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79 - 情報規格調査会
No. 79 2008 年 9 月 目 次 標準活動トピックス: SC 29/WG 11 におけるビデオ圧縮符号化最前線 ......................................... 2 八島 由幸(日本電信電話(株)) 最近の国際会議から: JTC 1 Special Working Group on Accessibility 会議報告 ....................................... 6 野村 茂豊((株)日立製作所) JTC 1 Study Group on ICT Governance 会議報告................................................ 7 平野 芳行(日本電気(株)) JTC 1 Study Group on Sensor Network 会議報告................................................ 7 櫻井 義人((株)日立製作所) SC 2(Coded Character Sets)総会報告 ....................................................... 8 大蒔 和仁(独立行政法人産業技術総合研究所)/ 関口 正裕(富士通(株)) SC 6(Telecommunications and Information Exchange Between Systems)総会報告................. 9 向井 幹雄(ソニー(株)) SC 7(Software Engineering)総会報告 ...................................................... 10 山本 喜一(慶応義塾大学) SC 27(IT Security Techniques)総会報告 ................................................... 12 寳木 和夫((株)日立製作所) SC 31(Automatic Identification and Data Capture)総会報告 ................................ 15 小橋 一夫((社) 電子情報技術産業協会) SC 32(Data Management and Interchange)総会報告 .......................................... 17 鈴木 健司(東京国際大学) SC 37(Biometrics)総会報告 ............................................................... 19 瀬戸 洋一(産業技術大学院大学) 2008 年 9 月以降 国際会議開催スケジュール ............................................. 21 解説:SC 25/WG 3 における情報配線システムの標準化動向 ................................ 22 上村 郁應(NTT インテリジェント企画開発(株)) 声のページ: 13 年間を振り返って(標準化活動とボランティア精神) ........................................ 24 三田 真弓((社)情報処理学会 情報規格調査会) 2008 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰 ............................................. 25 国際規格開発賞の表彰 ................................................................ 27 第 23 回規格総会の報告 ............................................................... 28 編集後記 ............................................................................ 28 <標準活動トピックス> SC 29/WG 11 におけるビデオ圧縮符号化最前線 SC 29/WG 11/VIDEO 小委員会 主査 八島 由幸(日本電信電話(株)) 1. はじめに 現状の方向性(H.264ベースの拡張. ISO/IEC JTC 1/SC 29 はマルチメデ 標準化作業中(一部は済み)) ィア符号化に関する国際標準化を推 機能向上 MPEG-4 part-2 (オブジェクト符号化) SVC スケーラビリティ 進する委員会であり,静止画像を中心 (Visual) に取り扱う WG 1 と動画像を中心に取 MVC 多視点映像 MPEG-4 part-10 MPEG-2 り扱う WG 11 で構成されている.本委 (AVC) 4:4:4 色信号符号化拡張 圧縮率向上 員会の代表的なキーワードは JPEG と RVC 再構成形デコーダ MPEG であり,放送・通信・家電の各産 8k, 4k, progressive. 高精細 業界におけるビデオ・オーディオ規格 今後考えら としてなじみの深いものとなってい 高画素深度 High dynamic range れる方向性 る.動画像符号化標準の中でも, 低演算量化 MPEG-2 はデジタルテレビ放送や DVD に 高エラー耐性 おいて広く普及しているほか,MPEG-4 圧縮率向上 part-2 visual はテレビ電話や携帯通 信などに利用されている.また,最新 図 1 MPEG ビデオ符号化国際標準の最近の流れ の映像圧縮標準である MPEG-4 part-10 AVC(Advanced video coding,同規格 に比べて 2 倍以上の高圧縮率を達成でき,HDTV を は ITU でも H.264 として規定されている.以下 AVC と 10Mbps 以下で高品質符号化することも可能となって 記載)は,演算量は増えるものの MPEG-2 に比べて高 きている.AVC の基本部分は前述の 3 つの観点のうち 圧縮率であることから,移動体端末向け放送(ワンセ 高圧縮に的を絞ったものと位置づけることができる. グ放送)や次世代 DVD や民生デジタルビデオカメラに 一方,AVC を機能的な観点から拡張することで,新 使われているほか,デジタルテレビ放送の IP ネット しい領域やサービスに適用しようとする動きが現在 ワーク再送信やゲーム機など広い用途に利用され始 進行中である.図 1 に示した,スケーラブル符号化 めており,映像産業界での核技術として重要なポジシ (SVC, Scalable video coding),多視点映像符号化/ ョンを確立してきている. 自由視点テレビ符号化(MVC/FTV, Multiview video AVC の基本部分はすでに標準化作業は終了している coding/ Free viewpoint television),4:4:4 ビデオ が,さらに広い適用領域への拡張を睨んだ議論が進め 符号化,再構成形ビデオ符号化(RVC, Reconfigurable られている.本稿では,SC 29/WG 11 の中のビデオ符 video coding)などがその流れである.以下これらの 号化に焦点を当て,AVC をベースとして現在検討が進 拡張方式の現状と概要について述べる. められている拡張方式を紹介するとともに,今後の方 3. スケーラブル符号化 SVC 向性について述べる. スケーラブル符号化は,一つのビットストリームか 2. WG 11 ビデオ符号化の動向 ら画質や解像度,フレームレートの異なる映像を再生 図 1 にビデオ符号化標準化の動向を示す.現在は できるアーキテクチャを持つ符号化方式である.異な AVC の基本部分の標準化が一段落した後,種々の拡張 るネットワーク帯域や端末性能に合わせてベストエ が行われてきている段階である[1].ビデオ符号化で フォートでの再生が可能となるほか,ユーザリクエス は,高圧縮,低演算量,高機能の 3 つの観点が重要で トに応じた映像配信や,エラー耐性との親和性もあり, あり,国際標準化においてもこれらの観点から方式が 今後の普及が期待される.たとえば,テレビ(HDTV 方 定められる.これら 3 つの要素は必ずしも両立するも 式)とパソコン(SDTV 方式)と携帯端末(CIF/QCIF 方 のではなく,互いに背反する要素でもある.AVC では 式)に同じ映像を提供しようとする場合,それぞれ 非常に数多くの符号化モードを用意し,エンコーダ側 別々にエンコードして配信するいわゆるサイマルキ でのモード選択の幅を広げた.エンコーダ側でパラメ ャスト方式も考えられるが,同じ映像コンテンツを符 ータを工夫して選択することにより,AVC は MPEG-2 号化することになりビットストリームに冗長性が発 Higher quality Decoder Decoded video Decoder Decoded video Decoder Decoded video Decoder Decoded video Input video Bit-stream extractor Scalable Encoder Enhancement layer Base layer Lower quality Scalable bit-stream 図2 スケーラブル符号化の適用イメージ AVC+Interlayer prediction (Encoder) Enhancement layer stream AVC+Interlayer prediction (Decoder) ・Motion vector prediction ・Intra texture prediction ・Interframe difference prediction Input video ↓ Scaling Subsampling AVC (Encoder) Higher resolution video Scaling Base layer stream AVC (Decoder) Lower resolution video 図3 SVC における空間スケーラビリティ実現のブロック構成 生する.SVC[2]ではこれらの冗長性を階層符号化の考 え方を利用して削減する.図 2 に適用イメージを示す. また,図 3 には一例として,2 階層空間解像度スケー ラビリティを実現する SVC 符号化ブロック概要を示 す.SVC では,各階層に AVC 符号化ベースで実行する が,各階層に生じる冗長度を「階層間予測」によって 低減させる.ここで,最下位階層の符号化は AVC との コンパチビリティを有する.階層間予測は大きく,ベ クトル予測,イントラテクスチャ予測,フレーム間差 分予測の 3 つに分けられる.ベクトル予測は,上位階 層の動きベクトルを下位階層の動きベクトルから予 測してその予測誤差だけを符号化する.イントラテク スチャ予測は,下位階層の復号済み画像データから上 位階層の同じ空間位置にある被符号化画像データを 予測する.同様に,フレーム間差分予測は,下位階層 の復号済みフレーム間差分値から上位階層の同一空 間位置にある被符号化フレーム間差分値を予測する. これら階層予測により,SVC では,非スケーラブルな 単一階層の AVC 符号化に比べた場合の符号量増加を 10%程度に抑えられることが報告されている[3]. SVC では,空間解像度のスケーラブル性のほかに時 間解像度(フレームレート)のスケーラブル性,画質 のスケーラブル性を含めて,3 つのスケーラビリティ を同時に実現することが可能な構成になっている.階 層数としては空間解像度・時間解像度が 8 階層,画質 が 16 階層まで可能である. 4. 多視点映像符号化 MVC/FTV MVC は複数のカメラで撮影された映像を効率よく符 号化するための標準である.カメラを立体的に配置す ることで対象シーンを 3 次元的に捉えることができ, ステレオ/立体表示やユーザオリエンティッドな視 点切り替えなど従来にない新しい映像サービスを効 率的に提供できる技術として期待されている.図 4 に 示すように,N 台のカメラで撮影された映像を符号化 する場合,視点ごとに独立に符号化処理を行うと,一 般的にはデータ量は約 N 倍に増える.しかしながら, 撮影された各視点の映像間には相関が存在する場合 が多い.MVC では AVC をベースとしてカメラ間相関を うまく取り除くしくみを導入することで効率的に圧 縮することを可能にしている.MVC に取り入れられて いる手法は,図 4 に示すように,カメラ間の予測構造 を持たせることで視差補償の効果を生み出すことで ある.予測構造を工夫することで視点映像スケーラビ リティを実現することもできる.視点映像スケーラビ リティとは,ユーザが見たい視点の映像を,全部の視 点の映像を復号することなく切り出せるしくみであ り,ネットワークの効率利用や端末での演算規模削減 のために極めて重要な機能である.MVC は AVC の Amendment として現状 FPDAM のフェーズであり, 2008 年 10 月に最終仕様が決められる予定とな っている. さらに,2007 年より MVC の発展系として自由 視点テレビ(FTV)の符号化を検討する動きが始 まっており,要求条件などが議論されている. FTV の狙いの一つは,奥行き情報の符号化を積極 的に導入することで視点間予測を効率的に実行 できるようにするとともに,カメラ視点のみで なくカメラの無い仮想視点映像の効率的な復 号・再生も可能にすることである.これが実現 すれば 3 次元空間を自由にウォークスルーする ようなより新しい映像サービスの実現が期待で きる. N台のカメラ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 視点位置(view) ・ ・ ・ ・ ・ ・ カメラ間相関をとりながら圧縮(視点間予測). 矢印はフレーム間予測の参照関係を示す. 時 間 View#1 View#2 View#3 図4 MVC の概念 5. 4:4:4 高品質符号化 色差信号成分は輝度信号 ・色変換 Y Y ・間引き 成分に比べて一般的に人間 (4:2:0の例) 4:2:0符号化 補間と色変換 の視覚感度が低いことから, 符号化 Cb Cb R +復号 高圧縮性を重要視する符号 R 化では,色信号成分の解像 Cr Cr 度を落とした後に圧縮符号 G 化することが行われてきた. G カメラやディスプレイにお いてはカラー画像は色の 3 B 符号化 B +復号 原色である R,G,B の 3 つの 4:4:4符号化 コンポーネントで表現され (R,G,Bを独立に符号化する) る.ここで,RGB 各々の画素 図 5 4:4:4 符号化と 4:2:0 符号化 数は等しい.これを 4:4:4 形式と言う.これまでの符 号化では,この RGB を輝度 おいては細かい量子化が行われるため,符号化に伴う 色差成分にマトリクス変換し(この時点では 4:4:4 形 量子化雑音は少なく,色差信号を 4:2:2 や 4:2:0 に間 式),その上で色差信号を水平方向に半分にサブサン 引くことによる解像度劣化のほうが支配的になる.そ プルしたもの(4:2:2 形式),あるいは,さらに垂直 のため,元の 4:4:4 形式のまま符号化を行い,さらに 方向にも半分にサブサンプルしたもの(4:2:0 形式) 符号化モードについても輝度/色差・あるいは RGB 各 が用いられることが多かった(図 5 参照).4:2:2 や コンポーネントを独立に選択したほうがトータルと 4:2:0 形式では色信号の画素数が減るために,エンコ しての画質が向上する.この方式が AVC における ーダ部分だけを見れば結果として符号量が減少する. 4:4:4 符号化である(図 5).AVC では符号化そのもの また,さらなる符号量削減のため,色差信号に対する の効率が MPEG-2 などに比べて良いため,同じビット 符号化モードは輝度情報に従属して共通のものが使 レートにおける符号化雑音は従来の符号化方式より われていた.サブサンプルしてから輝度信号に従属さ 減少する.よって,比較的圧縮率が高くても 4:2:2 や せて符号化する理由は,高圧縮率達成のためには,色 4:2:0 よりも 4:4:4 符号化を適用したほうが有効であ 差信号のサブサンプルに伴う解像度低下よりも,色差 る場合が増えるといえる. 信号の画素数やモード情報を減らして全体としての 6. 再構成形ビデオ符号化 RVC 量子化雑音を減らしたほうが視覚的劣化が減少する 従来の MPEG-1,MPEG-2,MPEG-4(part-2 Visual, ことにあった. part-10 AVC)などの映像符号化標準は符号化ストリ ところが,放送スタジオや,医療画像,芸術アーカ ームシンタクスおよびデコード手順すべてを規定し イブ画像,コンピュータグラフィクス画像など元来高 ている.すなわち, 「一つのコーデック=一つの標準」 い品質が要求されるアプリケーション向けには,比較 という構成となっている.しかしながら,このアーキ 的高いビットレートが使われる.高いビットレートに テクチャだと,新しい符号化ツールを追加しようとす る場合にシンタクス変更を伴 Encoded bit-stream Output video うことになり,産業への速や Decoder かな普及が容易でない.また, Decoder description 標準化手順にも長期の時間を information (syntax) Decoder 費やさなければならない.世 configuration の中に存在するいくつかの独 自コーデックが,短期間での バージョンアップの繰返しに Tool box より画質や機能の向上をスピ Functional Functional Functional Functional ーディーに行っていることに ・・・ Unit (FU) Unit (FU) Unit (FU) Unit (FU) 対比すると,これまでのレガ シーな国際標準アーキテクチ 図 6 RVC デコーダの構成 ャは極めて不利であると言え た. これを解決するために,映 映像や高画素深度映像向け符号化,低演算量化,高エ 像圧縮符号化を,符号化および復号に必要な複数のツ ラー耐性などが話題に上がっている. ール群と,それらのツールの組み合わせ方を表すデコ 【参考文献】 ーダ記述言語で規定するのが RVC である[4].RVC は, [1] ISO/IEC “Text of ISO/IEC 14496-10:200X/FDIS システム系が MPEG-B の中の 23001-4,ツールライブ Advanced Video Coding (4th Edition),” ラリ群が MPEG-C の中の 23002-4 として規格化が進ん Lausanne, Switzerland, July, 2007. でいる.RVC によるデコードフレームワークを図 6 に [2] Schwarz, H.; Marpe, D.; Wiegand, T, 示す.デコーダは,エンコード済みのビットストリー “Overview of the Scalable Video Coding ムデータおよびそのビットストリームをデコードす Extension of the H.264/AVC Standard“, IEEE るためのデコーダ記述情報を受け取る.一方デコーダ Trans. CAS-VT, Vol.17, No.9, pp.1103-1120, には,複数の FU(Functional unit)から成る Tool-Box Sept., 2007. が用意されている.ここで,一つ一つの FU は,たと [3] ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, “SVC Verification えば,逆離散コサイン変換 IDCT(Inverse discrete Test Report,” N9577, Antalya, Turky, cosine transform) や 逆 量 子 化 IQ(Inverse Jan.,2008. quantization) , デ ブ ロ ッ キ ン グ フ ィ ル タ [4] ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, “White Paper on DF(Deblocking filter)など,デコードに必要な要素 Reconfigurable Video Coding(RVC),” N9586, 演算として定義されている.前述のデコーダ記述情報 Antalya, Turkey, Jan., 2008. に従って Tool-box 内の FU が組み合わされてデコーダ [5] ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, “First Thoughts on が構成され,構成されたデコーダによりビットストリ New Challenges in Video Coding ームから映像が復元される.デコーダ記述方法および Standardization”, N9785, Archamps, France, FU が標準化の対象となる.RVC のアーキテクチャによ April, 2008. って,新符号化ツールの追加は FU を追加することで 短期間で容易に実現できるようになる.また,MPEG-1, MPEG-2,MPEG-4 のように同じ符号化ツール(たとえ ば IDCT や動き補償など)を持つデコーダを同時に搭 載するような場合には,個別のデコーダを別々に並べ て使うよりは,RVC の枠組みを使って FU を共通化す ることでチップ面積やソフトウェア規模を小さくす ることが可能となる. 7. 今後の方向性 AVC およびその拡張方式の標準化が進む中,そのさ らに次のビデオ符号化としてあるべき姿を議論すべ きという動きがあり,MPEG の中でも,今後の産業動 向や技術展望を睨んだブレーンストーミングが行わ れている[5].HDTV を超える 4k×2k や 8k×4k 高精細 <最近の国際会議から> ■ JTC 1 Special Working Group on Accessibility 会議報告 アクセシビリティ SWG 小委員会 幹事 野村 茂豊((株)日立製作所) 1. 開催場所:東京 2. 開催期間:2008-06-16/19 3. 参加国/出席者数:9 カ国/28 名 コンビーナ(Karen Higginbottom,米),セクレタ リ(Jennifer T. Garner, 米),米(2,兼 Task Group1 コンビーナ 1),英(2,兼 SC29,SC36),加(1,兼 SC35), 韓(1),仏(1,兼 Visual Impairment Knowledge Center), オーストラリア(1,兼 SC36),デンマーク(1,兼 Visual Impairment Knowledge Center) , ノ ル ウ ェ ー (1) , ETSI(1),ITI(1),Linux (1) ,W3C/WAI(1),ITU-T(大 久保榮[早稲田大]),日(11:山田肇[東洋大],和泉 章,田場盛裕[METI],井戸健二[東芝],垣内良規[富 士通],鈴木俊宏[日本オラクル],関喜一[産総研], 中野義彦[沖電気]),森井秀司[JSA],山本喜一[慶大], 野村茂豊) 4. 議事内容 ITSCJ が開催国事務局となり,下記の 3 つの PDTR の BRM(Ballot Resolution Meeting)として,つつ がなく進行した. METI から歓迎の挨拶,日本,欧州,米国,デンマ ー ク , 韓 国 , W3C/WAI , ISO/TC159 , ITU-T/SG16 , IEC/TC100 などからアクセシビリティ規格への取組み の紹介が行われた. 主な決定項目は以下とおりであり,日本として問題 のない結果となった. (1) PDTR 29138-1 Accessibility Considerations for People with Disabilities -- Part 1: User Needs Summary [取纏め責任者:Dr. Jim Carter(加),Ms. Andi Snow-Weaver(米)] 投票回答のコメントを審議し修正版を作成した.3 ヶ月の DTR 投票にかける.Omnitor(スウェーデン企 業)からのコメントは,提出期限を過ぎており,数も 多く原案への単純な追記のみとはならないと思われ るので,審議はしなかった.Omnitor には,今回の修 正版への修正案の提出を依頼する. (2) PDTR 29138-2, Part2: Standards inventory [取 纏め責任者:Dr. Jim Carter(加)] 投票回答の規格の追加提案を承認した.なお,NFTH ( Nordic Forum for Telecommunication and Disability)に彼らの規格の追記を依頼し,反映させ る.また,責任者は,規格の URL を再確認し最新版と する.3 ヶ月の DTR 投票にかける. (3) PDTR 29138-3, Part3: Guidance on User Needs Mapping [取纏め責任者:Dr. Jim Carter(加),山田 肇] 投票回答のユーザニーズを満たしているかを確認 するための User Needs Mapping Template を追加する 提案を承認した.3 ヶ月の DTR 投票にかける.なお, User Needs Mapping Template を Web に掲載する. (4) New Work Item Proposal フォーマットにアクセ シビリティに関係しているかという質問項目の追加 を JTC 1 に提案していたが,JTC 1 全サブコミッティ 議長に,2008 年 11 月の JTC 1 総会で,これに対する 対応を報告するように依頼する. (5) ISO,IEC の Web をアクセシブルにするために ISO, IEC のスタッフを支援する Ad Hoc 13 を編成した.JTC 1 N 8860(JTC 1 Directives Annex H - JTC 1 Policy on Electronic Document Distribution Using the World Wide Web)に対する審議コメントを纏め,JTC 1 に提出する. (6) 次回からコンビーナが,Mr. Alex Li(米)に交代 する. (7) 会議に電話会議設備を準備していることを開催 案内に記す.事務局は,JTC 1 の電話会議方法を,メ ンバに知らせる. 5. 今後の会合 2009-01-15 2009-06-22/26 電話会議 カナダ(電話会議の場合もある. ) 6. 今後の日本対応 (1) 7 月に DTR 投票が開始されるので,審議し,9 月 に投票する. (2) プロジェクト計画表が掲示されるので,8 月 11 日までにコメントを提出する. 7. 公開セミナー SWG-A 会合の終了後,公開セミナーを実施した.参 加者が 100 名を越える満員の会場で,情報アクセシビ リティに関する世界情勢が報告された.聴衆からは大 変有益だったとの評価を得た.SWG-A メンバおよび情 報規格調査会に対して,公開セミナーの開催に対する 支持と支援に感謝する. SWG-A の情報サイト http://www.jtc1access.org/ ■ JTC 1 Study group on ICT Governance 会議報告 規格理事 平野 芳行(日本電気(株)) ベルの IT ガバナンスを担当することを決議し,NP の 決定や Study Group の設置などの水面下の活動が動き 始めた.この動きには,注目して行く予定である. 1. 開催場所:ベルリン(独) 2. 開催期間:2008-05-17/18 3. 参加国数/出席者数:10 カ国,2 組織/21 名 主査(Ed Lewis,豪),Secretary(Ms. Renati Barel, 豪),豪(3),CA(2),英(2),スウェーデン(1),韓(1), 仏(1) ,米(1),南ア(2),NZ(1) ,日(1: 平野芳行), JTC1 Chairman,SC7 Chairman オ ブ ザ ー バ : it Service Management Forum[itSMF](Denis),the Infomation Systems Audit and Contorl Association[ISACA](Sushil-SG) 4. 議事概要 今回は以下の項目について議論が行われた (1)前回 2 月シドニー会議の決定事項のレビュー (2)進捗報告 ・既存規格の調査結果 ・新しい標準の必要性 ・市場調査の対応 (3)関連団体からの紹介(ISACA の活動紹介 etc.) (4)今後の対応(活動内容の決定,報告書の作成) (5)JTC 1 への recommendation の決定 (6)次回会議の予定 5.まとめ 議事の結果,以下の 3 つを決議した. (1) これまでのデータをもとに,よい実施例,悪い実 施例を含めて報告書をまとめることになった.ただし, シドニー会合で提案された市場調査は行わないこと を決めた.報告書は 8 月上旬に回覧する. (2) SG は 9 月上旬に電子的手段の会議を開くことを 決めた. (3) SG における各国代表の投票により,JTC 1 の直下 に IT ガバナンスの WG を作ることを JTC 1 総会に Recommendation することを決めた.(米国 棄権) 6. 所感 今回は JTC 1 議長,米,仏などの JTC 1 総会の関係 者,また,SC 27 関係者が初めて出席したことで,シ ドニー会合とはかなり違った雰囲気になった.日本と しては,SC 7 の中で行われている IT ガバナンスの活 動を別の SC へ移したいという考えに沿った決議がな されたことで好ましい結果となった.ただし,SC 7 の IT ガバナンスの WG,SC 27 の情報セキュリティガ バナンスの Study Period をどうするかは,JTC 1 総 会での議論の結果を待つことになった. 一方,SC 7 では,直後の 5 月 19~23 日に国際会議 が開催され,日本が十分出席できない状況で,運用レ ■ JTC 1 Study Group on Sensor Network 会議報告 規格理事 櫻井 義人((株)日立製作所) 1. 開催場所: 上海(中) 2. 開催期間: 2008-06-25/27 3. 参加国数/出席者数: 6 カ国/120 名 6/25 ワークショップ(オープン参加) :約 120 名(中 国が国内動員をかけたと思われる) 6/26,27 SG 会合(各国 NB) :コンビーナ (Yongiin Kim 韓),セクレタリ(Jooran Lee 韓),中(42),韓(5), 独(3),英(1),日(2:江村恒一[松下電器産業],櫻井 義人)SC6(2,韓),SC36(1,韓国系米国),IEEE(1, 韓国系米国),IEC/TC100(1,中) 4.特記事項 4.1 資料(寄書) ワークショップ:ドイツ 1,韓国 2,中国 4,およ び SC6,SC31,IEEE(各 1) SG 会合:ドイツ1,韓国 11,中国 3,および SC6, SC31,SC36,IEC/TC204(各 1) 4.2 議事内容と主な結果 (1) ワークショップ ・ センサーネットワークに関する各国の状況(独, 韓,中)が報告された. (ドイツの状況は日本の状況と類似しており標 準化への取組みに参考になる点がある) ・ アーキテクチャ,インタフェースの観点からい くつかの報告があった. (中国からはモバイルワイヤレスセンサーネ ットワークの概念が報告された.携帯端末その ものをセンサーとして用いる,もしくはセンサ ーのゲートウェイとして用いるというものであ り,日本でも類似の実験システムはあるが,標 準化の動きは無いため要注意である) ・ SC 6,SC 31,IEEE 等のセンサーネットに関する 標準化の活動状況について報告があった.なお SC 6 の報告の中には,SC 6 と連携している ITU-T の SG 13,16,17 および JCA-NID の状況報告が 含まれた(JTC 1 関係者の中には ITU-T の動向を あまり知らない者もいたが,彼らが思っている 以上に ITU-T で Ubiquitous Sensor Network(USN) の検討が進んでいることに認識を新にし,連携 の必要性を強く感じたようである). (2) Study Group 会合 Study group on Sensor Network(SGSN)に与えら れた Terms of Reference(ToR)を 3 つの分野に分け てそれぞれアドホックグループを設け,それぞれにリ ーダーを決めて会合の約 1 ヶ月半前からメールベー スで議論を行ってきた.会合初日は,各国,各 SDO の 寄書紹介と,3 つのアドホックの報告および質疑が行 われた. 3 つのアドホックとそのリーダーを以下に示す. アドホック 1:センサーネットワークの定義,ビジ ョン,要求条件の検討(Tao Xing,中) アドホック 2:センサーネットワークを特徴づける もの,機能面からみたアーキテクチャ,プロトコル, 品質等に関する検討(Howard Coe,米国 SC 36) アドホック 3:センサーネットワークに関する世界 の標準化機関の動向調査(Ho-in Jeon,韓) 会合 2 日目は,上記アドホックの報告文書や各国の 寄書を参考にしながら,SGSN として JTC 1 総会へ報 告する文書のとりまとめに入った.センサーネットワ ークの「定義」だけでも 1 時間以上の議論を費やす等, 報告書の中身についてはほとんど進まず,報告書の目 次を決め,上記アドホックへのインプット文書を切り 貼りしてとりあえず体裁を整えた. 4.3 今後の予定 (1) 引き続きメールベースでディスカッションを継 続することになった. (2) 上記総会への報告書の中身を充当すべく各国の 寄書が求められた. 寄書の提出締め切りは 8 月 10 日となった(次回会 合の約 1 ヶ月前). (3) 次回会合は,9 月 15~19 日にドイツのニュルン ベルクにて開催することとなった. (今回の参加者のひとり,ドイツの Fraunhofer 社の Dr.Alexander Pflaum が会合を招請し,欧州の参加者 を増やしたいコンビーナの意向もあって決められた) (4) JTC 1 への報告書のエディタは,今回 SC 36 を代 表して来た米国の Howard Coe 氏が指名された.また コ・エディタとして英語ネイティブの立場から英国の Nige. Rix 氏が指名された. なお,次回会合で 11 月の JTC 1 に提言すべき内容 が固められるので,コンビーナ等からは非公式に「日 本も,センサーネットワークの標準化について,どこ の場で何をやるのが良いのか態度を表明するように」 と求められた. 5. 今後の開催予定 2008-09-15/19 ニュルンベルク(独) 6.その他 ワークショップの資料等にもあるが,センサーネッ トワークに関しては JTC 1 の SC 6,25,31,36 等は もとより,ITU-T,IEEE,IETF およびフォーラム・コ ンソーシアム(ZigBee Alliance 等)でさまざまな活 動が展開されている.今回の会合の資料は,これらを 俯瞰し状況を整理するのには非常に有効である.また, 今回の会合に参加したほぼ全員が,センサーネットワ ークのリファレンスモデルを作りアーキテクチャを 整理し,必要なプロトコルを定めるというような標準 化の活動の場が必要であると考えており,今後はその 方向で議論が進むと思われる.なお,SGSN はセンサ ーネットワークというかなり専門性が高い分野を扱 うもので,今回の会合も多くは実際にその研究を行っ ている者が参加している.このため次回会合には日本 からもこの分野の専門家の派遣が望まれる. ■ SC 2(Coded Character Sets/符号化文字集合) 総会報告 SC 2 専門委員会 委員長 大蒔 和仁(独立行政法人 産業技術総合研究所) 幹事 関口 正裕(富士通(株)) 1. 開催場所: レッドモンド(米) 2. 開催期間: 2008-04-25 3. 参加国数/出席者数: 8 カ国/22 名 議長(小林龍生[ジャストシステム],日),セクレ タリ(木村敏子[ITSCJ],日),日(3:山本知[日立], 関口正裕,大蒔和仁),中(1),加(2),アイルランド (1),韓(4),ポーランド(1),英(1),米/Unicode(4), TCA(2),ISO/IEC 2375 レジストレーションオーソリ ティ(三上喜貴[長岡技科大],日) ,WG 2 コンビーナ 4. 議事内容 SC 2 総会は 4 月 25 日(金)のみ行われた.これに 先立ち 4 月 21 日(月)~24 日(木)に SC 2/WG 2 会 議が行なわれた.筆者らは両方に参加した.ここでは WG 2 会議及び SC 2 総会について報告する.WG 2 の参 加者は上記 SC 2 への参加者に加え,ホストのマイク ロソフト(3),表意文字ラポータグループ(1),中国(9), 韓国(1),米(1)である. 4.1 ISO/IEC 10646:2003 ISO/IEC 10646 には,これまでの会議で提案され各 国で検討が行われている各種の文字が Amendment と して入る予定である.Amendment 1~Amendment 3 は 既に制定済みであり,Amendment 4 も近々制定される. SC 2 総会の前に行なわれた WG 2 において次のよう な決定が行なわれ,SC 2 総会でも承認された. Amendment 5 は微調整を行って FDAM に進む.2008 年 7 月に投票開始予定である.疑問のある文字につい ては再検討とし Amendment 6 へ先送りする.また新し い用字の提案が多数提出されその多くが合意された が,Amendment 6 は急ぐ案件がないので FPDAM には進 まず,2nd PDAM を行うこととした.2008 年 5 月投票 開始予定である.Amendment 6 は,西夏文字 5910 文 字など追加修正が行なわれ,合計約 7000 文字以上が 追加された.単純に文字の追加のみでありアーキテク チャ上の変更などは含まれていない.また,韓国から ハングル字母についてまたも提案が行われたが合意 に至らなかった.統合(consolidate)版 ISO/IEC 10646 については Amendment 6 の内容も含めることになった. 2nd FPDAM 6 と同時に WD を配布する(投票なし).投 票は FCD から行い,2008 年 11 月投票開始予定である. わが国に深く関係するものとしてテレビで用いら れる ARIB((社)電波産業会)記号の 186 文字の追加 提案が PDAM6 の一部として投票を行うことになった. SC 2 専門委員会としても適切なコメントを提出しな ければならないと考える. 4.2 フランス語規格について ISO/IEC 14651 とその追補は,エディタがフランス 語系カナダ人であることもあってか,JTC 1 の規格と してはめずらしく,CD レベルの原案からフランス語 版テキストが用意され,英語版と同時に投票にかけら れている.しかしわが国にはフランス語版の ISO/IEC 規格発行について必ずしも十分にフォローできる体 制にない.フランス語を母国語としない国々も同様と 考えられる.カナダ NB に責任を持って英語版との一 致性を保つものを発行するようお願いすることとし た. 4.3 レジストレーションオーソリティについて 三上喜貴氏より SC 2 総会参加者に対して ISO/IEC 2375 Registration Authority(RA)の紹介が行なわ れた.その中では ISO/IEC 2375 に基づく文字コード 登録手続きを定めた“Practice of RA”の改訂版が発 行されたことが報告された.さらに,加,アイルラン ド,米,日(関口氏,三上氏)から代表を出して Registration Authority - Joint Advisory Committee (RA-JAC)を構成することを決定した. 4.4 少数民族の言語について 2008 年は国連の国際言語年である.SC 2 はこの国 連の動きを支持し,世界に広がる少数民族の言語にも 注意を払うべきである旨の Maaya Network のレターを 支持する決議を行った. 4.5 コンビーナ議長再任について Mike Ksar 氏に引き続き WG 2 のコンビーナをお願 いすることとした. 5. 今後の開催予定 2009-10 徳島 ■ SC 6 ( Telecommunications and Information Exchange Between Systems/通信とシステム間の情報 交換)総会報告 SC 6 専門委員会 委員 向井 幹雄(ソニー(株)) 1. 開催場所:ジュネーブ(スイス) 2. 開催期間:2008-04-11 3. 参加国数/出席者数:6 カ国,4 リエゾン/31 名 議長(Dae Young Kim,韓) ,セクレタリ(Jooran Lee, 韓),英(3),米(1),中(6),蘭(1),仏(3),日(1), 韓(8),ITU-T(2),ITTF(2),IEEE(1),Ecma(1) 4. 報告事項 4.1 SC 6 総会概要 今回の国際会議である SC 6 の WG 及び総会は,ITU-T 会議と連携してスイスジュネーブで同時開催された. これは,SC 6 のタイトルが,Telecommunication and information exchange between systems ということ で,ITU-T とも密接に関係していることを考えれば, 納得できるものであり,かつ非常に興味深い.今総会 では,WG 出席者を含め全体として 6 カ国,50 名以上 の参加があった.今回はスイス開催なので,ITTF, ITU-T,Ecma などからも活発な参加があった.中国提 案の WAPI に関しては,SC 27 などで個別要素技術の 標準化提案が行なわれているが,SC 6 にも WAPI を ISO/IEC 8802-11 に取り込む提案が会議の直前にでて いる.従って,WAPI の扱いに関し中国と IEEE との駆 け引きがまだまだ強く会議運営に影響しており,幹事 国の韓国も相当気を使って会議運営にあたっていた. またこれを意識してか,フランスからは Directives に従ってきちんと運営するよう,幹事国に要請がでて いる. なお,総会決議数は,全部で 46 個あり,WG 1 関係 が 10 個,WG 7 関係が 14 個,WG 8 関係が 8 個,WG 9 関係が 11 個,SC 6 全体に関わるものが 11 個あった. 4.2 主な決議と議論等 (1) リエゾンレポート Ecma Ecma か ら は , Telecommunication Applications (TC32-TG11),Enterprise Networks (TC32-17),Near Field Communication (TC47),60 GHz short range wireless などの報告があった.Ecma からのドキュメ ントが,会議直前にでてきたこともあり,60 GHz short range wireless と IEEE 802.15c との関係を気にする 国もあった. (2) NFC 関係 NFC-14443 Harmonization 案件は,当初 SC 6 議長/ 幹事国により 2008 年 3 月 13 日に発行されたドキュメ ント N13532 に従い,今回の SC 6/WG 1 会合及び SC 6 総会にて議論されることになっていた.Convenor の 不手際により,昨年 12 月に発行したドラフト版のア ジェンダからのアップデートがされていなかったが 上記の理由(公式発行ドキュメント N13532 に従い議 論されることになっていたこと)により,アジェンダ に追加が認められ,公式に議論された.その結果,WG 1 及び SC 6 での Resolution 6.1.8 となった.今後の プロセスとして, 1) SC 17 リエゾン代表が,NFC-14443 ハーモナイゼ ー シ ョ ン に つ い て , Rationale を 送 る . こ の Rationale には,SC 6 への要求項目を含めること. 2) これを受けて,SC 6 は,Rationale をレビューす る.このレビューは,次回の総会を待つのでなく, e-Mail などで,短期間に行なう. 3) SC 6 でのレビュー後,SC 17 は,会議のアナウン スとアジェンダを開催日の 2 ヶ月前までに送る. なおこの会合は,会議開催をできるだけ早めるた め,SC 17 の Ad-hoc 会議という位置づけにし,こ の会議に SC 6 のエキスパートが参加する. という方向で,進めることが確認された. (3) 中国標準 WAPI 関連の案件の状況 中国は WAPI 案件を SC 6/WG 1 に IEEE802.11i との 融合に関する Study Period 提案をしてきている.提 案が直前になされたこともあり,公式議論できるかど うかの議論があった.その結果,「SC 6 は,JTC 1 Directives 12.3 にそって,SC 6 のスコープの枠内で, IEEE-SA, SC 6 代表らに,WAPI を ISO/IEC 8802-11 に取り込むプランを準備する会合をもつことを示唆 する」という微妙な言い回しの決議となった. (4) BRM for X.RA-nid (ISO/IEC FCD 9834-9, X.668)) ディレクトリ(WG 8)の山口主査の適切な対応によ り,日本からの懸案事項の ・ Unicode label は削除された, ・ インフォマティブ・アネックスも追加された ので,本投票の日本の投票態度を反対から賛成に変更 した. (5) 会議運営についてのコメント WG 1 会合では,当初 WG 1 Convenor の会議の準備 (アジェンダ,ドキュメント等)が,Directives に 沿って適切に準備されていなく,フランス代表から Directives に従ってきちんと運営するよう強硬な要 請があり,会議が難航した. 5. 今後の国際会議について 5.1 SC 6 総会の日本開催について 2009 年度総会を 2009 年 6 月 1 日から 5 日にかけて, 日本で開催する.本件に関し,開催の準備状況の報告 をした.また開催場所が東京タワーのすぐ前で風光明 媚かつ東京へのディーゼルエンジン車の乗り入れ規 制により,東京の空気がとてもきれいになっているこ と等の紹介を行ない,歓迎の念が表された. 5.2 今後の会議予定 2008-11-03/07 Montreux(スイス) 2009-06-01/05 東京 ■ SC 7(Software Engineering/ソフトウェア技術) 総会報告 SC 7 専門委員会 委員長 山本 喜一(慶応義塾大学) 1. 開催場所: ベルリン(独) 2. 開催期間: 2008-05-18/23 3. 参加国数/出席者数:25 カ国/213 名 (1)P メンバ(22 カ国/190 名) 豪(13),ベルギー(3),加(14),中(4),チェコ(2), フィンランド(7),仏(12),独(11),アイルラン ド(2),イタリア(3),日(25),韓(15),ルクセン ブルグ(4),ニュージーランド(3),ノルウェー(1), 南ア(4),スペイン(5),スウェーデン(4),スイ ス(1),タイ(2),英(18),米(37) (2)O メンバ(7 カ国/8 名) コロンビア(1),メキシコ (2),ポーランド(1), 露(1),スロバキア(1),シンガポール(1),台湾(1) (3)日本からの参加者詳細 山本(HOD,AG, SWG1,WG2, WG21),東(AG, WG6), 加藤(AG, WG23),村上(WG7),込山(WG6),山田 (WG6,WG7),谷津(WG6),江崎(WG6),小川(AG, WG10, WG20,WG24,WG42,SGW5),岡崎靖子(WG10, WG20), 福地(WG10),小山(WG7),篠木(WG19,WG4),銀 林(WG19),塩谷(WG19,WG4,WG23,WG24),岡崎 毅久(WG22,WG23) ,伏見(WG24),平野(WG25, WG1A), 吉田(WG25),向山(WG20),高橋(WG6),橋本(WG7), 菊島(WG7),小堀(WG7),森下(WG7) 4. 議事内容 4.1 Advisory Group 会合 18 日(日)10:00~15:00 と 22 日(木)18:00~20:00 に開催され,日本からは山本(慶大),小川(名古屋 市技研)が出席し,WG 6 コンビーナとして東(早大) , WG 23 コンビーナとして加藤(コンサルタント)が出 席した.18 日の会合は,総会の議事予定を確認し決 定すべき事項の洗出しと WG への割当てを行った.22 日の会議は,翌日の総会に提出する決議案の審議を行 い,IT ガバナンスに関して IT のオペレーションにス コープを限定する方向で進めることで合意した. 4.2 総会 19 日(月)午前,及び 23 日(金)の午後に開催さ れた.例年通り事前の AG において議案審議が尽くさ れていたため,総会自体は円滑に推移し,85 件の議 決案をほぼ全会一致で決議した. な お , レ ゾ リ ュ ー シ ョ ン を ま と め る Drafting Committee のメンバに福地(日立)が参加し,日本意 見の反映の正確性を期した. 以下に主要な決議を示す. • Chairperson Francois Coallier ( 加 ) を SC 7 議 長 に 再 任 (2008-2011). • Project Editors 新たに任命された日本からのエディタとプロジェ クトを次に示す. (1) 小川清(名古屋市技研)を ISO/IEC 15504-9 Target Capability Profiles のコエディタに. (2) 高橋光裕(電力中研)を ISO/IEC 29155 IT Project Performance Benchmarking Framework.のコエディタ に. (3) 橋本恵二(東京国際大)を ISO/IEC 29148 のコエ ディタに. (4) 谷津行穂(日本 IBM)を ISO/IEC 25010 のコエデ ィタに. (5) 山田淳(東芝) を ISO/IEC 25021 のコエディタに. (6) 江崎和博(荏原製作所)を ISO/IEC 25040 のコエ ディタに. (7) 加藤重信(コンサルタント)を ISO/IEC TR 90003 のコエディタに. (8) 加藤重信(コンサルタント)を TR “Guidelines for the application of ISO9001 to current standard on service management” のコエディタに. • Liaison (1) 加藤重信(コンサルタント)を ISO/TC176/SC2 及 び SC3 (2) 小川清(名古屋市技研)を ISO/TC22/SC3/WG16 及 び JTC 1/SC 22 (3) 伏見諭(情報数理研)を JTC 1/SC 27 • Work Items 49 件を次のステージに進める. • NP 9 件の NP をつくる. • Study Group 8 件の Study Group を新設する. (1) Revision of ISO/IEC 15504 (WG 10) (2) Life Cycle Process 融合 AG (SLCPAAG) (WG 7) (3) システムインテグレーションガイド新規格案 調査 (SWG 5) (4) Agile 開 発 分 野 に お け る ガ イ ド 規 格 調 査 (SWG5) (5) IT ガバナンスの規格及び TR を作成する順位と スケジュール検討 (WG 1A) (6) 法廷で用いるデジタルデータのための IT ガバ ナンスに関する規格又は TR の調査 (WG1A) (7) IT 操作の企業統治 (WG1A) (8) SC 7 におけるサービス及びシステム管理規格 とそれらの統合 (WG 23) • Organization WG 20 の名称を”Software and Systems Bodies of Knowledge and Professionalization”に変更する. 5. 今後の開催予定 2009 インド 2010 日本 2011 仏 6. その他 (1) 参加国数は前回と同じであったが,参加者は 200 名を超え,過去最大となった. (2) 8 件の Study Group が新設されるなど,従来の SC 7 のスコープよりもかなり広い範囲を扱うようになっ てきている.国内の委員会体制を国際に合わせて充実 するよう努力しないと,国際の場での議論をカバーで きなくなってきている. (3) 会議場の DIN は,会議室が多数あり,すべての会 議室にプロジェクタ,有線・無線 LAN が完備していて 設備は極めて充実していた. (4) 外注のケータリングサービスを利用して,コーヒ ーブレイクと昼食が中庭に設置したテントで提供さ れたが,ファシリティフィーとしてある程度の金額を 徴収しても,きちんとしたサービスが行われるほうが 良いと感じた. (5) 2010 年の日本での開催地について各国代表の意 見を聞いたが,京都の人気が高かった. ■ SC 27(IT Security Techniques/セキュリティ技 術)総会報告 SC 27 専門委員会 委員長 寳木 和夫((株)日立製作所) 1. 開催場所:京都 2. 開催期間:2008-04-21/22 3. 参加国数/出席者数:22 カ国/70 名 議長(W. Fumy,独),セクレタリ(Krystyna Passia, 独),豪,オーストリア,ベルギー,加,中,独,印, 韓,マレーシア,蘭,ニュージーランド,ノルウェー, ポーランド,ロシア,南ア,シンガポール,スウェー デン,スペイン,スイス,英,米) ,日(寳木和夫[HoD, 日立],竜田敏男[情報セキュリティ大学院大],原田 敬[日立],田邉正雄[NTT],中尾康二[KDDI],櫻井幸 一[九大],佐藤慶浩[日本 HP],平野芳行[NEC],永沼 美保[日本 HP],山田朝彦[東芝ソリューション],苗 村憲司[WG2 コンビーナ, 情報セキュリティ大学院大], 近澤武[WG2 セクレタリ,IPA/三菱],森田信輝[経済 産業省],伏見諭[SC7 リエゾン,情報数理研究所], 山田安秀[IPA],山岸篤弘[IPA]) 4. 概要 SC 27 は複数の TC/SC に共通する情報セキュリティ の要素,管理システム,および,サービス技術の標準 化を担当している. 今回,8 年ぶりに日本が主催国で, かつ,京都では初めての開催であった.日本が影響の 大 き さ 等 の 面 か ら 特 に 注 意 し た 点 は , WG 1 で は ISMS27000 シリーズの進展と関連する NP 提案の扱い, WG 2 では種々の暗号メカニズム標準に関する改訂や, Signcryption,軽量暗号メカニズムなど新規案件の推 進,WG 3 では暗号モジュールのセキュリティ要件に 関する改訂,脆弱情報開示に関する新規案件,WG 4 ではセキュリティコントロール 27030 シリーズの進 展,新規案件の取扱い,WG 5 ではプライバシーフレ ームワークなど WD レベルが続いている案件の進展な どであった. 結果として,会議そのものは無事に終え,主催国と しての責務を果たすことができた.また,日本からの 提案は概ね受け入れられたが,いくつかの課題も残っ た. 5. 主なプロジェクトの進捗状況 5.1 WG 1(情報セキュリティマネジメントシステム) 5.1.1 情報セキュリティマネジメント関連の標準化 (1) 情報セキュリティマネジメントシステム ISMS は, 主に,組織のマネジメントとして自らの必要なセキュ リティレベルを決め,プランを持ち,資源配分して, システムを運用する手続きを規定するものであり, ISO/IEC 27000 シリーズとして標準化が進められてい る . 既 に , ISO/IEC 27001 "Information security management systems -- Requirements"(2005 年 IS 発 行 ), ISO/IEC 17799 "Code of practice for information security management" (2005 年 IS 発 行,ただし,2007 年 7 月から ISO/IEC 27002 に改番 号),ISO/IEC 27006 "Re quirements for bodies providing audit and certification of information security management systems"(2007 年 3 月 IS 発行) は IS 文書が既に出版されている. 以下,ISO/IEC 番号を示すとき,ISO/IEC を省略し て単に番号のみを記す. (2) 27000 "ISMS -- Overview and vocabulary"は, 3rd CD に対するコメント総数が約 300 件もあり,概 要部分と用語部分でほぼ同数であった.審議の結果, 米国のみが反対を継続し,3 カ国の棄権があったが次 の版は FCD とすることとなった.27000 のコエディタ は原田が務めている. (3) 27003 "Information security management system implementation guidance"については,5th WD(作業 文書)に対して総数 153 件のコメントが寄せられた. 編集会議にて全てのコメントを検討し,会合中に追加 案を作成する等の作業の結果,次の版は 1st CD に進 むことで合意した.山崎哲(IBCS)がコエディタを務 めている. (4) 27004 "Information security management -Measurement"については,3rd CD に対するコメント 総数は約 400 件であり,技術的なコメントも多数に上 ったが,編集会議にて一部を除いてすべてについて解 決することができ,次の版は FCD とすることとなった. (5) 27007 "Guidelines for information security management systems auditing" については,1st WD に対して総数 139 件のコメントが寄せられた.ISO 19011 の改訂作業と調和を計りつつ作業を進めること を前提にコメント審議を行ったが,1st WD には具体 的な記述内容が少ないこともあり,次の版も WD とす ることになった. 5.1.2 その他の WG 1 標準化項目 (1) Study period on "ISMS Technical Audit"につい ては,WG 1 Plenary に新規作業提案のドラフトがス ウェーデン(ラポータ)から提示されたが,その内容 がこれまでの議論と異なっており,再度投票を実施し た.反対 5 カ国(加,独,日,ノルウェー,南ア) , 棄権 5 カ国であり,"Guidance for auditors on ISMS controls"の題名で NP 投票を行うこととなった. (2) Study period on "Information security for e-government"の結果を受けて,"ISM Guidelines for e-government service"の NP 投票が行われることとな った. (3) Study Period on "Information security for critical infrastructure"は 2 つのプロジェクトに分 割され,"Information security management: sector to sector interworking and communications for industry and government" と い う 新 規 作 業 提 案 と "Information security for critical infrastructure -- sector specific guidance"という Study period となる. (4) "Information security governance" と い う Study period が開始される. (5) "Sector specific Standards for WLA"に関する Study period は 6 ヶ月延長することとなった. (6) "Sector specific Standards for the Automotive Industry"に関する Study period は中止となった. (7) "Rules and principles for definitions"という Standing Document が作成されることとなった. 5.2 WG 2(暗号とセキュリティメカニズム) (1) 14888-3 Amendment "Digital signature with appendix -- Part 3: Discrete logarithm based mechanisms"に関して,ロシアの署名方式に加え,さ らに,Schnorr 署名を新たに追加する方向で,3rd WD を作成することとなった. (2) 18033-4 AMD1 "Encryption algorithms -- Part 4: Stream ciphers"のアルゴリズム追加に関して,Decim 暗号(フランス提案)が欧州プロジェクト eStream へ の応募において落選したが,エディタが追加候補とし て残すことを提案した.この意見は特に反対も無く了 承され,PDAM に対するコメント処理を行った後,FPDAM に進むことになった. (3) 15946-5 "Cryptographic techniques based on elliptic curves -- Part 5: Elliptic curve generation"は本文中にメカニズムを追加することに なった.3rd CD とすることになった.宮地充子(北 陸先端大)がエディタを務めている. (4) 9798-2 "Entity authentication -- Part 2: Mechanisms using symmetric encipherment algorithms"は,日本と各国からのコメントが採用さ れ,FDIS に進むことになった.竜田がエディタを務 めている. (5) 13888-3 "Non-repudiation -- Part 3: Mechanisms using asymmetric techniques"は,テキストの変更が 多いため, FCD には進まず 3rd CD とすることにな った.渡辺創(産総研)がエディタを務めている. (6) 10118-2 "Hash-functions -- Part 2: Hash-functions using an n-bit block cipher"の改 版に当たって,英国と日本が提出していたコメントを 処理し,1st CD に進むことが了承された.また, 記 載するアルゴリズムの追加については,現段階では新 アルゴリズムの追加は行わないこととなった.改版を 担当するエディタは吉田博隆(日立),コエディタは近 澤が務めている. (7) 11770-1 "Key management -- Part 1: General" が改訂されることになり,エディタに竜田が指名され た. (8) 15946-1 "Cryptographic techniques based on elliptic curves -- Part 1: General -- Technical corrigendum 1"が作成されることになり,エディタと して宮地が指名された. (9) その他の WG 2 標準化項目 (a) 29150 "Signcryption"については,NP 投票の結 果,新プロジェクトとして WD を作成することとなっ た.エディタとして Yuliang Zheng(産総研)が指名 された. (b) JTC 1 から指示された「軽量暗号メカニズム」に ついては,軽量暗号メカニズムの定義等 について議 論を行うとともに,call for contribution を行うこ ととなった.WG 2 の Study period として継続となっ た. (c) TPM セッション TCG(Trusted Computing Group) が PAS (Publicly Available Specification) 提 案 者 と し て , TPM (Trusted Platform Module) に関する紹介を行った. 途中,RSA/SHA-1 に関しては,10 年前に TPM の検討を 始めた頃は,best choice だったが,現在はそうとは 言えないため,次版では改善すべく作業中であると触 れていた. 5.3 WG 3(セキュリティ評価技術) (1) 15408-1 "Evaluation criteria for IT Security -- Part 1: Introduction and general model"につい ては,各国からのコメントを処理したが,まだ合意が 得られている状況とは言えないため,3rd FCD 投票に 進 む こ と と な っ た . な お , そ れ 以 外 の 15408-2 (Security functional components) と 15408-3 (Security assurance components)については,DIS 投票待ちで特に審議はなかった. (2) 15292 "Protection profile registration procedures"について,スペイン(CCN)が PP 登録機関 となることに関して,現在,技術管理評議会(TMB)の 投票中であることが報告された. (3) 15443 "A framework for IT security assurance (FRITSA)"は,TR 15443-1/2/3 の 3 冊を早期に改訂作 業をするかどうかを投票にかけた結果,反対国が 1 ヶ 国(英)あったが,賛成が多く早期に改訂をすること となった. (4) 24759 "Test requirements for cryptographic modules"は,FDIS 投票期間中であるため,今回審議 は行われなかった. (5) 19790 "Security requirements for cryptographic modules" については,日本から提出 した Defect Reports について認定され Corrigendum を発行することになった.また,19790 本体も早期改 訂することになった.そのエディタとして,日本,米 国,フランス,ドイツから立候補があり,誰をエディ タとして選定すべきかについて,2008 年 10 月に行わ れるキプロス会議の HoD 会議で再度議論することと なった. (6) 19792 "Security evaluation of biometrics"に ついては,すべてのコメントについて処理を行い,FCD 投票に進むことになった.コエディタが,三村昌弘(日 立)から大塚玲(産総研)に変更になった. (7) 29128 "Verification of Cryptographic Protocols"について,コメントに従い,Scope の文章 を一部修正するとともに,プロトコルの実装ではなく 仕様の検証にフォーカスすること,および,ISO/IEC 15408 と整合性をとるようにすること,を明確にする ことで合意された.2nd WD を作成することになった. 日本から,宮崎邦彦(日立),松尾真一郎(NTT デー タ),大塚がエディタを務めている. (8) 29147 "Responsible vulnerability disclosure" については,NP として認められた.会合中に,Scope ならびに目次案について議論し,外部からも見えるイ ンタフェース(脆弱性の発見者,脆弱性を修正すべき 組織間等の情報のやりとり)にフォーカスする等の方 針で合意した.また,脆弱性の発見者や調整機関に関 連する事項,および組織内部の取扱いプロセスは対象 からはずすことになった.1st WD に進む. (9) TR 19791 "Security assessment of operational systems"は,早期に改訂が行われることになった. (10) その他の WG 3 標準化項目 セキュアシステムデザインの Study period の状況に ついて,米国 Helmut から説明があり,NP 投票にかけ ることになった. 5.4 WG 4(セキュリティコントロールとサービス) (1) 27031 "ICT Readiness for business continuity" は,審議の結果,ガイドライン規格のみの作成を進め ることとし,これまでの 8 部構成のものを1つにマー ジし,タイトルも次のように変更した. 27031 "Security techniques -- Guidelines for ICT readiness for business continuity." これは WD と して進め,次回キプロス会議で CD を目指すこととな った. (2) 27032 "Guidelines for cybersecurity"のコエ ディタに中尾が指名された.引き続き WD として審議 される. (3) 27033 "Network security"について,パート 1 (Guidelines for network security) が CD に進んだ. パ ー ト 2 ( Guidelines for the design and implementation of network security)とパート 3 (Reference networking scenarios -- Risks, design technologies and control issues)は WD として審議 される. (4) 27034 "Guidelines for application security" は,385 件のコメントが処理され 2nd WD に進むこと になった. (5) 18044 "Information security incident management"の定期見直しにおいて,改訂版を早期に IS にするため NP を起すこととなった.次回キプロス 会議で FCD に進める候補として登録された. (6) Study period for Outsourcing については,継 続して,寄書及びラポータを募集することになった. (7) 中 国 か ら の 提 案 に よ り "Categorization and classification of information security incidents" に関する Study period が設置された. (8) マ レ ー シ ア か ら の 提 案 に よ り , "Evidence acquisition procedures for digital forensics"に 関する Study period が設置された. 5.5 WG 5(アイデンティティ管理とプライバシー技術) (1) 24745 "Biometric template protection"につい て,スコープに関して各国に求めた 4 択の結果報告が あり,選択結果を送付した 6 ヶ国はいずれも日本と同 じ,NP 時のスコープで標準化せよとの意見であった. 韓国 KISA(Korean Information Security Agency) が作成した"Guideline for biometric information protection"という文書をもとに本プロジェクトを進 めるという説明がなされ,参加者から反対はなかった. (2) 24761 "Authentication context for biometrics" については,寄せられたコメントが審議され,FDIS に進んだ.山田朝彦がエディタを務めている. (3) 29100 "A privacy framework"について,プライ バシーは国の文化や法制度により異なること,OECD や EU 指令のプライバシー原則は若干古い概念であり, 企業は新たな時代におけるグローバルなプライバシ ー原則を求めており,この規格において網羅すること を目指す等の説明がエディタから提示され議論され た.4th WD に進む. (4) 29101 "A privacy reference architecture"では, サービスや技術の設計原理を示し,機能の詳細はそれ に続くものとの見解がなされた.ユースケースレベル でのボランティア,コントリビューションを募り,5 月末をめどに文書を作り,7 月頃に議論の場を設ける という提案がなされた.2nd WD に進んだ. (5) 29115 "Entity authentication assurance"は, 3rd WD に進んだ.佐藤がコエディタを務めている. (6) 24760 "A framework for identity management" は,ID 管理のライフサイクルと ID のライフサイクル の関係についての検討が必要だとのコメント等があ り,今回,日本から提案した図を再度吟味,更新して 再提案することになった.5th WD に進む. 6. その他(今後の進め方に関する特記事項) (1) 国レベルの統制に関するガイダンス WG 1 で検討が始まった電子政府セキュリティガイ ダンス,重要インフラセキュリティ等は,既に検討さ れている我が国の関連施策との整合性等について,注 意する必要がある. (2) 暗号メカニズム WG 2 で暗号メカニズムの新規提案や既標準の改訂 に多くの日本委員が貢献している.暗号メカニズムは 我が国の暗号関連製品等に影響するものであり,引き 続き積極的に貢献していく. (3) 暗号モジュール WG 3 で改訂審議中の暗号モジュールのセキュリテ ィ要求(19790)は,米国暗号モジュール標準 FIPS 140-3 との一致性チェック等の課題が残っている.今 後も寄書提案やエディタ立候補などで積極的に貢献 していく. (4) セキュリティコントロールに関する新規案件 WG 4 で検討が始まったアウトソーシングのセキュ リティについても,我が国の関連施策との整合性等に ついて注意する必要がある.また,中国やマレーシア が新たな提案をしており,セキュリティコントロール 分野でのアジアの積極的な動きに注意する必要があ る. (5) ID 管理とプライバシー関連の標準 WG 5 で審議されている ID 管理とプライバシー関連 について,関連技術や規則が既に多くの民間団体や国 で運用されており,これからも多くの意見調整のため 時間がかかると考えられる.しかし,ID の生成から 廃棄までのライフサイクル管理,あるいは,個人のプ ライバシー権と公共福祉の観点からの扱いなど,今日 の情報社会における緊急かつ重要な課題が含まれお り,方向性や個別表現の妥当性のチェック,修正提案 など引き続き積極的に貢献していく. (6) 国際会議の主催について 今回,我が国主催の SC 27 国際会議は,各国からの 多くの希望もあり,初めて京都で開催した.WG とプ レナリーを合わせて計 217 名の参加者に対し,会議運 営を滞りなく進めることができ,参加者から良い評判 を頂いたと考える.ご協力頂いた事務局および SC27 京都会議準備委員会他,関係者の方々に厚く感謝する. 課題としては,事務局から遠く離れた京都で行った ことにより不都合が少し生じたことが挙げられる.つ まり,事務局員の出張,参加が得られず,会期中,日 本委員は様々な事務的な仕事を割り当てられること となり,本来の標準化活動に十分に専念できなかった. 今後,日本に招致した国際会議で人数の多いものに関 しては,語学力のある総務,事務責任者が情報規格調 査会から最低 1 名は参加することが望ましいと思わ れる. ■ SC 31 ( Automatic Identification and Data Capture/自動認識及びデータ取得技術)総会報告 SC 31 専門委員会 委員 小橋 一夫((社) 電子情報技術産業協会) 1. 開催場所:トロント(加) 2. 開催期間:2008-06-06 3. 参加国数/出席者数:17 カ国+3 団体/47 名 議長(Chuck Biss, 米),セクレタリ(Ray Delnicki, 米),豪(1),加(3),中(5),独(1),韓(4),露(1), シンガポール(1),南ア (1),スウェーデン(1),英 (2),米(7),仏(2),フィンランド(1),蘭(2),GS1(3), AIM(1),TC122(1),SC31 事務局(3),日(5:柴田彰[デ ンソーウェーブ,HoD],吉岡稔弘[AI 総研],渡辺淳[デ ンソーウェーブ],森田信輝[経済産業省],小橋一夫) 4. 概況 いつもより短い時間(約 6 時間)の中で,各 WG の 報告,各国の活動状況報告,ビジネスプラン,リエゾ ン報告が行われた.Resolution をまとめて終わると いった,スピーディーな会議進行であった.反面,前 議長 Alan Haberman のような,参加者にいろいろと語 りかけ,参加者と意見交換を行い,コンセンサスを取 りながらといった感じはなく,強引かつ事務的な処理 といった印象が残る会議であった. 5. 特記事項 5.1 議長及び事務局報告から JTC 1 総会での審議,各種決定事項に関する報告が 行われた. 電磁波発信機器に関する注意事項を関連する JTC 1 規格の中に書き込む件の SC 31 提案は,どの国の支持 も得られなかった状況が報告され,各国の JTC 1 ミラ ー会議での説明と賛成取付けの要請があった. 5.2 各 WG の活動報告から 5.2.1 WG 1:コンビーナ・S. Ackley(米) (1) 2 回の会議を開催.7 カ国とリエゾンの参加で推 進されている. (2) NP : 1 件 . FDIS 投 票 : 1 件 . IS : 7 件 . Re-affirmation:数件. (3) OCR 文字にユーロのキャラクターを追加した. 以下の新しいシンボルが提案される可能性あり. ①Ultracode: マトリックスシンボルの一つ ②Datastrip 2D: マトリックスシンボルの一つ.大 容量のデータ記述が可能 ③Grid Matrix: 携帯電話での利用が考えられてい るコード. ④DotCode: インクジェットプリンターでの高速印 刷が可能なコード 5.2.2 WG 2:コンビーナ・T. Yoshioka(日) (1) 前回(南ア)以降,1 回の会議を開催(クリアウ ォーター,米). (2) NP として 15459-7:Product Packaging,15459-8: Grouping of transport units,及び Guideline for using Data structure in AIDC media の 3 件が提案 されている.そのうち Guideline NP については,NB から投票締切日延長の要請が SC 31 事務局にあり, 15459-8 とともに本会議終了後の 6 月 10 日が投票締 切りとなった. (3) IS 発行(2007-06-15):ISO/IEC 15459-5 と 15459-6 (4) コンビーナの継続,及び各新規作業へのプロジェ クトエディタの割当てを要請する. 5.2.3 WG 3:コンビーナ代理・S. Ackley(米) (1) WG 3 及び WG 3/SG 1,ともに 3 回の会議を開催し た.審議には,17 カ国が参加した. (2) 2 次元シンボルの印刷品質テスト仕様に関する 5 年見直しを開始した. (3) ISO/IEC 29133:「リライタブルハイブリッドメデ ィアの品質テスト仕様」に関する審議がスタートした. (日本提案) (4) セクレタリが不在で募集中である.どこかの国で 出してほしいと要請された. (5) 以前のプロジェクトエディタが既に退職した等 の理由で,プロジェクトエディタが決まっていない案 件が出ている.ぜひ,立候補をとの要請された. 5.2.4 WG 4:コンビーナ・H. Barthel(ベルギー) (1) WG 4 を1回,SG の会議 6 回を開催. (2) SG 1 において,Application Interface Protocol の審議が進行中である. (3) SG 3 において,エアインタフェースの改定が進 行中.セキュリティに関連するエアインタフェースの NP がオーストリアから提案される予定である. (4) SG 5 においては 4 パートの RFID 設置に関連した TR が 審 議 中 で , 24729-1 : RFID 組 込 み ラ ベ ル , 24729-2:リサイクルと RF タグの 2 件は審議を終了し, 24729-3:設置と操作が PDTR,24729-4:タグデータ セキュリティが DTR の段階にある. (5) GS1 と EPCglobal の ARO(Approved Reference Organaization)承認に関する JTC 1 投票で,承認は されたものの,各国から多くのコメントが寄せられた. WG 4 が代表して,コメントに対する SC 31 としての 見解を作成したので,総会参加 NB にて確認をお願い する.見解の基本は,「既に SC 31 の各種規格で利用 されており,これからも必要とされる規格である」と いった点である. 5.2.5 WG 5:コンビーナ代理・C. Harmon(米) (1) 会議を 2 回開催. (2) 参加国は 6 カ国. (米,日,露,独,オーストリ ア,豪) (3) 24730-1:API と 24730-2:2.4GHz エアインタフ ェースプロトコルはすでに IS 発行.24730-3 と 24730-4 はキャンセルされた. (4) 24730-5:CSS(Chirp Spread Spectrum)at 2.4GHz は現在 WD の修正中である. (5) RTLS に関するコンフォーマンス案件も,今後は WG 5 で審議する. 5.2.6 WG 6:コンビーナ・C. Harmon(米) (1) 第1回の会議を 4 月に開催(ウィーン,オースト リア) .10 カ国,2 リエゾンが参加. (2) ISO/IEC 29143:「モバイル RFID リーダのための エアインタフェース仕様」のプロジェクトエディタに Josef Preishuber-Pfluegl(オーストリア)を決めた. (3) Face to face の会議は年 1 回とし,それ以外は 必要に応じ,電話会議などで行う. (4) IEEE との協力のため,PSDO に SC 31 を入れるよ うに JTC 1,ITTF と ISO 事務局に要請することを求め る. (5) ETSI,ITU-T,NFC フォーラムと WG 6 とのリエゾ ン構築を求める. (6) Ad hoc 及び第 1 回の会議で提起された NP の発行 を待っている状況である. 5.2.7 用語:ラポータ・C. Harmon(米) (1) 2011 年までにさらに改善を図る予定であるので, 各 WG は検討してほしいと要請があった. (2) モバイルデバイスとセンサーに関する用語を新 たなパートとして作成する予定である. (3) モバイルデバイスとは何を指すのかという定義 に関する議論があり,ラポータは「電話はできないが, 携帯して運用する各種機器」と言い,韓国は「携帯電 話を含む全ての携帯装置」と考えると主張する状況が 見られた.携帯電話の Web 機能と連携する範囲までは 含まれるとの見解も示された. 5.3 ビジネスプランに関して (1) 南アフリカから,セキュリティとプライバシー, 品質管理システムなどがこれからの重要テーマであ り,そういった内容も取り込むべきとの提言あり.ま た,フォーマットについても,技術とプロジェクト状 況,市場の成熟度などをグラフ化し,将来予測なども 含めて,よりビジュアルなものとすべきとの提起も行 われた. (2) JTC 1 へのビジネスプラン報告のフォーマットと の整合性など課題はあるが,改善の方向であり,今後 取り組んでいく意向が議長から示された. 5.4 各国の状況に関する報告 各国から,提出されている NB Report に関して,順 番に簡単な補足説明が行われた.各国とも,さまざま な実証実験,RFID の具体利用が検討あるいは実施さ れ始めているが,大規模なシステム展開はまだ見られ ないのが実情である. 5.5 各国からの Contribution (1) 日本:吉岡氏を,次の 3 年間も WG 2 コンビーナ として推薦する旨を発表. (2) スウェーデン:WG 2 で規格化した ISO/IEC 15459 シリーズのパートが増えてきたので全体としての整 合性などを見直すべきとの提案があり,WG 2 に Ad hoc を作り,検討することとなった. (3) 米国:WG 3/SG 1 を WG 3 から切り離してそれぞ れの専門家がいる WG で実施すべきとの提言があり, 各 WG コンビーナに異論はなく,その方向で進むこと となった. 5.6 リエゾン報告 出席あるいは,レポートが提出されている次のリエ ゾンから報告が行われた. ①AIM Global,②CEN TC225,③CEN TC331,④GS1, ⑤UPU,⑥IATA,⑦ETSI,⑧ITU-R,⑨ITU-T,⑩NATO, ⑪ISO TC104,⑫JWG,⑬ISO TC184,⑭JTC 1/SC 37 5.7 日本に関係する Resolution (1) WG 2 コンビーナとして,吉岡稔弘が次の 3 年間 務めることが承認された. (2) 日本提案である, 「AIDC メディアにデータ構造規 格を適用するガイドライン」のプロジェクトエディタ として,C. Harmon(米),H. Oehlmann(独) ,若泉和 彦(日)が承認された. (3) WG 6 ( Mobile Item Identification and Management)の参加国募集が正式に実施される. (4) ISO/IEC 24791-2(システム構築基盤パート 2: データ管理)のプロジェクト期間 12 か月延長. (5) WG 3 事務局の募集. (日本から提案した案件の審 議がスタートしたばかりであり,審議の円滑かつ迅速 な進捗のために重要である.) 6. 今後の予定 2009-06 月 シドニー(豪) 2010 (中国) ■ SC 32(Data Management and Interchange/デー タ管理及び交換)総会報告 SC 32 専門委員会 委員長 鈴木 健司(東京国際大学) 1. 開催場所: シドニー(豪) 2. 開催期間: 2008-05-26/30 3. 参加国数: 7 カ国/45 名 議長,セクレタリ,カナダ(3) ,英(2),米(13), 独(1) ,韓(6),中(9),日(9: 堀内一[東京国際大], 大林正晴[管理工学研究所],岡部雅夫[東京電力],土 田正士[日立],小寺孝[日立],鈴木俊宏[日本オラク ル],芝野耕司[東京外語大],梶野智行[ビーコン IT], 鈴木健司) 4. 主な結果 4. 1 WG 1(Open-edi)関連 (1) WG 1 コンビーナとして,Paul Levine(米)に代 わって,中国から是認された Wenfeng Sun(中)が承 認された. (2) MoU(e-Business) Management Group への JTC 1 representative として WG 1 からの候補者 Yong-Jae Kim(韓)が SC 32 で指名された. (3) プロジェクト分割として,e-Business 環境での トレーサビリティ枠組の標準化をめざす Part 9 とそ のエディタとして森田が承認された. ISO/IEC 15944-9 Business Operational View -- Part 9: Traceability framework ** 本件は,「ECOM に関わる,危険物や環境負荷物質 の追跡情報管理のための枠組の国際標準化をめざす もの」として日本から提案したが,総会後,SC 32 専 門委員会では,今後の検討状況によっては,国内での 検討体制および関連標準化活動との関係を明確にし, SC 32/WG 1 での取組の是非も含め,検討することと した. (4) プロジェクトの進展が次の通り承認された. ・ 15944-3:Business Operational View -- Part 3: Open-edi Description Techniques は,3rd CD 投票に回すことになった. ・ 3rd CD 15944-3:Business Operational View -Part 8: Identification of privacy protection requirements as external constraints on business transactions は,FCD 投票に回すこと になった. ・ ISO/IEC 14662 ( 3rd edition ) Open-edi Reference Model と , ISO/IEC 15944-1 ( 2nd edition)Business Operational View -- Part 1:Operational aspects of Open-edi for implementation は両者のマイナな修正を行い, それぞれ FDIS 投票に回すことになった. 5.2 WG 2(Metadata)関連 (1) ISO/IEC DIS 19504 (CWM : Common Warehouse Metamodel) PAS 投票の結果,2 カ国からコメントがあ り,ballot resolution meeting (BRM)を E メールで 行うことになり,BRM のためのコンビーナとして堀内 が指名された. (2) プ ロ ジ ェ ク ト 分 割 と し て , MFI ( Metamodel framework for interoperability)登録簿に不可欠な 登録手続の標準化をめざす Part 6 とそのエディタと して堀内が承認された. ISO/IEC 19763-6 MFI -- Part 6 : Model Registration Procedure (3) プロジェクトの進展が次の通り承認された. ・ 11179-3(3rd edition) Metadata Registries (MDR) -- Part 3: Registry Metamodel and basic attributes は 2nd CD 投票に回すことになった. ・ 19763-3(2nd edition)MFI -- Part 3: Metamodel for ontology registration は,CD 投票に回す ことになった. ・ 19763-5 MFI -- Part 5: Metamodel for process model registration は,CD 投票に回すことにな った. (4) 次の規格は FCD 投票に回すことになった. ・ FCD 11179-3 MDR -- Part 3: Registry Metamodel and basic attributes ・ FCD 19763-3 MFI -- Part 3 : Metamodel for ontology registration ・ FCD 19763-5 MFI -- Part 5 : Metamodel for process model registration ・ FCD 24706:Metadata for technical standards and specifications documents (5) 次の規格は FDIS 投票に回すことになった. ・ FDIS 24706:Metadata for technical standards and specifications documents ・ FDIS 14957:Representation of data elements values: Notation of the format 2nd Edition ・ FDIS 20944-1 : Metadata Registry Interoperability & Bindings (MDR-IB) -- Part 1: Framework, common vocabulary and common provisions for conformance ・ FDIS 20944-2 MDR-IB Part 2 ・ FDIS 20944-3 MDR-IB Part 3 ・ FDIS 20944-4 MDR-IB Part 4 ・ FDIS 20944-5 MDR-IB Part 5 ・ FDIS 19773 MDR Modules 5.3 WG 3(Database Languages)関連 (1) WG 3 コンビーナとして,米国から是認された Keith Hare(米)の 3 年間の再指名が承認された. (2) プロジェクトの進展が次の通り承認された. 次の 5 つの規格が CD 投票に回されることになった. CD 9075-1:SQL/Framework,CD 9075-2:SQL/Foundation, CD 9075-4:SQL/PSM, CD 9075-11:SQL/Schemata,CD 9075-14:SQL/XML 5.4 WG 4(SQL Multimedia & Application Packages) 関連 (1) ISO/IEC CD2 13249-7 Part 7: History の 2nd CD 投票結果の継続編集会議では,すべてのコメントを解 決することができなかったので,再度,継続編集会議 を行うことが承認された. (2) プ ロ ジ ェ ク ト 分 割 と し て , MDR ( Metadata Registry)交換のための問合せ言語 SQL/MDR の標準化 をめざす Part 8 とそのエディタとして Dongwon Jeong (韓)が承認されたが,このプロジェクトは,SC 32 での 60 日間の郵便投票で,4 カ国以上の支持があっ た場合に認められることになった. SQL Multimedia and Application Packages -- Part 8: MDR (3) プロジェクトの進展が次の通り承認された. 次の規格は CD 投票に回すことになった. ・ CD 13249-1:SQL Multimedia and Application Packages -- Part 1: Framework ・ CD 13249-3:SQL Multimedia and Application Packages -- Part 3: Spatial 5.5 Study Periods 次の Study Periods が承認された. ・ Extension of study period on future database scenarios ・ Request for a new study period on the new metadata standards ・ Request for a new study period on the metamodel for on-demand model selection ・ Request for a new study period on ROR(Registry of Registries) ・ Request for extending the study period on the semantic harmonization of metadata ・ Request for extending the study period on the Metadata Registry for the Semantic Web 6 今後の開催予定 2009-06-26 済州島(韓) 7. 所感 今回の会議では,中国と韓国からの出席が多くなり, 特に,WG 1 でのコンビーナや WG 2 及び WG 4 でのエ ディタの引受け状況から活動が活発化している.これ らの行動は必ずしも技術的な活動というようには感 じられないが,事前に把握し,その意図を知ることが 必要である.一方,WG 1 と WG 2 の活動内容からも, 特にエキスパートの参加の見込みも含めて,SC 32 の 今後の活動方針を国内で明確にしておくことが重要 である. ■ SC 37(Biometrics/バイオメトリクス)総会報告 SC 37 専門委員会 委員長 瀬戸 洋一(産業技術大学院大学) 1. 開催場所: 釜山(韓) 2. 開催日時: 2007-07-14/15 3. 参加国数/出席者数:18 カ国,5 リエゾン/48 名 豪(1),加(2),中(2),仏(1),フィンランド(1), 仏(1),独(4),日(2:向井幹雄[ソニー],瀬戸洋一 [HoD]),韓(2),マレーシア(2),露(5),ノルウエー (1),シンガポール(3),南ア(2),ウクライナ(1),ス ペイン(2),英(8),米(6),リエゾン(ITU-T,SC17, SC27,SC31,ILO) 4. 内容 4.1 概略 第 7 回の総会が釜山で開催された.韓国での総会開 催は第 3 回のソウル開催についで 2 度目である. 2007 年のベルリン総会の結果,次の 5 年の活動を 見据えた運営の課題を検討するために HoD および国 際主査をメンバとする SG(Special Group)会議が設 置され,第 1 回 SG 会議(2008 年 1 月イスラエル), 第 2 回 SG 会議(2008 年 4 月ニューヨーク)が開催さ れた.総会に先立ち HoD 会議が開催され組織運用の確 認が行われた.ポイントは,以下の 5 点である. (1) 各 WG の ToR(Terms of Reference)の見直し. 例えば,WG 1 では,用語だけではなく,各フレーム ワーク規格で使用するバイオメトリック技術用語の 調整文書(SD11 Harmonization 文書)の開発もスコ ープに含めることになった. (2) ロードマップを各 WG で開発し,SD として発行す る.ロードマップは,今後の SC 37 の運営の適正化を 図ることを目的とし,①WG ToR,②各 WG のプロジェ クトの他 WG,SC との競合確認と調整,③WG プロジェ クトの状況,④将来の方向性などを明記する. (3) WG 構成は,現状の 6 つの WG とする. (4) 境界領域の問題に対処するため WG 間の合同会合 を実施する.釜山会議では,①WG 3 & 5 は,9 日の AM,②WG 2 & 3 は,10 日の AM,WG 6 & 1 & 2 & 4 は, 11 日 PM に開催された. (5) 総会および WG の開催は,いままで通り 6 ケ月ご とに開催する. ここ 2 年ほどの SC 37 参加国の変化として, ロシア, スペインの活動が盛んになった.また,今回初めてウ クライナから出席があった.ロシアの参加者より,声 紋関係の技術紹介が各国の代表に個人的に行われて いた.中国からの参加者 2 名は,IEC & JTC 1 におけ る標準を主管する CESI(中国電子技術標準化研究所) の所属であり,バイオメトリクスにも取り組みを強化 する姿勢が出始めた. 4.2 WG 活動 各 WG 主査より,イスラエル会議,釜山会議の報告 があった. (1) 用語を扱う WG 1 では,ToR として,用語だけで はなく,一般的なバイオメトリック技術を定義する SD11(Harmonization Document)も含めることになっ た. SD2(Harmonized Biometric Vocabulary)バージョ ン 10 は,関連する組織(SC 17,SC 24,SC 27,TC 68, ITU-T SG 17)へ展開されることになった. (2) インタフェース仕様などを扱う WG 2 では,日本 の 入 国 管 理 シ ス テ ム な ど に も 関 係 す る CD 29141 Tenprint Capture using BioAPI が FCD に進むことが 決議された. 日 本 が エ デ ィ タ ( 栗 田 氏 ) を 務 め る WD 24709-3 BioAPI Conformance Testing , Part 3: Test Assertions for BioAPI Frameworks に関し,WD2 を作 成することが決定された.本件に関しては,WG 会議 において,中村氏より方針を明確にするための適合性 試験パート 2 の改良,BioAPI 仕様の補足の必要性, および適合性試験パート 3 は,上記のパート 2 に対す る方針に基づいて開発を進める必要があるという寄 書説明を行った.この結果,当初強く反対に回ってい た英国の賛成が得られ,BioSPI_Enroll に対する寄書 提出,それを審議する SWG 設置,それらの内容に基づ く日本(エディタ)からのパート 3 寄書提出と進むこ とが決議された. (3) データ交換仕様を扱う WG 3 は,開発プロジェク トが最も多く,同一会期内でのセッション併置開催が 承認された.ただし,会議参加者数の少ない NB への 配慮により,NB 投票は併置セッションで行わない方 針となった. 他の WG,特に WG 2(品質アルゴリズム ID 登録関係 など),WG 5(コンフォーマンステスト関係)との密 な連携が必要である. 一 番 開 発 案 件 の 多 い 19794 Biometric data interchange formats はパート 1 から 14 まであるが, 7,9,10 は事実的な活動はない. パート 6: Iris image data では,NIST 主催で,虹 彩データフォーマットに関する性能評価プロジェク ト IREX が開催された旨の報告があった. パート 3: Finger pattern spectral data は,エデ ィタの選出ができないため,開発を中止することにな った. パート 13:Voice data は,前回のテルアビブ会議 も含めて 2 度にわたって,エディタがドキュメントを 出さないという事態が起こった.対策として,現在の WD を捨て US の寄書をベースに新しい WD を Special Group が作成することとし,このため開発期間を 2 年 延長することになった.シンガポールが SG の取りま とめを行う.日本からは樋口氏がメンバ登録をした. 19794-8/29109-8 Finger Pattern Skeletal Data については,ドイツの現エディタが別の開発案件を抱 えているため新崎氏がコエディタからエディタに昇 格した. データ交換フォーマットを扱う 19794 シリーズで は,様々なデータを扱うことになり,画像データを意 識した View という用語が不適切であるとの提案があ り,Instance Record という用語に変更された. 29159 シ リ ー ズ の Biometric Calibration, Augmentation and Fusion Data のプロジェクトが立 ち上がった. パート 1: Fusion Information Format が最初のプロジェクトである.今後,次のプロジェク トが想定されている: ① Technical report on minutiae quality, iris quality, signature quality ② Calibration of minutiae quality in 29159. (4) システムプロファイルを扱う WG 4 は,3 件の開 発プロジェクトの内,2008 年になって 2 件の IS 化が 行われた. ISO/IEC 24713-1 Biometric Profiles for Interoperability and Data Interchange -- Part 1: Overview of Biometric Systems and Biometric Profiles(February 2008 発行) ISO/IEC 24713-2 Biometric Profiles for Interoperability and Data Interchange -- Part 2: Physical Access Control for Employees at Airports (May 2008 発行) 残 る 案 件 CD 24713-3 Biometric Profiles for Interoperability and Data Interchange -- Part 3: Biometric Based Verification and Identification of Seafarers は,FCD 投票に進むことになった.FCD 文書は 7 月 30 日までに提供され,SC 27 の Expert よ りレビューコメントを受けることになった.24713-3 に基づき ILO がそのシステム仕様を検討できるよう に,PKI などのセキュリティ仕様に関し SC 27,およ び 24713-3 の Amendment である船員身分証 IC チップ の 仕 様 策 定 に 関 し SC 17 と リ エ ゾ ン を 結 び , LDS(Logical Data structure)等の生成方法について 支援を受けることになった. WG 4 は今後の活動方針が不明確であり,2008 年 11 月までに主査(Hogan 氏)が作成するロードマップド キュメントを精査し,国内の対応をどうするか検討が 必要である. (5) 試験&報告関係を扱う WG 5 は,2 つの新規開発 案件の NP が成立した. 19795-5 Biometric Performance Testing and Reporting - Part 5: Scenario Evaluation of Biometric Access Control Systems.エディタは Rick Lazarick (US).反対投票したのは,仏,日,シンガ ポール.日本は,「難易度を定義するグレーディング 方法が未成熟.アクセスコントロールシステム(ACS) といっても多様」という主張を行ったが,ACS の定義 をある程度狭めようという米国の修正案があり,賛成 を表明した. 19795-7 Biometric Performance Testing and Reporting - Part 7: Testing of ISO/IEC 7816-based verification algorithms. 次回 CD 審議.Editor: Patrick Grother (US). 日本の JIS TR に関係し英国から提案され NP 提案さ れ る 予 定 で あ る Guidance for specifying performance requirements to meet security and usability needs in applications using biometrics に関し,エディタは Nigel Gorden (英)が就任した. エディタの下で Special Group が設置され,base ド キュメントの作成を行うことになった.SG には日本 から坂野氏,三村氏がメンバとして参加することにな った. WD 審 議 中 で あ る 29120-1 ~ 4: Information technology: Machine Readable Test Data for biometric testing and reporting ( エ デ ィ タ : Patrick Grother (米)) は,パート構成の変更が行わ れ承認された. ・ Part 1 Framework and Components ・ Part 2 Test Input Data ・ Part 3 Test Reports ・ Part 4 Biometric Test Certificates (6) 社 会 的 事 象 を 扱 う WG 6 は , 24714-1 Jurisdictional and Societal Considerations for Commercial Applications -- Part 1: General Guidance は,昨年 10 月に DTR 投票が行われ TR 発行 待ち状態. 同様に,24714-2 Part 2: Specific Technologies and Practical Applications は 4th WD から 5th WD に作業が移行した.エディタ(Savastano 氏)による 作業遂行強化を期待したい. 24779-1 Cross-Jurisdictional and Societal Aspects of Implementation of Biometric Technologies - Pictograms, Icons and Symbols for Use with Biometric Systems -- Overview は 1st WD から 2nd WD へ進むことになった. 24779-2 Part 2: Fingerprint applications は, 1st WD 開発段階である. ピクトグラムの専門家は日本からの 1 名(町田氏) のみであり,他国からはピクトグラム専門家の派遣が なく,ピクトグラム専門家からの意見は日本のみにと どまった. ID 管理に関する The use of biometric technology in commercial Identity Management applications and processes の英国提案の新規案件を検討した.話 題性のあるテーマであるが,スコープ絞込み,つまり, 何を標準化しようとするのか英国の意図が不明確で ある.引き続き関係する WG と合同で検討を行う必要 がある. 4.3 リエゾン関係 (1) ITU-T(Larmouth 氏)から SG 17 の活動に関するプ レゼンテーションがあった.特記事項はなし.その他 のリエゾンメンバは SC 37 兼務者(SC 17,SC 27,ILO) の参加のみ. (2) European Patent Office (EPO)がパテント関係の 情報を得るため SC 37 ドキュメントを検索することに 関する要望に対し,SC 37 は問題ないとした.ただし, ロシアと米国が Abstain 回答. (3) SC 17 および SC 27 対応で Special Group を設置 した.関連する開発案件に関しレビュー&コメントを 迅速に行うことになった. 5. 今後の開催予定 5.1 総会+WG 2009-07-06/14 ロシア 2010-07-2nd & 3rd week マレーシア 2011-07-2nd & 3rd week 日本 5.2 WG 2009-01-19/24 ハワイ(米) 2010-01-2nd week シンガポール 2011-01-3rd or 4th week ケープタウン(南ア) ♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪ <2008 年 9 月以降 国際会議開催スケジュール> JTC 1 2008-11-10/15 奈良,日本 JTC 1 SG on Sensor Network 2008-09-15/19 Nurnberg,Germany SC 2 2009-10-30 徳島,日本 SC 6 2008-11-03/07 Montreux,Switzerland SC 7 2009-05 India SC 17 2008-10 London,UK SC 22 2008-09-22/25 Milan,Italy SC 23 2008-12 Jeju Island,Korea SC 24 2009 UK SC SC SC SC SC SC SC SC SC SC 25 27 28 29 31 32 34 35 36 37 2008-10-24 2009-05-11/12 2009 2009-04 2009-06 2009-06-26 2008-09-28/10-01 2008-09-08/12 2008-09-07/12 2009-07-06/14 Lyon,France Beijing,China Korea Maui,Hawaii,USA Sydney,Australia Jeju Island,Korea Jeju Island,Korea Napoli,Italy Stuttgart,Germany Moscow,Russia <解説:SC 25/WG 3 における情報配線システムの標準化動向> SC 25/WG 3 小委員会 委員 上村 郁應 (NTT インテリジェント企画開発(株)) 1.はじめに 日常生活の中における情報通信の重要性が高まる 中,特にオフィスビル,データセンタ等のビジネスで 利用される場面では,より一層の大容量かつ高速化の ニーズが発生しており,その通信を伝送する媒体であ る配線が担う役割の重要度は高まるばかりである. 情報通信用の配線は一度構築した物は数年から数 十年の長期に亘り利用され,接続されている通信機器 が交換されて,その性能が向上しても伝送媒体である 配線は安易にはリニューアルはしないのが一般的で ある.この「配線」と呼ばれるものは,通常その用途 に関わらず人目には付きにくい隠蔽部に施され,かつ 至る所で必要とする利用者が使えるように広範囲に 設置がされているからである.このため一度構築した 配線をリニューアルするには,コストや稼動の面で利 用者に大きな負荷を与えてしまうことが多い.よって 当初の構築に際して現状の利用者の環境だけを反映 するのではなく,将来の利用形態や,将来接続される 通信機器の性能を想定し,安易なリニューアルをしな いように情報通信用配線のボリュームや機能・性能に ついて総合的に検討して導入をするのが常である.SC 25/WG 3 で進めている標準化は,このような実状の中 でオフィスビル,キャンパス,工場等の環境において 最適な情報通信用配線の設計・構築の指針となるべく 規格を策定することを目的としている. 2.概要 親委員会である SC 25 専門委員会は,情報機器間の 相互接続に関する標準化を対象とした専門委員会で ある.その中の我々SC 25/WG 3 小委員会では,構内 情報機器間の配線に関する標準化活動を中心に行っ ている.国際会合は例年 3 月と 10 月の年 2 回開催さ れており,10 月の会合は SC 25 のプレナリ会合に併 せて開催されている.2008 年 3 月はスペインのバル セロナで開催された.次回 2008 年 10 月はフランスの リヨンでの会合が予定されている.日本では 2002 年 に京都会合,2004 年に千歳会合(プレナリ)を開催 した. 当委員会で審議している代表的な規格文書として は ISO/IEC 11801(Generic cabling for customer premises)がある.本規格は商用ビル(オフィスビル) やキャンパスでの利用を目的とした情報通信用配線 に関して規定したものである.具体的な内容としては, 構造に関する仕様,配線を構成するケーブル/コネク タから成るリンクの仕様,コネクタ類の構造に関する 仕様,電気的及び機械的特性に関する仕様,ケーブル 設置スペース規程などが盛り込まれた規格である.本 規格は多少乱暴だが簡単に言えば,通称 LAN ケーブル と呼ばれる製品のグレードとして日常的に使われて いる「カテゴリ 6」や「カテゴリ 7」の規格を審議し ている委員会であると言えば一般的には理解が得や すいのかも知れない. また当委員会で標準化を進めている関連規格とし ては,工業用配線(ISO/IEC 24702),光配線試験法 (ISO/IEC 14763) , デ ー タ セ ン タ 用 配 線 ( ISO/IEC 24764)等がある. ちなみに ISO/IEC 11801 については,社団法人電子 情報技術産業協会(JEITA)情報配線システム標準化 委員会において翻訳および原案作成が行われ,完全翻 訳した国内規格がが JIS X 5150 として発行されてい る.このような状況もあり JEITA 情報配線システム標 準化委員会とは連携をしており,審議文書に関するコ メントを寄せていただいたり,時には国際会合にも委 員を派遣してご協力いただいたりする等,当委員会の 運営に多大なご支援をいただいている. 3. SC 25/WG 3 における最近の標準化動向 3.1 メタルケーブル配線に関する規格 オフィスビル等では,メタル(銅)ケーブルが情報 通信用配線の伝送媒体として利用されるケースが最 も多い.そのため市場でも最も注目されている.その 規格は IEEE 委員会で検討されている LAN の規格を元 に検討されるケースが多く,昨今はデータセンタやサ ーバルーム等での利用を想定した 10G ビットのイー サネット規格である 10GBASE-T (IEEE802.3an)に対応 するメタルケーブルによる配線規格が,ここ数年 SC 25/WG 3 での審議の中心となっている.既に制定され ている箇所もあるが以下の 3 つの TR と補遺に分けて 標準化が進められている.ちなみに本規格で言うメタ ルケーブルとは,2 心の銅線を撚り合わせたものを集 合させてケーブルを構成する「ツイストペアケーブ ル」を指す. ● ISO/IEC TR 24750 メタル配線のグレードで 2002 年に規格化されてい る「クラス E」で既に構築した配線をそのまま利用し て 10GBASE-T を導入できるかの判断や,導入するため のサポートをするためのガイドラインである.本規格 は 2007 年 8 月に発行済みである. ● ISO/IEC 11801 Amendment 1 10GBASE-T に完全に対応するためのメタルケーブル のグレードとして「クラス EA,FA」を新たに追加し た ISO/IEC 11801 の補遺となる規格である.この規格 は TR 24750 で 55m 迄だった距離制限をこれまでの規 格同様に 100m 迄実現できるものとして 2008 年 4 月に 発行された.ただし本補遺はチャネル構成のみの規定 であり,一般的な構内配線の基本構成であるパーマネ ントリンク構成は含まれていない.これについては追 って標準化予定の Amendment 2 で規定される. ● ISO/IEC 11801 Amendment2 前項の Amendment 1 に盛り込まれなかった「クラス EA,FA」に関するパーマネントリンク構成およびコン ポーネントに関する規定の追加を中心とした ISO/IEC 11801 の補遺にあたる規格である.本規格は現在も審 議中である. 3.2 光ファイバ配線に関する規格 光ファイバ配線に関しては,試験手順が明確に定義 された ISO/IEC 14763-3 が 2006 年に発行された.こ の中では光構内配線構築後の完成試験の試験方法や 試験手順が明確に確立された.具体的にはチャネル, パーマネントリンク構成という試験範囲がメタルケ ーブル配線同様に規定されている.また試験内容も基 本試験,拡張試験と区別されて実施すべき項目が明確 化され,基本試験では損失,伝播遅延,距離,連続性, 極性維持に関する項目が規定された.拡張規格として はトラブルシューティングを主な目的として Optical Time Domain Reflectometer(OTDR)を利用した試験が 規定された.OTDR を利用することにより,従来の試 験では不可能であった接続箇所における損失や反射 に関する特性のレベルを確認することができる. 次世代の構内配線用の光ファイバ規格として,従来 のマルチモードファイバ(MM ファイバ)の拡張規格 である Optical Multimode 4(OM4)ファイバの検討も 始まりつつある. また,ISO/IEC 11801 をベースとした拡張規格とし て,工場内での機械間接続を目的とした産業用構内配 線規格 ISO/IEC 24702 が 2006 年に発行された. ISO/IEC 11801 ではこれまで一般的に利用されてきた 原材料が石英の光ファイバの利用を前提にして規定 されていた.ISO/IEC 24702 ではプラスティック製光 ファイバ (POF)の利用も盛り込まれている.一般的に POF は石英の光ファイバに比較して,伝送損失が大き いため長距離の伝送には適していない.しかしながら 施工性が良く,加工するための費用を含めて安価であ るため,他の分野では既に多く採用されている技術で ある. 3.3 その他に関する規格 その他に当委員会では,データセンタの設計・施工 要件をとりまとめた規格 ISO/IEC 24764 が審議中であ る.データセンタは一般のオフィスやキャンパスと異 なり高密度かつ多段接続の構成をとるので,ISO/IEC 11801 をベースとして検討を進める必要がある.また 施工方法のガイドラインとして ISO/IEC 14763-2 もタ スクグループ(Cabling Implementation Task Group) を発足させて審議しつつある. 4.おわりに 都市再開発に伴う新たなオフィスビルの構築は未 だ続き,都心近郊等のロケーションにおけるデータセ ンタも枯渇している状況で新築や増床工事も進めら れている.それらでの情報通信の基盤となる情報通信 用配線に関するニーズや最新技術動向に関する興味 も高まっている中で,本標準化に寄せるマーケットか らの期待も国内においても非常に高いものがあり,今 後も積極的に標準化に取り組んでいく分野であると 考える. <声のページ> 13 年間を振り返って(標準化活動とボランティア精神) 三田 真弓((社)情報処理学会 情報規格調査会) 小生が情報処理学会の職員となり,情報規格調査会 で事務局の仕事をするようになってから 13 年余が過 ぎました.当調査会の活動に参加されている方の中に は 20 年間,30 年間の長期にわたって活動に参加され ている方も珍しくありませんので,そのような方に比 べれば 13 年余は決して長い期間ではありません.そ うはいっても小さな目標なら達成するのに十分な年 月です.それでは何か達成したことがあるのかと問わ れれば,残念ながら自信をもってこれだ,と答えられ るものはございません.当調査会の事務局職員になっ て間もない頃,小生の前任者であり,また現在に至る まで長期にわたり標準化についてご指導いただいて いる斉藤彰夫様から,「事務的な仕事だけに終始する ことなく,標準化に関して自分なりの考えを持って仕 事をすることが重要である.」という趣旨のことをご 教示いただいたことを昨日のことのように思い出し ます.この貴重な教えにも応えられず,間もなく定年 を迎えてしまうことは大変申し訳なく思っておりま す. 小生が当調査会に勤務して得た最も大きなことは非 常に多くの素晴らしい人々と出逢えたことです.この ことは事務局にいたからこそ経験できたのではない かと考えています.単に多くの人に出逢えたというこ とではなく,活動に対していつも真摯な姿勢で取り組 んでいる非常に多くの人々に出逢うことができたと いうことがポイントで,その結果,このような世界が あるのだ,ということを知ったことは新鮮な経験でし た.よく標準化はボランティアに支えられた活動だと 言われますが,まさしくその通りです.大学の先生や 個人の方だけでなく,企業からの参加者におかれまし ても,よくここまでやってくださるものだと驚かされ たことが何度もございました.事務局におりますので 標準の開発というより,それ以外の分野,例えば,役 員会,広報委員会,表彰委員会などとのかかわりが中 心になります.そこに参加されている方で最終的な結 果に至るまでベストを尽くす,また率先して困難な役 割を引き受けられる方を,何名も拝見いたしました. また,JIS 原案の開発をする幾つかの委員会で委員の 皆様がご苦労をされているのを,まのあたりにしたこ ともありました.JIS 原案の開発は多くの場合,委員 の数が十分でない上に開発期間が短いので委員の方 に負担がかかります.日本の産業界に役立てていただ こうという強い使命感に近いものを持たれ,最後まで ものすごく頑張る方が多いという印象をもっていま す.特に記憶に残っているのは C++の原案を作成した 委員会でした.ページ数が多いこと,完全翻訳である こと,作業がかなり進んだ段階で元になる IS に対し て多くの修正や訂正が行われたこと,これらのことが 重なって起きたことから,複数年にわたり毎日膨大な 数のメールが飛び交いました.果たして勤務先におけ る本業の方に影響がでないのだろうかと心配になっ た程です.これらの情熱がどこから来るのでしょうか. 小生は,その根源はボランティア精神にあるものと考 えています.即ち,誰かから指示されてやっているの ではなく,やること自体に価値を見出して自らの意思 で参加しているからだと考えています.そのような方 にとってはそこそこのレベルで妥協するなどという ことはあり得ないことで,最高のものを目指すことに なるのではないでしょうか.また,当調査会の活動を 非常に重要なものとしてお考えいただいている結果 ではないかと理解しています.本当に多くの素晴らし い皆様との出逢いがあり,難題に立ち向かった時も皆 様が活動に取り組まれる姿を拝見してそれに後押し されながら何とか乗り越えることができました.この 場をお借りしてお礼を申し上げます.13 年間大変お 世話になりました. <2008 年度 標準化功績賞および貢献賞の表彰> 標準化功績賞は,長年にわたり情報規格調査会委員および所属委員会委員として,多大な功績があった方々 の中から選ばれます.また,標準化貢献賞は,最近の数年間において,所属委員会委員として,顕著な貢献の あった方々の中から選ばれます. なお,本学会情報規格調査会規程により,2008 年度は 2008 年 7 月 14 日に開催された第 22 回規格総会で,受 賞者に表彰状および副賞として賞牌または賞金が授与されました. 標準化功績賞 内山 光一 氏(東芝ソリューション(株)) 内山氏は,1989 年から現在までの 19 年の長きにわたり 7 つの専門委員会を含む 34 もの 委員会活動に参加され,情報技術に関わる多くの分野で標準化活動および当調査会の発展に 寄与されました.特にアーキテクチャを記述する手法の開発ネットワーク関連モデルの開発 ODP モデルの開発等の取り組みでは,国際規格開発に大きく貢献されました. 後藤 志津雄 氏((株)日立製作所) 後藤氏は,1991 年から 2007 年までの 16 年の長きにわたり SC 22 専門委員会幹事を努め られ, プログラミング言語およびシステムソフトウェアインタフェースの標準化に多大な貢 献をされてきました.また,幹事就任以来 JTC 1/SC 22 総会に日本代表として出席し日本の プレゼンス向上に寄与されまし.JTC 1 Directives に関する造詣の深さは国内のみならず, 国際の場においても議長・セクレタリからの厚い信頼を得ております. 高田 秀之 氏((株)日立製作所) 高田氏は,2002 年から 2006 年までの 4 年間にわたり規格理事として当調査会の運営に参 加され,当調査会の発展および標準化の推進に寄与されました.また,この間,広報担当理 事およびアクセシビリティ SWG 主査など多くの役職を引き受けると同時に ISO/IEC JTC 1 総会ならびに関連の会議に参加され,日本意見の集約に尽力されるなど国際標準化の方向付 けに関し大きな功績を残されました. 成田 博和 氏 成田氏は 1996 年から 2008 年までの 12 年の長きにわたり,規格理事として当調査会の運 営に参加され当調査会の発展および標準化の推進に寄与されました.また,この間国際の場 においても PAS mentor として,および ISO/IEC JTC 1 直下に設けられた SWG-Directives など多くの委員会で日本の代表を務められ日本の主張を実現されました. 標準化貢献賞 岡本 敏雄 氏(電気通信大学) 岡本氏は 2001 年から現在までの 7 年の長きにわた り,SC 36/WG 2 コンビーナとして学習・教育・訓練 の情報技術分野での国際標準化活動に尽力されてき ました.特に日本から提案した協調学習に関する規格 群の国際標準化にあたってはこの専門分野の第一人 者としての学識および造詣を背景にリーダシップを 発揮し,各国の委員との緊密なコミュニケーションに より多様な意見を取りまとめて規格の成立を強力に 推進しました. 新谷 勝利 氏(独立行政法人 情報処理推進機構) 新谷氏は 1993 年から 1998 年までの 5 年間にわたり, SC 7/WG 10 小委員会幹事および SC 7 専門委員会委員 としてプロセスアセスメント関連の TR および IS (ISO/IEC 15504 シリーズ)の作成に貢献されました. 特に ISO/IEC 15504 シリーズを TR から IS に改訂する にあたって9部構成を 5 部構成とする現在の体系を 提案されました.更に 1998 年以降は SC 7/WG 10 WG 20 および WG 24 小委員会の委員またはエキスパートとし て SC 7 における標準化活動に大いに貢献されました. 瀬戸 洋一 氏(首都大学東京 産業技術大学院大学) 瀬戸氏は,2002 年 SC 37 専門委員会設立当初から 現在まで委員長として国内 WG の組織運営を軌道に乗 せ,国際の場においては団長としてバイオメトリクス の国際標準化に尽力し日本の活動が国際社会から確 固とした信頼を得るのに心身とも全力で尽くしてこ られました.更には WG 5 で開発を行なったバイオメ ト リ ク 認 証 装 置 の 性 能 評 価 の た め の ISO/IEC TR 19795-3 の基本の開発においても自ら率先して参加さ れ多大な貢献をされました. 高橋 俊也 氏(松下電器産業(株)) 高橋氏は,1998 年から現在までの 10 年の長きにわ たり,SC 29/WG 11/MPEG-4 および SC 29/WG 11/Video 小委員会の幹事として日本における MPEG 関連機器の 開発状況や映像サービスに関する産業界での動向を 見極めつつ日本の立場を踏まえた委員会の取りまと めに尽力してこられました.特に,近年の MPEG ビデ オ圧縮・多重システム・ファイルフォーマット関係の 膨大な数の国際投票案件においては,国内関連組織の 意見をまとめつつ年間 50 件を超える回答案作成を行 うなど標準化活動に多大な貢献をされました. 竹田 滋 氏((株)日立製作所) 竹田氏は 1995 年から現在までの 13 年の長きにわた り,SC 7/WG 12 小委員会の委員および 2000 年 6 月か らは幹事として機能規模測定に関する IS および TR (ISO/IEC 14143 シリーズなど全 11 種)のすべてに ついて,国内委員会での審議において活躍され,特に ISO/IEC 14143-6 の原案作成には大きく貢献されまし た.また,2001 年の SC 7 名古屋総会 2005 年の SC 7/WG 12 東京会議に際しては会議の準備および運営に大い に尽力されました. 原 潔 殿(日本ユニシス(株)) 原氏は,2001 年から現在までの 7 年の長きにわた り,SC 36 専門委員会委員として学習・教育・訓練の 情報技術分野の国際標準化活動に尽力されてきまし た.特に協調学習場に関する規格(ISO/IEC 19778-1, 2,3)については日本からの NP 提案より参画しプロ ジェクトエディタとして各国の委員との粘り強い交 渉によって意見を取りまとめ規格の成立を主体的に 推進しました.また,SC 36/WG 1 のボキャブラリ標 準化 SC 36/RG 1 の標準化普及活動などをはじめ SC 36 の種々の国際標準化活動にも日本代表として多大な 貢献をしてきました. 松原 幸行 氏(キヤノン(株)) 松原氏は,1997 年から現在まで 12 年の長きにわた り,プリンタおよび PDA などのモバイル端末における インタフェースの専門家として SC 18/WG 9 小委員会 委員を皮切りとし,SC 35 専門委員会委員 SC 35/WG 2 幹事および SC 35/WG 4 主査を務められ WG のとりまと めと国際対応に貢献されました. また,2004 年に SC 35 のプロジェクトエディタに就任され,2007 年 12 月に ISO/IEC 24755 を発行されるなど国際の場でも大いに 活躍されました. 吉田 健一郎 殿((財)日本品質保証機構) 吉田氏は,2002 年から現在までの 6 年の長きにわ たり,SC 27 において情報セキュリティマネジメント システム ISMS に関する国際標準化に貢献されてきま した.ISMS の重要性を当初から認識され国際会議に ほぼ毎回出席され日本からのコメント作成に精力的 にかかわり,国際規格の策定に重要な寄与をされると 共に関連 JIS の作成も行い我が国の ISMS 普及にも貢 献されました.また,その他プロジェクトエディタを 引き受けるなど国際の場で大いに活躍してこられま した. 脇野 淳 殿(沖電気工業(株)) 脇野氏は,1989 年から現在までの 18 年の長きにわ たり,SC 6/WG 7 小委員会の委員および主査ならびに SC 6 専門委員会委員として活躍されると共に数多く の国際会議にも出席されシステム間通信プロトコル (主に転送制御プロトコル)に係る多数の国際規格の 制定と改定ならびに JIS 規格の制定に貢献されまし た.また,この間 SC 6 総会の別府開催(1995 年)お よび奈良開催(2001 年)ではホスト国の中心メンバ として会議の準備運営に携わり同会議の成功に貢献 されました. <国際規格開発賞の表彰> 国際規格開発賞は,当会に所属する Project Editor または Project Co-Editor の貢献に対して授与されるも ので,2004 年 7 月に設けられた賞です.受賞者は表彰委員会で審議決定し,受賞対象の規格が発行された後に 授与されます. 2008 年 6 月の受賞者 松井 俊浩(独立行政法人産業技術総合研究所) ,山崎 信行 (慶應義塾大学) ・ ISO/IEC 24740:2008 Responsive link (RL)(SC25,2008-01 発行) 入江 満 (大阪産業大学) ,田中 邦麿 (帝京平成大学) ・ ISO/IEC 10995:2008 Digitally recorded media for information interchange and storage --Test method for the estimation of the archival lifetime of optical media(SC23,2008-4-15 発行) 古賀 明彦((株)日立製作所) ・ ISO/IEC 19780-1:2008 Learning, education and training -- Collaborative technology -Collaborative learning communication -- Part 1: Text-based communication(SC36,2008-05-01 発行) 原 潔(日本ユニシス(株)) ・ ISO/IEC 19778-1, -2, -3:2008 ILearning, education and training -- Collaborative technology -Collaborative workplace -Part 1: Collaborative workplace data model, Part 2: Collaborative environment data model, Part 3: Collaborative group data model(SC36,2008-05-01 ) <第 23 回規格総会の報告> 林 乙平((社)情報処理学会 情報規格調査会) 第 23 回規格総会が 2007 年 7 月 14 日に開催されま した.2007 年度の決算,2008 年度の予算,2007 年度 の活動報告,2008 年度の重点活動項目,当調査会規 程の一部改正,当調査会の 4 号委員,5 号委員の改選 が承認されました.以下では,2007 年度の活動報告 から,当調査会の国際活動について,その一部を報告 します.その他および詳細については,当調査会のホ ームページの配布資料を参照下さい. 1. SC 34 幹事国 カナダが SC 34 の幹事国と議長を降りることになり, 日本と韓国が後任の幹事国と議長に立候補しました. JTC 1 総会で幹事国を日本が務めることが承認され, また,議長を韓国が務めることとなりました. 2. SWG on Accessibility SWG on Accessibility の成果は日本からの強い働 きかけで次の 3 つのテクニカルレポート(TR)に纏め られ,2008 年 2 月 29 日期限の PDTR 投票を経て,承 認されました. ・ 障害者のニーズを集め,整理したもの(User Needs Summary) ・ アクセシビリティ関連の標準のリスト (Standards Inventory) ・ User Needs Summary の 利 用 方 法 の 解 説 (Guidance) また,これらの TR は標準作成者が障害者や高齢者の ニーズを理解するために参考資料として用いるもの であり,ISO/IEC の定める無償ダウンロードの基準を 満足していることから,投票で承認された際には ITTF に無償ダウンロードを要請することにしました. 3. 2007 年度に日本が提案して承認された国際規格 3.1 新業務作業項目(NP) (1) SC 31 ・ Quality test specification for rewritable hybrid media data carriers(SC 31 N 2316) ・ Guidelines for using data structures in AIDC media(SC 31 N 2439) (2) SC 35 ・ User Interfaces -- Accessibility functions for personal computers(SC 35 N 1159) 3.2 ファストトラック(Fast-Track) SC 28 Office equipment accessibility guidelines for elderly persons and persons with disabilities(JIS X 8341-5,DIS 10799) ∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪∽♪ <編集後記> 当調査会は,ISO と IEC の合同技術委員会である JTC 1 が新設された約 20 年前に発足し,以来,時代の先 端をいく情報技術分野の国際規格化に大きく貢献し てきている.特に,昨年は,当調査会が今までの SC 2, SC 23,SC 29 の幹事国に加えて SC 34 の幹事国を新 たに引き受け,JBMIA((社)ビジネス機械・情報シス テム産業協会)が担当する SC 28 を加えると,日本が 引き受ける SC 幹事国の数は 5 つと世界で一番多くな った.このように,各国や企業がその重要性を認識し て戦略的に取り組み始めている情報技術分野の国際 規格化で国際的に活躍し,日本のプレゼンス向上にも 貢献している当調査会であるが,その活動はあまり目 立っていない,というのが正直な印象である.当調査 会は,委員会のメンバの皆さんによって,国際規格化 の作業や国際規格に関しての情報提供を地道に続け てきていると思うが,当調査会の活動をもっとアピー ルして,より多くの企業などに参加していただくこと が今後重要と思う.広報委員会のメンバの一人として, これから役に立てればと考えている. [MM 記] 発 行 人 社団法人 情 報 処 理 学 会 情報規格調査会 広報委員会 〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8 機械振興会館 308-3 Tel: 03-3431-2808 Fax: 03-3431-6493 [email protected] http://www.itscj.ipsj.or.jp/