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これからも安心してお使いいただける OpenVMS

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これからも安心してお使いいただける OpenVMS
これからも安心してお使いいただける OpenVMS
HP OpenVMSシステム部門統括マネージャAnn McQuaidによる
30周年の概要と今後の戦略
エグゼクティブ・サマリ........................................................................................................................................2
一貫性とコミットメント .....................................................................................................................................2
OpenVMSのビジネス・ケース ............................................................................................................................3
高い付加価値 ...............................................................................................................................................3
OpenVMSによるお客様のニーズへの対応 ........................................................................................................4
開発スタッフのニーズ ....................................................................................................................................4
運用上のニーズ ............................................................................................................................................5
技術的ニーズ................................................................................................................................................6
HP BladeSystemによる変革 .......................................................................................................................6
UNIX®ポータビリティ..................................................................................................................................6
バイナリ互換性 .........................................................................................................................................6
進化するGo-To-Market戦略..............................................................................................................................7
一貫したビジネス・プラクティス ...........................................................................................................................7
オペレーティング環境への関連製品の同梱 ....................................................................................................7
ライセンスの種類...........................................................................................................................................7
ライセンス管理 ..............................................................................................................................................8
ソフトウェア・サポート.....................................................................................................................................8
まとめ ...............................................................................................................................................................8
関連資料 ........................................................................................................................................................ 10
HP OpenVMS の戦略は、お客様のニーズを第一に考えています。この戦略は、お客様の最重要アプリ
ケーションにとって信頼できる製品であること、そして、最新機能を提供する技術革新を継続するという、2
つの補完的な方針を原則としています。この戦略の特徴は、次のとおりです。
1. お客様のビジネス経営、開発スタッフ、運用スタッフ、および技術要件のニーズ応えます。
2. ターゲット・マーケット内で、最高レベルの可用性、セキュリティ、信頼性、ディザスタ・トレランス(耐障害
性)、および製品品質が要求される特定のセグメントにフォーカスしています。
3. 当社の直販営業と、強力で有能なチャネル・パートナー双方による製品の提供がなされます。
4. 製品ライフサイクル全体にわたってお客様の費用対効果の高い投資を手助けするビジネス・プラクティ
スが用意されています。
エグゼクティブ・サマリ
HP OpenVMS オペレーティング環境はおかげさまで 30 周年を迎えました。この長い歴史は、1977 年以
来、IT、経済、政治の劇的な変化の中で進化し続けた OpenVMS の適応性と柔軟性を物語る注目すべき
成果です。OpenVMS が独自のマーケットで高い人気を保ち続けていることは、最高レベルのセキュリティ、
高可用性、ディザスタ・トレランス、スケーラビリティ、信頼性、品質、低所有コストなどの優れた特性を備え
ている証と言えます。また、企業や政府機関にこれまで信頼され続け、今後も何年にもわたり信頼され続け
るであろう、このユニークで実用的なオペレーティング環境を進化させてきた HP の努力の成果でもありま
す。
この戦略表明では、HP の OpenVMS へのコミットメントを確認し、明らかにします。この 30 年間にわたる
OpenVMS の進化は、業界動向、ビジネス要件、および政府規制を着実に反映してきた結果といえます。
当社の HP Integrity サーバと HP BladeSystem プラットフォームの開発をきっかけに、社内では次のような
課題への新たな取り組みが始まりました。
1) 既存ユーザがスムーズかつ費用対効果の高い方法で新しいソフトウェア・リリースや次世代の
HP ハードウェアに移行およびアップグレードできるようにすること。
2) 新しいお客様が OpenVMS のさまざまな利点、機能、価値を享受できるようにすること。
多くのお客様がOpenVMSの最初のプラットフォームであるVAXサーバを今日も利用し続けている理由は、
OpenVMSの信頼性がきわめて高いからに他なりません。HPでは、このようなお客様も引き続きサポートし
ていきます。AlphaServerシステム対応のOpenVMSは少なくとも 2012 年までサポートすることをお約束し
ています。その一方で、お客様の準備が整ったときにHP IntegrityサーバやHP Integrity BladeSystemへ容
易に移行できるようにさまざまなプログラムを用意しています。1
一貫性とコミットメント
OpenVMS の将来に対する当社のコミットメントについて特に注目すべきことは、以下の分野に対して行わ
れた投資の数です。
• 独立系ソフトウェア・ベンダ(ISV)のサポートの強化
• オープン・ソースとの連携
• ミドルウェアの開発
• アプリケーション開発の移行
• 仮想化の技術革新
• パフォーマンスの強化
• セキュリティ機能
1
HP が検討を重ねた上で AlphaServer システムの生産終了を戦略的に意思決定したことは、当時一部で推測されたように OpenVMS の打ち切りを示
唆するものでは全くありません。
2
• システムとサーバの管理
• ストレージ機能
• ハードウェアの改良
実際、OpenVMS の最新リリース(バージョン 8.3-1H1)で、革新的な HP Integrity BladeSystem のサポー
トが強化されたことで、OpenVMS に対する当社のコミットメントはより強力かつ十分に証明されています。
その成果として、Integrity サーバ用の OpenVMS の販売数はリリース以降劇的に増加しています。
OpenVMS の開発と進化を継続しながらさらに前進するために、次の戦略的な原則の枠組みを確立しまし
た。
•
お客様のビジネス・ニーズに応えること
•
組織内におけるお客様固有のニーズに応えること
•
OpenVMS の将来を強固なものにすること
OpenVMS の信頼性は、これまでずっと「盤石」という言葉で表されてきました。この言葉は、OpenVMS の
将来にも当てはまります。
OpenVMS のビジネス・ケース
HP OpenVMS は、高度な汎用の商用オペレーティング環境であり、データベースやトランザクションのワー
クロードがきわめて高い環境に、高可用性、スケーラビリティ、セキュリティ、業界をリードするクラスタ技術、
および強力な柔軟性を提供します。OpenVMS は、可能な限り高いレベルでセキュリティを保護しなければ
ならない IT 環境にも対応するように設計されています。30 年間、一貫して膨大な量の情報を高いトランザ
クション速度で迅速に、確実かつ安全に管理してきました。OpenVMS は変化するビジネス要求に柔軟に
対応できます。また、今後はより高度な開発やより緊密な統合が提案されます。OpenVMS は、最大
100%のアプリケーション可用性、最も厳しいセキュリティとデータの完全性、および数百万人のユーザに
対応できるスケーラビリティが要求される環境で使用されています。こうした特性は、HP OpenVMS の主な
顧客基盤となっている業界(製造業、金融サービス、医療、通信、公共部門、運送、小売業)のニーズに足
並みを揃えています。たとえば、原子力発電/配電、空港運営、宝くじシステム、モバイル・サービス・プロバ
イダのショート・メッセージ・トランザクション、世界中の何兆ドルものトランザクションの伝送などが
OpenVMS で制御されています。
高い付加価値
競争力のある組織では、大規模な設備投資を行う際の予算の圧力を軽視できません。OpenVMSを 3∼5
年にわたって使用すると、多くの場合、競合他社が提供する同じような機能を備えたハードウェアとソフト
ウェアで環境を構築し運用した場合よりもコストが削減されます。総所有コスト(TCO)、計画的および予定外
のダウンタイムのコスト、可用性やセキュリティをOpenVMSと同等のレベルまで高めるのに必要なアドオン
製品を購入するコストなどを検討すれば、OpenVMSの真価がわかります。独立系の調査グループである
TechWiseの調査によると、HP Integrityサーバ上でOpenVMSクラスタを実行すると、他社の同様のシステ
ムに比べてTCOが大幅に削減されることがわかりました2。OpenVMSの価値を裏付けるもう 1 つの例とし
て、同じく独立系の調査グループであるAlinean, Inc.により、HP Integrityサーバ対応のOpenVMSによる
TCOが最も良好であることも確認されました(TechWiseの調査文書はHP OpenVMS Webサイト
(www.hp.com/go/openvms)のホワイト・ペーパーのセクションで参照できます)。
OpenVMS の方が競合製品よりも TCO が低いと評価された主要な差異化要因としては、次のようなもの
があります。
• 最大 100%のアプリケーション可用性が 10 年以上にわたって記録されたこと(発生するダウンタイムが
競合システムよりはるかに少ないため、ビジネスの成長を加速できること)
2
『Quantifying the Total Cost of Ownership for Entry-Level and Mid-Range Server Clusters』、TechWise Research Inc.、2007 年 6 月。
3
• 単一システムとして機能するマルチ・アーキテクチャ・クラスタ環境で、ノードを追加しても管理コストはほ
とんど増加せず、最大 800km の距離で 96 個のノードをクラスタリングできるスケーラビリティ
• シンプルな統合管理機能による人件費および間接費の削減
• ハッカーやウィルスを寄せ付けない高いセキュリティにより、セキュリティ関連のダウンタイムが競合他社
のシステムより少ないこと
• 競合製品では追加費用がかかる高度な機能が標準で付属すること
• ISV のサポート
OpenVMSには、コンソリデーションへの取り組みを重視する当社の考え方も反映されています。
OpenVMSをHP Integrityサーバで実行すると、強力なITコンソリデーションの機会が得られます。その主な
理由は、IntegrityシステムがOpenVMSだけでなくHP-UX 11i、Microsoft® Windows® Server 2003、およ
びLinuxもサポートしていることにあります。ITのコンソリデーションは、コストの削減、リソース利用率の向上、
リスクの軽減、サーバ拡散の縮小、IT管理業務の簡素化、および高い投資回収率の達成を実現するため
の最も効果的な方法であり、競争力のある組織では今や必須となっています。
「OpenVMS は 2007 年 10
OpenVMS によるお客様のニーズへの対応
月に 30 周年を迎えました。テ
クノロジの世界では永遠にも
今日の組織では、インターネットを介してビジネスを行うために次の要件を満たす必要があります。
近い年月ですが、このオペ
1) 増え続ける利用者に対してデータとアプリケーションを提供できるだけの能力を備えていること。
レーティング・システムはお客
様が求める高可用性、ディザ
スタ・トレランス、およびセキュ
リティに対応し続けています。
OpenVMS、特に HP Integrity
サーバ対応の OpenVMS は、
2) 現状の多数のビジネス運用環境を企業全体で統合すること。
3) 企業をパートナー、サプライヤ、およびお客様と一体化することにより、協調的なビジネス環境を確立す
ること。
OpenVMS オペレーティング・システムは、1)各組織のアーキテクトが全体的な戦略と構成にすっきりと適
合する最先端のインタフェースを開発でき、2)各組織の開発者が最新かつ一般的なツールを使ってコード
を簡単に作成できるようにもなっています。
HP の製品ポートフォリオにお
ける重要な製品です。われわ
れは今後も OpenVMS のサ
ポートを続けますので、安心し
てお使いください。」
− Mark Hurd,
HP CEO, Chairman,
President
開発スタッフのニーズ
OpenVMS は、適応性の向上、リソースの調達および配備における簡素化および柔軟性の向上など、各組
織の根強い需要に対応しています。OpenVMS で作業するアーキテクトや開発者向けには、多数の標準
ツールが用意されています。一般のソフトウェア開発に必要なレベルを超えるような特殊なスキルは、通常
は必要ありません。
当社の戦略のもう 1 つの要素は、複数のプラットフォームに対して製品を提供する独立系ソフトウェア・ベン
ダのニーズ、ならびに、独自のアプリケーション・コードを開発して管理する多くのお客様のニーズに合わせ
て策定されています。
HP OpenVMS には、開発者による次の作業を可能にする一連のソリューションが用意されています。
• 容易なデータ・アクセス:Apache Server ベースの Secure Web Server を Internet Explorer または
Mozilla ベースの Secure Web Browser と組み合わせて使用することにより、OpenVMS システムに格
納されたデータへの簡単なアクセス方法を実装できます。動的コンテンツは、Perl、PHP、または
JavaServer Pages (Tomcat)による CGI スクリプトを使って実装できます。
• ユーザ・インタフェースの最新化:さまざまなツールを利用してユーザ・インタフェースを最新化できます。
既存のアプリケーションは、Internet Explorer または Secure Web Browser を使ったグラフィカル・ユー
ザ・インタフェース(GUI)によって最新化できます。COM、VisualBasic、または Microsoft .NET を使って
Windows ベースのインタフェースを作成することもできます。
• ビジネス・ロジック/データの再利用:Web Services Integration Toolkit (WSIT)を使って、既存のアプリ
ケーションまたは ACMS タスクを JavaBeans、Enterprise JavaBeans、または COM オブジェクトとして
ラップ(コンポーネント化)できます。
4
• アプリケーションの統合:BEA WebLogic Server や JBoss などの J2EE アプリケーション・サーバ(および
さまざまな先端技術)を使って数多くのアプリケーションを統合できます。
• アプリケーションの開発:Distributed NetBeans は、Java™および 3GL アプリケーションの開発、デバッ
グ、コード管理、保守が可能な OpenVMS 上の統合開発環境(IDE)です。NetBeans クライアントは開発
者の任意のデスクトップ(Windows、Linux、Mac、HP-UX)で動作し、IDE サーバは OpenVMS 上で動作
します。
また、OpenVMS のお客様や開発者が最新バージョンの OpenVMS 上でソフトウェアおよびハードウェア
技術を安全に評価できるように、ニューハンプシャー州ナシュアをはじめ各国に検証センターを用意してい
ます。
この検証センターは、お客様のコンセプトを実現可能かどうかの実証テストのために環境を提供するだけで
なく、OpenVMS のお客様や ISV が実際のアプリケーションのベンチマーク・テストを実施することも奨励し
ています。従来の「標準的な」ベンチマークを避けるため、慎重な戦略的意思決定を行いました。これは、
実際に使われる予定のアプリケーションを使って環境に負荷をかけることが、完全なパフォーマンス、使い
勝手、信頼性を評価する唯一の方法だと考えるからです。実際に稼動するデータ・センターには適用できな
い理論上の基準を満たすことを目指すのではなく、チューニングによって特定のアプリケーションのパ
フォーマンスと信頼性をどの程度強化できるかを確認することができます。
利用者は、それぞれの実運用環境でアプリケーションを稼動する前に、コントロールされた環境でアプリ
ケーションを検証することができます。ハードウェアは利用ニーズに合わせてカスタマイズ構成されるため、
システムを完全に配備したときの動作や性能を正確に確認することができます。
運用上のニーズ
OpenVMS のシステム管理戦略では、1)標準の Windows 管理コンソールと、2)機能を完備した
OpenVMS 管理環境のいずれかを選択できることを標榜しています。
システム管理方法の選択肢の 1 つは、Windows プラットフォームから OpenVMS システムを管理する簡
素化された統合環境を配備することです。次の 3 つの方法で管理ツールやソリューションが用意されてい
ます。
• ユーザ・アカウント管理、パフォーマンス管理、システム・リソース管理など、いくつかの特定の機能領域
に対応する部門レベルのツール
• HP OpenView とサードパーティ製品との統合による企業管理フレームワーク
• OpenVMS と HP Systems Insight Manager (HP SIM)との統合
これらのツールを使って、複数のリソースを 1 つのコンソール(リモートでも可)でまとめて管理できます。こ
れにより、リソースの利用率とスタッフの生産性が向上します。
このほか、強力な OpenVMS 専用の管理ツール・セットを HP および HP のパートナーから入手できます。
当社の戦略は、これらのソリューションを Windows 環境と歩調を合わせて進化させ続けることです。ユー
ザは次のいずれかを選択できます。
• ポインタによるクリック方式で操作が可能な Windows GUI
• OpenVMS と OpenVMS クラスタを管理するためのさまざまなコマンドおよびユーティリティティ
さらに、ISV はアプリケーションへの投資と OpenVMS へのポーティングを継続しています(ISV による支持
と HP による奨励の表れです)。お客様が必要とするアプリケーションを提供できるように取り組むのが HP
の戦略です。これらのアプリケーションには、Oracle® Rdb、Oracle 10g R2、InterSystems Caché、RMS
が含まれます。OpenVMS ラボでは、オペレーティング・システム、レイヤード製品、コンパイラの機能を確
認するだけでなく、主要な ISV が自社のソフトウェアを Integrity サーバ対応の OpenVMS にポーティング
するのを支援しています。また、ISV や社内アプリケーションを開発するお客様のために Integrity ポーティ
ング・ワークショップを主催しています。
5
技術的ニーズ
HPは、業界標準のIntel® Itanium®マイクロプロセッサ・ベースのHP Integrityサーバ・ラインを推進する戦略
を採用すると同時に、OpenVMSのロードマップに対するコミットメントを強化しました。この戦略には、
OpenVMSとそれに付随するレイヤード・アプリケーション、コンパイラ、ツールをIntegrityサーバにポーティ
ングすることによってAlphaServerユーザの投資を保護するという目的も含まれています。
当社の技術ロードマップの戦略は、OpenVMS を引き続き進化させることであり、OpenVMS Alpha と
OpenVMS Integrity を共通のコード・ストリームで開発することにより、ハードウェアに依存しないすべての
機能強化を HP Integrity サーバと AlphaServer システムの両方で利用可能にすることです。
HP BladeSystem による変革
当社は、企業コンピューティングのトレンドが高密度ブレード・サーバの導入に向かっていることも認識して
います。OpenVMS の最新リリースは、最新の HP c-Class BladeSystem をサポートします。
HP BladeSystem では、電源や冷却の要件が非常に低いため、競合するラック・マウント型サーバに比べて
設備コストが平均 30%削減されます。HP BladeSystem では、コンピューティング密度が大幅に高まるため、
データ・センターのフロア面積も縮小できます。HP BladeSystem はラック型サーバを導入するよりも運用コ
ストが低下します。たとえば、敷設するケーブルの数は 90%以上削減できます。また、管理ソフトウェアに
よって日常業務を自動化できるため、IT 部門はシステム管理にかかる時間を減らし、クライアント組織の増
え続けるニーズに応えるための技術革新により多くの時間を割くことができます。
OpenVMS と HP Integrity BladeSystem の環境では、具体的なビジネス・ニーズとサービス・レベル契約に
合わせて設備稼動率を分析、調整することにより、リソースの利用率が向上します。独自のクラスタリング
機能と負荷分散/共有機能により、キャパシティの増加、アップグレード、拡張もしやすくなっています。
OpenVMS と HP BladeSystem を組み合わせると、その仮想化とクラスタリングの特性によって高いスケー
ラビリティも得られます。OpenVMS は、ブレード環境エンクロージャ内でスケール・アップすることも、他の
ブレード・エンクロージャやクラスタを使用する他の Integrity サーバにスケール・アウトすることもできます。
OpenVMS のロードマップでは、今後 12∼16 四半期の機能拡張の項目がすでに計画済みで、新しい
Integrity システムと HP Integrity Virtual Machine のサポートもロードマップに組み込まれます。
UNIX®ポータビリティ
HP はさらに、UNIX から OpenVMS にアプリケーションを簡単にポーティングできるよう、OpenVMS UNIX
ポータビリティ(UP)プログラムによって OpenVMS ユーザの技術的ニーズに対応します。UP プログラムは、
両方のオペレーティング環境用のアプリケーションを開発する ISV が、コストを抑えながらすばやくソフト
ウェアを提供できるように支援します。また、他の多くのアプリケーション(Linux アプリケーション、Java アプ
リケーション、オープン・ソースなど)も OpenVMS に簡単にポーティングできるようになります。このプログ
ラムでは、一連の UNIX インタフェースとツールをネイティブな環境として統合された形で OpenVMS で提
供することにより、相互運用性が強化され、エミュレータによるソリューションで発生するパフォーマンスの
問題が解消されます。また、GNV(GNU's not VMS の略語)はオープン・ソースの GNU をベースとする
OpenVMS 用の UNIX 環境であり、UNIX アプリケーションの開発者、システム管理者、ユーザのために、
OpenVMS 上で UNIX 風の環境を提供します。この環境では、UNIX ソフトウェアの開発と OpenVMS への
ポーティングが簡単にできます。HP では、GNV、Mozilla、MySQL、Perl とともに、一連のオープン・ソース・
ツール(GnuPG、GTK+、liblDL、Stunnel、VMSTar、Python、ZIP など)や、ソース・コード・キット(CD Record、
CDSA、Kerberos、SSL など)のダウンロード・キットを用意しています。
当社の戦略のこの部分は、最新で費用対効果の高い環境を使った開発とポーティングを促進する必要性
を意識したものです。
バイナリ互換性
お客様の環境の簡素化を支援する HP の取り組みを語る上で、OpenVMS のバイナリ互換性に触れない
わけにはいきません。OpenVMS の外部インタフェースの動作仕様に基づいて設計されたアプリケーション
は、同じハードウェア・アーキテクチャ上の OpenVMS の将来のバージョンでも、変更や再コンパイルなしで
動作します。たとえば、OpenVMS バージョン 8.3 が稼動する HP Integrity サーバ上の既存のアプリケー
6
ション・バイナリは、OpenVMS バージョン 8.3-1H1 が稼動する Integrity サーバ上でも変更なしで動作しま
す。
進化する Go-To-Market 戦略
HPの戦略的オペレーティング・システムであるOpenVMSは、当社が参入するどのターゲット・マーケット・セ
グメントにおいても、強力で収益性の高い健全な製品です。その主な理由は、AlphaServerユーザのHP
Integrityシステムへの移行を支援するために策定されたCustomer Evolution Programの取り組みにありま
す。当社のこの戦略は、OpenVMS AlphaServerシステムからHP Integrityサーバへアップグレードした後
のコスト回収期間が、年単位ではなく月単位で測定できることを示したTechWiseの最近のレポートによって
次のように後押しされています:「多くの企業は、IntegrityにアップグレードしないでAlphaServerを使い続け
るほどコストに余裕があるわけではありません3。」 また、OpenVMSの販売は、堅調なHP BladeSystemビ
ジネスからも利益を得ています。
われわれはまた、OpenVMS へのコミットメントと投資を明言しているチャネル・パートナーとの関係を重視
し、さらに深めることによって、当社の Go-To-Market 戦略を強化しています。我々のビジネスの多くは間接
販売によるものです。当社の直販営業とチャネル・パートナーの販売キャンペーンの足並みを揃え、マーケ
ティング活動(特に OpenVMS の 30 周年記念に関する活動)を推進しています。
一貫したビジネス・プラクティス
HP は、お客様のリソースの調達と導入に関して、よりシンプルで柔軟性があり、費用対効果の高い方法で
要求に応えるよう、OpenVMS Integrity のビジネス・プラクティスを実現しています。OpenVMS Integrity は、
特に次の点で HP の他のオペレーティング環境と同様の考え方でビジネス・プラクティスを設計しています。
• オペレーティング環境への関連製品の同梱
• ライセンスの種類
• ライセンス管理
• ライセンス・トレードイン・ポリシー
• ソフトウェア・サポート
オペレーティング環境への関連製品の同梱
オペレーティング環境は、OpenVMS I644 で新たに追加されたパッケージングです。OpenVMS I64 では、
あらかじめテストされた統合オペレーティング環境を用意することで、ソフトウェアの調達、インストール、管
理が簡素化されます。OpenVMS I64 オペレーティング環境に関連製品をあらかじめ組み込んでおくことに
より、製品の発注、インストール、ライセンス管理、サポートが簡素化されます。HP OpenVMS Foundation
Operating Environment (FOE)は、コスト・パフォーマンスに優れたインターネット対応の多機能パッケージ
です。HP OpenVMS Enterprise Operating Environment (EOE)は、容易な管理機能、シングル・システム
での可用性、パフォーマンスを強化したパッケージです。HP OpenVMS Mission-Critical Operating
Environment (MCOE)は、最高レベルのマルチ・システム可用性と負荷管理機能を備えたパッケージです。
FOEに含まれないEOEやMCOE内の製品は個別に購入することもできます。
ライセンスの種類
コア単位のライセンス方式(PCL)では、ソフトウェアを実行しているプロセッサ・コアの数に応じてソフトウェア
の価格が設定されます。オペレーティング環境への関連製品の同梱と PCL ライセンスには多くの利点があ
ります。最も重要な利点は、必要なソフトウェア・ライセンスだけを購入できることです。システムやハード・
3
『Quantifying the Total Cost of Upgrading HP OpenVMS AlphaServer systems to OpenVMS on HP Integrity servers』、TechWise Research Inc.、
2007 年 5 月。
4
OpenVMS I64 は、HP Integrity サーバで動作する OpenVMS の正式な技術的名称です。
7
パーティション上でアクティブな CPU 分だけライセンスを取得すればよいということです。パーティションをサ
ポートするシステムでは、パーティションごとに必要なライセンスを購入するだけで済みます。たとえば、1
つ目のパーティションには FOE のライセンスを取得し、2 つ目のパーティションには MCOE のライセンスを
取得し、3 つ目のパーティションには FOE または Windows Server のライセンスを取得するといったことが
可能です。
ライセンス管理
HP は、ライセンス管理/順守ツールである License Management Facility (LMF)を改良することにより、お客
様が HP のライセンス条項を管理できるようにしました。ソフト・コンプライアンスの強化により、不適合なラ
イセンス状況の可能性をお客様に通知しながら、サービスを確実に継続できます。
ソフトウェア・サポート
HP は、さまざまなサポート・パッケージにより、お客様のニーズに対応し、問題を解決します。これらのサ
ポート・パッケージでは、主要なサービス要件に対応するあらかじめ規定されたサービス・レベルによって
サービス機能を定義しています。基本サービスには、ソフトウェア製品アップデート、ソフトウェア・サポート、
およびサポート・プラスが用意されています。
z
ソフトウェア製品アップデート:ソフトウェアやリファレンス・マニュアルのアップデートが発生するたびに
お客様に提供します。このサービスには、ソフトウェア・ライセンスの対象となっている各システムでソ
フトウェア・アップデートを使用およびコピーするためのライセンスも含まれています。
z
ソフトウェア・サポート:このパッケージは、お客様が利用するITインフラストラクチャの可用性を向上さ
せるための総合的なソフトウェア・サービスです。HPのサポート・エンジニアがお客様と協力してソフト
ウェアの問題を解決します。
z
サポート・プラス:お客様は、このパッケージを使ってITインフラストラクチャの可用性を向上させること
ができます。また、HPのエンジニアがお客様のITチームと協力してハードウェアやソフトウェアの問題
を解決します。
まとめ
最初のバージョンがリリースされてから 30 年を経過した HP OpenVMS オペレーティング環境は、最高レ
ベルのセキュリティ、可用性、ディザスタ・トレランス、スケーラビリティ、信頼性、および低い総所有コストを
要求する企業にとり、ますます必要不可欠なものになっています。OpenVMS は日々、何兆ドルもの金融ト
ランザクションを処理し、世界中のテキスト・メッセージの 3 分の 2 以上を送信し、鉄道の安全と定時運行
を確保し、多くの大病院の臨床システムを管理し、世界中のマイクロプロセッサ製造の 90%以上を制御し
ています。セキュリティの面では、OpenVMS は汎用オペレーティング・システムの中で CERT 勧告が最も
少なく、ウィルスによるハッキングや負荷を受けたことは(知り得る限りでは)一度もありません。OpenVMS
システムは、何年間も停止せずに動作することが知られており、その先駆的なマルチ・アーキテクチャのク
ラスタリング技術によって最大 800km(またはそれ以上)の距離と最大 96 のノードに対応するスケーラビ
リティを備えています。TCO に関しても、長期的には競合他社が製造する同様のシステムよりも
OpenVMS の方が価値が高く、低いコストに抑えられることが独立系の調査会社のレポートによって示され
ています。
HP OpenVMS の戦略は、お客様のニーズにしっかりと応えることを最優先にしています。この戦略は、2
つの補完的な原則に基づいています。1 つはお客様の最重要アプリケーションにとって信頼できる製品で
あること、もう 1 つは最新機能を提供する技術革新を継続することです。この戦略の特徴は、次のとおりで
す。
1. お客様のビジネス経営、開発スタッフ、運用スタッフ、および技術要件のニーズ応えます。
2. ターゲット・マーケット内で、最高レベルの可用性、セキュリティ、信頼性、ディザスタ・トレランス(耐障害
性)、および製品品質が要求される特定のセグメントにフォーカスしています。
8
3. 当社の直販営業と、強力で有能なチャネル・パートナー双方による製品の提供がなされます。
4. 製品ライフサイクル全体にわたってお客様の費用対効果の高い投資を手助けするビジネス・プラクティ
スが用意されています。
9
関連資料
Achieving the highest levels of IT security with HP OpenVMS
http://h71028.www7.hp.com/ERC/downloads/4AA0-2896ENW.pdf (PDF)
The HP OpenVMS approach to high availability computing
http://h71028.www7.hp.com/ERC/downloads/5983-0191EN.pdf (PDF)
バイナリ互換性について
http://h71000.www7.hp.com/openvms/binary_compatibility.html
UNIXポータビリティ
http://h71000.www7.hp.com/portability/index.html
オープン・ソース
http://h71000.www7.hp.com/opensource/opensource.html
OpenVMSの管理
http://h71000.www7.hp.com/openvms/system_management.html
eBusinessツール
http://h71000.www7.hp.com/ebusiness/index.html
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4AA1-6470ENWJ, April 2008
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