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第39回試験の解答解説詳細版

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第39回試験の解答解説詳細版
i.D.E.社労 士 塾 1
選択式試験
模範解答
[労働基準法及び労働安全衛生法]
A:⑭
対等の立場において
労働基準法 2 条 1 項
B:③
が人たるに値する生活を営む
労働基準法 1 条 1 項
C:⑰
に達しない
D:⑧
作業行動その他業務に起因する
E:①
一の場所
労働基準法 13 条
労働安全衛生法 28 条の 2 第 1 項
労働安全衛生法 15 条 1 項
[労働者災害補償保険法]
A:⑲
二次健康診断等給付
法7条1項
B:⑬
傷病補償年金
法 12 条の 8 第 2 項
C:⑮
葬祭を行う者
法 12 条の 8 第 2 項
D:⑩
常時又は随時
法 12 条の 8 第 4 項
E:⑰
当該労働者
法 12 条の 8 第 4 項
[雇用保険法]
A:⑳
労働の意思及び能力
法4条3項
B:⑬
職業に就く
法4条3項
C:⑫
事業主との雇用関係
法4条2項
D:③
120
E:②
90
法 22 条 1 項 2 号
法 23 条 1 項 5 号,法 22 条 1 項 3 号
i.D.E.社労 士 塾 2
[労務管理その他の労働に関する一般常識]
A:⑬
発
達
B:⑮
福祉の向上
同上
C:⑳
和解の交渉
社会保険労務士法 2 条 3 項 2 号
D:⑰
紛争解決手続代理業務試験
社会保険労務士法 2 条 2 項
E:⑨
特
社会保険労務士法 2 条 2 項
定
社会保険労務士法 1 条
[社会保険に関する一般常識]
A:③
被用者
平成 18 年版厚生労働白書
P132
B:⑮
被扶養者
同上
C:⑩
5
同上
D:⑧
3
同上
E:⑰
高額療養費
同上
[健康保険法]
A:⑪
特定長期入院被保険者
B:⑤
自己の選定するもの
C:①
入院時生活療養費
D:⑨
厚生労働大臣
E:⑮
生活療養標準負担額
法 63 条 2 項 1 号
法 85 条の 2 第 1 項
同上,法 85 条の 2 第 2 項
法 85 条の 2 第 2 項
同上
i.D.E.社労 士 塾 3
[厚生年金保険法]
A:②
7月1日
法 21 条 1 項
B:⑬
17日
C:⑲
その年の9月から翌年の8月
法 21 条 2 項
D:⑧
6月1日から7月1日
法 21 条 3 項
E:⑩
7月から9月
法 21 条 3 項
同上
[国民年金法]
A:⑱
14,140
法 87 条 3 項
B:⑩
2
法 87 条 5 項
C:⑭
0.997
D:④
21
法附則(平 16)16 条 1 項
E:⑧
32
法附則(平 16)3 条 7 項
平成 19 年政令 100 号
i.D.E.社労 士 塾 4
択一式試験
解答解説
労働基準法及び労働安全衛生法
[問
1] 正 解 E
A:○
法 10 条,S.61.6.6 基発 333 号。参 在籍型出向に当たっては,出向先での労働
条件,出向元における身分の取扱い等は,出向元,出向先及び出向労働者三者
間の取決めによって定められるが,それによって定められた権限と責任に応じ
て出向元の使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等にお
ける使用者としての責任を負うことになる。
B:○
法 9 条,S.23.3.17 基発 461 号。参 設問に対して,法人,団体,組合等の代表
者又は執行機関の地位にある者は,労働者ではない(H.11.3.31 基発 168 号)。
C:○
法 9 条,H.11.3.31 基発 168 号。参 したがって,会社が設問の組合専従職員を
解雇しようとするときは,会社は,法 20 条に基づく解雇予告又は解雇予告手当
の支払義務を負う(S.24.8.19 基収 1351 号)。
D:○
則 6 条の 2 第 3 項。参 他の労使協定の場合も同様である。なお,当該規定には
罰則は設けられていない。
E:×
均等待遇を定めた法 3 条では「性別」に関する差別的取扱いは禁止されていな
い(法 3 条)。参 性別を理由とした差別的取扱いは,法 4 条において「賃金」
に限定して禁止されており,また,男女雇用機会均等法において,全般的な禁
止規定が設けられている。
[問
2] 正 解 B
A:○
法 11 条,S.26.12.27 基収 6126 号。参 同通達では,社用のため役職員に支給さ
れる役職員交際費も,賃金ではないとされている。
B:×
設問の場合,労働者が法律上当然に生ずる義務を免れるのであるから,事業主
負担分は,福利厚生ではなく賃金とみなされる(法 11 条,S.63.3.14 基発 150
号)。参 設問に対して,労働者が自己を被保険者として生命保険会社等と任意
に保険契約を締結したときに企業が保険料の補助を行う場合は,使用者が福利
厚生として負担するものであるため,賃金には該当しない。
C:○
法 11 条,法 20 条,S.23.8.18 基収 2520 号。参 解雇予告手当は,労働の対償と
なる賃金ではないが,法 24 条に準じて通貨で直接支払うよう取り計るべきもの
とされている。
D:○
法 26 条,S.63.3.14 基発 150 号。参 法 24 条 1 項(通貨払い,直接払い,全額
払い)も適用される。
E:○
法 11 条,S.22.9.13 発基 17 号。参 退職手当は,労働協約,就業規則,労働契
約等によってあらかじめ支給条件が明確とされたときに法 11 条の「賃金」とし
て保護されることになる。この場合,法 24 条 2 項の「臨時の賃金等」に該当す
ることになる。
[問
A:○
3] 正 解 A
法 12 条 1 項。参 賃金が,労働した日もしくは時間によって算定され,又は出
来高払制その他の請負制によって定められた場合には,設問の最低保障が適用
i.D.E.社労 士 塾 5
される。
B:×
「子の看護休暇を取得した期間」は控除されない(法 12 条 3 項)。参 また,「子
の看護休暇を取得した期間」は,年次有給休暇に係る 8 割以上の出勤率をみる
場合に,出勤したものとみなす必要はない。
C:×
「住宅の形態ごとに一律に定額で支給されている手当」は,割増賃金の基礎と
なる賃金に算入しなければならない(法 37 条,則 21 条,H.11.3.31 基発 170 号)。
参 基礎となる賃金に算入しない「住宅手当」とは,住宅に要する費用(家賃,
住宅の購入費用,管理費など)に応じて算定される手当をいうものであり,手
当の名称のいかんを問わず実質によって取り扱う。
D:×
設問の場合,始業時刻が属する日の午後 10 時から午後 12 時までは 5 割(時間
外割増率 2 割 5 分+深夜割増率 2 割 5 分)以上,翌日(法定休日)の午前 0 時
から午前 2 時までは 6 割(休日割増率 3 割 5 分+深夜割増率 2 割 5 分)以上の率
による割増賃金を支払わなければならない(法 37 条,則 20 条,H.6.5.31 基発 331
号)。
E:×
設問の端数処理は,「1 カ月」における時間外労働等の時間数については認めら
れているが,
「1 日」ごとに行うことは,法 24 条,法 37 条に違反する(法 24 条,
法 37 条,S.63.3.14 基発 150 号)。
[問
A:×
B:○
4] 正 解 B
「30 日以内」を「14 日以内」に置き換えると正しい内容となる(法 64 条)。
法 19 条。参 打切補償を支払った場合(打切補償を支払ったものとみなされた
場合を含む。)においては,行政官庁の認定を受けることなく解雇制限は解除さ
れる。
C:×
設問の場合は,使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り,①通知後法 20 条
の 30 日の期間を経過するか,又は,②通知後法 20 条の解雇予告手当の支払い
をしたとき,のいずれか早いときから解雇の効力が生ずるとするのが最高裁判
所の判例であり,これによれば,労働者は解雇無効の主張を行うことはできな
いことになる(法 20 条,最判 S.35.3.11〈細谷服装〉)。参 設問の場合の民事上
の効力については,大別すると,①解雇有効説(解雇は有効だが使用者に刑事
責任が発生する),②解雇無効説(いつまでも解雇は成立しない),③解雇相対
的無効説,④選択権説がある。判例は,③解雇相対的無効説をとっており,設
問は,④選択権説の内容である。
D:×
設問の場合,2 回目の労働契約終了時点で,雇入れの日から起算して 9 カ月しか
経過していないため,使用者に雇止めの予告の義務は生じない(法 14 条 2 項,
H.15.10.22 厚生労働省告示 357 号〈有期労働契約基準〉)。参 設問の基準(有期
労働契約基準)に基づく雇止めの予告は,雇入れの日から起算して 1 年を超え
て継続勤務している者(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているも
のを除く。)に限り適用がある。
E:×
設問の者(季節的業務に 4 カ月以内の期間を定めて使用される者)は,所定の
期間を超えて引き続き使用されるに至っていないため,法 20 条(解雇予告)の
規定の適用は除外される(法 21 条)。
[問
A:○
5] 正 解 C
法 32 条,H.16.8.27 基発 0827001 号。参 賃金はいかなる労働時間についても支
払わなければならないものであるため,訪問介護の業務に直接従事する時間以
外の労働時間である移動時間等についても,時間数に応じた賃金を算定しなけ
i.D.E.社労 士 塾 6
ればならない。なお,移動時間等に係る賃金水準については,最低賃金額を下
回らない範囲で,労使の話合いで決定すべきものであるとされている。
B:○
法 32 条,最判 H.14.2.28〈大星ビル管理〉。参 最判 H.12.3.9〈三菱重工業長崎
造船所〉の考え方を継承したものである。
C:×
設問の「5 年間」を「3 年間」に置き換えると正しい内容となる(法 109 条)。
D:○
法 32 条の 2,H.9.3.25 基発 195 号。参 なお,通達では,設問の算式によって求
E:○
法 38 条の 3,H.12.1.1 基発 1 号。参 専門業務型裁量労働制,企画業務型裁量労
められる労働時間数のことを「法定労働時間の総枠」と称している。
働制,事業場外労働のみなし労働時間制のいずれも,休憩,深夜業,休日に関
する規定の適用は排除されない。
[問
6] 正 解 B
A:○
法 39 条 3 項。参 設問中前者の労働者は週所定労働日数が 5 日であり,後者の
労働者の週所定労働時間が 30 時間であり,いずれも比例付与の対象とならず,
原則的な 10 労働日の年次有給休暇を付与しなければならない。なお,1 日当た
りの法定労働時間は考慮しない設問と考えられる。
B:×
「他の事業場」における争議行為については,年次有給休暇権を行使して参加
することができる(法 39 条 4 項,S.48.3.6 基発 110 号)。参 なお,労働者が所
属の事業場の争議行為について,年次有給休暇を届け出て参加することは,年
次有給休暇権の行使ではない。
C:○
法 39 条 7 項。参 このほか,通達において,年次有給休暇としての休業日数は,
出勤したものとして取り扱うこととされている(S.22.9.13 基発 17 号)。
D:○
法 39 条 1 項,H.6.1.4 基発 1 号。参 設問の場合,短縮された期間(1 月 1 日か
ら 3 月 31 日までの期間)は全期間出勤したものとみなすこととされているため。
E:○
法 39 条 1 項,S.63.3.14 基発 150 号。参 「全労働日」とは,労働契約上労働義
務の課せられている日をいう。
[問
7] 正 解 C
A:×
監督又は管理の地位にある女性であっても法 65 条の規定は全面的に適用される
(法 65 条,法 41 条 2 号)。参 したがって,監督又は管理の地位にある産後 6
週間を経過していない者を,医師が支障がないと認める業務に従事させること
はできない。
B:×
法 65 条 3 項の規定は,「産後 1 年を経過しない女性」には適用されない(法 65
C:○
法 65 条 3 項,法 66 条,S.61.3.20 基発 151 号。参 なお,法 66 条の請求につい
条 3 項)。
ては,時間外労働もしくは休日労働についてのみのもの,深夜業についてのみ
のもの又はそれぞれについての部分的なものも認められ,請求内容の変更も認
められる。
D:×
監督又は管理の地位にある者については,労働時間に関する規定が適用されな
いため,妊産婦であっても,法 66 条 2 項の規定の適用はない(法 66 条 2 項,法 41
条 2 号,S.61.3.20 基発 151 号)。参 なお,法 66 条 3 項の規定は適用されるた
め,これらの者が請求した場合には,その範囲で深夜業が制限される。
E:×
育児時間は,休憩時間と異なり,必ずしも「労働時間の途中」に与えなければ
ならないものではない(法 67 条,S.33.6.25 基収 4317 号)。参 女性が育児時間
を勤務時間の始め又は終わりに請求してきた場合に,これを与えないことは法 67
条違反である。
i.D.E.社労 士 塾 7
■■[問 8]∼[問 10]は,労働安全衛生法
労働安全衛生法
[問
8] 正 解 E
A:× 「常時 100 人以上」を「常時 300 人以上」に置き換えると正しい内容となる(法 10
条 1 項,令 2 条)。参 選任規模を大まかに区分すると,①屋外産業的業種は常
時 100 人以上,②屋内工業的業種は常時 300 人以上,③屋内非工業的業種は常時
1,000 人以上の労働者を使用する事業場である。
B:×
総括安全衛生管理者の資格要件に「厚生労働大臣の定める研修を修了した者で
あること」は設けられていない(法 10 条 1 項・2 項)。参 安全管理者の資格要
件においては,学歴に応じた一定の実務経験を有する者については,「厚生労働
大臣の定める一定の研修を修了した者であること」が必要とされている。
C:×
総括安全衛生管理者は,
「当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」
をもって充てなければならない(法 10 条 2 項)。参 総括安全衛生管理者の選任
に当たり,「その他これに準ずる者を充てる」旨の規定は設けられていない。
D:×
設問の場合には,
「事業者にその改善を命令することができる」のではなく,
「事
業者に勧告することできる」ものとされている(法 10 条 3 項)。
E:○
法 10 条 1 項,則 3 条の 2。参 総括安全衛生管理者の業務として,厚生労働省令
で定める業務には,設問の措置のほか,①安全衛生に関する方針の表明に関す
ること,②安全衛生に関する計画の作成,実施,評価及び改善に関すること,
がある。
[問
9] 正 解 A
A:○
法 17 条 2 項,法 18 条 2 項,法 19 条 2 項,労働者派遣法 45 条 1 項・3 項。参
労働者派遣に関する労働安全衛生法の規定の適用については,「安全管理体制に
関する規定は,派遣先事業者のみ」に,「衛生管理体制に関する規定は,派遣先
事業者及び派遣元事業者双方」に,その実施の義務が課せられている。
B:×
設問の義務は,派遣先事業者及び派遣元事業者の双方に課せられている(法 10
条ほか,労働者派遣法 45 条 1 項)。参 事業場の規模の算定に当たり,派遣中の
労働者については,派遣先事業者及び派遣元事業者双方の労働者として両方の
計算の基礎に算入することになる(重複することになる)。
C:×
設問の義務は,「派遣元事業者」ではなく,「派遣先事業者」のみに課せられて
いる(法 11 条ほか,労働者派遣法 45 条 3 項)。参 事業場の規模の算定に当た
り,派遣中の労働者については,派遣先事業者のみの労働者として計算の基礎
に算入することになる。
D:×
設問の実施の義務は,派遣元事業者のみに課せられている(法 59 条 1 項,労働
者派遣法 45 条 3 項)。
E:×
設問の実施の義務は,派遣先事業者及び派遣元事業者の双方に課せられている
(法 59 条 2 項,労働者派遣法 45 条 1 項)。参 なお,危険有害業務に係る特別
教育の実施の義務は,派遣先事業者のみに課せられている。
[問 10] 正 解 E
A:○
法 66 条の 8,則 52 条の 3 第 4 項。参 なお,事業者は,当該労働者から面接指
導の実施の申出があったときは,遅滞なく,面接指導を行わなければならない。
i.D.E.社労 士 塾 8
B:○
法 66 条の 3,則 51 条。参 なお,一定の有害物質等を取り扱う業務に従事した
労働者の特殊健康診断に係る健康診断個人票については「30 年間」,石綿障害予
防規則に係る石綿健康診断個人票については「40 年間」,保存義務が課せられて
いる。
C:○
法 66 条,H.5.12.1 基発 663 号。参 期間の定めのある労働契約により使用され
る者のうち,1 年(特定業務従事者の場合については 6 カ月)以上使用されるこ
とが予定されている者についても,設問と同様の健康診断の対象者となる。
D:○
法 66 条の 5,H.18.3.31 厚生労働省公示「健康診断結果に基づき事業者が講ずべ
き措置に関する指針」)。
E:×
設問中,
「医師又は歯科医師」を「医師」に置き換えると正しい内容となる(法 66
条,則 45 条の 2)。参 海外派遣労働者の健康診断は,所定の項目について「医
師」により行われることになっている。
労働者災害補償保険法(労働保険徴収法含む。)
[問
1] 正 解 D
A:×
業務上の負傷に起因する疾病は,労働基準法施行規則第 35 条及び別表第 1 の 2
で定める業務上の疾病に含まれる(労働基準法施行規則 35 条,同別表 1 の 2)。
参 例えば,業務上の皮膚等の負傷による破傷風等の細菌感染症などが該当する。
B:×
通勤による疾病は,「厚生労働省令で定めるもの」に限られており,「通勤途上
で生じた疾病」が常に「通勤による疾病」に該当するものではない(法 22 条 1
項,則 18 条の 4)。参 「厚生労働省令で定める疾病」は,①通勤による負傷に
起因する疾病,②その他通勤に起因することの明らかな疾病とされている。し
たがって,通勤途上で生じた疾病であっても,この①又は②のいずれかに該当
しないものは,通勤による疾病には該当しない。
C:×
設問の負傷は,業務上の負傷に該当する(法 7 条 1 項 1 号,S.30.5.12 基発 298
号)。参 設問の行為は,一見それ自体としては私的行為とみられるものである
が,事業主の支配下にあるものであり,事業主の支配下にあることに伴う行為
として業務に付随する行為とみるのが相当であるため,「業務上」として取り扱
われる。
D:○
法 7 条 1 項 1 号,労働基準法施行規則 35 条,同則別表 1 の 2,H.12.12.25 労働
省告示 120 号。参 業務上の疾病に該当するものは,「労働基準法施行規則別表 1
の 2 及びそれに基づく告示」において規定されている。したがって,これに該
当しないものは,業務上の疾病とは認められない。なお,労働基準法施行規則
別表 1 の 2 では,第 1 号から第 8 号までにおいて具体的な疾病が列挙されてお
り,第 9 号において「その他業務に起因することの明らかな疾病」について規
定されている。
E:×
設問の「再発」は,原因である業務上の疾病の連続であって,独立した別個の
疾病ではないから,「業務上の疾病」として引き続き災害補償が行われる(法 7
条 1 項 1 号,S.23.1.9 基災発 13 号)。
[問
A:×
2] 正 解 E
算定事由発生日は,「業務上の事由又は通勤による負傷もしくは死亡の原因である
事故が発生した日又は診断によって疾病の発生が確定した日」である(法 8 条 1 項)。
B:×
休業給付基礎日額についてスライド制が適用されるのは,四半期ごとの平均給与
i.D.E.社労 士 塾 9
額が 10 %を超えて変動した場合におけるその変動した四半期の翌々四半期の初
日からであり,療養を開始した日から起算して 1 年 6 カ月を経過した日以後の日
に係るものに限られない(法 8 条の 2 第 1 項)。参 療養を開始した日から起算し
て 1 年 6 カ月を経過した日以後の日において適用されるのは,年齢階層ごとの最
低限度額・最高限度額である。
C:×
年金給付基礎日額に係るスライド制の適用については,年度ごとの平均給与額の
変動率の基準(10 %超)は設けられていない(法 8 条の 3 第 1 項)。参 1%で
も 0.5 %でも,その変動率に応じてスライド改定される。
D:×
休業給付基礎日額に係る最低限度額及び最高限度額の適用は,「療養を開始した
日から起算して 1 年 6 カ月を経過した日以後の日」からとされている(法 8 条の 2
第 2 項,法 8 条の 3 第 2 項)。参 年金給付基礎日額については,支給事由が生じ
た最初の月から適用される。
E:○
法 8 条の 4。参 葬祭料の額の算定に用いられる給付基礎日額についても,遺族
補償一時金に係る給付基礎日額と同様に,年金給付基礎日額に係るスライド制に
準じてスライド制が適用される。
[問
3] 正 解 C
A:○
法 9 条 1 項。参 年金たる保険給付は,受給権の生じた月の翌月から受給権の消
滅した月まで,月を単位として支給される。
B:○
法 9 条 2 項。参 年金の支給停止とは,受給権すなわち年金の基本権は存続して
いるが,支分権が発生せず,したがって,年金の支払いが行われないことをい
うが,この支給停止も月単位で行われる。
C:×
支給を受ける権利が消滅した場合におけるその期の年金たる保険給付は,支払
期月でない月であっても支払うものとされている(法 9 条 3 項)。
D:○
法 11 条 4 項。参 その請求及び支給の手続きを簡素化するために設けられた規
定である。
E:○
法 12 条 3 項。参 この内払調整の規定は,事務処理の便を図るために設けられ
た規定である。
[問 4] 正 解 D
A:○ 法 13 条,則 11 条 1 項。参 設問の労災保険法第 29 条第 1 項の事業として設置さ
れた病院もしくは診療所を「労災病院等」,都道府県労働局長の指定する病院も
しくは診療所,薬局もしくは訪問看護事業者を「指定医療機関」といい,両者
を併せたものを「指定病院等」という。
B:○
労働基準法 75 条,同則 36 条,労災保険法 13 条 2 項。参 療養補償の内容につい
ては,労働基準法施行規則に「療養上相当と認められるもの」と規定されてい
るが,労災保険の療養補償給付は労働基準法上の療養補償の事由が生じた場合
に行うものであるので,療養の給付についても「療養上相当と認められる」療
養を「政府が必要と認める」ことになる。
C:○
法 13 条 3 項,則 11 条の 2。参 「療養の給付を受けないことについて労働者に
相当の理由がある場合」とは,「傷病の状態からみて緊急に診療を受けなければ
ならないため,指定病院等以外の病院,診療所等で療養を受ける必要がある場
合や最寄りの病院,診療所等が指定病院等でない場合等」をいう。
D:×
①負傷又は発病の年月日,②災害の原因及び発生状況については「事業主の証
明」を,③傷病名及び療養の内容,④療養に要した費用の額については「診療
担当者の証明」を受けることとされている(法 13 条,則 12 条の 2 第 1 項・第 2
i.D.E.社 労士 塾 10
項)。参 なお,看護(病院又は診療所の労働者が提供するもの及び訪問看護を
除く。)又は移送に要した費用の額については,証明を受ける必要はないものと
されている。
E:○
法 26 条,則 18 条の 19。参 この場合の法第 29 条第 1 項の事業として設置され
た病院もしくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院もしくは診療所を
「健診給付病院等」という。
[問
5] 正 解 C
A:×
傷病補償年金又は傷病年金の支給決定は,所轄労働基準監督署長が職権で行う
ものとされており,労働者からの請求に基づいて行われるものではない(法 12
条の 8 第 3 項,法 18 条 2 項,法 23 条,則 18 条の 2,則 18 条の 13)。
B:× 「1 年」を「1 年 6 カ月」と置き換えると正しい内容となる(法 12 条の 8 第 3 項,
法 18 条 2 項,法 23 条,則 18 条の 2,則 18 条の 13)。
C:○
法 12 条の 8 第 3 項,則 18 条 2 項,則 18 条の 13。参 傷病等級は,まだ治って
いない傷病による障害であるので,治療のいかん,傷病の進行のいかんによっ
ては,その障害の状態がなお変動する可能性も大きく,治った後の症状の固定
ないし安定した障害を分類した障害等級とは性格を異にする。このような傷病
等級の特殊性と傷病等級が長期的に支給される年金給付の主要な支給要件であ
ることを考慮して,その障害の程度は,6 カ月以上の期間にわたって存する障害
の状態により認定することとされている。
D:×
設問の場合に支給される障害補償一時金又は障害一時金の額は,新たに該当す
るに至った障害等級に応ずる障害補償一時金又は障害一時金の額であり,設問
のような調整は行われない(法 15 条の 2,法 22 条の 3)。
E:×
障害の程度の変更による障害補償給付・障害給付の変更は,労働者が障害補償
年金・障害年金を受けている場合に限り行われる(法 15 条の 2,法 22 条の 3)。
参 障害補償一時金・障害一時金を受けていた場合には,障害の程度の変更によ
る障害補償給付・障害給付の変更は行われない。
[問
6] 正 解 C
A:×
「18 歳未満」ではなく,「18 歳に達する日以後の最初の 3 月 31 日までの間にあ
ること」である(法 16 条の 2 第 1 項,法 22 条の 4)。参 なお,夫,父母,祖父
母又は兄弟姉妹については,生計維持関係にあった「55 歳以上 60 歳未満」の者
についても,遺族として扱われる(法附則(40)43 条 1 項)。
B:×
労働者の死亡当時胎児であった子が厚生労働省令で定める障害の状態で出生し
た場合であっても,「労働者の死亡当時,厚生労働省令で定める障害の状態にあ
った」とはみなされない(法 16 条の 2 第 1 項・2 項,法 22 条の 4)。
C:○
法 16 条の 2,法 22 条の 4,則 15 条,則 18 条の 9。参 「労働の高度の制限」と
は,完全労働不能で長期間にわたる高度の安静と常時の監視又は介護を要する
程度よりは軽いが,「労働の著しい制限」よりは重い程度であって,長期間にわ
たり中等度の安静を要する状態である。
D:×
受給権が消滅するのは,直系血族又は直系姻族以外の者の養子となった場合で
ある(法 16 条の 4 第 1 項 3 号,法 22 条の 4)。参 なお,この場合の「血族」に
ついては,自然血族又は法定血族の別を問わず,六親等内の者にも限られない。
また,「姻族」についても,三親等内の者には限られないものとされている。
E:×
生計を維持していた者も,遺族補償一時金又は遺族一時金の支給を受けること
ができる遺族となることがある(法 16 条の 7 第 1 項,法 22 条の 4)。参 遺族補
i.D.E.社 労士 塾 11
償一時金・遺族一時金の支給を受けることができる遺族の範囲及び順位は,次
のとおり。①配偶者,②生計を維持していた子,父母,孫及び祖父母,③②に
該当しない子,父母,孫及び祖父母並びに兄弟姉妹。
[問
7] 正 解 B
A:×
「労働安全衛生法その他労働者の安全及び衛生の確保を図るための法令に事業
主が違反したことにより生じた業務災害」については,直接的には,費用徴収
に関し規定されていない(法 31 条 1 項 3 号)。参 なお,行政通達においては,
①法令に規定されている危害防止のための直接的かつ具体的措置に明白に違反
したとき,②法令に規定されている危害防止のための措置のうち,具体的措置
の規定が欠けているため監督行政庁より指示を受けた具体的措置を講ずること
を怠ったとき,③法令に危害防止のための規定はないが,事故発生の危険が明
白かつ急迫であるため監督行政庁より直接的かつ具体的措置についての指示を
受けたにもかかわらず,その措置を講ずることを怠ったときのいずれかに該当
した場合に,費用徴収が行われる旨示されている。
B:○
法 12 条の 3 第 1 項。参 なお,この徴収金は,国税徴収の例により徴収される
ことになっている。
C:×
事業主に対し,保険給付を受けた者と連帯して不正受給に係る徴収金を納付す
べきことを命ずることができるのは,「事業主が虚偽の報告又は証明をしたため
その保険給付が行われたものである場合」に限られる(法 12 条の 3 第 2 項)。
D:×
通勤災害に関する保険給付の費用について,定率の国庫負担は行われていない
(法 30 条∼法 32 条)。参 労災保険事業に要する費用は,基本的には,事業主
が全額負担する保険料,国庫補助,一部負担金等によって賄われており,定率
の国庫負担は行われていない。
E:×
通勤災害により療養給付を受ける労働者からは,一定の場合を除き,その保険
給付の額のいかんにかかわりなく,一部負担金が徴収されることになっている
(法 31 条 2 項・3 項,則 44 条の 2)。参 なお,一部負担金の額は 200 円(健康
保険法の規定による日雇特例被保険者の場合は 100 円)とされているが,現に
療養に要した費用の総額がこの額に満たないときは,その現に療養に要した費
用の総額に相当する額とされている。
■■[問 8]∼[問 10]は,労働保険徴収法
[問
A:○
8] 正 解 A
法 18 条,則 27 条。参 継続事業の概算保険料の延納は,3 期(第 1 期は,4 月 1
日から 7 月 31 日,第 2 期は,8 月 1 日から 11 月 30 日,第 3 期は,12 月 1 日か
ら翌年 3 月 31 日)に分けて行うことができる。
B:×
建設の事業及び立木の伐採の事業の事業主に係る概算保険料の納付期限も,他
の業種の有期事業の場合と同じで「労働保険の保険関係が成立した日から 20 日
以内」とされている(法 15 条 2 項)。
C:×
延納の各期は,「第 1 期から第 3 期」である(法 18 条,則 27 条)。参 継続事業
の場合は,第 4 期は存在しない。
D:×
「保険関係の消滅に関する届出」は存在しない(法 19 条ほか)。参 なお,保険
関係が消滅したときは,継続事業の場合も有期事業の場合も「保険関係が消滅
した日から 50 日以内に,確定保険料申告書を提出する」こととされている。
E:×
継続事業に係る概算保険料の納付は,保険年度の中途に保険関係が成立した場
i.D.E.社 労士 塾 12
合,「保険関係が成立した日から 50 日以内」とされている(法 15 条 1 項)。参
なお,保険年度の当初において保険関係が成立している継続事業の場合は,設
問のとおり(保険年度の初日から 50 日以内)である。
[問
A:×
9] 正 解 E
保険年度の中途において,第一種特別加入保険料率,第二種特別加入保険料率
及び第三種特別加入保険料率について引上げが行われた場合も,概算保険料の
追加徴収が行われる(法 17 条 1 項)。
B:×
保険料算定基礎額の見込額が減少した場合に,減少後の見込額に基づく概算保
険料の額と納付した概算保険料の額との差額についての還付に関する規定は設
けられていない(法 16 条ほか)。参 増加した場合の増加概算保険料に関する規
定は設けられている。
C:×
概算保険料申告書及び確定保険料申告書を日本銀行を経由して所轄都道府県労
働局歳入徴収官に提出することもできる(法 15 条,法 19 条,則 38 条 2 項)。参
なお,確定保険料申告書については,納付すべき確定保険料の額がある場合に
限られる。
D:×
設問の取扱いに係る規定は設けられていない(法 17 条ほか)。参 保険年度の中
途において一般保険料率の引下げを行った場合であっても,当該保険年度の中
途において当該引下げに係る労働保険料の還付を請求することはできない。
E:○
法 19 条 5 項・6 項ほか,則 36 条,則 37 条。参 労働保険料の還付を行うのは「所
轄都道府県労働局資金前渡官吏」であるが,充当を行うのは「所轄都道府県労
働局歳入徴収官」である。
[問 10] 正 解 B
A:×
労災保険関係成立票を掲げなければならないのは,「労災保険に係る保険関係が
成立している事業のうち建設の事業」に限られる(法 3 条,則 74 条)。
B:○
則 71 条。参 なお,代理人選任・解任届に記載された事項であって代理人の選
任に係るものに変更を生じたときも,その旨を所轄労働基準監督署長又は所轄
公共職業安定所長に届け出なければならない。
C:×
書類の保存期間は,その完結の日から 3 年間(「雇用保険被保険者関係届出事務
等処理簿」は 4 年間)とされている(法 45 条の 2,則 70 条)。
D:×
労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の先取特権の順位は,国
税及び地方税に次ぐものとされている(法 28 条)。参 厚生年金保険法の規定に
よる徴収金とは同順位である。
E:×
被保険者の負担すべき額は,「雇用保険率に応ずる部分の額から三事業率(二事
業率)に応ずる部分の額を減じた額の 2 分の 1 の額」である(法 30 条 1 項,法 31
条 1 項)。参 「労災保険率に応ずる部分の額」は全額事業主が負担するため,
当該額を被保険者に知らせる必要はない。
雇用保険法(労働保険徴収法含む。)
[問
A:○
1] 正 解 B
法 4 条 1 項,行政手引 20353。参 民間企業である適用事業に雇用される者は,
設問のような退職金制度の存在のいかんにかかわりなく,適用除外に該当する
者を除き,被保険者となる。
i.D.E.社 労士 塾 13
B:×
設問の場合,二重に被保険者となることはなく,一の雇用関係(原則として,そ
の者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係)についてのみ被
保険者となる(法 4 条 1 項,行政手引 20351)。
C:○
法 4 条 1 項,行政手引 20354。参 設問の場合,特段の事務処理は必要なく,従
前の適用事業に雇用されているものとして取り扱われる。
D:○
法 4 条 1 項,行政手引 20372 ほか。参 登録型派遣労働者については,①反復継
続して派遣就業する者であること((イ)一の派遣元事業主に 1 年以上引き続き雇
用されることが見込まれること,(ロ)一の派遣元事業主との間の雇用契約が 1 年
未満であっても,雇用契約と次の雇用契約の間隔が短く,その状態が通算して
1 年以上続く見込みがあること),②週所定労働時間が 20 時間以上であることの
いずれにも該当する場合に被保険者となる。この場合,①(ロ)の「雇用契約の間
隔が短く」には,「雇用契約期間が 2 カ月程度以上の派遣就業を 1 カ月程度以内
の間隔で繰り返し行うこととなっている者」や「雇用契約期間が 1 カ月以内の
派遣就業を数日以内の間隔で繰り返し行うこととなっている者」等が該当する
ため。
E:○
法 4 条 1 項,行政手引 20352。参 長期欠勤の期間のポイントは,雇用関係が存
続する限り,①賃金の支払を受けていると否とを問わず被保険者となる,②こ
の期間は,基本手当の所定給付日数等を決定するための基礎となる算定基礎期
間に算入される,ということである。
[問
2] 正 解 D
A:×
賃金日額の計算に係る賃金総額から,時間外労働や休日労働に対する手当は,
除外されない(法 17 条 1 項)。参 賃金日額に係る賃金総額から除外されるのは,
「臨時に支払われる賃金及び 3 カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」であ
る。
B:×
設問の場合,「離職の理由」については,「倒産・解雇等(特定受給資格者と認
められるものに限る。)」であることが必要である(法 20 条 1 項 3 号)。参 受給
期間が基準日(受給資格に係る離職の日)の翌日から起算して 1 年に 30 日を加
えた期間となるのは,所定給付日数が 330 日となる者(基準日において,①算
定基礎期間が 20 年以上であり,かつ,② 45 歳以上 60 歳未満である特定受給資
格者)に限られるため。なお,「本人の申出の有無を問わない」点は設問のとお
り正しい。
C:×
設問の各延長給付に係る基本手当の日額についても,本来の基本手当の日額と
D:○
法 15 条 3 項,則 24 条 1 項。参 失業の認定は,①原則として,「4 週間に 1 回ず
変わることはなく,同額である(法 16 条,法 24 条∼ 27 条)。
つ直前の 28 日の各日」について,②公共職業訓練等を受ける場合は,
「 1 月に 1 回,
直前の月に属する各日」について,行われる。
E:×
待期については,「失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができ
ない日を含む。)」が通算 7 日とされており,「職業に就いた日」は待期に含まれ
ない(法 21 条)。参 待期についても,失業の認定を受けることが必要である。
したがって,「職業に就いた日」は含まれないことになる。
[問
A:○
3] 正 解 D
法 37 条 1 項,行政手引 53003。参 疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭
することができない場合において,その期間が継続して 15 日未満のときは,証
明書により失業の認定を受け基本手当の支給を受けることができるので,傷病
i.D.E.社 労士 塾 14
手当は支給されない。
B:○
法 36 条 2 項。参 寄宿手当は月額制で 10,700 円とされており,受給資格者の年
齢や被保険者であった期間の長さによって異なることはない。なお,日割りに
より減額して支給されることはある。
C:○
法 36 条 1 項,則 56 条。参 技能習得手当のうち,①受講手当は日額 500 円,②
通所手当は月額最高 42,500 円(日割減額あり)とされている。
D:×
受講手当は,公共職業訓練等を受けた日でなければ,支給されない(法 36 条 1
項,則 57 条)。参 受講手当は,公共職業訓練等を受けた日であって,基本手当
の支給対象となる日(内職等自己の労働によって収入があり,基本手当の減額
規定により,基本手当が不支給となった日を含む。)について支給される。
E:○
法 37 条 1 項,行政手引 53003。参 傷病手当は,その傷病のために基本手当の支
給を受けることができない日について,基本手当に代えて支給されるものであ
るため。
[問
4] 正 解 E
A:×
算定基礎期間が 1 年以上の場合は「基本手当の日額の 50 日分」とされており,
解雇・倒産等による離職者であるか否かで異なることはない(法 37 条の 4 第 1
項)。参 高年齢求職者給付金の額は,被保険者であった期間に応じて区分され
ており,被保険者であった期間が 1 年以上の場合は「基本手当の日額の 50 日分」,
1 年未満の場合は「基本手当の日額の 30 日分」とされている。
B:×
高年齢求職者給付金に係る受給期限の 1 年間に,疾病又は負傷のため引き続き
30 日以上職業に就くことができない期間があっても,当該受給期限の延長は認
められないため,その日数分が加算されることはない(法 37 条の 4,行政手引
54131)。
C:×
高年齢求職者給付金についても,基本手当の場合と同様の「待期期間」,「給付
制限」に関する規定は,準用される(法 37 条の 4 第 5 項)。参 特例一時金の場
合についても同様である。
D:×
「10 分の 9 を乗じて得た期間分」ではなく,「10 分の 10 を乗じて得た期間分」
である(法 37 条の 4 第 3 項,則 65 条の 3)。参 高年齢求職者給付金に係る算定
基礎期間の算定に当たり,65 歳に達した日以後の期間については,「当該期間に
10 分の 10 を限度として厚生労働省令で定める率を乗じて得た期間分を算定基礎
期間に算入する」こととされているが,現在,この厚生労働省令で定める率は
「10 分の 10」とされており,65 歳以上の勤続期間をすべて算定基礎期間に算入
することとしている。
E:○
法 37 条の 4 第 2 項。参 特例受給資格者に係る離職の日に 65 歳以上の特例受給
資格に係る特例一時金の賃金日額の上限額についても同様である。
[問
A:○
5] 正 解 E
法 60 条の 2。参 教育訓練給付金は,対象教育訓練を修了した場合にのみ支給さ
れ,途中で受講を中止した場合や修了試験を適切に受験していない場合等は対
象とならないものとされている。
B:○
法 60 条の 2 第 1 項,教育訓練の指定基準。参 設問の厚生労働大臣が指定する
教育訓練の指定基準によれば,①趣味的又は教養的な教育訓練,②入門的又は
基礎的な水準の教育訓練,③職業関係の免許資格に係る試験又は検定の準備の
ための教育訓練のうち,当該教育訓練に係る免許資格又は検定が,職業能力を
評価するものとして社会一般に認知されていないものに該当するような教育訓
i.D.E.社 労士 塾 15
練は,支給の対象とならないものとされている。
C:○
法 60 条の 2 第 4 項,則 101 条の 2 の 5,則 101 条の 2 の 6。参 設問の者は支給
要件期間が 5 年以上に該当し,給付率が 40 %となるため,支給額は 60 万円×
40 %= 24 万円となるが,上限額の適用があるため支給額は 20 万円となる。
D:○
法 60 条の 2 第 4 項,則 101 条の 2 の 5,則 101 条の 2 の 6。参 設問の者は支給
要件期間が 3 年以上 5 年未満であり,給付率が 20 %となるため,支給額は 5 万円
× 20 %= 1 万円となる。
E:× 「3 カ月以内」を「1 カ月以内」に置き換えると正しい内容となる(法 60 条の 2,
則 101 条の 2 の 8)。
[問
6] 正 解 A
A:○
法 61 条 1 項。参 設問の賃金日額を「みなし賃金日額」という。
B:×
「事業所の休業」により賃金が低下した場合についても,その支払を受けたも
のとみなして賃金額の計算がなされる(法 61 条 1 項,則 101 条の 3)。参
①本
人の非行,②疾病又は負傷,③事業所の休業,④その他公共職業安定所長が定
めるもの(妊娠・出産・育児,介護,争議行為等)による理由によって賃金が
低下した場合は,その支払を受けたものとみなして賃金額を算定する(賃金の
減額が行われなかったものとして賃金額を算定する)こととされている。
C:×
賃金日額の最低限度額の 100 分の 80 に相当する額に達しない場合には,「当該
100 分の 80 に相当する額が支給される」のではなく,「支給されない」ものとさ
れている(法 61 条 6 項)。
D:×
雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書の添付が必要とされているのは,
「高年齢雇用継続基本給付金」の初回の支給申請書の提出に際してのみであり,
高年齢再就職給付金の支給申請書の提出に際しては,規定されていない(法 61
条,則 101 条の 5 第 1 項)。参
高年齢再就職給付金の場合は,「基本手当の日
額の算定の基礎となった賃金日額」に 30 を乗じて得た額を基準として賃金の低
下率をみることとされているため。
E:×
高年齢再就職給付金は,60 歳に達する日より前に離職した場合であっても,当
該受給資格に基づく基本手当の支給を受け,60 歳に達した日以後安定した職業
に就くことにより被保険者になった場合には,他の要件を満たしていれば,支
給される(法 61 条の 2 第 1 項)。
[問 7] 正 解 A
A:○ 法 43 条 4 項。参 日雇労働被保険者資格取得届の提出は,日雇労働者自身が行
うものであるため,確認の請求をすることはできない。
B:× 失業等給付(設問の特例一時金もこれに該当する。)を受ける権利は,差し押さ
C:×
D:×
E:×
えることはできない(法 11 条)。
高年齢求職者給付金の支給を受ける者についても,設問の義務を負う(法 10 条
の 2)。参 法 10 条の 2 においては,「求職者給付の支給を受ける者は,必要に応
じ職業能力の開発及び向上を図りつつ,誠実かつ熱心に求職活動を行うことに
より,職業に就くように努めなければならない」とされており,設問の「高年
齢求職者給付金」も「求職者給付」に該当するため。
納付することを命ずることができるのは,失業等給付の額の「3 倍に相当する額
の金額」ではなく,
「2 倍に相当する額以下の金額」とされている(法 10 条の 4)。
国庫は,雇用継続給付(設問の育児休業給付及び介護休業給付もこれに該当す
る。)については,当該雇用継続給付に要する費用の 8 分の 1 を負担するものと
i.D.E.社 労士 塾 16
されている(法 66 条 1 項)。
■■[問 8]∼[問 10]は,労働保険徴収法
[問 8] 正 解 C
A:× 常時 100 人以下の労働者を使用する事業主の委託を受けて労働保険事務を処理
することができるのは,「卸売業とサービス業」の場合に限られる(法 33 条 1
項,則 58 条 2 項)。参 なお,「金融業,保険業,不動産業又は小売業」を主た
る事業とする事業主の場合は,常時 50 人以下の労働者を使用する場合に限られ,
「金融業,保険業,不動産業,小売業,卸売業,サービス業」以外の業種の場
合は,常時 300 人以下の労働者を使用する事業の事業主に限られる。
B:×
C:○
有期事業についても,事業主は,労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委
託することができる(法 33 条 1 項ほか)。
法 33 条 1 項。参 なお,労働保険事務組合とは,中小企業等協同組合法 3 条の
事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体が,
その構成員もしくは構成団体の構成員である事業主又は当該構成員でない事業
主であって一定の範囲内のものの委託を受けて労働保険料の納付その他の労働
保険事務を処理するために厚生労働大臣(都道府県労働局長に権限委任)の認
可を受けた場合の当該認可を受けた団体等の呼称である。
D:×
労働保険事務を専業で行わなければならないとする規定は設けられていない(法
33 条,H.12.3.31 発労徴 31 号,S.60.4.4 労徴発 25 号ほか)。参 そもそも団体等
が認可を受けるには,「本来の事業目的を持って活動し,その運営実績が 2 年以
上あること」とされており,本来の事業活動は規制されていない。
E:×
雇用保険の被保険者資格の取得及び喪失の届出に関する事務を処理することは
できる(法 33 条 1 項,H.12.3.31 発労徴 31 号,S.60.4.4 労徴発 25 号ほか)。参
労働保険事務組合に委託して処理させることができる事務の範囲は,①労働保
険料及びこれに係る徴収金の申告,納付に関する事務,②雇用保険の被保険者
資格の取得及び喪失等雇用保険の被保険者に関する届出等に関する事務,③保
険関係の成立届,労災保険又は雇用保険の任意加入申請書,雇用保険の事業所
設置届等の提出に関する事務,④労災保険の特別加入の申請書等に関する事務,
⑤その他労働保険についての申請,届出,報告等に関する事務とされている。
[問
A:×
9]正 解
D
届出のいかんにかかわりなく,その事業が開始された日に,その事業につき労
災保険又は雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立する(法 3 条,法 4 条)。
B:×
「厚生労働大臣が事業主の申請に基づき認可した事業」は,二元適用事業とし
て規定されていない(法 39 条,則 66 条)。参 二元適用事業として規定されて
いるのは,①都道府県及び市町村の行う事業,②都道府県に準ずるもの及び市
町村に準ずるものの行う事業,③港湾労働法 2 条 2 号の港湾運送の行為を行う
事業,④農林水産の事業,⑤建設の事業である。
C:×
雇用保険の任意適用事業とされているのは,「個人経営で常時 5 人未満の労働者
を使用する農林水産の事業」である(雇用保険法附則 2 条 1 項,同令附則 2 条)。
D:○
法 2 条 2 項・3 項,則 3 条。参 なお,通貨以外のもので支払われる賃金の評価
額は,所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長が定めるものとされて
いる。
E:×
「船員特別保険料」は規定されていない(法 10 条)。参 労働保険料は,①一般
i.D.E.社 労士 塾 17
保険料,②第一種特別加入保険料,③第二種特別加入保険料,④第三種特別加
入保険料,⑤印紙保険料の 5 種類である。
[問 10] 正 解 E
A:×
概算保険料申告書の記載に誤りがあると認めるときも,概算保険料の額を決定
(認定決定)する(法 15 条 3 項)。参 概算保険料の修正申告を求めるわけでは
ない。
B:×
追徴金の計算に係る率は「100 分の 25」ではなく,「100 分の 10」である(法 21
条)。参 なお,①認定決定された確定保険料に係る納付すべき保険料額又は不
足額については,通知を受けた日の翌日から起算して 15 日以内に納付しなけれ
ばならず,②追徴金については,通知を発する日から起算して 30 日を経過した
日までに納付しなければならない。
C:×
「100 円未満の端数」を「1,000 円未満の端数」に置き換えると正しい内容とな
る(法 25 条 2 項)。
D:×
滞納処分に係る権限は,各都道府県税事務所には委任されていない(法 26 条ほ
か)。参 健康保険法,国民年金法,厚生年金保険法においては,納付義務者の
居住地もしくはその者の財産所在地の市町村に対して,その処分を請求するこ
とができるものとされているが,労働保険徴収法においては,このような規定
は設けられていない。
E:○
法 27 条。参 なお,延滞金が徴収されるのは,「労働保険料を督促状の指定期限
までに納付しないとき」である。「延滞金や追徴金」は「労働保険料」には該当
ないため,「延滞金や追徴金」を督促状の指定の期限までに納付しない場合であ
っても,延滞金は徴収されない。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
[問
1] 正 解 C
A:×
次世代法は平成 15 年 7 月 16 日に公布され,一部の規定は「公布の日」から施
行された。また,一般事業主行動計画等の規定は「平成 17 年 4 月 1 日」から施
行された(次世代法附則 1 条)。参 次世代法は,平成 27 年 3 月 31 日限り,そ
の効力を失う時限法である。
B:×
設問の「母」を「父母その他の保護者」に置き換えると正しい内容となる(次
世代法 3 条)。
C:○
次世代法 5 条。参 なお,次世代法 6 条は「国民は,次世代育成支援対策の重要
性に対する関心と理解を深めるとともに,国又は地方公共団体が講ずる次世代
育成支援対策に協力しなければならない。」と規定されている。
D:×
一般事業主行動計画の策定が義務づけられている一般事業主は,常時雇用する
労働者の数が「300 人を超える」ものであり,当該規定の違反については,反則
金の規定は設けられていない(次世代法 12 条)。参 なお,策定が努力義務とさ
れているのは,常時雇用する労働者の数が「300 人以下」のものである。
E:×
次世代法 7 条 1 項は,市町村行動計画,都道府県行動計画,一般事業主行動計
画の策定に関する指針(行動計画策定指針)を主務大臣が定めるべき旨規定す
るが,設問のような内容は規定されていない(次世代法 7 条 1 項)。参 都道府
県が策定する都道府県行動計画においては,「男性を含めたすべての人が,仕事
時間と生活時間のバランスがとれる多様な働き方を選択できるようにするとと
i.D.E.社 労士 塾 18
もに,「働き方の見直し」を進めることが必要である」としている。一方,一般
事業主行動計画の策定に当たっては,次世代育成支援対策として重要なものと
考えられる次のような事項を踏まえ,各企業の実情に応じて,必要な事項をそ
の内容に盛り込むことが望ましいとされており,そのうちの一つの事項として
「ノー残業デーやノー残業ウィークの導入・拡充,フレックスタイム制や変形
労働時間制の活用,時間外労働協定における延長時間の短縮等,所定外労働を
削減するための方策を検討し,実施する」が示されている。したがって,これ
らの事項の導入が義務づけられているわけではない。
[問
2] 正 解 B
A:○
労働時間等設定改善法 2 条。参 厚生労働大臣は,法 2 条に定める事項に関し,
事業主及びその団体が適切に対処するために必要な指針(労働時間等設定改善
指針)を定めるものとされている。
B:×
男性の週 60 時間以上雇用者割合は,「35 ∼ 39 歳,40 ∼ 44 歳,45 ∼ 49 歳」の
壮年層で増加幅が大きく,35 時間未満の雇用者割合は男女ともに「15 ∼ 19 歳,20
∼ 24 歳」の若年層で増加幅が大きい(平成 18 年版労働経済白書
C:○
P58)。
日本労働研究機構「育児や介護と仕事の両立に関する調査報告書(2003年)」。
参 「仕事と育児のどちらも中途半端で不満がある」が 27.4 %,「育児の影響が
あり,仕事に満足していない」が 19.8 %,「仕事の影響があり,育児に満足し
ていない」が 13.6 %で約 6 割に達している。
D:○
厚生労働省「平成 17 年度女性雇用管理基本調査」。参 本調査は事業所規模 5 人
以上が対象となっている。なお,育児休業制度の規定がある事業所の割合は,61.6
%(平成 14 年度 61.4 %)である。
E:○
厚生労働省「平成 17 年度女性雇用管理基本調査」。参 なお,復職後の職場・職
種の取扱いについては,「原則として原職又は原職相当職に復帰する」が 66.6
%,「本人の希望を考慮し会社が決定する」が 15.4 %,「会社の人事管理等の都
合により決定する」が 11.1 %と,原職又は本人の希望が考慮された形での復職
とする事業所の割合が高くなっている。
[問
A:○
3] 正 解 E
厚生労働省「平成 18 年就労条件総合調査」。参 なお,産業別にみると,労働費
用の総額は電気・ガス・熱供給・水道業が 860,003 円と最も高く,次いで情報通
信業が 671,708 円,鉱業 657,952 円の順となっている。
B:○
厚生労働省「平成 18 年就労条件総合調査」。参 なお,企業規模間の格差(1,000
人以上= 100)をみると,30 ∼ 99 人規模の「現金給与以外の労働費用」の水準
は 51.0 となっている。これを項目ごとにみると「法定福利費」77.5,「現物給与
の費用」53.0,
「 その他の労働費用」51.3,
「 法定外福利費」41.7,
「 教育訓練費」29.6,
「退職給付等の費用」23.6,となっており「法定福利費」に比べ,他の項目の
格差が大きくなっている。
C:○
厚生労働省「平成 18 年就労条件総合調査」。参 労働保険料が 6,363 円,児童手
当拠出金が 317 円,その他の法定福利費(法定補償費,石炭鉱業年金掛金及び
船員保険料等)が 138 円,障害者雇用納付金が 62 円となっている。
D:○
厚生労働省「平成 18 年就労条件総合調査」。参 「法定外福利費」に占める各費
用の割合をみると,「住居に関する費用」49.9 %(同 49.5 %),「私的保険制度
への拠出金」10.5 %(同 6.9 %),「食事に関する費用」9.1 %(同 10.8 %)と
なっている。
i.D.E.社 労士 塾 19
E:×
中小企業退職金共済制度等への掛金が「652 円」,退職年金の費用が「15,113 円」
である(厚生労働省「平成 18 年就労条件総合調査」)。
[問
4] 正 解 C
A:○
厚生労働省「平成 17 年企業における若年者雇用実態調査」。参 企業規模が大き
くなるほど D.I.が小さく,5,000 人以上では特に D.I はマイナス(△ 9.4)と
なっている。
B:○
厚生労働省「平成 17 年企業における若年者雇用実態調査」。参 なお,若年正社
員の主な育成方針についてみると,
「長期的な教育訓練等で人材を育成」が 37.8
%,「短期的に研修等で人材を育成」が 33.5 %,「特別な研修等は行わず,社員
自身に任せる」が 25.8 %となっている。
C:×
若年正社員に望むことや身につけて欲しい能力(3 つまでの複数回答)につい
てみると,「職業意識・勤労意欲」(49.0 %),「チャレンジ精神・向上心」(40.4
%),「マナー・社会常識・一般教養」(39.4 %)が多くなっている(厚生労働省
「平成 17 年企業における若年者雇用実態調査」)。参 なお,企業規模別にみる
と,規模が大きくなるほど「コミュニケーション能力」を挙げる企業割合が高
くなっている。
D:○
平成 18 年版厚生労働白書
P232。参 厚生労働大臣をはじめとした関係閣僚に
より発足された「若者自立・挑戦戦略会議」により,平成 15 年 6 月に「若者自
立・挑戦プラン」,平成 16 年 12 月に「若者の自立・挑戦のためのアクションプ
ラン」が策定されている。
E:○
平成 18 年版厚生労働白書
P234。参 平成 18 年度においては,
「若者自立塾」は 25
団体が実施し,「地域若者サポートステーション」は,全国 25 カ所に設置され
ている。
[問
A:×
5] 正 解 D
定年を定める場合の年齢を規定する高年齢者等雇用安定法 8 条は改正されてお
らず,平成 19 年 4 月 1 日以降も 60 ∼ 64 歳の定年を定めることができる(高年
齢者等雇用安定法 8 条)。参 なお,同法 9 条の高年齢者雇用確保措置の義務化
年齢は,平成 19 年 4 月 1 日から平成 22 年 3 月 31 日までの間は「63 歳」とされ
ている。
B:×
募集及び採用をする場合において,65 歳を下回ることを条件とすることは,や
むを得ない理由があり,かつ,求職者に対し,厚生労働省令で定める方法によ
り,当該理由を示すことができれば,その理由が明示されていれば可能である
(高年齢者等雇用安定法 18 条の 2)。
C:×
厚生労働省令で定める年齢は「55 歳」である(高年齢者等雇用安定法 2 条 1 項,
同則 1 条)。参 なお,同法では「45 歳以上」の者を「中高年齢者」と称してい
る。
D:○
厚生労働省「平成 18 年賃金構造基本統計調査」。参 年齢階級別に前年と比較す
ると,男では,18 ∼ 29 歳及び 45 ∼ 54 歳の各階級で上回っており,女では,25
∼ 39 歳及び 45 ∼ 49 歳を除く各階級で上回っている。
E:×
「男」は,すべての学歴で,「女」に比べ年齢階級間の賃金格差が大きくなってい
る(厚生労働省「平成 18 年賃金構造基本統計調査」)。つまり,すべての学歴で,
年齢階級間の賃金格差が大きくなっているのは,「女」ではなく,「男」である。
i.D.E.社 労士 塾 20
■■[問 6]∼[問 10]は,社会保険に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
[問
A:×
6] 正 解 D
設問の家族は,当該市町村が行う国民健康保険の「被保険者」とされる(国民
健康保険法 5 条)。参 市町村の区域内に住所を有する者は,法 6 条の適用除外
事由に該当する場合を除き,原則として,個々人がその市町村が行う国民健康
保険の被保険者とされるため。なお,国民健康保険法においては,退職被保険
者に係る場合を除き,被扶養者の制度は設けられていない(次のBにおいて同
じ)。
B:×
修学中の学生であっても,親元から仕送りを受けていないか,受けていてもご
くわずかであって,経済的に独立した生活を送っている者(例えば,大学の夜
間部に在学しながら働いている者など)は,設問の修学中の被保険者の特例の
適用を受けず,その住所地の国民健康保険の被保険者となる(国民健康保険法 116
条ほか)。
C:×
国民健康保険事業の運営に関する重要事項を審議するため,市町村に設置され
るのは,「国民健康保険審査会」ではなく,「国民健康保険運営協議会」である
(国民健康保険法 11 条)。参 国民健康保険審査会は,国民健康保険法に基づく
保険給付に関する処分,保険料等に関する処分に不服がある場合の審査請求先
である。
D:○
国民健康保険法 18 条,同法 26 条 1 項,同法 27 条 1 項。参 国民健康保険組合
には,議決機関として組合会が置かれている。
E:×
国民健康保険組合の組合員の世帯に属する者であっても,法 6 条の国民健康保
険の適用除外に該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者は,当
該国民健康保険組合の被保険者とならない(国民健康保険法 19 条 1 項)。参 国
民健康保険組合は,規約の定めるところにより,組合員の世帯に属する者を包
括して被保険者としないこと(組合員本人のみを被保険者とし,本人以外の世
帯員全員を被保険者としないこと)ができることとされている。
[問
A:○
7] 正 解 C
介護保険法附則 1 条。参 介護保険制度の創設により,介護は,行政側がサービ
スの内容を決める措置制度から社会保険制度へと改められた。
B:○
国民健康保険法附則 1 項・2 項。参 昭和 33 年の国民健康保険法の全面改正によ
り,すべての市町村及び特別区は,昭和 36 年 4 月 1 日までに国民健康保険事業
を行うことが義務づけられたことにより,国民が何らかの医療保険制度の対象
となる国民皆保険体制が実現された。
C:×
児童手当法が制定されたのは,「昭和 56 年」ではなく,「昭和 46 年」のことで
ある(児童手当法附則 1 条)。参 児童手当法は,①「家庭における生活の安定」
(社会保障・所得保障の観点),②「次代の社会を担う児童の健全な育成と資質
の向上に資すること」(児童福祉の観点)を目的として制定されたものである。
D:○
国民年金法附則 1 条。参 国民年金法は,昭和 34 年 4 月に制定され,これに基
づき,無拠出制の福祉年金制度が昭和 34 年 11 月から,拠出制年金制度が昭和 36
年 4 月から実施され,国民がいずれかの年金制度に加入する「国民皆年金体制」
が実現された。
i.D.E.社 労士 塾 21
E:○
老人保健法附則 1 条。参 老人保健制度は,昭和 48 年の公費による老人医療費
の無料化に伴い増大した老人医療費を,国,地方公共団体,医療保険者の負担
金・拠出金を財源として賄うこと等を目的として,昭和 57 年 8 月に制定され,
昭和 58 年 2 月から施行された。
[問
8] 正 解 C
A:×
確定給付企業年金法が施行されたのは,「平成 13 年」ではなく,「平成 14 年」
のことである(確定給付企業年金法附則 1 条)。参 確定給付企業年金法は,制
定は平成 13 年 6 月 15 日,施行は平成 14 年 4 月 1 日である。なお,確定拠出年
金法は,制定は平成 13 年 6 月 29 日,施行は平成 13 年 10 月 1 日である。
B:×
設問は,「確定給付企業年金」ではなく,「確定拠出年金」の仕組みについての
記述である(確定給付企業年金法 1 条,確定拠出年金法 1 条)。
C:○
確定給付企業年金法 55 条 1 項。参 なお,加入者は,政令で定める基準に従い
規約で定めるところにより,掛金の一部を負担することができることとされて
いる。
D:×
基金型企業年金の基金は,実施事業所に使用される被用者年金被保険者等及び
実施事業所の事業主をもって組織される(確定給付企業年金法 8 条,同法 25 条 1
項)。参 実施事業所とは,確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所を
いう。
E:×
規約型企業年金を実施する事業主は,厚生労働大臣の承認を受けて,当該規約
型企業年金を他の規約型企業年金と統合することができる(確定給付企業年金
法 74 条 1 項)。
[問
9] 正 解 E
A:○
船員保険法 2 条。参 船員保険に関する中央の行政機構としては,厚生労働省保
険局と社会保険庁があるが,地方の事務は,地方社会保険事務局と社会保険事
務所で取り扱っており,失業等給付等の事務の一部は,地方運輸局及び公共職
業安定所でも取り扱っている。
B:○
船員保険法 17 条 1 項。参 なお,船舶所有者が自ら所有する船舶に船長として
乗り組む場合は,船舶所有者に使用される者に該当しないため,船員保険の被
保険者とならない。
C:○
船員保険法 21 条の 2。参 具体的には,所定の事項を記載した届書を,10 日以
内に,地方社会保険事務局長等に提出しなければならない。
D:○
船員保険法 18 条。参 この場合,船舶所有者は,10 日以内に,被保険者資格取
得届を提出しなければならない。
E:×
船舶所有者に使用されなくなった日に,他の船舶所有者に使用されることとな
ったときは,「その日」に強制被保険者の資格を喪失することとなる(船員保険
法 19 条)。参 船舶所有者が船舶所有者でなくなったときは,その日の翌日に,
強制被保険者の資格を喪失することとなる。また,強制被保険者が船舶又は航
空機により航行中,行方不明となった場合に,その生死が 3 か月間不明である
ときは,行方不明となった日に死亡したものと推定され,その日の翌日に,そ
の資格を喪失することとされている。
[問 10] 正 解 D
A:×
一般事業主には,拠出金の納付義務が課されている(児童手当法 20 条 2 項)。
参 一般事業主は,児童手当の受給者を使用していると否とにかかわらず,拠出
i.D.E.社 労士 塾 22
金を納付しなければならない。
B:×
設問の被用者に対する児童手当の支給に要する費用については,その 10 分の 7
に相当する額を一般事業主が拠出する拠出金をもって充て,その 10 分の 1 に相
当する額を国庫,都道府県及び市町村がそれぞれ負担する(児童手当法 18 条 1
項)。
C:×
設問の被用者等でない者(被用者又は公務員でない者)に対する児童手当の支
給に要する費用は,国庫,都道府県及び市町村がそれぞれ 3 分の 1 ずつを負担
する(児童手当法 18 条 2 項)。
D:○
介護保険法 121 条 1 項 1 号。参 国は,介護保険の財政の調整を行うため,第 1 号
被保険者の年齢階級別の分布状況,第 1 号被保険者の所得の分布状況等を考慮
して,各市町村の介護給付及び予防給付に要する費用の額の総額の 100 分の 5
に相当する額の調整交付金を市町村に対して交付することとされている。これ
を除いた国の負担は,「100 分の 20」であるため,正しい。
E:×
「100 分の 20」を「100 分の 12.5」に置き換えると正しい内容となる(介護保険
法 123 条 1 項 1 号)。
健
[問
康 保 険
法
1] 正 解 D
A:×
設問の者については,「療養の給付」は行われるが,「傷病手当金」の給付は行
われない(法 1 条,H.15.7.1 保発 0701002 号,H.16.3.30 保発 0330003 号)。参
被保険者が 5 人未満である適用事業所の法人の代表者等については,業務上の
傷病であっても,労災保険から保険給付を受けることができる場合を除き,健
康保険から保険給付(傷病手当金を除く。)が行われる。
B:×
船員保険の被保険者となった日(その日)に任意継続被保険者の資格を喪失す
る(法 38 条)。
C:×
被保険者の養父母は,生計維持関係を満たしていれば,被扶養者となることが
できる(法 3 条 7 項,S.32.9.2 保発 123 号)。参 養子縁組により養父母又は養
子となった者は,血族(法定血族)となるため,父母又は子として取り扱われ
る。
D:○
法 3 条 1 項・8 項。参 設問の日雇特例被保険者が,所定の期間(設問では 5 週
間)を超えて引き続き使用されるに至った場合は日雇特例被保険者でなくなり,
その日に,一般の被保険者の資格を取得することになる。
E:×
特例退職被保険者の資格取得の申出が受理された日(その日)から,特例退職
被保険者の資格を取得する(法附則 3 条 3 項)。
[問
A:○
2] 正 解 C
法 41 条 1 項ほか。参 設問の賃金(報酬)は,月末締めの翌月 15 日払い(例え
ば 3 月分の賃金は,3 月末日で締めて 4 月 15 日の支払い)であるため,
「3 月分,4
月分,5 月分の賃金」は,実際には「4 月,5 月,6 月」にそれぞれ支払われる
ことになる。定時決定は,4 月,5 月,6 月に実際に支払われた報酬がその算定
対象となるため,正しい設問となる。
B:○
法 40 条 1 項。参 報酬月額が 115 万円の標準報酬月額等級は,平成 19 年 3 月以
前は第 39 級(標準報酬月額は 98 万円,報酬月額は 95 万 5 千円以上)であった
が,平成 19 年 4 月以後は第 46 級(標準報酬月額は 115 万円,報酬月額は 111 万 5
i.D.E.社 労士 塾 23
千円以上 117 万 5 千円未満)に改正された。
C:×
設問の随時改定の算定対象となるのは,
「4 月,5 月及び 6 月」ではなく,
「6 月,7
月及び 8 月」の 3 カ月間の報酬月額である。したがって,標準報酬月額が改定
されるのは,「9 月」からとなる(法 44 条 1 項,S.60.7.1 保発 7 号・庁保発 22
号ほか)。参 昇給が遡及したため,それに伴う差額支給により随時改定を行う
場合は,保険者算定により行う。具体的には,①固定的賃金の変動月は,差額
給与が支払われた月(設問の場合は 6 月)となり,②当該差額を差し引いた額
(設問の場合は,4 月及び 5 月の昇給差額分が 6 月に支払われているため,当該
差額を控除した額)の平均月額が報酬月額となる。なお,問題文の「昇級」は
「昇給」の誤植である。
D:○
法 43 条の 2 第 1 項。参 育児休業等終了時改定のポイントは,①被保険者が申
し出ること,②子が 3 歳に達するまでの期間が対象となること,③標準報酬月
額が 2 等級以上変動しない場合であっても行われること,④報酬支払基礎日数
が 17 日未満の月があるときは,その月を除いて行われること,である。
E:○
法 45 条 1 項。参 標準賞与額は,年度累計で 540 万円が限度であるため,翌年 3
月の標準賞与額は 40 万円となる。
[問
A:×
3] 正 解 C
自宅において,保険医療機関の看護師等により療養上の世話を受けたときは,
「訪
問看護療養費の支給」ではなく,「療養の給付」が行われる(法 63 条 1 項 4 号
・3 項,法 88 条 1 項・12 項)。参 なお,指定訪問看護事業者の事業所の看護師
等により療養上の世話を受けたときは,訪問看護療養費が支給される。
B:×
点滴による栄養補給(埋込型カテーテルによる中心静脈栄養など)は「療養の
給付」に要する費用の算定対象となるため,入院時食事療養費に係る食事療養
標準負担額は算定されない(法 76 条,法 85 条,H.18.3.6 厚生労働省告示 92 号
「診療報酬の算定方法」)。
C:○
法 110 条 1 項。参 被扶養者に関する保険給付の一つである家族療養費は,被保
険者に関する保険給付のうち「療養の給付,入院時食事療養費,入院時生活療
養費,保険外併用療養費,療養費」に相当する給付を含んでいる。
D:×
日雇特例被保険者が療養の給付を受けるときは,保険医療機関等に「日雇特例
被保険者手帳」ではなく「受給資格者票」を提出しなければならない(法 129
条 4 項)。
E:×
設問の医学的管理等に要する費用は,
「移送費」に含めて算定されるのではなく,
「療養費」として支給を受けることができることとされている(法 97 条,H.6.9.9
保険発 119 号・庁保険発 9 号)。参 付添人の交通費については,原則として 1
人までが移送費の支給対象となるが,移送患者について付添人が行う医学的管
理等に要する費用を支払った場合は,現に要した費用の額の範囲内で,移送費
とは別に,診療報酬に係る基準を勘案してこれを評価し,療養費の支給を行う
ことができることとされている。
[問
A:○
4] 正 解 C
法 86 条 2 項。参 設問の被保険者(70 歳以上の一般所得者)の一部負担金の割
合は 1 割であるため,保険診療の部分については 1 万円(1 割相当額)を負担し,
保険外診療の部分については全額の 5 万円を負担する。したがって,合計の支
払額は「6 万円」となる。
B:○
法 88 条 4 項,H.12.12.13 保発 227 号。参 訪問看護を受けた場合は,指定訪問
i.D.E.社 労士 塾 24
看護の費用から訪問看護療養費支給額を差し引いた「基本利用料(一部負担金
相当額)」を負担し,その他に,長時間の訪問看護や指定訪問看護ステーション
が定める営業日以外・営業時間以外の訪問看護の提供に要する費用,交通費・
おむつ代などの実費等について「その他の利用料」として負担する。
C:×
設問の被保険者(70 歳未満の上位所得者)の人工透析治療に係る高額療養費算
定基準額は「1 万円」ではなく「2 万円」である(法 115 条,令 42 条 6 項,H.14.9.5
厚生労働省告示 294 号,H.18.9.8 厚生労働省告示 489 号)。参 いわゆる特定疾
病に係る基本的な高額療養費算定基準額は 1 万円であるが,70 歳未満の上位所
得者に係る人工腎臓を実施している慢性腎不全(いわゆる人工透析治療)の高
額療養費算定基準額は「2 万円」である。
D:○
法 85 条 2 項,H.18.9.8 厚生労働省告示 486 号。参 設問のほか,被保険者及び
被扶養者のすべてが一定の所得がない 70 歳以上の高齢受給者等である場合,食
事療養標準負担額は 1 食につき「100 円」とされている。
E:○(▲)法 115 条,令 42 条 1 項。参 設問の被保険者又は被扶養者から,市町村民税
非課税者である低所得者(高額療養費算定基準額は 35,400 円)が除かれていな
いため,正しい設問肢としては疑義が残るが,設問肢Cの誤りが明確であるた
め,Cが解答肢となる。
[問
5] 正 解 E
A:×
設問の支給された傷病手当金は,出産手当金の内払いとみなされるため,返還
B:×
設問の場合は,出産手当金は支給されない(法 102 条,法 106 条,法附則(平 18)10
する必要はない(法 103 条 2 項)。
条 3 項)。参 ①任意継続被保険者が出産した場合,及び②継続して 1 年以上強
制被保険者であった者がその資格喪失後 6 月以内に出産した場合は,妊娠 4 カ
月以上であれば,いずれも出産育児一時金が支給されるが,出産手当金は支給
されない。
C:×
第二子以降についても,一児につき 35 万円が出産育児一時金として支給される
(法 101 条,法 114 条,令 36 条)。
D:×
傷病手当金の額は,被扶養者の有無にかかわらず,1 日につき標準報酬日額の「3
E:○
法 102 条,法 108 条 1 項,H.11.3.31 保険発 46 号・庁保発 9 号。参 介護休業期
分の 2」に相当する金額である(法 99 条)。
間中であっても,支給要件に該当したときは出産手当金が支給されるが,当該
期間中に事業主から介護休業手当など報酬と認められる諸手当を受給している
場合は,報酬との調整の規定により支給調整が行われる。
[問
6] 正 解 C
A:○
法 156 条 3 項。参 保険料は,資格を取得した日の属する月から資格を喪失した
日の属する月の前月までについて徴収される。したがって,例えば 9 月以前か
ら被保険者である者がその年の 10 月 30 日に退職した場合は,資格喪失日は月
の最終日(10 月 31 日)となり,9 月分の保険料は徴収されるが 10 月分の保険料
は徴収されない。
B:○
法 162 条。参 なお,事業主の負担割合を増加することはできるが,全額を事業
主負担とすることはできないこととされている。
C:×
被保険者資格を喪失した場合は,保険料免除の通知は行われない(法 159 条,
H.17.3.29 保保発 0329001 号・庁保険発 0329002 号)。参 保険者は,休業終了予
定日前に育児休業等を終了したときは,事業主等に保険料免除の終了通知をす
i.D.E.社 労士 塾 25
るものとされているが,育児休業等期間中に被保険者資格を喪失した場合につ
いては,終了に係る通知は要しないものとされている。
D:○
法 160 条 9 項,法 163 条。参 なお,標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ 1,000
分の 45 を乗じて得た額を超える部分は,事業主の負担とすることとされている。
E:○
法 165 条,令 48 条。参 なお,設問の 6 カ月間又は 12 カ月間の途中で,任意継
続被保険者の資格を取得した場合又はその資格を喪失することが明らかである
場合は,当該 6 カ月間又は 12 カ月間のうち,その資格を取得した日の属する月
の翌月以降の期間又はその資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保
険料について前納を行うことができる。
[問
7] 正 解 A
A:×
高額療養費支給見込額の「90 %」相当額ではなく,「80 %」相当額までの貸付
金を無利子で受けることができる(法 115 条,法 150 条,S.60.4.6 庁文発 1422
号)。参 設問の高額医療費貸付事業は,社団法人全国社会保険協会連合会が,
政府管掌健康保険又は船員保険の被保険者又は被扶養者に係る高額療養費の支
給が見込まれる者を対象に実施するものである。貸付額は,高額療養費支給見
込額の 80 %相当額とし,また,貸付額には利子を付さないこととされている。
B:○
法 153 条,法附則(57)9 条 3 項。参 なお,退職者医療制度に拠出する退職者給
付拠出金については,1,000 分の 164 の国庫補助は行われていない。
C:○
法 158 条,法附則 3 条 6 項。参 特例退職被保険者は,健康保険法の一部の規定
を除き,任意継続被保険者とみなされるため,特例退職被保険者が,刑事施設
等に拘禁等された場合であっても,任意継続被保険者と同様に保険料の徴収の
特例(保険料免除)は適用されない。
D:○
法 173 条 1 項。参 「日雇関係組合」とは,日雇特例被保険者を使用する事業主
の設立する健康保険組合のことである。日雇特例被保険者に係る保険料徴収及
び保険給付については,保険者である政府が実施しているが,健康保険組合は,
独立して日雇労働者に係る健康保険事業を行った場合に負担したであろう費用
を日雇拠出金として政府に納付することになっている(納期は 9 月 30 日及び翌
年 3 月 31 日)。
E:○
法 164 条 1 項,則 136 条,会計法 6 条,予算決算及び会計令 29 条。参 政府管掌
健康保険及び組合管掌健康保険ともに,即納する場合を除き,納入告知書で納
入の告知が行われる。
[問
8] 正 解 C
A:×
健康保険の保険給付の受給権は,被保険者,埋葬を行う者等が有しているが,
被扶養者は有していない(法 110 条ほか)。参 家族療養費等の被扶養者に関す
る保険給付は,条文上はすべて「被保険者」に対して支給するものと規定され
ている。これは,診療等を受ける者を示しているのではなく,受給権があるこ
とを示している。
B:×
延滞金は,保険料額につき年率 14.6 %の割合で,納期限の翌日から保険料完納
又は財産を差し押さえた日の「前日」までの日数により計算するものとされて
いる(法 181 条 1 項)。
C:○
法 169 条 2 項。参 設問の場合,日雇特例被保険者が行う日雇特例被保険者手帳
の提出も,最初にその者を使用する事業主に対して行うことになる。
D:× 「24,600 円」を「35,400 円」に置き換えると正しい内容となる(法 115 条,令 42
条 1 項)。参 70 歳未満の低所得者に係る高額療養費算定基準額は,原則として,
i.D.E.社 労士 塾 26
35,400 円であるが,多数回該当に該当した場合は 24,600 円となる。
E:×
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは,その処分につい
ての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とす
ることができない(法 189 条 4 項)。
[問
A:○
9] 正 解 B
法 99 条 2 項。参 同一の傷病に関し,傷病手当金の支給を始めた日から 1 年 6
月を経過した場合には,実際に支給された傷病手当金の日数にかかわらず,当
該傷病についての傷病手当金は打ち切られる。
B:×
埋葬料の支給額は,「政令で定める金額(5 万円)」である(法 100 条 1 項,令 35
条)。
C:○
法 85 条 3 項。参 厚生労働大臣が,療養の費用の額の算定に関する基準を定め
る場合は,中央社会保険医療協議会に諮問するものとされているが,療養の給
付,入院時生活療養費,保険外併用療養費,訪問看護療養費についても同様で
ある。
D:○
法 167 条 1 項。参 実際に前月分とその月分の保険料を控除することができるの
は,月の末日に退職した場合に限られる。
E:○
法 87 条,S.24.6.6 保文発 1017 号。参 設問の場合は,療養の給付等を行うこと
が困難であるとは認められないため,療養費は支給されない。
[問 10] 正 解 D
A:○
法 72 条 2 項。参 設問は,保険医療機関又は保険薬局が,法 70 条 2 項の規定に
より健康保険法以外の医療保険各法の療養の給付及び被扶養者の療養等を担当
することと対応して,保険医療機関又は保険薬局において診療又は調剤に従事
する保険医又は保険薬剤師も,健康保険法以外の医療保険各法による診療又は
調剤に従事することを規定したものである。
B:○
法 75 条の 2 第 1 項。参 設問の厚生労働省令で定める特別の事情として,「被保
険者が,震災,風水害,火災その他これらに類する災害により,住宅,家財又
はその他の財産について著しい損害を受けたこと」が規定されている。
C:○
法 63 条 3 項 2 号,法 84 条 2 項。参 設問の病院等には,政府管掌健康保険の健
康保険病院や組合管掌健康保険の事業主医局等があるが,このうち,保険者が
健康保険組合である事業主医局等の場合は,規約で定めるところにより,一部
負担金を減額し,又はその支払いを要しないものとすることができる。
D:×
「10 年間」を「5 年間」に置き換えると正しい内容となる(法 71 条 2 項)。
E:○
法 76 条 5 項。参 健康保険の診療報酬の審査及び支払に関する事務は,従来は,
社会保険診療報酬支払基金のみに委託することができたが,平成 18 年の改正に
より,国民健康保険団体連合会にも委託することができることとされている。
厚 生 年 金 保 険 法
[問
A:○
1] 正 解 E
則 2 条の 2 第 2 項。参 設問の申出をした者は,直ちに,その旨を保険者選択の
届出をした社会保険事務所長等又は 2 以上の事業所勤務の届出をした社会保険
事務所長等に届け出なければならない。
B:○
法附則 7 条の 3 第 1 項。参 設問の者には,特別支給の老齢厚生年金は支給され
i.D.E.社 労士 塾 27
ない(昭和 36 年 4 月 2 日以後生まれ)ため,60 歳以上 65 歳到達前の間におい
て,老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができることとされている。
C:○
法 10 条,法 12 条本文・2 号。参 厚生年金保険の適用除外事由に該当する者は,
任意単独被保険者になることもできないが,設問の日々雇い入れられる者は 1 月
を超えて引き続き使用されるに至った日から適用除外事由に該当しなくなるた
め,事業主の同意を得た上社会保険庁長官の認可を受けることにより,任意単
独被保険者となることができる。
D:○
法附則 4 条の 3 第 5 項・6 項・8 項。参 適用事業所に使用される高齢任意加入
被保険者の資格要件に「事業主の同意」は課されていないため。
E:×
適用事業所以外の事業所が社会保険庁長官の認可を受けて任意適用事業所とな
るときは,当該事業所に使用される者(適用除外事由に該当する者を除く。)の
「2 分の 1 以上」の同意を得て社会保険庁長官の認可を受けなければならない(法
6 条 3 項・4 項)。参 なお,任意適用事業所の取消しの場合は,設問のとおりで
正しい。
[問
2] 正 解 B
A:×
「15 年以上」を「20 年以上」に置き換えると正しい内容となる(法附則 28 条
の 3 第 1 項・2 項)。
B:○
法附則 8 条。参 女子については,昭和 29 年 4 月 2 日から昭和 33 年 4 月 1 日ま
での間に生まれた者に,報酬比例部分相当のみの特別支給の老齢厚生年金が支
給される。
C:×
設問の差額(いわゆる経過的加算額)は,「老齢基礎年金の額」ではなく,「老
齢厚生年金の額」に加算される。また,経過的加算額は,特別支給の老齢厚生
年金の定額部分と昭和 36 年 4 月 1 日以後の「20 歳以上 60 歳未満」の厚生年金
保険の被保険者期間に係る老齢基礎年金相当額との差額である(法附則(60)59
条 2 項)。
D:×
設問の基本手当との調整において,報酬比例部分と定額部分とを合わせた額の
特別支給の老齢厚生年金が支給されるときは,定額部分を含めた特別支給の老
齢厚生年金の全額が支給停止されることとなる(法附則 11 条の 5)。
E:×
設問の場合には,高年齢雇用継続基本給付金が支給停止されるのではなく,原
則として,特別支給の老齢厚生年金の額について,その者の標準報酬月額の 100
分の 6 に相当する額が支給停止される(法附則 11 条の 6)。なお,設問中「高年
齢雇用継続基本給付」とあるのは,正しくは「高年齢雇用継続基本給付金」で
ある。
[問
3] 正 解 A
A:○
法 44 条の 3 第 1 項。参 老齢厚生年金の受給権を取得した日又は当該受給権を
取得した日から起算して 1 年を経過した日前に障害基礎年金の受給権者に該当
したときであっても,老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。
B:×
特別支給の老齢厚生年金の受給権者であった者であっても,老齢厚生年金の支
給繰下げの申出をすることができる(法 44 条の 3 第 1 項)。参 特別支給の老齢
厚生年金は 65 歳に達したときにその受給権が消滅するため,特別支給の老齢厚
生年金そのものを繰り下げることはできないが,65 歳から支給される老齢厚生
年金及び老齢基礎年金について,所定の要件を満たす限り,その支給を繰り下
げることができる。
C:×
設問の場合には,65 歳に達した日の属する月の翌月から,年金額が改定される
i.D.E.社 労士 塾 28
(法附則 7 条の 3 第 5 項)。参 設問の場合には,65 歳に達した日の属する月前
における被保険者であった期間を当該老齢厚生年金の額の計算の基礎とするも
のとし,65 歳に達した日の属する月の翌月から,年金額が改定される。
D:×
昭和 17 年 4 月 2 日前に生まれた者であっても,平成 19 年 4 月 1 日以後に老齢厚
生年金の受給権を取得した者については,老齢厚生年金の支給繰下げの申出を
することができる(法附則(平 16)42 条)。
E:×
老齢厚生年金の支給繰下げの申出と老齢基礎年金の支給繰下げの申出は,同時
に行わなくてもよい(法 44 条の 3,国民年金法 28 条)。
[問
4] 正 解 A
A:×
妻が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けることができるときであっても,
当該妻を対象とした加給年金額の支給は停止されない(法 46 条 7 項)。参 なお,
妻が障害基礎年金の支給を受けることができる場合に,加給年金額が支給停止
される点は,そのとおり正しい。
B:○
法附則(平 6)19 条 1 項・5 項。参 特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給
開始年齢に達したときに,加給年金額の加算の要件を満たしているときは,そ
の翌月から,加給年金額が加算されることとなる。
C:○
法附則(60)60 条 2 項。参 特別加算の額は,受給権者の年齢が若いほど大きい
額とされており,昭和 18 年 4 月 2 日以後生まれの受給権者に係る特別加算の額
が最も大きい額とされている。なお,設問中の金額は,平成 19 年度の物価スラ
イド特例措置による額である。
D:○
法 44 条 1 項。参 なお,加給年金額の加算の対象となっている子が 18 歳に達す
る日以後の最初の 3 月 31 日までの間に障害等級の 1 級又は 2 級の障害の状態に
該当したときは,死亡等の減額改定事由に該当しない限り,20 歳に達するまで
加算の対象となる。
E:○
法 44 条 1 項ただし書。参 65 歳以後,老齢厚生年金と障害基礎年金の組合せで
併給する場合において,子に係る加算が重複給付とならないように,設問の支
給調整が行われている。
[問
5] 正 解 E
A:○
法 58 条 1 項本文・4 号。参 「老齢厚生年金の受給権者の死亡」を支給事由とす
る遺族厚生年金の支給要件に,保険料納付要件は設けられていないため。
B:○
法 63 条 1 項 5 号。参 一定の要件に該当した若齢期の妻に係る遺族厚生年金に
ついては,有期年金とされている。
C:○
法 62 条 1 項。参 中高齢の寡婦加算の加算要件として妻の年齢要件が定められ
ており,①夫の死亡当時 40 歳以上 65 歳未満である妻,又は② 40 歳に達したと
きに夫の死亡当時から引き続き生計を同じくしている子(当該夫の死亡に係る
遺族基礎年金の受給権を有している子に限る。)がある妻のいずれかに該当しな
ければ,中高齢の寡婦加算は加算されない。
D:○
法 63 条 2 項。参 なお,設問の子又は孫について,18 歳に達する日以後の最初
の 3 月 31 日までの間に当該障害の状態が止んだときには,遺族厚生年金の受給
権は消滅しない。
E:×
妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金の支給が停止されている間は,子
に係る遺族厚生年金の支給停止が解除され,子に対して遺族厚生年金が支給さ
れることとなる(法 66 条 1 項)。
i.D.E.社 労士 塾 29
[問
6] 正 解 A
A:×
設問の場合には,老齢基礎年金の額に振替加算は行わないこととされている(法
附則(60)14 条,法附則(平 16)48 条ほか)。参 振替加算は,老齢基礎年金の
受給権者自身が老齢厚生年金(その計算の基礎となる被保険者期間の月数が 240
以上であるものに限る。)を受けることができるときは,行わないこととされて
いるが,この振替加算に係る被保険者期間の要件をみる場合,離婚時みなし被
保険者期間は当該被保険者期間に含めることとされている。
B:○
法 78 条の 11。参 厚生年金保険の被保険者であった期間がなかった者であって
も,離婚時みなし被保険者期間を有し,かつ,老齢基礎年金の受給資格期間を
満たしている者が死亡したときは,老齢厚生年金の受給資格期間を満たしてい
る者等の死亡として,その一定の遺族に対して遺族厚生年金が支給されること
になる。
C:○
法附則 17 条の 10。参 特別支給の老齢厚生年金の支給要件のうちの被保険者期
間の要件(被保険者期間が 1 年以上必要)をみる場合,離婚時みなし被保険者
期間は厚生年金保険の被保険者期間に算入しないこととされている。
D:○
法 78 条の 10 第 2 項。参 離婚時みなし被保険者期間に係る標準報酬を年金額の
計算基礎に含めると,平均標準報酬額が下がり,障害厚生年金の額が減少する
ことがあるため。
E:○
法 78 条の 10 第 1 項。参 なお,老齢厚生年金の受給権が発生した時点にさかの
ぼって老齢厚生年金の額が改定されるものではない点に注意すること。
[問
7] 正 解 C
A:×
受給権者の申出により支給停止される年金たる保険給付の額は,「その全額又は
一部」ではなく,「その全額」である。また,他の規定等によりすでに年金たる
保険給付の額の一部が支給停止されているときは,停止されていない部分の「全
額又は一部」ではなく,「全額」が支給停止される(法 38 条の 2 第 1 項)。
B:×
設問の障害厚生年金の額の改定は,「地方社会保険事務局長等」ではなく「社会
保険庁長官」が行う(法 4 条,法 52 条 1 項,令 1 条)。参 設問の社会保険庁長
官の権限について,地方社会保険事務局長等への権限委任は行われていない。
C:○
法 82 条 3 項,令 4 条 4 項。参 同時に船舶及び船舶以外の事業所に使用される
被保険者に係る保険料は,船舶所有者のみが保険料の半額を負担し,当該被保
険者負担分の保険料と合わせて納付する義務を負う。
D:×
免除保険料率は「社会保険庁長官」ではなく,
「厚生労働大臣」が決定する(法 29
条 1 項・2 項,法 81 条の 3 第 1 項・7 項,法 102 条 1 項)。参 なお,社会保険庁
長官が標準報酬月額を決定すること及び事業主が設問の通知義務を怠ったとき
の罰則の程度は,そのとおり正しい。
E:×
過去に支給を受けた障害厚生年金又は障害手当金の額が,脱退手当金の額を計
算した場合にこれに満たないときは,その差額が脱退手当金として支給される
こととなる(法附則(60)75 条)。
[問
A:○
8] 正 解 E
法 10 条 2 項。参 事業主の同意を必要としているのは,資格取得の認可を受け
た後は,事業主に,当該任意単独被保険者に係る保険料の半額負担及び納付義
務,諸届け義務等が課せられるためである。
B:○
法 13 条 2 項。参 資格取得日は,「事業所に勤務した日」ではなく,「社会保険
庁長官の認可があった日」である。
i.D.E.社 労士 塾 30
C:○
法 82 条 1 項,法 27 条。参 保険料の半額負担等につき事業主の同意を絶対要件
としているため。
D:○
法 11 条。参 なお,任意単独被保険者は,資格喪失の認可を受けようとすると
きは,事業主にその旨を申し出た上,所定の事項を記載した申請書を社会保険
事務所長等に提出しなければならない。
E:× 「65 歳未満」を「70 歳未満」に置き換えると正しい内容となる(法 10 条 1 項)。
[問
9] 正 解 B
A:○
法 7 条。参 強制適用事業所の要件に該当しなくなった場合であっても,なんら
の手続を要することなく,その事業所について任意適用事業所の認可があった
ものとみなされ,引き続き厚生年金保険が適用される。
B:×
「特例障害年金」,「特例障害手当金」という保険給付の種類はない。また,設
問の保険給付のほか,旧共済組合員期間を有する者の死亡に係る「特例遺族年
金」がある(法 32 条,法附則 9 条の 3 の 2,法附則 28 条の 3,法附則 28 条の 4
ほか)。
C:○
法 36 条 1 項。参 なお,年金の支給事由と支給停止事由が同一の月にあるとき
は,年金の支給停止を行わないこととされている。
D:○
法 40 条 2 項,S.37.10.22 庁保発 10 号。参 保険給付と調整されるべき損害賠償
額は,受給権者の受けるべき損害賠償の総額でなく,当該損害賠償額のうち生
活の補償費に相当する額に限られるものであって,慰謝料,医療費,葬祭費等
は調整の対象とならないものとされている。
E:○
法 92 条 1 項。参 なお,保険給付を受ける権利については,5 年を経過したとき
は,時効によって消滅する。
[問 10] 正 解 A
A:○
法 98 条 2 項,則 2 条。参 設問の場合は,被保険者は 2 以上の事業所勤務の届
出を行わなければならない。
B:×
設問の被保険者の住所変更の届出は,「被保険者」ではなく,「事業主」が行う
(法 27 条,則 21 条の 2)。
C:×
設問の届書等の提出は,「速やか」ではなく,「当該事実があった日から 5 日以
内」に行わなければならない。また,当該届書等の提出に当たり,年金手帳の
添付は要しない(法 27 条,則 15 条,則 16 条)。
D:×
設問の場合には,「70 歳以上被保険者該当届」ではなく,「70 歳以上被用者該当
届」を社会保険庁長官に提出しなければならない(法 27 条,則 15 条の 2)。参 70
歳以上で被保険者となることができるのは,高齢任意加入被保険者と第四種被
保険者だけであるが,高齢任意加入被保険者についても第四種被保険者につい
ても,資格の取得関係の手続は,被保険者自身が行い,事業主は行わない。そ
うすると,この設問は,被保険者が 70 歳に達し,資格を喪失した後も引き続き
その事業所に使用されている場合を想定しているものと思われる。この場合,
事業主は,被保険者が 70 歳に達したことによる厚生年金保険被保険者資格喪失
届を提出するとともに,「厚生年金保険 70 歳以上被用者該当届」を社会保険事
務所長等に提出することになる。
E:× 「1 か月以内」を「10 日以内」に置き換えると正しい内容となる(法 98 条 4 項)。
i.D.E.社 労士 塾 31
国
[問
民 年 金
法
1] 正 解 B
法 95 条の 2,法 137 条の 19 第 1 項。参 なお,国民年金基金連合会は,その会
A:○
員である国民年金基金が解散したときは,当該基金の解散基金加入員に係る設
問の責任準備金に相当する額を当該解散した基金から徴収することとされてお
り,国民年金基金連合会が当該解散した基金から徴収したときは,政府は,こ
の徴収を行わないこととされている。
B:×
「同年 10 月」を「同年 11 月」に置き換えると正しい内容となる(法附則 1 条
ほか)。参 国民年金法は,昭和 34 年 4 月に公布され,同年 11 月から無拠出制
の福祉年金の給付が開始された。また,拠出制年金は,昭和 36 年 4 月から開始
されている。
C:○
法 33 条の 2 第 1 項。参 障害基礎年金には配偶者に対する加算は行われない。
これに対し,厚生年金保険の障害厚生年金には,配偶者に対する加給年金額の
制度が設けられているが,子に対する加給年金額の制度は設けられていない。
D:○
法 20 条 1 項,法附則(60)11 条 3 項。参 なお,65 歳以上の旧国民年金法によ
る老齢年金及び通算老齢年金の受給権者は,遺族厚生年金を併給して受給する
こともできる。
E:○
法附則 9 条の 2 第 2 項。参 なお,老齢基礎年金の支給繰上げの請求があったと
きは,その請求があった日から老齢基礎年金が支給される(受給権が発生する)。
また,その支給は,当該受給権が発生した日の属する月の翌月から開始される。
[問
2] 正 解 E
A:×(▲)20 歳未満の者の場合であっても,厚生年金保険の被保険者等である場合(国
民年金の第 2 号被保険者である場合)には,法律条文上は,初診日の前日にお
いて,当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があると
きは保険料納付要件が問われることになる(法 30 条 1 項ほか)。参 なお,保険
料納付要件は,保険料の滞納防止のために設けられている制度である。保険料
の滞納が生ずるのは国民年金の第 1 号被保険者だけであり,20 歳前においては
第 1 号被保険者期間は存在しないため,保険料の滞納も生ずることはなく,実
質的には保険料納付要件が問われることはない。これに関しては,厚生年金保
険法において,「平 15 問 7 C」で「保険料納付要件について問われることはな
い(○)」としており,矛盾が生ずる。なお,本問(平 19 問 2 A)においては,
設問肢Eが正しい内容であるため,Eを正解とした。
B:×
設問の改定請求は,「1 年を経過した日」ではなく,「1 年を経過した日後」から
行うことができる(法 34 条 2 項・3 項)。参 設問の改定請求は,障害基礎年金
の受給権を取得した日又は社会保険庁長官が障害の程度を診査した日から起算
して 1 年以内であるときは,行うことはできない。
C:×
設問の場合であっても,当該子が,障害等級に該当する障害の状態にあるとき
は,減額改定は行われない(法 33 条の 2 第 3 項)。
D:×
設問の者の障害基礎年金の受給権は,消滅しない(法 35 条 3 号)。参 障害状態
が軽減したことにより障害基礎年金の受給権が消滅するのは,①厚生年金保険
法に規定する障害等級に該当しない者が,65 歳に達したとき(ただし,当該 65
歳に達した日において,厚生年金保険法に規定する障害等級に該当しなくなっ
i.D.E.社 労士 塾 32
た日から起算して 3 年を経過していないときを除く。),②厚生年金保険法に規
定する障害等級に該当しなくなった日から起算して 3 年を経過したとき(ただ
し,3 年を経過した日において,当該受給権者が 65 歳未満であるときを除く。)
の場合である。設問の 61 歳の障害基礎年金の受給権者は,この①,②のいずれ
にも該当しないため,当該受給権は消滅しない。
E:○
法附則(60)22 条。参 旧法による障害年金は,65 歳に達する前に失権するこ
とがあったが,その者が同一の傷病について,再度障害等級に該当した場合で
あっても,事後重症による障害基礎年金の規定は適用されない。
[問
3] 正 解 E
A:×
設問の場合には,遺族基礎年金の支給は死亡日から 6 年間停止される(法 41 条 1
項)。参 なお,労災保険法の規定による遺族補償(遺族補償給付)が行われた
場合には,遺族基礎年金の支給停止は行われない(支給される)。
B:×
子が直系血族又は直系姻族の養子となった場合も,妻の有する遺族基礎年金の
受給権は消滅する(法 40 条 2 項)。参 子が妻以外の者(直系血族及び直系姻族
を含む。)の養子となった場合,妻は「子のある妻」でなくなるため,妻の有す
る遺族基礎年金の受給権は消滅することになる。
C:×
設問の場合,65 歳に達するまでの間については,繰り上げにより減額された老
齢基礎年金と遺族厚生年金を併給することはできない(法 20 条,法附則 9 条の 2
の 4)。参 なお,設問の受給権者が 65 歳以上であるときは,併給することがで
きる。
D:×
未支給年金の請求権者は,当該受給権者の死亡当時,「その者により生計を維持
されていた者」ではなく,「その者と生計を同じくしていた者」である(法 19
条 1 項)。
E:○
法 130 条 2 項。参 基金令 22 条において,基金が支給する年金の額は加入員期間
の各月の掛金及びその運用収入の額の総額に照らし,財政の均衡を保つことが
できるように計算されるものであること等の基準が定められており,ここでい
う加入員期間とは,国民年金本体の保険料が納付されている期間に限られてい
る。したがって,国民年金本体の保険料を納付しない場合には,基金の掛金だ
けで将来年金を受けることはできず,納付した掛金は還付されることになる。
[問
4] 正 解 A
A:○
法 94 条 3 項,令 10 条。参 保険料の免除を受けた月の属する年度の翌々年度以
内に追納する場合には,保険料の額に政令で定める額の加算は行われないが,
例外として,免除月が 3 月である場合に,翌々年の 4 月にこれを追納するとき
も当該加算は行わないこととされている。
B:×
付加年金,寡婦年金及び死亡一時金は,「第 1 号被保険者」としての被保険者期
間のみを対象とした独自給付とされている(法 43 条,法 49 条,法 52 条の 2)。
参 これらの給付は,第 2 号被保険者及び第 3 号被保険者としての被保険者期間
を対象とすることはない。
C:×
死亡一時金は,老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が
死亡した場合には,支給されない(法 52 条の 2 第 1 項)。参 死亡一時金は,一
定の場合を除き,その者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者が
あるときは支給されないことになっている。一方,死亡一時金の支給を受ける
ことができる同一人の死亡により寡婦年金の支給を受けることができるときは,
その選択によりいずれか一方の支給を受けることとされている。
i.D.E.社 労士 塾 33
D:×
死亡一時金の支給要件における保険料納付済期間には,特例による任意加入被
保険者として保険料を納付した期間も含まれる(法附則 5 条 9 項,法附則(平 6)11
条 9 項,法附則(平 16)23 条 9 項)。参 なお,「寡婦年金及び付加保険料の納
付」に関する規定については,特例による任意加入被保険者として保険料を納付
した期間は,保険料納付済期間には含まれない。
E:×
付加年金を繰上げ又は繰下げた場合についても,老齢基礎年金と同様に減額率
又は増額率が適用される(法 46 条 2 項,法附則 9 条の 2 第 6 項)。
[問
5] 正 解 D
A:×
国民年金事業の事務の一部は,設問のほか,「全国市町村職員共済組合連合会」
にも行わせることができる(法 3 条 2 項)。
B:×
国民年金法において,設問の「健康保険組合が設立されていない事業所におい
ては,政府管掌健康保険の保険者に委託することができる」旨の規定は設けら
れていない(法 12 条 8 項)。参 設問前段の内容については,そのとおり正しい。
C:×
設問の「名目手取り賃金変動率」を「名目賃金変動率」に置き換えると正しい
内容となる(法 87 条 4 項∼ 6 項)。参 この「名目賃金変動率」とは,当該年度
の初日の属する年の 2 年前の物価変動率に当該年度の初日の属する年の 4 年前
の年度の実質賃金変動率(3 年前から 5 年前のものの 3 年平均)を乗じて得た率
である。
D:○
法 126 条。参 この規定は,国民年金基金事業の公共性を鑑み,国民年金基金の
役職員については,公務に従事するものとみなし,刑法の公務員に関する罰則
等の適用対象として,職務の厳正なる遂行を要請したものとされている。
E:×
設問中,
「 年金たる給付(付加年金を含む。)」を「年金たる給付(付加年金を除く。)」
に置き換えると正しい内容となる(法 16 条の 2)。参 付加年金には改定率の適
用がないため,設問のマクロ経済スライドによる給付額の調整の対象となる年
金たる給付から除かれている。
[問
6] 正 解 D
A:○
法附則(60)26 条。参 なお,新法の障害基礎年金の受給権者に対して,更に障
害基礎年金を支給すべき事由が生じた場合には,前後の障害を併合した障害の
程度による障害基礎年金が支給されるが,この場合には,従前の障害基礎年金
の受給権は消滅する。
B:○
法 94 条 2 項ただし書。参 保険料の一部を追納するときは,学生納付特例によ
る免除期間を優先して追納するのが原則とされているが,当該学生納付特例に
よる期間の前に,法定免除,申請免除(全額,一部)による免除期間があると
きは,これらの免除期間を先に追納するか,学生納付特例による免除期間を先
に追納するかを選択することができるものとされている。
C:○
法附則(60)20 条 1 項。参 設問の保険料納付要件の特例は,①初診日が平成 28
年 4 月 1 日前であること,②直近の 1 年間に保険料の滞納期間がないこと,③
初診日において 65 歳未満であること,のいずれの要件をも満たしていなければ
ならない。
D:×
給付を受ける権利については,年金給付を受ける権利を含めて,すべて譲渡す
ることはできない(法 24 条)。参 設問前段の内容については,そのとおり正し
い。
E:○
法 50 条。参 なお,寡婦年金の額は,老齢基礎年金の額の計算の例によって計
算した額の 4 分の 3 に相当する額であるため,保険料免除期間の月数に関する
i.D.E.社 労士 塾 34
評価の割合は,老齢基礎年金を計算する場合と同様に計算することになる。
[問
7] 正 解 E
A:×
付加年金は,設問の者が,
「老齢又は退職に係る被用者年金の受給権」ではなく,
「老齢基礎年金の受給権」を取得したときに,その者に支給される(法 43 条)。
参 また,付加年金は,老齢基礎年金とのみ併せて支給されるものであり,障害
基礎年金,遺族基礎年金及び寡婦年金とは併給されない。
B:×
設問の費用に関しては,国庫の負担は行われない(法 85 条)。参 学生納付特例
に関する期間及び若年者納付猶予期間については,老齢基礎年金の年金額に反
映されないため,国庫の負担も行われない。なお,国庫は,保険料全額免除期
間(学生納付特例に関する期間及び若年者納付猶予期間を除く。)に係る老齢基
礎年金の給付に要する費用に関しては,その全額を負担するものとされている。
C:×
遺族基礎年金を受けることができる遺族には,婚姻の届出の有無にかかわらず
「夫」は含まれない(法 37 条の 2 第 1 項)。参 なお,国民年金の定義において,
「配偶者」,「夫」及び「妻」には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関
係と同様の事情にある者を含むものとされている。
D:×
「8 分の 5」を「8 分の 7」に置き換えると正しい内容となる(法 27 条 2 号)。
参 8 分の 5 と用いるのは,「480 から保険料納付済期間の月数,保険料 4 分の 1
免除期間の月数及び保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た
月数を限度とするときの保険料 4 分の 3 免除期間の月数の評価割合の場合」で
ある。
E:○
法 90 条 1 項。参 設問の保険料の免除の対象となる期間は,「社会保険庁長官が
指定する期間」とされており,被保険者等の保険料免除の申請が遅れた場合で
あっても,さかのぼって免除が受けられることとされている。
[問
8] 正 解 D
A:○
法附則 9 条の 2 第 1 項,法附則(平 6)7 条,法附則 9 条の 2 の 3。参 老齢基礎
年金の繰上げ支給を受けた者については,65 歳に達したものとして扱われるた
め,繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は,国民年金に任意加入することは
できない。
B:○
法附則(60)12 条 1 項 4 号,同附則別表 3。参 設問の厚生年金保険の中高齢者
の特例の受給資格期間の短縮措置のことを「中高齢の期間短縮措置」という。
C:○
法 21 条の 2,則 86 条の 2。参 設問の具体例としては,遺族基礎年金の受給権
者が子 2 人である場合において,一方の子が死亡したにもかかわらず,手続き
の遅れ等からその子についての遺族基礎年金が過誤払された場合などが該当す
る。
D:×
設問の認定は,「市町村長」ではなく,「管轄する地方社会保険事務局長又は社
会保険事務所長」が行う(法 7 条 1 項 3 号,令 4 条の 2)。参 被扶養配偶者の認
定基準については,健康保険法等における被扶養者の認定基準と同じ基準とさ
れている。
E:○
法附則 9 条の 3 の 2 第 1 項。参 改正により,保険料 4 分の 1 免除期間の月数の 4
分の 3 に相当する月数及び保険料 4 分の 3 免除期間の月数の 4 分の 1 に相当す
る月数が,支給要件に係る保険料納付実績に算入されることとされた。
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[問
9] 正 解 A
A:○
法 9 条 2 号。
B:×
「その日」に喪失する(法 9 条 3 号)。
C:×
「その日」に喪失する(法 9 条 4 号)。
D:×
「その日」に喪失する(法 9 条 5 号)。
E:×
「その日の翌日」に喪失する(法 9 条 6 号)。
[問 10] 正 解 E
A:×
設問の認定基準は,健康保険法等における被扶養者の認定の取扱いを勘案する
こととされている(令 4 条の 2)。参 第 3 号被保険者の適用に係る「主として第 2
号被保険者の収入により生計を維持すること」の認定は,健康保険法,国家公
務員共済組合法,地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における
被扶養者の認定の取扱いを勘案して社会保険庁長官の定めるところにより,管
轄する地方社会保険事務局長又は社会保険事務所長が行うこととされている。
B:×
「5 日以内」を「14 日以内」に置き換えると正しい内容となる(法 12 条 5 項,
則 1 条の 2 第 2 項)。参 第 3 号被保険者の資格取得の届出は,当該事実があっ
た日から 14 日以内に,所定の事項を記載した届書を社会保険庁長官に提出する
ことによって行わなければならない。
C:×
「5 年以内」を「 2 年以内」に置き換えると正しい内容となる(法附則 7 条の 3 第 1
項)。参 第 3 号被保険者としての被保険者期間については,原則として,第 3
号被保険者となったこと等に関する届出が行われた日の属する月前の当該届出
に係る被保険者期間は,保険料納付済期間に算入されないが,当該届出が行わ
れた日の属する月の前々月までの 2 年間のうちにあるものは,第 3 号被保険者
としての被保険者期間に算入される。
D:×
設問の第 3 号被保険者の届出の特例に関する規定には,平成 21 年 3 月 31 日まで
といった届出期限は設けられていない(法附則(平 16)21 条 1 項∼ 3 項)。
E:○
法附則 7 条の 3 第 2 項・3 項。参 設問の届出の遅滞が平成 17 年 4 月 1 日前の期
間に係るものであるときは,届出が遅滞したことについてやむを得ない事由が
あるか否かにかかわらず,社会保険庁長官に届出をすることができることにな
っているが,当該届出の遅滞が平成 17 年 4 月1日以後の期間に係るものである
ときは,当該届出が遅滞したことにつきやむを得ない事由があると認められる
ときに,第 3 号被保険者の特例の届出をすることができる。
禁転載
i.D.E.社労士塾
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