畜 産 に 取 り 組 む 農 家 等 に と っ て 取 り 組
み や す い と い う こ と が あ り 、団 塊 の 世 代 等 が 地 域 農 業 の 担 い 手 と し
て貢献する機会を広げる可能性がある。
(ウ)今後の留意事項及び県の財政負担額
畜 産 試 験 場 で は 、山 口 型 放 牧 が さ ら に 拡 大・発 展 す る よ う 、① 放
牧 が 環 境 に 及 ぼ す 影 響 、② 耕 作 放 棄 地 の 牧 養 力 の 検 討 、③ 獣 害 回 避
効 果 の 検 証 な ど に つ い て 試 験 研 究 に 取 り 組 ん で い る が 、課 題 に よ っ
て は 農 業 試 験 場 や 林 業 指 導 セ ン タ ー の 持 つ 専 門 知 識 、技 術 を 活 用 す
るなど、連携により効率的な課題解決に取り組む必要がある。
なお、山口型放牧に要する県の負担額は次のとおりである。
金 額
事業費 10,180 千円
43,388 千円
内 容
草地に関する研究
人件費(研究職 3 人、現業職 3 人、臨時 1 人、日々雇用 156 日分)
収入 12,113 千円
県費負担額 41,455 千円
128
エ 牧場の預託牛育成事業の管理状況(育成業務課)について
(ア)取り組む意義
a 生 後 7 日 齢 か ら 6 ヵ 月 齢 ま で の 哺 育 牛( 約 90 頭 )、7 ヵ 月 齢 か
ら 妊 娠 5 ヵ 月 ( 20 ヵ 月 齢 ) ま で の 育 成 牛 ( 約 160 頭 ) の 哺 育 ・
育成を行っている。
b 哺育・育成は、酪農家にとっては採算効率の悪い分野であり、
ま た 、高 度 な 育 成 技 術 を 必 要 と す る た め 、県 が 斉 一 化 し た 高 度 な
育 成 技 術 で こ の 部 分 を 補 完 す る こ と に よ り 、農 家 の 経 営 安 定 や 牛
群改良に大きく寄与している。
c 県内の酪農家総数の減少が加速する中、預託農家戸数は平成
14 年 度 以 降 、 横 ば い で 推 移 し て お り 、 本 県 酪 農 家 数 の 確 保 対 策
として重要な施策となっている。
(イ)成果
a ( 指 標 ) 預 託 計 画 頭 数 / 日 210 頭
(畜産試験場育成業務課)
(実績)平均管理頭数/日
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
214 頭
244 頭
248 頭
b ( 指 標 ) 山 口 県 乳 用 種 育 成 死 廃 事 故 率 3.0%以 内
(山口県農業共済組合連合会)
(実績)死廃事故率
c
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
0.94%(2 頭)
0.41%(1 頭)
0.81%(2 頭)
発育成績 退牧時の体重・体高・胸囲
(指標)退牧時の発育値
(社 )ホ ル ス タ イ ン 登 録 協 会 標 準 発 育 値 以 上
(実績)
( 単 位 : ヵ 月 齢 、 kg、 cm)
平成 15 年度
達成率
退牧月齢
20.2±1.5
―
体重
487.7±35.3
100%
体高
137.7±3.0
100%
胸囲
183.8±5.7
103%
平成 16 年度
達成率
20.0±1.5
―
479.2±39.6
99%
138.6±3.6
100%
184.7±7.1
103%
平成 17 年度
達成率
20.2±1.2
―
494.4±34.2
101%
138.4±3.0
100%
186.7±6.5
103%
注)達成率:退牧月齢におけるホルスタイン種雌牛の標準発育値に対する割合
129
d
受 精卵 移植 受胎 率
( 指標 )50.0%以上 農 林 水産省 が掲 げる 受胎 率
( 実績 )
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
40.5%
56.9%
64.3%
(受胎 15 頭/移植 37 頭) (受胎 29 頭/移植 51 頭) (受胎 36 頭/移植 56 頭)
e
人 工授 精受 胎率
( 指標 )72.5%以上
山口県 繁殖 技術 共励 会平 均受胎 率
( 実績 )
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
96.5%
95.8%
90.8%
(受胎 111 頭/人工授精 118 頭)(受胎 114 頭/人工授精 119 頭)(受胎 128 頭/人工授精 141 頭)
f
粗飼 料生 産量
( 指標 )2300 トン 以上
210 頭を飼 養す るた めの 年間 必要量
(実績 )
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
1,656 トン
2,735 トン
2,559 トン
(ウ) 牧場 の管 理に つい て
a 県が 負担 してい る金 額
区 分
金
額
支出
人件費
行政職3人
現業職7人
臨時職員2人
日々雇用職員 699 日
秋吉台畜産試験場運営事業
秋吉台整備事業
預託牛育成事業
計
21,153 千円
45,698 千円
4,363 千円
4,327 千円
10,742 千円
970 千円
31,814 千円
119,067 千円
歳入
入牧牛他
53,661 千円
県費負担額
65,406 千円
130
b
県
中国5県の公共牧場の管理状況等
牧場名
鳥取県
鳥取放牧場
大山放牧場
島根県
無
岡山県
岡山県公共育成センター
広島県
無
山口県
畜産試験場育成業務課
c
所有・借受者
管 理
管理者の種類
土地・施設共県有
(修繕・管理費は県負担)
鳥取県畜産振興協会
準公的機関
岡山県
岡山県直営
県
山口県
山口県直営
県
山口県が直営で運営していることについての検討
山口県では酪農農家の経営安定と県内乳牛群の能力向上に資
す る た め 、酪 農 振 興 の 重 点 施 策 と し て 、預 託 牛 育 成 事 業 に 取 り 組
ん で い る 。し か し 、財 政 状 況 が 厳 し い 中 、一 層 の 効 率 的 運 営 に 努
め る 必 要 が あ る 観 点 か ら 、牧 場 の 管 理 に つ い て 外 部 委 託 の 可 能 性
を検討する必要がある。
現 状 、畜 産 試 験 場 で は 良 質 な 粗 飼 料 生 産 の た め 高 度 な 農 業 技 術
が 必 要 で あ る こ と や 、獣 医 師 に よ る 預 託 牛 の 伝 染 病 対 策 の 健 康 管
理 の 問 題 、粗 飼 料 生 産 で は 大 型 農 機 具 に よ る 急 傾 斜 地 で の 危 険 作
業 が 伴 う な ど か ら 、酪 農 家 か ら 求 め ら れ る 事 業 効 果 が 期 待 で き る
適当な外部委託業者の確保が困難な状況とのことである。
適 当 な 受 託 先 が 確 保 さ れ た 場 合 の メ リ ッ ト・デ メ リ ッ ト を 質 問
した。
① メリット
粗 飼 料 の 生 産( 草 地 管 理 作 業 等 )に つ い て は 、作 業 機 械 の 償
却経費等の一部や人件費の削減の可能性がある。
② デメリット
・粗飼料の品質及び生産性の低下が懸念される。
・哺 育・育 成 技 術 の 低 下( 育 成 牛 の 泌 乳 能 力 の 低 下 )が 懸 念
される。
・急傾斜地での危険作業については 、 馴 致 に年 数 を 要 す る。
上 記 の デ メ リ ッ ト を 克 服 し 、メ リ ッ ト を 生 か す こ と が で き な い
か 検 討 す べ き で あ る 。例 え ば 品 質 及 び 生 産 性 の 低 下 懸 念 に 対 し て
は 十 分 作 業 内 容 を 指 導 し 、作 業 の 危 険 性 に 対 し て は 一 定 期 間 の 訓
練 を 実 施 し 、安 全 性 と 効 率 性 に つ い て 現 場 実 証 な ど に よ り 受 託 作
業 者 の 作 業 能 力 を 十 分 把 握 し 、外 部 委 託 が で き な い か 検 討 す る 必
要がある。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 粗 飼 料 生 産 業 務 、 預 託 牛 業 務 等 の 効 率
化 が 示 さ れ て い る 。こ れ ら の 業 務 に つ い て は 、今 後 の 飼 養 農 家 の
ニ ー ズ 等 も 勘 案 し な が ら 、民 間 と の 役 割 分 担 を 明 確 化 す る 観 点 か
ら 、民 間 委 託 の 活 用 も 含 め た 今 後 の 効 率 的 な 業 務 の 在 り 方 に つ い
131
て 検 討 を 進 め 、平 成 19 年 度 に 方 向 性 を 明 示 す る こ と と し て い る 。
オ 診断等検査
(ア)過去3年度の業務の推移は次のとおりである。
(単位:件)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
250
504
699
超音波診断
飼料分析診断
150
69
410
67
560
120
土壌分析診断
17
18
0
堆肥分析診断
14
9
19
診断等検査の内訳(件数)
検 査 関 係 は 上 表 の よ う に 検 査 診 断 を 行 っ て い る が 、超 音 波 診 断 は
畜産試験場しか検査機器を所持していない。
また堆肥分析検査についても、機器の操作に熟練を有するため、
民間への委託は不可能ということである。
(イ)農家からの飼料分析依頼について
平 成 17 年 度 の 飼 料 分 析 は 120 件 あ る が 、 う ち 、 農 家 か ら の 依 頼
件 数 が 28 件 、 農 林 事 務 所 、 育 成 業 務 課 か ら の 依 頼 が 92 件 で あ る 。
こ の 飼 料 分 析 に つ い て は 、民 間 の 分 析 機 関 が あ り 、農 家 か ら の 依 頼
は 可 能 と い う こ と で あ り 、民 間 で で き る 検 査 は 民 間 に 委 譲 す る と い
う方針を徹底し、民間委譲するよう誘導すべきである。
(2)他の試験研究機関との連携による業務の効率化と品質向上について
ア 県内他の試験研究機関との連携
農業試験場
「中山間地域における稲穂と畜産負荷軽減型水田
営 農 技 術 体 系 の 確 立 」飼 料 作 物 に 関 す る 研 究 の う
ち育種
林 業 指 導 センター 「 む つ み 林 木 育 種 園 」へ の 山 口 型 放 牧 の 導 入 に つ
いて支援・連携
グ ロ ー バ ル な 地 域 課 題( 分 野 横 断 型 )に つ い て は 、縦 割 に よ る 弊 害
を 是 正 し 、農 業 試 験 場 及 び 林 業 指 導 セ ン タ ー の 持 つ 専 門 的 知 識 や 技 術
を生かして課題解決を効率的に行うために連携して取り組む必要が
ある。
イ
他県の試験研究機関や民間との連携
① 独 立 行 政 法 人 家 畜 改 良 セ ン タ ー ほ か 10 府 県 で 実 施 し て い る 試 験
研 究 及 び 15 道 県 で 実 施 し て い る 試 験 研 究 の 2 課 題 に つ い て 参 加
している。
メ リ ッ ト は 、試 験 対 象 牛 等 が 少 類 数 で も 、共 同 し て 研 究 す れ ば 精
度 の 高 い デ ー タ に 集 積 で き る と い う こ と で あ り 、連 携 の 効 果 が あ
り、今後より深めていく必要がある。
132
②
民 間 と の 連 携 で は 、 見 島 牛 の 肉 の 特 徴 を 生 か し た 低 脂 肪 ハ ム ・ソ
ーセージの製造指導(技術移転)を行っている。
民 間 食 品 企 業 に 蓄 積 さ れ て い る 製 造 技 術 と 、試 験 研 究 の 成 果 が う
ま く ド ッ キ ン グ し 、技 術 移 転 が ス ム ー ズ に 行 わ れ た と い う こ と で
あ る 。県 民 に 還 元 さ れ る 研 究 活 動 を す る た め に 、民 間 企 業 と 連 携
を強化し、ノウハウを活用する必要がある。
ウ
大学等の教育機関との連携
平 成 18 年 8 月 25 日 に 山 口 県 農 林 関 係 試 験 研 究 機 関( 農 業 試 験 場 ・
畜 産 試 験 場・林 業 指 導 セ ン タ ー )と 山 口 大 学 農 学 部 は 連 携 研 究 に 関 す
る 覚 書 を 交 わ し 、個 別 研 究 課 題 毎 に 連 携 研 究 契 約 書 を 締 結 し て 、連 携
して研究を実施することとしている。
緊急性や重要性の高い研究開発につなげるための基礎となる研究
等 に つ い て 、大 学 の 研 究 機 関 と 役 割 分 担 を 明 確 に し な が ら 研 究 活 動 の
効率化を図る必要がある。
エ
県立農業大学校との連携
農 業 大 学 校 と は 、技 術 職 員 の 人 事 交 流 や 農 大 生 の 研 修 等 を 通 じ 、活
発 に 連 携 し て い る 。畜 産 試 験 場 か ら 転 勤 し た 職 員 は 、試 験 研 究 で 培 っ
た 専 門 知 識 を 生 か し て 生 徒 の 技 術 指 導 に 当 た り 、ま た 農 大 生 の 免 許 取
得( 人 工 授 精 師 )に 当 た っ て は 、畜 産 試 験 場 が 実 地 研 修 の 場 と し て 活
用されている。
肉 用 牛 飼 育 の 普 及・拡 大 を 図 る た め の「 肉 用 牛 入 門 講 座 」で は 、農
業大学校と畜産試験場が連携して入門講座を開催している。
こ れ か ら 産 地 育 成 、農 業 関 係 の 担 い 手 育 成 等 の 地 域 課 題 が よ り 高 度
で 複 雑 化 し 、迅 速 な 対 策 が 求 め ら れ る 中 で 、畜 産 業 の 振 興 を 図 っ て い
くためには試験研究機関と教育機関さらには普及指導機関とが役割
分担を明確にした上で、より密接な連携を図る必要がある。
なお、
「 最 終 案 」に お い て 、平 成 19 年 度 に「 農 林 総 合 技 術 セ ン タ ー
( 仮 称 )」 を 設 置 す る こ と が 示 さ れ て い る ( 30 頁 に 記 載 )。
オ
行政機関(主管課、農林事務所等)
畜 産 振 興 課 の 行 政 施 策 に 基 づ き 試 験 研 究 を 実 施 し て お り 、農 林 事 務
所 と の 連 携 は 農 林 事 務 所 畜 産 部 と 連 携 し 、畜 産 農 家 へ の 普 及 を 図 る 技
術 の 指 導 や 、地 域 畜 産 農 家 等 の 問 題 解 決 に つ い て 農 林 事 務 所 畜 産 部 職
員と研究員が畜産農家等へ出向き指導している。
そ の 過 去 3 年 間 の 技 術 支 援 等 の 実 績 の 推 移 に つ い て は 127 頁 イ
(ア)に記載のとおりである。
今 後 も 試 験 研 究 の 成 果 を よ り 普 及 す る た め に 、密 接 な 連 携 は 必 要 で
ある。
133
(3)人材育成による業務品質の確保・向上について
ア 山 口 大 学 農 学 部 と の 連 携 の 下 で 、大 学 に お け る 短 期 間 の 研 修 指 導 を
受 け る こ と や 、独 立 行 政 法 人 家 畜 改 良 セ ン タ ー に お け る 畜 産 技 術 系 職
員 等 を 対 象 と し た 短 期 の 研 修 の 受 講 な ど に よ り 、職 員 の 能 力 向 上 を 図
っている。
研 究・検 査 等 の 業 務 が 高 度 化・細 分 化 す る こ と へ の 対 応 と し て 、技
術 系 職 員 の 質 を 高 め る た め 、人 材 育 成 の 基 本 方 針 を 明 文 化 し 、制 度 化
を図る必要がある。
イ
技術・ノウハウの継承
平 成 18 年 度 以 降 、 3 年 間 に 現 業 職 員 の 定 年 退 職 者 が 5 ~ 6 名 見 込
ま れ て お り 、 そ の 補 充 は 22 条 職 員 や 非 常 勤 嘱 託 職 員 に よ り 対 応 す る
こ と に な っ て い る 。問 題 は 退 職 す る ベ テ ラ ン 職 員 が 有 す る 技 術・ノ ウ
ハ ウ を 在 職 職 員 に 確 実 に 継 承 し 、業 務 の 遂 行 に 支 障 の な い よ う に す る
必要があり、円滑な技術の継承の方策の検討が必要である。
(4)外部研究資金の導入による財源確保について
ア 平 成 17 年 度 の 外 部 研 究 資 金 の 導 入 の 状 況 は 次 の と お り で あ る 。
(金額単位:千円)
区
分
件 数
金
額
競争的資金
0件
0
受託研究
1件
600
共同研究
2件
2,431
3件
3,031
計
イ ( ア ) 平 成 16 年 度 ま で は 、 国 の 補 助 事 業 の 中 で 、 山 口 県 の 施 策 展 開
に 適 合 す る も の を 導 入 す る こ と に よ り 、外 部 資 金 を 確 保 し て い た 。
国 の 補 助 金 制 度 の 廃 止 後 は 、試 験 研 究 機 関 自 ら が 他 県 や 産 学 と の
連 携 の 下 に 研 究 機 能 の 充 実 を 図 り 、競 争 的 資 金 等 外 部 資 金 の 獲 得
に努めることが必要となっている。
( イ )県 で は 、山 口 型 放 牧( 簡 易 電 気 柵 を 用 い た 牛 の 放 牧 )を 推 進 し
て お り 、 平 成 18 年 度 か ら 独 立 行 政 法 人 や 他 県 と の 共 同 で 外 部 資
金(競争的資金)を導入して研究に取り組んでいる。
( ウ )外 部 資 金 を 導 入 す る た め に は 、畜 産 試 験 場 の 研 究 成 果 を 研 究 概
要 、シ ン ポ ジ ウ ム 等 で 広 く 全 国 に 情 報 発 信 す る 必 要 が あ り 、こ の
ためには外部資金導入に関する基本方針や施策等についての規
程を定め、取り組む必要がある。
134
(5)畜産試験場の役割遂行について
畜 産 試 験 場 に お け る 試 験 研 究 は 、民 間 で の 取 組 み が 非 常 に 少 な く 、現
地 に 密 着 し た 試 験 研 究 機 関 と し て 畜 産 振 興 に 果 た す 役 割 は 大 き い 。し た
が っ て 、試 験 研 究 業 務 の 有 効 性 に つ い て 県 民 へ の 浸 透 度 、理 解 度 を 高 め
る た め に 、県 民 ニ ー ズ を 把 握 し 、実 用 化 の 可 能 性 が 高 い 研 究 を 中 心 に 行
うことが必要である。
研 究 成 果 の 普 及 に つ い て は 、「 農 林 事 務 所 と の 連 携 業 務 」 で 取 り 組 み
現 地 へ の 直 接 指 導 体 制 が 構 築 さ れ て い る が 、試 験 研 究 機 関 と 普 及 機 関 の
連 携 強 化 に 向 け て 、そ の 効 果 の 検 証 が 必 要 で あ る 。成 果 の 内 容 の 公 表 は 、
成 果 発 表 会 、試 験 研 究 報 告 等 で 行 っ て い る が 、広 く 県 民 に 公 表 す る た め
に ホ ー ム ペ ー ジ の 活 用 を 検 討 す る 必 要 が あ る 。そ の 結 果 、県 民 の 声 を 受
入れ、畜産試験場の業務等の在り方に反映させることも必要である。
135
第7 山口県林業指導センター
1 概要
(1)設置
山 口 県 林 業 指 導 セ ン タ ー は 、 山 口 県 林 業 指 導 セ ン タ ー 条 例 ( 昭 和 51
年 山 口 県 条 例 第 1 号 )に 基 づ い て 設 置 さ れ 、林 業 に 関 す る 試 験 研 究 及 び
林業技術等の研修を行い、林業の振興を図ることを目的としている。
(2)所在地
山 口 市 宮 野 上 1768- 1
ホームページアドレス
http://www.nourin.pref.yamaguchi.lg.jp/rinshi/
(3)沿革
昭 和 24 年 10 月
昭 和 31 年 11 月
昭 和 51 年 4 月
平成 8 年 3 月
平 成 11 年 4 月
平 成 17 年 4 月
山口県林業苗圃場を設置
山 口 県 林 業 苗 圃 場 を 廃 止 し 、山 口 県 林 業 試 験 場 と な
る
山 口 県 林 業 試 験 場 を 廃 止 し 、山 口 県 林 業 指 導 セ ン タ
ーとなる
高性能林業機械を導入
行 政 改 革 に よ り 研 究 部 、研 修 部 の 科 を 廃 止 し 、研 究
部については、二つのグループを設置
業務課と緑化指導課を緑化種苗課に統合
(4)業務
① 林業に関する試験研究に関すること
② 環境緑化に関する試験研究及び技術指導に関すること
③ 林業技術及び林業経営の研修に関すること
④ 林業に関する指導者の養成に関すること
⑤ 林業知識及び林業技術の普及に関すること
136
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 21 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
総務課
所 長 (1)
次 長 (1)
(3)
(
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
緑 化 種 苗 課 (5)
研修部
(3)
研究部
(8)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 と 同 数 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額の推移
(単 位 : 千 円 、 人 )
区 分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
31,666
4
29,238
4
28,140
4
28,090
4
28,146
4
1 人当たり人件費
7,917
7,310
7,035
7,023
7,037
研究職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
53,966
8
6,746
54,086
8
6,761
53,875
8
6,734
55,337
8
6,917
54,720
8
6,840
技術職(金額)
(人数)
65,286
9
63,640
9
62,023
9
55,423
8
54,653
8
7,254
7,071
6,891
6,928
6,832
7,648
1
7,328
1
7,216
1
7,135
1
7,365
1
7,648
7,328
7,216
7,135
7,365
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
共済費(正規職員)
30,934
29,818
28,762
27,377
27,448
正規職員計(金額)
(人数)
189,500
22
184,110
22
180,016
22
173,362
21
172,332
21
8,614
8,369
8,183
8,255
8,206
2,243
1
2,236
1
2,187
1
2,176
1
1,991
1
17,565
15,135
19,512
17,601
19,210
662
633
511
680
708
1 人当たり人件費
非常勤職員(金額)
(人数)
その他(金額)
共済費(非常勤・臨時等)
非常勤・臨時等計(金額)
20,470
18,004
22,210
20,457
21,909
合計(金額)
209,970
202,114
202,226
193,819
194,241
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
9
2
8
3
22
42.2
平成 17 年度
0
7
7
5
2
21
42.5
137
正規職員の平均年齢は殆ど変わらない。
(7)主要施設の状況
種別
区
分
面積(ha)
種別
区
分
面積(㎡)
構内
実験実習林
3.95
機械室・廊下
124.00
7.82
展示館
215.29
7.66
車庫
176.06
苗畑管理棟(倉庫)
119.00
7.91
実験作業棟
189.00
123.71
種子管理棟
147.00
昆虫飼育棟
42.00
菌類実験棟
90.00
計
環境緑化園
構
むつみ林木育種園
地
美東林木育種園
外
育林技術展示林
計
内
木戸山実験林
30.71
構
本館
建
3.87
土
庁舎等敷地
5.12
175.11
1,267.44
物
機械実習棟・油庫
272.85
温室及び堆肥舎
高性能林業機械保管庫
253.10
187.46
計
3,083.21
構 外
環境緑化園作業場他
252.44
むつみ林木育種園事務所
166.75
美東林木育種園他
15.00
計
434.19
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
261
176
132
172
157
財産売払収入
707
374
1,164
1,199
1,199
受託事業収入
0
0
2,908
2,880
12,635
預金利子
0
0
0
0
0
50
1,018
13,042
52
602
10,194
103
4,307
13,577
493
4,744
23,052
61
14,052
11,356
14,060
10,796
17,884
27,796
25,408
2,471
2,236
2,187
2,176
1,991
662
633
511
680
708
17,565
15,135
19,512
17,601
19,210
1,676
1,105
1,008
1,163
1,136
雑入
小計
当指導センター以外の調定分
収入合計
支出
報酬
共済費
賃金
報償費
旅費
需用費
一般需用費
食糧費
7,250
6,692
7,075
5,219
6,191
17,224
15,125
17,696
17,144
16,240
17,215
15,116
17,687
17,135
16,227
9
9
9
9
13
138
役務費
3,502
3,483
3,621
2,791
6,244
委託料
12,529
8,749
8,697
8,104
6,310
使用料及び賃借料
953
791
527
910
943
工事請負費
592
0
0
29,295
0
備品購入費
1,639
4,300
2,215
2,414
3,877
負担金補助及び交付金
538
864
1,083
567
612
補償補填及び賠償金
232
198
169
110
51
66,833
59,311
64,301
88,174
63,513
小計
19,510
0
0
0
0
正規職員人件費
支出合計
189,500
275,843
184,110
243,421
180,016
244,317
173,362
261,536
172,332
235,845
収支差額
△ 261,783
△ 232,625
△ 226,433
△ 233,740
△ 210,437
当指導センター以外の予算執行分
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
139
2
監査結果
山 口 県 林 業 指 導 セ ン タ ー ( 以 下 「 林 業 指 導 セ ン タ ー 」 と い う 。) の 財 務
事務は、以下の指摘事項の部分を除き、総合的には関係法令等に基づき、
概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電 柱 ・支 線 な ど の 設 置 に 係 る 土 地 使 用 、自 動 販 売 機 設 置 に 係 る 建
物使用などの行政財産使用料がある。
ま た 、研 修 施 設 使 用 料 を 徴 収 し て お り 、研 修 代 金 は 初 日 の 朝 に 徴
収してその日に銀行に入金している。
(イ)監査手続
使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、 調 定 票 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定 収 納 状 況
一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い て 使 手 条 例 等 と 照 合 し た 。
研 修 施 設 使 用 料 に つ い て は 、決 裁 書 類 、減 免 申 請 書 、徴 収 明 細 表 、
領 収 書 ( 控 )、 現 金 振 込 書 兼 領 収 書 を 照 合 し 、 収 入 事 務 の 妥 当 性 を
検討した。
(ウ)監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を受
け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 当 該 記 載 が な さ れ て い な か っ た 。そ の
他照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 財産売払収入
(ア)概要
林 業 指 導 セ ン タ ー で は 緑 化 木 の 苗 木 の 生 産 を し て お り 、生 産 さ れ
た 苗 木 は ① 県 の 施 設( 学 校 、警 察 な ど )に 無 償 で 配 布 す る も の と ②
財 団 法 人 や ま ぐ ち 農 林 振 興 公 社 に 売 却 す る も の が あ り 、財 団 法 人 や
まぐち農林振興公社に売却された後は市 町 に無 償 で 配 布 し て いる 。
(イ)監査手続
契約書を閲覧し、調定票と調定収納状況一覧表を照合した。
売 却 単 価 の 積 算 根 拠 に つ い て 質 問 、ま た 関 係 書 類 を 閲 覧 し 、市 場
単価との比較を行った。
(ウ)監査結果
収入事務について特記すべき事項はなかった。
(エ)緑化苗木の売り払いに対する意見
a 緑 化 木 の 苗 木 に つ い て は 、過 去 の 出 荷 実 績 を 基 に 、樹 種 選 定 を
行 い 、年 間 1 万 本( 低 木 8,500 本・高 木 1,500 本 )の 目 標 を 設 定
し 、生 産 し て い る が 、生 産 及 び 販 売 に つ い て 、数 量 が 膨 大 で 生 育
期間が長く、着床率等から数量確定が困難であるという理由で、
140
出荷時における生産品処理調書による数量管理がなされている
だ け で あ る 。予 算 が 削 減 さ れ る 中 で 、必 要 数 量 を 効 率 的 に 生 産 す
る な ど の た め に 、生 産 品 の 数 量 を 全 般 的 に 管 理 す る こ と を 検 討 す
る必要がある。
b 緑 化 木 の 苗 木 の 売 り 払 い 単 価 は 、日 々 雇 用 の 作 業 員 の 人 件 費 と
原材料費、需用費のみで行っており、市場単価と比較した結果、
売払単価は低い。
そ の 原 因 は 、セ ン タ ー 職 員 の 人 件 費 や 設 備 償 却 費 が 含 ま れ て い
な い こ と に よ る も の で あ る と 考 え ら れ る 。売 却 単 価 は 市 場 単 価 を
参考に決定することを検討すべきである。
ウ 受託事業収入
(ア)概要
受 託 試 験 研 究 を 行 っ て お り 、そ の 主 な 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。
課題名
金額(千円)
タケ資源の持続的利用のための竹林管
理・供給システムの開発
獣害回避のための難馴化忌避技術と生息
適地への誘導手法の開発
森林吸収源計測・活用体制整備強化事業
4,110
4,235
2,600
(イ)監査手続
受 託 事 業 に つ い て 、調 定 票 、 委 託 契 約 書 、 決 裁 書 類 、 申 請 書 、 調
定収納状況一覧表を照合し、収入事務の妥当性を検討した。
(ウ)監査結果
収入事務について特記すべき事項はなかった。
エ 雑入
(ア)概要
主なものは自動販売機の光熱水費の実費徴収分である。
(イ)監査手続
調定票、調定収納状況一覧表を照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
オ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
141
事業名
金額(千円)
林業普及指導事業交付金
4,025
林業生産流通振興事業費
3,127
優良種苗確保対策事業
721
松くい虫防除推進事業
804
シカ被害防除緊急対策費
743
治山事業
747
(イ)監査手続
国庫交付金について交付申請書、交付決定通知書、実績報告書、
確定通知書などを閲覧、照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 伺 よ り 任 意 に 抽 出 し 、実 績 報 告 書 、支 出 伺 、支 出 票 の 保 管 状
況及び資料間の整合性を確認した。また、支出負担行為・支出票の
合 計 額 と 歳 出 決 算 額 調 と を 照 合 し 、デ ー タ の 正 当 性 及 び 入 力 の 正 確
性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
142
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 100 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
庁舎の清掃管理
(随意契約(1 号))
ペレットボイラー
冷暖房保守管理
(随意契約(7 号))
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
850
853
100.0%
A社
平成 14 年度
平成 15 年度
850
784
901
885
94.3%
88.6%
A社
B社
平成 16 年度
735
874
84.0%
B社
平成 17 年度
735
857
85.7%
C社
平成 13 年度
―
―
―
―
平成 14 年度
―
―
―
―
平成 15 年度
―
―
―
―
143
備考
平成 16 年度
―
―
―
平成 17 年度
226
262
86.4%
D社
―
平成 13 年度
189
189
100.0%
F社
平成 14 年度
浄化槽維持管理・清掃
平成 15 年度
(随意契約(1 号))
平成 16 年度
157
189
83.3%
F社
138
157
88.0%
F社
128
138
92.4%
F社
平成 17 年度
136
138
98.5%
F社
平成 13 年度
155
155
100.0%
G社
自家用電気工作物 平成 14 年度
保安業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号)) 平成 16 年度
平成 17 年度
155
155
100.0%
G社
144
155
93.2%
H社
150
150
155
155
96.9%
96.9%
G社
G社
平成 13 年度
882
884
99.8%
H社
平成 14 年度
警備業務
平成 15 年度
(随意契約(6 号))
平成 16 年度
882
882
100.0%
H社
882
882
100.0%
H社
882
882
100.0%
H社
平成 17 年度
882
882
100.0%
H社
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
ペ レ ッ ト ボ イ ラ ー 冷 暖 房 保 守 管 理 業 務 に つ い て は 、年 2 回 、6 月 と
10 月 に 点 検 調 整 整 備 を 行 う こ と に な っ て お り 、 10 月 の 業 務 は 行 っ て
い る が 、「 空 調 設 備 点 検 報 告 書 」 が 保 管 さ れ て い な か っ た 。
(4)物品購入に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 に 当 た り 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 等
が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行 わ れ
ているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 概要
林 業 指 導 セ ン タ ー で は 、 平 成 17 年 度 末 に お い て 、 特 許 権 3 件 、 品
144
種 登 録 1 件 を 出 願 し て お り 、こ の う ち 、品 種 登 録 に つ い て は 権 利 を 取
得している。
出 願 し て い る 特 許 権 は 、ハ タ ケ シ メ ジ の 栽 培 方 法 に 関 す る も の が 2
件 、マ ツ ノ マ ダ ラ カ ミ キ リ を 効 果 的 に 集 め る た め の 被 膜 シ ー ト 1 件 と
な っ て い る 。品 種 登 録 は 種 苗 法 に 基 づ く も の で 、登 録 を 行 っ て い る の
は 、ハ タ ケ シ メ ジ 1 件 で あ る 。い ず れ も 当 セ ン タ ー の 特 色 を 生 か し た
研究によるものである。
過去における知的財産権の状況は次のとおりである。
過 去 10 年 間 の 出 願 ・ 取 得 ・ 許 諾 の 状 況
保有件数
過去 10 年間の実績(平成 7 年度~平成17 年度)
平成 7 年度末 平成 17 年度末 出願件数 権利取得件数
処分
実施許諾件数 実施料収入累計
特許権
0件
0件
3件
0件
0件
0件
― 円
品種登録
0件
1件
1件
1件
0件
2件
847 円
過 去 10 年 間 の 推 移
(単位:件)
平成 8 年度 平成9 年度 平成10 年度 平成11 年度 平成12 年度 平成13 年度 平成14 年度 平成15 年度 平成16 年度 平成17 年度
特許権
品種登録
出願
-
-
-
1
-
-
-
1
-
1
処分
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
実施許諾
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
出願
-
-
-
-
-
1
-
-
-
-
処分
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
実施許諾
-
-
-
-
-
1
-
(1)
-
-
(単位:円)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
実施許諾料
―
247
66
282
252
847
権利維持費用
―
―
6,000
6,000
6,000
18,000
差引
―
247
△5,934
△5,718
△5,748
△17,153
イ
計
監査手続
特 許 権 等 の 取 得 手 続 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、権 利 に 係 る 契 約 等 が
適 切 に 締 結 さ れ て い る か に つ い て 検 証 し た 。ま た 、実 施 許 諾 の 状 況 に
ついて把握し、処分等の手続が適切に行われているか検証した。
ウ 監査結果
( ア ) 特 許 権 等 の 取 得 の 手 続 、処 分 等 の 手 続 に つ い て は 特 記 す べ き 事 項
はなかった。
( イ ) 職 員 の 職 務 発 明 等 に 関 す る 事 務 取 扱 要 領 第 11 に 定 め る 「 発 明 台
帳」及び職員の職務育成品種に関する事務取扱要領第9に定める
「品種育成台帳」の作成が行われていなかった。
145
(6)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 、ま た 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調
査を行った。
イ
監査結果
特記すべき事項はなかった。
ウ
意見
未利用施設は次のとおりである。
林木育種園管理事務所
林木育種園作業場他2棟
取得年月
昭和 37 年5月
昭和 39 年 12 月から昭和 41 年3月
面積
62.37 ㎡
38.27 ㎡
評価額
675 千円
116 千円
上 記 の も の は 10 年 以 上 、 本 来 の 用 途 に 利 用 さ れ て お ら ず 、 今 後 の
利 用 計 画 も な く 、 公 有 財 産 規 則 第 42 条 に 従 っ て 取 壊 す こ と を 検 討 す
る必要がある。
(7)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )試 験 研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ
て い る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い
るかを確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きが適切かどうか検証した。
イ 監査結果
(ア)物品標示票の貼付等について
以下の問題点があった。
a 物 品 標 示 票 の 品 名 及 び 番 号 が 消 え て 読 め ず 、管 理 簿 と 現 物 の 照
合 が で き な か っ た 。( 高 圧 殺 菌 釜 付 属 品 1 台 )
b 備品管理簿の番号と物品標示票の番号が相違しているものが
あ っ た 。( 小 型 ト ラ ク タ ー 管 理 簿 の 番 号 418、 シ ー ル の 番 号 1)
c 備品を購入した当初から標示票を貼付していないものがあり、
監 査 人 の 指 摘 に よ り 貼 付 さ せ た 。( チ ェ ー ン ソ ー 3 台 )
( イ ) 下 記 の 機 器 は 約 20 年 間 未 利 用 で あ り 、 今 後 も 利 用 予 定 が な く 、
物 品 規 則 第 45 条 に 定 め る 不 用 の 決 定 が 漏 れ て い た 。
146
球 果 乾 燥 機 昭 和 49 年 10 月 取 得 取 得 金 額 2,200 千 円
上 記 以 外 は 物 品 規 則 第 45 条 及 び 第 48 条 に 準 拠 し て 廃 棄 手 続 が な
されており、特記すべき事項はなかった。
ウ 意見
( ア )山 口 大 学 の 構 内 に 設 置 し て い る 野 生 動 物 監 視 シ ス テ ム は 、職 員 が
定 期 的 に 出 向 い て 、入 力 さ れ て い る デ ー タ を 大 学 と 共 同 で 分 析 し て
いる。このケースのように当センター外に設置するなどの場合は、
備品の所在を明確にするため管理簿にその旨を記載する必要があ
る。
(イ)機器の使用状況について
木 材 試 験 機 ( 昭 和 55 年 7 月 取 得 、 金 額 3,800 千 円 ) は 、 3 年 以
上 未 使 用 で あ り 、将 来 の 使 用 可 能 性 も 不 明 で あ る 。た だ し 、必 要 な
補修は実施している。
必要な対応は全試験研究機関の監査結果に関連する意見の箇所
に記載している。
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
林業指導センターにおいては、その業務上、他の研究機関と比べ、
毒 物・劇 物 は 種 類・量 と も に 少 な い が 、実 際 の 管 理 に お い て は 、種 類 ・
量に関係なく管理は適切に行うことが求められる。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 に つ い て 、購 入 か ら 保 管 、使 用 、処 分 及 び 点 検 に つ い て 、
管 理 状 況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 を 通 査 、薬 品 の 保 管 状
況 の 視 察 、毒 物・劇 物 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 、薬 品 の 点 検 状 況 の 確 認
を 行 っ た 。照 合 に 当 た っ て は 、各 資 料 を 通 査 の 上 、任 意 に サ ン プ ル を
抽出した。
ウ
監査結果
薬 品 出 納 簿 と 薬 品 使 用 簿 と の 照 合 、薬 品 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 を 行
っ た が 特 に 問 題 は な い 。点 検 に つ い て は 、総 務 課 が「 農 薬 等 保 管 状 況
表 」を 作 成 し 、年 5 回 実 施 し て お り 、特 に 問 題 は な い 。保 管 し て い る
部 屋 は 施 錠 可 能 で あ り 、保 管 し て い る 棚 は 施 錠 し 、鍵 は 総 務 課 の 金 庫
に保管されている。
管 理 は さ れ て い る が 、薬 品 に つ い て の 取 扱 い 手 引 き と な る 要 綱 等 が
整備されていないため、今後、作成が必要である。
147
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
148
3
組織及び運営に関する意見
林業指導センターの組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意
見として記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の状況及び改善点
ア 調査研究について
(ア)研究及び評価制度
a 研究課題
中長期的な試験研究課題及び選択と集中の観点から森林の管
理保全やバイオマス活用研究等に集中している。
b 研究実績の推移表
(単位:件)
年度
前年持越
平成 15 年度
平成 16 年度
14
10
平成 17 年度
c
12○
新規
4
a
7○
b
12○
完了
d
8○
e
5○
5
中止
1 (注)
休止
課題統合による減
次年度へ継続
10
12
18
(うち継続課題として評価)
(注)竹林と山地崩壊との因果関係が認められないため中止
c
研究課題の評価の実施状況
年 度
事前評価
平成 15 年度
内部
外部
中間評価
事後評価
追跡評価
a
10○
9
(単位:件)
平成 16 年度
平成 17 年度
b
2○
2
1
2
内部
c
2○
外部
2
内部
d
7○
e
1○
外部
7
1
内部
外部
d
研究課題の評価と研究実績の関係
a ・ 平 成 15 年 度 事 前 評 価 10 件 に 対 し 、 平 成 16 年 度 新 規 課 題 7
○
件の差 3 件
国 公 募 型 2 件 ( 結 果 選 外 )、 1 件 不 採 択 と な っ た こ と に よ る 。
・内 部 評 価 と 外 部 評 価 の 差 1 件 は 不 採 択 分 を 評 価 外 と し た こ と
による。
b ・ 平 成 16 年 度 事 前 評 価 2 件 に 対 し 、 平 成 17 年 度 新 規 課 題 12
○
件 の 差 10 件
10 件 は 国 公 募 型 、 民 間 か ら の 委 託 分 ( 15 年 度 は 国 公 募 型 を 事
前 評 価 し て い る が 、 平 成 16 年 度 か ら 事 前 評 価 し な い こ と に 変
149
更 し て い る 。)
・内 部 評 価 と 外 部 評 価 の 差 1 件 は 、不 採 択 分 を 評 価 外 と し た こ と
による。
c
○
平 成 17 年 度 中 間 評 価 ( 内 部 ・ 外 部 評 価 )2 件 は 、 平 成 15 年 度
に 評 価 制 度 が 開 始 さ れ た こ と に よ り 、 平 成 17 年 度 前 年 持 越 分
のうち複数年度にわたる研究課題の 2 年経過分を評価したも
のである。
d
○
平 成 16 年 度 事 後 評 価 7 件 に 対 し 、平 成 15 年 度 完 了 課 題 8 件 の
差 1件
1 件は自然保護課からの依頼調査であり評価外としている。
e
○
平 成 17 年 度 事 後 評 価 1 件 に 対 し 、平 成 16 年 度 完 了 課 題 5 件 の
差 4件
4 件は林業機械化協会・林政課・林業薬剤協会からの委託・依
頼であり評価対象外としている。
(イ)評価制度の改善点
研 究 課 題 の 評 価 は「 林 業 指 導 セ ン タ ー の 研 究 業 務 に 関 す る 内 部 評
価 規 程 」、
「 同 実 施 要 領 」、
「林業指導センターの研究業務に関する外
部 評 価 会 議 規 程 」に 基 づ い て 評 価 を 行 っ て い る 。改 善 点 は 下 記 の と
おりである。
① 林業指導センターの研究業務に関する内部評価実施要領第4
条( 2 )に 、す べ て の 試 験 研 究 課 題 を 対 象 に す る と あ る が 、国
公 募 型 、民 間 か ら の 委 託( 受 託 )分 が 評 価 の 対 象 外 と さ れ て お
り対象外とするものを実施要領等に明確にする必要がある。
な お 、受 託 研 究 に つ い て は 、ど の よ う な 研 究 を 受 託 研 究 と し て
受 入 れ る か 等 、林 業 指 導 セ ン タ ー 自 体 の 研 究 開 発 課 題 の 領 域 と
の 整 合 性 を 図 っ て 基 準 を 作 成 し 、そ の 基 準 に 従 っ て 受 託 研 究 を
実施する必要がある。
② 事 前 、中 間 、事 後 評 価 の 、評 価 の 実 施 時 期 が 定 め ら れ て い な い
ので、評価規程及び実施要領において定める必要がある。
③ 追 跡 評 価 は 評 価 制 度 が 平 成 15 年 度 に 開 始 さ れ 、 5 年 経 過 後 の
平 成 20 年 度 か ら 予 定 し て い る と の こ と で あ る が 、 研 究 課 題 の
完 了 後 何 年 経 過 後 に 行 う か 、ま た 評 価 項 目 、評 価 基 準 に つ い て
実施要領などに明確に定める必要がある。
④ 事前評価したものについて外部評価に付していないものが平
成 15 年 度 と 平 成 16 年 度 に 1 件 ず つ あ る 。そ の 理 由 は 事 前 内 部
評 価 で 不 採 択 と さ れ た た め と い う こ と で あ る が 、ど の よ う な 場
合 に 外 部 評 価 に 付 さ な い の か 、基 準 を 評 価 規 程 に 明 示 す べ き で
ある。
⑤ 評 価 の 総 合 点 数 の 結 果 に よ り 、ど の よ う に 措 置( 研 究 課 題 の 中
止 等 )す る か 取 扱 い が 定 め ら れ て い な い の で 、措 置 の 基 準 を 明
150
⑥
⑦
確にする必要がある。
一 つ の 農 家 が 、農 業 、林 業 、畜 産 の 複 数 の 業 種 を 営 ん で い る 場
合 が あ る が 、農 業 技 術 の 改 良 、鳥 獣 被 害 、農 業 被 害 な ど 林 業 と
関 連 が あ る こ と を 考 慮 し 、試 験 研 究 の 効 率 化 の 観 点 か ら 、農 業
試 験 場 、林 業 指 導 セ ン タ ー 、畜 産 試 験 場 の 3 つ の 機 関 の 合 同 で
の 評 価 の 実 施 を 検 討 す る 必 要 が あ る 。( 農 業 試 験 場 、 畜 産 試 験
場 は 合 同 で 行 っ て い る 。)
外 部 評 価 結 果 は 、主 管 課 で あ る 森 林 企 画 課 、農 林 事 務 所 森 林 部
等 に は 公 表 し て い る が 、県 民 に 対 し て 評 価 結 果 を 広 く 公 表 す る
ことを検討する必要がある。
イ 林業研修について
(ア)研修業務の過去3年間の実績は次のとおりである。
年
度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
研修項目数(回)
林業担い手研修
森林・林業指導者研修
27
14
13
23
12
11
24
13
11
実施回数(回)
林業担い手研修
森林・林業指導者研修
37
24
13
35
22
13
37
25
12
延日数(日)
林業担い手研修
森林・林業指導者研修
173
142
27
163
137
26
173
148
25
延人員(人)
林業担い手研修
森林・林業指導者研修
2,120
1,805
315
1,995
1,669
326
2,191
1,787
404
(イ)研修業務の在り方について
a 林 業 指 導 セ ン タ ー で は 、地 域 に お け る 林 業 後 継 者・森 林 整 備 の
担 い 手 の 育 成 確 保 と い う 県 の 行 政 課 題 に 対 処 す る た め 、森 林 作 業
に 必 要 な 資 格・免 許 の 取 得 を 中 心 に 林 業 全 般 に わ た る 知 識・技 術
の習得を広範囲に図ることができる系統建てた研修を実施して
いる。
養 成 ( 資 格 取 得 ) し た 研 修 生 の 70% 以 上 が 森 林 組 合 の 役 職 員
や 、作 業 班 員 等 と し て 従 事 し て い る 。ま た 、労 働 安 全 資 格 免 許 関
係 の 研 修 に よ り 、 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 で 延 べ 4,980 人 が 資 格
を取得している。
無 資 格 で の 森 林 作 業 へ の 就 業 は 労 働 安 全 衛 生 法 違 反 と な り 、林
業 従 事 に は 免 許 を 取 得 す る こ と が 必 要 で あ り 、林 業 架 線 作 業 主 任
者の免許は法令の規定により林業指導センターでの研修が不可
欠となっている。
他 の 資 格 に つ い て は 、林 業 指 導 セ ン タ ー 以 外 の 労 働 局 登 録 の 教
151
習 機 関 が 18 機 関 ( 民 間 ) あ る こ と か ら 、 そ れ ぞ れ の 資 格 を 取 得
することは可能である。
しかし、民間の機関での受講は、経費負担が大きくなること、
ま た 、単 発 的 な 資 格 の 取 得 で は 、ト ー タ ル 的 な 林 業 の 従 事 に 必 要
な知識が体得できないこと等の問題がある。
b 研修業務の役割について
上 記 の 状 況 か ら 、林 業 指 導 セ ン タ ー の 行 う 研 修 業 務 は 林 業 従 事
者 の 担 い 手 を 育 成 確 保 す る た め に 必 要 で あ り 、貢 献 も し て い る が 、
研 修 業 務 に つ い て 民 間 委 託 を 活 用 す る な ど 、効 率 的・効 果 的 な 研
修方法の検討が必要である。
な お 、「 最 終 案 」 に お い て 研 修 業 務 の 在 り 方 が 示 さ れ て お り 、
森 林 づ く り を 支 え る 担 い 手 育 成 の た め の 研 修 業 務 の 効 果 的・効 率
的 な 在 り 方 ・ 実 施 方 法 に つ い て 検 討 し 、 平 成 19 年 度 に 方 向 性 を
明示することとしている。
ウ 緑化種苗業務について
(ア)林木育種事業
a 林木育種園概要
林 木 育 種 園 は 、ス ギ 、ヒ ノ キ の 精 英 樹 の 種 子 、苗 を 供 給 し て お
り 、 む つ み 林 木 育 種 園 ( ス ギ ・ ヒ ノ キ ・ マ ツ )、 美 東 林 木 育 種 園
( ヒ ノ キ ) が あ る 。 美 東 林 木 育 種 園 は 借 地 で あ り 、 平 成 28 年 に
は美東町に返還する予定になっている。
b 林木育種園の現状利用面積と改良後の利用面積
( 単 位 : ha)
現状
改良後
5.30
ヒノキ採種園
備考
7.50
5.52
0
スギ採種園
2.73
2.00
アカマツ採種園
0.50
1.00
クロマツ採種園
0.50
1.00
スギ採穂園
その他(廃止を含む)
計
1.53
0.87
20.15
18.34
30.71
30.71
5.52
0
美東林木育種園
美東林木育種園
改良後の面積は、林業指導センター作成の林木育種園改善整備計画による
ものである。
む つ み 林 木 育 種 園 の 面 積 は 30.71ha で あ り 、そ の う ち 改 良 後 の
利 用 状 況 の 見 通 し で は 、採 種 園・採 穂 園 で 使 用 す る 面 積 が 約 12ha
で 残 り の 18ha は 利 用 さ れ な い ま ま 放 置 さ れ た 状 態 と な る 。
(現状
152
は 約 20ha)
放 置 さ れ た 場 所 の 利 用 は 現 状 で は 予 定 さ れ て い な い が 、同 地 は
萩 市 む つ み 地 域 の 伏 馬 山 の 中 腹 に 当 た り 、景 観 の 問 題 も あ り 、早
急に有効利用の検討が必要である。
c 改善点
林 業 用 種 子 の 需 要 は 減 少 し て お り 、し か も 林 木 育 種 園 の 管 理 費
は 経 費 削 減 に よ り 厳 し く な っ て い る こ と か ら 、育 種 園 の 適 正 規 模
の 検 討 を 行 う 必 要 が あ る 。ま た 育 種 園 の 管 理 に つ い て は 、森 林 作
業 が 行 え る 地 元 業 者 に 業 務 委 託 し て い る が 、断 幹・整 枝・剪 定 な
ど の 作 業 に つ い て は 、種 子 採 取 と 合 わ せ 、整 枝・剪 定 を 行 う な ど
省 力 的 管 理 方 法 の 検 討 を 行 う 必 要 が あ る 。そ の 他 管 理 経 費 の 節 減
対 策 と し て 、下 刈 り の 代 わ り に 放 牧 を 行 う た め の 林 間 放 牧 実 証 試
験 を 実 施 し て い る が 、結 果 が 良 好 な 場 合 に は 、下 刈 り の 代 わ り に
採 用 す る こ と が 考 え ら れ て お り 、山 口 型 放 牧 を 行 っ て い る 畜 産 試
験場との連携をより進めることも必要である。
美 東 育 種 園 は 現 在 事 業 を 行 っ て い な い 状 況 で 、職 員 が 年 4 回 程
度 現 地 の 状 況 を 巡 視 す る 程 度 で あ る 。借 地 契 約 期 限 は あ る も の の 、
美東町へ返還できないか検討する必要がある。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 林 木 育 種 園 は 縮 小 を 図 り 、 美 東 林 木 育
種園については廃止することとしている。
(イ)環境緑化園における緑化樹生産及びモデル展示園
a 概要
環 境 緑 化 園 で は 、公 共 、公 益 施 設 緑 化 の た め の 緑 化 樹 の 苗 木 生
産と生活環境緑化のモデル展示及び技 術 研 修施 設 を 行 っ て い る。
b 管理業務
環 境 緑 化 園 は 管 理 運 営 予 算 の 削 減 や 、現 業 職 員 1 名 が 長 年 に わ
た り 管 理 や 緑 化 樹 の 増 殖 な ど の 業 務 を 行 っ て お り 、後 継 者 の 養 成
の 問 題 が あ る 等 、維 持 管 理 が 困 難 な 状 況 に な っ て い る 。な お 、環
境緑化園の年間管理経費は、現業職及び日々雇用の人件費が約
1,300 万 円 、需 用 費 が 100 万 円 の 約 1,400 万 円 程 度 要 し て い る と
のことである。
c 改善点
環 境 緑 化 園 に つ い て は 、最 近 の 環 境 に 対 す る 県 民 の 意 識 の 高 ま
り 等 を 踏 ま え て 、緑 化 樹 生 産 の 位 置 づ け 、緑 化 研 修 を 含 め た 展 示
林 の 活 用 、市 町 村 と の 役 割 分 担 等 の 方 針 を 明 確 に 示 し た 上 で 、そ
の在り方を検討すべきある。
そ の 方 針 の も と に 、県 管 理 の 継 続 、外 部 へ の 管 理 委 託 等 の 管 理
運営方法についての検討を行う必要がある。
な お 、「 最 終 案 」 で は 、 環 境 緑 化 園 の 在 り 方 に つ い て 、 平 成 19
年度に方向性を明示することが示されている。
153
(2)連携による業務の効率化・品質向上について
研 究 内 容 の 高 度 化 、研 究 機 器 の 効 率 的 利 用 、共 同 研 究 の 効 率 的 推 進 を
図るため、国の機関や他県との連携を深めている。
山口大学とは林業部会で2研究課題について共同研究を行っている。
同 大 学 に は「 森 林・林 業 」関 係 の 学 科 が な く 、共 同 研 究 の テ ー マ が 絞 ら
れるという面があるが、山口大学と連携研究に関する覚書が締結され、
共 同 研 究 ル ー ル も 確 立 さ れ て お り 、共 同 研 究 へ の 取 組 み を よ り 発 展 さ せ 、
その成果を県民に還元できるように努める必要がある。
公募型の研究に効率的に取り組むための関係機関との連携の必要性
は、外部研究資金の財源確保の観点の箇所に記載している。
(3)人材育成による業務品質の確保・向上について
人 材 育 成 の 基 本 方 針 は 定 め ら れ て い な い が 、研 究 等 が 高 度 化・細 分 化
す る こ と へ の 対 応 と し て 、技 術 系 職 員 の 質 を 高 め る た め 、独 立 行 政 法 人
森林総合研究所の研修がある。
ま た 、 平 成 18 年 度 以 降 5 年 間 で 退 職 者 は 2 名 で あ り 、 技 術 継 承 の た
めの緊急の対応は必要ないが、次のような方策を実施している。
一つの研究を生産利用グループ及び森林環境グループのグループ別
に 実 施 し 、か つ グ ル ー プ 単 位 の 中 で も 複 数 人 で 実 施 し 、情 報 の 共 有 化 を
図っている。
3 年 ~ 5 年 程 度 で 行 わ れ る 人 事 異 動 や 退 職 者 に 備 え て 、組 織 と し て 研
究 開 発 技 術 の 質 の 低 下 を 来 た す こ と な く 、円 滑 に 継 承 で き る よ う に 工 夫
している。
今 後 は 、人 材 育 成 の 基 本 方 針 等 を 作 成 し 、そ の 方 針 に 基 づ い て 人 材 育
成を計画的に進める必要がある。
(4)外部研究資金の導入による財源確保について
ア 平 成 17 年 度 の 外 部 研 究 資 金 の 受 入 の 状 況 は 次 の と お り で あ る 。
(金額単位:千円)
区
分
件 数
額
2件
8,345
受託研究
6件
4,290
8件
12,635
合計
イ
金
競争的資金
競 争 的 資 金 の 獲 得 は 研 究 費 の 財 源 獲 得 の た め に 必 要 で あ る が 、応 募
及 び 採 択 の 状 況 に つ い て 、林 業 指 導 セ ン タ ー が 調 査 し て い た デ ー タ を
みると厳しい状況にある。
154
平 成 17 年 度 の 先 端 技 術 を 活 用 し た 農 林 水 産 研 究 高 度 化 事 業 の 応 募
及び採択の状況
区 分
応募件数
a
ヒアリング数
採択数
b
採択率
b/a
採択割合
全国領域設定型一般型
4
4
3
75%
4%
全国領域設定型リスク管理型
26
25
18
69%
21%
地方領域設定型
17
14
11
65%
13%
独創的現場シーズ活用型
地域競争型
11
118
3
30
1
11
9%
9%
1%
13%
広域ニーズ・シーズ対応型
223
75
36
16%
43%
48
13
4
8%
5%
447
(483)
164
(157)
84
(83)
19%
(17)
100%
25(124)
19(22)%
30%
府省連携型
合
計
(前年)
(再掲)公立試験研究機関
注 :(
132(575)
)は中核機関と共同機関を含む延べ数
うち2件は林業指導センター
上 記 表 の 採 択 率 を み る と 、競 争 的 資 金 の 導 入 は 大 変 厳 し い も の が あ
り 、企 画 力 や 独 創 性 等 の 高 度 な 能 力 を 有 す る 人 材 を 配 置 す る 必 要 が あ
る。
競 争 的 資 金 の 採 択 率 の 低 さ な ど か ら 、効 率 的 に 取 り 組 む 必 要 が あ り 、
そ の 対 応 と し て 、林 業 指 導 セ ン タ ー で は 、関 西 地 区 林 業 試 験 研 究 機 関
連絡会議や各種学会等へ参加し、情報交換・情報収集を行っている。
た だ し 、留 意 を 要 す る の は 、外 部 資 金 の 導 入 を 得 る こ と が 目 的 と な り 、
本 来 果 た す べ き 試 験 研 究 業 務 が 阻 害 さ れ る こ と の な い よ う 、外 部 研 究
資 金 の 導 入 に 関 す る 基 本 方 針 を 明 文 化 し 、そ の 方 針 に 照 ら し て 研 究 目
的をチェックするなどの体制を整備することが必要である。
ウ
受託研究
ア に 記 載 し た と お り 、受 託 研 究 に よ る 外 部 研 究 資 金 の 獲 得 の 実 績 は
あ る が 、受 託 さ れ た 研 究 を 受 入 れ る か ど う か 等 の 基 本 方 針 は 明 文 化 さ
れていない。
受 託 に 当 た っ て は 、① 公 共 性 が あ り 、研 究 成 果 が 本 県 の 森 林・林 業
振 興 に 資 す る 内 容 で あ る こ と 、② 林 業 指 導 セ ン タ ー の 技 術・能 力 等 で
対 応 で き 、責 任 あ る 試 験 の 成 果 、調 査 結 果 の 回 答 が で き る 内 容 で あ る
こ と 、③ 現 在 ま た は 将 来 的 に 林 業 指 導 セ ン タ ー の 研 究 課 題 と 相 乗 効 果
が あ る こ と 、④ 本 来 の 研 究 業 務 に 支 障 が 生 じ な い こ と 等 を 審 査 し て 決
定しているということであり、判断基準の明文化が必要である。
(5)林業指導センターの役割遂行について
近 年 、森 林・林 業 を 取 り 巻 く 環 境 は 厳 し く 、木 材 生 産 の 振 興 を 主 体 と
し た 政 策 か ら 、森 林 の 多 面 的 機 能 の 持 続 的 発 揮 へ と 政 策 転 換 が 図 ら れ る
な ど 、森 林・林 業 振 興 に お い て 行 政 の 果 た す 役 割 は 一 層 重 要 に な っ て お
155
り 、そ の 行 政 施 策 を 遂 行 す る 林 業 指 導 セ ン タ ー の 役 割 も 高 ま っ て き て い
る。
林 業 指 導 セ ン タ ー の 研 究 は 、経 済 的 、数 値 的 価 値 を 見 出 し に く い も の
を 対 象 と し て い る が 、県 民 の 森 林 に 対 す る 期 待 を 把 握 し 、そ の 要 望 に 的
確に対応するために総合的な指導機関として諸施策を推進する必要が
ある。
なお、研究成果の具体的なものとしては、県内山地植栽に必要なス
ギ ・ ヒ ノ キ ・ マ ツ 苗 木 生 産 用 種 子 を 100% 供 給 し て い る こ と 、 公 共 施 設
へ の 緑 化 樹 の 提 供 、緑 の 相 談 、各 種 研 修 の 実 施 が あ る 。ま た 技 術 支 援 や
相 談 な ど が あ る が 、そ の 内 容 に つ い て は 、県 民 の 理 解 を 得 る た め に ホ ー
ム ペ ー ジ 等 で 公 表 す る と と も に 、県 民 の 声 を 積 極 的 に 受 入 れ 、林 業 指 導
センターの業務等の在り方に反映させることも必要である。
156
第8 山口県水産研究センター
1 概要
(1)設置
山 口 県 水 産 研 究 セ ン タ ー は 、 山 口 県 水 産 研 究 セ ン タ ー 条 例 ( 昭 和 39
年 山 口 県 条 例 第 43 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ 、 水 産 に 関 す る 試 験 、 研 究
等を行い、水産に関する技術の向上を図ることを目的としている。
(2)所在地
外 海 研 究 部 長 門 市 仙 崎 2861- 3
内 海 研 究 部 山 口 市 秋 穂 二 島 437- 77
ホームページアドレス
http://www.uminari.pref.yamaguchi.jp/
(3)沿革
明 治 33 年 4 月
大 正 13 年 1 月
昭 和 26 年
昭 和 47 年 5 月
昭 和 54 年 6 月
平 成 11 年 4 月
山口県水産試験場を大津郡仙崎町に設立
瀬戸内海分場を佐波郡防府市三田尻に開場
機構改革により山口県外海水産試験場、山口県内海
水産試験場と改称し、外海水産試験場を改革。内海
水産試験場を山口市秋穂二島へ新築移転
外海水産試験場を現在地(長門市仙崎大泊)に新築
移転
内海水産試験場を現在地(山口市秋穂二島)に新築
移転
外海水産試験場、内海水産試験場を統合し、山口県
水産研究センターに改組し現在に至る
(4)業務
① 水産に関する試験及び研究に関すること
② 水産に関する調査・分析及び鑑定に関すること
③ 水産に関する技術開発に関すること
④ 水産に関する技術指導及び経営指導に関すること
157
(5)組織
正 規 職 員 総 数 : 53 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
所長(1)
総務課
(3)(1 名は内海研究部兼務)
企画情報室 (3)(うち 1 名は山口市駐在)
次長(1)
外海研究部
部長(1)兼務
海洋資源グループ(5)
栽培増殖グループ(5)
利用加工グループ(3)
内海研究部
部長(1)
総務課
(1)
海洋資源グループ(3)
(
)内の数字は職員数を示す。
栽培増殖グループ(7)
環境病理グループ(4)
漁業調査船
(くろしお、第 2 くろしお)
船長(1)
機関長(1)
(14)
公害・漁業調査船
船長(1)
兼務
機関長(1)
兼務
(3)
兼務
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、平 成 18 年 度 よ り 2 名 多 く 55 人( う ち 1 名 組 合
専 従 ) で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職種区分別の人数及び人件費額の推移
(単位:千円、人)
区 分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
52,623
6
51,366
6
51,130
7
45,777
6
48,170
6
8,771
8,561
7,304
7,630
8,028
海事職(金額)
(人数)
101,225
16
97,824
16
97,688
16
97,422
16
98,302
16
1 人当たり人件費
研究職(金額)
(人数)
6,327
224,657
27
6,114
206,369
26
6,106
198,856
26
6,089
202,705
27
6,144
200,002
26
1 人当たり人件費
8,321
7,937
7,648
7,508
7,692
36,445
7
37,126
7
37,022
7
32,893
6
34,517
6
行政職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
5,206
5,304
5,289
5,482
5,753
共済費(正規職員)
1 人当たり人件費
50,573
47,882
47,289
47,984
48,836
正規職員計(金額)
(人数)
465,523
56
440,567
55
431,985
56
426,781
55
429,827
54
158
1 人当たり人件費
8,313
8,010
7,714
7,760
7,960
5,816
2
22,271
5,703
2
20,227
5,661
2
17,627
5,630
2
20,230
5,630
2
19,215
共済費(非常勤・臨時等)
1,474
1,499
1,394
1,325
1,448
非常勤・臨時等計(金額)
29,561
27,429
24,682
27,185
26,293
合計(金額)
495,084
467,996
456,667
453,966
456,120
非常勤職員(金額)
(人数)
その他(金額)
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
1
23
6
16
10
56
42.8
平成 17 年度
0
20
8
20
6
54
42.8
正規職員の平均年齢は変わらない。
(7)主要施設の状況
外海研究部
種別
区
分
面積(㎡)
種別
区
分
本館
面積(㎡)
22,056.42
港湾敷
1,671.00
実験棟
262.60
池沼
雑種敷
1,338.00
132.00
飼育研究棟
飼育貯水棟
289.64
126.36
水路敷
207.00
公舎敷
1,786.10
建
土
庁舎敷
物
地
合計
1,491.65
電気室
51.04
採苗棟
302.00
第一、第二飼育棟
533.75
機械棟
132.00
海水貯水棟兼倉庫
175.88
バイオテクノロジー研究棟
226.00
水産加工技術センター
276.00
場長・職員公舎及び倉庫
338.50
その他
253.42
27,190.52
合計
4,458.84
内海研究部
種別
区
分
〃
13,607.00
公衆用道路敷
護岸敷
種別
1,058.00
187.00
2,885.00
497.00
養魚施設用地
合計
分
16,844.00
56,598.55
462.25
濾過水槽棟
282.62
55.59
生物飼育管理棟
中型水槽
367.50
263.51
病理研究棟
159.25
その他
258.52
合計
159
面積(㎡)
1,379.64
生物飼育実験棟
機械棟
物
地
堤防敷
用悪水路
区
本館棟
建
土
庁舎敷
面積(㎡)
21,520.55
3,228.88
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
預金利子
雑入
小計
当センター以外の調定分
収入合計
17
17
17
16
16
0
0
0
0
0
47
47
146
124
88
64
64
163
140
104
61,612
61,676
50,794
50,858
46,414
46,577
48,378
48,518
46,946
47,050
5,816
5,703
5,661
5,630
5,630
支出
報酬
共済費
1,474
1,499
1,394
1,325
1,448
22,091
20,227
17,627
20,230
19,215
2,329
2,194
2,518
2,349
2,098
旅費
16,294
15,301
14,720
11,586
11,873
需用費
87,361
74,003
94,488
77,656
114,383
83,046
69,679
90,185
73,353
110,080
4,314
4,325
4,303
4,303
4,303
3,687
3,603
3,188
3,321
3,246
11,979
11,971
12,125
6,848
7,918
6,066
14,357
9,744
11,216
5,308
工事請負費
7,855
6,046
4,267
15,358
1,940
備品購入費
725
4,099
410
4,630
942
負担金補助及び交付金
239
208
151
190
155
賃金
報償費
一般需用費
食糧費
役務費
委託料
使用料及び賃借料
補償補填及び賠償金
0
0
420
147
0
171,820
151,857
158,828
166,523
177,454
465,523
440,567
431,985
426,781
429,827
支出合計
637,343
592,424
590,813
593,304
607,281
収支差額
△ 575,667
△ 541,566
△ 544,236
△ 544,786
△ 560,231
小計
正規職員人件費
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
160
2
監査結果
山 口 県 水 産 研 究 セ ン タ ー ( 以 下 「 水 産 研 究 セ ン タ ー 」 と い う 。) の 財 務
事務は、以下の指摘事項の部分を除き、総合的には関係法令等に基づき、
概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電 柱 ・支 線 な ど の 設 置 に 係 る 土 地 使 用 、自 動 販 売 機 設 置 に 係 る 建
物使用などの行政財産使用料がある。
(イ)監査手続
行 政 財 産 使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、 調 定 票 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定
収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い て 使 手 条 例 等 と
照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
イ 雑入
(ア)概要
主なものは行政財産の使用許可をしている自動販売機の光熱水
費の実費徴収分である。
(イ)監査手続
調定票と調定収納状況一覧表を照合した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
ウ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
資源評価調査事業(外海研究部)
13,362
資源評価調査事業(内海研究部)
5,635
間伐材魚礁調査事業
4,540
広域資源増大緊急モデル事業
23,094
(イ)監査手続
国 庫 補 助 金 に つ い て は 、交 付 申 請 書 、交 付 決 定 通 知 書 、実 績 報 告
書、確定通知書などを閲覧した。
受 託 事 業 収 入 に つ い て は 、申 込 書 類 、決 裁 書 類 、成 果 報 告 書 な ど
を閲覧、照合した。
161
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 伺 よ り 任 意 に 抽 出 し 、実 績 報 告 書 、支 出 伺 、支 出 票 の 保 管 状
況及び資料間の整合性を確認した。また、支出負担行為支出票の合
計 額 と 歳 出 決 算 額 調 と を 照 合 し 、デ ー タ の 正 当 性 及 び 入 力 の 正 確 性
を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(ウ)海事職の出航等にかかる日額旅費に係る意見
水 産 研 究 セ ン タ ー に お け る 海 事 職( 船 員 )の 出 航 等 に か か る 日 額
旅 費 は 、 山 口 県 職 員 日 額 旅 費 支 給 規 則 第 4 条 ( 昭 和 45 年 制 定 ) の
162
規 定 に よ り 、「 目 的 地 が 定 け い 港 か ら 5 海 里 以 遠 の 区 域 内 の 箇 所 で
あ る 旅 行 の 場 合 」 に 該 当 す る た め 、 1 日 当 た り 1,350 円 が 支 給 さ れ
ている。
平 成 17 年 度 の 海 事 職 員 は 16 名 で 日 額 旅 費 総 支 給 額 は 1,195,290
円 で あ り 、 1 人 平 均 の 日 額 旅 費 は 74,706 円 で 、 1 人 平 均 の 出 航 日
数 は 55.3 日 で あ る 。
こ の 日 額 旅 費 は 上 記 の 場 合 に 支 給 さ れ て い る が 、出 航 は 海 事 職 員
にとっては本来業務であり、また、海事職給料表が行政職給料表よ
り高いのは、出航業務が考慮されていると考えると、別途日額旅費
を支給することに合理的な理由があるのか疑問である。
県 は 、平 成 18 年 度 に お い て 特 殊 勤 務 手 当 に つ い て 見 直 し を 行 い 、
多くを廃止しているが、その理由として、特殊勤務手当の対象業務
の 特 殊 性 が う す く 、本 来 業 務 と し て 当 然 な す べ き も の と い う 判 断 を
している。したがって、海事職(船員)の出航等にかかる日額旅費
についても、廃止について検討する必要がある。
オ 食糧費
(ア)概要
食 糧 費 は 、水 産 研 究 セ ン タ ー の 海 事 職 員 へ の 賄 材 料 費 で あ る 。平
成 17 年 度 の 食 糧 費 は 4,302,513 円 で あ り 、 1 人 平 均 268,900 円 で
ある。
食 糧 費 が 支 給 さ れ る 船 舶 く ろ し お は 総 ト ン 数 119 ト ン で あ り 、船
員 法 が 適 用 さ れ る 総 ト ン 数 30 ト ン 以 上 に 該 当 し て い る 。
船 員 法 第 80 条 で は 、
「 船 舶 所 有 者 は 、船 員 の 乗 船 中 、国 土 交 通 省
令 の 定 め る と こ ろ に よ り 、こ れ に 食 糧 を 支 給 し な け れ ば な ら な い 。」
旨定められている。
(イ)監査手続
支出負担行為・支出票から任意に抽出し、請求書と照合した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(エ)食材の購入の経済性に係る意見
毎 月 1 回 食 材 を 購 入 し て い る が 、そ の 都 度 適 当 な 業 者 を 食 材 ご と
に選定しており、毎月の購入実績をみると業者は、ほぼ固定してい
る。市場価格の変動のある食材については、現状の購入方法の妥当
性はある。しかし、市場価格の安定した食材については複数の業者
か ら 見 積 書 を と り 、一 定 期 間 の 単 価 契 約 を す る こ と に よ り 食 糧 費 を
削減することを、経済性の観点から検討すべきである。
163
カ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
キ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
(ア)外海研究部
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 300 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約
について過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
157
425
37.0%
M社
平成 14 年度
ポンプ保守
管理業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号)) 平成 16 年度
204
189
210
204
97.5%
92.3%
M社
M社
493
493
100.0%
M社
平成 17 年度
309
493
62.7%
M社
平成 13 年度
420
420
100.0%
C社
自家用電気工作物 平成 14 年度
保安管理業務
平成 15 年度
(随意契約(2 号)) 平成 16 年度
420
420
100.0%
C社
399
420
95.0%
C社
399
399
100.0%
C社
平成 17 年度
399
399
100.0%
C社
平成 13 年度
1,183
1,183
100.0%
S社
平成 14 年度
庁舎警備業務
平成 15 年度
(随意契約(6 号))
平成 16 年度
平成 17 年度
1,183
1,183
100.0%
S社
1,005
1,064
94.4%
S社
567
567
603
567
94.0%
100.0%
S社
S社
庁舎清掃業務
平成 13 年度
(随意契約(1 号)) 平成 14 年度
793
793
100.0%
N社
788
793
99.4%
N社
平成 15 年度
672
696
96.5%
N社
164
備考
平成 16 年度
672
696
96.5%
N社
平成 17 年度
672
696
96.5%
N社
(イ)内海研究部
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 300 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約
について過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
1,061
1,062
99.9%
S社
平成 14 年度
1,061
1,061
100.0%
S社
1,061
1,061
100.0%
S社
856
880
97.3%
S社
平成 17 年度
平成 13 年度
856
913
856
932
100.0%
98.0%
S社
M社
平成 14 年度
庁舎清掃業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号))
平成 16 年度
913
932
98.0%
M社
447
942
47.5%
C社
551
772
71.4%
C社
平成 17 年度
518
583
88.9%
C社
庁舎警備業務
平成 15 年度
(随意契約(6 号))
平成 16 年度
イ
ウ
備考
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
監査結果
委託契約については、特記すべき事項はなかった。
(4)物品購入契約に係る財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に つ い て 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)知的財産権に関する財務事務
ア 概要
水産研究センターは、外海研究部と内海研究部とに分かれている。
165
当 セ ン タ ー の 業 務 の 内 容 か ら 、知 的 財 産 権 を 取 得 で き る 研 究 は 数 少 な
い 。 過 去 10 年 間 で 特 許 権 の 出 願 が 1 件 あ る が 、 そ れ は 「 産 業 廃 棄 物
リ サ イ ク ル ( 廃 油 と 鋸 屑 の 固 形 燃 料 )」 で あ っ た 。 研 究 は 、 県 を 含 め
3 者 の 共 同 研 究 で あ っ た が 、同 様 の も の が 既 に 他 で 開 発 さ れ て お り 共
同 研 究 者 の 事 業 化 が 難 し い こ と か ら 、定 め ら れ た 期 間 内 に 審 査 請 求 を
行わず、取り下げとなっている。
し た が っ て 、水 産 研 究 セ ン タ ー で は 、現 在 、知 的 財 産 権 の 出 願 及 び
取得の実績はない。
(6)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ 監査結果
(ア)土地について
外 海 研 究 部 の 公 舎 敷 地 ( 面 積 1,786.10 ㎡ ) に つ い て 、 公 有 財 産
台 帳 上 の 取 得 年 月 日 と 登 記 簿 謄 本 上 の そ れ が 相 違 し て い る 。台 帳 上
の記載誤りである。
( 昭 和 46 年 3 月 25 日 の と こ ろ 、昭 和 50 年 3 月
28 日 と 記 載 し て い る )
(イ)工作物について
内 海 研 究 部 の 敷 地 内 に あ る 第 二 飼 育 棟 は 、現 在 、公 有 財 産 台 帳 上
は 建 物 に 整 理 分 類 さ れ て い る が 、建 物 と は 屋 根 及 び 周 壁 を 有 す る も
の と 不 動 産 登 記 法 等 で 定 義 さ れ て い る た め 、正 し く は 工 作 物 と し て
台帳を整理すべきである。
ウ 意見
(ア)未利用土地について
外海研究部の庁舎敷地の一部に未利用となっている土地がある。
敷 地 面 積 約 2,500 ㎡ で 、 固 定 資 産 税 評 価 額 は 約 49 百 万 円 で 、 外 海
水 産 試 験 場( 当 時 )の 施 設 全 体 の 配 置 を 計 画 し た 段 階 で は 、こ の 土
地にアワビの種苗の生産及び中間飼育施設を建設する予定であっ
た が 、こ の 計 画 は 中 止 と な っ た 。今 後 の 研 究 課 題 に よ っ て は 、こ の
土 地 の 利 用 も 考 え ら れ 、処 分 す る こ と は 適 当 で は な い と の こ と で は
あ る が 、現 在 、具 体 的 な 研 究 課 題 は な く 、今 後 、具 体 的 な 研 究 課 題
が出現したとしても、現在ある施設で研究を行う可能性を検討し、
土 地 の 処 分 等 の 問 題 に 対 応 す る 必 要 が あ る 。併 せ て 、当 初 の 全 体 の
配 置 計 画 は 妥 当 で あ っ た の か 分 析 し 、今 後 の 施 設 建 設 計 画 の 際 の 指
166
針にすることも必要である。
(イ)建物について
未入居の場長公舎、職員公舎2棟について
場 長 公 舎( 面 積 78.04 ㎡ )及 び 職 員 公 舎 2 棟( 面 積 約 109.08 ㎡ )
は 、老 朽 化 に よ り 平 成 5 年 か ら 入 居 が な く 、し か も 、維 持 補 修 し て
い な い こ と か ら 、老 朽 化 は 更 に 進 行 し て い る 。今 後 も 入 居 は 考 え ら
れ ず 、居 住 す る た め に は 改 装 費 用 が か か り 、し か も 火 災 保 険 や 所 在
市 町 村 交 付 金 な ど の 維 持 費 も 発 生 し て い る こ と か ら 、解 体 す べ き で
あると考える。
(7)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )試 験 研 究 機 器 に つ い て は 、研 究 課 題 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ
て い る か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い
るかを確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きが適切かどうか検証した。
イ 監査結果
(ア)物品の現物確認について
第 二 く ろ し お に 積 載 し て い る 研 究 用 機 器( 遠 隔 操 作 無 人 探 査 機 1
台)については海中で使用するため、物品標示票が消えて読めず、
管 理 簿 と の 一 致 が 確 認 で き な か っ た 。第 三 者 に も 確 認 が で き る 工 夫
が必要である。
(イ)廃棄手続
a 遊休機器の不用の決定の漏れ
指 定 物 品 の う ち 次 の 機 器 は 遊 休 状 態 に あ り 、今 後 も 使 用 見 込 み
がなく、不用の決定が漏れているものがあった。
浅 海 用 測 定 器 他 6 件 取 得 時 期 昭 和 52 年 度 か ら 昭 和 60 年 度
取 得 金 額 計 21,662 千 円
b 和 船 1 艇 は 、指 定 物 品 不 用 決 定 の 承 認 は さ れ て い る が 、処 分 の
手続が進められていないままの状態で水産研究センターに保管
されていた。
ウ 意見
(ア)小型船の付保について
く ろ し お 及 び 第 二 く ろ し お に つ い て は 、漁 船 保 険 に 加 入 し て い る
が 、し お か ぜ に つ い て は 、船 舶 の 規 模 が 小 さ く 事 故 の 危 険 性 が 少 な
い こ と か ら 、自 賠 責 に 相 当 す る も の も 含 め て 、現 在 は 付 保 の 対 象 と
167
し て い な い 。し か し 、年 間 稼 動 日 数 も 多 く 、活 動 範 囲 も 広 が っ て い
ることから、早急に付保の検討をする必要がある。
(イ)借入品について
借 入 品 に つ い て は 、物 品 規 則 で は 物 品 標 示 票 の 貼 付 は 定 め て い な
い が 、他 と 明 確 に 区 分 す る た め に 、業 者 に リ ー ス 物 件 で あ る こ と の
シールを貼付させることを検討する必要がある。
(ウ)試験研究用機器の導入方法について
機 器 の 導 入 に 当 た り 、購 入 か リ ー ス か な ど の 明 文 化 さ れ た 判 断 基
準 は な い 。ま た 、現 に 経 済 性 の 比 較・検 討 も 行 わ れ て お ら ず 、検 討
の対象とした機器について直ちにリースによる導入と結論づけて
い る 。こ れ は 、毎 年 の 予 算 が 厳 し く 、高 額 な 備 品 購 入 を 控 え て い る
と い う こ と で あ る 。現 在 、リ ー ス に よ る 機 器 の 導 入 を 行 っ て い る と
い う こ と で あ る が 、地 方 公 共 団 体 は 営 利 企 業 と 異 な り 、法 人 税 の 節
税 効 果 が な く 、購 入 価 額 と リ ー ス 料 支 払 総 額( 保 守 料 を 含 む )の 比
較 を 行 っ た 場 合 、コ ス ト 面 で リ ー ス の 方 が 必 ず し も 有 利 と は い え ず 、
経 済 性 の 観 点 か ら 検 討 が 必 要 で あ る 。予 算 へ の 対 応 は 研 究 課 題 の 重
点 化 を 図 り 機 器 の 中 期 的 な 整 備 計 画 を 立 案 し 、必 要 な 機 器 の 導 入 が
可能となるような方法を検討する必要がある。
(エ)試験研究用機器の使用状況の管理について
機 器 の 使 用 状 況 の 記 録 に つ い て 、グ ル ー プ 別 に は 以 下 の 状 況 で あ
る。
a 栽培増殖グループは使用記録簿は全く作成していない。
利用加工グループは指定物品について使用記録簿を作成して
いる。
海 洋 資 源 グ ル ー プ は 使 用 記 録 簿 と し て は 作 成 し て い な い が 、調
査記録により把握できる。
指 定 物 品 に つ い て は 、年 間 の 使 用 実 績 を 把 握 し 、将 来 の 機 器 の
整 備 計 画 に 活 用 す る た め に も 、使 用 に 関 す る 記 録 簿 の 作 成 が 必 要
である。
b 機 器 の 利 用 に 関 し 、事 前 の 目 標 値 の 設 定 が 必 要 な こ と は 、試 験
研 究 機 関 全 体 に 関 連 す る こ と で あ り 、全 体 の 監 査 結 果 に 関 連 す る
意見の箇所に記載している。
(8)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
水 産 研 究 セ ン タ ー で は 、各 種 の 調 査 研 究 等 を 行 う 中 で 、必 要 な 薬 品
を 購 入 、保 管 し て い る 。業 務 の 内 容 か ら 、毒 物・劇 物 も 使 用 さ れ る こ
とから、適切な管理が求められる。
168
イ
監査手続
毒 物・劇 物 の 購 入 か ら 保 管 、使 用 、処 分 及 び 点 検 に つ い て 、管 理 状
況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 を 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の 視
察 、薬 品 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 、薬 品 の 点 検 状 況 の 確 認 を 行 っ た 。照
合に当たっては、各資料を通査の上、任意にサンプルを抽出した。
ウ 監査結果
(ア)外海研究部
a 毒 物・劇 物 を 含 め 、薬 品 の 取 扱 い に つ い て 、手 引 き・要 領 等 が
作成されていない。また、廃液の取扱いについても同様である。
適 切 な 管 理 を 継 続 的 に 行 う た め に は 、取 扱 い に つ い て 文 書 化 し 標
準化することが必要である。
b 薬 品 に つ い て 、年 1 回 点 検 を 行 っ て い る と の こ と で あ る が 、薬
品使用簿に点検の記載がなかった。
c 栽 培 増 殖 グ ル ー プ に お い て は 、ホ ル マ リ ン 原 液 2 本 が 薬 品 使 用
簿に記載されていなかった。
d 利 用 加 工 グ ル ー プ に お い て は 、毒 物 で あ る ア ジ 化 ナ ト リ ウ ム 2
本 199g を 保 管 し て い る が 今 後 使 用 さ れ る 予 定 は な く 、 不 用 薬 品
と な っ て い る 。平 成 15 年 度 に 不 用 薬 品 と し て 処 分 対 象 と し た が 、
廃 棄 物 業 者 が 引 き 取 れ な い と の こ と で 、そ の ま ま 残 っ て い る 。早
期に処分の検討が必要である。
(イ)内海研究部
a 環 境 病 理 グ ル ー プ で は 、毒 物 及 び 劇 物 に つ い て の 取 扱 要 領 が あ
る が 、他 の グ ル ー プ は 整 備 し て お ら ず 、グ ル ー プ に よ り 対 応 が 異
な っ て い る 。ま た 、当 該 取 扱 要 領 に お い て 、保 管 庫 の 整 備 や 保 管
方法、その他点検の報告について検討が必要である。
b 薬 品 を 保 管 す る 棚 に 毒 物・劇 物 の 表 示 の な い も の が あ っ た 。定
められた表示をする必要がある。
c キ シ レ ン に つ い て 、購 入 時 に 出 納 員 が 記 載 す る 薬 品 出 納 簿 で は
受 入 日 は 12 月 21 日 の 日 付 で あ る が 、 薬 品 使 用 簿 の 受 入 日 は 12
月 12 日 と 日 付 が 逆 転 し て い る 。
エ 意見
(ア)毒物・劇物の数量の把握方法について
a 外海研究部
海 洋 資 源 グ ル ー プ に お い て は 、2 種 類 の 薬 品 に つ い て 薬 品 使 用
簿 の 残 量 の 記 載 が 中 味 の 数 量 と な っ て い る こ と か ら 、現 物 と の 照
合 が で き な い 。薬 品 使 用 簿 に は 、風 袋 込 み の 数 量 で 記 載 し 管 理 す
る必要がある。
169
b
内海研究部
ホ ル マ リ ン に つ い て 、薬 品 使 用 簿 の 記 載 が 風 袋 込 み で は な く 中
味 の 数 量 で 記 載 さ れ て い た の で 、数 量 に つ い て 、薬 品 使 用 簿 と 現
物との照合ができなかった。風袋込みで記載する必要がある。
(イ)長期間未使用の薬品
亜 セ レ ン 酸 、二 酸 化 セ レ ン 、オ ス ミ ウ ム 酸 等 、長 期 間 使 用 し て い
な い 薬 品 が あ る 。必 要 性 に つ い て 検 討 し 、不 用 な 薬 品 は 処 分 す る こ
とが必要である。
(9)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
照合した結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
170
3
組織及び運営に関する意見
水産研究センターの組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意
見として記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)業務の現状と改善点
ア 調査研究について
(ア)研究及び評価制度
a 研究課題の主要なものは次のとおりである。
(a)水産資源培養管理技術に関する調査研究
(b)漁場環境、漁場造成に関する調査研究
(c)漁場保全に関する調査研究
(d)水産利用加工に関する研究
(e)資源管理に関する試験研究
(f)増養殖技術・栽培漁業に関する調査研究
(g)魚病に関する調査研究
b 研究実績の推移表
(単位:件)
年度
前年継続(A、完了含む)
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
事業数
事業数
事業数
b
35○
e
36○
36
研究課題数
新規(B)
b
9○
a○
e
5○
d
5○
49
完了(C)
c
8○
f
5○
4
10
中止
休止
課題統合による減
次年度に継続(A+B-C)
c
36
36
37
研 究 課 題 の 評 価 の 実 施 状 況 ( 平 成 15,16 年 度 は 事 業 で の 評 価 )
(単位:件)
平成 15 年度
事前評価
中間評価
実績評価
追跡評価
平成 16 年度
平成 17 年度
内部
a
3○
d
3○
6
外部
内部
3
b
37○
3
e
37○
6
10
外部
37
37
10
f
5○
10
内部
c
8○
外部
8
5
10
内部
0
0
0
外部
0
0
0
注
平 成 17 年 度 か ら 事 業 ご と に よ る 評 価 か ら 研 究 課 題 ご と の 評 価 に
代えている。
d 研究課題の評価と研究実績の関係
a
○
平 成 15 年 度 の 事 前 評 価 3 件 は 、 平 成 16 年 度 新 規 事 業 5 事 業 の
う ち 3 事 業 の み 評 価 を 行 っ た 。2 事 業 は 採 択 が 遅 れ た た め 評 価 に 間
171
に合わず評価の対象外となった。
b 平 成 15 年 度 の 中 間 評 価 37 件 の 中 に は 1 事 業 を 2 課 題 に 分 け て
○
評価を受けたもの(内水面)があった。このため、
中 間 評 価 数 = 前 年 継 続 (35)- 完 了 (8)+ 新 規 (9)+ 1= 37 課 題
c 平 成 15 年 度 の 実 績 評 価 8 件 は 、 平 成 15 年 度 の 完 了 件 数 と 一 致
○
d 平 成 16 年 度 の 事 前 評 価 3 件 は 、 平 成 17 年 度 新 規 事 業 5 事 業 の
○
うち3事業のみ評価を行った。2 事業は採択が遅れたため評価に
間に合わず評価の対象外となった。
e 平 成 16 年 度 の 中 間 評 価 37 件 は 1 事 業 を 2 課 題 に 分 け て 評 価 を
○
受けたもの(内水面)があった。このため、
中 間 評 価 数 = 前 年 継 続 (36)- 完 了 (5)+ 新 規 (5)+ 1= 37 課 題
f 平 成 16 年 度 の 実 績 評 価 5 件 は 平 成 16 年 度 の 完 了 件 数 と 一 致
○
(イ)評価制度の見直し事項と改善点
平 成 17 年 度 に 「 水 産 研 究 セ ン タ ー 試 験 研 究 内 部 評 価 制 度 規 程 」、
「 水 産 研 究 セ ン タ ー 外 部 評 価 規 程 」及 び「 水 産 研 究 セ ン タ ー の 業 務
に 関 す る 内 部 評 価 実 施 要 領 」等 の 一 部 を 改 正 し 、評 価 制 度 の 見 直 し
を行っている。
( 実 施 は 平 成 18 年 度 か ら )こ れ ら の 見 直 し に 対 す る
評価と検討を要する点は下記のとおりである。
a 評価対象
内部評価において予算上の「事業」を評価単位としていたが、
1 つ の 事 業 等 の 中 に 複 数 の 課 題 、内 容 が 多 く 、事 業 名 か ら 内 容 が
推 測 し が た い こ と 、ま た 課 題 と し て の 始 期・終 期 設 定 が 曖 昧 に な
っ て い る た め 、個 々 の テ ー マ ご と に「 研 究 課 題 」を 設 定 し 評 価 対
象とすることにした。これらの変更は合理的と認められる。
b 評価スパン
新 規 に 着 手 し た 年 度 中 に 中 間 評 価 を す る な ど 、全 事 業 に つ い て
評 価 を 行 っ て い た が 、中 間 評 価 は 、研 究 着 手 後 2 年 経 過 後 に 実 施
す る こ と に し た 。評 価 の 効 率 性・有 効 性 の 観 点 か ら 妥 当 な 変 更 で
ある。
c 評価スケジュール
従 来 は 、事 前・中 間・実 績 評 価 を 問 わ ず 一 括 し て 、内 部 評 価 は
2 月 、外 部 評 価 は 3 月 に 実 施 し て い た が 、こ れ を 事 前 評 価 は 予 算
編 成 前 の 9 ~ 10 月 頃 に 、中 間・実 績 の 内 部 評 価 は 年 度 末 ま で に 、
外 部 評 価 は 年 度 終 了 後 の 5 ~ 6 月 に 実 施 す る こ と に し た 。実 績 評
価 に つ い て 、当 該 年 度 の 実 績 が 十 分 整 理 さ れ て か ら 評 価 が 実 施 で
き、変更は合理的である。
上 記 の 変 更 に お い て 、事 前 評 価 に つ い て 外 部 評 価 が 行 わ れ な い
こ と 、ま た 外 部 評 価 で は 評 価 の 対 象 が 大 課 題 と さ れ て い る 点 に つ
い て 問 題 が あ る 。水 産 研 究 セ ン タ ー で は 、外 部 評 価 は「 儲 か る 漁
業 」の 推 進 の 観 点 か ら 研 究 課 題 が 設 定 さ れ て い る か 、ま た 進 捗 状
況 は ど う か 等 は 内 部 評 価 結 果 を 行 っ て い る と い う こ と で 、外 部 評
172
価 に つ い て は 大 課 題 で 評 価 し て い る と い う こ と で あ る 。研 究 課 題
ご と の 目 標 の 達 成 度 や 研 究 成 果 の 外 部 評 価 は 行 わ れ て い な い 。研
究 課 題 が 多 く 、外 部 評 価 員 の 負 担 を 少 な く す る と い う 観 点 は 理 解
で き る が 、個 別 の 研 究 課 題 に つ い て 緊 急 度 、必 要 度 等 の 観 点 か ら 、
外部評価を実施する等の検討が必要ではないかと思われる。
d 追 跡 評 価 に つ い て は 、 平 成 17 年 度 現 在 は 未 実 施 で あ り 、 平 成
18 年 度 以 降 に 実 施 さ れ る こ と に な っ て い る が 、 評 価 規 程 や 実 施
要 領 に 定 め ら れ て い な い 。早 急 に 評 価 項 目 及 び 評 価 基 準 を 作 成 し 、
明文化の必要がある。
e 評価要綱や要領において評価の実施時期を明文化する必要が
ある。
イ 技術指導等について
(ア)現状
a 過 去 3 年 間 の 技 術 相 談・指 導 の 件 数 の 状 況 は 次 の と お り で あ る 。
(単位:件)
件数
平 成 15 年 度
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
26
92
82
技 術 指 導 移 動 水 産 研 究 セ ン タ ー( 漁 業 者 へ の 技 術 普 及 指 導 研 修 )
魚病研修会(対象:養殖業者、普及員、市町職員、公社職員)
赤潮研修会(対象:普及員、市町職員、公社職員)
水産加工技術研修(対象:漁協女性部、水産加工業者)
b
業 務 の 95% 以 上 が 試 験 研 究 業 務 で 、研 修 指 導 、技 術 指 導 が 4 % 、
相 談 は 1 % 未 満 で 、こ の 割 合 は 変 化 さ せ る 計 画 は な く 、こ の よ う
な状況で推移する見通しである。
(イ)改善点
技術指導・技術相談のデータベース化について
技 術 指 導 や 技 術 相 談 を 受 け た 事 例 等 は 、現 状 で は デ ー タ ベ ー ス 化
し て い な い 。試 験 研 究 課 題 の 選 定 や 技 術 指 導 等 の 業 務 を 効 果 的・効
率 的 に 実 施 す る た め に 、デ ー タ ベ ー ス 化 し て 、い つ で も 検 索 す る こ
とができるようにしておく必要がある。
ウ
試験検査業務は行っていない。
(2)連携による業務の効率化と品質向上について
ア 他の試験研究機関との連携
他の一次産業系試験研究機関との連携が考えられる分野としては、
森 川 海 の 連 携 に 係 わ る 試 験 研 究 、食 品 加 工 、未 利 用 資 源 の 利 用 の 分 野
があげられているが、実際に連携の実績は少ない。
今 後 は 情 報 交 換 を 密 に し て 、食 品 の 共 同 研 究 等 、一 次 産 業 の 試 験 研
173
究 機 関 相 互 に 関 連 す る よ う な 研 究 課 題 に つ い て 、連 携 を 密 に し て 、県
民に研究成果が還元されるような対応が必要である。
イ
他県の試験研究機関との連携
過 半 数 の 課 題 で 近 隣 各 県 水 産 研 究 セ ン タ ー と 連 携 し て お り 、大 部 分
の 課 題 で 県 漁 協 等 の 漁 協 、県 漁 連 の 協 力 を 得 て 研 究 調 査 を 実 施 し て い
る。
そ の 理 由 は 、水 産 動 物 は 広 域 回 遊 魚 が 多 く 、そ の 資 源 動 向 、資 源 管
理 、資 源 関 係 デ ー タ 等 の 把 握 を す る た め に 、周 辺 県 と の 情 報 交 換 、共
同 調 査 研 究 が 効 果 的 で あ る か ら で あ る 。ま た 、放 流 魚 の 動 向 が 広 範 囲
に 把 握 で き 、近 隣 県 を 含 め た よ り 効 果 的 な 栽 培 漁 業 が 可 能 に な る な ど
の利点がある。
し か し 、各 機 関 の 研 究 調 査 技 術 力 、機 器 等 に 差 が あ る 場 合 、研 究 内
容 の 調 整 が 必 要 な 場 合 が あ り 、ま た 県 に よ り 共 同 研 究 予 算 が 十 分 で な
い 場 合 の 財 源 の 問 題 で 調 整 を 要 す る こ と 等 の 課 題 が あ る が 、問 題 点 及
び そ の 解 決 方 法 等 を デ ー タ ベ ー ス 化 し て 、以 後 の 共 同 研 究 や 連 携 の 障
害 の 克 服 に 利 用 す る な ど の 対 応 を し 、共 同 研 究・連 携 の メ リ ッ ト を 生
かすように工夫する必要がある。
ウ
水産大学校等の教育機関との連携
平 成 17 年 度 11 課 題 で 水 産 大 学 校 、広 島 大 学 等 の 大 学 と 連 携 し 、調
査 研 究 を 進 め て い る が 、各 大 学 の 得 意 と す る 研 究 分 野 及 び 保 有 す る 機
器 の 情 報 を 適 時 に 把 握 し 、よ り 高 度 な 専 門 的 知 識 、調 査 技 術 や 機 器 に
つ い て 指 導・協 力 を 得 て 、調 査 研 究 や 技 術 開 発 研 究 が 行 え る よ う に す
る必要がある。
ま た 外 部 研 究 資 金 の 獲 得 を め ざ す た め に も 、国 や 大 学 等 の 研 究 動 向
の 情 報 把 握 に は 、水 産 大 学 校 等 の 教 育 機 関 と 連 携 を 取 る こ と が 必 要 で
ある。
エ
民間企業等との連携
L E D 等 の 新 技 術 、新 素 材 等 の 水 産 技 術 へ の 導 入 や 漁 業 改 良 等 の 研
究 で 連 携 し て い る 。新 し い 機 器 、技 術 の 水 産 技 術 へ の 応 用 が 短 期 間 で
可能となることや、漁具改良等の研究は漁具製作に専門性が必要で、
民 間 事 業 者 と の 連 携 が 不 可 欠 な 場 合 が 多 い が 、特 定 民 間 企 業 と 連 携 す
る 場 合 、開 発 し た 技 術 の 権 利 の 帰 属 の 問 題 や 情 報 管 理 に 留 意 す る 必 要
がある。
また県民へ貢献する技術開発かどうかの観点も必要である。
オ
行政機関(水産事務所等)との連携
漁 業 者 や 漁 協 の 水 産 業 に 対 す る ニ ー ズ の 把 握 は 、現 場 に 近 い 水 産 事
務所が担当することにより、効果的に把握できるということであり、
174
水産研究センターの調査においても協力を得ることにより十分な調
査が行えるということである。
し か し 、水 産 事 務 所 の 人 員 削 減 に よ り 、連 携 し た 調 査 体 制 が 十 分 に
取 れ な い 場 合 が あ る と い う こ と が 生 じ て お り 、調 査 対 象 に つ い て 重 点
的に行うなどの絞り込みが必要である。
(3)人材育成による業務品質の確保・向上について
必 要 に 応 じ て 国 の 研 究 機 関 や 大 学 等 で 研 修 を 受 講 す る こ と に よ り 、職
員 の 資 質 の 向 上 に 努 め て い る が 、人 材 育 成 に 関 す る 基 本 方 針 を 定 め 、そ
の方針に従って計画的に人材育成を図る必要がある。
3 年 か ら 5 年 で の 人 事 異 動 に 対 し て は 、研 究 課 題 を 複 数 人 で 取 り 組 む
こ と に よ り 対 応 し て い る 。ま た 、技 術 の 継 承 の た め の 方 策 と し て 定 年 退
職者を嘱託として採用することを考えている。
技 術・ノ ウ ハ ウ の 継 承 に は 5 年 程 度 要 す る と い う こ と で あ り 、し か も
個 人 の 意 識 に 依 存 す る 部 分 が 強 い と い う こ と で あ る の で 、組 織 と し て 技
術・ノウハウ継承の方針・手続を明文化し、徹底する必要がある。
(4)外部研究資金の導入による財源確保について
ア 平 成 17 年 度 の 外 部 研 究 資 金 の 受 入 れ の 状 況 は 次 の と お り で あ る 。
(単位:千円、件)
区
イ
分
件
数
金
額
国補助
23 件
27,634
国委託
6件
18,997
現状では、外部資金獲得のため、国や大学等の動向の把握や
連 携 を 取 る こ と に 努 め て い る 。今 後 は 、外 部 研 究 資 金 の 獲 得 は 、研 究
の た め の 財 源 確 保 の 観 点 か ら 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要 が あ る が 、そ の た
め に は 、本 来 果 た す べ き 試 験 研 究 業 務 が 阻 害 さ れ る こ と の な い よ う に 、
外 部 研 究 資 金 導 入 に 関 す る 基 本 方 針 を 定 め 、明 文 化 し て 対 応 す る 必 要
がある。
(5)水産研究センターの役割遂行について
水 産 研 究 セ ン タ ー の 研 究 成 果 は 、短 期 間 で 数 値 的 に 把 握 す る こ と は 困
難 で あ り 、漁 業 者 や 県 民 へ の 貢 献 度 を 数 値 的 に 表 す に は 、相 当 期 間 詳 細
な 追 跡 調 査 を 行 い 、デ ー タ を 蓄 積 す る 必 要 が あ る 。こ の た め 移 動 水 産 研
究センター等において成果の利用状況の聴き取りや漁業者の声を聴取
している。
トラフグ、ヒラメ、アワビ等の放流効果調査結果は公表されており、
漁業者は高い放流効果を認識している。
水 産 研 究 セ ン タ ー の 業 務 の 成 果 に つ い て は 、主 と し て 漁 業 関 係 者 に 関
連するものが多く、漁業関係者以外の県民の関 心 の あ る も の が少 な い 。
今 後 の 方 向 と し て 、追 跡 評 価 を 行 い 、そ の 結 果 を 公 表 す る 等 し て 県 民
175
に 積 極 的 に 情 報 公 開 を 行 い 、水 産 研 究 セ ン タ ー の 県 の 水 産 業 振 興 へ の 貢
献 度 の 理 解 を 得 る よ う に す る 必 要 が あ る 。そ の た め に は 、県 民 の 声 を 受
入 れ 、水 産 研 究 セ ン タ ー の 業 務 等 の 在 り 方 に 反 映 さ せ る こ と も 必 要 で あ
る。
176
包括外部監査の結果報告書(その2)
第1
1
外部監査の概要
外部監査の種類
地 方 自 治 法 第 252 条 の 37 第 1 項 に 基 づ く 包 括 外 部 監 査
2 選定した特定の事件(テーマ)
(1)監査テーマ
人材養成・職業訓練機関の財務事務について
(2)監査対象機関
山口県立農業大学校
山口県立衛生看護学院
山口県立萩看護学校
山口県立東部高等産業技術学校
山口県立西部高等産業技術学校
(3)監査対象期間
原 則 と し て 平 成 17 年 度 ( 必 要 と 認 め た 場 合 過 年 度 分 を 含 む )
3
特定の事件(テーマ)として選定した理由
人 口 の 減 少 傾 向 の 中 で 、少 子 高 齢 化 が 進 展 し 、団 塊 世 代 が 退 職 時 期 を 迎
え る 2007 年 を 控 え 、 産 業 に 従 事 す る 生 産 年 齢( 15 歳 ~ 64 歳 )人 口 の 減 少
や人材の流動化への対応等また人材の質の低下が懸念されている。
こ の よ う な 状 況 に お い て 、本 県 で は 5 つ の 人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 が 設
置 さ れ て お り 、本 県 の 各 産 業 を 担 う 人 材 養 成 の 拠 点 と し て 重 要 な 役 割 を 有
し て い る 。 ま た 、 そ の 1 の テ ー マ と 同 様 、そ の 組 織 体 制 の 在 り 方 が 山 口 県
行 政 改 革 推 進 プ ラ ン( 平 成 18 年 3 月 )に お い て 見 直 し 対 象 と さ れ て お り 、
人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 に お け る 財 務 事 務 が 、 地 方 自 治 法 第 2 条 第 14 項
及 び 第 15 項 の 趣 旨 に 沿 っ て 執 行 さ れ て い る か 検 討 す る 必 要 が あ る と 判 断
し、テーマとして選定した。
4
外部監査の実施者
外部監査人
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
外部監査人補助者
公認会計士
公認会計士
公認会計士
公認会計士
公認会計士
公認会計士
事務所職員
177
森永
水谷
小田
田中
古林
神田
中田
敏夫
芳昭
正幸
博之
照己
忠二郎
麻美
5 外部監査の方法
(1)監査の着眼点
ア 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 管 理 運 営 は 設 置 目 的 に 従 っ て 法 令 、条 例 、
規則等に基づき適正に運営されているか。
イ 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 管 理 運 営 は 経 済 的 、効 率 的 に 行 わ れ て い
るか。また、組織及び運営の合理化に努めているか。
ウ 収入事務(減免手続を含む)は適切に行われているか。
エ 受益者負担は適切に行われているか。
オ 人件費その他の支出事務は適切に行われているか。
カ 委 託 料 、備 品 購 入 費 、需 用 費 等 の 契 約 事 務 は 適 切 に 行 わ れ て い る か 。
キ 物品及び公有財産の維持管理は適切に行われているか。
ク 現金管理は適切に行われているか。
ケ 個 人 情 報 の 保 護 等 、I T の 利 用 に 伴 う セ キ ュ リ テ ィ の 管 理 は 適 切 に
行われているか。
コ 民間教育訓練機関や企業及び関係行政機関との連携が効果的に行
われているか。
(2)実施した主な監査手続
ア 各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 組 織 及 び 運 営 に つ い て 、概 要 の 聴 取 及
び質問書に対する回答を得た内容を分析・評価
イ 各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 財 務 事 務 に 係 る 関 係 帳 簿 及 び 書 類 の 閲
覧・照合
ウ 各人材養成・職業訓練機関の施設の管理運営状況等の調査
エ 物品管理について、現場の管理状況の調査及び現物の実査
オ 契約事務について、随意契約、指名競争入札に係る契約内容聴取
カ 民間の企業等との連携の状況について聴取
な お 、必 要 と 認 め た 場 合 、各 監 査 項 目 の 箇 所 に 監 査 手 続 を 記 載 し て い
る。
6
外部監査の実施期間
平 成 18 年 8 月 25 日 か ら 平 成 19 年 2 月 28 日 ま で
7
根拠法令の略称
本文中の法令の略称は次のとおりである。
地方自治法
「法」
地方自治法施行令
「令」
山口県会計規則
「会計規則」
山口県公有財産規則
「公有財産規則」
山口県物品規則
「物品規則」
地方公務員法
「地公法」
山口県使用料手数料条例
「使手条例」
178
8
利害関係
包 括 外 部 監 査 の 対 象 と し た 事 件 に つ き 、 私 は 地 方 自 治 法 第 252 条 の 29
の規定により記載すべき利害関係はない。
報告書中の表の金額は、端数処理の関係で合計が一致しない場合がある。
179
第2 人材養成・職業訓練機関全般
1 概要
(1)人材養成・職業訓練機関の設置状況
人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 は 5 つ の 機 関 が 設 置 さ れ て お り 、そ の 状 況 は
次のとおりである。
農林水産部
農業経営課
農業大学校
健康福祉部
医務保険課
衛生看護学院
萩看護学校
商工労働部
労働政策課
東部高等産業技術学校
西部高等産業技術学校
( 2 )人 材 養 成 ・職 業 訓 練 機 関 の 業 務 内 容 に つ い て は 、各 人 材 養 成 ・ 職 業 訓
練機関の箇所に記載している。
( 3 ) 人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 全 体 の 財 務 の 概 要 ( 平 成 17 年 度 )
(単位:千円)
項 目
農業大学校
衛生看護学院
萩看護学校
2,434
24,949
15,350
1,331
807
東部高等産業 西部高等産業
技術学校
技術学校
計
収入
使用料
手数料
財産売払収入
259
32,458
15,106
3,410
その他収入
3,531
3,807
10,022
対象人材養成・職業訓練機関以外の
調定分
収入合計
51,117
2
2
39,154
1,119
29,811
19,964
14,326
65,443
35,868
6,688
1,119
小計
43,185
2,138
預金利子
雑入
193
29,811
19,964
10,281
10,293
121,466
250,291
241,786
506,403
260,572
252,079
627,869
支出
0
報酬
共済費
10,317
1,738
1,675
44,601
32,333
90,664
2,597
874
880
5,817
4,727
14,895
15,383
8,898
7,766
9,283
8,868
50,198
報償費
2,293
10,785
9,139
31,392
31,726
85,335
旅費
2,644
5,565
6,851
3,167
2,811
21,038
59,189
17,678
17,137
22,037
15,034
131,075
59,137
17,678
17,137
22,027
15,015
130,994
10
19
81
賃金
需用費
一般需用費
食糧費
52
役務費
4,419
1,799
5,880
3,501
2,785
18,384
委託料
30,059
12,737
36,703
73,098
92,551
245,148
694
2,076
4,434
使用料及び賃借料
工事請負費
1,734
原材料費
備品購入費
5,953
1,100
180
3,300
171
216
7,591
6,195
0
7,929
3,416
9,754
13,170
58,118
14,843
83,314
負担金補助及び交付金
補償補填及び賠償金
小計
198
969
735
744
2,887
0
0
0
94,006
261,531
216,392
771,628
7,486
26,270
50,620
84,376
0
135,480
64,219
対象人材養成・職業訓練機関以外の
予算執行分
正規職員人件費
241
183,134
246,507
168,154
190,629
177,557
965,981
支出合計
318,614
310,726
269,646
478,430
444,569
1,821,985
収支差額
△ 253,171
△ 280,915
△ 249,682
△ 217,858
△ 192,490
△ 1,194,116
平 成 17 年 度 の 人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 の 県 費 の 負 担 額 は 1,194 百 万
円である。
財務の概要の項目の説明
※ 1 対 象 人 材 養 成 ・職 業 訓 練 機 関 以 外 の 調 定 分
本 庁 で の 調 定 分 の 収 入 で あ る 。( 国 庫 補 助 金 等 の 収 入 )
※ 2 対 象 人 材 養 成 ・職 業 訓 練 機 関 以 外 の 予 算 執 行 分
本 庁 で の 予 算 執 行 分 で あ る 。( 施 設 の 工 事 費 等 の 支 出 )
※3 正規職員の人件費には共済費を含む。
※4 収支差額のマイナス金額
県の財政負担額である。
(4)県の人材養成・職業訓練機関の活性化に向けた取組み
平 成 18 年 3 月 、 県 が 策 定 し た 「 山 口 県 行 政 改 革 推 進 プ ラ ン 」 に お い
て 、組 織 と 行 政 シ ス テ ム の 改 革 の 中 で 、ス リ ム で 効 率 的 な 組 織 を 整 備 す
る 観 点 か ら 、人 材 養 成 や 職 業 訓 練 を 行 う 機 関 に つ い て 、時 代 の 変 化 や ニ
ー ズ に 柔 軟 に 対 応 し 、養 成 課 程 や 訓 練 科 目 、定 員 な ど の 見 直 し を 進 め る
こととされている。
各機関の管理運営の指針としては、次のようなものがある。
農 業 大 学 校 は 農 業 改 良 助 長 法 ( 昭 和 23 年 7 月 ) 第 7 条 第 1 項 第 5 号
の規定、
「協同農業普及事業の運営に関する指針」
( 農 林 水 産 省 告 示 )及
び「 ガ イ ド ラ イ ン 」、ま た 、
「 や ま ぐ ち 食 と 緑 の プ ラ ン 2 1 」の 運 営 方 針
を 基 調 に 平 成 17 年 3 月 に 策 定 さ れ た 「 協 同 農 業 普 及 事 業 の 実 施 に 関 す
る方針」により、研修教育を行っている。
衛 生 看 護 学 院 、 萩 看 護 学 校 で は 、「 看 護 師 等 の 人 材 確 保 の 促 進 に 関 す
る 法 律( 平 成 4 年 法 律 第 86 号 )」等 関 係 法 令 に 則 り 看 護 職 員 の 養 成 を 行
っている。
高 等 産 業 技 術 学 校 ( 東 部 校 、 西 部 校 ) は 、 平 成 16 年 3 月 に 策 定 さ れ
た「 今 後 の 高 等 産 業 技 術 学 校 の 在 り 方 」に よ り 訓 練 科 目 の 見 直 し 等 を 行
っている。
181
2
監査結果
人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 財 務 事 務 は 、下 記 の 指 摘 事 項 を 除 き 、関 係 法
令等に基づき適正に処理されていると認められる。
な お 、指 摘 事 項 の 詳 細 は 各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 監 査 結 果 に 記 載 し
て い る 。(( 1 )イ の 人 件 費 の 詳 細 は 下 記( 3 )ア に 、個 人 情 報 等 の セ キ ュ
リティ管理は(3)イに記載)
(1)指摘事項は次のとおりである。
ア 収入に関する財務事務
( ア )す べ て の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て 、行 政 財 産 の 使 用 許 可
に 際 し て 、使 用 料 を 減 免 す る 場 合 、許 可 申 請 書 に 減 免 を 受 け る 旨 の
付記が必要であるが、当該記載のないものがあった。
( イ )衛 生 看 護 学 院 の 後 期 の 授 業 料 に つ い て 、9 月 16 日 及 び 9 月 21 日
の徴収分が、その日に県の口座に振り込まれていなかった。
イ
人件費に関する財務事務
萩 看 護 学 校 に お い て 、1 名 の 職 員 に つ い て 扶 養 者 の 所 得 証 明 書 が 添
付されていなかった。
ウ 契約に関する財務事務
(ア)農業大学校における契約の承認の決裁権限の委譲範囲について
決 裁 権 限 の 委 譲 範 囲 に つ い て 、文 書 で 明 確 に 定 め ら れ て い な か っ
た。
(イ)衛生看護学院における契約承認の決裁権限の委譲範囲について
契約締結の決裁欄に事務局長印が押印されているものがあった。
事務委任規則及び事務決裁規程に基づく専決が行われているもの
で あ る が 、決 裁 権 限 の 委 譲 範 囲 に つ い て 文 書 で 明 確 に 定 め る 必 要 が
ある。
(ウ)萩看護学校の実習委託料の単価について
実 習 病 院 に よ り 実 習 委 託 料 単 価 に 差 が み ら れ る が 、算 定 の 根 拠 と
なる資料がなかった。
(エ)萩看護学校の給食に係る委託契約事務について
契 約 に お い て 、給 食 費 1 人 1 日 当 た り の 単 価 の 積 算 根 拠 と な る 資
料が保管されていなかった。
エ 財産管理
(ア)公有財産の管理
公有財産台帳の記帳の不備により登記簿謄本と不一致のものが
あった。
農業大学校
面積の相違(建物)
萩看護学校
面積の相違(建物)
182
農業大学校
未登記物件(建物)
農業大学校
記載漏れ(工作物)
(イ)物品の管理について
a 物品標示票と備品管理簿で記載内 容 に 不 一 致 の もの が あ っ た。
萩看護学校
東部高等産業技術学校
b 物品標示票が貼付されていないものがあった。
農業大学校
西部高等産業技術学校
c 物品標示票が不鮮明なものがあった。
西部高等産業技術学校
d 備品管理簿に記載のないものがあった。
農業大学校(借入品)
東部高等産業技術学校
e 物品保管転換手続がなされていないものがあった。
農業大学校
西部高等産業技術学校
f 物品の不用の決定がなされていないものがあった。
西部高等産業技術学校
g 物品の修繕に関する手続がなされていないものがあった。
農業大学校
h 廃棄決定をした機器が処分未処理であった。
東部高等産業技術学校
i 借入物品返還決議書の記載に不備があった。
萩看護学校
j 物品の貸し付けに係る書類のないものがあった。
萩 看 護 学 校 で 、給 食 業 務 委 託 契 約 に 係 る 物 品 の 貸 し 付 け が 、物
品 規 則 第 51 条 に 従 っ て い な か っ た 。
(ウ)毒物・劇物の管理について
a 使用簿と現物に計量誤差による不一致のものがあった。
農業大学校
b 薬品の管理について取扱要綱等の定めたものがなかった。
農業大学校
(エ)郵便切手について
郵便切手類出納簿の払出欄に使用職員印の押印がなかった。
農業大学校
東部高等産業技術学校
(オ)現金管理について
直接徴収した現金の振り込みが遅れていた。
衛生看護学院
183
東部高等産業技術学校
西部高等産業技術学校
(2)監査結果に関連する意見
ア 時間外勤務命令の理由の記載について
人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 に お け る 時 間 外 手 当 の 支 給 に つ い て 、「 時
間 外 勤 務・休 日 勤 務 命 令 簿 」に 記 載 す る 時 間 外 勤 務 命 令 の 理 由 が 庶 務
用 務 、教 務 用 務 、看 護 研 究 指 導 、技 術 指 導 、学 生 指 導 と い っ た 用 務 名
の 記 載 を し て い る ケ ー ス が 多 く 、ど の よ う な 業 務 で 勤 務 命 令 が 出 さ れ
たのか明確ではなく適当ではない。
イ
業務委託契約に係る予定価格の決定について
農 業 大 学 校 及 び 衛 生 看 護 学 院 に お け る 業 務 委 託 契 約 に つ い て は 、契
約金額が下落しているにも拘わらず変化が小さいものと少し上昇し
て い る も の が あ る 。予 定 価 格 の 算 定 に 当 た っ て は 、庁 舎 積 算 マ ニ ュ ア
ル に 基 づ き 積 算 を 行 っ て い る が 、こ れ に 加 え て 、業 務 の 実 態 や 過 去 の
入 札 執 行 結 果 等 、同 種 及 び 同 規 模 の 施 設 に お け る 積 算 、契 約 金 額 を 調
査するなどして、予定価格の積算について 検討 し て い く 必 要 があ る 。
ウ
備品として取り扱う金額の基準について(効率性の観点)
物 品 の 管 理 状 況 を チ ェ ッ ク し た と こ ろ 、試 験 研 究 機 関 と 同 様 な 状 況
が見受けられた。
機 器 な ど の 備 品 の 現 物 管 理 を 重 点 的 に 行 う た め に 、備 品 と し て 扱 う
金額の基準の改正を検討する必要がある。
現 状 で は 、物 品 規 則 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に よ る と 、取 得 価 格 が 3 万
円 以 上 の も の を 備 品 と し て 扱 う こ と に な っ て い る ( 平 成 10 年 4 月 1
日 以 降 )が 、例 え ば 法 人 税 法 の 規 定 で は 、1 個 ま た は 1 組 当 た り の 取
得 価 格 の 金 額 基 準 は 10 万 円 以 上 と な っ て お り 、 こ の 基 準 を 参 考 に 金
額 を 引 き 上 げ 、対 象 を 絞 っ て 管 理 の 重 点 化 を 図 る こ と 、ま た 物 品 規 則
に は 実 地 棚 卸 に 関 す る 定 め は な い が 、現 物 管 理 が 適 切 に 行 わ れ る よ う
に 、1 年 に 1 回 は 棚 卸 を 行 う こ と を 同 規 則 に 定 め る こ と を 検 討 す べ き
である。
エ
機器の使用実績簿の作成と活用について
す べ て の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て 、機 器 購 入 に 際 し 稼 動 目
標( 利 用 回 数 、日 数 、時 間 等 )を 設 定 し て い な い こ と 、ま た 使 用 の 実
績を記録したデータがないことから、利用状況が効率的かどうか分
析・評価することができない。
た だ し 、 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校 に は 平 成 17 年 度 だ け 、 科 ご と の 担
当教官が年間訓練カリキュラムの時間数を積み上げて作成した機器
184
活用状況報告書が使用実績のデータとしてあった。
他 の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 も こ の よ う な 方 法 を 参 考 に し 、使 用 実
績 の 把 握 の た め 、使 用 実 績 簿 の 作 成 を 検 討 す る 必 要 が あ る 。機 器 購 入
の 前 に 利 用 目 標 を 設 定 し 、目 標 と 実 績 を 対 比 す る こ と が で き れ ば 、機
器 が 効 率 的 に 活 用 さ れ て い る か 、利 活 用 の 実 態 分 析 が 可 能 に な る 。こ
の よ う な 分 析 結 果 を 基 に 、機 器 の 整 備 計 画 を 立 案 し 、機 器 の 選 定 を 合
理的に行う必要がある。
オ
機器の導入方法について
機 器 を 導 入 す る か ど う か 検 討 す る 場 合 は 、導 入 す る の か そ れ と も 業
務 を 外 部 に 委 託 す る の か 、導 入 す る と し た 場 合 、そ の 方 法 は 購 入 か リ
ー ス か 、ま た 他 機 関 の 機 器 を 借 用 す る の か と い っ た 方 法 が あ る が 、購
入 か リ ー ス に 関 し て は 、リ ー ス は 地 方 公 共 団 体 の 場 合 、企 業 と 違 っ て
節 税 効 果 は な く 、一 般 的 に は 購 入 の 方 が 有 利 と 考 え ら れ る 。機 器 の 金
額や利用度等から判断して業務を外部に委託することが効率的と判
断される場合には機器の導入をしないという場合もある。
こ の よ う に 、機 器 の 導 入 に 当 た り 、購 入・リ ー ス・他 機 関 の 機 器 の
借 用・業 務 の 外 部 委 託 な ど の 選 択 に つ い て 判 断 基 準 が 定 め ら れ て い な
い が 、一 定 金 額 以 上 の 機 器 の 取 得 に つ い て は 導 入 を ど の よ う に す る か 、
方 針 や 基 準 を 作 成 し 、そ の 基 準 に 基 づ い て コ ス ト 面 で 最 も 有 利 な 方 法
を選択するようにすべきである。
( 3 ) 人 件 費 ( 各 機 関 で 執 行 さ れ る 臨 時 的 職 員 ( 地 公 法 第 22 条 職 員 ( 以 下
「 22 条 職 員 」 と い う 。)、 日 々 雇 用 職 員 及 び 非 常 勤 嘱 託 職 員 を い う 。 以
下 同 じ 。) の 給 与 を 含 む ) 及 び 個 人 情 報 等 の セ キ ュ リ テ ィ 管 理 に つ い て
の概要・監査手続・監査結果及び意見はこの箇所に記載する。
ア 人件費(給与に関する財務事務)
(ア)概要
正 規 職 員 の 給 与 関 係 事 務 は 、給 与 マ ス タ を 基 に 計 算 さ れ 、給 与 の
支 給 方 法 は 、人 事 給 与 シ ス テ ム に よ り 口 座 振 替 を 基 本 と し 、一 部 現
金支給により行っている。
監 査 対 象 と し た 給 与 の 種 類 は 、給 料 、管 理 職 手 当 、扶 養 手 当 、調
整手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、時間外勤務手当、
休日勤務手当、農林漁業普及指導手当、特殊勤務手当である。
一 般 職 に 属 す る す べ て の 職 員 に は 、「 一 般 職 の 職 員 の 給 与 に 関 す
る 条 例 」( 以 下「 給 与 条 例 」と い う 。)及 び「 一 般 職 の 職 員 の 特 殊 勤
務 手 当 に 関 す る 条 例 」( 以 下 「 勤 務 条 例 」 と い う 。) が 適 用 さ れ る 。
特 例 と し て 、予 算 の 範 囲 内 で 別 に 任 命 権 者 が 定 め る 臨 時 的 任 用 職 員 、
及び職務の特殊性を考慮して別に任命権者が定める現業職員にも
給 与 条 例 が 適 用 さ れ る 。( 給 与 条 例 第 20 条 及 び 第 21 条 第 2 項 )
185
(イ)監査手続
a 支 給 額 の 算 定 根 拠 と な る 行 政 職 給 料 表 、研 究 職 給 料 表 、医 療 職 給
料 表 、現 業 職 給 料 表 、各 種 規 程 及 び 受 給 資 格 要 件 等 を 閲 覧 し 、給 与
マスタの支給額と照合した。
b 各 種 手 当 の 入 力 デ ー タ の 正 当 性 及 び 正 確 性 を 確 認 し 、入 力 デ ー タ
の承認状況を検証した。
c 時 間 外 手 当 に つ い て は 、時 間 外 勤 務 命 令 簿 の 時 間 外 手 当 金 額 の 正
確 性 を 検 証 し 、給 与 支 給 明 細 書 上 の 金 額 と 一 致 し て い る か 確 認 し た 。
(ウ)監査結果
萩 看 護 学 校 に お い て 、扶 養 手 当 に つ い て 検 証 し た 結 果 、1 名 の 職
員について扶養者の所得証明書が添付されていなかった。
(エ)意見
a 時間外勤務手当
(a)時間外勤務命令の理由の記載について
ど の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 も 庶 務 用 務 、教 務 用 務 、看 護 研
究 指 導 、技 術 指 導 等 と い っ た 簡 略 的 な 用 務 内 容 を 記 載 し て い る
ケ ー ス が 多 い 。ど の よ う な 業 務 で 超 過 勤 務 命 令 が 出 さ れ た の か
明 確 で は な く 、超 過 勤 務 命 令 の 理 由 を 明 確 に 記 載 す る 必 要 が あ
る。
( b ) 各 機 関 等 に お け る 平 成 17 年 度 の 時 間 外 勤 務 時 間 及 び 手 当 の
状況は次のとおりである。
(単位:円、時間、%)
時間外勤務 1人平均の時 時間外勤務手 1人平均の時 給料に占める
時間
間外勤務時間 当の支給額 間外勤務手当 時間外勤務手
支給額
当の割合
農業大学校
1,296
58.9
3,585,215
162,964
3.9
衛生看護学院
3,077
123.1
9,272,118
370,885
7.7
萩看護学校
1,513
89.0
4,403,578
259,034
4.9
東部高等産業技術学校
880
44.0
2,160,400
108,020
2.4
西部高等産業技術学校
1,077
63.4
3,317,106
195,124
4.2
186
1人平均の時間外勤務時間
(時間)
140
120
100
(A)農業大学校
80
(B)衛生看護学院
60
(C)萩看護学校
40
(D)東部高等産業技術学校
20
(E)西部高等産業技術学校
0
(A)
(B)
(C)
(D)
(E)
衛 生 看 護 学 院 で は 1 人 平 均 の 時 間 外 勤 務 時 間 が 多 い 。そ の 理 由
は 、学 生 に 対 す る 国 家 試 験 受 験 指 導 、実 技( 技 術 )指 導 が 時 間 外
に 渡 る 場 合 が あ る こ と と 、医 療 機 関 等 に お い て 一 定 時 間 の 実 習 が
求 め ら れ て お り 、こ れ ら が 時 間 外 に 渡 る 場 合 が あ る こ と が そ の 主
な 理 由 で あ る 。ま た 、同 学 院 に お い て は 、当 該 年 度 に お い て 老 朽
化 し た ボ イ ラ ー の 修 繕 工 事 を 実 施 し 、こ れ へ の 立 会 が 時 間 外 に 渡
ったことも時間外勤務が多い理由のひとつである。
な お 、各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て は 、時 間 外 勤 務 を 減
少 さ せ る た め に 、臨 時 的 職 員 の 活 用 等 に よ り 対 応 で き な い か 検 討
の必要がある。
b 臨時的職員の活用
(a)概要
正規職員の給与総額の全職員に占める割合は次のとおりであ
る。
(単位:千円)
農業大学校
衛生看護学院
萩看護学校
正規職員の給与
155,101
86%
208,150
95%
141,685
94%
臨時的職員の給与
合計
25,700
180,801
14%
100%
10,636
218,786
5%
100%
9,441
151,126
6%
100%
東部高等産業技術学校
西部高等産業技術学校
合計
正規職員の給与
172,793
76%
161,159
80%
838,888
86%
臨時的職員の給与
合計
53,884
226,677
24%
100%
41,201
202,360
20%
100%
140,862
979,750
14%
100%
注
共済費の金額は含まない。
衛生看護学院及び萩看護学校において正規職員の給与の割合
が 比 較 的 高 い の は 、教 育 現 場 に お い て 看 護 業 務 等 に 関 す る 高 度 な
知 識・経 験 が 要 求 さ れ る た め 、臨 時 的 職 員 で は 対 応 が 困 難 で あ る
187
ためとのことである。臨時的職員は基本的には正規職員の産休、
育休代替によるものである。
(b)監査手続
22 条 職 員 及 び 日 々 雇 用 職 員 に 関 す る 勤 務 実 績 簿 、 給 与 支 給 明
細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(c)監査結果
22 条 職 員 及 び 日 々 雇 用 職 員 の 賃 金 は 正 確 に 算 定 さ れ て お り 、
書類の不備、不整合はなく、特記すべき事項はなかった。
(d)意見
上 記 の と お り 、正 規 職 員 の 給 与 総 額 の 全 職 員 の 給 与 総 額 に 対 す
る 割 合 は 86% で あ る 。
人にかかるコストは、職員のほとんどが正規職員であるため、
硬 直 的 な コ ス ト 構 造 に な っ て い る 。今 後 、社 会 経 済 情 勢 の 変 化 等
に よ り 、事 業 内 容 に つ い て も 変 わ っ て い く こ と が 予 想 さ れ る こ と
か ら 、こ れ ま で の よ う な 正 規 職 員 を 主 体 と し た 体 制 か ら 、臨 時 的
職 員 等 の 適 切 な 組 み 合 わ せ を 検 討 し 、将 来 的 に コ ス ト 構 造 の 弾 力
性を高めていく必要があると考える。
c 給与の支給について現金支給から口座振替への切替推奨につい
て
給 与 の 支 給 方 法 は 、人 事 給 与 シ ス テ ム を 導 入 し た 平 成 6 年 頃 か ら 、
現 金 支 給 か ら 口 座 振 替 へ の 切 替 を 推 奨 し て い る が 、ど の 程 度 進 ん で
い る か を 確 か め る た め に 平 成 18 年 3 月 時 点 及 び 平 成 14 年 3 月 時 点
の給与現金支給の割合を調べた。
各機関等の給与の現金支給は、次のとおりである。
(単位:人、千円)
農業大学校
衛生看護学院
萩看護学校
東部高等産業技術学校 西部高等産業技術学校
平成18 年 平成14 年 平成18 年 平成14 年 平成18 年 平成14 年 平成18 年 平成14 年 平成18 年 平成14 年
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
3月期
給与支給人数(a)
20
22
27
27
19
19
23
23
20
24
現金支給人数(b)
4
14
2
13
2
3
0
13
14
20
20%
63.6%
7.4%
48.1%
10.5%
15.8%
0%
56.5%
70%
83.3%
692
1,119
403
2,339
160
752
0
1,509
2,386
2,558
現金支給人数の割合
(b)/(a)
現金支給総額
( 注 )平 成 18 年 3 月 期 の 正 規 職 員 の 数 と 上 記 表 (a)の 給 与 支 給 人 数 は 、育 児 休 業 者 が い る た
め一致しない。
平 成 18 年 3 月 期 に お け る 各 学 校 等 の 現 金 支 給 人 数 、 現 金 支 給 総
額 は と も に 、 平 成 14 年 3 月 期 に 比 べ れ ば 改 善 さ れ て い る 。 現 金 支
給 は 現 金 の 移 動 保 管 等 の リ ス ク が あ り 、ま た 、事 務 効 率 を あ げ る た
め 、振 込 に よ る 給 与 支 給 の 完 全 化 に 向 け て 現 金 支 給 職 員 の 協 力 を 要
188
請していく必要がある。
な お 、給 与 の 支 給 に つ い て は 、現 地 調 査 後 に お い て 取 組 み が 進 め
ら れ た こ と に よ り 、 平 成 19 年 1 月 現 在 で は 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校
等 口 座 振 替 へ の 切 替 が 進 み 、現 金 支 給 人 数 の 割 合 は 低 く な っ て い る 。
イ 個人情報等のセキュリティ管理
(ア)概要
県 は 、情 報 の 盗 難 、漏 え い 、改 ざ ん 及 び 破 壊 等 の 脅 威 か ら 情 報 資 産
を 守 る と と も に 、情 報 資 産 の 活 用 に お け る 機 密 性 、完 全 性 及 び 可 用 性
を 維 持 す る た め 、山 口 県 情 報 セ キ ュ リ テ ィ ポ リ シ ー 及 び そ れ を 具 体 化
し た 山 口 県 情 報 セ キ ュ リ テ ィ 対 策 基 準 を 定 め て い る 。県 の 情 報 シ ス テ
ム は こ の 基 準 に よ り 運 用 さ れ て い る 。こ こ で は 各 人 材 養 成・職 業 訓 練
機関に委ねられている情報資産のセキュリティ管理について検証し
た。
(イ)監査手続
a 個 人 情 報 等 の 消 失 リ ス ク 及 び 漏 え い リ ス ク に 対 し て 、必 要 十 分 な
統 制 業 務 が 整 備 さ れ 有 効 に 運 用 さ れ て い る か ど う か を 、責 任 者 へ の
質問等により確認した。
b 個人情報のセキュリティ管理が機密度に応じてなされているか
どうか確認した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(エ)意見
a セキュリティ基準について
各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に 管 理 が 委 ね ら れ て い る 情 報 資 産 に つ
い て は 、衛 生 看 護 学 院 を 除 き セ キ ュ リ テ ィ の 具 体 的 な 基 準 が 定 め ら
れ て い な い 。個 人 情 報 等 の 消 失 リ ス ク 及 び 漏 出 リ ス ク 等 を 低 減 さ せ
る た め に は 、セ キ ュ リ テ ィ の 具 体 的 な 基 準 を 定 め 、目 標 と す べ き セ
キュリティ水準が維持されるよう管理する必要がある。
b 個人情報等の消失リスク
学 生 に 関 す る デ ー タ 等 を 消 失 し た 場 合 に は 、卒 業 後 の 外 部 か ら の
照 会 に 適 切 な 対 応 が で き な く な り 、大 き な 信 用 問 題 に な る 。こ の た
め 、卒 業 生 の 成 績 等 の デ ー タ は 紙 に 打 ち 出 し 、鍵 付 き の 耐 熱 金 庫 に
保管されており、問題はない。
し か し 、フ ロ ッ ピ ー 等 で 保 管 す る 場 合 の バ ッ ク ア ッ プ の 頻 度 、保
管 方 法 に つ い て は 各 担 当 に ま か せ て い る だ け で あ り 、組 織 と し て の
管 理 が さ れ て い な い 。個 人 情 報 等 の 消 失 リ ス ク を 軽 減 す る た め 、バ
ッ ク フ ァ イ ル の 取 得 方 法 を 手 続 書 と し て 作 成 し 、関 係 者 に 周 知 す る
か 、あ る い は チ ェ ッ ク リ ス ト を 作 成 し て セ キ ュ リ テ ィ 意 識 を 高 め る
工夫をする必要がある。
189
c 個人情報等の漏えいリスク
(a)個人情報等保管テープの定期的な棚卸
個 人 情 報 等 が 外 部 へ 持 ち 出 さ れ た 場 合 の 影 響 は 大 き い 。し か し 、
職 員 が 使 用 し て い る 各 端 末 に は 記 憶 装 置 が 付 い て お り 、個 人 情 報
等 を 外 部 へ 持 ち 出 す こ と が 容 易 な 状 況 に あ る に も 拘 わ ら ず 、個 人
情報等の外部持ち出し防止は各職員の信頼に依存したままであ
る 。個 人 情 報 等 の 漏 出 リ ス ク を 軽 減 す る た め に は 、職 員 の 信 頼 だ
け に 依 存 せ ず 、M O 等 の デ ー タ 保 管 媒 体 の 数 量 及 び 内 容 を 台 帳 に
記載し、定期的に数量チェックを行う必要がある。
(b)アクセス権限者の設定
各 職 員 の 端 末 の 起 動 は 誰 で も で き 、エ ク セ ル や ワ ー ド で 作 成 し
た 学 生 デ ー タ を 閲 覧 す る こ と は 可 能 な 状 態 に あ る 。情 報 を 共 有 化
し て い る 端 末 以 外 は 、職 務 分 掌 上 の 権 限 者 以 外 の 者 は 学 生 デ ー タ
にアクセスできないようにする必要がある。
(c)フロッピー等のデータファイルの廃棄
・ 卒業生に関するデータ
卒 業 生 に 関 す る 電 子 デ ー タ は 、紙 に 打 ち 出 し た 時 点 で 廃 棄 し
て い る と の こ と で あ る 。し か し 、廃 棄 申 請 書 等 が な い た め 、廃
棄手続が責任者の承認を得て確実になされたかどうか検証す
る こ と は で き な か っ た 。機 密 デ ー タ の 漏 え い を 防 ぐ た め 、廃 棄
手続を定める必要がある。
・ その他の電子データ
その他の電子データは保存期間経過後に廃棄しているとの
こ と で あ る が 、実 際 の 保 存 期 間 は 部 署 に よ っ て バ ラ ツ キ が あ る 。
保 存 期 間 経 過 後 は 確 実 に 廃 棄 し 、経 過 後 も 保 存 す る も の は そ の
理由を明らかにする必要がある。
(d)コンピュータの施錠や固定化の必要性
端 末 自 体 に 重 要 デ ー タ が 保 存 さ れ て い る 場 合 に は 、そ の 漏 出 を
防ぐためコンピュータの施錠や使用者固定化の必要性が高まる
が 、そ の 状 況 が 把 握 さ れ て い な い 。状 況 を 把 握 し リ ス ク 評 価 を す
る必要がある。
d 個人情報等の機密度の設定
個 人 情 報 等 の 機 密 度 の 設 定 は 運 用 と し て は な さ れ て い る が 、文 書
化 さ れ て い な い た め 、機 密 度 の 設 定 が 組 織 的 に な さ れ 、定 期 的 に 見
直 さ れ て い る か は 検 証 で き な か っ た 。紙 ベ ー ス の 書 類 、電 子 デ ー タ
と し て ど の よ う な も の が あ る か 、機 密 度 の 設 定 、管 理 の 方 法 を 示 し
た方針・規程等を文書化する必要がある。
190
3
組織及び運営に関する意見
( 1 )は 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 組 織 及 び 運 営 の 合 理 化 に 資 す る と 考
え る 事 項 に つ い て 、そ の 内 容 を 記 載 し て い る 。そ の 詳 細 に つ い て は 、各 人
材養成・職業訓練機関の組織及び運営に関する意見に記載している。
( 2 )は 行 政 コ ス ト 計 算 書 の 作 成 と 活 用 状 況 に 関 す る 意 見 を 記 載 し て い
る。
(1)各人材養成・職業訓練機関の意見の概要
ア 農業大学校
(ア)研究科の見直し
養成課程における研究科の学生数が年間1人か0の場合があり、
研 究 科 の 生 徒 の 募 集 の 休 止( ま た は 廃 止 )を 含 め て 、研 究 科 の 在 り
方について検討が早急に必要である。
(イ)やまぐち就農支援塾の研修の充実強化
団 塊 の 世 代( 昭 和 22 年 ~ 昭 和 24 年 生 ま れ )等 を 農 業 の 新 た な 担
い 手 と し て 育 成 し 、確 保 す る た め に 、支 援 体 制 の 整 備 の 一 環 と し て
やまぐち就農支援塾が開設されており、関係機関との連携を深め、
研修内容・方法の充実を図ることが必要である。
イ 衛生看護学院、萩看護学校
(ア)看護職員の養成業務の充実・強化(質と量の両面から)
平 成 18 年 2 月 に 策 定 さ れ た 「 山 口 県 看 護 職 員 需 給 見 通 し 」 に よ
れ ば 、 平 成 22 年 ま で の 看 護 職 員 の 不 足 数 が 見 込 ま れ て お り 、 し か
も 平 成 18 年 4 月 の 診 療 報 酬 の 改 正 に よ り 、 看 護 師 を 手 厚 く 配 置 す
る医療機関が高い診療報酬を得られる仕組みが導入されたことの
影響を受け、看護職員の需要増が見込まれる。
こ の よ う な 状 況 に 対 し て 、高 度 化・多 様 化 す る 看 護 ニ ー ズ に 対 応
できる質の高い看護職員の養成業務の充実を図る必要がある。
(イ)学科の改編の検討
少 子 化 や 、生 徒 の 高 学 歴 志 向 な ど か ら と 、大 学 に お け る 看 護 学 部
の 定 員 増 加 や 新 設 な ど が あ り 、学 生 の 確 保 が 困 難 な 状 況 に あ る の で 、
生 徒 の 志 望 動 向 な ど を 注 視 し 、将 来 的 に は 学 科 の 改 編 等 在 り 方 の 検
討が必要である。
特 に 衛 生 看 護 学 院 で は 、准 看 護 師 を 対 象 と し た 看 護 師 養 成 課 程 で
あ る 第 二 看 護 学 科 は 志 願 数 の 著 し い 減 少 が み ら れ る 。今 後 の 生 徒 数
の 推 移 を 見 守 り な が ら 、将 来 的 に は 第 二 看 護 学 科 の 改 編 等 に つ い て
検討する必要がある。
ウ 高等産業技術学校(東部校、西部校)
( ア )企 業 の 人 材 ニ ー ズ と 求 職 者 の ニ ー ズ を 結 び つ け る 職 業 訓 練 の 実 施
山口県産業を担う産業人材の育成拠点として、その役割を効果
191
的・効率的に遂行する必要がある。
特 に 、企 業 の 人 材 ニ ー ズ と 求 職 者 の 有 す る 資 格 、能 力 の 間 で 雇 用
の ミ ス マ ッ チ が 拡 大 し て お り 、こ の 雇 用 の ミ ス マ ッ チ を 解 消 し 、求
職者が就職に結びつく職業訓練を行う必要がある。
(イ)就職支援活動
訓 練 生 が 就 職 す る こ と に よ り 、高 等 産 業 技 術 学 校 が そ の 役 割 を 果
た す こ と が で き た と い う こ と で あ り 、そ の た め に は 、公 共 職 業 安 定
所との連携や無料職業紹介業務を充実させる必要がある。
(ウ)フリーター等や団塊の世代への重点的な取り組み
若年離転職者やフリーター等の若年者及び団塊の世代の中高年
離 転 職 者 に 対 し て 、県 内 の 就 職 促 進 に 向 け て 、高 等 産 業 技 術 学 校 と
し て 訓 練 科 目 や 訓 練 の 実 施 方 法 等 を 検 討 し 、重 点 的 に 取 り 組 む 必 要
がある。
(2)行政コスト計算書について
ア(ア)全般
行政コスト計算書の作成及び活用の状況を検討した。
現 状 で は 行 政 コ ス ト 計 算 書 は 作 成 さ れ て い る が 、分 析・評 価 の
段 階 に は な く 、行 政 活 動 の 効 率 性 を 判 断 す る 材 料 と し て 活 用 さ れ
ていない。
今 後 有 効 に 活 用 す る た め の 方 策 の 検 討 が 必 要 で あ り 、例 え ば 下
記の点に留意する必要がある。
・ 経年比較をするために継続して作成すること。
・ 他 県 の 同 種 の 機 関 の 行 政 コ ス ト の デ ー タ を 入 手 し 、指 標 単 位
当たり行政コスト計算書を作成し比較すること。
・ 行 政 活 動 の 成 果 を 定 量 的・定 性 的 に 評 価 す る 方 法 を 検 討 す る
こと。
( イ ) 平 成 17 年 度 の 各 人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 の 行 政 コ ス ト 計 算 書
山 口 県 が 、内 容 の 分 か り や す さ や 、作 成 の 容 易 性 等 の 向 上 を 目
的 と し て 、平 成 12 年 度 及 び 13 年 度 に 作 成 さ れ た「 地 方 公 共 団 体
の 総 合 的 な 財 政 分 析 に 関 す る 調 査 研 究 会 報 告 書 」( い わ ゆ る 総 務
省方式の作成マニュアル)に準じて作成したものである。
その概要は下表に示すとおりである。
(単位:千円)
区分
人にかかる
コスト
物にかかる
コスト
農業大学校
人件費
衛生看護学院 萩看護学校
東部高等産業 西部高等産業
技術学校
技術学校
計
195,975
246,507
168,154
252,941
224,531
1,088,108
退職手当引当金繰入
10,296
13,645
10,613
8,924
7,905
51,383
小計
206,271
260,152
178,767
261,865
232,436
1,139,491
116,581
61,268
89,955
46,438
55,500
369,742
2,912
2,952
4,050
6,786
600
17,300
物件費
維持修繕費
192
減価償却費
小計
37,722
10,228
35,888
32,330
32,265
148,433
157,215
74,448
129,893
85,554
88,365
535,475
8,130
4,730
12,860
移転にかかる
補助費等
コスト
その他の
コスト
災害復旧事業費
0
公債費(利子のみ)
3,847
2,008
845
6,700
行政コスト総額
363,486
338,447
310,668
356,394
325,531
1,694,526
使用料・手数料等
50,773
29,891
19,964
2,656
5,812
109,096
国庫補助金
その他
20,650
73,749
9,746
78,153
10,256
172,552
20,002
行政コスト純額
292,063
270,243
231,310
1,392,876
308,556
290,704
平 成 17 年 度 の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 行 政 コ ス ト 純 額 は 1,393
百万円である。
<参考>
上 記 の 行 政 コ ス ト 計 算 書 は 歳 出・歳 入 の 金 額 に 下 記 の 調 整 が 加 え ら れ て
作成されている。
調整事項
・ 資 産 形 成 と な る 100 万 円 以 上 の 備 品 購 入 費 及 び 工 事 請 負 費 を 除 く 一
方 、資 産 の 減 価 償 却 費 及 び 退 職 給 与 引 当 金 繰 入 等 の 非 資 金 支 出 を 加 え
形 成 さ れ て い る 。( 退 職 給 与 年 間 増 加 見 積 額 の 計 算 は 外 部 監 査 人 が 一
部補正した)
・ 歳入から資産形成に係る国庫補助金収入を除いている。
イ
行政コスト計算書の活用
県 は 、 施 設 別 行 政 コ ス ト 計 算 書 の 機 能 に つ い て 、「 企 業 に お け る 損
益 計 算 書 に 倣 っ た も の で あ り 、人 的 サ ー ビ ス や 給 付 サ ー ビ ス な ど 、資
産形式につながらない当該年度の行政サービスの提供のために当該
施 設 が 行 っ た 活 動 内 容 に つ い て 把 握 す る た め の 報 告 書 で あ る 。こ れ に
よ り 施 設 ご と の コ ス ト の 状 況 や コ ス ト に 充 て ら れ た 使 用 料 、手 数 料 等
の財源の把握が可能となる」としている。
し か し 、 全 般 の 箇 所 で 指 摘 し た よ う に 、 平 成 17 年 度 の 行 政 コ ス ト
計 算 書 は 作 成 さ れ た だ け で 分 析 が さ れ て い な い の で 、以 下 外 部 監 査 人
が分析した。その内容は下記のとおりである。
( ア ) 平 成 17 年 度 に お け る 職 員 1 人 当 た り の 行 政 コ ス ト 分 析 及 び 正 規
職 員 1 人 当 た り の 人 的 コ ス ト と 平 均 年 齢 と の 関 係 分 析 を す る た め 、県
内の人材養成・職業訓練機関の相互比較をした。
a 正規職員1人当たりの行政コスト分析
人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 ご と の 正 規 職 員 数 及 び 正 規 職 員 1 人 当
た り の 行 政 コ ス ト( 人 的 コ ス ト・物 的 コ ス ト )は 、下 の 表 に 示 す
とおりである。
193
(単位:千円、人、%)
区分
農業大学校
正規職員数
衛生看護学院
23 人
正規職員1人当たり
の行政コスト総額
100% 15,804
萩看護学校
28 人
100%
12,087
100%
東部高等産業
西部高等産業
技術学校
技術学校
20 人
23 人
20 人
15,533
100% 15,495
100% 16,277
正規職員1人当た
56.7%
りの人的コスト
8,968
76.9%
9,291
57.5%
8,938 73.5% 11,385
71.4% 11,622
正規職員1人当た
43.2%
りの物的コスト
6,835
22.0%
2,659
41.8%
6,495 24.0%
27.1%
3,720
4,418
上 記 表 を み る と 、高 等 産 業 技 術 学 校 の 正 規 職 員 1 人 当 た り の 人
的コストが高いのは下記表のとおり平均年齢が他の3つの学校
よ り 高 い こ と が 要 因 と な っ て い る 。ま た 、農 業 大 学 校 の 正 規 職 員
1 人 当 た り の 物 的 コ ス ト が 高 い の は 、日 々 雇 用 の 職 員 の コ ス ト が
物件費として扱われていることが要因である。
b 正規職員1人当たりの人的コストと平均年齢との関係
次 に 、 平 成 17 年 度 に お け る 人 材 養 成 ・ 職 業 訓 練 機 関 ご と の 正
規 職 員 1 人 当 た り の 人 的 コ ス ト と 平 均 年 齢 と の 関 係 は 、以 下 の 表
に示すとおりである。
(単位:千円)
区分
正規職員1人当たりの
人的コスト
平均年齢
農業大学校
衛生看護学院 萩看護学校
8,968
42.0 歳
東部高等産
西部高等産
業技術学校
業技術学校
9,291
8,938
11,385
11,622
43.3 歳
42.0 歳
48.0 歳
48.7 歳
上 記 の 表 を み る と 、正 規 職 員 1 人 当 た り の 人 的 コ ス ト は 、ほ ぼ
平均年齢に比例している。
(イ)指標単位当たりの行政コスト分析
指 標 単 位 当 た り の 行 政 コ ス ト を 算 出 し て 、類 似 の 学 校 と 比 較 す る
こ と に よ り 、当 該 学 校 の 特 徴 な ど の 分 析 が 可 能 に な る が 、下 記 で は
成 果 指 標 と 考 え ら れ る も の を 取 り 上 げ た( 他 県 の 類 似 の 学 校 の デ ー
タ が な い た め 比 較 し て い な い 。)。行 政 活 動 の 成 果 指 標 と し て 何 を 指
標 と す る か は 、こ れ か ら 検 討 が 重 ね ら れ る 必 要 が あ る が 、行 政 活 動
の 必 要 性 と あ る べ き 内 容・規 模 を 分 か り や す く 示 す た め に は 、成 果
をできるだけ定量化し、行政コストと比較 し分 析 す る 必 要 が ある 。
そ の た め に は 、人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 ご と の 正 し い 成 果 指 標 を
設 定 し 、そ の デ ー タ を 集 計 し て い く 体 制 を 整 え る 必 要 が あ る 。こ こ
で は 、各 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 成 果 指 標 を 学 生 又 は 訓 練 生 の 数
とし、成果単位当たりの行政コストを算出した。
194
成果指標当たりの行政コストは下記のとおりである。
区分
東部高等産業
西部高等産業
技術学校
技術学校
農業大学校
衛生看護学院
萩看護学校
行政コスト
363,486 千円
338,447 千円
310,668 千円
356,394 千円
325,531 千円
ヒトにかかる
コスト
206,271 千円
260,152 千円
178,767 千円
261,865 千円
232,436 千円
モノにかかる
コスト
157,215 千円
74,448 千円
129,893 千円
85,554 千円
88,365 千円
成果指標単位
当たりコスト
1,722,682 円
1,348,394 円
1,618,062 円
1,425,576 円
1,798,514 円
成果指標
(211 人)
学生・研修生
(251 人)
学生数
(192 人)
学生数
(250 人)
訓練生
(181 人)
訓練生
平 成 17 年 度 の 行 政 コ ス ト か ら 平 成 12 年 度 の 行 政 コ ス ト を 平 均 値
や 推 定 値 に よ り 算 出 し て 比 較 し た 結 果 、訓 練 生 が 著 し く 減 少 し た 産
業 技 術 学 校( 東 部 校 、西 部 校 )で は 、訓 練 生 1 人 当 た り の 行 政 コ ス
ト が 高 く な っ て い る 。訓 練 の 内 容・規 模 の 面 を 分 析 検 討 す る 必 要 が
あ り 、効 率 的 な 組 織 の 運 営 を 進 め る た め に は 、定 員 配 置 の 適 正 化 を
検討する必要がある。
(ウ)行政評価への活用
県 の 財 政 が 厳 し い 状 況 に お い て 、財 政 の 効 率 化 が 求 め ら れ て お り 、
そ の た め に は 行 政 活 動 を 評 価 す る こ と は 必 要 で あ る 。そ の 行 政 評 価
が 適 切 に 行 わ れ る た め に は 、行 政 活 動 分 野 ご と の 正 確 か つ 客 観 的 な
コ ス ト の 把 握 ( 行 政 コ ス ト 計 算 書 の 作 成 ) と 、( イ ) で 記 載 し た よ
う に 行 政 活 動 の 成 果 を 定 量 的・定 性 的 に 評 価 す る 指 標 の 研 究 が 必 要
で あ る 。な お 、行 政 評 価 の 目 的 は 効 率 性 の 判 断 の み で は な い が 、効
率 性 を 判 断 す る 場 合 の 材 料 と し て 、県 で 統 一 し た 基 準 に よ り 行 政 コ
スト計算書を作成し、行政評価に活用されることが望まれる。
195
第3 山口県立農業大学校
1 概要
(1)設置
山 口 県 立 農 業 大 学 校 は 、 山 口 県 立 農 業 大 学 校 条 例 ( 昭 和 59 年 山 口 県
条 例 第 25 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ 、 同 規 則 に よ り 運 営 さ れ て い る 。 農
業 大 学 校 は 、次 代 の 農 業 及 び 農 村 を 担 う 青 少 年 、農 業 者 及 び 地 域 の 農 業
の 振 興 に 指 導 的 役 割 を 果 た す 者 に 対 し 、農 業 及 び 農 業 生 活 の 改 善 に 関 す
る研修教育を行い、もって農業の発展に資する こ と を 目 的 と して い る 。
(2)所在地
防 府 市 大 字 牟 礼 318
ホームページアドレス
http://www.nourin.pref.yamaguchi.jp/norin35/hp/noudai/index.html
(3)沿革
昭和
昭和
昭和
昭和
昭和
昭和
昭和
9
21
25
39
46
53
59
年
年
年
年
年
年
年
7
8
4
4
4
4
4
月
月
月
月
月
月
月
山口県立牟礼農民道場
山口県立牟礼修練道場
山口県立経営伝習農場
山口県経営伝習農場
山口県営農技術研修所
山口県農業大学校
山口県立農業大学校
(4)教育方針及び教育目標
農 業 大 学 校 で は 、教 育 方 針 を 農 業 に 関 す る 高 度 な 知 識 、技 術 並 び に 幅
広 い 教 養 と 社 会 性 を 備 え た 人 材 を 養 成 す る た め 、「 や ま ぐ ち 食 と 緑 の プ
ラ ン 21」に 沿 い 、理 論 と 実 践 を 有 機 的 に 結 合 さ せ な が ら 行 う も の と し 、
教育目標を次のように定めている。
① 近代的な農業経営に必要な生産技術能力、経営管理能力の養成
② 技術及び経営の革新に対処できる応用力、実践力の養成
③ 社会情勢変化に対処できる幅広い視野と先見性、創造力の養成
④ 活 力 あ る 農 業・農 村 を 築 き あ げ る 地 域 の リ ー ダ ー と し て 必 要 な 協 調
性、連帯性、組織活動能力等の養成
⑤ うるおいのある農家生活が実現できる家庭管理能力の養成
196
(5)組織
職 員 数 : 22 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
配置
総 務 課 (5)
(
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
教 務 部 (4)
校 長 (1)
副 校 長 (1)
園 芸 部 (6)
畜 産 部 (5)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 1 名 多 い 。)
(6)職員の状況
① 職員数、人件費金額の推移
(単位:千円、人)
区 分
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
技術職(金額)
(人数)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
20,359
3
6,786
21,115
3
7,038
18,162
3
6,054
18,986
3
6,329
22,041
4
5,510
134,211
18
137,574
19
132,335
18
132,365
18
125,019
18
7,456
7,241
7,352
7,354
6,946
6,089
1
6,092
1
5,918
1
6,309
1
8,041
1
6,089
6,092
5,918
6,309
8,041
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
共済費(正規職員)
30,258
30,361
27,652
27,902
28,033
正規職員計(金額)
(人数)
190,917
22
195,142
23
184,067
22
185,562
22
183,134
23
8,678
8,484
8,367
8,435
7,962
非常勤職員(金額)
(人数)
10,655
6
10,556
6
10,021
6
10,317
6
10,317
6
その他(金額)
10,112
11,786
9,770
10,495
15,383
1,740
2,651
1,825
1,971
2,597
1 人当たり人件費
共済費(非常勤・臨時等)
非常勤・臨時等計(金額)
22,507
24,993
21,616
22,783
28,297
合計(金額)
213,424
220,135
205,683
208,345
211,431
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
6
5
8
3
22
41
平成 17 年度
0
7
6
9
1
23
42
正規職員の平均年齢は、1 歳高くなっている。
197
(7)主要施設の状況
用地総面積
本館及び付属施設
農業研修施設
学生寮、食堂、ホール等
体育館
農業機械格納施設
大特練習場(グランド)
園芸関係出荷調整棟及び関連施設
園芸・バイテク棟
ガラス温室 20 棟
鉄骨ハウス 1 棟
パイプハウス 21 棟
野菜・花き露地圃場
48.3ha
1,502 ㎡
946 ㎡
3,191 ㎡
760 ㎡
505 ㎡
7,900 ㎡
1,786 ㎡
473 ㎡
4,250 ㎡
255 ㎡
3,103 ㎡
40a
樹園地(常緑果樹)
〃(落葉果樹)
ふれあい農園
畜産教室及び関連施設
乳用牛舎
肉用牛舎
堆肥舎
乳牛飼養規模
肉用牛飼養規模
乳牛運動場
飼料畑
林間放牧地
80a
88a
22a
1,718 ㎡
461 ㎡
1,389 ㎡
358 ㎡
20 頭
60 頭
100a
611a
584a
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度
平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
2,485
2,689
2,856
2,619
2,434
32,396
38,618
33,511
32,669
32,458
2,646
2,388
雑収入
12,895
14,590
16,129
15,318
15,106
その他収入
小計
1,018
51,440
838
59,123
809
53,305
838
51,444
1,119
51,117
14,326
20,757
14,326
14,326
14,326
65,766
79,880
67,631
65,770
65,443
10,655
10,556
10,021
10,317
10,317
1,740
2,651
1,825
1,971
2,597
10,112
11,786
9,770
10,495
15,383
報償費
2,112
1,903
1,723
2,084
2,293
旅費
4,208
4,159
3,579
2,183
2,644
65,220
62,924
61,011
60,975
59,189
65,035
62,794
60,914
60,895
59,137
185
4,688
130
4,796
97
4,810
80
4,442
52
4,419
34,055
34,118
35,435
27,227
30,059
使用料及び賃借料
3,597
1,677
2,080
1,799
694
工事請負費
2,534
1,838
1,838
26,951
1,734
備品購入費
4,600
4,600
4,600
4,600
5,953
200
200
200
200
198
財産収入
受託事業収入
当校以外の調定分
収入合計
支出
報酬
共済費
賃金
需用費
一般需用費
食糧費
役務費
委託料
負担金補助及び交付金
198
補償補填及び賠償金
0
0
234
60
0
143,721
141,208
137,126
153,304
135,480
190,917
195,142
184,067
185,562
183,134
支出合計
334,638
336,350
321,193
338,866
318,614
収支差額
△ 268,872
△ 256,470
△ 253,562
△ 273,096
△ 253,171
小計
正規職員人件費
(財務の状況の項目の説明)
※1 当校以外の調定分
本 庁 で の 調 定 分 の 歳 入 で あ る 。( 国 庫 補 助 金 等 の 収 入 )
※2 当校以外の予算執行分
本庁での予算執行分である。
※3 正規職員の人件費には共済費を含む。
※4 収支差額のマイナス金額
県の財政負担額である。
な お 、以 下 4 つ の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 の 箇 所 に 記 載 し た 財 務 の 状 況 に
該当する各項目は同じ内容であり、※4を除き記載は省略する。
199
2
監査結果
山 口 県 立 農 業 大 学 校 ( 以 下 「 農 業 大 学 校 」 と い う 。) の 財 務 事 務 は 、 以
下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基 づ き 、概 ね 適 正 に
処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する事務
ア 使用料
(ア)概要
学 生 の 授 業 料 、研 修 料 、寮 費 の 収 入 で あ る 。授 業 料 は 年 2 回 払 い 、
研修料はその都度、寮費は年1回徴収している。
(イ)監査手続
調 定 票 と 調 定 状 況 一 覧 表 及 び 歳 入 決 算 額 調 を 照 合 し た 。授 業 料 の
金額について、使手条例に従っているか確認した。
(ウ)監査結果
授 業 料 、研 修 料 、寮 費 の 収 入 事 務 に つ い て 特 記 す べ き 事 項 は な か
った。
イ 財産売払収入
(ア)概要
農 業 大 学 校 で は 実 習 の 過 程 で 生 産 し た 野 菜・ 花・ 果 実 ・ 生 乳 ・ 肉
用 牛・米 は 学 生 の 教 材 と し て 活 用 す る と と も に 、基 本 的 に は 市 場 で
販 売 し て い る 。売 却 不 能 な も の は ① 学 生 食 堂 に 販 売 ② 職 員 に 対 し て
校内販売③廃棄という処理がされている。
(イ)監査手続
調 定 票 、生 産 品 処 理 調 書 と 調 定 状 況 一 覧 表 及 び 歳 入 決 算 額 調 と を
照 合 し た 。ま た 野 菜・果 実 の う ち 市 場 で 販 売 で き な い も の の 売 却 価
格について検証した。
(ウ)監査結果
照 合 の 結 果 、特 記 す べ き 事 項 は な か っ た 。野 菜 ・果 実 の う ち 市 場
で 販 売 で き な い も の は 職 員 な ど に 校 内 販 売 し て い る が 、価 格 に つ い
ては販売時の市場価格の概ね半額で販売している。
(エ)販売価格に対する意見
野 菜・果 実 の う ち 市 場 で 販 売 で き な い も の は 職 員 や 校 内 の 食 堂 に
販 売 し て い る が 、価 格 に つ い て は 販 売 担 当 者 の 判 断 で 販 売 時 の 市 場
価 格 の 概 ね 半 額 で 販 売 し て い る と の こ と で あ る 。販 売 価 格 の 客 観 性
を 担 保 す る た め に は 、例 え ば 前 月( 前 週 )の 市 場 価 格 の 平 均 の 半 額
を 当 月( 今 週 )の 販 売 価 格 に す る な ど 、規 程 で 販 売 価 格 決 定 の ル ー
ルを明確化する必要がある。
200
ウ 雑入
(ア)概要
寮の食費の自己負担金及び行政財産の使用許可をしている自動
販売機設置に係る光熱水費の実費徴収分である。
(イ)監査手続
調定票、調定収納状況一覧表及び歳入決算額調を照合した。
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
エ その他収入
(ア)概要
県 有 土 地 建 物 の 行 政 財 産 の 使 用 料 、や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 の 実 習 費
等である。
(イ)監査手続
a 使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、調 定 票 、領 収 書( 控 )、調 定 収 納 状
況一覧表を照合した。また使用料金額について使手条例等と照
合した。
b やまぐち就農支援塾の受講料について、調定収納状況一覧表
と歳入決算額調の照合及び受講料の積算根拠を検証した。
(ウ)監査結果
a 行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を
受ける旨の付記が必要であるが当該記載がなされていなかった。
その他特記すべき事項はなかった。
b 照合の結果、行政財産の使用料については特記すべき事項は
なかった。やまぐち就農支援塾の受講料については、テキスト
代など実費相当額としているが、講師の人件費や施設の利用料
などは考慮されていない。農業大学校の中では研修課程に位置
付 け ら れ て い る が 、受 講 料 は 使 手 条 例 と は 別 で 定 め ら れ て い る 。
(エ)意見
や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 の 受 講 料 は 条 例 の 範 囲 外 と し て い る が 、研 修
課 程 に 位 置 付 け ら れ て い る こ と か ら 、使 手 条 例 に 基 づ く 受 講 料 の 徴
収を検討すべきである。
オ 本庁で調定した収入
(ア)概要
国庫より協同農業普及事業交付金の交付を受けている。
(イ)監査手続
国庫交付金について交付申請書、交付決定通知書、実績報告書、
確定通知書などを閲覧した。
201
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
以 下 4 つ の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て 、次 の 歳 出 項 目 に 係 る 財
務事務の概要が同じ場合、記載を省略している。
ア 報酬
(ア)概要
報酬は非常勤嘱託職員に対して支給されるものである。
(イ)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)概要
共 済 費 の 内 容 は 、 非 常 勤 嘱 託 職 員 と 22 条 職 員 の 社 会 保 険 料 及 び
日々雇用職員の労働者災害補償保険料である。
(イ)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)概要
報償費の主な内容は、講師謝礼である。
(イ)監査手続
平 成 17 年 度 の 報 償 費 に つ い て 任 意 に 抽 出 し 、 支 出 調 書 、 時 間 講
師実績調書、就業点検簿を照合、書類の不備、不整合の有無を確認
した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
202
エ 旅費
(ア)概要
旅 費 は 、職 員 等 が 公 務 に よ り 旅 行 す る 場 合 、そ の 旅 行 中 に 必 要 と
さ れ る 交 通 費 、宿 泊 料 等 の 経 費 に あ て る た め に 支 給 さ れ る 費 用 で あ
る ( 一 般 職 の 職 員 等 の 旅 費 に 関 す る 条 例 )。
(イ)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合し、書類の不備、不
整合の有無を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)概要
役務費の主な内容は、電報・電話料、切手代、点検料、検査料、
生産物取扱手数料等である。
(イ)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)概要
使用料及び賃借料の主な内容は、パソコン使用料、レンタル料、
植木リース料等である。
(イ)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 や 請 求 書 の 保 管
状況及び資料間の整合性を確認した。
(ウ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 400 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
203
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
2,152
2,163
99.5%
C社
平成 14 年度
平成 15 年度
2,152
1,302
2,152
2,038
100.0%
63.8%
C社
C社
平成 16 年度
1,249
2,530
49.4%
C社
平成 17 年度
1,344
2,432
55.2%
C社
平成 13 年度
516
662
77.9%
D社
自家用電気工作物 平成 14 年度
保安業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号)) 平成 16 年度
516
516
100.0%
D社
541
541
100.0%
D社
497
541
91.9%
E社
平成 17 年度
489
497
98.3%
E社
平成 13 年度
997
997
100.0%
F社
合併処理浄化槽等 平成 14 年度
維持管理業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号)) 平成 16 年度
平成 17 年度
997
997
100.0%
F社
997
997
100.0%
F社
997
997
997
997
100.0%
100.0%
F社
F社
施設清掃業務
(指名競争入札)
備考
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
決 裁 権 限 に つ い て 、物 品 購 入 、需 用 費 の 支 出 に 係 る 伺 に つ い て 、校
長 の 決 裁 欄 に 副 校 長 の 印 が 押 印 さ れ て い る 。し か し 、権 限 の 委 譲 の 範
囲 に つ い て 文 書 と し て そ の 範 囲 を 明 確 に し た も の は な い 。「 山 口 県 事
務 決 裁 規 程 に 係 る 所 属 職 員 の 専 決 に つ い て 」( 平 成 7 年 4 月 1 日 人 事
第 10 号 総 務 部 長 ) に 従 い 、 所 属 内 で 決 裁 を 取 り 、 専 決 事 項 の 範 囲 を
常に明確にしておくことが必要である。
エ
意見
施設清掃業務については、契約金額が下落しているにも拘わらず、
予定価格の変化は小さい状況にある。
こ れ ま で 庁 舎 積 算 マ ニ ュ ア ル に 基 づ き 積 算 を 行 っ て い る が 、こ う し
た 予 定 価 格 と 契 約 金 額 が 大 き く 乖 離 す る こ と が 継 続 す る 場 合 、こ れ に
加 え て 、業 務 の 実 態 や 過 去 の 入 札 執 行 結 果 等 、同 種 及 び 同 規 模 の 施 設
に お け る 積 算 、契 約 金 額 を 調 査 す る な ど し て 、予 定 価 格 の 積 算 に つ い
て検討していく必要がある。
204
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 概要
物 品 の 取 得 に つ い て は 、物 品 規 則 及 び 会 計 規 則 に 基 づ い て 手 続 が 行
われる。
一 般 に は 、課 長 等 は 、物 品 購 入 決 議 書 に よ り 決 裁 を し た と き は 、物
品 購 入 契 約 締 結 伺 書 に よ り 契 約 締 結 の 決 裁 を す る 。そ の 後 、契 約 担 当
者等は物品の給付の完了の確認に基づき物品検査調書により課長へ
通 知 す る 。( 150 万 円 を 超 え な い も の で あ る と き は 、 検 査 職 員 が 請 求
書等に検査済みの旨を記載し記名押印して物品検査調書に代えるこ
と が で き る 。) そ の 後 、 課 長 は 物 品 購 入 契 約 締 結 伺 書 を 回 付 し 出 納 員
に 受 入 れ の 通 知 を 行 う 。出 納 員 は 、当 通 知 を 受 け た と き は 、直 ち に 購
入 契 約 の 相 手 方 か ら 物 品 の 引 渡 し を 受 け る 。物 品 が 指 定 物 品 で あ る と
きには、指定物品取得報告書により課長から知事へ報告を行う。
な お 、以 下 の 4 つ の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て 、物 品 購 入 契
約 に 関 す る 財 務 事 務 の 概 要 は 同 様 の た め 、概 要 の 記 載 を 省 略 し て い る 。
イ
監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に つ い て 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
ウ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
エ
意見
物品借入の際の予定価格の総額と契約方法について
パ ソ コ ン 10 台 他 を 借 入 れ て い る 。 物 品 の 借 入 に つ い て は 、 予 定 価
格 が 800 千 円 の 範 囲 内 で あ れ ば 随 意 契 約 1 号 に よ る こ と が で き る 。当
該決議書では、賃貸期間5年間で1か月分の賃貸料の予定価格は
29,657 円 で あ る 。 借 入 決 議 は 1 年 間 分 の 賃 貸 料 で 契 約 方 法 を 判 断 す
る こ と に な っ て お り 、同 賃 貸 料 の 予 定 価 格 は 355,884 円( 29,657 円 ×
12 か 月 )で あ る こ と か ら 、随 意 契 約 1 号 と し て い る 。し か し な が ら 、
契 約 ベ ー ス で 見 る と 、5 年 間 の 総 額 は 1,779,420 円 と な る 。物 品 借 入
の 随 意 契 約 が 認 め ら れ る 金 額 基 準 の 適 用 に つ い て 、1 年 間 の 金 額 で 取
り 扱 う の で は な く 、契 約 期 間 の 総 額 で 扱 う 方 法 に 変 更 で き な い か 検 討
することが必要と思われる。
205
(5)公有財産の管理
ア 概要
公 有 財 産 と は 、地 方 公 共 団 体 の 所 有 す る 財 産 の う ち 次 に 掲 げ る も の
( 基 金 に 属 す る も の を 除 く 。) を い う 。( 法 第 238 条 第 1 項 )
① 不 動 産 ② 船 舶 、浮 標 、浮 桟 橋 及 び 浮 ド ッ ク 並 び に 航 空 機 ③ 前
2 号 に 掲 げ る 不 動 産 及 び 動 産 の 従 物 ④ 地 上 権 、地 役 権 等 の 用 益 物 件
⑤ 特 許 権 、著 作 権 等 の 無 体 財 産 権 ⑥ 株 式 、社 債 等 の 有 価 証 券 ⑦ 出
資による権利 ⑧不動産の信託の受益権
山 口 県 に お い て は 、 公 有 財 産 規 則 ( 昭 和 39 年 4 月 1 日 山 口 県 規 則
第 56 号 ) を 定 め て い る 。
な お 、以 下 4 つ の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て は 、公 有 財 産 の
管理の概要は同様のため、概要の記載を省略している。
イ 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
ウ 監査結果
(ア)建物について
a 農業大学校内にある農業研修館について公有財産台帳の床面
積 と 登 記 簿 上 の 床 面 積 と が 異 な っ て い た が 、登 記 簿 上 の 面 積 に 正
しく一致させるべきである。
台帳上の床面積
478.97 ㎡
登 記 簿 上 の 床 面 積 769.75 ㎡
b 畜 産 試 験 場 内 に あ る 、 岩 永 実 習 棟 ( 面 積 788.62 ㎡ ) の 財 産 管
理 分 掌 者 は 農 業 大 学 校 長 で あ る が 、畜 産 試 験 場 で は 一 部 倉 庫 と し
て 利 用 さ れ て い る 。平 成 9 年 8 月 に 県 が 法 務 局 で 閲 覧 す る も 、登
記 の 事 実 が 不 明 の ま ま 現 在 ま で 放 置 さ れ て い る 。再 度 調 査 し 、場
合 に よ っ て は 登 記 し 直 す 必 要 が あ る 。ま た 、実 質 的 に 農 業 大 学 校
での利活用はないことから、所管替えの 検 討も 必 要 と 思 わ れ る。
(イ)工作物について
以 下 の 工 作 物 は 、公 有 財 産 台 帳 に 記 載 さ れ て お ら ず 、早 急 に 整 備
する必要がある。
・ 研 修 館 と 食 堂 棟 を 結 ぶ 渡 り 廊 下 ( 面 積 13.81 ㎡ )
・ 男 子 寮 と 食 堂 棟 を 結 ぶ 渡 り 廊 下 ( 面 積 65.94 ㎡ )
(6)物品管理
ア 概要
物 品 と は 、地 方 公 共 団 体 の 所 有 に 属 す る 動 産( 現 金 及 び 公 有 財 産 又
206
は 基 金 に 属 す る も の を 除 く 。) 及 び 地 方 公 共 団 体 が 使 用 の た め に 保 管
す る 動 産 ( 政 令 で 定 め る 動 産 を 除 く 。) を い う 。( 法 第 239 条 第 1 項 、
令 第 170 条 )
山 口 県 に お い て は 、 物 品 規 則 ( 昭 和 39 年 4 月 1 日 山 口 県 規 則 第 57
号 )を 定 め 、同 規 則 第 5 条 に お い て 、物 品 を 備 品 、消 耗 品 、動 物 、原
材 料 品 、生 産 品 、燃 料 、不 用 品 及 び 借 入 品 に 区 分 す る も の と し て い る 。
な お 、以 下 4 つ の 人 材 養 成・職 業 訓 練 機 関 に お い て 、物 品 管 理 に 関
する概要は同様のため、概要の記載を省略している。
イ 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )機 器 に つ い て は 、教 育 内 容 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ て い る か 、
遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い る か を 確 認
した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きの妥当性を検証した。
ウ 監査結果
(ア)物品の管理について
a 現 物 確 認 を 行 っ た と こ ろ 、以 下 に つ い て は 物 品 標 示 票 の 貼 付 が
なかった。
トラクタ1件、スピードプレーヤ1件
b 牛 の 検 査 を 行 う 、 超 音 波 診 断 装 置 は 平 成 18 年 7 月 に 代 理 店 を
通 じ て メ ー カ ー に 修 理 を 依 頼 中 で あ り 、現 物 確 認 が で き な か っ た 。
問 題 点 と し て 、 修 繕 に 関 す る 手 続 き を 物 品 規 則 第 42 条 で 定 め て
いるが、その手続きが全く行われていなかった。
c 電 話 機 に つ い て は 借 入 品 と し て い る が 、物 品 の 受 け 入 れ の 事 実
を示す、借入品管理簿が作成されていなかった。
( イ )農 業 大 学 校 が 所 管 す る バ ス や ト ラ ッ ク を 、防 府 土 木 建 築 事 務 所 や
県立総合医療センターなどの県の出先機関に一時的に貸し付ける
場 合 が あ る 。こ れ は 、物 品 規 則 上 、保 管 転 換( 第 32 条 )で あ る が 、
自動車等の一時的貸付という理由でその手続きが採られていなか
った。
(ウ)廃棄手続
廃棄手続きについて特記すべき事項はなかった。
ウ
意見
農業試験場と農業大学校は機器の利用について共通性があると考
え ら れ る が 、重 要 な 機 器 に つ い て は 、貸 し 借 り の 前 提 条 件 と し て 、保
有状況を双方で把握しておくべきである。
207
(7)毒物・劇物の管理に関する財務事務
ア 概要
農 業 大 学 校 で は 、各 種 の 農 薬 が 使 用 さ れ て お り 、そ の 中 に は 、毒 物・
劇 物 も 含 ま れ て お り 、薬 品 は 園 芸 部 、畜 産 部 で そ れ ぞ れ 保 管 さ れ て い
る。
イ
監査手続
毒 物・劇 物 に つ い て 、購 入 か ら 保 管 、使 用 及 び 点 検 に つ い て 、管 理
状 況 を 検 証 し た 。具 体 的 に は 、薬 品 出 納 簿 を 通 査 、薬 品 の 保 管 状 況 の
視 察 、毒 物・劇 物 使 用 簿 と 現 物 と の 照 合 、薬 品 の 点 検 状 況 の 確 認 を 行
っ た 。照 合 に 当 た っ て は 、各 資 料 を 通 査 の 上 、任 意 に サ ン プ ル を 一 部
抽出した。
ウ 監査結果
( ア )薬 品 の 取 扱 い に つ い て 、手 引 き ま た は 要 領 が な い 。作 成 が 必 要 で
ある。
( イ ) 園 芸 ・ 生 物 土 壌 実 験 室 の 薬 品 に つ い て 、 平 成 17 年 度 の 点 検 で は
誤 差 が ゼ ロ で あ っ た が 、 平 成 18 年 8 月 18 日 に 行 っ た 点 検 で は 11
種類中7種類に計量誤差が発生している。
エ
意見
園 芸 部 及 び 畜 産 部 に お い て 、使 用 期 限 切 れ の 薬 品 や 長 期 間 使 用 し て
い な い 薬 品 が み ら れ た 。不 用 薬 品 と し て 処 分 す べ き も の か ど う か 検 討
が 必 要 で あ る 。ま た 、薬 品 の 取 扱 要 領 等 を 整 備 す る 際 に は 、期 限 切 れ
の薬品及び長期間使用していない薬品の取扱いについても定める必
要がある。
(8)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているか確認した。
(イ)監査結果
郵便切手等の出納管理
平 成 18 年 度 の 郵 便 切 手 類 受 払 簿 を 通 査 し た と こ ろ 、 期 首 か ら 監
査 日 ま で す べ て 、使 用 者 印 が 押 印 さ れ て い な か っ た 。誰 が 使 用 し た
かを明らかにするため記名押印の必要がある。
208
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
209
3
組織及び運営に関する意見
農業大学校の組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意見とし
て記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)入学生の状況
ア 農業大学校の入学生の状況は次のとおりである。
(単位:人)
本科入学者数
園芸部
畜産部
平成13 年度
平成14 年度
平成15 年度
平成16 年度
平成17 年度
平成18 年度
31
33
36
30
30
16
野菜経営
10
9
11
10
7
5
花き経営
9
10
8
9
5
2
果樹経営
6
8
7
6
2
4
小計
25
27
26
25
14
11
酪農経営
肉用牛経営
4
2
4
2
6
4
4
1
7
9
4
1
小計
6
6
10
5
16
5
専業農家
出身学生の
兼業農家
経営環境
非農家
4
5
3
2
2
2
14
13
12
16
14
19
6
22
10
18
5
9
農業高校
20
21
21
18
18
10
普通高校
8
8
13
11
10
5
商工業高校
3
4
2
1
2
1
0
1
1
1
1
0
出身高校
研究科入学者数
( ア )出 身 学 生 の 経 営 環 境 を み る と 、平 成 13 年 度 か ら 平 成 18 年 度 の 平
均 で 、 専 業 農 家 10% 、 兼 業 農 家 35% 、 非 農 家 55% で 非 農 家 の 割 合
が圧倒的に多い状況にある。
( イ ) 平 成 18 年 度 の 入 学 者 数 の 大 幅 減 少 に つ い て
平 成 18 年 度 で 入 学 者 数 が 大 幅 に 減 少 し た の は 、 景 気 回 復 に 伴 う
雇用状況の好転によるものと考えられる。
こ の 高 校 生 の 入 学 者 数 減 少 対 策 と し て 、農 業 大 学 校 は 県 下 の 高 校
を 廻 っ て 進 路 担 当 者 へ 農 業 大 学 校 の 役 割 等 の 説 明 を 行 っ た こ と 、ま
た オ ー プ ン キ ャ ン パ ス 「 緑 の 学 園 」 を 19 年 度 生 の 募 集 に つ い て は
1 ヶ 月 早 め て 6 月 に 実 施 し た こ と 、ま た 農 業 大 学 校 の P R ビ デ オ を
作成する等のことを行っている。オープンキャンパス「緑の学園」
の 来 場 者 は 前 年 度 よ り 大 幅 に 増 加 し て い る 事 実 が あ り 、効 果 は 現 れ
つつある。
こ の よ う な 多 様 な 活 動 に つ い て は 、今 後 も 継 続 し た 努 力 が 必 要 で
ある。
(ウ)研究科の在り方について
研 究 科 の 入 学 者 が 非 常 に 少 な い ( 平 成 18 年 度 は 0 人 ) が 、 農 業
大 学 校 は 、養 成 課 程 の 中 に 本 科 と 研 究 科 が あ り 、研 究 科 の 位 置 づ け 、
研 修 教 育 の 内 容 が 分 か り づ ら い と い う 側 面 が あ る 。研 究 科 は 、学 生
数 が 年 間 1 人 か 、あ る い は ゼ ロ の 場 合 も あ り 、農 業 の 担 い 手 を 育 成 、
確 保 す る た め に 、そ の 役 割 を 有 効 に 果 た し て い る と は 認 め が た い 状
210
況である。
な お 、中 国 四 国 地 方 の 農 業 大 学 校 9 校 の 研 究 課 程 等 の 設 置 状 況 は
次のとおりである。
養成課程とは別に研究課程を設置している学校
3 校 (う ち 1 校 募 集 休 止 )
養成課程の中に本科と研究科を設置している学校
1 校 (本 県 の 農 業 大 学 校 )
研究課程、研究科を設置していない学校
5校
養 成 課 程 と は 別 に 研 究 課 程 を 設 置 し て い る 学 校 は 、研 究 課 程 の 入
学 要 件 に 、養 成 課 程 の 卒 業 者 が 含 ま れ て お り 、養 成 課 程 か ら 研 究 課
程 へ と 進 む こ と が 可 能 で あ る 。研 究 科 に 対 す る 本 科 学 生 の ニ ー ズ 等
を 調 査 し 、そ の 結 果 に よ っ て は 研 究 科 の 生 徒 の 募 集 の 休 止( ま た は
廃 止 )を 含 め て 、そ の 在 り 方 に つ い て 早 急 に 検 討 す る こ と が 必 要 で
ある。
( エ )養 成 課 程 に お け る 定 員 に 対 す る 入 学 者 数 及 び 入 学 者 数 に 対 す る 卒
業者数の割合は次のとおりである。
(単位:人、%)
平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
定員(うち研究科)
入学者数(うち研究科)
定員に対する入学者の割合
卒業者数(うち研究科)
入学者数に対する卒業者数の割合(本科)
(
50(10)
50(10)
50(10)
50(10)
50(10)
31(0)
34(1)
37(1)
31(1)
31(1)
62%
68%
74%
62%
62%
27(0)
30(1)
33(0)
35(2)
28(1)
75%
94%
100%
92%
90%
)内は研究科の人数である。
なお、定員に対する入学者の割合が低い理由としては、研究科の
入 学 者 が 年 1 名 程 度 で あ り 、 本 科 で は 平 成 13 年 度 か ら 平 成 17 年 度
の 5 年 間 平 均 で 80% と な っ て い る 。 ま た 、 本 科 の 入 学 者 が 卒 業 す る
割 合 は 5 年 間 平 均 で 90% で あ り 、 一 旦 入 学 し た 学 生 の 修 学 意 欲 は 高
いものと認められる。
211
(2)卒業生の状況
ア 農業大学校の卒業生の進路状況
(単位:人、%)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
卒業者数(研究科を含む)
27
30
33
35
28
就農者数(研究科を含む)
11
11
7
8
14
自家
2
3
2
2
3
法人
7
4
3
5
10
自営
研修
2
4
2
1
1
11
41%
11
37%
7
21%
8
23%
14
50%
農協
1
7
7
6
1
公務員
4
3
1
3
3
その他
2
3
6
7
5
7
13
14
16
9
関連産業への就職者数の割合
26%
43%
42%
46%
32%
農業関連の就業者数の割合
67%
80%
64%
69%
82%
計
卒業者に対する就農者の割合
関連産業
計
( ア ) 卒 業 者 数 に 対 す る 就 農 者 数 の 割 合 は 6 年 間 平 均 で 38% と 高 い も
の で は な い が 、 関 連 産 業 へ の 就 職 者 数 の 割 合 は 6 年 間 平 均 35% で
あ り 、 合 計 は 73% が 農 業 関 連 と い う 面 で は 役 立 っ て い る も の と 認
め ら れ る 。( 下 記 ( イ ) の 表 参 照 )
( イ ) 全 国 の 農 業 大 学 校 で の 就 農 率 は 37.7% で あ り 、 中 四 国 で の 農 業
大 学 校 の 就 農 率 は 30.4% と な っ て い る 。 当 農 業 大 学 校 の 就 農 率 は
ほ ぼ 全 国 平 均 に 近 い 状 況 に あ る 。こ れ ら の 就 農 率 の 推 移 は 次 の と お
りである。
(単位:人、%)
年度
卒業者数(人)
山口県
中四国
平成 12 年度
35
310
平成 13 年度
27
平成 14 年度
就農者数(人)
山口県
中四国
2,024
21
102
330
2,056
11
30
301
1,901
平成 15 年度
平成 16 年度
33
35
293
339
平成 17 年度
28
31.3
平均
全国
就農率(%)
山口県
中四国
787
60.0
32.9
38.9
108
796
40.7
32.7
38.7
11
101
773
36.7
33.6
40.7
2,003
2,055
7
8
85
104
805
810
21.2
22.9
29.0
30.7
40.2
39.4
286
1,958
14
66
548
50.0
23.1
28.0
309.8
1,999.5
12.0
94.0
753.0
38.3
30.4
37.7
212
全国
全国
(3)研修
ア 研修の実績
研 修 は 、農 村 青 年 や 農 業 者 等 を 対 象 に 成 長 段 階 、役 割 に 応 じ て 実 施
し て お り 、計 画 研 修 、受 託 研 修 、自 主 研 修 に 分 類 さ れ 、研 修 内 容 及 び
参加人数は次のとおりである。
(ア)研修内容
計画研修:農業機械利用技能向上研修、やまぐち就農支援塾等
受託研修:幼稚園児や児童、生徒等の農業体験学習等
自主研修:農村青少年クラブ研修等
(イ)研修の参加実績
(単位:人)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
計画研修(実数)
1,039
883
1,277
599
255
(延数)
受託研修(実数)
2,346
317
1,606
181
2,174
173
1,442
38
1,661
40
(延数)
751
765
299
108
58
自主研修(実数)
487
517
328
497
444
(延数)
513
563
390
497
444
合計(実数)
1,843
1,581
1,778
1,134
739
(延数)
3,610
2,934
2,863
2,047
2,163
イ
やまぐち就農支援塾
や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 は 、将 来 的 に 農 業 へ の 就 業 を 希 望 す る 他 産 業 従
事者や退職後本格的に農業に取り組もうとしている者を対象とした、
休日等に開催する体験型の研修である。
(ア)やまぐち就農支援塾の年齢別受講生の推移
年齢
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
20~29
2
3
2
30~39
6
4
4
40~49
7
8
2
50~54
11
7
8
55~59
6
8
12
60~64
8
9
12
1
2
65~
計
40
40
42
男
28
28
28
女
12
12
14
(単位:人)
平成 17 年度
平成 18 年度
4
5
5
13
5
11
11
15
16
28
15
16
3
3
59
91
45
68
14
23
年 々 受 講 者 が 増 加 し て お り 、 特 に 55 歳 以 上 の 受 講 者 が 増 加 し て
いる。
2005 年 の 農 業 白 書 で は 、 団 塊 世 代 は 就 労 に 意 欲 的 で 、 こ れ ま で
213
に 培 っ た 知 識 も 経 験 も あ り 、多 様 な 職 業 経 験 に 応 じ た 支 援 体 制 を 整
備 す る こ と が 重 要 で あ る と し て 、農 業 の 有 望 な 担 い 手 と し て 取 り 上
げ て い る 。や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 は 、団 塊 の 世 代 を 農 業 の 新 た な 担 い
手 と し て 育 成 、確 保 す る た め に 、研 修 メ ニ ュ ー も 工 夫 し 、運 営 し て
いく必要がある。
( イ )な お 、最 近 5 年 間 の 新 規 就 農 者 に 占 め る 就 農 支 援 塾 修 了 生 の 就 農
は次のとおりである。
平成 13 年度
県内の新規就農者数
就農支援塾修了生
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
36
35
24
30
1
2
0
1
(単位:人)
平成 17 年度
48
7
や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 は 55 歳 以 上 の 受 講 生 が 増 加 し て い る も の の 、
就農には直ちに結びついてはいない。
そ の 状 況 を 分 析 す る た め に 、県 が 実 施 し た や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 に
つ い て の 平 成 14,15 年 度 の ア ン ケ ー ト 結 果 を 見 る と 、就 農 し て い な
い 受 講 生 に 対 し て 今 後 、本 格 的 に 農 業 を し た い と 思 う か の 問 い に 対
し て 、一 位 は 趣 味 の 範 囲 で や り た い と い う 意 見 が 多 い と い う こ と と 、
二位が資金、土地等条件が整えばやりたいという結果がある。
平 成 17 年 度 に 行 わ れ た 、 や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 終 了 後 の ア ン ケ ー
ト 結 果( 下 記 グ ラ フ 参 照 )で は 、市 場 に 出 荷 す る・朝 市 に 出 荷 す る
の 合 計 が 50% 弱 、 経 営 開 始 に 向 け て の 研 修 も 10% 弱 と 前 回 の ア ン
ケートに比較するとやや農業経営に関心が高まっている。
こ の ア ン ケ ー ト 結 果 か ら 、一 定 の 成 果 は み ら れ る も の の 、農 業 未
経 験 の 定 年 退 職 者 等 に 対 し て は 、職 業 と し て の 農 業 へ の 関 心 を 醸 成
す る よ う に 、各 地 域 の 生 産 組 合 や 指 導 農 家 の 紹 介 等 、引 き 続 き 農 業
の知識、技術習得の機会を提供することが必要である。
ま た 、就 農 に 結 び つ け る た め に は 、就 業 相 談 や 農 業 関 係 法 人 や 事
業 体 の 就 業 情 報 の 提 供 や 、就 業 前 後 に 必 要 な 資 金 の 調 達 方 法 等 の 支
援 が 必 要 で あ る 。こ れ ら の こ と は 、や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 の 機 能 の 充
実だけでできるものではなく、他の関係機関(農林事務所や市町、
J A 等 ) と の 連 携 を 強 化 す る こ と 等 の 対 応 が 必 要 で あ る 。( 連 携 に
ついては後記参照のこと)
214
ウ
県の新規就農者確保目標に対する農業大学校卒業の就農者の割合
(単位:人、%)
項目・年度
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
新規就農者数(県全体)
36
35
24
30
48
農業大学校養成課程
12
9
7
10
16
やまぐち就農支援塾修了生
1
2
0
1
7
機械研修等受講生
4
5
2
1
5
農業大学校出身者計
17
16
9
12
28
新規就農者に対する農業大
学校出身者の割合
47%
46%
38%
40%
58%
県の新規就農目標 55 人に
対する割合
31%
29%
16%
22%
51%
※
養成課程卒業生については、卒業後研修等一定期間を経て就農した者も含む
( ア )農 業 大 学 校 養 成 課 程 卒 業 の 就 農 者 数 の 新 規 就 農 者 に 対 す る 割 合 は 、
5 年 間 平 均 で 31% で あ る が 、 計 画 研 修 に お け る 「 や ま ぐ ち 就 農 支
援 塾 」等 農 業 大 学 校 で の 修 学 を 経 た 就 農 者( 卒 業 後 研 修 等 一 定 期 間
を 経 て 就 農 し た 者 を 含 む )は 、47% 程 度 は 農 業 大 学 校 で 何 ら か の 修
学を行っていることとなる。
(イ)
「 や ま ぐ ち 食 と 緑 の プ ラ ン 2 1 」に お け る 新 規 就 農 者 数 の 目 標 は 、
平 成 17 年 度 平 成 22 年 度 と も に 55 人 と し て い る 。平 成 17 年 度 で の
実 績 が 48 人 で あ り 、 目 標 に 対 し て 87% で は あ る が 、 平 成 13 年 度
か ら 平 成 17 年 度 の 5 年 間 の 平 均 で は 34.6 人 の 実 績 で 63% に と ど
まっている。
215
(4)業務の現状と改善点
ア 農業大学校の主な業務は、養成課程と研修課程に分類される。
イ 業務の割合
(ア)現状
a 予算割合の推移
区分
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
養成課程
83%
82%
82%
研修課程
17%
18%
18%
農 業 大 学 校 費 の 職 員 給 与 費 、運 営 費 に つ い て は 、通 年 の 学 生 人
数(養成課程)と研修人数(研修課程 ) の 比率 で 按 分 し て い る。
運 営 費 の う ち 報 酬・共 済 費 の 舎 監 に 係 る 経 費 は 養 成 課 程 に 振 り
分けている。
b 業務量割合の推移
区分
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
養成課程
77.8%
77.9%
77.6%
研修課程
22.2%
22.1%
22.4%
業 務 量 に つ い て は 、通 年 の 学 生 人 数( 養 成 課 程 )と 研 修 人 数( 研
修 課 程 )の 割 合 を 活 用 し て い る 。a ,b い ず れ も 農 業 大 学 校 の 試
算による。
(イ)今後の見通し
こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え 、農 業 大 学 校 で は 今 後 の 業 務 等 の 割 合 を
以 下 の よ う に 考 え て い る が 、多 様 な 担 い 手 を 確 保 す る と い う 観 点 か
ら 、今 後 増 加 が 予 想 さ れ る 団 塊 の 世 代 や 中 途 退 職 者 の 就 農 希 望 者 を
的 確 に 就 農 へ 結 び つ け る た め 、や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 等 の 研 修 課 程 を
よ り 強 化 し て い く こ と と し て お り 、今 後 の 方 向 性 と し て は 妥 当 な も
のと評価できる。
(現状)
(今後)
a 予算の割合
養成課程
82%
→
70%
研修課程
18%
→
30%
b 業務量の割合 養成課程
78%
→
60%
研修課程
22%
→
40%
ウ 平 成 16 年 度 か ら 行 っ て い る 無 料 職 業 紹 介 事 業 に つ い て
(ア)法的に具備した内容
・ 農 業 大 学 校 の 在 校 生 、卒 業 生 及 び 研 修 生 の う ち 、山 口 県 で の 農
林 業 関 係 先 へ の 就 業 及 び 居 住 を 希 望 す る 者 を 、山 口 県 内 企 業 へ あ
っせんする。
・ 取扱職種の範囲等は下記のとおりである。
216
①職種
農業の職業、農林水産業・食品技術者、商品販売の職業
②地域
山口県
③求職者
農業大学校の在校生、卒業生及び研修生
(イ)無料職業紹介事業の推進
・ 農業法人への就職は下記のとおり順調に増加している。
(単位:人)
平 成 15 年 度
就職人数
・
平 成 16 年 度
3
5
平 成 17 年 度
10
非 農 家 出 身 の 学 生 ( 山 口 県 55% 、 全 国 32% ) が 多 く 、 農 業 法
人への就職希望者が増加傾向にあり、
「就農相談フェアin農大」
の 充 実 等 を 図 っ て 無 料 職 業 紹 介 事 業 を 一 層 推 進 し 、就 農 者 数 が 増
加するように努める必要がある。
エ 農業大学校の役割を効果的・効率的に遂行することについて
( ア )農 業 大 学 校 の 県 の 新 規 就 農 者 育 成 に 対 す る 貢 献 度 は 高 い も の が あ
る 。 し か し 、「 や ま ぐ ち 食 と 緑 の プ ラ ン 2 1 」 に 掲 げ る 新 規 就 農 者
数 は 未 達 成 の 状 況 に あ り 、継 続 的 に 達 成 す る た め に は 、計 画 研 修 に
お け る 「 や ま ぐ ち 就 農 支 援 塾 」「 緑 の 学 園 ( 体 験 入 学 研 修 )」「 農 業
参 入 希 望 法 人 研 修 」や 受 託 研 修 で あ る「 各 中 学 校・高 校 の 体 験 学 習 」
等を積極的に実施する必要がある。農業に関心のある者を増やし、
農業大学校へ多くの青年を迎えることが計画達成の近道と考えら
れ る 。 平 成 18 年 度 の 入 学 者 数 が 景 気 の 回 復 に よ り 大 幅 に 減 少 し て
い る が 、景 気 に 左 右 さ れ な い 農 業 基 盤 を 確 保 す る た め に は 、新 規 就
農 者 の 確 保 は 必 要 で あ り 、県 の 方 針 に も あ る よ う に 、農 林 事 務 所 農
業部等と連携を深めることが必要である。
( イ )農 業 大 学 校 で は 、農 業 の 担 い 手 の 育 成 と し て 学 生 に 対 す る 教 育 を
充 実 す る こ と に 加 え 、団 塊 の 世 代 の 定 年 帰 農 等 の 新 規 就 職 希 望 者 を
就 農 に 結 び つ け る た め の 研 修 課 程 の 強 化 を 考 え て い る 。こ れ ら の 農
業 の 担 い 手 育 成 を 効 果 的 に 行 う た め に は 、農 業 大 学 校 と 試 験 研 究 機
関 が 連 携 す る こ と に よ り 、試 験 研 究 成 果( 高 齢 者 の 負 担 を 軽 減 す る
農 業 技 術 等 を 含 む )を 養 成 課 程・研 修 課 程 に 反 映 す る こ と な ど が 必
要 で あ る 。 こ の こ と は 、 平 成 19 年 2 月 に 策 定 さ れ た 「 最 終 案 」 で
平 成 19 年 4 月 に「 農 林 総 合 技 術 セ ン タ ー( 仮 称 )」を 設 置 す る こ と
が示されている。
な お 、 上 記 の ( ア ) ,( イ ) を 含 め て 農 業 大 学 校 が そ の 役 割 を 効
果 的・効 率 的 に 果 た す た め に 農 業 関 係 高 校 や 各 機 関 と 連 携 を し て い
る状況は次のとおりである。
217
連携先
農業関係高校等
連携の状況
連携の効率性、有効性に資する点
・オープンキャンパス「緑の学園」(県内高 ・子供達の発達段階に応じた農業教育は農
校生対象)、ヤングファーマー養成研修(農
業への理解促進に有効
業関係高校)における農大学生との交流と ・ヤングファーマー養成研修や
「緑の学園」
農業大学校のPR
の参加高校生の約 8 割が農業大学校に
・インターンシップ研修(近隣中学校)による
入学していることから入学生確保の面
農業体験学習
から非常に有効
・県内小学校の視察見学における農大紹介等
(財)やまぐち農 ・
「就農相談フェア in 農大」の後援、就農を ・就農に係る一元的な相談窓口であり、同
林振興公社
希望する学生に対する情報提供
公社との連携が不可欠
・やまぐち就農支援塾の塾生への就農支援情
報の提供等
主管課及び県内 ・主管課である農業経営課とは農業大学校の ・担い手確保・育成に関する支援や情報収
各農林事務所
あり方等基本的な方針等の策定や「やまぐ
集に役立つ
ち就農支援塾」等の担い手確保・育成施策 ・農地、栽培技術、組織(人)など地域に密
の立案・実施について連携
着した情報収集が可能になる
・学生募集のための県内訪問を農林事務所農
業部担当者とともに実施
・学生の就農に当たっての条件整備を就農先
の農林事務所農業部担当者と事前協議
山口県農業会議
・県農業法人協会(事務局:農業会議)総会・ ・県下農業法人の受入情報等収集する上で
研修会における情報交換
有効(非農家出身の学生の多くが農業法
・やまぐち就農支援塾の企画、運営、カリキ
人への就職希望者が増加傾向により)
ュラム等について協議
農業試験場、畜産 ・農業試験場、畜産試験場については、養成 ・教育機関と試験研究機関が一体となって
試験場、林業指導
課程、研修課程の講師として依頼
担い手の養成が効果的にできる
センター
林業指導センターについては、チェーンソ
ー等の安全使用研修会へ職員派遣
市町 JA その他民 ・学生の進路決定、特に就農に当たっての市 ・担い手の育成・確保に当たって地域関係
間機関等
町 JA 担当者と事前協議
者との密接な連携が可能
・営農指導員としての学生の就職先
・関係機関が一体となった担い手養成
・就農支援制度の実施
218
第4 山口県立衛生看護学院
1 概要
(1)設置
山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院 は 、 山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院 等 条 例 ( 昭 和 45 年
山 口 県 条 例 第 60 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ て い る 。
保 健 師 、助 産 師 及 び 看 護 師 並 び に 養 護 教 諭 の 養 成 を 行 う 教 育 施 設 で あ
る。
(2)所在地
防 府 市 泉 町 21- 1
ホームページアドレス
http://www18.ocn.ne.jp/~eikan/
(3)沿革
昭 和 30 年 4 月
昭 和 35 年 4 月
昭 和 37 年 4 月
昭 和 43 年 4 月
昭 和 46 年 4 月
昭 和 50 年 4 月
昭 和 51 年 4 月
平成 7 年 4 月
防府市八王子二丁目に山口県立防府高等看護学院
(3 年課程)開設
山口市駅通り二丁目に山口県立保健婦専門学院(8
ヶ月コース)開設
山口県立保健婦専門学院の養成期間に養護教諭養
成 課 程 を 加 え て 1 年 と し 、「 山 口 県 立 公 衆 衛 生 看 護
学院」と名称変更
山口県立防府高等看護学院へ 2 年課程を併設し、
「山
口県立高等看護学院」に名称変更
「山口県立公衆衛生看護学院」と「山口県立高等看
護 学 院 」と を 統 合 、更 に 保 健 婦・助 産 婦 の 養 成 課 程
を 新 設 し 、現 在 地 に「 山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院 」を 開
設
保 健 婦 養 成 課 程 と 助 産 婦 養 成 課 程 を 分 離 、保 健 婦 養
成 課 程 の 定 員 を 30 名 か ら 40 名 に 変 更
専修学校となる
学科名変更(保健学科、助産学科、第一看護学科、
第二看護学科)
(4)教育方針及び教育目標
山口県立衛生看護学院では、教育方針を健康のあらゆる段階にある
人々に対して保健・医療・福祉等の幅広い分野で科学的・創造的・主体
的に看護でき、また、人間愛を基盤とした豊かな人間性と感性とを持つ
看護の専門職業人を育成するとともに、国際的視野を持ち、幅広い分野
で の 貢 献 を 目 指 す た め に 、教 育 目 標 を 次 の よ う に 定 め 運 営 に 努 め て い る 。
① 人 を あ り の ま ま に 受 け 入 れ 、支 援 す る こ と を 喜 び と す る 豊 か な 人 間
性と感性を持つ看護者を育成する。
② 倫 理 観 に 基 づ い た 行 動 が で き 、自 分 の 行 い に 責 任 を 持 つ こ と が で き
219
る看護者を育成する。
③ 社 会 の 変 動 や 医 療 の 進 歩 の 中 に あ っ て 常 に 看 護 の 本 質 を 追 究 し 、科
学的・創造的・主体的な看護者を育成する。
④ 保 健・医 療・福 祉 等 の 関 連 領 域 の 人 々 と 連 携 を と り な が ら 看 護 独 自
の機能を果たし、社会に貢献できる看護者を育成する。
⑤ 国 際 的 な 視 野 を 持 ち 、か つ 、専 門 職 業 人 と し て 常 に 自 己 研 鑽 に 努 め
る姿勢を涵養する看護者を育成する。
(5)組織
職 員 数 : 29 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
配置
学 院 長 (1)
事 務 局 長 (1)
(
事 務 局 (2)
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
保 健 学 科 (5)
助 産 学 科 (3)
教 頭 (1)
第 一 看 護 学 科 (9)
第 二 看 護 学 科 (7)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 1 人 少 な く 28 人 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職員数・人件費金額の推移
(単位:千円、人)
区 分
行政職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
27,371
3
26,433
3
26,013
3
25,865
3
25,692
3
9,124
8,811
8,671
8,622
8,564
14,657
1
14,316
1
14,095
1
14,265
1
14,277
1
1 人当たり人件費
14,657
14,316
14,095
14,265
14,277
教育職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
163,203
23
7,096
166,069
23
7,220
168,413
24
7,017
164,229
24
6,843
168,181
24
7,008
医療職(金額)
(人数)
共済費(正規職員)
39,240
39,101
38,680
37,720
38,357
正規職員計(金額)
(人数)
244,471
27
245,919
27
247,201
28
242,079
28
246,507
28
9,054
9,108
8,829
8,646
8,804
非常勤嘱託(金額)
(人数)
1,793
2
1,815
2
1,760
2
1,749
2
1,738
2
その他(金額)
8,394
8,615
8,670
8,900
8,898
共済費(非常勤・臨時等)
821
862
899
848
874
非常勤・臨時等計(金額)
合計(金額)
11,008
255,479
11,292
257,211
11,329
258,530
11,497
253,576
11,510
258,017
1 人当たり人件費
220
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
7
8
11
1
27
41.3
平成 17 年度
0
8
7
11
2
28
43.3
正規職員の平均年齢は、2 歳高くなっている。
(7)主要施設の状況
種別
区
分
学校敷
面積(㎡)
種別
13,925.37
公衆用道路
586.74
面積(㎡)
本館
3,121.48
寄宿舎
2,136.38
地
食堂
物
1,324.00
分
建
土
雑種地
区
ボイラー室
渡り廊下
65.80
56.07
渡り廊下
61.20
199.60
体育館
合計
15,836.11
1,275.39
合計
6,915.92
(8)財政の状況
項 目
(単位:千円)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
23,770
23,713
24,567
23,969
24,949
手数料
1,672
2,098
2,021
1,384
1,331
3,732
29,174
3,716
29,527
3,693
30,281
3,555
28,908
3,531
29,811
報酬
1,793
1,815
1,760
1,749
1,738
共済費
賃金
821
8,394
862
8,615
899
8,670
848
8,900
874
8,898
報償費
12,410
10,998
10,799
10,794
10,785
旅費
需用費
7,593
16,876
6,311
20,801
7,399
17,983
5,564
18,184
5,565
17,678
役務費
2,347
2,137
2,139
1,812
1,799
12,413
3,433
12,739
3,521
12,471
3,523
12,670
2,273
12,737
2,076
1,888
1,200
1,899
1,494
1,100
雑入
収入合計
支出
委託料
使用料及び賃借料
備品購入費
負担金補助及び交付金
小計
当学院以外の予算執行分
正規職員人件費
支出合計
収支差額
※
223
373
260
365
969
68,191
69,372
67,802
3,490
64,653
3,602
64,219
244,471
245,919
247,201
242,079
246,507
312,662
△ 283,488
315,291
△ 285,764
318,493
△ 288,212
310,334
△ 281,426
310,726
△ 280,915
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
221
2
監査結果
山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院( 以 下「 衛 生 看 護 学 院 」と い う 。)の 財 務 事 務 は 、
以 下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基 づ き 、概 ね 適 正
に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
a 電柱・支線などの設置に係る土地使用、自動販売機設置に係
る建物使用などの行政財産使用料がある。
b 授 業 料 及 び 寮 費 が あ る 。減 免 に つ い て は 、
「山口県立衛生看護
学院の授業料の減免等に関する取扱要綱」に基づき、該当者に
は減免を行っている。
(イ)監査手続
a 行政財産使用料については、行政財産使用許可申請書を閲覧
し 、 調 定 票 、 領 収 書( 控 )、 調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。 ま
た使用料金額について使手条例等と照合した。
b 授業料及び寮費については調定票、払込書兼領収書、領収書
(控)を照合した。授業料の減免については申請者について減
免申請書と所得課税証明書とを照合し、取扱要綱の要件を満た
していることを確認した。また減免対象者について減免決定通
知 書( 控 )、還 付 申 請 書 、領 収 書 を 照 合 し 、手 続 が 適 正 で あ る か
確認した。
(ウ)監査結果
a 行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を
受ける旨の付記が必要であるが当該記載がされていなかった。
その他については照合の結果特記すべき事項はなかった。
b 後 期 の 授 業 料 に つ い て 、 9 月 16 日 及 び 9 月 21 日 徴 収 分 が 10
月7日に県の口座に振り込まれていたが、その間は現在使用さ
れていない口座に預けており、徴収した日、やむを得ない理由
がある場合は当該理由がやんだ後直ちに払い込まなければなら
ないとの定めに反し、県の口座に振り込む手続が遅れていた。
(エ)現金徴収に対する意見
授 業 料 は 前 期・後 期 と も に 高 額 で あ り 、徴 収 方 法 を 銀 行 振 込 に す
ることを検討すべきである。
イ 手数料
(ア)概要
入 学 試 験 の 手 数 料 と 諸 証 明 書 の 発 行 手 数 料 で あ り 、山 口 県 収 入 証
紙を入学願書及び証明願に添付することにより徴収している。
222
(イ)監査手続
入 学 願 書 、証 明 願 を 閲 覧 し 、使 手 条 例 に 従 っ て 証 紙 が 添 付 さ れ て
いるか検証した。
(ウ)監査結果
証 紙 の 添 付 漏 れ は な く 、在 校 生 に つ い て は 証 明 書 発 行 手 数 料 が 免
除されており、特記すべき事項はなかった。
ウ 雑入
(ア)概要
a 山口県情報公開条例に基づく公文書の開示に係るコピー代で
ある。
b 寮 生 の 寄 宿 舎 の 光 熱 水 費 、及 び 食 堂 の 委 託 業 者 か ら の 光 熱 水 費
の実費徴収分である。
(イ)監査手続
調 定 票 、収 入 明 細 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表 及 び 歳 入 決 算 額 調 を 照 合
し、雑入の計上の妥当性を検証した。
(ウ)監査結果
収入事務について特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 係 る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給 明
細書と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書を照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、支 出 調 書 、時 間 講 師 実
績調書、就業点検簿と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認
223
した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合し、書類の不備、不
整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 500 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
建物清掃業務
(指名競争入札)
平成 13 年度
3,050
3,261
93.5%
A社
平成 14 年度
3,050
3,050
100.0%
A社
平成 15 年度
2,924
3,085
94.8%
A社
平成 16 年度
2,919
3,050
95.7%
A社
224
落札率(a/b)
委託先
備考
平成 17 年度
2,919
3,533
82.6%
A社
平成 13 年度
3,415
3,425
99.7%
A社
平成 14 年度
3,414
3,415
100.0%
A社
平成 15 年度
3,321
3,437
96.6%
A社
平成 16 年度
3,318
3,340
99.3%
A社
平成 17 年度
3,318
3,339
99.3%
A社
平成 13 年度
803
804
100.0%
B社
平成 14 年度
警備業務
平成 15 年度
(随意契約(4 号))
平成 16 年度
803
803
100.0%
B社
803
803
100.0%
B社
803
803
100.0%
B社
平成 17 年度
平成 13 年度
803
1,213
803
1,225
100.0%
99.0%
B社
C社
平成 14 年度
1,213
1,213
100.0%
C社
平成 15 年度
1,213
1,215
99.8%
C社
平成 16 年度
1,389
1,409
98.6%
C社
平成 17 年度
1,389
1,409
98.3%
C社
平成 13 年度
3,134
3,134
100.0%
D 病院
平成 14 年度
助産学科実習委託
平成 15 年度
(随意契約(2 号))
平成 16 年度
3,134
3,134
100.0%
D 病院
3,088
3,088
100.0%
D 病院
3,050
3,050
100.0%
D 病院
平成 17 年度
3,050
3,050
100.0%
D 病院
ボイラー運転業務
(平成 13 年度随意
契約(5 号),平成14
年度以降指名競争
入札)
浄化槽維持
管理業務
(指名競争入札)
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
決 裁 権 限 に つ い て 、業 務 委 託 契 約 、物 品 購 入 、需 用 費 に 係 る 伺 に つ
い て 、 院 長 の 決 裁 欄 に 事 務 局 長 の 印 が 押 印 さ れ て い る 。( 指 名 競 争 入
札 に 付 す 契 約 を 含 め )事 務 委 任 規 則 及 び 事 務 決 裁 規 程 に 基 づ く 専 決 が
行 わ れ て い る も の で あ る が 、権 限 の 委 譲 の 範 囲 に つ い て 文 書 と し て そ
の 範 囲 を 明 確 に し た も の は な い 。「 山 口 県 事 務 決 裁 規 程 に 係 る 所 属 職
員の専決について」
( 平 成 7 年 4 月 1 日 人 事 第 10 号 総 務 部 長 )に 従 い 、
所 属 内 で 決 裁 を 取 り 、専 決 事 項 の 範 囲 を 常 に 明 確 に し て お く こ と が 必
要である。
エ
意見
建 物 清 掃 業 務 に つ い て 、 平 成 16 年 度 の 契 約 金 額 は 下 落 し て い る に
も 拘 わ ら ず 、 平 成 17 年 度 の 予 定 価 格 は 少 し 上 昇 し て い る が 、 数 年 間
225
に お け る 変 化 は 小 さ い 状 況 に あ る 。予 定 価 格 の 算 定 に 当 た っ て は 、庁
舎 積 算 マ ニ ュ ア ル に 基 づ き 積 算 を 行 っ て い る が 、こ れ に 加 え て 、業 務
の 実 態 や 過 去 の 入 札 執 行 結 果 等 、同 種 及 び 同 規 模 の 施 設 に お け る 積 算 、
契 約 金 額 を 調 査 す る な ど し て 、予 定 価 格 の 積 算 に つ い て 検 討 し て い く
必要がある。
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に つ い て 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)公有財産の管理事務
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 を 閲 覧 し 、関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調 査
が行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ
監査結果
特記すべき事項はなかった。
(6)物品管理事務
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
(イ)物品の廃棄等の手続きが適切かどうか検証した。
イ 監査結果
(ア)物品の管理状況
平 成 17 年 度 に 取 得 し た 物 品 に つ い て 現 物 と 照 合 し た と こ ろ 、 物
品標示票の貼付等管理は適切に行われているものと認められた。
平 成 17 年 度 に お け る 借 入 品 は 2 件 で あ る が 、 い ず れ も 借 入 品 管
理簿により管理されているものと認められた。
(イ)物品廃棄手続きの状況
物 品 の 廃 棄 は 物 品 規 則 に 従 っ て 処 理 さ れ て お り 、特 記 す べ き 事 項
226
はなかった。
(7)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の 有 無
や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を 行 っ
ているかを確認した。
(イ)監査結果
照合した結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、下記を除き特記すべき事項はなかった。
出納担当者である主任が休んでいた間に徴収した情報公開条例
に 基 づ く 公 文 書 の 開 示 に 係 る 資 料 の コ ピ ー 代 金( 1 万 円 未 満 )が 1
週 間 を 超 え て 保 管 さ れ て い た 。会 計 規 則 第 32 条 第 4 項 で は 少 額( 1
万 円 未 満 )の 場 合 は 1 週 間 内 は 保 管 で き る と あ る が 、そ の 定 め に 従
っ て い な か っ た 。職 員 の 休 暇 時 の 処 理 体 制 を 整 備 し て お く 必 要 が あ
る。
227
3
組織及び運営に関する意見
衛生看護学院の組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意見と
して記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)衛生看護学院の入学生の状況
ア 保健学科
( 単 位:人 、倍 、% )
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度
1学年定員
40
40
40
40
40
40
応募者数
県内
県外
受験者数
113
43
70
104
117
50
67
103
203
41
162
178
171
44
127
160
86
25
61
77
86
34
52
79
合格者数
推薦
一般
41
8
33
43
12
31
42
9
33
40
12
28
40
6
34
40
8
32
入学者数
県内
県外
37
18
19
31
22
9
30
8
22
36
21
15
40
18
22
40
20
20
2.8
3.3
5.9
4.4
1.9
2.0
93
78
75
90
100
100
競争率(倍)
定員に対する入学
者の割合(%)
(ア)県外の応募者が多い理由
a 本 県 は 九 州 と 隣 接 し て お り 、併 せ て 衛 生 看 護 学 院 は 山 陽 本 線 沿
い に あ る こ と か ら 、交 通 の 便 が 良 い た め か 、従 来 か ら 福 岡 県 の 志
願者が多い。
b 平 成 15,16 年 度 は 、 平 成 15 年 3 月 に 岡 山 、 広 島 、 福 岡 県 立 の
看 護 師 養 成 所 が 廃 校 に な っ た た め 、福 岡 を は じ め 県 外 受 験 生 が 増
加している。
( イ ) 応 募 者 数 の 推 移 で 平 成 17,18 年 度 県 外 の 応 募 者 数 が 平 成 16 年 度
以前より約半分に減少した理由
応 募 者 数 の 減 少 は 、全 国 的 に 看 護 大 学 が 増 え 、大 学 へ 編 入 す る 学
生が増加していることによるということである。
そ の 状 況 は 、 平 成 11 年 度 に 中 国 地 方 に 4 校 、 九 州 地 方 に 3 校 看
護 系 大 学 が 設 置 さ れ 、平 成 13 年 度 か ら 6 校 が 65 名 の 編 入 生 の 受 入
を 開 始 し て お り 、 衛 生 看 護 学 院 の 志 願 者 数 も 平 成 13 年 度 以 降 県 外
志願者が減少している。
平 成 15,16 年 度 県 外 志 願 者 が 増 加 し た の は 、( ア ) 記 載 の と お り
で 、平 成 17 年 度 以 降 応 募 者 が 減 少 し た の は 、平 成 15 年 に 福 岡 県 2
校 、熊 本 県 に 1 校 看 護 大 学 が 設 置 さ れ 、こ の う ち 2 校 に お い て 平 成
17 年 度 か ら 編 入 生 を 計 20 名 受 入 れ る よ う に な っ た こ と に よ る 。県
別では福岡県からの志願者数の減少が最も著しくなっている。
228
イ
助産学科
(単位:人、倍、%)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度
1学年定員
20
20
20
20
20
20
応募者数
県内
県外
39
27
12
49
18
31
81
29
52
84
30
54
60
30
30
63
26
37
受験者数
35
45
72
81
53
56
合格者数
推薦
一般
12
5
7
12
6
6
13
6
7
12
5
7
8
5
3
12
3
9
入学者数
県内
県外
11
10
1
10
8
2
11
8
3
12
6
6
8
7
1
12
6
6
3.2
4.5
6.5
6.8
6.6
4.7
55
50
55
60
40
60
競争率(倍)
定員に対する入学
者の割合(%)
(ア)県外の応募者が多い理由
a 近接県の県立の助産師学校養成所の閉校によるものと見られ
ている。
b こ れ ま で 県 外 在 住 の 卒 業 生 が 多 く 、そ の 薦 め に よ り 応 募 す る 学
生が多い。
( イ ) 平 成 17,18 年 度 は 平 成 14 年 度 以 前 の 状 態 に 戻 っ た 理 由
平 成 15,16 年 度 は ( ア ) a 記 載 の 理 由 で 一 時 的 増 加 で あ っ た が 、
平 成 17,18 年 度 は 元 に 戻 っ て い る 。
ウ
第一看護学科
(単位:人、倍、%)
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度
1学年定員
50
50
50
40
40
40
応募者数
県内
県外
215
174
41
218
174
44
190
168
22
202
167
35
177
152
25
159
143
16
受験者数
192
206
185
192
170
153
合格者数
推薦
一般
50
17
33
59
24
35
52
17
35
42
14
28
40
12
28
40
12
28
入学者数
県内
県外
43
35
8
36
36
0
41
38
3
39
38
1
40
37
3
40
39
1
4.5
5.7
4.5
4.9
4.3
3.8
95
72
82
98
100
100
競争率(倍)
定員に対する入学
者の割合(%)
229
( ア ) 志 願 者 数 が 平 成 17,18 年 度 は 、 平 成 16 年 度 以 前 に 比 較 し て 減 少
傾向にあることについて
a 衛 生 看 護 学 院 だ け の 傾 向 で は な い が 、 厚 生 労 働 省 の 18 才 人 口
の 将 来 推 移 に よ る と 、 18 才 の 人 口 は 平 成 13 年 ( 151 万 人 ) を 境
に 下 降 傾 向 に あ り 、平 成 18 年 度 に は 132 万 人 で 約 13% の 減 少 で
あ る 。そ の た め 、受 験 者 数 は 減 少 傾 向 に あ り 、そ れ に 伴 い 、衛 生
看 護 学 院 の 応 募 者 数 は 平 成 13 年 度 215 人 、平 成 18 年 度 は 159 人
と な り 、 約 26% 減 少 し て い る 。
b 看 護 系 の 大 学 は 平 成 13 年 91 校 ( 6,530 人 ) 平 成 17 年 129 校
( 9,644 人 ) と 1 学 年 定 員 が 1.48 倍 に 増 加 し て い る 。「 看 護 師 等
学 校 養 成 所 の 施 設 数 及 び 定 員 の 推 移( 厚 生 労 働 省:医 療 安 全 の 確
保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会第
2 回 資 料 )」及 び「 平 成 17 年 看 護 関 係 統 計 資 料 集( 日 本 看 護 協 会
出 版 会 )」
以 上 に よ り 、応 募 者 の 減 少 は 外 部 環 境 に よ る も の で 、少 子 化 の
影響から受験生そのものが減少していること及び看護系大学の
学 校 数 の 増 加 、定 員 数 の 増 加 が 応 募 者 数 の 減 少 傾 向 に つ な が っ て
いる。
(イ)推薦入学者数について
推 薦 入 試 に よ る 入 学 者 は 定 員 の 30% 程 度 と 定 め て い る が 、 平 成
13,14,15,16 年 度 は い ず れ も 超 え て い る 。 特 に 、 平 成 14 年 度 は 推
薦 に よ る 入 学 者 数 24 人 は 定 員 の 30% の 15 人 を 9 人 超 え て い る 。
入 試 の 公 平 性 、透 明 性 の 観 点 か ら 、推 薦 入 学 者 数 は 定 め た 範 囲 内 に
とどめるべきであると思われる。
エ
第二看護学科
( 単 位:人 、倍 、% )
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度
1学年定員
50
50
50
40
40
40
応募者数
県内
県外
受験者数
95
84
11
92
83
69
14
78
116
79
37
108
98
80
18
96
55
47
8
54
58
48
10
58
合格者数
推薦
一般
50
9
41
51
8
43
50
8
42
40
8
32
36
10
26
39
10
29
入学者数
県内
県外
46
41
5
49
41
8
37
29
8
37
32
5
36
32
4
39
34
5
2
1.6
2.9
2.6
1.5
1.5
92
98
74
93
90
98
競争率(倍)
定員に対する入学
者の割合(%)
230
( ア ) 応 募 者 数 が 平 成 17,18 年 度 は 平 成 16 年 度 以 前 に 比 較 し て 約 半 分
になっていることについて
県立高校において看護師養成のための5年一貫教育を開始した
ため、受験者数が減少している。
特 に 、県 立 防 府 高 校 の 衛 生 看 護 科 の 学 生 が 3 年 で 卒 業 し 、そ の 後
に 多 く の 者 が 受 験 し て い た が 、そ の 学 生 が 受 験 し な く な っ た こ と が 、
影響としては大きいものである。
こ の よ う な 状 況 に お い て 第 二 看 護 学 科 は 、 准 看 護 師 の 対 人 口 10
万 人 に 対 す る 比 率 は 502 人(「 衛 生 行 政 報 告 例( 平 成 16 年 12 月 末 )」
「 山 口 県 に お け る 看 護 の 現 状 ( 平 成 18 年 3 月 山 口 県 健 康 福 祉 部 )」
よ り ) と 全 国 に 比 べ て 高 く 、「 看 護 師 」 養 成 の 観 点 か ら 必 要 性 は 十
分あるものと思われる。
また衛生看護学院の職員が県内の准看護師養成所を訪問した際
に 収 集 し た 意 見 で は 、県 立 に よ る 看 護 師 養 成 の た め の 進 学 課 程 で あ
る「 第 二 看 護 学 科 」を 継 続 し て ほ し い と の 要 望 が あ る と の こ と で あ
る。
こ の よ う に 、県 内 の 准 看 護 師 の 比 率 が 高 い こ と や 、県 内 の 准 看 護
師 養 成 所 か ら 第 二 看 護 学 科 へ の 進 学 の ニ ー ズ は あ る も の の 、志 願 者
数 は 減 少 し て お り 、5 年 一 貫 の 看 護 教 育 を 行 っ て い な い 看 護 師 養 成
課 程 を 有 す る 県 内 の 3 高 等 学 校 、ま た 専 攻 科 を 併 設 し な い 県 内 の 准
看 護 師 養 成 所 5 校 に 対 し て 、訪 問 す る 等 に よ り 衛 生 看 護 学 院 へ の 進
学を促す取り組みを積極的に行っていく必要がある。
(2)卒業生の進路及び国家試験合格の状況
ア 保健学科
入学 卒業
年度 年度
志願者数
県内
県外
受験者数 合格者数
入学者数
県内 県外
卒業者数
(単位:人、%)
国家試験
医療技術者として就業
全国合格率 本学院合格率 合格者数 不合格者数
県内
県外
進学
13
13
43
70
104
41
18
19
37
95.9
94.6
35
2
18
13
1
14
14
50
67
103
43
22
9
29
91.5
100.0
29
0
15
9
0
15
15
41
162
178
42
8
22
31
92.3
100.0
31
0
8
21
0
16
16
44
127
160
40
21
15
36
81.5
86.1
31
5
15
17
0
17
17
25
61
77
40
18
22
40
78.8
80.0
32
7
12
25
0
( ア )保 健 学 科 は 1 年 制 課 程 で あ る が 、途 中 で の 退 学 者 は ほ と ん ど な く
(5年間で1人)就学意欲は高いものと認められる。
問 題 点 と し て は 、平 成 16,17 年 度 の 学 生 の 国 家 試 験 合 格 率 が 以 前
に 比 較 す る と 急 に 低 下 し て い る こ と で あ る 。原 因 と し て は 、基 礎 学
力 不 足 が あ げ ら れ て い る が 、人 材 養 成 機 関 と し て の 役 割 を 果 た し て
い る か ど う か は 、国 家 試 験 の 合 格 率 が 一 つ の 指 標 と さ れ て お り 、指
導 す る 側 の 立 場 か ら の 分 析 を 含 め て 、合 格 率 の 向 上 を め ざ し 、対 応
231
する必要がある。
( イ )衛 生 看 護 学 院 の 役 割 の 遂 行 度 を 見 る も う 一 つ の 指 標 と し て 、医 療
機 関 等 へ の 就 職 率 が あ る が 、こ の 5 年 間 の 平 均 就 職 率 は 約 88% で あ
り 、保 健 師 を 養 成 す る 機 関 と し て 一 応 役 割 を 果 た し て い る と 認 め ら
れる。
( た だ し こ の デ ー タ は 卒 業 後 1 か 月 現 在 の も の で あ る )な お 、
県 内 の 入 学 生 の う ち 、県 外 へ 就 職 す る 学 生 に は 、県 外 就 職 の 事 情 な
ど を 聴 取 し て お き 、今 後 の 学 生 の 就 職 活 動 の 際 の 参 考 に し 、県 内 医
療機関への就職者がさらに増加するような対応が望まれる。
イ
入学 卒業
助産学科
志願者数
年度 年度
県内
県外
(単位:人、%)
受験者数 合格者数
入学者数
県内 県外
卒業者数
国家試験
医療技術者として就業
全国合格率 本学院合格率 合格者数 不合格者数
県内
県外
進学
13
13
27
12
35
12
10
1
12
88.3
100.0
12
0
8
4
0
14
14
18
31
45
12
8
2
8
89.2
100.0
8
0
7
1
0
15
15
29
52
72
13
8
3
12
96.2
83.3
10
2
6
6
0
16
16
30
54
81
12
6
6
8
99.7
100.0
10
0
4
4
0
17
17
30
30
53
8
7
1
12
98.1
100.0
12
0
11
0
0
(ア)助産学科は1年制課程であるが、退学者は5年間で1人であり、
保 健 学 科 同 様 、就 学 意 欲 は 高 い も の と 認 め ら れ る 。国 家 試 験 合 格 率
は 、 こ の 5 年 間 の う ち 平 成 15 年 度 の み 83.3% ( 全 国 平 均 96.2% )
と 悪 い 年 が あ っ た が 、 他 の 年 は 100% で あ り 良 好 で あ る 。
( イ ) 医 療 関 係 へ の 就 職 率 は 過 去 5 年 間 で 卒 業 者 52 人 の う ち 、 医 療 関
係 就 職 者 51 人 の 98% で あ り 、 助 産 師 養 成 機 関 と し て の 役 割 は 果 た
しているものと認められる。
ウ
入学 卒業
年度 年度
第一看護学科
志願者数
県内
県外
( 単 位:人 、% )
受験者数 合格者数
入学者数
県内 県外
卒業者数
国家試験
医療技術者として就業
全国合格率 本学院合格率 合格者数 不合格者数
県内
県外
進学
11
13
167
61
212
58
38
7
45
84.3
91.1
41
4
19
5
15
12
14
144
62
192
51
36
7
38
92.6
97.4
37
1
24
3
9
13
15
174
41
192
50
35
8
42
91.2
97.6
41
1
20
7
14
14
16
174
44
206
59
36
0
33
91.4
96.9
32
1
17
11
4
15
17
168
22
185
52
38
3
43
88.3
90.6
39
4
18
5
14
( ア )第 一 看 護 学 科 は 3 年 制 課 程 で あ り 、過 去 5 年 間 の 入 学 者 数 208 人
の う ち 、途 中 退 学 者 は 7 人 で あ る 。1 年 で は 1.4 人 で あ り 、第 一 看
護 学 科 の 学 生 の 就 学 意 欲 は 特 に 問 題 は な い も の と 思 わ れ る 。国 家 試
験 の 過 去 5 年 間 の 平 均 合 格 率 は 94.7%( 全 国 平 均 89.56% )で あ り 、
全 国 平 均 よ り 高 い 。 過 去 5 年 間 の 推 移 で は 、 平 成 17 年 度 卒 業 生 が
90.6% と 少 し 低 く な っ て お り 、今 後 の 国 家 試 験 合 格 率 の 推 移 に は 注
視する必要がある。
( イ )第 一 看 護 学 科 で は 、過 去 5 年 間 の 卒 業 者 数 201 人 の う ち 、進 学 が
232
56 人 で 約 28% を 占 め て お り 、 他 の 3 つ の 学 科 に 比 べ る と 進 学 率 は
高い。
エ
入学 卒業
年度 年度
第二看護学科
志願者数
県内
県外
(単位:人、%)
受験者数 合格者数
入学者数
県内 県外
卒業者数
国家試験
医療技術者として就業
全国合格率 本学院合格率 合格者数 不合格者数
県内
県外
進学
12
13
84
21
100
50
39
4
41
84.3
80.5
33
8
29
8
4
13
14
84
11
92
50
41
5
39
92.6
100.0
39
0
31
6
1
14
15
69
14
78
51
41
8
47
91.2
100.0
47
0
27
15
3
15
16
79
37
108
50
28
9
36
91.4
100.0
36
0
19
10
7
16
17
80
18
96
40
32
5
36
88.3
91.6
33
3
22
6
6
第 二 看 護 学 科 は 2 年 制 課 程 で あ り 、過 去 5 年 間 の 入 学 者 212 人 の う
ち 、 途 中 退 学 者 は 13 人 で あ る 。 1 年 で は 2.6 人 で 、 第 二 看 護 学 科 の
学 生 の 就 学 意 欲 は 特 に 問 題 は な い も の と 思 わ れ る 。国 家 試 験 の 過 去 5
年 間 の 平 均 合 格 率 は 約 94%( 全 国 平 均 89.56% )で あ り 、全 国 平 均 よ
り 高 い 。 過 去 5 年 間 の 推 移 で は 、 平 成 17 年 度 卒 業 生 が 91.6% と 少 し
低 く な っ て お り 、第 一 看 護 学 科 と 同 じ 傾 向 で あ る が 、今 後 の 国 家 試 験
合格率の推移には注視する必要がある。
第 二 看 護 学 科 に つ い て は 、平 成 17,18 年 度 と 入 学 応 募 者 数 が 大 幅 に
減 少 し て お り 、基 礎 学 力 や 専 門 的 知 識 の 不 足 す る 学 生 や 看 護 師 に な る
と い う 目 標 意 識 の 不 足 す る 学 生 の 入 学 が 増 え て き て い る 。こ の こ と は 、
国 家 試 験 合 格 率 の 低 下 に 影 響 す る こ と も 予 測 さ れ る こ と か ら 、知 識 不
足の学生や目標意識の低い学生に対して個別的な指導を行う必要が
あ る 。ま た 、模 擬 試 験 結 果 に よ っ て は 、よ り 重 点 的 に 指 導 す る 等 の 具
体的対応が必要となる。
(3)衛生看護学院の役割の遂行
ア 県 は 、 平 成 18 年 2 月 「 山 口 県 看 護 職 員 需 給 見 通 し 」 を 策 定 し て い
る が 、こ れ は 平 成 12 年 に 策 定 し た 需 給 見 通 し が 平 成 17 年 末 ま で と な
っ て い た の で 、平 成 18 年 か ら 平 成 22 年 ま で の 5 年 間 の 山 口 県 看 護 職
員の需給に関する見通しに係るものである。
区分
平成 18 年
平成 22 年
需要数
19,895
20,326
供給数
19,354
20,100
不足分
△541
△226
な お 、 平 成 18 年 4 月 か ら の 診 療 報 酬 の 改 正 に よ り 、 看 護 師 を 手 厚
く配置する病院が高い診療報酬を得られる仕組みが導入されたこと
に 伴 い 、看 護 職 の 需 要 が 高 ま る こ と が 予 測 さ れ る が 、上 記 の 見 通 し に
は同上の改正後の見込みは含まれていない。
233
イ
衛 生 看 護 学 院 は 、上 記 の 看 護 職 員 の 需 給 見 通 し か ら 、看 護 職 員 の 需
要 増 が 見 込 ま れ る こ と に 対 応 し て 、質 の 高 い 看 護 職 員 を 養 成 す る た め
に、養成業務の充実強化を図っていく必要がある。
(ア)学生数の確保の観点から
a 看 護 学 科 は 、高 学 歴 志 向 に よ り 4 年 制 の 看 護 大 学 へ 志 願 者 が 流
れ て い く 可 能 性 が あ り 、大 学 に お け る 看 護 学 部 等 の 新 設 に よ る 定
員 の 増 加 や 、保 健 学 科 、看 護 学 科 の 編 入 の 受 入 を 開 始 し た こ と 等 、
外部環境からみても志願者数が減少する可能性がある。
こ の 点 に つ い て は 、学 費 等 の 経 済 的 負 担 の 問 題 や 、4 年 制 の 看
護 大 学 で は 保 健 師 資 格・助 産 師 資 格 と 看 護 師 資 格 の 同 時 受 験 が 可
能 と な り 、看 護 師 資 格 を 持 た な い 保 健 師・助 産 師 が み ら れ 、厚 生
労 働 省 で は 看 護 師 資 格 を 持 た な い 保 健 師・助 産 師 が 看 護 業 務 を 行
える現状を改善するための法改正を予定していることなどから、
衛 生 看 護 学 院 は 、学 院 の 長 所 に つ い て 学 生 に 十 分 説 明 し 、対 応 す
る必要がある。
b 第 二 看 護 学 科 に つ い て は 、県 立 高 校 に お い て 看 護 師 養 成 の た め
の 5 年 一 貫 教 育 が 可 能 と な っ た た め 、志 願 者 数 の 著 し い 減 少 傾 向
が み ら れ る が 、准 看 護 師 比 率 が 全 国 平 均 に 比 較 し て 高 い 状 況 で は 、
准 看 護 師 を 対 象 と し た 看 護 師 養 成 施 設 の 必 要 性 は 十 分 あ り 、当 面
は第二看護学科入学生の状況の箇所に記載した対応をする必要
がある。
長 期 的 に は 、高 校 に お け る 看 護 師 養 成 の た め の 5 年 一 貫 教 育 及
び 准 看 護 師 養 成 所 に お け る 専 攻 科 の 設 置 の 動 向 、ま た 第 二 看 護 学
科 の 学 生 の 志 願 状 況 の 推 移 な ど を 注 視 し 、第 二 看 護 学 科 の 在 り 方
について検討の必要がある。
c 推薦入学制度について
推 薦 入 学 制 度 は 、平 成 5 年 度 の 入 学 生 か ら 適 用 し て い る が 、少
子化の影響や学生の高学歴志向等から優秀な看護学生を確保す
る こ と が 困 難 な 時 代 を 迎 え つ つ あ る こ と へ の 対 応 と し て 、制 度 の
充実が図られている。
平 成 19 年 度 の 推 薦 入 試 に つ い て は 、 こ れ ま で 推 薦 入 試 対 象 校
の 所 在 地 が 山 口 県 の 近 隣( 保 健・助 産 学 科 は 中 国 5 県 及 び 福 岡 県 、
看 護 学 科 は 島 根・広 島・福 岡 県 )と し て い た 地 域 制 限 を 撤 廃 し て 、
広 く 優 秀 な 看 護 学 生 の 確 保 を 目 指 す た め に 、推 薦 入 試 制 度 の 充 実
を図ることにしている。
なお、推薦による応募者数の状況は次のとおりである。
234
(単位:人)
保健学科
県内
助産学科
県外
県内
第一看護学科
県外
県内
第二看護学科
県外
県内
県外
平成 14 年度
12
1
7
0
25
0
8
0
平成 15 年度
8
2
8
0
23
0
9
0
平成 16 年度
13
0
7
0
34
0
8
0
平成 17 年度
6
0
9
0
36
0
10
0
平成 18 年度
8
0
4
0
31
0
10
0
こ れ ま で の 推 薦 に よ る 応 募 状 況 か ら 見 る と 、県 外 の 学 生 は 非 常
に 少 な く 、看 護 学 生 を 確 保 す る と い う 観 点 か ら は 必 要 な 対 応 で あ
る 。し か し 、衛 生 看 護 学 院 は 県 立 の 看 護 師 養 成 学 校 で あ り 、県 内
に 就 職 す る 看 護 職 員 を 確 保 す る 責 任 が あ り 、本 来 の 導 入 の 目 的 は 、
県 内 出 身 看 護 職 の 地 元 定 着 の 促 進 で あ る か ら 、推 薦 入 試 制 度 は そ
の観点に留意し、運用する必要がある。
(イ)看護教育の質の向上の観点
a 看護教員に必要な能力
必 要 な 能 力 と し て は 、看 護 能 力 、教 育 能 力 、研 究 能 力 が あ る が 、
看護能力は専任教員が県立病院及び健康福祉センターから転任
す る と い う 人 事 異 動 に な っ て お り 、充 分 備 わ っ て い る と い う こ と
であり、教育能力、研究能力等の向上が必要とされている。
こ れ に 対 し て 、専 任 教 員 の 段 階 別 能 力 達 成 目 標 の 作 成 と 資 質 向
上 の た め の 研 修 体 系 の 構 築 が 検 討 さ れ て い る が 、具 体 化 が 必 要 で
ある。
b 外部講師の確保について
大 学 の 独 立 法 人 化 に 伴 い 、大 学 か ら の 講 師 や 総 合 医 療 セ ン タ ー
の 医 師 等 の 外 部 講 師 の 確 保 が 、時 間 の 制 約 、講 義 料 の 制 約 等 で 難
し く な っ て き て お り 、年 間 計 画 等 で 安 定 的 に 確 保 す る た め の 調 整
が必要である。
c 実 習 に つ い て 保 健 師 、助 産 師 、及 び 看 護 師 並 び に 養 護 教 諭 の 実
践 者 、実 務 者 と し て の 能 力 を 養 成 す る こ と を 基 本 方 針 と し て お り 、
衛生看護学院の役割を遂行する観点から実習を重視している。
と こ ろ が 、現 状 で は 実 習 施 設 の 確 保 が 市 町 村 の 統 廃 合 に よ り 健
康 福 祉 セ ン タ ー が 減 少 し 、ま た 助 産 学 科 で は 、少 子 化 に よ り 実 習
施 設 が 減 少 し 、分 娩 介 助 実 習 が 困 難 に な る 等 の 問 題 が あ り 、実 習
施設や実習設備などの計画的な確保・整備が必要である。
特 に 助 産 学 科 は 、産 科 医 の 不 足 、診 療 所 の 助 産 師 不 足 等 の 状 況
下 で 助 産 師 養 成 を 行 う 数 少 な い 専 修 学 校 と い う こ と で あ り 、実 習
機会の困難性を克服する対応が必要である。
d 保 健 師 、養 護 教 諭 の 採 用 の 減 少 に よ り 、就 職 が 難 し く な っ て お
り 、就 職 先 の 開 拓 が 必 要 で あ る が 、一 方 に お い て 、医 療 施 設 側 か
235
らは優秀な看護職員獲得のために指定校推薦制度の導入検討が
始められているということである。
い ず れ に し て も 、質 の 高 い 看 護 教 育 を 実 践 し 、優 秀 な 看 護 職 員
を 輩 出 す る と い う こ と が 基 本 的 に 重 要 な こ と で あ り 、新 規 の 就 職
先 の 開 拓 と 指 定 校 推 薦 制 度( 就 職 先 が 限 定 さ れ る )へ の 対 応 の 問
題は慎重に検討していく必要がある。
e 養 成 課 程 の 実 施 状 況( 実 習 状 況 を 含 む )や 、学 生 か ら の 相 談 事
項等のデータベース化及びその活用について
授 業 、実 習 の 状 況 は 、教 務 日 誌 の 作 成 、実 習 施 設 等 で 起 こ し た
事 件・事 故 は「 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 報 告 書 」を 作 成 し 、教 職 員 全 員 が 情
報を共有化し、指導に活用している。
現 在 、I T の 利 用 が 進 ん で お り 、将 来 的 に は デ ー タ ベ ー ス 化 し
て 情 報 の 収 集・分 析 に 活 用 し 、指 導 を 効 果 的 、効 率 的 に 行 う こ と
を検討する必要がある。
f 看 護 職 員 の 早 期 離 職 と い う 現 実 に 対 し て 、看 護 師 養 成 機 関 と し
て配慮している事項について
( a )基 礎 看 護 技 術 が 未 熟 の た め 、医 療 現 場 の 技 術 水 準 に 対 応 で き
な い こ と が 、早 期 離 職 の 要 因 と し て あ げ ら れ て お り 、卒 業 ま で
に 実 習 で 技 術 経 験 を さ せ 、技 術 チ ェ ッ ク を す る 等 の 点 に 留 意 す
る必要がある。
( b )臨 床 現 場 と 教 育 で 学 ん だ こ と の 乖 離 に よ り 、心 身 の 健 康 状 態
の 面 か ら 不 安 定 に な り 、離 職 す る と い う こ と が あ り 、学 生 個 々
に精神面での教育指導が必要である。
(c)学生の卒業後のフォロー
職 場 に 従 事 し た 際 、現 実 に 発 生 す る 課 題 に 対 し て 相 談 窓 口 を
設 置 し 、対 応 し て い る と い う こ と で あ る 。こ の よ う な 対 応 か ら 、
卒 業 生 の 職 務 で の 問 題 点 等 を 分 析・検 討 し 、教 育 内 容 に 反 映 さ
せ る こ と は 、看 護 職 員 の 養 成 業 務 の 質 を 高 め る た め に 有 効 と 思
われる。
g 学校自己評価の義務化に向けた取り組み
厚 生 労 働 省 の 医 務 局 看 護 課 の「 看 護 師 等 養 成 所 の 教 育 活 動 等 に
関 す る 自 己 評 価 指 針 」( 以 下「 指 針 」と い う 。)で は 、看 護 職 養 成
所 と し て 厚 生 労 働 省 か ら 指 定 を 受 け た も の は 、常 に 質 の 高 い 看 護
師 等 を 養 成 す る 責 任 と 義 務 が あ り 、そ の た め の「 内 部 的 品 質 保 証
の 仕 組 み 」を 持 つ 必 要 が 求 め ら れ 、そ の 仕 組 み が「 自 己 点 検・自
己評価」であるとされている。
衛 生 看 護 学 院 で は 、 平 成 14 年 度 か ら 組 織 目 標 の 設 定 、 進 行 管
理 等 目 標 管 理 を 実 施 し て い る 。 今 後 は 、「 指 針 」 を 基 に し た 自 己
評 価 を 実 施 す る こ と が 適 当 で あ る と 考 え て い る 。「 指 針 」 に よ る
と 自 己 評 価 は 、評 価 結 果 か ら 教 育 活 動 の 改 善 点 を 見 出 し 、教 育 活
236
動 の 質 の 向 上 を 目 指 し て 再 計 画・実 施 さ れ 、再 び 評 価 す る と い う
よ う に 循 環 的・継 続 的 に 行 わ れ て こ そ 意 味 が あ る と し て い る 。現
状 は 努 力 義 務 で あ る が 、義 務 化 に 対 応 し て 段 階 的 に 評 価 項 目 を 増
や す 等 し て 、実 施 に 向 け て 取 り 組 む 必 要 が あ る 。ま た「 指 針 」で
は 、看 護 師 養 成 所 と し て の 社 会 的 説 明 責 任 を 果 た す た め に 、評 価
結 果 を 公 表 す る 機 会 を 設 定 す る こ と も 必 要 で あ る と し て お り 、説
明責任を果たす観点と学校のPRの観点からも実施に向けて検
討する必要がある。
h 情報資産のセキュリティ管理への取り組み
衛 生 看 護 学 院 で は 、学 籍 簿 専 用 パ ソ コ ン の 使 用 等 に つ い て「 学
籍 簿 取 扱 要 領 」を 定 め 、セ キ ュ リ テ ィ を 意 識 し た 情 報 管 理 を 行 っ
て い る こ と は 評 価 で き る 。今 後 、よ り セ キ ュ リ テ ィ を 向 上 さ せ る
ために、下記の点について検討することが必要である。
( a )「 学 籍 簿 取 扱 要 領 」 の 運 用 に つ い て
「 学 籍 簿 取 扱 要 領 」 に よ れ ば 、「 学 籍 簿 の 作 成 は 、 L A N に
接 続 し て い な い 学 籍 簿 専 用 パ ソ コ ン を 使 用 す る 」と あ る 。し か
し 、機 密 性 が 高 い 氏 名 、住 所 、生 年 月 日 、成 績 等 の 学 生 に 関 す
る デ ー タ は 、F D 、U S B 、C D 等 の 外 部 記 憶 装 置 に 保 存 さ れ
て い る た め 、当 該 専 用 端 末 機 以 外 の L A N 接 続 で の 使 用 が 可 能
な 状 況 に あ る 。実 際 に も そ う い っ た 利 用 が ま っ た く な い と は い
え な い と の こ と で あ る 。学 生 機 密 デ ー タ の 漏 え い を 防 止 す る た
め 、す べ て の 学 科 に お い て 外 部 記 憶 装 置 に パ ス ワ ー ド を 設 定 す
る等の検討が必要である。
(b)パスワードの設定
「 学 籍 簿 取 扱 要 領 」 に よ れ ば 、「 パ ス ワ ー ド を 設 定 す る 」 と
あ る 。教 務 課 、保 健 学 科 、助 産 学 科 で は パ ス ワ ー ド が 設 定 さ れ
て い た が 、看 護 学 科 で は 設 定 さ れ て い な か っ た 。学 科 に よ っ て
バ ラ ツ キ が あ り 、組 織 と し て 統 一 性 の あ る 管 理 を 行 う べ き で あ
る。
(c)フロッピー等の裁断ルール
「 学 籍 簿 取 扱 要 領 」に よ れ ば 、デ ー タ フ ァ イ ル 削 除 の 定 め が
あ り 、紙 へ の 印 刷 後 は 原 則 と し て フ ロ ッ ピ ー 等 は 裁 断 さ れ る と
の こ と で あ る 。し か し 、裁 断 の 確 実 な 実 行 を 担 保 す る た め 、一
定の手続を定める必要がある。
ウ
今後の在り方について
衛生看護学院は、少子化の影響により受験生が減少している中で、
生 徒 の 高 学 歴 志 向 な ど が あ り 、一 方 、大 学 に お け る 看 護 学 部 の 定 員 増
加 や 、看 護 学 科 の 新 設 及 び 県 立 高 校 の 看 護 科 5 年 一 貫 教 育 の 実 施 等 の 、
看 護 職 の 養 成 所 の 増 加 な ど か ら 、優 秀 な 学 生 を 確 保 す る こ と が 困 難 に
237
なりつつある。
近 隣 の 県( 広 島 県 、岡 山 県 、福 岡 県 )に お い て も 同 様 な 状 況 が あ り 、
県 直 営 の 看 護 師 等 養 成 所 は 平 成 14 年 度 末( 平 成 15 年 3 月 )に 廃 止 さ
れ て い る 。( 広 島 県 三 次 看 護 専 門 学 校 は 引 き 続 き 存 置 )
こ の よ う な 状 況 に お い て 、県 は 、急 性 期 医 療 か ら タ ー ミ ナ ル ケ ア ・
在宅医療に至るまでの看護等へのニーズに適切に対応できる看護職
員 の 養 成・確 保 の 観 点 、ま た 生 徒 の 看 護 師 養 成 所 等 へ の 志 望 動 向 を 注
視 し 、さ ら に 他 県 の 県 直 営 の 養 成 所 の 在 り 方 等 の 状 況 を 分 析 し 、看 護
師等養成所について今後の在り方を検討すべきである。
現 状 で は 学 生 の 入 学 及 び 卒 業 後 の 進 路 状 況 か ら み る と 、看 護 職 の 養
成 学 校 と し て の 役 割 を 果 た し て い る と 認 め ら れ る も の の 、将 来 的 に は
衛生看護学院の学科の改編等の在り方を検討する必要がある。
238
第5 山口県立萩看護学校
1 概要
(1)設置
山 口 県 立 萩 看 護 学 校 は 、 山 口 県 立 衛 生 看 護 学 院 等 条 例 ( 昭 和 45 年 山
口 県 条 例 第 60 号 ) に 基 づ い て 設 置 さ れ て い る 。
山 口 県 内 、と り わ け 北 浦 地 域 の 看 護 師 の 育 成・確 保 を 進 め 、地 域 の 医
療充実を図ることを目的として設置された教育施設である。
(2)所在地
萩 市 堀 内 菊 ヶ 浜 489- 5
ホームページアドレス
http://www.princess.ne.jp/~hagikan/
(3)沿革
平 成 6 年 12 月
平成 7 年 1 月
平成 7 年 4 月
看護師養成所として厚生労働大臣の指定を受ける
萩看護学校設置
開校
同 時 に 専 修 学 校 の 認 可 を 受 け る( 学 校 教 育 法 第 82 条
の 2)
(4)教育方針及び教育目標
萩 看 護 学 校 で は 、教 育 方 針 を 看 護 に 対 す る 理 論 と 技 術 を 教 育 す る と と
も に 、豊 か な 人 間 性 を 基 盤 と し 、社 会 に お け る 保 健・医 療・福 祉 の 変 化
に 対 応 で き る 看 護 の 実 践 者 を 育 成 す る こ と を 目 指 し 、教 育 目 標 を 次 の よ
うに定め運営に努めている。
① 看護に必要な基礎的知識・技術を習得する。
② 対象を理解し、看護上の問題を解決するための基礎能力を養う。
③ 看 護 者 に 必 要 な 態 度 と し て 、誠 実 性・協 調 性・積 極 性 を 身 に つ け る 。
④ 生命を尊び、人格を尊重する態度を養う。
⑤ 社 会 に お け る 看 護 の 必 要 性 を 理 解 し 、保 健・医 療・福 祉 チ ー ム の 一
員としての看護者の役割を自覚する。
239
(5)組織
職 員 数 : 20 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
校 長 (1)
事 務 局 長 (1)
(
事 務 局 (2)
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
第 一 看 護 学 科 (7)
第 二 看 護 学 科 (6)
教 頭 (1)
実 習 担 当 (1)
教 育 担 当 (1)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 と 同 数 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職員数・人件費金額の推移
(単位:千円、人)
区 分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
22,272
3
21,525
3
20,503
3
19,440
3
19,759
3
7,424
7,175
6,834
6,480
6,586
128,932
16
127,735
16
130,075
17
126,948
17
121,926
17
行政職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
教育職(金額)
(人数)
8,058
7,983
7,651
7,468
7,172
共済費(正規職員)
1 人当たり人件費
28,724
27,999
27,391
26,322
26,470
正規職員計(金額)
(人数)
179,928
19
177,259
19
177,970
20
172,710
20
168,154
20
9,470
9,329
8,899
8,636
8,408
非常勤職員(金額)
(人数)
1,683
2
1,683
2
1,706
2
1,691
2
1,675
2
その他(金額)
1 人当たり人件費
4,717
4,791
4,857
5,204
7,766
共済費(非常勤・臨時等)
569
558
546
552
880
非常勤・臨時等計(金額)
6,969
7,032
7,110
7,446
10,320
186,897
184,291
185,080
180,156
178,474
合計(金額)
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
6
7
4
2
19
43
平成 17 年度
0
5
8
5
2
20
42
正規職員の平均年齢は 1 歳低くなっている。
240
(7)主要施設の状況
種別
区
分
学校敷
面積(㎡)
種別
区
7,218.34
分
面積(㎡)
本館棟
3,509.52
体育館
586.20
建
土
県 有
寄宿舎棟
1,668.87
自転車置き場
149.50
物
地
空調室外機置場
78.30
渡り廊下
10.40
計
借用
合計
6,002.79
実習棟
7,218.34
563.24
計
563.24
合計
6,566.03
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
13,341
13,817
14,472
15,166
15,350
手数料
1,061
961
874
759
807
雑入
小計
収入合計
3,796
3,586
3,633
3,833
3,807
18,198
18,364
18,979
19,758
19,964
18,198
18,364
18,979
19,758
19,964
1,683
1,683
1,706
1,691
1,675
569
558
546
552
880
4,717
4,791
4,857
5,204
7,766
11,437
10,919
11,302
8,584
9,139
支出
報酬
共済費
賃金
報償費
旅費
9,091
7,778
8,861
7,340
6,851
需用費
18,162
18,182
18,222
17,999
17,137
役務費
6,000
5,600
5,967
5,977
5,880
委託料
44,273
42,982
37,509
37,890
36,703
使用料及び賃借料
2,598
2,572
4,070
4,367
4,434
備品購入費
2,996
3,390
3,700
3,498
3,300
329
101,855
314
98,769
330
97,070
413
93,515
241
94,006
使用料及び賃借料
1,646
1,646
1,646
1,613
1,613
負担金補助及び交付金
5,873
5,873
5,873
5,873
5,873
179,928
177,259
177,970
172,710
168,154
支出合計
289,302
283,547
282,559
273,711
269,646
収支差額
△ 271,104
△ 265,183
△ 263,580
△ 253,953
△ 249,682
負担金補助及び交付金
小計
当校以外の予算執行分
正規職員人件費
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
241
2
監査結果
山 口 県 立 萩 看 護 学 校 ( 以 下 「 萩 看 護 学 校 」 と い う 。) の 財 務 事 務 は 、 以
下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基 づ き 、概 ね 適 正 に
処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
a 電柱・支線などの設置に係る土地使用、自動販売機設置の建
物使用に係る行政財産使用料がある。
b 授業料及び寮費がある。
(イ)監査手続
a 使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、調 定 票 、領 収 書( 控 )、調 定 収 納 状
況一覧表を照合した。また使用料金額について使手条例等と照
合した。
b 授 業 料 及 び 寮 費 に つ い て 調 定 票 、払 込 書 兼 領 収 書 、領 収 書( 控 )
を照合した。授業料の分納者については、授業料分納申請書を
閲覧し、
「山口県立看護学校の授業料の徴収猶予に関する取扱要
綱」に準拠しているか検証した。また授業料の金額の根拠を検
証した。
(ウ)監査結果
a 行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を
受ける旨の付記が必要であるが当該記載がされていなかった。
その他照合の結果特記すべき事項はなかった。
b 授業料の調定事務について特記すべき事項はなかった。第一
看 護 学 科 の 授 業 料 年 額 96,000 円 に つ い て は 近 県 の 看 護 師 等 養 成
所の授業料等を参考にして決定している。第二看護学科の授業
料 は 第 一 看 護 学 科 の 半 額 の 48,000 円 に な っ て い る が 理 由 は 以 下
のとおりである。
① 北浦地域は准看護師の比率が高く 看 護 師 の養 成 が 必 要 等。
② 第 二 看 護 学 科 は 昼 間 定 時 制 で あ り 、2 年 課 程 を 3 年 間 で 履
修 す る た め 、1 年 当 た り の 授 業 時 間 が 第 一 看 護 学 科 よ り 少 な
いこと。
(エ)意見
授 業 料 は 前 期・後 期 と も に 高 額 で あ り 、徴 収 方 法 を 銀 行 振 込 に す
ることを検討すべきである。
イ 手数料
(ア)概要
主に入学試験の手数料である。
242
(イ)監査手続
入 学 願 書 を 閲 覧 し 、添 付 し て あ る 山 口 県 収 入 証 紙 に つ い て 使 手 条
例と照合した。
(ウ)監査結果
閲覧・照合の結果、特記すべき事項はなかった。
ウ 雑入
(ア)概要
主に寄宿舎の光熱水費である。
(イ)監査手続
徴 収 に つ い て 調 定 票 、現 金 払 込 書 兼 領 収 書 、歳 入 調 書 、領 収 書( 控 )、
各計算調書などを照合した。
(ウ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書を照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、支 出 調 書 、時 間 講 師 実
績 調 書 、就 業 点 検 簿 を 照 合 、書 類 の 不 備 、不 整 合 の 有 無 を 確 認 し た 。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
243
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合し、書類の不備、不
整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 、請 求 書 の 保 管
状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 契 約 金 額 が 500 千 円 以 上 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に
ついて過去5年間の推移は次のとおりである。
(単位:千円)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
675
675
100.0%
A社
平成 14 年度
警備業務
平成 15 年度
(随意契約(6 号))
平成 16 年度
675
675
100.0%
A社
567
567
100.0%
A社
756
756
100.0%
A社
平成 17 年度
756
756
100.0%
A社
平成 13 年度
3,622
3,697
98.0%
B社
平成 14 年度
3,622
3,697
98.0%
B社
平成 15 年度
2,984
3,530
84.5%
C社
平成 16 年度
2,086
2,967
70.3%
D社
学校建物清掃業務
(指名競争入札)
244
備考
平成 17 年度
1,816
2,876
63.2%
D社
平成 13 年度
1,219
1,219
100.0%
E社
平成 14 年度
空調機保守
点検業務
平成 15 年度
(随意契約(2 号)) 平成 16 年度
1,219
1,219
100.0%
E社
1,207
1,207
100.0%
E社
1,207
1,207
100.0%
E社
平成 17 年度
1,207
1,207
100.0%
E社
平成 13 年度
609
609
100.0%
F社
平成 14 年度
機械保守点検業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号))
平成 16 年度
588
609
96.6%
F社
581
581
100.0%
F社
581
581
100.0%
F社
平成 17 年度
581
581
100.0%
F社
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ 監査結果
( ア )実 習 委 託 料 の 算 定 に お い て 、委 託 の 病 院 に よ り 単 価 に 相 違 が み ら
れる。
こ れ ら の 単 価 に つ い て 、算 定 時 の 根 拠 資 料 の 所 在 が 分 か ら ず 、単
価 の 相 違 の 要 因 が 明 ら か で な い 。算 定 根 拠 に つ い て は 明 示 で き る よ
うにしておく必要がある。
( イ )寄 宿 舎 の 給 食 業 務 に つ い て 委 託 契 約 を 締 結 し て い る が 、契 約 で は
給 食 費 と し て 1 人 1 日 当 た り 1,470 円 と し て い る が 、こ の 単 価 に つ
い て 、積 算 の 根 拠 と な る 資 料 が 保 管 さ れ て い な か っ た 。ま た 、委 託
契 約 に 伴 い 、調 理 用 の 物 品( 冷 蔵 庫 、レ ン ジ 、調 理 台 等 )を 貸 し 付
け て い る 。物 品 の 貸 付 に つ い て は 、貸 付 に か か る 手 続 が 必 要 と な る
が 、 平 成 15 年 度 は 手 続 に 関 す る 書 類 が 保 管 さ れ て い る が 、 平 成 16
年 度 及 び 平 成 17 年 度 は 当 該 書 類 が 保 管 さ れ て お ら ず 、 適 切 に 手 続
が行われているのか確認ができなかった。
エ
意見
寄 宿 舎 の 給 食 に 係 る 委 託 契 約 に 関 連 し て 、契 約 業 者 に 対 し 行 政 財 産
の使用許可を行っている。当初は業者からの申請書に、会社の定款、
登 記 簿 謄 本 、 決 算 報 告 書 が 添 付 さ れ て い る 。 平 成 16 年 度 に 更 新 を 行
っ て い る が 、こ の 際 に は 登 記 簿 謄 本 以 外 は 添 付 さ れ て い な い 。更 新 時
に は 規 則 上 決 算 報 告 書 は 要 求 さ れ て い な い と い う こ と で あ る が 、委 託
先 の 状 況 を 確 認 す る 上 で も 、決 算 報 告 書 の 添 付 を 検 討 す る 必 要 が あ る 。
245
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に 当 た り 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 手 続 が 行
われており、特記すべき事項はなかった。
(5)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 、ま た 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調
査が行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ
監査結果
公有財産台帳と登記簿謄本の面積の不一致について
建 物 に つ い て 公 有 財 産 台 帳 と 登 記 簿 謄 本 を 確 認 し た と こ ろ 、空 調 置
き 場 、渡 り 廊 下 、自 転 車 置 き 場 の 面 積 が 不 一 致 で あ っ た 。こ れ は 、平
成 8 年 3 月 に 建 物 の 表 示 登 記 を し た が 、公 有 財 産 台 帳 の 訂 正 が な さ れ
なかったためである。
(6)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )機 器 に つ い て は 、教 育 内 容 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ て い る か 、
遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い る か を 確 認
した。
(ウ)物品の廃棄の手続きが適切であるかどうか検証した。
イ 監査結果
(ア)備品の現物管理
平 成 8 年 4 月 に 受 入 れ た 人 体 模 型( マ ネ キ ン )の 数 量 の 現 物 確 認
を 行 っ た 結 果 、39 体 の う ち 1 体 し か 把 握 で き な か っ た 。( 整 理 番 号
36 蘇 生 用 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン マ ネ キ ン )こ れ は 、そ の 当 時 、物 品 を
ま と め て 受 入 れ 処 理 さ れ て お り 、物 品 標 示 票 が 剥 が れ 落 ち た た め と
246
考 え ら れ る 。再 度 、現 物 確 認 を 行 っ て 管 理 簿 を 整 理 し 直 す 必 要 が あ
る。
(イ)借入品について
借 入 品 の 借 入 期 間 満 了 時 に は 、 物 品 規 則 第 50 条 に 基 づ き 、 借 入
品 返 還 決 議 書 に お い て 、契 約 の 相 手 方 か ら ① 受 領 し た 旨 、② 受 領 年
月 日 、③ 記 名 押 印 を 求 め る こ と に な っ て い る 。し か し な が ら 、住 所
と会社名しか記載がなかった。
(ウ)廃棄手続について
廃棄手続について特記すべき事項はなかった。
(7)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の 有 無
や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を 行 っ
ているかを確認した。
(イ)監査結果
照合した結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 状 況 一 覧 表 と 照
合した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
247
3
組織及び運営に関する意見
萩看護学校の組織及び運営の合理化に資すると考える事項を意見とし
て記載している。その内容は以下のとおりである。
(1)入学者の状況
ア 第一看護学科
過去5年間の受験者、入学者の状況は次のとおりである。
( 第 一 看 護 学 科 : 定 員 40 名 )
年度
14
15
16
17
18
計
地区
推 薦
(単位:人、%)
一 般
受験者
計
入学者
受験者
入学者
受験者
入学者
%
計
%
北浦
県内
8
21
6
7
17
78
1
14
25
99
11.8
46.7
7
21
17.5
52.5
県外
0
0
88
12
88
41.5
12
30.0
計
29
13
183
27
212
100.0
40
100.0
北浦
10
5
24
5
34
16.9
10
25.0
県内
19
10
74
7
93
46.3
17
42.5
県外
0
0
74
13
74
36.8
13
32.5
計
29
15
172
25
201
100.0
40
100.0
北浦
7
5
22
4
29
17.8
9
22.5
県内
16
8
61
11
77
47.2
19
47.5
県外
0
0
57
12
57
35.0
12
30.0
計
23
13
140
27
163
100.0
40
100.0
北浦
県内
10
16
6
7
18
63
7
10
28
79
18.7
52.7
13
17
32.5
42.5
県外
0
0
43
10
43
28.6
10
25.0
計
26
13
124
27
150
100.0
40
100.0
北浦
8
4
18
6
26
16.9
10
25.0
県内
17
9
66
10
83
53.9
19
47.5
県外
0
0
45
11
45
29.2
11
27.5
計
25
13
129
27
154
100.0
40
100.0
北浦
43
26
99
23
142
16.1
49
24.5
県内
89
41
342
52
431
49.0
93
46.5
県外
0
0
307
58
307
34.9
58
29.0
132
67
748
133
880
100.0
200
100.0
計
( ア )上 記 表 の と お り 、入 学 者 数 は 定 員 を 満 た し て い る が 、こ の 5 年 間
の推移では、少子化の影響を受け、入 学 志 願者 は 減 少 傾 向 に ある 。
看 護 師 養 成 所 の 使 命 は 、優 秀 な 看 護 師 の 養 成 で あ る か ら 、よ り 多
く の 志 願 者 の 中 か ら 入 学 者 が 決 定 さ れ る 必 要 が あ る 。そ の た め の 取
り 組 み と し て 、体 験 入 学 や 学 校 訪 問 等 に よ り 、入 学 者 の 開 拓 に 努 め
て い る が 、今 後 は さ ら に ホ ー ム ペ ー ジ の 活 用 、教 育 内 容 の 公 表 に 向
け た 取 組 み 等 を 一 段 と 強 化 し 、学 校 の 使 命 等 を 地 域 に P R す る 必 要
がある。
248
(イ)推薦入学者について
推 薦 入 学 者 数 に つ い て は 、入 学 定 員 の 30% 程 度( 定 員 40 人 ×0.3)
と い う こ と に な っ て い る が 、平 成 14 年 か ら 平 成 18 年 ま で 、い ず れ
も 超 え て い る 。著 し く 超 え て い る こ と は な い が 、入 試 の 公 平 性・透
明 性 の 観 点 か ら 、推 薦 入 学 者 数 は 定 め ら れ た 範 囲 内 に と ど め る べ き
であると思われる。
イ
第二看護学科
医療現場で働く准看護師が看護師免許の取得を目指す者の教育施
設として、昼間定時制として設置されている。
過去5年間の受験者、入学者の状況は次のとおりである。
( 第 二 看 護 学 科 : 定 員 25 名 )
年度
14
15
16
17
18
計
地区
推 薦
(単位:人、%)
一 般
受験者
計
入学者
受験者
入学者
受験者
入学者
北浦
県内
2
0
2
0
28
10
16
3
30
10
%
51.7
17.2
計
18
3
%
72.0
12.0
県外
0
0
18
4
18
31.1
4
16.0
計
2
2
56
23
58
100.0
25
100.0
北浦
4
4
29
11
33
60.0
15
57.7
県内
1
1
13
6
14
25.5
7
26.9
県外
0
0
8
4
8
14.5
4
15.4
計
5
5
50
21
55
100.0
26
100.0
北浦
県内
9
1
9
1
38
20
8
6
47
21
68.1
30.4
17
7
68.0
28.0
県外
0
0
1
1
1
1.5
1
4.0
計
10
10
59
15
69
100.0
25
100.0
北浦
10
7
31
9
41
71.9
16
64.0
県内
3
2
8
5
11
19.3
7
28.0
県外
0
0
5
2
5
8.8
2
8.0
計
13
9
44
16
57
100.0
25
100.0
北浦
9
6
38
9
47
71.2
15
60.0
県内
3
3
15
6
18
27.3
9
36.0
県外
0
0
1
1
1
1.5
1
4.0
計
12
9
54
16
66
100.0
25
100.0
北浦
県内
34
8
28
7
164
66
53
26
198
74
64.9
24.3
81
33
64.3
26.2
県外
0
0
33
12
33
10.8
12
9.5
計
42
35
263
91
305
100.0
126
100.0
( ア )上 記 の と お り 、受 験 者 数 は 減 少 傾 向 に な く 、し か も 北 浦 地 域 の 受
験 者 も 安 定 し て お り 、北 浦 地 域 の 医 療 充 実 を 図 る た め の 看 護 師 の 育
成 ・ 確 保 を 進 め る と い う 設 置 目 的 に 従 っ て 運 営 さ れ て い る 。( 北 浦
地 域 の 入 学 者 も 定 員 の 6 割 は 維 持 し て い る 。)
249
( イ )推 薦 入 学 者 が 平 成 16,17,18 年 度 10 人 、9 人 、9 人 で あ り 、推 薦
枠 の 定 員 の 30% 程 度 ( 定 員 25 人 ×0.3) を 超 え て い る 。
推 薦 枠 30% の 根 拠 と し て 、 県 の 説 明 で は 、 県 内 外 の 看 護 師 養 成
所 の 推 薦 入 試 の 実 施 状 況 等 を 勘 案 し て 決 定 し た と あ り 、入 試 の 公 平
性・透 明 性 の 観 点 か ら 、推 薦 入 学 者 数 は 、定 め ら れ た 範 囲 内 に と ど
めるべきであると思われる。
(2)卒業者の進路及び国家試験合格の状況
ア 第一看護学科
(単位:人、%)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
37
34
38
40
35
北 浦
(%)
5
(16.7)
3
(9.7)
5
(14.7)
3
(8.8)
1
(4.0)
県 内
(%)
16
(53.3)
15
(48.4)
13
(38.2)
12
(35.3)
12
(48.0)
県 外
(%)
9
(30.0)
7
13
(41.9)
0
16
(47.1)
0
19
(55.9)
2
12
(48.0)
2
0
3
4
4
8
卒業者
医療関係就職
その他
進学
国家試験
養成所合格率
89.7%
96.7%
95.9%
95.9%
93.4%
萩看護学校合格率
83.8%
100%
100%
95.0%
94.3%
31
34
38
38
33
6
0
0
2
2
合格者数
不合格者数
( ア )卒 業 生 の 上 記 表 の 医 療 関 係 就 職 の 地 域 に つ い て 、北 浦 地 域 の 医 療
関 係 へ の 就 職 が 徐 々 に 減 少 傾 向 に あ り 、県 外 へ の 就 職 率 は 、最 近 の
3年間は約5割程度になっている。
第 一 看 護 学 科 に 関 し て は 、北 浦 地 域 へ の 看 護 職 の 育 成・確 保 と い
う こ と に つ い て は 十 分 で は な く 、ま た 県 外 へ の 就 職 の 比 率 が 最 近 3
年 間 は 卒 業 者 の 就 職 者 数 の う ち 約 半 分 に な っ て い る 。こ の 状 況 へ の
対 応 と し て は 、職 業 の 選 択 の 個 人 の 自 由 は 尊 重 し つ つ も 、卒 業 生 の
県 内 就 職 を 促 進 す る こ と が 、県 立 施 設 に 課 せ ら れ た 使 命 と し て 必 要
である。
(イ)国家試験の合格率が低下傾向にある。
萩 看 護 学 校 で は 、目 標 管 理 実 施 の 中 で 組 織 目 標 の 第 1 順 位 に 看 護
師 国 家 試 験 全 員 合 格 を 掲 げ て い る 。学 習 効 果 を 期 待 す る に は 3 年 次
か ら の 取 組 み で は 遅 い と い う こ と で 、2 年 次 、1 年 次 か ら 動 機 付 け
や 模 擬 試 験 を 行 い 、学 生 が 主 体 的 に 取 り 組 む こ と が で き る よ う 指 導
す る 等 と し て い る 。学 生 の 基 礎 学 力 が 低 下 傾 向 に あ る と い わ れ る 状
況 に お い て 必 要 な 対 応 で あ り 、目 標 の 達 成 状 況 を 分 析 し て 改 善 点 を
次年度に生かすなどの目標管理の進め方が必要である。
250
イ
第二看護学科
卒業者
(単位:人、%)
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
24
20
21
26
9
(47.4)
9
(45.0)
12
(63.2)
12
(60.0)
16
(64.0)
県 内
(%)
9
(47.4)
6
(30.0)
4
(21.1)
5
(25.0)
7
(28.0)
県 外
(%)
1
(5.2)
5
(25.0)
3
(15.7)
3
(15.0)
2
(8.0)
その他
1
3
0
0
1
進学
2
1
1
1
0
医療関係就職
22
北 浦
(%)
国家試験
養成所合格率
84.5%
94.7%
93.1%
94.1%
91.3%
萩看護学校合格率
合格者数
77.3%
17
91.7%
22
85%
17
100%
21
96.2%
25
3
0
不合格者数
5
2
1
( ア )上 記 表 の と お り 、卒 業 者 の 医 療 関 係 就 職 先 の 地 域 に つ い て 、北 浦
地 域 へ の 就 職 は こ の 3 年 間 は 6 割 を 超 え て お り 、北 浦 地 域 へ の 医 療
従事者を輩出するという学校の設置目的に適合して運営されてい
る 。ま た 県 外 へ の 就 職 は 数 人 で あ り 、県 立 施 設 と し て の 役 割 を 十 分
に果たしている。
( イ )国 家 試 験 の 合 格 率 が 一 定 し な い 側 面 が あ り 、組 織 目 標 の 最 初 に 国
家 試 験 全 員 合 格 を 目 標 と し て 掲 げ て お り 、目 標 に 従 っ て 実 行 計 画 が
作 成 さ れ て い る 。 学 生 数 は 25 人 と い う 少 人 数 で あ り 、 学 生 の 精 神
面 に も 配 慮 し な が ら 、学 習 内 容 の 改 善 を 含 め 、個 人 の 能 力 に 応 じ た
指導を徹底し、合格率の向上に資する よ う に対 応 す る 必 要 が ある 。
(3)萩看護学校の役割の遂行
ア 需給見通し等
県全体の需給バランスを示す「山口県看護職員需給見通し(平成
18 年 ~ 22 年 )」 で は 、 平 成 22 年 の 需 要 数 と 供 給 数 に つ い て 、 226 人
の供給不足が見込まれている。
イ ア の よ う な 見 直 し の 中 で 、看 護 師 養 成 施 設 で あ る 萩 看 護 学 校 は 、優
秀 な 看 護 職 を 養 成 し 、地 域 社 会( 特 に 北 浦 地 域 )に 供 給 す る 役 割 を 担
っ て い る が 、下 記 の 事 項 に 留 意 し 、看 護 師 養 成 業 務 を 効 率 的 か つ 効 果
的に行っていく必要がある。
(ア)学生数の確保の観点
第一看護学科の入学者の状況の箇所で必要な対策を記載してい
る。
(イ)看護教育の質の向上の観点
a 社会のニーズに適応した看護師の育成
施設中心の看護から地域での生活を重視した在宅看護へと変
251
化 が み ら れ る 。萩 看 護 学 校 で は こ の よ う な 状 況 の 中 で 、看 護 職 の
育 成 方 針 に 、在 宅 看 護 論 の 臨 地 実 習 等 の 機 会 を 捉 え 、地 域 医 療 の
必 要 性 等 に つ い て の 理 解 促 進 に 努 め る こ と 等 、今 後 、老 年 看 護 や
在 宅 看 護 に 対 応 し 得 る 質 の 高 い 看 護 職 員 の 育 成 を 掲 げ て お り 、方
針は適切である。
b 実習指導について
(a)実習機関との連携
実習施設の看護職員と学校の教員との意見や情報交換によ
り 実 習 内 容 に つ い て 共 通 理 解 を 得 る こ と な ど 、実 習 効 果 を 高 め
るための連携を図っているが、必要な対応である。
このような実習課程における問題点や実習効果等の各デー
タ 等 は 、各 科 ご と に 記 録・と り ま と め を 行 っ て 、教 職 員 全 員 で
情 報 を 共 有 し て い る と い う こ と で あ る が 、デ ー タ の 活 用 を 効 率
的 に 行 う た め に 、将 来 的 に は I T を 使 っ て 各 デ ー タ を デ ー タ ベ
ー ス 化 す る こ と を 検 討 す る 必 要 が あ る 。デ ー タ ベ ー ス 化 す る こ
と に よ り 、類 型 化 さ れ た デ ー タ の 検 索 が 容 易 に な り 、ま た 加 工
分 析 す る 等 し て 活 用 す れ ば 、養 成 課 程 の 指 導 業 務 を 効 果 的 に 実
施することが可能となる。
( b )実 習 を 教 育 の 中 心 に 置 い て い る た め 、実 習 を 通 じ て 知 り 得 る
実習先の患者等に係る情報の管理が必要である。
現 状 で は 、萩 看 護 学 校 と 実 習 施 設 で 取 り 交 わ す 委 託 契 約 の 中
に 、秘 密 の 保 持 に 関 す る 項 目 を 加 え 、実 習 生 か ら は 臨 地 実 習 の
説明の中で個人情報保護に関しての確認を行うなどの対策を
講じている。
形 は で き て い る の で 、実 習 生 に 対 し て 個 人 情 報 保 護 の 重 要 性
をより認識させるための研修を定期的に実施することも必要
である。
ま た 、学 校 全 体 と し て の 個 人 情 報 管 理 方 針( 試 行 版 )が 作 成
さ れ 、個 人 情 報 の 保 護 管 理 体 制 が 整 備 さ れ つ つ あ る が 、実 習 先
で の 個 人 情 報 保 護 の 問 題 は 、施 設 側 の 管 理 方 針 も あ る こ と か ら 、
双 方 が 協 議 の 上 、実 習 現 場 で 問 題 が 発 生 し な い よ う に 、実 習 先
での取扱方針についても定める必要があるものと思われる。
(c)実習結果の報告
実 習 施 設 に 実 習 生 の 実 習 結 果 を 報 告 す る こ と に よ り 、実 習 施
設 で あ る 医 療 機 関 の 充 実 に も 資 す る 。こ の こ と は 学 生 が 新 入 職
員 と し て 採 用 さ れ た 場 合 等 、定 着 管 理 に も 役 立 つ こ と が 考 え ら
れ る の で 、個 人 情 報 保 護 の 観 点 に は 配 慮 し つ つ 、実 習 結 果 の 報
告内容を検討することは有益である。
c 看護師の短期離職防止に向けた養成課程上の対応
短期離職者の離職原因について萩看護学校で質問したところ、
252
離 職 し た 医 療 機 関 に お け る「 理 想 と 就 職 現 場 の ギ ャ ッ プ 」と「 看
護技術の未熟」等があるとしている。
日 本 看 護 協 会 の 「 2005 年 看 護 職 員 実 態 調 査 」 結 果 に よ れ ば 、
3 年 以 内 に 転 職 し た 人 の 理 由( 複 数 回 答 )と し て 、
「 他 の 職 場( 医
療 機 関 )へ の 興 味 」が 29.2% で 、転 居 20.9% 、結 婚 13.4% の 順
である。
こ の 調 査 で は 、他 の 職 場 へ の 興 味 が 最 上 位 で あ る が 、そ の 根 底
にあるものは、萩看護学校が分析している上記の原因である。
こ の 問 題 へ の 対 応 と し て 、卒 業 後 に 学 生 が 看 護 業 務 の 困 難 さ を
感じることが少なくなるように、基礎看護技術の習得を基本に
技術経験を積ませる必要がある。そのためには実習をより充実
させる必要がある。また、学生が卒業後、臨床現場において精
神面で問題が生じないように、教育内容について実践教育への
配慮がより一層必要である。以上のことは衛生看護学院におい
ても同様である。
d 学校自己評価の義務化に向けた取組
(a)自己評価の意義
看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針(以下
「 指 針 」 と い う 。) で は 、 次 の よ う に 説 明 し て い る 。
看 護 師 等 養 成 所 と し て 厚 生 労 働 大 臣( 准 看 護 師 養 成 所 に つ い て は 都
道 府 県 知 事 )の 指 定 を 受 け た 養 成 所 は 、以 後 、養 成 所 と し て の「 教 育
水 準 の 維 持・向 上 」と「 創 意 工 夫 の あ る 教 育 の 追 究 」を 図 る こ と に よ
っ て 、常 に 質 の 高 い 看 護 師 等 を 養 成 し て い く 責 任 と 義 務 が あ る 。各 養
成 所 は そ の た め の「 内 部 的 品 質 保 証 の 仕 組 み 」を 持 つ 必 要 が あ り 、こ
の内部的品質保証の仕組みが「自己点検・自己評価」である。
(b)目的
設 置 団 体 お よ び 管 理 者 は 、養 成 所 の 教 育 理 念 の 基 に 教 育 目 的
が ど の よ う に 達 成 さ れ て い る の か に つ い て 、ま た 、養 成 所 と し
て の 水 準 を ど の よ う に 維 持・向 上 さ せ て い る の か を 自 己 点 検 ・
自己評価するため
(c)取組
自 己 評 価 を し 、公 表 す る こ と が 上 記 の「 指 針 」に は 記 載 さ れ
て お り 、現 在 は 努 力 義 務 で あ る が 、今 後 自 己 評 価 の 義 務 化 が 予
想 さ れ る こ と か ら 、平 成 16 年 11 月 に 自 己 評 価 委 員 会 を 設 置 し 、
対応している。
「 指 針 」で は 9 項 目 の 評 価 項 目 に な っ て い る が 、
平 成 17 年 度 は 「 授 業 ・ 学 習 ・ 評 価 課 程 」 の 一 部 に つ い て 自 己
評価を行い、検討を進めている。
萩 看 護 学 校 は 、看 護 師 養 成 業 務 の 質 を 高 め る た め に 、自 己 点
253
検・自 己 評 価 を 循 環 的 、継 続 的 に 行 い 、評 価 結 果 を 活 用 し て 学
校 の 維 持 、発 展 に つ な が る よ う に す べ き で あ る 。ま た 、
「指針」
で は 評 価 結 果 の 公 表 を 定 め て お り 、萩 看 護 学 校 は 県 立 施 設 と し
て業務の説明責任を果たす観点と学校のPRの観点から実施
に向けて検討する必要がある。
254
第6 山口県立東部高等産業技術学校
1 概要
(1)設置
山 口 県 立 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校 は 、 職 業 能 力 開 発 促 進 法 ( 昭 和 44 年
法 律 第 64 号 )、 山 口 県 立 職 業 能 力 開 発 校 条 例 ( 昭 和 54 年 山 口 県 条 例 第
3 号 )に よ り 、職 業 に 必 要 な 労 働 者 の 能 力 の 開 発 と 向 上 を 促 進 し 、も っ
て 職 業 の 安 定 と 労 働 者 の 地 位 の 向 上 を 図 る と と も に 、経 済 及 び 社 会 の 発
展に寄与することを目的として設置運営されている。
(2)所在地
周 南 市 瀬 戸 見 町 15- 1
ホームページアドレス
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/rodo-s/koyo-n/g-school/5workco1.htm
(3)沿革
昭 和 44 年 4 月
昭 和 50 年 4 月
平成
2年 4月
職業訓練法の改正により、大島・柳井・徳山の各職
業訓練所をそれぞれ山口県立専修職業訓練校大島・
柳井・徳山技能専門校と改称
山口県立専修職業訓練校大島・柳井・徳山技能専門
校を統合し、山口県立東部高等職業訓練校を開設
校名を「山口県立東部高等産業技術学校」に改称
(4)訓練方針及び目標
山 口 県 立 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校 で は 、I T 技 術 の 急 速 な 進 歩 、経 済 の
グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 、 さ ら に は 少 子・ 高 齢 化 の 進 行 な ど に よ る 産 業 構 造
や 雇 用 形 態 の 大 き な 変 化 に 対 応 し 、即 戦 力 と な る 技 術 者 ・ 技 能 者 の 養 成
をめざし、次のような方針や目標のもとに運営に努めている。
① 自信と誇りを持たせる訓練の推進
② 生き甲斐をはぐくむ訓練の確立
③ 新技術に対応し、地域に密着した訓練の拡充
255
(5)組織
職 員 数 : 22 人 ( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
校長(1)
訓練部長(1)
( )内の数字は職員数を示す。
(3)
管理部長(1)
副部長(1)
(企画・就職支援担当)
(1)
メカニカルデザイン科 (2)
グラフィックデザイン科(1)
機械加工科
(2)
自動車整備科
(1)
設備システム科
(2)
理容科
(1)
美容科
(1)
エクステリア・造園科 (1)
溶接科
(1)
自動車整備科
副部長(1)
(能力開発担当)
主査(1)
(臨時訓練等担当)
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 よ り 1 人 多 く 23 人 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職 員 数 、人 件 費 金 額 の 推 移
区 分
事務職(金額)
(人数)
( 単 位:千 円 、人 )
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
173,078
22
171,725
22
179,865
24
188,028
25
165,193
22
7,867
7,806
7,494
7,521
7,509
5,376
1
5,331
1
5,276
1
4,879
1
7,600
1
5,376
5,331
5,276
4,879
7,600
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
共済費(正規職員)
16,582
17,343
19,041
19,302
17,837
正規職員計(金額)
(人数)
195,036
23
194,399
23
204,182
25
212,209
26
190,629
23
8,480
8,452
8,167
8,162
8,288
非常勤職員(金額)
(人数)
48,688
22
53,408
24
47,716
22
44,148
21
44,601
22
その他(金額)
11,427
10,608
9,096
8,704
9,283
5,811
7,117
6,121
5,674
5,817
1 人当たり人件費
共済費(非常勤・臨時等)
非常勤・臨時等計(金額)
65,926
71,133
62,933
58,526
59,701
合計(金額)
260,962
265,532
267,115
270,735
250,330
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 構 成 の 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
10
7
4
2
23
44.9
平成 17 年度
0
13
5
3
2
23
48.0
正 規 職 員 の 平 均 年 齢 は 、 3.1 歳 高 齢 化 し て い る 。
256
(7)主要施設の状況
区
分
学校敷
13,502.78
種別
有
物
合計
県
面積(㎡)
13,080.00
建
地
学校敷
借用
土
県有
種別
26,582.78
区
校舎建
車庫建
雑屋建
倉庫建
寄宿舎建
校舎建
合計
分
面積(㎡)
7,387.76
296.86
56.61
58.26
2,310.46
1,765.27
11,875.22
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
201
222
332
243
財産売払収入
214
215
207
98
預金利子
259
0
0
0
0
15,207
15,622
7,997
8,434
8,782
9,321
11,548
11,889
10,022
10,281
256,650
153,766
177,689
257,561
250,291
272,272
162,200
187,010
269,450
260,572
48,688
53,408
47,716
44,148
44,601
5,811
7,117
6,121
5,674
5,817
賃金
11,427
10,608
9,096
8,704
9,283
報償費
34,557
28,078
26,149
16,758
31,392
6,598
5,676
4,614
3,447
3,167
24,275
23,541
23,404
22,063
22,037
24,217
23,507
23,371
22,053
22,027
58
2,962
34
3,276
33
3,090
10
4,609
10
3,501
69,717
60,379
90,708
76,744
73,098
使用料及び賃借料
3,633
5,126
3,390
1,985
171
工事請負費
5,250
8,757
6,195
雑入
小計
当校以外の調定分
収入合計
支出
報酬
共済費
旅費
需用費
一般需用費
食糧費
役務費
委託料
原材料費
備品購入費
負担金補助及び交付金
補償補填及び賠償金
小計
3,924
3,392
3,306
3,290
3,416
84,309
2,178
4,806
26,069
58,118
241
157
128
230
735
0
11
21
0
0
301,392
202,947
222,549
222,478
261,531
9,946
4,327
77,056
26,270
195,036
194,399
204,181
212,208
190,629
496,428
△ 224,156
407,292
△ 245,092
431,057
△ 244,047
511,742
△ 242,292
478,430
△ 217,858
当校以外の予算執行分
正規職員人件費
支出合計
収支差額
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
257
2
監査結果
山 口 県 立 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校( 以 下「 東 部 高 等 産 業 技 術 学 校 」と い う 。)
の 財 務 事 務 は 、以 下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基
づき、概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電 柱・支 線 な ど の 設 置 に 係 る 土 地 使 用 、自 動 販 売 機 設 置 に 係 る 建
物使用などの行政財産使用料がある。
(イ)監査手続
行 政 財 産 使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、 調 定 票 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定
収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い て 使 手 条 例 等 と
照合した。
(ウ)監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を受
け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 当 該 記 載 が さ れ て い な か っ た 。そ の 他
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 雑入
(ア)概要
主に在職者を対象にした職業訓練に係る受講料徴収分である。
(イ)監査手続
受 講 料 に つ い て 調 定 票 、歳 入 調 書 、受 講 者 名 簿 を 照 合 し た 。ま た 、
受 講 料 に つ い て は 講 習 経 費 積 算 表 を 閲 覧 し 、受 講 料 の 妥 当 性 を 検 討
した。
(ウ)監査結果
照 合 の 結 果 、特 記 す べ き 事 項 は な か っ た 。受 講 料 に つ い て は 職 員
の 時 間 外 手 当 、講 師 料 、講 師 旅 費 、水 熱 光 費 、テ キ ス ト 代 な ど 実 費
を定員数で割って算定している。
(エ)意見
庭木の剪定について東部高等産業技術学校では無料で実施して
いるが、西部高等産業技術学校と同様に有料で行うべきである。
ウ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
離職者等再就職訓練事業委託費
91,177
電源立地地域対策交付金
77,607
離職者等職業訓練費交付金
75,257
258
(イ)監査手続
国 庫 交 付 金 に つ い て は 、交 付 申 請 書 、交 付 決 定 通 知 書 、実 績 報 告
書、確定通知書などを閲覧した。
委 託 事 業 収 入 に つ い て は 、申 込 書 類 、決 裁 書 類 、委 託 契 約 書 、業
務報告書などを閲覧した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書を照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書を照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、支 出 調 書 、時 間 講 師 実
績 調 書 、就 業 点 検 簿 を 照 合 、書 類 の 不 備 、不 整 合 の 有 無 を 確 認 し た 。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票と照合し、書類の不備、不
整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
259
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 の 過 去 5 年 間 の 推 移 は 次 の と
おりである。
(単位:千円、%)
業務名
年度
建物警備業務
平成 13 年度
契約金額(a)
796
予定価格(b)
796
落札率(a/b)
100.0%
委託先
A社
(平成 13 年度随意契約 平成 14 年度
796
796
100.0%
A社
平成 15 年度
796
796
100.0%
A社
随意契約(4 号),平成17 平成 16 年度
年度随意契約(6 号)) 平成 17 年度
796
796
100.0%
A社
796
796
100.0%
A社
平成 13 年度
258
258
99.7%
B社
平成 14 年度
平成 15 年度
295
286
295
286
100.0%
100.0%
B社
B社
平成 16 年度
286
286
100.0%
B社
平成 17 年度
315
424
74.2%
C社
平成 13 年度
421
421
99.8%
D社
平成 14 年度
ごみ処理業務
平成 15 年度
(随意契約(1 号))
平成 16 年度
463
464
99.9%
D社
463
463
100.0%
D社
463
463
100.0%
D社
平成 17 年度
648
648
100.0%
D社
平成 13 年度
84
84
100.0%
E社
平成 14 年度
健康診断業務
平成 15 年度
(随意契約(2 号))
平成 16 年度
平成 17 年度
89
89
100.0%
E社
91
91
100.0%
E社
91
123
91
123
100.0%
100.0%
E社
E社
(2 号),平成 14~16 年度
自家用電気工作物
保守業務
(随意契約(1 号))
260
備考
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
定型的業務については、契約の手続は概ね 適 切 に 処理 さ れ て い た。
エ 意見
( ア )当 校 で は 、職 業 訓 練 業 務 に つ い て 民 間 の 業 者 へ 業 務 を 委 託 し て 実
施しているものがある。例えば、医療・介護事務科、経理・OA、
不 動 産 実 務 な ど の 職 業 訓 練 業 務 が あ る 。こ れ ら の 委 託 業 務 に お い て
は 、訓 練 実 施 委 託 費 の ほ か に 、
「 就 職 支 援 報 償 費 支 援 要 領 」及 び「 就
職 状 況 に 係 る 確 認 調 査 実 施 マ ニ ュ ア ル 」に 基 づ き 報 償 費 が 支 払 わ れ
ることとなっている。
「 就 職 支 援 報 償 費 支 援 要 領 」 に お い て は 、「「 平 成 17 年 度 臨 時 訓
練 事 業 実 施 要 領 」 及 び 国 の 「 委 託 訓 練 実 施 要 領 」( 厚 生 労 働 省 通 達
平 成 13 年 12 月 3 日 付 能 発 第 519 号 )に 基 づ き 、山 口 県 立 高 等 産 業
技 術 学 校 長 が 、民 間 教 育 訓 練 機 関 等 に 委 託 し て 実 施 す る 職 業 訓 練 に
係 る 就 職 支 援 報 償 費 の 支 給 に 関 し 必 要 な 事 項 を 定 め る 。」 と し 、 委
託 訓 練 終 了 日 の 翌 日 か ら 起 算 し て 、 90 日 間 経 過 し た 日 ま で の 就 職
ま た は 内 定 状 況 の 報 告 に よ り 、そ の 就 職 率 に 応 じ て 1 人 1 月 当 た り
の就職支援報償費の単価に訓練生数及び訓練実施月数を乗じて得
た額を就職支援報償費として訓練委託先機関に支給されている。
就職率
就職支援報償費の単価(訓練生1人1月当たり)
70%以上
21,000 円
50%以上 70%未満
10,500 円
50%未満
支給なし
就 職 支 援 報 償 費 の 基 礎 と な る 就 職 率 の 算 定 に お い て は 、就 職 及 び
内 定 の 内 容 が 、常 用 労 働 、パ ー ト タ イ ム 労 働 、派 遣 労 働 等 、そ れ 以
外 の 労 働 及 び 自 営 業 と さ れ て い る 。ま た 、
「「 就 職 状 況 に 係 る 確 認 調
査 実 施 マ ニ ュ ア ル 」 等 に つ い て 」( 平 成 16 年 9 月 24 日 付 け 能 発 第
0924002 号 ) に お い て 、「 就 職 者 」 の 考 え 方 と し て 「 役 員 及 び 自 営
業 を 開 始 す る 場 合 を 除 き 、例 え ば 、家 業 を 手 伝 う と い っ た 場 合 や 内
職 者 、シ ル バ ー 人 材 セ ン タ ー が 有 償 で 請 負 い 提 供 す る 仕 事 へ の 就 業
者 等 、 雇 用 関 係 の な い も の は 含 ま れ な い も の で あ る こ と 。」 と さ れ
ている。
261
実 際 の 運 用 に つ い て の 質 問 で は 、就 職 及 び 内 定 者 に は 、訓 練 内 容
と は 異 な る 業 種 で も 就 職 支 援 報 償 費 の 支 給 の 対 象 と な る こ と 、短 期
のアルバイトや就職して短期間で離職した場合でも支給の対象と
な る 旨 回 答 が あ っ た 。実 際 の 雇 用 形 態 に つ い て み る と 次 の よ う な 状
況である。
雇用形態
常用
医療・介護事務科の職業訓練
パート・アルバイト
未就職
情報ビジネス科の職業訓練
介護実務・事務科の職業訓練
人数
7名
7名
10 名
常用
4名
パート・アルバイト
8名
派遣社員
内定
3名
1名
未就職・退校
8名
常用
4名
パート・アルバイト
派遣社員
4名
2名
内定
1名
未就職・退校
8名
雇用形態は、パート・アルバイトの比率が高い。また、支給は、
就 職 の み を 対 象 と し て お り 、例 え 短 期 間 で 退 職 と な っ て も 対 象 と な
る 。ま た 、就 職 先 の 業 種 が 職 業 訓 練 内 容 と 関 連 し て い な い も の も み
られる。
就 職 支 援 報 償 費 は 、訓 練 の 成 果 を 出 す た め の イ ン セ ン テ ィ ブ の 意
味 合 い が あ る こ と か ら 、支 給 に つ い て は 、訓 練 の 成 果 を 重 視 す る こ
と が 本 来 で あ る と 考 え ら れ る 。こ の こ と か ら す れ ば 、就 職 支 援 報 償
費 の 支 給 は 、ア ル バ イ ト は 対 象 外 と す る こ と 、一 定 期 間 の 就 業 の 実
績 を 求 め る こ と 、訓 練 と 関 連 す る 業 種 を 対 象 と す る こ と が 望 ま し い
と考えられる。
な お 、就 職 支 援 報 償 費 は 、西 部 高 等 産 業 技 術 学 校 で も 同 様 の 支 出
が行われており、意見は同様である。
( イ ) 平 成 17 年 度 に 実 習 棟 ア ス ベ ス ト 除 去 工 事 が 行 わ れ て い る 。 こ の
工 事 は 平 成 17 年 7 月 に 雇 用 ・ 能 力 開 発 課 よ り ア ス ベ ス ト の 調 査 依
頼 が あ り 、そ の 結 果 に 基 づ い て 行 わ れ た も の で あ る 。し か し 、ア ス
ベ ス ト は 、 平 成 17 年 度 以 前 か ら 問 題 と な っ て い る も の で あ る 。 平
成 17 年 度 以 前 に 行 っ た 調 査 に つ い て 、 実 施 状 況 の 記 録 が 残 っ て い
な い が 、当 時 は 業 者 に 依 頼 せ ず 職 員 で 行 っ た の で は な い か と の こ と
で あ る 。ア ス ベ ス ト 問 題 は 、重 要 な 事 項 で あ り 、慎 重 な 対 応 が 必 要
である。
262
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に 当 た り 、会 計 規 則 に 従 い 、指 名 競 争 入 札 、随 意 契
約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続 が 行
われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ て
おり、特記すべき事項はなかった。
(5)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 や 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調 査 が
行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ
監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
(6)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )機 器 に つ い て は 、訓 練 業 務 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ て い る か 、
遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い る か を 確 認
した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きの妥当性を検証した。
イ 監査結果
(ア)保管転換により受け入れた訓練用機器について
平 成 17 年 度 に 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校 よ り 受 け 入 れ た 訓 練 用 機 器
は 、西 部 校 に お い て 物 品 規 則 に 定 め る 保 管 転 換 の 手 続 き が 未 了 で あ
る 。東 部 校 は 物 品 保 管 転 換 通 知 書 を 受 領 し て い な い た め 、物 品 管 理
簿 を 作 成 し て い な い 。西 部 校 に 対 し 早 急 に 手 続 き を 執 る よ う に 依 頼
し、機器の適切な管理を行う必要がある。
(イ)物品の現物管理について
現 品 に 貼 付 し て あ る 物 品 標 示 票 の 番 号 と 、備 品 管 理 簿 の 番 号 が 違
っ て い る ケ ー ス が 2 件 あ っ た 。担 当 者 は 物 品 標 示 票 に は 指 定 物 品 番
号 表 か ら 入 手 し た 番 号 を 記 載 し 、備 品 管 理 簿 に は 種 類 を 同 じ く す る
備品の一連番号を記載するという誤った処理を行ったためである
263
が、物品標示票の番号を備品管理簿の番号に改める必要がある。
(ウ)廃棄決定済みの訓練用機器の処分未処理
平 成 17 年 度 で 配 管 科 が 廃 止 に な り 大 量 の 機 器 を 処 分 す る こ と に
な っ た 。 処 分 し た 機 器 ( 取 得 価 額 1 万 円 以 上 ) 37 件 の う ち 、 購 入
し た 業 者 に 引 き 取 っ て も ら っ た 6 件 を 除 く 31 件 に つ い て は 、 未 だ
校 内 に 保 有 さ れ て い た 。廃 棄 処 分 が 遅 れ て い る 理 由 は 、廃 棄 コ ス ト
が か さ む と い う こ と で あ る が 、い つ か の 時 点 で は 廃 棄 す る 必 要 が あ
り 、施 設 の ス ペ ー ス を 有 効 に 活 用 す る た め に も 、廃 棄 コ ス ト の 軽 減
策を検討の上、予算化し、機器の処分を進める必要がある。
ウ 意見
(ア)機器の使用状況について
a 訓 練 用 機 器 の 使 用 状 況 に つ い て は 、制 度 的 に 記 録 す る よ う に な
っ て い な い 。 た だ し 、 平 成 17 年 度 に つ い て は 機 器 の 使 用 状 況 を
把 握 す る た め 、機 器 活 用 状 況 報 告 書 を 作 成 し て い る 。こ れ は 科 ご
との担当教官が年間訓練カリキュラムの時間を積み上げて作成
し た も の で あ る が 、こ う し た 報 告 書 は 今 後 の 機 器 の 整 備 計 画 に 反
映させるためにも継続して作成することが必要である。
b 機 器 の 使 用 状 況 の 例 と し て 、エ ク ス テ リ ア・造 園 科 造 園 C A D
シ ス テ ム に つ い て 、a の 機 器 活 用 状 況 報 告 書 か ら 過 去 3 年 間 の 稼
動状況を示すと以下のとおりである。
造園CADシステム
平 成 15 年 度
平 成 16 年 度
平 成 17 年 度
1回
1回
1回
こ の 機 器 は 平 成 13 年 度 に 2,399 千 円 で 購 入 さ れ た も の で あ る
が 、当 時 の 物 品 調 達 等 審 査 会 で は 購 入 、選 定 理 由 等 は 次 の よ う に
記されている。
「 造 園 業 界 に お け る 設 計 図 面 は 、パ ソ コ ン の 普 及 に よ り 従 来 の
手 書 き か ら C A D に よ る も の へ と 変 化 し て き て い る 。現 場 経 験 の
浅 い 訓 練 生 に と っ て は 、空 間 や 材 料 等 の イ メ ー ジ が し に く く 製 図
作業が進まなくなるが、CADシステムを導入することにより、
実感の得られる図面が短時間の内に様々なデザインで作成でき
る 。」
この機器は上記の選定理由により業界から若い人が求めてい
る と の 要 望 に 応 え る た め に 設 置 さ れ た も の で あ る が 、現 実 に は 高
齢 の 訓 練 生 の 入 所 が ほ と ん ど で あ る た め 、 平 成 15,16,17 年 度 の
利 用 は 年 に 1 回 、現 物 を 見 せ て い る だ け で あ る 。当 時 の 審 査 会 の
議 事 録 で は 、審 査 の 結 果 は「 異 議 な し 」で あ り 、結 論 に 至 っ て は
空白であった。
上 記 の こ と か ら 、機 器 の 選 定 に 当 た り 物 品 審 査 会 の 審 査 が 適 切
に 行 わ れ た の か 、あ る い は 審 査 会 議 事 録 の 記 載 の 不 備 な の か 明 ら
か で は な い が 、 購 入 手 続 き に 問 題 が あ る 。( 過 年 度 分 で あ る の で
264
意 見 と し て 記 載 )こ の こ と が 利 用 度 の 低 い 機 器 の 購 入 の 原 因 に な
っ て い る と す れ ば 大 変 な 問 題 で あ る 。今 後 、機 器 選 定 の 決 定 経 過
を 明 確 に す る た め に 、物 品 調 達 等 審 査 会 の 議 事 録 に は 審 査 の 経 過
及 び 結 論 を 詳 細 に 記 載 し 、そ の こ と に よ り 、審 査 会 の 審 査 と 責 任
の所在が明確になるようにする必要がある。
(イ)遊休備品が把握されていないこと
マシニングセンター室にあるR社製のプログラム作成機は埃を
被 っ て お り 、明 ら か に 長 期 間 に わ た っ て 使 用 さ れ た 形 跡 が な い た め 、
担 当 者 に 質 問 し た と こ ろ 、R 社 製 の 後 継 機 種 と し て M 社 製 を 導 入 し
てから、使用されたことがないとの回答を得た。指定物品(1台
200 万 円 以 上 )に つ い て は す べ て 稼 動 し て い る こ と が 確 認 で き た が 、
指定物品以外の備品については学校として稼動状況を把握してい
な い こ と が 判 明 し た 。早 期 に す べ て の 備 品 の 現 物 確 認 を 行 い 、遊 休
備 品( 1 台 200 万 円 未 満 )に つ い て は 、不 要 な も の は 不 用 の 決 定 を
するなど、備品の整理を行う必要がある。
(7)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
郵便切手の受払簿の押印漏れについて
受 払 簿 の 払 出 欄 に は 使 用 者 印 欄 が あ り 、監 査 対 象 年 度 分 に つ い て
2 件 押 印 漏 れ が あ っ た 。誰 に 払 い 出 し た か を 明 ら か に し て お く 必 要
がある。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、下記を除き特記すべき事項はなかった。
1万円以上の現金が領収日の翌々日に払い込まれていた。
講座名
第2種電気工事士(実技)
領収日
振込日
7 月 11 日
7 月 13 日
金 額 (円 )
312,000
会 計 規 則 第 32 条 で は 、 現 金 を 直 接 収 納 し た 場 合 は 即 日 ( や む を
得 な い 理 由 が あ る 場 合 は 当 該 理 由 が や ん だ 後 直 ち に )払 い 込 む の が
原則となっている。会計規則の遵守を徹底する必要がある。
265
第7 山口県立西部高等産業技術学校
1 概要
(1)設置
東部高等産業技術学校と同様である。
(2)所在地
下 関 市 千 鳥 ヶ 丘 町 21- 3
ホームページアドレス
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/rodo-s/koyo-n/g-school/5workco1.htm
(3)沿革
昭 和 33 年 7 月
昭 和 44 年 10 月
昭 和 54 年 4 月
昭 和 55 年 4 月
平成 2 年 4 月
平 成 13 年 4 月
山 口 県 立 豊 北 職 業 訓 練 所 を 豊 北 町 に 、山 口 県 立 宇 部
職業訓練所を宇部市に開設
職業訓練法の一部改正により職業訓練所が専修職
業訓練校となる
職 業 訓 練 法 の 一 部 改 正 に 基 づ き 、専 修 職 業 訓 練 校 が
職業訓練校となる
宇部、豊北の両職業訓練校を上記所在地に統合し、
山口県立西部高等職業訓練校となる
名称を上記から山口県立西部高等産業技術学校に
改める
西部女性就業センターの事務を引き継ぐ
(4)訓練方針及び目標
山 口 県 立 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校 で は 、技 術 革 新 、情 報 化 、サ ー ビ ス 経
済化の進展、産業構造の高度化など社会環境変化に対応し、即戦力とな
る技術・技能者の養成をめざし、次のようなことを目標として運営に努
めている。
① 企業が求めるスペシャリストを育成する。
② 地域産業と経済の発展に貢献する人材を育成する。
③ 専 門 的 知 識 に 加 え 、社 会 人 と し て の 常 識 や マ ナ ー を 備 え た「 企 業 の
即戦力」を育成する。
④ 「 新 規 卒 業 者 」及 び「 離 転 職 者 」の そ れ ぞ れ を 対 象 と し た コ ー ス を
設定し、訓練生を育成する。
266
(5)組織
職 員 数 : 20 人 ( 兼 務 1 人 )( 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 )
組織:
管 理 部 (1)
(
(3)
)内 の 数 字 は 職 員 数 を 示 す 。
校 長 (1)
訓 練 部 (1)
副 部 長 (1)
(1)
副 部 長 (1)
自動車整備科
(2)
配管科
(1)
インテリア木工科
(1)
木造建築科
(3)
観光ビジネス科
(1)
左官・タイル施工科
(1)
エ ク ス テ リ ア ・ 造 園 科 (1)
電 気 工 事 ・ 設 備 科 (副 部 長 兼 )
(1)
臨時訓練
( 平 成 17 年 度 の 正 規 職 員 数 は 、 平 成 18 年 度 と 同 数 の 20 人 で あ る 。)
(6)職員の状況
① 職員数・人件費金額の推移
(単 位 : 千 円 、 人 )
区 分
平成 13 年度
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
193,551
23
8,415
195,957
23
8,520
193,708
24
8,071
180,440
22
8,202
154,416
19
8,127
6,748
1
6,728
1
6,607
1
6,626
1
6,743
1
6,748
6,728
6,607
6,626
6,743
共済費(正規職員)
18,276
19,082
20,614
18,433
16,399
正規職員計(金額)
(人数)
218,575
24
221,767
24
220,929
25
205,499
23
177,557
20
9,107
9,240
8,837
8,935
8,878
33,342
15
32,790
15
34,422
15
34,158
16
32,333
15
その他(金額)
9,656
10,064
9,424
9,230
8,868
共済費(非常勤・臨時等)
3,469
4,661
4,810
4,946
4,727
非常勤・臨時等計(金額)
46,467
47,515
48,656
48,334
45,928
合計(金額)
265,042
269,282
269,585
253,833
223,485
事務職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
現業職(金額)
(人数)
1 人当たり人件費
1 人当たり人件費
非常勤職員(金額)
(人数)
267
②
正 規 職 員 の 年 齢 別 比 較 ( 平 成 13 年 度 と 平 成 17 年 度 )
(単位:人、歳)
60 代以上
50 代
40 代
30 代
20 代
合計
平均年齢
平成 13 年度
0
12
7
3
2
24
46.3
平成 17 年度
0
12
3
5
0
20
48.7
正 規 職 員 の 平 均 年 齢 は 、 2.4 歳 高 く な っ て い る 。
(7)主要施設の状況
種別
区
分
敷地
(内 グランド)
面積(㎡)
種別
分
面積(㎡)
本館棟
3,253
(5,200)
実習棟
3,942
520
造園実習棟
総合実習棟
180
317
物
地
向上訓練実習棟
建
土
合計
区
35,237
寄宿舎棟
1,414
体育館(講堂)
995
倉庫・車庫
688
屋外実習棟等
156
旧女性センター棟
795
35,237
合計
12,260
(8)財務の状況
(単位:千円)
項 目
平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度
収入
使用料
財産売払収入
預金利子
雑入
小計
当校以外の調定分
収入合計
203
253
244
172
193
4,219
4,505
4,374
3,318
3,410
0
0
0
0
2
6,207
10,629
6,658
11,416
7,195
11,813
5,984
9,474
6,688
10,293
217,806
130,974
160,935
182,365
241,786
228,435
142,390
172,748
191,839
252,079
33,342
32,790
34,422
34,158
32,333
3,469
4,661
4,810
4,946
4,727
支出
報酬
共済費
賃金
報償費
旅費
需用費
一般需用費
食糧費
役務費
9,656
10,064
9,424
9,230
8,868
14,277
17,256
18,435
11,735
31,726
3,788
3,917
4,631
2,673
2,811
17,306
17,561
19,211
16,766
15,034
17,248
17,528
19,179
16,757
15,015
58
2,653
33
3,105
32
3,744
9
3,590
19
2,785
268
委託料
54,436
54,833
68,183
95,966
92,551
200
133
251
251
216
工事請負費
6,257
0
0
0
0
原材料費
7,520
6,667
9,421
7,524
9,754
73,341
3,241
7,213
6,642
14,843
160
218
216
202
744
4
0
0
0
0
226,409
154,446
179,961
193,683
216,392
使用料及び賃借料
備品購入費
負担金補助及び交付金
補償補填及び賠償金
小計
当校以外の予算執行分
9,640
0
0
10,603
50,620
正規職員人件費
支出合計
218,575
454,624
221,767
376,213
220,929
400,890
205,499
409,785
177,557
444,569
収支差額
△ 226,189
△ 233,823
△ 228,142
△ 217,946
△ 192,490
※
収支差額のマイナス金額は、県の財政負担額である。
269
2
監査結果
山 口 県 立 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校( 以 下「 西 部 高 等 産 業 技 術 学 校 」と い う 。)
の 財 務 事 務 は 、以 下 の 指 摘 事 項 の 部 分 を 除 き 、総 合 的 に は 関 係 法 令 等 に 基
づき、概ね適正に処理されていると認められる。
なお、監査結果に関連する意見を含めて記載している。
(1)収入に関する財務事務
ア 使用料
(ア)概要
電 柱・支 線 な ど の 設 置 に 係 る 土 地 使 用 、自 動 販 売 機 設 置 に 係 る 建
物使用などの行政財産使用料がある。
(イ)監査手続
行 政 財 産 使 用 許 可 申 請 書 を 閲 覧 し 、 調 定 票 、 領 収 書 ( 控 )、 調 定
収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 使 用 料 金 額 に つ い て 使 手 条 例 等 と
照合した。
(ウ)監査結果
行政財産の使用料の減免を受ける場合は許可申請書に減免を受
け る 旨 の 付 記 が 必 要 で あ る が 当 該 記 載 が さ れ て い な か っ た 。そ の 他
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 財産売払収入
(ア)概要
ブ ロ ッ ク 積 み 工 事 、庭 木 剪 定 、庭 園 工 事 、モ ル タ ル 塗 り な ど の 実
習に伴う収入と生産物(犬小屋)売却に伴う収入があった。
(イ)監査手続
実 習 収 入 に つ い て 実 習 申 込 書 、決 裁 書 類 、製 品 調 書 、契 約 書 、引
取 書 、調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表 を 照 合 し た 。ま た 製 品 調 書 を 閲
覧し、収入額の積算根拠を検証した。
犬 小 屋 に つ い て は 生 産 品 処 理 調 書 、 領 収 書 ( 控 )、 払 込 書 兼 領 収
書、調定票を照合した。
(ウ)監査結果
照 合 の 結 果 、特 記 す べ き 事 項 は な か っ た 。実 習 収 入 額 の 積 算 根 拠
の 検 証 の 結 果 、直 接 経 費( 旅 費 な ど )及 び 直 接 材 料 費 に つ い て は 実
費 、間 接 費 に つ い て は「 高 等 産 業 技 術 学 校 に お け る 実 技 訓 練 に 伴 う
実 習 製 品 の 取 り 扱 い に つ い て 」に 従 っ て 、材 料 費 に 係 数 を 乗 じ て 算
定している。
ウ 雑入
(ア)概要
主に在職者を対象にした職業訓練についての受講料徴収分であ
る。
270
(イ)監査手続
受 講 料 に つ い て 調 定 票 、歳 入 調 書 、受 講 者 名 簿 を 照 合 し た 。ま た 、
受 講 料 に つ い て は 講 習 経 費 積 算 表 を 閲 覧 し 、受 講 料 の 妥 当 性 を 検 証
した。
(ウ)監査結果
照 合 の 結 果 、特 記 す べ き 事 項 は な か っ た 。受 講 料 に つ い て は 職 員
の 時 間 外 手 当 、講 師 料 、講 師 旅 費 、水 熱 光 費 、テ キ ス ト 代 な ど 実 費
を定員数で割って算定している。
エ 本庁で調定した収入
(ア)概要
主な内容は以下のとおりである。
事業名
金額(千円)
離職者等再就職訓練事業委託費
91,478
電源立地地域対策交付金
76,394
離職者等職業訓練費交付金
61,812
(イ)監査手続
国 庫 交 付 金 に つ い て は 、交 付 申 請 書 、交 付 決 定 通 知 書 、実 績 報 告
書、確定通知書などを閲覧した。
委 託 事 業 収 入 に つ い て は 、申 込 書 類 、決 裁 書 類 、委 託 契 約 書 、業
務報告書などを閲覧した。
(ウ)監査結果
特記すべき事項はなかった。
(2)歳出に関する財務事務
ア 報酬
(ア)監査手続
非 常 勤 嘱 託 職 員 に 関 す る 人 事 異 動 通 知 書 、勤 務 実 績 簿 、給 与 支 給
明細書と照合し、書類の不備、不整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
イ 共済費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 調 書 、 証 憑 書 類 、 資 金 前 渡
精算書と照合した。
(イ)監査結果
書類の不備及び不整合はなく、計算の正確性、合規性について特
記すべき事項はなかった。
271
ウ 報償費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、支 出 調 書 、時 間 講 師 実
績 調 書 、就 業 点 検 簿 と 照 合 、書 類 の 不 備 、不 整 合 の 有 無 を 確 認 し た 。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
エ 旅費
(ア)監査手続
平 成 17 年 度 3 月 計 上 分 に つ い て 支 出 負 担 行 為 ・ 支 出 票 、 旅 費 請
求書、旅費精算書、赴任証明書、住民票を照合し、書類の不備、不
整合の有無を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
オ 役務費
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、証 憑 書 類 、請 求 書 、資
金前渡精算書の保管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
カ 使用料及び賃借料
(ア)監査手続
支 出 負 担 行 為・支 出 票 か ら 任 意 に 抽 出 し 、契 約 書 及 び 請 求 書 の 保
管状況及び資料間の整合性を確認した。
(イ)監査結果
書 類 の 不 備 及 び 不 整 合 は な く 、計 算 の 正 確 性 、合 規 性 に つ い て 特
記すべき事項はなかった。
(3)業務委託契約等に関する財務事務
ア 概要
平 成 17 年 度 の 定 型 的 な 業 務 委 託 契 約 に つ い て 過 去 5 年 間 の 推 移 は
次のとおりである。
272
(単位:千円、%)
業務名
年度
契約金額(a)
予定価格(b)
落札率(a/b)
委託先
平成 13 年度
806
806
100.0%
A社
平成 14 年度
849
850
99.9%
A社
平成 15 年度
832
849
98.0%
A社
平成 16 年度
832
832
100.0%
A社
平成 17 年度
832
832
100.0%
A社
平成 13 年度
平成 14 年度
216
216
216
216
100.0%
100.0%
B社
B社
平成 15 年度
194
217
89.3%
B社
平成 16 年度
189
209
90.6%
B社
平成 17 年度
189
209
90.6%
B社
平成 13 年度
416
454
91.7%
C社
平成 14 年度
可燃物処理業務
平成 15 年度
(随意契約(4 号))
平成 16 年度
403
441
91.4%
C社
397
424
93.6%
C社
391
404
96.6%
C社
平成 17 年度
378
378
100.0%
C社
平成 13 年度
38
42
90.0%
D社
平成 14 年度
健康診断業務
平成 15 年度
(随意契約(4 号))
平成 16 年度
40
40
100.0%
D社
40
40
40
40
100.0%
100.0%
D社
D社
平成 17 年度
38
40
95.3%
D社
平成 13 年度
487
487
100.0%
E社
平成 14 年度
487
487
100.0%
E社
平成 15 年度
487
487
100.0%
E社
平成 16 年度
487
487
100.0%
E社
平成 17 年度
487
487
100.0%
E社
校舎警備業務
(平成13~16 年度随
意契約(4 号),平成17
年度随意契約(6 号))
電気設備保安業務
(随意契約(4 号))
冷温水機保守業務
(平成13~16年度
随意契約(1 号),平
成17年度随意契約
(2 号))
備考
イ
監査手続
業務委託契約、営繕工事等に係る契約について、会計規則に従い、
指 名 競 争 入 札 、随 意 契 約 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、執 行 伺 、契 約 締 結
伺 、決 議 書 等 に よ り 各 手 続 の 執 行 状 況 、契 約 形 態 の 適 正 性 に つ い て 検
証した。
ウ
監査結果
平 成 17 年 度 の 業 務 委 託 費 92,551 千 円 の う ち 、 訓 練 委 託 の 金 額 は
89,742 千 円 で あ り 、 契 約 方 法 は す べ て 単 独 随 意 契 約 で あ っ た 。 訓 練
実 施 業 者 は 必 ず し も 1 者 に 限 ら ず 令 第 167 条 の 2 第 1 項 第 2 号 を 適
用 す る こ と が 妥 当 で あ る か 検 討 を 行 っ た が 、競 争 入 札 等 審 査 会 資 料 に
よ れ ば 、常 設 訓 練 科 目 に つ い て は 競 争 入 札 実 施 可 能 性 の 検 討 、臨 時 訓
練 科 目 に つ い て は 1 者 独 占 と な ら な い よ う 検 討 が 行 わ れ て お り 、規 則
には準拠しているものと認められた。
273
(4)物品購入契約に関する財務事務
ア 監査手続
物 品 の 購 入 契 約 に 当 た り 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 、指 名 競 争 入 札 、随
意 契 約 等 が 適 切 に 行 わ れ て い る か 、ま た 、物 品 規 則 に 従 っ て 購 入 手 続
が行われているか検証した。
イ
監査結果
物 品 の 購 入 の 契 約 及 び 手 続 に つ い て は 、会 計 規 則 等 に 従 っ て 行 わ れ
ており、特記すべき事項はなかった。
(5)公有財産管理
ア 監査手続
( ア )公 有 財 産 台 帳 の 閲 覧 や 関 係 者 に 質 問 す る こ と に よ り 、実 地 調 査 が
行われているかどうか確認した。
( イ )登 記 簿 謄 本 等 と の 照 合 及 び 必 要 に 応 じ て 現 地 の 視 察 及 び 実 地 調 査
を行った。
イ
監査結果
調査の結果、特記すべき事項はなかった。
(6)物品管理
ア 監査手続
( ア )物 品 の 維 持 管 理 に つ い て 、管 理 簿 の 作 成 状 況 、物 品 標 示 票 の 貼 付
状況と現物との関係を確認した。
( イ )機 器 に つ い て は 、訓 練 業 務 等 と の 関 連 で 効 率 的 に 使 用 さ れ て い る
か 、遊 休 機 器 、不 用 物 品 、未 使 用 物 品 は 適 切 に 管 理 さ れ て い る か を
確認した。
(ウ)物品の廃棄等の手続きを検証した。
イ 監査結果
(ア)物品の現物確認について
備 品 管 理 簿 か ら 任 意 に 抽 出 し 、現 物 確 認 を 行 っ た と こ ろ 以 下 の 状
況である。
a 現物に物品標示票が貼られていないものがあった。
ホイストクレーン1件
b 物品標示票が消えて読めないものがあった。
万能フライス盤1件
(イ)物品規則に定める手続きが未了の機器について
平 成 17 年 度 に 東 部 校 の 設 備 シ ス テ ム 科 を 西 部 校 と 統 合 し 、 東 部
274
校 で 存 続 さ せ る こ と に な っ た 。一 部 の 訓 練 用 機 器 は 東 部 校 へ 搬 送 し
た が 、物 品 規 則 に 定 め る 保 管 転 換 の 手 続 き が 未 だ 未 了 で あ っ た 。早
急 に 手 続 き を 執 り 、 管 理 責 任 を 明 ら か に す べ き で あ る 。( 吸 収 式 冷
温水機訓練用装置)
(ウ)廃棄手続について
建 築 設 計 科 が 平 成 16 年 度 に 廃 止 と な り 、 訓 練 用 自 動 製 図 機 ( C
A D )2 台 が 遊 休 と な っ た 。当 該 機 器 は 平 成 7 年 度 以 前 の 取 得 で あ
り 、技 術 革 新 の 激 し い 機 器 の 現 状 か ら 考 え て 、今 後 到 底 、活 用 す る
可 能 性 は な く 、 物 品 規 則 第 45 条 に 定 め る 不 用 決 定 す べ き も の で あ
るが手続きがされていなかった。
上記を除き、特記すべき事項はなかった。
(7)その他
ア 郵便切手等について
(ア)監査手続
郵 便 切 手 等 に つ い て 、実 査 を 行 っ た 。ま た 、年 度 末 近 く の 購 入 の
有 無 や 使 用 枚 数 と 購 入 数 量 と の 関 係 な ど 、経 済 性 を 考 慮 し た 購 入 を
行っているかを確認した。
(イ)監査結果
照合の結果、特記すべき事項はなかった。
イ 現金管理について
(ア)監査手続
現 金 出 納 簿 を 閲 覧 し 、必 要 に 応 じ て 調 定 票 、調 定 収 納 状 況 一 覧 表
と照合した。
(イ)監査結果
照合の結果、下記を除き特記すべき事項はなかった。
1万円以上の収入金額が領収日の翌々日以降に払い込まれてい
た。
講座名
領収日
振込日
金 額 (円 )
PCワード1
4 月 19 日
4 月 21 日
70,000
第2種電気工事士(学科)
5月 8日
5 月 11 日
176,000
会 計 規 則 第 32 条 で は 、 現 金 を 直 接 収 納 し た 場 合 は 即 日 ( や む を
得 な い 理 由 が あ る 場 合 は 当 該 理 由 が や ん だ 後 直 ち に )払 い 込 む の が
原則となっている。会計規則の遵守を徹底する必要がある。
275
3
組織及び運営に関する意見
高 等 産 業 技 術 学 校( 東 部 校・西 部 校 )の 組 織 及 び 運 営 の 合 理 化 に 資 す る
と 考 え る 事 項 を 意 見 と し て 記 載 し て い る 。そ の 内 容 は 以 下 の と お り で あ る 。
(1)職業訓練の実施状況
ア ( ア ) 平 成 17 年 度 の 常 設 科 目 ( 普 通 ・ 短 期 課 程 ) の 訓 練 の 実 施 状 況
(単位:人、%)
定員 応募者数 応募率 入校者数 入校率
(ア)
東部校(普通)
(短期)
計
(イ)
(イ)/(ア)
(ウ)
(ウ)/(ア)
中退者数
修了者
数(a)
左の内
修了率 求職者 在校者数
数(b)
就職者数 就職率 前年の
(c)
(c/b)
就職率
180
403
223.9
172
95.6
16
82
83.7
82
74
75
91.5
85.0
100
144
144.0
78
78.0
3
75
96.2
74
0
60
81.1
63.0
280
547
195.4
250
89.3
19
157
89.2
156
74
135
86.5
70.0
西部校(普通)
90
144
160.0
77
85.6
9
33
80.5
32
35
31
96.9
84.9
120
172
143.3
104
86.7
17
87
83.7
85
0
68
80.0
67.9
計
210
316
150.5
181
86.2
26
120
82.8
117
35
99
84.6
72.5
合計
490
863
176.1
431
88.0
45
277
86.3
273
109
234
85.7
72.3
(短期)
※ 在校者数は2年課程の入校生のうち、一年度末在校生である。
平 成 17 年 度 常 設 科 目 の 職 業 能 力 開 発 業 務 の 状 況 は 上 記 の と お り で
あ る が 、 就 職 率 は 前 年 度 と 比 較 す る と 約 13% 余 り 上 昇 し て お り 、 産
業の必要な人材の育成を図る役割を効果的に果たしているともいえ
る が 、景 気 回 復 の 影 響 も あ り 、県 立 施 設 と し て 地 域 の 実 情 に 応 じ た 職
業訓練をより進める必要がある。
( イ ) 平 成 15 年 度 末 現 在 の 科 目 数 、 定 員 、 指 導 員 数 の 比 較
科目
平成 15 年度末
平成 17 年度末
注
定員
指導員
非常勤
東部
13
350 人
17 人
14 人
西部
11
290 人
17 人
10 人
計
24
640 人
34 人
24 人
東部
12
280 人
14 人
13 人
西部
10
210 人
11 人
9人
計
22
490 人
25 人
22 人
平成 17 年 度の 科目 ・ 定員に は介 護サ ービ ス科 を含め る。
科目数、定員は減少しており、一方指導員は東部校で3人、西部校
で6人 減、 非常 勤は 東部 で1人 、西 部で 1人減 少し てい る。
高等産業技術学校は、訓練科目の整理や民間競合訓練科の廃止を行
うとともに、民間教育訓練機関を活用した訓練業務の委託を実施して
おり、訓練科目や定員の減少が生じている。これに応じて指導員等の
人員は 、削減 が図 られ ている が 、職 業訓 練の企 画就 職支 援体 制 の 整 備 ・
強化を図るため、従来は配置していなかった指導員を就職支援指導員
として 配置 して いる 。
276
これらの職業能力開発業務の効率化により取り組むとともに、県内
産業の必要な人材を輩出するために、訓練生の相談業務及び就職支援
活動の 充実 強化 をよ り進 める必 要が ある 。
イ 訓 練科 目別 の実 施状 況
(ア)普通 課程
科 目 名
( 単 位:% )
応募率
入校率
修了率
就職率
関連就職率
メカニカルデザイン科
東部
120.0
80.0
89.5
85.0
89.3
機械加工科
東部
75.0
57.5
92.6
93.3
80.0
東部
316.7
100.0
91.7
100.0
100.0
西部
251.7
100.0
92.5
100.0
100.0
設備システム科
東部
135.0
98.0
84.8
100.0
79.2
インテリア木工科
西部
93.3
80.0
93.8
73.3
81.8
観光ビジネス科
西部
81.7
65.0
65.4
100.0
94.1
木造建築科
グラフィックデザイン科
西部
東部
90.0
165.0
77.5
98.3
―
92.3
―
100.0
―
100.0
理容科
美容科
東部
東部
140.0
380.0
100.0
102.2
90.0
93.3
100.0
100.0
100.0
100.0
自動車整備科
応 募 率 及 び 入 校 率 は 平 成 16 年 度 ~ 平 成 18 年 度 の 平 均
た だ し 、 機 械 加 工 科 、 木 造 建 築 科 は 平 成 17 年 度 に 再 編 し た た め 、 応 募 率 及 び 入 校 率
は 平 成 17 年 度 及 び 平 成 18 年 度 の 平 均
就 職 率 、 修 了 率 は 平 成 16 年 度 及 び 平 成 17 年 度 の 平 均
た だ し 、 設 備 シ ス テ ム 科 は 平 成 16 年 度 に 2 年 制 に 再 編 し た た め 、 就 職 率 は 平 成 17
年度の値
(イ)短期課程
(単位:%)
科 目 名
応募率
入校率
修了率
就職率
関連就職率
溶接科
東部
164.0
38.0
65.2
100.0
100.0
溶接科デュアルコース
東部
35.0
20.0
100.0
100.0
100.0
東部
172.5
97.5
93.9
84.0
70.4
西部
162.0
100.0
90.0
72.2
65.4
東部
201.0
100.0
99.2
85.0
85.4
西部
165.0
98.3
91.3
74.0
77.8
左官・タイル施工科
電気工事・設備科
西部
西部
130.0
130.0
63.3
100.0
50.0
―
71.4
―
80.0
―
建築設備科
西部
―
―
―
―
―
エクステリア・造園科
介護サービス科
応 募 率 及 び 入 校 率 は 平 成 16 年 度 ~ 平 成 18 年 度 の 平 均
溶 接 科 デ ュ ア ル コ ー ス 科 応 募 率 、入 校 率 は 平 成 17 年 度 ~ 平 成 18 年 度 の 平 均
修了率、
就 職 率 は 平 成 17 年 度 の 値
東 部 校 の エ ク ス テ リ ア ・ 造 園 科 は 平 成 17 年 度 に 1 年 制 に 再 編 し た た め 、 就 職 率 は 平
成 17 年 度 の 値
電 気 工 事・設 備 科 は 平 成 18 年 度 に 再 編 の た め 、平 成 18 年 度 の 率( 電 子 機 器 科 を 改 編 )
277
建 築 設 備 科 は 平 成 18 年 度 後 期 よ り 募 集 開 始 ( 配 管 科 を 改 編 )
就 職 率 は 平 成 16 年 度 及 び 平 成 17 年 度 の 平 均
( ウ ) 平 成 17 年 度 末 現 在 の 普 通 課 程 及 び 短 期 課 程 で 応 募 率 ま た は 入 校
率 が 100% 未 満 で あ る も の
機 械 加 工 科 ( 東 部 校 )、 木 造 建 築 科 ( 西 部 校 ) は 応 募 率 、 入 校 率
と も に 100% を 下 回 っ て い る 。 両 科 と も 平 成 17 年 度 に 再 編 し 、 内
容 の 高 度 化 と 訓 練 期 間 を 2 年 課 程 に 延 長 し て い る も の で あ り 、訓 練
の 内 容 の 変 わ っ た こ と の P R を 、高 等 学 校 の 訪 問 や ホ ー ム ペ ー ジ に
よ り 積 極 的 に 行 う 必 要 が あ る 。同 時 に 、今 後 と も 応 募 率( 学 生 の ニ
ー ズ )や 入 校 率 の 推 移 に は 注 視 し 、訓 練 科 目 の 必 要 性 に つ い て 検 討
の材料とすること等が必要である。
ウ 臨時訓練について
(ア)臨時訓練の過去3年間の実施状況は、次のとおりである。
(単位:%)
応募率
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
入校率
修了率
就職率
東部校
133.1
81.0
95.3
54.3
西部校
142.5
88.5
96.0
38.6
計
137.4
84.4
95.6
46.6
東部校
101.2
74.0
93.3
58.1
西部校
149.7
87.9
93.9
58.9
計
東部校
125.7
112.8
81.0
83.9
93.6
94.7
58.5
59.1
西部校
169.7
96.4
96.0
61.1
計
140.1
89.9
95.4
60.1
( イ ) 臨 時 訓 練 の 就 職 率 は 全 体 で 約 60% で あ る が 、 過 去 3 年 間 の 推 移
は年々上昇傾向にはある。
個 別 に み る と 東 部 校 で は 経 理・O A 科 、不 動 産 実 務 科 、西 部 校 で
は 介 護 実 務 、経 理・社 会 保 険 科 目 等 に 就 職 率 の 低 い 傾 向 が み ら れ る 。
こ れ ら の こ と か ら 、訓 練 科 目 が 企 業 の 人 材 ニ ー ズ に 適 合 し て い る の
か ど う か の 検 討 が 必 要 で あ り 、ま た 就 職 支 援 業 務 の 比 重 を 高 め る 必
要 が あ る 。 こ の 点 へ の 対 応 と し て 、 平 成 17 年 度 か ら 巡 回 ・ 就 職 支
援 の 指 導 員 が 企 業 訪 問 等 を 行 っ て 、積 極 的 に 求 人 を 開 拓 し て い る と
の こ と で あ る が 、年 度 計 画 に 年 間 の 企 業 訪 問 計 画 を 設 定 し 、実 行 す
るなど、より強化する必要がある。
エ
在職者訓練
在職者訓練の過去3年間の実施状況は、次のとおりである。
278
(単位:人、%)
総定員
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
受講者数
受講率
修了率
東部校
2,836
2,853
100.6
99.0
西部校
計
2,260
5,096
2,093
4,946
90.2
97.1
97.4
98.3
東部校
3,230
2,823
87.4
99.3
西部校
2,075
1,911
92.1
98.2
計
5,305
4,734
93.6
98.9
東部校
3,112
3,193
102.6
99.1
西部校
2,090
1,942
92.9
99.2
計
5,202
5,135
95.4
99.1
平 成 15 年 度 、 17 年 度 の 東 部 校 は 受 講 率 が 100% を 少 し 上 回 っ た
も の の 、 西 部 校 及 び そ の 他 の 年 度 は 90% を 少 し 上 回 っ て い る 受 講
で あ り 、こ の 状 況 は 学 校 に 対 す る 県 民 の 認 知 度 が 低 い こ と が 原 因 と
されている。
平 成 15 年 7 月 、 山 口 県 商 工 労 働 部 雇 用 ・ 能 力 開 発 課 の 職 業 能 力
開 発 実 態 調 査 結 果 ( 以 下 「 ア ン ケ ー ト 結 果 」 と い う 。) に よ れ ば 、
高等産業技術学校の認知度は次のとおりである。
【職業訓練認知度(在職労働者対象)】
【職業訓練認知度(新規・離転職者対象)】
無回答
0.1%
聞いたこと
はない
23.3%
無回答
0.1%
よく知って
いる
11.9%
よく知って
いる
22.9%
知らない
40.3%
聞いたこと
はあるが、
どのような
訓練を行っ
ているかは
知らない
53.7%
従業員を
訓練に行
かせている
0.6%
聞いたこと
はあるが、
受講させた
ことはない
47.1%
ア ン ケ ー ト 結 果 に よ れ ば 、高 等 産 業 技 術 学 校 の 認 知 度 は 、在 職 労
働 者 は 新 規 労 働 者 の 約 半 分 で あ り 、在 職 者 訓 練 の 積 極 的 な P R を 行
う と と も に 、技 術 訓 練 等 を 実 施 す る 機 会 が 十 分 で な い 中 小 企 業 の 職
員 の 訓 練 に 成 果 を あ げ る よ う な 運 営 を 進 め る 必 要 が あ る 。そ の た め
に は 、企 業 の 人 材 ニ ー ズ を 反 映 し た 訓 練 科 目 の 設 定 や 、訓 練 科 目 に
ふ さ わ し い 企 業 現 場 の 技 能 員 や 、技 術 者 等 を 講 師 と し て 選 定 を す る
ことが必要である。
279
オ
民間教育機関の活用
訓 練 生 の 多 様 な 訓 練 ニ ー ズ に 応 じ た 訓 練 を 行 う こ と や 、離 転 職 者 の
住 所 地 の 近 辺 で の 訓 練 機 会 を 提 供 し 、訓 練 生 の 利 便 性 を 高 め る こ と 等
に よ り 早 期 就 職 を 図 る た め に 、民 間 教 育 訓 練 機 関 の ノ ウ ハ ウ の 活 用 を
より促進する必要がある。
カ
若者就職支援センターとの連携
平 成 17 年 度 か ら 、 若 者 就 職 支 援 セ ン タ ー が 行 う 「 就 職 支 援 セ ミ ナ
ー 」や「 就 職 セ ミ ナ ー 」等 の 事 業 に 訓 練 生 を 参 加 さ せ る こ と 、ま た 同
セ ン タ ー の カ ウ ン セ ラ ー を 訓 練 の 開 始 時・終 了 時 の 年 2 回 、高 等 産 業
技 術 学 校 に 招 き 、就 職 の 心 構 え や 企 業 サ イ ド の 情 報 提 供 を 行 う 等 の 連
携をしている。
な お 、訓 練 生 の 就 職 率 を 高 め る た め に 、訓 練 生 が 常 時 若 者 就 職 支 援
セ ン タ ー の カ ウ ン セ ラ ー と 相 談 で き る 体 制 の 構 築 が で き な い か 、連 携
強化策を検討する必要がある。
(2)常設訓練科目の見直しの状況
ア 現 在 実 施 し て い る 訓 練 科 目 に つ い て は 、入 校 率 や 就 職 率 の 低 迷 な ど 、
求 人・求 職 ニ ー ズ に 対 応 で き て い な い 科 目 や 訓 練 内 容 が 民 間 と 競 合 す
る 科 目 が 存 在 し て い る こ と 、ま た 、県 内 企 業 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査
結 果 に よ れ ば 、即 戦 力 と な る 人 材 を 求 め る 声 が 強 く 、現 行 の 訓 練 科 目
の 再 編 や 訓 練 内 容 の 重 点 化・高 度 化 等 の 観 点 か ら 見 直 し が 進 め ら れ て
いる。
( 平 成 15 年 度 に 商 工 労 働 部 雇 用・能 力 開 発 課 に よ っ て 策 定 さ れ
た 「 今 後 の 高 等 産 業 技 術 学 校 の 在 り 方 」 で は 、 平 成 20 年 に 19 科 目
500 人 定 員 を 目 標 に し て い る 。)
訓 練 科 の 再 編 に つ い て は 、最 終 的 な 判 断 は 労 働 政 策 課 が 行 い 、山 口
県立職業能力開発校規則第2条の定めにより設置される。
平 成 13 年 度 か ら 平 成 17 年 度 ま で ( 一 部 平 成 18 年 度 を 含 む ) の 高
等産業技術学校の訓練科目の再編の実施状況とその理由は次のとお
りである。
(ア)東部高等産業技術学校の訓練科目再編の概要
平成 13 年度
訓練科名
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
変更内容等
定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間
1 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――→
機械加工
20
2 年 ――――――――→ 訓練内容の高度化
自動車整備
20 2 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――― ―――――――― ――――――――→
冷凍空調
20 1 年 ―――――――― ―――――――→ 設備システム
服飾ファッション
20 1 年 ――――――――→
メカニカルデザイン
20 1 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――→
2 年 ―――――――― ――――――――→ 訓練内容の高度化
廃止(H16.3.31)
廃止(民間競合)
10
――――――――→ 訓練規模の見直し
グラフィックデザイン 20 1 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――― ―――――――― ――――――――→
理容
10 2 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――― ―――――――― ――――――――→
美容
15 2 年 ―――――――― ―――――――― ―――――――― ―――――――― ――――――――→
280
造園
40
6 月 ―――――――― ―――――――― ―――――――→ エクステリア造園
溶接
20
1 年 ―――――――― ―――――――→
配管
20 6 月 ―――――――― ―――――――― ――――――――→
OA ビジネス
40 6 月 ―――――――― ――――――――→
介護サービス
40 6 月 ―――――――― ―――――――― ――――――――→
30
20 1 年 ――――――――→ 訓練目標の見直し
――――――――→
20
訓練規模の見直し
→離転職に変更
10 1 年 ―――――――― ――――――――→ 企業との共同訓練
デュアルシステム
廃止(H18.3.31)
訓練規模の見直し
廃止(H17.3.31)
訓練科の役割終了
外部委託
――――――――→ 民間ノウハウ活用
定員は年度の入校定員、期間は訓練期間である。
H14~ H18 の 欄 に は 変 更 し た 部 分 の み を 記 載 し た 。
溶接科のデュアルシステム訓練の定員は、溶接科の定員の内数である。
介 護 サ ー ビ ス 科 は 、 平 成 17 年 4 月 か ら 定 員 や 訓 練 期 間 、 入 校 時 期 等 を 変 更 し な い で 、 訓
練を民間教育訓練機関に委託した。
(イ)西部高等産業技術学校の訓練科目再編の概要
平成 13 年度
訓練科名
平成 14 年度
平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
変更内容等
定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間 訓練科名 定員 期間
自動車整備
20 2 年 ―――――――
―――――――
―――――――
―――――――
――――――→
冷凍空調
20 1 年 ――――――→
廃止(H16.3.31)
インテリア木工
10 1 年 ―――――――
―――――――
―――――――
建築設計
20 1 年 ―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
観光ビジネス
20 1 年 ―――――――
―――――――
―――――――
デュアルシステム
10 1 年
――――――→
企業との共同訓練
建築
20 1 年 ―――――――
―――――――
――――――→ 木造建築
2年
――――――→
訓練内容の高度化
左官・タイル施工(中卒)
10 1 年 ―――――――
――――――→
左官・タイル施工(離転)
10 1 年 ―――――――
――――――→
インテリア木工(中卒) 10 1 年 ―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
インテリア木工(離転) 10 1 年 ―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
建築(中卒)
10 1 年 ―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
建築(離転)
10 1 年 ―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
電子機器
40 1 年 ―――――――
―――――――
―――――――
――――――→
エクステリア造園
20 1 年
―――――――
―――――――
―――――――
―――――――
配管
20 1 年 ―――――――
――――――→
OA ビジネス
40 6 月
―――――――
――――――→
訓練内容の高度化
→東部校へ統合
―――――――
――――――→
廃止(求人ニーズ)
―――――――
――――――→
廃止(H17.3.31)
訓練規模の見直し
―――――――
20
6月
――――――→
→離転職に統合
訓練規模の見直し
→中卒の見直し
廃止(求人ニーズ)
訓練規模の見直し
→中卒の見直し
廃止(求人ニーズ)
――――――→
廃止(H17.3.31)
訓練目標の見直し
電気工事・設備
――――――→
建築設備
10 1 年
訓練目標の見直し
→10 月 1 日改編
訓練科の役割終了
介護サービス
40 6 月
――――――→ 民間教育機関に委託
定員は年度の入校定員、期間は訓練期間である。
H14~ H18 の 欄 に は 変 更 し た 部 分 の み を 記 載 し た 。
定員は年度の入校定員であり、単位は人である。
観光ビジネス科のデュアルシステムの定員は、観光ビジネス科の定員の内数である。
281
(ウ)訓練科目の見直しについて
a 訓 練 科 目 の 見 直 し は 、東 部 校 及 び 西 部 校 と も に 応 募 率 、入 校 率 、
就 職 率 の 低 い も の な ど に つ い て 行 う と と も に 、ま た 民 間 で 実 施 可
能 な も の に つ い て 民 間 へ の 委 譲 を 進 め る こ と と し て お り 、現 状 の
常設訓練科目の状況を分析して迅速に対応していると認められ
る。
b 外部委託について
(a)現状
訓 練 科 目 で 官 民 競 合 し て い る も の の う ち 、理 容 科 、美 容 科 は
民 間 で 実 施 可 能 な 分 野 と い う こ と で 、 平 成 20 年 3 月 末 を も っ
て 廃 止 す る こ と に し て お り 、 平 成 19 年 度 は 募 集 を 停 止 し て い
る 。民 間 で 実 施 可 能 な 分 野 は 、民 間 教 育 機 関 等 の 積 極 的 な 活 用
を図る観点から適切な対応である。
(b)グラフィックデザイン科
県 内 に 同 様 の 内 容 の 科 目 を 有 す る 専 門 学 校 が 3 校 あ り 、官 民
競合していること、
( 上 記 の 理 容 科 、美 容 科 を 除 き 平 成 17 年 度
末 常 設 訓 練 科 目 で 官 民 競 合 し て い る の は こ の 科 の み )ま た 、こ
の訓練科目は企業では即戦力としての人材を求めているとい
う こ と 、 さ ら に 入 校 生 の 年 代 が 20~ 30 代 の 者 が 多 い と い う 特
徴 が あ る 。若 年 離 転 職 者 や フ リ ー タ ー へ の 対 応 に も 配 慮 し 、訓
練 科 目 の 内 容 を 見 直 す こ と や 、官 民 競 合 を 避 け る た め に 、民 間
委託すること等の検討を早急に進める必要がある。
( 平 成 19 年
度 の 募 集 要 項 で は 検 討 中 と い う こ と で 記 載 さ れ て い る 。)
c 人材ニーズに沿った科目設定
企 業 の 人 材 ニ ー ズ と 求 職 者 の 求 職 ニ ー ズ の 間 で 、雇 用 の ミ ス マ
ッ チ が 拡 大 し て い る 。求 職 者 の ニ ー ズ と 同 時 に 、企 業 の 人 材 ニ ー
ズ を 把 握 し 、求 職 者 が 就 職 に 結 び つ く 訓 練 の 実 施 や 、労 働 者 の 技
術 習 得 に 効 果 的 な 訓 練 の 実 施 が 可 能 に な る よ う に 、科 目 設 定 を 行
う必要がある。
企 業 の 人 材 ニ ー ズ を 把 握 す る た め に は 、高 等 産 業 技 術 学 校 に は
訓 練 関 係 企 業 、団 体 、専 修 学 校 、経 済 団 体 で 組 織 す る「 高 等 産 業
技 術 学 校 運 営 協 議 会 」が 設 置( 東 部 校 、西 部 校 そ れ ぞ れ 学 校 単 位
で 開 催 )さ れ て お り 、こ の 協 議 会 で 聴 取 し た 企 業 の 意 見 等 を 参 考
に す る こ と 、ま た 、無 料 職 業 紹 介 所 で 把 握 が 可 能 な 各 科 別 の 企 業
か ら の 求 人 数 の 動 向 等 を 分 析 し 、訓 練 生 へ 周 知 す る こ と な ど の 対
応が必要である。
(3)高等産業技術学校の役割の遂行
ア 職業能力開発訓練の質の向上
(ア)訓練生の満足度調査の必要性
高 等 産 業 技 術 学 校 は 、職 業 訓 練 の サ ー ビ ス の 提 供 を 行 っ て い る が 、
282
平 成 15 年 度 の ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 に お い て も 、 高 等 産 業 技 術 学 校
の 認 知 度 や 、非 受 講 に つ い て の 結 果 は あ る が 、訓 練 生 の 満 足 度 に つ
い て の デ ー タ 等 が 存 在 し な い 。( 一 部 プ ロ ポ ー ザ ル 等 臨 時 訓 練 で 、
受 講 者 の 満 足 度 調 査 を 行 っ て い る 。) 高 等 産 業 技 術 学 校 が 提 供 す る
サ ー ビ ス の 質 に つ い て 、受 講 者 の 満 足 度 を ア ン ケ ー ト 調 査 等 に よ り
把 握 し 、そ の 結 果 を 分 析 し 、サ ー ビ ス の 質 の 向 上 に 反 映 で き る 仕 組
みを検討する必要がある。
(イ)企業や大学等教育機関との連携強化
臨 時 訓 練 の 実 施 や 高 等 産 業 技 術 学 校 運 営 協 議 会 や 、も の づ く り 匠
の 卵 技 能 競 技 大 会 の 開 催 等 を 通 じ て 、専 修 学 校 、職 業 訓 練 施 設 、専
門高等学校や企業との提携を図っている。
こ れ ら の 連 携 は 、労 働 市 場 の 需 要 動 向 や 企 業 の 訓 練 ニ ー ズ に 即 し
た 訓 練 科 目 の 再 編 や 訓 練 内 容 の 見 直 し 、求 職 者 へ の 多 様 な 訓 練 機 会
の 提 供 に 効 果 的 で あ り 、職 業 能 力 開 発 の サ ー ビ ス 向 上 の た め に 、よ
り強化を図る必要がある。
ま た 、職 業 訓 練 指 導 員 に つ い て 、民 間 企 業 等 の 技 術 者 を 外 部 講 師
として活用する場合等の情報収集に有効である。
(ウ)労働政策課や関連行政機関との連携
地 元 公 共 職 業 安 定 所 や 労 働 政 策 課 に 、高 等 産 業 技 術 学 校 運 営 協 議
会 へ の 参 加 を 求 め る こ と や 、も の づ く り 匠 の 卵 技 能 競 技 大 会 に 企 業
や 独 立 行 政 法 人 雇 用・能 力 開 発 機 構 山 口 セ ン タ ー 、工 業 高 校 等 専 門
学 校 が 参 加 し て い る 。こ れ ら の 連 携 に よ り 、指 導 者 の 実 践 的 な 指 導
力 や 技 能 の 向 上 を 図 る た め に 、交 流・連 携 を 一 層 積 極 的 に 進 め る 必
要がある。
( エ )高 等 産 業 技 術 学 校( 東 部 校 、西 部 校 )に お け る 卒 業 生 情 報 等 の デ
ータベース化
両 校 で は 、卒 業 し た 学 生 か ら 外 部 照 会 が 年 間 数 件 あ り 、紙 ベ ー ス
の 検 索 で は か な り 手 間 と の こ と で あ る 。そ の た め 、学 生 に 関 す る デ
ー タ を フ ロ ッ ピ ー 等 で 保 管 し 、検 索 を 容 易 に し て い る が 、半 面 、情
報漏えいリスクが生じている。
事務効率の向上と情報リスクの軽減の両方を同時に達成するた
め に 、学 生 デ ー タ 等 の デ ー タ ベ ー ス 化 を 図 り 、一 つ の サ ー バ ー に 機
密 情 報 を 集 中 さ せ 、セ キ ュ リ テ ィ 管 理 を そ こ に 集 中 す る の が 合 理 的
である。費用対効果の問題も含め、検討する必要がある。
(オ)訓練科目の実施状況についての評価
プ ロ ポ ー ザ ル 型 の 臨 時 訓 練 で は 、講 師 の 能 力 、成 果 、効 果 、就 職
支 援 等 に つ い て 評 価 点 を 付 し 、委 託 先 の 計 画 か ら 訓 練 の 実 施 に 至 る
ま で の 評 価 を 行 っ て い る が 、担 当 者 1 名 が 評 価 点 を 記 入 し 管 理 し て
いるのみである。
評 価 の 客 観 性 を 高 め る た め に 、組 織 と し て こ の 評 価 に 取 り 組 む 必
要 が あ る 。ま た 、プ ロ ポ ー ザ ル 型 の 臨 時 訓 練 以 外 の 訓 練( 普 通 課 程 、
283
在職者訓練及び臨時訓練)では評価を行っていないが、評価項目、
評 価 基 準 及 び 運 用 方 法 に つ い て 要 綱 等 を 定 め 、評 価 制 度 の 実 施 を 検
討する必要がある。
イ 就職支援活動
( ア )訓 練 生 の 就 職 支 援 の た め に 、人 材 の 需 給 状 況 や 今 後 の 見 通 し に つ
い て 、公 共 職 業 安 定 所 と の 連 携 を 強 化 す る こ と 、企 業 の 求 人 状 況 の
把 握 の た め に 、就 職 支 援 担 当 指 導 員 の 活 動 を よ り 強 化 す る こ と 、さ
ら に は 、高 等 産 業 技 術 学 校 は 無 料 職 業 紹 介 業 務 を 行 っ て お り 、訓 練
科 別 の 求 人 情 報 が 集 め ら れ て い る こ と か ら 、雇 用 の ミ ス マ ッ チ の 防
止 の た め に 、企 業 側 の 人 材 ニ ー ズ に つ い て 訓 練 生 へ の 周 知 を 図 っ て
いくことなどが必要である。
(イ)重点を置く訓練対象者
県 が 実 施 す べ き 職 業 訓 練 の 対 象 者 は 下 記 a ,b に 限 定 さ れ る べ き
も の で は な い が 、若 年 者 の 雇 用 問 題 、離 転 職 者 等 へ の 就 職 促 進 や 少
子 高 齢 化 の 進 展 に よ る 将 来 的 な 労 働 力 の 確 保 等 の 観 点 か ら 、重 点 を
置く訓練対象者としてフリーター等の若年者や団塊の世代への高
等産業技術学校の対応が必要である。
a フリーター等の若年者対策について
内 閣 府 政 策 統 括 官( 共 生 社 会 政 策 担 当 )の「 青 少 年 の 就 労 に 関
す る 調 査 報 告( 平 成 17 年 7 月 )」で は 、ニ ー ト と は 無 業 者 の う ち
非 求 職 型 と 非 希 望 型 の 総 和 を 意 味 す る も の と し て 扱 っ て い る 。ま
たフリーターは、求職型に含まれている。
(a)無業者とその類型についての定義
呼 称
定 義
無業者(通学、有配偶者を除く)
高校や大学などに通学しておらず、独身であり、ふだん収
入になる仕事をしていない、
15 歳以上35 歳未満の個人(予
備校や専門学校などに通学している場合も除く)
求職型
無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就業希望を表明し、
求職活動をしている個人
非求職型
無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就職希望を表明し
ながら、求職活動はしていない個人
非希望型
無業者(通学、有配偶者を除く)のうち、就業希望を表明し
ていない個人
(b)山口県と全国の無業者比率の比較は次のとおりである。
2002 年
1997 年
無業者比率
求職型比率
全国
6.27
山口県
全国
山口県
非求職及び非希望型比率
非求職型
非希望型
3.78
1.25
1.24
2.49
5.80
3.39
0.82
1.59
2.41
4.85
4.61
2.82
2.49
0.83
1.02
1.21
1.10
2.03
2.12
284
合計
( c ) 山 口 県 は 1997 年 、 2002 年 の い ず れ も 無 業 者 の 比 率 は 全 国 平 均 よ
り低いものの、増加傾向にあり、しかも非希望型の増加率が高い状
況である。こうした状況が続けば、本人にとって必要な職業能力の
蓄積やキャリア形成ができなくなることはもとより、山口県の産業
を担う人材の確保や、技能・技術の伝承などを阻害しかねない状況
になるので、高等産業技術学校としても対応ができる方策を検討す
る必要がある。
上記の無業者の中で、求職型は就職を希望しているものである。
高 等 産 業 技 術 学 校 の 訓 練 は 、就 労 意 欲 が あ り 、か つ 一 定 以 上 の 社 会
性 を 身 に つ け た も の を 対 象 と し て い る の で 、求 職 型( フ リ ー タ ー 等 )
に は 対 応 可 能 で あ り 、こ れ ら の 就 職 ニ ー ズ を 反 映 し た 訓 練 科 目 を 設
定 す る こ と な ど の 検 討 が 必 要 で あ る 。 山 口 県 の 平 成 19 年 度 予 算 案
で も 、年 長 フ リ ー タ ー な ど を 対 象 に し た 県 内 就 職 促 進 対 策 を 積 極 的
に推進することがあげられている。
b 団塊の世代等への対策について
(a)現状
山 口 県 の 団 塊 の 世 代( 昭 和 22 年 ~ 昭 和 24 年 生 ま れ )は 、平 成 17
年 国 勢 調 査 に よ れ ば 86 千 人 で あ り 、そ の 前 後 を 合 わ せ た 50 歳 代 は
237 千 人 で あ る 。若 者( 15 歳 ~ 34 歳 ま で )の 就 労 人 口 の 減 少 が 予 測
さ れ る 状 況 に お い て 、各 産 業 の 担 い 手 と し て い か に 就 労 に 結 び つ け
ていくかは、県の産業の振興にとって必要なことである。
高 等 産 業 技 術 学 校 で は 、左 官 ・ タ イ ル 施 工 科 や エ ク ス テ リ ア ・ 造
園 科 等 へ の 応 募 が 比 較 的 高 齢 者 に 多 い が 、就 職 率 は 非 常 に 低 い と い
う 現 実 が あ る 。そ の 原 因 と し て 、上 記 の 職 種 は 炎 天 下 や 高 所 で の 作
業 等 が あ る た め 、企 業 側 が 安 全 性 や 作 業 の 効 率 性 を 考 慮 し 、若 年 者
を採用するという傾向が挙げられる。
一 方 、高 齢 者 の 訓 練 生 は 、趣 味 的 な 感 覚 で の 受 講 動 向 が あ り 、企
業側と訓練生の側の双方の事由により就職につながらないという
状況がある。
(b)対策
① 就職支援体制の充実
高齢者の訓練生には、高齢者の体力に合った技術訓練の実施、
また企業側の高齢者の訓練生に求める技術水準や企業ニーズを
十 分 指 導 し 、高 齢 者 の 就 業 が 可 能 と な る よ う に 、訓 練 内 容 を 工 夫
す る こ と 等 の 対 応 が 必 要 で あ る 。ま た 、高 齢 者 で 実 施 可 能 な 業 務
を 就 職 先 と し て 開 拓 す る な ど 、就 職 支 援 体 制 の 充 実 が 必 要 で あ る 。
② 団塊世代の就業に係る支援への情報提供等
東 京 都 産 業 労 働 局 が 平 成 16 年 3 月 に 実 施 し 公 表 さ れ て い る
「 団 塊 の 世 代 の 活 用 に つ い て の 調 査 報 告 書 」の ア ン ケ ー ト 結 果 に
よ る と 、団 塊 世 代 の 就 業 に 係 る 支 援 の 利 用 希 望 は 、男 性 、女 性 と
285
も 、転 職 や 再 就 職 を 支 援 す る 研 修 、訓 練 、就 業 や 生 活 設 計 に 関 す る
情 報 提 供・相 談 窓 口 、N P O や ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 情 報 提 供 や セ ミ
ナー等となっている。
他 地 域 の デ ー タ で は あ る が 、転 職 や 再 就 職 を 支 援 す る 研 修 、訓 練
等 、就 職 支 援 に 対 す る ニ ー ズ は 強 い も の が あ り 、団 塊 世 代 の 就 業 促
進 に 向 け て 、高 等 産 業 技 術 学 校 の 業 務 で の 対 応 に つ い て 検 討 す る こ
とが必要である。
(ウ)デュアルシステム訓練について
東 部 校 の 溶 接 科 は 、 平 成 17 年 1 月 か ら 定 員 10 人 で 実 施 し て い る 。
入 校 は 1 人 で 、実 習 先 以 外 に 就 職 し て い る 。
( 平 成 18 年 度 入 校 者 3 人 )
西 部 校 の 観 光 ビ ジ ネ ス 科 は 、平 成 17 年 4 月 か ら 定 員 10 人 で デ ュ ア
ル シ ス テ ム 訓 練 を 実 施 し て い る 。 平 成 17 年 度 は 3 人 が 入 校 し 、 3 人
と も 就 労 型 実 習 先 に 就 職 し て い る 。( 平 成 18 年 度 入 校 者 5 人 )
こ の シ ス テ ム は 、県 と 民 間 の 共 同 訓 練 で あ る が 、受 入 先 と 訓 練 生 双
方 に メ リ ッ ト が あ り 、訓 練 生 の 就 職 を ス ム ー ス に 進 め 、就 職 率 を 高 め
る た め に 、こ の シ ス テ ム の 訓 練 生 及 び 企 業 へ の 周 知 を 徹 底 し 、積 極 的
に推進していく必要がある。
高 等 産 業 技 術 学 校 の 役 割 は 、県 立 施 設 と し て 地 域 産 業 の 人 材 ニ ー ズ や
職 業 訓 練 ニ ー ズ 等 を 踏 ま え 、地 域 の 産 業 に 必 要 な 人 材 を 輩 出 す る こ と で
ある。
そ の 役 割 を 遂 行 す る た め に 学 校 運 営 は 、上 記 ア ,イ の 事 項 等 に 配 慮 し 、
より効果的、効率的に進める必要がある。
286
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