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全文はこちら - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
NEDO「グリーンIT」プロジェクト始動
30
撮影地/北海道利尻郡利尻富士町(利尻岳と姫沼)
AUTUMN 2008
Vol.8 No.2
グリーンITプロジェクト
社会へ大きなインパクトを与える
高度情報化の進展
費を拡大させてきたという側面もあります。そこで「ITによ
る省エネ」と「IT機器の省エネ」を両立させることによる
地球温暖化対策への取り組みが内外で活発化しており、こ
今、ITに関連した製品やサービスがなければ社会そのもの
れら一連の活動を「グリーンIT」と呼んでいます。NEDOで
が動かない時代になっています。特に携帯電話やインターネ
は新技術の開発により、IT機器の抜本的省エネを進めるミ
ットに代表されるように、人々が“いつでも、どこでも、誰
ッションを通して「グリーンIT」に深くかかわっています。
でも”ネットワークにアクセスできる「ユビキタスネットワ
ーク社会」がますます進展しています。ITはそのような社会
に不可欠な要素であり、発展を支える原動力です。ITを使っ
情報量の爆発的増大にともなう
消費エネルギーの増加にどう対処するか
て商品やサービスを提供する、わが国の産業はGDPの13%
を占め(2006年度 総務省ICT経済分析調査)、今や自動車
産業と並ぶ基幹産業となっています。
インターネットを介して個人レベルでも動画像が簡単に
やりとりできるようになり、また高精細な画像編集がPC上
このような状況の中、NEDO電子・情報技術開発部は「高
でも可能となるなど、一人当たりが処理する情報量は日に
度情報社会のインフラを支えるために必要な技術開発」と
日に増大しています。ネットワーク内を流通する情報量も
「IT産業の競争力の向上」の2つをミッションに掲げていま
増え、2006年度では国内の総電力消費の5%がIT機器によ
す。半導体、ネットワーク、ストレージ、コンピュータ、ユーザ
るものという統計も出ており、さらに2025年には20%に
ビリティ、ディスプレイの6分野に重点を置き、現在取り組ん
なるとの見込みも示されています。これは原子力発電所20
でいる16プロジェクトの平均予算は約10億円にのぼります。
基分に相当する膨大な電力消費ですから、「グリーンIT」へ
これらはいずれも日本のトップクラスの研究者を産官学で集
の取り組みは緊急の課題といえるでしょう。
め、非常に大規模で研究を行っているのが大きな特徴です。
ITで地球温暖化対策を推進する
「グリーンIT」
NEDOのグリーンITへの取り組み
●
日本最大規模のクリーンルームに
半導体オールジャパンの頭脳が集結
これまでITは、産業社会へ浸透することで産業活動や国
あらゆるIT機器に組み込まれている半導体の1チップ当た
民生活の利便性や効率性が高まり、大きな省エネ効果をも
りの記憶容量は格段の進歩を遂げ、30年ほど前にはキロバ
たらすものと認識されてきました。しかし一方、高度情報
イトに過ぎなかった単位は今やギガバイトが当たり前にな
化の進展は情報流通量の飛躍的増大を招き、エネルギー消
っています。この間、半導体の記憶容量はおよそ10万倍も
グリーンITプロジェクト
富田 健介
KENSUKE TOMITA
1956年福岡県生まれ。
1981年東京大学工学部大学院修士課程(機械工学)修了、通商産
業省入省。同省機械情報産業局映像産業室長、(財)日中経済協会
北京事務所情報化協力室長、経済産業省製造産業局素形材産業室
長、住宅産業窯業建材課長などを経て、2006年1月、NEDO
電子・情報技術開発部長に就任。
NEDO電子・情報技術開発部長が語る
“いつでも、どこで
ネットワークにアク
「ユビキタスネットワ
2
SPECIAL
INTERVIEW
次世代高効率ネットワークデバイス・システム
ネットワーク
グリーンネットワーク・システム
液晶ディスプレイ
IT機器
システム
基盤
モジュール
PDP
大型有機ELディスプレイ
( )
ナノビット磁気記録技術
有機EL照明
半導体微細化(MIRAI・EUVL)
デバイス
(半導体)
半導体アプリケーションチップ
スピントロニクス不揮発生デバイス
半導体三次元集積化(ドリームチップ)
パワエレインバータ
2007
2008
2009
2010
2011
2012
NEDOにおける主なグリーンITプロジェクト
グリーンITに関する本格的な取り組みのため、省エネルギー効果の高い課題を抽出
し、機器・デバイスからネットワーク制御等のシステムに至るプロジェクトを推進
アジア最大級の情
報・通信・エレクト
ロニクス展示会「シ
ーテックジャパン
2008」での「グリー
ンITパビリオン」
(左下)。(2008年
10月幕張)
スーパークリーンルーム(面積4,500m2)で集中的に研究
を進めています。欧米にはアルバニーナノテク、IMEC、
MINATECなどのコンソーシアムがあり、それぞれがオール
向上しましたが、それにともない消費電力も上がっています。
アメリカ、オールヨーロッパ体制で半導体の開発に力を注
ですから、記憶容量と処理スピード能力をさらに高めつつ、
いでいます。MIRAIプロジェクトはそれらに対抗するオール
消費電力を抑える技術を開発することが「グリーンIT」の達
ジャパンのコンソーシアムとして大いに期待されています。
成につながります。従来技術の延長線上ではこれらを実現す
ることは困難ですから、技術の限界を乗り越えるブレイクス
ルーに向けたチャレンジを試みています。
NEDOのグリーンITへの取り組みのひとつであるMIRAIプ
●
テレビも明かりも
新しい省エネ生活を実現
40インチ40Wの大型有機ELディスプレイを量産
ロジェクトでは、情報化社会の共通基盤である半導体LSI技
術について、IT機器の高機能化や低消費電力のニーズを満た
テレビの世界では、従来のブラウン管から低消費電力の
す次世代のシステムLSIなどの基盤技術を開発しています。
薄型・高精細フラットパネルディスプレイに続々と置き換
目標は、半導体のエネルギー消費を2025年までに25%削減
わっています。しかしディスプレイの大型化や一家庭複数
することです。これは一企業ではとてもできないことですか
台の時代に入り、結果として全体の消費電力は減っていな
ら、日本の半導体のトップ企業や大学の研究者が集まり、つ
い状況です。そこでわれわれは、次世代の省エネディスプ
くばの(独)産業技術総合研究所の中にある国内最大規模の
レイとして注目されている有機ELディスプレイの開発を今
年度よりスタートさせました。これは究極のディスプレイ
ともいわれ、画質を高めながらも大幅な消費電力の削減が
可能であるほか、ディスプレイ自体を数ミリの薄さにでき
るというメリットを持っています。壁掛けというよりは壁
に貼るテレビも夢ではなく、また丸めることもできること
から、電子ペーパーのような多様なアプリケーションが期
待できます。
蛍光灯から、省エネかつ人にもやさしい有機EL照明へ
同じく有機ELによる照明の技術開発にも力点を置いてい
ます。家庭などの生活空間で消費されるエネルギーのうち
グリーンIT国際シンポジウムで発言する富田部長(左)
照明用途は約16%といわれています。エネルギー消費削減
のために蛍光灯照明にかわる新たな照明光源技術の開発が
求められています。
も、誰でも”
セスできる
ーク社会」発展のために
近年、白熱灯の代替光源としてLED照明が採用されるよ
うになってきましたが、生活用の照明には不向きなためま
だまだ蛍光灯が多く使用されています。そこでわれわれは
現在の高演色性蛍光灯の性能を上回る有機EL照明光源の開
発を進め、照明器具効率を約10%改善する目標に取り組ん
でいます。
3
●
情報通信を支える
ネットワーク環境の整備
これまでのネットワークはプロバイダ対個人という環境
が主流でしたが、今では個人対個人、マルチ対マルチでも
情報をやり取りするようになりました。たとえば動画サイ
ト「YouTube」や「ソーシャルネットワーキングサービス
(SNS)」などの出現により動画や音声が自由に流通する時
代になった結果、情報インフラの容量はさらなる広範さが
求められます。日本はネットワーク回線の光化では国際的
にも最先端にあるといわれています。光ファイバーを一般
優秀な人材育成と国際競争に
打ち勝つ手だてを構築していきたい
住宅へ直接引き込むFTTH(Fiber To The Home)を普及さ
せることでエネルギー損失を減らしたり、損失が多いとい
現在、電子情報産業は日本経済の屋台骨を支える重要な
われている家庭やオフィス内の配線や電子部品内での損失
分野になっているにもかかわらず、ひところから見るとや
を減らすことにより、総合的に大容量の情報をエネルギー
や低迷しているのが現状です。半導体を例にすると1990年
消費を抑えながら処理していくことが可能となります。
初頭の日本は世界シェアの50%を確保していましたが、今
従来技術の延長で通信速度を飛躍的に向上させれば、ル
では20%程度に落ち込み、競争力をいかに復活させていく
ータなどのネットワーク機器の消費エネルギー増大は避け
かが今後の課題です。しかし残念ながら、近年の理工系離
られません。また情報化社会のインフラを支えるには、大規
れの影響からか、この分野を希望する学生が減っています。
模ルータや超高速ネットワークを実現しなければなりませ
この産業を支えていく人材をしっかりと育てていく仕組み
ん。現在、異なるネットワーク間を相互接続するルータは
と体制を作らなければなりません。日本のように資源に乏
電子制御で動いているため、光で入ってきた情報を一度電
しい国が発展していくためには、人間が生み出す知恵と技
子に置き換え、再度光に置き換えるのでその分の損失が生
術こそが必要なのです。巨大なクリーンルームでのモノづ
じ、将来的にはスピード不足になると懸念されています。
くりが不可欠な電子情報産業においては、近年、研究開発
そこでわれわれは、日本を代表するデバイスメーカや通
や生産への投資額が確実に増えています。日本でも海外で
信機器メーカ、データベンダーやネットワークキャリア、
もコンソーシアムを運営しながら成果を出し、合わせて人
さらには大学や産業技術総合研究所を集め、次世代の光ネ
材育成を進めています。この条件を積極的に生かして大学
ットワークプロジェクトを進めています。また、通信ネッ
の教育プログラムとコンソーシアムを連動させたり、海外
トワークの分野では得られた成果を国際標準にしていかな
の事例にあるように世界のトップクラスの研究者が集まっ
いと使うことができません。たとえばマイクロソフトの
てくるような研究環境を整えることで、世界的に求心力の
WindowsやGoogleの検索エンジンもデファクトスタンダー
あるコンソーシアムづくりができるものと考えます。
ドとなったことで、市場で国際標準として使われています。
NEDOが先頭に立って世界ナンバーワンのコンソーシアム
ですので、われわれのプロジェクトでは技術開発と並行し
を作っていくとことも夢ではないはずです。
て、その成果をいち早く国際標準にするための取り組みも
エンジニアの熱いパワーを集めた
NEDOのマネジメント
展開しています。
NEDO電子・情報技術開発部は34名のスタッフで運営し
ていますが、このうちプロジェクト担当者は日本を代表す
る企業や研究所から出向してきたスタッフで固められてい
ます。研究開発の現場との距離が非常に近く、また扱う技
術は製品やサービスに直結しているため、仕事はつねにリ
アルかつダイナミックです。このような現場感覚を備えた
NEDOの役割はこれからも高まっていくでしょう。私自身、
技術畑出身なので強く思うのですが、エンジニアの熱いパ
ワーを集めたマネジメントこそがNEDOの強みではないで
しょうか。電子・情報技術開発部の仕事は知力のみならず、
体力と粘り強さも求められます。これからもチャレンジ精
神を決して忘れることなく、さまざまな力を駆使しながら
富田部長とNEDO電子・情報技術開発部スタッフ
プロジェクトを牽引していきたいと考えています。
(取材日2008年9月12日)
4
頭日ク世
脳本リ界
集のート
団半ンッ
が導ルプ
活体ーク
躍研ムラ
究でス
開 の
発
の
次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト
平成13年度∼22年度
研究クリーンルームで説明を受ける取材斑。全体に黄
色く見えるのは特殊な蛍光ランプを使用しているため
(高感度の感光材料の露光を防ぐ)。手前にあるのは、
次世代リソグラフィの有力候補とされる波長13.5nm
のEUVを用いた小領域EUV露光装置(SFET)。
プロジェクトリーダー
株式会社半導体先端テクノロジーズ
渡辺 久恒
代表取締役社長
つくばの(独)産業技術総合研究所敷地内にある世界トップクラス
のクリーンルームを中心に進められている「次世代半導体材料・
プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」。
ここには、日本を代表する企業と大学の研究者――いわば日本に
おける半導体研究開発の頭脳――が集結、10年という期間と年
間予算36億円(2008年度)を投じる巨大プロジェクトだ。わが国
が国家プロジェクトとしてここに力を入れるのはなぜか?
MIRAIプロジェクトで2006年よりプロジェクト・リーダーを務
める渡辺久恒氏に取材した。
MIRAIプロジェクトを牽引する渡辺社長
以上のような背景のもと、わが国の半導体関連産業(デバ
“ユビキタス社会”を支える半導体
イス、装置および材料)の国際競争力強化のため、高機能LSI
の実現に欠かせない半導体構造の微細化に対応できる半導体
ITが私たちの暮らしの隅々にまで普及し、簡単に利用でき
デバイス・プロセス基盤技術を確立することを目的に、2001
る社会――言い換えれば「いつでも」「どこでも」「誰でも」
年にスタートしたのが「次世代半導体材料・プロセス基盤
がネットワークにアクセスできる“ユビキタス社会”に向け
(MIRAI)プロジェクト」である。
た動きが加速している。さらに、情報家電(ネットワーク対
応機能を持つ家電製品)に象徴されるように、あらゆる機器
に情報化対応が求められるようになってきた。これはすなわ
ち、人と人だけでなく、人とモノ、モノとモノとが結ばれ、
「いつでも」「どこでも」「何でも」「誰でも」がネットワーク
でつながる社会が実現することを意味している。
日本の半導体トップを集結させた
MIRAIプロジェクト
数あるNEDOプロジェクトのなかでも、とりわけこのMIRAI
プロジェクトは、実施期間10年、平均年間予算約30億円とい
今日に至るITの進展を支えてきたのは、いうまでもなく半導
う大型プロジェクトだ(2008年は第3期のフェーズ2開始に
体LSI(集積回路)である。半導体LSIの歴史は、より小さく(微
あたる)。第1期・第2期プロジェクトリーダーを務めた廣瀬
細化)、より情報処理密度を高めること(高集積化)を追求する
全孝氏に代わって2006年からプロジェクトリーダーを務める
歴史であった。しかし、今後迎える高度なネットワーク社会に
渡辺久恒氏にお話をうかがった。
おいては、これまでとは比較にならないほどの高集積、高速、
「MIRAIプロジェクトのテーマは『IT社会の共通基盤であ
低消費電力の半導体LSIを要求されるため、従来の微細化のみ
る半導体LSI技術について、情報通信機器の高機能化、低消費電
ならず革新的技術の導入が不可欠だ。また、情報家電やロボ
力化などの要求を満たす次世代のシステムLSIなどの基盤技術
ットなどの応用システムの基幹となる半導体LSIには、よりい
開発を行う』ことです。ミッションとして次の3つを挙げてい
っそうの高機能化、低消費電力化、低コスト化が求められる。
ます。
5
●わが国の半導体産業の国際競争力の強化と持続的発展への貢献
●産学官の多様な専門知の連携による科学的知見の創出、COE
(Center Of Excellence:卓越した研究拠点)化
●産業界との時間的・技術的な整合性のある知見活用・技術移転
MIRAIプロジェクト第3期フェーズ2の実施機関は(株)半導
体先端テクノロジーズ(Selete)、産業技術総合研究所(AIST)、
(株)東芝、極端紫外線露光システム技術開発機構(EUVA)
の4つです。私が代表取締役社長を務めるSeleteは日本を代
表する半導体メーカー11社が株主となってつくられた研究コ
ンソーシアムで、NEDOプロジェクトと連携しながら実用化
(写真左)EUVLマスクブランクスの欠陥検査装置。EUVLで用いる反射型マスクに
特有の多層膜(反射膜)中に潜む欠陥を高感度に検出する。
(写真右)MPEツール
を説明するMIRAIプロジェクト研究員の田口孝雄氏。リソグラフィ装置のマスク搬
送環境を模擬した装置で異物のつかない搬送技術の開発に用いる。
を推進しています。MIRAIプロジェクトの狙いは『hp45nm
(ハーフピッチ45ナノメートル(注1))を越える技術により初
のオリジナリティが明確になるように努めようではないかと
めて実現される応用システム』です。hp45nmとは、半導体
いうこと。第二に、開発テーマの完成度を向上させて、技術
LSIにおける配線の幅と隙間が45nmのチップを製造できるこ
の信頼性・製品適応力を高めることに貢献できる科学的知識
とを表しています(現行はhp65nm)。小さくなればなるほど
をしっかりと提供する。第三に、将来の技術発展の方向性を
微細化が進んでおり、当然ながら技術的なハードルは格段に
予見する『新しいものの見方』を発信できる頭脳集団として
高くなります。また『実用化するだけでなく、非常に基礎的
認められることをめざす。第四に、そういった頭脳集団をめ
なレベルから一貫したかたちで研究開発を加速していくこと』
ざすにあたり、開発されたものを組み合わせることによって、
『サイエンスとテクノロジーを両輪とし、一方だけに偏らずに
研究開発を進めること』を基本理念としています。
一段上のレベルからものを見て新しい概念を提出する『上位
概念の構築力』を持った人材を育成すること。
ポイントは次の4つです。第一に、産業界から見れば技術的
さらに、MIRAIプロジェクトの成果をシステマティックに外
先進性があって、アカデミア(大学)から見ればコンセプト
部へ発信し、それに見合う情報を発信の当事者が中心になっ
NEDO
MIRAIプロジェクト組織体制図
MIRAIプロジェクト
渡辺 久恒プロジェクトリーダー
新構造トランジスタ
ゲート
ソース
ドレイン
カーボン配線
LSIチップ光配線
絶縁膜
ロバストトランジスタ
耐外部擾乱デバイス
配線層
EUVマスク
EUV光源
光学系
銅配線
マスク
カーボン
配線
ウェハ
電子がスムースに
流れるチャネル
新構造トランジスタ技術
産業技術総合研究所
(株)東芝
再委託・共同実施
神戸大、
シャープ
光源
カーボン配線技術 トランジスタ
EUV露光技術
(株)半導体先端テクノロジーズ
[Selete]
再委託・共同実施
早稲田大、産総研、NTT、東大、広島市大、東北大、広島大、神戸大、兵庫県立大、
九州工大
SFETによる
露光結果
極端紫外線露光システム
技術開発機構
[EUVA]
再委託
イリノイ大
Selete:次世代の半導体基盤技術の開発を推進するコンソーシアム
【株主会社】11社
富士通マイクロエレクトロニクス
(株)
、
NECエレクトロニクス
(株)
、
OKIセミコンダクタ
(株)
、
パナソニック(株)
、
(株)ルネサステクノロジ、
ローム
(株)
、
三洋半導体(株)
、
セイコーエプソン(株)
、
シャープ(株)
、
ソニー
(株)
(株)
、
東芝
【プログラム参加者】
株主11社+14社
キヤノン
(株)
、
大日本印刷
(株)
、
大日本スクリーン製造
(株)
(株)
、
荏原製作所、
(株)
日立ハイテクノロジ−ズ、
(株)
日立国際電気、
HOYA
(株)
、
日本電気
(株)
(株)
、
ニコン、
三星電子
(株)
(株)
、
SOKUDO、
東京エレクトロン
(株)
、
凸版印刷
(株)
(株)
、
アルバック
EUVA:EUV
(極端紫外線)
を用いた露光技術の開発を推進する技術研究組合
【組合企業】
9社
キヤノン
(株)
、
富士通マイクロエレクトロニクス
(株)
、
ギガフォトン
(株)
(株)
、
小松製作所、
NECエレクトロニクス
(株)
(株)
、
ニコン、
(株)
ルネサステクノロジ、
(株)
東芝、
(株)
ウシオ電機
6
(アルファベット順)
て収集するチャネルをつくること。タイムリーに外部の優れ
た専門家の力を借りる仕組みとして、研究者を招聘・派遣す
ること。ギブアンドテイクの関係が成立するように、国内外
のCOE拠点と戦略性をもって提携すること。これらによって、
世界的なCOE拠点となることをめざしています」
渡辺氏が考えるプロジェクト成功のカギ
「国家プロジェクトに企業の裁量権を取り入れる」
「先進的成果を世界に発信する“キラキラモード”
」
渡辺社長とプロ
ジェクトの研究
員の皆さん
用化され、またあるものは個別企業やSeleteに移管されました。
このMIRAIプロジェクトには、
(株)東芝、
(株)ルネサステク
MIRAIプロジェクトが生み出した知見を全世界が参考にしてい
ノロジ、NECエレクトロニクス
(株)
、富士通マイクロエレクト
ることは確かですし、世界の先頭集団をさらに前進させるほど
ロニクス(株)
、パナソニック(株)
、をはじめとする名だたる企
の力も確実に有しています。しかし、技術がいかに進んでいる
業が多数参加している。渡辺氏がこのプロジェクトのリーダ
とはいえ、半導体LSIはあくまでチップがどれくらい売れるかが
ーを引き受けるにあたり、強く要請したことが2つあったとい
勝負です。たとえばインテルは10年以上も世界ナンバーワンを
う。その1つが、参加する各社に裁量権を認めることである。
維持していますが、それは技術だけでなく、総合的なビジネス
「与えられたテーマにただ取り組むのではなく、各社それぞ
としての戦略に長けているからです。日本はまだその部分では
れがテーマを持ち込み、最後には実用化研究を受け持つ自社
弱いところがありますから、今後の課題になってくるでしょう」
の事業部に持ち帰れるようにしたかったのです。もちろん研
渡辺氏はさらに、MIRAIプロジェクトも含めて、これから日
究をともにした他社や大学には公平に情報は開示します。そ
うしないと実用化は遅くなるばかりで、第一、自社で取り組
本が取り組むべき課題を2つ提示する。
「いま現在、最先端LSIの1チップには約10億個のトランジ
んだ技術でないと事業部の人は受け取りたがりません。彼ら
スタが搭載されています。これは消費電力として、数10Wが
は、人から与えられたり押しつけられることをもっとも嫌い
使われている計算です。しかし、このまま情報ネットワーク
ます。ですから、その仕組みをつくるために、参加各社の事
社会が進展すれば100W、200Wという電力を使う路線が待
業部とのあいだをツーカーにとりもつ役割を持った人が欲し
ち受けています。われわれ現代人はたくさんの情報をぱっと
いとお願いしました」
そしてもう1つは、先進的な研究の成果――渡辺氏はこれを
受けてぱっと捨てる贅沢に慣れてしまいましたが、お化けみ
“キラキラモード”と表現する――を国内だけでなく世界に発
代はもう止めないといけません。NEDOは半導体LSIの消費電
信することだった。「先端性を積極的にアピールしていくこと
力を2025年に25%削減という目標を掲げていますが、これ
は非常に重要です。なぜかといえば、進んだキラキラした研究
はわれわれにとって十分射程に入っている数字です。
を見せることによって優秀な人材が集まり、さらには良質な情
たいな電力を使いながら「どうだ速いだろ」と自慢できる時
もう一点は、横方向にバリエーションを増やしていくこと
報が入ってくるようになる。たとえばMIRAIプロジェクトでは、
です。パソコンだけではなく、家電、ゲーム機、健康器具や
カーボンナノチューブ(注2)を用いた配線技術や、LSIチップ
ロボットなど、性能重視ではない面白いアプリケーションを
光配線技術などがそれに該当します。これらをMIRAIプロジェ
組み合わせてどんどん横に付加していく。それを子供からお
クトのなかで取り上げ始めたことは、私にとっても画期的でし
年寄りまでが使えるようにして、市場も広げていく。これは
た。半導体LSIの分野においては、多少時間がかかっても次世
昔から日本人が好きで、得意な分野ですから、きわめて有望
代・次々世代までを見据えた研究開発も絶対必要です。いった
んこれぞと決めたら腹を決めて、信念と執念を持ってともかく
であると断言できます」
渡辺氏のインタビューのあと、隣接する建物内にあるクリ
やる。そういう意味では10年という長期スパンのMIRAIプロ
ーンルームを案内していただいた。クリーンルームは2つに分
ジェクトは相応しいステージではないかと思います」
かれており、一方は日本最大規模のスーパークリーンルーム
、
もう一方は研究クリーンルームである(1,500m2)
。
(3,000m2)
MIRAIプロジェクトの
「これまで」と「これから」
内部は驚くほど静かで、クリーンウェアに身を包んだ研究者
たちが黙々と作業を続けている。ここから生み出されるもの
は、最先端の“キラキラモード”成果であることは間違いな
2001年に始まり、今年で8年目を迎えたMIRAIプロジェク
いだろう。
(取材日2008年9月29日)
トについて、渡辺氏は現時点でのどのように評価しているの
だろうか。
「これまでMIRAIプロジェクトの取り組みに関しては、科学
的なコンセプトの抽出に始まり、それを深化させた功績はかな
り大きいのではないかと認識しています。あるものはすでに実
(注1)ハーフピッチは半導体の微細化の指標として広く使われる用語。半導体チップの配線層
において、配線の幅プラス横にある隙間を足したものをピッチという。ハーフピッチは
その半分の意。1nmは10億分の1m、100万分の1mm
(注2)直訳すると炭素でできたナノメートルの筒。微細構造を持ち、軽量で高強度、電圧をか
けると効率よく電子を放出するといった優れた性質から、将来の超微細デバイスを構成
する材料として期待が寄せられている。
7
有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発
平成19年度∼21年度
実有生
現機活
にE照
向L明
け照と
て明し
て
の
プロジェクトリーダーの菰田卓哉氏(左)と、パナソニッ
ク電工で長年有機EL照明開発に携わってきた井出伸弘氏。
プロジェクトリーダー
パナソニック電工株式会社 先行技術開発研究所
菰田 卓哉
技監・工学博士
生活用の照明として、広く活用されているのが蛍光灯である。今、この蛍光灯照明に置き換わる省エネ(高効率)照明光源が強
く求められている。蛍光灯照明にとってかわる照明は、高品質発光(均一発光・長寿命)、拡散光源として使用可能な形状(薄
い・広い)、低コスト(現行照明に代替できる低価格)などの要求を満たしていることは勿論のこと、次世代のニーズにマッチ
した高演色性であることが必要である。NEDOプロジェクト「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」は、パナソニック
電工(株)、出光興産(株)、タツモ(株)の3社によって実施されている、次世代照明技術の開発プロジェクトである。プロジェク
トリーダーの菰田卓哉氏に取り組みを語ってもらった。
2005年に発効した京都議定書に基づく省エネ・地球温暖化
れた指標)100が最も演色性の高い状態を指します。例えば
対策の一環として、蛍光灯以上の高効率照明の必要性がうた
パナソニックの蛍光灯『パルック』の平均演色評価数は84で
われてきた。また、環境対応に関する各種法規制(2001年か
あり、かなり高いレベルで自然な色が再現できます。トンネ
ら施行された家電リサイクル法、2003年に公布されたWEE
ルに入って隣の人の顔を見たらとても変な色に見えたという
E(注1))により電気電子機器の回収が義務化され、RoHS
経験があると思います。道路灯やトンネル内の橙色のナトリ
指令(注1)では蛍光ランプ用水銀は当面制限付きで適応除外と
ウム灯は、発する光の量は多いけれど平均演色評価数が低く、
なったものの水銀の使用制限が叫ばれるなど、国際的な環境
色の再現性が悪いためです。ランプの光が持っている光の色
問題への関心が高まっている。
のバランスが悪いために、正しく色が見えないのです。日常
パナソニック電工(株)は、これまでに2つのNEDOプロジ
使う照明はいろいろな色を100%正しく再現できるものが理
ェクトに参画し、2002年からの「高効率有機デバイス」プロ
想ですので、有機EL照明を高演色性化することで蛍光灯に
ジェクトでは有機EL要素技術開発、2004年からの「照明用
代わる照明が実現できるのでは、と注目されています。
高効率有機EL技術の研究開発と実用化先導調査研究」プロ
ちなみに、ディスプレイでは三原色の発光素子を用意する
ジェクトでは有機EL光源化要素技術開発をおこなってきた。
そして2007年からはこの「有機発光機構を用いた高効率照明
技術の開発」プロジェクトにより、次世代照明技術の開発に
取り組んでいる。
有機EL照明
実用化への3つの課題
実用化に向けてプロジェクトリーダーの菰田氏は、3つの課
題を語ってくれた。
「有機EL照明の普及を加速するためには、
第1には高演色性、第2には低コスト・省資源製造、第3には
長寿命化が必要です。演色性とは、照明光が物体の色の見え
方に及ぼす効果を示す特性であり、平均演色評価数(簡単に
は、物体本来の色がどれだけ自然に見えるかを示す数値化さ
8
パナソニック電工の有機EL開発のあゆみ
︵N
要E
素D
技O
術プ
開ロ
発ジ
︶ェ
ク
ト
︵社
実内
用技
化術
開開
発発
︶
有機EL照明の寿命、耐久性をテストする装置内部の様子
だけでほとんどすべての色を作り出すことができますが、照
明ではバランス良く各色の要素が含まれる光を作らなければ、
物体から反射してくる光に正しい色情報が含まれず、自然な
色を再現できません。よって、同じ有機ELでもディスプレ
イと照明では異なる技術が必要なのです。
▲有機EL照明の構造(上)と蛍光灯の構造(下)
2番目は、有機EL照明の低コスト・省資源製造です。照明
は日常的に広く使用されるものですから、ハイスピードで製
造することができるラインの構築が一番重要だと思っていま
す。なおかつ、材料の使用効率を上げロスを減らすとともに、
大版の製品を作りコストを下げていくことも必要でしょう。
今の蛍光灯の寿命は1万時間くらいです。今回のプロジェ
クトでは少なくとも蛍光灯なみの寿命を実現し、さらにそれ
を2倍、3倍にしたいという思いがあります。寿命が長いと
取り替えの頻度が下がるために、資源の使用量が少なくてよ
くなります。これが3番目の長寿命化の目標です。
今回のプロジェクトは、材料を開発する出光興産(株)、薄膜
形成技術を開発するタツモ(株)、そして山形大学、青山学院大
学、東京大学、長州産業(株)との共同実施で得られた技術成
果を生かし、パナソニック電工(株)が全体を取りまとめつつ製
品化に向けた足固めをするという盤石の体制で実施していま
すので、有機EL照明を必ず市場に出せると自負しています。
」
▲可視光(400∼700nm)の全ての波長を持つ光により、高い演色性が得られます。左
の写真は全波長を持つ有機ELの光を色サンプルに照射している所。各色が正しく表示さ
れている。右は演色性の説明図で演色性が高いほど、物の色が自然に見える。低い場合
には不自然に見える。
有機EL照明だからできる、新しいあかり
「有機EL照明は非常に薄く、なおかつ均一な面発光をする
電気を点けるとまぶしくて目が覚めてしまいその後眠れない
照明です。ですから、従来とは違う照明の演出や活用を想定
お年寄りが多いと聞きます。夜中は光量を調整してあげる、
することができます。たとえば、リフォームの場合、照明の
そんな配慮が高齢化社会が進むと必要になると思いますが、
模様替えが簡単にできます。そもそも、照明は天井にある必
この有機EL照明はそういうことも可能なのです。
」
要は無いのです。例えば、有機EL照明を壁に貼れば、日本
人が馴染み深い障子越しのあかりを演出することもできます。
また、帯のような長い照明器具を作っておき、ある時はくる
くると巻いておき、ある時は伸ばすといった遊びの照明も可
(注1)欧州WEEE&RoHS指令:2003年2月13日に、EU(欧州連合)より、
「廃電子電気機器指令(WEEE)
」および「電気電子部分に含まれる特定有害物質
の使用制限(RoHS)
」が公布された。WEEEは、10種類の指定適用対象製品
能になります。腕時計などを時と場所によって替える方がい
の廃棄物について、その量と有害性を低減することを目的として、分別・回収シ
ますが、照明もTPOに合わせていく時代がくるでしょう。
ステムの構築等を要求し、RoHSは、WEEEにおける10種類の指摘適用対象
また、有機EL照明は、調光といって、明るさを自由に変
えることができます。たとえば、夜中にトイレへ行くために
製品のうち、8種類の指摘適用対象製品について、有害物質の使用を制限してい
る。使用が制限された物質に、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PB
DEがある。
9
パナソニック電工のクリーンルームで有機EL照明
の開発に取り組む研究者の皆さん
2010年代前半に
市場に出すための戦略
「究極の目標は、主照明として早く実用化するということで
す。そうしなければ省エネルギーへの貢献度も社会へのイン
パクトも弱くなってしまいます。幸いパナソニック電工(株)は、
太陽電池や燃料電池と有機EL照明の組み合わせで
新しいエコハウスを
「有機EL照明の新しいポイントは、直流(DC)で光るとい
うことです。
今後、太陽電池や燃料電池のような分散型電源が発達して
さまざまな住設建材を扱っていますので、壁材、天井材、床
いくとすると、このポイントは大変な強みです。つまり、有
材などに有機EL照明を組み込んでいくということも視野に
機EL照明ならば、太陽電池で得た直流を交流(AC)に変換
置いています。単なる照明としてではなく新しい“家”とし
せずにそのまま使うことができるのです。
ての総合的な付加価値を上げるためのツールとして応用して
今、家庭の電力消費の16%は照明用途といわれています。
いくことができます。たとえば、ドアノブを光らせるという
1位はエアコンの25%、2位は同順で16%の冷蔵庫ですか
ニーズも高いのではないでしょうか。そうすることが新しい
ら、家庭用照明の16%は非常に大きなウエイトを占めている
価値を生むことにつながっていきます。ですから、さまざま
わけです。家庭用照明が分散型電源で直接活用される未来を
な形でお客様のイメージや考え方を引き出すとともに、いち
描くのであれば、CO 2削減に大きなインパクトをあたえるこ
早く主照明に高めていくということを考えています。」
とができます。これは、交流で光る蛍光灯では達成できない
話です。
オフィスや公共施設などにも分散型電源を活用するのなら、
直流による照明方法を提案することができます。これまで当
「有機EL照明の新しいポイントは、直流(DC)で光る
社が製品化してきたLED照明をスポットライトやダウンラ
イトなどの指向性光源として、今開発している有機EL照明
を拡散光源として活用することで、究極なエコハウス、エコ
ビルディングが実現します。」
菰田氏の説明を聞くと、有機EL照明のある未来は、非常
に高品質な快適性と空間を創造できることを強く実感する。
「従来の照明とはこういうもの」という認識を打ち破り、「有
機EL照明が自由に空間の雰囲気を変え、分散型電源と結び
つけてCO 2排出削減に大きく貢献」という日はもう目前に迫
っているといった感じだ。「トータルな空間の創造を可能にす
る一番大きなキーデバイスが有機EL照明」と力説する菰田
大阪府門真市にあるパナソニック電工本社では、様々な
測定機器による有機ELの実証試験がおこなわれている
氏とプロジェクトの皆さんの熱い思いが次の時代を予感させ
てくれている。
(取材日2008年9月16日)
10
実高共自
現度有由
すなをな
る情通情
た報じ報
め通ての
に信 発
社 信
会 ・
を
次世代高効率ネットワークデバイス技術開発
平成19年度∼23年度
プロジェクトリーダー
東京大学大学院 情報理工学系研究科
浅見 徹
教授
今、インターネット上での通信量が急速な勢いで増加している。これに対応するには、現状の通信ネットワーク速度の飛
躍的な向上を必要とするが、従来技術の延長上では機器消費エネルギーの増大が懸念される。
そこで、ネットワーク性能の向上と省エネの実現という課題をクリアするため2007年から大規模な国家プロジェクトが
始まった。この「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発プロジェクト」では、大規模ルータや超高速ネットワーク
の技術を実現するとともに、先進光技術を駆使した高性能で電力消費の低いネットワークデバイスの開発を行う。
参加機関は、(財)光産業技術振興協会、(独)産業技術総合研究所、アラクサラネットワークス(株)、(財)国際超電導産業
技術研究センター[ISTEC]、日本放送協会[NHK]。さらに個々の技術課題を担当する企業として、(株)日立製作所、日本
電気(株)、富士通(株)、三菱電機(株)、(株)
日本電信電話[NTT]という我が国を代表するメーカと通信キャリアが参加し、
国際競争力のある技術の確立と国際標準を勝ち取るために日々邁進している。
KDDI研究所から東京大学大学院へ移り、研究を続ける浅見徹教授にプロジェクトの模様を詳しく語っていただいた。
通信ネットワークにおける省エネルギー化の必要性
地球環境問題 温暖化、化石燃料枯渇
2500
2000
︵
億
キ
ロ
・
ワ
ッ
ト
時
︶
1500
CO2約2600万トン相当
1000
500
CO2約1.3億トン相当
日本とアメリカが牽引する
超高精細映像
アメリカではハリウッド映画をフィルム提供せずに通信回
線を使って映画館に送る、電子映画館=デジタルシネマの動
きが出ており、日本のNTTも取り組み始めています。それ
2417.2
に関する研究プロジェクトのシネグリット(注1)では画面解像度
を2K (注2)にしていましたが、今後はさらに見栄えの良い4
TV
5.2倍
2.5倍
2.5倍
K映像(注3)をシネマレベルのサービスとして目指しているよう
です。
PC
サーバー
データ
センター
また、NHKはすでに4Kの先の8K映像(注4)を検討してお
り、情報量はさらに4倍になるため、より大規模で速いネッ
トワークを必要とします。このため、将来のネットワーク上
では、IP(注5)とテレビ用信号の両方を通さなければなりません。
466.6
12.9倍
ネットワーク
機器
私どものプロジェクトもこの2つのことを取り扱う構造になっ
ています。
将来、テレビ番組の光ファイバー網転送を考えた場合、非
常に高性能なルータ(注6)の研究開発が必要です。テレビ放送は
0
2006年
2025年(推定)
(従来通りの技術革新ペースの場合)
今ようやくハイビジョンにシフトしたばかりですから、今後
経済産業省「情報通信機器の省エネルギーと競争力の強化に
関する研究会(2007年)」のデータを元に作成
会的なインフラが替わる設備投資時期ととらえることができ
市場が変わるとしたら2020年代となるでしょう。その時を社
ます。私達はこうした少し先の技術を考える時間感覚で、プ
11
超高速光LAN-SANシステム化技術開発
大規模エッジ・ルータシステム化技術
撮影地
超高速光LAN-SAN
(NHK、富士通、産総研)
各市町村の電話局等に設置
され、家庭やオフィスをイ
ンターネットにつなぐ
入力ダイナミックレンジ
拡大波長変換装置
(三菱電機)
一般公開網
大都市間や国際間をつなぐ高速ルータ
一般家庭
などでの
テレビ受信
エッジ・ルータ内部
省電力・広波長域の
高速外部インターフェイス
(NEC)
LAN/WAN間
大容量信号変換
(NTT)
将来の大容量コンテンツの放送・配信を実現するための、
光ネットワークインターフェースカード(NIC)を開発
ロジェクトを進めています。
(アラクサラ)
ネットワークのトラフィ
ック需要に合わせて、柔
軟に高速なルータを実
現・構成できる省電力光
インタ−フェースの開発
(アラクサラ、
I
STEC)
(NEC、日立)
も応用できることからも特に重要視されています。
将来の超高精細映像などの巨大データを共有・転送でき
パソコンをたくさんつないでスーパーコンピュータ並の処
る超高速のLAN/SAN (注7) ではカメラとネットワークの
理能力のある「クラスターコンピューティング」という方法
インターフェイス、ケーブルやコネクタの仕様なども決め
がありますが、これと同じようにエッジルータをたくさんつ
ていかなければなりません。ここではNHKが世界を牽引
なぎ、サービスに合わせたルータ処理能力を提供できるとい
していく役割を担うでしょう。(左上図参照)
う技術開発を進めています。中心テーマの1つである100ギ
ガ イ ー サ ネ ッ ト (注9)は 2 0 1 0 年 の 5 月 に 標 準 化 す る こ と を
ネットワークのトラフィック状況に応じた
省エネルータの提案
IEEE(米国電気電子学会)のロードマップとして決めていま
すので、2009年の秋口は、ある程度標準化に向けた技術が
見え、プロジェクトに結集する各企業がプロトタイプを作っ
今までのルータは、例えば、ルータ内に収容可能なユーザ
ていく段階になります。細かな詰めは各メーカの実証を待ち
の4分の1のユーザしか繋がっていなくてもフルパワーの電
ます。このプロジェクトは勝敗がはっきりしています。標準
源を用意してサービスを提供しており、エネルギー的に大き
化されれば大成功、されなければ大失敗です。(右上図参照)
な無駄がありました。もちろんこうした欠点を改め、必要な
電子回路にだけ電気を供給する検討も進んでいますが、さら
に私たちは、内部スイッチを電気で動かすのではなく、そこ
企業と大学の研究者の交流、
産業界のニーズを学会へ
を光化することを検討しています。ルータには、コアルータ
とエッジルータがあります。日本ではコアルータは県庁所在
企業の研究者とのコミュニケーションは、このプロジェク
地50か所ほどの設置ですが、エッジルータは全国で10万台
トの事務局である光産業技術振興協会を中核として束ねて実
規模の設置が見込まれ電力消費の低減効果と市場が大きいた
施しています。同協会が長年取り組んできたネットワークデ
め、特にエッジルータの方に焦点を置いています。
バイス分野で各デバイスをどのように標準化するのか、それ
パケット (注8)の流れをオンラインで見て回線がどれだけ使
われているかを見るトラフィックモニタは、回線の速度と同
らをメーカ間で同期させていかなければなりません。
私は各社に、年度報告を学会の研究会へ出してほしいとお
じくらいの速さでモニタできなければなりません。これは、
願いしています。そうすれば報告が学会のデータベースに残
ネットワークの有効利用や投資効率を上げるためにも必要で
りますので、例えば10年後にそれを検索すれば今の研究活
すが、ネットワーク内のハッカーのような存在の行動分析に
動が見えてくるでしょう。この年はどんな事をしたのか、ど
12
てしまうなどの状況になってしまいます。
今までのようにコンピュータに慣れたエンジニアのような
人が使っていた場合はいいのですが、たとえばお年寄りのよ
うに若い時にコンピュータ文化を知らない方たちが使ってい
くことになると、ネットワークの方である種の防御をしてあ
げなければなりません。資産を持っていかれたり、オレオレ
詐欺的なものがネットワークの中に蔓延しているので、それ
らを払拭するためのネットワークでなければならないのです。
セキュリティの技術は各種提案されていますが、その運用は
まだ十分でありません。知的なネットワークが今後は必要で
す。その最も基本となる技術が、トラフィックを正確にモニ
タできる技術で、このプロジェクトでも中心テーマの1つと
定例会で一堂に会するこのプロジェクトのチームリーダーと浅見教授
んな課題がまだ残っていたのかが、将来の研究者の役に立つ
なっています。
このプロジェクトの成功とは
新しいビジネスモデルの創造
ことになります。ですが、最近の学会の研究会は大学の先生
しか来ません。すると企業のニーズは大学の先生には届かな
10年程前にADSL(注10) の実証実験をしていた時に感じたの
いので、先生方の研究テーマの視野が狭くなったり、論文に
ですが、当時、20年のスパンで見ると「これからの技術は光
はなっているけれども役に立つのかという観点からみると疑
である」となりますが、ビジネスは5年後を見ますから、今何
問、という状態になりかねません。ですから、このような試
を開発しなければならないかという観点から、電話線を活用
みを通じてもっと産業界が研究者にニーズや研究課題を伝え
した高速通信の技術開発が行なわれたのです。つまり20年先
ていく必要があると私は考えています。
に使うサービスとしてみている人と、5年先で見ている人では
開発に対するイメージや取り組みが全然違ってきてしまうの
です。この観点からは、プロジェクトは、2015年くらいを普
日本の光技術の優位性を世界へ
及ターゲットとしています。特に、標準化という従来と違う
ビジネスモデルを持った技術開発が要求されているので、そ
光通信分野の国際会議ECOC2008で論文が一番多かっ
の技術革新で新しい市場の創造をねらわなければなりません。
たのは日本、次がアメリカです。このように日本は要素技
ここにこれまでの国のプロジェクトとは違う厳しさがあり
術でかなりいいものを持っていますが、商品としては弱さ
ます。例えば「省電力で何パーセント」というのが出され
がありますので、100ギガと40ギガのイーサネットに関し
たとしても、それが具体的にどれほどの成功率なのか皆が
ては日本メーカのチップを世界中が使うところまでもって
すぐに判断することはできません。しかし、標準化したか
いきたいと考えています。この手のビジネスは誰よりも先
しないか=市場が作られたかどうかは誰が見てもわかりま
にやらないと価値がありません。ネットワーク機器の製品
すから、白黒がはっきりするのです。これは国としてもN
化時期と市場が立ち上がる時期には差があり、また通信速
EDOとしても厳しいプロジェクトです。必ず成功させな
度が速くなればなるほど立ち上がるまでの期間が長くなっ
くてはならないプロジェクトであると考え、今、全力で取
てきています。これまで、100メガ、1ギガ、10ギガと立
り組んでいます。
(取材日2008年9月25日)
ち上がってきましたが、100ギガが標準化される2010年に
すぐに商売になるのかと考えるとそうではなく、市場がそ
れを本当に要求するのは、2014年や2015年あたりからで
(注1) シネグ リッド:高速ネットワーク環境で超高品質メディアの応用を実証する国際研
究プロジェクト。
しょう。それまでに日本の光技術の優位性を確固たるもの
(注2) 2K:2,048×1,080ドット(一般的なブラウン管テレビは640×480ドット)
にしていなくてはならないので、今、100ギガと40ギガの
(注4) 8K:8,192×4,320ドット
技術開発を行う必要があるのです。
(注3) 4K:4,096×2,160ドット
(注5) I P: Internet Protocol (インターネット・プロトコル) とはインターネットにおい
て情報の伝達を行うプロトコル(通信規約、通信手順)であり、 インターネットの基
礎部分となる重要な役割を持つ。
これからのネットワーク社会 浅見教授が提案する「考えるネットワーク」
(注6) ルータ:ネットワーク上を流れるデータを他のネットワークに中継する機器。
(注7) LAN/SAN:外部記憶装置間および記憶装置とコンピュータの間を結ぶ高速なネッ
トワーク。
(注8) パケット:コンピュータ通信において、送信先のアドレスなどの制御情報を付加された
これまではネットワークに繋ぐといった概念よりも、最初
から繋がっていることを前提で考えているネットワークでし
たが、これからのネットワークは繋がりたい人がすぐ繋ぐこ
とができる、繋がりたくない人は完全に切り離されるネット
データの小さなまとまりのこと。
(注9) 100ギガイーサネット:現在標準化作業が進められている100ギガビット/secに対応
したイーサネット規格。次世代のネットワーク規格として期待され、動画像配信などの
大容量伝送を必要とするアプリケーションの普及に伴う通信トラフィック増大への対応
を目的としています。
(注10) ADSL:電話線を使い高速なデータ通信を行なう技術。電話の音声を伝えるのには
ワークでなければなりません。そうでないと知らないうちに
使わない高い周波数帯を使って通信を行なうxDSL技術の一種で、一般の加入電話に使
ウイルスに侵されるとか、自分のデータを全部持っていかれ
われている1対の電話線を使って通信する。
13
NEDO ニュース
2 つのグリーンITプロジェクトが今年度から始まりました。
超高密度ハードディスクドライブ&大型有機ELディスプレイ
データセンター内のHDD(ハードディスクドライブ)
の台数削減、装置小型化で省エネに貢献
超高密度ナノビット磁気記録技術の開発(2008∼2012年度)
IT機器が数多く収められているデータセ
ンターの消費電力削減は喫緊の課題です。
中でもそのストレージ機能を担うHDD
の単位情報あたりの消費電力削減が主要
な課題の1つになっています。
このプロジェクトでは、5Tbit/inch 2 の
超高密度記録と0.3W/テラバイト以下の
低消費電力動作を両立させる革新的なH
DDを開発し、データセンターにおける
消費電力の削減を目指します。
主な研究実施機関:(株)日立製作所、(株)日立グローバルストレージテクノロジーズ、富士通(株)
2010年代後半に量産化目指す、
40インチ以上の大型有機ELディスプレイの開発
次世代大型有機ELディスプレイ基盤技術の開発(2008∼2012年度)
有機ELディスプレイは、大型でも少ない
消費電力、効率の良い発光、広い視野角特
性、高速応答性、超薄型軽量化などを同時
に実現する次世代ディスプレイとして期待
されています。しかし、大型ディスプレイ
の製造技術は開発されておらず、また、国際
的な開発競争も激しくなっており、日本で
も製造プロセス技術を含む新たな基盤技術
の開発が求められていました。
今年度スタートしたこのプロジェクトでは、
2010年代後半に40インチ以上・40W以
下の大型有機ELディスプレイを効率的に製
造するための基盤技術を開発します。
主な研究実施機関:ソニー(株)、東芝松下ディスプレイテクノロジー(株)、シャープ(株)、住友化学(株)、出光興産(株)、(独)産業技術総合研究所、
長州産業(株)、JSR(株)、(株)島津製作所、大日本スクリーン製造(株)、日立造船(株)
詳しくは http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/pamphlets/denshi/denshi_2008.pdf
NEDOグリーンITプロジェクトに関する問い合わせ先
NEDO技術開発機構 電子・情報技術開発部 TEL:044−520−5221
14
NEDOイベントリポート
NEDOに中学生がやってきました!
2008年8月15日に海城中学3年中嶋舞高くんが、学校の卒
業論文のテーマに選んだバイオマスエネルギーについて取材する
2008年6月16日に愛知県東浦町立北部中学校3年の鈴木萌さん、
ためNEDOに来られました。NEDO新エネルギー技術開発部
大隅茜さん、徳田有紀さんが修学旅行でNEDOに来られました。
バイオマスグループ坂本主査から、バイオマスエネルギーの現
鈴木さんたちは学校の「総合的な学習の時間」で学んだ新エネルギ
状、メリット・デメリット、今後の動向・方向性など説明を受け、
ーについて、さらに詳しく調べるためNEDOを訪問先として選ん
「詳細な情報を得ることができ卒論制作が大いにはかどります」
だとのこと。NEDOエネルギー・環境技術本部の矢部職員から、
と中嶋くん。卒論をきっかけにさらに研究を進めて行かれること
新エネルギーの定義、太陽光発電・風力発電・バイオマス利用技術、
を期待します!
さらに国内外への普及施策などについて説明を受け、「今まで漠然と
しか掴めていなかった新エネルギーについて詳しく知ることができ
て良かった」「新エネルギーについてのいろんな疑問が解けた」と理
解を深めた様子でした。
「メッセナゴヤ2008」に出展
http://www.messenagoya.jp/
メッセナゴヤは、「愛・地球博」を継承する事業として2006年か
らスタートした国際総合見本市です。今年は「環境・エネルギー」
をテーマに、2008年9月11日∼14日に開催され、全体で4日間
を通して約46,000人ものビジネスマンや一般来場者を迎えました。
NEDOは住宅向けの新エネ・省エネ技術、大規模太陽光発電、
超電導フライホイール、光触媒等の技術成果に関する展示のほか、
積水化学工業(株)
(エコバリューウッド)、(独)産業技術総合研究所
(廃熱利用熱発電技術開発)、名
古屋大学(高濃度連続ろ過システ
ム)にもご協力をいただき、サ
ンプル品やデモによる展示を行
いました。昨今のエコ・環境ブ
ームに来場者の方の関心は高く、
NEDOブースは終始賑わいをみ
休日は家族連れの姿も
せていました。
NEDOでは日本の将来の科学技術・産業振興を担う中高生の訪問を
随時受け入れております。詳しくはNEDO研究評価広報部広報室
(TEL:044-520-5151)までお問い合わせください。
「第 5 回かわさきサイエンスチャレンジ」に出展
「地球を守れ!君も新エネルギー博士」大好評!
http://ksp.jp/science/
2008年8月30日・31日にかながわサイエンスパーク(川崎市)に
て、「第5回かわさきサイエンスチャレンジ∼感動科学と楽しいもの
づくり∼」が開催され、約2,500人の小中学生とそのご家族の方々
が集まりました。
NEDOからは『風のゆうえんち』『2025年の将来の技術進化を
予測した“都市と交通”“工場とモノづくり”体験模型』を展示し、
風をおこして風車をまわしエネルギーを作り出す仕組みや、自分が
大人になったときに実現しているであろう世界を体験してもらいま
した。また、PCゲーム「教えて!新エネルギー」では、ゲームをし
ながら新エネルギーに関する問題を真剣に考えてもらいました。何
度もゲームにチャレンジする子供達もいて、行列ができるほどの大
盛況となりました。未来の新エネルギー博士たちに期待です!
風車をまわして遊園地を動かす
ゲームにチャレンジ!
未来の都市や工場を体験
http://www.nedo.go.jp/kids/energy/index.html
※これらの模型はNEDO本部(川崎)にて展示しておりますのでNEDOにお越しの際
は是非ご覧下さい。貸出も行っておりますのでNEDO広報室までお問い合わせ下さい。
15
准教授の研究成果
出荷時の垂直磁気記録ハードディスクへのサーボ記号(磁気
ヘッドの位置情報)の書き込み時間は現在約1時間かかると
ころ、これをわずか数秒に短縮し、高精細にサーボ記号を書き
込むことができるパターンドマスター磁気転写法を開発!
の
今
を
伝
え
る
情
報
誌
〒 発
2 行
1
2 独
ー 立
8 行
5 政
5 法
4 人
神 新
奈 エ
川 ネ
県 ル
川 ギ
崎 ー
市 ・
幸 産
区 業
大 技
宮 術
町 総
1 合
3 開
1 発
0 機
ミ 構
ュ
ー
ザ
川
崎
セ
ン
ト
ラ
ル
タ
ワ
ー
16
階
E-mail:[email protected]
茨城大学・工学部・メディア通信工学科 准教授
フN
E
ォD
ーO
カ技
ス術
・開
ネ発
機
ド構
:
小峰 啓史
Vol.8 No.2
小峰啓史
30
(平成17年度∼平成20年度事業)
創若 N
造い E
性世 D
を代 O
支 のは
援研
し究
て者
いの
ま
す
。
AUTUMN 2008
﹁
若
手
研
究
グ
ラ
ン
ト
﹂
「次世代超高密度垂直磁気記録
ハードディスクドライブのための
パターンドマスター磁気転写技術開発」
若手研究グラント成果事例集
0
4
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従来、サーボ信号の書き込みは一つひとつの信号を磁気ヘッドで丁寧に書いて
いたため、サーボ信号を書くだけでディスク1枚あたり約1時間もかかってい
ましたが、開発した技術ではサーボ信号を一括して数秒で書き込むことができ、
所要時間(秒数)を2桁以上縮めることができる画期的な技術で、ハードディ
スクの出荷にかかる時間を大幅に短縮、コストを削減することができます。
編 編
集 長 集
:
:
NEDO若手研究グラントとは・・・
T
E
L
若手研究グラント(産業技術研究助成事業)は産業界や社会の
ニーズに応える産業技術シーズの発掘・育成や若手の産業技術
研究人材の育成を図っています。産業技術力強化のために、大
学・研究機関などの若手研究者(個人、チーム)が取り組む産
業応用を意図した研究開発を助成しています。
:
保
坂
尚
子
印
刷
・
デ
ザ
イ
ン
︵
株
︶
ア
イ
ワ
ー
ド
詳しくは http://www.nedo.go.jp/itd/teian/
NEDOグラント30選
検 索
研
究
評
価
広
報
部
広
報
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