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5 2013年 (平成25年)9月 24日 (火曜日) 資金繰り手法として注目浴びる 売掛債権の先払いサービスとは ワダツミ株式会社(東京都千代田区、里陽平社長)は、IT 事業者向けに「売掛債 権の先払い(ファクタリング)サービス」を提供している。制作が完了した仕事に 対してクライアント・発注企業から支払いが行われるのは、支払サイトの関係上 30 ~ 60 日程度先になるのが通常だ。しかし、「そこまで先延ばしにされるのはなぜな のか、とまずは改めて考え直してほしい」(同社営業部の荒金和則取締役)といい、 業界の慣習に疑問を投げかけるサービスを生み出し、話題を呼んでいる。 クライアントに代わり、 同社から先に代金を支払う 請求後、数日以内に決済。ワダツミ PICKUP の売掛債権の先払い(ファ クタリング)サービスは、 完了済みの仕事に対して、 クライアントに代わり、同 社が代金を先に支払うとい うもの。クライアントは従 来の支払サイトでワダツミ に請求額を支払う。 「クラ イアントから見れば、単に 支払先が変わるだけ。利用 者側から見れば、売掛金が 早く現金になるというのが UBIC が開発 米NASDAQ上場の日本ベンチャー 人口知能で犯罪証拠の発見ソフト ▼ 人口知能でパソコン内の重要証拠を見つけ出す――。今年 5 月、日本企業として は 14 年ぶりに米 NASDAQ(ナスダック)市場への上場を果たしたばかりの UBIC(= ユービック、東京都港区、守本正宏社長)が人口知能を使った新たな技術を生み出 し、新領域での事業を加速させようとしている。パソコン上などに残された膨大な 電子データを解析して、犯罪捜査の証拠を集めるソフトを開発。警察や官公庁に販 売していく方針だ。 米国での訴訟、証拠集めをテクノロ ジで支援 UBIC は 2003 年、 守 本 正 宏 社 長 が インキュベーションオフィスの一室で 創業した IT テクノロジのベンチャー 企業だ。 同社の主な顧客は日本企業だが、ア メリカを事業の舞台としている。米国 での裁判には「e ディスカバリ」と呼 ばれる独自の制度があり、証拠として 要求された電子データをすべて事前開 示しなければならないルールがある。 この e ディスカバリに対する支援を主 要業務とする。 海外進出する日本企業が多くなるに つれ、米国での訴訟に関わるケースも 同サービスでは、クライアントごと に支払いの上限枠を設けて運用する形 となっており、その枠内であれば、仕 事をやればやっただけお金に換わると いう形となる。 30∼60日の支払サイト慣習に疑問 ■売掛債権の先払い(ファクタリング)サービスの仕組み News 取引先にも「安心して取り組んで頂ける」 サポート体制 クライアントに提案する際には、法 律にも熟知した同社のスタッフが同行 する。 「ご迷惑が掛かるものではない ということを理解してもらうのが重 要。そのための同行や資料作りなど、 サポートは徹底的に行う」 (同) 。 とはいえ債権譲渡 (ファクタリング) に関して、業界的に理解が進んでいな いのも事実。荒金取締役は「金融庁か ら、 中小企業の資金調達に ABL(動産・ 売掛金担保)を積極的に活用するよう にという発表も出ている。むしろ制作 資金繰りに余裕を持たせることが できる IT 業界では一部の広告サービスに 関わるデポジット制度以外に「仕入 れ」という概念がないため、 「それだ け運転資金についてはシビアに考える 経営者が多い」 (同) のが実情。そこで、 同社サービスを使うことで、支払サイ トを変え、資金繰りに余裕を持たせる ことが可能になるのだ。 手数料は、クライアントの信用度合 いなど条件によって異なるが、目安は 請求額の 1.5%からとなる。 同社の根底にあるのは「真面目に頑 張っている IT 企業を支えたい」とい う一途な想いだ。荒金取締役は「真面 目な事業者であればあるほど、出資な どではなく、自分のやっている仕事の 中でお金を生み出したいと考える経営 者が多い。 『売掛債権の先払いサービ ス』は自社の中でできる最大限の資金 繰りの手法となる」とアドバイスして いる。 ■お問い合わせ ワダツミ株式会社 担当:荒金(アラガネ) http://wadatsumi.co.jp/ 03-3518-9997 米 NASDAQ 市場へも上場。日 本だけにとどまらず、米国でも 急速に存在感を増している。 「デジタル鑑識ソフト」を独 自技術で開発 同社が e ディスカバリを支援 するための独自テクノロジを 開 発 す る な か で、 こ の ほ ど 新 たに開発したのが「Lit i View Xaminer(リット・アイ・ビュー・ エグザミナ) 」と名付けられた 今年 5 月に米 NASDAQ 市場へ上場し米国でも急速に存在感を フォレンジック(鑑識)ソフト 増している UBIC だ。 http://www.ubic.co.jp/ これは、犯罪捜査の際に電子 メールや電子データなどの電子記録の 人間の 300 倍!関連性や重要度を自 収集や分析を行える“デジタル鑑識ソ 動判別 フト” 。犯罪立証の証拠として押収し この技術では、サンプルデータから パターンを読み取り、事件への関連の 有無や重要度を自動的に判別。人間の 目視を 100 とすると、この技術では約 300 倍の速度で判断が可能になる。 たパソコンやハードディスク内のメー 1 台 の パ ソ コ ン に 保 存 さ れ て い る ル・文章ファイルのなかから、関連あ データは、紙にすると 2 トントラック るものだけを分類収集したり、検索で 4 台分にもなるといわれるほどの膨大 きたりする。 な量。警察が容疑者を逮捕した場合、 これまでこうしたソフトは大半が海 48 時間以内に釈放するか否かが問わ 外製のため、日本語を正確に認識でき れるため、電子証拠を高速で分析でき ないなどの問題があった。同社のソフ る同社のソフトが活躍するケースは多 トは、日本語や韓国語などのアジア言 くなりそうだ。 語に最適化されているだけでなく、人 UBIC では、このデジタル鑑識ソフ 口知能をベースにした「プレディック トを新事業として、警察や官公庁に本 ティブ・コーディング」という独自技 格販売していく計画。価格は年間契約 術を搭載したのが特徴だ。 で 150 万円からとなっている。 デジタル鑑識の新領域事業を加速 増えてきた。 その場合、 日本企業であっ ても e ディスカバリへの対応が求めら れることになる。しかし、証拠集めに は膨大な手間と時間がかかるうえ、日 本語を専門に対応する支援事業者も少 ない。UBIC はここを事業領域として いるのが強みだ。また、韓国語や中国 語などにも対応。韓国には支店を開設 するなど、アジア企業の顧客も多い。 同社は、2007 年の東証マザーズ上 場だけにとどまらず、今年 5 月には日 本企業としては IIJ 以来 14 年ぶりに 代金の値引き交渉をして、安かろう悪 かろうの方が悪影響が大きい。資金繰 りをきちんと行い、 『安定的なサービ スを提供したい』という企業姿勢のア ピールにもなる」と話す。 ▼ ワダツミが展開 ポイント」 (同)だ。 中小の IT 事業者ではなかなか難し い取引先の与信管理の代行サービスと しての効果もある。仮に売掛先が倒産 したとしても、返済の心配がないのも 大きな特徴。 「当社が売掛債権を買い 取るため、万が一売掛先が倒産した場 合でも当社と売掛先でのやりとりにな る」 (同)のだ。 ▼ 解説 A ttention information