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岐阜県耐震改修促進計画
岐阜県耐震改修促進計画 平成19年 3月 策定 平成23年10月 改定 平成28年 4月 改定 平成28年 8月 改定 目 次 はじめに 1 計画策定の経緯と地震防災における位置づけ 2 岐阜県震災対策検証委員会の提言 第1 想定される地震の規模、想定される被害状況 1 想定される地震の規模 2 人的被害の想定 3 建物被害の想定 第2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 (1)住宅の耐震化の現状 (2)特定建築物の耐震化の現状 2 建築物の耐震化の目標 3 公共施設・防災拠点施設等の耐震化の現状・目標 (1)県有施設における耐震化 (2)その他公共施設・防災拠点施設等における耐震化 第3 建築物の耐震化の促進に係る基本的な方針 1 耐震化の課題 2 役割分担の考え方・建築物所有者の努力義務 (1)県民・事業者(建物所有者)の役割 (2)市町村・県の役割 3 実施する事業の方針 (1)事業の考え方 (2)実施する事業 4 重点的に耐震化を図る地域・建築物等の考え方 (1)重点的に耐震化を図る地域 (2)地震発生時に通行を確保すべき道路 (3)重点的に耐震化を図る建築物 (4)より重点的に耐震化を図る建築物 5 「命」を守るための多様な取組みの推進 第4 建築物の耐震化を促進する施策 1 安心して耐震化が行える環境整備 (1)岐阜県建築物等耐震化促進事業 (2)その他の補助事業 (3)町内会等との連携 (4)特定優良賃貸住宅の空き家の活用 (5)岐阜県住宅供給公社による耐震診断・改修 2 耐震化に関する啓発及び知識の普及 (1)相談体制の整備 (2)情報提供の充実 3 地震時の建築物の総合的な安全対策 (1)地震時の建築物の総合的な安全対策 (2)地震に伴う宅地被害の軽減対策 第5 指導・勧告又は命令等に関する事項 1 建築物の耐震改修の促進に関する法律による指導等 (1)要緊急安全確認大規模建築物 (法附則第3条該当) (2)特定既存耐震不適格建築物 (法第14条、第15条該当) (3)既存耐震不適格建築物(法第16条該当) 2 建築基準法による勧告又は命令 3 所管行政庁との連携 第6 建築物の耐震化の推進に関する事項 1 市町村が定める耐震改修促進計画 2 計画の推進体制 別表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3 4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 13 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 22 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 23 24 はじめに 1 計画策定の経緯と地震防災における位置づけ 本計画は、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号。以下「法」という。 )第 5条の規定に基づき、県内の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るため、平成18年度から27 年度までの10年間を計画期間とする「岐阜県耐震改修促進計画」として平成19年3月に策定した。 平成28年3月に国の「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針」が示され たこと、引き続き耐震改修の促進を行う必要があることから、 「岐阜県耐震改修促進計画」について、平 成32年度まで5年間の計画期間とする改定を行い、国の基本的な方針を踏まえた耐震改修の促進を進 めるものである。 なお、岐阜県における地震防災については、処理すべき事務等について広く定めた国の「防災基本計 画」及び岐阜県強靱化計画を踏まえた「岐阜県地域防災計画」 、減災目標の設定や実施計画等を明示した 岐阜県地震防災対策推進条例に基づく「岐阜県地震防災行動計画」等に基づき、その対策を進めており、 「岐阜県耐震改修促進計画」もこれらの計画等と調和を図った地震防災対策の一環となるものである。 -1- 2 岐阜県震災対策検証委員会の提言 平成23年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) 」では、現行基準に適合す る建築物での揺れによる大きな被害がさほど見られず、これまでに発生した地震による経験を生かした 建築物の地震対策が有効であったと考えられるとともに、これまで以上に耐震化の推進が重要な課題で あることが認識された。 岐阜県では、東日本大震災により明らかになった震災対策の現状と課題を洗い出し、岐阜県で大規模 震災が発生した場合に教訓とすべき事項を検証することを目的に、県内外の各界有識者から成る「岐阜 県震災対策検証委員会」を組織し、専門性の高い項目の検討では分科会を設置の上、防災体制・防災対 策の総点検を行い、建築物の耐震化については「耐震化分科会」が設置され検証・検討が行われた。 耐震化分科会では、これまでの取組みには一定の評価を与えつつ、建築物の更なる耐震化促進に向けた 取組みの強化や、耐震化を最終目標とした「命を守るための多様な取組みの推進」などについて検討が 行われ、平成23年7月31日にとりまとめられた「岐阜県震災対策検証委員会報告書」において、建 築物の耐震化に関し、以下の7項目の提言がなされ、当提言を踏まえ、平成23年10月に本計画の改 定を行った。 岐阜県震災対策検証委員会からの提言項目(建築物の耐震化に関する項目のみ抜粋) ①防災拠点施設等の耐震化【市町村・建物所有者】 ②緊急輸送道路沿道の特定建築物への取組みの強化【市町村・建築関係団体】 ③耐震化の普及啓発における内容の充実と手法の見直し【市町村・建築関係団体】 ④耐震化に関する補助制度の見直し【市町村】 ⑤不特定多数が利用する民間特定建築物への取組みの強化【市町村・建築関係団体】 ⑥宅地被害の周知【市町村・建築関係団体】 ⑦「命」を守るための多様な取組みの推進【市町村】 ※ 【 】は特に連携を図るべき事業主体 -2- 第1 想定される地震の規模、想定される被害状況 以下の被害想定は、平成23年度から24年度にかけて岐阜県が実施した「岐阜県南海トラフの巨大 地震等被害想定調査」に基づくものである。 1 想定される地震の規模 本県は、全国的にみても活断層の分布密度がかなり高く、大小あわせて約 100 本もの活断層が存在し 有史以来地震による被害を多く受けてきた。特に 1891 年に発生した濃尾地震は日本の内陸部で発生した 最大級の地震(マグニチュード 8.0)であり、県内だけでも 5,000 人近い死者を出すという甚大な被害を受け た。そして今、南海トラフ地震の発生の危険性が高まっている。 平成23年度から24年度にかけて岐阜県が実施した「岐阜県南海トラフの巨大地震等被害想定調査」 では、表1-1のとおり県内において特に大きな被害をもたらすと見られる南海トラフの巨大地震及び 主要な4つの活断層による内陸直下型地震(阿寺断層系地震、跡津川断層地震、養老-桑名-四日市断 層帯地震、高山・大原断層帯地震)を想定される地震としている。 南海トラフの巨大地震については、県全域が震度5強以上の揺れに見舞われ、県南部を中心に震度6 弱の揺れになり、岐阜・西濃圏域を中心に広い範囲で液状化が発生する可能性が高いと予測している。 また、4つの内陸直下型地震については、それぞれの断層が存在する圏域において震度5強以上の揺 れになり、一部地域においては震度7程度の揺れが発生すると予測している。 表1-1 想定される地震の規模 想定地震 \ 地震の規模 PL値(液状化指数)※ 最大震度 5.97(震度 6 弱) 6.64( 震度 7 ) 6.59( 震度 7 ) 6.96( 震度 7 ) 6.81( 震度 7 ) 58.30 31.61 37.81 59.10 32.01 ※PL値(液状化指数) PL 値>15:液状化の可能性が高い 5<PL 値≦15:液状化の可能性がある 南海トラフの巨大地震 阿寺断層系地震 跡津川断層地震 養老-桑名-四日市断層帯地震 高山・大原断層帯地震 2 人的被害の想定 想定地震における被害想定は、表1-2のとおりである。地震発生時間を冬の午前5時(多くが自宅 で就寝中に被災するため、家屋倒壊による死者が発生する可能性が高い。 )と、冬の午後6時(住宅等で 火気器具が最も多い時間帯で、出火件数が最も多くなる。 )及び夏の正午(オフィスや繁華街等に多数の 滞留者があり、自宅以外で被災する場合が多い。 )を想定しているが、ここでは最も人的被害の大きい冬 の午前5時を記載する。 表1-2 想定される人的被害 想 定 地 震 (単位:人) 死者数 重傷者数 470 830 900 1,500 980 1,600 3,100 5,600 870 1,400 ※要救出者数:倒壊した建物内に閉じ込められる人数 南海トラフの巨大地震 阿寺断層系地震 跡津川断層地震 養老-桑名-四日市断層帯地震 高山・大原断層帯地震 -3- 負傷者数 13,000 9,000 9,000 26,000 7,800 ※ 要救出者数 1,800 2,000 2,300 12,000 2,100 避難者数 161,000 46,000 56,000 240,000 45,000 3 建物被害の想定 想定地震における被害想定は、表1-3のとおりである。焼失棟数については、最も建物被害の大き い冬の午後6時(住宅等で火器使用が最も多い時間帯で、出火件数が最も多くなる。 )を記載する。 (1)建物被害 県内の建物は、岐阜地域・大垣地域にその約半数が集中するため、両地域の近傍で発生する養老- 桑名-四日市断層帯地震の場合、両地域を中心に6万8千棟を超える建物が全壊すると予測される。 また、跡津川断層地震や阿寺断層系地震でも、近くの飛騨地域や下呂地域・東濃地域のみでなく、 比較的離れた岐阜・大垣地域等でも全壊建物が多数発生する。これは、この地域の地質・地盤等の特 性による液状化危険度が高いことに起因する。 (2)焼失棟数 焼失棟数が、南海トラフの巨大地震、阿寺断層系地震、跡津川断層地震及び高山・大原断層帯地震 では、概ね 150~400 件程度、養老-桑名-四日市断層帯地震では概ね 1,300 件程度と予測される。断 層近傍で多くの焼失棟数が予測されているが、特に岐阜・大垣地域は、人口集中地区のため、多くの 焼失棟数が予測される。 表1-3 想定される建物被害 建物被害 想定地震 南海トラフの巨大地震 阿寺断層系地震 跡津川断層地震 養老-桑名-四日市断層帯地震 高山・大原断層帯地震 (単位:棟) 建物被害(棟数) 全壊 半壊 35,000 16,000 20,000 68,000 17,000 -4- 焼失棟数 100,000 37,000 39,000 113,000 32,000 210 160 380 1,300 280 第2 建築物の耐震化に係る目標 1 建築物の耐震化の現状 建築基準法の耐震基準に関する改正が昭和56年6月1日から施行され新耐震設計法が導入されたこ とから、これ以降に着工された建築物を「新基準建築物」 、これより前に着工された建築物を「旧基準建 築物」という。 「建築物の耐震化」とは、建築物の地震に対する安全性を確保することであり、 「耐震化されている建 築物」とは、新基準建築物、旧基準建築物のうち、耐震診断結果により耐震性を満たす建築物(以下「耐 震性を満たしている建築物」という。)又は耐震改修した建築物(以下「耐震化した建築物」という。) という。 この「耐震化されている建築物」の「建築物の全数」に対する割合を「耐震化率」という。 「耐震性が不十分な建築物」とは、旧基準建築物のうち、耐震診断の結果、耐震性が不十分であり、 かつ耐震改修が行われていないものをいう。 (1)住宅の耐震化の現状 県内の建築年代別住宅数は、5年ごとに行われている住宅・土地統計調査(総務省統計局)による と表2-1のとおりである。 表2-1 建築年代別住宅数 年代別 住宅数 (単位:戸) H5 年調査 H10 年調査 H15 年調査 H20 年調査 H25 年調査 戸数 戸数 戸数 戸数 戸数 割合 (%) 建築年 S35 年以前 116,100 旧 S36 年~45 年 98,100 基 S46 年~55 年 182,700 準 不 詳 - 計 396,900 割合 (%) 割合 (%) 19 100,000 16 90,600 15 14 85,800 75,100 31 169,300 26 141,200 - - 66 359,900 13 11 割合 割合 (%) 73,600 68,400 10 10 (%) 64,100 60,900 9 8 20 138,000 19 122,900 17 - - 55 302,100 - - 44 280,000 - 10,700 39 258,600 1 35 S56 年~60 年 73,600 12 72,600 11 72,400 11 136,600 19 126,200 S61 年~H2 年 H3 年~7 年 新 H8 年~12 年 基 H13 年~17 年 準 H18 年~20 年 90,800 38,200 - - 15 6 - - 78,300 82,100 50,000 - 12 13 8 - 78,100 79,100 95,000 39,200 12 12 14 6 74,800 89,700 80,600 10 13 11 73,300 80,200 75,100 10 10 10 - - - - - - 35,100 5 52,200 7 - - - - - - - - 53,900 8 2 19,900 61 480,800 2 65 H21 年~25 年.9 不 詳 計 合 計 耐震改修を行った住宅 2,500 205,100 1 6,100 34 289,100 1 9,000 45 372,800 1 16,000 56 432,800 18 602,000 100 649,000 100 674,900 100 712,800 100 739,400 100 未調査 7,500 1 20,000 3 28,000 4 ※ H25 年調査の不詳件数については、旧基準と新基準とで按分した件数で計上とする。 -5- 岐阜県における住宅の耐震化率の現状については、H25 住宅・土地統計調査を基にした国土交通省発表 数値(H27.2 発表)によると、 「新基準建築物の住宅」が 481 千戸(対 H20 比 4%増) 、 「旧基準建築物 の住宅」のうち「耐震改修を行った住宅」は約 28 千戸(同 1%増) 、 「耐震診断結果により耐震性を満た す住宅」については耐震診断結果からの推計により約 66 千戸であることから、県内の住宅総数約 739 千 戸のうち約 576 千戸(同 7%増)が「耐震化されている住宅」と推計できる。 図2-1 住宅の耐震化の現状【平成25年調査】 新基準建築物 481千戸(65%) 耐震化されている 住宅 576千戸(78%) 住宅総数 739千戸(100%) 旧基準建築物 258千戸(35%) 診断により耐震 を満たす住宅 66千戸(9%) 改修済 28千戸(4%) 耐震性が不十分な住宅 163千戸(22%) (2)特定建築物の耐震化の現状 一定の用途及び規模要件に該当する建築物を「特定建築物」と定め、その用途・規模の要件は表2 -2のとおりである。そのうち学校、体育館、病院、劇場、観覧場、展示場、百貨店、事務所、老人 ホーム等多数の者が利用する建築物を「1号特定建築物」 、危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する 建築物を「2号特定建築物」 、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれのある建築物を「3号特定建 築物」とし、それぞれの耐震化の現状は、建物所有者に対して実施したアンケート等の実態調査によ ると表2-3のとおりである。 -6- 表2-2 特定建築物一覧 号 NO 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1号 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 用 途 小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、 学校 聾学校若しくは養護学校 上記以外の学校 体育館(一般公共の用に供されるもの) ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する運動 施設 病院、診療所 劇場、観覧場、映画館、演芸場 集会場、公会堂 展示場 卸売市場 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 ホテル、旅館 賃貸住宅(共同住宅に限る。 ) 、寄宿舎、下宿 事務所 老人ホーム、老人短期入所施設、身体障害者福祉ホームその他 これらに類するもの 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターそ の他これらに類するもの 幼稚園、保育所 博物館、美術館、図書館 遊技場 公衆浴場 飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールそ の他これらに類するもの 理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス 業を営む店舗 工場(危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除 く) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建 築物で旅客の乗降又は待合の用に供するもの 自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のため の施設 郵便局、保健所、税務署その他これらに類する公益上必要な建 築物 2号 - 危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物 特定建築物の規模要件 階数 2 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 1 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 2 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 2 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 2 以上かつ 500 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 建築物の耐震改修の促進に関 する法律施行令第7条で定め る数量以上の危険物を貯蔵、 処理する全ての建築物 地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の 通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあ 3号 - 全ての建築物 り、その敷地が岐阜県地域防災計画に位置付けられた緊急輸送 道路に接する建築物 -7- 表2-3特定建築物の耐震化の現状 (単位:棟) 耐震化の現 状 全棟数 特定建築物の種類 A=B+C 多数の者が利用する建築物 1 (庁舎、病院、警察、学校、社会福祉 号 施設、劇場、集会場、店舗、ホテル賃 貸住宅、事務所、工場等) 2 危険物の貯蔵場又は処理場の 号 用途に供する建築物 地震によって倒壊した場合に 3 おいて道路の通行を妨げ、多 号 数の者の円滑な避難を困難と する建築物 耐震化さ 新基準 旧基準 耐震改 耐震性 れている 建築物 建築物 修実施 を満た 建築物 B 済み D す E F=B+D+E C 耐震化率 G=F/A 6,927 4,115 2,812 1,000 838 5,953 86% 395 223 172 4 69 296 75% 4,318 2,266 2,052 33 510 2,809 65% 1号特定建築物については、 「新基準建築物」が 4,115 棟(59%)、 「旧基準建築物」2,812 棟(41%)のうち、 「耐震改修実施済みのもの」が 1,000 棟(15%)、 「耐震診断結果から耐震性を満たすもの」が 838 棟(12%) であることから、 「耐震化されている建築物」は 5,953 棟となり、県内の1号特定建築物総数 6,927 棟の うち 86%が耐震化されていると推計できる。 2号特定建築物については、「新基準建築物」が 223 棟(56%)、 「旧基準建築物」172 棟(44%)のうち、 「耐震改修実施済みのもの」が 4 棟(1%)、 「耐震診断結果から耐震性を満たすもの」が 69 棟(18%)である ことから、 「耐震化されている建築物」は 296 棟となり、県内の2号特定建築物総数 395 棟のうち 75% が耐震化されていると推計できる。 3号特定建築物については、「新基準建築物」が 2,266 棟(52%)、 「旧基準建築物」2,052 棟(48%)のう ち、 「耐震改修実施済みのもの」が 33 棟(1%)、 「耐震診断結果から耐震性を満たすもの」が 510 棟(12%) であることから、 「耐震化されている建築物」は 2,809 棟となり、県内の3号特定建築物総数 4,318 棟の うち 65%が耐震化されていると推計できる。 図2-2 1号特定建築物の耐震化の現状 耐震化されている 特定建築物 5,953棟(86%) 新基準建築物 4,115棟(59%) 特定建築物総数 6,927棟(100%) 改修済 1,000棟(15%) 旧基準建築物 2,812棟(41%) -8- 耐震診断結果を 基に推計 診断により耐震性を満た す 838棟(12%) 耐震性が不十分な 特定建築物 974棟(14%) 2 建築物の耐震化の目標 平成7年に発生した兵庫県南部地震では、建築物の倒壊による「圧死」で多くの尊い命が犠牲となり、 平成16年の新潟県中越地震においては人的被害が少なかったものの、多くの建築物において倒壊ある いは損壊といった被害が発生した。また、平成23年の東北地方太平洋沖地震では現行基準に適合する 建築物においては、揺れによる大きな被害がさほど見られなかったことから、これまでに発生した地震 による経験を生かした建築物の地震対策が有効であったと考えられる。 県民の安全・安心を確保し、地震被害の軽減を図るためには、建築物の耐震化は重要かつ緊急的な課 題であり、総合的な建築物の耐震化対策を計画的かつ効果的に推進していく。 これまでの県の取り組み ・平成16年7月に策定した「岐阜県緊急アクションプログラム9」 (県が緊急に実施すべき事業をと りまとめた緊急実施計画)において「建築物・土木構造物の耐震化」を対策項目の一つとしている。 ・平成17年度に行った県政の政策総点検において「耐震化対策」として「県有建築物の計画的な耐震 化の推進」 「県立学校の耐震化率100%を目指した計画的な推進」 「耐震診断・耐震改修の積極的な PRの実施」を政策の方向性としている。 ・平成19年3月に策定した岐阜県耐震改修促進計画に基づき、建築物の耐震化に関する普及啓発や支 援を進めている。 ・平成23年に策定した「第二期岐阜県地震防災行動計画」において「死者を出さない 増やさない」 を重点目標とし、建築物の耐震化については「地震に強いまちづくり」 「住宅の耐震化等促進」 「公共 施設等の耐震化等の促進」を減災対策として定めている。 ・平成27年に策定した「岐阜県強靱化計画」において巨大地震による住宅・建築物の倒壊や大規模火 災に伴う甚大な人的被害の発生を「起きてはならない最悪の事態」として位置付け、その事態を回避 するために住宅・建築物の耐震化を施策化 国の基本方針(抜粋) 建築物の耐震診断及び耐震改修の目標の設定 南海トラフ地震防災対策推進基本計画及び首都直下型地震緊急対策推進基本計画における目標を踏 まえ、住宅の耐震化率及び多数の者が利用する建築物の耐震化率について、平成32年までに少なくと も95%にすることを目標とするとともに、平成37年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消す ることを目標とする。 住宅及び特定建築物の耐震化の現状、これまでの岐阜県強靱化計画の取り組み、国の基本方針を踏まえ、 住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化率を平成32年度までに95%にすることを目標とする。 耐震化率95%を達成するため、平成25年から平成32年までの間に、住宅については約 126 千戸、 多数の者が利用する建築物(1号特定建築物)については約 630 棟の耐震化が必要である。耐震化の重 要性・必要性についての普及啓発、耐震化を支援する施策をより一層推進することにより、旧基準建築 物の建て替え・耐震改修の促進を図る。 なお、目標の達成状況等については、5年ごとに行われる住宅・土地統計調査にあわせて見直しを行う。 図2-3 耐震化の目標の考え方 H25 耐震化率 住 宅 国 県 82% 多数利用 の建築物 85% 住 宅 78% 多数利用 の建築物 目 標 86% 目標耐震化率 95% 南海トラフ地震防災対策推進基本計画 及び首都直下地震緊急対策推進基本 計画による目標を踏まえ設定 95% 95% 国の基本方針及び岐阜県強靭化計画 を踏まえ設定 -9- 95% 図2-4 住宅の耐震化の目標(平成32年度) 耐震化されている住宅 583千戸(78%) 耐震化されている住宅 576千戸(78%) 診断により耐震性を満 たす住宅 66千戸 .(9%) 改修済 28千戸(4%) 建替え・耐震改修による耐震化 126千戸 (17%) 耐震性が不十分な住宅 163千戸 (22%) 耐震性が不十分な住宅 37千戸 (5%) 総数746千戸 平成32年度 総数739千戸 平成25年度 図2-5 多数の者が利用する建築物(1号特定建築物)の耐震化の目標(平成32年度) 耐震化されている特定建築物 5,953棟(86%) 耐震化されている特定建築物 5,953棟(86%) 診断により耐震性を満た す特定建築物 838棟(12%) 改修済 1,000棟(15%) 建替え・耐震改修による耐震化 627棟(9%) 耐震性が不十分な 特定建築物 974棟(14%) 耐震性が不十分な 特定建築物 347棟(5%) 平成32年度 平成27年度 - 10 - 3 公共施設・防災拠点施設等の耐震化の現状・目標 災害時に庁舎は災害対策本部、病院は医療救護活動の拠点、警察は応急活動拠点、学校は避難収容拠 点となるなど、多くの公共施設は防災拠点施設として活用されるため、公共施設の耐震化を進めること は、被災時の利用者の安全の確保、被災後の応急対策活動の拠点施設としての機能確保に繋がり、大変 重要である。 また、東日本大震災では、公共施設か民間施設であるかを問わず、庁舎、警察、病院等の防災拠点施 設や避難所について、津波あるいは揺れによる建物の損傷等によって使用不能となり、震災への対応能 力が喪失したケースもあることから、これらの施設については、所有者による耐震性の早期確保が重要 である。 このため、公共施設、防災拠点施設の耐震化については、建物の重要度や地震発生確率を踏まえた倒 壊危険度を考慮した優先順位の見直しを行うとともに、避難所にあっては、地域での避難所の耐震化状 況を考慮した優先順位の見直しを行い、緊急度の高い施設から耐震化を進めることとする。 (1)県有施設における耐震化 ア 耐震化の現状 県有施設の内、木造及びコンクリートブロック造以外の構造で延べ床面積が 200 ㎡以上かつ居 室を有する建築物については計画的に耐震化に取り組んでおり、平成28年3月末の状況は、表 2-4のとおりである。 旧耐震基準で建築された県有建築物の830棟について耐震診断を実施した結果、耐震性が確 認できたものが375棟であった。耐震性不十分と判定された455棟のうち、耐震補強等によ り対応済となったのが421棟であり、未対応の34棟のうち、改築予定等を除く23棟につい ては、耐震補強工事を実施する予定となっている。 平成28年3月末現在 表2-4 県有施設の耐震化の状況について S57以降 S56以前 耐震性 棟数 棟数 有り 庁舎 県営住宅 学校 教育委員会 学校以外 警察署 警察 その他庁舎 職員宿舎 合 計 知事部局 1,450 1,450 142 126 381 15 23 8 135 830 118 126 381 15 19 5 132 796 補強不要 対応済 59 93 90 7 9 3 114 375 耐震性 無し 解体・ 譲渡・ 補強工事 使用中止 売却 59 33 291 8 10 2 18 421 42 13 239 3 8 2 0 307 14 20 52 5 2 0 14 107 3 0 0 0 0 0 4 7 24 0 0 0 4 3 3 34 未対応 20 0 0 0 2 1 0 23 改築・ H28年度 解体・ 耐震補強 以降工事 使用中止 実施中 予定 予定 1 0 0 0 0 0 0 1 19 0 0 0 2 1 0 22 4 0 0 0 2 2 3 11 (注1) 耐震診断の対象は、木造・コンクリートブロック造以外で、延べ床面積200㎡以上かつ、居室を有する建築物とする。 棟数は構造上別棟となるものは、それぞれ算出とする。 (注2) 職員宿舎は、知事部局、教育委員会及び警察関係を含む。 (注3) 「警察署」は、警察署及び交番の施設数である。 イ 耐震診断結果の公表 上記(1)アによる県有施設については、施設を利用する県民に対して耐震性の周知を行うた め、耐震診断結果、耐震性が不十分なものについては今後の施設整備予定(改修、使用中止など) について平成20年7月から公表しており、逐次情報更新を行っている。 ウ 耐震化の目標 県有施設の耐震性確保については、法により建築物の所有者として耐震改修を行うよう努める こととされていることに加え、施設所有者として「県民、施設利用者の生命(安全) 」を守る責務 があることから、早期に実施する必要がある。 このため、上記(1)アで述べた23棟の耐震補強工事については、建物の耐震性能、建物の - 11 - 用途別の重要度、及び地震発生確率を考慮の上、見直された優先順位を基に、県の財政状況も勘 案し順次補強工事を実施する予定で、平成29年度までに耐震化完了を目指す。 (2)その他公共施設・防災拠点施設等における耐震化 県以外の公共施設の所有者(国や市町村など)は、建築物の所有者として耐震改修を行うよう努め ることとされており、さらに施設所有者として「施設利用者の生命(安全) 」を守る責務があることか ら、県有特定建築物における耐震化の優先順位付けなどに準じ、建築物の耐震化を推進するよう努め る。 特に、庁舎や病院などの防災拠点施設となる建築物、集会場等の不特定多数が利用する建築物につ いては、耐震化の早期完了を目指す。 また、民間の防災拠点施設・避難所については、公共施設における耐震化の取組み状況を周知する ことなどを通じて所有者による耐震性の早期確保に努める。 - 12 - 第3 建築物の耐震化の促進に係る基本的な方針 1 耐震化の課題 建築物の耐震化を促進するためには、次のような課題(耐震化を阻害する要因)に対して、適切な施 策を実施していく必要がある。 建築物の耐震化を促進するための課題 ・建築物の耐震化を支援する補助制度を知らない。 ・補強工事にお金がかかる。また、補強の効果が信用できない。 ・地震が来ても自分の家・建物は大丈夫だと思っている。 ・誰に頼んでいいかわからない。 ・改修工事にはトラブルが多いと聞いている。 ・改修に伴い、増改築を行う場合、現行基準に適合させることが要求される。 ・大規模な建物では、関係者の調整が複雑。 ・家族構成や生活形態などを理由に、耐震補強に踏み切れない。 2 役割分担の考え方・建築物所有者の努力義務 これまで、県では、平成7年の阪神・淡路大震災を教訓に地震防災対策を進めてきた。地震による被 害を最小限にとどめるためには、県民、事業者、市町村及び県が相互の信頼関係に基づき、 「自らの生命 は自ら守る」という自助の考え方、 「みんなの地域はみんなで守る」という共助の考え方及び行政が担う べき公助の考え方を基に、建築物の耐震化の促進について協働し、連携することが必要である。 県民・事業者、市町村及び県が危機意識を共有しつつ、それぞれの役割を自覚して、建築物の耐震化を 推進していく。 (1)県民・事業者(建築物所有者)の役割 ・県民及び事業者は、所有する建築物の地震に対する安全性を確保するとともに、その向上を図るよ う努める。 ・県民及び事業者は、所有する既存耐震不適格建築物(地震に対する安全性に係る建築基準法又はこ れに基づく命令若しくは条例の規定に適合しない建築物で同法第3条第2項の規定に該当するも の。 )について耐震診断を行い、必要に応じ耐震改修を行うよう努める。 (2)市町村・県の役割 ・市町村及び県は、連携して、建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及に努 める。特に、市町村にあっては、普及啓発重点地区の設定や地域特性に応じた過去の災害情報の提 供など、地域の実情に応じた有効的な普及啓発に努める。 ・市町村及び県は、建築物の所有者として自ら所有する公共建築物の耐震化に率先して取り組む。 ・所管行政庁※である市及び県は、既存耐震不適格建築物の所有者に対し、耐震診断及び耐震改修につ いて必要な指導及び助言を行う。 ・市町村及び県は、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るため、資金の融通又はあっせん、資 料の提供その他の措置を講じるよう努める。 ※所管行政庁とは耐促法第2条に定める建築主事を置く市町村の長をいう。 3 実施する事業の方針 (1)事業の考え方 建築物の耐震化の促進のためには、自助、共助の考え方を基に地域防災対策は自らの問題、地域の 問題という意識を持つことが重要であり、県民・事業者に対して、防災意識の向上と建築物の耐震化 の必要性・重要性の普及・啓発に積極的に取り組む。 建築物の所有者による耐震化への取り組みをできる限り支援するという観点から、所有者にとって - 13 - 耐震化を行いやすい環境の整備や負担軽減のための制度の実施等、耐震化の促進に必要な施策を講じ る。 (2)実施する事業 耐震化の促進のためには耐震診断等による耐震性能の把握が重要なことから、全ての建築物につい て適切な方法による耐震性能の把握を促進する事業を実施する。 耐震改修は、個人の財産である建築物に対して施工するものであることから、基本的に所有者の責 任において実施されるべきものである。しかし、耐震化により建築物の被害が軽減されることにより、 仮設住宅やがれきの減少が図られ、早期の復旧・復興に寄与すること、避難路が確保されること等か ら、耐震化を促進するための優遇措置として、建築物が個人財産であることや県の財政状況等を考慮 したうえで、耐震診断等を行った結果、耐震性が不十分であると判明した建築物について耐震性を満 たすような改修を促進する事業を実施する。 木造住宅の耐震化を促進するため、耐震診断及び耐震改修に対する支援を継続するとともに、防災 意識の向上や支援制度のPRについて、より効果的な対策を積極的に実施する。 4 重点的に耐震化を図る地域・建築物等の考え方 地震による建築物の倒壊等の被害から県民の生命、身体及び財産を保護するため、全ての既存耐震不 適格建築物について、耐震改修等により地震に対する安全性の向上を図ることを目的とし、特に以下の 地域、建築物については、重点的に耐震化を図ることとする。 (1)重点的に耐震化を図る地域 県内では、南海トラフ地震又は内陸直下型地震により多くの被害が想定されていること、さらに想 定される地震の他にも県内には活断層が無数に存在すると考えられていることから、県内全域を重点 的に耐震化を図る地域とする。 (2)地震発生時に通行を確保すべき道路 大規模震災時には、道路・橋梁等の破損、障害物、交通渋滞等により、道路交通に支障が生じる場 合が多い。また、救急・消防活動の実施、避難者への緊急物資の輸送等の災害応急対策を迅速に実施 するためには、要員、物資等の緊急輸送を円滑に行う必要があり、その経路の確保が重要である。 県では、被災時の地域防災拠点・地区防災拠点を連絡する道路として、岐阜県地域防災計画におい て緊急輸送道路を指定し、そのネットワーク化(道路網の形成)を図っている。 このため、法第5条第3項第3号に基づき「建築物の倒壊によって多数の者の円滑な避難を困難と することを防止するための道路」として、岐阜県地域防災計画に定められた第1次から3次までの緊 急輸送道路を指定する。 (3)重点的に耐震化を図る建築物 1号特定建築物については、多数の者が利用する建築物であり地震発生時に利用者の安全を確保す る必要が高いこと、2号特定建築物については、危険物を取り扱う建築物であり倒壊した場合多大な 被害につながるおそれがあること、3号特定建築物については倒壊した場合道路を閉塞し多数の者の 円滑な避難を妨げるおそれがあることから、全ての特定建築物、及び過去の地震における被害状況等 を踏まえ、既存耐震不適格建築物のうち、木造住宅については、その耐震性について特に問題がある と考えられることから「重点的に耐震化を図る建築物」とする。 また、上記に該当しない県有建築物についても、県民の安全の確保、地震時における応急対策活動 の拠点施設や避難施設としての利用の観点から「重点的に耐震化を図る建築物」とする。 (4)より重点的に耐震化を図る建築物 法附則第3条の要緊急安全確認大規模建築物、法第7条の要安全確認計画記載建築物については、 地震発生時において、人的被害の可能性及び応急活動への影響を考慮し、また法に基づき耐震診断が 義務付けされていることから「より重点的に耐震化を図る建築物」とする。 - 14 - このため、法第5条第3項第1号に基づく、大規模な地震が発生した場合にその利用を確保すること が公益上必要な建築物(以下「防災拠点建築物」という。 )について、法第7条第1項第1号に規定する 要安全確認計画記載建築物に関する事項及び当該建築物に係る耐震診断の結果の報告期限に関する事項 を別表に記載する。 図3-1 重点的に耐震化を図る建築物分類 耐震化を図る建築 ・既存耐震不適格建築物(※1) 重点的に耐震化を図る建築 ・特定既存耐震不適格建築物(※2) ・既存耐震不適格建築物 (木造住宅、県有施設) より重点的に耐震化を図る建築 ・要緊急安全確認大規模建築物(※3) ・要安全確認計画記載建築物(※4) ※1既存耐震不適格建築物:住宅や小規模建築物を含む耐震関係規定に適合しないすべての建築物 ※2特定既存耐震不適格建築物:学校、病院、ホテル・旅館等多数の者が利用する建築物で一定の規模以上のもの、及び倒 壊した場合に接する道路を閉塞するおそれのある建築物など ※3要緊急安全確認大規模建築物 :学校、病院、ホテル・旅館等多数の者が利用する大規模な建築物で法により耐震診断が義 務付けられたもの ※4要安全確認計画記載建築物:防災拠点及び倒壊した場合に接する道路を閉塞するおそれのある建築物で耐震診断を義務 付けるものとして地方公共団体が指定したもの ※2~※4の規模要件等詳細については表5-2(P21)参照 5 「命」を守るための多様な取組みの推進 「木造住宅の耐震化」では、現在の建築基準法で想定する大地震動(極めて稀に発生する地震)にお いて倒壊しないことが要求されており、地震による被害軽減のためにも耐震化の促進は非常に重要であ る。 しかしながら旧基準木造住宅所有者の中には、その家族構成や生活形態あるいは経済的理由など、様々 な理由により耐震化を実施できない者もおり、これらの所有者に対しては、住宅の損傷防止だけではな く人命を守るという視点から、将来的な耐震化を前提に、部分的に損傷はするものの建物全体としては 倒壊しない性能が確保されるといった簡易補強を推進することも重要である。 また、県民の多様な価値観やライフスタイルなどに対応し、県民の命を守る視点から、耐震シェルタ ーなど、簡易補強以外の建築物に関する新たな防災手法についても検討を進める。 - 15 - 第4 建築物の耐震化を促進する施策 1 安心して耐震化が行える環境整備 建築物の所有者による耐震化への取り組みをできる限り支援するという観点から、所有者にとって耐 震化を行いやすい環境の整備や負担軽減のための制度の実施等、耐震化の促進に必要な施策を次のとお り行う。 (1)岐阜県建築物等耐震化促進事業 ア 岐阜県建築物等耐震化促進事業の概要 旧基準建築物の耐震診断・耐震補強工事に対して市町村と協働して補助を実施しており、その 経緯は以下のとおりである。 今後も住宅・建築物の耐震化を促進するため、市町村が行う耐震診断・耐震補強工事に対する 補助事業に市町村と協働して支援を行う。 ≪耐震診断≫ 平成 14 年度から木造住宅を対象として補助を実施しており、平成 18 年度からは全ての建 築物に補助対象を拡充した。 平成 20 年度からは木造住宅について所有者負担を無料化し、平成 26 年度からは要緊急安 全確認大規模建築物に対する補助を大幅に拡充している。 ≪耐震補強工事≫ 平成 16 年度から木造住宅を対象として補助を実施しており、平成 18 年度からは特定建築 物及び分譲マンションに補助対象を拡充した。 平成 21 年度からは一定の要件に該当する木造住宅について、 簡易補強工事を補助対象とし、 平成 25 年度からは当該要件を撤廃した。 平成 28 年度からは要緊急安全確認大規模建築物のうち、地方公共団体と地震防災に関する 協定等を締結している民間建築物について補助拡充を実施する。 イ 岐阜県建築物等耐震化促進事業の実施状況 これまでの事業の実績は表4-2のとおりである。 表4-2 耐震化に係る補助の状況 (単位:件) 年度 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 1,486 57 27 0 0 1,433 142 21 0 0 補助事業の種類 木造住宅耐震診断補助事業 木造住宅耐震補強工事費補助 建築物耐震診断事業費補助 分譲マンション耐震補強工事補助 特定建築物耐震補強工事費補助 248 -※1 - - - 382 - - - - 478 30 - - - 619 72 - - - 373 48 12 0 0 H22 H23 H24 H25 1,540 192 14 0 1 2,266 231 38 0 0 1,846 243 41 0 2 1,186 274 40 0 2 425 43 19 0 0 年度 H26 計 補助事業の種類 木造住宅耐震診断補助事業 木造住宅耐震補強工事費補助 建築物耐震診断事業費補助 分譲マンション耐震補強工事補助 特定建築物耐震補強工事費補助 ※1 「-」は事業を未実施 - 16 - 982 156 32 0 0 13,264 1,488 244 0 5 ウ 県民要望に対する的確な対応 東日本大震災以降、県民の地震対策への関心は高まってきたが、ここ数年はまた耐震診断等の 件数が減少傾向にあるため、更なる啓発を行うと共に、耐震診断や耐震補強などの耐震化に係る 経済的負担を軽減するための補助金についても、県民の要望に対して不足とならないよう的確な 対応に努める。 エ 補助事業の活用促進を図るための取り組み 建築物の耐震化補助制度については、その積極的な活用が図られ、耐震化の一層の促進に資す るよう、耐震化の進捗状況、所有者・地域の特性、県・市町村の財政状況などを総合的に勘案し て、必要に応じ制度の見直しを行う。 (2)その他の補助事業 岐阜県中小企業資金融資制度 岐阜県中小企業資金融資制度に地震防災枠の資金枠を設定し、耐震性を向上させるための既存施設、 設備の改修・整備を行う資金を金融機関を通じて融資を実施する。 (3)町内会等との連携 地震防災対策では、 「みんなの地域はみんなで守る」という共助の考え方が重要である。町内会等は 地域の災害時対応において重要な役割を果たすほか、平常時においても地震時の危険箇所の点検、液 状化を含む過去の地震被害の伝承や耐震化の啓発活動を行うことが期待される。また、地域に密着し た専門家や自主防災組織の育成、NPOとの連携等幅広い取り組みが必要である。 市町村は、このような地域の取り組み等を支援する施策を講じることとし、県は、各種情報の提供、 専門家の派遣等必要な支援を行う。 (4)特定優良賃貸住宅の空き家の活用 住宅の耐震改修工事において、当該住宅を居住の用に供することができない場合にあっては、耐震 改修を実施する上での障害となることから、入居者の仮住居を円滑に確保する必要がある。 そのため、所得階層が中位にあるファミリー向けの公的賃貸住宅である特定優良賃貸住宅について、 住宅の耐震改修工事(法第17条に規定する計画の認定建築物に限る。)の実施に伴い仮住居を必要と する者に対し、特定優良賃貸住宅の空き家を一定期間賃貸できるものとする。 この入居の特例は、県内に存する全ての特定優良賃貸住宅を対象とする。 (5)岐阜県住宅供給公社による耐震診断・改修 岐阜県住宅供給公社は、県内全域において、委託により、住宅の耐震診断及び耐震改修並びに市街 地において自ら又は委託により行った住宅の建設と一体として建設した商店、事務所等の用に供する 建築物及び集団住宅の存する団地の利便に供する建築物の耐震診断及び耐震改修の業務を行うことが できるものとする。 2 耐震化に関する啓発及び知識の普及 建築物の耐震化の促進のためには、自助、共助の考え方を基に地域防災対策は自らの問題、地域の問 題という意識を持つことが重要であり、県民・事業者に対して、防災意識の向上と建築物の耐震化の必 要性・重要性の普及・啓発に積極的に取り組みます。 (1)相談体制の整備 ア 岐阜県木造住宅耐震相談士の養成 安心して木造住宅の耐震診断及び耐震改修を進めるためには、診断・改修に関する適切な知識を 有する「身近に気軽に相談できる専門家」が必要である。このため建築士事務所に勤務する建築士 を対象に講習会を開催し、耐震診断及び耐震改修設計を行う「岐阜県木造住宅耐震相談士」 (以下「相 - 17 - 談士」という。 )を養成し、登録している。 なお、相談士の名簿については、補助制度を行う市町村窓口において閲覧できることとしており、 さらに、相談士の制度について県のホームページや無料相談会等で周知を図っている。 イ 建築相談窓口 県民が気軽に建築物に係る相談ができるよう、県庁及び各建築事務所において「建築相談窓口」 を設置し、地震対策を始めとした建築物に係る相談窓口として、県民からの相談に応じている。 また、建築物の設計・施工について豊富な知識と経験を持つ建築関係団体においても建築相談窓 口として県民の相談に応じており、今後も、耐震化に係る技術、補助制度、融資制度等を含めた建 築物等の地震対策について、県民の相談に積極的に応じていく。 ウ 木造住宅の耐震診断・耐震改修に係る無料相談会 市町村等が開催する各種催事において、耐震化の普及・啓発、各種相談に対応するため、専門家 を派遣し、木造住宅の耐震化に関する無料相談会を開催する。 エ 一貫したサポート体制の構築 耐震診断から工事までの一貫したサポート体制の構築等による住宅耐震化を推進する。 (2)情報提供の充実 ア パンフレットの作成・配布 県は、県民向けの相談会、パンフレット、インターネット、広報等により建築物の耐震化につい て県民への普及・啓発に取り組んできた。 今後も市町村及び建築関係団体と連携して耐震化等に関する情報提供を行い、各種補助制度、融 資制度並びに耐震化の必要性・重要性について啓発する。 また、住宅設備の更新や、バリアフリーリフォーム(高齢者向け住宅改修)等の機会を捉えて耐 震改修の実施を促すことが重要で効果的であるため、リフォーム等とあわせて耐震改修が行われる よう普及・啓発を図る。 イ 各種広報媒体を活用した周知 新聞広告やテレビCM、インターネット等を活用し、広く県民に対し制度の周知、耐震化の普及・ 啓発を実施する。 市町村広報、自治会回覧板を活用した普及・啓発を実施する。 ウ 市町村等主催の説明会への講師派遣 自治会単位等で開催される説明会、講習会等へ県から講師を派遣し、耐震化に係る情報提供を行 う。 エ 耐震啓発ローラー作戦の実施 木造住宅の耐震診断費用の無料化(平成20年度から) 、補強工事への支援の要件緩和等、より活 用しやすい補助制度とするための見直しを行ったが耐震化促進事業の活用実績は十分とはいえない。 このため、主に旧基準木造住宅が密集する地域などを対象に、木造住宅の耐震化促進に資するよ う、戸別訪問による耐震化の重要性・緊急性の周知と地域ぐるみの地震対策につながるよう地域の 実情に応じたきめ細やかな普及啓発を行う。 オ 普及啓発重点地区の選定 近い将来発生が予測されている南海トラフ地震による被害の軽減を図るためには、限られた時間 の中で効率的に建築物の耐震化を促進する必要がある。 このため、市町村においては旧基準建築物の密集地や被災時に孤立する可能性のある集落、緊急 輸送道路沿道、地震発生確率や地盤特性など地域の特性を考慮した普及啓発重点地区の選定を行う。 カ 防災教育との連携 建築物の耐震化の重要性について幅広い世代へ周知を行うため、教育部局と連携を図り、学校に おける防災教育の一環としての耐震化に関する「出前授業」を実施する。 キ 地震ハザードマップの作成・公表 地震に対する注意喚起と防災意識の高揚を図るためには、県民にとって理解しやすく、発生のお それがある地震の概要と地震による危険性の程度等を記載した地震ハザードマップ(災害予測地図) の提示が有効であり、県内全ての市町村で作成・公表済みである。 - 18 - ク 建築物の地震に対する安全性の認定 旧基準木造住宅のうち耐震改修を行った住宅について、耐震改修済みであることを対外的に周知 することにより、耐震化未実施の住宅所有者に対する意識の向上が期待できることから、耐震改修 済みである旨の表示制度の普及を図り、法第22条の規定に基づく建築物の地震に対する安全性の 認定を取得した場合、認定を受けている旨の表示を付することができることとされており、建築物 の所有者や利用者等の理解が得られるよう留意しつつ、表示制度の普及を図る。 また、公共建築物について建築物の地震に対する安全性に係る認定及び当該認定を受けている旨 の表示に係る制度を積極的に活用する。 3 地震時の建築物の総合的な安全対策 (1)地震時の建築物の総合的な安全対策 これまでの地震被害の状況から、住宅・建築物の耐震化とあわせて、ブロック塀の倒壊防止対策、 窓ガラス、天井、外壁等の落下防止対策、エレベーターの閉じ込め防止対策、エスカレーターの脱落 防止対策、給湯設備や家具の転倒防止対策、配管等の設備の落下防止対策の必要性が指摘されている。 このため、市町村と連携し、被害の発生するおそれのある建築物の所有者に対し、必要な措置を講 じるよう指導・啓発し、地震時の総合的な建築物の安全対策を推進する。 また、防災拠点施設については被災時においても建物が使用できるよう、書架等の転倒防止対策と 共に電気設備や給排水設備などの機能維持を含めた耐震性の確保やバックアップ機能の充実などにつ いて、施設所有者に対し普及啓発を行う。 (2)地震に伴う宅地被害の軽減対策 地震に伴うがけ崩れや大規模盛土造成地の滑動崩落等による建築物の被害の軽減を図るため、がけ 地近接等危険住宅移転事業及び宅地耐震化推進事業等の活用を促進し、宅地の安全対策を推進する。 東日本大震災では、地盤の液状化や造成地の盛土部分における地滑りなど、宅地の被害が広範囲に 発生し、損傷は軽微でも使用できなくなった建築物が多くあったことから、県内全域(中核市は除く) について大規模盛土造成地の調査(一次スクリーニング)を行いその結果について県 HP 等で公表を するとともに、対象地域について箇所別の危険性の確認(二次スクリーニング)の実施の検討を行う。 液状化現象が引き起こす宅地被害については、国レベルでの技術検討を注視しつつ、当面は発生予 測データである「液状化危険度調査(注)」の活用や、過去の液状化の被害に関する地域での伝承など、 きめ細やかな周知と教育に取り組むこととする。 また、がけ近接地、液状化の恐れのある地域や盛土造成地等における宅地被害への備えとして、擁 壁や法面、敷地排水施設の点検、生活物資の備蓄、宅地防災工事の実施などの事前対策の周知を行う。 (注)液状化危険度調査とは ・岐阜県では、南海トラフの巨大地震等の被害想定調査を実施し、揺れによる被害のほか、液状化 危険度調査も実施し、県内すべての地域の地盤データに基づき液状化危険度(PL値)を公表して いる。 - 19 - 第5 指導・勧告又は命令等に関する事項 1 建築物の耐震改修の促進に関する法律による指導等 これまで、法における指導・助言を行うことができる建築物には、多数の者が利用する一定規模以上 の建築物、病院、ホテル、旅館等の不特定多数の者が利用する一定規模以上の建築物、あるいは、危険 物を取り扱う建築物、道路を閉塞させる建築物と一定の要件が定められていたが、平成25年の法改正 により、全ての既存耐震不適格建築物に対して指導・助言を行うことができるようになった。 これまでも県では、耐震性のない建築物に対して一定の指導・助言等を行ってきたが、法の改正に伴 い、今後は下記の区分により、指導・助言、あるいは耐震診断の結果の公表、指導内容の公表を行う。 (1)要緊急安全確認大規模建築物 (法附則第3条該当) 要緊急安全確認大規模建築物の所有者は、耐震診断の結果について、平成27年12月31日まで に所管行政庁へ報告しなければならないが、適正な報告がなされない場合にあっては、報告を促し、 なお、報告しない場合にあっては、所有者に対し耐震診断結果の報告を行うべきことを命じ、必要に 応じてその旨を県 HP 等により公表を行う。 報告された耐震診断の結果については、用途ごとに取りまとめのうえ、県 HP 等により、公表を行 うとともに、耐震診断の結果、耐震性が不十分な建物の所有者に対して、耐震改修を行うよう指導・ 助言を行う。 (2)特定既存耐震不適格建築物 (法第14条、第15条該当) 法第14条第1項各号に規定する特定既存耐震不適格建築物の所有者に対して、必要に応じて技術 指針等を勘案して指導・助言を行う。 法第15条第2項に規定する特定既存耐震不適格建築物の所有者に対しては、必要に応じて指示を 行い、指示をしたにも関わらず、正当な理由がなく、指示に従わなかった場合は、その旨を県 HP 等 により公表を行う。 (3)既存耐震不適格建築物(法第16条該当) 上記(1)~(2)以外の耐震不適格建築物に対しては、必要に応じて指導・助言を行う。 表5-1 指導等規制対象一覧 耐震診断 所管行政庁 所有者 指導・助言 指示・公表 要緊急安全確認大規模建築物 要安全確認計画記載建築物 (※1) 報告命令 結果公表 所有者 ○ 義務 ○ 特定既存耐震不適格建築物 ○ 努力義務 既存耐震不適格建築物 耐震改修 所管行政庁 努力義務 (※3) ○ (※2) 努力義務 (※4) ○ ※1 防災拠点建築物を指定(H28.8現在) ※2 地震に対する安全性向上が特に必要な一定の用途及び規模以上のものに限る ※3 地震に対する安全性の向上を図る必要があるとき ※4 必要に応じ - 20 - 指導・助言 指示・公表 ○ ○ ○ ○ ○ ○ (※2) ○ 表5-2 用途別指導・規制対象一覧 特定既存耐震不適格建築物の 要件 小学校、中学校、中等教育学校 階数 2 以上かつ の前期課程若しくは特別支援 1,000 ㎡以上 学 学校 ※屋内運動場の面積含む。 校 階数 3 以上かつ 上記以外の学校 1,000 ㎡以上 体育館(一般公共の用に供される 階数 1 以上かつ もの) 1,000 ㎡以上 ボーリング場、スケート場、水泳場 その他これらに類する運動施設 病院、診療所 劇場、観覧場、映画館、演芸場 用 途 指示対象となる特定既存耐震 不適格建築物の要件 階数 2 以上かつ 1,500 ㎡以上 ※屋内運動場の面積含む。 耐震診断義務付け 対象建築物の要件 階数 2 以上かつ 3,000 ㎡以上 ※屋内運動場の面積含む。 階数 1 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 1 以上かつ 5,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 5,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 5,000 ㎡以上 集会場、公会堂 展示場 卸売市場 多 数 の 者 が 利 用 す る 建 築 物 階数 3 以上かつ 1,000 ㎡以上 百貨店、マーケットその他の物品 販売業を営む店舗 ホテル、旅館 賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄 宿舎、下宿 事務所 老人ホーム、老人短期入所施設、福 祉ホームその他これらに類するも の 階数 2 以上かつ 老人福祉センター、児童厚生施設、 1,000 ㎡以上 身体障害者福祉センターその他こ れらに類するもの 階数 2 以上かつ 幼稚園、保育所 500 ㎡以上 博物館、美術館、図書館 遊技場 公衆浴場 飲食店、キャバレー、料理店、ナイ トクラブ、ダンスホールその他こ れらに類するもの 理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その 他これらに類するサービス業を営 む店舗 階数 3 以上かつ 工場(危険物の貯蔵場又は処理場 1,000 ㎡以上 の用途に供する建築物を除く) 車両の停車場又は船舶若しくは航 空機の発着場を構成する建築物で 旅客の乗降又は待合の用に供する もの 自動車車庫その他の自動車又は自 転車の停留又は駐車のための施設 保健所、税務署その他これらに類 する公益上必要な建築物 階数 2 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 2 以上かつ 750 ㎡以上 要 緊 急 安 全 確 認 大 規 模 建 築 物 階数 3 以上かつ 5,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 3 以上かつ 5,000 ㎡以上 県及び市町村の耐震改修促進 計画で指定する緊急輸送道路 左に同じ 等の道路に接する通行障害既 存耐震不適格建築物 公益上必要な建築物 (防災拠点建築物) 階数 2 以上かつ 1,500 ㎡以上 階数 3 以上かつ 2,000 ㎡以上 階数 1 以上かつ 5,000 ㎡以上 (敷地境界線から一定距離以内 に存する建築物に限る) 政令で定める数量以上の危険 危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供 物を貯蔵、処理する全ての建築 500 ㎡以上 する建築物 物 通行障害建築物 階数 2 以上かつ 5,000 ㎡以上 要 安 全 確 認 計 画 記 載 建 築 物 法第5条第3項第2号及び同 法第6条第3項第1号に定め る道路に接する通行障害既存 耐震不適格建築物 法第5条第3項第1号に定め る建築物 (注) (注)要安全確認計画記載建築物のうち、通行障害既存耐震不適格建築物については未指定(H28.8 現在) - 21 - 2 建築基準法による勧告又は命令 建築基準法第6条第1項第1号に掲げる建築物、要緊急安全確認大規模建築物又は要安全確認計画記 載建築物のうち、耐震診断及び耐震改修の「指示」に従わないために法に基づく「公表」を行った既存 耐震不適格建築物の所有者が耐震診断及び耐震改修を明らかに行わない場合には、所管行政庁は当該建 築物の構造耐力上主要な部分の地震に対する安全性又は損傷、腐食その他の劣化の進み具合を把握する ために立入調査を実施し、構造耐力上主要な部分の地震に対する安全性について著しく保安上危険であ ると明らかに認められる建築物については建築基準法第10条第3項の規定による命令を、損傷、腐食 その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となると明らかに認められる建築物につい ては同条第1項の規定による勧告や同条第2項による命令を行う。 3 所管行政庁との連携 建築物の耐震化の促進を図るための指導等を行うには、所管行政庁相互の整合性を確保した上で、指 導等の内容、実施方法を定め、効果的な実施を図る必要がある。そのため、所管行政庁である県及び市 において、書式の整備、具体的な取組方針等について協議を行い、連携を図りながら指導等を進めてい く。 - 22 - 第6 建築物の耐震化の推進に関する事項 1 市町村が定める耐震改修促進計画 市町村においては、住民に最も身近な存在として、地域の実情に応じた耐震診断及び耐震改修の促進 ための施策を講じることが重要である。大地震はいつどこで起きてもおかしくない状況にあり、さらに、 南海トラフの巨大地震等甚大な被害をもたらす大規模地震が切迫し、住宅及び建築物の耐震化の促進が より一層求められていることから、本県では全ての市町村において耐震改修促進計画を策定済みである。 市町村の耐震改修促進計画においては、国の基本方針と県の耐震改修促進計画の内容を勘案し、住宅 及び多数の者が利用する建築物等の耐震化の目標を定め、さらに、市町村が保有する公共建築物等の耐 震化の目標を定めるものとする。また、各地域の実情に合わせ、重点的に耐震化すべき建築物や地域を 設定するものとする。 さらに、より地域固有の状況に配慮して、地域住民との連携による啓発活動、県と市町村の連携によ る耐震化の促進に関する支援制度の活用について、計画に記載するものとする。 2 計画の推進体制 県、市町村、関係機関及び建築関係団体等で組織する「岐阜県建築物地震対策推進協議会」を活用し、 耐震化への取り組みの情報交換や実施施策の検討などで連携を図り、全県下一丸となって建築物の耐震 化に取り組む。 - 23 - 別 表 要安全確認計画記載建築物(防災拠点建築物)に関する事項及び耐震診断結果の報告期限 建築物の名称 所在地 岐阜県庁(事務棟) 岐阜市 大垣市役所(本庁舎棟、 東庁舎棟) 大垣市 中津川市役所(本庁舎棟) 記載年月日 報告期限 平成28年8月5日 平成29年7月31日 中津川市 瑞浪市役所(本庁舎棟) 瑞浪市 羽島市役所(本庁舎棟) 羽島市 土岐市役所(本庁舎棟) 土岐市 各務原市役所(本庁舎棟) 各務原市 下呂市役所(下呂庁舎棟) 下呂市 垂井町役場(本庁舎棟) 垂井町 安八町役場(旧庁舎棟) 安八町 七宗町役場(本庁舎棟) 七宗町 白川町役場(本庁舎棟) 白川町 御嵩町役場(本庁舎棟) 御嵩町 注:要緊急安全確認大規模建築物については、法附則第3条第2項の規定により報告義務なし - 24 -