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暑熱対策について ~牛編~
置賜家畜保健衛生所 置賜家畜衛生指導協会 No.23-7 〒999-2232 南陽市三間通 444 TEL:0238-43-3217 暑熱対策について ~牛編~ 今年も暑い夏がやってきます。 牛はルーメン(第一胃)という発酵タンクを持って いるために、餌を食べると熱が発生します(下図)。 牛は暑さに弱い家畜です。暑熱対策をすることは、秋以降の生産性向上に繋がります。 下記の点に気をつけて暑い夏を乗り切りましょう。 こんな牛に注意 (1)高泌乳、分娩前後、肥満、基礎疾患(乳房炎、肺炎、腸炎等)があると重篤な 熱射病を起こしやすくなります。 (2)これらのハイリスク牛は、牛舎の涼しい場所へ移動しておきましょう。 初期症状は朝に (1)残飼が多い、飼槽が濡れるほどのよだれ、口を開けて速い呼吸を認めます。 (2)診察を受ける、冷水を飲ませる、四肢から胸へと徐々に水をかけてやる、送風 して冷やすなど早めに対処しましょう。 計画停電について 震災の影響で、計画停電が実施される可能性があります。実施されても生産性を阻 害されないよう準備を行うとともに、今から家畜への影響を出来るだけ緩和するよう 対策を行いましょう。 暑熱対策 (2)~(9)が電気いらずの対策!! (1)送風機具(換気扇・扇風機・ポリダクト等)を使用し、体感温度低下に努める。 次の日に体温を持ち越さないため に、夜も送風機を回しましょう。 (2)畜舎の換気・通風に注意する(窓・戸の開放、畜舎の整理整頓)。 (3)畜舎の屋根を白色ペイントで塗装し、屋根に散水・放水を行う。 (4)良質の飼料、主要なミネラルを与える。 (子牛には食べづらい大きな鉱塩ではなく、ザラメや食塩を) (5)新鮮な水を常に十分飲水できるようにする(出来れば冷水を)。 牛舎の端々まで水の出の点検をしましょう。 (6)パドックや畜舎の日除けを設ける。 (7)密飼いを避ける。 (8)家畜の行動をよく観察し、異常畜の早期発見・早期治療に努める。 (9)バリカンで毛刈りする。 手間がかかりますが、 体温が約 0.5℃下がります。 全頭毛刈りする手間 < 1 頭が熱射病で死亡する損失 家畜は皆さんの大切な財産です。 少しでも快適に過ごさせ、生産性を落とさないように努めましょう。 置賜家畜保健衛生所 置賜家畜衛生指導協会 No. 23-7 〒999-2232 南陽市三間通 444 TEL:0238-43-3217 暑熱対策について ~豚編~ 今年も暑い夏がやってきます。暑熱対策を行うことで、繁殖成績や増体が大きく違っ てきます(下表)。 気温と湿度が関係します。一般に舎内温度27℃を越える場合、1℃上昇につい て約40~50グラムD.G(1日増体重)が減少します。 肥育豚 繁殖豚 雌:27℃と32℃で比較すると第1回種付けの受胎率が15%低下、離乳後、発 情の来ないものの比率が5%多いという報告もあります。受胎後25日目の胎 仔生存率も32℃で20%減少するといわれています。 雄:30℃以上となると性欲低下、睾丸炎の発症も多くなります。 計画停電について 震災の影響で、計画停電が実施される可能性があります。実施されても生産性を阻害されないよう 準備を行うとともに、今から家畜への影響を出来るだけ緩和するよう対策を行いましょう。 暑熱対策 ・細霧とファンやダクト送風と併用し、体感温度を下げる。 →分娩、哺乳中の母豚に対しては、 ペットボトルに水を凍らせ、底にごく小さな穴を開けて 吊しておき、首筋へ水滴をたらすというドロップクーリング (右図)と、頭部を中心としたダクト送風が効果的。 ・屋根材や壁材に断熱性の高い材質(例;ウレタン)を利用する。 ・豚舎壁面にヨシズを立てて西日を防ぐ。 ・屋根、畜舎内への散水を行う。 ・新鮮な水を常に十分飲水できるようにする(出来れば冷水を) 。 ・密飼いを避ける。 家畜は皆さんの大切な財産です。 少しでも快適に過ごさせ、生産性を落とさないように努めましょう。 置賜家畜保健衛生所 置賜家畜衛生指導協会 〒999-2232 南陽市三間通 444 TEL:0238-43-3217 No. 23-7 暑熱対策について ~鶏編~ 今年も暑い夏がやってきます。産卵率の低下を最小限に抑え、秋以降の生産性に影響 しないよう、本格的な夏になる前に対策を行いましょう。 ●●● ブロイラー(肉用鶏)経営 ●●● 特に暑熱時に熱射病が多発し、熱射病による死亡や増体・飼料要求率などの生産性 の低下による経済的損失が大きくなっています。 ●●● 採 卵 鶏 経 営 ●●● 暑熱時の産卵性の低下(産卵数や卵重の減少等)や卵殻質低下による破卵数の増加 が問題になりますが、適切な暑さ対策を怠ると20%以上もの成鶏が熱射病で死亡し てしまうこともあります。 〈〈暑 熱 対 策〉〉 飲み水の確保 高温時は飲水量が増加するので、冷たい水をいつでも充分に飲めるよう にします。 噴霧・鶏体への 鶏舎内への噴霧等により、水の気化熱を利用した冷却方法。吸気口への クーリングパッドの設置や吸気口付近への散水も同様の原理です。 散水 8~13時頃までの給餌を停止すること(昼夜逆転照明等でも応用可能) 飼料摂取時間の で、飼料摂取による体内発熱増加と舎内温度上昇が重ならないようにしま 制限・変更 す。 計画停電について 震災の影響で、計画停電が実施される可能性があります。 実施されても生産性を阻害されないよう準備を行うとともに、今から家畜への影響を出来るだけ緩 和するよう対策を行いましょう。 家畜は皆さんの大切な財産です。 少しでも快適に過ごさせ、生産性を落とさないように努めましょう。