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4-348 LTC1435A 高効率低ノイズ同期式降圧 スイッチング・レギュレータ

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4-348 LTC1435A 高効率低ノイズ同期式降圧 スイッチング・レギュレータ
LTC1435A
高効率低ノイズ同期式降圧
スイッチング・レギュレータ
特長
概要
■
LTC®1435Aは、固定周波数アーキテクチャで外部Nチャ
ネル・パワーMOSFETをドライブする同期整流型降圧ス
イッチング・レギュレータ・コントローラです。デュー
ティ・サイクル範囲が5%∼99%と広いので、高いVINか
ら低いVOUTへのDC/DC変換、およびバッテリ駆動シス
テムの動作時間を延長する低ドロップアウト動作が可能
です。バースト・モードTM動作は、低負荷電流時に高能
率を提供します。
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■
デュアルNチャネルMOSFET同期ドライブ
プログラム可能な固定周波数
広いVIN範囲:3.5V∼36V動作
高周波、低デューティ・サイクルのアプリケーション
のための低い最小オン時間(300ns以下)
低ドロップアウト動作:99%デューティ・サイクル
低いスタンバイ電流
二次巻線フィードバック・コントロール
プログラム可能ソフト・スタート
リモート出力電圧センス
ロジック制御によるマイクロパワー・シャットダウ
ン:IQ < 25µA
フォールドバック電流制限(オプション)
優れた入力および負荷過渡応答のための電流モード動作
出力電圧:1.19V∼9V
16ピン細型SOおよびSSOPパッケージで供給可能
アプリケーション
■
■
■
■
■
ノートブックおよびパームトップ・コンピュータ、PDA
セルラー電話およびワイヤレス・モデム
携帯用計測器
バッテリ駆動デバイス
DC電力配分システム
動作周波数は1つの外付けコンデンサで設定でき、効率
を最適化する為の最大の柔軟性を与えます。二次巻線帰
還制御ピンSFBは、連続動作を強制することにより、メ
イン出力の負荷に関係なく、レギュレーション動作を保
証します。バースト・モードはノイズやRF障害を排除
したいのであれば、SFBを“L”にすることによって禁止
できます。
ソフトスタートは適切な電源シーケンスのために、外付
けコンデンサで設定します。動作電流レベルは外付けの
電流検知抵抗によってユーザが設定可能です。入力電源
範囲が広く、3.5Vから30V(最大36V)で動作可能です。
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
Burst Modeはリニアテクノロジー社の商標です。
標準的応用例
VIN
4.5V TO 22V
COSC
43pF
CSS
0.1µF
CC
330pF
COSC
VIN
RUN/SS
TG
ITH
SW
M1
Si4412DY
SGND
BOOST
+
4.7µF
BG
VOSENSE
SENSE –
RSENSE
0.033Ω
VOUT
1.6V/3A
R1
35.7k
CB
0.1µF
INTVCC
100pF
CIN
22µF
35V
×2
L1
4.7µH
DB
CMDSH-3
LTC1435A
RC
10k
+
M2
Si4412DY
R2
102k
D1
MBRS140T3
PGND
SENSE +
1000pF
1435A F01
図1. 高効率降圧コンバータ
4-348
OUT
+ C100µF
6.3V
×2
LTC1435A
絶対最大定格
パッケージ/発注情報
入力電源電圧(VIN).................................... 36V ∼−0.3V
トップサイド・ドライバ電源電圧
(BOOST).. 42V∼−0.3V
スイッチ電圧(SW)................................ VIN+5V∼−5V
EXTVCC電圧 ............................................... 10V∼−0.3V
SENSE+、SENSE−電圧 .......... INTVCC+0.3V∼−0.3V
ITH、VOSENSE電圧 ...................................... 2.7V∼−0.3V
SFB、RUN/SS電圧 .................................... 10V∼−0.3V
ピーク・ドライバ出力電流 < 10µs(TG、BG).......... 2A
INTVCC出力電流 .................................................... 50mA
動作周囲温度範囲 ...........................................................
LTC1435AC ................................................ 0℃∼70℃
LTC1435AI ........................................... −40℃∼85℃
接合温度(Note 1)................................................. 125℃
保存温度範囲 ......................................... −65℃∼150℃
リード温度(半田付け、10秒)............................... 300℃
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
COSC 1
RUN/SS 2
16 TG
15 BOOST
ITH 3
14 SW
SFB 4
13 VIN
SGND 5
12 INTVCC
VOSENSE 6
11 BG
SENSE–
10 PGND
7
SENSE+ 8
LTC1435ACG
LTC1435ACS
LTC1435AIG
LTC1435AIS
9
EXTVCC
G PACKAGE
S PACKAGE
16-LEAD PLASTIC SSOP 16-LEAD PLASTIC SO
TJMAX = 125°C, θJA = 130°C/ W (G)
TJMAX = 125°C, θJA = 110°C/ W (S)
ミリタリ・グレードに関してはお問い合わせください。
4
電気的特性 注記がない限り、TA=25℃、VIN=15V、VRUN/SS=5V
SYMBOL
PARAMETER
Main Control Loop
IIN VOSENSE
Feedback Current
VOSENSE
Feedback Voltage
∆VLINEREG
Reference Voltage Line Regulation
∆VLOADREG
Output Voltage Load Regulation
VSFB
ISFB
VOVL
IQ
Secondary Feedback Threshold
Secondary Feedback Current
Output Overvoltage Lockout
Input DC Supply Current
Normal Mode
Shutdown
VRUN/SS
Run Pin Threshold
IRUN/SS
Soft Start Current Source
∆VSENSE(MAX) Maximum Current Sense Threshold
tON(MIN)
Minimum On-Time
TG Transition Time
Rise Time
Fall Time
BG Transition Time
Rise Time
BG tr
Fall Time
BG t f
Internal VCC Regulator
VINTVCC
Internal VCC Voltage
VLDO INT
INTVCC Load Regulation
VLDO EXT
EXTVCC Voltage Drop
VEXTVCC
EXTVCC Switchover Voltage
TG t r
TG t f
CONDITIONS
TYP
MAX
UNITS
10
1.19
0.002
0.5
– 0.5
1.19
–1
1.28
50
1.202
0.01
0.8
– 0.8
1.22
–2
1.32
nA
V
%/V
%
%
V
µA
V
280
16
1.3
3
150
250
25
2
4.5
180
300
µA
µA
V
µA
mV
ns
CLOAD = 3000pF
CLOAD = 3000pF
50
50
150
150
ns
ns
CLOAD = 3000pF
CLOAD = 3000pF
50
40
150
150
ns
ns
5.0
– 0.2
130
4.7
5.2
–1
230
V
%
mV
V
(Note 2)
(Note 2)
VIN = 3.6V to 20V (Note 2)
ITH Sinking 5µA (Note 2)
ITH Sourcing 5µA
VSFB Ramping Negative
VSFB = 1.5V
MIN
●
1.178
●
●
●
1.16
1.24
EXTVCC = 5V (Note 3)
3.6V < VIN < 30V
VRUN/SS = 0V, 3.6V < VIN < 15V
●
VRUN/SS = 0V
VOSENSE = 0V, 5V
Tested with Square Wave, SENSE – = 1.6V,
∆VSENSE = 20mV (Note 5)
6V < VIN < 30V, VEXTVCC = 4V
IINTVCC = 15mA, VEXTVCC = 4V
IINTVCC = 15mA, VEXTVCC = 5V
IINTVCC = 15mA, VEXTVCC Ramping Positive
0.8
1.5
130
●
4.8
●
4.5
4-349
LTC1435A
電気的特性 注記がない限り、TA=25℃、VIN=15V、VRUN/SS=5V
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
Oscillator
fOSC
Oscillator Frequency
COSC = 100pF (Note 4)
112
125
138
kHz
● は全動作温度範囲の規格値を意味する。
Note 3:スイッチング周波数で発生するゲート電荷により動作時消費電流は高
くなる。アプリケーション情報を参照。
Note 4:発振器周波数はCOSCの充電および放電電流を測定し、次の式を適用し
てテストされる:
LTC1435ACG/LTC1435ACS:0℃ ≤ TA ≤ 70℃
LTC1435AIG/LTC1435AIS:−40℃ ≤ TA ≤ 85℃
Note 1:TJは周囲温度TAと消費電力PDから、次の式で計算される。
(
)(
)
8.4(108)
1 + 1 –1
fOSC (kHz) = C
OSC (pF) + 11 ICHG IDIS
LTC1435ACG/LTC1435AIG:TJ=TA+(PD)(130℃/W)
LTC1435ACS/LTC1435AIS:TJ=TA+(PD)(110℃/W)
Note 2:LTC1435Aは、VOSENSEを誤差アンプの平衡点(VITH=1.19V)にサーボ
制御する帰還ループでテストされる。
Note 5:最小オン時間テスト条件は、インダクタのピーク・ツー・ピーク・
リップル電流がIMAXの40%以上の場合に対応する(アプリケーション情報セク
ションの「最小オン時間の検討」を参照)。
標準的性能特性
効率と入力電圧
VOUT=5V
効率と入力電圧
VOUT=3.3V
効率と負荷電流
100
100
100
VOUT = 3.3V
VOUT = 5V
95
95
85
ILOAD = 100mA
80
90
EFFICIENCY (%)
90
EFFICIENCY (%)
EFFICIENCY (%)
90
ILOAD = 1A
ILOAD = 1A
ILOAD = 100mA
85
80
85
80
75
Burst Mode
OPERATION
70
CONTINUOUS
MODE
65
60
75
75
VIN = 10V
VOUT = 5V
RSENSE = 0.033Ω
95
55
70
70
0
5
10
15
20
INPUT VOLTAGE (V)
25
30
0
5
25
10
15
20
INPUT VOLTAGE (V)
VIN−VOUTの電圧ドロップと
負荷電流
VITHピン電圧と出力電流
ロード・レギュレーション
3.0
RSENSE = 0.033Ω
∆VOUT (%)
0.4
0.3
0.2
0.1
– 0.25
2.5
– 0.50
2.0
VITH (V)
RSENSE = 0.033Ω
VOUT DROP OF 5%
– 0.75
0.5
1.0
1.5
2.0
LOAD CURRENT (A)
2.5
3.0
1435A G04
4-350
1.5
Burst Mode
OPERATION
–1.00
1.0
–1.25
0.5
–1.50
0
0
10
1435A G03
0
0.5
1
0.01
0.1
LOAD CURRENT (A)
1435A G02
1435A G01
VIN – VOUT (V)
50
0.001
30
CONTINUOUS
MODE
0
0
0.5
1.0
1.5
2.0
LOAD CURRENT (A)
2.5
3.0
1435A G05
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
OUTPUT CURRENT (%)
1435A G06
LTC1435A
標準的性能特性
入力電源電流および
シャットダウン電流と入力電圧
100
VOUT = 5V
EXTVCC = VOUT
60
VOUT = 3.3V
EXTVCC = OPEN
1.0
40
0.5
20
200
VEXTVCC = 0V
180
70°C
0
25°C
– 0.3
0
5
10
15
20
INPUT VOLTAGE (V)
140
25°C
120
100
– 55°C
80
60
40
20
SHUTDOWN
0
70°C
160
0.3
EXTVCC – INTVCC (mV)
SUPPLY CURRENT (mA)
80
SHUTDOWN CURRENT (µA)
2.0
0.5
∆INTVCC (%)
2.5
1.5
EXTVCCスイッチの電圧降下と
INTVCCの負荷電流
INTVCCのレギュレーションと
INTVCCの負荷電流
25
0
30
– 0.5
0
10
15
5
INTVCC LOAD CURRENT (mA)
0
1435A G07
20
0
2
4 6 8 10 12 14 16 18 20
INTVCC LOAD CURRENT (mA)
1435A G09
1435A G08
正規化発振器周波数と温度
SFBピン電流と温度
RUN/SSピン電流と温度
10
4
5
3
4
0
fO
–5
SFB CURRENT (µA)
RUN/SS CURRENT (µA)
FREQUENCY (%)
– 0.25
2
– 0.50
– 0.75
–1.00
1
–1.25
–10
– 40 –15
60
35
85
10
TEMPERATURE (°C)
110
135
0
– 40 –15
85
10
35
60
TEMPERATURE (°C)
110
135
–1.50
– 40 –15
60
35
85
10
TEMPERATURE (°C)
1435A G11
1435A G10
最大電流センス・スレッショルド
電圧と温度
110
135
1435A G12
過渡応答
過渡応答
CURRENT SENSE THRESHOLD (mV)
154
152
VOUT
50mV/DIV
VOUT
50mV/DIV
150
148
ILOAD = 50mA to 1A
146
– 40 –15
85
10
35
60
TEMPERATURE (°C)
110
1435A G14
ILOAD = 1A to 3A
1435A G15
135
1435A G13
4-351
LTC1435A
標準的性能特性
バースト・モード動作
ソフト・スタート:負荷電流と時間
VOUT
20mV/DIV
RUN/SS
5V/DIV
INDUCTOR
CURRENT
1A/DIV
VITH
200mV/DIV
ILOAD = 50mA
1435A G16
1435A G17
ピン機能
COSC(ピン1):このピンからグランドに外部コンデンサ
COSCを接続して動作周波数を設定します。
RUN/SS(ピン2):ソフト・スタートと実行制御入力の
組合せ。このピンのグランドへのコンデンサで、最大電
流出力までのランプ時間を設定します。時間は約0.5s/µF
で す 。 こ の ピ ン を 約 1.3V以 下 に す る と 、 デ バ イ ス は
シャットダウンします。シャットダウン時にはすべての
機能がディスエーブルされます。
ITH
(ピン3):誤差アンプの補償点。電流コンパレータの
スレッショルドは、この制御電圧に応じて上昇します。
このピンの公称電圧レンジは0Vから2.5Vです。
SFB(ピン4):二次巻線帰還入力。この入力は通常は二
次巻線からフィードバック抵抗分割器に接続されます。
このピンは次のように接続しなければなりません。連続
動作を強制するにはグランドに接続します。二次巻線を
使用しないアプリケーションの場合はINTVCCに接続し
ます。そして、二次巻線を使用するアプリケーションで
は出力から抵抗分割器に接続します。
SGND(ピン5):小信号グランド。他のグランドとは別
にCOUTの(−)端子に配線しなければなりません。
VOSENSE(ピン6):出力間の外部抵抗分割器から帰還電
圧を受け取ります。
SENSE−(ピン7):電流コンパレータの(−)入力。
SENSE+
(ピン8)
:電流コンパレータの(+)入力。SENSE−
+
とSENSE ピン間のビルトイン・オフセットとRSENSEによ
り、電流トリップ・スレッショルドを設定します。
EXTVCC(ピン9):INTVCCに接続されている内部スイッ
チへの入力です。EXTVCCが4.7Vを超えると、このス
4-352
イッチが閉じ、VCC電源を供給します。アプリケーショ
ン情報セクションの「EXTVCCの接続」を参照してくださ
い。このピンの電圧が10Vを超えてはなりません。VOUT
≥ 5Vの場合は、VOUTに接続してください。
PGND
(ピン10)
:ドライバ・パワー・グランド。ボトムN
チャネルMOSFETのソースとCINの(−)端子に接続します。
BG(ピン11):ボトムNチャネルMOSFETの高電流ゲー
ト・ドライブ出力。このピンの電圧振幅は、グランドか
らINTVCCです。
INTVCC( ピ ン 12): 内 部 5Vレ ギ ュ レ ー タ と EXTVCCス
イッチの出力。ドライバおよび制御回路はこの電圧から
給電されます。最小2.2µFのタンタルまたは電解コンデ
ンサを使用してパワー・グランドの近くでデカップリン
グしなければなりません。
VIN(ピン13):メイン電源ピン。ICの信号グランド・ピ
ンの近くでデカップリングしなければなりません。
SW(ピン14):インダクタへのスイッチ・ノード接続。
このピンでの電圧振幅は、グランドより(外部の)ショッ
トキ・ダイオード1個の電圧降下分だけ低い電圧からVIN
までです。
BOOST(ピン15):トップサイドのフローティング・ド
ライバへの電源。このピンにはブートストラップ・コン
デンサがリターンします。このピンの電圧振幅は、
INTVCCからVIN+INTVCCです。
TG(ピン16):トップサイドNチャネルMOSFETの高電
流ゲート・ドライブ。このピンは、スイッチ・ノード電
圧SWに重畳されたINTVCCと等しい電圧振幅を持つフ
ローティング・ドライバ出力です。
LTC1435A
機能図
VIN
+
CIN
COSC
1 COSC
4 SFB
13 VIN
SGND 5
INTVCC
1.19V
REF
1µA
DB
BOOST
15
–
1.19V
CB
+
SHUTDOWN
OSC
+
TG
16
DROP
OUT
DET
OV
S
Q
R
–
1.28V
0.6V
SWITCH
LOGIC
+
–
VOSENSE
6
VFB
–
–
I1
EA
R2
+
Ω
1.19V
gm = 1m
+
180k
SW
14
I2
–
VSEC
D1
4k
+
VIN
+
INTVCC
INTVCC
CSEC
+
12
+
–
SHUTDOWN
R1
5V
LDO
REG
3µA
RUN
SOFT
START
6V
30k
+
4.8V
BG
11
8k
VOUT
–
RC
2 RUN/SS
CSS
3 ITH
CC
SENSE+ 8
7 SENSE –
DFB*
9 EXTVCC
COUT
PGND
10
+
RSENSE
1435A • FD
* FOLDBACK CURRENT LIMITING OPTION
動作(機能図を参照)
メイン制御ループ
LTC1435Aは、定周波数、電流モード降圧アーキテク
チャを使用しています。通常動作中は、発振器がRS
ラッチをセットすると各サイクルごとにトップMOSFET
がオンし、メイン電流コンパレータI1がRSラッチをリ
セットするとオフします。I1でのピーク・インダクタ電
流がRSラッチをリセットする点は誤差アンプEAの出力
であるITHピンの電圧によって制御されます。ピン機能
で説明したVOSENSEピンにより、EAは外部抵抗分割器か
ら出力帰還電圧VFBを受けとることができます。負荷電
流が増加すると、1.19Vリファレンスに対してVFBがわず
かに減少し、それによって平均インダクタ電流が新しい
負荷電流と等しくなるまで、ITH電圧が上昇します。
トップMOSFETがターンオフしている間、電流コンパ
レータI2で示されるとおり、インダクタ電流が逆流し始
めるか、次のサイクルの初めまでボトムMOSFETがター
ンオンします。
トップMOSFETドライバは、通常は各オフ・サイクル中
に再充電されるフローティング・ブート・ストラップ・
コンデンサCBからバイアスされます。しかし、VINが
VOUT近くの電圧にまで低下すると、ループがドロップ
アウトに入り、トップMOSFETを連続してターンオンに
しようとする場合があります。ドロップアウト検知器は
4-353
4
LTC1435A
動作(機能図を参照)
トップMOSFETがオンしたままの発振器のサイクル数を
カウントし、CBが再充電できるように周期的に短いオ
フ期間を強制的に設けています。
メイン制御ループはRUN/SSピンを“L”にするとシャッ
ト・ダウンされます。RUN/SSを解放すると、内部3µA
電流源がソフト・スタート・コンデンサCSSを充電する
ことができます。CSSが1.3Vに達すると、メイン制御
ループは、最大値の約30%でクランプされたITH電圧で
イネーブルされます。CSSが引き続き充電されるとITHは
徐々に解放され、通常動作が再開できます。
コ ン パ レ ー タ OVは フ ォ ー ル ト が 発 生 す る と ト ッ プ
MOSFETをオフにし、フォールトがなくなるまでオフ状
態を維持することにより、7.5%を超える過渡オーバー
シュートからデバイスを保護します。
低電流動作
LTC1435Aは、負荷に応じて外部MOSFETが間欠的に動作
するバースト・モード動作が可能です。コンパレータI2が
電流の逆流を検出して、ボトムMOSFETをターンオフする
と、低電流動作への移行が開始されます。RSENSE両端の電
圧がI2のヒステリシス
(約20mV)
を完全に1サイクルのあい
だ超えなかった場合は、以降のサイクルでトップおよびボ
トムドライブはディスエーブルされます。この状態は、イ
ンダクタ電流のピーク値が20mV/RSENSEを超えるか、ある
いはITH電圧が0.6 Vを超えるまで続き、どちらかが惹起する
と次のサイクルで、TGピンがドライブを再開します。
負荷電流が低電流動作を要求しているときでも、
2つの条件
によって連続同期動作を強制することができます。1つは、
SENSE+およびSENSE−ピンの同相電圧が1.4V以下にあると
きであり、もう1つはSFBピンが1.19V以下のときです。後者
の条件は、
アプリケーション情報セクションで説明する二
次巻線レギュレーションを援助するために使用されます。
INTVCC/EXTVCC電源
トップおよびボトムMOSFETドライバ、そして他の大部
分のLTC1435A回路への電源は、ピンINTVCCから供給さ
れます。ボトムMOSFETドライバ電源ピンはLTC1435Aの
内部でINTVCCに接続されています。EXTVCCピンをオー
プンにしておくと、内部5V低損失レギュレータがINTVCC
に電源を供給します。EXTVCCが4.8Vを超えると、5Vレ
ギュレータがターンオフし、内部スイッチがターンオン
して、EXTVCCをINTVCCに接続します。これによって、
アプリケーション情報セクションで説明するとおり、
INTVCC電源をレギュレータ自身または二次巻線の出力な
どの高効率な外部ソースから供給することができます。
アプリケーション情報
基本的なLTC1435Aの高効率降圧コンバータのアプリケー
ション回路を図1に示します。外付け部品の選択は負荷条
件をもとに行い、まずRSENSEから決めていきます。RSENSE
が 分 か れ ば COSCと Lも 選 択 で き ま す 。 次 に 、 パ ワ ー
MOSFETとD1を選択します。最後にCINとCOUTを選択しま
す。図1に示す回路は最大28V
(外付けMOSFETによって制
限される)
の入力電圧で動作するように構成できます。
LTC1435Aおよび外付け部品値のばらつきに対する余裕
をもたせると、次式のようになります。
出力電流に対応したRSENSEの選択
動作周波数に対応したCOSCの選択
RSENSE は 必 要 な 出 力 電 流 を も と に 選 択 し ま す 。
LTC1435A電流コンパレータは、150mV/RSENSEの最大ス
レッショルドとSGNDからINTVCCまでの同相入力範囲を
有しています。電流コンパレータのスレッショルドはイ
ンダクタ電流のピークを設定するため、そのピーク値よ
りピーク・ツー・ピーク・リップル電流∆ILの半分だけ
小さい最大平均出力電流IMAXが発生します。
LTC1435Aは、固定周波数アーキテクチャを使用してお
り、周波数は外部発振器コンデンサCOSCによって決定さ
れます。トップサイドMOSFETがターンオンするたび
に、COSCの電圧はグランドにリセットされます。オン時
間中、COSCは一定の電流で充電されます。コンデンサの
電圧が1.19Vに達すると、COSCはグランドにリセットさ
れます。続いてこのプロセスが繰り返されます。
4-354
RSENSE =
100mV
IMAX
RSENSEの値が0.005Ω以上であれば、LTC1435Aは良好に
動作します。
LTC1435A
アプリケーション情報
COSCの値は希望の動作周波数から計算されます。
 1.37(104 ) 
 – 11
COSC (pF) = 
 Frequency (kHz) 


入力電圧の影響を含むCOSCの選択と周波数のグラフを図
2に示します。動作周波数が高くなるとゲート電荷損失
が増加し、効率が低下します(効率の考察のセクション
を参照)。最大推奨スイッチング周波数は400kHzです。
なってしまいます。
リップル電流を設定するための妥当な
スタート・ポイントは、
∆IL=0.4(IMAX)です。
入力電圧が最大
のときに∆ILが最大になることを忘れないでください。
インダクタ値も低電流動作に影響を与えます。ボトム
MOSFETが導通している間にインダクタ電流がゼロにな
ると、低電流動作への移行が開始されます。インダクタ
値を低くする(∆ILが高くなる)と、高い負荷電流でこれ
が発生し、低電流動作時の上位の範囲での効率が低下す
る可能性があります。バースト・モードでは、インダク
タンス値が小さくなるとバースト周波数が低下します。
300
図3のグラフは、推奨インダクタ値と動作周波数および
VOUTの範囲を示します。
200
60
150
50
100
50
0
0
100
200
300
400
OPERATING FREQUENCY (kHz)
500
INDUCTOR VALUE (µH)
COSC VALUE (pF)
250
VOUT = 5.0V
VOUT = 3.3V
VOUT ≤ 2.5V
4
40
30
20
10
1435A F02
図2. タイミング・コンデンサ値
0
インダクタ値の計算
動作周波数とインダクタの選択は相関関係があるため、
動作周波数が高ければより小型のインダクタとコンデン
サ値を使用できます。そうであれば、なぜ誰もが大きな
値のコンポーネントで、より低い周波数で動作させるほ
うを選ぶのでしょうか? 答えは効率です。周波数が高
いほどMOSFETゲート電荷の損失のために、一般に効率
が低下します。このような基本的なトレードオフに加え
て、リップル電流と低電流動作に対するインダクタ値の
影響も考慮する必要があります。
インダクタの値はリップル電流に直接影響を与えます。
インダクタ・リップル電流∆ILは、次式で示すようにイ
ンダクタンスまたは周波数が高いほど減少し、VINまた
はVOUTが高いほど増加します:
∆IL =
1
( f)(L)
 V

VOUT  1– OUT 
VIN 

大きな∆ILの値が許容できれば、
低インダクタンスを使用で
きますが、
出力電圧リップルが高くなりコア損失も大きく
0
250
100
150
200
50
OPERATING FREQUENCY (kHz)
300
1435A F03
図3. 推奨インダクタ値
デューティ・サイクルが低い高周波アプリケーションに
おいて、所要最小オン時間、
tON(MIN) =
(V
VOUT
IN(MAX )
)(f)
,
が350ns未満の場合、適切な動作を確保するため、イン
ダクタンスに対する規定が厳しくなることがあります。
詳細については、「最小オン時間の検討」のセクションを
参照してください。
インダクタ・コアの選択
Lの値が分かったら、次にインダクタのタイプを選択し
なければなりません。高効率コンバータは、一般に低コ
ストの鉄粉コアで生じるコア損失では最適な性能が得ら
れないため、より高価なフェライト、Molypermalloy、ま
たはKool Mµ®コアを使用しなければなりません。インダ
Kool MµはMagnetics, Inc.の登録商標です。
4-355
LTC1435A
アプリケーション情報
クタ値が同じ場合、実際のコア損失はコア・サイズでは
なく、選択したインダクタンスによって大きく異なりま
す。インダクタンスが増加するとコア損失が低下しま
す。残念ながら、インダクタンスを大きくするにはワイ
ヤの巻数を増やす必要があるため銅損失が増加します。
フェライトを使用した設計ではコア損失がきわめて低
く、高いスイッチング周波数に適しているため、設計目
標を銅損失と飽和を防ぐことに集中することができま
す。フェライト・コアの材質は極度に飽和します。すな
わち、最大設計ピーク電流を超えると、インダクタンス
が急激に消滅します。その結果、インダクタのリップル
電流が急増し、出力電圧リップルが増加します。コアは
絶対に飽和させないでください。
Molypermalloy( Magnetics, Inc.製)は、トロイドに最適な
低損失コア材料ですが、フェライトよりも高価です。品
質と価格の両面を考慮すると、同社のKool Mµが適切で
す。トロイドは特に多層巻線が使用できるときに、空間
効率が非常に高くなります。一般に、これらにはボビン
がなく、実装はさらに困難です。しかし、表面実装用の
設計ができ、高さもそれほどではありません。
パワーMOSFETおよびD1の選択
LTC1435Aで使用する2つの外部パワーMOSFETを選択
しなければなりません。トップ(メイン)スイッチ用のN
チャネルMOSFETと、ボトム(同期)スイッチ用のNチャ
ネルMOSFETです。
ピーク・ツー・ピークのゲート・ドライブ・レベルはINTVCC電
圧で設定されます。この電圧は、始動時には標準5Vです
(EXTVCCピン接続を参照)
。
したがって、
大部分のLTC1435A
アプリケーションでは、
ロジック・レベル・スレッショルド
MOSFETを使用しなければなりません。唯一の例外は、
EXTVCCピンに8V以上(10V以下であること)の外部電源か
ら電力が供給され、標準スレッショルドMOSFET
(VGS(TH) <
4V)
が使用できるアプリケーションです。
MOSFETのBVDSS
仕様にも十分注意してください。
ロジック・レベルMOSFET
の多くは30V以下に制限されています。
パワーMOSFETの選択基準には、
オン抵抗RDS(ON)、
逆伝達容
量CRSS、入力電圧、および最大出力電流が含まれます。
LTC1435Aが連続モードで動作中には、
トップおよびボトム
MOSFETのデューティ・サイクルは、
次式で与えられます。
4-356
V
メイン・スイッチのデューティ・サイクル= OUT
VIN
(V − V )
同期スイッチのデューティ・サイクル= IN OUT
VIN
また、MOSFETの最大出力電流時の消費電力は次式で与
えられます。
V
2
PMAIN = OUT (IMAX ) (1 + δ )RDS(ON) +
VIN
k(VIN )
1.85
(IMAX )(CRSS )( f)
V −V
2
PSYNC = IN OUT (IMAX ) (1 + δ )RDS(ON)
VIN
ここで、δはRDS(ON)の温度係数、kはゲート・ドライブ電
流に反比例する定数です。
I2R損失の項は2つのMOSFETに共通していますが、トッ
プサイドNチャネルの式では追加の遷移損失の項があ
り、これは入力電圧が高いときに最も高くなります。
VIN < 20Vの場合、高電流時効率は一般に大型MOSFETを
使用すると向上し、VIN > 20Vの場合、低CRSS • 高RDS(ON)
デバイスを使用することによって実際に高い効率が実現
されるポイントまで、遷移損失が急激に上昇します。同
期MOSFETの損失は、入力電圧が高いとき、またはこの
スイッチのデューティ・サイクルがほぼ100%になる短
絡時に最も大きくなります。詳細なアプリケーション情
報については、フォールドバック電流制限セクションを
参照してください。
あるMOSFETに対する
(1+δ)
の項は、一般に正規化RDS(ON)
と温度の曲線から得られますが、低電圧MOSFETに対する
近似値としてδ=0.005/℃を使用することができます。CRSS
は通常MOSFETの特性で規定されています。定数k=2.5を
用いて、メインスイッチの消費電力式の2つの項の関係を
推定することができます。
図1に示すショットキ・ダイオードD1は、2つの大型パ
ワーMOSFETの導通間のデッドタイム中に導通します。
これによって、デッドタイム中にボトムMOSFETのボ
ディ・ダイオードがターンオンして電荷を蓄積する(そ
のため効率は1%ほど低下する)のを防止します。3Aのレ
ギュレータには、一般に1Aのショットキ・ダイオード
が適当です。
LTC1435A
アプリケーション情報
CINおよびCOUTの選択
連続モードでは、トップNチャネルMOSFETのソース電
流はデューティ・サイクルがVOUT/VINの方形波になりま
す。大きな過渡電圧を防止するには、最大RMS電流に
対応できる低ESR入力コンデンサを使用する必要があり
ます。最大RMSコンデンサ電流は次式で得られます。
CINの所要IRMSS ≈ IMAX
[V (V
OUT
IN − VOUT
)]
1/ 2
VIN
この式ではVIN=2VOUTで最大値をとり、IRMS=IOUT/2と
なります。大きく変化させてもそれほど状況が軽減され
ないため、一般にはこの単純なワーストケース条件が設
計に使用されます。多くの場合、コンデンサ製造業者の
リップル電流定格は、わずか2000時間の寿命時間によっ
て規定されています。このため、コンデンサをさらに
ディレーティングする、つまり要求条件よりも高い温度
定格のコンデンサを選択するようにしてください。設計
でのサイズまたは高さの条件に適合させるため、何個か
のコンデンサを並列にすることもできます。疑問点につ
いては、 必ずメーカーに問い合わせてください。
COUTは要求される等価直列抵抗(ESR)に基づいて選択し
ます。一般に、ESR要求条件が満たされると、その容量
はフィルタリングに対し十分です。出力リップル
(∆VOUT)は、ほぼ次式のようになります:

1 
∆VOUT ≈ ∆IL  ESR +

4 fC OUT 

ここで、f=動作周波数、COUT=出力容量、∆IL=インダ
クタのリップル電流です。∆ILは入力電圧に応じて増加
するために、出力リップルは入力電圧が最大のときに最
も高くなります。∆IL=0.4IOUT(MAX)のとき、出力リップ
ルは、以下の条件を仮定すると、最大VINで、100mV未
満になります:
表面実装アプリケーションでは複数のコンデンサを並列
に接続して、応用回路のESRまたはRMS電流要件に適合
させる必要があります。表面実装構成のアルミニウム電
解コンデンサと乾式タンタル・コンデンサが提供されて
います。タンタル・コンデンサの場合、スイッチング電
源に使用するためのサージ試験が実施されていることが
求められます。ケース高さが2mmから4mmの表面実装
タンタル・コンデンサのAVX TPSシリーズは良い選択の
一つです。他のコンデンサ・タイプとしては、三洋の
OS-CON、ニチコンPLシリーズ、そしてSprague 593Dお
よび595Dシリーズがあります。他の特長については、
メーカにお問い合わせください。
INTVCCレギュレータ
内部Pチャネル低ドロップアウト・レギュレータは、5V
電源を生成し、LTC1435A内のドライバと内部回路に電
力を供給します。INTVCCピン・レギュレータは、15mA
を供給でき、最小2.2µFのタンタルまたは低ESRの電解
コンデンサでグランドにバイパスしなければなりませ
ん。MOSFETゲート・ドライバに必要な高い過渡電流を
供給するために、良質なバイパスが必要です。
大型MOSFETが高周波でドライブされている高入力電圧
アプリケーションでは、LTC1435Aの最大接合部温度定格
を超えるおそれがあります。EXTVCCソースから供給さ
れる出力を使用していないときには、IC電源電流はゲー
ト電荷供給電流によって支配されます。効率の考察のセ
クションで述べるとおり、ゲート電荷は動作周波数に依
存します。接合部温度は、電気的特性のNote 1に記載され
た式を使用して推定することができます。たとえば、
LTC1435Aは30V電源では17mA以下に制限されます。
TJ=70℃+(17mA)(30V)(100℃/W)=126℃
最大接合部温度を超えないようにするために、最大VIN
での連続モードで動作しているときには、入力供給電流
をチェックしなければなりません。
COUTの所要ESR < 2RSENSE
ニチコン、United Chemicon、三洋電機などのメーカーか
ら高性能なスルーホール・コンデンサが入手できます。
三洋製のOS-CON半導体誘電体コンデンサは、アルミニ
ウム電解コンデンサの中でESR(サイズ)が最も低いもの
ですが、いくらか価格が高くなっています。COUTのESR
条件を満足すれば、一般に実効電流定格はIRIPPLE(P-P)条
件をはるかに上回ります。
EXTVCCの接続
LTC1435Aは、EXTVCCとINTVCCピンの間に接続された内
部PチャネルMOSFETスイッチを内蔵しています。EXTVCC
ピンが4.8Vを超えると、このスイッチが閉じてINTVCCに電
力を供給し、EXTVCCが4.5V未満に低下するまでスイッチ
は閉じたままです。このため、MOSFETドライバおよび制
4-357
4
LTC1435A
アプリケーション情報
御回路の電源は通常動作中(4.8V < VOUT < 9V)には出力か
ら、また出力がレギュレーションを行っていないとき
(始
動時、短絡時など)
には、内部レギュレータから供給でき
ます。EXTVCCピンに10V以上を印加しないでください。ま
た、EXTVCC ≤ VINとなるようにしてください。
ドライバおよび制御電流によるVIN電流は、デューティ・
サイクル/効率で計算されるため、出力からINTVCCに電源
を供給すれば効率を大幅に改善できます。5Vレギュレー
タの場合、これはEXTVCCピンを直接VOUTに接続できる
ことを意味します。ただし、3.3Vおよび他の低電圧レ
ギュレータの場合は、出力からINTVCC電源を得るために
回路を追加する必要があります。
+
VIN
CIN
1N4148
VIN
OPTIONAL
EXT VCC
CONNECTION
5V ≤ VSEC ≤ 9V
N-CH
TG
VOUT
+
COUT
SW
SFB
N-CH
BG
R5
SGND
PGND
1435A F04a
図4a. 二次出力ループとEXTVCCの接続
+
1µF
BAT85
0.22µF
BAT85
VIN
TG
BAT85
N-CH
EXTVCC
4. EXTVCCを外部電源に接続する。5Vから10Vの範囲
(EXTVCC ≤ VIN)の外部電源が利用できれば、これを使
用してEXTVCCに電源を供給し、MOSFETゲート・ド
ライブ条件を満足させることができます。標準ス
レッショルドMOSFETをドライブするときは、ゲー
ト・ドライブ不足によってMOSFETが動作しないこ
とがないよう、動作中は常に外部電源を用意してお
かなければなりません。
+
VIN
CIN
1. EXTVCCを オ ー プ ン( ま た は 接 地 す る )。 こ う す る
と、内部5VレギュレータからINTVCCに電源が供給さ
れるため、入力電圧が高いときに効率が最大10%ほ
ど低下します。
3. EXTVCCを出力から来ているブースト・ネットワークに
接続する。3.3Vおよび他の低電圧レギュレータでは、
EXTVCCを4.8V以上にブーストした出力誘導型電圧に接
続すれば効率が改善されます。これは図4aに示す誘導
性ブースト巻線、または図4bに示す容量性チャージポ
ンプを使用すれば実現できます。チャージポンプに
は、磁気回路が単純になるという長所があります。
1µF
RSENSE
LTC1435A
以下、EXTVCCに対して可能な4つの接続方法を示します。
2. EXTVCCをVOUTに直接接続する。これは5Vレギュレー
タでは通常の接続であり、効率が最も高くなります。
+
L1
1:N
EXTVCC
R6
VSEC
VN2222LL
L1
RSENSE
VOUT
LTC1435A
+
SW
BG
COUT
N-CH
1435A F04b
PGND
図4b. EXTVCC用の容量性チャージポンプ
電されます。トップサイドMOSFETをターンオンさせる
ときには、ドライバは希望のMOSFETのゲート-ソース
間にCB電圧を印加します。これによってMOSFETが導
通し、トップサイド・スイッチがオンになります。ス
イッチ・ノード電圧SWがVINに達し、BOOSTピンがVIN
+INTVCCまで上昇します。ブースト・コンデンサCBの
値は、トップサイドMOSFETの入力容量の100倍が必要
です。ほとんどのアプリケーションの場合、0.1µFが適
切です。DBの逆ブレークダウン電圧は、VIN(MAX)より大
きくなければなりません。
出力電圧のプログラミング
トップサイドMOSFETドライバ電源(CB、DB)
BOOSTピンに接続されている外部ブートストラップ・
コンデンサCBはトップサイドMOSFETにゲート・ドラ
イブ電圧を供給します。SWピンが“L”のとき、機能図
のコンデンサCBがINTVCCからダイオードDBを通して充
4-358
出力電圧は次式にしたがって抵抗分割器によって設定さ
れます。
 R2 
VOUT = 1.19V  1 +  , VOUT ≥ 1.19 V
 R1
LTC1435A
アプリケーション情報
外部分割抵抗は図5で示されているように出力に接続さ
れ、リモート電圧センスが可能です。
1.19V ≤ VOUT ≤ 9V
R2
VOSENSE
100pF
LTC1435A
SGND
R1
1435A F05
図5. LTC1435A出力電圧の設定
フォールドバック電流制限
パワーMOSFETおよびD1の選択で説明したとおり、い
ずれのMOSFETのワーストケースの消費電力も、同期
MOSFETがほぼ継続的に電流制限値を流したときに、出
力が短絡した状態で発生します。ほとんどのアプリケー
ションでは、フォールトが長くなっても、これによって
過熱することはありません。しかし、放熱に費用がかか
るときやより高いRDS(ON) MOSFETを使用している場合
は、フォールドバック電流制限を追加して、フォールト
の程度に応じて電流を低減しなければなりません。
実行/ソフト・スタート機能
RUN/SSピンには2つの機能があり、
ソフト・スタート機能と
LTC1435Aをシャット・ダウンする手段を提供します。
ソフ
ト・スタートは、
内部の電流リミットを徐々に増大させるこ
とによって、
VINからのサージ電流を低減します。
このピン
を使用して電源のシーケンシングも実行できます。
内部3µA電流源が外付けコンデンサCSSを充電します。
RUN/SSの電圧が1.3Vに達すると、LTC1435Aが動作を開始
します。このピンの電圧が1.3Vから2.4Vまで上昇し続ける
と、内部電流制限もそれに比例した直線レートで上昇しま
す。電流制限は約50mV/RSENSE
(VRUN/SS=1.3V)で開始し、
(VRUN/SS ≥ 2.7V)
で終了します。したがって出
150mV/RSENSE
力電流はゆっくりと上昇し、出力コンデンサが充電されま
す。RUN/SSをグランド・レベルまで完全にプルダウンす
ると、スタート前に約500ms/µFの遅延があり、続いて最大
電流が流れるまで、さらに500ms/µFの時間が経過します。
tDELAY=5(105)CSS秒
RUN/SSピンを1.3V以下にすると、
LTC1435Aは、
低消費電流
シャットダウン
(IQ < 25µA)
に入ります。
このピンは、
図6に示
すとおり、
直接ロジックからドライブできます。
図6のダイ
オードD1によってスタート遅延は短くなりますが、CSSを
ゆっくりランプアップさせるソフト・スタート機能を実現
できます。ソフト・スタートが必要ない場合は、このダイ
オードとCSSをなくすことができます。
RUN/SSピンは6Vの
ツェナー・クランプを内蔵しています
(機能図を参照)
。
3.3V OR 5V
RUN/SS
RUN/SS
D1
CSS
フォールドバック電流制限は、
機能図に示すとおり、
出力と
ハー
ITHピンの間にダイオードDFBを追加して実現されます。
ド短絡(VOUT=0V)の場合、
電流は最大出力電流の約25%に低
減されます。
この手法は、
1.8V以上の安定化出力電圧を持つ
すべてのアプリケーションに使用することができます。
4
SFBピンの動作
SFBピンがグランド基準の1.19Vのスレッショルド以下に低
下すると、連続モード動作が強制されます。連続モードで
は、メイン出力上の負荷に関係なく、大型Nチャネル・メ
インスイッチおよび同期スイッチが使用されます。
SFBピンは、強制的に連続同期動作を実行させるための
論理入力を与えるほか、フライバック巻線出力を安定化
させる手段を提供します。連続同期動作により、一次側
出力負荷に関係なく補助巻線から電力を引き出すことが
できます。SFBピンを使用して、フライバック巻線に必
要な連続同期動作を強制することができます。
二次側出力電圧は、図4aに示すとおり、トランスの巻数
比とSFBピンに接続される1組の外付け抵抗との関連に
よって設定されます。二次側の安定化された電圧(図4a
のVSEC)は、次のとおり与えられます:
 R6
VSEC ≈ (N + 1)VOUT > 1.19  1 + 
 R5
Nはトランスの巻数比で、VOUTはVOSENSEで検知した一
次側の出力電圧です。
CSS
最小オン時間の検討
1435 F06
図6. RUN/SSピンのインタフェース
最小オン時間tON(MIN)は、LTC1435AがトップMOSFETを
ターンオンし、再度ターンオフすることができる最小時
4-359
LTC1435A
アプリケーション情報
間です。これは内部タイミング遅延とトップMOSFETを
ターンオンするのに必要なゲート電荷の量によって決ま
ります。低デューティ・サイクルのアプリケーションで
は、この最小オン時間の制限値に接近する可能性があり
ます。デューティ・サイクルが最小オン時間で適応可能
な値以下になると、LTC1435Aはサイクル・スキップを
開始します。出力電圧は連続的に安定化されますが、
リップル電流とリップル電圧は上昇します。したがっ
て、この制限値は避けてください。
適切に構成されたアプリケーションでのLTC1435Aの最小
オン時間は一般に300ns以下ですが、
リップル電流振幅が小
さくなると増大します
(図7を参照)
。
アプリケーションが最
小オン時間リミット付近で動作する可能性がある場合、
最
小オン時間条件に適合するのに十分なリップル振幅を供給
できる低い値のインダクタを選択しなければなりません。
適切な値を決定するには、
以下の手順に従ってください。
1. 最大電源でのオン時間tON(MIN)=(1/f)(VOUT/VIN(MAX))を
計算する。
2. 図7を使って、上で計算されたtON(MIN)の値を達成する
の必要なピーク・ツー・ピーク・インダクタ・リップ
ル電流をIMAXに対するパーセンテージとして求める。
3. リ ッ プ ル 振 幅 は 、 ∆IL(MIN)=( 図 7か ら 求 め た %値 )
(IMAX)。ここでIMAX=0.1/RSENSE。
 VIN(MAX ) – VOUT 

4. tON(MIN) 
∆IL(MIN)


適切な動作を保証するため、LMAXの計算値以下のイン
ダクタを選択してください。
MINIMUM ON-TIME (ns)
INDUCTOR
L
1435A F08
図8. 許容できるインダクタ/RSENSEのレイアウト方向
効率の検討
スイッチング・レギュレータの効率は、出力電力÷入力
電力×100%で表されます。個々の損失を解析して、効
率を制限する要素がどれであり、また何が変化すれば最
も効率が改善されるかを判断できる場合がよくありま
す。効率は次式で表すことができます。
効率=100%−(L1 + L2 + L3 + ...)
ただし、L1、L2などは入力電力に対するパーセンテー
ジで表される個々の損失です。
回路にある電力を消費するすべての部品で損失が発生しま
すが、
LTC1435A回路での損失の大半は、
一般に以下の4つの
主な要因によるものです。すなわち、LTC1435AのVIN電流、
INTVCC電流、
I2R損失、
トップサイドMOSFET遷移損失です。
1. VIN電流は電気的特性に記載したDC電源電流であ
り、MOSFETドライバと制御回路の電流が含まれま
す。VIN電流によって小さな(1%以下の)損失が発生
し、この損失はVINに従って増加します。
400
350
RECOMMENDED
REGION FOR MIN
ON-TIME AND
MAX EFFICIENCY
300
250
200
0
50
60
70
10
20
30
40
INDUCTOR RIPPLE CURRENT (% OF IMAX)
1435A F07
図7. 最小オン時間とインダクタ・リップル電流
4-360
LTC1435Aの電流コンパレータは感度が高いので、最小
オン時間リミット付近で動作させる場合は、アキシャ
ル・タイプのコアを用いるインダクタから生じる浮遊磁
束により電流センス抵抗にノイズが生じないようにする
ことが重要です。センス抵抗の向きがインダクタに対し
て放射状となるように配置すると(図8を参照)、このノ
イズを抑えることができます。
2. INTVCC電流はMOSFETドライバおよび制御回路電流
の和です。MOSFETドライバ電流はパワーMOSFETの
ゲート容量をスイッチングすることによって流れま
す。MOSFETのゲートが
“L”
から“H”
、そして再び“L”
に切り換わる度に、INTVCCからグランドに微小電荷
dQが移動します。それによって生じるdQ/dtはINTVCC
から流出する電流であり、一般に制御回路の電流より
はるかに大きくなります。連続モードでは、IGATECHG
=f(QT+QB)です。ただし、QTとQBはトップサイドと
ボトムサイドMOSFETのゲート電荷です。
LTC1435A
アプリケーション情報
出力から引き出されるソースからEXTVCCに電源を
供給すると、ドライバおよび制御回路電流よりなる
追加VIN電流は、デューティ・サイクル/効率で計算
されます。たとえば、20Vから5Vのアプリケーショ
ンでは、10mAのINTVCC電流は約3mAのVIN電流にな
ります。これによって、中間電流損失が10%以上(ド
ライバがVINから直接電源を供給されている場合)か
らわずか数パーセントに減少します。
3. I2R損失はMOSFET、インダクタ、および電流シャン
トのDC抵抗から推定されます。連続モードでは、L
やRSENSEに平均出力電流が流れますが、トップサイ
ドのメインMOSFETと同期MOSFET間でチョップさ
れます。2つのMOSFETがほぼ同じRDS(ON)をもってい
るときには、1つのMOSFETの抵抗をLの抵抗および
RSENSEに加算するだけでI2R損失を求めることができ
ます。たとえば、それぞれRDS(ON)= 0.05Ω 、RL=
0.15Ω、そしてRSENSE=0.05Ωの場合、全抵抗は0.25
Ωになります。出力電流が0.5Aから2Aに増えると、
3%から10%の範囲の損失になります。I2R損失によっ
て、高出力電流時に効率が低下します。
4. 遷移損失はトップサイドMOSFETにのみ、しかも高入
力電圧
(通常、20V以上)
で動作しているときに限って
適用されます。遷移損失は次式から推定できます。
遷移損失=2.5(VIN)1.85(IMAX)(CRSS)(f)
CINおよびCOUTのESRの消費電力による損失、デッド
タイム中のショットキ導通損失を含むその他の損失
は、一般に追加される全損失の2%以下にしかなりま
せん。
過渡応答のチェック
レギュレータのループ応答は、負荷過渡応答を観察すれ
ばチェックできます。スイッチング・レギュレータは、
DC(抵抗性)負荷電流のステップに応答するのに数サイ
クルを要します。負荷ステップが発生すると、VOUTは
ただちに(∆ILOAD)
(ESR)だけシフトします。ESRはCOUT
の等価直列抵抗です。∆ILOADは、帰還誤差信号を生成す
る COUTの 充 放 電 を 開 始 し ま す 。 次 に レ ギ ュ レ ー タ ・
ループの作動によりVOUTを安定状態値に復帰させま
す。この回復期間に、VOUTで安定性の問題となるオー
バシュートやリンギングが発生します。図1の回路に示
すITHの外付け部品で、ほとんどのアプリケーションに
対して十分な補償を行うことができます。
次に、大容量
(>1µF)
電源バイパス・コンデンサをもつ負荷
を切り替えると、さらに大きな過渡が発生します。放電し
たバイパス・コンデンサは実質的にCOUTと並列になるた
め、VOUTの電圧は急速に降下します。負荷スイッチ抵抗が
小さく素早くドライブされた場合、どのレギュレータも十
分な電流を流すことができず、この問題が生じます。唯一
の解決法は、スイッチ・ドライブの立上り時間を制限し
て、負荷の立上り時間を約(25)(CLOAD)に制限することで
す。したがって10µFのコンデンサでは250µsの立上り時間
が必要となり、充電電流は約200mAに制限されます。
自動車分野での検討事項:
シガレット・ライタへの接続
バッテリ駆動デバイスを車載用として使用するようになる
と、
シガレット・ライタから電源をとって、
バッテリを節約す
るだけでなく、動作中にバッテリ・パックの再充電までも
やってしまおうと思うのは当然といえます。
しかし、
接続す
る前に、
以下の点に注意してください。
まず、
最悪の電源に差
し込んでいるということです。
自動車のメイン・バッテリ・ラ
インは、
負荷の急激な変化、
逆バッテリ、
ダブル・バッテリな
ど、
多くの好ましくない過渡電位を発生させる温床です。
バッテリ・ケーブルがゆるいと負荷の急激な変化が生じま
す。ケーブルの接続が絶たれると、オルタネータのフィール
ドが崩壊して、
減衰するのに数100msを要する60Vもの正の高
電圧スパイクが発生する可能性があります。
バッテリの逆接
続はその言葉通りであり、
ダブル・バッテリは、
牽引トラック
の運転手が12Vよりも24Vにした方が手早くエンジンをジャ
ンプスタートできることに気づいた結果発生します。
図9に示す回路は、自動車のバッテリ・ラインの故障か
らDC/DCコンバータを保護する最も簡単な方法です。直
列ダイオードはバッテリの逆接続中に電流が流れるのを
防止し、過渡サプレッサは負荷の切り替え中に、入力電
12V
50A IPK RATING
VIN
TRANSIENT VOLTAGE
SUPPRESSOR
GENERAL INSTRUMENT
1.5KA24A
LTC1435A
1435A F09
図9. 車載用アプリケーションの保護
4-361
4
LTC1435A
アプリケーション情報
圧をクランプします。過渡サプレッサはダブル・バッテ
リ動作時には導通すべきではありませんが、入力電圧は
コンバータのブレークダウン電圧以下へクランプしてい
なければなりません。LT1435Aの最大入力電圧は36Vで
すが、ほとんどのアプリケーションはMOSFET BVDSSに
よって30Vに制限されています。
設計例
設計例として、VIN=12V
(標準)
、VIN=22V
(最大)
、VOUT
=1.6V、 IMAX=3A、そしてf=250kHzと仮定すると、
RSENSEおよびCOSCは、次のとおりすぐに計算できます。
RSENSE=100mV/3A=0.033Ω
COSC=1.37(104)/250−11=43pF
図3を見れば、4.7µHのインダクタは推奨範囲内に入って
います。リップル電流の実効値をチェックするために、
次式が使用されます:
 V

V
∆IL = OUT  1– OUT 
( f)(L)  VIN 
 1.6V 
 1–
 = 1.3A
22V 
250kHz 4.7µH 
1.6V
(
)
デューティ・サイクルの最小値も入力電圧が最大のとき
に発生します。この状態でのオン時間がサイクル・ス
キップを発生させるLTC1435Aの最小オン時間に違反し
ていないことを確認してください。VIN(MAX)での所要オ
ン時間は次のとおりです:
tON(MIN) =
(V
VOUT
IN(MAX )
1.6V
3
22V
2
1.85
同期NチャネルMOSFETに対する最も厳しい条件は、
VOUT=0(すなわち、短絡)の場合です。この場合、ワー
ストケースの消費電力は次のようになります。
(
PSYNC = ISC( AVG)
) (1+ δ ) RDS(ON)
2
0.033Ωのセンス抵抗を使用する場合、ISC(AVG)=4Aとな
り、Si4412DYの消費電力はダイ温度が105℃のときに
950mWまで増加します。
CINは全動作温度で最低1.5AのRMS電流定格のものを選択
し、COUTは低出力リップルを実現するために、0.03Ωの
ESRを持つものを選択します。連続モードでの出力リップ
ルは、入力電圧が最大のときに最も大きくなります。ESR
による出力電圧リップルの概算値は次のとおりです。
VORIPPLE=RESR(∆IL)=0.03Ω(1.3A)=39mVP-P
リップル電流の最大値は入力電圧が最大のときに発生し
ます。
∆IL =
( ) [1+ (0.005)(50°C − 25°C)](0.042Ω)
+ 2.5 (22V ) (3A )(100pF )(250kHz) = 88 mW
PMAIN =
=
1.6V
)(f) (22V)(250kHz)
= 291ns
PCボード・レイアウト・チェックリスト
PCボードをレイアウトするときには、以下のチェック
リストを使用してLTC1435Aが正しく動作するよう配慮
しなければなりません。これらの項目は図10のレイアウ
ト図にもイラストで示してあります。レイアウトで以下
の項目をチェックしてください。
1. 信号グランドとパワー・グランドが分かれている
か? LTC1435Aの信号グランド・ピンは、COUTの
(−)プレートにリターンしなければなりません。パ
ワー・グランドはボトムNチャネルMOSFETのソー
ス、ショットキ・ダイオードのアノード、およびCIN
の(−)プレートに接続します。リードはできる限り
短くしてください。
先の∆ILの計算値は1.3Aでしたが、これはIMAXの43%に
あたります。43%リップルでのLTC1435A最小オン時間
は、図7より約235nsであることがわかります。したがっ
て、最小オン時間は満足していますので、サイクル・ス
キップは発生しません。
2. フィードバック抵抗が直接VOSENSEピンに接続されて
いるか? 抵抗分割器R1とR2はCOUTの(+)プレート
と信号グランドの間に接続してください。
LTC1435Aに可能な限り近づけて100pFのコンデンサ
を接続してください。
トップサイドMOSFETの消費電力は容易に推定できます。
たとえば、Siliconix Si4412DYを選択した場合、RDS(ON)=
0.042Ω、CRSS=100pFです。T
(概算値)
=50℃で最大入力電
圧の場合、以下のようになります。
3. SENSE− およびSENSE+ リードが、最小PCトレース
間 隔 で 一 緒 に 配 線 さ れ て い る か ? SENSE+ と
SENSE− の間のフィルタ・コンデンサは、できる限
りLTC1435Aの近くに配置してください。
4-362
LTC1435A
アプリケーション情報
4. できる限り近く、CINの(+)プレートをトップサイド
MOSFETのドレインに接続しているか? このコン
デンサはMOSFETにAC電流を供給します。
6. スイッチング・ノードSWを敏感な小信号ノードから離し
ておきます。理想的には、スイッチ・ノードは、LTC1435A
から最も遠い点に配置しなければなりません。
5. INTVCCデカップリング・コンデンサがINTVCCとパ
ワー・グランド・ピンの間で、ピンに近づけて接続
されているか? このコンデンサはMOSFETドライ
バ・ピーク電流を伝達します。
7. SGNDはCOSC、ITH、VOSENSE、SFBピンの外付け部品
のグランドのためだけに使用します。
8. 最小オン時間付近で動作させる場合、センス抵抗の
向きがインダクタに対して放射状となるように配置
しているか? 図8を参照してください。
+
M1
1
CSS
COSC
2
CIN
15
BOOST
VIN
CC1
RC
16
TG
RUN/SS
+
COSC
3
CC2
4
LTC1435A
SFB
5
14
SW
ITH
SGND
13
VIN
DB
INTVCC
VOSENSE
BG
7
SENSE –
PGND
8
SENSE +
EXTVCC
D1
–
100pF
6
CB
0.1µF
12
+
11
M2
4.7µF
4
10
1000pF
9
L1
–
R1
+
R2
COUT
VOUT
RSENSE
BOLD LINES INDICATE
HIGH CURRENT PATHS
+
1435A F10
図10. LTC1435Aのレイアウト図
標準的応用例
インテルのMobile CPU VID電源コンバータ
1
COSC
43pF
2
CSS
0.1µF
3
CC
1000pF
CC2
220pF
COSC
VIN
RUN/SS
TG
ITH
SW
INTVCC
50pF
6
SGND
BOOST
VOSENSE
SENSE –
7
BG
PGND
SENSE +
1000pF
8
VIN
4.5V TO 22V
16
CF
0.1µF
14
DB
CMDSH-3
LTC1435A
RC
10k
5
4.7Ω
13
12
M1
Si4410
+
CIN
10µF
30V
×2
RSENSE
0.015Ω
VOUT
1.3V TO 2.0V
7A
L1
3.3µH
3
0.22µF
15
5
+
11
10
4.7µF
M2
Si4410
D1
MBRS140T3
6
VCC
SENSE
LTC1706-19
FB
VID
0 1 2 3 GND
7 8 1 2
FROM µP
+
COUT
820µF
4V
×2
4
1435A TA07
4-363
LTC1435A
標準的応用例
デュアル出力5Vおよび同期12Vアプリケーション
VIN
5.4V TO 28V
COSC
68pF
CSS
0.1µF
RC
10k
2
CC1
470pF
3
CC2
51pF
4
COSC
TG
BOOST
RUN/SS
ITH
SW
SFB
VIN
LTC1435A
5
SGND
16
M1
Si4412DY
14
T1
10µH
1:1.42
13
7
VOSENSE
BG
SENSE –
PGND
0.1µF
12
+
RSENSE
0.033Ω
+
100pF
6
IRLL014
4.7k
15
CMDSH-3
INTVCC
0.01µF
CIN
22µF
35V
×2
+
1
M2
Si4412DY
MBRS140T3
SENSE +
EXTVCC
COUT
100µF
10V
×2
+
10
R2
20k
1%
1000pF
8
VOUT
5V/3.5A
R1
35.7k
1%
4.7µF
11
CSEC
3.3µF
35V
9
100Ω
SGND
100Ω
11.3k
1%
100k
1%
1435A TA04
T1: DALE LPE6562-A236
VOUT2
12V
120mA
フォールドバック電流制限付き3.3V/4.5Aコンバータ
VIN
4.5V TO 28V
COSC
68pF
CSS
0.1µF
RC
10k
CC2
51pF
CC1
330pF
INTVCC
CIN
22µF
35V
×2
+
1
2
3
4
COSC
TG
BOOST
RUN/SS
SW
ITH
SFB
LTC1435A
5
SGND
VIN
16
15
14
ITH PIN 3
13
7
VOSENSE
IN4148
CMDSH-3
INTVCC
BG
SENSE –
PGND
SENSE +
EXTVCC
RSENSE
0.025Ω
+
11
M2
Si4410DY
10
9
MBRS140T3
100pF
OPTIONAL:
CONNECT TO 5V
VOUT
3.3V/4.5A
R1
35.7k
1%
4.7µF
1000pF
8
L1
10µH
0.1µF
12
100pF
6
M1
Si4410DY
R2
20k
1%
+
COUT
100µF
10V
×2
SGND
(PIN 5)
1435A TA01
4-364
LTC1435A
標準的応用例
定電流/定電圧高効率バッテリ・チャージャ
E1
VIN
+
C1*
22µF
35V
E3
GND
E3
SHDN
+
C2*
22µF
35V
R7
1.5M
C4
0.1µF
C11
56pF
C5
0.1µF
LTC1435A
C13
0.033µF
R5
1k
1
C12
0.1µF
2
3
C14
1000pF
4
5
C9
100pF
3
4
IOUT
PROG
GND
VCC
NIN
8
PIN
TG
RUN/SS BOOST
SW
ITH
VIN
SFB
SGND
INTVCC
VOSENSE
BG
SENSE –
PGND
SENSE + EXTVCC
16
Q1
Si4412DY
15
D1
14
13
D2
R1
0.025Ω
+
C6
0.33µF
11
Q2
Si4412DY
10
C3
22µF
35V
E6
BATT
E7
GND
9
+
7
C8
100pF
C7
4.7µF
16V
6
R2
1M
0.1%
5
R3
105k
0.1%
JP1A
C16
0.33µF
R6
10k
1%
C17
0.01µF
L1
27µH
12
C10
100pF
8
C18
0.1µF
R4
76.8k
0.1%
JP1B
4
1435A TA06
E5
GND
RPROG
E4
IPROG
*CONSULT CAPACITOR MANUFACTURER FOR RECOMMENDED
ESR RATING FOR CONTINUOUS 4A OPERATION
電流プログラミング式
)(R6) – 0.04
(I
IBATT = PROG
10(R1)
効率
100
VIN = 24V
VBATT = 16V
95
VBATT = 12V
EFFICIENCY (%)
2
AVG
SENSE
7
C15
0.1µF
LT1620
1
6
COSC
90
VBATT = 6V
85
80
75
0
1
3
4
2
BATTERY CHARGE CURRENT (A)
5
1435A TA05
4-365
LTC1435A
標準的応用例
デュアル出力5Vおよび12Vアプリケーション
VIN
5.4V TO 28V
COSC
68pF
+
1
CSS
0.1µF
RC
10k
CC1
510pF
CC2
51pF
2
3
4
COSC
TG
BOOST
RUN/SS
SW
ITH
SFB
LTC1435A
5
SGND
VIN
16
15
7
BG
SENSE –
PGND
SENSE +
EXTVCC
100Ω
+
0.1µF
CSEC
3.3µF
25V
12
+
11
RSENSE
0.033Ω
4.7µF
M2
IRF7403
MBRS140T3
VOUT
5V/3.5A
R1
35.7k
1%
+
10
1000pF
8
24V
T1
10µH
1:2.2
13
CMDSH-3
INTVCC
VOSENSE
MBRS1100T3
14
100pF
6
M1
IRF7403
CIN
22µF
35V
×2
9
R2
20k
1%
COUT
100µF
10V
×2
SGND
100Ω
10k
90.9k
1435A TA02
T1: DALE LPE6562-A092
4-366
VOUT2
12V
LTC1435A
標準的応用例
低ドロップアウト2.9V/3Aコンバータ
VIN
3.5V TO 20V
COSC
68pF
1
CSS
0.1µF
RC
10k
2
CC1
330pF
CC2
51pF
3
INTVCC
4
COSC
TG
BOOST
RUN/SS
SW
ITH
SFB
LTC1435A
5
SGND
VIN
16
14
13
CMDSH-3
INTVCC
7
VOSENSE
BG
SENSE –
PGND
CIN
22µF
35V
×2
+
15
L1
10µH
0.1µF
12
RSENSE
0.033Ω
+
100pF
6
M1
1/2 Si9802DY
11
4.7µF
M2
1/2 Si9802DY
MBRS140T3
100pF
SENSE +
EXTVCC
R1
35.7k
1%
+
10
R2
24.9k
1%
1000pF
8
VOUT
2.9V/3A
9
OPTIONAL:
CONNECT TO 5V
COUT
100µF
10V
×2
SGND
4
1435A TA03
L1: SUMIDA CDRH125-10
関連製品
製品番号
説明
注釈
LTC1142HV/LTC1142
デュアル高効率同期整流式降圧スイッチング・
レギュレータ
デュアル同期式、VIN ≤ 20V
LTC1148HV/LTC1148
高効率同期式降圧スイッチング・レギュレータ・
コントローラ
同期式、VIN ≤ 20V
LTC1159
高効率同期式降圧スイッチング・レギュレータ
同期式、VIN ≤ 40V、ロジック・スレッショルドFET用
LT®1375/LT1376
1.5A、500kHz降圧スイッチング・レギュレータ
高周波、小型インダクタ、高効率スイッチャ、
1.5Aスイッチ
LTC1430
高電力降圧スイッチング・レギュレータ・コントローラ
5Vから3.3Vへの高効率変換、
最大15A
LTC1436A/LTC1436A-PLL/ 高効率低ノイズ同期式降圧スイッチング・レギュレータ
LTC1437A
フル機能搭載シングル・コントローラ
LTC1438/LTC1439
フル機能搭載デュアル・コントローラ
デュアル高効率低ノイズ同期式降圧スイッチング・
レギュレータ
LT1510
定電圧/定電流バッテリ・チャージャ
1.3A、Li-Ion、NiCd、NiMH、Pb-Acidチャージャ
LTC1538-AUX
デュアル高効率低ノイズ同期式降圧スイッチング・
レギュレータ
シャットダウン時の5Vスタンバイ
LTC1539
デュアル高効率低ノイズ同期式降圧スイッチング・
レギュレータ
シャットダウン時の5Vスタンバイ
LTC1706-19
VID電圧プログラマ
LTC1435Aとともに使用することにより、
インテルのMobile Pentium® IIプロセッサ用に
プログラム可能な1.3Vから2Vの電源を生成
PentiumはIntel Corporationの登録商標です。
4-367
Fly UP