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ユビキタス第2章への 日本の産業と行政の課題
国土交通省・情報化月間基調講演 ユビキタス第2章への 日本の産業と行政の課題 日本経済新聞社 日経デジタルコア事務局代表幹事 慶應義塾大学大学院教授 坪田 知己 1 2 私の立場 ・1986年 パソコン通信と出会う ・新聞社初のインターネット情報提供 NIKKEI X(1995年4月) ・事業としてのインターネット情報発信 ・「ユビキタス」という言葉を広めた ・デジタルコンテンツ流通の促進へ 3 ユビキタス第1章 いつでも繋がる ユビキタス第2章 個体識別によるサービスの充実 &ブロードバンド ユビキタス第3章 カスタマイズされたサービスが充実 4 第1部 IT革命はどこまできたか 5 インターネットとWWWの歴史 ヴァンネヴァー・ブッシュ 米国防総省 MEMEX ダグラス・エンゲルバート GUI アラン・ケイ 資金拠出 連想索引法 ポール・バラン テッド・ネルソン インターネット ハイパーテキスト ティム・バーナーズ・リー WWW パソコン マイク・アンドリーセン モザイク インターネットの爆発 6 一人一人にコンピュータ・パワー パソコンの低価格化と普及 End to Endの発想 Stupid Network →「自律・分散・協調」の時代へ 技術もビジネスも社会も 7 70-80年代の情報システム ホスト コンピュータ 端末(ターミナル) 8 90年代の情報システム サーバー ネットワーク・コンピューティング クライアント/サーバー型 9 企業組織と情報システムの関係 工業化社会での 中央制御型の 大企業の組織 情報システム MPUの急速な進歩 個人の知的能力の 向上 情報化社会での ネットワーク型 企業組織 情報システム 10 IPネットワークはインフラとアプリケーションを開放した テキスト 音声 映像 IPネットワーク ADSL FTTH 無線 11 時代は「中央集権」から「自律・分散・協調」へ 個人をエンパワーできるかどうか 12 中央集権 =ピラミッド型 よらしむべし知らしむべからず 自律分散 =ネットワーク型 自律的判断 IT革命は社会構造の変化を呼び起こす 13 第2部 ユビキタスの起源と解釈 14 世界情報通信サミット2001 「ユビキタス時代を拓く−いつでも高速ネットワーク」 15 いつでもどこでも必要な情報にアクセスできるのが理想 家庭の団らん 退勤 仕事 出勤 16 サイバーアシストのコンセプト ユビキタス・コンピューティング 「利用者中心」「簡単操作」 mms://www2.mlab.t.u-tokyo.ac.jp/smallstories1073K.wmv 17 ネットサーフィンの時代 18 自動的にデータを取ってきて 自分のホームページに表示し てくれる 19 第3部 無線ICタグとデジタルID 「デジタルID革命」の衝撃 20 21 ID=いままではアイテム管理 これからは個体管理 デジタル=ネットワークを通じて データベースと繋がる 22 誰のワイン? 23 確かな信頼に基づく商品購入 モノの自動認識によるスムーズな精算 「物格」を持ったモノの出現 24 どこでも在庫 社会的な効率化が進む 情報の非対称性を下げる技術 覗かせない→覗いたことがわかる 自律・分散・協調社会をどう作れるかを試されている 25 手のひら決済 26 デジタルID革命の本質 つながりを回復させる技術 誰が作ったか、誰が使っているかがわかる 直接のコミュニケーションも 近代社会が失ったものを回復させる きちんと責任を持って供給する 納得し、安心できる 循環型−−最後はどこに行く−−責任を持つ 27 「リアル経営」とは何か A)現場の情報が経営幹部にリアルにわかる →ブロードバンド、細かな入力 B)リアルタイムで経営判断ができる →在庫、流通のトラッキングなど 28 リアル経営・最前線 1)生産 受注生産によって流通在庫を削減し、戦略的機動性を向上。 例:デル 2)流通 貨物のトラッキング・システム 例:ヤマト運輸、ゆうパック 3)顧客対応 顧客入力による座席予約(DBのオープン化) 例:ANA、JAL、新幹線、チケットぴあ 29 リアル経営の基盤とは何か a)現場と経営が直結 b)「信頼」 c) 現場の自律的な判断を経営がサポート Big Pictureとして ビジョンに顧客を取り込め! 情報が価値の源泉となる社会においては、消費者は情報という価値を発信し、価値を 増大させる生産の担い手となる。 それをビジネス・モデルの中に組み込むことに成功し た企業は、顧客の力を借りながら低コストで高い顧客満足を達成することができる。 30 リアル経営で勝つポイント ・「顧客の信頼」を確立する =信頼できるパートナーに =「買う立場」で考える ・事故・トラブルへの即時対応 ・社員の情報共有で、均一のサービスを保証 31 第4部 改めて考える「情報化の本質」 32 「情報化」とはなにか 『失敗の本質』(大東亜戦争での日本軍)からの教訓 ・現場の状況をリアルに掴む 敵の状況を掴め! →ミッドウェー、インパール ・味方の情報共有 ビジョンの共有、遅滞のない連絡 →レイテ、沖縄 ・指揮命令系のリアル伝達 階層の圧縮 33 情報の透明化による信頼の醸成 「鹿児島建築市場」が示したこと (日経地域情報化大賞 グランプリ) 34 鹿児島建築市場 35 建築市場の永続化の仕組み 検査 施工 資 材調 達 建築主の注文 資材メーカー 引渡し 志 職人 情報の透明化による合理化−→利益の増大 36 ヤマト運輸の組織構造 本社 配送拠点 セールスドライバー 顧客 セールスドライバー(顧客への接点)を重視する 37 情報共有のメリットを ビジネス・社会モデル化する 産業効率化 新産業創造 透明性による 安心・安全 参加型社会・ 組織構造 知識立国 情報共有技術を活かす協働構造の設計 制度 (知的所有権・ プライバシー等) ビジネスモデル (情報の収益モデル) 技術 (含:セキュリティ 技術標準) (國領二郎氏作成) 38 「情報化」って何だろう ・コンピュータを使うこと? ・インターネットを使うこと? 39 アナログをデジタルに変換する サンプリング周波数 40 デジタル化の問題点 要素はわかるが全体像は伝わらない 圧縮 復元 ・名前 ・年齢 ・役職 ・学歴 41 ・現場に足を運べ ・一次情報に触れろ ・ITはあくまで手段 ・全体性をよく考えろ 42