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兵庫の教育改革プログラム

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兵庫の教育改革プログラム
兵庫の教育改革プログラム
∼県民すべてがかかわる兵庫の教育をめざして∼
※ 提出いただいた意見等を反映した箇所には下線を引いています。
平 成 1 5 年 7 月
兵 庫 県 教 育 委 員 会
は じ め に
兵庫県教育長
武 田 政 義
21世紀を迎えた今、新しい世紀を担う子どもたちの育成にふさわしい教育
の創造が求められています。こうした中で、国は、完全学校週5日制のもと、
「自ら学び、自ら考える力」の育成をめざして学習指導要領を改訂したのをは
じめ、「21世紀教育新生プラン」や「人間力戦略ビジョン」を策定し、教育
内容や教育条件など広範多岐にわたる教育改革を推し進める一方、中央教育審
議会においては、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の
在り方について」の答申に引き続き、「今後の初等中等教育改革の推進方策に
ついて」の審議が行われているところです。
県教育委員会においては、このような国の教育改革の流れや「21世紀兵庫
長期ビジョン」、さらには、本県が進めてきた「生きる力をはぐくむ」兵庫の
教育の特色ある取組等を踏まえながら、このたび、教育の果たすべき役割と、
これからの本県の教育の進むべき目標、目標の達成に向けての課題、それぞれ
の課題に対応した取組について 、「兵庫の教育改革プログラム∼県民すべてが
かかわる兵庫の教育をめざして∼」と題して、とりまとめました。
このプログラムを実施していくに当たっては、県民の「参画と協働」を基盤
として、学校、家庭、地域社会それぞれが責任を果たしながら、単なる役割分
担ではなく、連携協力し、県民すべてが一体となって取り組むことが大切であ
ると考えています。
幸い、本県では 、「こころ豊かな人づくり」県民運動を背景として、子ども
たちが地域に学ぶ「トライやる・ウィーク」や、地域主体の「スポーツクラブ
21ひょうご 」、地域住民が学校教育に参画する「いきいき学校応援事業」、さ
らには「地域教育推進事業」など、教育の場面においては、既に県民の「参画
と協働」が始まっています。
このような取組の成果を踏まえて、本プログラムの推進にあたっても、より
一層多くの県民の皆様の参画と協働により、新しい時代にふさわしい兵庫の教
育を共に築いていこうではありませんか。
平成15年7月
目
次
はじめに
第 Ⅰ部
基本的な 考え方と 背景
4
第 1章
プログラムの基本的な考え方
5
1
策定の趣旨
2
性格
3
構成
4
運用
第 2章
時代の潮流と教育課題
1
少子化・高齢社会の到来
2
社会の成熟化
3
グローバル化の進展
4
環境の危機
5
高度情報社会化
第 3章
7
兵庫の特色ある教育のあゆみ
10
1
「こころ豊かな人づくり」県 民 運 動
2
県立高等学校の特色化と新たな生徒指導
3
阪神・淡路大震災の教訓と教育の 創造的復興
4
「生きる力」をはぐくむ兵庫の教 育
5
「心の教育」の新たな展開
6
個性を伸ばす教育の推進
(1)小・中学校における新たな学習 システムの導入
(2)高等学校における教育改革の推 進
7
家庭や地域の教育力の充実
(1)学校と家庭や地域との連携
(2)家庭の教育力向上への取組
(3)地域社会の教育力向上への取組
8
第 Ⅱ部
生涯スポーツの振興
兵 庫がめざす教育
兵 庫がめざす教育
第 1章
−総
論−
18
体系表
19
「基調」と「三つの基本方針」
1
基調
2
三つの基本方針
20
(1)創造的市民社会を担う子ど も た ち の「生きる力」をはぐくみます
(2)県民の参画と協働のもと、学校が 家庭や地域社会と一体となり、新しい
時代の教育環境づくりを進めます
(3)ふるさとの自然や文化を愛し、生 涯にわたり、豊かな自己実現を図る
ことのできる学びを支援します
1
第 2章
五つの重点目標
22
1
地域の子どもたちを支え励ます教 育を支援します
2
生涯学習社会における学びの成果 を生かす仕組みづくりを推進します
3
国際化社会、多文化共生社会に生 きる豊かな人間性を育成します
4
基礎・基本の定着を図り、一 人 一 人の「よさ」を生かし、創造性を
伸ばす教育に取り組みます
5
第 Ⅲ部
1
個性ある学校、開かれた学校づくりを進めます
兵 庫がめざす教育
−各
論−
26
地域の子どもたちを支え励ます教 育を支援します
27
(1)地域社会の連帯意識の再生と地域 の教育力の向上
(2)教育の原点である家庭の教育力 の向上
2
生涯学習社会における学びの成果 を生かす仕組みづくりを推進します
31
(1)県民の学習ニーズに応える社会教育の振興
(2)県民の健康・体力づくりをめざす 生涯スポーツの振興
3
国際化社会、多文化共生社会に生 きる豊かな人間性を育成します
39
(1)体験活動を通した豊かな心をはぐくむ学校教育の推進
(2)国際化時代に生きる子どもたちへの、人権教育を通じた
「共生」の心の育成
(3)子どもたちの「心」を支えるシステムづくりの推進
4
基礎・基本の定着を図り、一人一人 の「よさ」を生かし、創造性を伸
ばす教育に取り組みます
48
(1)基礎・基本の定着と「個」に応じ た学習指導体制の確立
(2)ノーマライゼーションに基づく 障害児教育の充実
(3)社会の情報化や環境問題等、今 日 的 な課題に向けた教育の推進
5
個性ある学校、開かれた学校づ く り を進めます
58
(1)個性をはぐくむ特色ある学校づくりへの支援
(2)県民の信頼に応える安全な学校づくりの推進
(3)教職員の意識改革と資質能力の向 上
第 Ⅳ部
兵 庫がめざす教育
各論
一覧表
資料
2
72
第Ⅰ部
基本的な考え方と背景
4
第1章
1
プログラムの基本的な考え方
策定の趣旨
日本の教育は、戦後、機会均等の理念を実現し、国民の教育水準を高め、
経済発展の原動力になるなど、その時々の時代の要請に対応しつつ、様々な
成果を挙げてきた。その一方で、核家族化や都市化の進展などを背景とし、
社会の連帯意識の喪失、家庭の教育力の低下などが進み、いじめや不登校と
いった深刻な課題に直面している。また、経済、社会のグローバル化、「I
T革命」の進展など、社会の急激な変化に対応した教育の創造が喫緊の課題
となっている。
国においては、こうした課題に対応した、新しい時代の教育の創造をめざ
して、平成13(2001)年1月に「21世紀教育新生プラン」を策定し、教育改革
関連6法の改正を行ったのをはじめ、中央教育審議会答申「新しい時代にふ
さわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」を得るなど、精
力的に教育改革に取り組んでいる。
本県においては、「こころ豊かな人づくり」を基調に、子どもたちを県民
が一体となってはぐくむ「県民運動」として教育に取り組み、特色ある教育
を推進してきた。阪神・淡路大震災に見舞われるという逆境にあっても 、
「こ
ころ豊かな人づくり」というテーマは、県民が一体となって取り組んできた
「教育の創造的復興」の中で息づいてきたと言える。
一方、平成13(2001)年2月に21世紀の兵庫の羅針盤である「21世紀兵庫長
期ビジョン」を、県民の参画と協働のもとに策定した。この長期ビジョンで
は、本県がめざす将来の社会像を四つの観点から提示しているが、その中で
教育の果たすべき役割を、「創造的市民社会」を創出する「人づくり」とし
ている。社会の成熟化の中で、「自律」した「個」が他者との「共生」のも
とに、自らの意志と判断と責任で社会づくりに「参画」し 、「協働」する中
で築かれていく社会、そのような社会を担う将来の県民を育てていくのが新
しい時代の本県教育の役割である。
すべての県民が、21世紀の兵庫の教育を推進していく当事者として、その
責任を果たしていくことを目的に、国の教育改革への取組なども踏まえ、ま
た、「こころ豊かな人づくり」としての教育や、震災の教訓を生かした本県
の「生きる力」をはぐくむ教育などを継承し、さらに、成熟社会に生きる「自
律した個の育成」につながる営みとしてのこれからの本県教育の具体的な方
向性を県民に示すことが本プログラム策定の趣旨である。
5
2
性
格
本プログラムは、国の教育改革の流れや本県が平成12(2000)年2月に策定
した「行財政構造改革推進方策」における「21世紀の人づくりの推進」など、
教育にかかわる重点課題や「 21世紀兵庫長期ビジョン」を踏まえ、さらには 、
県の生涯学習審議会やスポーツ振興審議会、障害児就学指導審議会、社会教
育委員の会議など、多くの審議会や委員会における提言や意見、また、平成
13(2001)年度に設置した「地域教育推進会議」における委員の意見など、県
民の教育に対する期待や幅広いニーズを反映させながら、県教育委員会が策
定した行政計画であり、平成15(2003)年度から平成19年(2007)年度までの5
年間に取り組むべき施策の方向性を示している。
なお、プログラム策定に先立ち、21世紀の教育の中・長期的な在り方につ
いて、有識者の意見を聴取したのをはじめ、策定にあたっては、平成13(2001)
年10月に教育関係者や学識経験者などで構成する「兵庫の教育改革プログラ
ム検討委員会」を設置し、多くの意見・提言、助言などを得るとともに、文
案作成においても多大な協力を得た。
3
構
成
本プログラムは、大きく四つの部から構成されている。第I部においては、
策定にあたっての基本的な考え方や背景、また、これまで本県が取り組んで
きた教育を概観し、第Ⅱ部の総論では、今後、本県がめざす教育の三つの基
本方針と五つの重点目標を示している。第Ⅲ部においては、重点目標を達成
するための重点課題と、それぞれの課題に対応して現在取り組んでいる施策
・事業、また、今後、重点的に取り組む施策の方向性を示している。なお、
第Ⅳ部は、第Ⅲ部の内容を一覧として表にまとめたものである。
4
運
用
本プログラムは、今後5年間の本県の教育行政の基本的な方針を示すとと
もに、各学校、教育関係機関はもちろんのこと、家庭や地域社会において取
組が期待される教育課題も示している。平成15(2003)年度以降の施策の方向
性で示した内容については、その趣旨にそって順次施策化を進めていくもの
である。また、取組状況については適宜検証し、その進捗状況を管理すると
ともに、国の制度改革や社会経済情勢の変化等に応じて、弾力的に運用して
いくものとする。
6
第2章
1
時代の潮流と教育課題
少子化・高齢社会の到来
少子化により子どもの絶対数が減少し、農村部などでは身近に同世代の遊
び相手を見いだしがたい状況が広がっている。都市部の新興住宅地などでは、
子どもたちが比較的多くいるとはいえ、地域の結びつきが弱く、塾通い・習
い事などで子どもの時間が細分化されていて、子どもたちの集団が容易に形
成されない状況が見受けられる。
このように、子どもたちのつながりが学校以外では減少しており、とりわ
け異年齢での活動が乏しくなっている。「群れて遊ぶ」ことで人間関係の持
ち方やルールを獲得するといった社会生活の基盤となる体験の機会が少なく
なっているのである。活発な集団遊びの不足は、子どもの心身の発達に影響
を及ぼし、ストレスをためる結果を招いており、子どもの居場所づくりが大
きな課題となっている。
家庭における子どもの数も減少傾向をたどり、第二次世界大戦前後に比べ
ると、兄弟姉妹で遊ぶ機会が少なくなっている。1970年代以降は一組の夫婦
から生まれる子どもの数の平均は2人余であまり変化は見られないが、都市
化の中で家庭相互のつながりが弱いことなどが影響して、家の中での一人遊
びやテレビゲームなどが多くなり、直接友だちと触れ合う交流が減少し、実
体験も少なくなる現状がある。
また、子どもに対する親の過度の期待によって、休日や深夜に及ぶ塾通い
なども見られ、子どもたちの地域活動の衰退をもたらしている面がある。学
校週5日制の完全実施もあって、子どもの活動の活性化に向けて、地域の取
組やそのための工夫が不可欠である。
大正9(1920)年に国勢調査が実施されるようになって以来、日本では核家
族世帯が半数以上であったが、近年はその数が一層増加し、子どもが家庭の
中で高齢者とともに生活することが減少している 。高齢社会の到来によって、
近隣に高齢者がいることは多くても、地域の連帯が希薄なところには子ども
が高齢者に日常的に接する機会は乏しい。今後、一層増加する高齢者に対す
る生活体験に基づいた理解が困難になるとともに、人間の尊厳や生命の重さ
についての実感、人間についての普遍的な価値観や倫理観の形成、世代を超
えた人生の知恵の継承・発展などに支障が生じることが予想され、世代間交
流の機会の増大が求められている。
2
社会の成熟化
高度経済成長がもたらした「ものの豊かさ」は、まだすべての人の物質的
7
欲求を満たすものとはなっていないものの、今日では多くの人にとって「心
の豊かさ」を追求することが課題となっている。また、人生が80年以上に及
ぶ社会にあって、ライフスタイル ※ にも大きな変化があり、NPO※・ボラン
タリーグループなどの増加にも見られる市民社会の拡大など社会の成熟化を
背景として、人々の価値観も多様化し、これまでの枠を超えた人々の取組が
進み、ボーダレスの新しい活動が次々と生まれており、教育においてもその
ことへの着目が必要となっている。
高度経済成長期が終わった今日、従来の産業構造や終身雇用制などの社会
の仕組みが制度疲労を起こし、産業の再編成や雇用形態の流動化が進む中で、
教育の分野でも、たとえば高校−大学−就職という従来の直線的な進路への
意識が低下しつつある。リカレント型の教育 ※も考えて、時代に合った教育
システムを再構築することが喫緊の課題となっている。
また、社会の変化や技術革新に対応して、生涯学習が必要となっている時
代にあって、人生のどのような局面でも学ぶことを可能とすることが重要で
あり、基礎学力を保障し、学ぶ意欲を育て、学習方法を体得させるなど、生
涯学習社会に対応した「生きる力」を育てることが、学校教育の重要な役割
となっている。とりわけ、社会教育の充実に向けた、学校開放を含め、あら
ゆる機会・場所において学ぶことができる環境づくりが不可欠である。
3
グローバル化の進展
20世紀の後半以降のグローバル化の進展は、モノや人の往来はもとより、
情報伝達や文化活動など日常生活の様々な面に波及している。また、世界的
な経済の相互依存の強まりの中で、世界各国の市場経済化が進行し、その単
一化が急速に進むなど、経済のグローバル化は、労働力の移動や就労移動の
広域化をもたらしている。世界の多くの国で社会の多民族化、国際化がます
ます進行しており、日本もその例外ではない。
教育においても、平成12(2000)年度には、海外に在留する日本人の子ども
の数(義務教育段階)は約5万人、小・中・高等学校、中等教育学校に在籍
する帰国児童生徒数は約1万1千人、日本語指導が必要な外国人児童生徒数
は2万人近くに達しており、その中での教育の在り方が問われている。
このような状況の中で、子どもたちに国際社会の中でこころ豊かにたくま
しく生きる力を育成することが求められており、国際社会に生きる日本人と
ライフスタイル 従来、生活様式 と呼ばれてきたが、衣食住だけでなく、交際や娯楽なども含む暮らし
ぶりを指す。さらに、生活に対する考え方や習慣など、文化とほぼ同じ意味で使われることもある。
NPO(NonーProfit Organization ) 市民の自発的な意志により、営利を目的としない 、社会的活動
を行う市民活動団体。
リカレント型の教育 学校教育を終了後、必要に応じて学習の場に戻って、生涯にわたって繰り返し学
習すること。
8
しての自覚や、民族や国籍を異にする人々が互いに自他の文化を理解し、異
なる習慣や文化を持った人々と共に生きる心をはぐくむことが重要な教育課
題の一つになっている。
また、外国人児童生徒はもちろん、親世代も含めての識字・日本語学習の
充実とともに、それぞれの文化の尊重についても配慮が必要である。
4
環境の危機
経済発展を支えてきた大量生産・大量消費の経済システムは、同時に地球
的規模での環境破壊をもたらし、人類の存亡にもかかわる事態を招来してい
る。その中で 、「ものの豊かさ」から「心の豊かさ」を求めるライフスタイ
ルに人々の意識が変わりつつあり、大量廃棄を生み出す社会のあり方に疑問
を抱くようになっている。地球温暖化防止をはじめとする環境保全のために
は、社会経済システムそのものの変革が不可欠であるという考え方が強まっ
ており、自然・社会の両面からの環境学習が重要になっている。
地域社会にあっては、消費者・生産者に共通して、環境を大切にすべきで
あるといった意識の高まりが見られ、ごみの分別やリサイクルなど環境に配
慮した取組が着実に定着している。しかし、その一方で、環境保全より便利
な生活を優先したいという子どもも少なくなく、環境教育の一層の充実が課
題である。
5
高度情報社会化
高度情報化の進展は、仮想現実の世界を通じて様々な分野で新たな可能性
を開いている。インターネットの活用などにより、だれもが容易に情報を獲
得でき、また、それらの情報をもとに積極的に社会参加する機会を増やすこ
とも可能である。その一方で、急速な情報社会化の波が、価値観の変化だけ
でなく、ものづくりなど文化に根ざした伝統技術の喪失や情報格差などによ
る不安、不公平感をもたらしている。子どもたちが高度情報通信社会の中で
主体的に生きていく力を身につける必要があり、学校教育をはじめ様々な場
での取組が求められている。
とりわけ、情報化の「影」の部分としての情報の過度の集中や、個人情報
の漏えい、新たな犯罪や人権侵害などに対応するためには、子どもだけでな
くすべての人に情報に関する教育が不可欠となっている。情報社会に対応し
た教育内容の構築、情報を的確にとらえるとともに批判的に読み解く情報リ
テラシー※の習得機会の拡大、情報モラル※ を身につけ人間性を高める教育の
展開などが今後の大きな課題である。
情報リテラシー 膨大な情報から必要な情報を入手し、効果的に利用するなど、情報を活用する能力。
情報モラル 情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方や態度。
9
第3章 兵庫の特色ある教育のあゆみ
どのような社会や国家であっても、それをつくるのは人であり、その人を
つくるのは教育にほかならない。兵庫の教育は、いつの時代にあっても教育
の根底にある人間尊重の精神という永遠に変わることのない理想を高く掲げ
つつ、様々に変化する社会事象の中で、個性や能力を発揮するという個人的
要請と、経済の発展や科学・技術の革新などを担う未来の人材の育成といっ
た社会的要請に正しく応える努力を積み重ねてきた。
ここでは、教育の理想を堅持する一方で、大きく変化する時代にあって、
教育に対する時代や社会の要請に本県教育がどのように取り組んできたかを
概観する。
1
「こころ豊かな人づくり」県民運動
経済先進国として日本が世界に認知されたのと同じころに、国民の意識も
「もの」から「心」へと大きく変化し、公共的な領域で活動することで満足
感を得るといった、それまで忘れられていた地域やコミュニティの大切さへ
の意識が県民に芽生えはじめた。
昭和62(1987)年4月、県民のこのような志向を支援する仕組みとして、県
では「こころ豊かな人づくり」「すこやかな社会づくり」「さわやかな県土づ
くり」の「三づくり運動」が「県民運動」として始められた。
そうした中 、「知識偏重」の教育を見直し、子どもたちに自然とのふれあ
いや体験活動を大切にすることを求めた「こころ豊かな人づくり」県民運動
を背景に、昭和63(1988)年に「 自然学校」が、また、平成2(1990)年からは、
「地域に開かれた学校づくり」のさきがけとして 、「土曜ふれあい学級」が
実施されるなど、県と市町、行政と教職員、保護者、住民が一体となって子
どもたちをはぐくむ取組が実現していった。
2
県立高等学校の特色化と新たな生徒指導
県立高等学校における、特色ある学校づくりの新たな展開としては、昭和
50年代後半から60年代にかけて、音楽科や国際文化科、美術科、演劇科とい
った専門学科の設置や、普通科における英語コース、理数コースの設置など、
多様化を推進してきた。
一方、平成2(1990)年、3(1991)年と相次いで発生した県立高等学校にお
ける校門での生徒圧死事件や入試改ざん事件などを契機として 、「こころの
通いあう学校運営」や「人間的なふれあいに基づく生徒指導の推進」など、
学校運営や生徒指導の在り方についての見直しが図られ、平成4(1992)年に
10
は、生徒たちがいきいきとした学校づくりを学校の特色に応じて取り組む「い
きいきハイスクール創成事業」がスタートした。
3
阪神・淡路大震災の教訓と教育の創造的復興
平成7(1995)年1月17日早朝、阪神・淡路大震災により都市機能が完全に
停止した。避難所となった学校では、避難住民、教職員、全国各地から集ま
ったボランティアなどで自主的な運営がなされ、学校は人々に安全と安心を
提供し、教職員は避難住民と共に教育活動の正常化に向け全力で取り組んだ。
大切な家族 、財産を奪われ 、心身共にどん底の状態にありながら、教職員 、
避難住民は、共に生きることの素晴らしさを改めて学び、また、学校を拠点
としたそのような取組が住民の自立を促し、復興への大きな推進力となった。
震災直後の教訓をその後に生かすため、県教育委員会は、平成7年4月に
「防災教育検討委員会」を設置し、同年10月に、「災害時における学校の役
割と防災機能の強化」「学校における防災教育の充実 」「心の健康管理の必要
性」などを内容とした提言「兵庫の教育の復興に向けて」を得た。
本県の防災教育は、従来の「安全教育」の充実に加えて、助け合いやボラ
ンティア精神など「共生」の心をはぐくみ、人間としての在り方生き方を考
えさせる「新たな防災教育」として位置づけられている点に特色がある。そ
の取組は 、「教育復興担当教員の配置」による子どもたちの心のケアの強化
や「防災教育担当教員 」「防災教育推進指導員」を中心とした研修の実施、
さらには 、「震災・学校支援チーム(EARTH)
」の創設や、地域防災合同
訓練への学校の参加など、従来の学校単独の「避難訓練」から学校が地域社
会と連携した取組へと発展をみせている。
また、阪神・淡路大震災は、被災地の学校における避難住民の受入れや教
育機能の回復に向けた取組を通じて、改めて学校が地域社会において果たす
べき役割やその在り方を問題提起した。県教育委員会では、その教訓から、
学校教育を家庭や地域社会との関係の中でとらえることの大切さを改めて認
識し、その具体的な方策について、
「学校教育審議会 」に諮問した 。そして、
平成9(1997)年10月に、同審議会より「家庭の教育力の向上」や「地域で子
どもたちをはぐくむ環境の整備」「PTA活動の活性化」など、「学校と家庭
との連携の一層の促進」や「学校と地域社会との連携の促進」についての答
申を得、その後の様々な施策に反映されることとなった。
4
「生きる力」をはぐくむ兵庫の教育
「新たな防災教育」を推進し、震災後の教育復興に取り組む中で、平成8
(1996)年、県立高等学校で生徒の自殺や、生徒の関係する凶悪事件が発生し
11
た。そこで、同年3月に「子どもたちに生きる力を育む教育懇話会」を設置
し、思春期にある子どもたちの人間関係の実態を理解すること、また、命の
大切さを感得させ 、「生きる力」をはぐくむ教育を教育全体の中でどのよう
に浸透させていくかといった課題について検討を進めた。同懇話会は、「子
どもたちの豊かな人間関係づくり」「子どもたち一人一人が生かされる学校
教育の創造」「家庭での子どもたちとのきずなづくり 」「子どもたちの成長に
かかわっていく社会づくり」などを骨子としてまとめ、
「 人権教育基本方針」
や「感動体験プログラム」の策定などを具体的な施策提案に盛り込んだ。
これを受けて県教育委員会は、平成9(1997)年に「感動体験プログラム構
想委員会」を設置し、どのようにして子どもたちに感動する心を育てるか、
また、学校教育の中で体験活動をどのように位置づけていくかなどを「感動
体験を目指す教育の展開」としてまとめた。教育における体験活動の重要性
は、すでに「自然学校」という先駆的事業によって立証済みではあったが、
この委員会により理論づけを行い、高等学校における科目「体験活動」の設
定や、県立人と自然の博物館における「ジャングル感動体験」事業などを実
施していった。
また、人権教育の基本方針の策定については、
「人権教育の在り方懇話会」
を設置し、人権に関する様々な教育課題が浮上する中で、人権という普遍的
文化の構築をめざす教育の在り方や、人権尊重の生き方に必要な資質や態度
の涵養、指導者の育成などについて検討し、そこから得た提言に基づいて、
平成10(1998)年3月に全国で初めての「人権教育基本方針」を策定した。
その後、県教育委員会は 、「人権教育基本方針」や、平成11(1999)年に県
が策定した「地域国際化推進基本指針・フォローアップ※ 方策」に基づき、
「外
国人児童生徒にかかわる教育指針」を平成12(2000)年8月に策定し、外国人
児童生徒への支援体制や指導理念の確立、さらには、教職員の研修体制の整
備などの必要性についても明文化した。
5
「心の教育」の新たな展開
平成9(1997)年6月、神戸市須磨区の児童殺傷事件の被疑者として中学3
年生の少年が逮捕され、全国に大きな衝撃が走った。「現在の子どもたちの
置かれている状況をどうとらえればよいのか、また、子どもたちの心の成長
をどう図っていくのか」という課題が突きつけられた事件であった。
県教育委員会では、平成9(1997)年8月に「 心の教育緊急会議」を設置し 、
各界の有識者から意見聴取を行い、10月には「生と死を考え、生命の大切さ
フォローアップ
追跡調査して、結果を見届けること。また、事後の面倒を見ること。
12
を学ぶ教育」「家庭における基本的な生活習慣や倫理観等の育成」「心の教育
の充実に向けた教育システムの在り方」を内容とした提言を得た。
これらの提言を踏まえて、「生と死を考える教職員研修」の実施や副読本
「生き方を学ぶ性教育」の作成、さらには子どもたちの内面に自己肯定感※
や成就感、あるいは規範意識などをはぐくむことをねらいとして、小学校に
おいては「自然学校」を位置づけ、中学校においては新たに「トライやる・
ウィーク」を、また、高等学校においては、「ふれあい育児体験」や「イン
ターンシップ」など、体験的な学習活動を内容とした「クリエイティブ21」
を実施した。また、障害児教育諸学校においては、地域社会と一体となった
体験的学習活動を行う「YU・らいふ・サポート事業」などを実施し、各校
種にわたる系統的な取組を展開してきた。
とりわけ、中学校2年生全員が一週間学校を離れ、職業体験、福祉・ボラ
ンティア体験 、芸術・文化活動などを体験する「トライやる・ウィーク 」は 、
地域において受入先として協力いただくことを通して 、「こころ豊かな人づ
くり」県民運動を基盤とした教育分野における地域住民が組織化された初め
ての事業となった。その意味で、平成10(1998)年は、本県の教育史を語る上
で、学校が地域社会の組織的な教育力を活用した最初の年となった。また、
受入先にとっては、地域社会の子ども像の再発見にもつながり、教育分野に
おける県民の「参画と協働」の芽生えとなった。
6
個性を伸ばす教育の推進
(1)小・中学校における新たな学習システムの導入
学校においては、最近の全国的な傾向として、小学生の3割、中学生の5
割が授業を十分には理解していないといった実態や、いじめ・不登校などが
相変わらず増加傾向にあり、また、いわゆる「学級崩壊」の発生といった教
育課題が深刻さを増す状況がある。
こうした状況に至った背景の一つに、知識注入型の画一的な学習指導が依
然として解消されていないことや、しつけや基本的な生活習慣など、本来家
庭で身につけさせるべきことまでが学校に委ねられており、教職員がその対
応に追われていることがあげられる。そうした中で、学習面については、基
礎・基本が十分に定着していないなど、学力についての懸念が生じている。
また、教員の一部には自分のクラスを抱え込む傾向があり、それがかえって
多くの問題を発生させたりしている。
自己肯定感 自分自身のことを肯定的にとらえることで、自分のよさを生かし、前向きな行動をとろう
とする姿勢や態度につながる。
インターンシップ
生徒が産業の現場などで、自身の学習内容や進路などに関連した就業体験をするこ
と。
13
本県では、平成11(1999)年9月に「新たな学習システムの在り方等に関す
る調査研究会」を設置し、児童生徒一人一人の個性や能力の伸長と基礎学力
の向上に向けた提言を得た。
報告の中で 、
「学力」とは、子どもたちが単に知識を覚えるという「知る」
段階から、それらの知識が生きて働く力となる「分かる」段階に高まり、子
ども自身の内面に価値判断の尺度が形成される「力」のことであるという考
え方が示された。続いて、子どもたちがそうした力を獲得する手法として、
自然体験や生活体験、社会体験などに基づく理解、体験的な学習が不可欠で
あると述べ、その上で、これからの学校は、児童生徒数を一律に減じた学級
編制を導入するのではなく、子どもたちや地域の実態に応じて、教科担任制
や同室複数指導、弾力的な学習集団の編成等を行うなど、新たな学習システ
ムの研究開発に努め、学ぶことの喜びや達成感・成就感を子どもたちに実感
させることが肝要であるとした。そして、そのためには、保護者や地域住民
の教育への理解と、学校・家庭・地域社会が連携・協力することが不可欠で
あり 、「開かれた学校づくり」の推進と、各学校に対する教育行政の支援体
制の充実を提言した。
県教育委員会では、このような提言を受け、平成13(2001)年度より国の第
7次教職員定数改善計画を活用して、複数担任制・教科担任制や少人数学習
等を内容とする新学習システムを実施し、児童生徒の発達段階や教科の特性
等に応じてより柔軟に多面的できめ細かな指導を推進している。
(2)高等学校における教育改革の推進
臨時教育審議会や第14期中央教育審議会の答申が出されて以降、高等学校
の改革は、量的拡大から質的充実へ、形式的平等から実質的平等へ、偏差値
偏重から個性尊重・人間性重視へと大きく動いてきた。兵庫県においても、
こういった流れを背景として、昭和63(1988)年には「高等学校教育問題調査
研究会」を、また、平成5(1993)年には「高等学校教育に関する懇話会」を
設置し、それらの報告に基づき、単位制の導入や総合学科の設置、入学者選
抜における推薦制度の拡充など、生徒一人一人の個性を伸長させるための高
等学校教育の多様化・個性化が進められてきた。
さらに、震災の教訓を踏まえるとともに、国際化や情報化、少子化、生涯
学習社会の進展といった時代の変化に呼応した高等学校教育の在り方を検討
するため、定時制高等学校については、平成9(1997)年5月に「生涯学習社
会に対応した単位制高等学校基本計画策定委員会」を、また、全日制につい
ては、平成10(1998)年7月に「全日制高等学校長期構想検討委員会」を設置
し、21世紀を展望した本県の高等学校教育の在り方について提言を得た。
14
全日制高等学校については、提言をもとに、①「個性を尊重する多様で柔
軟な高校教育への転換 」、②「生徒急減に対応した学校の望ましい規模の確
保と配置の適正化の推進」、③「過度の受験競争の緩和と、生徒の主体性を
生かせる選抜システムの工夫」、④「生涯学習社会に対応し、地域に開かれ
た学校づくりの推進」といった四つの改革の視点を示した「県立高等学校教
育改革第一次実施計画」を策定した。現在、平成15(2003)年度までの前期計
画に基づき、単位制高等学校や総合学科の設置拡充、中等教育学校の新設、
特色ある専門学科の設置推進など、各学校の特色化を進めている。
また、定時制高等学校については、全日制課程への進学志向の高まりや生
徒数の減少などを背景として、定時制高等学校の適正配置・活性化方策が検
討された。その結果、これまでの定時制高等学校の枠を大きく転換し、生涯
学習機関としての機能も有した、昼間部・夜間部を持つ新しい単位制高等学
校設置の提言を受け、平成13(2001)年4月に多部制・単位制の高等学校を阪
神地域に開設した。
7
家庭や地域の教育力の充実
(1)学校と家庭や地域との連携
子どもたちの健やかな成長には、学校における組織的・計画的な学習に加
えて、家庭での親子のふれあいや地域社会での人々との交流が不可欠である。
本県では「心の教育緊急会議」の提言を受けて、教職員・保護者・地域住民
の三者で構成する「心の教育に関する学校・家庭・地域連絡会議」を設置し
た。さらに、「トライやる・ウィーク」の全県実施が契機となって、「校区推
進委員会」を中心とした学校・家庭・地域の三者の連携による教育活動への
取組の成果を認識するにいたった。
このように、学校が家庭や地域社会の協力を得るためには、平素より「開
かれた学校づくり」を進めていくことが重要である。県立高等学校では「オ
ープンハイスクール」の実施による中学生やその保護者への学校の説明会を
開催するなどの取組を始めた。また、小・中学校では 、「いきいき学校」応
援事業の実施などにより、「総合的な学習の時間」などの学習活動を地域住
民がボランティアとして支援する取組などが進められている。また、専門性
の高い人材の支援を得 、「開かれた学校づくり」を進めることで、授業の工
夫改善に対する教職員の意識の向上にもつながってきている。
(2)家庭の教育力向上への取組
学校が家庭や地域社会との連携を図っていくには、家庭にしっかりとした
教育力があることが重要である。平成9(1997)年3月に開催された本県社会
15
教育委員の会議では、「子育ての『共同化』に向けて∼子育て学習センター
を核とした子育て支援方策の新たな展開∼」と題する報告の中で、父親や母
親だけではなく、地域のあらゆる世代が積極的に子育てにかかわる「子育て
の共同化」を提言した。その具体的な施策として、平成9(1997)年度から平
成11(1999)年度の3年間「子育て学習活動支援事業」を実施した。
さらに、平成12(2000)年度の同会議において「家庭教育機能の充実に向け
た支援の在り方について」をテーマとして審議した。報告では、教育の原点
は家庭であることを改めて確認し、家庭教育は個々の親が行う私的な教育で
あると同時に、次世代を担う子どもたちをはぐくむことであり、地域社会に
とっても重要なテーマと位置づけた。そして 、「子育て学習センター」を中
核として地域のあらゆる子育て関係機関・団体が連携して、親を対象とした
子育て支援を図る「地域子育て支援事業」を展開していった。
さらに、平成13(2001)年度には、「家庭の教育力の充実に果たす行政の役
割」や、同年7月の社会教育法の一部改正による新たな行政の役割について
審議し、学校週5日制のもとで、子育て関係機関・団体の連携の強化や家庭
教育に関する学習機会の充実についての提言を得た。
(3)地域社会の教育力向上への取組
阪神・淡路大震災による危機的状況の中で、学校や公民館施設を核とした
地域住民の力が復興へ大きく貢献した。子どもたちに社会生活におけるルー
ルの大切さ、正義感、倫理観をはぐくむという「心の教育」において地域の
教育力が果たす役割の大きさを認識するところとなった。
平成11(1999)年度から「全国子どもプラン」に関連した「子ども情報セン
ター」事業や「子どもいきいきクラブ」事業などを実施し、平成12(2000)年
度の社会教育委員の会議において、実施事業の拡充方策について審議した。
その結果、子どもの心をはぐくむ体験活動の企画と情報提供の充実、実施し
た体験活動に対する評価の在り方、子どもの心の教育を目的とする体験活動
を通した地域づくりの方策などについての具体的な報告がなされ、それに基
づいて「PTCA活動※ 支援事業」や「地域教育推進委員制度」など地域社
会の教育力向上に向けた施策を実施した。また、平成13(2001)年度の社会教
育委員の会議においては、「地域の教育力を生かす社会的な仕組みづくりに
ついて」をテーマに審議し、具体的な事業として「ふるさと文化再発見アク
ションプラン ※ 」がスタートした。
PTCA 活動 従来のPTAにC(community =地域)を加え、地域が支える地域の学校をめざし、学
校の教育活動へ地域の人材が参画・協働する、PTAを中核にした教育支援活動。
アクションプラン 一般的には、行動計画を指す。
16
8
生涯スポーツの振興
阪神・淡路大震災の被災地においては、ボランティアによるスポーツやレ
クリエーション活動が活発に展開され、また、各競技団体の開催するスポー
ツ活動が復興への夢と感動を提供してきた。こうしたことを踏まえ、スポー
ツによる地域社会づくりを目指すとともに、県民が各ライフステージ※ にお
いて主体的、継続的にスポーツに親しめる生涯スポーツ振興のための方策が
必要であるとの観点から、平成10(1998)年9月に兵庫県スポーツ振興審議会
にその在り方について諮問した。
そして、同審議会より、各ライフステージにおけるスポーツ環境の現状と
課題、また、青少年から高齢者までの多世代の地域住民が一緒になってスポ
ーツを通して主体的に活動する仕組みづくりの現状と課題、及び震災復興に
向けた取組の方策についての答申を得た。
この答申に基づき、県教育委員会では、平成13(2001)年3月に「兵庫県生
涯スポーツ振興計画∼スポーツルネサンス・プラン∼」を策定し、多様化す
るスポーツのニーズ、子どもから高齢者までが生涯にわたり明るく豊かな生
活を送るため 、「いつでも、どこでも、気軽に、継続的にスポーツに親しめ
る環境づくり」への取組として 、「スポーツクラブ21ひょうご」の展開、学
校体育施設の開放事業の推進など、生涯スポーツの振興の観点からの取組を
進めている。
ライフステージ 人間の一生を段階区分 したもの。幼少年期 ・青年期・壮年期・老年期などと分けた段
階。
17
第Ⅱ部
兵庫がめざす教育
−総
論−
18
兵庫がめざす教育
基
調
三 つ の
基本方針
体
表
“美しい兵庫”をめざすこころ豊かな人づくり
1
創造的市民社会を担う子どもたちの「生きる力」をはぐくみます
2
県民の参画と協働のもと、学校が家庭や地域社会と一体となり、
新しい時代の教育環境づくりを進めます
3
ふるさとの自然や文化を愛し、生涯にわたり、豊かな自己実現を
図ることのできる学びを支援します
(1) 地域社会の連帯意識の再生と地
域の教育力の向上
1 地域の子どもたちを支え
励ます教育を支援します
(2) 教育の原点である 家庭の教育力
の向上
(1) 県民の学習ニーズに応える社会
教育の振興
2 生涯学習社会 における学
びの成果を生かす仕組み
づくりを推進します
13
五 つ の
重点目標
系
3 国際化社会、多文化共生社
会に生きる豊かな人間性を
育成します
の
(1) 体験活動を通した豊かな心をは
ぐくむ学校教育の推進
重
(2) 国際化時代に生きる子どもたち
への、人権教育を通じた「共生」
の心の育成
点
4 基礎・基本の定着を図り、
一人一人の「よさ」を生か
し、創造性を伸ばす教育に
取り組みます
(2) 県民の健康・体力づくりをめざ
す生涯スポーツの振興
課
題
(3) 子どもたちの「心」を支えるシ
ステムづくりの推進
(1) 基礎・基本の定着と「個」に応
じた学習指導体制の確立
(2) ノーマライゼーションに基づく
障害児教育の充実
(3) 社会の情報化や環境問題等、今
日的な課題に向けた教育の推進
(1) 個性をはぐくむ特色ある学校づ
くりへの支援
5 個性ある学校、開かれた学
校づくりを進めます
(2) 県民の信頼に応える安全な学校
づくりの推進
(3) 教職員 の意識改革と資質能力の
向上
19
第1章 「基調」と「三つの基本方針」
1 基
調
“美しい兵庫”
をめざすこころ豊かな人づくり
本プログラムは、21世紀初頭における兵庫県の羅針盤である「21世紀兵庫長
期ビジョン」が描く「創造的市民社会」の実現をめざして、臨時教育審議会以
降の国の教育改革の流れや、「こころ豊かな人づくり」県民運動の教育におけ
る成果や震災の教訓を生かし、本県が進めてきた「生きる力をはぐくむ」兵庫
の特色ある教育の取組を踏まえながら、教育の果たすべき役割と、これからの
本県の教育の進むべき目標、目標を達成するための課題、それぞれの課題に対
応した取組について、体系的に述べたものである。
県教育委員会は、本県の教育の「基調」を、「21世紀兵庫長期ビジョン」が
掲げる兵庫のめざす将来像「美しい兵庫21」の人づくりを担うという意味を込
めて、“
「 美しい兵庫”をめざすこころ豊かな人づくり」とする。
2
三つの基本方針
「
“ 美しい兵庫”をめざすこころ豊かな人づくり」を実現させるための諸施策
を形成していくにあたっては 、以下に示す三つの基本方針に照らすものとする。
(1) 創造的市民社会を担う子どもたちの「生きる力」
をはぐくみます
「創造的市民社会」 ※とは、社会の成熟化の中で、「自律」した「個」が他者
との「共生」のもとに、自らの意志と判断と責任で社会づくりに「参画」し、
「協働」する中で築かれていく社会である。すなわち 、「個」と「個」、「個」
と「公」の調和のとれた新しい時代の新しい社会像であり、本県がめざす21世
紀の社会像の一つである。
このため、学校のみならず、家庭や地域社会などあらゆる場面で、大人がそ
の範を示しつつ、子どもたちに「自律」と「共生」の力をはぐくみ 、「創造的
市民社会」に生きる子どもたちの育成をめざす。
「創造的市民社会」 兵庫がめざす四つの社会像の一つ。他に、営みの循環を促す「環境優先社会」、しごとの創造
を図る「しごと活性社会」、県土の活用を進める「多彩な交流社会」を掲げている。
20
(2) 県民の参画と協働のもと、学校が家庭や地域社会
と一体となり、新しい時代の教育環境づくりを進め
ます
大きく変化する時代を背景として、子どもたちの育成についてこれまで果た
してきた、学校や家庭、地域社会という従来の枠組みによる役割分担は通用し
なくなってきている。
これまでの学校を中心とした教育から、学校、家庭、地域社会が単なる役割
分担的な連携ではなく、それぞれが子どもたちの成長にかかわる当事者として
の自覚と責任に基づいた連携が求められている。学校や教育行政機関は家庭や
地域社会の声に耳を傾け、県民が求める教育ニーズ※ をしっかりと受け止め、
家庭は「教育の原点はまず家庭にある」ことを、また、地域社会は「子どもた
ちが我々の未来を担う県民すべての共通の財産である」ことを一層自覚し、す
べての県民が一体となって子どもたちの教育にかかわることが求められてい
る。
このため、学校はもちろんのこと、家庭や地域社会も、新しい時代にふさわ
しい教育力を持つことが求められており、県民すべてが英知を結集して、時代
の変化に柔軟に対応した教育環境づくりを進める。
(3) ふるさとの自然や文化を愛し、生涯にわたり、豊
かな自己実現を図ることのできる学びを支援します
社会の成熟化が進み、人々の価値観が多様化する中で、人生80年を自分なり
の価値観に基づき、自分なりのライフスタイルで生きていく「生涯学習社会」
が到来している。就労後も退職後も、生涯を通じた「学び」は、豊かな自己実
現を図る原動力とも言え、新しい時代を生きる子どもたちに不可欠な力である。
学校教育においては、「生涯学習社会」に生きる子どもたちに、その基礎と
なる力を育成していくことが求められている。また、教育行政においても、県
民が生涯にわたり自己実現を図っていく「学び」を支援する環境整備が求めら
れている。
一方、人々の価値観の多様化は、社会規範の急速な低下も招いている。子ど
もたちが、自身をはぐくんでくれたふるさとの自然や文化をしっかりと受け止
め、自らのアイデンティティ※ を確立し、生涯にわたり自己実現を図っていく
「学び」を支援する。
教育ニーズ
教育に関する必要性、需要、要望など。
アイデンティティ 一般的には、独創性・個性などを意味するが、意味を拡大して、組織・集団・民族・国家など
への帰属意識の意味にも用いられる。
21
第2章
五つの重点目標
1 地域の子どもたちを支え励ます教育を支援します
子 どもたちは、それぞれに良さ や可 能 性を秘 めた、将 来の社 会を担 ってい
く、私 たち 共有の 財産である 。この 観点 に立て ば、子 どもたちの 教育 には、
「学校 」や 「家庭 」を含 めた 社会全体が 責任をもってかかわる必 要があると
言える。
これまで 、 教育 と言 えば 、「 学 校」 が そ の中 心を 占め 、教 科 等の 学習活動
の み な らず 、「 基 本 的な 生 活 習 慣」 や「 公共心 」、「道 徳 心」 と い っ た子 ども
たちの生 活の全 般に大き く関与し 、責 任を負おうとする傾向があった 。また 、
社会も学 校に そ の責任を 求める傾 向があった 。もちろん 、学校が「 学習活動 」
以外の 教育 にも携 わることは 必要なことではある。しかし 、社 会 的な 規範意
識が十 分 育っておらず 、学校だけでは支 えきれなくなった子どもたちが 、
「家
庭」や 「地域社会 」へと 逆流 し、社 会 全 体の規 範の急 激な 低下にもつながり
つつあるといった 深刻な 状況 も見られる 。大き く変化 する 時代に あ っ て、学
校だけですべてを担おうとするには限界 があり 、その限 界を超えたところに 、
今日の子 どもたちをめぐる様々な 問題の 一因があると言え る。
人 々の価値観の多様化が 進む一 方で、 新たな 社会規範 の創造 が求められて
いる時 代にあって 、社会 の共 通の財 産である子 どもたちの 教育に 「学 校」だ
けが 責 任を 負 う の で は な く 、「 家庭 」や 「 地域社会 」 が、 様 々な 立場 か ら、
自らの 責任 において担っていくことが、 新しい 時代の 人づくりであり 、そう
した営 みを 通じて 、21世紀にふさわしい 新しい 地域 づくり 、まちづくりがか
なえられると考 える。
2 生 涯 学 習 社 会 における学 びの成 果 を生 か す仕組 みづくり
を推進します
生涯学習 は、個人 に生き る喜び や感動 をもたらし、豊 かな心 ををはぐくむ
とともに、 学習の 成果を 生かして社 会に 参画することを通 じて、 柔軟 で活力
ある社 会の 形成に 資するものである 。いつでも 、どこでも 、だれでも 学ぶこ
とができる 生涯学習社会 を構 築する 中で 、県民一人一人が 、学び を通 じて様
々な生 きがいを見 いだすとともに、 成熟社会に 生きる 市民 としての資質能力
を身に つ け 、地域社会の 課題解決に主 体 的に参画 することが期待 されており、
これはまた、県 民の権利 でもあるだろう 。
生涯学習社会においては 、学ぶことによって 得たものとともに、学 ぶこと
自体が 適切 に評価 され、 その 成果が 様々 な形で 活用で き、 市民の 創 造 性が発
揮で き る社 会 をめざすことが 求 め ら れ て い る。 し か し 、「 い つ で も、 どこで
も学べ る」 環境は 整備の 途上 にあり 、県 民の意 識も十 分に 育っているとは言
えない 状況 にある 。高等学校 におけるインターンシップの 積極的導入 をはじ
めとして、 子どもたちに 、望 ましい 職 業 観・勤労観及 び職 業に関 する 知識や
技能を 身につけさせるとともに、自 己の 個性を 理解し 、主体的に 進路 を選択
する能 力・ 態度を 育てるといったキ ャ リ ア教育 の充実 な ど も含め 、生涯学習
22
社会にふさわしい 学びの 仕組 みをつくりあげていくことが 重要な 課題 となっ
ている 。ま た、高度情報社会 が進展 する 中で、 情報通信技術を積極的 に活用
することによって 、地 理 的・ 時間的制約 を超え た多様 で豊 富な学 習 機 会を提
供できるようになるだけでなく、生 涯 学 習に対 する人 々の 意欲や 興味 ・関心
を高め、 生涯学習の推進 に大きく 貢献すると思われる。
さらに、 社会教育施設や 地域にある歴史文化遺産な ど は、学校教育 との関
連の中 で、 あるいは家庭教育 や地域社会 との関 連の中 で、 教育資源として大
きな 潜 在 力 を持 っており 、「学 校 」「家 庭 」「 地域社会 」 の教育力 を 一層活性
化さ せ る財 産とも 言え、 こうした教 育 資 源を子 どもたちの 教育に 存分 に生か
す方途が 求められている 。
ま た、スポーツは 人生をより豊 かにし 、充実 したものにするとともに、人
間の身体的 ・精 神 的な欲 求に 応える 世界共通の 文化の 一つであり 、明 るく豊
かで活 力に 満ちた 社会の 形成 や一人一人 の心身 の健全 な発 達に不可欠 なもの
であるという認識 に立っ て、 県民が 生涯 にわたってス ポ ー ツに親 しむことが
できる生 涯スポーツ社会 を築いていくことが求められている。
3
国 際 化 社 会、多 文 化 共 生 社 会 に生き る豊か な人 間 性を
育成します
人 は様々 なことを 学びながら成 長していくものであり 、し か も生涯 を通じ
て学び 続けてこそ 人間と し て の成長 も期 待で き る。変 化の 激しい 今日 の社会
において 、子 どもたちが豊か な人間関係を築きながら 、自 らの人 間 性を高め 、
学んだ 事柄 を「知 る」という 段階か ら、 生きて 働く力 と な る「分 かる 」とい
う段階 に高 めていくには 、自然体験 ・生活体験 ・社会体験 など、 実 体 験や主
体的な 活動 に基づ く理解 が欠 かせない。 体験を 通して 「分 かる」 こ と は、子
どもの 内面 に価値判断の 尺度 の形成 を促 す。様 々な体 験を 通じて 、自 然や生
命への 畏敬 の念、 新たな 発見 や驚き 、学 ぶことの喜び や達成感・ 成 就 感など
を実感 さ せ る機会 と場を 設け 、子どもたちに豊 かな人間性 を培う こ と が、今
後の学校教育においてはますます 重要である。
さ て、世 界は今、 文化や 経済をはじめとして 、様々な 分野の 活動が 地球的
規模で 展開 され、 国境や 文 化 圏を超 えた 相互依存の様 相を 強めている 。この
ような グローバル 化やボーダレス化 が進 行する 中で、 あらゆる国 、様 々な文
化を持つ 人々と 「共生」 できる資質能力 が子どもたちに求 められている。
すべての 人の基本的人権 を尊重 し、人 権と い う普遍的文化を 構築すること
を目標 に、 互いに 信頼し 、尊 敬し合 うこころ豊 かな子 どもたちを 育成 する。
そのためには、子 どもたちに 自国の 文化 や伝統 の大切 さを 理解させるととも
に、他 国の 歴史や 文化についても深 く理 解させることが21世紀を 生き る子ど
もたちには 必要である。 人権尊重の 精神 を基盤 として 、国際的視野を 持ち、
異なる 文化 を理解 し尊重 する 態度や 、異 なる文 化を持 った 人々と 共に 生きて
いく態 度な ど、国際社会全般 に視野 を広 げる中 で人間教育 を推進 し、 多文化
共生社会 に生き る国際性豊かな人 間を育 成することが重要 な課題 である。
23
その 一 方で 、学 校に お け る「 暴力行為 」「いじめ 」「 不 登 校」 等の 現状 は、
依然として 深刻である。 その 原因は 、家 庭でのしつけの問 題や子 どもたちの
多様な 能力 ・適性 などに 柔軟 に対応 しきれない 学校の 体制 、さらには 、子ど
もたち 自身 の生活体験の 不足 や、物質的 な豊かさの中 での 他人へ の思 いやり
や人間相互 の連 帯 感の希薄化 、対人関係 を円滑 に築けないことなど、 子ども
たちを 取り 巻く社会状況 の悪化等の 要因 が複雑 に絡み 合っ て発生 していると
考えられ 、簡単 には解決 できない 様相を 呈している。
こうした 状況に対 して、 臨床心理士などとも 連携を図 り、専門家の 助言も
入れながら 、問題 を抱え た子 ども一 人 一 人や家 庭に、 適切 な指導 ・支 援を行
うことはもちろんのこと 、対症療法的な 対応ではなく 、子 どもへの共感的理
解や人間的 なふれあいなど、 学校や 家庭 において、日 頃か ら積 極 的にかかわ
っていく 必要がある。
4 基 礎・基 本の 定 着を図り、一 人 一 人 の「よさ」を生か し、創
造性を伸ばす教育に取り組みます
学校教育 が本来果 たすべき役割 の一つ は学習指導であるが、 そのめざすと
ころが 単な る「知 識」の 獲得 や、そ の量 を競うものであってはならない。子
どもたちに 必要な 学習活動と は、生涯学習社会 に生き て い く基礎 と な る生涯
を通して「 自ら 学び 、自ら考 える力 」を培 うことや 、道徳教育などを通し て 、
道徳性や 豊かな 人間性を 主体的に 身につける活動 である。
子どもたちをこうした「 学 び 」へ導くためには 、
「 興味・関 心 」を持た せ 、
「知 る 」喜 び 、「 学ぶ 」 楽し さ を実 感させることが 大 切で あ る。 す な わ ち、
一人一人の 子どもたちの 興味 ・関心 を引 き出し 、個性 を開 花させ 、創造性を
伸ばす学習活動 が求められている 。
基 礎・基 本の定着 を図り 、子どもたちの多様 な個性と 創造性 をはぐくみ、
その能 力を 伸ばしていく 中で 、子どもたちの自 分に対 する 自信と 誇り が生ま
れ、いきいきとした学習活動が実 現していくと言 える。
一 方、障害児教育 においては、 こうした「基 礎・基本 」の定 着や「 個に応
じた多 様な 教育」 が当然 のこととして行 われてきていることに注 目すべきで
ある。 家庭 や学校 が、一 人 一 人の子 ど も の障害 の状態 に応 じて、 きめ 細かな
指導を 行い 、子どもたちの自 立に向 けた 支援が 展開されている。 障害児教育
における課 題は、 むしろ 、障害児に 対す る支援 が、家 庭や 学校に 強く 依存す
る傾向 にあるという点で あ ろ う。障害児教育は 、障害 の あ る子どもたちへの
支援を 通し て自立 を図るためのものである。我 々の社 会は 、障害 の有 無にか
かわらず、 だれもが社会 の一 員としてともに生 きることができる 仕組 みを持
つことが本 来の姿 であるが、 いまだそのことが 不十分 であるために、 特別な
支 援 策 が必 要 と な っ て い る と理 解 する 必要 があり 、 ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン ※
の理念を 実現す る取組が 教育分野 においても求められている。
ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン 障害のある 人に、す べ て の人がもつ通 常の生活を送 る権利を可能な 限り保障す
ることを目標に社会福祉を進めること。
24
大 き く 変化 す る 時 代を 背 景 と し て 、 社 会の 国 際 化、 少 子 高 齢 化 、 地 球 的
規模 で進む 環境破壊 、高度情報化 など、 今日的課題に対 応した 教育が 学校教
育に 求められている 。また 、子どもたちの「活字離れ」 といったことへの対
応も喫緊 の課題 であり、 重点的な 施策対応が必要 である。
5
個性ある学校、開かれた学校づくりを進めます
従 来、学校教育は 、教育 の機会均等や 全国的 な教育水準の維 持といった観
点から 、等 質な教育内容を提 供することに努 めてきた 。しかし 、そ の一方で 、
人々の 価 値 観が多様化す る中 で、地 域や 子どもたちの 実態 に合わない 画一的
な教育内容 が提供 されるといった、 住民 のニ ー ズに合 わ な い側面 も指 摘され
ている 。こういった課題 に対 して、 学校選択制 を導入 し た り、コミュニティ
・スクール ※ などの新 しいタ イ プの学 校を模索 する自 治 体も現 れてきている 。
新 しい時 代にふさわしい 学校は 、個々 の子どもたちの 社会的自立のための
準備の 場ととらえる必要 が あ り、そのためには 、子ど も た ち一人一人 の多様
な個性や 能力が 引き出さ れ、伸長 される 場であることが求 められている。
こ の ことを実現するためには、 従来か ら言われてきた 学校施設の地域社会
への開 放といったことに 加え て、学 校は 「教え る側」 の論 理だけではなく、
教育を 受け る側の 立場に 立っ た教育活動 を展開 する必 要がある。 すなわち、
教育目標や 活動状況、そ の成 果な ど を積極的に 家庭や 地域社会に 伝えていく
といった説明責任 を果たしていくとともに、家 庭や地 域 社 会の声 に積極的に
耳を傾 け、 学校経営に反 映させたり 、地域住民 の「参 画」 を得た 教育活動を
行うなど 、
「 開 かれた学 校づくり 」に着 実に取 り組むことが求められている 。
「 開か れ た学校づくり」 を進めることは、地 域が育て 、地域 を育て る学校
づくりを進 めることでもあり 、また 、単 一の価値観や 評価基準による 序列化
ではなく、 多様な 価値観 を認 め合い 、自発性を 互いに 支え 合う社 会を 実現さ
せることにもつながる。 先の 阪神・ 淡路大震災 では、 地域 に果た す学 校の役
割の大 き さ を改め て知ることとなったが 、その 教訓は 、本 県の「 新た な防災
教育」へ の取組 として、 今日に至 っている。
ま た、新 しい時代 にふさわしい 学校づくりには、そ れ を担う 教職員 の意識
改革や 資質能力の 向上が 鍵となる。 教 職 員は、 それぞれの 職務内容や 自身の
生活が い か に個 別 的であろうと、共 通の 時代背景の中 で、 次の時 代に 生きる
子ど も たちと向か い合っ た仕 事をしている。そ の意味 では 、教 職 員は 社会の
未来を託 されているとも 言える 。21世紀 の兵庫の 教育を 活性化させるために 、
教育の 担い 手で あ る教 職 員が 高い志 と情 熱を持 ち、優 れた 指導力 のもとに、
新しい 学校 づくりに主 体 的に 参画していくことが重要 で あ り、そのための資
質能力 や指導力の 向上が 求められている 。平成 14(2002)年 1月の 「教職員の
資質向上に 関する 懇話会 」の 提言のもと 、同年 5月に 策定 された 「教職員の
パワーアッププラン」を 具体的に 進めるなどの環境整備が 急が れ る。
コミュニティ・スクール
地域独自のニーズに基づき 、地域が運営に参画する新しいタイプの公立学校 。
25
第Ⅲ部
兵庫がめざす教育
−各
論−
26
1
(1)
地域の子どもたちを支え励ます教育を支援します
地 域 社 会 の 連 帯 意 識 の 再 生 と地 域 の 教 育 力 の 向 上
① す べ て の 県 民 が 子 どもたちの教 育 に か か わ る取 組
完全学校週5日制が始 まり、子どもたちが週末を地域で過ごす機会が増え
る状況の中で、地域社会 の教育力の再生が喫緊の課題であると同時に、その
再生に向けた取組の絶好 の機会となっている。地域社会には、子どもたちの
学びのための題材や人材 が豊富にある。こうした教育資源を活用し、体験活
動などを通して、子どもたちに豊かな心をはぐくむ取組を地域社会全体で展
開することにより、地域社会の連帯感を再生・創出し、子どもたちのふるさ
とに対する愛情の育成や 、社会の規範意識の向上を図っていく具体的な取組
が求められている。
今後、子どもたちが地域社会でスポーツ活動や文化活動などに積極的に参
加できる環境整備を推進 するなど、先の震災の教訓を生かし、県民の参画と
協 働 の も と で の 地 域 の 教 育 力 の 向 上を 図 る こ と が 求 め ら れ て い る。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 地 域 教 育 推 進 事 業」
内 容 :地 域 の教 育 に関 心が あ り、 自 主 的 に 活動 に取 り 組む 県 民5 0 0人 を地 域 教 育 推 進 委 員に 委嘱
し、そ の活 動を 支援 する 。
○「 ふ る さ と 文 化 再 発 見 ア ク シ ョ ン プ ラ ン」
内 容 :完 全 学 校 週 5日 制の 実 施に 伴 い、 子 ど も た ち の 文 化 活 動、 特 に地 域の 伝 統 文 化や 身 近な 自然
を 活 用し た 「子 ど も ふ る さ と 学」 や 「子 ど も ふ る さ と 体験 」 を実 施す る な ど 、地 域 住 民 自ら
の発 想と 実践 に よ っ て 、まち 全体 を「 学舎 (ま な び や )」 と し て、地 域の 教 育 力を 活 性 化し、
子ど も た ち の体 験 活 動を 県内2 7地 域に お い て総 合 的に 推進 する 。
・「 ふ る さ と文 化 支 援 セ ン タ ー 」 を県 立 嬉 野 台 生 涯 教 育 セ ン タ ー に 設置 し 、「ふ る さ と 文 化 再 発
見 推 進 協 議 会」 や「 ふ る さ と 学 舎」 推 進 委 員 等の研 修 会 を開 催す る。
・「 ふ る さ と学 舎」 を 市町 に お い て開 設し 、「ふ る さ と 学舎 」推 進 委 員 会や 「ふ る さ と 学舎 」推
進セ ン タ ー を設 置し 、「子 ど も ふ る さ と 学」 や「子 ど も ふ る さ と 体験」 を推 進す る。
・「 ひ ょ う ご ふ る さ と セ ミ ナ ー」 を県 立 社 会 教 育 施 設 等で 開催 する 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 子 ど も 会 や ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 な ど 、 様 々 な 教 育 主 体 の 力 が 効率的 に 発 揮 さ
れ る よ う 、 地 域 に 根 ざ し た 教育力 の 核 と な る 諸 団 体 等 の 活 動を 支 援 す る 。
イ
学校週5日制のもとで、障害のある子どもたちも含めて、子どもたちの地
域での文化活動への参加を活性化させるため、地域住民の参画と協働による
文化活動を核とするまちづくりを 支援する。
ウ
教職員が地域社会の一員として、居住地域の児童生徒に係る地域活動等に
自主的にかかわるための環境 づくり等の条件整備を含め、参画促進のための
在 り方 を 検 討 す る 。
27
② 学 校 を 核 と し た 地 域づ く り へ の 取 組
阪 神・ 淡 路 大 震 災 で は、 多くの 学校が 避難所 となり 、また 、教 職 員が被
災者の支援に積極的に携 わるなど、学校が地域社会の拠点としての役割を担
っていることを改めて知 らされた。学校が地域に果たしている役割を積極的
に 評 価 し 、 学 校 が 地 域 社 会の 核 と な り 、 地 域 で 子 ど も た ち を は ぐ く む 機 運 の
醸 成 を め ざ し て 、学 校 と 地 域 社 会 を 結 ぶ 施策 に 積 極 的 に 取 り 組 む 必 要が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 P T C A 活 動 支 援 事 業」
内 容: 従来の P T A活 動に 、地 域 住 民 の参 画を 図る 取組を 支援 する 。
○「 ト ラ イやる ・ウ ィ ー クの 推 進 支 援 」
内 容 :全 公 立 中 学 校2 年 生 及 び市 立 盲・ 養 護 学 校( 5 校) 中 学 部 2 年生 を対 象 に、 5日 間 の体 験 活
動を行 う。
○「『 い き い き 学校 』応 援 事 業」
内 容 :全 公 立 小 ・ 中 学 校 及 び 市 立 盲 ・養 護 学 校 を対 象 と し て 、各 学 校の 創 意 工 夫を 生か し た特 色あ
る教 育 活 動 を支 援す る た め 、各小・ 中 学 校 等 に地 域 住 民 等で 構成 する「 い き い き学 校 応 援 団 」
を 設置 す る と と も に 、 特 定の 分 野 に お け る 専 門 性 の 高い 郷 土 出 身 者 を 招聘 し 、「総 合 的 な学
習の時 間」 等の 充実 を図 る。
①「い き い き学 校 応 援 団 」の設 置
② ふ る さ と の先 輩 推 進 事 業
③テ レ ビ 番 組 制 作 ・放 映
○「 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 21 ひ ょ う ご の推進 」
設 置 箇 所:県 内8 3 4 地区 の う ち、新 設2 3 1 地区 (設 置 済み 累計 4 7 2地区 )
内 容 :ス ポ ー ツ を 通じ た地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ づ く り と 地 域の 教 育 力 を 生か し た 青 少 年 の健 全 育 成 を推
進 す る た め 、小 学 校 区 を基 本 単 位 に 、多 種 目 ・ 多 世 代 型の 地 域 住 民の 自 主 運 営に よ るス ポ ー
ツ ク ラ ブの 設 立 支 援 を図 る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 地 域 住 民 の 参 画 と 協 働 の も と 、 学 校 ・ 家 庭 ・ 地 域 社 会 が 連 携 し、 児 童 生 徒
の健 全 育 成 を め ざ し た 啓 発 活 動や 有 害 情 報 等 を 規制 す る た め の 運 動を 展開
し 、学 校 支 援 を す る た め の 方 策を 検 討 す る 。
イ
地 域 で 子 ど も た ち を は ぐ く む 機 運 の 高 揚 を 図 る た め 、 土 曜 日 等に 学 校 支 援
ボランティアなどによる児童生徒を対象とした芸術・文化に関する豊かな体
験活動 を 支 援 す る 。
ウ
「 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 2 1 ひ ょ う ご 」 の 活 性 化 ・ 永 続 性 を 図 る た め、 活 動 プ ロ
グラム、運動遊び啓発資料の 作成・配布、スポーツリーダーの養成や広域ブ
ロック で の 交 流 競 技 大 会 を 実 施す る 。
エ
ス ポ ー ツ ク ラ ブ の 円 滑 な 運 営 支 援 ・ 活 性 化 を 図 る た め 、 スポーツ 情 報 ネ ッ
ト ワ ー ク の 構 築 、 ス ポ ー ツ 指導者 の 派 遣 機 能 等 を 拡 充 す る 。
28
(2)
教 育 の 原 点 で あ る 家 庭 の 教 育 力 の 向上
① 家 庭 の 教 育 力 向 上 に向 け た 意 識 啓 発
学校において子どもたちが、教科・科目の学習のみならず、道徳心や社会
のルールなどを集団生活 の中で身につけることは今後とも必要なことである
が、子どもたちの基本的 な生活習慣や他者に対する思いやり、善悪の判断な
ど、生きていく上での基本的な資質・能力は本来家庭ではぐくまれるもので
あり、そうした意味で「 家庭教育」はすべての教育の原点であると言える。
しかし、核家族化や少 子 化など、家庭をめぐる環境の急速な変化や、これま
で家庭が子どもの教育について学校に依存しがちであったことなどから、子
どもに対する家庭の教 育 力が急速に低下しているといった状況への対応が求
められている。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 青 少 年と携 帯 電 話を 考え る保 護 者 用 啓 発 リ ー フ レ ッ ト の 活用 」
内 容:「 テ レ ク ラ 」「 出 会い 系サ イ ト 」 を き っ か け と し て 、 子ど も た ち が犯 罪に 巻き 込ま れ た り 、「 援
助 交 際」 を は じ め と す る性 の 逸 脱 行 為の 増加 、 深 刻 化 が大 き な問 題に な っ て い る 。 そ こ で、
子 ど も た ち を こ れ ら の 有害 な 環境 か ら守 る た め 、保 護 者 向 け に啓 発リ ー フ レ ッ ト を 作成 し、
より一 層 家 庭、 学校 、地 域の関 係 諸 機 関 との 連携を 図り 、課 題 解 決に あ た る 。
○「 幼 稚 園に お け る 子育 て支 援 活 動 総 合 推 進 事 業 」
内 容 :山 南 町 立 の 4幼 稚 園 に お い て 、幼 児 教 育 の専 門 機 関 で あ る 幼 稚 園 が、 地 域の 幼 児 教 育の セン
タ ーと し て の 子育 て 支 援 機 能 を 発 揮し 、「 親と 子 の 育ち の 場 」と し て の役 割 を 果た す こ と を
め ざ し た調 査・ 研究 を行 う。
○「 ひ ょ う ご 親 学 習 セ ミ ナ ー の実 施」
内 容 :家 庭 の教 育 力を 高め る た め 、 各 市 町 に お け る 子 ど も の 成長 に 応じ た子 育 て講 座の 開 設を 推進
する。
・「 就 学 時 健 診 等を 活 用 し た子 育 て 講座 」 を 、幼 稚 園 、小 学 校 、市 町 保 健セ ン タ ー等 を 開 催 場
所と し て、 34 市町 で実 施する 。
・「 思 春 期 の 子 ど も を 持 つ 親の た め の子 育 て 講座 」 を 、中 学 校 等を 開 催 場 所 と し て、 2 0 市町
で実施 する 。
・「 妊 娠 期 子 育て 講座 」を、 市 町 保 健 セ ン タ ー 等を開 催 場 所と し て 、16 市町 で実 施す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 「 兵 庫 の 子 ど も た ち は 、 県 民 す べ て の 財 産 で あ る 」 と い う 理 念の も と に 、
県民が一体となって子どもたちの育成にかかわり、学校、家庭、地域の連携
を 推進 す る 中 で 、 家 庭 の 役 割 、学 校 の 役 割 を 明 確 に し て い く。
イ
「子どもの教育の原点は家庭にある」ということの家庭への意識啓発に取
り 組む 。
29
② 家 庭 の 教 育 力 向 上 に向 け た 環 境 整 備
学校教育や地域の教育 といった様々な場面での子どもたちに対する教育的
なかかわりも、家庭が子 どもたちをしっかりと支えていなければ、うまく機
能 し な い 。 男 女 共 同 参 画 社 会 ※ の 実 現 に 向 け て 、 男 女 の 平 等 、 相 互 理 解と 協
力などの視点に立って、 子育てへの父親の参画に向けた意識啓発や、子育て
支 援 の 場 所 と し て 公 民 館 や 集 会 所 な ど を 活 用 す る な ど 、 平 成 13(2001)年 の 社
会教育法の一部改正を受 けて、家庭の教育力の向上に向けた組織的な支援策
を 積極的 に 実 施 し て い く 必 要 が あ る。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 地 域 子 育 て 支 援 事 業 」
内 容 :平 成 6年 度 に全 市 町 に 設置 さ れ た 子 育て 学習 セ ン タ ー を中 核 に、 両 親 教 育イ ン ス ト ラ ク タ ー
が中心 と な り、 地域 で子 育てを 支援 する 環 境 整 備 を 図る 。
○「 家 庭 教 育 力 活 性 化 支 援 協 議 会 の開催 」
内容 :「 ひ ょ う ご 親 学 習 セ ミ ナ ー」 等 、 家 庭 教 育 に関 す る 学 習 機 会 を提 供 す る事 業 の 充実 に 向 けた
方 策 や家 庭 教 育 を支 援 する 関 係 機 関 の連 携 等 、 家庭 に お け る 教 育 機 能 を 高め て い く た め の支
援 の あ り 方 に つ い て 、 社 会 教 育・ 学 校 教 育 関 係 者、 児 童 福 祉 関 係 者、 学 識 経 験 者 等 を委 員と
して、 検討 する 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 共 通 課 題 、 共 通 目 的 の も と に 、「 学 校 」「 P T A 」 を は じ め と す る 関 係 機
関・団体等の連携を強化し、 総合的に家庭の子育てに係る活動を支援する。
ま た 、「 父 親 」 の 子 育 て へ の 参加 を 促 進 す る 事 業 を 推 進 す る。
イ
保 護 者 や 地 域 の 人 々 の ニ ー ズ を 把 握 し 、 幼 稚 園 の 施 設 や 機 能 を活 用 し 、 幼
児教育に関する相談に応じるなど、地域の幼児教育センターとしての役割を
果 たす 取 組 を 支 援 す る 。
男 女 共 同 参 画 社 会 男 女が 互 い に そ の人 権 を尊 重 し つ つ 責 任も 分 かち 合 い、 性 別に か か わ り な く 、 その
個 性と 能力 を十分 に発 揮す る こ と が で き る 社会 。
30
2
生涯学習社会 における学 び の成 果を 生 か
す 仕 組み づ く り を 推 進 し ま す
(1)
県 民 の 学 習 ニ ー ズ に 応 え る 社 会 教 育の 振 興
① 社 会 教 育 施 設 の 活用促進
公民館や図書館、博 物 館など身近な生涯学習施設の活用状況については、
必ずしも十分であるとは 言えない。子どもたちがこういった社会教育資源を
存分に活用して学習に取 り組むことで、子どもたちの学習に対する興味・関
心 を 一 層 引 き 出 し 、 学 校 教 育 が よ り豊 か な も の に な る と 期 待 さ れ て い る 。
学 社 融 合 ※へ の 積 極 的 な 取 組 が 推 奨 さ れ つ つ も 、 い ま だ 不 十 分 で あ る と い
う現状を踏まえ、子どもたちが利用しやすい社会教育施設の在り方やNPO
等との連携による活力あ る施設運営、また、学社融合の専門のコーディネー
タ ー ※ を 育 成 す る な ど し て、 そ の 活 用 が 図 ら れ る よ う 、 施 設 の 側 が 利 用 者 の
立 場 に立 っ た 具 体 的 な 取 組 を 推 進 する 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 社 会 教 育 委 員の 会議 の開 催」
内 容 :社 会 教 育 に 関す る諸 計 画の 立 案に か か わ る と と も に 、 社 会 教 育に 関す る 研 究 調 査 を 行い 、教
育 委 員 会に 提案 する 。
○「 ボ ラ ン テ ィ ア コ ー デ ィ ネ ー タ ー養成 セ ミ ナ ー の実 施」
・「 学 社 融 合コ ー デ ィ ネ ー タ ー 養成 セ ミ ナ ー 」
内容 : 社 会 教 育、 学 校 教 育 関 係 者、 ボ ラ ン テ ィ ア リ ー ダ ー等 に 対し て、 学 社 融 合に つ い て の基
礎 的 理 解や 役割 の理 解を図 るセ ミ ナ ーを 実施す る。
・「 博物館 ボ ラ ン テ ィ ア コ ー デ ィ ネ ー タ ー養 成セ ミ ナ ー 」
内容 : 博 物 館 ボ ラ ン テ ィ アの 経 験 者 及 び市 町 行 政 職 員 に 対し て 、博 物 館 に お け るボ ラ ン テ ィ ア
活 動を 支え るコ ー デ ィ ネ ー タ ー の実 践 的 な知識 や技 能を 習得 するセ ミ ナ ーを 実施 する 。
・「 博物館 ボ ラ ン テ ィ ア 入門セ ミ ナ ー」
内容 : 博 物 館 に お け る ボ ラ ン テ ィ ア の 未 経 験 者 を 対象 と し て 、 博 物 館に お け る ボ ラ ン テ ィ ア活
動 に つ い て の基 本 的 な知識 や技 能を 習得 するセ ミ ナ ーを 実施 する。
○「 生 涯 学 習 ボ ラ ン テ ィ ア活 動 支 援・推 進 事 業」
内 容 :生 涯 学 習 ボ ラ ン テ ィ ア セ ン タ ーを 設 置し 、県 立 4社 会 教 育 施 設( 県 立 嬉 野 台 生 涯 教 育セ ン タ
ー 、 県 立 美 術 館 −「 芸 術の 館 」 − 、 県 立 歴 史 博 物、 県 立 人 と 自然 の博 物 館 館 )に 対 して 、県
民のボ ラ ン テ ィ ア活 動の た め の 情報 の提 供と 派 遣 要 請 団 体 等 との 連 絡 調 整を 行う 。
○「 コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジの 開設 」
内 容 :主 と し て 成 人を 対象 と し て 、 高 等 学 校の 施設 や 機能 を 活用 し 、職 業に 必 要な 知識 ・ 技能 の習
得 や 、社 会 人と し て 幅 広い 教 養を 高 め る た め の 講座 ( 社 会 的 課 題 講 座 2 2、 地 域 的 課 題 講 座
22) を実 施す る。
学 社 融 合 学 校 教 育 と 社 会 教 育が そ れ ぞ れ の役 割 分 担 を 前 提と し た上 で 、そ こ か ら 一 歩 進 ん で、 学 習の
場や 活 動な ど 両者 の 要素 を 部 分 的 に重 ね 合わ せ な が ら 、 一体 と な っ て 子ど も た ち の 教育 に 取り 組 んで
い こ う と す る考え 方で あ り 、従 来の 「学 社 連 携 」の 最も 進ん だ形態 と見 る こ と も で き る 。
コ ー デ ィ ネ ー タ ー 特定 の分 野で 仕事 がス ム ー ズ に運 ぶ よ う に 調整す る専 門 家 。
31
○「 社 会 教 育 関 係 職 員 等 の養 成や 研修の 実施 」
内 容 :社 会 教 育 関 係 職 員の 専 門 的 知 識や 技 能の 習得 、 実 践 研 究 発 表 や情 報 交 換 、図 書 館 や 公 民 館 職
員の研 修な ど を 行い 、社 会 教 育 の振 興を 図る 。
○「 高 校 生 学 び のネ ッ ト ワ ー ク推 進 事 業 ∼ハ イ ス ク ー ル・C O R E・ プログラム ∼」
内容 :「 高 校 生 学 び のネ ッ ト ワ ー ク 推 進 委 員 会 」 を設 置 す る と と も に、 1 2 の県 立 学 校に お い て、
社 会 教 育 施 設と の連 携を 推進す る。
○「 博 物 館 等 無 料 開 放 事 業」
内容 : 県 内 在 住 ・ 在 学の 小 ・ 中 学 生 等 を 対象 と し て 、「 ひ ょ う ご っ 子コ コ ロ ン カ ー ド 」を 配 付 し、
県 立 博 物 館 等1 3 2 施設 を無 料 開 放 する 。
○「 ひ ょ う ご ユ ー ス セ ミ ナ ー の開 催」
内 容 :県 内 の小 ・ 中・ 高 校 生 が、 学 校の 休 業 日 に県 立 施 設 を 利用 し て自 然 体 験 や生 活 体 験 活 動 を実
施する 。
○「 身 体 障 害 者 社 会 学 級 の開 設」
内 容 :義 務 教 育 修 了 年 齢 以 上 の視 覚 、聴 覚 ・言 語 障 害 者 及 び 進 行 性 筋ジ ス ト ロ フ ィ ー症 者 など 、日
常生活 に お い て 活動 の制 約が多 い障 害 者 に対 し、生 涯 学 習の 機会 を提供 する 。
○「 身 体 障 害 者 社 会 学 級 生の つ ど い の 開 催」
内 容 :社 会 学 級 の 学 習 者、 運 営 関 係 者、 ボ ラ ン テ ィ ア 、県 民 な ど が 一堂 に会 し 、日 頃の 学 習 成 果や
情 報 交 換 等 、交 流を 実施 する。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 県 立 社 会 教 育 施 設 に つ い て 、 子 ど も た ち に 焦 点 を あ て た 、 具体的 な 活 用 方
策 を検 討 す る と と も に 、 そ の 着実 な 推 進 を 図 る 。
イ
学 社 融 合を 専 門 的 に 企 画 す る コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 育 成 を 行 う 。
ウ
生 涯 学 習 ボ ラ ン テ ィ ア や 博 物 館 ボ ラ ン テ ィ ア な ど 、 N P O 等 との 連 携 に よ
り生涯学習の展開に必要な体制整備を行う。
エ
高 校 生 が 社 会 教 育 施 設 で 学 ん だ 成 果 を 在 籍 校 で 単 位 認 定 す る 新し い 高 社 連
携 を一 層 推 進 す る 。
②
県 立の 社 会 教 育 施 設 等 の 新 た な展 開
生涯学習の振興に際しては、県民だれもが生涯学習に取り組めるよう、学
習 の 基 盤 整 備 を 行 う こ と が重 要 な 課 題 で あ る 。 生 涯 学 習 の 全 県 的 な 拠 点 施 設
や地域の拠点となる施設 の活用を図るとともに、多様な分野における県民の
生涯学習を支援する特色 ある施設・設備の整備と県民のニーズにあった運営
を進めていく必要がある。
ま た 、震 災 か ら の文 化 復 興 の 象 徴 と し て 開 館 した 県 立 美 術 館 −「 芸 術 の 館 」
−においては、県民の期 待に応えられる大規模な展覧会や、あらゆるジャン
ルの芸術活動と融合し、 新しい世界を開く創造的な美術の紹介を行ったり、
イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し た 「ネットミュージアム 兵庫文学館」 の コ ン テ ン ツ ※
に子ども向けの情報発信 を加えるなど、県民により親しみやすい運営を積極
的 に 推進 す る 必 要 が あ る 。
コンテンツ
内容物 。中 身。 プ ロ グ ラ ム。
32
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 県 立 人と自 然の 博 物 館の 運営 」
内 容 :自 然 の摂 理 、生 命の 尊 厳 及 び 人と 自 然の 調和 し た環 境 の創 造 に関 する 県 民の 理解 を 深め 、教
育 、 学 術 及 び文 化の 発 展に 寄 与す る こ と を目 的 と し て 、兵 庫 の自 然 史 な ど の 常 設 展 示を は じ
め 、 企 画 展 示、 講座 ・ 講 習 会 、移 動 博 物 館、 調 査 研 究 、機 関 誌の 発行 な ど を 行う 。 また 、博
物 館の 今 後 の 在り 方 に つ い て の 「 中 期 目 標 」に 従 い 、「 人 と 自然 の 博 物 館 の 新 展 開 」 を 推進
する。
○「 県 立 歴 史 博 物 館 の運 営」
内 容 :郷 土 の歴 史 に関 する 県 民の 理 解を 深 め、 教育 、 学術 、 文化 の 発展 に寄 与 す る こ と を 目的 とし
て 、 兵庫 の 歴史 ・城 と 城 下 町 な ど の 常 設 展 示 を は じ め 、特 別 ・企 画 展 示 、講 座・ 講 演 会 、実
技講座 な ど を開 催す る。
○「 県 立 考 古 博 物 館 (仮 称) の整 備 推 進 」
内容 :「 学 校 教 育 」 や「 生 涯 学 習」 に 活 用す る 参 加 体 験 型 博 物 館 と し て の 基 本 構 想 を 策定 す る と と
もに、 開館 に向 け、 先行 ソフト 事業 を実 施す る。
○「 県 立 嬉 野 台 生 涯 教 育 セ ン タ ー の運営 」
内 容 :県 民 の自 主 的 学 習 活 動 を促 進 し、 あ わ せ て県 民 の教 養 文 化 の 高揚 と健 康 の増 進を 図 る こ と を
目 的 と し て 、生 涯 学 習 の場 と 機会 の 提供 、指 導 者の 育 成、 情 報の 提供 、 学 習 相 談 及 び生 涯 学
習の調 査 研 究を 行う 。
○「 県立 コ ウ ノ ト リ の郷 公 園 の運 営」
内 容 :特 別 天 然 記 念 物 で あ る コ ウ ノ ト リ の 保護 ・増 殖 を図 る と と も に、 人と 自 然の 調和 し た環 境の
創 造 に つ い て県 民の 理 解を 深 め、 教 育・ 学 術 及 び文 化 の発 展 に寄 与す る こ と を目 的 と し て、
コ ウ ノ ト リ の保 護・ 増 殖 事 業 、野 生 化に 向け た 研究 ・ 実験 、 パ ー ク ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座や
研 究 会 等の 普 及 啓 発 活 動 を実施 する 。
○「 県 立 図 書 館 の運 営」
内 容 :県 民 の教 育 と文 化の 発 展を 図 る た め 、図 書、 記 録、 そ の他 必 要な 資料 を 収集 ・整 理 し、 保存
し て 、県 民 の利 用に 供 し、 県 民の 教 養、 調 査 研 究、 レ ク リ エ ー シ ョ ン 等 に資 す る こ と を 目的
と し て、 公 立 図 書 館 へ の貸 出 業 務 、 直 接 貸 出 、 各 種 講 座、 視 聴 覚 ラ イ ブ ラ リ ーの 運 営、 機関
誌の発 行な ど を 行う 。
○「 県 立 美 術 館 (芸 術の 館) の運 営」及 び「 王 子 分 館 (原田 の森 ギ ャ ラ リ ー)の 運営 」
内 容 :美 術 に関 す る県 民の 知 識 及 び 教養 の 向上 を図 る と と も に、 芸 術 文 化の 振 興を 図る こ と を 目的
と し て、 本 館に お い て は、 常 設・ 特 別・ 企 画 展 示を 実 施す る 他、 美 術 講 座や 移 動 美 術 館 を実
施 す る。 ま た、 王 子 分 館に お い て は 造 形 芸 術 に 関す る 交流 の 場と な る サ ロ ン や貸 し ギ ャ ラ リ
ー等を 設け 、県 内の 美 術 団 体 や 県 民 等の 造 形 芸 術 の 拠 点 施 設 と し て運営 する 。
○「 ネ ッ ト ミ ュ ー ジ ア ム 兵 庫 文 学 館の運 営」
内 容 :兵 庫 を舞 台 と す る文 学 作 品 や 兵庫 ゆ か り の作 家 に関 す る資 料 な ど を多 角 的に 編集 し 、イ ン タ
ー ネ ッ ト上 のバ ー チ ャ ル 文学館 と し て運 営す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 県 立 人 と 自 然 の 博 物 館 に お い て 、「 県 民 と と も に つ く る新 し い ひ と は く の
展示」について実行委員会等 を設置し、全体計画の策定や進行管理、事業の
検証等 、 県 民 の 参 画 と 協 働 の も と で の 企 画 ・ 運 営 な ど を め ざ す 。
イ
県 立 歴 史 博 物 館 の 将 来 構 想 の 検 討 に 際 し 、 専 門 家 の 意 見 を 聴 き、 新 し い 博
物 館の 構 築 を め ざ す 。
33
ウ
県立考古博物館(仮称)については、体験型・ネットワーク型博物館をめ
ざして基本計画を策定するとともに、先行ソフト事業を実施し、博物館の整
備 を推 進 す る 。
エ
県 立 コ ウ ノ ト リ の 郷 公 園 に 飛 来 し た 野 生 の コ ウ ノ ト リ の 行 動 をイ ン タ ー ネ
ッ ト で 動 画 に よ り 発 信 す る な ど 、 平 成 1 7(2005)年 度 ( 予 定 ) の コ ウ ノ ト リ の
試験放鳥に向け、人とコウノトリが共存できる環境の創造への県民の理解を
得るよう努める。
オ
国 の 「 子 ど も の 読 書 活 動 の 推 進 に 関 す る 基 本 的 な 計 画 」 を 受 けて 、 公 共 図
書館、公民館図書室や学校、 読書ボランティア団体等の連携のもと、子ども
の読書活動に関する本県の推進計画を策定するとともに、子どもの読書活動
の 一層 の 推 進 を 図 る た め 、
「 ひょうご“ 本だいすきっ 子 ”プラン 」を 実 施 す る 。
カ
県 立 美 術 館 ( 芸 術 の 館 ) の 展 覧 会 に つ い て は 、 県 民 の ニ ー ズ に基 づ き 、 ま
た 、話 題 性 と 集 客 力 の あ る 魅 力あ る 企 画 を め ざ す 。
キ
「 ネ ッ ト ミ ュ ー ジ ア ム 兵 庫 文 学 館 」 に つ い て は 、 わ か り や す い展 示 コ ー ナ
ーの案内役として、ナビゲーターを設置するなどし、子どもたちにも読書へ
の 興味 を お こ さ せ る 文 学 情 報 を発 信 す る 。
ク
こ こ ろ 豊 か で た く ま し い 人 間 の 育 成 を 目 的 と し た 「 ひょうご 冒険教育 (H
AP )」 の 実 施 に あ た り 、 そ の 教 育 効 果 に つ い て の 研 究 と 施 設 整 備 等 を 推 進
す る。
③
時 代に 対 応 し た 社 会 教 育 施 設 の整 備
本県においては、近年 、市町、大学、民間教育事業者等による様々な生涯
学習事業 が 充 実 し て き て い る 。
そこで、県教育委員会 では、所管する社会教育施設や関連事業において、
こうした各種の取組とも 連携しつつ、広域的な基盤整備や情報提供を行うこ
とが求められている。ま た、多様化・高度化した県民の学習ニーズを適切に
把 握 し 、「 エ ル ・ ネ ッ ト ※ 」 の 配 置 な ど を 通 じ て 、 社 会 教 育 施 設 や 各 学 校 施 設
の機能のネットワーク化 を推進し、幅広い層の活用に向けた多様な学習機会
の 提 供を 図 る な ど 、 そ の 役 割 を 的 確に 担 っ て い く 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 生 涯 学 習 情 報ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム 支 援 事 業 」
内 容 :イ ン タ ー ネ ッ ト を活 用 して 、 様々 な 生 涯 学 習 機 関の ネ ッ ト ワ ー ク 化を 図 り、 多彩 な 学 習 情 報
を提供 する「 ひ ょ う ごイ ン タ ー キ ャ ン パ ス 」への 市 町 及び 社 会 教 育 施 設 等 の参 加を支 援す る 。
○「 図 書 館の地 域I T学 習 情 報 拠 点 化 推 進 事 業」
内 容: I T を 通じ た地 域 情 報 拠 点と し て図 書 館 を整 備する 7市 町へ の支 援を行 う。
○「 ふ る さ と 文 化 再 興 事 業」
内 容 :伝 統 文 化 の 保存 ・継 承 を図 る た め 、 伝 統 文 化 保 存 団 体 が実 施 する 事業 に 対し て補 助 を行 うと
ともに 、民 俗 芸 能、 祭 礼 行 事 、 伝 統 工 芸 等、 伝 統 文 化を 公開 する 機会を 提供 する 。
エ ル・ ネ ッ ト (el-Net) 衛 星 通 信 を活 用 し て、 教 育・ 文 化・ ス ポ ー ツ・ 科 学 技 術 等に 関す る 情報 を 直接
全国に 発信 する 文 部 科 学 省の教 育 情 報 衛 星 通 信ネ ッ ト ワ ー ク 。
34
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 各 市 町 の ふ る さ と 文 化 に 関 す る 情 報を デ ー タ ベ ー ス 化 ※ し て 発信 す る な ど 、
兵 庫の 文 化 情 報 の 整 備 を 行 う 。
イ
「 エ ル ・ ネ ッ ト 」 の 配 置 や 社 会 教 育 分 野 の 指 導 者 研 修 な ど を 通じ て 、 多 様
化・高度化する県民の学習ニーズに対応できるよう、時代に対応した社会教
育施設 や 学 校 施 設 の 機 能 を 整 備す る 。
④
地域文化に 根 ざ し た 個 性 あ る 地域 づ く り
歴史文化遺産を保存し 活用することは、それらを生み出した伝統的な地域
文化に活力を注入し、新 たな地域文化を創造することであり、地域社会の再
形 成 に 寄 与 す る も の で あ る 。 こ う し た 理 念 の も と に 、 平 成 14(2002)年 度 に 策
定 し た 歴 史 文 化 遺 産 活 用 構 想 (素 案 )に 基 づ き 、 地 域 文 化 に 根 ざ し た 個 性 あ る
地域づくりを推進する必要がある。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 県 指 定 文 化 財や 埋 蔵 文 化 財 等 の調査 ・保 存と 整備 」
内 容 :指 定 の建 造 物、 美 術 工 芸 品 等 の保 存 修 理 及び 防 災 設 備 の整 備 、史 跡 等 の 保存 ・活 用 を図 るた
めの環 境 等 に要 する 経費 の一部 を所 有 者 に対 して補 助す る。
○「 ヘ リ テ ー ジ マ ネ ー ジ ャ ー (歴 史 文 化 遺 産 活 用 推 進 員)の 養成 」
内 容: 建築士 を対 象と し て 、専 門 技 術 者の リ カ レ ン ト教育 を実 施す る。
○「“ 考 古 楽 者 ”養 成 事 業」
内 容: 考古学 に関 する 県民 への 理解を 促進 する 指 導 者を養 成す る。
○「 地 域 文 化 財 展の 開催 」
内 容: 県下の 埋 蔵 文 化 財の 発 掘 調 査 の 成果 を一 般に 公開し 、文 化 財 保 護 の理解 に役 立て る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 近 畿 地 方 最 大 の 円 墳 で あ る 「 茶 す り 山 古 墳 」 の 保 存 と 活 用 を 図る た め 、 古
墳 フ ォ ー ラ ム を 開 催 し 、 特 色 ある 地 域 づ く り を 進 め る 。
イ
ヘ リ テ ー ジ マ ネ ー ジ ャ ー ※ の 養 成 に つ い て、 天 然 記 念 物 部 門に お い て も リ
カレント教育を実施する。ま た、大学等と連携してヘリテージに関する情報
バンク を 創 設 す る 。
ウ
歴 史 文 化 遺 産 の 活 用 に 関 す る マ ス タ ー プ ラ ン ※ を 策 定 し 、 地 域 文 化に 根 ざ
し た個 性 あ る 地 域 づ く り を 進 める 。
デ ー タ ベ ー ス 化 デ ー タ を一 定の 形式 で集積 ・管 理し 、共 有 化 す る こ と。
ヘ リ テ ー ジ マ ネ ー ジ ャ ー 地 域に 眠 る歴 史 的 文 化 遺 産 を 発 見、 保 存、 活 用し 、 ま ち づ く り に 活か す 能力
を持っ た人 材。
マ ス タ ー プ ラ ン 基 本 計 画。 基 本 設 計 。
35
(2) 県民の健康・体力づくりをめざす生涯スポーツの振興
①
地域スポーツ活動への支援と県民のスポーツへの参加促進
生 涯 ス ポ ー ツ社 会 と は 、 県 民 だ れ も が 、 生 涯 の 各 時 期 に わ た っ て 、「 い つ
でも、どこでも、気軽に 」継続してスポーツに親しむことができる社会であ
り、県民だれもが日常的 にスポーツを楽しむためには、それぞれの地域にス
ポ ー ツを 行 う 場 が な け れ ば な ら な い。
日本でのスポーツは、 これまで学校や企業を中心に発展してきており、地
域に お い て ス ポ ー ツの 基 盤と な る環 境が 十 分に 整備 さ れ て い な い 現状 があ
る 。こ う し た 中 で 、県 民 の スポーツ に 対 す る 多 様 な ニ ー ズ に 応え る た め に は 、
生 涯 ス ポ ー ツ の プ ロ グ ラ ムづ く り や 県 民 の ス ポ ー ツ 活 動 に 対 す る 意 識 の 高 揚
を 図 る と と も に 、 地 域 住 民が 主 体 と な っ て 運 営 す る 総 合 型 の 地 域 ス ポ ー ツ ク
ラブである「スポーツクラブ21ひょうご」の設置を県内全域に早急に展開
していくことが必要となっている。
ま た 、「 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 2 1 ひ ょ う ご 」 の 拡 充 に 伴 い 、 多 数 の 指 導 者 を 確
保するとともに、小学校施設だけでは施設数・規模・設備能力等の点から、
活動内容が限定されるといった問題もあり、中・高等学校体育施設を含め、
既 存 の公 立 ス ポ ー ツ 施 設 の 効 率 的 な活 用 を 検 討 す る 必 要 が 生 じ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 21 ひ ょ う ご の推進 」( 再掲 )
設 置 箇 所:8 3 4 地区 の う ち、 新設2 3 1 地区 (設 置 済 み 累計 4 7 2地 区)
内 容 :子 ど も た ち の健 や か な 人 間 的 成 長 を め ざ す と と も に 県 民の 健 康 増 進に 寄 与す る地 域 ス ポ ー ツ
クラブ の設 置を 支援 する 。
○「 県 立 学 校 体 育 施 設の 開放 」
内 容 :地 域 のス ポ ー ツ ・レ ク リ エ ー シ ョ ン 活動 の場 と し て 県 立 学 校 (1 2 1 校 )の 体 育 施 設を 県民
に開放 する 。
○「 野 外 活 動 ・ 体 育 施 設 の運 営」
内 容: 総 合 体 育 館 、文 化 体 育 館 、海 洋 体 育 館 等 を維 持・運 営す る。
○「 県 立 武 道 館 の整 備、 開館 」
内 容 :本 県 の武 道 の殿 堂と し て、 最 新の 設 備を 備え た 武 道 館を 平 成1 4(2002)年5 月に 開 館す る。
○「『 阪 神・淡 路 大 震 災 復 興 記 念 第 2回 神 戸 全 日 本 女 子ハ ー フ マ ラ ソ ン大 会』の 開催 」
内 容 :県 民 に夢 と 希望 を与 え る と と も に 、 震災 か ら の 創 造 的 復 興 を 成し 遂げ つ つ あ る兵 庫 の姿 を全
国に発 信す る た め、 神 戸 市との 共催 で実 施す る。
○「 競 技 力 向 上 事 業 の充 実・ 強化 」
内 容: 各 種 目 協 会 指 定 の競 技 選 手 及 び 指 導 者を 養成 する。
○「 国 体 候 補 選 手 特 別 強 化 事 業 」「 国 民 体 育 大 会 への 派遣」
内 容 : 各 種 目 協 会 指 定 指 導 者 及び 選 手に 対 して 、 平成 1 8( 2006 )年 開 催 の 「の じ ぎ く 兵 庫 国 体 」に
向けた 選 手 養 成 を図 る。 また、 国体 に参 加す る選手 ・役 員の 経 費 補 助 を 行う 。
36
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 県民のスポーツ活動に対する理解を深め、健康な状態で生活できる基礎的
な体力の向上を図るため、県民一人一人の体力、興味・関心に応じたスポー
ツ 活動 プ ロ グ ラ ム を 研 究 し 、 提供 す る 。
イ
県民の自律的なスポーツ活動を支援するため、だれもが、いつでも、どこ
で も 、気軽 に ス ポ ー ツ を 楽 し む こ と が で き る 体 制 や 環 境 を 整 備 す る と と も に 、
地域のスポーツ活動への主 体 的な参加意識を醸成し、生涯スポーツ社会の実
現 を図 る 。
ウ 地 域 ス ポ ー ツ ク ラ ブを 含 め た 多 様 な ス ポ ー ツ 活 動 に 対 応 で き る 新 た な ス ポ
ー ツ指 導 者 の 養 成 ・ 確 保 に 努 める 。
エ
「 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 2 1 ひ ょ う ご 」 を 核 と し 、 各 種 の イ ベ ン ト や兵 庫 国 体 の
ス ポ ー ツ 芸 術 、 デ モ ス ポ 行 事 ※ 等 へ の 支 援 な ど を 「 支 え る 」、 ス ポ ー ツ ボ ラ ン
ティア の 育 成 と 組 織 化 を 支 援 する 。
オ 「 スポーツクラブ 21ひょうご」の 設立・拡 充に伴い 、各スポーツクラブ
が各学校開放委員会との組織連携を深め、施設等の利用について、円滑な調
整 が図 ら れ る よ う 支 援 す る 。
カ
自 然 環 境の 中 で の 体 験 的 な 活 動 を 通じ て 、異 年 齢 間 の 交 流 等 が で き る よ う 、
また、野外活動を含めた自然 の中でのスポーツ体験の機会を提供できるよう
施 設・ 環 境 の 整 備 充 実 に 努 め る。
②
学校体育・ ス ポ ー ツ の 充 実 と 健康増進
近年の児童生徒の状況 を見ると、運動に興味を持ち活発に運動する者とそ
うでない者との二極化が 進み、生活習慣の乱れやストレス及び不安感の増大
な ど も 見 ら れ る 。 こ う し た児 童 生 徒 の 状 況 を 改 善 す る た め 、 学 校 教 育 に お い
ては、基礎的な体力を高 めるとともに、自ら運動をする意欲を培い、生涯に
わ た っ て積 極 的に 運動 に 親し む 資質 ・能 力 を育 成す る こ と が求 め ら れ て い
る。
また、学校教育活動の 一環として行われる運動部活動については、授業等
で得た興味・関心、技能 などを発展・充実させたり、学級や学年を離れ、生
徒が自主的に活動する能 力を身につけたりするなど、大きな意義がある。し
かし、近年の少子化の中 で部活動をどう維持するか、子どもたちの多様なス
ポーツニーズにどう対応 するか、また、学校週5日制の中で、子どもたちの
週末の過ごし方として、 今後、一層振興が見込まれる地域スポーツとの関係
を ど う整 理 し て い く か な ど の 課 題 に対 応 し て い く 必 要 が あ る 。
さらに、児童生徒が、 精神的にも、身体的にもたくましく生きる力を身に
つけていくことが求められており、食事・運動・休養のバランスのとれた規
則 正 しい 生 活 習 慣 を 身 に つ け さ せ る指 導 を 一 層 充 実 さ せ て い く 必要 が あ る 。
デ モ ス ポ 行事 デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ンと し て の ス ポ ー ツ 行 事。 地 域ス ポ ー ツ ク ラ ブ の 活動 に お い て 親し
ま れ て い る ニ ュ ー ス ポ ー ツ を中 心 に県 民 だ れ も が参 加 で き る よ う に 国 体 開 催 期 間 中 に実 施 す る も の。
37
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「『 い き い き 運 動 部 活 動』 の配付 」
内 容 :適 正 な運 動 部 活 動の 運 営を 図 る た め 、教 職 員 研 修 資 料 を作 成 し、 公 立 中 ・高 等 学 校 の全 教 職
員に配 付す る。
○「 ひ ょ う ご キ ッ ズ 『元 気ア ッ プ 』ブ ッ クの 作成 」
内 容 :遊 び の中 で 体を 動か す 「運 動 遊び 」 を通 して 体 力・ 運 動 能 力 の向 上を 図 る た め、 教 師 用 指 導
資料を 作成 し、 全 小 学 校 教 員 に 配付 する 。
○「 小 学 校 教 員 体 育 実 技 指 導 力 向 上 事 業 」「 学 校 体 育 実 技 指 導 者 講 習 会」
内 容 :公 立 小 学 校 教 員 、中 ・ 高 等 学 校 保 健 体 育 科 教 員 を対 象 と し て 、指 導 内 容 及び 指 導 方 法の 研修
を行い 、指 導 力 の向 上を 図る。
○「 県 学 校 体 育 研 究 発 表 大 会 の開 催」
内 容 :小 学 校 教 員 、中 ・高 等 学 校 保 健 体 育 科 教 員、 盲 ・聾 ・ 養 護 学 校 教 員を 対 象と し て 、 学 校 体 育
の実 践 発 表 大 会 を実 施し 、指 導 力の 向上 と と も に 、 各 地 区、 各 校 種 間 の 交流 ・連 携を 図る 。
○「 総 合 体 育 大 会の 実施 」
内 容: 中学校 、高 等 学 校の 総 合 体 育 大 会を 実施 し、 ス ポ ー ツの 振興 と競 技 力 の 向上 を図 る。
○「 部 活 動 指 導 補 助 員 配 置 事 業 」「 ス ポ ー ツ エ キ ス パ ー ト 派 遣 事 業」
内 容: 公立中 ・高 等 学 校を 対象 として 、専 門 的 な技 術 指 導が で き る 地域 のス ポ ー ツ指 導 者を 派遣 し 、
事 故 防 止と と も に、 運 動 部 活 動 の活 性 化 を図 る。
○「 高 等 学 校 運 動 部 強 化 事 業 」
内 容 :高 等 学 校 の 運 動 部 指 導 者の 指 導 力 向 上を 目的 に 研修 を 実施 す る と と も に 、選 手 及 び チ ー ムを
対象に 合 宿 練 習 等を 実施 する。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 学校の体育授業においては、スポーツの持つ特性に触れ、スポーツの楽し
さを体験し、多様なスポーツ 活動が実践できるような環境を整え、児童生徒
に体育・スポーツに対する興 味・関心を持たせることができるよう教員の指
導 力の 向 上 に 努 め る 。
イ
発 育 や 発 達 段 階 に 応 じ た 指 導 方 法 を 研 究 し 、 遊 び や ス ポ ー ツ との 出 会 い を
大 切に し な が ら 、 体 力 ・ 運動能力 の 向 上 に 努 め る 。
ウ
運 動 部 活 動 に お い て は 、 競 技 志 向 者 だ け で な く 、 楽 し み 志 向 者の 欲 求 に も
応じることができるよう運動部活動の在り方を研究し、スポーツを楽しむラ
イフスタイルの形成に努める。
エ
運 動 部 活 動 に お い て は 、 少 子 化 で 部 員 が 減 少 す る 中 、 複 数 校 での 合 同 練 習
会の実施や、合同チームの試合参加が可能となるよう支援していく。また、
生徒の発達に即した指導の工 夫がなされるよう、中・高等学校指導者の相互
理 解と 連 携 を 図 る 。
オ
専 門 的 な 技 術 指 導 の で き る 地 域 の ス ポ ー ツ 指 導 者 を 学 校 に 派 遣し 、 運 動 部
活 動の 充 実 と 顧 問 の 指 導 力 向 上を 図 る 。
カ
正 し い 食 事 の 在 り 方 や 望 ま し い 食 習 慣 を 身 に つ け 、 食 事 を 通 じて 自 ら の 健
康管理 が で き る よ う に す る な ど、 食 に 関 す る 指 導 の 充 実 を 図る 。
38
3
国際化社会、 多文化共生社会に 生き る 豊
か な 人間性を 育 成 し ま す
(1) 体験活動を通した豊かな心をはぐくむ学校教育の推進
①
校 種を 通 じ た 体 験 活 動 の 充 実
子 ど も た ち が 学 校 に お け る 学 習 活 動に 喜 び を 感 じ 、 学 ぶ こ と が 自 分 た ち の
生活にとって大切なことであると実感できるよう、学校はその指導方法の工
夫改善に努める必要が あ る。また、学校は、地域社会の核となり、家庭・地
域 社 会 と 連 携 し た 体 験 活 動を 実 施 す る こ と に よ り 、 社 会 の 一 員 と し て の 責 任
を果たすことの大切さ、 協調性、自律心、忍耐力、生命の尊さ、ボランティ
ア 精 神 、 共 に 生 き る こ と の大 切 さ な ど 、 子 ど も た ち の 道 徳 性 や 豊 か な 人 間 性
の 涵 養に 努 め る 必 要 が あ る 。
これまで本県において 取り組んできた様々な体験活動の成果を十分検証す
るとともに、新たな体験活動の導入も検討しながら、幼稚園、小学校、中学
校 、 高 等 学 校 を 通 じ た 系 統 性 の あ る 体 験 的 な 学 習 を 実 施 し 、「 心 の 教 育 」 の
一 層 の充 実 を 図 る 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
〈幼 稚 園 〉
○「 幼 稚 園に お け る 道 徳 性の 芽生 えを培 う調 査 研 究」
内 容 :朝 来 町 ( 2幼 稚 園 )、伊 丹 市 ( 2幼 稚 園 ) に お い て 、「友 だ ち と か か わ り な が ら 道 徳 性の 芽生
えを培 う」 こ と をテ ー マ とした 調 査 研 究 を行 う。
〈小 学 校 〉
○「 自 然 学 校 の 継 続 支 援 」
内 容: 全 公 立 小 学 校5 年生 を対 象と し て、 5泊 6日 の宿 泊 自 然 体 験 活 動 を実施 する 。
〈中 学 校 〉
○「 ト ラ イやる ・ウ ィ ー クの 推 進 支 援 」(再 掲)
内 容: 全 公 立 中 学 校2 年生 を対 象と し て、 5日 間の 体 験 活 動を 行う 。
○「 ト ラ イやる ・ウ ィ ー ク評 価 検 証 委 員 会の 開催 」
内容 :「 ト ラ イ や る ・ウ ィ ー ク 」推 進 事 業が 一 層 充 実 し た 活動 と な る よ う 、 5年 目 を 迎え た 事 業の
成果や 課題 に つ い て 専 門 的な分 析を 行う 。
〈高 等 学 校〉
○「 ク リ エ イ テ ィ ブ 21 の実 施」
内 容 :全 県 立 高 等 学 校 を対 象 と し て 、各 学 校 独 自の 体 験 活 動 を実 施 す る と と も に、 体 験 活 動 推 進モ
デル校 14 校で 研 究 開 発 を行う 。
○「 心を 育む教 育 講 演 会 の開 催」
内 容: 県 立 高 校 生 を対 象と し て 、「心 を は ぐ く む」 ことを テ ー マと し た 教育講演会 を8 回 実 施す る。
39
○「 高 校 生マ ナ ーに つ い て考 える フ ォ ー ラム の開 催」
内 容 :県 立 高 校 生 を対 象と し て、 高 校 生 の 自 主 的・ 自 発 的 な マ ナ ー への 取組 の 実現 を目 指 し、 公開
討 論 方 式の フ ォ ー ラ ムを 開催す る。
〈障 害 児 教 育 諸 学 校 〉
○「 Y U ・ら い ふ・ サ ポ ー ト 事業 」
内 容: 全 県 立 盲・ 聾・ 養 護 学 校 22校 を対 象と し て 、学 校が 、家 庭 及 び 地 域 社 会 等と の連携 の も と 、
特 色 ある 取 組を 行い 、 幼 児 児 童 生 徒 の社 会 性 を 養う と と も に 、自 立し 社 会 参 加す る た め の基
盤と な る「 生き る力 」の 育成を 図る 。
○「 障 害 児の自 然 体 験 活 動の 推進 」
内 容 :公 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 35 校 の小 ・ 中 学 部の 児 童 生 徒 を対 象 と し て、 自 然 体 験 活 動 を実 施す
る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 各 校 種 の 体 験 活 動 関 連 事 業 に つ い て 、 評 価 ・ 検 証 を 行 い 、 成 果と 課 題 を 明
確 に し 、 更 な る 改 善 に 取 り 組 む 。 と り わ け 、「 ト ラ イ や る ・ ウ ィ ー ク」 に つ
いては、安易な受入先の決定 にならないような事前指導の工夫など、評価検
証 委 員 会 の 提 言 な ど を 踏 ま え 、事 業 の 一 層 の 改 善 を 図 る 。
イ
各 校 種 の 体 験 活 動 関 連 事 業 に つ い て 、 県 民 の 参 画 と 協 働 の 観 点を 一 層 盛 り
込 んだ 施 策 の 展 開 を 図 っ て い く。
ウ
震 災 の 教 訓 を 踏 ま え て 、「 生 き る 力 」 を 培 う 兵 庫 の 体 験 活 動 を 推 進 す る た
め 、幼 児 期 か ら 高 校 生 ま で 、 事業 の 系 統 性 を 確 立 す る 。
エ
人 間 の 成 長 を 促 す 体 験 を 取 り 入 れ た 「 冒 険 教 育 ※」 の 諸 活 動 を 学 校 教 育 や
社 会 教 育 、 教 職 員 の 各 種 研 修 等に 導 入 し 、 た く ま し く こ こ ろ 豊 か な 人 間 性 を
はぐくむ教育を推進する。
冒 険 教 育 冒 険 的な 活 動を 通 して 、 挑 戦 心 や問 題 解 決 力 な ど を 身 に つ け る と と も に 、 人と の ふ れ あ い の
中で他 者を 思い や る 心や 、自分 を大 切に す る 心を醸 成し 、豊 かな 人 間 性を は ぐ く む。
40
(2 )
①
国際化時代に生きる子どもたちへの、人権教
育 を 通 じ た 「 共 生 」 の心 の 育 成
「 人権教育基本方針」 の 具 現 化
人権教育の推進にあたっては、人権問題の重要な柱である同和問題はもと
より、女性、子ども、障 害のある人、外国人などの人権にかかわる課題の解
決 に 向 け 、「 人 権 教 育 基 本 方 針」 を 具 現 化 す る た め の 中 ・ 長 期 プ ラ ン の 策 定
や 人 権 教 育 の 生 涯 学 習 体 系へ の 位 置 づ け な ど 、 人 権 教 育 を 総 合 的 に 推 進 す る
た め の体 制 の 整 備 ・ 充 実 に 努 め る こ と が 必 要 で あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 人 権 教 育 推 進 連 絡 会 議の 開催 」
内 容 :人 権 教 育 を 総 合 的・ 横 断 的 に 推進 す る た め、 県 教 育 委 員 会 事 務 局 関 係 課 室、 関 係 部 局 等 の相
互の連 携を 深め る。
○「 人 権 文 化 創 造 活 動 支 援 事 業」
内 容: 地域の 人 権 文 化 創 造 に資 す る た め 、様々 な人 権 課 題を 解決す る力 を体 験を 通して 養う 講座 や 、
新たな 人 権 学 習 リ ー ダ ー を育成 する 講座 を開 設する 42 市町 に対 して経 費の 一部 を補 助す る 。
○「 人 権 教 育 推 進 市 町 事 業」
内 容 :人 権 教 育 の 推進 を図 る た め 、 学 習 機 会を 提供 す る と と も に 、 相 互 理 解 の 促進 と地 域 社 会 への
参 加を 図る た め の各 種 交 流 活 動 を実 施す る37 市町 に対 して 経費の 一部 を補 助す る。
○「 人 権 感 覚 育 成モ デ ル 事業 」
内 容 :人 権 感 覚 を 育成 す る た め の 先 導 的 な 人 権 学 習 プ ロ グ ラ ムを 開 発す る た め 、様 々な 人 権 課 題や
地域の 特 性 等に 応じ た実 践 的 ・ 先 進 的な 人 権 学 習 の モ デ ル事 業の 実施を 2市 町 等 に委 託す る 。
○「 教 育 総 合 推 進 地 域 事 業」
内 容 :学 校 、家 庭 、地 域 社 会 が一 体 と な っ た総 合 的 な 取組 を 推進 し 、児 童 生 徒 の進 学 意 欲 や総 合 的
な学力 の向 上 等 を図 る と と も に 、家 庭や 地 域 社 会 の 教 育 力の 向上 を図る 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 「 人 権 教 育 基 本 方 針 」 を 具 現 化 す る 中 ・ 長 期 プ ラ ン の 策 定 と 、具 体 的 な 取
組 、検 証 を 実 施 す る 。
イ
人 権 教 育 を 生 涯 学 習 体 系 に 位 置 づ け 、 人 権 尊 重 の 理 念 に 基 づ く「 共 に 生 き
る 社会 」 の 創 造 を 促 す 。
ウ
人 権 教 育の 推 進 に あ た り 、N G O ※ やN P O 等 の 民 間 組 織 と の 連携 を 図 る 。
エ
男 女 共 同 参 画 社 会 の 実 現 に 向 け た 取 組 等 、 今 日 的 課 題 に 対 応 した 教 育 を 推
進 する 。
N G O(Non-Governmental Organization)
の国 際 協 力 機 構 を さ す。
非 政 府 組 織 。主 に、 政 府 間 の 協定 に よ ら ず に創 設さ れ た 民間
41
②
人 権を 大 切 に し た 教 育 の 充 実
「 児 童 の 権 利 に 関 す る 条 約 」 を 踏 ま え 、 ま た 、「 人 権 教 育 基 本 方 針」 に 基
づ き 、「 人 権 と し て の 教 育 」「 人 権 に つ い て の 教 育 」「 人 権 を 尊 重 し た 生 き 方
の た め の資 質 や 技 能 を 育 成 す る 教 育 」「 学 習 者 の 人 権 を 大 切 に し た 教 育 」 の
四つの観点から、子どもたちに、様々な活動や体験を通して確かな人権意識
を 身 に つ け さ せ る 。 ま た 、 自 己 実 現 を 図 り な が ら 、「 共 に 生 き る 社 会 」 の 構
築 に 向け 、 主 体 的 に 取 り 組 む 意 欲 や態 度 を は ぐ く む こ と が 求 め ら れ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 人 権 教 育 の 実践 プ ロ グ ラ ム推 進 事 業 」
内 容 :小 ・ 中 学 校 14 校を 指 定し 、 幼・ 小 ・中 の連 携 を図 り な が ら 長 期 的 視 野 に立 った 人 権 教 育を
実践で き る プ ロ グ ラ ムの 開発を 行う 。
○「 人 権 教 育 新 副 読 本の 作成 」
内容 :「 人 権 教 育 基 本 方 針 」 に 基づ き 、 人 権 教 育 の充 実 ・ 深化 を 図 る た め 、 こ れ ま で 編集 ・ 配 付し
てきた 中 学 校 用 副 読 本「 友だち 」を 全 面 的に 改訂し 、新 たに 作成 する。
○「 人 権 教 育 研 究 校 の指 定」
内 容: 小学校 1校 ,中 学 校2 校 ,高 等 学 校 1校 の4 校を 指定 し 、児 童 生 徒 の発 達 段 階に 即し な が ら 、
基 本 的 人 権 尊 重 の精 神 を高 め 、一 人 一 人 を大 切 に し た 教育 に つ い て実 践 的な 研究 を 行い 、人
権教育 に関 する 指 導 方 法 等の改 善、 充実 に資 する。
○「 人 権 教 育 推 進 員 の設 置」
内 容: 人 権 教 育の 推進 に向 けて 、教育 ・啓 発を 行う た め 、 教 育 事 務 所に 推進員 を配 置す る。
○「 教 職 員 研 修 の実 施」
内 容 :す べ て の 公 立 学 校の 教 職 員 を 対象 と し て 、人 権 教 育 の 今 日 的 な課 題に つ い て 理解 を 深め 、人
権意識 の高 揚 並 びに 推 進 体 制 の 整備 ・充 実、 人 権 課 題に 係る 指 導 力の向 上に 努め る。
○「 児 童 生 徒 支 援を 担当 する 教員 による 指導 」
内 容 :指 導 上の 困 難 度 が高 く 、か つ 、き め 細か な指 導 を必 要 と し て い る 児 童 生 徒に 対し て 、児 童 生
徒支援 を担 当す る教 員 等 による 支援 を行 い、 人 権 課 題の 解決 に資 する。
○「 市 郡 町 組 合 教 育 委 員 会 指 導 主 事 等 研 修の 実施 」
内 容 :市 郡 町 組 合 教 育 委 員 会 職 員 、 人 権 教 育 指 導 者 を 対象 と し て 、 人 権 教 育 の 今 日 的な 課 題に つ い
ての理 解を 深め 、資 質の 向上と 人 権 意 識 の高 揚を図 る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 教 職 員 の 人 権 尊 重 の 意 識 を 高 め る と と も に 、 人 権 感 覚 を 養 い 、「 児 童 の 権
利 に 関 す る 条 約 」 の 理 念 に 基 づ き 、「 人 権 教 育 基 本 方 針」 に 示 す 「 学 習 者 の
人 権を 大 切 に し た 教 育 」 の 充 実を 図 る 。
イ
「総合的な学習の時間」におけるプログラムを、人権に視点をおいて開発
し 、様 々 な 人 権 課 題 の 解 決 を 図る 指 導 を 充 実 さ せ る 。
ウ
外 国 人 児 童 生 徒 と 日 本 人 児 童 生 徒 が 豊 か に 共 生 し て い く た め の資 質 や 技 能
の 育 成 を 図 る た め 、 外 国 人 学 校や 在 日 外 国 人 と の 交 流 会 の 実 施 、 多 文 化 理 解
の た め の 教 育 資 料 の 作 成 、地 域 社 会 の教 育 資 源 を 活 用 し た 取 組 等を 支 援 す る 。
42
③
外国人児童生徒に か か わ る 教育指針の 具 現 化
ますます緊密化・複 雑 化する国際社会において、世界の各国、各地域の文
化や生活、習慣などを正 しく理解し尊重する心や態度を、子どもたちに育成
す る 必 要 が あ る 。「 外 国 人 児 童 生 徒 に か か わ る教 育 指 針 」 や 「 子 ど も 多 文 化
共生推進委員会」の報告 などを踏まえて、今後、NGOやNPO等の民間組
織 や 関 係 団 体 と も 連 携 を 図 り な が ら、 具 体 的 な 取 組 を 推 進 す る 必要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 子ど も多 文 化 共 生 推 進 事 業」
・「 子ども 多 文 化 共 生 推 進 委 員 会の 設置 」
内 容 :「 外 国 人 児 童 生 徒 に か か わ る 教 育 指 針 」の 具 現 化を 図 る た め に 、 外 国 人 児 童 生 徒 の 自己
実現 を 支援 する 方 策や 、 す べ て の児 童 生 徒 が互 い を尊 重 し合 い、 多 様な 文 化 的 背 景 を持
つ外 国 人 児 童 生 徒 と豊 か に共 生 する 真の 国 際 化 に 向け た 教育 の取 組 や施 策の 在 り方 を検
討 する 。
・「 子ども 多 文 化 交 流フ ェ ス テ ィ バ ルの 開催 」
内容 : 県内 に 在住 する 外 国や 日 本の 児 童 生 徒が 、 自国 の 文化 や 日ご ろ の 考 えを 発表 し た り 、異
な る国 の文 化を 体験 し た り す る な ど の交 流を通 して 、「 共生 の心」 を育 成す る。
・「 子ども 多 文 化 共 生サ ポ ー タ ーの 派遣 」
内容 : 日 本 語 理 解 が不 十 分な 外 国 人 児 童 生 徒に 対 し、 教 員 等 と 当 該 児 童 生 徒と のコ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ン の円 滑 化 を 促す と と も に 、生 活 適 応 や心 の ケア を 図る な ど 、 学 校 生 活 へ の早 期 適
応 を促 進す る た め に 、サ ポ ー タ ーを 学校 に派遣 する 。
派 遣 人 数 :6 9名 派 遣 校 数:1 4 1 校 言語 :10 言語
○「 外 国 人 児 童 生 徒 等 教 育 相 談 員 派 遣 事 業」
内 容 :尼 崎 市 及 び 明 石 市へ 、 外 国 人 児 童 生 徒 等 の母 語 を理 解 でき 、 教 育 相 談 等 を行 う こ と の で き る
教 育 相 談 員 を派 遣し 、児 童 生 徒 、保 護 者 及び 教員等 に対 する 教 育 相 談 体 制の 充実 を図 る。
○「 外 国 人 児 童 生 徒 日 本 語 指 導 推 進 協 力 校の 指定 」
内 容 :小 学 校2 0 校、 中 学 校 6校 の 計2 6 校を 指定 し 、日 本 語 指 導 が必 要な 外 国 人 児 童 生 徒が 多く
在 籍 する 学 校に 日 本 語 指 導 推 進 教 員 を配 置し 、 日 本 語 指 導 の 充実 を図 る と と も に 、 国 際 化に
対応し た教 育の 在り 方を 調査・ 研究 する 。
○「 帰国 ・外 国 人 児 童 生 徒と 共に す す め る教 育の 国 際 化 推 進 地 域 事 業 」
内 容 :西 宮 市( 平 成1 3∼ 1 4年 度 )及 び 神 戸 市( 平 成1 4 ∼1 5 年度 )を 指 定し 、帰 国 ・外 国 人
児 童 生 徒 の 個に 応じ た 教 育 指 導や 国 際 理 解 教 育 の推 進 の在 り 方に つ い て 学校 ・地 域 が連 携を
図る実 践・ 研究 を行 い、 学校及 び地 域に お け る教育 の国 際 化 の推 進に資 する 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 「外国人児童生徒にかかわる教育指針」に基づき、増加する外国人児童生
徒 等へ の 教 育 環 境 の 整 備 に 努 める 。
イ
外国人児童生徒に対する日本語指導体制づくりを推進する。
ウ
す べ て の 子 ど も た ち に 多 文 化 共 生 を め ざ す 教 育 を 実 施 し て い く上 で 、 必 要
な情報を一元化して提供し た り、関係機関等とのネットワークづくりを行っ
たりする機関を設置する。
エ
「 子 ど も 多 文 化 共 生 推 進 委 員 会 」 の 報 告 を 踏 ま え た 施 策 を 実 施し て い く 。
43
④
国際化 に 対 応 し た 教 育 の 推 進
他国の人々や文化を大 切にする心を持つとともに、自国の文化と伝統を大
切にし、郷土や国を愛す る心を養うことが求められている。このような民族
や 国 籍 の 違 い を 違 い と し て認 め 合 い 、 豊 か な 共 生 の 心 を は ぐ く む た め に は 、
外 国 人 と の 意 思 疎 通が 図 れ る よ う 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 ※ を 身 に つ け る
ことや、近隣諸国との関 係における歴史的な経緯を踏まえるとともに、国際
的視野のもとでの多文化理解や友好親善を深める取組が重要である。また、
英語や英語以外の多様な 言語の学習の機会を子どもたちに提供したり、帰国
児童生徒に対する日本語指導の充実、さらには、国際化時代に対応した県立
学 校 の整 備 ・ 充 実 を 行 う な ど 、 積極的 な 事 業 推 進 を 図 る 必 要 がある 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 外 国 人に よ る英 語 指 導の 充実 」
内 容: 全 県 立 高 等 学 校 に1 5 1 名の外 国 語 指 導 助 手 を配置 し 、英語 、国 際 理 解 教 育な ど に 活 用す る 。
ま た 、 J E Tプ ロ グ ラ ムに よ る外 国 語 指 導 助 手 及び 担 当 英 語 教 員 を対 象 と し て、 テ ィ ー ム・
テ ィ ー チ ン グ等 の指 導 方 法の研 修を 行う 。
○「 高 校 生の外 国 語 教 育 の多 様 化 の推進 」
内 容 :各 県 立 高 等 学 校 に お い て、 教 育 課 程 の弾 力 的 な 編成 の 中で 、 生徒 の実 態 に応 じて 、 英 語 以 外
に、韓 国・ 朝 鮮 語、 中 国 語、フ ラ ン ス語 な ど を独自 に設 置す る。
○「 W E ・A S I A の推 進」
内 容: 県 立 高 等 学 校 に お け るア ジ ア 諸国 への 海 外 修 学 旅 行 の実 施を 支援 する 。( 平成 14 (2002 )年度
26校 が実 施)
○「 東南 アジア との 高 校 生 交 流 事 業」
〈タ イ高 校 生 と の交 流〉
内 容: タイ高 校 生 30 名 、教 員 等 6名 と県 立 高 等 学 校 生1 8名、 教 員 等2 名が 相 互 訪 問 を 行う 。
〈マ レ ー シ ア 高 校 生 との 交流 〉
内 容 :マ レ ー シ ア 高 校 生1 8 名、 教 員 等 2 名と 県 立 高 等 学 校 生1 8 名、 教 員 等 2名 が相 互 訪 問 を行
う。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア JETプログラムによる外国語指導助手の導入による英語の実践的コミュ
ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 を 一層図 る と と も に 、 国 際 理 解 教 育を 推 進 す る 。
イ
国際社会の進展に対応するため、中国語、韓国・朝鮮語、フランス語、ド
イ ツ語 等 、 高 等 学 校 に お け る 語 学 教 育 の 多 様 化 を 推 進 す る 。
ウ
最 新 の 現 地 情 報 を 入 手 し 安 全 に 配 慮し て 、海 外 修 学 旅 行 の 実 施 を 促進 す る 。
エ
国際に関する学科、国際文化系コース、国際高校、中等教育学校等の教育
の 充実 を 図 る 。
コミュニケーション 能力
力を言 う。
情 報の 伝 達に と ど ま ら ず、 思 考 や感 情 の伝 達 を通 じ て人 間 関 係 を 構築 す る能
44
(3)
①
子どもたちの「心」を支えるシステムづくりの推進
「 心の 専 門 家 」 の 配 置 に よ る 、子 ど も た ち へ の 支 援
子どもたちや保護者、 教員の抱える学校教育に関する不安や悩みを受けと
め る た め に は 、「 心 の 専 門 家 」 で あ る 臨 床 心 理 士 な ど を ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ
ーなどとして配置し、教育相談体制の整備を図ることが必要である。スクー
ルカウンセラーなどの配 置については、子どもたちの問題行動等の予防や発
見、解消だけではなく、 保護者や教員の子どもへの接し方についての助言が
得 ら れ る な ど の 効 果 も あ り 、 今 後 、一 層 の 充 実 を 図 る 必 要 が あ る。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ーの 配置 」「心 の教 室 相 談 員 の配置 」
内 容: 神戸市 を除 く公 立 中 学 校 145 校に 臨 床 心 理 士 等 を 配置 。中 学 校 区 内 の小 学 校 に も対 応す る 。
ま た 、公 立 中 学 校1 3 2校 ( ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー 未 配 置 校 )に 生徒 の 悩み の早 期 発 見 のた
めの相 談 員 を配 置す る。
○「 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー ス ー パ ー バ イ ザ ー の配 置」
内 容 :全 県 で3 名 のス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー をス ー パ ー バ イ ザ ーに 指 定し 、ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ーへ
の指導 ・助 言を 行う 他、 重 大 事 件 発 生 時 の児 童 生 徒 の心 のケ アに あ た る 。
○「 ス ク ー ル ア ド バ イ ザ ーの 配置 」
内 容 :公 立 小 学 校 1 5 6校 、 公 立 中 学 校 1 1 5 校に 、 い じ め ・不 登 校 問 題に 適 切に 対処 す る た め に
臨 床 心 理 士 等を 派遣 する 。
○「 生 活 指 導 補 助 員 の配 置」
内 容 :家 庭 ・地 域 や関 係 機 関 との 連 携の も と、 不 登 校 や問 題 行 動 を 起こ す児 童 生 徒 に か か わ り 、改
善に向 けた 効 果 的な 指導 ・支援 を補 助す る非 常 勤 嘱 託 員 を公 立 小 ・中 学 校8 8校 に配 置す る 。
○「 教 育 復 興 担 当 教 員の 配置 」
内 容 :被 災 10 市 10 町の 公 立 小 ・ 中 学 校 を対 象に 、 教 育 復 興 担 当 教 員 を配 置 し、 震災 の 影響 によ
り精 神 的に 不 安 定な 状況 にある 児 童 生 徒 の心 のケア な ど に的 確に 対処す る。
○「 キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ー の配 置」
内 容 :全 県 立 高 等 学 校 を対 象 に、 臨 床 心 理 士 等 の専 門 家を キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ー と し て 派遣 し、
教 育 相 談 活 動の 推進 を図 る。
○「 障害 の多 様 化 等 に対 応す る た め の 指 導 体 制 充 実 事 業」
内 容 :県 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 全 校 を 対象 に 、障 害の 重 度・ 重 複 化 、 多 様 化に 対 し、 個に 応 じ た き め
細かな 指導 を実 施す る た め に 非 常 勤 講 師 を配 置する 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 全 中 学 校 区 に ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー を 配 置 し 、 す べ て の 公 立 小・ 中 学 校 に
おいて 活 用 を 図 る 。
イ
県 立 高 等 学 校 へ の キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ー の 効 果 的 な 活 用 を 図り 、 生 徒 の
相談体制の強化を図る。
45
②
相談窓口の設置などによる、子どもたちの支援体制の整備
学校におけるいじめや 不登校、暴力行為、中途退学等の現状は、依然とし
て 憂 慮す べ き 状 況 に あ る こ と か ら 、実 態 に関 す る 調 査 ・ 研 究 に 取 り 組み 、「 心
の教育相談センター」の 機能の充実を図るとともに、スクールカウンセラー
や キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ー、 臨 床 心 理 士 や 精 神 科 医 等 の 専 門 家 と も 連 携 し 、
そのような状況に立ち至 った子どもたちや家庭を支えるシステムを構築して
いくことが必要である。 また、弁護士や法律家等の専門家との連携も図って
い く 必要 が あ る 。
さ ら に 、 平 素 に お い て も、 子 ど も た ち の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 伸 ば す
な ど 、積 極 的 な 指 導 を 心 が け る こ と が 求 め ら れ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 学校 サ ポ ー ト チ ー ム の設 置」
内 容 :学 校 だ け で は解 決で き な い 児 童 生 徒 の問 題 行 動 に対 し て、 相 談や 未 然 防 止の た め の 指導 ・助
言を行 う学 校・ 警察 OB や精 神 科 医 等の 専 門 家チ ー ムを 全 教 育 事 務 所 に 配置 する 。
○「 地域 や ま び こ教 室の 開催 」
内 容 :不 登 校 児 童 生 徒 と保 護 者を 対 象に 、 1泊 2日 で 体 験 活 動 等 を 年間 7回 実 施。 不 登 校 児 童 生 徒
及び そ の保 護 者 を支 援す る。
○「 ひ ょ う ご っ 子悩 み相 談セ ン タ ーの設 置」
内 容: 県 立 教 育 研 修 所 及び 各 教 育 事 務 所 等 に県 民を 対象と し た 教 育 相 談 窓 口 を 設置 する 。
○「 チ ャ レ ン ジ ・サ ポ ー ト推 進 事 業」
内 容 :高 等 学 校 中 退 者 及び 進 学し な か っ た 者を 対象 に 、進 路 ・生 活 ・学 習 面 で の相 談 支 援 、情 報の
提供を 行う 。〈 窓口 〉県 立 西 宮 香 風 高 等 学 校
○「 不 登 校 児 童 生 徒 の適 応 総 合 調 査 研 究 委 託 事 業 」
内 容 :市 郡 町 教 育 委 員 会が 設 置す る 適 応 教 室や 民 間 施 設4 1 か所 に 、学 校 復 帰 の た め の 支 援 方 策に
係る調 査 研 究を 委託 する 。
○「 高 校 生 心 の サ ポ ー ト シ ス テ ム ∼新た な生 徒 指 導の 推進∼ 」
内 容 :県 立 高 等 学 校3 4校 を 実践 モ デ ル 校 とし 、専 門 家 等 か ら な る サ ポ ー ト チ ー ム を編 成 し、 新た
な 生 徒 指 導 の在 り方 の 実 践 的 研 究 を 行う 。キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ーを 全 県 立 高 等 学 校へ 派遣
する。
・ キ ャ ン パ ス カ ウ ン セ ラ ー 派遣
全県立高等学校
・ 問 題 行 動へ の対 応 実 践 校
1 2校
・ 学校不適応 への 対応実践校 1 2校
・ 生 徒 指 導の 在り 方 研 究 校
1 0校
・ 実 践 研 究 校 連 絡 協 議 会の 開催
○「 心の 教 育 総 合セ ン タ ーの 設置 」
内 容: 県 立 教 育 研 修 所 に 、心の 教育 に関す る今 日 的 な課 題に対 応す る た め 、大 学 教 授 を2名 招 聘 し 、
大 学 と連 携 の も と、 調 査・ 研 究を 行 う と と も に 、ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー 、キ ャ ン パ ス カ ウ ン
セラー 、教 職 員 等を 対象 に、教 育 相 談 活 動の 企画・ 運営 を行 う。
46
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 県 立 但 馬や ま び こ の 郷 を 不 登 校 対 策の 中 核 と し 、学 校 ・ 家 庭 ・ 地 域の 連 携 、
適 応 指 導 教 室 間 の ネ ッ ト ワ ー ク化 を 図 る こ と で 、 地 域 ぐ る み の サ ポ ー ト シ ス
テムの構築や、引きこもり傾 向の不登校生の家庭に学生ボランティアなどの
派 遣に よ る 支 援 を 行 う 。
イ
高 等 学 校 中 退 者 等 に 対 し て 、 進 路 や 生 活 面 等 の 相 談 や 情 報 提 供を 行 う チ ャ
レ ン ジ サ ポ ー ト 事 業 の 拡 充 を 図る 。
ウ
ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー な ど の 効 果 的 な 活 用 を 図 る た め 、 活 動 の在 り 方 や 教
員 との 連 携 、 関 係 機 関 と の 連携等 の 課 題 に つ い て 、 研 究 ・ 協議 す る 。
エ
積 極 的 な 生 徒 指 導 を 推 進 す る た め 、 デ ィ ベ ー ト な ど を 実 施 し て、 コ ミ ュ ニ
ケーション能力の育成等を図 ったり、問題行動や学校不適応等の課題に対応
し た実 践 的 プ ロ グ ラ ム な ど を 策定 す る 。
オ
学校での心の教育の実践や教職員の研修を支援するため、県立教育研修所
に 設 置 し て い る 「 心 の 教 育 総 合 セ ン タ ー」 で 、「 心 の 教 育 」 の 実 践 事 例 集 を
作 成す る 。
47
4
基 礎・基 本の定 着を図り 、一人一人の「 よさ」
を 生 かし 、 創 造 性 を 伸 ば す 教 育に 取 り 組 み ま す
(1)
①
基礎・基本の定着と「個」に応じた学習指導体制の確立
幼稚園 に お け る 取 組 の 充 実
子どもは、3 歳になるとすでにまわりへの興味・関心 、人とのつながりな
どが急速に広がり、親へ の全面的な依存の状態から自立に向かう。幼稚園で
は 、計 画 さ れ た 様 々な 遊 び を 通 し て 、う ま く 人 と か か わ れ る よ う に な っ た り 、
言 葉 が豊 か に な っ た り 、自 然 の 美 し さ や 不 思 議 な ど に 気 づ い た り す る こ と で 、
小学校以降の学習基盤の形成をめざしている。
「幼稚園教育要領」は 、小・中・高等学校の「学習指導要領」と系統性を
もって策定されており、 学校教育は幼稚園から始まるという認識のもとに、
地域の子育てのセンター としての役割や、小学校との連携を視野に入れた取
組 を 進め る 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 幼・ 小連携 に関 する 総 合 的 調 査 研 究 」
内容 :姫 路 市、 加 古 川 市 立の 各1 幼 稚 園 、 小 学 校 に お い て 、 幼 稚 園 教 育 から 小 学 校 教 育 へ 滑ら か に
移 行 で き る よ う 、幼 ・ 小 教 員 の円 滑 ・適 切な 連 携、 幼 児と 児 童と の交 流 など 相互 の 共 通 理 解
を形成 する 調査 ・研 究を 実施す る。
○「 幼 児 教 育 の 振興 」
内 容 :こ れ か ら の 幼 児 教 育 の ビ ジ ョ ンや 取 組の 方向 を 、冊 子 「兵 庫 の幼 児 教 育 の振 興に 向 けて 」に
まとめ 、地 域の 実情 に応 じた幼 児 教 育の 振興 を図る よ う 助言 する 。
・ 幼稚園 の教 育 活 動の 充実
・ 幼 稚 園 等に お け る子 育て 支援の 充実
・ 異校種 や家 庭・ 地 域 社 会 との連 携
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 「 生 き る 力 」 の 基 礎 を 培 う こ と を 目 的 と し た 幼 稚 園 教 育 要 領 の実 現 に 向 け
た 取組 を 支 援 す る た め 、 研 修 の機 会 や 場 の 提 供 に 努 め る 。
イ
就学前教育は、小学校以降の生活や学習の基盤となるものであることを踏
まえ、相互の教育内容や指導方法の理解を深めるとともに、子育て支援等の
共通の課題について幼稚園と 小学校が協力した取組を、市町との連携のもと
に 進め る 。
ウ
幼 稚 園 支 援 ボ ラ ン テ ィ アの 導 入 や 地 域 の 人 々 の 交 流 活 動の 促 進 等 、「 参 画
と協働」の考え方に基づく「 開かれた幼稚園づくり」への取組を支援する。
48
②
小 ・中 学 校 に お け る 取 組 の 充 実
子 ど も た ち の 「 個 性 」 を 引 き 出 し 、「 創 造 性 」 を は ぐ く む た め に は、 確 か
な「基礎・基本」を身につけることが大切な条件である。各教科等の学習内
容の基礎・基本をしっかりと教え、分かるまで指導を尽くすとともに、授業
内容の工夫改善に努め、 子どもたちが楽しく学べる指導方法を確立していく
必要がある。一人一人の 子どもに基礎・基本が確実に定着するところから、
「 自 ら学 び 、 自 ら 考 え る 力 」 の 育 成が 始 ま る と 言 え る 。
一人一人の学力や学習 の状況等に応じた繰り返し指導による「つまずき」
の 克 服 や 、 課 題 に じ っ く り取 り 組 ま せ る き め 細 か な 指 導 に よ る 発 展 的 な 学 習
等、基礎・基本の上に子 どもたちの多様な個性が示す興味や関心に応じた学
習指導を実現させることがきわめて大切であり、教科担任制・複数担任制や
少人数による学習を可能 にしたり、複式学級を有するなどの小規模校の指導
体制の充実が図れる「新学習システム」を一層推進するとともに、地域の教
育 力 を活 用 し 、 活 力 あ る 学 習 指 導 に取 り 組 ん で い く 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 小・ 中学校 での 『新 学 習 シ ス テ ム 』 の推 進」
内容 :平 成 13 年 度か ら 、児 童 生 徒 の成 長 発 達 段 階や 教 科 等 の特 性 に応 じて 、 柔軟 に少 人 数 学 習 集
団 を 編成 し 、多 くの 教 職 員 が 児 童 生 徒 一 人 一 人 と か か わ り 、 多様 な能 力 や個 性の 伸 長と 基礎
学力の 向上 を図 る た め、 新学習 シ ス テ ム 指 導 教 員 を 配置 する 。
○「『 い き い き 学校 』応 援 事 業 」( 再掲 )
内容 :県 下 全 公 立 小・ 中 学 校 及び 市 立 盲 ・ 養 護 学 校を 対象 に 、各 学 校の 創 意 工 夫を 生か し た特 色あ
る教 育 活 動 を支 援す る た め 、各小・ 中 学 校 等 に地 域 住 民 等で 構成 する「 い き い き学 校 応 援 団 」
を 設置 す る と と も に 、 特 定の 分 野 に お け る 専 門 性 の 高い 郷 土 出 身 者 を 招聘 し 、「総 合 的 な学
習の時 間」 等の 充実 を図 る。
① 「い き い き学 校 応 援 団 」 の設 置
② ふ る さ と の先 輩 推 進 事 業
③テ レ ビ 番 組 制 作 ・ 放映
○「 社 会 人 活 用 を図 る特 別 非 常 勤 講 師 招 聘 事 業」
内容 :公 立 小・ 中 ・養 護 学 校 68 校 に お い て、 学 校 教 育の 活 性 化 を 図る た め 、 68 人の 民 間 人 材を
活用す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 「学習指導要領」の趣旨の実現に向けた取組を支援していくとともに、そ
の 成果 や 課 題 に つ い て 実 証 的 な検 証 を 行 う 。
イ
平 成 13(2001)年 度 に と り ま と め た 新 学 習 シ ス テ ム の 成 果 と 課 題を 踏 ま え 、
第7次教職員定数改善を活用 した授業の工夫改善を一層支援するとともに、
基礎・基本の確実な習得を図 る指導方法の改善について、国の調査・研究の
推 移も 見 守 り な が ら 、 さ ら に 実 践 研 究 を 行 い 取 り 組 ん で い く。
ウ
「総合的な学習の時間」をはじめとして、学習指導における地域社会の教
育 力の 活 用 を 積 極 的 に 支 援 す る。
49
③
高等学校の 取 組 の 充 実 と 理科教育 の 推 進
小・中学校において、 子どもたち一人一人にきめ細かな指導を実現させ、
個性を伸ばす学習指導に 取り組む一方、高等学校においては、そのような子
どもたちの多様な個性を 受け入れられるよう、特色ある学校づくりに取り組
むことが 求 め ら れ て い る 。
そ の た め に は 、 平 成 12( 2000)年 に 策 定 し た 県 立 高 等 学 校 教 育 改 革 第 一 次 実
施計画に基づき、学校の 個性化・多様化を推進し、また、選抜制度の改善も
進め、義務教育を修了し た子どもたちが「学びたいことが学べる」体制を確
立していくことが必要である。
また、子どもたちの理科離れが懸念される中、校種を超えた系統的な理科
教育への取組も大きな課 題である。大学も含めて、校種間の連携により、子
どもたちの学習への意欲 が校種を超えて適切に引き継がれていくことが求め
られている。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
《県 立 高 等 学 校 の教 育 改 革》
○「 高 等 学 校 に お け る特 色あ る教 育 課 程 の推 進」
内 容 :県 立 高 等 学 校に お い て 、特 色 ある 教 育 課 程の 編 成を 支 援す る た め 、特 別 非 常 勤 講 師 の配 置・
少 人 数 授 業 の充 実を 図る 。
・ 特色あ る教 科、 選 択 科 目 の開設
・ 民 間 人 等の 特 別 非 常 勤 講 師への 活用
○「 県 立 高 等 学 校 教 育 改 革 第 一 次 実 施 計 画の 推進 」
〈前 期 計 画に よ る整 備〉
対 象: 須磨友 が丘 (平 成1 4年 度 )、 武 庫 荘 総 合 、豊 岡 総 合 (平 成1 5年度 )
内 容: 総 合 学 科に 改編 ・設 置を 行う。
対 象: 北須磨 、三 田 祥 雲 館 (平 成1 4年 度)
内 容: 単 位 制 高 校 に改 編・ 設置 を行う 。
姫 路 東 、飾 磨 工 業 (平 成1 5年 度)
対 象: 芦屋南 (平成 15年 度)
内 容: 芦 屋 国 際 中 等 教 育 学 校の 新設、 国 際 高 等 学 校 の新設 (単 位 制 )
対 象: 舞子(平 成1 4年度 ) 明 石 西、 尼 崎 小 田 (平 成1 5年 度)
内 容: 環 境 防 災 科 ( 舞 子 )、国 際 人 間 科( 明 石 西 )、 サ イ エ ン ス リ サ ー チ科( 尼 崎 小 田 )を 新設す る 。
対 象: 英語コ ー ス 13 校、 理数 コース 22 校 (平 成1 5年 度)
内 容: 国 際 文 化 系 コ ー ス、 自 然 科 学 系 コ ー スに 改編 する。
○「『 後 期 計 画 の推 進』 の た め の 委 員 会 の設 置」
○「 公 立 高 等 学 校 入 学 者 選 抜 制 度 ・方法 の改 善 」「新 しい選 抜 制 度の 導入 」(平成 15 年度)
内 容: 神 戸 第 三 学 区に お い て、 新しい 選 抜 制 度 に関 する県 民へ の説 明を 実施す る。
50
○「 高 校 生 学 び のネ ッ ト ワ ー ク推 進 事 業 ∼ハ イ ス ク ー ル・C O R E・ プログラム ∼ 」(再 掲)
内 容 :県 立 高 等 学 校8 校を 対 象に 、 生徒 の 多様 なニ ー ズに 応 じて 学 習の 機会 を 拡大 す る た め、 他の
高 等 学 校 の 教科 ・科 目 を履 修 する 機 会を 与え た り、 大 学や 社 会 教 育 施 設 でも 学習 で き る 機会
を提供 する 。
学 校 間 連 携 :8 校
高 大 連 携: 神 戸 甲 北 高 等 学 校 と 神 戸 親 和 女 子 大 学 ・流 通 科 学 大 学 、県 立 西 宮 高 等 学 校と 甲南
大学 、西 脇 高 等 学 校 と武 庫 川 女 子 大 学 等 計 19 校
高 社 連 携: 姫 路 東 高 等 学 校と 県 立 歴 史 博 物 館、 三 田 祥 雲 館 高 等 学 校と 県 立 人 と自 然 の博 物 館
等 計1 2校
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 高等学校の第6次教職員定数改善を活用した個に応じた少人数学習や習熟
度 別 学 習 等 、 授 業 の 工 夫 改 善 への 取 組 を 一 層 推 進 す る 。
イ
県 立 高 等 学 校 教 育 改 革 第 一 次 実 施 計 画 に 基 づ く 「 前 期 計 画 」 の成 果 と 課 題
について検証し、その検証を 踏まえた「後期計画」を着実に推進していく。
ウ
平 成 15(2003)年 度 入 学 者 選 抜 で 神 戸 第 三 学 区 に 導 入 さ れ た 新 しい 選 抜 制 度
の成果と課題を検証するとともに、県立高等学校教育改革第一次実施計画に
基 づ い て 他 の 学 区 へ の 導 入 を 推進 す る 。
エ
高 大 連 携 の 一 層 の 緊 密 化 を 図 り 、「 学 び 」 の 体 系 化 を 図 る こ と を め ざ し 、
高校在学中に大学での学習も 可能とし、高校卒業後、その成果を進学した大
学で既習得単位として認定を 受けるといった高大連携の在り方の研究を進め
る。
オ
教 科 の 学 習 活 動 に 対 す る 絶 対 評 価 を 一 層 推 進 す る こ と に よ り 、基 礎 ・ 基 本
の 充実 と 個 に 応 じ た 学 習 指 導 体 制 の 確 立 を 図 る 。
カ
「 ス ー パ ー サ イ エ ン ス ハ イ ス ク ー ル ※ 」「 ス ー パ ー ・ イ ン グ リ ッ シ ュ ・ ラ ン
ゲ ー ジ ・ ハ イ ス ク ー ル ※ 」 の 導 入 を 図 り 、 高 等 学 校の 個 性 化 ・ 多 様 化 を 進 め
る。
キ
理 科 教 育 に 対 す る 児 童 生 徒 の 興 味 ・ 関 心 を 高 め る プ ロ グ ラ ム の開 発 や 教 員
を 対象 と し た 授 業 方 法 の 研 修 等、 理 科 教 育 の 振 興 を 図 る 。
ス ー パ ー サ イ エ ン ス ハ イ ス ク ー ル 理 数 系 教 育 を 重 点 的 に 実施 す る こ と に よ り 、理 数 系 教 育 の改 善 に資
す る こ と を 目的と し た 実 践 研 究 を行 う。
ス ー パ ー ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・ ラ ン ゲ ー ジ ・ ハ イ ス ク ー ル 英 語 教 育の 重 点 的 実 施に 関 する 実 践 研 究 や、
一 部の 教科 を英語 で行 う教 育に 関す る研究 を行 う。
51
(2)
①
ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ョ ン に 基 づく 障 害 児 教 育 の 充 実
障害児教育の 総 合 的 な 施 策 の 展開
ノーマライゼーションの理念を実 現させていくために 、県民に障害児教育
への理解を一層促し、地 域の人々との交流活動を積極的に行い、地域ぐるみ
で 「 家庭 」 や 「 学 校 」 を 支 援 す る 施策 を 引 き 続 き 推 進 す る 必 要 が あ る 。
また、障害の重度・重複化、多様化や教育行政の分権化など、障害児を取
り巻く状況が大きく変化 する中で、障害児教育にかかわる県行政と市町行政
の連携や、障害の種別を 超えた障害児教育の在り方などを総合的に見直すこ
と が 求め ら れ て お り 、 早 急 な 対 応 が必 要 と な っ て い る 。
さらに、県立盲・聾・ 養護学校の高等部、高等養護学校の在り方について
は 、 県 立 高 等 学 校 教 育 改 革の 観 点 と 同 様 に 、 多 様 な 教 育 の 場 の 選 択 肢 と し て
位 置 づけ 、 そ の 整 備 ・ 充 実 を 図 っ て い く こ と が 求 め ら れ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 西 播 磨 地 域 養 護 学 校 の整 備 推 進」
内 容 :西 播 磨 地 域 に お け る 養 護 学 校 の長 時 間 通 学と 過 密 状 況 を解 消 す る た め に 、新 たに 知 的 障 害 養
護学校 の整 備を 推進 する 。
○「 障害 の多 様 化 等 に対 応す る た め の 指 導 体 制 充 実 事 業」
内 容 :県 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 に、 障 害の 重 度・ 多 様 化 、職 業 教 育 の 充実 、卒 業 後の 進路 の 多 様 化に
対応し た指 導を 行う た め の非 常 勤 講 師を 配置 する。
○「 盲・ 聾・養 護 学 校 医 療 的 サ ポ ー ト 推 進 事 業」
内 容 :医 療 的ケ ア の必 要な 児 童 生 徒 が在 籍 する 和 田 山 養 護 、 淡 路 養 護、 北は り ま養 護、 出 石 養 護 学
校に看 護 師 等を 派遣 し、 児 童 生 徒に 対す る医 療 的 ケ アを 実施 する 。
○「 盲・ 聾・養 護 学 校の 整備 」
内 容: 県 立 赤 穂 養 護 学 校の 運 動 場の芝 生 化 や県 立 盲 学 校 の 寄 宿 舎の 改修 などを 進め る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 障害児を取り巻く状況の変化に対応した障害児教育の在り方についての基
本理念 を 策 定 の 上 、 県 の 福祉計画 に 呼 応 し た 総 合 的 な 施 策 の検 討 を 行 う 。
イ
盲・聾・養護学校におけるボランティア養成講座の開催や講座修了者の地
域における登録制度等、ノーマライゼーションの進展をめざす県民の意識の
向 上を 図 る 。
ウ
「特別支援教育推進体制 モデル 事業」等 を実施 し、従来 のカテゴリー※で
は 対応 で き な い 特 別 な 配 慮 を 必要 と す る 児 童 生 徒 へ の 対 応 を検 討 す る 。
エ
個々の教育的ニーズに適切に対応した障害児教育を推進するために、障害
児学級及び盲・聾・養護学校 の在り方を含めた今後の障害児教育の方向性を
探 る。
カテゴリー
一般に 同じ 種類 ・性 質の も の の 属す べ き 部門 や範 囲。
52
②
障害児 の 自 立 を 支 え る 取 組 の 推進
障害児が社会で自立していくためには、地域社会が障害児一人一人をしっ
かりと支えていく環境を 整えていくことが重要である。そのためには、家庭
と地域社会、学校と地域社会の一層の連携が必要であり、連携の円滑化に対
応した支援策が求められている。また、行政にあっては、早期教育相談体制
や就学の在り方などについて、県と市町との連携のもとで進められる必要が
ある。
また、障害児に対する 指導にあたっては、より高い専門性と実践的な指導
力を有する教員を配置することが求められており、リーダーとなる教員の養
成 を 図る 必 要 が あ る 。
さ ら に 、 教 職 員 す べ て に、 通 常 の 学 級 等 に 在 籍 す る 障 害 の あ る 児 童 生 徒 へ
の理解と指導力の向上を 図ることが求められており、障害児教育センターの
教 職 員 研 修 機 能 の 一 層 の 拡 充 強 化 を図 る こ と が 必 要 で あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 障 害 児の土 曜 日 活 動 支 援 事 業 」
内 容 :県 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 20 校 を対 象 と し て指 導 員 等 を 配置 し 、完 全 学 校 週5 日制 の 実施 に伴
い 、 休日 を 主 体 的に 過 ご す こ と が 困 難な 障害 の あ る 幼 児 児 童 生 徒 に対 し て、 居 住 地 や学 校で
の自 主 的な 活動 を支 援す る。
○「 Y U ・ら い ふ・ サ ポ ー ト 事業 」(再 掲)
内 容 :全 県 立 盲 ・ 聾・ 養 護 学 校2 2 校を 対 象と し て 、 学校 が 家 庭 及 び地 域 社 会 等と の連 携 の も と、
特 色 ある 取 組を 行い 、 幼 児 児 童 生 徒 の社 会 性 を 養う と と も に 、自 立し 社 会 参 加す る た め の基
盤と な る「 生き る力 」の 育成を 図る 。
○「 障 害 児の自 然 体 験 活 動の 推進 」(再 掲)
内 容 :公 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 35 校 の小 ・ 中 学 部の 児 童 生 徒 を対 象 と し て、 自 然 体 験 活 動 を実 施す
る。
○「 I T 教 育 推 進 研 修 員 事 業 の拡 充」
内 容 :市 町 組 合 立 学 校 教 員 、 県 立 盲 ・聾 ・ 養 護 学 校 教 員1 4 名を 対 象に 、 I T 教育 に つ い て の 専門
的な知 識・ 技術 を習 得す る た め の1 年間 の研 修を行 う。
○「 障 害 児 教 育 内 地 留 学 派 遣 」
内 容 :公 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 及び 公 立 小 ・ 中 学 校で 障 害 児 教 育に 携 わる 教員 を 国 立 大 学 等 へ1 年間
派遣す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 地 域 に お い て 、 障 害 児 を 就 学 前 か ら 学 校 卒 業 後 ま で 、 関 係 機 関が 一 体 と な
っ て支 援 し て い く 体 制 づ く り を行 う 。
イ
盲 ・ 聾 ・ 養 護 学 校 が そ の 専 門 性 を 生 か し 、 教 育 相 談 や 地 域 の 学校 へ の 指 導
・ 助言 を 行 う な ど 、 地 域 の セ ン タ ー と し て の 機 能 の 向 上 を 図る 。
ウ
現 在 の 県 立 障 害 児 教 育 セ ン タ ー の 機 能 に 医 療 ・ 福 祉 機 能 を 加 味し 、 早 期 か
ら の障 害 児 の 療 育 ・ 教 育 相 談 に対 応 す る 。
53
エ
情報教育等、時代に対応した教育内容を充実させるなど、普通教育、職業
教 育の 一 層 の 充 実 を 図 る 。
オ
教 員 の 専 門 性 の 向 上 を 図 る た め に 、 県 立 障 害 児 教 育 セ ン タ ー での 研 修 体 制
の充実、リーダーとなる教員 の養成、盲・聾・養護学校教諭免許状の保有率
向 上や 、 免 許 状 所 有 者 ・ 取 得 希 望 者 等 の 積 極 的 な 人 事 異 動 に取 り 組 む 。
カ
公立盲・聾・養護学校において、看護師、理学療法士、作業療法士、言語
聴 覚 士 等 の 医 療 関 係 職 員 及 び 臨 床 心 理 士 等 の 専 門 職 員 の 活 用を 推 進 す る 。
キ
障 害 児 教 育 担 当 教 員 以 外 の 教 員 等 に 対 す る 障 害 児 教 育 についての 研 修 を 充
実 する 。
54
(3 )
①
社会の情報化や環境問題等、今日的な課題に
向けた教育の推進
情報教育の 充 実
社会の情報化が急速に 進展する中で、教育情報ネットワークの基盤整備を
進める一方、児童生徒に 高度情報通信社会を主体的に生き抜く力を身につけ
させることが重要な課題 となっている。IT(情報通信技術)や情報を適切
に活用する能力を育て、 コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手
段の基本的な特性や適切 な活用方法を理解させるとともに、望ましい情報社
会の創造に向けて、社会 の中で情報や情報技術が果たしている役割や影響を
理解させ、情報モラルや 情報に対する責任感などを育成することが大切であ
る。
また、教職員のIT活用能力の向上を進める一方で、高度情報通信社会に
おける情報教育の在り方 についての教職員の理解と指導力の向上を図り、子
どもたちの興味・関心等 に応じ、積極的に情報手段を使いこなし、思考力や
判 断 力 、 創 造 力 、 表 現 力 等の 育 成 に 努 め て い く こ と が 重 要 で あ り 、 国 や 市 町
の 取 組と 連 携 し た 総 合 的 な 施 策 の 展開 が 求 め ら れ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 I T ス ク ー ル整 備 事 業」
内 容 :全 県 立 学 校 を対 象に 、 生徒 や 教 職 員 が校 内の 普 通 教 室 や特 別 教 室 等か ら 、必 要に 応 じ て い つ
でもコ ン ピ ュ ー タや イ ン タ ー ネ ッ ト を活 用し た学 習 等が 行え る よ う整備 する 。
○「 社 会 人 活 用 IT 教 育 支 援 事 業 」
内 容 :県 立 学 校 を 対象 に、 コ ン ピ ュ ー タ や 情 報 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク を 活用 した 授 業の 技 術 的 補 助 を行
うIT 教 育 指 導 補 助 員 等 を配置 する 。
○「 I T 教 育 推 進 研 修 員 事 業 の拡 充 」( 再掲 )
内 容 :市 町 組 合 立 学 校 教 員 、 県 立 盲 ・聾 ・ 養 護 学 校 教 員1 4 名を 対 象に 、 I T 教育 に つ い て の 専門
的な知 識・ 技術 を習 得す る た め に1 年間 の研 修を行 う。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 国 や 県 の 指 針 を 踏 ま え た 上 で 、 初 等 教 育 か ら 後 期 中 等 教 育 までの 本 県 の 情
報教育の系統的な在り方を示 す指針を策定し、国や市町の取組と連携した教
育 を推 進 す る 。
イ
教員のIT活用能力の向上を一層進め、高度情報通信社会における子ども
たちの 情 報 教 育 の 在 り 方 に 対 する 理 解 と 指 導 力 の 向 上 を 図 る。
ウ
大 容 量 の 情 報 が 交 信 可 能 な 教 育 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク の 供 用 開 始 に伴 い 、 教 育
委員会や各学校、地域や家 庭 等の間で、動画等を含めた各種情報が双方向に
交 信す る な ど 、 新 た な 学 習 の 場の 創 造 に 努 め る 。
エ
県 立 及 び 市 町 組 合 立 学 校 の 情 報 教 育 環 境 の 充 実 の た め に 、 校 内 L A N ※や
高 速 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク な ど の 基 盤 整 備を 促 進 す る 。
校内 L A N
校内に 分 散 配 置 さ れ て い るサ ー バ ー やパ ソ コ ンな ど を 結 ぶネ ッ ト ワ ー ク・シ ス テ ム。
55
②
図書館教育の 充 実
様 々 な 情 報 メ デ ィ ア ※ の 発 達 ・ 普 及 や 子 ど も の 生 活 環 境の 変 化 、 さ ら に は
幼 児 期か ら の 読 書 習 慣 の 未 形 成 等 に よ る 子 ど も の「 読 書 離 れ 」を 背 景 と し て 、
平 成 13(2001)年 1 2月 に 「 子 ど も の 読 書 活 動 の 推 進 に 関 す る 法 律 」 が 制 定 さ れ
た 。 こ れ に 基 づ き 、 国 は 、 平 成 1 4(2002)年 8 月 に 「 子 ど も の 読 書 活 動 の 推 進
に関する基本的な計画」 を公表したが、本県においても、その実態にあった
推進計画を策定し、市町 における具体的な推進計画につなげていく必要があ
る。
また、学校図書館の活 用についても、本年度から始まった司書教諭の配置
を契機として、高度情報社会にあっては、図書も情報メディアの一つである
という認識に立って、図書館を情報教育の拠点の一つとして位置づけ、図書
館教育の活性化を図っていく必要がある。さらに、子どもたちの情報リテラ
シ ー の育 成 の 観 点 か ら 、 新 聞 等 を 用い た 教 育 の 充 実 も 求 め ら れ て い る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 司 書 教 諭 の 養 成 推 進 」
内 容 :学 校 図 書 館 法の 改正 に 伴い 、 平成 1 5年 4月 1 日 以 降 、1 2 学 級 以 上 の 規模 の学 校 に司 書 教
諭 の 配置 が 義務 づ け ら れ る こ と を 踏 まえ 、公 立 学 校 に お い て 司 書 教 諭 相 当の 職 務 経 験が 2年
以 上 の者 8 4 1 名を 対 象に 、 兵 庫 教 育 大 学も し く は 県 立 教 育 研 修 所に お い て 養 成 講 座を 実施
し、計 画 的 に司 書 教 諭を 養成す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 司 書 教 諭の 研 修 等 の 充 実 に よ り 、 読 書 教 育 の 充 実 を 図 る 。
イ
国 の 「 子 ど も の 読 書 活 動 の 推 進 に 関 す る 基 本 的 な 計 画 」 を 受 けた 本 県 の 推
進計画 を 策 定 す る 。
ウ
司 書 教 諭 の 配 置 と と も に 、 教 育 情 報 の 拠 点 と し て の 図 書 館 の 整備 ・ 活 用 を
促 進す る 。
③
環境教育の 充 実
「 共 生 と 循 環 の 環 境 適 合 型 社 会 」 の 実 現 を め ざ し 、 平 成 14(2002)年 5 月 に
「新兵庫県環境基本計画 」を策定した。そこでは、学校教育において、各教
科、総合的な学習の時間 、特別活動等の時間を活用して、発達段階に応じた
体系的な環境教育を、家 庭や地域社会との連携の中で展開していくこととし
て い る 。 今 日 の 「 環 境 問 題」 は 、 自 然 の 在 り 方 や 南 北 格 差 と い っ た 人 間 社 会
の在り方の問題等、きわめて重要な教育課題を導き出す大きな手がかりとな
る も の で あ り 、学 校 教 育 に お い て 積 極 的に 取 り 組 む 意 義 は 大 き い 。ま た 、「 環
境問題」は、論理的思考 、科学的思考を育てる上でも非常に有効なテーマで
あり、NPO諸団体等と の連携を積極的に図ることも視野に入れて、取り組
むことが 必 要 で あ る 。
また、学校施設においても、太陽光発電施設の設置や内装への木材利用、
さらに 、ビ オ ト ー プ※づ く り 、運 動 場や中 庭の緑 化 等 、 環境へ の負荷 の低減
を 考 慮し 、 環 境 教 育 に も 生 か せ る 施設 づ く り に 取 り 組 む 必 要 がある 。
情報 メ デ ィ ア 新聞 、テ レ ビ 、ラ ジ オ に加え て、 イ ン タ ー ネ ッ トな ど の情 報を 伝達 する媒 体。
ビ オ ト ー プ 生き物 が住 める 生 態 的 空 間。
56
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 環 境 教 育 副 読 本 の活 用」
内 容 :公 立 小・ 中 学 校 を対 象 に、 身 近な 環 境か ら地 球 規 模 の 環境 ま で広 く関 心 を高 め さ せ る教 材を
授業で 活用 する 。
○「 環 境 教 育 担 当 教 員 講 習 会 等へ の派遣 」
内 容: 環 境 教 育 担 当 教 員を 国が 実施す る講 習 会 や環 境 教 育 フ ェ アへ 派遣 する。
○「 環 境 教 育 モ デ ル 市町 の指 定」
内 容 :美 方 町 地 域 を環 境 教 育 モ デ ル 市町 に 指定 し、 地 域で 取 り組 む 先 導 的モ デ ル事 業を 国 の委 嘱 事
業と し て実 施す る。
○「 県 立 人と自 然の 博 物 館の 運営 」(再 掲)
内 容 :自 然 の摂 理 、生 命の 尊 厳 及 び 人と 自 然の 調和 し た環 境 の創 造 に関 する 県 民の 理解 を 深め 、教
育 、 学 術 及 び文 化の 発 展に 寄 与す る こ と を目 的 と し て 、兵 庫 の自 然 史 な ど の 常 設 展 示を は じ
め 、 企 画 展 示、 講座 ・ 講 習 会 、移 動 博 物 館、 調 査・ 研 究、 機 関 誌 の発 行 な ど を行 う 。ま た、
博 物 館 の 今 後 の在 り 方 に つ い て の 「中 期 目 標」 を 策 定し 、「 人と 自 然 の博 物 館 の新 展 開 」を
推進す る。
○「 県立 コ ウ ノ ト リ の郷 公 園 の運 営 」( 再掲 )
内 容 :特 別 天 然 記 念 物 で あ る コ ウ ノ ト リ の 保護 ・増 殖 を図 る と と も に、 人と 自 然の 調和 し た環 境の
創 造 に つ い て県 民の 理 解を 深 め、 教 育・ 学 術 及 び文 化 の発 展 に寄 与す る こ と を目 的 と し て、
コ ウ ノ ト リ の保 護・ 増 殖 事 業 、野 生 化に 向け た 研究 ・ 実験 、 パ ー ク ボ ラ ン テ ィ ア 養 成 講 座や
研 究 会 等の 普 及 啓 発 活 動 を実施 する 。
○「 学 校 施 設 ( エ コ ス ク ー ル )の パ イ ロ ッ ト モ デ ル事 業 ※ 」
内 容 :公 立 学 校 を 対象 に、 太 陽 光 発 電や 太 陽 熱 利 用 等 の新 エ ネ ル ギ ーを 導入 し た り 、木 材 利 用 、建
物緑化 、中 水 利 用 等 、環 境 保 全 の た め の 設備 や工夫 を取 り入 れた 学校の 整備 を推 進す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 海 や 河 川 と い っ た 自 然 環 境 を 教 材 と し た 環 境 教 育 の 推 進 について 、 プ ロ グ
ラ ムの 開 発 を 行 う な ど 総 合 的 な取 組 に 向 け た 方 策 を 検 討 す る。
イ
県 立 人 と 自 然 の 博 物 館 の 資 料 や 人 材 を 活 用 し 、 小 ・ 中 ・ 高等学校 を 対 象 と
し て、 自 然 環 境 を 学 ぶ 学 習 プ ロ グ ラ ム を 提 供 す る 。
ウ
県 立 コ ウ ノ ト リ の 郷 公 園 に 飛 来 し た 野 生 の コ ウ ノ ト リ の 行 動 をイ ン タ ー ネ
ッ ト で 動 画 に よ り 発 信 す る な ど 、 平 成 1 7(2005)年 度 ( 予 定 ) の コ ウ ノ ト リ の
試験放鳥に向け、人とコウノトリが共存できる環境の創造への県民の理解を
得るよう努める。
パイロットモデル事 業
実 験 事 業 。事 業の実 施に 先立 ち実 験 的 に試行 さ れ るモ デ ル 事業。
57
5 個性ある学校、開かれた学校づくりを進めます
(1)
①
個性をはぐくむ 特色ある学校づくりへの支援
地 域の 教 育 力 を 活 用 し た 学 校 づくりへの支 援
「 情 報 」 や 「 環 境 」、「 福 祉 」 等 、 大 き く 変 化 す る 時 代 を 背 景 と し た 今 日 的
課題に対応する教育の推 進については、学校だけの取組には限界があり、地
域の教育力を積極的に活 用する必要がある。そのためには、学校行事のみな
ら ず 、 授 業 等 で も 地 域 住 民の 応 援 を 得 た り 、 小 ・ 中 学 校 間 に お け る 交 流 事 業
や、中学校の教育活動の 公開等、学校が平素から地域社会に開かれているこ
と が 重要 で あ る 。
こうした「開かれた学 校づくり」への取組は、学校教育の活性化のみなら
ず、学校が保護者や地域住民のニーズを把握し、地域や子どもたちの実態に
応じた教育活動を進めていくといった、社会の変化に柔軟に対応した教育を
実現させていくとともに 、地域の学校教育への理解を深め、地域社会全体の
教育力の向上につながっていく。地域社会全体で児童生徒の健全育成を図っ
ていくためにも、学校は 、地域住民との交流を促進する取組を展開する必要
が あ る。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 P T C A 活 動 支 援 事 業 」(再掲 )
内 容: 従来の P T A活 動に 、地 域 住 民 の参 画を 図る 取組を 支援 する 。
○「 社 会 人 活 用 を図 る特 別 非 常 勤 講 師 招 聘 事 業 」(再 掲)
内 容 :公 立 小・ 中 ・養 護 学 校 68 校 に お い て、 学 校 教 育の 活 性 化 を 図る た め 、 68 人の 民 間 人 材を
活用す る。
○「 高 等 学 校 地 域オ ー プ ン講 座の 開設」
内 容 :地 域 住 民 に 対し 、高 校 生と 共 に学 ぶ 多様 な学 習 機 会 を 提供 す る こ と に よ り、 地域 に 開か れ た
学校づ く り を推 進す る。
・ ユ ニ ッ ト講 座 通年 に わ た り 地 域の 人々 が参 加 可 能 な科 目を 開設 する 。(7 校)
・ ユ ニ ー ク講 座 短 期 間に お い て 、地 域の 人々 が参 加 可 能 な単 元を 開設す る 。(8 校)
○「 コ ミ ュ ニ テ ィ カ レ ッ ジの 開設 」(再 掲)
内 容 :主 と し て 成 人を 対象 と し て 、 高 等 学 校の 施設 や 機能 を 活用 し 、職 業に 必 要な 知識 ・ 技能 の修
得 や 、社 会 人と し て 幅 広い 教 養を 高 め る た め の 講座 ( 社 会 的 課 題 講 座 2 2、 地 域 的 課 題 講 座
22) を実 施す る。
○「 部 活 動 指 導 補 助 員 配 置 事 業 」( 再掲 )
内 容 :公 立 中 学 校 を対 象に 部 活 動 の 練 習 計 画の 作成 や 技 術 指 導の で き る 部 活 動 指 導 補 助 員 60 名を
配置し 、事 故 防 止と と も に、運 動 部 の活 性 化 を図る 。
○「 県 立 学 校 体 育 施 設の 開放 」(再 掲)
内 容 :地 域 のス ポ ー ツ ・レ ク リ エ ー シ ョ ン 活動 の場 と し て 県 立 学 校 (1 2 1 校 )の 体 育 施 設を 開放
する。
58
○「『 い き い き 学校 』応 援 事 業 」( 再掲 )
内 容 :県 下 全 公 立 小・ 中 学 校 及び 市 立 盲 ・ 養 護 学 校 を 対象 と し て 、 各 学 校の 創 意 工 夫を 生 か し た特
色 あ る教 育 活 動 を支 援 す る た め、 各 小・ 中 学 校 等に 地 域 住 民 等で 構成 す る「 い き い き学 校 応
援 団」 を 設 置 す る と と も に、 特 定 の分 野 に お け る 専 門 性 の 高 い郷 土 出 身 者 を 招 聘し 、「 総合
的な学 習の 時間 」等 の充 実を図 る。
①「い き い き学 校 応 援 団 」の設 置
② ふ る さ と の先 輩 推 進 事 業
③テ レ ビ 番 組 制 作 ・放 映
○「 地域 ぐ る み の学 校 安 全 推 進モ デ ル 事 業」
内 容 :県 下 2地 域 に お い て 、 地域 と の連 携 を重 視し た 学 校 安 全 体 制 推 進 の実 践 的モ デ ル を 研 究 開 発
する。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 高度情報化や少子・高齢化の進展、環境問題への関心の高まりなど様々な
社会の変化や課題に対応するため、各種分野において優れた知識や技術を有
する地域住民や専門家等の人 材の「総合的な学習の時間」等における積極的
な 活用 を 図 っ て い く 。
イ
保護者や地域住民と児童生徒が共に学べる授業参観等を実施するなど、相
互の交流を図ることで、学校教育への理解を深め、また、支援を促すための
工 夫を 各 学 校 に お い て 検 討 す る。
ウ
「 開 か れ た 学 校 づ く り 」 の 一 環 と し て 、 余 裕 教 室 等 を 活 用 し て地 域 住 民 と
の交流を図る講座を開設し た り、学校行事等に地域住民の支援を得たりする
こ と に よ り 住 民 と の 交 流 を 促 進す る 取 組 を 各 学 校 に お い て 検討 す る 。
エ
地 域 社 会 全 体 の 教 育 力 の 向 上 を 図 り 、 児 童 生 徒 の 健 全 育 成 を 推進 し て い く
ために、各学校の行事に家庭 や地域住民が積極的に参加し、相互に交流する
取 組の 在 り 方 に つ い て 検 討 す る。
②
地 域の ニ ー ズ に あ っ た 学 校 づくりへの支 援
地域社会に信頼される 「開かれた学校づくり」を推進するためには、学校
の教育活動に関する情報 を県民や地域住民に積極的に提供するとともに、県
民 や 地 域 住 民 の 意 見 等 を 受 け と め るシ ス テ ム を 構 築 す る 必 要 がある 。
学校が家庭や地域住民 と意見等を交換する中で、学校は、自分たちが本来
果たすべき役割と責任を 説明し、その取組の成果や課題を公表し、家庭や地
域 社 会に 評 価 を 求 め て い く 中 で 、家 庭 や 地 域 社 会の 役 割 も 明 確 に な る 。学 校 、
家庭、地域社会のそれぞれが、子どもたちの教育にかかわる当事者としての
自覚を高めていくことが 必要であり、そのために三者の連携を一層深めてい
くことが 求 め ら れ て い る 。
さらに、こうした取組 の成果を各学校が生かし、地域住民のニーズに柔軟
に対応した教育を推進していくためには、学校の裁量を拡大することが求め
られている。
59
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 学 校 評 議 員 制 度 の推 進」
内 容 :各 公 立 学 校 に お い て 、 学 校 教 育を 支 援す る観 点 から 、 学 校 教 育に 見識 の あ る 地 域 住 民な ど か
らなる 学 校 評 議 員を 設置 し、意 見 等 を求 める 学 校 評 議 員 制 度 の導 入・推 進を 図る 。
○「 新 学 習 指 導 要 領 に お け る 教 育 課 程 編 成 基 準の 緩和 」
内 容: 県 立 高 等 学 校に お け 教 育 課 程 編 成の 弾 力 化を 図る。
ア 各 学 校 に お け る 教 育 課 程 の 編成 を承 認 事 項から 届 出 制に 変更 する。
イ 従 来の 「教 育 課 程 編 成 基 準 」を 「教 育 課 程 編 成 のガ イ ド ラ イ ン」に 変更 する 。
ウ 教 育 課 程 編 成に 係 る諸 手 続を 承 認 事 項か ら 届 出 制 と す る こ と に よ り 、学 校の 裁 量 権 を強
化す る。
○「 ク リ エ イ テ ィ ブ 21 の実 施 」( 再掲 )
内 容 :全 県 立 高 等 学 校 を対 象 と し て 、各 学 校 独 自の 体 験 活 動 を実 施 す る と と も に、 体 験 活 動 推 進モ
デル校 14 校で 研 究 開 発 を行う 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 教育活動の改善に向けた学校自己評価を実施していくにあたっての課題等
を 整理 ・ 検 討 し 、 実 施 に 向 け た取 組 を 推 進 す る 。
イ
教 育 行 政 、 学 校 教 育 等 へ の 県 民 の 意 見 等 を 受 け 入 れ 、 そ れ を 生か す 仕 組 み
の 在り 方 に つ い て 検 討 す る 。
ウ
学 校 が す べ て を 抱 え 込 む 体 質 を 見 直 し 、 学 校 、 教 職 員 が 、 本来果 た す べ き
役割と責任を明確にするとともに、家庭や地域社会と一体となった教育を推
進 する 。
60
(2)
①
県 民 の 信 頼 に応 え る 安 全 な 学 校 づ く り の 推 進
学校安全と 危 機 管 理 体 制 の 確 立
学校は教育施設であり 、災害時における学校の果たすべき第一義的な役割
は、児童生徒の安全を確 保することにあり、このことに優先する業務は他に
は な い。
平 成 13(2001) 年 6 月 、 大 阪 教 育 大 学 附 属 池 田 小 学 校 で 、 こ れ ま で 想 定 も し
ていなかったような大 事 件が発生した。これまでわれわれの社会は、犯罪に
対して、地域社会そのものが持つ抑止力や警察力によって安全が保たれてき
た反面 、一人一人 のセキュリティー ※に対 する感 覚は甘 く、学 校も同 様であ
る と 言 え る 。 各 学 校 は 、 危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル ※を 作 成 し 、 す べ て の 教 職 員 が
内 容 を熟 知 し 、 非 常 事 態 に 備 え る 必要 が あ る 。
ま た 、 最 近 、 ホ ル ム ア ル デ ヒ ド ※ な ど の 化 学 物 質が 原 因 と 考 え ら れ る「 化
学 物 質 過 敏 症 ※ 」 が 発 生 し て い る こ と か ら 、 学 校 環 境 衛 生に つ い て も 、 十 分
に 留 意し て い く 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 学校 の危 機 管 理 体 制 の充 実」
内 容 :全 公 立 学 校 に お い て 、 学 校 危 機 管 理 ガ イ ド ラ イ ン等 を 活用 し て各 学 校 独 自の マ ニ ュ ア ル 等の
作成を 図る 。
○「 県警 ホ ッ ト ラ イ ンの 設置 」
内 容: 学校内 での 異変 を い ち早 く警察 に知 ら せ る緊 急 通 報 装 置 を全 公 立 学 校 に 設置 する 。
○「 地域 ぐ る み の学 校 安 全 推 進モ デ ル 事 業 」(再 掲)
内 容 :県 下 2地 域 に お い て 、 地域 と の連 携 を重 視し た 学 校 安 全 体 制 推 進 の実 践 的モ デ ル を 研 究 開 発
する。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 平 成 13(2001)年 度 に 策 定 し た 「 学 校 危 機 管 理 ガ イ ド ラ イ ン 」 を積 極 的 に 活
用し、各学校の実態に応じた 危機管理マニュアルの作成を一層促進するとと
も に、 教 職 員 研 修 等 を 通 じ て 、内 容 の 周 知 徹 底 を 図 る 。
イ
「 地 域 ぐ る み の 学 校 安 全 推 進 モ デ ル 事 業 」 を 実 施 す る な ど 、 地域 と の 連 携
を 重視 し た 学 校 安 全 に 関 す る 調査 ・ 研 究 を 実 施 す る 。
セ キ ュ リ テ ィ ー 安 全。 防犯 。
危 機 管 理 マ ニ ュ ア ル 様々 な 危機 に 迅速 か つ的 確 に対 応 す る た め の行 動 や作 業 の手 順 を ま と め た も の。
ホ ル ム ア ル デ ヒ ド 人体 に有 害な 化 学 物 質 の 一つ 。
化 学 物 質 過 敏 症 ホ ル ム ア ル デ ヒ ド など 建 材や 家 具か ら 揮 発す る 微量 の 化 学 物 質に 反 応し て 、体 調 が悪
化する 症状 。
61
②
新 たな 防 災 教 育 へ の 取 組
先の阪神・淡路大震災 においては、学校が地域の防災にとって中心的役割
を果たすことが改めて認 識されることとなった。学校は、学校施設の耐震化
を推進し、また、地域と 連携した防災体制づくりを進めるなど、地域の自然
条件や社会環境といった 特性に応じた防災対策を、家庭や地域住民とともに
常 日 頃か ら 講 じ て お く こ と が 求 め ら れ て い る 。
また、震災の教訓を踏 まえた「新たな防災教育」において、学校を地域コ
ミュニティの拠点と位置 づけ、様々な先進的な取組を、国内はもとより世界
に も 発 信 し て い る 。 今 後 は 、「 新 た な 防 災 教 育」 を 各 学 校 の 教 育 目 標に 掲 げ
たり、ボランティア教育 を一層積極的に推進したりするなど、震災の教訓を
後 世 に伝 え る 取 組 を 着 実 に 推 進 す る必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 防 災 教 育 推 進 連 絡 会 議の 開催 」
内 容: 学 校 防 災 体 制の 整備 ・充 実と「 新た な防 災 教 育」の 充実 を図 る。
○「 防 災 教 育 研 修 会 の開 催」
内 容 :公 立 小・ 中 ・高 等 学 校 、盲 ・ 聾・ 養 護 学 校 教 員 を対 象 に、 学 校に お け る 防 災 体 制 の 整備 、防
災 教 育 副 読 本 等 を活 用し た教 育 実 践 や心 のケ アな ど に つ い て 研修 を行う 。
○「 震災 ・学 校 支 援 チ ー ム( E A R T H )の 訓練 ・研 修の実 施」
内 容 :他 府 県 等 で 震 災 等が 発 生し た 時に 、 派 遣 要 請 に 基づ き 、被 災 した 学校 の 復 興 支 援 活 動に あ た
る 震 災・ 学 校 支 援チ ー ム員 に 対し 、 年間 2回 程 度の 訓 練・ 研 修を 実施 し 、指 導 力 の 向上 を図
る。
○「 阪神 ・淡 路 大 震 災 周 年 事 業」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員 を対 象 に、 本 県に お け る 8年 間 に わ た る「 新 たな 防 災 教 育」 の取 組 を検 証・
総括し 、地域と 連携 した 防 災 体 制 の 在り 方や 効 果 的な 指導方法等 に つ い て の実 践 交 流 を行 う 。
○「 教 育 復 興 担 当 教 員の 研修 の実 施」
内 容 :教 育 復 興 担 当 教 員を 対 象に 、 精 神 的 に不 安 定 な 状況 に あ る 児 童 生 徒の 心 のケ アな ど に的 確に
※
対 処す る た め に 、 P T S D へ の 対 応 方 法 や「 新 た な防 災 教 育」 の 充 実に 向 け た方 策 等 、防
災体制 の充 実に つ い て の 研修会 を開 催す る。
○「 防 災 教 育 推 進 指 導 員 養 成 講 座 の実施 」
内 容 :県 下 全 域 の 学 校 等に お け る 防 災 教 育 の充 実を 図 る た め 、専 門 的 知 識を 身 に つ け た 防 災 教 育 推
進 指 導 員 を 計 画 的・ 継 続 的 に 養成 す る た め の 講 座を 開 設し 、 長 期 的 展 望 に立 った 防 災 教 育の
推進に 努め る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 県 立 学 校 施 設 の 耐 震 性 の 強 化 、 避 難 所 等 を 念 頭 に お い た 施設整備 を 推 進 す
る。また、小・中学校施設については、設置者である市町に対し、耐震診断
等の研修・技術指導を実施するとともに、国の補助事業を活用し、耐震化の
計 画 的 推 進 に つ い て 指 導 ・ 支 援し て い く 。
P T S D ( Post-Traumatic Stress Disorder) 心 理 的 外 傷 後 遺 症と し て の ス ト レ ス に よ る 障害 。 心理
的外傷 を受 けた 直後 な い し数か 月後 か ら お き る悪夢 、恐 怖 症 、行 動 異 常な ど の症 状が 見ら れ る 。
62
イ
避難所となる学校ごとに、関係者による連絡会議や避難所開設等 の防災訓
練 を実 施 し た り 、 地 域 の 防災訓練 に 参 加 し た り す る な ど の 取組 を 進 め る 。
ウ
「 新 た な防 災 教 育 」の 理 念 を 学 校 ごとの 教 育 目 標 、経 営 方 針 等 に 関連 づ け 、
学 校 教 育 全 体 で 取 り 組 む 防災教育 の 深 化 ・ 拡 充 を 図 る 。
エ
防 災 教 育を 単 な る 災 害 対 応 訓 練 にせず 、地 域 防 災 に か か わ る「 人 」「 も の 」
「こと」を取り上げ、防災を 切り口に環境や福祉、国際理解等の活動にも発
展 する 「 地 域 総 合 学 習 」 としての 防 災 教 育 の 展 開 を 図 る 。
オ
防災が家庭の問題でもあることの認識を定着させるため、啓発資料の作成
などによる、家庭と連携した防災教育の推進を検討する。
カ
阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 で 芽 生 え た 災 害 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を 踏 ま え 、日 常 的 な ボ
ラ ン テ ィ ア 活 動 の 機 会 を 設 定 す る こ と な ど に よ り 、 そ の 普遍化 を 図 る 。
キ
教 育 復 興 担 当 教 員 に よ る 児 童 生 徒 に 対 す る 心 の ケ ア の 取 組 をその 他 の 教 職
員 にも 広 げ 、す べ て の 教 職 員 の カ ウ ン セ リ ン グ ・ マ イ ン ド ※ の 向上 に 努 め る 。
カ ウ ン セ リ ン グ・マ イ ン ド
相手 を受 け入れ 、批 判せ ず、 相手 の話に 耳を 傾け る姿 勢や態 度。
63
(3)
①
教職員の意識改革と資質能力の向上
教職員 の 養 成 教 育 や 採 用 及 び 初任者教育の 在 り 方 の 改 善
現在の教員養成教育については、単に単位取得だけが目的の教育実習が行
われ、受入先の学校や教職員に過度の負担を強いていたり、教員となる適性
に 関 する カ リ キ ュ ラ ム が 組 ま れ て い な か っ た り す る な ど の 課 題 が あ る 。今 後 、
大学と教育委員会が連携 し、教員養成教育の在り方について検討する必要が
あるとともに、採用試験 においても、教員としての適性を判断する材料とし
て 、 社 会 人 経 験 や 臨 時 講 師の 経 験 を 持 つ 者 の 活 動 状 況 を 考 慮 す る な ど 、 採 用
試 験 の工 夫 改 善 を 行 う 必 要 が あ る 。
また、障害児に対する 指導には、より高い専門性と実践的な指導力が必要
であり、盲・聾・養護学校教諭免許所有者の専門性を生かす採用も検討する
必要がある。
また、教員の場合、初任者であっても採用後ただちに子どもたちの教育に
全面的にかかわるという 特徴がある。初任者が自立した教育活動を展開して
いくために、現在実施している初任者研修の内容を一層実効性のあるものに
していくとともに、採 用 前の研修の実施や、様々な教職員が初任者をサポー
ト す る仕 組 み づ く り な ど を 考 えていく 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 各小 ・中・ 高 等 学 校 、盲 ・聾 ・養 護 学 校 に お け る 教 育 実 習の 実施 ・充 実」
内 容 :全 公 立 小 ・ 中・ 高 等 学 校、 盲 ・聾 ・ 養 護 学 校 に お い て 受入 れ が行 わ れ て い る 教 育 実 習に つ い
て 、 実習 カ リ キ ュ ラ ム に今 日 的な 教 育 課 題な ど も反 映 させ 、 一 層 充 実 し た内 容と な る取 組を
推進す る。
○「 教 員 採 用 試 験の 工夫 ・改 善」
内 容 :教 員 採 用 試 験 受 験 者 に 対し て 、多 面 的な 人 物 評 価を 行 う た め に、 採 用 試 験に お い て 面 接 委 員
にス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー など民 間 人 を登 用し た り 、ロ ー ル プ レ イ ン グ 面接 を実施 し た り す る 。
○「 幼 稚 園 等 新 規 採 用 者 研 修 の実 施」
内 容: 公 立 幼 稚 園 、障 害 児 教 育 諸 学 校 幼 稚 部の 新 規 採 用 教 員 全 員を 対象 に、園 内 外 に お け る 年間
20日 間の 研修 を実 施す る。
○「 初 任 者 研 修 の実 施」
内 容 :公 立 学 校 新 規 採 用 教 員 全 員 を 対象 に 、校 内 外 に お け る 年間 9 0日 間の 研 修を 実施 す る。 平成
14年 度よ り、 新た にカ ウ ン セ リ ン グ・ マ イ ン ド 研 修を 導入 する 。
○「 新 規 採 用 養 護 教 員 研 修の 実施 」
内 容: 新 規 採 用 養 護 教 員 全 員を 対象に 、年 間2 7日 間の研 修を 実施 する 。
○「 新 規 採 用 学 校 栄 養 職 員 研 修の 実施」
内 容: 新 規 採 用の 学 校 栄 養 職 員 を対象 に、 年間 20 日間の 校 内 外に お け る研修 を実 施す る。
○「 初 任 者 研 修 プ ロ グ ラ ム の充 実 改 善( カ ウ ン セ リ ン グ・ マ イ ン ド 研修や メ ン タ ル ヘ ル ス研修 の導 入 )」
内 容 :新 規 採 用 教 員を 対象 に 、従 来 の教 科 指 導 や教 員 と し て の倫 理 観、 使 命 感 と い っ た 研 修 内 容を
充 実 さ せ る こ と に加 え て、 カ ウ ン セ リ ン グ・ マ イ ン ド やメ ン タ ル ヘ ル ス に関 する 研 修を 新た
に導入 する 。
64
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 大学との連携による新しい教員養成教育の在り方を検討する協議会の設置
や教育実習カリキュラムの改 善モデル校の設置により、教員養成の在り方に
ついて 検 討 す る 。
イ
教 育 実 習 や 民 間 経 験 、 臨 時 的 任 用 の 経 験 等 を 考 慮 す る な ど 、 教員 の 採 用 方
法 の在 り 方 を 検 討 す る 。
ウ
本県教育の課題や教育現場の状況等を初任者に早期に理解させるために、
教員採用候補者名簿登載者に 対する採用前の段階でのガイダンス研修の実施
を 検討 す る 。
エ
盲 ・ 聾 ・養 護 学 校 教 諭 免 許 所 有 者 の専 門 性 を 生 か せ る 採 用 を 検 討す る 。
オ
現 在 実 施 し て い る 初 任 者 研 修 の 内 容 に 、 さ ら に 実 習 や 演 習 及 び自 然 体 験 学
習 な ど を 加 え る こ と に よ り 、 研修 を 一 層 充 実 さ せ る 。
カ
各学校において、初任者を育てるために、先輩教員が常にサポートする仕
組みづくりを研究する。
②
教職員 の モ ラ ル 及 び 社 会 性 の 向上
保護者は学校を信頼し て子どもを預けていることから、教職員に求められ
る人格の基準が高くなるのは当然である。教職員一人一人のモラルを高めて
いくためには、自らの生活態度を点検し、自分を見失わず、社会人としての
自 覚 とモ ラ ル を 高 め る た め の 十 分 な研 修 を 行 う 必 要 が あ る 。
また、教職員の中には 、深刻な悩みを抱えていても、表面に出さないよう
に し て い る 者 も 少 な く な い。 そ の よ う な 教 職 員 に 対 し て は 、 職 場 内 に 悩 み な
どについて話せる環境づくりや、校内外でサポートする体制づくりが求めら
れている 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 教員 の長 期 社 会 体 験 研 修 事 業 」
・ 管 理 職マ ネ ジ メ ン ト 研修
内容 :県 立 学 校 教 頭 名 簿 登 載 者10 名に 、1 か月 以 上 の 社 会 体 験 研 修 を実施 する 。
・ 長期社会体験研修
内容 :県 立 学 校 教 員 24 名を 1か月 以 上 、民 間 企 業 等 へ 派遣 する 。
・ チ ャ レ ン ジ 研修
内容 :公 立 小・ 中 学 校 教 員8 8名に 1か 月 以 上の 社 会 体 験 研 修を 実施 する。
○「 教 職 員の懲 戒 処 分 等 に係 る基 準の公 表」
内 容 :県 民 への 情 報 公 開 及 び 教 職 員 に よ る 問 題 事 象 の 抑止 の 観点 か ら、 教 職 員 の懲 戒 処 分 等に 係る
公 表 基 準を 策定 する 。
○「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 向 上 講 座 の 実施 」
内 容 :小 ・ 中・ 高 等 学 校 教 職 員を 対 象に 、 教 職 員が 円 滑な 人 間 関 係 を築 く た め のコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ
ン能 力 向 上 講 座 等を 、県 下3地 区で 実施 する 。
① 小 ・中 ・高 等 学 校コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 向 上 講 座を 開催す る。
教 職 員 対 象 、神 戸・和 田 山・ 教 育 研修所 の3 会場 、各 50 名
65
② 小 ・中 ・高 等 学 校プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 能 力 向 上 講 座を 開催す る。
教 職 員 対 象 、神戸 ・姫路・ 教 育 研 修 所の 3会 場、各 50 名
○「 教 職 員の人 権 教 育 研 修の 充実 」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員を 対 象に 、「 人 権 教 育 基 本 方 針 」「 外 国 人 児 童 生 徒に か か わ る 教 育 指 針」 等に
基づき 、人権に か か わ る 今 日 的 課題 に つ い て の理 解を深 め る と と も に 、教 職 員 一 人 一 人が「 児
童 の 権利 に 関す る条 約 」の 理 念を 自 覚し 、具 体 的な 事 例 研 究 を通 して 、 人 権 意 識 の 高揚 と資
質の向 上を 図る 。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 教職員のモラル及び社会性の向上を図るため、長期社会体験研修 や長期研
修休業制度の拡充を検討する。
イ
専 門 家 等 を 相 談 員 と し て 配 置 し た り 、 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー を活 用 し た り
するなど、学校における教 職 員の悩みなどをサポートする環境を整備する。
③
教職員 の 意 欲 の 向 上 と 学校活性化 の た め の 体 制 づ く り
教職員の適材適所へ の配置は、教職員一人一人の意欲を引き出すものであ
り、学校の活性化にとってきわめて重要な要素の一つである。中高一貫教育
等 、 教 育 改 革 の 流 れ な ど も勘 案 し 、 人 事 に か か わ る 校 種 間 交 流 も 検 討 す る 必
要がある。また、教員としての勤務になじむことができなくなった者に対し
て 、 職種 を 超 え た 人 事 交 流 の 在 り 方も 検 討 し て い く 必 要 が あ る 。
一方、多くの教職員か ら信頼され、教育実践に工夫、努力を積み重ねてい
る 教職員 に 対 す る 表 彰 な ど も 教 職 員の 意 欲 向 上 に と っ て 必 要 な こ と で あ る 。
また、学校の特色づくりなどの冊子づくりや、校内での教育課程に関する
研修の実施、授業公開、 学校評価の実施等を通じて、子どもがどう変わった
のか、そのために学校として何をしたか、何を重点的に変えなければならな
いのかといった、学校の 活性化に向けた自己点検・評価を工夫することが求
められている。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 人 事 異 動 に 関す る自 己 申 告 制 度の改 善」
内 容 :学 校 を活 性 化さ せ る と と も に 、教 職 員の 意欲 を 高め る た め に 人 事 異 動 に 関し て自 己 ア ピ ー ル
する自 己 申 告 制 度を 取り 入れ、 適 材 適 所 に人 材を配 置す る。
○「 危 機 対 応 研 修 講 座の 充実 」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員 を対 象 に、 神 戸・ 姫 路・ 教 育 研 修 所 の 3会 場 、各 40 名 に対 して 、 担 当 者の
意 識 改 革と 学校 の危 機 管 理マ ニ ュ ア ルの 診断 を中心 に研 修を 行う 。
○「 小・ 中 学 校 新 学 習シ ス テ ム研 究 講 座 の実 施」
内 容 :小 ・ 中 学 校 教 員 40 名 を対 象 と し て 、児 童 生 徒 の状 況 や教 科 の特 性を 踏 ま え た指 導 方 法 や指
導体制 の工 夫 改 善に つ い て実 践 的な 研究 を行 う。
○「 小・ 中 学 校 新 学 習シ ス テ ム推 進 講 座 (地 区 別 )の 実施」
内 容 :小 ・ 中 学 校 教 員 1 2 0 名を 対 象と し て、 新 学 習 シ ス テ ムの 基 本 的 な考 え 方や 重 点 推 進 校 の先
進的な 実践 を学 び、 自校 に お け る新 学 習 シ ス テ ム の 推進 に資 する 。
66
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 中高一貫教育等、教育改革の流れに対応し、学校組織をより活性化させる
ために、教職員の希望を生かした校種間人事交流を促進する方策について検
討 する 。
イ
指導力向上を要する教員へのフォローアップシステムを構築するため、必
要 な支 援 の 在 り 方 や 職 種 変 更 の研 究 を 行 う 。
ウ
多 く の 教 職 員 か ら 信 頼 さ れ 、 教 育 実 践 に 工 夫 、 努 力 を 積 み 重 ねた 教 職 員 に
対する表彰等、教職員の意欲 を高めるための顕彰制度の在り方について研究
す る。
エ
学 校 の 活 性 化 を め ざ し て 、 学 校 の 特 色 づ く り な ど の 冊 子 づくりや 、 校 内 で
の教育課程に関する研修の実 施、授業公開、学校評価の実施等に取り組むほ
か、教育支援スタッフの導 入 等を検討し、実験や実習授業を積極的に行う。
オ
教 職 員 間 の 連 携 を 高 め る た め 、 日 頃 か ら コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の機 会 を 増 や
す と と も に 、 校 内 の 福 利 厚 生 活 動 の 在 り 方 を 各 学 校 に お い て検 討 す る 。
④
指導力 を 高 め る た め の 教職員研修 の 充 実
教職員が高い志と情熱 を持ち、優れた指導力のもとに、新たな学校づくり
に主体的に参画していくことが重要であり、そのための資質・能力や指導力
の 向 上が 求 め ら れ て い る 。
新 し い 時 代 に ふ さ わ し い生 徒 指 導 の 在 り 方 や 特 別 な 教 育 的 支 援 を 必 要 と す
る児童生徒に対する理解 、教育課程の円滑な実施に向けた教科等の指導力の
向上、人権に関する実践的指導力の向上、カウンセリング能力の向上、国際
化に対応した英語教員の 英語運用能力の向上等、教職員個々のニーズにあっ
た研修体制を充実させることが求められている。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 新し い時代 の生 徒 指 導 講 座の 実施」
内容 : 小 ・中 ・ 高 等 学 校 及 び 盲 ・聾 ・ 養 護 学 校 の 教 員 約 6 0名 を 対 象に 、 1 泊2 日 で 、「 人 間 的な
ふ れ あ い に 基 づく 生 徒 指 導の 推 進 に つ い て (通 達 )」に 基 づ い て 、 心 の教 育 を よ り 一 層 推 進
す る た め 、 教 職 員の 共 通 理 解 を図 り 、協 力 体 制 を整 え る と と も に 、家 庭 ・地 域・ 関 係 機 関と
の 連 携を 密 にし 、問 題 行 動 、 学 校 不 適 応 傾 向 の 児 童 生 徒た ち が社 会 性 を は ぐ く む た め の 生徒
指 導の 在 り 方 を研 修 す る 。ま た 、「児 童 の 権利 に 関 する 条 約 」の 趣 旨 を踏 ま え た指 導 の 在り
方な ど に関 し て も研 修す る。
○「 障害 の多 様 化 等 に対 応す る た め の 指 導 体 制 充 実 事 業 」( 再掲 )
内 容 :県 立 盲・ 聾 ・養 護 学 校 全 校 を 対象 に 、障 害の 重 度・ 重 複 化 、 多 様 化、 卒 業 後 の進 路 の多 様 化
等 に 適切 に 対応 し、 障 害の 状 況に 応 じた 専 門 性 の高 い 指 導 体 制の 充実 を 図る た め 、 障害 に係
る専 門 的 知 識・ 技術 を有 する者 等を 非 常 勤 講 師と し て活 用す る。
○「 自 主 研 究 グ ル ー プ活 動 推 進 事 業」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員 に つ い て、 そ の指 導 力や 課 題 解 決 能 力 の向 上 を め ざ す 目 的で 、自 主 的に 組織
する研 究グ ル ー プの 活動 を奨励 ・支 援す る 。( 100 グ ル ー プ )
67
○「 訪 問 研 修 の 新設 」
内 容 :公 立 学 校 に つ い て、 学 校に お け る 研 修の 充実 を 図る た め に 、 要 請 等に 応 じて 講師 を 各 学 校に
派遣し て校 内 研 修 等 を支 援する 。( 81 校で 実施)
○「 障 害 児 教 育 に関 する 研 修 講 座 内 容 の 充実 」
内 容 :障 害 児 教 育 諸 学 校 教 職 員に 対 して 、 障害 の多 様 化に 伴 い、 特 別な 教 育 的 支 援 を必 要 と す る児
童生徒 に つ い て の理 解と そ の 指 導の 在り 方等 に つ い て、 課 題 別 研 修を行 う。
○「 教 科 等の指 導 力 ア ッ プの た め の専 門 研 修 講 座 の充 実」
内 容 :小 ・ 中・ 高 等 学 校 及 び 盲・ 聾 ・養 護 学 校 教 員 受 講 者 に よ る 課 題 設 定と そ の解 決の た め の 研究
を中心 と し た教 科に 関す る研 究 講 座 等を 充実 し、教 科 等 の指 導 力 の向上 を図 る。
・国 語 、社 会 ・地 歴 公 民 、算 数 ・数 学 、理 科、 英 語、 技 術 家 庭 、情 報、 音 楽 等 の2 2 講座 を実
施する 。
○「 共生 の心を 培う 人 権 教 育 講 座 の充実 」
内 容: 公 立 学 校 教 職 員 を対 象に 、人 権 教 育 推 進 の た め の 実 践 的 指 導 力を 高める 。
○「 市 町 組 合 立 学 校 の中 堅 教 職 員 研 修 の 実施 」
内 容 :教 職 経 験 1 5年 を経 過 した 小 ・中 ・ 養 護 学 校 の 全 教 員 を対 象 に、 年間 4 回の 全 体 研 修と コー
ス別の 研修 を実 施す る。
○「 5年 ・15 年 次 研 修 の実 施」
内 容 :新 規 採 用 後 5年 、1 5 年を 迎 えた 県 立 学 校 教 員 、学 校 栄 養 職 員 全 員を 対 象に 、年 間 2日 間∼
3日間 の一 般 研 修 及 び教 科 等 、 専 門 研 修 を実 施する 。
○「 英 語 担 当 教 員 海 外 研 修の 実施 」
内 容 :中 学 校 及 び 高 等 学 校 の 英 語 担 当 教 員 2名 を、 米 国、 英 国、 オ ー ス ト ラ リ ア、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン
ドの大 学 等 の研 究 機 関へ 6か月 間 派 遣す る。
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 学校における様々な課題について協議するため、スクールカウンセラーな
どの専門家のネットワーク化 を進めるとともに、教職員のカウンセリング能
力 の向 上 の た め 、 県 立 但 馬 や ま び こ の 郷 等 で の 研 修 員 制 度 を検 討 す る 。
イ
教育課程の円滑な実施に向けた校内の研修体制を充実させるとともに、新
た に10年 経 験 者 研 修 を 実 施 し 、教 職 員 個 々 の ニ ー ズ にあった 研 修 を 行 う 。
ウ
英語教育の抜本的な改善を行うため、英語担当教員の英語指導能力の向上
を 図る 。
エ
ボ ラ ン テ ィ ア 休 暇 制 度 の 利 用 促 進 策 やリ カ レ ン ト教 育 休 暇 制 度 ※の導入な
ど、教職員の自発的な研修等 の在り方について、諸課題を整理・研究する。
リ カ レ ン ト教 育 休 暇 制 度
社 会 人 が仕 事を一 時 中 断し て大 学な ど の 教 育を 受け る た め の 休 暇 制 度。
68
⑤
新 しい 教 育 に 柔 軟 に 対 応 で き るリ ー ダ ー の 育 成
リーダーとしての重要 な資質の一つは素早い決断力と実行力であることは
言うまでもないが、さ ら に、これからの教育改革にふさわしい研修体制を整
えたり、教員のサポート に積極的にかかわったり、子どもとのコミュニケー
ションのとり方に卓越していたりするなど、新しい教育の動きや現場の状況
を 熟 知し た 人 材 を 管 理 職 と し て 登 用す る こ と が 求 め ら れ て い る 。
ま た 、 教 育 改 革 を 進 め て い く に は 、「 カ リ キ ュ ラ ム」 と 「 教 職 員 」 と 「 マ
ネ ジ メ ン ト ※」の 三つの 質を 高め て い く こ と が 必 要で あ り、そ の た め に管理
職が果たす役割は大きい 。一人一人の教職員と組織が持つ活力を引き出すた
めの学校マネジメント能 力やリーダーシップ、学校経営における危機管理能
力、教職員を理解する力等を発揮することが求められている。
また、学校が地域に根 ざした個性化を図り、創造的な取組を進めるには、
学校の財政面での裁量の 拡大が不可欠である。国による抜本的な制度改革が
伴 う 課題 で あ る が 、 今 後 、 考 えていく 必 要 が あ る 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 県 立 学 校 管 理 職 研 修 ・市 町 立 学 校 管 理 職 研 修 の充 実」
内 容: 県 立 学 校 管 理 職 、市 町 組 合 立 学 校 長 及 び教 頭に つ い て 、次の 内容 の研 修を実 施す る と と も に 、
個々の ニ ー ズに 応じ た研 修の在 り方 に つ い て も検討 する 。
・ 兵庫の 特色 ある 教育 の推 進
・ 高 等 学 校 教 育 改 革と 学校 の個 性 化・ 多 様 化
・ 教職員 の意 欲を 高め る た め の リ ー ダ ー シ ッ プ の在り 方
・ 教職員 のメ ン タ ル ヘ ル ス マ ネ ジ メ ン ト
・ 効果的 なカ ウ ン セ リ ン グ の演習
・ 学校危機管理 等
○「 校長 ・教頭 の職 務の 明 確 化に 向け て の研 究」
内 容 :管 理 職の 多 忙 化 を解 消 し、 教 職 員 を 十 分 支 援 で き る よ う に す る た め、 管 理 職 の職 務 の明 確 化
に向け た研 究を 行う 。
○「 県 立 高 等 学 校 新 任 管 理 職 研 修 の実施 」
内 容 :県 立 高 等 学 校の 新 任 及 び2 年 目の 全 校 長 ・教 頭 を対 象 に、 年 間に 1泊 2 日と 1日 の 研修 を実
施する 。
○「 公 立 小・中 ・養 護 学 校 新 任 管 理 職 研 修の 実施 」
内 容 :神 戸 市 立 を 除く 県 内 公 立 小 ・ 中・ 養 護 学 校の 新 任 校 長 及び 教 頭を 対象 に 、年 間4 日 間の 研修
を実施 する 。
○「 園 長 等 運 営 管 理 協 議 会の 開催 」
内 容 :公 ・ 私 立 幼 稚 園 及び 保 育 所 の 管 理 職 等を 対象 に 、幼 稚 園の 運 営・ 管理 に 関す る専 門 的 研 修を
年間2 日 間 実 施 する 。
マネジメント
管理 ・経 営。
69
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 学 校 活 性 化 に 向 け て 、 夢 と 熱 意 の あ る 管 理 職 を 登 用 す る た め に、 行 政 職 や
民間人 も 含 め て 、 管 理 職 登 用 制 度 の 在 り 方 を 研 究 し 見 直 し を進 め る 。
イ
管理職のための学校マネジメント研修について、名簿登載者研修 や民間企
業の管理職と校長・教頭の交流研修の実施をはじめとして、教育改革を進め
る た め の リ ー ダ ー 養 成 の 在 り 方を 検 討 し 見 直 し を 図 る 。
ウ
学校の個性化を図り、創造性を大切にするために、県・市町教委間の役割
分 担や 、 人 事 や 予 算 執 行 に つ い て の 学 校 裁 量 の 在 り 方 を 検 討す る 。
エ
教 育 リ ー ダ ー 制 度 等 の 導 入 に よ り 、 教 科 指 導 や 障 害 児 教 育 に 関す る 専 門 的
事柄についてのリーダーを養 成し、自校や他校で活用するシステムを研究す
る。
⑥
教職員 の メ ン タ ル ヘ ル ス 体 制 の整 備 ・ 充 実
教職員は、民間とは違 った意味の責任感が重圧となり、孤独感にさいなま
れる場合も少なくない。 そこで、学校行事の精選など、日頃から「ゆとり」
あ る 職 場 環 境 づ く り に 努 め る 必 要 がある 。ま た 、管 理 職 及 び 教 職 員 に 対 し て 、
メ ン タ ル ヘ ル ス ※ に 関 す る 啓発活動 や 研 修 に 力 を 入 れ る 必 要 がある 。し か し 、
心の病と思われる人が、 専門医の検査を受けることに同意しないといった難
しい状況もあり、その対 応の在り方について検討していく必要がある。心の
病 を 持 つ 教 職 員 を サ ポ ー トす る た め の 中 核 的 な 病 院 の 指 定 や ネ ッ ト ワ ー ク 化
の 整 備も 喫 緊 の 課 題 と し て 取 り 組 む必 要 が あ る 。
さらに、教職員が精神科疾患による休職等の後に復職する場合は、復職当
初 か ら も と の 業 務 に 就 く の で は な く 、ゆ る や か な 内 容 の 仕 事 に 就 か せ る な ど 、
段階を追って職場復帰がめざせるよう、復職者への環境づくりに取り組む必
要 がある 。
【 平成 1 4年 度 ま で の 主な 取 組 】
○「 教 職 員のス ト レ ス マ ネ ジ メ ン ト講座 の実 施」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員 を対 象 に、 教 職 員 が ス ト レ ス と う ま く つ き あ い、 よ り よ い人 間 関 係 を構 築し
て い く た め の体 験 的 な研 修 講 座 を実 施す る。
○「 メ ン タ ル ヘ ル ス チ ェ ッ ク の実 施」
内 容 :3 5 歳か ら 45 歳を 中 心に 希 望す る 教 職 員を 対 象に 、 自ら の ス ト レ ス 状 態や ス ト レ スへ の耐
性 を 把握 さ せ る と と も に、 疾 患を 早 期に 発見 す る手 法 と し て 、メ ン タ ル ヘ ル ス チ ェ ッ ク を実
施する 。
○「 メ ン タ ル ヘ ル ス 啓 発 冊 子 の配 付」
内 容 :教 職 員 自 ら にメ ン タ ル ヘ ル ス に つ い て の 知識 や ス ト レ ス マ ネ ジ メ ン ト の 方法 を習 得 さ せ る た
め、全 教 職 員に 啓 発 冊 子 を配付 する 。
メンタルヘルス
精 神 衛 生。 精 神 的 健 康。
70
○「 ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ーの 拡充 」
内 容 :児 童 生 徒 の 内 面 的ス ト レ ス ・ 不満 の 早 期 発 見 、 早 期 解 決に よ る問 題 行 動 等の 未 然 防 止 及 び教
員 に 対す る カ ウ ン セ リ ン グ 技 法 研 修 の た め、 公 立 中 学 校へ の ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー の配 置を
拡充す る。
○「 カ ウ ン セ リ ン グ に関 する 講座 の充実 」
内 容 :公 立 学 校 教 職 員 を対 象 と し て 、県 立 教 育 研 修 所 のカ ウ ン セ リ ン グ に つ い て の 講座 を 充実 し、
受講者 の段 階に 応じ た講 座を開 設す る。
・ 基 本 研 修: 学校 カ ウ ン セ リ ン グ 入 門 講 座 、ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー との連 携 講 座、
・ 専 門 研 修: 学校 カ ウ ン セ リ ン グ 技 法 講 座 (4 段 階 選 択)
○「 管 理 職メ ン タ ル ヘ ル ス専 門 研 修の実 施」
内 容 :市 町 組 合 立 小・ 中・ 養 護 学 校 の校 長 (新 任 校 長 は除 く )4 5 0名 を対 象 に、 教 職 員 を直 接 管
理 監 督す る 立場 に あ る 管 理 職 の専 門 的な 研修 を 実施 し 、カ ウ ン セ リ ン グ に関 する 専 門 的 知 識
を習得 さ せ る。
○「 職 場 復 帰 ト レ ー ニ ン グ実 施 事 業」
内 容: 精 神 科 疾 患 に よ り療 養ま た は 休 職し て い る教 職 員 の 職 場 復 帰 後の 再発を 未然 に防 止す る た め 、
精 神 科 医 等 の専 門 家 チ ー ムに よ るグ ル ー プ指 導 等 を 行う 。
・ 公 立 学 校 共 済 組 合 近 畿 中 央 病 院 に委 託 し 、3 期 実 施す る 。(訓 練 日 数 2 1 日 /期 、 募 集 人
数 1 0名 程 度 /期 )
【 今 後 の 重点的 な 取 組 】
ア 学 校 の 行 事 や 事 務 内 容 を 精 選 す る な ど 、 学 校 の 組 織 や 運 営 の 在り 方 を 検 討
し 、「 ゆ と り 」 あ る 職 場 環 境 の 整 備 を 進 め 、 児 童 生 徒 に 対 す る き め 細 か な 指
導 を実 現 さ せ る 。
イ
教職員間の連携・支援体制を充実させるために、メンタルヘルス について
の推進計画を策定する。
ウ
教職員に対するメンタルヘルスを効果的に実施するため、関係機関の連携
や 指 定 病 院 の 制 度 化 等 を 進 め る。
エ
精神科疾患等でいったん教壇から離れた教員の職場復帰に向けてのサポー
トシステムの整備を進めるとともに、精神科疾患等の診察に同意しない教員
へ の対 策 に つ い て 研 究 を 行 う 。
71
第 Ⅳ 部
各
兵庫がめざす教育
論
一
72
覧
表
【今
1
地
域
の
子
ど
も
た
ち
を
支
え
励
ま
す
教
育
を
支
援
し
ま
す
後
の
重
点
的
な
取
組】
(1)
① すべての県民が子どもたちの教育にかかわる取組
地域社会の ア 子ども会やボランティア 団体など、様々な教育主体の力が効率的に発揮されるよう、地域に根ざした教育力の核となる諸団体等の
連帯意識の 活動を支援する。
再生と地域
の教育力の イ 学校週5日制のもとで、障害のある子どもたちも含めて、子どもたちの地域での文化活動への参加を活性化させるため、地域住民
向上
の参画と協働による文化活動を核とするまちづくりを 支援する。
ウ
【平成14年度までの主な取組】
○「 地域教育推進事業 」
○「 ふるさと文化再発見アクションプラン 」
教職員が地域社会の一員として、 居住地域の児童生徒に係る地域活動等に自主的にかかわるための環境づくり等の条件整備を含め、
参画促進のための在り方を検討する。
② 学校を核とした地域づくりへの取組
ア
地域住民の参画と協働のもと 、学校・家庭・地域社会 が連携し、児童生徒 の健全育成 をめざした啓発活動 や有害情報等を規制する
ための運動を展開し、学校支援をするための方策を検討する。
○「PTCA活動支援事業 」
○「 トライ やる ・ウィーク の推進支援 」
○「『いきいき学 校』 応援事業」
イ
地域で子どもたちをはぐくむ 機運の高揚を図るため、土曜日等に学校支援 ボランティアなどによる 児童生徒を対象とした芸術・文
○「 スポーツクラブ2 1ひょうごの推 進」
化に関する豊かな体験活動を支援する。
ウ
「スポーツクラブ 21ひょうご」の活性化・永続性を図るため、活動プログラム、運動遊び啓発資料の作成・配布、スポーツリー
ダーの養成や広域ブロックでの交流競技大会を実施する。
エ
スポーツクラブの円滑な運営支援・活性化を図るため、スポーツ情報ネットワークの構築、スポーツ指導者の派遣機能等を拡充す
る。
(2)
① 家庭の教育力向上に向けた意識啓発
教育の原点 ア 「兵庫の子どもたちは、県民すべての財産である」という理念のもとに、 県民が一体となって子どもたちの育成にかかわり、学校、
である家庭 家庭、地域の連携を推進する中で、家庭の役割、学校の役割を明確にしていく。
○「 青少年 と携帯電話 を考 える 保護者用啓発リーフレット
の教育力の
○「 幼稚園 における子 育て 支援活動総合推進事業 」
向上
イ
「子どもの教育の原点は家庭にある」ということの家庭への意識啓発に取り組む。
の 活用」
○「 ひょうご親学習セミナーの 実施」
② 家庭の教育力向上に向けた環境整備
ア
共通課題、共通目的のもとに、「学校」「PTA」をはじめとする関係機関 ・団体等の連携を強化し、総合的に家庭の子育てに係る
活動を支援する。また、「父親」の子育てへの参加を促進する事業を推進する。
イ
保護者や地域の人々のニーズ を把握し、幼稚園 の施設や機能を活用し、幼児教育に関する相談に応じるなど、地域の幼児教育セン
ターとしての役割を果たす取組を支援する。
73
○「 地域子育て 支援事業」
○「 家庭教育力活性化支援協議会の開 催」
【今
2
生
涯
学
習
社
会
に
お
け
る
学
び
の
成
果
を
生
か
す
仕
組
み
づ
く
り
を
推
進
し
ま
す
後
の
重
点
的
な
取
組】
(1)
① 社会教育施設の活用促進
県民の学習 ア 県立社会教育施設について、子どもたちに焦点をあてた、具体的な活用方策を検討するとともに 、その着実な推進を図る。
ニーズに応
える社会教 イ 学社融合を専門的に企画するコーディネーターの育成を行う。
育の振興
ウ
生涯学習ボランティアや博物館ボランティアなど、NPO等との連携により生涯学習の展開に必要な体制整備を行う。
【平成14年度までの主な取組】
○「 社会教育委員の会 議の 開催 」
○「 ボランティアコーディネーター養 成セミナー の実 施」
○「 生涯学習ボランティア 活動支援・ 推進事業」
○「 コミュニティカレッジ の開 設」
○「 社会教育関係職員等の 養成 や研修 の実 施」
○「 高校生学び のネットワーク 推進事業∼ ハイスクール・
エ
高校生が社会教育施設で学んだ成果を在籍校で単位認定する新しい高社連携を一層推進する。
CORE ・プログラム∼ 」
○「 博物館等無料開放事業 」
○「 ひょうごユースセミナーの 開催」
○「 身体障害者社会学級の 開設 」
○「 身体障害者社会学級生 のつどいの 開催 」
②
ア
県立の社会教育施設等の新たな展開
県立人と自然の博物館において、「県民とともにつくる 新しいひとはくの展示」について実行委員会等を設置し、全体計画の策定や
進行管理、事業の検証等、県民の参画と協働のもとでの企画・運営などをめざす。
○「 県立人 と自 然の博物館 の運 営」
○「 県立歴史博物館の 運営 」
○「 県立考古博物館( 仮称 )の 整備推進」
イ
県立歴史博物館 の将来構想の検討に際し、専門家の意見を聴き、新しい博物館の構築をめざす。
○「 県立嬉野台生涯教育センターの運 営」
○「 県立コウノトリの 郷公園の 運営」
ウ
県立考古博物館(仮称)については 、体験型・ネットワーク 型博物館をめざした基本計画を策定するとともに、先行ソフト事業を
実施し、博物館の整備を推進する。
○「 県立図書館 の運営 」
○「 県立美術館 (芸術 の館 )の 運営」 及び 「王子分館
( 原田の 森ギャラリー) の運 営」
エ
県立コウノトリの郷公園 に飛来した野生のコウノトリの行動をインターネットで動画により発信するなど、平成17(2005)年度(予
定)のコウノトリの試験放鳥に向け、人とコウノトリが共存できる環境の創造への県民の理解を得るよう努める。
オ
国の「子どもの読書活動 の推進に関する基本的 な計画」を受けて、公共図書館 、公民館図書室や学校、読書ボランティア団体等の
連携のもと、子どもの読書活動に関する本県の推進計画を策定するとともに、子どもの読書活動の一層の推進を図るため、「ひょうご
“本だいすきっ子”プラン」を実施する。
カ
県立美術館(芸術の館)の展覧会については、県民のニーズに基づき、また、話題性と集客力のある魅力ある企画をめざす。
キ
「ネットミュージアム兵庫文学館」については 、わかりやすい展示コーナーの案内役として、ナビゲーターを設置するなどし、子
どもたちにも読書への興味をおこさせる 文学情報を発信する。
74
○「 ネットミュージアム兵庫文学館の 運営 」
2
(1)
ク こころ豊かでたくましい人間の育成を目的とした「ひょうご冒険教育(HAP)」の実施にあたり、その教育効果についての研究と
県民の学習 施設整備等を推進する。
生
涯
学
習
社
会
に
お
け
る
学
び
の
成
果
を
生
か
す
仕
組
み
づ
く
り
を
推
進
し
ま
す
ニーズに応
える社会教
③ 時代に対応した社会教育施設の整備
育の振興
ア 各市町のふるさと文化に関する情報をデータベース化して発信するなど、兵庫の文化情報の整備を行う。
○「 生涯学習情報ネットワークシステム支援事業 」
○「 図書館 の地 域IT 学習情報拠点化推進事業」
イ
「エル・ネット」の配置や社会教育分野の指導者研修 などを通じて、多様化・高度化する県民の学習ニーズに対応できるよう、時
○「 ふるさと文化再興事業 」
代に対応した社会教育施設や学校施設の機能を整備する。
④
ア
地域文化に根ざした個性ある地域づくり
近畿地方最大の円墳である「茶すり山古墳」の保存と活用を図るため、古墳フォーラムを開催し、特色ある地域づくりを進める。
○「 県指定文化財や埋蔵文化財等の調 査・ 保存と 整備 」
○「 ヘリテージマネージャー( 歴史文化遺産活用推進員)
イ
ヘリテージマネージャー の養成について、天然記念物部門においてもリカレント教育を実施する。また、大学等と連携してヘリテ
ージに関する情報バンクを創設する。
の 養成」
○「“考古楽者” 養成事業 」
○「 地域文化財展の開 催」
ウ
歴史文化遺産の活用に関するマスタープランを策定し、地域文化に根ざした個性ある地域づくりを進める。
(2)
① 地域スポーツ活動への支援と県民のスポーツへの参加促進
県民の健康 ア 県民のスポーツ活動に対する理解を深め、健康な状態で生活できる基礎的な体力の向上を図るため、県民一人一人の体力、興味・
・体力づく
りをめざす
関心に応じたスポーツ活動プログラムを研究し、提供する。
○「 スポーツクラブ2 1ひょうごの推 進」( 再掲 )
○「 県立学校体育施設 の開 放」
○「 野外活動・ 体育施設の 運営 」
生涯スポー イ 県民の自律的なスポーツ活動を支援するため、だれもが、いつでも 、どこでも 、気軽にスポーツを楽しむことができる体制や環境
ツの振興
を整備するとともに、地域のスポーツ活動への主体的な参加意識を醸成し、生涯スポーツ社会の実現を図る。
○「 県立武道館 の整備 、開 館」
○「『阪 神 ・淡路大震災復興記念第 2 回神戸全日本女子ハ
ーフマラソン 大会』 の開 催」
ウ 地域スポーツクラブを含めた多様なスポーツ活動に対応できる新たなスポーツ指導者の養成・確保に努める。
○「 競技力向上事業の 充実 ・強 化」
○「国体候補選手特別強化事業」
「国民体育大会 への 派遣 」
エ 「スポーツクラブ 21ひょうご」を核とし、各種のイベントや兵庫国体のスポーツ芸術、デモスポ行事等への支援などを「支える」、
スポーツボランティアの育成と組織化を支援する。
オ 「スポーツクラブ21ひょうご 」の設立・拡充に伴い、各スポーツクラブが各学校開放委員会との組織連携を深め、施設等の利用に
ついて、円滑な調整が図られるよう支援する。
75
(2)
カ 自然環境の中での体験的な活動を通じて、異年齢間の交流等ができるよう 、また、野外活動 を含めた自然の中でのスポーツ 体験の
県民の健康 機会を提供できるよう施設・環境の整備充実に努める。
・体力づく
りをめざす
② 学校体育・スポーツの充実と健康増進
生涯スポー ア 学校の体育授業においては、スポーツの持つ特性に触れ、スポーツ の楽しさを 体験し、多様なスポーツ活動が実践できるような環
ツの振興
境を整え、児童生徒に体育・スポーツに対する興味・関心を持たせることができるよう 教員の指導力の向上に努める。
○「『いきいき運動部活動 』の配 付」
○「 ひょうごキッズ『 元気 アップ』ブック の作成 」
○「 小学校教員体育実技指導力向上事業 」「学校体育実技
イ
発育や発達段階に応じた指導方法を研究し、遊びやスポーツとの出会いを大切にしながら、体力・運動能力の向上に努める。
指導者講習会 」
○「 県学校体育研究発表大会の 開催」
ウ
運動部活動においては、競技志向者 だけでなく 、楽しみ志向者の欲求にも応じることができるよう 運動部活動の在り方を研究し、
スポーツを楽しむライフスタイルの形成に努める。
○「 総合体育大会の実 施」
○「 部活動指導補助員配置事業 」「 スポーツエキスパート
派遣事業 」
エ
運動部活動 においては 、少子化で部員が減少する中、複数校での合同練習会の実施や、合同チームの試合参加が可能となるよう支
援していく。また、生徒の発達に即した指導の工夫がなされるよう、中・高等学校指導者の相互の理解と連携を図る。
オ
専門的な技術指導のできる地域のスポーツ指導者を学校に派遣し、運動部活動の充実と顧問の指導力向上を図る。
カ
正しい食事の在り方や望ましい食習慣を身につけ、食事を通じて自らの健康管理ができるようにするなど 、食に関する指導の充実
を図る。
76
○「 高等学校運動部強化事業」
【今
3
多
文
化
共
生
社
会
に
生
き
る
豊
か
な
人
間
性
を
育
成
し
ま
す
の
重
点
的
な
取
組】
(1)
① 校種を通じた体験活動の充実
体験活動を ア 各校種の体験活動関連事業 について、評価・検証を行い、成果と課題を明確にし、更なる改善に取り組む。とりわけ、「トライやる
通した豊か ・ウィーク」については、安易な受入先の決定にならないような事前指導の工夫など、評価検証委員会の提言などを踏まえ、事業の
な心をはぐ 一層の改善を図る。
くむ学校教
育の推進
イ 各校種の体験活動関連事業 について、県民の参画と協働の観点を一層盛り込んだ施策の展開を図っていく。
、
国
際
化
社
会
後
【平成14年度までの主な取組】
○「 幼稚園 における道徳性 の芽 生えを 培う 調査研究」
○「 自然学校の 継続支援」
○「 トライ やる ・ウィーク の推進支援 」(再 掲)
○「 トライ やる ・ウィーク 評価検証委員会 の開催 」
○「 クリエイティブ2 1の 実施 」
○「 心を育 む教育講演会の 開催 」
○「 高校生 マナーについて 考え るフォーラムの開 催」
ウ
震災の教訓を踏まえて、「生きる力」を培う兵庫の体験活動を推進するため、幼児期から高校生まで、事業の系統性を確立する。
エ
人間の成長を促す体験を取り入れた「冒険教育 」の諸活動を学校教育や社会教育、教職員の各種研修等に導入し、たくましくここ
○「YU・ らいふ・サポート事 業」
○「 障害児 の自然体験活動 の推 進」
ろ豊かな人間性をはぐくむ教育を推進する。
(2)
① 「人権教育基本方針」の具現化
国際化時代 ア 「人権教育基本方針」を具現化する中・長期プランの策定と、具体的な取組、検証を実施する。
に生きる子
○「 人権教育推進連絡会議 の開 催」
○「 人権文化創造活動支援事業 」
どもたちへ イ 人権教育を生涯学習体系に位置づけ、人権尊重の理念に基づく「共に生きる社会」の創造を促す。
の、人権教
○「 人権教育推進市町事業 」
育を通じた ウ 人権教育の推進にあたり、NGOやNPO等の民間組織との連携を図る。
「共生」の
○「 教育総合推進地域事業 」
心の育成
エ
○「 人権感覚育成モデル事 業」
男女共同参画社会の実現に向けた取組等、今日的課題に対応した教育を推進する。
②
ア
人権を大切にした教育の充実
教職員の人権尊重 の意識を高めるとともに 、人権感覚 を養い、「児童の権利に関する条約」の理念に基づき、「人権教育基本方針」
に示す「学習者の人権を大切にした教育」の充実を図る。
○「 人権教育の 実践プログラム 推進事業」
○「 人権教育新副読本 の作 成」
○「 人権教育研究校の 指定 」
イ
「総合的な学習の時間」におけるプログラムを、人権に視点をおいて開発し、様々な人権課題の解決を図る指導を充実させる。
○「 人権教育推進員の 設置 」
○「 教職員研修 の実施 」
ウ
外国人児童生徒と日本人児童生徒が豊かに共生していくための資質や技能の育成を図るため、外国人学校 や在日外国人との交流会
の実施、多文化理解のための教育資料の作成、地域社会の教育資源を活用した取組等を支援する。
③
○「 児童生徒支援を担 当す る教 員による指 導」
○「 市郡町組合教育委員会指導主事等研修 の実施 」
外国人児童生徒にかかわる教育指針の具現化
ア
「外国人児童生徒にかかわる教育指針」に基づき、増加する外国人児童生徒への教育環境の整備に努める。
○「 子ども 多文化共生推進事業 」
○「 外国人児童生徒等教育相談員派遣事業 」
イ
外国人児童生徒 に対する日本語指導体制づくりを推進する。
○「 外国人児童生徒日本語指導推進協力校 の指定 」
○「 帰国・ 外国人児童生徒 と共 にすすめる 教育の 国際化推
ウ
すべての子どもたちに多文化共生をめざす 教育を実施していく上で、必要な情報を一元化して提供したり、関係機関等とのネット
ワークづくりを行ったりする機関を設置する。
77
進地域事業」
3
育を通じた
多
文
化
共
生
社
会
に
生
き
る
豊
か
な
人
間
性
を
育
成
し
ま
す
○「 外国人 による英語指導 の充 実」
○「 高校生 の外国語教育の 多様化の推 進」
○「WE・ ASIAの 推進 」
、
国
際
化
社
会
(2)
エ 「子ども多文化共生推進委員会」の報告を踏まえた施策を実施していく。
国際化時代
に生きる子
④ 国際化に対応した教育の推進
どもたちへ ア JETプログラム による外国語指導助手の導入による英語の実践的コミュニケーション能力の育成を一層図るとともに、国際理解
の、人権教 教育を推進する。
「共生」の イ 国際社会の進展に対応するため、中国語、 韓国・朝鮮語、 フランス語、ドイツ語等、高等学校における語学教育の多様化を推進する。
心の育成
ウ
最新の現地情報を入手し安全に配慮して、海外修学旅行の実施を促進する。
エ
国際に関する学科、国際文化系コース、国際高校、中等教育学校等の教育の充実を図る。
(3)
① 「心の専門家」の配置による、子どもたちへの支援
子どもたち ア 全中学校区にスクールカウンセラーを配置し、すべての公立小・中学校において活用を図る。
○「 東南アジア との高校生交流事業」
○「 スクールカウンセラー の配 置 」「 心の 教室相談員の配
置」
の「心」を
支えるシス イ 県立高等学校へのキャンパスカウンセラーの効果的な活用を図り、生徒の相談体制の強化を図る。
○「 スクールカウンセラースーパーバイザーの配 置」
テムづくり
の推進
○「 生活指導補助員の 配置 」
○「 スクールアドバイザー の配 置」
○「 教育復興担当教員 の配 置」
○「 キャンパスカウンセラーの 配置」
○「 障害の 多様化等に 対応 するための 指導体制充実事業」
②
ア
相談窓口の設置などによる、子どもたちの支援体制の整備
県立但馬やまびこの郷を不登校対策 の中核とし、学校・家庭・地域の連携、適応指導教室間 のネットワーク化を図ることで 、地域
ぐるみのサポートシステムの構築や、引きこもり傾向の不登校生の家庭に学生ボランティアなどの派遣による支援を行う。
○「 学校サポートチームの 設置 」
○「 地域やまびこ教室 の開 催」
○「 ひょうごっ 子悩み 相談 センターの 設置 」
イ
高等学校中退者等に対して、進路や生活面等の相談や情報提供を行うチャレンジサポート事業の拡充を図る。
ウ
スクールカウンセラーなどの 効果的な活用を図るため、活動の在り方や教員との連携、関係機関との連携等の課題について 、研究
○「 チャレンジ ・サポート 推進事業」
○「 不登校児童生徒の 適応総合調査研究委託事業 」
・協議する。
○「 高校生心の サポートシステム∼新 たな 生徒指導の 推進
∼」
○「 心の教育総合センター の設 置」
エ
積極的な生徒指導 を推進するため、ディベート などを実施して、コミュニケーション 能力の育成等を図ったり、問題行動や学校不
適応等の課題に対応した実践的プログラムなどを策定する。
オ
学校での心の教育の実践や教職員の研修を支援するため、県立教育研修所に設置している「心の教育総合センター」で、
「 心の教育」
の実践事例集を作成する。
78
【今
4
、
重
点
的
な
取
組】
②
ア
○「 幼・小連携 に関す る総合的調査研究」
○「 幼児教育の 振興」
小・中学校における取組の充実
「学習指導要領 」の趣旨の実現に向けた取組みを支援していくとともに、その成果や課題について実証的な検証を行う。
○「 小・中学校 での『 新学習システム 』の 推進」
○「『いきいき学 校』 応援事業 」(再掲 )
イ
平成13(2001)年度にとりまとめた新学習 システムの成果と課題を踏まえ、第7次教職員定数改善を活用した授業の工夫改善 を一層
支援するとともに、基礎・基本の確実な習得を図る指導方法の改善について 、国の調査・研究の推移も見守りながら、さらに実践研
○「 社会人活用 を図る 特別非常勤講師招聘事業」
究を行い取り組んでいく。
ウ
「総合的な学習の時間」をはじめとして、学習指導における地域社会の教育力の活用を積極的に支援する。
③
ア
﹂
よ
さ
【平成14年度までの主な取組】
取組を支援する。
﹁
一
人
一
人
の
、
創
造
性
を
伸
ば
の
(1)
① 幼稚園における取組の充実
基礎・基本 ア 「 生きる力」 の基礎を培うことを目的とした幼稚園教育要領の実現に向けた取組を支援するため、研修の機会や場の提供に努める。
の 定 着 と
「個」に応 イ 就学前教育は、小学校以降の生活や学習の基盤となるものであることを踏まえ、相互の教育内容や指導方法の理解を深めるととも
じた学習指 に、子育て支援等の共通の課題について幼稚園と小学校が協力した取組を、市町との連携のもとに進める。
導体制の確
立
ウ 幼稚園支援 ボランティアの導入や地域の人々の交流活動の促進等 、「参画と協働」の考え方に基づく「開かれた幼稚園づくり」への
基
礎
・
基
本
の
定
着
を
図
り
を
生
か
し
後
高等学校の取組の充実と理科教育の推進
高等学校の第6次教職員定数改善を活用した個に応じた少人数学習や習熟度別学習等 、授業の工夫改善への取組を一層推進する。
○「 高等学校における 特色 ある 教育課程の 推進」
○「 県立高等学校教育改革第一次実施計画 の推進 」
イ
県立高等学校教育改革第一次実施計画に基づく「前期計画」の成果と課題について検証し、それを踏まえた「後期計画」を着実に
推進していく。
○「『後期計画の 推進 』のための 委員会の設 置」
○「 公立高等学校入学者選抜制度・方 法の 改善 」「 新 しい
選抜制度 の導 入」( 平成 15年 度)
ウ
平成15(2003)年度入学者選抜 で神戸第三学区に導入された新しい選抜制度 の成果と課題を検証するとともに、県立高等学校教育改
革第一次実施計画 に基づいて他の学区への導入を推進する。
エ
○「 高校生学び のネットワーク 推進事業∼ ハイスクール・
CORE ・プログラム∼ 」(再 掲)
高大連携の一層の緊密化を図り、「学び」の体系化を図ることをめざし 、高校在学中に大学での学習も可能とし、高校卒業後、その
成果を進学した大学で既習得単位として認定を受けるといった高大連携の在り方の研究を進める。
オ
教科の学習活動に対する絶対評価を一層推進することにより、基礎・基本の充実と個に応じた学習指導体制 の確立を図る。
カ
「スーパーサイエンスハイスクール」「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ ・ハイスクール 」の導入を図り、高等学校の個性化
・多様化を進める。
79
キ
す
教
育
に
取
り
組
み
ま
す
理科教育に対する児童生徒の興味・関心を高めるプログラムの開発や教員を対象とした授業方法の研修等、理科教育の振興を図る。
①
障害児教育の総合的な施策の展開
(2)
ア 障害児を取り巻く状況の変化に対応した障害児教育の在り方についての基本理念を策定の上、県の福祉計画に呼応した総合的な施
ノーマライ 策の検討を行う。
○「 西播磨地域養護学校の 整備推進」
ゼーション
に基づく障 イ
○「 盲・聾 ・養護学校医療的サポート 推進事業」
盲・聾・養護学校 におけるボランティア養成講座の開催や講座修了者の地域における 登録制度等、ノーマライゼーションの進展を
害児教育の
充実
○「 障害の 多様化等に 対応 するための 指導体制充実事業」
○「 盲・聾 ・養護学校 の整 備」
めざす県民の意識の向上を図る。
ウ
「特別支援教育推進体制 モデル事業」等を実施し、従来のカテゴリーでは対応できない特別な配慮を必要とする児童生徒への対応
を検討する。
エ
個々の教育的ニーズに適切に対応した障害児教育を推進するために 、障害児学級及び盲・聾・養護学校の在り方を含めた今後の障
害児教育の方向性を探る。
②
ア
障害児の自立を支える取組の推進
地域において、障害児を就学前から学校卒業後まで、関係機関が一体となって支援していく体制づくりを行う。
○「 障害児 の土曜日活動支援事業」
○「YU・ らいふ・サポート事 業」( 再掲)
イ
盲・聾・養護学校 がその専門性を生かし、教育相談や地域の学校への指導・助言を行うなど、地域のセンターとしての機能の向上
を図る。
○「 障害児 の自然体験活動 の推 進」( 再掲)
○「IT教育推進研修員事業の 拡充」
○「 障害児教育内地留学派遣」
ウ
現在の県立障害児教育センターの機能に医療・福祉機能を加味し、早期からの障害児の療育・教育相談に対応する。
エ
情報教育等、時代に対応した教育内容を充実させるなど、普通教育、職業教育の一層の充実を図る。
オ
教員の専門性の向上を図るために、県立障害児教育センター での研修体制 の充実、リーダー となる教員の養成、盲・聾・養護学校
教諭免許状の保有率向上や、免許状所有者・取得希望者等の積極的な人事異動に取り組む。
カ
公立盲・聾・養護学校において、看護師、理学療法士 、作業療法士 、言語聴覚士等の医療関係職員及び臨床心理士等 の専門職員の
活用を推進する。
キ
障害児教育担当教員以外の教員等に対する障害児教育についての研修を充実する。
80
(3)
① 情報教育の充実
社会の情報 ア 国や県の指針を踏まえた上で、初等教育から後期中等教育までの本県の情報教育の系統的な在り方を示す指針を策定し、国や市町
化や環境問
題等、今日
の取組と連携した教育を推進する。
○「ITスクール整備事業 」
○「 社会人活用 IT教育支援事業」
○「IT教育推進研修員事業の 拡充 」(再掲 )
的な課題に イ 教員のIT活用能力の向上を一層進め、高度情報通信社会における子どもたちの情報教育の在り方に対する理解と指導力の向上を図る。
向けた教育
の推進
ウ
大容量の情報が交信可能な教育情報 ネットワークの供用開始 に伴い、教育委員会や各学校、地域や家庭等の間で、動画等を含めた
各種情報が双方向に交信するなど、新たな学習の場の創造に努める。
エ
県立及び市町組合立学校の情報教育環境の充実のために、校内LANや高速通信ネットワークなどの基盤整備を促進する。
②
図書館教育の充実
ア
司書教諭の研修等の充実により、読書教育の充実を図る。
イ
国の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を受けた本県の推進計画を策定する。
ウ
司書教諭の配置とともに、情報教育の拠点としての図書館の整備・活用を促進する。
③
ア
○「 司書教諭の 養成推進」
環境教育の充実
海や河川といった 自然環境を教材とした環境教育の推進について、プログラム の開発を行うなど、総合的な取組に向けた方策を検
討する。
○「 環境教育副読本の 活用 」
○「 環境教育担当教員講習会等 への派 遣」
○「 環境教育モデル市 町の 指定 」
イ
県立人と自然の博物館の資料や人材を活用し、小・中・高等学校を対象として、自然環境を学ぶ学習プログラムを提供する。
○「 県立人 と自 然の博物館 の運 営」( 再掲)
○「 県立コウノトリの 郷公園の 運営 」(再掲 )
ウ
県立コウノトリの郷公園に飛来した野生のコウノトリの行動をインターネットで動画により発信するなど、平成17(2005)年度(予定)
のコウノトリの試験放鳥に向け、人とコウノトリが共存できる環境の創造への県民の理解を得るよう努める。
81
○「 学校施設( エコスクール) パイロットモデル 事業 」
【今
5
開
か
れ
た
学
校
づ
く
り
を
進
め
ま
す
の
重
点
的
な
取
組】
(1)
① 地域の教育力を活用した学校づくりへの支援
個性をはぐ ア 高度情報化や少子・高齢化の進展、環境問題への関心の高まりなど 様々な社会の変化や課題に対応するため、各種分野において優
くむ特色あ れた知識や技術を有する地域住民や専門家等の人材の「総合的な学習の時間」等における積極的な活用を図っていく。
る学校づく
りへの支援 イ 保護者や地域住民と児童生徒が共に学べる授業参観等を実施するなど、相互の交流を図ることで、学校教育への理解を深め、また、
支援を促すための工夫を各学校において検討する。
【平成14年度までの主な取組】
○「PTCA活動支援事業 」(再 掲)
○「 社会人活用 を図る 特別非常勤講師招聘事業 」(再 掲)
○「 高等学校地域オープン 講座 の開設 」
○「 コミュニティカレッジ の開 設」( 再掲)
○「 部活動指導補助員配置事業 」(再 掲)
○「 県立学校体育施設 の開 放」( 再掲 )
、
個
性
あ
る
学
校
後
ウ
「開かれた学校づくり」の一環として、余裕教室等を活用して地域住民との交流を図る講座を開設したり、学校行事等に地域住民
の支援を得たりすることにより住民との交流を促進する取組を各学校において検討する。
○「『いきいき学 校』 応援事業 」(再掲 )
○「 地域ぐるみの学校安全推進 モデル 事業 」
エ
地域社会全体の教育力 の向上を図り、児童生徒 の健全育成を推進していくために、各学校の行事に家庭や地域住民が積極的に参加
し、相互に交流する取組の在り方について検討する。
②
ア
地域のニーズにあった学校づくりへの支援
教育活動の改善に向けた学校自己評価 を実施していくにあたっての課題等を整理・検討し、実施に向けた取組を推進する。
○「 学校評議員制度の 推進 」
○「 新学習指導要領における教育課程編成基準の 緩和 」
イ
教育行政、学校教育等への県民の意見等を受け入れ、それを生かす仕組みの在り方について検討する。
ウ
学校がすべてを抱え込む体質を見直し、学校、教職員が、本来果たすべき 役割と責任を明確にするとともに、家庭や地域社会と一
○「 クリエイティブ2 1の 実施 」(再 掲)
体となった教育を推進する。
(2)
① 学校安全と危機管理体制の確立
県民の信頼 ア 平成13(2001)年度に策定した「学校危機管理ガイドライン」を積極的に活用し、各学校の実態に応じた危機管理 マニュアル の作成
に応える安 を一層促進するとともに、教職員研修等 を通じて、内容の周知徹底を図る。
全な学校づ
○「 学校の 危機管理体制の 充実 」
○「 県警ホットライン の設 置」
○「 地域ぐるみの学校安全推進 モデル 事業 」(再 掲)
くりの推進 イ 「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」を実施するなど、地域との連携を重視した学校安全に関する調査・研究を実施する。
②
ア
新たな防災教育への取組
県立学校施設 の耐震性の強化、避難所等を念頭においた施設整備を推進する。また、小・中学校施設等については、設置者である
○「 防災教育推進連絡会議 の開 催」
市町に対し、耐震診断等の研修・技術指導を実施するとともに 、国の補助事業を活用し、耐震化の計画的推進について 指導・支援し
○「 防災教育研修会の 開催 」
ていく。
○「 震災・ 学校支援チーム (EARTH) の訓練 ・研 修の
実 施」
イ
避難所となる学校ごとに、関係者による連絡会議や避難所開設等の防災訓練を実施したり、地域の防災訓練に参加したりするなど
の取組を進める。
○「 阪神・ 淡路大震災周年事業 」
○「 教育復興担当教員 の研 修の 実施」
○「 防災教育推進指導員養成講座の実 施」
ウ
「新たな防災教育」の理念を学校ごとの教育目標、経営方針等に関連づけ、 学校教育全体で取り組む防災教育の深化・拡充を図る。
82
(2)
エ 防災教育を単なる災害対応訓練にせず、地域防災 に関わる「人」「もの」「こと」を取り上げ、防災を切り口に環境や福祉、国際理
県民の信頼 解等の活動にも発展する「地域総合学習 」としての防災教育の展開を図る。
に応える安
全な学校づ オ 防災が家庭の問題でもあることの認識を定着させるため、啓発資料の作成などによる、家庭と連携した防災教育の推進を検討する。
くりの推進
5
阪神・淡路大震災 で芽生えた災害ボランティア 活動を踏まえ、日常的なボランティア 活動の機会を設定することなどにより 、その
普遍化を図る。
キ
教育復興担当教員 による児童生徒に対する心のケアの取組をその他の教職員にも広げ、すべての教職員のカウンセリング・マイン
ドの向上に努める。
(3)
① 教職員の養成教育や採用及び初任者教育の在り方の改善
教職員の意 ア 大学との連携による新しい教員養成教育の在り方を検討する協議会の設置や教育実習 カリキュラム の改善モデル校の設置により、
識改革と資 教員養成の在り方について検討する。
○「 各小・ 中・ 高等学校、 盲・ 聾・養護学校における 教育
質能力の向
○「 教員採用試験の工 夫・ 改善 」
、
個
性
あ
る
学
校
カ
開
か
れ
た
学
校
づ
く
り
を
進
め
ま
す
上
イ
教育実習や民間経験、臨時的任用の経験等を考慮するなど、教員の採用方法の在り方を検討する。
ウ
本県教育の課題や教育現場の状況等を初任者に早期に理解させるために、教員採用候補者名簿登載者に対する採用前 の段階でのガ
実 習の実 施・ 充実」
○「 幼稚園等新規採用者研修の 実施」
○「 初任者研修 の実施 」
イダンス研修の実施を検討する。
○「 新規採用養護教員研修 の実 施」
○「 新規採用学校栄養職員研修 の実施 」
○「 初任者研修 プログラム の充実改善 (カウンセリングマ
エ
盲・聾・養護学校教諭免許所有者の専門性を生かせる採用を検討する。
オ
現在実施している初任者研修の内容に、さらに実習や演習及び自然体験学習などを加えることにより、研修を一層充実させる。
カ
各学校において、初任者を育てるために、先輩教員が常にサポートする仕組みづくりを研究する。
②
インド研 修や メンタルヘルス 研修の 導入 )」
教職員のモラル及び社会性の向上
ア
教職員のモラル及び社会性の向上を図るため、長期社会体験研修や長期研修休業制度 の拡充を検討する。
○「 教員の 長期社会体験研修事業」
○「 教職員 の懲戒処分等に 係る 基準の 公表 」
イ
専門家等を相談員 として配置したり、スクールカウンセラー を活用したりするなど、学校における 教職員の悩みなどをサポートす
○「 コミュニケーション能力向上講座 の実 施」
る環境を整備する。
③
ア
○「 教職員 の人権教育研修 の充 実」
教職員の意欲の向上と学校活性化のための体制づくり
中高一貫教育等、教育改革の流れに対応し、学校組織 をより活性化させるために、教職員の希望を生かした校種間人事交流 を促進
する方策について検討する。
○「 人事異動に 関する 自己申告制度の 改善 」
○「 危機対応研修講座 の充 実」
83
(3)
イ 指導力向上を要する教員へのフォローアップシステムを構築するため、必要な支援の在り方や職種変更の研究を行う。
教職員の意
○「 小・中学校新学習 システム 研究講座の 実施」
○「小 ・中学校新学習 システム推進講座(地区別)の実 施」
識改革と資 ウ 多くの教職員から信頼され、教育実践に工夫、努力を積み重ねた教職員に対する表彰等、教職員の意欲を高めるための顕彰制度の
質能力の向 在り方について研究する。
上
5
、
個
性
あ
る
学
校
開
か
れ
た
学
校
づ
く
り
を
進
め
ま
す
エ
学校の活性化をめざして 、学校の特色づくりなどの冊子づくりや、校内での教育課程 に関する研修の実施、授業公開 、学校評価の
実施等に取り組むほか、教育支援スタッフの導入等を検討し、実験や実習授業を積極的に行う。
オ
教職員間の連携を高めるため 、日頃からコミュニケーション の機会を増やすとともに 、校内の福利厚生活動の在り方を各学校にお
いて検討する。
④
指導力を高めるための教職員研修の充実
ア
学校における 様々な課題について協議するため 、スクールカウンセラーなどの 専門家のネットワーク化を進めるとともに、教職員
のカウンセリング 能力の向上のため、県立但馬やまびこの郷等での研修員制度を検討する。
○「 新しい 時代 の生徒指導講座 の実施 」
○「 障害の 多様化等に 対応 するための 指導体制充実事業」
( 再掲)
イ
教育課程の円滑な実施に向けた校内の研修体制を充実させるとともに、新たに10年経験者研修を実施し、教職員個々のニーズにあ
った研修を行う。
○「 自主研究グループ 活動推進事業」
○「 訪問研修の 新設」
○「 障害児教育 に関す る研修講座内容 の充 実」
ウ
英語教育の抜本的な改善を行うため、英語担当教員の英語指導能力の向上を図る。
○「 教科等 の指導力アップ のための専門研修講座 の充 実」
○「 共生の 心を 培う人権教育講座の充 実」
エ
ボランティア 休暇制度の利用促進策 やリカレント教育休暇制度の導入など、教職員の自発的な研修等の在り方について、諸課題を
整理・研究する。
○「 市町組合立学校の 中堅教職員研修 の実 施」
○「 5年・ 15 年次研修の 実施 」
○「 英語担当教員海外研修 の実 施」
⑤
ア
新しい教育に柔軟に対応できるリーダーの育成
学校活性化に向けて、夢と熱意のある管理職を登用するために、行政職や民間人も含めて、管理職登用制度の在り方を研究し見直
しを進める。
○「 県立学校管理職研修・ 市町立学校管理職研修 の充 実」
○「 校長・ 教頭 の職務 の明確化 に向けての 研究」
○「 県立高等学校新任管理職研修の実 施」
イ
管理職のための学校マネジメント研修について 、名簿登載者研修や民間企業の管理職と校長・教頭の交流研修の実施をはじめとし
て、教育改革を進めるためのリーダー養成の在り方を検討し見直しを図る。
ウ
学校の個性化を図り、創造性 を大切にするために、県・市町教委間 の役割分担 や、人事や予算執行 についての学校裁量の在り方を
検討する。
84
○「 公立小 ・中 ・養護学校新任管理職研修 の実施 」
○「 園長等運営管理協議会 の開 催」
(3)
エ 教育リーダー 制度等の導入により、教科指導や障害児教育に関する専門的事柄 についてのリーダー を養成し、自校や他校で活用す
教職員の意 るシステムを研究する。
識改革と資
質能力の向
⑥ 教職員のメンタルヘルス体制の整備・充実
上
ア 学校の行事や事務内容を精選するなど、学校の組織や運営の在り方を検討し、「ゆとり」ある職場環境の整備を進め、児童生徒に対
するきめ細かな指導を実現させる。
○「 教職員 のストレスマネジメント講 座の 実施」
○「 メンタルヘルスチェックの 実施」
○「 メンタルヘルス啓発冊子の 配付」
イ
教職員間の連携・支援体制を充実させるために、メンタルヘルスについての推進計画を策定する。
○「 スクールカウンセラー の拡 充」
○「 カウンセリングに 関す る講 座の充 実」
ウ
教職員に対するメンタルヘルスを効果的に実施するため、関係機関の連携や指定病院の制度化等を進める。
○「 管理職 のメンタルヘルス専門研修 の実 施」
○「 職場復帰トレーニング 実施事業」
エ
精神科疾患等 でいったん 教壇から離れた教員の職場復帰に向けてのサポートシステム の整備を進めるとともに、精神科疾患等の診
察に同意しない教員への対策について研究を行う。
85
資
料
1
本県教育の震災以降の特色ある取組一覧・・・・・・・・・・・・・・
(1)
2
教育改革をめぐる国の動きと兵庫県における教育改革の流れ・・・・・
(2)
3
「兵庫の教育改革プログラム」策定にかかわる意見聴取等の経緯・・・
(3)
本県教育の震災以降の特色ある取組一覧
1 委員会等の名称
2 提言等の標題
3 発表年月日
主な経緯
1 防災教育検討委員会
2「兵庫の 教育の復興に向
けて」(提言)
1 3 H7.1 0.17
○阪神・淡路大震災
の発生
1 子どもたちに生きる力を
育む教育懇話会
2 2「子どもたちに生きる力
を育む 」
3 H8.8 .29
○県立学校における
生徒 の生 死に係 わ
る事件の発 生
1 心の教育緊急会議
2「心の教 育の充実に向け
て」
3 H9.1 0.6
1 学校教育審議会
2「家庭及 び地域社会と連
4
携した 学校教育の在り
方について」
3 H9.1 0.29
3
1 感動体験 プログラム
構想委員会
5 2「感動体験を目指す教育
の展開 」
3 H9.1 2.19
1 生き方 を学ぶ性教育検
討委員会
6 2
3 H9.1 2
1 人権教育 の在り方懇話会
2「人権教育の在り方につ
いて」
3 H9.1 1.25
報告書等の内容
○災害時における学 校の役割と防災機能の強化
○学 校における防災教育の充実
○心 の健康管理
○豊 かな人間関係づくりを促す
○生 きることへの積極的構えを培う
○個 が生きる学校教育を創造する
○家 庭において子どもとのきずなを 深める
○子 どもたちの成長 に関わっていく 社会をつくる
○子 どもたちの成長 を援助する教師 となる
○神戸市須磨区の児
○生 と死を考え、生 命の大切さを学 ぶ教育の充実
童殺傷事件 の発生
○家 庭における基本的な生活習慣や 倫理観等の育成
○情報化社会の光と 影に対応した心 の教育の在り方
○心 の教育の充実に 向けた教育システムの在り方
○阪神淡路大震災の
○心 の教育や新しい 学力観など学校教育の充実
教訓を学校教育に
○親 子のふれあいの 深化など家庭の 教育力の向上
生かす方策 の検討
○ 社会教育施設の整備や 子どもたちを地域で 育む環境 づくりの推
進
○PTAの活性化な ど、学校と家庭 の連携の促進
○学 校と地域社会の 連携の促進
○「子どもたちに生
○今 なぜ感動体験か
きる力を育 む教育
○感 動する心をどう 育てるか
懇話会」からの提
○体験活動をどのように進めるか
言
○体験活動を学校教育のなかにどのように位置付けるか
○体験活動を支える 教師をどう育てるか
○「心の教育緊急会議」 ○性 的エネルギーうまくコントロールして活用すべきもの
からの提言
○生 き方を学ぶ性教育は、生と死を 表裏一体でとらえる視点で
○性 の問題は、一生 にわたり直面す る本質的問題である
○ 男女の関 係を対等互恵の 交際を 通じて 新たに創 り上げていくべ
き 役割分担の視点 から
○「子どもたちに生
○人 権をめぐるさまざまな教育課題 の浮上
きる力を育 む教育
○人 権という普遍的 な文化の構築を 目指す教育の在 り方
懇話会」からの提
○人権尊重の生き方 のために必要な 資質や態度の育 成
言
○指導者の研修における内容や手法 の改善
7
教育課程に関わること
○新たな防災教育の推進
○防災教育副読本の作成
○感動体験プログラムの策定
○人権教育の基本方針の策定
○自然学校の新 たな展開
○トライやる・ ウィークの実施
○高校生・ふれあい育児体験、
○高等学校における 科 目「 体験活
動」の単位認定
○YU・らいふ ・サポート事業
○障害児の自然体験活動
○副読本 「 生き 方を 学 ぶ性教育 」
「生と性」の 作成
○幼稚園用教育資料 「 ほほえみ 」
の作成
○小学校用教育資料 「 ほほえみ 」
の作成
○中学校用教育資料 「 きらめき 」
の作成
○高 等 学 校 用 教 育 資 料 「 HUMAN
RIGHTS」の作成
○教師用指導資料「 日本語理解 が
不十分 な 外国人児童生徒 のため
に」の作成
○「子ども多文化共生サポーター」
の派遣
○日本語指導推進教員の派遣
○学 校における 食に 関 する 教育 の
推進
実施している主な施策等
学校の経営に関わること
教職員に関わること
教育行政機関に関わること
○災害対応 マニュアルの作 成
○県立学校災害復旧事業の 実施
○「地震防災緊急事業5カ 年計画(第
一次計画 :H8∼H12年度 、第二次計
画H13∼ H17年度)」による小・中学
校施設等の 補強工事の 円滑実施に
向けての 指導助言
○オープン ・ハイスクール の実施
○特 色あ る学 校づくりを ベース とし
た高校教育改革
○スクールカウンセラーの 増員
○学校教育 の弾力化
○余裕教室 の活用
○心の教育総合センター設 置
○防災教育推進連絡会議の 設置
○情報通信 ネットワークの 拡充
家庭教育、地域教育に関わ
ること
○復興担当教員の配 置と研修
○地域防災合同訓練の実施
○防災教育担当教員 の研修
○市町防災部局 との連携の促進
○防災教育推進指導員の養成
○震災学校支援チーム(EARTE)
の 創設
○司書教諭の養成
○教員採用システム の検討
○現職教員の企業派遣
○子育て支援事業
○社会人活用
○地域スポーツクラブの育成
○生 と死を考える教職員研修
○トライやる・ ウィークの実施
○「 生き方を学ぶ性教育」指導資 ○YU・らいふ ・サポート事業
料 の作成
○障害児の土曜日活動支援事業
○高校生・ふれあい育児体験
○心の 教育 に関 する学 校・ 家庭・ 地
域連絡会議の 開催
○ PTA が核となる家庭教育支援事業
○ジャングル感動体験
○県立美術館の 整備
○社会人を活用 した特別非常勤講師
○“考古楽者” 養成事業
○地域文化財展 の開催
○「人権教育基本方針」の 策定
○「 人権教育基本方針」に基づく ○人権教育振興事業の実施
○「 外国人児童生徒 にかかわる 教育
教職員研修の実施
指針」の 策定
○冊 子「男女共同参画社会をめざ
○外国人児童生徒用 「学校生活 ガイ
す 学校教育の実践 に向けて」の
ド」の作 成
作成
○冊 子「セクシャルハラスメント
のない学校に」の 作成
1 学校給食 のあり方に関す
る検討委員会
2「今日的 な学校給食のあ
8
り方について」
3 H10. 3.31
○阪神淡路大震災に
○これからの学校給食の意義・目的
よ る「食 べること」 ○これからの学校給食のあり方
の大切さという教
訓
○学校給食を 取り巻
く環境の変 化
○学校給食衛生管理等の 研修会 の実 ○新 規・経験者学校栄養職員研修
施
の 実施
○学校給食の 意義・ 目的 のための年 ○家 庭における食に 関する教育の
間指導計画の作成
推進
1 全日制高等学校長期構想
検討委員会
9 2「21 世紀 を展望した兵庫
の高等学校教育改革に
ついて 」
3 H11. 6.30
1 新たな学 習システムの在
り方等に 関する調査研究
10
会
2「新たな 学習システムの
創造をめざして」
3 H12. 3.27
1 兵庫県生涯スポーツ振興
計画策定委員会
11 2「兵庫県生涯スポーツ振
興計画 −スポーツルネ
サンス ・プラン−」
3 H13. 3.12
1 兵庫県社会教育委員の会
議
12 2「学校週五日制に対応し
た家庭 や地域の教育力
の充実 に向けて」
3 H14. 3.31
1 教職員の 資質向上に関
する懇話会
13 2「教職員 の資質能力と指
導力の 向上を目指して 」
3 H14. 1.29
○阪神・淡路大震災
の教訓を生 かす高
等学校教育改革
○「子どもたちに生き
る 力を育 む懇話会」
からの提言
○平成14年 度から
始まる新教育課程
の円滑な実 施
1
2
本県高等学校教育改革の推進に 向けて
高等学校教育改革の基本的方向
○ 学校の個性化・ 多様化の推進
○ 入学者選抜制度 ・方法の改善
○ 生徒急減及び生涯学習社会への 対応
○県立高等学校教育改革第一次実 ○県立高等学校教育改革第一次実施
施計画の策定
計画の策 定
○特色ある教育課程推進事業
○総合学科 、単位制高等学校の設置
中等教育学校の設置
○「 生きる力」を育 む兵庫の教育をめざして
○新 たな学習システムの創造
○学 校・家庭・地域社会の連携
○教 員の意識改革と 研修の見直し
○新学習システムの実践
○兵庫の教育改革プログラムの策定
○学級運営改善 のための非常勤講
師派遣
○ビデオ「生き る力を育む」
○「兵庫県スポーツ
振興審議会 」から
の提言
○振興計画の概要
○生 涯スポーツ推進方策
○生 涯スポーツ振興政策の展開
○選択教科の充 実と拡大
○体つくり運動 の実施
○H13.7.11の 社会教
育法の改正
○地 域の教育力を生 かす社会的な仕 組みづくり
○家 庭の教育力の充 実に果たす行政 の役割
○学校体育施設 の開放の推進
○地域 の人 材を 活用し た運動部活動
の推進
○スポーツクラブ21 ひょうごの 推
進
○全国スポーツ ・レクリエーション
○ふるさと 文化再発見 アクションプ
ランの実施
○地域教育推進事業
○中国自動車道女子
中学生放置死事件
○社 会や子どもの変 化に対応した教職員の在り方について
○教職員の資質能力 ・指導力の向上 を目指して
○ 教職員のメンタルヘルスの保持 や健康管理 システム の在り方
について
○ 家庭や地域社会をはじめとする 社会全体で の学校支援の在り
方 について
○兵庫県生涯 スポーツ振興計画 の策
定
○地域教育推進事業
○PTCA 活動支援事業
○ヘリテージマネージャー の養成
○教職員パワーアッププランの策
定
教育改革をめぐる国の動きと兵庫県における教育改革の流れ
年
代
国 の 動 き
与謝野馨文相 が「21世紀を展望した教育
平 成8 年 4 月
第15期中教審初総会
の在り方」を諮問
平 成8 年 7 月
〃
中教審が第一次答申「子どもに〈生きる力〉と〈ゆとり〉を」
奥田幹生文相 教育職員養成審議会 に教員養成の在り方を諮問
平 成9 年 1 月
〃
橋本首相 教育改革を含む「6つの改革」を提唱
小杉隆文相 教育改革 プログラム を橋本首相 に報告、完全学校週5
日制を平成15年度から実施と明記
中教審 入試改革、中高一貫教育、飛び入学などの第二次答申
教育職員養成審議会 養成カリキュラム改革など第一次答申
小杉文相が「心の教育の在り方」を中教審に諮問
町村信孝文相 中教審に「地方教育行政の在り方」を諮問
平 成9 年 6 月
〃 7月
〃 8月
〃 9月
平 成10年 2 月
〃 6月
〃 7月
9月
10月
12月
平 成11年 7 月
平成11年12月
〃
平成12年12月
〃
町村文相 完全学校週5日制を1年早め平成14年度からと表明
中教審 「心の教育」について答申
教課審 幼・小・中・高等学校教育課程の改善を町村文相に答申
○総合的な学習の時間の創設 ○道徳教育の改善充実
○平成14年から完全学校週5日制と新教育課程を実施
中教審 「地方教育行政の在り方」について有馬朗人文相 に答申
教養審 教員再教育で第二次答申
文部省 小・中学校の新学習指導要領など告示
地方教育行政法改正(平成12年度から実施)
○教育長の任命承認制度を廃止し、都道府県及 び指定都市 の教育
長について教育委員との兼任制を導入
○都道府県及び指定都市の教育委員数の弾力化
中教審 初等中等教育と高等教育の接続の改善について(答申)
○高等学校と大学の連携 ○学校教育と職業生活との接続
教養審
教員の養成と採用・研修の連携の円滑化で第3次答申
教課審
児童生徒 の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方等に
ついて
「教育改革国民会議報告−教育を変える17の提案」
平成13年1月
文部科学省「21世紀教育新生プラン」の策定
平成13年3月
【教育改革関連 6法の成立】
「公立義務教育諸学校 の学級編制及び教職員定数 の標準に関する法
律等の一部を改正する法律」(3月30日成立)
平成13年4月
平成13年6月
〃
県 の 動 き
【平成8年度】
「子どもたちに生きる力を育む」
( 子どもたちに生きる力を育む教育懇話会)
○子育て支援事業 ○生き方を学ぶ性教育
○オープンハイスクール
【平成9年度】
神戸市須磨区児童連続殺傷事件
「家庭及び地域社会と連携した学校教育の
在り方について」(学校教育審議会)
○学校教育の充実 ○家庭の教育力の向上
○地域社会の教育力の向上 ○学校と家庭
の連携 ○学校と地域社会の連携
「心の教育の充実に向けて」(心の教育緊
急会議)
○トライやる・ウィーク ○高校生・ふれ
あい育児体験 ○心の教育総合センター設置
「人権教育の在り方について」(人権教育
の在り方懇話会)
○「人権教育基本方針」
「感動体験を目指す教育の展開 」(感動体
験プログラム構想委員会)
○ジャングル感動体験 ○教科「 体験活動」
【平成11年度】
「21世紀を展望した兵庫の高等学校教育
改革について」(全日制高等学校長期構想
検討委員会)
○県立高等学校教育改革第一次実施計画
「新たな学習システムの創造をめざして」
(新たな学習システム の在り方等に関する
調査研究会)
○新しい学習システムの実践研究
○学級経営改善のための非常勤講師派遣
○ビデオ「生きる力を育む」
【平成12年度】
○「外国人児童生徒にかかる教育方針」
「独立行政法人国立オリンピック 記念青少年総合 センター法の一部
を改正する法律」(4月4日成立)
【平成13年度】
新学習システムの導入
教育改革プログラム策定開始
「国立学校設置法の一部を改正する法律」(6月22日成立)
「21世紀の兵庫の教育を担う教職員 の資
質能力と指導力の向上をめざして」(報告)
「 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」 (教職員の資質向上に感ずる懇話会)
(6月29日成立)
〃
「学校教育法の一部を改正する法律」(6月29日成立)
〃
「社会教育法の一部を改正する法律」(6月29日成立)
平成13年12月
「子どもの読書活動の推進に関する法律」(12月12日)
平成14年1月
平成14年2月
文部科学省 確かな学力の向上のための2002アピール「学びのすすめ」
中教審 今後の教員免許制度の在り方について(答申)
中教審 新しい時代における教養教育の在り方について(答申)
平成14年3月
平成14年5月
「小学校設置基準」「中学校設置基準」「高等学校設置基準の一部を
改正する省令」「幼稚園設置基準 の一部を改正する省令」(3月29
日公布)
小・中学校学習指導要領全面実施・完全学校週5日制開始
「教育職員免許法の一部を改正する法律」(5月31日公布)
平成14年6月
「教育公務員特例法の一部を改正する法律」(6月12日公布)
平成14年7月
中教審
平成14年9月
文部科学省
平成14年9月
中教審
平成15年3月
中教審
新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の
在り方について(答申)
平成15年5月
中教審
今後の初等中等教育改革の推進について(諮問)
青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について
人間力戦略ビジョン
新しい時代を切り拓くたくましい 日本人の育成
∼画一から自立と創造へ∼
子どもの体力向上のための総合的な方策について
【平成14年度】
兵庫県立高等学校 の管理運営に関する規則
の改正(学校評議員の位置づけ)
「美しい兵庫の教育を担う教職員 のパワー
アッププラン 」
「『トライやる・ウィーク』5年目の検証」
【平成15年度】
「兵庫の教育改革プログラム」
「兵 庫の 教育改革プログラム」策定 にかかわる意見聴取等の 経緯
「 兵庫 の教 育 改 革 プ ロ グ ラ ム」 を 策定 す る に あ た り、 有識者等 から 意 見 聴 取を お こ な っ た。 また 、
学 識 経 験 者 や 教 育 関 係 者な ど か ら な る 「兵 庫 の 教 育 改 革プ ロ グ ラ ム 検 討 委 員 会 」(平 成 13 年 度) 及
び 「同 小 委 員 会 」( 平成 14 年度 )を 開催 し、 事務局案 に 関す る意 見・ 提言 を得 た。
《 有 識 者 か ら の意 見 聴 取( 期間 : H13.7 ∼ H13.10)》
梶 田 叡 一 氏(「 第 2期 中 央 教 育 審 議 会 」委員 京 都 大 学 名 誉 教 授 京 都ノ ー ト ル ダ ム 女 子 大 学 長 )
鈴 木 正 幸 氏 (「 新 た な学 習 シ ス テ ム の在 り 方 等に 関 する 調 査 研 究 会 」座 長 神 戸 大 学 名 誉 教 授 )
新 野 幸 次 郎 氏( 神 戸 都 市 問 題 研 究 所 長 元 神 戸 大 学 学 長)
山 崎 正 和 氏(「 21 世紀日本 の構 想」 第5 分 科 会 座 長 大 阪 大 学 名 誉 教 授 東 亜 大 学 長 )
《「 兵庫 の教 育 改 革 プ ロ グ ラ ム」 検 討 委 員 会の 開催 :H 13. 12∼ H14. 12》
委 員 名 簿 (職 名は 開催当時 の も の 敬 称 略 ) 五十音順
【学 識 経 験 者 】
上 杉 孝實
兵庫県生涯学習審議会会長 京都大学名誉教授 龍谷大学教授
蛯 名 邦禎
神戸大学発達科学部教授
桂
正孝
大阪市立大学名誉教授 宝塚造形芸術大学教授
芹田健太郎
国際人権法学会理事長 神戸新聞客員論説員 神戸大学大学院教授
津田 元
元神戸新聞社常任監査役論説顧問
長 尾 彰夫
大阪教育大学教授
端
信行
京 都 橘 女 子 大 学 文 化 政 策 学 部 教 授 文 化 政 策 研 究セ ン タ ー 所長
古 厩 勝彦
兵庫県就学指導審議会委員 神戸大学名誉教授
堀内
孜
中 央 教 育 審 議 会 専 門 委 員 (∼ H11) 京 都 教 育 大 学 教 授
森 本 雅樹
県 立 南 但 馬 自 然 学 校 長 国 立 天 文 台・ 東 京 大 学 名 誉 教 授
【教 育 関 係 者】
泉 雄一郎
兵庫県教育文化研究所常任所員
垣 谷 正詔
兵 庫 県 障 害 児 教 育 諸 学 校 長 会 会 長 (県 立 出 石 養 護 学 校 長 )
近 藤 靖宏
甲南学園顧問 元県教育次長
斎 藤 興哉
兵 庫 県 立 高 等 学 校 長 協 会 会 長 (県 立 神 戸 高 等 学 校 長 )
笹
信隆
神戸市立湊川中学校教諭
田治米政美
兵庫県教職員組合協議会事務局長
広瀬
修
宝塚市立中山五月台小学校教諭
藤田
晃
兵 庫 県 中 学 校 長 会 会 長( 神 戸 市 立 生 田 中 学 校 長 )
藤 原 千鶴
兵 庫 県 国 公 立 幼 稚 園 長 会 会 長 (神 戸 市 立 岩 岡 幼 稚 園 長)
柳本勝三郎
兵 庫 県 小 学 校 長 会 会 長( 神 戸 市 立 山の 手 小 学 校 長)
山 下 弘巳
県立夢野台高等学校教諭
委員会開催年月日
第 1回 委 員 会
第 2回 委 員 会
第 3回 委 員 会
第 4回 委 員 会
小委員会
第1 回 委 員 会
第 2回 委 員 会
平 成1 3年 12 月 27 日
平 成1 4年 2 月 5 日
平 成1 4年 2 月 22 日
平 成1 4年 3 月 12 日
平成 14 年1 1 月1 5日
平 成1 4年 12 月 18 日
《「 兵庫 の教 育 改 革 プ ロ グ ラ ム」 に関 する パ ブ リ ッ ク・ コ メ ン ト手 続: H15 .4∼ H15. 5》
総 意 見 件 数 1 5 4件
90 項目
《 平成 15 年 度 第7 回 定 例 教 育 委 員 会 に お い て「 兵庫 の教 育 改 革プ ロ グ ラ ム 」を 議 決: H15. 7.4》
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