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画像処理実習 - WEB PARK 2014
2016年度 放射性同位元素取扱実験講義 画像処理実習 2016/05/19-20 放射性同位元素施設/放射性植物生理学研究室 廣瀬 農 本の実習の৯的 オートラジオグラムの解析を題材として 画像解析の基礎をମに付ける 解析1:オートラジオグラムと光学スキャン像の重ね合わせ ³²Pは植物体のどの部位に輸送・蓄積されたのか? 解析2:オートラジオグラムの定量解析 各個体・器官の³²P蓄積量を、定量的にૻ較する。 2 本の実習の概要 1)準備 3)オーバーレイ表ં 無線ネットワーク(utroam)への接続 光学スキャン像のサイズ変更・回転・平ষ移動 練習৷データのダウンロード オーバーレイ表ં Fijiのインストール 追加情報のোৡ(スケールバー、注釈) 2)画像の読込み・表ં 4)オートラジオグラムの定量解析 画像ファイルの読込み ROI Manager の操作 画像フォーマット 各種の領域選択法 疑似カラー表ં・コントラスト調節 定量計算 3 1)準備 無線ネットワーク(utroam)への接続 「東京প学 utroam ৷仮名アカウント 発ষ・廃ૃ」のページでアカウントと パスワードを取得する。utroamの詳細については情報基盤センターの 「utroamの案内」のページを参照のこと。 https://wl-server5.nc.u-tokyo.ac.jp/accounts/new 5 無線ネットワーク(utroam)への接続 化1の無線LANの接続先として「utroam-1x」を選択するとユーザー名とパ スワードを要求されるので、োুしたアカウントとパスワードをোৡする。 6 練習৷データのダウンロード 学ে実験のページから、練習৷データ(ip.tif、scan.jpg)をダウンロードする。 http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/expbb/ 後、各班の実験データも学ে実験のページからダウンロードできる。 ○○.jpg 植物の光学スキャン像(8bit JPEG) ○○.tif IPのেデータ(32bit TIFF) ○○=班番号 7 Fijiのインストール Fiji ImageJ ImageJと各種プラグインをセットにしたもの 医療・研究৷の画像処理/解析ツール インストールが楽(アップデートもঽ動) アメリカ国য়衛ে研究所(NIH)で開発 ダウンロード後に展開し、Fiji.appを適当な場所 にコピーするだけで使える。 今回の実習ではFijiを利৷する 公式サイト:http://fiji.sc/Fiji オープンソースであり、無償でোু可能 Windows、Mac、Linuxで動作する 数多くのプラグインが公開されており、 機能を追加できる ※操作法などをWeb検索する際は、FijiとImageJの両方をキーワードとして試すと良い。 8 Fijiのインストール 公式サイト(http://fiji.sc/Fiji)で Downloadをクリックする。 ঽ分のOSに合わせてFijiを ダウンロードする。 Windowsの場合、Cドライブに Program Files (x86)という フォルダが有れば64bit。 ※Fijiは常にアップデートしているため、過去の 安定版が必要な時は「More downloads」から োুすること。 9 Fiji インストール時の注意 1)インストール先について Fijiは基本的にコピーするだけで動 くが、コピー先として「日本語お よび空白」を含まないフォルダを 選ぶ必要がある。 具体的にはWindows XPの場合、 もしくはコンピューターのユー ザー名に日本語を使っている場 合、Cドライブ直下にコピーする のが無難。それ以外の場合、デス クトップにコピーするだけで動作 する。Program Filesは空白を含 むので不適。 Macの場合、Applicationsにイン ストールするのが無難。 2)起動について Windowsの場合 FijiはFiji.appという名前のフォルダに見える。 この中にある 64bitの場合:ImageJ-win64.exe 32bitの場合:ImageJ-win32.exe をダブルクリックすると起動する。 Macの場合 FijiはFiji.appというアプリに見える。 そのまま起動できる。 今回の講義では不要だが、pluginsフォルダ等にア クセスしたい場合は右クリックメニューで「パッ ケージの内容を表示」を選ぶとアクセス可能。 2)画像の読込み・表示 本の練習৷データ 試料の光学スキャン像 オートラジオグラム scan.jpg ip.tif 12 画像ファイルの読込みু順 Fijiのウィンドウに画像ファイルをドラッグ&ドロップするとオープンされる。 タイトルバー以外ならウィンドウのどこにドロップしても良い。 ※ メニューの File > Open でファイルを選んでも読込み可能。 ↑のウィンドウは操作৷。読込んだ画像はこのウィンドウ内ではなく、画 像ごとに独য়したウィンドウに表ંされるので、このウィンドウを拡পす る必要はない。 WindowsとMacで微妙にৄた৯が変わる。メニューバーがFijiウィンドウ 内に表ંされるか、画એ最上部に表ંされるかの違い。 13 本の練習৷データ ポジション マーカー 供試植物 検量線 試料の光学スキャン像 オートラジオグラム 14 画像のフォーマット 画像フォーマットに関連するImageJ(Fiji)のメリット 1)శ常に多くの画像フォーマットを処理できる 特に設定をষわなくても般的なフォーマット(jpg, png, tif, bmp)の多くを読込める。 2)32bit TIFFを扱える 画像上のある点(ピクセル)のシグナル強度を、般的な8bitデータでは2ą=256階調でしか表 現できない。イメージングプレートは5 6桁のダイナミックレンジを持つとわれているが、 8bit画像ではたかだか3桁までのダイナミックレンジしかない。 3)プラグインを追加することでマイナーなフォーマットも読込むことができる 学ে実験で使৷しているイメージングプレートの読取装置(FLA-5000)はISACという古い医療 系のフォーマットでデータを保存している。これを"ISAC Manager"というプラグインを使って 読込み、それを32bit TIFFに変換したデータを学ে実験のページから配布している。 15 画像タイプ(カラー/bit数) 現在処理している画像のタイプは、画像の 上に表ંされている。 Image > Type からも画像タイプを 確認できる(䃺がついている)。 16 疑似カラー 画像タイプがグレイスケール(8-bit, 16-bit, 32-bit)の場合、疑似カラーを৷いてシグナル強 度の違いを分かりやすく表ંできる(য間の৯は 濃淡の変化よりも౦彩の変化に鋭敏なため)。 Image > Lookup Tables に様々な設定があるの で実際に試してৄやすいと思ったものを৷いると 良い。シグナル強度と౦の関係は、何も画像を開 いていない状態で Lookup Tables を選択すると 表ંされる。 16 colors Fire Grays Green Fire Blue Red 17 コントラスト調節 Image > Adjust > Brightness/Contrastで、コントラスト調節৷のウィンドウが 表ંされる。4つのスライダー(Minimum,Maximum, )を動かし、画像表ંの 変化を体感してみると良い。スライダーで微調整できない数字に設定したい場合は 画એ下部の「Set」ボタンを利৷する。 ※最初に読込んだ際のৄた৯にとらわれず、調整してみること。 ؙహつぶれ、ஜとびと思っているところにも情報があるかもしれない。 18 コントラスト調節・疑似カラー設定時の注意 ImageJでグレイスケール画像を扱う場合、コントラストの変更もLookup Tables(LUT)の変更も、データそのものではなく画એ上の表ંだけを変更す る(B&CウィンドウのApplyボタンを押すと実際のデータも変更される)。 この後の実習で定量解析をষうことになるが、ৄた৯の変更は解析結果に影響 しないので、解析作業中は作業しやすいコントラスト・LUTを選択すると良 い。シグナル強度のৈい領域に注৯して作業する場合はB&Cウィンドウの Maximumをৈめに設定し、低い領域に注৯する場合はMaximumを下限近くま で下げたほうが作業しやすいはずである。 コントラスト・LUTでৄた৯を調整した画像を保存したい場合、File > Save As からTIFF以外のフォーマット(jpgやpng)を選んで保存すると良い。 また、キーボードの「+」「-」を押すことで拡প・縮৵が可能だが、これもৄ た৯のみの変更である。後述する線分の端点など、正確な位置合わせが必要な 際に活৷すると良い。 19 3)オーバーレイ表示 ؙマーカーを基準として光学スキャン像とオートラジオグラムを重ね 合わせ、植物体のどの位置に³²Pが局在しているのかを確認する。 ؙRI実験に限らず、別々のモードで撮影した画像同をૻ較する際に 有৷(例:顕微鏡の蛍光像と透過光像)。 オーバーレイ作業の前に どちらの画像を編集するか? 今回の例に限らず、オーバーレイ表ંしたい2つの画像がそのまま重ねられる ことは少なく、্の画像を編集する必要がある場合が多い。 その場合、定量処理に৷いる予定のある画像は極ৡ編集せずに残すのが良い。 したがって今回の場合は試料の光学スキャン像を編集し、無編集のオートラジ オグラム像(IP画像)にオーバーレイ表ંするのが良い。 21 オーバーレイ作業の前に 画像間のずれを定量する্法は? つの画像を重ねあわせるために必要な編集は、主に以下の3つである。 1)拡প or 縮৵ 2)回転 3)XY্向への平ষ移動 これらの編集のために必要な数値は、以下の操作で定量できる。 Fijiのウィンドウの左から5番৯のアイコン(Straight)を選択する。この状態 で画像上をドラッグすると線分が描かれ、線分のশさおよびഓ度がFijiウィンド ウに表ંされる。また、その時点でマウスカーソルがある位置のXY座標も表ં される。これらの情報を使い、光学スキャン像とオートラジオグラム画像それ ぞれのマーカー間に線分を引くことで、サイズ・ഓ度・位置のずれを定量する ことができる。 22 画像のマーカー上に線分を引いている際 の表ં。Fiji(ImageJ)のウィンドウ内 に線分のangleとlengthが表ંされる。 length(線分のশさ)のૻに従って拡 প・縮৵をষい、 angle(線分のഓ度)の差に従って回転を ষう。 23 光学スキャン像のサイズ変更 Image > Scale を選択し、光学スキャン像を拡প/縮৵する。設定すべき倍率は マーカー間の距離から算出する(※)。 Interpolationは、特に理由が無ければBicubicを選ぶのが良いと思われる。処理が 重い場合はBilinearを試してみること。 メモリがଌりなくて処理が重い場合以外は、Create new windowの䃺を外さない ্が良い。ImageJはundo(=やり直し)機能が弱いので、失敗した場合に備え て元の画像を残しておく্が良い。 ※ 何らかの্法で2つの画像間の縮尺ૻがわかっている場合、それを利৷することも できる。たとえば試料を光学スキャンした時の解像度(dpi)とIP読み取りの際のピク セルサイズが分かっていれば、これらを৷いて縮尺ૻを算出することもできる。 24 光学スキャン像の回転 (サイズ変更済の画像を選び)Image > Transform > Rotate を選択する。 マーカーを結ぶ線分のഓ度から算出した画像間のഓ度差をোৡし、回転させる。 ImageJの場合(なぜそうなっているかは不明だが)ウィンドウに表ંされるഓ 度(反時計回りが正)とRotateで指定する数字(時計回りが正)が逆なので注 意。ウィンドウ表ંでプラス্向(反時計回り)に回転させたい場合、Rotateで はマイナスの数値をোৡすること。 この操作もundoが効かないので、あらかじめ Image > Duplicate で画像を複製 しておくと良い。 Enlarge Image to Fit Result と Preview はいずれも䃺をোれておくと良い。 Grid Linesに数値をোৡすると、Preview画એで表ંされる格パターンを調整 できる。 25 光学スキャン像の平ষ移動 (回転済の画像を選び)Image > Transform > Translate を選択する。 この操作もundoが効かないので、あらかじめ Image > Duplicate で画 像を複製しておくと良い。 回転済の両画像上で同マーカーの上にマウスカーソルを合わせた状態の X,Y座標の数値を読取り、この差から X Oíset / Y Oísetの数値を算出す る。Interpolation は None で良い。 マウスカーソルの位置の座標はここに表ંされる。 26 オーバーレイ表ં ここまでで、オーバーレイ表ંに必要な画 像編集が終了したので、編集済の光学ス キャン像をオートラジオグラムに重ねる オーバーレイ操作をষう。 オートラジオグラムのウィンドウを選択し た状態で、Image > Overlay > Add Image を実ষする。Image to add で編集 済の光学スキャン像を選ぶ。Opacity(=不 透明度)に適当な数値(30-70%程度)を 設定し、OKを押す。失敗したと思ったら Image > Overlay > Remove Overlay で 元の状態に戻せるので、Opacityを変えつつ 試ষ錯誤すると良い。 27 スケール情報のোৡ Image > Properties から画像のスケール情報を指定できる。こ の実習で৷いるIP画像は200μm/pixelでIPを読み取ったので、 Unit of length にmm、Pixel width と Pixel height に0.2をোৡ してOKを押す(※1)。 この状態でAnalyze > Tools > Scale Barを実ষすると、mm単位 のスケールバーをোれることができる(※2)。 なお、線分を引いた際のlengthの単位もpixelからmmに変化し、後 述の定量作業の際のArea表ંも平্mm単位となる。 ※1 μmを指定したい場合、「um」とোৡする(ギリシャ ધ字のマイクロではなく৵ધ字のUを使う)。 ※2 ImageJ本来のScale Barと異なり、Fijiに含まれる 「Scale Bar Plus」には Overlay オプションがあるので䃺 しておくと良い。画像に直接書き込まれるのではなく、 Overlayとしてোৡされるので、後述のROIマネージャー 等で修正できる。 28 注釈のোৡ Overlayは画像に注釈をোৡする際にも 利৷できる。ただし癖のある機能なの で、他の画像編集ソフトウェアに慣れて いれば無理に使৷する必要は無い。 具体的には、テキストツールやライン ツールでધ字や図形を描画した状態で Image > Overlay > Add Selection を ৷いることでધ字や図形をOverlayとし て書き込むことができる。 Overlayに書き込んだધ字や図形を編集・ 消去したい場合、(直感的では無いが) ROI Managerを৷いることで可能であ る。Image > Overlay > To ROI Manager でOverlayの各パーツが ROI Manager に登録される。ROI Managerに ついては後述する。 29 4)オートラジオグラムの 定量解析 ؙイメージングプレートで得られる画像データのシグナル強度は、吸収 した放射線エネルギー量とৈい相関を持つ。ImageJ(Fiji)に含まれる 画像解析ツールを৷いてシグナルを解析することで、植物体の各部位に 含まれる³²Pの量を数値データとして取り出すことができる。 ؙ本実習で触れるু法には、RIの定量以外にも電気泳動のバンド解析や染 ౦細胞のঽ動計数、葉એ積の算出など、様々な利৷法がある。 ROI Managerの操作 Analyze > Tools > ROI ManagerでROI Managerウィンドウが表ંされる。同画像に複 数のROIを設定したり、異なる画像に同のROI を設定したい場合に便利である。度設定した ROIを移動することもできる(Overlayの移動は この機能を使う)。 領域選択をষった状態でROI ManagerのAddボタ ン(またはキーボードの"t")を押すと、選択領域 がROIとして登録される。Show AllとLabelsに䃺 をোれておくと使いやすい。 登録されたROIはঽ動的に数字とハイフンからな る名前が付くが、分かりにくければPropertiesか ら名前を変更することもできる。 31 各種の領域選択法 ImageJで定量操作をষう場合、何らかの্法で関ੱ領域(Region of Interest, ROI)を設定し、その内部のシグナル強度等の情報を収集する。 1(基本)Rectangular や Freehand を使って図形を描き、選択領域とする。 2(発展)scan画像の౦や明るさを基準にROIを作成し、 ؙؙؙؙؙこのROIをオートラジオグラムに適৷する。 2A:マウスで選択した箇所と類似の範囲をঽ動選択 FijiウィンドウからWandを選び、特定の領域(例えば葉ମ)をクリックする。 領域選択の感度はWandのアイコンをダブルクリックして調節。 2B:基準をマニュアル操作で設定ؙ Image > Adjust > Threshold で選択条件を設定し、Selectを押す(※)。 ※ 必要に応じて選択領域をさらに加ੵする。例えばEdit > Selection > Create Mask、作成された画像に 対して Process > Binary > Dilate n回、Wandで選択 (興味があれば試してみて下さい) 32 各種の領域選択法 各種のROI選択法の例 1)Wandツール 25)Ovalツール 67)Polygon selectionツール 89)Freehandツール 1011)Rectangularツール ※この画像の例では、バックグラウンド値を算出する ために何も試料が無い領域をRectangularツールで選 択している。 33 ROI Managerの操作 全てのROIを登録したら、ROI Managerで登録さ れたROIを全て選択し、Measureボタンを押すと 定量結果が表ંされる(File > Save Asで保存す る)。今回の場合は Area と Mean が必要な情 報。 34 定量計算 Area と Mean の積がROI内部のシグナルの総和をંす。 シグナル強度は試料の放射能にૻ例するため、標準溶液 のスポット(濃い্からそれぞれ 100, 25, 5 Bq)の ROIのシグナル強度から検量線を作成することで、イネ幼 植物のROIの放射能が算出できる。幼植物を細かいROI (例えば葉ମと葉鞘)に分けて解析しても良い。 IPは環境放射線によって常にシグナルを蓄積する。この影響を除外するため、IP上のサンプル が存在しない位置にROIを設定し、バックグランドのシグナル強度を算出し、これを各サンプ ルのROIの値から減算する必要があることに注意する。 サンプルの正味シグナル強度→ؙ (Mean(Sample) - Mean(BG)) Area(Sample) 35