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フレーバーがアイス市場を支配 添加物の種類の増加
(米国 Dairy News 3 月号より抜粋) フレーバーがアイス市場を支配 アイスクリームメーカーは、レストランのシェフ・バー・コーヒーショップ等、さまざまな場にフレーバ ーのひらめきを求めている。実に、フレーバーがアイス市場を支配しているといえるだろう。 フレーバーの豊富なバラエティーはすなわち、消費者の関心が高いことを示している。シカゴのミン テル社の 2014 年のレポートでは、回答者の 69%が、アイスを購入する際、フレーバーを最も重視 すると回答した。 アイスクリームメーカーは、消費者の冒険好きな味覚を最大限に利用している。 ベルベットアイス社 既定概念にとらわれない、ユニークな味の組み合わせや斬新な味を追求し、ワイン・リキュール・南 国のフルーツ等、伝統にとらわれない独特な味を試みている。最近発売したバーボンピーカン味 では、本物のバーボンをピーカンアイスに加え、独特な大人の味を作り上げた。同社の新しい全自 然材料ラインは、他にも塩チョコレートファッジなどを提供している。 ボウルダー オーガニックアイス社 引き続き塩キャラメル味が人気を博している。最近、塩キャラメルクランチ・チョコレートプディング味 をラインナップに追加した。他にも、アイランドココナッツ・シナモン・抹茶・メキシコチョコを入れたフ レーバーなどを展開している。 アンプクア デイリープロダクツ社 塩キャラメルの流行に追いつくべく、塩キャラメルピーナッツ味をレギュラー商品に追加した。 添加物の種類の増加 消費者の関心を引き、他社製品と差別化できる添加物の組み合わせが増えている。 ハドソンビル クリマリー&アイス社 同社の米国中西部のルーツにヒントを得たフレーバーを展開する。 スリーピングベア砂丘ベアハグ (ミシガンにヒントを得た、チョコレートで覆ったカシューナッツと厚 いキャラメル渦の組み合わせ) グランド・トラバース湾チェリーファッジ (世界的に有名なチェリー産地にヒントを得た、チョコレート で覆ったチェリー・厚切りのチェリー・アマレット味のアイス・厚いマーブル模様のファッジの組み合 わせ) レトロフレーバーも展開し、伝統の味復刻の要望に応え、チョコレートムースアイス・ダークチョコフ レークを組み合わせたフレンチシルクを発売した。 ベンアンドジェリー社 有名なテレビシリーズ「サタデーナイトライブ」の 40 周年を記念したフレーバーを4種発売した。最 初の 3 種、①トゥーワイルド&クレージーパイ(ココナッツクリーム・チョコクッキー渦入りチョコクリーム パイアイス)、②レイジーサンデー(チョコと黄色いカップケーキ片、チョコフロスティング渦入り)、③ジ リーの悲惨なクランチ(キャラメル、ファッジで覆ったアーモンド、マッシュルーム渦入り)が米国全土 で発売中で、40 周年を締めくくる最後のフレーバーは、今春発売予定である。 塩キャラメルの流行と同時に、添加物としてキャンディーも人気である。(キャンディーバー、ピーナ ッツバターカップ、チョコレートトリュフ等)。 主要キャンディーブランド名や、ブランドと提携したアイ スも盛んに発売している。(スニッカーズ、オレオ、リーズ、ガールスカウト等) 季節限定・限定版のフレーバー 多くのブランドで、節限定や限定版フレーバーを展開している。アイスクリームメーカーは新フレ ーバーを試し、特定の理由と結びつけて消費者のワクワク感を引き出すため、この方法を用いてい る。 ハドソンビル クリマリー&アイス社 1年を通じて、季節の変化に応じた季節限定のアイスを展開。また、著名な団体(マキノー島グラン ドホテル、デトロイトタイガーMLB ベースボールクラブ、シカゴベアーズ NFL フットボールクラブ)と 提携したフレーバーも開発している。また、特定の市場に特化したフレーバーや、地域色の濃いフ レーバーも提供。(シカゴキャラメルポップコーン等) また、ピュアミシガンブランドと提携し、ピュアミシガンウィンターキャンプファイヤー(マシュマロ・グラ ハムクラッカー片・チョコレートフレーク)、ピュアミシガン湖の雪解け(ホットチョコレートアイス・ミント チョコレート渦(ミシガン州の石・緑色岩に似せたもの)を開発。 アンプクア デイリープロダクツ社 季節限定フレーバーを販売することで、将来的な定番フレーバーへの昇格に十分なアピール力が あるかを試している。今夏はレモンベースのフレーバーを発売。季節限定フレーバーは 50 年以上 提供し続けていて、昔お気に入りだった味を心待ちにしている消費者との対話を生み出すのに役 立っている。 クリーンなブランドが一役買う 多彩なフレーバーが流行する一方、クリーンなブランドと自然材料、そのイメージを呼び起こす 包装が、一つのトレンドになっている。 ブレイヤー社 現在、同社が提供する製品に使用している牛乳とクリームは、人工成長ホルモンを使わない牛から 搾取されていると発表した。 ハドソンビル クリマリー&アイス社 新ライン「ナチュラル」を展開。グルテン・人工成長ホルモンフリーの牛乳と、すべて天然の材料を 使用し、4 フレーバーを展開。バニラ、チョコレートココア、ストロベリー、塩キャラメル。チョコレートコ コアは、牛乳・きび砂糖・クリーム・スキムミルク・無農薬ココア・キャロブビーンガム・バニラのみの、 シンプルな材料でできている。 ベルベットアイス社 2014 年に、ユニークなフレーバーと自然材料を組み合わせた、全自然材料ラインを展開。フレー バーは、バニラ・バーボンピーカン・塩チョコレートファッジ・バニラチョコレートデュオの 4 種。 クリーンなブランドは、ライン全体を変えるわけではないが、消費者にとっての多くの選択肢の一つ となる。消費者がアイスを選ぶ決め手が、添加物がたくさん入っているか、味の好みか、シンプルな 原材料か、それともこれらすべてになるのか。例えばベルベット社は、ユニークな味や季節限定味 が満載のプレミアムライン、全自然材料で作られたライン、脂肪半分・カロリー1/3 を求める人向け の砂糖非使用ラインなど、あらゆる消費者に対応できる製品を用意している。 一つ明らかなのは、アイスクリームを買う人にとって、新しいユニークなフレーバーか、またはシンプ ルな材料かの選択肢があるということだ。