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熊本県南関町の高病原性鳥インフルエンザ発生農場に係る疫学調査
熊本県南関町の高病原性鳥インフルエンザ発生農場に係る疫学調査チームの調査概要 (平成 28 年 12 月 27 日実施) 平成 28 年 12 月 27 日に実施した現地調査の結果、以下のことを確認した。 1 農場の周辺環境 ① 当該農場は山間部に位置し、農場の南側約 20mの距離にため池(80m×20m 程度の広さ)が ある。 ② 現地調査時、このため池では、カモ類が 100 羽程度確認されたほか、農場上空を多数の野 鳥が飛んでいるのが確認された。 ③ 当該農場には 11 棟の鶏舎(7棟はウインドレスの高床式鶏舎、4棟は開放鶏舎)があり、 発生鶏舎は農場入口から比較的近いウインドレスの高床式鶏舎であった。発症・死亡鶏は、 発生鶏舎の2階部分のほぼ中央に集中して確認された。 2 管理者及び従業員 ① 当該農場の管理人(以下「管理人」という。 )によると、農場には 16 名程度の従業員がお り、鶏舎ごとの担当は、その日のシフトによって変動するとのこと。 ② 管理人によると、従業員は当該農場の出入口付近にある事務所内の更衣室で更衣、靴の履 き替えを行ってから農場に入っているとのこと。各鶏舎では外側に設置されている踏込消 毒槽で靴を消毒してから鶏舎内に入り、さらに鶏舎内で専用靴に履き替えているとのこと。 3 農場の飼養衛生管理 ① 各鶏舎の横に飼料タンクが設置されているが、当該タンク上部には蓋がされており、タン ク内への野鳥等の侵入やタンク内の飼料への鶏糞の混入の可能性は低いと考えられた。 ② ポンプにより汲み上げられた井戸水が、飼養鶏への給与水として各鶏舎に配水されている。 ③ 車両の農場への出入りの際には、出入口において車両消毒槽及び動力噴霧機による消毒を 行っている。 ④ 管理人によると、鶏舎ごとにオールイン・オールアウトを行っており、オールアウトの度 に、鶏舎内の消毒を行っているとのこと。 ⑤ ウインドレス鶏舎7棟は集卵用コンベアで連結されているが、鶏舎外の各コンベアの周囲 は金網等で囲われている。 ⑥ 発生鶏舎の構造は、直立6段ケージを有する3階建てで、1階は空洞となっており、2階 と3階にはそれぞれ3段のケージがある。鶏糞は集糞ベルトにより、鶏舎外に搬出され、 その後、堆肥舎に運搬される。 4 野鳥・野生動物対策 ① ウインドレス鶏舎においても、鶏舎上部の隙間を金網や防鳥ネットで防ぐといった取組の ほか、管理人によると、ネズミ対策として、殺鼠剤の設置や、駆除業者に相談し、暗視カ メラを用いた侵入状況調査を実施していたとのこと。 ② しかしながら、集糞ベルトの鶏舎外への開口部や、鶏舎側面の壁と基礎部分との間の隙間 など、小型の野生動物が侵入可能と思われる箇所が複数確認された。また、鶏舎内では、 ネズミの死体が複数確認された。 5 死亡鶏の取扱い 死亡鶏は農場内で処理している。