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鈴鹿市都市マスタープラン全体構想【概要版】(PDF11,892KB)

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鈴鹿市都市マスタープラン全体構想【概要版】(PDF11,892KB)
目
次
第1章 都市マスタープランの策定にあたって・・・・・・・・・・・1
第2章 基本理念と将来都市構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
第3章 土地利用方針とテーマ別都市づくりの方針・・・・・・13
第4章 都市づくりの実現に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
第5章 地域別構想への展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
用語解説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
第1章 都市マスタープランの策定にあたって
1-1 鈴鹿市都市マスタープランの目的
都市マスタープランは,都市計画法第 18 条の2に規定された「市町村の都市計画に関する基本的
な方針」で,長期的な視点に立ち市町村が策定するものです。この「市町村の都市計画に関する基本
的な方針」に基づき,実際の法規制や事業が検討,計画され,都市づくりが進められます。
そこで,鈴鹿市では,「鈴鹿市総合計画2023(以降,「総合計画」といいます)」にある将来都
市像を実現することを目的に「鈴鹿市都市マスタープラン」を策定します。
1-2 鈴鹿市都市マスタープランの計画期間と位置付け
「鈴鹿市都市マスタープラン」は,概ね20年後の都市の将来像を展望しながら上位計画である「総
合計画」に即した内容で定め,計画期間についても整合を図り8年間とし,平成 35 年度を目標年度
とします。
また,都市計画法第6条の2に基づき三重県が定める「都市計画区域の整備,開発及び保全の方針
(以降,「三重県都市マスタープラン」といいます)」(目標年度:平成 32 年度)とも整合を図り策
定し,分野別計画とも連携を図りながら都市づくりを進めます。
なお,「鈴鹿市都市マスタープラン」は,都市計画区域外も含む鈴鹿市全域を対象とします。
上位計画
三重県都市マスタープラン
鈴鹿市総合計画 2023
都市計画区域の整備,開発及び保全の方針
【目標年度:平成35年度】
【目標年度:平成32年度】
鈴鹿市都市マスタープラン
市町村の都市計画に関する基本的な方針
【目標年度:平成35年度】
しあわせ
環境基本計画
地域地区
都市施設
道路整備プログラム
緑の基本計画
市街地開発事業
地区計画
都市再生整備計画
景観計画
地域防災計画
公共施設等総合
管理計画
住生活基本計画
水道ビジョン
など
など
図 都市マスタープランの位置づけ
1
法定都市計画
分野別計画(主なもの)
産業活性化
基本計画
1-3 鈴鹿市都市マスタープランの構成と役割
「鈴鹿市都市マスタープラン」は,全体構想と地域別構想により構成し,それぞれ以下のような役
割を担います。
全体構想
・
・
・
・
将来都市像を市民と共有します。
将来都市像実現に向けて,本市が抱える課題を明確にします。
課題の解決に向けた都市づくりの方向性を定めます。
本市の都市計画の長期的な基本方針を示し,土地利用や道路,公園,市街地
開発事業等の個別の都市計画に反映していきます。
地域別構想
・ 地域独自の課題に応じた「地域別都市づくりの方針」を住民とともに定めます。
なお,本計画は,このうち全体構想を定めるものであり,地域別構想は今後,市民(住民,自治会,
地域づくり協議会,NPO,企業等)と行政(市)が協力して検討し、定めていきます。
2
図 鈴鹿市都市マスタープランの構成
3
第2章 基本理念と将来都市構造
2-1 都市づくりの課題と方向性
社会情勢や鈴鹿市が置かれている状況,地区別会議(H25年度)等から導き出された課題などを
踏まえ,鈴鹿市が目指すべき都市づくりの方向性を以下のように設定しました。
都市づくりの課題
①産業を支える土地利用やインフラ等の整備推進
・商業,観光や工業関連施設の拡充及び新たな産業立地を支援するため,土地利用施策や道路
などインフラの整備が必要となっています。
②災害からまちや地域を守る防災・減災都市づくりの展開
・南海トラフ等による地震・津波対策,集中豪雨による浸水対策,土砂災害対策など,さまざ
まな災害を想定した防災・減災の都市づくりに向け,都市基盤施設,公共施設の再利用・整
備,土地利用の見直しなどが必要となっています。
③市民生活を持続するための生活拠点の形成
・今後人口減少社会を迎えるにあたり,市街地,郊外住宅団地,既存指定集落等の地域拠点に
おける生活利便施設の集約化と都市基盤の維持・再整備が必要となっています。
④市内モビリティ(※1)の充実
・超高齢社会に対応し,誰もが利用しやすい交通環境を確保するため,道路空間や駅周辺の整
備(バリアフリー化など)及び公共交通サービスの維持・充実が必要となっています。
⑤水と緑のネットワークづくりや地域資源(※2)を活かした景観づくりの促進
・緑豊かで潤いのある市街地環境を目指し,自然環境や優良農地の保全,生物多様性に配慮し
た水と緑のネットワークづくりが必要となっています。また,自然や文化・歴史などの地域
資源を再認識・再評価するとともに,これらを活かした鈴鹿市らしい景観づくりが必要とな
っています。
⑥地域力を活かした都市づくりの促進
・地域資源を活かした住民参加による地域づくり活動への支援や,目指すべき都市づくりの課
題解決に向けた行政と市民等との協働による検討が必要となっています。
⑦ライフサイクルコスト(※3)の縮減に配慮した都市整備の推進
・人口減少・少子高齢化の進展への対応や環境負荷の削減に向け,ライフサイクルコストの縮
減を視野に入れた都市づくりや施設の維持管理などが必要となっています。
4
都市づくりの方向性
活力ある都市づくり
都市づくりのテーマ
防災・減災の都市づくり
コンパクトで住みよい都市づくり
モビリティの高い都市づくり
水と緑,景観の都市づくり
テーマを支える視点
地域力を活かした都市づくり
ライフサイクルコストを縮減する都市づくり
※1 モビリティ:移動のしやすさ,移動性のこと。
※2 地 域 資 源:自然環境や歴史・文化から歴史的まちなみ等の物的なものまで,地域まちづくりを実現
するために地域住民が価値のあるものと捉えた資源のこと。
※3 ライフサイクルコスト:建物や構造物の建設から維持管理,最終的な廃棄に至るまでの一生(ライフサ
イクル)を通じて必要な費用の総額のこと。
5
2-2 都市づくりにおける基本理念
「総合計画」で定める将来都市像を実現するため,都市づくりにおける基本理念は,
都市づくりの方向性において示したテーマでもある
「活力ある都市づくり」,
「防災・減災の都市づくり」,
「コンパクトで住みよい都市づくり」,
「モビリティの高い都市づくり」,
「水と緑,景観の都市づくり」と,
これらのテーマを支える視点として
「地域力を活かした都市づくり」,「ライフサイクルコストを縮減する都市づくり」
と設定します。
鈴鹿市総合計画 2023 における将来都市像
みんなで創り 育み 成長し みんなに愛され選ばれるまち すずか
実現するため
都市づくりにおける基本理念
都市づくりの方向性
都市づくりの課題
鈴鹿市都市マスタープラン
図 都市づくりにおける基本理念
6
7
2-3 将来都市構造
(1)将来都市構造の考え方
都市づくりの基本理念となるテーマと,視点を,鈴鹿市の将来都市構造に展開する考え方とイメー
ジを,以下のとおり設定します。
表 将来都市構造の考え方
テーマ
考え方
都市構造への展開
・商業,観光や工業関連施設の拡充と,需要
・土地の高度利用による都市拠点の
に応じて新たな産業立地を推進する土地
利用施策や道路など,産業インフラの整備
活力ある
を推進します。
形成と連携
・国土軸や広域幹線軸を活かした新
たな産業拠点や交流拠点の形成
都市づくり
・鈴鹿ICや(仮称)鈴鹿PAスマ
ートIC周辺の新たな土地利用の
展開
・既存産業の維持・充実
・南海トラフ等による地震・津波や集中豪雨, ・災害対策の推進
防災・減災の
土砂災害など,さまざまな災害を想定した
都市づくり
防災・減災に取り組むため,土地利用施策
・防災・減災機能の強化
や都市基盤施設の整備などを推進します。
コンパクトで
住みよい
都市づくり
モビリティの
高い
都市づくり
・コンパクトな市街地を形成するとともに, ・都市拠点の形成
市街地や郊外住宅団地,既存指定集落など
・コンパクトな市街地の形成
の地域拠点における生活利便施設の集約
・既存指定集落等の環境保全,集落
化や都市基盤の維持,再整備を図ります。
・全ての人が利用しやすい交通環境の確保に
向け,快適な道路空間や駅周辺の整備を図
るとともに,公共交通サービスの維持・充
実に努めます。
景観の
都市づくり
・安全・安心な交通環境の形成
・都市拠点における公共交通結節点
の形成
・公共交通ネットワークの形成
・豊かな自然環境や農地の保全,生物の多様性
水と緑,
拠点の形成
に配慮し,水と緑のネットワークの整備を促
・緑地・公園の保全・活用
・優良農地の保全(緑の中心核など)
進するとともに,地域が有する自然,都市, ・市街地における緑化推進,景観形
文化や歴史的景観などの地域資源を再認
識・再評価し,これらを活かした都市づくり
成
・地域資源を活用した景観形成
を促進します。
視点
考え方
地域力を
・住民参加による地域づくり活動への支援や行政と市民等との協働による都市づく
活かした
りを促進します。
都市づくり
ライフサイ
・ライフサイクルコストの縮減に配慮した都市の整備・修繕などを推進します。
クルコスト
を縮減する
都市づくり
8
図 将来都市構造のイメージ
9
(2)将来都市構造の設定
本市の将来都市構造は,将来都市構造のイメージ図を基に骨格軸(線),拠点(点),ゾーン・エ
リア(面)の3つの要素で構成します。
骨格軸は鉄道や道路等のネットワーク,拠点は機能の充実・強化を図るまちの核として位置づけま
す。ゾーンは概ねの機能で区分して土地利用の方向性を示し,エリアについては今後新たな土地利用
展開の可能性がある概ねの範囲を示すものとして位置づけます。
図 将来都市構造
10
骨格軸
国土軸
広域幹線軸
地域幹線軸
鉄道軸
名古屋圏や関西圏等と連絡し,長いトリップの交通を大量に処理する高規格
幹線道路を位置づけます。
都市構造上において広域的な移動を担う路線であり,三重県域を連絡する長
いトリップの交通を処理する道路を位置づけます。
都市構造上の骨格となり,周辺市で発生する交通処理を担うとともに,市内
の主要な都市拠点を連絡する道路を位置づけます。
人と物流の大量輸送を可能とする鉄道を位置づけます。
拠点
都市拠点
集客拠点
歴史観光拠点
交通結節点であり,土地の高度利用を推進する駅周辺を位置づけます。
市内外からの広域的な集客・交流を促進する観光・レジャー施設を位置づけ
ます。
歴史・文化,景観を活かした魅力ある都市づくりを展開する施設を位置づけ
ます。
ゾーン等
【都市的機能】
住宅ゾーン
商業ゾーン
工業(生産・
複合)ゾーン
都市的な生活を営む場として,商業拠点周辺や鉄道駅周辺に形成される地域
を位置づけます。
地域の活力を創出する場として,都市拠点及びこれら拠点間を連携する広域
幹線軸や地域幹線軸の沿道に形成される地域を位置づけます。
都市型工業の立地を促進する場として,既存工業が立地する地域,国土軸や
広域幹線軸の広域交通利便性を活かした,地域等を位置づけます。
【文化的機能】
文化ゾーン
文化的な機能を有する場として,スポーツ・レクリエーションや学術研究,
歴史・観光等の施設が集積する地域を位置づけます。
【自然的機能】
農業共生ゾーン
自然共生ゾーン
農業と集落が共生する地域として,市街地周囲から西部に広がる水田・花植
木畑・茶畑及び市街地のほぼ中央に位置する大規模な優良農地を位置づけま
す。
自然環境を維持・保全し,市民が自然とふれあう場として,豊かな自然環境
が残る森林を中心とした地域を位置づけます。
【エリア】
新土地需要
エリア
スマートIC
利活用エリア
スポーツ・
レクリエー
ションエリア
レインボウ・
ヒルズ計画
エリア
工業系や物流系の土地需要の高まりにあわせて土地利用を見直す地域とし
て,鈴鹿IC周辺や既存工業団地等を連携する広域幹線軸や地域幹線軸沿道
を位置づけます。
工業系や物流系に加え,観光や 6 次産業の土地需要への高まりにあわせて土
地利用を見直す地域として,(仮称)鈴鹿PAスマートIC周辺及びこれら
へのアクセス道路沿道を位置づけます。
農業共生ゾーンを活かしつつ,スポーツ・文化施設等の整備により交流機能
の強化を図る地域を位置づけます。
不燃・粗大ごみ処理,処分事業を契機として地域特性を活かした開発を進め
る地域を位置づけます。
11
12
第3章 土地利用方針とテーマ別都市づくりの方針
3-1 土地利用方針の考え方
土地利用方針は,「将来都市構造」を具現化するため,テーマと視点に基づく「テーマ別都市づく
りの方針」の重ね合わせにより定めます。
都市づくりの方針
重ね合わせ
土地利用方針
図 土地利用方針の考え方
※テーマに関する都市づくりの方針と,視点に関する取り組みは 22 頁以降参照。
13
3-2 土地利用方針
目標年度(平成 35 年度)における土地利用方針を,以下のとおり設定します。
14
図 土地利用方針
15
骨格軸
国土軸
東名阪自動車道,新名神高速道路(
(都)第二名神自動車動)等の高
規格幹線道路を位置づけます。名古屋圏や関西圏等と連絡し,長いトリ
ップの交通を大量に処理します。
文中の(都)は「都市計画道路」、(主)
は「主要地方道」、(県)は「県道」、
(市)は「市道」を示します。
広域幹線軸
(都)中勢・北勢バイパス,
(都)国道 1 号線,
(都)国道 23 号線,
国道 306 号,
(都)鈴鹿中央線,鈴鹿亀山道路等の市域を縦貫する広
域的な移動を担う道路を位置づけます。
三重県域を連絡する長いトリッ
プの交通を処理します。
地域幹線軸
(都)加佐登鼓ヶ浦線,
(都)石薬師道伯線,
(都)野町国府線,
(都)
汲川原橋徳田線,
(主)亀山鈴鹿線,
(市)花川東庄内線等の市内の骨格
となる道路を位置づけます。四日市市,津市,亀山市等の周辺市で発生
する交通処理を担うとともに,市内の主要な都市拠点を連絡します。
写真 広域幹線軸
((都)鈴鹿中央線)
鉄道軸
近鉄名古屋線,近鉄鈴鹿線,JR 関西本線,伊勢鉄道を位置づけます。
公共交通を中心とした都市機能の向上を図るため,
事業者と連携し適切
な維持に努めます。
写真 鉄道軸(伊勢鉄道)
拠点
都市拠点
鈴鹿市駅周辺,平田町駅周辺,白子駅周辺を位置づけます。本拠点に
おいては,土地の高度利用,都市機能の集約を図り,特色ある市街地形
成を目指します。
集客拠点
鈴鹿サーキット周辺を位置づけます。本拠点においては,広域的な集
客・交流を促進するため,既存の鈴鹿サーキット,鈴鹿青少年の森公園
との一体的な交流機能導入により,
モータースポーツを核とした集客交
流拠点の形成を目指します。
写真 都市拠点(白子駅周辺)
歴史観光拠点
椿大神社周辺,旧東海道・旧伊勢街道のまちなみ,神戸城跡を位置づ
けます。本拠点においては,歴史・文化,景観を保全・活用し,魅力あ
る都市づくりを展開します。
写真 歴史観光拠点(椿大神社)
16
ゾーン等
都市的機能
住宅ゾーン
◆低層住宅ゾーン
一団の住宅地として整備された地域や,
土地区画整理事業等の基盤整
備により,
良好な低層戸建ての住宅地が形成される地域を位置づけます。
本ゾーンでは,用途の混在,敷地の細分化の防止等,良好な住環境の
形成を図ります。
写真 低層住宅ゾーン
◆中高層住宅ゾーン
駅周辺等の利便性が高く,
土地の高度利用の望まれる地域を位置づけ
ます。
本ゾーンでは,駅周辺における商業・業務・サービス機能等の配置に
あわせて,
まちなか居住を促進するため主に中高層住宅を中心とした良
好な住環境の形成を図ります。
◆一般住宅ゾーン
低層住宅ゾーンと中高層住宅ゾーン以外で住宅を主体とする地域を
位置づけます。
本ゾーンでは,需要に応じた中層住宅等の計画的な誘導,幹線道路沿
道等における日用品を主体とする小規模な商業施設の計画的な立地誘
導等により,良好な住環境の形成を図ります。
写真 中高層住宅ゾーン
商業ゾーン(1)
◆商業ゾーン(交通ターミナル型)
地域住民の生活拠点であるとともに,
名古屋圏等への通勤通学のメイ
ン鉄道駅を有する白子駅周辺を位置づけます。
本ゾーンは,
商業地域に指定されているものの土地の高度利用が不足
しています。
したがって,
計画的な市街地整備により,
土地の高度利用,
低・未利用地の活用を図るとともに,地域特性を活かした都市機能・都
市景観の形成を図ります。また,交通利便性を活かした商業・業務・サ
ービス等の都市機能の集積を図り,
鈴鹿市の玄関口にふさわしい駅前広
場整備により備わった交通ターミナル機能を推進力として,
商店街の活
性化を図ります。
写真 商業ゾーン(白子駅周辺)
◆商業ゾーン(広域型)
県内でも有数の規模となる大型商業施設が隣接する平田町駅周辺を位置づけます。
本ゾーンでは,平田町駅周辺を中心とした商業・業務機能を維持するとともに,広域的な集客力の強化
に向けて市街地整備等による商業活性化についても検討します。
また,既存大規模工場,鈴鹿サーキット等に近接する優位性を活かし広域的な競争力をもつ個性と魅力
ある商業地の形成を目指します。
17
◆商業ゾーン(地域型)
地域住民における生活の拠点となる地区であり,かつ商業・行政の集
積と歴史・文化性を有した商業地である鈴鹿市駅周辺を位置づけます。
本ゾーンでは,駅,市役所,地域幹線道路等を中心に形成された商業・
行政・文化機能の維持に努めます。
また,鈴鹿市駅周辺における居住人口の回復を目指し,まちなか居住
を促進するため,都市機能の集約や土地の高度利用を推進します。
写真 商業ゾーン
(鈴鹿市駅周辺)
商業ゾーン(2)
◆近隣商業ゾーン
地域住民の買い物の利便に供する商業機能を有する加佐登駅周辺,
白
子駅東側,東旭が丘二丁目等の(主)亀山鈴鹿線の沿道について位置づ
けます。
本ゾーンにおいては,
周辺住宅地に近接する生活拠点として賑わいの
ある商業空間の形成を図ります。
◆沿道利用ゾーン
都市の骨格軸となる(都)国道 23 号線や(都)鈴鹿中央線,
(都)
加佐登鼓ヶ浦線等の沿道で商業・飲食・サービス等の沿道型施設が立地
する地域を位置づけます。
本ゾーンにおいては,商業・飲食・サービス等の沿道型施設の維持・
充実を促進します。
写真 沿道利用ゾーン
((都)鈴鹿中央線)
工業(生産・複合)ゾーン(1)
◆既存工業ゾーン
牧田・国府地区に集積する一団の工業地及び玉垣町周辺から道伯町に
かけて集積する既存の工業地等を位置づけます。
本ゾーンでは,周辺の住宅地との調和に配慮しつつ,現在の操業環境
の維持を図るとともに,
研究開発機能等の充実や産業の高度化等による
機能拡充を検討します。
写真 既存工業ゾーン
◆新工業ゾーン
(都)野町国府線沿道の住吉町周辺と(都)中勢バイパス沿道の御薗工業団地とその隣接地を位置づけ
ます。
本ゾーンでは,自動車産業機能に近接する地理的特性及び本市の中心産業業務地と国土軸を連絡する地
域幹線軸上に位置する交通利便性を活かし,既存工業を補完するとともに,輸送用機械関連産業,先端材
料活用関連産業,住生活関連産業,モータースポーツ関連産業及び物流関連産業等の立地を誘導し,鈴鹿
市における新たな工業ゾーンの機能拡充を目指します。
工業(生産・複合)ゾーン(2)
◆鈴鹿IC周辺ゾーン
東名阪自動車道の鈴鹿IC周辺を位置づけます。
本ゾーンでは,恵まれた自然環境と広域交通利便性による開発ポテンシャルを活かし,農地等の周辺自
然環境と調和を図りつつ,工業を中心に地場産業である農業や流通業務等の民間活力の導入を推進します。
18
文化的機能
文化ゾーン(1)
◆スポーツ・レクリエーションゾーン
鈴鹿サーキット,鈴鹿青少年の森公園,三重交通Gスポーツの杜鈴鹿
等の集客施設が集積する地域を位置づけます。
本ゾーンでは,鈴鹿サーキット,鈴鹿青少年の森公園,三重交通Gス
ポーツの杜鈴鹿等の集客施設の連携を図り,
国際的なスポーツやイベン
トの開催等スポーツ・レクリエーションによる幅広い文化交流を促進し
ます。
また,
(都)加佐登鼓ヶ浦線と(都)中勢バイパスの交差する地区周
辺では,既存の鈴鹿サーキット,鈴鹿青少年の森公園と一体的な交流機
能の導入を検討し,モータースポーツを核としたスポーツ・レクリエー
ションゾーンの形成を目指します。
写真 スポーツ・
レクリエーションゾーン
(鈴鹿サーキット)
文化ゾーン(2)
◆学術研究ゾーン
鈴鹿工業高等専門学校,鈴鹿医療科学大学,鈴鹿大学といった教育研
究施設や鈴鹿市立図書館,
鈴鹿市文化会館の立地する地域を位置づけま
す。
本ゾーンでは,産学官民の交流を図りつつ既存機能の高度化・更新を
検討することにより,
本市における産業の新たな持続的展開の創出を目
指します。
また,鈴鹿市立図書館,鈴鹿市文化会館等を中心に文化振興を促進し
ます。
写真 学術研究ゾーン
(鈴鹿医療科学大学)
自然的機能
農業共生ゾーン(1)
◆農業ゾーン
市街化調整区域の農用地区域等を位置づけます。
市街化調整区域の農用地区域においては,
農業生産基盤の維持を図る
とともに,
市街地を取り囲む優良農地としての適切な保全と営農環境の
整備促進を図ります。また,様々な農業展開の一環として,観光農園・
市民農園等の多面的な利用を図り,
市民との交流及びレクリエーション
の場としても活用します。
写真 農業ゾーン
農業共生ゾーン(2)
◆集落ゾーン
市街化調整区域にある集落を位置づけます。
本ゾーンでは,優良農地における農業生産を支え,地域コミュニティ
を維持すために,集落における定住性の確保を目指します。また,集落
と優良農地の調和により形成される良好な田園景観を保全します。
写真 集落ゾーン
19
自然共生ゾーン
◆自然共生ゾーン(保全型)
鈴鹿市の北西に広がる鈴鹿山脈等の山並みを位置づけます。
本ゾーンでは,鈴鹿のシンボルの一つであり,国定公園に指定される
などの優れた自然環境を有する山並みについて,
森林の適正管理や観光
資源としての最低限の整備を図ること等を通じ,その形態・生態系の保
全を図ります。
写真 自然共生ゾーン
(鈴鹿山脈)
◆自然共生ゾーン(活用型)
鈴鹿市の西南に広がる丘陵地を位置づけます。
本ゾーンでは,将来的な(都)中勢バイパスの整備,鈴鹿サーキット周辺の整備に合わせて,観光レク
リエーションの需要が高まることが想定されます。したがって,将来的な需要に合わせて,必要に応じて,
里山環境の保全や生物多様性に配慮した整備,市民の活動場所の創出等,自然環境や生物多様性に配慮し
た土地利用を促進します。
鈴鹿市の西南に位置する(市)関亀山鈴鹿線の沿道は,後述する新土地需要エリアとしても位置づけら
れているため,土地需要の高まりに応じて計画的な市街化を検討することもあります。その際にも,自然
との調和,沿道における土地利用等の全体的な土地利用の調整を図りつつ検討を進めます。
◆自然共生ゾーン(レクリエーション型)
入道ヶ岳山麓に古くから鎮座し,猿田彦大神の総本宮である「椿大神
社」,海抜 200m の高台にあり絶景な眺望を有する「桃林寺」,これら
を周遊するように東海自然歩道等,
北西に広がる鈴鹿国定公園内の一角
を位置づけます。
本ゾーンでは,レクリエーションのための整備を必要最小限に留め,
自然環境の保全に配慮した施設整備,土地利用の促進に努めます。
写真 自然共生ゾーン
(桃林寺からの眺望)
公園・緑地ゾーン
鈴鹿青少年の森公園,石垣池公園,鈴鹿フラワーパーク,深谷公園,
海のみえる岸岡山緑地,鈴鹿川河川緑地等の都市公園・都市緑地を位置
づけます。
本ゾーンでは,市民が緑とふれあえる憩いの場として,都市公園・都
市緑地の効率的な整備,維持管理を行います。
写真 公園・緑地ゾーン
(鈴鹿川河川緑地)
エリア,市街地形成検討地区
エリア,市街地形成検討地区は,土地利用の基本的な方針はゾーンの考え方によるものとしますが,今
後新たな土地利用展開の可能性がある概ねの範囲について示しています。なお,この土地利用については,
あくまで市街化調整区域の性格を超えない範囲のものとし,各エリア,市街地形成検討地区の位置づけの
ない市街化調整区域においては開発を抑制するものとします。
20
新土地需要エリア
中心市街地から鈴鹿ICへのアクセス道路である(都)鈴鹿中央線及び(市)関亀山鈴鹿線,
(都)汲川
原橋徳田線,
(都)中勢バイパス等,将来的な交通ポテンシャルの高まりが予想される広域幹線軸等の沿道
を位置づけます。
本エリアにおいては,基本的な土地利用の考え方は農業ゾーンであるものの,大規模な工業地や物流業
務地の開発需要に対応するため,道路整備等条件の整った箇所について,地区計画制度等による計画的な
土地利用を図ります。
なお,今後の新たな産業系の開発にあたっては,コンパクトな市街地形成の観点から新工業ゾーンと鈴
鹿IC周辺ゾーンを最優先とし,次いでそこに隣接する新土地需要エリアへ誘導するものとします。
スマートIC利活用エリア
(仮称)鈴鹿PAスマートICの整備にあわせてその周辺の土地利用を検討する地域を位置づけます。
本エリアにおいては,基本的な土地利用の考え方は農業ゾーンであるものの,大規模な工業地や物流業
務地,
(仮称)鈴鹿PAスマートICやその周辺の歴史観光拠点等を活かした新たな産業や観光施設等の開
発需要に対応するため,道路整備等条件の整った箇所について,地区計画制度等による計画的な土地利用
を図ります。
土地利用規制見直しエリア
沿岸部の低層住宅地(第 1 種,第 2 種低層住居専用地域)を位置づけます。
本エリアにおいては,南海トラフ等の地震に伴う津波からの避難先となる津波避難施設(中高層住宅)
の立地を許容するなど,土地利用規制の見直しなどを検討します。
スポーツ・レクリエーションエリア
農村環境改善センター周辺を位置づけます。
本エリアにおいては,広域交流の促進や農業,スポーツ,文化の融合を図るため,既存施設を活かした
スポーツ施設等の整備を推進します。
レインボウ・ヒルズ計画エリア
鈴鹿市不燃物リサイクルセンター周辺を位置づけます。
本エリアにおいては,最終処分場跡地を利用した良好な住環境の整備と,地域の特性を活かした歴史と
産業振興の調和を図った開発を進めます。
市街地形成検討地区(住居系)
本地区においては,コンパクトな市街地の形成を目指すことを前提に,様々な条件を検討し,新たな住
居系の市街地形成の可能性のある地区として,必要に応じて土地利用の見直しを行います。
市街地形成検討地区(工業系)
本地区においては,周辺環境に配慮しつつ,輸送用機械関連産業,先端材料活用関連産業,住生活関連
産業,モータースポーツ関連産業及び物流関連産業等の立地誘導を推進することで,既存の工業集積地と
一体的に工業ゾーンの形成を図ります。
21
3-3 テーマ別都市づくりの方針
(1)活力ある都市づくり
<方針>
① 都市拠点における土地の高度利用などによる商業の活性化と充実
② 市民の生活や雇用を支える既存産業などの維持と活性化
③ 新たな産業や広域交流を育成するための土地利用の促進
④ 円滑な幹線道路のネットワーク形成と幹線道路沿道の適切な土地利用の誘導
⑤ 鈴鹿ICや(仮称)鈴鹿PAスマートIC周辺における土地利用の活性化
① 都市拠点における土地の高度利用などによる商業の活性化と充実
○ 都市拠点における土地の高度利用や効果的な土地利用誘導により,商業の活性化と機能充実を
図ります。
② 市民の生活や雇用を支える既存産業などの維持と活性化
○ 既存の商店街や商業施設,工業団地等の維持と活性化を図ります。
③ 新たな産業や広域交流を育成するための土地利用の促進
○ 都市計画区域内の未利用地等の活用により,さまざまな地域産業の育成に資するための土地利
用を促進します。
○ 新土地需要エリア,スマートIC利活用エリア,市街地形成検討地区(工業系)における,輸
送用機械関連産業,先端材料活用関連産業,住生活関連産業,モータースポーツ関連産業及び
物流関連産業等の立地誘導を推進します。
○ 広域交流の活性化に向けて,鈴鹿サーキット周辺等において,観光レクリエーション機能・交
流機能の向上のための土地利用を促進します。
○ 広域交流の促進や農業・文化機能の融合を図るため,既存スポーツ施設におけるレクリエーシ
ョン機能や交流機能の強化を図ります。
○ 鈴鹿工業高等専門学校,鈴鹿医療科学大学,鈴鹿大学等といった教育研究施設を中心に,新た
な産業の更新や学術研究,文化振興に対応する土地利用を推進します(学術研究ゾーン)。
④ 円滑な幹線道路のネットワーク形成と幹線道路沿道の適切な土地利用の誘導
○ 整備順位に留意した骨格的な幹線道路の整備,拡幅整備等による円滑な幹線道路のネットワー
クを形成するとともに,幹線道路沿道の適切な土地利用を誘導します。
⑤ 鈴鹿ICや(仮称)鈴鹿PAスマートIC周辺における土地利用の活性化
○ (仮称)鈴鹿PAスマートICの整備を見据え鈴鹿IC(市街地形成検討地区)とスマートI
C間のアクセス道路を整備します。また,地域活性化を目指したそれぞれのIC周辺の土地利
用を検討します。
22
図 活力ある都市づくり
23
(2)防災・減災の都市づくり
<方針>
① 地震・津波,河川・内水氾濫,土砂災害など,さまざまな災害への対策の推進
② 密集市街地などにおける防災・減災の推進
③ 避難場所・避難路などの整備・充実
① 地震・津波,河川・内水氾濫,土砂災害など,さまざまな災害への対策の推進
○ 南海トラフ等による地震とそれに伴う津波への災害対策を推進します。
○ 河川改修や内水氾濫対策等を計画的に推進します。
○ 雨水流出による河川や排水路の洪水負担を軽減するため,市街地周辺における農地や山林を保
全し無秩序な開発を抑制します。
○ 山間部・丘陵地における土砂災害対策を推進します。
② 密集市街地などにおける防災・減災の推進
○ 減災に向けた密集市街地等における防災・減災対策を推進します。
○ 地域の防火・消防体制の強化を推進します。
図 密集市街地の改善イメージ
写真 狭あい道路改善写真
出典:平成 25 年度国土交通白書(平成 26 年 7 月)
③ 避難場所・避難路などの整備・充実
○ 津波浸水予測区域内の既存住宅地における避難場所(中高層避難施設等)の確保に向け,土地
利用規制の緩和を検討します。
○ 安全・安心な避難場所及び避難路の確保に努めます。
○ 災害に強い防災軸(緊急輸送道路等)の構築を推進します。
○ 防災・減災意識の向上を促進します。
写真 鈴鹿市防災公園(桜の森公園)
24
写真 防災訓練のようす(鈴鹿市防災公園)
図 防災・減災の都市づくり
25
(3)コンパクトで住みよい都市づくり
<方針>
① 都市拠点における土地の高度利用と都市機能の誘導
② 市街化区域における良好な住環境の維持・保全,整備
③ 市街化調整区域における既存指定集落などの維持・保全と計画的な土地利用の促進
④ 空家等についての有効な対策の実施
① 都市拠点における土地の高度利用と都市機能の誘導
○ 都市拠点におけるまちなか居住環境の形成に向け,土地の高度利用(中高層住宅)及び都市機
能(医療・福祉施設,公共公益施設,商業施設等)の誘導を図ります。
関連頁:28 頁参照
図 都市機能誘導のイメージ
② 市街化区域における良好な住環境の維持・保全,整備
○ 良好な住環境を維持・保全します。
○ 身近な生活利便施設の維持・充実を図ります。
○ 市街化区域内の低・未利用地の有効利用により,良好な住環境形成を進めます。
③ 市街化調整区域における既存指定集落などの維持・保全と計画的な土地利用の促進
○ 市街化調整区域における既存指定集落等を維持・保全します。
○ 身近な生活利便施設の維持・充実を図ります。
○ 市街地形成検討地区(住居系)等において,計画的な土地利用を図ります。
④ 空家等についての有効な対策の実施
○ 空家等について,有効な対策を実施します。
26
図 コンパクトで住みよい都市づくり
27
(4)モビリティの高い都市づくり
<方針>
① 安全で円滑な道路ネットワークの形成
② ユニバーサルデザインの視点にたった生活道路・通学路,自転車歩行者道の整備
③ 公共交通サービスの充実と交通結節点の利便性向上
① 安全で円滑な道路ネットワークの形成
○ 安全で円滑な道路ネットワークを形成するとともに,地区内への通過交通の軽減による地区内
の交通安全を確保します。
○ 交差点や歩道の安全対策を実施します。
写真 交差点右折レーンのカラー舗装
写真 カラー舗装
写真 交差点や歩道への安全対策
② ユニバーサルデザインの視点にたった生活道路・通学路,自転車歩行者道の整備
○ 生活道路・通学路,自転車歩行者道における安全性・利便性を確保します。
○ 都市拠点及びその周辺においては,歩いて暮らせる都市づくりを目指し,誰もが円滑に移動で
きる道路のバリアフリー化,ユニバーサルデザイン化を図ります。
③ 公共交通サービスの充実と交通結節点の利便性向上
○ 路線バスの定時性の確保に向け,走行環境の改善を図ります。
○ 路線バスとコミュニティバス(C-BUS),タクシー等,多様な移動手段の役割分担と連携に
より,効率的な生活交通手段を確保します。
○ 公共交通空白地域における移動手段の確保に努めます。
○ 主要施設を結ぶ公共交通手段を確保します。
○ 交通結節点となる鉄道駅等へのアクセス道路の整備及び駅周辺における自転車放置禁止区域の
指定を検討します。
○ 交通結節点において,バリアフリーに配慮した施設整備を推進します。
○ 自動車,公共交通,歩行者・自転車等,すべての交通に対する,多様なニーズに対応できる交
通環境の整備を進めます。
28
図 モビリティの高い都市づくり
29
(5)水と緑,景観の都市づくり
<方針>
①
②
③
④
豊かな自然環境や拠点となる緑地・公園などの保全・活用
優良農地の保全と営農環境の整備促進
多様な主体の協働による公共施設や民有地内における緑化の推進
地域資源を活かした良好な景観形成
① 豊かな自然環境や拠点となる緑地・公園などの保全・活用
○ 鈴鹿山脈や里山,鈴鹿川等の河川や池,海岸等,水と緑の環境軸及び拠点となる豊かな自然環
境を保全し,未来への継承を図ります。
○ 市街地に存在する拠点となる緑地・里山や公園等を保全・活用します。
○ 都市公園・都市緑地及び幹線道路の植樹帯,大小河川により水と緑のネットワークを形成しま
す。
○ 緑の基本計画による総合的かつ計画的な施策を展開します。
○ 豊かな自然を保全するため,ゴミ処理施設の計画的な施設更新・整備を検討します。
② 優良農地の保全と営農環境の整備促進
○ 農業生産や環境保全,保水・洪水調整機能等を有する優良農地を保全するとともに,美しい田
園風景を継承します。
○ 農業の担い手づくりや実情に即したほ場保全等,将来を見据えて営農環境の整備を促進します。
○ 景観農業振興地域整備計画の策定による農業景観の保全を検討します。
③ 多様な主体の協働による公共施設や民有地内における緑化の推進
○ 緑豊かな市街地形成のため,幹線道路や駅前広場,官公庁施設等の公共公益施設及び工場や住
宅地等の民有地における緑化を推進します。
○ 市民や事業者等による都市緑化を推進するため,都市緑地法等の諸制度など様々な施策を実施しま
す。
○ 市民の緑化に関する意識向上を推進します。
④ 地域資源を活かした良好な景観形成
○ 都市拠点における,鈴鹿市の玄関口・拠点にふさわしい良好な景観形成を促進します。
○ 市街地開発事業等により新たな緑の創出を促進します。
○ 旧街道の歴史的まちなみや歴史文化遺産,社寺等における樹林を保全するとともに,これらを
地域資源の 1 つとして活用します。
○ 市民参加型により,地域の景観資源の調査を行い,地域づくりへの活用や地区別景観づくり計
画への展開を促進します。
○ 市民との協働により「地区別景観づくり計画」を策定し,計画的な魅力ある生活環境の創出に努
めます。
30
図 水と緑,景観の都市づくり
31
3-4 視点別取り組み
テーマ別都市づくりの方針を実現化するにあたり,常に以下の視点に立って取り組みます。
(1)地域力を活かした都市づくり
<取り組み>
① 地域資源を活かした「地域づくり活動」の支援
② 地域別構想の策定
① 地域資源を活かした「地域づくり活動」の支援
○ 景観や歴史的なまちなみ等,地域資源を活かした住民主体の「地域づくり活動」の支援を推進し
ます。
② 地域別構想の策定
○ 地域の課題解決に向け,行政及び市民(住民,自治会,地域づくり協議会,NPO,企業等)の
協働により、「地域別構想」の策定を推進します。
(2)ライフサイクルコストを縮減する都市づくり
<取り組み>
① 公共施設等総合管理計画に基づくマネジメントの推進
② ストック型社会(※)への取り組み
① 公共施設等総合管理計画に基づくマネジメントの推進
○ 公共施設等の適切な維持管理を推進します。
② ストック型社会への取り組み
○ 官民役割分担の上,道路・公園等ストックの市民(住民,自治会,地域づくり協議会,NPO,
企業等)による維持管理の実施を促進します。
○ 長寿命化に配慮した住宅の建設や既存建物のリフォーム,リノベーション等によるストック型
社会構築への取り組みを促進します。
※ ストック型社会:価値のあるものをつくり,長く大切に使う社会。
32
第4章 都市づくりの実現に向けて
4-1 基本的な考え方
都市づくりの実現に向けて,都市づくりのテーマ別方針とテーマを支える視点別取り組みに基づき,分
野別計画と整合を図りながら,市街地整備や都市施設の整備等を進めていきます。
4-2 土地利用・市街地整備
都市づくりの実現に向けて,「鈴鹿市駅,平田町駅,白子駅周辺における都市拠点の形成」「防災・減
災都市づくりの推進」「市街地形成検討地区における市街化区域編入の検討」に留意し,土地利用及び市
街地整備を推進します。
図 市街地整備方針
※浸水想定区域:鈴鹿川では約 150 年に 1 回,金沢川では約 25
年に 1 回,堀切川では約 30 年に 1 回,中ノ川では約 50 年に 1 回
の大雨が降り,堤防が決壊した場合に浸水が想定される区域を
シミュレーションにより図示したもの。上記以外の河川氾濫,想定
を超える降雨,内水等は考慮していないため,浸水想定区域に含
まれていない区域においても浸水が発生する場合がある。
図 市街地形成検討地区
33
4-3 道路整備
道路の整備/量的な整備の推進目標
表 都市計画道路の整備目標量
平成 26 年度
155.47
81.51
14.76
52.4
改良・
概成率
(%)
61.9
平成 35年度(目標)
155.47
91.12
16.90
58.6
69.5
計画延長
(km)
改良済
(km)
概成済
(km)
改良率
(%)
市街化
区域面積
(km2)
37.195
37.195
線密度
(km/km2)
4.2
4.2
4-4 公園・緑地整備
都市公園の整備/量的な整備の推進目標
表 公園緑地の整備目標量
現況整備量(平成 26 年度)
195.07
200,338
9.74
公園面積合計(ha)
鈴鹿市人口(人)
市民一人当たり面積(㎡)
目標整備量(平成 35 年度)
197.00
200,000
9.85
4-5 河川・下水道整備
河川・公共下水道(雨水)の整備/量的な整備の推進目標
表 河川の整備目標量
準用河川整備率(整備延長/全体延長)
平成 26 年度
平成 35 年度
75%
100%
備 考
金沢川,北長太川,稲生新川
※事業認可区間における整備率
表 公共下水道(雨水)施設の整備目標量
平成 26 年度
都市浸水対策達成率(整備済面積/計画面積)
30%
平成 35 年度
33%
備 考
整備済面積 1,478.3ha
下水道計画面積 4,525ha
公共下水道(汚水)等の生活排水処理の整備/量的な整備の推進目標
表 生活排水処理の整備目標量
下水道普及率(処理区域内人口/住民基本台帳人口)
農業集落排水整備率(処理区域内人口/処理計画区域内人口)
34
平成 26 年度
54%
93%
平成 35 年度
68%
100%
第5章 地域別構想への展開
5-1 地域別構想とは
地域別構想は,行政区(23 区)や小学校区等一定の地域において,市民と行政との協働により,
都市づくりのビジョンやその地域特有の都市づくりの課題に対する解決策等をまとめた地域別都市
づくりの計画です。
地域別構想の検討にあたっては,市民(住民,自治会,地域づくり協議会,NPO,企業等)と行
政(市)が協力して地域別会議を開催し,計画の範囲となる計画区域と都市づくりの課題等を検討・
設定するものとします。
「地域別構想」の概要は以下のとおりです。
<地域別構想の概要>
計画区域:都市づくりの課題を解決するために適した区域
目標年度:平成 35 年度(鈴鹿市都市マスタープラン全体構想の目標年度)
検討主体:行政及び市民
事業主体:行政及び市民
役
割:
・行政(市) 計画策定,都市づくりにおけるハード・ソフト整備と維持管理
・市民
計画策定,都市づくりにおける市民主体活動
5-2 地域別構想の今後の展開
地域別構想策定までの流れは以下のとおりです。また,地区別構想の具体的なイメージを次頁に示
します。
鈴鹿市都市マスタープラン全体構想の策定
地域の課題や機運と全体構想を踏まえた地域の選定
地域別構想の協議・案の作成
鈴鹿市都市マスタープラン地域別構想として策定
地域別構想を踏まえた施策の実現
都市計画制度の運用
(土地利用の検討,規
制の見直し等)
都市施設の整備
(道路整備,公園整
備等)
ソフト施策
(景観形成,商店街
活性化等)
図 地域別構想策定等の流れ
35
図 地域別構想の流れ及び具体的なイメージ
36
参考編 用語解説
【あ】
イメージ
IC(Interchange)
インフラ
NPO
(Non-Profit Organaization)
できあがりの絵姿。
インターチェンジの略称。高速道路の出入口。
インフラストラクチャーの略。道路等の都市基盤のこと。
「特定非営利活動法人」の略称。営利を目的とせず,社会貢献を目的として活
動する,特定非営利活動促進法(NPO法)の規定によって成立した法人格を
取得した団体。
【か】
既存指定集落
狭あい道路
協働
緊急輸送道路
高規格幹線道路
公共交通空白地域
公共施設等
交通結節点
交通ターミナル
交通利便性
交流機能
国定公園
国土軸
骨格軸
コミュニティバス
コンパクト
一定の要件を満たし,市街化調整区域内にあっても開発許可を受け,専用住
宅を建築できる可能性のある集落。
幅員4m未満の道路で,建築基準法第42条第2項,第3項の指定を受けた道
路やこれに準ずる道路。
市民や行政といった,まちづくりの担い手である多様な主体が,まちづくり
に関する共通の目的を持ち,その実現に向け,お互いの信頼関係のもと,役
割と責任を分担して協力し合い,まちづくりに取り組むこと。
地震直後から発生する緊急輸送を円滑に行うための高速自動車国道,一般国
道及びこれらを連絡する幹線道路と防災拠点を相互に連絡する道路。
東名阪自動車道や新名神高速道路といった広域的な移動や三重圏域を連絡す
る道路。
公共交通(鉄道,バス等)が運行していない地域。本市では,鉄道駅,バス
停から半径1㎞以上離れた地域。
公共建築物(ハコモノ)およびインフラ施設(道路,橋りょう等)。
道路のIC,鉄道駅,バスターミナル等の各種交通が集中的に結び合う箇所。
交通手段の結節点。鉄道や自動車等の旅客が集散する拠点。特に鉄道の場合
は,異なる路線の交差する拠点駅や特急等が停車して乗り換える拠点駅。
交通の利便性の高いこと。
物資の物流,人の移動等により,様々な立場のものが互いに交わりを持つ機
能。
自然風景地で,環境省が指定した公園。
新幹線・自動車専用道路・高規格道路等によって結ばれた,人口・産業が集
積する軸上の地域。
道路,鉄道等の都市を形成する骨組み。
地域住民の利便向上等のため,一定地域内の運行するバスで,車両仕様,運
賃,ダイヤ,バス停位置等を工夫したバスサービス。鈴鹿市ではC-Busのこ
と。
小型。まとまった様子。
【さ】
サイクル&ライド
産学官民
市街化区域
市街化調整区域
市民農園
準用河川
ストック型社会
最寄りの駅やバス停まで自転車でアクセスし,鉄道やバスに乗り換えて目的
地まで行く方法。
「産」は産業界,「学」は教育機関・研究機関,「官」は公的機関(行政機関),
「民」は民間企業。これらの機関がそれぞれの立場の力を発揮しながら連携
を図っていくことに用いられる。
都市計画法に規定されている都市計画の内容の一つで,
「既に市街地を形成し
ている区域又は概ね10年以内の優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」
のこと。
都市計画法に規定されている都市計画の内容の一つで,「市街化を抑制すべ
き区域」のこと。
主として都市住民のレクリエーションを目的に農作業が行われる特定の農
地・農園。
一級河川及び二級河川以外の河川で,市長の指定したものをいう。河川法の
一部を準用し,市長が管理する。
価値のあるものをつくり,長く大切に使う社会。
37
スマートIC
生物多様性
スマートインターチェンジの略称。高速道の本線やサービスエリア,パーキ
ングエリア等から乗り降りできるように整備されるインターチェンジ
(IC)
であり,通行可能な車両を,ETCを搭載した車両に限定しているインターチ
ェンジ。
自然生態系を構成する動物,植物,微生物等,地球上の豊かな生物種の多様
性とその遺伝子の多様性,地域の様々な生態系の多様性を意味する包括的な
概念。様々な生物が相互の関係を保ちながら,本来の生息環境の中で繁殖を
続けている状態。
【た】
地域資源
地区計画(制度)
通過交通
津波浸水予測区域
低・未利用地
都市拠点
都市計画道路
都市緑地
土地区画整理事業
土地の高度利用
トリップ
自然環境や歴史・文化から歴史的まちなみ等の物的なものまで,地域まちづ
くりを実現するために地域住民が価値のあるものと捉えた資源のこと。
都市計画法に基づき,地区レベルの視点から,道路,公園等の配置・規模や
建築物の用途・形態等について地区の特性に応じたきめ細かな規制を行う制
度。
その地域や沿道を目的地としない地域を通過するだけの交通。
南海トラフ地震の発生に伴う最大クラスの津波が悪条件下で発生した場合に
想定される浸水の区域及び水深。各都道府県が公表。
既成市街地内の更地・遊休化した工場・駐車場等,有効に利用されていない
土地。仮設の展示場や商店街の空き店舗,密集市街地内の空家等を含み,公
的管理の駅前広場,公園,運動施設や生産緑地等は含まない。
都市的な機能(商業や業務,公的機能等)が集積している拠点。鈴鹿市では
主要な都市拠点として,神戸,牧田,白子地区がある。
都市計画法に基づき,都市計画に定められた道路。
主に都市の自然環境の保全及び改善,都市景観の向上を図ることを目的に設
置する都市公園の一種。
互いの土地を少しずつ出し合い,道路・公園等の公共施設の新設・改良と土
地の整形を行い,土地の利用価値を高め,快適・安全で住みやすくなる市街
地を整備する事業。
道路等の公共施設の整備水準が一定以上の土地について,有効な空地を確保
し,一定以上の敷地規模の確保等により,良好な市街地環境を形成し,土地
を効率的に利用すること。
人又は車の移動のこと。
【な】
内水氾濫
ニーズ
ネットワーク
農業振興地域
農用地区域
市街地の雨水処理能力以上の大雨が降り,雨が地表にあふれること。
需要,要求,要請。
網の目状の組織や構成のこと。
自然的,経済的,社会的条件を考慮して一体としては農業の振興を図ること
が必要であると認められる土地。「農業振興地域の整備に関する法律」に基づ
き,都道府県知事が指定される。
農業振興地域内における集団的に存在する農用地や土地改良事業の施行にか
かる区域内の土地等,生産性の高い農地等,農業上の利用を確保すべき土地
として指定された農地。
【は】
バイパス
バリアフリー
物流業務
ポテンシャル
既存の道路に対して自動車用の迂回路。
障がいのある人が社会生活している上で障壁(バリア)となるものを除去す
ること。
生産物の生産者から消費者までの移動を担う業務。包装・輸送・保管・荷役・
情報等の活動を包括する。
潜在的に持つ力。可能性。
【ま】
マスタープラン
都道府県等が,都市計画区域ごとに区域区分の有無等,主要な都市計画決定
の方針を定める「都市計画区域マスタープラン」,また,それに即し,市町村
が,地域に密着した見地から定める都市計画の方針の「市町村マスタープラ
ン」及び「立地適正化計画」のこと。
38
密集市街地
モビリティ
道路等の基盤整備が行われないまま,建築物が高密度に立ち並んだ市街地の
こと。
移動しやすさ,移動性のこと。
【や】
優良農地
ユニバーサルデザイン
農業生産基盤が整った,優れた環境の農地。
だれもが利用できる建物や環境等のデザイン。
【ら】
ライフサイクルコスト
流通業務
レクリエーション
建物や構造物の建設から維持管理,最終的な廃棄に至るまでの一生(ライフ
サイクル)を通じて必要な費用の総額。
商品等が世間に流れ通う「流通」及び商売上の仕事である「業務」のこと。
仕事や勉強等の疲れを癒し,精神的・肉体的に新しい力を盛り返すための休
養・娯楽。
鈴鹿市都市マスタープラン
平成 9年12月
平成13年 2月
平成18年 3月
平成20年10月
平成28年 4月
策定
一部改定
改定
一部改定
改定
発行:鈴鹿市
39
Fly UP