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カーペットを敷設
プロジェクト名 ポータブル位置認識システム用RFIDテキスタイルの開発 (20R5001) 研究背景 (研究背景) 研究目的 日本は今後ますます高齢化社会がすすむことは間違いなく、このよう 及び目標 な状況下において、病院や介護の現場では既に労働力不足が切実な問題 となっており、早急な対策が求められている。特に業務負担が大きくな るのは夜間や休日であり、日中と比較して3~5倍の業務量になる。 一人で複数の患者を受け持つため、徘徊する患者の状態や位置が自 動的に確認できる技術に対する現場ニーズは非常に高い。 そこで本研究では、施設での車椅子等の位置を検出する部材とし て、RFIDを定間隔で効率的に配置したテキスタイルを開発する。こ のRFIDテキスタイルの特徴はフレキシブルとマッピング工程の省力 化であり、施工が簡易でポータブルなシステム構築が可能である。将来 は生活支援ロボットの位置認識システム部材等の市場へも拡販する。 成果概要 (研究目的及び目標) 本事業では、福井県工業技術センターが有するフラットヤーン製織技 術、㈱ユティックが行っているe-テキスタイル加工技術開発、東京大 学の RFID を利用した位置認識システム開発を基に共同で研究すること により、患者や車椅子の位置を認識できるポータブルな位置検出システ ム用RFIDテキスタイルの開発を目的として研究を実施した。 具体的には、任意の平面上に無電源でかつ電波で稼働する低コストの RFIDを自動的にマトリックス配置できるRFIDテキスタイルを開 発した。さらに自動でRFIDテキスタイルをマッピングする装置を開 発し、マッピング工程を省略でき、RFIDテキスタイル敷設後すぐに 位置認識が可能になるポータブル位置検出システムを開発した。またこ の RFID テキスタイルを使用した位置検出システムの事業化を目的に、 RFID リーダーが移動する場合と固定する場合の2種類の位置認識シス テムを開発し、実用性を評価した。 本研究開発により、次のような成果を得ることができた。 ①RFIDテキスタイルの開発 RFIDヤーンを経糸に使用したRFI Dテキスタイルの試作を行った結果、RFID の破損が少なく、市販の織機にて製織でき る方法を開発した。 ②RFIDテキスタイル加工方法の開発 RFIDテキスタイルを、RFID 破損率 RFID カーペット 1%以下で、染色、コーティング、ラミ ネートする加工方法を開発した。RFIDテキスタイルをカーペット内 に配置することで、実用耐久性の課題を解決した。 1 マッピング装置を開発することによ り、RFID テキスタイルの検査工程で マッピングデータ作成が可能となっ た。これによりマッピングデータ作 成は従来の 1/10 以下の時間で可能 となった。またRFIDテキスタイ ルのマッピングデータは高い精度で 作成でき、位置認識部材として十分 マッピング装置外観写真 活用可能である。 ③移動/固定型RFIDリーダーシステムの開発 RFIDテキスタイル上を移動する車椅子の位置認識を行うために、 小型で軽量かつ省電力の移動用RFIDリーダーシステムを開発し、評 価を行った。その結果、RFIDテキスタイル上でテキスタイル内のR FIDを認識できるリーダーシステムを開発した。また、固定型RFI Dリーダーシステムとしては、ダイポールタイプのテキスタイルアンテ ナを利用して開発した。 ④RFIDテキスタイルを利用した位置認識システムの開発 1m×50mの広範囲でRFIDカーペット上を移動する車椅子の位 置認識ができるシステムを開発した。新田塚ハウスで実証試験を行った 結果、施設の評価は高く、今後の事業化の可能性が高いことがわかっ た。リーダー固定型の位置認識システムも開発したが、このシステムで は着衣のRFID洗濯耐久性が未解決であり、今後の課題である。 連絡窓口 本研究により、前述のような研究成果物を得ることができたが、こ れについては、今後、次のとおり市場展開を行う。 本研究開発の成果は、①RFIDテキスタイルの開発、②RFID テキスタイルマッピング装置の開発、③RFIDテキスタイルを使用し た位置認識システムである。この成果を利用して、2011年には 「リーダー移動型のポータブル位置認識システム」を製品化し、介護・ 福祉分野での事業化を目指す。さらに、RFIDテキスタイル単体も位 置認識システム部材として製品化し、マーケティングのシステム部材と して、さらにはロボット等の位置認識システム部材として、さらにはセ キュリティ用の衣料部材としての販売を展開する。 (株)ユティックはRFIDテキスタイルの製造・加工の生産部門を担 当する。RFIDヤーンは日立化成工業㈱より購入し、それを外注先の 福井県内の織布企業でRFIDテキスタイルに加工し、その後自社にて 熱処理等の高次加工を行い、マッピングデータ作成を行った後にRFI Dテキスタイル製品として出荷する。床材として販売する場合は、RF IDカーペットとして出荷する。 (株)メディカルジャパンは、(株)ユティックで製造したRFIDテキ スタイルを購入して、「車椅子位置検知システム」として介護分野での 位置認識システムを販売する。 財団法人ふくい産業支援センター 技術開発部 (担当;岩佐,木下) 連絡先 TEL:0776-55-1555 FAX:0776-55-1878 2