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地雷埋設地域ブオ・ソンクリアチ村小学校建設プロジェクト
1.事業の必要性(背景)
■
カンボジア政府の政策との整合性
カンボジア王国では、カンボジア政府が 2004 年に発表している「成長、雇用、
公平、効率性のための四方形戦略」のなかで、キャパシティビルディングと人
的資源開発は、四方形戦略の 4 つの課題の 1 つとして認識され、この人的資源
開発を達成するために、教育の質の向上とジェンダーの公平の促進の 2 つが、
鍵を握る戦略であると述べている。
また、2000 年に国連で採択されたカンボジア・ミレニアム開発目標では、全
体目標3のなかで、全ての子どもたちが 2010 年までに小学校に通うことと、
2015 年までに 9 年間の普遍的基礎教育を達成することを 目標としている。
これらの戦略や目標に向けて、カンボジア政府の教育・青年・スポーツ省や NGO
など各機関、セクターが教育支援をしてきたことで、都市部 での教育環境は大
きく改善されているが、農村部の遠隔地で、特に地雷埋設地域では、小学校の
環境整備でさえ、まだ遅れたままであり、目標達成のためには遠隔地での教育
支援が必要となっている。
■
カンボジア北西部地雷埋設地域の現状
カンボジア北西部に位置するバッタンバン州は、内戦が最後まで続いた影響で、
激戦地として大量の地雷が埋められた場所であり、地雷埋設地域の開発支援は
遅れており、現在でも初等教育の環境が整備されていない場所が見られる。
■
ブオ・ソンクリアチ村の状況
バッタンバン州バヴェル郡ブオ・ソンクリアチ村も、1979 年~1996 年まで
戦闘が続き、多くの地雷で汚染された村であったが、2009 年までにカンボ ジ
ア政府の地雷撤去団体 CMAC によって、107 個の対人地雷、1 個の対戦車地
雷、62 発の不発弾が 307,759 ㎡の土地から撤去され、テラ・ルネッサ ンス
の提携する地雷撤去団体 MAG によって、5 発の不発弾が 49,530 ㎡の土地か
ら撤去されている。
このように大半の村内の地雷撤去は進んでいるが、村 の開発は遅れており、特
に小学校の環境が悪いために初等教育の質が著しく悪くなっている。
■
ブオ・ソンクリアチ村と周辺村の教育環境
現在は、小学校の校舎がないために、仏教用
としての建物を利用して、2 教室で、2 部制(時
に 3 部制)の授業が実施されているが、カンボ
ジアの教育制度は現在 6・3・3 制であるにも
関わらず、小学校は 1 年生~5 年生(180 名の生
徒)までの授業しか行われていない。
また 2010 年現在、ブオ・ソンクリアチ村統計に 1 歳~6 歳までの登録されて
いる子どもの人数は、全部で 601 名(1 歳:63 名、2 歳:56 名、3 歳:101
名、4 歳:39 名、5 歳:105 名、6 歳:237 名)であり、6 年後には少なく
とも、この村の 601 名の子どもたちが、就学対象年齢に達するが、初等教育を
十分に受ける環境がない状況にある。
またこの他にも、ブオ・ソンクリアチ村に隣接
する村も、ブオ・ソンクリアチ村の教育環境が
遅れていることで影響を受けている。
現在、隣接するダイ・ソー村には 7 教室の小学
校があるが、ブオ・ソンクリアチ村の 75 名の
子どもたちが現在、この小学校に通っており、
ブオ・ソンクリアチ村に小学校が建設されれば、
75 名の生徒が転校する。
ブオ・ソンクリアチ村では、村長や校長先生から、バヴェル郡教育省には何度
も小学校建設要請が出されており、テラ・ルネッサンスにもバヴェル郡の他村
での小 学校建設を 2008 年に実施したことから、教育省からこの村での小学
校建設を要請された。
教育省でも遠隔地での小学校建設を進めているが、バヴェル郡に 限ってもまだ
小学校自体が足りないところが、いくつかの地域であり、バッタンバン全体で
もまだ足りていない状況で、教育省の建設できる資金のキャパシティ を超えて
いる。
また、現在この小学校には、3 名の教員(1 名は
2011 年中に退職予定)しかおらず、小学校が建
設されたとしても、バッタンバンの教員養成学校
を卒業した教 員が派遣され、遠隔地の村で、低い
給料で家を借り、電気も衛生的な水もない環境下
で生活していくことは、非常に困難な状況にある。
多くの遠隔地の村では、教員が授業に専念できる居住環境がないことが、授業
が実施されない原因の1つになっており、小学校建設とともに新たに派遣され
る教
員用の宿舎、また生徒用と兼用のトイレ、貯水タンクもこの村の小学校建設で
は必要となっている。
2.事業内容
6 教室の小学校校舎を、建築の専門家数名以外の建
設労働者を、村の貧困層から雇用する住民参加型の
手法で建設する。校舎に併設して、2 つのトイレを
建設する。
各教室には、それぞれ次のものを提供する。
1. 生徒用机椅子 24 セットずつ
(1 セットの机で低学年であれば 3 名、高学年で 2 名が使用できる)
2. 教卓 1 セットずつ。
3. 黒板 1 つずつ。
2 基の貯水タンクを建設する。1基はトイレ用で、もう1基は教員用宿舎用に
設置する。
3 部屋の教員用宿舎(3 部屋を教員 6 名で使用する)を校舎の近くに建設し、
職員室も兼ねる。屋根にソーラーパネルを設置する。宿舎建設に関しても校舎
同様、住民参加型手法で実施する。
4 名の新たな教員に関しては、教育省から派遣される。
教員、村人の代表者、村長などで構成される教育委員会を設立し、 小学校校舎
の管理方法、経済的な理由で学校に通えていない子どもたちへの支援の方法に
関しての話し合いをするミーティングを月 1 回実施する。
建設期間中 は、そのミーティングにテラ・ルネッサンスのスタッフも参加し、
基本的には村の中で、どのように小学校を管理し、貧困層の子どもたちへの教
育支援をしていくのか村人たち自身が解決方法を探していく形をとり、必要に
応じてテラ・ルネッサンスからのサポートをする。
3.期待される効果
1.1~5 学年の生徒 180 名が 2 部制(たまに 3 部制)で勉強している状況
が、1~6 学年の生徒約 300 名が 2 部制で勉強できるようになる。2 部制で
300 名以上の生徒に、6 学年の授業が実施される。
被益者数の内訳は以下の通り。
・現在のブオ・ソンクリアチ小学校生徒 180 名
・隣村ダイ・ソー小学校に通うブオ・ソンクリアチ村生徒 75 名
・隣村アンロン・レアン小学校の生徒 56 名
・小学校に通っていない子どもたち(推定 120 名)
(小学校に通えていない子どもたちへのサポートを村の教育委員会で話し合い、
初等教育が受けられるよう支援します)
合計約 300 名。
また 2010 年現在、ブオ・ソンクリアチ村統計に 1 歳~6 歳までの登録され
ている子どもの人数は、全部で 601 名(1 歳:63 名、2 歳:56 名、3 歳:
101 名、4 歳:39 名、5 歳:105 名、6 歳:237 名)であり、将来的には
彼らも初等教育を受ける環境を享受することになると考えられる。
2.教員 6 名への居住環境、授業に専念できる環境が整備される。
村は遠隔地に位置しており、教員用宿舎が建設されることで、小学校が建設さ
れた場合に、教員 6 名への居住環境が整備される。特に教員養成学校を卒業し、
新規に派遣される教員が、小学校近くに建てられる宿舎に滞在でき、生活に必
要な水は貯水タンク、電気は宿舎に設置されるソーラーパネル、学校に付属し
て建設 されるトイレによって、授業に専念できる環境が整備される。
4.実施状況
■ 2 月 21 日
平成 22 年度日本NGO連携無償資金協力署名式典
■ 3 月 25 日
建設会社の選定、契約が終わり、小学校の建設を始めました。
■ 4月4日
建設資材注文後、建設予定地へ搬入がされ、土台基礎工事が進
んでいます。
■ 4 月 25 日
クメール正月が明け、建設工事は順調に進んでいます。
■ 5月2日
校舎、教員用宿舎とも、壁の工事へと移っています。
■5 月 11 日
校舎、教員用宿舎の壁の工事も順調に進んでいます。
■5 月 23 日
校舎、教員用宿舎は屋根の工事へ順調に進んでいます。
■5 月 30 日
■6 月 6 日
校舎、教員用宿舎の屋根の工事中
屋根の工事とともに壁のセメント塗りを開始
■6 月 8 日
■6 月 15 日
校舎、教員用宿舎の屋根の工事、校門、国旗掲揚台の建設開始
校舎の壁塗り開始
■6 月 23 日
教員用宿舎の壁塗り、校舎のペンキ塗り開始
■7 月 11 日
机、椅子の製作開始、トイレの建設完了
■7 月 18 日
校舎、教員用宿舎の建設工事のモニタリング
■7 月 19 日
学校建設工事終了後の確認
■9 月 13 日
教員用宿舎へのソーラーパネルの設置とドナー名の記銘
■9 月 29 日
村の教育委員会とのミーティング
■11 月 28 日 教員用宿舎で宿泊できるようになった先生たちと図書室司書、
幼稚園教員2名への教育省スタッフによるトレーニングの実施
■12 月 9 日
■12 月 26 日
新しい校舎での授業の様子
図書室で本を読む子どもたち
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