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塩分濃度の調整で,漁獲魚の外傷を自然治癒
平成 25 年 5 月 31 日 資 料 提 供 報道関係者各位 塩分濃度の の調整で 塩分濃度 調整で,漁獲魚の外傷を自然治癒 す 生け簀での魚 での魚の生存率を 生存率を高める新技術 める新技術いよいよ 新技術いよいよ実用化 いよいよ実用化 1 2 漁業現場の課題 刺し網漁や底引き網漁で獲られた海の魚は,外傷のため生け簀での長期飼育が難しく,今 までは陸揚げ後すぐに出荷するしかありませんでした。不漁のときや天候不良で漁ができな いときは出荷できず,消費者に鮮魚を安定して提供できていませんでした。 「安定供給」のために生け簀での生存率を高めることは積年の課題だったのです。 「漁獲魚を活かす技術」の開発 海水魚は体液より塩分濃度の高い海水で生活しているため,体内の水分が常に海水中に逃 げ出しています。水分を一定に保つため水分補給をしているわけですが傷ついた魚は傷口か ら逃げ出す水分が多くなり水分補給が追いつかず死に至ります。 水産海洋技術センターでは,この水分の流出を抑え,生け簀での飼育可能期間の延長,傷 ついた魚が自然治癒する方法を開発しました(下図参照)。 活かすことが難しいメバルをはじめさまざまな魚での実験を繰り返し,効果を確認できた 平成 23 年 3 月に特許出願をしました。 低塩分海水 生存率は メバルを1週間 飼育した例 元気。 元気。長生き 長生き! 弱る。死亡! 死亡! 10% 従来 海水 93% 新技術 漁のとてきに傷つく 網で擦れ 3 水産海洋技術センター 担当|岡崎 電話|0823-51-2173 総合技術研究所 企画部 担当|伊藤 電話|082-223-1200 技術の活用範囲 この技術は,鮮魚販売で広く活用できる技術で,例えば次のような活用方法があります。 ①同じ種類の魚が一度にたくさん獲れた場合でも活かしたままストックし,必要なときに 必要なだけ魚が出荷できる。 ②悪天候で出漁できず,魚の流通が少なくなる時に,活かしたままストックした魚を市場 に供給できる。 ③サイズがばらばらだったものをサイズを揃えて出荷できるようになる。 ④遠方への輸送では水槽内で魚が傷みますが,この技術で傷みを軽減できる。 「漁獲魚を活かす技術」は,これまで鮮魚販売では漁の多寡や天候に左右され,困難であ った「定時」・「定量」・「一定品質」・「一定価格」の『4定』が満たせるようになります。 4 技術の活用 せとうち漁師市場(代表 岡崎宏司氏)は,この技術に着目し,平成 24 年度 4 月より水 産海洋技術センターと共同で実証実験を行い,本年 4 月から本格的に技術導入して事業化を 進めています。 また,深江漁業協同組合ではこの技術を活用して安定した流通量を確保し,「江田島メバル」 のブランド化を進めています。 せとうち漁師市場での「漁獲魚を活かす技術」を活用した取り組み(全体像) 活魚の集荷 横島漁協 活魚の出荷 せとうち漁師市場 せとうち漁師市場 出荷調整・品質維持 漁業者A 〃 B 〃 C 〃 D 〃 E 〃 F 広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター 「漁獲魚を活かす技術」 〆て販売 ◇エブリイ(緑町店,御幸店, 川口店,蔵王店,本庄店, 松永店) ◇JA三原店・本郷店 ◇まるごと市場(神石高原町) ◇梅の花(福山市明神) ◇ひろしま夢ぷらざ(広島市) 瀬戸内海の安心地魚