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(2015年9月改定)(資料編)(PDF形式:3036KB)

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(2015年9月改定)(資料編)(PDF形式:3036KB)
神戸市地球温暖化防止実行計画
~スマートチャレンジ!みんなで創る低炭素都市“こうべ”~
資
料
編
1.
市民懇談会の実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編- 1
2.
アンケート実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-14
(1)
市民向けアンケートの実施結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-14
(2)
事業者向けアンケートの実施結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-16
3.
目標値試算に係る削減効果量の内訳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-36
4.
エネルギー消費量等の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-48
5.
シアトル市の温暖化計画(第2回専門部会資料)・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-53
6.
他地域における削減目標等の事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料編-60
7.
IPCC第 5 次評価報告書(統合報告書 SPM)の概要・・・・・・・・・・・ 資料編-62
平成 27 年 9 月改定
神戸市
1.市民懇談会の実施状況
第1回「地球温暖化対策に関する市民懇談会」を開催しました
メインテーマ「家庭でのエネルギー消費量は、どうしたら減らせるのか?」
神戸市では温暖化防止実行計画の改定作業中で、その改定の柱に、市民・事業者の皆さんに分
かりやすく、取り組みやすい計画の策定を掲げています。そこで、市民の皆さんの生の声を計画
改定に反映するために、市民懇談会を開催致しました。(第2回は、9月6日開催予定)
日時
:平成26年7月26日(土)14:00~16:00
場所
:あすてっぷKOBE(神戸市男女共同参画センター)2階
第1セミナー室
参加者:市政アドバイザー10名、大学生1名、オブザーバー8名
Aさん:垂水区
Bさん:中央区
Cさん:灘区
Dさん:東灘区
Eさん:北区
Fさん:東灘区
50 歳代
80 歳代
70 歳代
50 歳代
30 歳代
70 歳代
男性
女性
男性
男性
男性
男性
Gさん:中央区
Hさん:灘区
Iさん:須磨区
Jさん:垂水区
Kさん:垂水区
60 歳代
40 歳代
70 歳代
70 歳代
20 歳代
女性
男性
女性
男性
男性
環境保全に取り組んでいるボランティア
団体の皆様
アースパルKOBE
グループわ
神戸地域地球温暖化防止活動推進連絡会
第1回では、
「家庭でのエネルギー消費量は、どうしたら減らせるのか?」をメインテーマとし、
次の4つテーマについて、活発な意見交換が行われました。
テーマ①
テーマ②
テーマ③
テーマ④
地球温暖化の影響が心配になったことがありますか?差し迫った危機と感じた
ことはありますか?
あなたの家庭での省エネは、現状の取り組みで十分だと思いますか?
家庭でのエネルギー使用量を把握することは、省エネ推進に役立つと考えます
か?
家庭での省エネを進めるために、行政に何を期待しますか?
以下、懇談会の様子をとりまとめました。
資料編-1
テーマ①
地球温暖化の影響が心配になったことがありますか?差し迫った危機と感
じたことはありますか?
地球温暖化の影響を感じます
・昔と比べると、気候が変わってきている気がして危機を感じる(豪雨、巨大な台風など)。
(B
さん、Cさん、Gさん)
・心配はあるがまだ実感がない。(Eさん)
・テレビや新聞、インターネットのニュースで見聞きするので心配。(Fさん)
・将来が心配。将来、日本で同じように暮らしていけるのだろうか。(Kさん)
・野菜や魚が手に入らなくなったり、価格が変動することにが心配。(Hさん)
地球温暖化問題自体に疑問があります
・地球温暖化は本当に温室効果ガスだけが原因なのか?国が掲げている温室効果ガスの削減目
標の達成は不可能。原発反対と温暖化対策を同時にすすめることは不可能だと思う。(Jさ
ん)
・地球全体での変化なのか、ヒートアイランド現象等の局地的な変化なのか、確信を持てない。
(Hさん)
地球温暖化(の事象)が、本当に温室効果ガスの影響が大きいのか確信が持てませ
ん。また、暑く感じる日が増えているように思いますが、ヒートアイランド現象な
どの局所的変化との混同もあり 、地球温暖化傾向であると確信できません。本当に、
地球全体として温暖化しているのですか。
また、地球温暖化の原因は、本当に、温室効果ガスの排出なのですか。
テーマ②
あなたの家庭での省エネは、現状の取り組みで十分だと思いますか?
我が家の省エネの取り組みはこんな状況です
・仕事をしていたら家のことにかける時間がないので、日々の取り組みの積み重ねが大切だと
思いながらも細かな省エネの取り組みまで手が回らない。休日にはできる範囲で行っている。
(Aさん)
・エコ家電(冷蔵庫)に買い替えたら、電気代が半分になった。グリーンカーテン、LEDへ
付け替え、打ち水を行っている。(Gさん)
・ペット(猫)を家の中で飼っているので、不在時もエアコンを切ることができない。
(Aさん)
省エネに取り組む人。取り組まない人。どうしたらいいですか
・いくら自分が頑張って省エネに取り組んでいても、利己的で取り組まない人がいると、全
体としては省エネに向かわない。(Cさん)
・積極的に省エネに取り組む人ばかりではないので、省エネによってもたらされる利益をも
っと示すべき。(Hさん)
・隣の家がいつも電気をつけっぱなしのようだが、何も言えない。(Cさん)
省エネを行う目的は?
・化石燃料などの資源保護のため。(Jさん)
・電気代などがもったいないので。(Iさん)
・健康管理のため(冷房が強いと体調が悪くなる)。(Iさん)
資料編-2
身の丈に合った快適な生活で省エネを!
・高台に住んでいるので、夜は涼しくなるべくエアコンを使わずに過ごせる。(Iさん)
・暑い時にはエアコンを使うし、出かける時には車も乗るので、それを我慢したりはしたくな
い。(Eさん)
・我慢して省エネを行うのでは、出来ないし続かない。(Iさん)
テーマ③
家庭でのエネルギー使用量を把握することは、省エネ推進に役立つと考えま
すか?
家庭でのエネルギー使用量と市内家庭の平均値を比較することは、省エネ推進になるはず!
・世帯属性別の平均エネルギー消費量と比較して低かったので、自分の活動に自信が持てるよ
うになった。(Hさん)
・使用量の計算は面倒だが、結果を見ると省エネのやりがいを感じた。(Gさん)
・オール電化の家の場合、どのように評価をしたらよいのか分からなかった。(Eさん)
・エネルギー消費量より、コストの方が重要だと思う。(Aさん)
・切り詰めすぎの方(無理な省エネをしている方)にとって、もう少し緩めても良いかもしれ
ないという目安になると思う。(Hさん)
地球温暖化対策を考えるなら、家庭であっても『エネルギー使用量』ではな
く、『温室効果ガス(又は二酸化炭素)排出量』の「ものさし」を使うべきだと
思いますが、なぜ、エネルギー使用量の削減をテーマにするのですか?
我が家はオール電化住宅です。世帯ごとの電気やガスの使用量を把握して、
市内世帯1人当たりの平均値と比較して、省エネの推進状況を自ら評価しよう
という試みはわかりますが、電気の使用量を比較してもあまり意味がないと思
います。
テーマ④
家庭の省エネを進めるために、行政に何を期待しますか?
鉄道費が高すぎるので、自家用車の使用をやめられない!
・北区から三宮まで出ようとすると、駐車場代などを含めても鉄道費(神戸電鉄、北神急行)
の方が高いため車を使ってしまう。鉄道費を下げてください。また、安価でどこでも返却で
きるレンタサイクル制度のようなものを作ってほしい。(Eさん)
市民に色々な情報を!!
・行政から、もっと市民へ色々な情報を与えてほしい。
(燃料種ごとの排出係数など燃料代替に
よる効果に関する情報、省エネ家電への買い替え効果情報など)(Jさん)
その他の意見
・地球温暖化対策は、もっとグローバルに進めなければならない問題である。(Dさん)
・太陽光発電が良いということは分かっているが、設置するのにかかる費用が高い。行政から
の補助金があっても高く、なかなか手が出せない。(Fさん)
・リサイクルや省エネの方法を具体的に教えてほしい。(終了後アンケートより)
・地球温暖化対策は家庭の省エネだけでは解決しない。社会的テーマ(原発、企業、商業等)に
も議論を深めたい。(終了後アンケートより)
資料編-3
行政は太陽光パネルの市民の設置数や発電量は把握できているのでしょうか。エネル
ギー使用量の情報もいいですが、再生可能エネルギーの生産量の情報もほしいです。
オブザーバーからの主な感想
・現在は企業も行政も格段に省エネ活動を進めているので、その考えを家庭にも持ち込んでい
けば良いと思う。
・推進員として、今後は省エネが温暖化防止活動に繋がるということのPRや、神戸市発行の
家庭版エコマニュアルの更なる普及が必要だと痛感した。
・学生の参加があり、若い方の考え方を聞くことができて良かった。
・省エネに取り組まない人は何故取り組まないのかが知りたかった。それが分かれば、どう持
ちかければ取り組む人が増えるのかという対策を考えられると思う。
資料編-4
第2回「地球温暖化対策に関する市民懇談会」を開催しました
メインテーマ「我が家以外(近所の家も、知らない人の家も、勤め先も、買い物先も、
お出かけ先も)の省エネはどうしたら進むのでしょうか。」
神戸市では地球温暖化防止実行計画の改定作業に当たって、市民の皆さんの生の声を反映する
ために、7月26日に「家庭でのエネルギー消費量は、どうしたら減らせるのか」をメインテー
マに開催した第1回地球温暖化対策に関する市民懇談会に引き続き、9月6日に第2回市民懇談
会を開催致しました。
日時
:平成26年9月6日(土)14:00~16:00
場所
:あすてっぷKOBE(神戸市男女共同参画センター)2階
第3セミナー室
参加者:市政アドバイザー9名、大学生1名、オブザーバー10名
Aさん:垂水区
Bさん:垂水区
Cさん:灘区
Dさん:東灘区
Eさん:北区
50 歳代
70 歳代
70 歳代
50 歳代
30 歳代
男性
男性
男性
男性
男性
Fさん:東灘区
Gさん:中央区
Hさん:灘区
Iさん:須磨区
Jさん:垂水区
70 歳代
60 歳代
40 歳代
70 歳代
20 歳代
男性
女性
男性
女性
男性
環境保全に取り組んでいるボランティア
団体の皆様
アースパルKOBE
社会還元センター グループわ
神戸地域地球温暖化防止活動推進連絡会
第2回では、「我が家以外(近所の家も、知らない人の家も、勤め先も、買い物先も、お出か
け先も)の省エネはどうしたら進むのでしょうか。」をメインテーマとし、次の3つテーマにつ
いて、意見交換が行われました。
テーマA
業務部門(勤め先、買い物先、お出かけ先)の省エネを進めるには
テーマB
家庭部門(近所の家、知らない人の家など)の省エネを進めるには
テーマC
運輸部門(車の運転、公共交通機関など)の省エネを進めるには
以下、懇談会の様子を取りまとめました。
※表記についてのご説明
懇談会参加者から事前に提案されたご意見
懇談会参加者から、事前にいただいたご意見です。
表の形式で記載しています。
他のご意見
オブザーバーが所属する環境団体等のメンバーや一
部市職員から事前に募集した提案内容について、事務
局から懇談会の場で、要旨説明を行ったものです。
懇談会出席者のご発言
懇談会出席者から、当日にご発言いただいた内容で
す。
資料編-5
テーマA
業務部門(勤め先、買い物先、お出かけ先)の省エネを進めるには
①店舗での冷房が過剰にならないように、空調温度の徹底した管理を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Bさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
デパート、スーパー、コンビニ、調剤薬局等で、過剰に冷房を行ってい
るところの室温を最適化する。
行政から、各々の責任者に対し、施設ごとの望ましい冷房温度を設定し、
それを公表するとともに、店舗ごとに現在の設定温度を客の目につきや
すいところに表示するように指導する。
冷房の目標温度は一律 29℃というような単純なものではなく、例えば各
業界団体の代表と協議し、事業の特性を加味して決める。
・業界団体を巻き込む事により、自分たちが決めた目標という形で遵守
率を上げる。
・自治体レベルでの温暖化問題の解決は難しいと思う。
・市には温暖化問題より優先的に進めるべきことがあると思うので、費
用の掛かる取組等はやってほしくない。補助金制度も費用対効果が悪
いと思う。
他のご意見
○店舗やオフィスビルの空調温度の管理について見える化することで、省エネにつながるので
はないか。
○コンビニエンスストアやスーパーマーケットの照明を LED 照明に変えることで、大幅な省
エネにつながると思う。補助金制度や低利融資制度等があれば、案内することが重要である。
○店舗の過剰照明を止めることで、省エネできるのではないか。
懇談会出席者のご発言
◆照明の LED 化について、工場などでは使用本数が多いので、それを工場施設ごとに換える
とコストがかかる。換えたいという意識があっても、現実的に難しい点もある。すぐに実行
できなくても、徐々に移行すればよいという意識を持てばよいのではないか。(Hさん)
◆電気を何カ所か消すことで省エネはできる。ただし、山の中の街灯等で夜間に電気をつけっ
ぱなしにすることはもったいないと感じる人もいるが、防犯等安全性との兼ね合いがある。
行政がどう絡むかであるが、企業側が安くて、明るい照明を考えていると思う。行政が絡む
のであれば、省エネ機器等の開発を実施している研究機関等に助成するなどになるかと思う。
また、安全性と省エネのバランスは大事であると思う。(Aさん、Hさん)
◆神戸市が管理している街灯が LED に換わらない印象である。周辺市の取組が早かったこと
や、神戸市が未だ蛍光灯なのに企業には LED への変更を推奨するのは説得力がない。市の
率先行動が必要である。(Eさん)
◆近所の老人ホームは裏に山を擁しているが、いつも電気が煌々と灯っている。安全性や防犯
を考慮しての照明かどうかは不明だが、同様に高層マンションにしても、過剰照明している
ところが多いように感じる。(Cさん)
◆企業が経済活動のために行っていることに対して口を挟みたくない。企業活動に関しては、
黒字経営になっていれば問題ないというスタンスもある。
資料編-6
②冷凍食品売り場などのショーケースの省エネ化を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Gさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
スーパーマーケットの冷凍食品売り場の周囲が寒すぎるので、冷凍庫や
冷蔵庫の上にスライド式のふたをすれば、冷気が逃げずに良いのではな
いか。採用している店舗もあるようだが、私が買い物をする店舗では行
っていない。
『店長への声』等の用紙を通じて、お店の方に呼びかける。
・冷凍食品売り場の近くに、
「省エネに協力してください」と張り紙で説
明すれば、消費者もふたの開閉の手間を惜しまないと思う。
・お店側にも費用の問題や都合があると思うが、近所のお店も寒すぎて
すぐに店を出てしまった。買い物もあまりできないため、店にとっても
マイナス面になっていると思う。
・スーパーの冷凍食品売り場の近くは寒くて近寄れないため、冷凍庫の
蓋やエアカーテン等を設置すればよいと思う。
・店側だけでなく、消費者側も意識改革して協力する必要がある。
他のご意見
○家庭や事業所における、電気のスイッチや水道の水栓等に「地球環境保全のために…」や「限
りある資源を大切にするために…」等のキャッチフレーズを配したステッカー等を貼って啓
発を呼びかけることで、省エネにつなげられるのではないか。
懇談会出席者のご発言
◆「地球温暖化防止のために」などのキャッチフレーズは聞き飽きており、今更聞いても右か
ら左へ聞き流してしまう人が多いと思う。これに代わるような、ありきたりでなく、もっと
響くキャッチフレーズが必要である。グローバルな話を家庭にもってこようとしているので、
言葉を選ばないと実感としてとらえにくい。(Hさん)
③エスカレーターに人感センサーの設置を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Gさんよりご提案)
ア)ここを省エネ 商用施設等のエスカレーターに人感センサーを設置し、人が使っていな
いときには動きを止めるなど、省エネにつなげる。
イ)推進の方法
―
ウ)意見等
・エスカレーターについて、常時動いている場合と、人感センサーで動
く場合とでは、どれぐらい電気消費が違うのだろうか。
他のご意見
○補助金等の助成を行い、ショッピングモールや駅等において、人感センサー搭載型エスカレ
ーターを普及させることで、省エネにつなげられるのではないか。
懇談会出席者のご発言
◆自動販売機やエスカレーターの間欠運転については、頻度をうまく設定すればエネルギー削
減になるので、その見極めは非常に大事である(場合によっては逆効果となる)。利用者が
少ないところは動かすべきでない。(Hさん)
◆エスカレーターなど、モーターは発動時に電気代がかかる。電車のモーターの場合は特に大
きい。途中で止めると損をするので、そこを考えながら運転しないとかえって電気代がかか
る場合もある。(Aさん)
◆人感エスカレーターはセンサーが作動するのが乗る直前であっては困る。したがって、ある
程度の空間が必要になるので、現在のものとの置き換えは容易ではない。(Aさん)
資料編-7
④スーパーマーケットの駐車場などの広い場所への太陽光発電の普及を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Fさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
スーパーマーケットの建屋の前や屋上に設置されている青天の駐車場
に、太陽光パネルを付けると店内の電力が賄われるのではないか。
―
・費用や設置場所の強度の問題等はあると思うが、青天駐車場を有効利
用するとよいのではないか。
・国の補助や行政の低利融資制度が必要だと思うが、税負担が掛かるこ
とには反対である。
懇談会出席者のご発言
◆空き地を借り上げて駐車場に有効利用する事業者がいるが、土地の持ち主は別になる。同様
に、太陽光パネルについても借り上げた空き地に設置して発電を行い、儲けて場所代を払う
という事業者がいる。ただ、事業申請しても、パネルの設置条件を満たすことができず、事
業が始められないケースもあると聞く。(Aさん)
⑤スーパーマーケットなどでの食品トレーや容器包装を減らす努力を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Eさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
スーパーマーケット等で使用されている食品トレーをできるだけ使わな
いようにし、量り売り等を行うことで省エネできるのでは。
省エネルギーセンターと行政が共同して、系列のスーパーマーケットの
本部に対して、お客が買った商品を持ち帰る方法などを考えて提案し、
それによって、お客を顧客化できるとアピールする。
・食品トレーの使用を減らすことが、どの程度温暖化防止に効果がある
かは不明である。
・トレーの使用減を進めるためには、省エネルギーセンターと行政で呼
びかけるべき。
・かつては、専門店で購入すればトレーはついてこなかった。トレーに
入っていた方が手軽に買えるがそれに代わるものは思いつかなかった。
他のご意見
○百貨店等の過剰包装紙・袋は、ほとんどがごみとして廃棄されている。百貨店の過剰包装を
やめるよう、行政から指導することで、省エネにつながるのではないか。
○レストラン等で、食べ残しをしないで持ち帰る運動をすることで、省エネにつながるのでは
ないか。神戸市の条例等でできないだろうか。フランスの一部では、このような活動につい
ても、かなり真面目に取り組んでいるようである。
懇談会出席者のご発言
◆トレーはゴミと認識すべきではない。リサイクルに出すことが大事であり、自治体でアナウ
ンスできる。これまで以上の呼び掛けが必要である。今の食品トレーではない別の形のもの
ができればよいが、企業側の努力も必要になる。(Hさん)
⑥電力需要ピークをずらすピークシフト自販機の普及を
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Jさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
街中の自動販売機を、ピークシフト自販機に置き換えることで、省エネ
できるのでは。
各市町村から、事業者に対し、
「ピークシフト自販機」の情報を発信する。
・環境教育として小学校で省エネの大切さなどを伝える。
資料編-8
※ピークシフト自販機とは・・・
自販機本体の断熱性や気密性を向上し、電力需要が低い夜間の電力を使用(ピークシフト)
して集中的に冷却を行うことで、電力使用のピーク時間帯(8 時~22 時)の電力使用量を大
幅に抑える(日中は運転のための待機電力のみを使用)。夏の日中においては、使用する電
力量を、最大時で 95%削減できる。
(参照 URL:http://j.cocacola.co.jp/peak_shift/)
他のご意見
○自動販売機の屋外設置を規制し、屋内に設置するよう市から設置者等に指導することで、省
エネにつながるのではないか。海外では自販機の設置は少なく、日本では必要以上に設置さ
れているように思う。
懇談会出席者のご発言
◆自販機に6時間後に切れるなどタイマーを設置すればよいと思う。(Cさん)
資料編-9
テーマB
家庭部門(近所の家、知らない人の家など)の省エネを進めるには
①家庭へのLED照明等の省エネ機器の設置を啓発しては?
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Jさんよりご提案)
ア)ここを省エネ 家庭の照明を LED に置き換えることで、省エネできるのでは。
イ)推進の方法
各市町村から、各家庭に、LED 照明の導入について啓発する。
ウ)意見等
・環境教育として、小学校で省エネの大切さなどを伝える。
他のご意見
○家庭での電気、都市ガス、自動車燃料等のエネルギーの、化石燃料から非化石燃料(再生可
能エネルギー)への転換を促進することで、省エネが期待できる。また、「家庭版エコマニ
ュアル」を基に、電力・都市ガスに加えて水道水・自動車燃料使用量まで拡大した新たな省
エネの目安を普及するべき。
○市民に対しペットボトルの再利用を呼び掛けることで、使用量の削減につながり、 LCA の
効果も表れると思う。
○市から、家電の買い替え等による省エネ効果が分かるサイト(環境省、資源エネルギー庁、
省エネルギーセンター等が作成)の紹介等の情報発信を行うことで、最新機種への買い替え
が進み、電気使用量の削減につながる。
○行政から、電力使用量を減らす「ネガワット」の考え方を発信することで、家庭での電力消
費量の削減につながる。情報発信を行うに当たっては、環境の観点よりも「家計の節約」と
いう観点を全面に出す。
○省エネナビ・ワットアワーメーターを用いて家電の電力使用量を実測することで、家電の電
源オンオフ時の差や、省エネモード時、待機時の消費電力量を把握でき、省エネ意識が高ま
るのではないか。そのためには、省エネナビ・ワットアワーメーターを区役所で貸出可能と
するほか、小学校の環境学習や理科の授業で、家電の電力消費量や待機時電力消費量を測定
する方法を教えるとよいと考える。
懇談会出席者のご発言
◆長年同じ冷蔵庫を使用しているが、色もデザインも気に入っているので、冷凍・冷蔵庫の中
身のみ交換して欲しいと、メーカー側に問い合わせているが返事がない。(Cさん)
⇒それは難しいだろう。かえって費用がかかると考えられる。(Aさん、Bさん、Hさん)
②多世代世帯を優遇する税制措置などを設けては?
他のご意見
○単身世帯のエネルギー消費量は、4 人家族の世帯のほぼ 2 倍に上るとのデータもあることか
ら、市から、市民に対して多世代世帯を呼びかけるほか、多世代世帯に対し、税の優遇措置
等を設けることで、省エネにつながるのではないか。
③家庭用ドライミストの設置普及を
他のご意見
○特に省エネ意識の高い世帯に対して、家庭用ドライミストキットの現物配布やモニター施行
の募集を働きかけることで、間接的な省エネにつながるのではないか。
※ドライミストとは・・・
水を微細な霧の状態にして噴射し、蒸発する際の気化熱の吸収を利用して主に地上の局所
を冷却する装置。水の粒子が小さいため素早く蒸発し、肌や服が濡れることもない。
周辺の気温を 2~3℃下げることができるとされ、家庭用では庭等の屋外に散布するほか、
空調機の室外機に散布して空調機の効率を上げる等の使用方法もある。
資料編-10
④自治会等を通じた啓発活動を
他のご意見
○自治会を通じて、「身近なところから、省エネしましょう」という内容の啓発チラシの回覧
や掲示をおこなうことで、省エネの必要性の気づきにつながると思う。隣近所の関係を悪く
してまでの取組はしないほうがよいと考える。
○自治会単位などで省エネ推進活動を行ってもらい、目標値を達成できた場合には、市の指定
ゴミ袋をプレゼントする等、省エネ意識の高くない人にも意識を持ってもらえるような取り
組みを行うことで、省エネが大幅に進むと思う。
懇談会出席者のご発言
◆家庭部門の省エネについては、啓発的なことでやっていくしかないと思う。啓発のしかたは
市がやるのか自治会がやるのかといった課題がある。テーマが地球温暖化なので、ささやか
な草の根的な運動が地球温暖化対策にどう貢献するかというと期待が薄い。テーマが離れす
ぎているイメージがある。(Dさん)
◆グリーンカーテンなどは神戸市が実施していて、参加すると表彰される。省エネ活動が重荷
になると続かないので、楽しみになるようなものがあればよい。(Gさん)
◆中央区は回覧板、掲示板も情報が入り混じる。どれを活用すべきか高齢者や子供にはなかな
か難しい。何をどう啓発すべきか分からない。(Gさん)
◆最近では高齢者の割合が増えたことなどの理由により自治会を脱退する地域もある。簡単に
自治会でというふうにいかないところもある。自治会そのものがない地区が増えている。
(I
さん)
◆市全体として正しい情報を提供しつつ、自治会単位で呼びかけるのは理想であるが、コミュ
ニティ自体が不足しているのが現状。(Iさん)
資料編-11
テーマC
運輸部門(車の運転、公共交通機関など)の省エネを進めるには
①家庭ごとの自家用車の保有台数を削減する取り組みを
懇談会参加者から事前に提案されたご意見 (Cさんよりご提案)
ア)ここを省エネ
イ)推進の方法
ウ)意見等
自家用車を 2~3 台持っている家が多いが、1 台減らすことによって、省
エネになると思う。
地域の自治会から、所有者に対して、市の広報誌等を通じて呼びかける。
・近隣者ではなかなか話しにくいので、自治会等を通じて呼びかけを行
うといいと思う。
・地域の状況によって、通勤や買い物、子供の送迎等に必要かもしれな
いが、駅までの送迎等に公共交通を使うことによって、渋滞の緩和にも
つながると思う。
・各家庭の車の所有台数を、車の使用の仕方などを工夫することで減ら
すべきである。
・コミュニティバスについても、利用者がいない場合がある。または、
利用したくても、自宅付近まで来てもらえない場合もある。
懇談会出席者のご発言
◆勤務先には、週に1回、在宅で仕事ができる制度があり、取引先とのやりとりなど PC と電
話さえあれば仕事ができるため、皆活用している。また、通勤は公共交通機関を利用してい
る。(Dさん)
◆神戸高速鉄道は通過するだけで初乗り運賃が発生する。それもあって、神戸電鉄沿線住まい
の人は車を使うのではないだろうか。(Hさん)
②エコドライブについて普及啓発を
他のご意見
○夏場にできるだけ窓を開けて車の運転をすることで、冷房の運転の無駄の削減につながり、
省エネできると思う。
○運転免許更新時の安全講習の一部に省エネ運転の必要性を訴える内容を盛り込み、省エネ運
転方法の啓蒙を図ることで、省エネできる。省エネ運転を心がければ、無理な追い越し等も
行わなくなるなど、安全運転にも大いにつながる。
○市や自動車メーカーから、エコカーを含む代表的な車種を複数取り上げ、市街地でエコドラ
イブを実践する場合としない場合の標準的な燃費や月間のガソリン代の比較表を HP 等で公
表することで、エコドライブが普及し、省エネにつながる。
○タクシー乗り場の客待ちのタクシーのアイドリング停止を義務付けたり、行政からの指導を
行ったりすることで、CO2 量の削減や、省エネにつながるのではないか。
資料編-12
懇談会出席者のご発言
◆エコドライブについて、自分は燃費の悪い車に乗っているので、常に燃費に気を使っている
が、エコカーの普及でそこに気を使う人は減っている。市がエコドライブを推進するのであ
れば、広報に載せてもよいかもしれない。(Hさん)
◆車の窓を開けて走る意味は小さい。夏などは、乗ってしばらく開けると暖気が逃げて効果が
ある。それとエアコンを組み合わせるとよい。また、窓を全開にすることで汚い空気を吸う
可能性もあり、健康によくない。啓発すべきである。(Hさん)
③公共交通機関の利用拡大を
他のご意見
○週末休日の公共交通機関(市営地下鉄・バス)について、都心部(三宮―神戸間)は乗車運
賃をフリーとし、設定範囲を超えた場合には課金するという仕組みを導入することで、都心
部での車利用の減少や都心部へ入る際の公共交通機関の利用促進につながり、燃料消費量の
削減等につなげられる。対象を IC カード利用者のみとすることで、事務的な手間を省くこ
とができるのではないか。
○神戸市営地下鉄やバスの車両への LED 室内灯や遮熱ガラスの導入や、駅の発車案内表示板
の LED 化を進めることで、省エネにつながると思う。
懇談会出席者のご発言
◆週末・休日の都心部への公共交通料金はフリーという提案について、全部フリーにしてしま
うと回らなくなく可能性があるので、上限を決めるとよいと思う。(Aさん)
◆新幹線に採用されているエアコンは温度を下げるためのエアコンである。家庭のエアコンは
省エネの観点から、また、風を受けると体温が下がることから、サーキュレータとの併用を
推奨されている。在来線は新幹線と同じじっくり冷やすタイプのエアコンが搭載されている
が、在来線の用途からすると相応しくない。人間の体感を含めて、エアコンの使用の仕方を
提言できるところがあればよい。(Aさん)
その他のご意見等
○三宮商店街の再開発に当たり、三宮・元
町・神戸の3地点を歩道で回遊できるル
ートを開発し、車の流入量の抑制、徒歩
や自転車中心のまちづくり、地域冷暖房
を含む地域エネルギーの創生を行うこ
とで、省エネ・スマートシティを実現で
きると思う。
◆今の若い人は実感がないかもしれない
が、昔は自然と共生していた。今は自然
に背を向けて、言っていることとやって
いることが相反することが多い。自分で
できることから無理せず継続すること、
小さな力を積み上げることが大事であ
る。(Gさん)
◆気候が温暖化することによって、旬が夏の食べ物が冬にも手に入るようになるなど、消費者
にとっては嬉しい面もあるが、それが一概に良いこととも言い切れないと思う。(Iさん)
資料編-13
2.アンケート実施状況
(1)市民向けアンケートの実施結果
Ⅰ
実施概要
対象者
実施時期
調査方法
回収数
Ⅱ
:第 12 期市政アドバイザー1,061 人
:平成 26 年 6 月 17 日から 6 月 30 日
:郵送発送、郵送回収
:571 通(回収率 53.82%)
回答結果
問4
東日本大震災以降、エネルギー問題について、あなたの関心はどのように変化しまし
たか。あてはまるものを1つ選んで、番号に○をつけてください。
・「1.大きく高まった」
(31.6%)、
「2.少し高まった」
(42.0%)と回答された方の合計が7
割を超えており、東日本大震災以降、エネルギー問題への関心が非常に高まっている
ことが分かりました。
4.変わらない(以前
から関心がない)
3.5%
5.わからない また
は 低くなった
0.7%
N=566
1.大きく高まった
31.6%
3.変わらない(以前
から関心があった)
22.1%
2.少し高まった
42.0%
問5
異常気象の発生や自然環境の変動等を緩和するためには、今後、日本全体として、ど
の程度の地球温暖化対策への取り組みが必要だと思いますか。あてはまるものを1つ
選んで、番号に○をつけてください。
・地球温暖化対策への取り組みについて、「1.現状以上の積極的な取り組み」が必要と回答
された方が約7割を占めており、多くの方がより積極的な取り組みを必要と考えているこ
とが分かりました。
4.特に地球温暖化
対策に取り組む必
要はない
1.8%
3.現状よりも緩和し
た取り組み
0.7%
5.わからない
3.2%
N=566
2.現状と同程度の
取り組み
22.6%
1.現状以上の積極
的な取り組み
71.7%
資料編-14
問6
東日本大震災以降、電力不足による節電などの省エネを中心とした地球温暖化対策が
求められていますが、あなたの家庭でどのような対策に取り組んでいますか。あては
まるものをすべて選んで、番号に○をつけてください。
・家庭で取り組まれている温暖化対策について、
「1.こまめな消灯やエアコンの設定温度を変
更するなど日ごろの行動を見直した」(79.8%)と回答された方が最も多く、次いで「6.ご
みの分別、リサイクルの徹底をしている」(70.4%)、「5.マイバックの活用をしている」
(69.6%)の順という結果となりました。また、これらの対策については、すべての年代で
多くの方が取り組まれていることが分かりました。
1.こまめな消灯やエアコンの設定温度を
変更するなど日頃の行動を見直した
79.8%
2.LEDや、省エネ型のエアコン、冷蔵庫
等の省エネ機器を設置した
45.5%
3.ガス・灯油などの電気以外のエネル
ギー利用を増やした
N=565
10.4%
4.太陽光発電やエネファーム等の
新たな設備を設置した
4.2%
5.マイバッグの活用をしている
69.6%
6.ごみの分別、リサイクルの
徹底をしている
70.4%
9.6%
7.エコカーへの買い替えをした
8.エコドライブの実施や公共交通機関の
積極的な利用をしている
19.5%
12.9%
9.緑のカーテンを設置した
10.森林の保全育成に関する
地域活動等に参加した
1.4%
6.2%
11.その他
0%
20%
40%
60%
80%
100%
問7
今後、あなたの家庭で積極的に取り組みたい地球温暖化対策の取組みはなんですか。
あてはまるものを3つまで選び、番号に○をつけてください。
・今後、家庭で積極的に取り組みたいと考えられている地球温暖化対策の取組について、「 1.
こ ま め な 消 灯 な ど 日 頃の 省 エ ネ 行 動 」( 68.3%)、「 2.LED 等 の 省 エ ネ機器 へ の 入 れ 替 え 」
(43.1%)、「5.マイバッグの活用」(42.2%)、「6.ごみの分別、リサイクルの徹底」(39.3%)
と高い割合となり、問6に対する回答の傾向と近い結果となりました。
1.こまめな消灯など日頃の
省エネ行動
68.3%
2.LED等の省エネ機器
への入替
43.1%
N=562
8.2%
3.太陽光発電の設置
4.エネファーム等高効率給湯・
発電設備の設置
6.9%
42.2%
5.マイバッグの活用
6.ごみの分別、
リサイクルの徹底
39.3%
11.7%
7.エコカーへの買い替え
8.エコドライブの実施や公共
交通機関の積極的な利用
14.4%
9.家庭内の省エネの自動管理
を行うHEMSの設置
4.6%
11.9%
10.緑のカーテンの設置
11.森林の保全育成に関する
地域活動等への参加
5.9%
2.7%
12.その他
0%
20%
資料編-15
40%
60%
80%
問8
神戸市域において、行政や民間企業にこれから積極的に取り組んでほしい地球温暖化
対策事業はどのようなものですか。(3つ選択)
・神戸市域において、行政や民間企業の取組が期待される地球温暖化対策事業について、
「 1.
太陽光発電・バイオガス等の再生可能エネルギーの導入」
(56.8%)が最も多く、次いで「5.
公共交通機関の利用しやすい環境づくり」
(45.7%)、
「4.新しい技術の開発や導入」
(40.2%)
という結果となりました。
1.太陽光発電・バイオガス等の再
生可能エネルギーの導入
56.8%
2.空調・照明・給湯・発電での高効
率のエネルギー利用技術の導入
33.2%
N=567
3.バランスのとれた安定したエネル
ギー供給体制の確立
38.6%
40.2%
4.新しい技術の開発や導入
5.公共交通機関の利用しやすい環
境づくり
45.7%
22.2%
6.エコカーの低価格化による普及
7.環境学習や地球温暖化に関する
自己啓発の支援
13.6%
12.0%
8.積極的な環境情報の発信
4.2%
9.その他
0%
20%
40%
60%
(2)事業者向けアンケートの実施結果
Ⅰ
実施概要
対象者
:グリーンネットワーク、神戸商工会議所、兵庫県中小企業家同友会の各団体
に所属する神戸市内事業所
実施時期 :2014 年 11 月
調査方法 :各団体を通じてアンケート用紙を郵送配布。郵送にて回収。
回収数
:合計 425 通を配布し、154 通の回答を受領。(回収率:約 36%)
Ⅱ
回答結果
Q1 事業活動に使用している電力、ガス、灯油、重油、ガソリン、軽油などのエネルギー使
用量について、期間別(日、週、月、四半期、年など)に集計し、増減比較などのエネル
ギー使用量の把握をしていますか。
・現時点において、全体の7割強の企業が概ね事業活動で使用しているエネルギ
ー消費量を把握しており、エネルギー消費量を指標とした地球温暖化対策の素
地は概ね整っていると考えられます。(CO2 を指標とし他場合には、現状消費量
を把握している事業者割合は、この数値を下回ると想定されます。)
【Q1】エネルギー使用量の把握をしているか
(N=154)
使用量は把
握していな
いが、金額
としてなら
把握してい
る
15件 9.7%
していない
11件 7.1%
無回答
16件 10.4%
すべてのエ
ネルギー項
目について
使用量を把
握している
96件、
62.3%
一部のエネ
ルギー項目
について使
用量を把握
している
16件 10.4%
資料編-16
Q2-1 事業活動に使用しているエネルギーの種類をすべて教えてください。(複数回答可)
・ほぼ全事業者が使用している「電気」以外では、
「都市ガス」の利用割合が8割
弱と高くなっています。
【Q2-1】事業活動に使用しているエネルギーの種類
(N=154)
0
20
40
60
80
100(%)
電気
都市ガス
153件、99.4%
LPガス
31件、20.1%
重油
灯油
25件、16.2%
軽油
39件、25.3%
ガソリン
その他
無回答
122件、79.2%
23件、14.9%
86件、55.8%
6件、3.9%
1件、0.6%
【「その他」の回答】
・石炭(2 件)
・冷・温水の供給(1 件)
・木質チップ(1 件)
・太陽光(1 件)
・蒸気(1 件)
・コークス(1 件)
Q2-2
重油の用途について(複数回答可)
【Q2-2】用途(重油について)(N=23)
0
20
ボイラー燃料
重機燃料
40
60(%)
6件、26.1%
1件、4.3%
その他
7件、30.4%
11件、
47.8%
無回答
資料編-17
Q2-3
灯油の用途について(複数回答可)
【Q2-3】用途(灯油について)(N=25)
0
20
ボイラー燃料
重機燃料
40
60(%)
13件、12.0%
0件、0%
その他
10件、40.0%
無回答
Q2-4
12件、48.0%
軽油の用途について(複数回答可)
【Q2-4】用途(軽油について)(N=39)
0
自動車燃料
20
40
60
7件、17.9%
重機燃料
4件、10.3%
その他
5件、12.8%
無回答
Q2-5
80(%)
26件、66.7%
ガソリンの用途について(複数回答可)
【Q2-5】用途(ガソリンについて)(N=86)
0
20
自動車燃料
その他
40
60
80(%)
20件、23.3%
2件、2.3%
64件、74.4%
無回答
資料編-18
Q3-1
電力について、現在の契約電力は何 kW ですか。
【Q3-1】現在の契約電力について (N=154)
わからない
24件 15.6%
無回答
9件 5.8%
50kW以下
16件 10.4%
50~150kW
21件 13.6%
150~250kW
7件 4.5%
250~350kW
4件 2.6%
1500kW以上
44件 28.6%
350~500kW
5件 3.2%
1200~
1500kW
5件 3.2%
Q3-2
500~700kW
8件 5.2%
700~900kW
3件 1.9%
900~
1200kW
8件 5.2%
電力契約に、特約が採用されていますか。(複数回答可)
【Q3-2】電力契約に採用されている特約
(N=147)
0
20
夏季休日特約
11件、7.5%
夏季操業調整特約
10件、6.8%
ピーク時間調整特約
デマンドカット・プラン
14件、9.5%
8件、5.4%
49件、
33.3%
いずれも採用していない
わからない
40(%)
22件、
15.0%
41件、
27.9%
無回答
Q4-1 施設の省エネルギー診断を受けたことがありますか。
・省エネルギー診断の受診率は約 25%と高いですが、まだ未受診企業が7割程度
と更なる普及余地は高いと考えられます。
【Q4-1】省エネ診断を受けたことがあるか
(N=154)
無回答
9件 5.8%
受けた
39件 25.3%
受けていな
い
106件
68.8%
資料編-19
Q4-2 省エネ診断を受診したのはいつですか。
・診断受診時期は、「2010 年~2014 年」が半数近くにのぼり、近年の受診拡大の
傾向が見られます。
【Q4-2】省エネ診断を受診した年
(N=38)
2000年~
無回答
2004年
7件 17.9%
6件 15.4%
2005年~
2009年
8件 20.5%
2010年~
2014年
18件
46.2%
Q5
診断に基づき、省エネルギー対策(改修工事を含む)をしましたか。
・省エネルギー診断受診事業者の約3分の2が、省エネルギー対策を実施してお
り、省エネルギー診断による省エネ促進効果は高いと考えられます。
【Q5】診断に基づき、省エネルギー対策
(改修工事を含む)をしたか (N=39)
無回答
1件 2.6%
実施して
いない
12件
30.8%
実施した
26件
66.7%
【対策の概要】
・照明機器に省エネ型(蛍光灯安定器、LED 等)を導入(8 件)
・空調機器の更新や使用方法・設定の改善(5 件)
・現行機器の設定や運用方法の改善、補修(4 件)
・主要機器を省エネ型機器へ更新(冷凍機・ボイラ等)(4 件)
・インバータ式機器の導入(3 件)
・デマンド監視機器の導入(2 件)
・ピーク電力の監視、ピークカット(2 件)
・ガス発電を導入(2 件)
・窓ガラスの遮熱(1 件)
・コージェネレーションシステムの導入(1 件)
・電力会社の変更(1 件)
・HVAC・BEMSの改修(1 件)
・屋根散水設備の設置(1 件)
資料編-20
・氷蓄熱の導入(1 件)
・ボイラの小型分散化(1 件)
・夜間電力対応エコキュートにより温水ボイラー1台休止(1 件)
Q6
(Q5 で)対策を取らなかった理由は何ですか。
【Q6】対策を取らなかった理由 (N=12)
診断の結
果、対策の
必要性は
あったが、
改修費用の
都合で実施
できなかっ
た
1件 8.3%
その他
2件 16.7%
診断の結
果、対策の
必要性は
あったが、
事業の都合
で実施でき
なかった
3件 25.0%
無回答
0件 0.0%
診断の結
果、対策の
必要性が
なかった
6件 50.0%
【「その他」の回答】
・できるところから対策中。(1 件)
・報告を受けたばかりのため、今後実施する予定。(1 件)
Q7 (Q4 で「実施していない」を選択された方のみ)省エネルギー診断を受けたいと思いま
すか。
・「わからない」が過半数にのぼっていることから、省エネルギー診断事業の啓
発余地が大きいとみられます。
【Q7】省エネルギー診断を受けたいと思うか
(N=106)
無回答
2件 1.9%
わからない
58件 54.7%
受けたい
19件 17.9%
受けたくな
い
27件 25.5%
資料編-21
Q8 (Q7 で「受けたくない」を選択された方のみ)省エネルギー診断を受けたくない理由は
何ですか。(複数回答可)
【Q8】省エネルギー診断を受けたくない理由(N=27)
0
20
40
60
業務に支障があるから
4件、14.8%
企業機密やノウハウが外部に漏れる
可能性があるから
5件、18.5%
既に省エネが進んでおり、
これ以上の省エネの余地がないから
8件、29.6%
内部で自己診断ができるから
診断による改善効果(成功事例等)を
よく知らないから
その他
無回答
(%)
80
17件、63.%
1件、3.7%
2件、7.4%
0件、0%
【「その他」の回答】
・対策が主に設備更新となることが予測されるため。(1 件)
・ビルの一部を借りているため。(1 件)
Q9
環境マネジメントシステムを運用するために、システム認証を現在受けていますか。
・神戸市独自の認証システム取得事業者が全体の約5%を占めています。
【Q9】環境マネジメントシステム認証を受けている
か(N=154)
無回答
ISO14001
50件 32.5%
1件 0.6%
KEMS(神戸
環境マネジ
メントシス
テム)ス
テップ1
7件 4.5%
取得してい
ない
93件 60.4%
その他のマ
ネジメント
システム
2件 1.3%
【「その他」の回答】
・ISO9001(1 件)
資料編-22
KEMS(神戸
環境マネジ
メントシス
テム)
ステップ2
1件 0.6%
Q10
環境マネジメントシステムの運用により、温室効果ガスの削減又はエネルギー使用量
の削減に効果がありましたか。
・環境マネジメントシステム取得企業の9割近くが、省エネルギー対策を実施し
ており、省エネルギー診断による省エネ促進効果は高いと考えられます。
【Q10】環境マネジメントシステムにより温室効果ガス
やエネルギー使用量の削減に効果があったか
(N=60)
わからない
5件 8.3%
効果がな
かった
2件 3.3%
無回答
0件 0.0%
大いに効果
があった
19件 31.7%
少し効果が
あった
34件 56.7%
Q11-1 (Q9 で「取得していない」を選択された方のみ)環境マネジメントシステム認証取得
について、今後の予定を教えてください。
【Q11-1】環境マネジメントシステム認証取得につい
ての今後の予定 (N=93)
具体的に
時期未定で
無回答
認証取得を
あるが、認
3件 3.2%
予定してい
証取得を検
る
討している
1件 1.1%
5件 5.4%
過去に認証
取得してい
たが、継続
取得しな
かった
認証取得の 7件 7.5%
予定はない
40件 43.0%
わからない
37件 39.8%
資料編-23
Q11-2 (Q11-1 で「過去に認証取得していたが、継続取得しなかった」または「認証取得の
予定はない」を選択された方のみ)認証取得しない、又は継続取得しない理由を教え
てください。(複数回答可)
・
「認証取得しない、継続取得しない理由」として約4割の事業者が「体制・人
員面での負担が大きいため」を挙げており、事業者の負担軽減が課題ととら
えられます。
【Q11-2】認証取得しない、継続取得しない理由(N=47)
0
20
40
効果があるかどうかわからない
(効果がなかった)
60(%)
12件、25.5%
組織内でマネジメントシステムが確立しており、
あえて外部からの認証の必要性を感じないため
14件、29.8%
認証取得の費用が高い
8件、17.0%
体制・人員面での負担が大きいため
19件、40.4%
その他
4件、8.5%
無回答
2件、4.3%
【「その他」の回答】
・FCチェーン本部政策のため。(1 件)
・工場を海外へ移転し、オフィス部門のみの形態となったため。(1 件)
・ISO9001 に移行したため。(1 件)
・環境マネジメントシステム認証取得を知らないため。(1 件)
・事業特性に支障が出る恐れがあるため。また可能な範囲での省エネルギー対策施行済
みのため。(1 件)
Q12
照明の省エネルギー対策として導入しているものをすべてあげてください。
(複数回答
可)
・7割の事業者が「LED 照明への交換、又は当初からの設置」を実施してお
り、LED照明への転換等も順調に進捗していることがうかがえます。
【Q12】照明の省エネルギー対策として導入しているもの (N=154)
0
20
40
60
80
高効率蛍光灯(インバーター式蛍光灯)のへの
交換、又は当初からの設置
100(%)
61件、39.6%
LED照明への交換、
又は当初からの設置
110件、71.4%
照明の間引き
112件、72.7%
未使用エリアの消灯の徹底
その他
無回答
125件、81.2%
14件、9.1%
0件、0%
【「その他」の回答】
・照明用人感センサーの採用(6 件)
・夜間・昼休憩時の消灯(4 件)
・調光、自然採光の採り入れ(2 件)
・タイマーによる一斉消灯(1 件)
資料編-24
Q13-1
空調等の省エネルギー対策として導入しているものをすべてあげてください。
(複数
回答可)
・
「適切な温度設定」など、日常的な活動の中での省エネルギー対策は比較的導入
が進んでいます。
【Q13-1】空調等の省エネルギー対策として導入しているもの
(N=154)
0
20
40
60
100(%)
80
適切な温度設定
142件、
92.2%
外気取入量の調整
(外気ファンの一時停止、間欠運転など)
39件、25.3%
未使用エリアの空調停止
109件、70.8%
メンテナンスの徹底
(フィルターの定期的清掃など)
98件、63.6%
室外機周辺の障害物除去や
直射日光遮断
39件、25.3%
外気との断熱対策
(ブラインド、遮熱フィルム等の活用)
69件、44.8%
高効率空調システムへの交換、又は当初からの
設置
36件、23.4%
運転開始時期の工夫による急速運転の回避
20件、13.0%
運転制御による電力の
ピークシフトやピーク低減
38件、24.7%
その他
無回答
12件、7.8%
0件、0%
【「その他」の回答】
・送風機のインバータ化(1 件)
・エアコン全て最新のものに交換(1 件)
・置型扇風機の使用(1 件)
・室外機冷却装置の設置(1 件)
・畜冷槽を利用した夜間電力活用(1 件)
Q13-2
(製造業の場合)製造にかかる省エネルギーとして導入しているものがあればすべ
てあげてください。(複数回答可)
【Q13-2】製造に係る省エネルギーとして導入しているもの
(N=154)
0
20
40
生産の汎用機器であるポンプ、ブロア等
の機器運転を絞り、運転に工夫
25件、16.2%
生産の汎用機器であるポンプ、ブロア等
に省エネ型機器を新規導入又は更新
27件、17.5%
事業所に特有な生産装置に省エネ型機器
を新規導入又は更新
製造部門におけるエネルギー
マネジメントシステム(FEMS)を導入
60
80(%)
21件、13.6%
0件、0%
無回答
資料編-25
113件、
73.4%
Q14
店舗等商業施設、事務所の空調温度について、各施設の特性等を考慮して目安となる
設定温度を定めて、運転管理していますか。
【Q14】各施設の特性等を考慮した空調温度を定め
て、運転管理しているか(N=154)
無回答
15件 9.7%
していな
い
8件 5.2%
不定期に
している
20件
13.0%
常時して
いる
111件
72.1%
Q15
古い機器の省エネ型機器(高性能ボイラー、ヒートポンプ・インバーター機器など高効
率・高性能機器)への転換の進捗状況はどうですか。
・古い器機の省エネ器機への転換は、順次進展していることがうかがえます。
【Q15】省エネ型機器への転換の進捗状況
(N=154)
無回答
ほぼ終了
17件
した
11.0%
29件
18.8%
転換して
いない
32件
20.8%
一部終了
した
76件
49.4%
Q16 最大需要電力(最大デマンド)の監視・制御装置を導入していますか。
・最大需要電力(最大デマンド)の監視・制御装置についても、5割強まで導入が
進んでいます。
わからな
い
29件
18.8%
【Q16】最大需要電力(最大デマンド)の監視・
制御装置の導入
(N=154)
無回答
2件 1.3%
導入の
予定はな
い
34件
22.1%
導入して
いる
85件
55.2%
導入予定
である
4件 2.6%
資料編-26
Q17
コージェネレーションシステム(電熱併給装置)は導入していますか。(複数回答必要)
【Q17】コージェネレーションシステム
(電熱併給装置)の導入(N=154)
0
20
既に導入している
40
60(%)
18件、11.7%
まだ導入していない
82件、53.2%
新規導入の予定がある
追加導入の予定がある
2件、1.3%
0件、0%
新規又は追加の導入の予定がない
49件、31.8%
導入の予定がわからない
32件、20.8%
無回答
Q18
12件、7.8%
(Q17 で「①既に導入している」、「③新規導入の予定がある」、「④追加導入の予定があ
る」を選択された方のみ)コージェネレーションシステムはどの様なタイプですか。(複
数回答可)
【Q18】コージェネレーションシステムのタイプ
(N=20)
0
燃料電池
ディーゼルエンジン
20
40
1件、5.0%
0件、0%
11件、
55.0%
ガスエンジン
ガスタービン
その他
無回答
60(%)
5件、25.0%
2件、10.0%
1件、5.0%
【「その他」の回答】
・電力・蒸気発生システム(1 件)
・吸収式冷凍機(1 件)
・ボイラー+蒸気タービン(1 件)
資料編-27
Q19
営業用自動車(乗用車、貨物車など)での省エネルギーについてどのような取組みをし
ていますか。(複数回答可)
【Q19】営業用自動車での省エネの取組(N=154)
0
20
40
エコドライブの従業員への徹底
83件、53.9%
低燃費車への買い替え
当初から低燃費車を導入している
51件、33.1%
24件、15.6%
車両ごと、又は総数での燃費把握
デジタルタコグラフの搭載
配送計画の合理化
60 (%)
29件、18.8%
7件、4.5%
24件、15.6%
公共交通機関での通勤・移動等の奨励
45件、29.2%
その他
15件、9.7%
無回答
14件、9.1%
【「その他」の回答】
・営業用車両がない、もしくはわずかしか所有していない(10 件)
・特に何もしていない(2 件)
・運送業者への教育、協力の呼びかけ(1 件)
Q20 あなたの事業活動において、省エネの余地はまだありますか。
・「少しある」「かなりある」の合計が約7割となっており、省エネ余地のある事
業者が多くを占めています。
【Q20】事業活動における省エネの余地
(N=154)
わからな
ほとんど
無回答
い
ない
2件
1.3%
16件
26件
10.4%
16.9%
かなりあ
る
29件
18.8%
少しある
81件
52.6%
Q21
省エネの余地は、どの部門、どの事項にあるかを教えてください。(自由記述)
【回答内容】
・機器の断熱や排風、保温機能の向上(5 件)
・不在時の消灯や機器の電源のオフ(2 件)
・従業員の意識改革(1 件)
・省エネ機器の導入(1 件)
・製造用機器の運用時間パターン検討(1 件)
・オートクレーブ硬化工程での充填率向上(1 件)
・(省エネの余地は)ない(1 件)
資料編-28
Q22
再生可能エネルギーを導入しているものがあれば教えてください。(複数回答可)
【Q22】再生可能エネルギーの導入状況 (N=154)
0
100(%)
50
太陽光発電システム
24件、15.6%
太陽熱温水器
0件、0%
バイオマス発電システム
0件、0%
その他
11件、7.1%
120件、
77.9%
無回答
【「その他」の回答】
・(導入しているものは)ない(9 件)
・バイオマス・ボイラー(1 件)
・風力発電システム(1 件)
・ビルには導入済(1 件)
Q23-1
太陽光発電システムの定格出力(合計)
【Q23-1】太陽光発電システムの定格出力
(合計)(N=24)
501~
1500KW
2件 8.3%
無回答
0件 0.0%
1501KW以上
2件 8.3%
1~10KW
6件 25.0%
100~500KW
4件 16.7%
51~100KW
1件 4.2%
31~50KW
2件 8.3%
Q23-2
11~30KW
7件 29.2%
設置場所
【Q23-2】設置場所(N=24)
地面
0件 0.0%
その他
1件 4.2%
無回答
1件 4.2%
壁面
0件 0.0%
屋上
17件 70.8%
【「その他」の回答】
・屋外外灯(1 件)
資料編-29
屋根
5件 20.8%
Q23-3
電力の用途
【Q23-3】電力の用途(N=24)
無回答
1件 4.2%
その他
0件 0.0%
全量売電
5件 20.8%
余剰分売電
1件 4.2%
自家消費
17件 70.8%
Q24
省エネルギーや再生可能エネルギーの設備導入が、十分に進まない理由があれば教え
てください。(複数回答可)
・省エネルギーや再生可能エネルギーの設備導入が進まない理由としては、
「設置
場所がない」が3割弱である一方、
「導入コストを回収できない」が約6割とな
っており、コスト面での課題・改善が大きいと考えられます。
【Q24】省エネ、再エネ設備の導入が十分に進まない理由
(N=154)
0
50
100(%)
導入に関する情報が不足している
具体的な効果がわからない
25件、16.2%
31件、20.1%
導入コストを回収できない
補助制度が充実していない
92件、59.7%
28件、18.2%
設置場所がない
必要性がないため
44件、28.6%
11件、7.1%
該当しない
8件、5.2%
その他
8件、5.2%
無回答
14件、9.1%
【「その他」の回答】
・(今は未導入だが)導入を進める計画をしている。(3 件)
・顧客への考慮が必要なため。(2 件)
・土地柄、供給が不安定になる可能性があるため。(2 件)
・設備導入の決定権がないため。(1 件)
・現場部門との連携がとれていないため。(1 件)
資料編-30
Q25 J-クレジット制度(国内クレジット制度、J-VER)を知っていますか。
・J-クレジット制度については、
「まったく知らない」
「単語は聞いたことがある
が制度の内容は知らない」が合計で約4分の3を占めており、認知度が低いこ
とがうかがえます。
【Q25】J-クレジット制度(国内クレジット制度、
J-VER)を知っているか(N=154)
知っている
無回答
(過去又は
まったく
3件 1.9%
現在に制度
知らない
の利用を検
60件 39.0%
討)
知っている
3件 1.9%
(制度の概要
程度)
49件 31.8%
単語は聞い
たことがあ
るが、制度
の内容は
知らない
39件 25.3%
Q26
今後、省エネルギー改修事業にJ-クレジット制度の利用(プロジェクトの登録申請)
を検討しますか。
【Q26】今後、省エネルギー改修事業に
J-クレジット制度の利用を検討するか
(N=154)
利用を検討
する(省エネ
改修事業の
無回答
利用を検討
予定有)
9件 5.8%
しない
3件 1.9%
(省エネ改修
事業の予定
有)
12件 7.7%
利用を検討
しない
(省エネ改修
事業の予定
がない)
60件 38.5%
わからない
(省エネ改修
事業の予定
有)
72件 46.2%
Q27
従業員に、地球温暖化対策や省エネルギーについて、従業員への研修や啓発を実施し
ていますか。
【Q27】従業員への地球温暖化対策や省エネに
ついての研修や啓発 (N=154)
無回答
6件 3.9%
実施して
いない
41件
26.6%
定期的に
実施して
いる
65件
42.2%
不定期に
実施して
いる
42件
27.3%
資料編-31
Q28
あなたの事業所(店舗、施設等)に、顧客からの地球温暖化問題へ配慮について要望
の声を聞いたことがありますか。
【Q28】顧客からの地球温暖化問題へ配慮につ
いて要望の有無 (N=154)
わからな
い
27件
17.5%
無回答
4件 2.6%
ある
31件
20.1%
ない
92件
59.7%
Q29
(Q28 で①を選択された方のみ)それは、どのような内容でしたか。(複数回答可)
【Q29】要望の内容 (N=31)
0
20
15件、
48.4%
空調温度に関すること
照明に関すること
冷蔵・冷凍ケースなどの
商品の陳列保管に関すること
9件、29.0%
3件、9.7%
容器や包装に関すること
10件、32.3%
配達等自動車の利用に関すること
7件、22.6%
その他
無回答
60(%)
40
6件、19.4%
1件、3.2%
【「その他」の回答】
・CO2 排出量の改善(2 件)
・省エネ配慮型製品の製造(1 件)
・CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)(1 件)
・ISO14001 の活動としての実績、取組(1 件)
・環境への取組やグリーン調達(1 件)
・環境側面の調査(1 件)
資料編-32
Q30
事業活動の方針決定の際、地球温暖化対策についてどの程度、配慮していますか。
【Q30】地球温暖化対策についての配慮の程度
(N=154)
わからない
16件 10.4%
無回答
5件 3.2%
配慮してい
ない
13件 8.4%
かなり配慮
している
50件 32.5%
少し配慮
している
70件 45.5%
Q31
平成 23 年 2 月に神戸市が策定した「神戸市地球温暖化防止実行計画」の目標値を知っ
ていますか。(市域全体で、温室効果ガスの排出量を 1990 年比で 2020 年度に 25%以上
を削減、再生可能エネルギーを 10%以上導入する。)
・「神戸市地球温暖化防止実行計画」の目標値を「知っている」割合は約 40%に
とどまっており、更なる周知促進が期待されます。
【Q31】「神戸市地球温暖化防止実行計画」の
目標値 (N=154)
無回答
6件 3.9%
知っている
66件 42.9%
知らない
82件 53.2%
資料編-33
Q32
平成 25 年 11 月に、政府は新たな地球温暖化対策の目標を設定しました。その内容は
原子力発電による削減効果を含めずに、2020 年に温室効果ガス排出量を3.8%削減
(2005 年度比)するという目標で、二国間クレジットによる海外での削減や森林吸収減
の活用も含まれています。その中で、最終エネルギー消費量を 2005 年度実績より原油
換算で 4,400 万 kl を削減するために、部門別の目安としての削減目標値を原油換算で、
産業部門▲200 万 kl (▲1.1%)、業務その他部門▲500 万 (▲6.5%)、家庭部門▲1,000
万 kl(▲17.9%)、運輸部門▲2,500 万 kl(▲25.8%)としています。
全国の目標として、上記の部門別の削減割合についてどのように思いますか。
・
「わからない」が約7割政府を占め、個別事業者にとって、政府が設定した全国
での削減目標は身近な目標と感じられていない様子がうかがわれます。
【Q32】全国の部門別の削減割合目標値について
(N=154)
無回答
6件 3.9%
妥当である
34件 22.1%
妥当ではな
い
6件 3.9%
わからない
108件
70.1%
【自由記述欄への回答】
○もっと削減できる(1 件)
・産業部門はもっと削減できる。
○これ以上は削減できない(5 件)
・事業規模も小さく、不景気のため経費節減に努めているので、これ以上の省エ
ネは難しいと考えている。
・原発や自然エネルギーの活用及び低炭素負荷燃料資源開発が進まなければ、難
しいのではないか。
・政府の経済見通し、2014 年 1.2%、2015 年 1.4%、以降 2.0%成長とされてい
る中、エネルギー消費原単位で毎年 1.0%以上改善しても、削減目標達成は厳
しいのではないか。今後の革新技術の状況によって削減割合は大きく変動する
と考える。
・産業部門は目標が高い。
・原発が停止し火力に頼る現状、政府が景気回復を目指している、国民が生活レ
ベルを落とさない、このような状況の中で削減できると本気で思っているのか。
○判断が難しい(6 件)
・必要な事は全員、全仕事場で取り組まねばならないが、具体的な事がわかりに
くい。
・各部門での削減のための具体策が不明であるので、数値目標が正しいのか、ま
た達成できるかがわからない。
・上記目標値と大きな関連を持つ経済規模(経済成長率)の前提条件が無いため、
絶対量の削減目標だけでは妥当性が判断できない。
・数値目標の影響力がよくわからない。
・過去の実績や今後の技術革新などを考慮したものと思われるが、妥当性につい
てはデータなどもなく判断しづらい。
・国内産業の成長戦略との兼ね合いもあるかと思うので、削減量だけで判断でき
ない。
資料編-34
○その他(2 件)
・地球全体で考えての事なのだろうか。(先進等関係なしで)
・質問の意味が不明。
「どのように思うか」と問う以前に削減目標%やそれに付随
する数値の算出根拠を提示すべきと考える。
Q33
温室効果ガス排出量の削減など地球温暖化の影響を低減させる「緩和策」以外に、地
球温暖化の影響は避けられないということを前提として、その影響を回避・低減する
ために自然や社会のあり方を調整する「適応策」の必要性がいわれるようになりまし
たが、この「適応策」についてご存知ですか。
【Q33】適応策について(N=154)
かなり内容
を知ってい
る
2件 1.3%
無回答
7件 4.5%
まったく
知らない
70件 45.5%
少し内容を
知っている
30件 19.5%
単語は聞い
たことがあ
るが、内容
は知らない
45件 29.2%
Q34 事業者向けの温暖化対策について、行政に期待することがあればお書きください。
【回答内容】
・補助金等の制度の充実。(5 件)
・市民の意識改革のため、環境問題や環境保護対策の周知、講習等の開催。(5 件)
・一刻も早い原発の再稼働。(1 件)
・目標を実践し達成した企業の表彰。(1 件)
・事業者向けエコリース事業に対しての補助率アップ。(1 件)
・制度、届出、許可等の簡素化。(1 件)
・省エネの義務化。(1 件)
・省エネ法のような「原単位指標」の策定。(1 件)
・エネルギー負荷の高い夏期、厳冬期に積極的に休日を設定することに対する支援制度。
(1 件)
・省エネ車への優遇や道路の渋滞緩和策の推進。(1 件)
・神戸市環境モデル都市アクションプランで策定された取り組み項目の実行により、ベス
トバランスエネルギー都市"こうべ"を推進。新たな温室効果ガス削減目標の設定につい
ては、市域の産業振興や市民生活向上など経済全体の成長を考慮した内容で検討すべき。
(1 件)
・もっと開発すべきエネルギーに力を入れるべき。(1 件)
・事業者は経団連の低炭素社会実行計画に従って活動しているため、地方自治体はこれを
尊重すべき。(1 件)
・エネルギー使用合理化事業を経済産業省に支援事業申込書類を提出したが採択されず。
行政面で良い案があれば教えてほしい。(1 件)
・自治体として温暖化を回避し、かつ、県・市民税の増収を目指すのはムシが良すぎる。
(1 件)
資料編-35
3.目標値試算に係る削減効果量の内訳
短期目標(2020 年度)【低位ケース】に基づく試算結果
最終エネルギー消費量
[TJ]
温室効果ガス排出量 [千 ton-CO2]
(電力に係る CO2 排出係数:0.281)
1990 年度比
2005 年度比
111,670
▲10.0%
▲15.7%
8,924
▲19.4%
▲20.5%
最終エネルギー消費量の推移と目標値【新たな目標試案(短期:2020 年度)】(TJ)
温室効果ガス排出量の推移と目標量【新たな目標試案(短期:2020 年度)】(千 ton-CO2)
資料編-36
部門別対策及び削減効果量の内訳
※削減効果量は 2020 年度 BAU 比
○産業部門<低位ケース>
対策
対策の内容(2020 年の姿)
電力需要設備効率が 1.6%改善、発電効
率が改善、省エネ設備が増強されるなど
革新的セメント製造プロセスが 6%の
事業所に普及など
省エネプロセス技術が 100%の事業所
に普及
高効率古紙パルプ製造技術が 40%の事
業所に普及など
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
-634,472
-42,466
-36,056
-2,413
-118,283
-7,917
-47,634
-3,188
-47,752
-3,196
-730,057
-48,863
-37,489
-2,509
-863
-58
★再エネの導入
(自家消費)
・600 件の産業施設が太陽熱利用施設を
導入
・100 件の産業施設が温度差エネルギー
利用施設
・バイオマス発電施設の導入率が 50%
増加
・バイオマス熱施設の導入率が 80%増
加
-1,241,645
-206,037
★神戸市環境保全協定制度
及び 兵庫県条例に基づく
温室効果ガス排出抑制計
画・報告・公表制度の運用
による削減対策の促進効果
エネルギー消費量を BAU から 3%削減
-1,703,815
-142,699
-4,598,068
-459,347
鉄鋼業での対策
セメント製造業での対策
化学工業での対策
紙・パルプ製造業での対策
石油精製業での対策
全製造業での対策
建設業での対策(ハイブリ
ッド建機の導入)
農林水産業での対策(施設
園芸の省エネ設備・機器の
導入)
排熱回収最大化技術、水素利用最適化技
術などが 100%の事業所に普及 ※1
産業ヒートポンプが 6%、LEDを用い
た産業用照明が 37%の事業所に普及な
ど ※2
大型建機のハイブリッド化が 5%の事
業所に普及
施設園芸の省エネ設備や省エネ機器の
導入台数が、2倍程度に増加
合計
※1 中位ケースの方が、省エネが進み石油需要が低減しているため、低位ケースよりも石油
精製に係る省エネ量が小さい。
※2 中位ケースの方が技術レベルが高いため、省エネ技術の普及率が同じであっても、低位
ケースよりも省エネ量が大きくなる。
資料編-37
○業務部門<低位ケース>
対策
対策の内容(2020 年の姿)
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
業務用給湯機器等の効率改
善
買い替えの際は全て高効率な機器を購
入し、電気中央式冷房機器の保有ベース
の平均効率が 11%改善など ※ 1
高効率燃焼式給湯器・ボイラーが 20%
程度の事業所に導入など
業務用照明機器の効率改善
等
電球型の中で高効率のものが 100%、蛍
光灯型の中で高効率のものが 30%導入
-3,352,087
-261,649
その他電気製品の効率改善
買い替えの際は全て高効率な機器を購
入し、保有ベースの平均効率が 16%改
善
-1,540,079
-120,212
★事業所における省エネル
ギー行動の推進(神戸市環
境保全協定制度 及び 兵庫
県条例に基づく温室効果ガ
ス排出抑制計画・報告・公
表制度の運用による削減対
策の促進効果を含む)
さまざま省エネルギー行動により、エネ
ルギー消費量を BAU からさらに 5%削
減
-848,646
-57,711
建築物の断熱化
新築建築物において、推奨基準の適合率
が 0%、H11 基準の適合率が 85%
-496,077
-29,221
-436,378
-30,769
-19,795
-3,688
-7,315,689
-545,432
業務用空調機器の効率改善
BEMS 等の導入による運用
BEMS が 27%の事業所に導入
効率改善
★再エネの導入
(自家消費)
・太陽熱利用について、既設の 2.1 倍の
施設が導入
・公共施設に太陽光発電等を設置
合計
※1
エアコンの寿命は 15 年とする。
資料編-38
-521,490
-36,055
-101,138
-6,127
○家庭部門<低位ケース>
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
対策
対策の内容(2020 年の姿)
家庭用エアコンの効率改善
買い替えの際は全て高効率な機器を購
入し、冷房時における機器の保有ベース
の平均効率が 30%改善など※1
-310,078
-24,203
家庭用給湯器の効率改善
ヒートポンプ給湯器が 18%の家庭に、
潜熱回収型給湯機が 20%の家庭に導入
-1,358,537
-58,160
-1,109,886
-86,633
-687,936
-53,697
-931,074
-60,111
-73,049
-5,702
-31,461
-2,456
-2,193,082
-171,039
-6,695,104
-462,002
電球型の中で高効率のものが 93%、蛍
光灯型の中で高効率のものが 34%導入
買い替えの際は全て高効率な機器を購
家電製品の効率改善
入し、保有ベースの平均効率が 16%改
善
さまざま省エネルギー行動により、エネ
★家庭における省エネルギ
ルギー消費量を BAU からさらに 5%削
ー行動の推進
減
新築住宅において、第一推奨基準の適合
住宅断熱化の促進
率が 0%、H11 年基準の適合率が 100%
※2
・HEMS(見える化機能のみ)が 9%の家
HEMS 等の導入による省
庭に導入
エネの推進
・HEMS(制御機能付き)が 3%の家庭に
導入
・戸建住宅 60,000 世帯、集合住宅 22,000
★再エネの導入
世帯に太陽光発電が導入
(自家消費)
・太陽熱利用について、既設の 2.1 倍の
世帯が導入
家庭用照明機器の効率改善
合計
※1
エアコンの寿命は 15 年とする。
※2
住宅の断熱化については、以下の 5 つの基準が存在する。
数値は S55 基準以前の冷暖房の消費エネルギー量を1としたときの、各基準における住宅
のエネルギー消費量
・S55 基準以前:暖房
1、冷房
1
・S55 基準:暖房
0.58、冷房
1.26
・H4 基準:暖房
0.49.、冷房
1.30
0.36、冷房
1.38
・H11 基準:暖房
・第 1 推奨基準:暖房
・第 2 推奨基準::暖房
0.28、冷房
0.23、
1.38
冷房
1.38
なお、第 1/第 2 推奨基準については、新築住宅全体の省エネレベルをより上位に誘導し
ていくために、H11 基準を上回る推奨基準を設けることを想定したもの。
ラベリング制度の導入、経済的インセンティブの付与、副次的効果の訴求などを行いつつ、
導入を推進していく。
資料編-39
○運輸部門<低位ケース>
対策
対策の内容(2020 年の姿)
★貨物におけるモーダルシ
フトの推進
乗用車(営業車両を除く)の走行距離を
BAU からさらに 15%削減して、バスや
鉄道を利用
貨物車の走行距離を BAU からさらに約
3%削減して、船舶を利用
乗用車における燃費改善、
EV 等への転換
燃費が 20%程度改善するとともに、EV
車が乗用車全体の3%程度に普及
貨物車・バスにおける燃費
改善、EV 等への転換
燃費が8%程度改善するとともに、EV
車が貨物車・バス全体の3%程度に普及
乗用車の 10%、貨物車・バスの 17.5%
がエコドライブを実践
乗用車(営業車両を除く)の 0.8%がカ
ーシェアリングを実践
全ての鉄道・船舶・航空において効率改
善が行われる(鉄道 4%、船舶 2%、航
空 10%の高率改善など)
★旅客におけるモーダルシ
フトの推進
エコドライブの普及
カーシェアリングの普及
鉄道・船舶・航空の効率改
善
合計
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
-1,595,253
-107,489
-228,730
-11,703
-3,384,761
-208,915
-752,590
-39,042
-216,964
-14,644
-38,702
-2,598
-303,819
-25,166
-6,520,818
-409,557
○廃棄物部門<低位ケース>
対策
対策の内容(2020 年の姿)
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
★廃棄物の減量・資源化の
推進
一般廃棄物の処理量を 30%削減
0
-52,327
★再エネの導入 ※ 1
・下水処理場等で廃棄物発電・熱利用を
導入
0
7,186
0
-45,140
合計
※1 廃棄物の減量・資源化により、廃棄物発電による発電量が減少するため、再エネ導入によ
る削減効果の数値はプラスになる。
資料編-40
○その他ガス<低位ケース>
対策
対策の内容(2020 年の姿)
家畜排泄物における高度処
理施設の導入
施肥量の削減
半導体製造におけるフロン
ガス除去
液晶製造におけるフロンガ
ス除去
冷凍空調機器廃棄時 HFC
回収
HCFC の製造中止
CH4 や N2O の排出が少ない高度処理施
設が 12.5%導入
単位面積あたりの施肥量が 10%削減
半導体製造ラインにおけるフロンガス
除去装置の設置率が 60%に向上
液晶製造ラインにおけるフロンガス除
去装置の設置率が 100%に向上
冷凍空調機器の廃棄時における HFC 回
収率が 60%に向上
HCFC の製造が完全に撤廃
各部門による様々な対策により、CH4
や N2O が削減 ※1
各部門の対策による削減
合計
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-3,331
0
-1,666
0
-16,238
0
-9,262
0
-181,056
0
0
0
-15,318
0
-226,870
○再生可能エネルギー<低位ケース>
対策
★再エネの導入
対策の内容(2020 年の姿)
・家庭及び公共移設を除く太陽光発電に
ついて、既設の 57 倍(6,200 事業所)
の施設が導入
・風力発電については既設の 6 倍の施設
が、水力発電については既設の 1.05 倍
の施設が導入
(売電するものと想定)
合計
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-36,532
0
-36,532
○森林吸収<低位ケース>
対策
★森林管理による二酸化炭
素吸収分の計上
★植生回復による二酸化炭
素吸収分の計上
対策の内容(2020 年の姿)
適正な森林管理による二酸化炭素の吸
収分を計上
適正な植生回復による二酸化炭素の吸
収分を計上
合計
資料編-41
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-29,510
0
-589
0
-30,100
中期目標(2030 年度)【従前目標ケース】に基づく試算結果
1990 年度比
2005 年度比
99,399
▲19.9%
▲25.0%
7,710
▲30.3%
▲31.3%
削減対策後の試算量
最終エネルギー消費量
[TJ]
温室効果ガス排出量 [千 ton-CO2]
(電力に係る CO2 排出係数:0.281)
最終エネルギー消費量の推移と目標値【従前目標ケース(中期:2030 年度)】TJ)
温室効果ガス排出量の推移と目標量【従前目標ケース(中期:2030 年度)】(千 ton-CO2)
資料編-42
部門別対策及び削減効果量の内訳
※削減効果量は 2030 年度 BAU 比
○産業部門<従前目標ケース>
対策
燃料転換
高温空気燃焼技術(高性能
工業炉)
対策の内容(2030 年の姿)
産業部門のエネルギー消費量に占める
天然ガスの割合が 30%に増加
鉄鋼、化学、窯業土石、紙・パルプにお
いて、高性能工業炉が 50%の事業所に
普及
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-12,841
-335,696
-29,651
工場間熱融通
鉄鋼、化学、窯業土石、紙・パルプにお
いて、近接している従業員 30 名以上の
事業所の 50%が熱融通を実施
-54,848
-4,026
熱供給発電の高効率化(化
学工業)
熱供給発電の高効率化が、神戸市でも製
造品出荷額割合(化学工業)分、進んで
いる
-414,606
-24,838
高性能古紙パルプ装置の導
入(紙・パルプ製造業)
高性能古紙パルプ装置の導入が、神戸市
でも製造品出荷額割合(紙・パルプ製造
業)分、進んでいる
-5,114
-315
-67,125
-5,583
-55,552
-4,621
-618,239
-30,195
-333,863
-19,476
インバータ制御
パワーエレクトロニクスの
導入
産業用ヒートポンプの導入
自家発電・ボイラ設備の高
効率化
インバータ制御技術が 40%の事業所に
普及
パワーエレクトロニクス技術が 30%の
事業所に普及
産業用ヒートポンプ技術が約 35%の事
業所に普及
エネルギー効率が4%向上するばい煙
発生施設が、2/3 の事業所で導入
産業部門における省エネル
ギー対策
中小事業所、建設業、鉱業、農林水産業
において、BAU からさらに 10%削減の
省エネルギー対策を実施
-1,350,235
-108,084
再エネの導入
・600 件の産業施設が太陽熱利用施設を
導入
・100 件の産業施設が温度差エネルギー
利用施設
・バイオマス発電施設の導入率が 60%
増加
・バイオマス熱施設の導入率が 80%増
加
-1,333,536
-212,809
-4,568,813
-452,439
合計
資料編-43
○業務部門<従前目標ケース>
対策
冷凍庫
エアコン
給湯
厨房機器
照明
その他電気製品
省エネルギー行動
断熱水準の向上
対策の内容(2030 年の姿)
冷凍庫が全て高効率ターボ冷凍庫に
置き換わっている
買い替えの際は全て高効率な機器を
購入し、高効率ガスヒートポンプの導
入率が約 24%など
潜熱回収型給湯器(都市ガス)が約
27%の事業所に普及
厨房機器において 90%が高効率のも
のに置き換わっている
業務の照明機器が全て高効率のもの
に置き換わっている
買い替えの際は全て高効率な機器を
購入し、平均の保有ベースの平均効率
が 29%改善
灯油、LPG、都市ガス、電気等におい
て、BAU からさらに 10%削減の省エ
ネルギー対策を実施
保有ベースの平均で、18%の冷暖房エ
ネルギー消費量が削減されている
BEMS の導入
BEMS が 40%の業務施設に導入
再エネの導入
・太陽熱利用について、既設の 4.5 倍
の施設が導入
・公共施設に太陽光発電等を設置
合計
資料編-44
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
-84,632
-6,606
-1,227,643
-86,047
-505,946
-23,722
-366,801
-18,945
-3,219,547
-251,304
-2,689,377
-209,921
-1,379,436
-93,995
-503,842
-30,894
-822,886
-61,472
-22,228
-3,951
-10,822,339
-786,856
○家庭部門<従前目標ケース>
対策
エアコン
暖房
給湯器
ガスコンロ
照明
家電製品
省エネルギー行動
対策の内容(2030 年の姿)
買い替えの際は全て高効率な機器を購
入し、家庭平均の保有ベースの平均効率
が約 29%改善
暖房機器において 20%が高効率のもの
に置き換わっている
ヒートポンプ給湯器が約 3%の家庭に、
潜熱回収型給湯機が約 50%の家庭に導
入
ガスコンロにおいて 50%が高効率のも
のに置き換わっている
家庭の照明機器が全て高効率のものに
置き換わっている
買い替えの際は全て高効率な機器を購
入し、家庭平均の保有ベースの平均効率
が 30%改善
灯油、LPG、都市ガス、電気において、
BAU からさらに 10%削減の省エネルギ
ー対策を実施
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
-224,603
-17,532
-1,112,449
-60,443
-1,390,241
-65,799
-162,063
-8,226
-903,343
-70,511
-1,287,685
-100,511
-1,696,632
-109,919
住宅断熱水準の向上
保有ベースの平均で、20%の暖房エネ
ルギー消費量が削減されている
-253,360
-11,716
HEMS の導入
HEMS が 100%の家庭に導入
-237,689
-18,553
再エネの導入
・戸建住宅 60,000 世帯、集合住宅 22,000
世帯に太陽光発電が導入
・太陽熱利用について、既設の 4.6 倍の
世帯が導入
-2,192,343
-170,657
-9,460,408
-633,867
合計
資料編-45
○運輸部門<従前目標ケース>
対策
モーダルシフト(旅客)
モーダルシフト(貨物)
乗用車・バスにおける燃費
改善、EV 等への転換
貨物車における燃費改善、
EV 等への転換
エコドライブの普及
鉄道・船舶・航空の効率改
善
対策の内容(2030 年の姿)
乗用車(営業車両を除く)の走行距離を
BAU からさらに 30%削減して、バスや
鉄道を利用
貨物車の走行距離を BAU からさらに約
3%削減して、船舶を利用
ハイブリッド車が乗用車全体の 16%程
度に、EV 車が乗用車全体の 17%程度に
普及
ハイブリッド車が貨物車全体の 2%程
度に、EV 車が貨物車全体の 10%程度に
普及
乗用車、貨物車・バスの 100%がエコド
ライブ(10%燃料減)を実践
全ての鉄道・船舶・航空において効率改
善が行われる
合計
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
-3,007,052
-195,522
-194,093
-13,740
-3,565,887
-182,233
-570,066
-39,131
-1,615,261
-109,173
-969,573
-77,497
-9,921,932
-617,297
○廃棄物部門<従前目標ケース>
対策
対策の内容(2030 年の姿)
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
廃棄物の減量・資源化の推
進
一般廃棄物の処理量を 30%削減
0
-51,350
再エネの導入 ※ 1
・下水処理場等で廃棄物発電・熱利用を
導入
0
2,164
0
-49,186
合計
※1 廃棄物の減量・資源化により、廃棄物発電による発電量が減少するため、再エネ導入によ
る削減効果の数値はプラスになる。
資料編-46
○その他ガス<従前目標ケース>
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
対策
対策の内容(2030 年の姿)
家畜排泄物における高度処
理施設の導入
ふんの強制発酵について、牛は 39%、
豚は 72%に普及している
0
-8,745
施肥量の削減
単位面積あたりの施肥量が 10%削減
0
-1,666
半導体製造におけるフロン
ガス除去
液晶製造におけるフロンガ
ス除去
冷凍空調機器廃棄時 HFC
回収
半導体製造ラインにおけるフロンガス
除去装置の設置率が 60%に向上
液晶製造ラインにおけるフロンガス除
去装置の設置率が 100%に向上
冷凍空調機器の廃棄時における HFC 回
収率が 60%に向上
0
-13,840
0
-6,736
0
-80,364
HCFC の製造中止
HCFC の製造が完全に撤廃
0
0
各部門の対策による削減
各部門による様々な対策により、CH4
や N2O が削減
0
-21,126
0
-132,477
合計
○再生可能エネルギー<従前目標ケース>
対策
再エネの導入
対策の内容(2030 年の姿)
削減効果量
(GJ)
・太陽光発電について、既設の 134 倍
の施設が導入
・風力発電については既設の 13.2 倍の
施設が、水力発電については既設の 1.05
倍の施設が導入(売電するものと想定)
-285,120
0
合計
削減効果量
(t-CO2)
-285,120
○森林吸収<従前目標ケース>
対策
森林管理による二酸化炭素
吸収分の計上
植生回復による二酸化炭素
吸収分の計上
対策の内容(2030 年の姿)
適正な森林管理による二酸化炭素の吸
収分を計上
適正な植生回復による二酸化炭素の吸
収分を計上
合計
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-29,510
0
-589
0
-30,100
○環境未来都市<従前目標ケース>
対策
環境未来都市
対策の内容(2030 年の姿)
環境未来都市構想による追加施策によ
る削減
合計
資料編-47
削減効果量
(GJ)
削減効果量
(t-CO2)
0
-28,000
0
-28,000
4.エネルギー消費量等の推移
※エネルギー消費量の部門別内訳については推定値であり、2011 年度分から算定方法を一部変更しています。
(1)部門別・エネルギー種別のエネルギー消費量
①部門別エネルギー消費量
②エネルギー種別
資料編-48
(2)各部門別の状況
①
産業部門
ア.製造品出荷額の推移
イ.エネルギー消費量
■産業部門のエネルギー消費の伸び
合計
石油系
都市ガス等
石炭系
500
80
400
60
300
40
200
20
100
電力
14%
石油系
28%
石炭系
54%
2012年度
2010年度
2008年度
産業部門のエネルギー種別使用割合
(2012年度)
産業部門のエネルギー種別使用割合
(1990年度)
都市ガス
等
4%
0
2006年度
0
2004年度
2012年度
2010年度
2008年度
2006年度
2004年度
2002年度
2000年度
1998年度
1996年度
1994年度
1992年度
0
100
2002年度
10,000
600
2000年度
20,000
120
1998年度
30,000
700
1996年度
40,000
電力
石炭系
140
1994年度
50,000
1990年度
エネルギー使用量(TJ)
60,000
1992年度
電力
1990年度
都市ガス等
電力、石油系、石炭系の 伸び率
石油系
電力
18%
都市ガス
等
26%
資料編-49
石油系
5%
石炭系
51%
都市ガスの 伸び率
■産業部門のエネルギー使用量の推移
②
業務部門
ア
延床面積の推移
イ
エネルギー消費量
■業務部門のエネルギー使用量の推移
石油系
都市ガス等
■業務部門のエネルギー種別伸び率
電力
石油系
30,000
電力
合計
100
2012年度
2010年度
2008年度
2006年度
2004年度
2002年度
25
■業務部門のエネルギー使用割合(2012年
度)
石油系
5%
■業務部門のエネルギー使用割合(1990年
度)
石油系
16%
電力
59%
50
2000年度
2012年度
2010年度
2008年度
2006年度
2004年度
2002年度
2000年度
1998年度
1996年度
1994年度
1992年度
1990年度
0
75
1998年度
5,000
125
1996年度
10,000
150
1994年度
15,000
175
1992年度
20,000
200
1990年度
90年度比伸び率(90年度;100)
25,000
エネルギー使用量(TJ)
都市ガス等
225
電力
62%
都市ガス
等
25%
資料編-50
都市ガス
等
33%
③
家庭部門
ア
人口、世帯数の推移
イ
エネルギー消費量
■家庭部門のエネルギー使用量の推移
石油系
都市ガス等
電力
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
2012年度
2010年度
2008年度
2006年度
2004年度
2002年度
2000年度
1998年度
1996年度
1994年度
1992年度
0
1990年度
エネルギー使用量(TJ)
30,000
<注>石油系とは、灯油及びLPGをいう。
■家庭部門のエネルギー種別使用割合
(1990年度)
■家庭部門のエネルギー種別使用割合
(2012年度)
石油系
5%
石油系
7%
電力
43%
電力
48%
都市ガス
等
50%
資料編-51
都市ガス
等
47%
④
運輸部門
ア
自動車保有台数の推移
■自動車保有台数の推移
(万台)
普通乗用車
小型乗用車
普通貨物車
小型貨物車
70
60
50
40
30
20
10
0
1990
年度
1994
年度
1996
年度
1998
年度
2000
年度
2002
年度
2006
年度
2008
年度
2010
年度
2012
年度
エネルギー消費量
■運輸部門の交通手段別エネルギー使用量の推移
■運輸部門のエネルギー使用量の推移
電力
自動車
45,000
40,000
40,000
15,000
交通手段別エネルギー使用割合(1990年度)
鉄道
3%
交通手段別エネルギー使用割合(2012年度)
航空
鉄道
7%
3%
航空
0%
船舶
11%
船舶
29%
自動車
68%
自動車
79%
資料編-52
2012年度
1990年度
2012年度
2010年度
2008年度
2006年度
2004年度
2002年度
2000年度
1998年度
1996年度
1994年度
1992年度
0
1990年度
5,000
0
2010年度
10,000
5,000
2008年度
10,000
20,000
2006年度
15,000
25,000
2004年度
20,000
航空
30,000
2002年度
25,000
鉄道
35,000
2000年度
30,000
船舶
1998年度
35,000
1996年度
エネルギー使用量(TJ)
45,000
1994年度
石油系
エネルギー使用量(TJ)
2004
年度
1992年度
イ
1992
年度
5.シアトル市の温暖化計画(第2回専門部会資料)
計画改定に当たり海外都市での地球温暖化対策や計画についても情報収集した。そのうち、
本市の姉妹都市であるシアトル市の「シアトル市の温暖化計画(Seattle Climate Action Plan
2013)」の中で、特に「交通・土地利用」と「建物のエネルギー」について、専門部会で検
討に用いた日本語訳した計画抜粋資料を下記に示す。
目次
1.背景
2.排出削減
3.気候変化に備える
4.あなたにできること
5.他の人は何をしているか
貨物輸送,旅客航空,産業
(1)背景
1-1 イントロダクション
○気候変動対策における都市の役割
アメリカ人の 80%以上が都市部に住んでおり、都市は、気候変動に対処する上で大きな役割を
果たしている。都市のデザイン、すなわち、どのように土地を利用するか、どのように建物をデ
ザインするか、どのように移動するかは、我々が使用するエネルギー量と、我々が排出する温室
効果ガス(GHG)排出量に大きな影響を与える。今後 20 年間で、主に発展途上国における世界
の都市に、さらに 15 億人の居住者が住むことが予想されている。したがって、シアトルのよう
な都市が、より豊かで活気に満ちた生活、ビジネスを行う場所を創造しながら、温室効果ガス排
出量を削減することも可能であることを示すことが重要である。
○気候保護におけるシアトル市の歴史
2005 年に、シアトル市長であるニッケルズ 1は、連邦政府が気候変動に行動を起こさないこと
を懸念し、市長気候保護イニシアチブを立ち上げた。そのイニシアチブのもとで、京都議定書の
7%削減目標を達成しようとした。1000 人以上の市長がそれに呼応した。
1-2 2013 気候アクションプラン
2011 年,京都議定書は気候汚染削減のファーストステップであるという認識のもとに,市長
とカウンシルは、気候保護ビジョンを策定した(決議 31312)。そのビジョンによれば、
・2050 年までにネットの温室効果ガス排出量をゼロにする。
・気候変化のありうる影響に備える。
温室効果ガス排出量は我々の社会や経済における全てのセクターに関わるが、2013 年に策定
された気候アクションプラン(CAP)では、市のアクションが最も必要とされ、最も大きな影響
を持つであろうセクター(道路交通、建物のエネルギー(家庭を含む)、廃棄物)に焦点を当て
ている(第 2 章)。また、2013 年に策定された CAP には、気候変動の影響に対するコミュニテ
ィの回復力(resilience)を強化するための市のアクションも含まれている(第 3 章)。
1-3 アクションによる排出削減の可能性
本プランでは、旅客交通や建物のエネルギー部門において、2030 年までに 62%の温室効果ガ
ス排出量を削減する可能性があるとしており、2050 年までにカーボンニュートラルになる目標
の達成に向けた道しるべを示している。
1
2002 年から 2009 年まで市長を務めた。
資料編-53
資料編-54
表
気候変動対策のアウトカム指標
部門
指標
乗用車排出量(単位:百万t-CO2換算)
車両走行距離 (VMTs)
移動における排出原単位
(シアトル市内の乗り物の1マイルあたりの排出
量)
中心都市の通勤/通学量
シアトル市内の全ての移動量
目標
82% 削減
2030年までに20% 削減
利用者数
相乗りや公共交通機関利用を増やす
サービス
鉄道・バス乗り換え案内サービスの営
業時間と質を向上させる
自転車
利用者数
2017年までに2007年の3倍の利用に
安全
交通事故
2030年までにシアトルの通りにおける
重傷、致命的な事故をなくす
世帯数
(アーバンセンター地区内)
世帯の45%
入手可能な価格の住宅
エリア所得中央値の80%までの所得の
家計について,家賃/住宅ローンに所
得の30%までを支払う家計を増やす。
就業者数
(アーバンセンター地区内)
就業者数の85%
徒歩圏内のサービス(WalkScore*1)
すべてのアーバンセンターとビレッジで
WalkScore の最低基準を満たす
オープンスペース
オープンスペース確保の目標を達成し
た地区を増やす
商業用建築物排出量
(単位:百万t-CO2換算)
2030年までに45% 削減
エネルギー使用量 (単位:1兆 BTU)
2030年までにエネルギー使用量を10%
削減
居住用建築物排出量
(単位:百万t-CO2換算)
2030年までに32% 削減
エネルギー使用量 (単位:1兆 BTU)
2030年までにエネルギー使用量を20%
削減
旅客
相乗り
運輸
公共交通機関
住宅供給
土地利用
就業者数(jobs)
居住性(住み心地のよさ)の要素
商業用建築物
居住用建築物
商業用&居住用 (複合)
建物のエネ
ルギー
リサイクルと堆肥化
回収、処理、処分
温室効果ガス排出量 計
*1
*2
*3
一人乗りしない傾向へ
一人乗りしない傾向へ
2030年までに39% 削減
2030年までに25% 削減
20,000平方フィート以上の建物の平均
既存建物のEnergy Use Intensity (EUI:エネル EUI(kBtu/SF/year)について:平均E
ギー利用強度*2)
UIを減少させ、2020年までにEUI目標
を設定する。
複数世帯用住居&商業用建物
廃棄物
建築物からのエネルギー排出量
(単位:百万t-CO2換算)
建物のエネルギー使用のGHG強度
(BTU(英熱量)あたりの排出量)
2030年までに75% 削減
2025年までに以下に示す環境にやさし
い基準*3(Living Building Challenge,
地球環境にやさしく、持続可能な基準を満たす Built Green, LEED, Evergreen
新築、大掛りな改築
Sustainable Development Standard, or
Passive House)の1つを満たす新築を
50%に
廃棄物の埋立処分からリサイクル、堆肥化への
2022年までに転換率70%
転換
埋立地からのメタンガス排出量
2020年までにメタン排出量を50%削減
(シアトルの)温室効果ガスインベントリ
2030年までに58% 削減
目的地までの徒歩による行きやすさを指標にしたもので、web やアプリをとおして提供される。WalkScore
社(本社:シアトル)提供。
床面積あたりのエネルギー使用量
Living Building Challenge:建築の最も厳しい環境実施基準
Built Green:キング郡、スノホミッシュ郡の建築家協会による環境にやさしく非営利な住居建設計画。
LEED:『環境性能評価システム』エネルギーと環境に配慮したデザインの評価制度
Evergreen Sustainable Development Standard: ワシントン州の住宅供給信託基金から資金提供を受
けた全てのアフォーダブル住宅計画に求められる環境配慮型ビルの実施基準
Passive House:ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能基準を満たす認定住宅。省エネ性、断熱性、
気密性は世界トップレベル。
資料編-55
(2)排出量削減
2-1
交通および土地利用
○なぜ道路輸送と土地利用アクションが重要か
道路郵送がシアトル排出量の 40%を占めるが、そのうち 22%が旅客輸送で、18%が貨物輸送で
ある。自動車によるトリップの数と距離を減らすことによって、自動車ごとの乗車人数を増やす
ことによって、あるいはクリーンな自動車の数を増やすことによって,シアトルの輸送システム
の気候影響を大きく減らすことができる。輸送と土地利用の調整された行動が必要である。
シアトルでは、次の 20 年間に、10 万人の人が新しく居住し、10 万人の新しい仕事が生まれる。
もしこの新しい成長を、自動車主体の土地利用と輸送で満たそうものなら、温室効果ガスの排出
量が増えるだけでなく、家や仕事のための十分なスペースがなくなる。しかしシアトルは、仕事
と住居を完全なコミュニティに集中させることによって、1990 年から 2008 年間までの間に、人
口が 16%増えたにもかかわらず、輸送による一人当たり排出量は 4%減らした。
○我々はどのように道路輸送の排出量を削減すれば良いか
交通と土地利用のアクションは、道路における排出量の 1/3 以上を占め、都市アクションが多
大な影響を持つ輸送源である「旅客輸送」に焦点を当てている。以下に示すアクションにより、
排出量を削減することができる。
・公共交通機関、歩行、自転車のインフラ整備の拡大、安全で効果的な移動手段の選択肢を提供
するサービス(交通機関の選択肢)
• レクリエーションやサービスなどの様々な機会とともに,徒歩で移動可能な近隣に住宅や企業
を立地し、増大する需要を満たすこと(完全なコミュニティ Complete Communities)
• 自動車運転の真のコストをより反映した、経済的なシグナルを提供すること(経済的なシグナ
ル)
交通と土地利用のアクションが一緒になることで、乗用車を超えて、公共交通機関、歩行、自
転車、貨物輸送などの優先順位付けを行うことにより、交通による気候汚染(climate pollution)
を減らす。交通機関の選択肢を提供するアクションは、完全なコミュニティを創造するアクショ
ン、そして経済的なシグナルを送るアクションは非常に相乗的であり、意図的な排出量削減を実
現するシステムとして導入する必要がある。
○交通機関の選択肢と完全なコミュニティ
交通システムと土地利用パターンは密接に関係している。公共交通機関サービスを向上させる
ような交通機関の選択肢への投資は、開発を誘因する。同時に、新たな住宅や商業開発は、移動
をサポートする公共交通機関の需要を創出する。住宅と職場を近接して立地させること、高容量
の公共交通機関の近くに開発を推進すること、都市部や村をサポートするための公共交通機関サ
ービスを拡大することによって、我々は活気に満ちた地域社会で人口の増大ニーズを満たした上
で、乗用車トリップ数を減らすことができる。
資料編-56
交通と土地利用計画が十分に調整されていないとすれば、移動する機能や、活気に満ちたコミ
ュニティを創出する機会が侵害されていると言える。例えば、便利な公共交通機関や歩行、自転
車などのオプションがない場合、住民や企業は、より多くのスペースを必要とし、コンパクトな
コミュニティの構築が阻害されるような自動車交通への依存が強いられる。さらに、十分な需要
を創出するコンパクトなコミュニティがなければ、頻繁な移動により近所に移動するために非常
に高価なコストがかかる。
○経済的なシグナル
道路や駐車料金などの経済的なシグナルは、自動車交通の削減や、公共交通機関利用、歩行、
自転車利用への経済的なインセンティブを提供する。ロードプライシングは、輸送の選択肢の開
発を支援するために重要な収益を生み出す可能性を秘めている。しかし、価格戦略が、移動の他
のオプション(交通機関の選択肢)や、職場や他の日常サービスと住宅との近接性(完全なコミ
ュニティ)なしに実行される場合は、重要なモビリティや社会的公正の影響がある可能性が高い。
例えば、交通の選択肢や完全なコミュニティが利用できない場合、道路、駐車場の価格戦略 は、
輸送のコストを増大させることになり、その影響は低所得者層に厳しいものとなる。
○これらの行動でどれくらい削減できるか。
市の 2030 年目標は,2008 年比で,旅客自動車からの排出量を 82%削減し,移動距離を 20%
削減し,1 マイルあたりの排出量を 75%削減することである。
2030 年までの削減のうち,
( ハイウェイの)ロードプライシングとパーキングマネジメントは,
4 分の 1 を占める。また,ロードプライシングは長期的にも重要な戦略である。なぜなら,それ
は排出を削減するだけでなく,輸送の選択肢を作り上げる上でもっとも大きな地域財源となるか
らである。
資料編-57
○アクション
輸送の選択肢に関するアクション
2030 年ビジョン
2015 年までのアクション
2030 年までのアクション
完全なコミュニティに関するアクション
経済的シグナルに関するアクション
2-2
建物のエネルギー
○なぜ建物エネルギーについてのアクションが重要か
暖房、冷房、調理、照明などによる建物のエネルギー利用は、シアトルの温室効果ガス排出量
の 20%以上を占める。シアトルの電源はカーボンニュートラル。
○我々はどのように建物のエネルギーからの排出量を削減すれば良いか
既存および新規の建物のエネルギー効率は、情報やインセンティブ、性能要件の組み合わせに
よって向上させることができる。建物のエネルギー使用を測定し共有することは、意識を高める
とともに、費用対効果の高いエネルギーの向上を行うための必要な情報を提供する。リベートや
融資のようなインセンティブは、これらの先行投資コストを相殺する。性能要件は、全ての建物
がエネルギー性能の一定の水準を満たしていることを保証する。これらの戦略は、我々の気候の
目標を達成し、包括的な戦略の重要な要素である。これらは、組み合わせたときに最も効果的で
あり、建物の所有者や運営管理者(大規模な商業不動産の所有者から低収入アパート内のテナン
トまで)に、環境や予算にとって賢い決定を下すことができるツールを提供する必要がある。こ
れらのアクションが一緒に働く時、これらは構築され、個々の行動が全体的な効果として増加さ
せる。独立して実行されると、個々の対策の効果は減少する。
建物のエネルギー効率の向上に加えて、GHG 排出量は、エネルギー源の炭素量を低下させる
ことによっても低減させることができる。シアトルはきれいな水力発電が豊富なだけでなく、
2005 年以降、カーボンニュートラルや再生可能エネルギーへの継続的なコミットメントを持っ
ている電気事業者に恵まれている。しかし,我々の再生可能エネルギー源の多様性を増加させる
他のたくさんの機会が存在する。私たちの街が成長し、それとともにエネルギー需要が成長する
とき,再生可能エネルギーのための選択肢を増加させることは特に重要である。工業プロセスか
らの廃熱のような低炭素エネルギー源を利用することで、我々はグリーン電力の一部が我々の交
通システムを含め、他の場所での化石燃料の使用を削減することができ、クリーンで効率的かつ
費用対効果の高いエネルギーシステムを開発することができる。
○これらの行動でどれくらい削減できるか。
資料編-58
市の 2030 年目標は、商業用建物のエネルギー使用量を 10%削減し、居住用建物のエネルギー
使用量を 20%削減し、すべての燃料の温室効果ガス強度を 25%削減することである。
○アクション
情報に関するアクション
2030 年ビジョン
2015 年までのアクション
2030 年までのアクション
インセンティブと支援に関するアクション
性能要件に関するアクション
エネルギー供給に関するアクション
資料編-59
6.他地域における削減目標等の事例
(調査時期:平成 26 年 5 月)
削減目標の年次
計画名(策定年度)
基準年度
削減目標の種類
目標年度 温室効果ガス削減目標
原単位目標
最終エネルギー消費量
目標
その他
2015年度 10%以上削減
神戸市地球温暖化防止実行計画
(2010年度)
1990年度 2020年度 25%以上削減
なし
なし
再生可能エネルギー導入目標
(2020年度:エネルギー消費量の
10%以上)
なし
なし
2020年度末までに再生可能エネ
ルギーを新たに100万kW導入する
(ひょうご100 万キロワット創出プラ
ン)
なし
なし
エネルギー分野における、省エネ、
分散型エネルギー、創エネの3つ
の個別目標を設けている。
なし
なし
再生可能エネルギー・次世代自動
車の導入割合、資源化率、生きも
の種数などの対策目標あり。
なし
なし
2050年度 80%以上削減
2020年度 6%削減(3%削減)
兵
第3次兵庫県地球温暖化防止
庫
推進計画(2013年度)
県
2005年度
(かっこ内1990
年度比)
2030年度 30%削減
神戸市環境モデル都市アクショ
1990年度 2050年度 80%削減
ンプラン(2013年度)
市
関
連
計
画
2020年度 25%削減
神戸市環境基本計画(2010年
1990年度 2050年度 80%削減
度)
札幌市温暖化対策推進ビジョン
1990年
(2010年度)
2020年
25%削減
2050年
80%削減
2020年度 19%削減(7%削減)
さいたま市地球温暖化対策実
行計画(2012年度)
市民一人あたり温室効
果ガス削減目標(2020
なし
年度:23%削減(27%
削減))
2009年度
( かっこ内
2050年度 80%削減
1990年度比)
他
2014年度 10%削減
政
令
千葉市地球温暖化対策実行計
指
1990年度
画(2011年度)
定
都
市
なし
なし
事務所(業務部門)の面積当
たり排出量を以下の値に削
減する[単位:kg-CO2/㎡]
2020年度:新築80、既存90
2030年度:新築75、既存85
なし
なし
なし
LED化導入市有施設数、次世代自
動車の普及台数などの対策目標
あり。
2020年度 16%削減(3%削減)
横浜市地球温暖化対策実行計 2005年度
(かっこ内1990 2030年度 24%削減(12%削減)
画(2013年度)
年度比)
2050年度 80%削減(77%削減)
2020年度 25%以上削減
川崎市地球温暖化対策推進基
1990年度
本計画(2010年度)
資料編-60
太陽光発電・太陽熱利用設備の
普及、省エネ行動の推進などの対
策目標あり。
削減目標の年次
計画名(策定年度)
基準年度
削減目標の種類
目標年度 温室効果ガス削減目標
原単位目標
最終エネルギー消費量
目標
その他
2019年度 15%削減
相模原市地球温暖化対策実行
2006年度
計画(2011年度)
なし
なし
2012年度目標を達成するた
めには、家庭1世帯1日あたり
約2.6kg-CO2削減を目指す必
要がある。(にいがた環境行
動プラン 市民編)
なし
2012年度 11%削減
新潟市地球温暖化対策実行計 2005年度
(かっこ内1990 2030年度 40%削減(35%削減)
画(2008年度)
年度比)
2050年度 80%削減(75%削減)
2015年度 38%削減
静岡市地球温暖化対策実行計 1990・
2020年度 48%削減
画(2010年度)
1995年度
なし
なし
2015年度の目標達成のため、リー
ディングプロジェクト(重点的に取り
組む地球温暖化対策)ごとに削減
目標量(t-CO2/年)を設定してい
る。
2050年度 80%程度削減
なし
27%削減
★エネルギー消費量(2009年度
比)
・新エネルギーによる電力自給率
(2014年度:3割以上、2020年度:
倍増)
・新エネルギーを導入(2014年度:
2009年度のエネルギー消費量の
1.5%分、2020年度:2.4%分)
市の将来像として提案してい
る「低炭素重生活」のうち、
『すまい・しごと』について、一
人当たり最終エネルギー消
費量(指数)の目標あり
市の将来像として提案してい
る「低炭素重生活」のうち、
『すまい・しごと』、『地域エネ
ルギー』について、最終エネ
ルギー消費量(指数)の目標
あり
市の将来像として提案している項
目ごとにめざす姿の指標あり(緑被
率、次世代自動車割合、自然エネ
ルギーによる発電設備容量、バイ
オマス活用等)。
なし
なし
めざすべき6つの社会像ごとに、削
減効果指標(再生可能エネルギー
導入量、家庭用燃料電池普及台
数等)を設定している。
なし
なし
太陽光発電導入量、未利用エネル
ギー活用目標あり
なし
なし
10%削減(2002年度比)
家庭(暮らし)部門:世帯数当
たりCO2排出量(1世帯当た
り)
業務部門:業務用建物床面
積当たりCO2排出量(単位面
積当たり)
運輸部門:自動車登録台数
当たりCO2排出量(1台当た
り)
なし
定量的なCO2削減量の把握が困
難なものは、取り組み度合いによ
る指標を設定。
なし
なし
2014年度:アクションプラン80の事
業別にCO2削減見込量(t-CO2/
年)設定
2014年度 12%削減
12%削減
浜松市地球温暖化対策実行計
1990年度 2020年度 25%削減
画(2011年度)
2050年度 60~80%削減
2020年度 25%削減
低炭素都市なごや戦略実行計
1990年度 2050年度 80%削減
画(2011年度)
他
政
令
指
定
都
市
2020年度 25%削減
京都市地球温暖化対策計画
(2013年度)
1990年度 2030年度 40%削減
2020年度
25%以上削減
(1990年度比)
大阪市地球温暖化対策実行計 1990・
80%削減
2050年度
画(2010年度)
1995年度
(1990年度比)
2015年度 2.1%削減
岡山市環境基本計画・地球温
1990年度 2020年度 4.2%削減
暖化対策実行計画(2011年度)
2025年度 6.3%削減
2010年度 7.5%削減
北九州市地球温暖化対策地域
1990年度
推進計画(2006年度)
2014年度 13~16%削減
熊本市低炭素都市づくり戦略計
2007年度 2030年度 43%削減
画(2009年度)
2050年度 80%削減
資料編-61
7.IPCC第 5 次評価報告書(統合報告書 SPM)の概要
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 5 次評価報告書(統合報告書)の政策決定者向
け要約(SPM)の概要(速報版)を示す。
(1)気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)とは
国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構。
1988年に、国際環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された。
地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い
場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供している。
これまでに、5~6年ごとに評価報告書(Assessment Report)を発表しており、2014年11月には、
第5次評価報告書(AR5)統合報告書が公表された。今後、この報告書は、国際的な温暖化対策に重
要な役割を担う。
(2)政策策定者向け要約(SPM)の概要
以下、SPM 1~SPM 4は、IPCCが公表したAR5の政策決定者向け要約(Summary for Policymakers)
である。
SPM 1. 観測された変化及びその要因
気候システムに対する人間の影響は明瞭であり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上
最高となっている。近年の気候変動は、人間及び自然システムに対し広範囲にわたる影響を及ぼ
してきた。{1}
SPM 1.1 気候システムの観測された変化
気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また1950年代以降、観測された変化の多くは数十年
から数千年間にわたり前例のないものである。大気と海洋は温暖化し、雪氷の量は減少し、海面
水位は上昇している。{1.1}
SPM 1.2 気候変動の原因
人為起源の温室効果ガスの排出は、工業化以前の時代以降増加しており、これは主に経済成長や
人口増加からもたらされている。そして、今やその排出量は史上最高となった。この排出は、二
酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中濃度を、少なくとも過去80万年で前例のない水準まで
増加させた。それらの効果は、他の人為的要因と併せ、気候システムの全要素において検出され
ており、 20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い。{1.
2, 1. 3.1}
SPM 1.3 気候変動の影響
ここ数十年、気候変動は、全ての大陸と海洋にわたり、自然及び人間システムに影響を与えてい
る。影響は観測された気候変動によるものであり、その原因とは関わりなく、変化する気候への
自然及び人間システムの感受性を示している。{1.3.2}
SPM 1.4 極端現象
1950年頃以降、多くの極端な気象及び気候現象の変化が観測されてきた。これらの変化の中には
人為的影響と関連づけられるものもあり、極端な低温の減少、極端な高温の増加、極端に高い潮
位の増加、及び多くの地域における強い降水現象の回数の増加といった変化が含まれる。 {1.4}
SPM 2. 将来の気候変動、リスク、及び影響
資料編-62
温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候システムの全ての要素に長期にわたる変化
をもたらし、それにより、人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる
可能性が高まる。気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ持続的に削減す
る必要があり、排出削減と適応を合わせて実施することによって、気候変動のリスクが抑制され
ることとなるだろう。{2}
SPM 2.1 将来の気候の主要な駆動要因
二酸化炭素の累積排出量によって、21世紀後半及びその後の世界平均の地表面の温暖化の大部分
が決定づけられる。温室効果ガス排出量の予測は、社会経済的発展と気候政策に依存し、広範に
わたる。{2.1}
SPM 2.2 気候システムにおいて予測される変化
地上気温は、評価された全ての排出シナリオにおいて21世紀にわたって上昇すると予測される。
多くの地域で、熱波はより頻繁に発生しまたより長く続き、極端な降水がより強くまたより頻繁
となる可能性が非常に高い。海洋では温暖化と酸性化、世界平均海面水位の上昇が続くだろう。
{2.2}
SPM 2.3 変化する気候に起因する将来のリスクと影響
気候変動は、既存のリスクを増幅し、自然システム及び人間システムにとっての新たなリスクを
引き起こすだろう。リスクは偏在しており、どのような開発水準にある国々においても、一般的
に、恵まれない境遇にある人々やコミュニティがより大きなリスクを抱える。{2.3}
SPM 2.4 2100年以降の気候変動、不可逆性、及び急激な変化
気候変動の多くの特徴及び関連する影響は、たとえ温室効果ガスの人為的な排出が停止したとし
ても、何世紀にもわたって持続するだろう。急激あるいは不可逆な変化のリスクは、温暖化の程
度が大きくなるにつれて増大する。{2.4}
SPM 3. 適応、緩和、持続可能な開発に向けた将来経路
適応及び緩和は、気候変動のリスクを低減し管理するための補完的な戦略である。今後数十年間
の大幅な排出削減により、21世紀とそれ以降の気候リスクを低減し、効果的な適応の見通しを高
め、長期的な緩和費用と課題を減らし、持続可能な開発のための気候にレジリエントな(強靭な)
経路に貢献することができる。{3.2, 3.3, 3.4}
SPM 3.1 気候変動に関する意思決定の基礎
気候変動とその影響を抑制する効果的な意思決定は、ガバナンス、倫理的側面、公平性、価値判
断、経済的評価、リスクや不確実性に対する多様な認識や対応の重要性を認識しつつ、予想され
るリスクや便益を評価する幅広い分析的アプローチを行うことによって明らかにされる。 {3.1}
SPM 3.2 緩和及び適応によって低減される気候変動リスク
現行を上回る追加的な緩和努力がないと、たとえ適応があったとしても、21世紀末までの温暖化
は、深刻で広範にわたる不可逆的な世界規模の影響に至るリスクが、高いレベルから非常に高い
レベルに達するだろう(高い確信度)。緩和はあるレベルの共同便益や負の副次効果によるリス
クを伴うが、これらのリスクは気候変動による深刻で広範にわたる不可逆的な影響と同程度のリ
スクの可能性を伴うものではなく、近い将来の緩和努力による便益を増加させる。 {3.2, 3.4}
SPM 3.3 適応経路の特徴
適応は気候変動影響のリスクを低減できるが、特に気候変動の程度がより大きく、速度がより速
い場合には、その有効性には限界がある。より長期的な観点では、持続可能な開発な文脈におい
て、より多くの即時的な適応行動は将来の選択肢と備えが強化される可能性を高める。 {3.3}
SPM 3.4 緩和経路の特徴
資料編-63
工業化以前と比べた温暖化を2℃未満に抑制する可能性が高い緩和経路は複数ある。これらの経
路の場合には、CO2 及びその他の長寿命温室効果ガスについて、今後数十年間にわたり大幅に排
出を削減し、21世紀末までに排出をほぼゼロにすることを要するであろう。そのような削減の実
施は、かなりの技術的、経済的、社会的、制度的課題を提起し、それら課題は、追加的緩和の遅
延や鍵となる技術が利用できない場合に増大する。より低い又はより高い水準に温暖化を抑制す
る場合も同様の課題を抱えているが、時間尺度が異なる。{3.4}
SPM 4. 適応及び緩和
多くの適応及び緩和の選択肢は気候変動への対処に役立ちうるが、単一の選択肢だけで十分とい
うものはない。これらの効果的な実施は、政策と全ての規模での協力次第であり、他の社会的目
標に適応や緩和がリンクされた統合的対応を通じて強化されうる。{4}
SPM 4.1 適応及び緩和にとって共通の有効な要因及び制約
適応及び緩和は共通の有効な要因に支えられている。これらの要因は、効果的な制度とガバナン
ス、技術革新と環境面に優れた技術とインフラ(社会基盤施設)への投資、持続可能な生計、行
動面と生活様式上の選択肢を含む。{4.1}
SPM 4.2 適応のための対応の選択肢
適応の選択肢は全ての分野に存在するが、実施の状況や気候関連のリスクを低減する潜在性は分
野や地域で異なる。いくつかの適応策は重大なコベネフィット、相乗効果、トレードオフを含む。
増大する気候変動によって、多くの適応の選択肢に関する課題は増加するであろう。 {4.2}
SPM 4.3緩和のための対応の選択肢
緩和の選択肢は、各主要部門で利用可能である。緩和はエネルギー使用及び最終消費部門の温室
効果ガス排出強度の低減、エネルギー供給の脱炭素化、土地利用部門での正味の排出量の削減及
び炭素吸収源の強化、といった対策を組み合わせる統合されたアプローチを用いた場合、費用対
効果が高くなり得る。{4.3}
SPM 4.4 適応と緩和、技術、資金に関する政策アプローチ
効果的な適応及び緩和は、国際的、地域的、国家的、準国家的な複数の規模にまたがった政策や
対策に依存するだろう。気候変動に向けた技術の開発・普及・移転や気候変動対応に向けた資金
を支援するあらゆる規模の政策は適応及び緩和を推進する政策の実効性を直接的に補完・向上し
得る。{4.4}
SPM 4.2 適応のための対応の選択肢
適応の選択肢は全ての分野に存在するが、実施の状況や気候関連のリスクを低減する潜在性は分
野や地域で異なる。いくつかの適応策は重大なコベネフィット、相乗効果、トレードオフを含む。
増大する気候変動によって、多くの適応の選択肢に関する課題は増加するであろう。 {4.2}
SPM 4.3緩和のための対応の選択肢
緩和の選択肢は、各主要部門で利用可能である。緩和はエネルギー使用及び最終消費部門の温室
効果ガス排出強度の低減、エネルギー供給の脱炭素化、土地利用部門での正味の排出量の削減及
び炭素吸収源の強化、といった対策を組み合わせる統合されたアプローチを用いた場合、費用対
効果が高くなり得る。{4.3}
SPM 4.4 適応と緩和、技術、資金に関する政策アプローチ
効果的な適応及び緩和は、国際的、地域的、国家的、準国家的な複数の規模にまたがった政策や
対策に依存するだろう。気候変動に向けた技術の開発・普及・移転や気候変動対応に向けた資金
を支援するあらゆる規模の政策は適応及び緩和を推進する政策の実効性を直接的に補完・向上し
得る。{4.4}
資料編-64
SPM 4.5 持続可能な開発とのトレードオフ、相乗効果、相互作用
気候変動は、持続可能な開発に対する脅威である。それでも、統合的対応を通じ、緩和、適応、
及びその他社会的目標の追求とリンクする多くの機会が存在する(高い確信度)。実施の成功は、
妥当な手段、適切なガバナンスの構造、及び強化された対応能力に依存する(中程度の確信度)。
{3.5, 4.5}
資料編-65
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