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国際比較ゼミ 後期総括

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国際比較ゼミ 後期総括
日本酒輸出に向けた国際比較
Allata KUBO , Yuka HAYASHI
Hayato SHIMIZU , Nozomi WAKABA
SENSHU UNIVERSITY
流れ
•分析テーマ
•現状分析
•国際比較
•まとめ
分析テーマ
農産物の輸出額拡大
米を加工して日本酒を輸出!
農産物輸出入額と純輸出額の国際比較
(2009)
(億ドル)
1,200
出所:農林水産省
1,000
輸出
輸入
純輸出
800
600
400
200
800
日本の農業輸出額は各国に比べ少ない。
ブラジル
オランダ
アルゼンチン
アメリカ
タイ
オーストラリア
インドネシア
フランス
カナダ
スペイン
インド
スイス
イタリア
ドイツ
韓国
中国
スウェーデン
600
ロシア
400
イギリス
200
日本
0
品目別産出額の推移
出所:農林水産省「生産農業所得統計」
農業総産出額の推移
(億円)
45,000
対策期間
ウルグアイ・ラウンド期間
40,000
注:その他は、麦類、雑穀、豆類、
いも類、花き、工芸農作物、
その他作物、加工農産物の計
35,000
30,000
米
25,000
野菜
20,000
果実
15,000
畜産
10,000
その他
0
1980年
82
84
86
88
90
92
94
96
98
2000
02
04
06
08…
5,000
昭5
和5
年
5 平元
8 成年
4
8
1
2
1
6
2
0
2
4
2
7
米の生産が最も多い一方で、
米の産出額の減少具合が最も著しい。
酒類の輸出金額・数量の推移
金額ベース
25,000
合計
9,000
8,000
20,000
7,000
日本酒
15,000
ウイスキー
5,000
4,000
10,000
3,000
2,000
5,000
70,000
40,000
60,000
35,000
ビール
6,000
数量ベース
KL
45,000
50,000
30,000
25,000
40,000
20,000
30,000
リキュール 15,000
焼酎等
20,000
10,000
10,000
5,000
出所: 国税庁
0
0
2012
その他(ワイ
ン等)
2011
2012
2011
2010
2009
2008
2007
0
2010
0
2009
1,000
2008
10,000
2007
(百万円)
数量は横ばいだが、輸出額は伸びていて比較的高価格
→日本酒が高額化している=需要がある。
出所 JETRO
単位 % (回答者数)
日本産清酒の評価
イタリア (307)
23.1
フランス (315)
21.9
米国…
韓国
48.9
47.3
21.8
(272)
9.2
(301)
中国…
全体
(2173)
26.1
17.9 0.6
77.1
15.3 0
非常に高く評価する
3.8 0
62.5
18.7
62.4
20%
1.5
71.5
33.8
0%
7.9
8.7 2.5
63.2
7.6
1
22.9
66.9
台湾… 10
香港
27
40%
やや高く評価する
17
60%
やや低く評価する
80%
1.9
100%
非常に低く評価する
日本酒は海外で高い評価を得ている
日本酒
©石本酒蔵
場数
2,000
1,950
1,900
日本酒の生産者・生成量
出所:国税局
679,549
kL
700,000
600,000
1,920
500,000
1,850
1,800
440,472 400,000
1,750
300,000
1,700
1,650
1,600
1,550
200,000
生産者数
1,559
100,000
生成数量
1,500
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
生産者数、生成量共に減少
蔵元の売り上げ高分布(2010)
出所:国税局
N=523社
196
1億円未満
246
1〜5億円未満
42
5〜10億円未満
27
10〜50億円未満
50〜100億円未満
6
100億円以上
6
0
20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260
1〜5億円の中小企業が大半。
蔵元の経営状態
売上高の状況(2010:前年度比)
増収
29%
減収
71%
出所:国税局
損益の状況(2010:前年度比)
減益/
赤字
18%
減益/
黒字
39%
増益/
黒字
34%
増益/
赤字
9%
増益かつ黒字は34%と厳しい経営状態。
日本酒の現状からみえた課題
全国1,709の酒蔵が存在しているが、ほとんど中小企
業であるため輸出へのリソースが乏しい。
海外からの需要が一部の地域にしかない
PRする力も弱い。
輸出モデルが確立されていない。
安定した供給をすることができない。
成功例をもとに日本酒の輸出拡大を図る
日本
から
日本
酒
似た性質の農産品
「A」国
から
「B」
世界へ
日本酒の比較対象
醸造
◎醸造酒
◎原料:ブドウ
◎風味が強い
ワイン
◎地域性を色濃く持つ
蒸留
◎醸造酒
◎原料:米
◎風味が強い
日本酒
◎生産国は日本のみ
ワインの輸出上位10カ国
出所:Les exportations françaises de Vins et Spiritueux
国
フランス
イタリア
スペイン
ドイツ
ポルトガル
オーストリア
チリ
アメリカ
ニュージーラン
ド
アルジェリア
平均
合計
Mill.€
2012年
4,690.6
2,359.6
973.7
707.5
1,523.7
1,399.5
1,077.4
767.0
昨年比
8.9%
6.5%
6.5%
-0.8%
7.6%
6.8%
14.7%
11.5%
18.6%
711.3
2,676.7
25,290.0
16.6%
8.0%
8.3%
7,836.6
Mill.L
2012年
1,499.2
€/L
2012年
1,947.2
396.0
338.6
734.9
751.7
400.9
175.8
昨年比
5.6%
-8.8%
-13.6%
-4.6%
10.1%
2.0%
12.8%
-5.0%
4.6%
2.21
1.21
2.46
2.09
2.07
1.89
2.69
4.36
昨年比
3.1%
16.7%
23.4%
4.0%
-2.3%
4.7%
1.7%
17.3%
13.5%
364.7
761.6
9,903.1
15.0%
11.6%
-1.7%
1.95
3.51
2.55
1.4%
-3.3%
10.2%
2,120.0
5.23
欧州のワイン前年比生産量は-6.2%減少しているものの、
1ml当たりの価格は14.4%上昇。
なかでもフランスの輸出量は飛び抜けて多い。
Françe
フランスワインの基礎情報
フランスの国別ワイン輸出量
2011〜2012の伸び率
輸出量 上位15国(2012)
-13
-8.8
-7.1
-6.5
-1.4
-1.2
0.2
1.1
3.2
7.4
デンマーク
スウェーデン
2%
イタリア
2%
スイス
カナダ
4%
5%
デンマーク
2%
リトアニア
1%
香港
1%
ロシア
1%
香港
ドイツ
イギリス
ドイツ
19%
ベルギー
リトアニア
スウェーデン
日本
6%
オランダ
スイス
イギリス
16%
オランダ
9%
カナダ
16
アメリカ
21.8
25.6
日本
中国
アメリカ
9%
中国
11%
※内、着色部分は欧州域内への輸出
34.6
イタリア
ベルギー
12%
(%)
69.9
ロシア
-15 -10 -5
0
5
10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
近隣のEU域内に向けた輸出量が多い。
フランスの国別ワイン輸出額
輸出額上位15国(2012)
イタリア
2%
シンガポール
4%
スウェーデン
2%
2011〜2012の伸び率
オーストラリア
1%
-26.2
-9.6
-2.9
-0.5
5.7
7
7.6
9.1
9.8
13
14.5
17.4
18.1
香港
イタリア
デンマーク
オランダ
5%
デンマーク
1%
香港
5%
イギリス
20%
ドイツ
ベルギー
オランダ
スウェーデン
カナダ
5%
イギリス
スイス
6%
中国
アメリカ
16%
カナダ
シンガポール
日本
7%
スイス
中国
8%
ベルギー
8%
アメリカ
ドイツ
10%
※内、着色部分は欧州域内への輸出
25.6
日本
(%)
-30
-25
36.4
オーストラリア
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
同様にEU域内への輸出額が大きい
域外ではアメリカ、中国が目立つ。
30
35
40
地域別ワイン生産量と生産額
1%
2%
VOLUME (caisses de 12 bouteilles)
0%
4%
VALEUR (milliers €)
BORDEAUX
2%
CHAMPAGNE
3%
3%
CÔTES DU
RHÔNE
BOURGOGNE
5%
34%
8%
LANGUEDOC
ROUSSILLON
AUTRES AOP
VAL DE LOIRE
8%
2% 1% 0%
0%
2%
3%
36%
11%
5%
BEAUJOLAIS
ALSACE
10%
15%
10%
PROVENCE
ROUGE ET ROSE
BERGERAC
35%
CAHORS
ボルドー、シャンパーニュ地方で約半数を占めており、
ボルドーワインの付加価値の高さが伺える。
除梗
破砕
ブドウ
瓶内
熟成
発酵
ブレンド
START!
瓶詰
め
出荷
ボルドー
赤ワイン
の生産工程
ブレンド
清澄
GOAL!
圧搾
澱引き
樽熟
成
フランスワインの成功要因
フランスワインの成功要因
AOC(Appellation d'Origine Contrôlée)
フランスの農業製品に対して与えられる原産地統制認証。
・その地で収穫された葡萄のみの使用。
・許可されている葡萄品種であること。
AOC
42%
・最低アルコール度数の設定。
・栽培法等に関する諸規定。
・生産過剰による品質低下を防ぐため、
生産量の制限。
・葡萄の糖度に関する規定。
・醸造法の規定。
Vins De Table
12%
Vins De Pays
26%
ボルドー、ブルゴーニュは
地域独自の格付けを持つ。
AOCの
基準
ボルドー独自の格付け
上質
村名
地区名
地域名
格付け級
シャトー
ブルジョワ級
シャトー
シャトー
ゼネリック
上質
ブルゴーニュには畑名の入るワインもあり、厳密に差別化。
フランスワインの成功要因
フランスのワイン同業者委員会
フランスのワイン生産者の多くは規模が小さく、
独自に輸出・販売促進を行う余力はない。
産地毎に設立された産地別ワイン同業者委員会が、
販売促進やマーケティングにおいて大きな役割を果た
す。
19のワイン同業者委員会の一覧
ボジョレー同業者委員会
リヨネ同業者委員会
ジュラ同業者委員会
ビュジェ同業者委員会
ルシヨンワイン
同業者委員会
ベルジュラック
同業者委員会
カイヤック同業者委員
会
ブルゴーニュ
同業者委員会
ロレーヌ同業者委員会
デュラス同業者委員会
ロワール同業者委員会
コルシカ同業者委員会
ボルドー同業者委員会
アルザス
同業者委員会
南西フランス
同業者委員会
ヴァン・ド・フランス
同業者委員会
ラングドッグ
同業者委員会
プロバンス
同業者委員会
シャンパーニュ
同業者委員会
出所:ブロマーコンサルティング
ボルドー委員会(CIVB)
1948年設立。生産者(1,200軒) と卸商(400軒) が加入。
活動内容
1)生産者への技術・経営支援
• 耕作技術、醸造等ものづくり技術、マーケティング、企業経営
に関する情報支援と講習会
2)市場動向調査と情報提供
• 国内外の市場動向、消費者調査、業界調査
3)広報とプロモーション
• 世界の食品関連見本市への出展参加、メディアキャンペーン、
フランス食品振興会との共同イベントの企画・運営、世界各地
に点在する協会認定講師を通じたボルドーワイン講習会 等
フランス政府による
ワイン生産者への金銭的支援
経営困難な生産者に対する助成金及び各種負担軽減措置
年間300万ユーロ
経営が困難になっている生産者への支援(特別貸し付け)
年間4,000 万ユーロ
共同ワイン倉庫の経営に対する貸付け
年間1,500 万ユーロ
若年生産者特別支援
年間850 万ユーロ
出所:JETRO
海外におけるフランスワインの販売促進
850万ユーロ
VQPRD(地域限定生産良質ワイン)200万HLの
処分補助金
1HL当たり 1,914ユーロ
早期退職者に対する各種支援
出所:JETRO
充実した支援政策が行われているため、
安心して生産に取り組むことができる。
輸出促進
ユビフランス(仏企業国際展開支援庁)
大使館経済部(世界117ヵ国の159ヵ所、職員数1,895人)が、
フランス企業への情報提供や、海外進出を支援。
[活動内容]
情報提供
[組織図]
市場・顧客
の開拓支援
人材派遣
企業の
支援
PR支援
部門ヘッド、
プロジェクトマネージャー
食品・フード
チェーン課(18
名)
調査・統計・
ニュース・食品
ネットワーク
イベント課 (12
名
ワイン・スピ
リッツ・飲料課
(10名)
農業機械/機
器・農業/食
品産業投入物
課(10名)
フランスワインの成功要因
EUの農産物プロモーション活動費用の割合
出所:Directorate General of Agriculture and Rural
EUによるプロモー
ション活動,
1,100,000 €
その他の農産物
プロモーション,
58,000,000 €
ワインの
費用に 71%
ワインNSPにおけ
るプロモーション
補助, 144,000,000 €
EU産ワインの国際競争力を高めることを目的に、
域外で実施している各国のプロモーション活動を支援。
協同組合
収穫量
23%
42のワイン醸造協同組合、
6の醸造協同組合連合が存在。
77%
参加
不参加 耕作面積
Bordeaux
22%
生産者の43%は
そのいずれかに所属。
78%
出所:Directorate General of Agriculture and Rural
小規模農家が中心となって形成。
フランスワインの成功要因
ブ
ド
ウ
生
産
者
ボルドーワインの
生販分業型流通システム
生産に
専業
約3%の
販売手数料
が収入に
ワ
イ
ン
生
産
者
130
社
資金・技術
「生産者元詰めワイン」と
独自ブレンド用の
「バルク・ワイン」を買付ける。
ワ
イ
ン
仲
介
人
ワ
イ
ン
商
400
社
買
い
手
資金と技術を持つワイン商が各種の生産過程に介入し、
更なる品質向上を図る。
生販分業型流通システム
を用いる理由
品質管理技術
寝かせた方が高品質になるため、長期間タルで熟成
熟成、ブレンド、瓶詰等の生産工程、
品質管理を担うワイン商にノウハウが蓄積。
運転資金の拠出
一年半の全行程をワイン生産者が
負担するのは、資金的に無理。
かつ、各国のニーズに
あった販売が可能!
ボルドーのワイン商 ブケラ氏
まとめ
品質保証
国が定めた基準によって品質を保証
生産面
◎小規模農家でも独自に組合を形成し技術や情報の伝達によって、
お互いを助け合っている。
◎大規模な補助政策によって生産者を保護することで
生産に特化している。
分業制
生産と販売を分業することでコストを減らし安定した供給が可能に!
生産
性
製販
分業
品質
保証
政府
保障
日本の農産品を世界へ!
Thanks!
補足資料
Jean-Baptiste AUDY
(ジャン・バティスト・オーディー)
◎1906年創立、100年以上の歴史を持つワイン商
◎床面積1万5千㎡の貯蔵庫を持ち、数百万本のワイン
が貯蔵されている
◎ボルドーの全生産地帯のシャトーと提携関係を結んで
いる
◎売り上げの65%は海外への輸出
◎同族者経営のワイナリーが5つ存在
J.P.Moueix
(ジェー・ピー・ムエックス)
◎創立1937年の歴史を持つワイン商
◎2万㎡の貯蔵庫を持つ
◎サンテミリオンとポムロールの二つの地域の赤ワイン
に特化
◎多数のシャトーとの提携契約を結ぶ
◎いくつかのシャトーとは輸出専売契約を結ぶ
◎30カ国以上の市場でプロモーションやマーケティン
グ活動を行っている
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