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~相手意識をもち,地図を用いて国土の位置や広がりを表現する活動
つかむ 調べる まとめる 深める ~相手意識をもち,地図を用いて国土の位置や広がりを表現する活動~ 1.小単元名『日本は世界のどこにある?』 (教科書: 『小学社会5上』p.6~13/学習指導要領:内容(1)ア) 2.小単元の目標 地図や地球儀,資料などを活用して調べ,日本の国土の位置や領土,世界の主な大陸や海洋,主 な国の名称と位置,主な国の国旗について捉えさせる。 3.小単元の評価規準 社会的事象への 社会的な 観察・資料活用の 社会的事象についての 関心・意欲・態度 思考・判断・表現 技能 知識・理解 地図や地球儀を活用 世界の国々・大陸・海 地図や地球儀を使っ 日本の国土の形や位 して,日本の国土の位 洋の名称や方位などを て,日本の国土の位置や 置,広がり,近隣の国々 置や広がり,近隣の 用いて,日本の国土の位 領土,世界の主な大陸と との位置関係,世界の主 国々と領土,世界の主 置や広がりの言い表し 海洋,主な国の名称と位 な大陸と海洋,主な国の な大陸と海洋,主な国 方を考え,適切に表現し 置について的確に読み 名称と位置がわかるとと の名称と位置について ている。 取ったり,おおまかな方 もに,領土をめぐる問題 関心をもって調べよう 位や距離を確かめたり や国旗の大切さについて としている。 している。 理解している。 4.指導にあたって (1)教材について 学年最初の小単元として,資料活用の基本的な技能を身につけさせたい。特に,地球儀と地図の 活用については,今後の学習でも様々な場面で必要となってくる。球体としての地球を歪みなく表 現できる点が地球儀の最大の長所であることをふまえ,丁寧な指導を心掛けたい。また,地球儀は なるべく多くの数を確保し,多くの子どもに触れさせるようにしたい。 また,本小単元では,日本の国土の位置や領土,世界の主な大陸や海洋,主な国の名称と位置, 主な国の国旗について捉えさせることが目標となる。4年生での学習から大きく視点が切り替わる ため,丁寧な指導を心掛けたい。 (2)指導上の工夫・留意点 本小単元では,地球儀を積極的に活用していく。よって,授業中だけではなく,なにか気になっ たときはすぐに地球儀で確認できるように教室に常設し,児童が地球儀や地図に親しめる環境づく りに努めることが大切である。 また,5年生の社会科の学習として最初の小単元でありながら,覚えなければならない基礎的・ 基本的語句が非常に多く,児童にとっては非常に難しいと考えられる。よって,地図帳や地球儀を 活用し,ペアやグループなどで簡単な地図を描いたり,白地図での着色をしたりする作業的な活動 を行う。そのように,皆で確認しながら学習を進めていくことで,苦手意識をもたずに今後の社会 2 科の学習に取り組ませていきたい。また,世界から日本を捉えていく小単元ではあるが,常に「日 本」という変わらない視点を児童にはもたせていきたい。 また,本時の授業の前半部分では,日本の領土をめぐる問題について学習する。この段階におい ては,①地理的な名称と位置を調べ,理解させること,②日本の主張に正しく触れるようにするこ と,③「平和的に解決する」という方向性を忘れずに指導すること,上記3点を念頭に指導してい きたい。 5.小単元の指導(総時数4時間) 時数 ② ( つ か む ・ 調 べ る ) ② ( 調 べ る ・ ま と め る ) ねらい ○学習活動 世界の主な大陸と海洋,主な国の名称と ○地図や地球儀を活用して,世界の主な大陸や海 位置を調べるとともに,地球上の位置を表 洋,主な国の名称と位置を調べたうえで,世界の す緯度・経度・赤道などについて理解し, 中の日本の位置や広がりについて学習問題をつ 世界の中の日本の位置関係を調べられる くり,世界との位置関係を地球儀で調べる。 ようにする。 日本を構成する主な島々や,日本の東西 ○日本の国土の位置や形,東西南北の端や周りの 南北の端,周りの国々の位置について調 国々の名称,国旗,日本を構成する主な島々をめ べ,日本の位置や国土の広がりについて理 ぐる諸課題について調べ,国土の特色をまとめ 解できるようにする。 る。 6.本時の指導(第4/4時) (1)本時のねらい 日本を構成する主な島々や周りの国々の位置,領土をめぐる諸課題について調べ,日本の位置や 国土の広がりについて理解できるようにする。 (2)本時における考え合い表現し合う活動と指導の留意点 本時は,学習問題に対してのこたえを出す時間である。この小単元の学習問題には様々なこたえ 方が考えられ,児童にとって意欲的に取り組むことができると考える。 ここでは,地図を活用しながら学習問題のこたえを発表させるようにする。ペア→グループ→学 級全体と場を変化させつつ,地図上の位置を具体的に指で示しながら説明をさせる。このように, 繰り返し相手意識をもった伝え合い活動をすることで,児童の思考をより深め,確実に学習内容を 理解させることができるようにしたい。また,ペアやグループ内での伝え合い活動を通して,互い の表現を確認し合うことで,学級全体の場では自信をもって発表できるものと考えられる。このよ うに,スモールステップで学習を進めていき,高学年社会科の第一歩として社会科好きの児童を育 てていきたい。 3 (3)本時の展開( 「調べる・まとめる」の2時間扱いのうち,本時は2時間目を扱う) 時配 5 ○学習活動 T:発問 C:児童の反応 ◎資料 ◇留意点 ◆評価 ○本時の課題を確認する。 ◎ア日本の国土の周りの様子 T:ここまで,日本の周りの国々や日本の端にある島々につ イ日本の西のはし(与那国島) いて学習してきましたね。どんな国々,島々がありました ウ日本の南のはし(沖ノ鳥島) か? エ日本の北のはし(択捉島) C:中国です。 オ日本の東のはし(南鳥島) C:東の端には,南鳥島という島があります。 (教科書 5 上 p.10,11) T:日本と周りの国々には,ある島をめぐって領土に関わる 問題があるって聞いたことはあるかな? C:聞いたことがあります。 C:知らないなあ…。 T:今日はそれについて学習していきましょう。 課題 日本には,他にどのような島々があるのだろうか? 5 ○領土をめぐる諸課題について知り,ペアで白地図に着色を ◎ア北方領土,竹島,尖閣諸島 の位置(同 p.12,13) する。 T:それでは,教科書の本文を読んで確認しましょう。どん なことが分かりましたか。 C:北方領土という島々が日本にあって,ロシアとの間に問 題があることが分かりました。 C:韓国との間に,竹島という島をめぐって問題があります。 T:では,それらの島の位置を,白地図に色を塗って確認し ましょう。 5 ◎地図帳 ○これらの問題に対し,どうしていけばよいか考える。 ◎白地図 T:これから,どうしていけばよいのかな? ◇ペアで課題に取り組み,①地 C:ちゃんと日本の領土としてほしい。 図上で位置を探す児童,②着 C:戦争とかじゃなくて,平和的に解決していってほしい。 色をする児童と分担して活動 T:そうですね。最後に,日本がこの問題をどう捉えている する。 か,教科書を読んで確認しましょう。 25 ○ペアやグループで,小単元の学習問題のこたえを考えたあ と,学級全体に向けて発表し合う。 ◇本小単元については,学習し た様々な言葉を用いて,学習 問題のこたえを出せればよい 学習問題 日本は世界のどこにあり,国土の広がりはどのような様 子だろう? こととする。また, 「世界から 見た日本」という意識を強く もたせる。 T:それでは, 「日本は世界のどこにあるのか?」 「国土の広 4 がりはどのようになっているのか?」の2点について,地 図をしっかり指でさし示しながら,自分のこたえを隣の人 に伝えましょう。 C:日本は,オーストラリアのほぼ北に位置しています。 C:日本は,日本海を挟んで韓国の東側に位置しています。 国土は,南北に細長くなっています。 ◇自分の地図を確認しながら, 日本の国土の位置や広がりに ついての相手の説明を聞くよ 相手意識をしっかりともたせ,相手に説明するという場 T:それでは,次に班で行いましょう。 を設定することで,日本と他国,海洋等との位置関係や, C:アメリカからだと太平洋をはさんだ位置に日本がある 国土の広がりを確実に理解できるようにする。 ね。 うに促し,理解を確かなもの にする。 ◇一つのグループでも,可能な C:アメリカからだと,日本は西側かな,東側かな。 らば様々な紹介の仕方を考え C:日本は四方を海に囲まれている島だよ。 てよいことを伝える。 C:日本は島国で,本州の他にもたくさんの島々があるよ。 T:それでは各班の代表の皆さん,みんなに日本の位置と国 ◎掲示用世界地図 土の広がりの様子がよく分かるように紹介してください。 C:ロシアから見て,日本は南にあり,オホーツク海で隔た れています。また,北方領土をめぐる問題が2国間にはあ ります。 C:アルゼンチンから見て日本は地図上で北西にあり,その 間には太平洋があって,日付変更線も通っています。また, 日本の周りには韓国や中国,朝鮮民主主義人民共和国など の国があります。 ◇グループの代表がプレゼン形 発表をする児童と,地図上で位置を指し示す児童とい うように,グループ内で役割分担を行い,発表内容を 一人ひとりがより理解できるようにする。 式で発表し,聞く側は「日本 の国土の位置や広がりがどう なっているかが分かったか」 という観点で評価する。 5 ○学習問題のこたえをまとめ,振り返る。 ◇これまでの授業で学習した言 T:それでは,今日の学習をふまえて学習問題のこたえをま とめていきましょう。 葉を用いつつ,教師主導でま とめていく。 学習問題のこたえ 日本はユーラシア大陸の東側にあり,西側を日本海,東側 を太平洋に囲まれた場所に位置している。多くの島々が日 本には存在し,南北に細長く国土が広がっている。 T:一人ひとりがしっかりと学習問題のこたえを考えること ◆世界の国々・大陸・海洋の名 称や方位などを用いて,日本 の国土の位置や広がりの言い 表し方を考え,的確に表現し ている。 ができましたね。では,今日の学習を振り返りましょう。 (思・判・表/ノート,発表) C:日本がどんなところにあるかが分かりました。 C:日本の周りがどうなっているのかが分かりました。 5