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ANTI-TIP ホットライン通信

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ANTI-TIP ホットライン通信
ANTI-TIP ホットライン通信
2013 年 6 月 5 日
第 9 号 ハノイ
人身取引対策に関する相談員研修
5 月 2 日から 9 日まで、本プロジェクトの電話相談員を
対象に人身取引対策に関する研修を実施しました。
Anti-TIP ホットライン本格始動を前に、これまで人身取
引対策に関する体系的な研修を受けたことのない電話
相談員の要望を受け、人身取引課題全般の概要や国
際的な制度、日本やメコン地域の関係機関との連携、
ベトナムの法制度について学ぶ機会を提供しました。
8 日間にわたる研修の講師として、日本からは、人身取
引および女性の移住労働の分野の研究に長年携わっ
ていらっしゃる明治学院大学の齋藤百合子準教授をお
招きしました。また、ベトナムの人身取引対策に関する
法律や制度については、労働傷病兵社会省(MOLISA)
社会悪予防局の Do Thi Ninh Xuan 副局長に講義をして
いただきました。
上左 : Do Thi Ninh Xuan
社会悪予防局副局長
上右:齋藤百合子
明治学院大学準教授
本研修は日本とベトナムの双方の取り組みが学べる貴
重な機会なので、研修の主な対象である電話相談員の
シフトを調整、研修受講者を2つのグループに分け、全
4 日間の講義を相談員全員が受講できるようにしました
ハザン省とアンザン省のカウンセラー、人身取引対策に
関わる関係機関(警察、女性連合、社会悪予防局、
Peace House シェルター、NGO)職員を含む計 36 名が
参加しました。
研修では講義だけでなく、様々なグループワークが取り
入れられました。齋藤先生のセッションでは人身取引に
ついての理解を深めるため、人身取引対策に関する取り
組みなどの講義内容を踏まえ、研修参加者が即興劇を
演じました。各参加者が被害者、ブローカー、被害者を
監禁する日本人や電話相談員など異なる役を熱演。講
義後の感想でも「人身取引がどういう状況で起き、どんな
支援が必要なのか、当事者がどう感じるかについて具体
的に学ぶことができた。」と好評でした。また、Do Thi
Ninh Xuan 副局長のベトナムの人身取引対策の法律や
制度について、更に深く学びたいというリクエストもあり、
今後の研修に向けて多くの有益な気づきを得ることがで
きました。この第 1 回電話相談員研修に対する感想や
指摘をもとに、Anti-TIP ホットラインにとってより効果の
ある研修が実施できるよう、引き続きカウンターパートの
皆さんと検討を続けていきたいと思います。(研修の詳細のお
問い合わせは小川・榎本にご連絡下さい。)
中~下:
グループワークやドラマ
に取り組む研修参加者
目次
人身取引対策に関する相談員研修
1
チャイルドヘルプライン広報イベント
2
ベトナム関連情報
2
今後の予定
2
ホットライン通信 第 9 号
号
ページ 2
チャイルドヘルプライン広報イベント
5 月 11 日土曜日、チャイルドヘルプラインがハノイ郊
外の中学校で実施した広報イベントに土井晶短期専
門家(IEC)とチーフアドバイザーがオブザーバー参加し
ました。
ハノイの子どもジャーナリスト、児童保護局職員、電話
相談員、メディア関係者と共に Truong Trung Hoc Co
So Bui Quang Mai 中学校に 8 時半頃到着。カウンセラ
ーと子どもジャーナリストを中心に、寸劇、歌、踊りもは
さんでゲームやグループワークなど様々なアクティビテ
ィーが繰り広げられました。
生徒たちも積極的に参加、若いエネルギーのあふれる
3 時間余りの広報活動でした。カウンセラーの見事な
司会者ぶりも目の当たりにし、プロジェクトの今後の広
報活動の具体的イメージをつかむ上でも大変有益でし
た。
ベトナム関連情報
Anti-TIP 関連の気になるニュースをピックアップ!
1) TIP Inter-Mission Working Group Meeting
5 月 16 日、IOMベトナム事務所で開かれた
Trafficking in Persons Inter-Mission Working
Group Meeting に本プロジェクトも参加。これは四
半期に一度開かれるドナー及び政府の情報共有
の場で、国連機関、国際援助機関、各国大使館
の担当者が集まる。この日はIOM、UNODC、A
ECID、USAID、アメリカ・イギリス・カナダ・オー
ストラリア大使館、台湾経済文化代表事務所が
出席、ベトナム公安省と法務省代表者の発表の
後、活発な質疑応答・意見交換が行われた。
2) チャイルドヘルプライン 9 周年
5 月 17 日、この 5 月 19 日で 9 周年を迎えるチャ
イルドヘルプラインの記念ワークショップが開催さ
れた。チャイルドヘルプラインをサポートしてきた
NGO、プランの代表者、児童保護局関係者、相
談員、子どもジャーナリスト等、約 50 名が出席。
チャイルドヘルプラインの活動についてのフィル
ム上映、専門家によるパネルディスカッション、電
ホットラインのカウンセラー
が中心となって、中学生とと
もに様々なアクティビティを
行っている様子
話相談をした母親二人の発表等、内容の濃いワ
ークショップだった。貧しい母親が精神的に追い
詰められた娘のために、ラジオで知ったチャイル
ドヘルプラインに何度も電話をし、病院への紹
介・カウンセリング等のサポートを受けたという話
が印象に残った。
3) 若者による Anti-TIP イベント
5 月 30 日、MTV Exit 主催の Anti-TIP イベント
がハノイのロンビエン市場の一角で開催された。
この市場で働く若者多くは厳しい経済状態にあ
り、危険な海外労働に従事するリスクがあるとみ
られている。イベントでは人身取引に関する説明
のほか、市場で働く若者が NGO の Light の指導
を受け創作したダンスや「安全な移住」の劇を披
露した。また本プロジェクトの Anti-TIP ホットライ
ンの広報もおこなわれた。
今後の予定
2013 年 6 月:ベースライン調査継続実施
ベースライン調査成果・広報戦略に関す
るワークショップ
短期専門家(IEC)離任
JCC
人身取引対策ホットラインにかかる体制整備プロジェクト(ベトナム)
本通信は上記プロジェクトの進捗状況および周辺情報をお知らせするために JICA 専門家(小川チーフアドバ
イザー、榎本業務調整専門家)の見聞をお送りしています。JICA 及びプロジェクトのカウンターパートの見解で
はありません。禁無断転載。
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