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第7号 2013年10月10日 - メディポリス国際陽子線治療センター

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第7号 2013年10月10日 - メディポリス国際陽子線治療センター
2 つ目は「現場のカイゼン」です。
「JCI 認証施設に」
これは、現場の人間は、常に頭を使い行動をす
る必要があるということです。どんなに些細なイ
センター長 菱川 良夫
ンシデントでも、カンファレンスで必ず報告され、
2 年間の努力が実り、ついに、
参加者全員でいかにそれらを防ぐかを考えてい
ついに JCI の認証を受けるこ
ます。また、センター内では、各グループ(看護
とが出来ました。
師や技師、事務など)が数人で集まり、場所を選
アメリカ人が海外の医療施設で治療を受ける
際、最も重要としている部分は「品質の高い医療」
と「患者さんの安全」です。JCI の認証を取得す
るにあたり、患者さんの取り違え・薬剤の投与間
違い・院内感染・転倒防止のための対策、火災時
の避難経路など、数百もの項目が厳しくチェック
されました。JCI に認証されたことで、当センタ
ーが患者さんにとって、安全で、品質の高い医療
機関であることが客観的に証明されたと言って
も過言ではありません。
ばず真剣にミニカンファレンスを行っている姿
をよく見かけるようになりました。
カイゼンの
例は、様々な貼紙にも見られます。例えば、手洗
いの方法を記した貼紙。感染症予防の基本は手洗
いです。センターでは、トイレを含む全ての手洗
い場に、手洗いの方法が写真付きで詳しく解説さ
れた紙が貼られています。
毎日それを見て、丁寧に手洗いをしているうち
に、その行動は習慣になります。行動し、習慣化
し、さらなるカイゼンを考える。これがセンター
今回の認証への過程では、大きくわけて2つの
ことを学びました。
の安全に繋がっていくのです。
病院組織は、人、建物、機械・装置、薬剤など
1 つ目は「安全のために大切なことは、組織内
での教育と訓練の継続」です。
から構成されています。これら全てが安全であり、
それを維持し続けることを求めているのが JCI な
日本の病院には、高学歴の人材が多く集まって
います。それなのに、どうして毎年のように数多
の医療事故が起こるのでしょうか。原因は様々で
しょうが、どこかに人為的なミスが絡むことで重
大な事故に繋がっているケースがほとんどであ
ると感じます。医療従事者の多くは、ピーター・
ドラッカーが提言するところの知識技術者です。
のです。ただし、JCI の認証は永久認証ではあり
ません。さらなる安全や医療の質の改善が求めら
れ、3 年毎に厳しい再評価が行われます。
今回の JCI 認証で、我々は新しいスタート地点
に立ちました。これからも、教育・訓練・改善を
くり返し、世界を代表する陽子線治療施設を目指
して努力して参ります。
知識技術者の欠点は「自分たちは専門家である」
というプライドを強く持ち、安全のための教育や
日常訓練を軽視しがちな部分にあります。JCI で
は、ありとあらゆるシミュレーションが行われ、
【センター長の Facebook フィードを購読しよう】
様々な角度から徹底的に人為的なミスを防ぎ、医
菱川センター長は毎日 Facebook で様々なことをつぶやい
ています。つぶやきの内容は・・近況はもちろん、散歩・講
演先での写真、趣味の読書で出会った言葉のお福分けなど。
興味のある方は是非購読してください。
療事故が起こらない仕組みが構築されています。
我々のセンターでも、医療従事者のプライドでは
なく、JCI の認めた仕組みが最優先されています。
-1-
http://www.facebook.com/yoshio.hishikawa
特 集 ①
JCI 認証取得 報告
ニュースレターVol.5 では「JCI 認証取得を目指して」の取り組みを
ご紹介しました。2013 年秋、JCI 認証を取得いたしましたので、
ここにご報告いたします。
センター長代理
原田 美佳子
メディポリスがん粒子線治療研究センターは、
国際的な医療機能評価機関である JCI(Joint Com-
実際にどのような取り組みを行ったの?
mission International)の認証を 2013 年 9 月 13
・正確な患者の確認
日、取得しました。がん粒子線治療施設としての
JCI 認証は世界初となります。
患者さんの取り違えを防ぐため、診察・処置・
検査・治療前には必ず、患者さんに氏名と生年月
当センターでは患者さんの安全確保と医療の
日を言っていただき、患者さんを特定しています。
質の向上を目指して、国際基準に基づいた業務改
善や管理体制の強化に取り組んでいます。
・粒子線治療の安全管理
患者さんの粒子線照射直前に、必ず治療内容を
チェックリストに沿って確認していきます。氏名、
JCI とは?
生年月日はもちろんのこと、照射部位、左右、体
アメリカの医療施設を対象とした第三者評価
位などを、照射に関わるスタッフが毎回、2 名以
機関の国際部門として 1994 年に設立された国際
上で照射直前にチェックします。
非営利団体です。本部はシカゴにあり、支部がミ
・緊急時対応に関する教育
ラノ、ドバイ、シンガポールにあります。JCI は
火災発生時、あるいは患者さんが急に心肺停止
「医療の質と患者安全を継続的に維持・改善す
状態になった場合でも、落ち着いて行動できるよ
る」をミッションに掲げ、それぞれの国固有の法
う、職員に対し実践的な訓練やトレーニングを繰
律、宗教、文化的な要素を尊重しつつも、厳密に
り返し行っています。
明文化された基準を元に審査を行っており、その
・医療機器、施設の管理
妥当性や有効性が国際的に高く評価されていま
センターの建物や内部に設置してある治療装
す。これまで、世界 57 カ国約 660 施設が認証を
置・医療機器について、装置・機器1つ1つに、
取得しています(2013 年 8 月現在)
。
日常点検、月次点検、3 ヶ月点検、6 ヶ月点検、
年次点検などの項目を定め、それに従って点検を
どんな審査をするの?
行い、管理をしています。
JCI 基準(外来施設)は、全 12 章の分野と 500
以上の評価項目があり、患者さんの安全確保と医
認証期間はいつまでなの?
療の質について、患者さんの視点で審査を行いま
JCI の認証サイクルは 3 年です。当センターの
す。審査は、サーベイヤー(審査員)によって英
認証期間も 2016 年までとなります。更新には、
語で実施され、現場に則した内容になっています。
改めて審査を受ける必要があり、国際基準に準拠
調査範囲は、初診までの手順、セカンドオピニオ
しているかを継続してモニターされます。
ンの流れ、治療開始のプロセス、治療の正確性、
治療終了後のフォローアップを含み、手順書やカ
当センターは、JCI 認証取得を通して、安全か
ルテの閲覧、施設の巡回、治療現場の観察、職員
つ質の高い医療を継続的に実践するとともに、
への質問といった方法で評価されます。
我々が目標としている『幸せな医療』の提供を目
指して日々精進していきたいと思っています。
-2-
Working as a team Medipolis is JCI accredited
In the Spring of 2011, I was working for SNBL USA in Seattle Washington and had the
opportunity to hear Dr. Ryoichi Nagata the Chairman of Medipolis and the SNBL
companies, speak about proton cancer treatment and its amazing benefits to patients. He mentioned
that one of his dreams was to have patients come to Ibusuki from around the world for treatment.
After doing more research about the wonders of proton therapy I asked Dr. Nagata if I could come to
Ibusuki to help with his goal. He suggested that I come to Japan to help Medipolis attain the
prestigious Joint Commission International JCI Accreditation, which is the world standard for quality and
safe patient care.
I have been asked by my friends in Japan and America about what I expected when I came here to
Medipolis and Ibusuki? Like most people who have grown up in Canada or the US, I have owned many
fine Japanese products. Sony, Panasonic, Canon and Nikon were part of my daily life. As a result, I
expected and was pleased to find the same high level of technical quality and expertise here at
Medipolis.
I also expected to find my fellow employees to be hard working and dedicated to their jobs. But what I
have also found is the highest level of genuine caring for the patients and their successful treatment out
comes. JCI has set extremely high standards for patient safety and quality of care, so my most pleasant
surprise has been how readily everyone has accepted the challenge to integrate the sometimes difficult
JCI standards into the patient care at Medipolis
When we started the JCI process Dr. Hishikawa, the Medipolis Director, spoke about his vision of
Medipolis being the best not only in Japan but the world. What I see today as we have successfully come
to the end of the JCI process, is an overall focus and pride, an acceptance that working together as a
team we are very, very good at what we do for the patients.
Only 8 medical facilities in Japan have successfully completed the rigorous JCI process. In the future,
I expect to see more enquiries from International Medical Travel Companies and also International
Health Insurance Agencies, that offer policies to Westerners who have moved to Asia to work for
American businesses. Ultimately, this will bring more international patients to Medipolis for treatment
and to experience the amazing Japanese culture. The JCI Gold Seal guarantees that Medipolis is one of
the leading proton treatment centers in the world. In fact, Medipolis is the only proton treatment
center in the world, to have achieved this honor.
Written by Terry Price
「メディポリスのチーム力で得た JCI 認証」
ゲストサービス課 テリー・プライス
2011 年春、私はワシントン州シアトルにある SNBL USA に勤務していました。その時、メディポリ
ス医学研究財団の永田良一理事長から粒子線治療について伺いました。理事長は、世界中の患者さんに
治療を提供する夢をお持ちです。私なりに粒子線治療について学習し、指宿で手伝えることはないか申
し出ました。そのような経緯で、患者安全と医療の質の向上を保証する国際病院評価機構(JCI)からの
認証取得に向けたチームに配属されることになりました。
私は、日本と米国の友人からメディポリスに何を期待してやって来たのかとよく尋ねられます。カナ
ダもしくは米国で育った人の多くと同様に、私は優れた日本製品を使っています。ソニー、パナソニッ
ク、キャノン、ニコンなどの製品は日常生活の一部になっていました。よって、ここメディポリスにも
そういった高水準の技術と専門性があるはずだとの期待を胸に赴任しました。
もちろん職員は真面目で勤勉なのだろうと予想はしていましたが、メディポリスで提供されている高
水準のケアと治療成績は、私の想像を上回っていました。JCI は患者安全と医療の質に対して非常に高い
基準を設定しており、中には日々の業務に取り入れることが困難な基準もありました。しかし、全ての
職員に、これほど快く念入りに対応してもらえたことは嬉しい驚きでした。
菱川センター長は、JCI プロジェクトの発足時にセンターのビジョンを話されました。それは、日本の
みならず世界中の患者さんを対象に治療を行うというものでした。今回、JCI 認証が取得できたのは、セ
ンターが一丸となって取り組んだ結果です。チームプレーは、患者さんのために非常に重要なことです。
この厳格な手順が求められる JCI 認証を取得している医療施設は、日本には8つしかありません。将
来、国際医療観光を扱う会社からの問い合わせが増えると考えられ、特に今回の認証取得は米国人の保
険利用に意義を持ちます。JCI 認証施設となったセンターが、米国の保険会社と協働する日はそう遠くな
いでしょう。これから先、多くの海外の患者さんがメディポリスを訪れ、日本の素晴らしい文化に触れ
ることを期待します。JCI のゴールドシールは、メディポリスが世界屈指の医療施設になったことを表し
ます。実に JCI 認証を受けた陽子線治療施設は、当センターが世界初なのです。
-3-
特 集 ②
【寄稿】
「天空の森保育園」より
「天空の森に舞い降りた天使のようなこどもたち・・・」
社会福祉法人清志会
天空の森保育園
園長 福岡 亮一
こどもたちにとって、保護者と分かれてからの
長い一日の中では「動と静」のメリハリが大切で
「せんせい、おはようございましゅ!」
元気でかわいい天使のようなこどもの声で「天空
す。施設内の素晴らしい環境を十分に取り入れ、
の森保育園」の一日が始まります。
天気の良い日は砂場遊びや園内のお散歩に出かけ
「天空の森保育園」は、メディポリスがん粒子
ます。この夏はプール遊びも取り入れました。室
線治療研究センターで働くスタッフのこどもをお
内では、絵本の読み聞かせ、おもちゃ遊びや製作
預かりする「事業所内保育園」として、本年 5 月
遊びにと、一日を楽しく過ごしております。
今後、当法人が運営する認可保育園との交流と
に開園いたしました。
開園の経緯につきましては、事業所内の保育園
して、運動会や夏祭りやクリスマス会といった年
の整備を強く希望されていた菱川センター長の掛
間の行事に参加したり、園バスによる園外活動等
け声の下、私ども社会福祉法人に保育園開設の要
も計画しています。
請があり、その熱意に共感し受託いたしました。
その後、施設内の建物のリフォームや保育士スタ
ッフの研修を重ね、開園の日を迎えました。
このような事業所内保育園というのは、基本的
にはそこで働くお父さん、お母さん方の福利厚生
の一環としてこどもをお預かりすればよいのです
お子さんを預けておられる方々には「今、うち
が、この度、幼児教育に 55 年間携わってきた当法
の子は何しているかな?」と気にかけていらっし
人へお声をかけていただいたということは、ただ
ゃる方もあると思われるので、今後はパソコンや
お預かりするだけでなく、認可保育園と同じ「保
スマホ等でこどもの様子がリアルタイムで見られ
育指針」に沿った年齢的発達の助長について、厚
るようしていきたいと考えています。
生労働省の認可保育園と何ら変わらない保育サー
職場で一日働いているお父さん、お母さん方が
ビスの提供を望んでおられるものと理解し、日々
わずかな時間であれこどもとふれあう時間を持つ
取り組んでいるところです。
ことで安心感を得たり、リフレッシュのひと時に
一例ですが、こどもの年齢ごとの発達段階に応
なればと思うところです。
じての保育の実践は言うまでもなく、こどもの育
この天空の森に舞い降りた天使のようなこども
ちに大きく影響する「食育」に関しても力を入れ
たちがすくすくと成長していけるように努めてい
ています。当法人が運営している認可保育園と同
きたいと考えておりますし、今後は、センターで
じく、年齢毎の栄養管理の下での献立により調理
働く方のこどもだけでなく、ホテルや他の部署に
した食事を、出来上がりから 30 分以内に美味しく
従事するスタッフのこどもの受け入れも積極的に
食べられるようにと、毎日、当法人スタッフが届
進め、トータル的なこどもの健全育成と、そこに
けています。
働くお父さん、お母さん方の子育て支援のケアに
努めていきたいと考えております。
ご意見等ありましたら、ぜひご遠慮なくお聞か
せください。
-4-
医学物理科 近藤 尚明
ウチの長男、叶翔(かなと)が生まれてから 1 年半、やんちゃな盛りの彼に妻がヘトヘトになるほど
振り回されているころ、天空の森保育園がオープンしました。開園説明会に参加した頃は、すぐに利用
することになるとは思っていなかったのですが、一日中エネルギッシュに動き回り、たとえ遊び過ぎて
疲れても昼寝をすればけろりと回復する彼に付きっ切りの妻には、ほんの少しだけリフレッシュする時
間が必要だと気付きました。そこで、週 2 日のペースで息子を連れて、出勤、登園することにしました。
保育園では同じ年頃のお友達もできて本当に楽しそうにしています。また、昼休みにこども達に会え
るのは、私にとっても最高の気分転換になっています。不思議なもので、走ったり、転んだり、泣いた
り、笑ったりのこどもたちを見ていると、自然とパワーがもらえます。
親の立場になったら、ありとあらゆる機会や環境をこどもに与えてあげたいと思っていましたが、豊
かな自然に囲まれてのびのび生活できる指宿はまさに子育てに絶好の地だと実感しています。
この 10 月には 2 人目
(次は女の子!)
も誕生するので――再び夜泣きには悩まされるのでしょうけど、
やはり楽しみで仕方ありません。手を出したくなるのをグッと抑えて、こどもたちが
本来持っている好奇心や興味をなるべく邪魔しないように、ほんの少しだけ遠くから
温かく見守ってあげるのが自分の奮闘なのかなぁと思います。
彼らは自ら育つことができるので、ひょっとしたら育てられているのは親の方なのか
も知れませんね!?
栄養科 折田 ひな子
2012 年 7 月に産まれてきてくれた娘(菜月・なつき)も、早いもので 1 歳 2 ヶ月を
迎えました。初めてのこどもでしたので、心配性の私は産まれる前から元気に育ってく
れるだろうかと不安でいっぱいでしたが、今まで大きな病気は何一つせず、すくすくと
成長してくれています。
さて、私は今年の 8 月から職場復帰し、娘は敷地内にある天空の森保育園に通ってい
ます。彼女はすぐに園の環境に慣れ、今では先生と笑顔で手を振り、職場へ向かう私を
見送ってくれます。いつも自分より大きいお友達に囲まれ楽しそうにしています。毎朝
「今日もお友達に会いたいですか?」とたずねると元気良く「はーい!」という返事で応えてくれます。
また、保育園の先生は新米ママの私にとっても良いお手本です。今の時期にあったお遊びを教えてく
れたり、不安に思うことの相談にのってくれたり、今ではすっかり私の子育ての先生です。こうして、
大きな悩みもなく仕事と子育ての両立が出来ているのも、恵まれた環境にあるお陰だと感じている今日
この頃です。
1 歳を迎えてからの彼女は、しっかり歩けるようになり、おしゃべりする言葉が増え、大人の真似っこ
が得意で、いたずら大好き!
一日をとても忙しく過ごしています。とにかく何でも興味津々なので、
出来るだけ興味を持ったものには触れさせるようにしています。最近は犬が大好きで、なでなでしたり
「ワン」と言って話しかけたり、そんな様子を見ているととても微笑ましく、幸せを感じます♡
これからも周りの皆の協力を戴きながら、娘と一緒に一歩一歩成長していきたいと思います!
-5-
看護科 松川 京子
2013 年 4 月に入職しました看護師の松川京子(まつかわきょうこ)です。同時
にこの 4 月から鹿児島大学大学院保健学研究科の 1 年生となりました。働きながら
学ぶという環境を提供してくださった皆様、いつも傍で支えてくれるスタッフに心
より感謝いたします。当初、慣れない二つの環境を上手く両立させるのは想像して
いたよりもずっと難しいのでは?と思い悩む日もありましたが、毎日の課題や学会
発表の準備等、目の前にある「やるべきこと」に追われているうちに、いつしか悩
むことすらも忘れてしまっていることに、いま改めて気付きました。
放射線科での勤務はこちらが初めてです。これまでいくつかの科を経験してきましたが、検査として
の放射線、治療としての放射線と、医療現場では身近なものでありながら放射線科そのものには「難し
い」というイメージを強く抱いており、自ら関心を向けることはなかったというのが事実です。ところ
が昨年、放射線看護専門コースを立ち上げたある教授と出会い、放射線看護の必要性を説かれました。
そのとき私は、
「関心がないし、知識もない」と正直に口にしてしまったのですが、逆に「だからやるん
だ!」と強く説得されてしまいました。その後、教授から当センターを紹介され、現在に至ります。
昨年、放射線看護学会が発足したこと、また、東日本大震災をきっかけに放射線看護が医療の現場だ
けでなく地域・公衆衛生の場にも必要とされていること、そして、粒子線治療を求めて当センターに来
院される患者さんの多さを見ても、とても重要な分野なのだと改めて認識しています。振り返ってみれ
ばきっかけは少々不純でしたが、これを機に自分の知識を増やし、学業と合わせて学びを深めていきた
いと思っています。
粒子線技術科
上村 美沙希
初めまして。2013 年 4 月に当センターに入職いたしました、診療放射線技師の
上村美沙希(かみむらみさき)です。出身は鹿児島県鹿屋市です。
体を動かすことが好きで体力には少し自信がありますが、高校卒業後はほとんど
運動をする機会がありませんでした。そんな中、当センターのバドミントンクラブ
に誘っていただき、時々、練習に参加して他のスタッフの方々と楽しくプレーして
います。
大学で放射線技師になるための勉強をしている中で、放射線治療の中でも最先端
の治療法である粒子線治療という存在を知りました。全国でも行われている施設が
限られている「切らずに治すがん治療」に携わりたいと思うようになりました。
現在は、患者さんの治療を担当させていただいています。初めの頃は、最先端の粒子線治療を担当す
る技師としてのスタートにとても緊張していましたが、患者さんとの毎日の挨拶や会話を通して徐々に
緊張も緩んでいき、今では皆さんから元気をもらっています。治療を終えて帰られていく一人一人の「あ
りがとう」という言葉は私の支えとなっています。そんな患者さんにここ指
宿で治療して良かったと思っていただけるよう、私自身も患者さんに元気を
与えられるよう、笑顔を絶やさず頑張っていきます。
先輩方のご指導のもと、一日でも早く一人前の技師になるように日々精進
していきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
-6-
今回はバレーボールで青春を謳歌している二人をご紹介。
イブちゃんがインタビューしてきました!
諸留です!
少女の頃から
バレー一筋!
まずは、自己紹介をどうぞ。
田中です!
背番号 “1”
キャプテンです
諸留:管理課に所属している諸留(もろどめ)です。
受付を担当しています。
9 人制だとポジションが決まっていますよね?
お二人はどこが得意なんですか?
田中:同じく管理課で受付を担当している、田中です。
諸留:女子チームではアタッカーです。男女混合チー
ムでは、主にレシーブを担当しています。
バレーボール三昧の日々を送っているとか?
諸留:男女混合の 9 人制バレーのチームと、女子チー
ムに所属しています。
田中:僕も 9 人制で、全国大会を目指してかなり真剣
に練習しているクラブチームと、それとは別に友
人たちと作ったチームに所属しています。こちら
の方は、主に地元のこじんまりした大会に出場し
ています。ビーチバレーやグラス(芝)バレーも
やっていますよ。
諸留:試合が多くて、1 日に 4 試合ぐらいこなさなくて
はならないことがあります。自分が出場するかど
うかは別として、チームは毎週末どこかで試合を
やっているような状態です。
田中:クラブチームの方では年に 4 回、九州大会、全
国大会の県予選に出場しています。これを勝ち抜
いて、九州大会には毎年、全国大会には今年を含
めて 4 回出場しています。
田中:現在はライトエースです。どのポジションもや
りがいがあって面白いですよ!
強烈なアタックや、サーブに狙われたら、怖くない
ですか? それに、痛くないんですか?
諸留:狙われたら燃えますよ!絶対返してやるって、
闘志がわきます!!
田中:試合中は集中しているので、怖いとか、痛いと
かはあまり考えていないんです。
それより、、、バレーはポジションごとに必要な
技術を身に付けないといけないので、他の競技
よりとっつきにくいのかもしれませんね。もっ
と仲間が増えるとうれしいです。
諸留さんは、ビーチバレーはやらないんですか?
二人とも、9 人制なんですか?
大人のバレーは 6 人制だと思ってました!
諸留:社会人では 9 人制の方が多いと思いますよ。
TV で目にする機会が多いので、大人=6 人制と
思い込んでいる人が多いかもしれませんね。
田中:鹿児島県では特に、社会人チームのほとんどが
9 人制だと思います。
諸留:9 人制は和気あいあいとして、楽しいですよ。
諸留:今年は 1 回、大会に出場しました。予選敗退で
したけど。ちなみに、ビキニでプレーしている
わけではありません。日焼け対策万全です!
田中:毎年指宿でもビーチバレーの大会があります。
もちろん海岸でやっていますから、皆さん、来
年はぜひ応援に来てください。
こどもの頃からずっと続けているスポーツがあるのも、目標に向
かって一緒に頑張っている仲間がいるのも素敵ですね!
二人に刺激されて、わたしも何か始めたくなりました! (イブ)
「14 年ぶりの運動会」
ゲストサービス部次長付
伊野 朋宏
10 月 6 日は、この春から幼稚園に通い始めた娘の運動会でした。
娘はもちろん初めて、私に至っては実に 14 年ぶりの運動会です。
年少組の娘のメイン種目は「忍たま乱太郎」の主題歌「勇気 100%」
の曲にあわせて、忍者の格好で歌って踊るダンスでした。みんな元気いっぱい!とても可愛いらしかっ
たです。一曲の振り付けを必死にこなし、園児同士で助け合う姿を目の当たりにして、わずか半年のこ
とながらこどもたちの確かな成長を感じました。
一方私は・・・初のビデオ撮影担当を仰せつかり、始発のバスで園に向かいました。
ところが何と!? 既に開園を待つ園児の保護者が 40 組ほど待機していたのです。
皆さんいったい何時から並んでいるんだろう(@_@;) なんとか席は確保できたもの
の当然満足できる場所ではなく、
「来年はもっと早く到着して良い場所を確保するよう
に」と家族会議にて指令が下されました。バスが出てないのにどうやって行くんだよ
~と思いながら、これから1年の間に良案が浮かぶことに期待しています。
-7-
Vol.6「スメハラ加害者にならないために」
顧問
皆さんは、最近話題になっている「スメハラ」
という言葉をご存知ですか?
菱川 泰夫(歯科医師)
病的な口臭の原因の大半は口腔内にあると言わ
れていますが、他にも糖尿病、蓄膿、鼻炎、気管
「スメハラ」とは、スメルハラスメントの略で、
支の病気、食道の病気、胃の病気、肝臓の病気な
ニオイによって周囲の人に不快感を与えることを
ども口臭の発生原因となります。自覚症状がなく
指します。口臭や体臭はもちろん、良い匂いと思
とも、人間ドックや健康診断でこれらの病気があ
われがちの香水もふりすぎが原因で不快感を与え
れば、そちらを治すことを優先して下さい。口の
ることがあり、スメハラに該当します。
中の口臭因子としては、歯周病(歯垢・歯石含む)
スメハラの厄介な点は、1)加害者側が無自覚
であること
2)デリケートな問題ゆえ、被害者
側から指摘することが出来ず、我慢してしまって
いること
やむし歯、舌苔が挙げられます。これらは歯科医
院で治療が可能です。全身にも、口の中にも病気
がない場合は、生理的な口臭を疑います。
により、解決に至りにくい点にありま
飲食物や、タバコ、ストレスなどによる生理的
す。今回は、このスメハラの代表でもある「口臭」
口臭は、生活習慣を改善させることで軽減させる
についてお話します。
ことが出来ます。具体的な方法は無数に存在しま
すので、歯科医院で指導してもらうか、インター
「我慢の出来ない不快なニオイ」を問うた最近
ネットで検索して学んで下さい。
のアンケート結果では、
「口臭」
「生ゴミ」が群を
抜いて上位にきていました。
口臭がコミュニケーションの妨げになることは
想像に難くありません。口臭に悩んでいる人も、
口臭は、全ての人に起こり得る問題です。
そうでない人も、定期的に歯科医院に足を運び、
口臭を消すことを考える場合、最初に行うこと
ご自身の口を客観的に判断してもらい、健康な口
は原因の特定です。
腔内環境を保つことをお勧めします。
一般財団法人メディポリス医学研究財団
メディポリスがん粒子線治療研究センター
〒891-0304 鹿児島県指宿市東方 5188 番地
TEL
0993-23-5188
FAX
0993-24-3450
http://www.medipolis-ptrc.org
患者さん相談窓口電話
0993-24-3456
( 受付時間:平日 10:00~16:00 )
アクセス
<乗用車>鹿児島市内~ 約 70 分
<連絡バス>指宿駅~
約 15 分
<JR>
・博多駅⇔鹿児島中央駅
(新幹線にて約 80 分)
・鹿児島中央駅⇔指宿駅
(特急にて 約 50 分)
=編集後記=
10 月半ばになっても暑い日が続いています。今年の夏はとりわけ厳しい暑さが続きましたが、センターの
外壁に初めてお目見えした緑のカーテン(ゴーヤ)も、さすがに夕方になると暑さと渇きでヘトヘトになっ
ている様子でした。ご近所さんによると「今年は暑すぎて例年よりゴーヤが実らなかった」とか。
鹿児島では数年に一度、10 月下旬まで「暑い、暑い」と言い続ける年があります。しかし、こんな年は決
まって急に冬が始まってしまうものです。まだまだ暑いと言ってはいても、メディポリス一帯ではコスモス
や萩の花が満開になっています。日没直後の空も冬の色に近づいてきました。これからしばらく秋の風景を
しっかり楽しんで、冬を、そして新しい一年を迎えたいものです。
(2013.10.10)
-8-
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