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産業界との 融合的連携研究制度

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産業界との 融合的連携研究制度
新規 PET 診断薬研究チーム
連携企業:長瀬産業株式会社※1
産業界との
融合的連携研究制度
理研の研究者と企業の研究者が同じ場所で
同じ方向に突き進むバトンゾーンの実践
計測情報処理研究チーム
連携企業:日本ユニシス・
エクセリューションズ株式会社※2
動物細胞培養装置研究チーム
連携企業:佐竹化学機械工業株式会社※3
レーザー多元機能開発チーム
連携企業:株式会社メガオプト※4
制度の特徴
❶ 企業が抱える課題に基づく研究開発テーマを設定します。
❷ 研究資源(ヒト・モノ・カネ)をマッチングして融合連携チームを形成します。
❸ 企業研究者が融合連携チームのチームリーダーとなり、研究開発を主導します。
❹ 融合連携チーム内における密な連携により、暗黙知もスムーズに移転可能です。
❺ 当初掲げた最終目標を堅持しつつ、状況の変化に応じて、研究計画の修正も可能です。
光電子デバイス工学研究チーム
連携企業:新世代塗布型電子デバイス技術研究組合※5
「産業界との融合的連携研究制度」とは
理化学研究所(理研)は、幅広い分野の研究成果や最先端技術をより迅速に実用化へ繋げて、社会的課題の解決を図っ
ています。そのため、企業と理研が基礎研究から実用化研究まで一体となって研究開発を推進する場「バトンゾーン」を
設け、その一環として、産業・社会のニーズと理研が有する最先端の研究シーズを融合した研究「産業界との融合的連
携研究」を実施しています。
具体的には、ヒト・モノ・カネのマッチングの下、企業と理研が一体となった融合連携チーム(チームリーダーには
企業研究者が就任)を理研に設置して、企業主導で課題解決に取り組みます。これにより、形式知(特許や論文等)のみな
らず暗黙知(ノウハウ等)の移転も実現し、基礎的な研究成果を目に見える形で社会に還元し、日本の産業技術の新たな
展開に貢献します。
融合連携チーム
迅速な技術移転
暗黙知の共有
企 業
研究機関との産業連携の
活発化、テーマ提案
理研内に企業と理研が
一体のチームを設置
事業部署
客員研究員
客員技師
所属センター
他研究室
兼任参加
企業担当者の派遣
研究員※
テクニカルスタッフ※
支援、
助言、新規提案
TL
研究開発部署
製造部署
理研
副TL
企業
企業との実用化研究の
活発化、シーズ提案
他研究者
アカデミア間の強み
を生かした連携
大学等
他研究機関
※公募によるチーム専従職員の雇用可
2016年8月現在、16チームが活動しています。
● 計測情報処理研究チーム
日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社
● 光熱エネルギー電力化研究チーム
株式会社ダ・ビンチ
● 新規PET診断薬研究チーム
長瀬産業株式会社
● 高効率紫外線LED研究チーム
パナソニック株式会社 エコソリューションズ社
● 超高感度生体分子検出技術研究チーム
オリンパス株式会社
● 光電子デバイス工学研究チーム
新世代塗布型電子デバイス技術研究組合
● レーザー多元機能開発チーム
株式会社メガオプト
● トランスポーター評価系研究チーム
株式会社ジェノメンブレン
● 人工ワクチン研究チーム
動物アレルギー検査株式会社
● 牛白血病ワクチン開発チーム
株式会社微生物化学研究所
● 四次元多細胞動態解析システム開発チーム
カールツァイスマイクロスコピー株式会社、アンドールテクノロジーLtd
● 水素フィルター研究チーム
株式会社アツミテック
● 眼疾患クラウド診断融合連携研究チーム
株式会社トプコン
● 植物新育種技術研究チーム
日本たばこ産業株式会社
● 三次元ゲル線量計研究チーム
日産化学工業株式会社
● 次世代臓器保存・蘇生システム開発チーム
株式会社SCREENホールディングス
詳細は www.riken.jp をご参照下さい。
INTERVIEW:三次元ゲル線量計研究チーム
チームリーダー
副チームリーダー
×
濱田 敏正
氏
(日産化学工業株式会社)
石田 康博
氏
(理研)
がんの三大治療の一つである放射線治療では、患者の健康な組織を避け、がんの部位だけに照射するた
め、正確な照射位置や線量を事前に検証することが重要です。2016年4月に発足した当チームでは、
AQUAJOINT(アクアジョイント)®と呼ばれるハイドロゲルを使用し、三次元的に様々な方向やパ
ターンでの照射を検証する
「三次元ゲル線量計」
の開発を行い、
製品化を目指して研究を進めています。
――お二人の出会い、融合的連携研究制度に応募
――お二人の出会い、
したきっかけを教えていただけますか。
――この制度において、
―この制度において、理研のサポート体制につ
いてはいかがでしょうか。
濱田 アクアマテリアルという相田卓三先生(東
濱田:アクアマテリアルという相田卓三先生
濱田
濱田:日常の事務的な業務は、
:日常の事務的な業務は、
イノベーション推
濱田:日常の事務的な業務は、
イノベーション推進
大、理研兼務)が開発したハイドロゲルの工業化
進センター秘書室に任せています。
チームには実
センター秘書室で対応してもらえます。
チームには
研究のため、弊社・日産化学工業の研究員を理
験室が配分され、
理研が所有する共同利用機器や
実験室が配分され、
理研が所有する共同利用機器
研へ 派遣し共同研究を始めたことがきっかけで
研へ派遣し共同研究を始めたことがきっかけで
研究施設も利用しやすい環境です。
他チームの研
や研究施設も利用しやすい環境です。
他チームの
す。そ の 後、研 究 の 過 程 で 新 た に 生 み 出 さ れ た
究者ともつながりやすいですし、
研究の進め方次
研究者ともつながりやすいですし、
研究の進め方
AQUAJOINT ®を用いたゲル線量計の共同研究
第で色々と手を広げる余地があると思います。
次第で色々と手を広げる余地があると思います。
を行う中で、この制度のお話を
伺いました。研究員の新規採用
――今後の展望についてお聞かせください。
も可能なことなど、実用化への
濱田 チームの研究期間内に必要な開発はすべて
濱田:チームの研究期間内に必要な開発はすべて
加速につながる制度だと思い、
行い、
終了後に弊社から製品化することが目標で
す。
これから市場を立ち上げていく分野ですから、
可
応募しました。
AQUAJOINT®
―制度のメリットや魅力について、どうお考え
――制度のメリットや魅力について、
ですか。
能な限り前倒しで進めていきたいと考えています。
石田:三次元ゲル線量計の開発に必要な要素はす
石田:三次元ゲル線量計の開発に必要な要素はす
べて満たしており、実現性は低くないと感じてい
濱田:融合連携チームとして集まるメリットは予
濱田:融合連携チームとして集まるメリットは予
ます。それなりにコストがかかるものですが、その
想以上に感じています。特に、多様な分野の専門家
価値に見合う使われ方、製品として世に出してい
や各過程に沿った研究者の受け入れができる点
ければと思います。
は、通常の共同研究や一企業では難しいところで
す。臨床の現場で働く医師や診療放射線技師と
いったユーザーを受け入れることにより、時差な
―制度に興味を持つ企業や研究者へのメッセー
――制度に興味を持つ企業や研究者へのメッセー
ジをお願いします。
く率直な意見交換ができ、意思統一もしやすくな
石田:普段私たちは理研で基礎研究を行っている
石田:普段私たちは理研で基礎研究を行っている
ります。一人ひとりが同じ目的に向かう仲間とし
ので、このような応用的な研究に時間を割く機会
て、なんとか成果を出そうというモチベーション
も少なく、あくまでも手を貸すという感覚があり
にもつながっています。
ました。今回この制度で企業と理研が一体となっ
てチームを立ち上げたことにより、異なった考え
――チームのメンバーはどのようにして集められ
たのですか。
方を吸収し合いながら、製品化という目標に向け
て着実に歩みを進められるのではないかと思って
石田:ケースバイケースですね。客員研究員は連
石田:ケースバイケースですね。
います。
携先である日産化学工業から派遣していただいた
濱田:企業はどうしても短期的な課題や考え方を
濱田:企業はどうしても短期的な課題や考え方を
り、もとは理研で現在は大学所属の研究者を迎え
選択することが多く、中長期的な予測が難しい中
たり、研究会で声を掛けたりしています。重要な役
で、理研のアカデミックで自由な雰囲気、発想力は
割を担う光学CT装置の開発には、研究員を新たに
刺激になります。充実した研究環境を存分に活用
公募し巡り合うことができました。
し、
製品化を実現したいと考えています。
2017年度 新規研究課題の募集概要
対象課題
………… 理研の研究成果や最先端技術を活用して実用化・製品化を目指す課題
応募資格
研究期間
………… 日本国内に生産拠点を置く国内企業
研究予算
………… 企業負担額、理研負担額の合計(マッチングファンド方式※)
………… 5 年以内
※「企業の負担額≧理研の負担額」
を原則とします。
※理研の負担額は1 課題2,000万円/年を上限とします。
審査方法 …………
採択予定数 ………
課題提案書及びヒアリング審査をもって採否を判断
4 課題程度(予定。予算状況によって変更の可能性があります。)
URL:http://www.riken.jp/outreach/programs/entry/
相談窓口:[email protected] 申請に関する個別相談をお受け致します。
実施までの流れ
事前相談(随時)
問合せ・相談窓口
制度の詳細等についてご説明します。
お気軽にご相談下さい。
課題提案(9月∼11月)
課題審査(12月∼1月)
課題提案書をご提出下さい。
【募集〆切:2016 年 11 月 18 日必着】
ヒアリング審査を実施します。(応募多
数の場合は書類審査を行ってヒアリン
グ実施課題を選定します。)
共同研究計画書作成(1月∼3月)
パートナー研究者と共同で、採択された課題提案書に基づいた研究計画書を作成いただくとともに、共同研究契
約の締結に向けて協議を行います。また、理研に設置する融合連携チームへの人事受け入れ手続きを行います。
共同研究契約締結
研究チーム設置(2017年4月)
理研に融合連携チームを設置し、研究開発を開始します。
表紙画像の説明
※4:レーザー光線は波長変換が可能で、波長1ミクロンの赤外光が波長0.5ミクロンの
(赤丸)
にのみ集積し、
診断の邪魔となる炎症部位
(黄丸)
には集積しない。
※1:AA-7はがん組織
緑色に変換されました。
※2:2015年7月に上市したポリゴン編集ソフトウェアPOLYGONALmeisterの利用例。
※5:有機発光材料の水性コロイドインクを開発しました。静電スプレー塗布によって薄膜化
3
※ :2015年7月に連携企業より上市した上下動式動物細胞培養撹拌装置VerSus Reactor。
が可能なため、環境調和性に優れた発光素子への応用が期待されています。
問合せ・相談窓口
産業連携本部 イノベーション推進室
(産業界との融合的連携研究制度担当)
〒351-0198 埼玉県和光市広沢 2 番 1 号
E-mail:[email protected] Tel:048-462-5459
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