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University for Peace(平和大学)

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University for Peace(平和大学)
評 価 概 要
対象団体名
国連平和大学(実施機関)アテネオ大学(協力機関)
対象事業名
平和大学における平和構築のアジア人専門家の育成
対象年度
助成実績
評価選定理由:
※註 全体評価基準
レベルA : 秀逸である
レベルB : 優良である
レベルC : 標準的である
レベルD : 改善すべき問題がある
レベルE : 劣っている
2007年度~ 2014 年度
2013年9月~ 2014年8月 USD1,665,400
事業効果を確認し、事業の枠組み検討に活用することを評価の目的とする。
事業要約
事業目的
評価結果
事業実施内容
本事業の受益者 =アジア人奨学生(平和構築分野)
総合評価
レベルB(優良である)
(1)プログラムの内容(2014/2014年度)
・アテネオ・デ・マニラ大学
中級英語研修6ヶ月(上級英語研修3ヶ月)
・国連平和大学
修士課程9ヶ月(11コースから1つを選択)
・アテネオ・デ・マニラ大学
修士課程8ヶ月
(内)フィールド・プロジェクト(1~2ヶ月)
近年、国内・地域紛争、宗教・民族対立、海上テロ等、多様な形態の紛争・
対立がアジアで多発している。このような中で平和構築に係る国際機関や非営
利組織の重要性はますます高まり、各機関はこれらの問題に対応できる人材の
確保・育成を急務としている。
その中でも、日本を含むいくつかのアジアの国々では、平和構築の分野で国
際的に活躍できる人材が特に不足している。そのため、アジアの紛争問題への
取組においても、欧米の専門家主導で行われることが多い。本事業では、アジ
アにおいて、平和構築とアジア地域の両方の専門知識を備えた人材の育成を目 合計21ヶ月(上級英語は18ヶ月)
的とする。
(2)奨学金(2014/2015年度)
・学費、生活費、渡航費等
21ヶ月で約5万米ドル(500万円)
・定員 1期30名
(2006年~2015年12月迄に9期を受入、内8期まで卒業済)
事業目標
本事業の運営状況は概ね良好であり、総合的な観点から、満足できる成果を産出し
ていると評価できる。
本事業は、奨学生のニーズおよび平和構築分野の各機関や組織のニーズに合致して
おり、日本財団の強みや経験を活かした協力事業であることから、妥当性が高い。奨
学生の学位取得率は、平和大学全体及び平和大学一般学生の学位取得率に比べて高
く、奨学生の満足度も高いことから、有効性が高い。また、英語力強化と修士号取得
(7期以降は2つの修士号取得)にかかるコストは、欧米の英語学校や大学院に比べて
大幅に小さく、投入に比して効率性は高いと判断される。修了者の約8割が広義にお
いて平和構築分野に関連する業務に就き、本事業を通じて平和構築分野に広く人的
ネットワークを築いており、平和大学で学ぶ学生の多様化とアテネオ大学の国際化の
促進に貢献している。他方、財政面では平和大学およびアテネオ大学は磐石といえな
い状況であり、本事業が終了した場合、類似事業が継続する見込みは低い。
改善提案例
本調査の結果を踏まえ、上位目標・プロジェクト目標・成果およびそれらの指標、
募集要項(重点国の設置等を含む)や選考基準等の軌道修正の必要性について、平和
大学、アテネオ大学、日本財団の三者間で協議し、合意された事項について文書の形
で共有することを提案する。
日本財団は、国連平和大学(コスタリカ)とアテネオ・デ・マニラ大学
(フィリピン)に協力し、国際平和学およびグローバル政治専攻政治学のデュ
アル・ディグリー修士課程アジアン・ピースビルダーズ・スカラーシップ(旧
アジアン・リーダーズ・プログラム)を設置し、これを運営すると共に、アジ
ア諸国の学生を対象に奨学金を支給することで、平和構築分野の国際機関や
NGOで即戦力となりうる人材の育成を目指している。
総合振り返り(事業担当部署使用欄)
長期間にわたり多額の費用を投じている事業であり、奨学生の満足度とともに、彼ら
が広義の平和構築分野に就業していることは基本的な成果として認められる。しかし
ながら今後さらに効果的に本事業の目的を達成するために、改善提案にあるように、
平和大学、アテネオ大学、日本財団の三者間での共通認識をクリアにすること、また
さらに比較群を設定した事業評価の手法についても検討したい。
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