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Sax,Piano,Computer Electro Acoustic Music
Xmas Trio Concert!!
開催概要
日時:2010年12月23日
一部:13時半開演(13時開場)
二部:16時開演(15時半開場)
会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟1Fアトリエ1
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内]
TEL 078 262 0901(代)
http://www.artm.pref.hyogo
料金:入場無料(任意カンパ制)
出演:大川平 のり子(サックス)
夏目 有香(ピアノ)
金崎 亮太(電子音響音楽)
お問い合わせ:[email protected]
本演奏会は、クラシック界に身を置くサックス奏者とピアノ奏者
そして電子音響音楽を作品制作の根幹に持つサウンドアーティストによる意欲的かつ挑戦的な試みです。
楽音と非楽音、楽器とコンピューター、クラシックと電子音楽、それぞれが有している境界を
三者の音が密接に解け合いながら横断し、一つの音楽へと完成されていくその時間的 うつろい をお楽しみ下さい。
内容
クラシック楽器とコンピューターによる電子音楽との融解を目指す、大川平 のり子、夏目 有香、金崎
亮太によるトリオコンサート。
コンピューターサウンドをベースにクラシックから現代音楽、ジャズ、ポップスまでを即興的な要素も
含めて幅広くアレンジ演奏。
過去の演奏曲:沈める寺/C・ドビュッシー E・サティ/ジムノペティ 荒城の月/滝廉太郎
ノクターン 20番 遺作/F・ショパン ヴァイオリン ソナタ 第1番/ J・ブラームス
戦場のメリークリスマス/坂本龍一 etc...
コンセプトテキスト
本演奏会は、クラシック界に身を置くサックス奏者とピアノ奏者、そして電子音楽を作品制作の根幹に持つサウンド
アーティストによる、意欲的かつ挑戦的な一つの試みです。
まず、彼らの音楽は決して複雑さ難解さを希求するものではありません。
クラシックと現代音楽が積極的な出会いを経験する事により、互いに生じる様々な差異を再認識し、またそれらの調
和できる場を探る行為だとも言えるかもしれません。美しい調和を持って響き、その音のバランスはこの三人で無け
れば、発見不可能だったのではないか、と思わせる確かな答えがその中で明示されます。
今回、金崎亮太が扱っている音が、フィールドレコーディングされた音を加工したものであることが、この稀有な調
和を生んでいる大きな理由となっているのかもしれません。
コンピューターのみで作られた音ではなく、今回彼が扱う「どこかで鳴っていた音」は、楽器により奏でられる音と
の親和性を持ち、三名により提案される一連の音楽としての強度が保たれています。
楽音と非楽音が重なり一つの音楽と完成されていく様は、単純な対比だけではない奥行きのあるうつろいを見せ、例
えばそれは、音が音楽へと紡がれていく過程と、音楽が音へと解体され行く過程をまざまざと感じさせてくれる効果
があるでしょう。
絵画が物質としての絵具を重ね合わせることで一つの作品となりえるように、音楽も単純な空気の振動である音を重
ね合わせることによって一つの楽曲となります。「一つの楽曲」という共時的関係性の中で作品が完成されていく、
という点において、音楽は絵画よりも生々しさを兼ね備えているといえるでしょう。
彼らが発見した調和とバランスは、音と音楽の時間的な関係性にもあたかも言及しているように響きます。
なぜなら、楽器とコンピューターの持つ差異が、音の有限性にも及んでいるからに他なりません。
楽器が奏でる時間的に有限な音と、コンピューターが奏でる時間的に(ほぼ)無限な音。その二つが「楽曲」という
同一の時間軸で流れる事によって、それらが二律背反や単純な対比を乗り越えた場所を提示し、現代で探求されるべ
き音楽の可能性を感じさせてくれます。
この三名の邂逅は、そういった前向きな探究心と肯定的な創造性から出発しており、現代の音楽における一つの有意
義なケースとして記憶されるべきものに違いありません。 text:野口卓海
プロフィール
大川平 のり子:Sax
(http://blog.goo.ne.jp/nori-chaton)
大阪音楽大学音楽学部サクソフォン科を首席で卒業。第5回KOBE国際学生音楽コンクール入賞。第16回YAMAHA管楽器新人演
奏会出演。
同大学院を経て渡仏。在学中、第11回同大学主催「ザ・カレッジコンサート」に出演。渡仏後、ボーラレーヌ音楽学校及び、ヴェルサ
イユ音楽院にてヴァンサン・ダヴィッド氏のもと研鑽を積む。卒業に際し、サクソフォン・ソルフェージュ・アナリーゼにて金賞、室内楽
において審査員満場一致の最高位を得て、DEM(diplome d'etudes musicales)を取得。第9,10回ピカルディー・ヨーロッパ音楽コ
ンクールサクソフォン部門、UFAM音楽コンクールにて1ere prix受賞。06年映像とのコラボレーションによるリサイタル、08年コンピ
ューターとのコラボレーションによるリサイタル、09年ベルギーにてTrioOmaジョイントリサイタルを開催。現在大阪スクールオブミュ
ージック専門学校非常勤講師。これまでにサクソフォンを山口万里、篠原康浩、大城正司、赤松二郎、ヴァンサン・ダヴィッド、室内
楽を飯守伸二、ジャン・フランソワ・ゴンザレスの各師に師事。
夏目 有香:Piano
大阪音楽大学音楽学部ピアノ専攻を卒業後、渡仏。
パリ・エコール・ノルマル音楽院にてフランソワーズ・ティナ氏のもとで研鑽を積む。ディプロム取得後、帰国。
第16回ABCオーディションの難関を突破、ザ・シンフォニーホールでの新人コンサートに出演し好評を博す。
現在、ソロ活動のほか、コンサート・講習会等において多くの奏者の伴奏を手がける。
また教育機関、文化施設等で子供向けの「絵本コンサート」の活動を行う。
これまでにピアノを、山下康夫、阿部裕之、青柳いづみこ、フランソワーズ・ティナの各氏に師事。
金崎 亮太:Computer
(http://www.ryotakanasaki.com/)
大阪芸術大学音楽学科音楽工学コース卒業、研究生として上原和夫氏に師事。人間にとって最も身近と言える音、"ヒトの声"を音
素材として主に用い、コンピューターでの加工と研磨を経て音楽作品へと高めあげる。「原初の音」を表現におけるコンセプトの中に
据え制作される彼の作品は、民族や時代を超えた場所、遺伝子の奥底で鳴り続ける音を人々の中へ響かせる。あたかも時間の経
過そのものを閉じ込めたかのような、音でしか表現不可能な一連の移ろいは、空間と時間とをその作品の支持体として飲み込み、
鑑賞者へ「静かなる高揚感」をもたらせる。近年発表しているインスタレーション作品では、音の概念から着想される様々な事象を
視覚化することで、実在が持つ不確定なうつろいや危うさを静かに、しかし確かに浮き彫りにしている。
text:野口卓海
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