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A Literature Review of Country-of-Origin Effects
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経営論集 第71号(2008年3月)
カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の現状と課題に関する一考察
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カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の
現状と課題に関する一考察
李
炅
泰
1.はじめに
2.CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響
3.CO 情報が市場成果に及ぼす影響
4.CO 効果の規定要因
5.ディスカッション
1.はじめに
本研究の目的は、カントリー・オブ・オリジン・エフェクト(Country-of-Origin Effects;以後、CO
効果と記す)に関する既存研究のレビューを通じて当該研究領域の現状と課題を明らかにし、今後
の研究に指針を提示することである。
CO 効果は、製品のカントリー・オブ・オリジン情報(以後、CO 情報と略す)が顧客の購買意思
決定に与える正負の有意な影響と定義できる。同効果については、1960年代後半から研究が始まり、
以後国際マーケティング論を中心に活発な議論が展開された。そして、多数の実証研究が CO 効果
の有意性を確かめている。さらに、消費者行動論など、関連領域の発展や成果と歩調を合わせなが
ら、CO 効果研究も発展を遂げてきた。近年に至っては、経営・生産活動のグローバル化を背景に、
当該分野は外延的拡張と深化を遂げ続けている。
かかる状況をうけて、本稿では既存研究をレビューし、当該分野の現状と課題を考察する。レ
ビューにあたっては、「影響の主体と客体」という独自の視点をもって、多様なアプローチから議
論されてきた既存研究を類型化し考察を行う。そして、既存研究に残された課題を明らかにし今後
の研究に向けた指針を提示する。
本稿が類型化の基準とする「影響の主体と客体」とは、CO 効果をめぐって影響し合う主体と客
体(即ち、影響を与える主体と影響を受ける客体)をいう。既存研究の多くは CO 情報の働きを経
験的・実証的な実験によって究明しているため、この基準は合理的で有用な切り口になると思われ
る。
この分類軸をもって、以下では次のようにレビューを進める。次章の2章では、CO 情報(主
体)が消費者の製品評価(客体)に及ぼす影響について考察する。3章では、CO 情報(主体)が
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製品の市場成果(客体)に及ぼす影響を考察する。4章では、CO 効果の発生と程度(客体)に及
ぼす要因を製品・製造国・消費者(主体)の3つの観点から整理する。最後の5章では、本稿をま
とめると共に、今後の研究に向けた指針を提示する。
2.CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響
CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響は、当該分野の中心的な研究テーマであり、現に豊富
な実績が蓄積されている。この類型の研究には、1970年代までの「初期研究」をはじめ、初期研究
の限界を補完する形で展開された「情報手がかりを複数化したうえで CO 効果を検証した研究」、
消費者内面の心理的な領域へと深化された「CO 情報処理メカニズムを明らかにした研究」が含ま
れる。
(1) 初期研究
消費者の製品評価における国家イメージの影響を実証した先駆的な研究は、Schooler(1965)の
“Product Bias in the Central American Common Market”である。この研究では、200名のグアテマラ学
生に4ヶ国(グアテマラ、メキシコ、エル=サルバドル、コスタリカ)のジュースと織物製品に対
するイメージ調査を行い、生産国によって消費者評価が異なることを実証した。それ以降、製品国
籍情報の働きに関する関心が高まり、CO 効果に関する研究が本格化した。研究を先導したのはア
メリカで、外国製品に対する消費者の認識と反応を実証的な手法で探ろうとした。その結果、特定
の国に対する消費者のステレオタイプ化した国家イメージが、製品評価の際に連想を起こし、外国
製品の購買意思決定に影響を与えることがわかった。このような CO 効果は、特定の製品に限らず、
製品一般(Dornoff et al.1974; Gaedeke1973; Krishnakumar1974; Nagashima1970, 1977; Wang1978)、製
品クラス(Dornoff et al.1974; Gaedeke1973; Krishnakumar1974; Nagashima1970, 1977)、特定タイプの
製品(Gaedeke1973; Krishnakumar1974)、特定ブランド(Gaedeke1973; Yaprak1978)と、製品の多
層的なレベルを通して現れることが確認された。また、消費者の CO イメージと製品評価は、CO
が 同 じ で あ っ て も 、 製 品 カ テ ゴ リ に よ っ て 異 な る こ と が わ か っ た ( Etzel and Walker1974;
Gaedeke1973; Nagashima1970, 1977)。さらに、CO 効果は、消費財の最終消費者のみならず、産業
財の購買担当者の製品評価においても確認された(White and Cundiff1978)
。
ところが、一連の初期研究については幾つの問題点が指摘され、それを補完・追究しつつ、CO
効果研究はさらなる発展を遂げていった。主な問題点は、単一手がかりの設定によって疑問視され
た CO 効果評価の現実的妥当性と、消費者の CO 情報処理メカニズムに対する考察の欠如であった。
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(2) 情報手がかりの複数化と CO 効果
多くの初期研究は、実験にあたって被験者に CO 情報のみを与え、製品評価を行わせていた。こ
のような実験上の操作は、用い得る評価手がかりを限定させるため、CO 効果を過大評価し得たと
いう批判を受けた(e. g., Bilkey and Nes1982; Han and Terpstra1988; Hong and Wyer1989)
。それは、
複数の情報手がかりを統合的に考慮したうえで意思決定を下す、一般的な購買行動とかけ離れたも
のでもあった。そこで、以後の研究では、被験者に複数の情報手がかりを提供し、より現実味を帯
びた実証分析を遂行するようになった。なお、情報手がかりの複数化は、ブランド・ネーム、スト
ア・イメージ、保証条件など外的手がかり(1)を中心に行われた。特に CO とブランド名(主に企業
・・
ブランド)に複数化したものが多く(e.g., Amine and Shin2002; Han and Terpstra1988; Ha ubl1996;
Kim and Park1993; Nebenzahl and Jaffe1996; Niss1996; Tag and Kim1999)、CO とブランドと価格を設
定したもの(Li et al.1994)、CO とブランドと製品経験を設定したもの(Tse and Gorn1993; Tse and
Lee1993)、CO とストア・イメージと保証を設定したもの(Thorelli et al.1989)などもあった。これ
らの研究では情報手がかり間の影響力の違いも論じられた。例えば、Amine and Shin(2002)、Han
and Terpstra(1988)、Kim and Park(1993)、Tse and Gorn(1993)などでは、消費者の製品評価に CO が
ブランドより強い影響を与えると分析した。それに対し、Tag and Kim(1999)では、ブランドが CO
より強い影響を与えると分析している。一方、Li et al.(1994)では CO より価格を、Thorelli et
al.(1989)では CO よりストア・イメージと保証をそれぞれ重要な影響変数として分析している。ま
た、Niss(1996)は、導入期には CO が、それ以降はブランドが重要であるとしている。このように、
CO 情報の相対的な影響力については見解が分かれている。しかし、CO 効果の有意性については
あまり異論がなく、複数手がかりの下でも、CO は製品評価に有意な影響を及ぼすことが実証され
た。
(3) CO 情報処理メカニズム
一連の研究成果から CO 効果の有意性が広く認識されるなか、消費者の反応を表面的に捉えるだ
けの分析アプローチに反省の動きが現れた。この動きは、消費者行動理論の発展に影響を受けたも
ので、その枠組みを用い、消費者内面の CO 情報処理メカニズムを究明しようとした。そこには幾
つかのアプローチがみられるが、主なものとして、CO が製品評価のどの段階(信念か態度かな
ど)で働くかを追究したものと、CO 情報がどの次元(認知的か感情的か複合的かなど)で処理さ
れるかを追究したものがある。
前者として、Erickson et al.(1984)は、CO をハロー(halo)、即ち、消費者の属性評価には直接的
に影響するものの、態度には直接的に影響を与えない情報として規定した。これに対して、
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Han(1989)は、消費者が製品に親しくない場合 CO はハローとして働くものの、親しい場合には要
約構成概念(summary construct)となって態度に直接的な影響を及ぼすとした。さらに、Hong and
Wyer(1989)は、CO 情報が製品への興味を抱かせ、順次に消費者関心をより拡張的に引き起こし、
全般的な購買可能性にも影響を及ぼし得るとする。
後者として、Obermiller and Spangenberg(1989)は、CO 情報に対する消費者の処理メカニズム
を、認知的(cognitive)、情緒的(affective)、規範的(normative)の3つに区分している。認知的
処理は、CO 情報を客観的な品質判断の手がかりとして利用することである。情緒的処理は、CO
情報を象徴的・感情的便益の判断基準として利用することである。規範的処理は、自国製品の愛用
や対立国製品の不買など、CO 情報を製造国と関連した社会的・個人的基準を以って判断すること
である。このような分類に対して、Verlegh and Steenkamp(1999, p.524)は、分別がやや不明瞭で
実際の意思決定では交互作用を起こすなど、議論の余地を抱えてはいるものの、CO 効果を理解す
るうえでは最も適切な枠組みであると評価している。一方、Li et al.(1994)は、CO が認知的評価
プロセスである信号的役割(signalling role)と、情緒的評価プロセスである属性的役割(attribute
role)の両方にかかわるとしている。
別の問題意識から、Liu and Johnson(2005)は CO 効果の自動発生メカニズムを論じている。彼
らは、消費者が一旦 CO 情報に露出されると、消費者が CO 情報を意識(あるいは重視)するか否
かに関係なく、製品およびブランドの評価には CO 効果が自動的に発生するという。
総じて、CO 情報処理のメカニズムに関しては、理論的な統合には至らず、さまざまな認識が並
存している。既存の研究成果を統合する理論的枠組みの構築が求められているといえよう。
3.CO 情報が市場成果に及ぼす影響
CO 効果と当該 CO 情報を冠した製品の市場成果との直接的な関係を論じた研究は非常に少ない。
先述の通り、既存研究の中心テーマは CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響を究明することで
あり、CO 情報と実際の企業業績との関連性にまで踏み込んで実証分析を遂行した研究はあまり見
当たらない。それは、市場成果をもたらす要因の多様さに起因するであろう。CO 情報は製品に付
される1つの外的要素に過ぎないため、CO 効果と市場成果との関連性を実証的・経験的に明らか
にするには、より多様な要因の分析が伴われるべきだからである。
ただ、次に示す少数の研究が、売上やマーケット・シェアや市場価格水準など幾つの基準を持っ
て、CO 情報と市場成果との関連性を論じている。
Amine et al.(2005)は、台湾のパソコンメーカーAcer の事例研究を通じて、ネガティブな CO
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効果は、企業の海外進出と市場成果に深刻な支障をもたらし得ると結論付けた。彼らは、Acer が
先進国である日本とアメリカでは失敗し、途上国である中国では成功した事例を取り上げ、先進国
における台湾イメージと企業ブランドの低い認知度が失敗の主な原因であったと分析している。
Hulland et al.(1996)は、CO 情報が製品の市場価格に影響することを確認した。彼らは、フィ
リピン・ダウ市場の450製品に対して価格調査を遂行し、同一企業の同一製品であっても、先進国で
製造された製品は途上国製に比べてプレミアム価格で売れることがわかった。
Kim(1995)は、北米市場の自動車マーケット・データを用いて、長期無形資産のブランド評判、
CO、FDI が、短期的なマーケット・シェアとマーケティング効果(特に、プライシング効果)に及
ぼす影響について調査した。その結果、ポジティブな CO 情報は、当該ブランドの短期的な販売実
績とマーケット・シェアに正の影響を及ぼし、かつ消費者の価格敏感度を低下させることがわかっ
た。
Kim and Chung(1997)も、北米市場のサブコンパクト車の自動車マーケット・データを用いて、
カントリー・イメージ、ブランド、その他マーケティング変数(価格、広告)が市場シェアに及ぼ
す影響について調査した。その結果、カントリー・イメージは、ブランドとマーケティング変数
(特に、広告)と相互作用を起こし、市場シェアに有意な影響を及ぼすことがわかった。ただ、
マーケット・シェアにおいて最も重要なファクターはブランド評判であった。
Niss(1996)は、食品、デザイン製品、農業製品を手掛けるデンマークの輸出企業が、マーケ
ティング活動においてどれくらい国家イメージを活用するかを調査した。100社へのアンケート
(回収率58%)と企業マネージャー20名に対する個別インタビューを行った結果、CO イメージは
輸出の初期段階において目標市場への迅速な市場浸透と差別化の構築に役立つことがわかった。
その他に、事例をもって CO 情報と市場成果との関連性を言及した論者もいる。例えば、
Nebenzahl and Jaffe(1996, p.5)は、アメリカ西海岸の多くのクライスラー・ディーラーはメキシコ
で製造された Dodge と Plymouth K モデルの取り扱いを拒むし、イスラエルでは Volkswagen の同一
モデルでも割高のドイツ製が割安のブラジル製より好調な売れ行きを見せるという。また、Tse
and Gorn(1993, p.60)は、『Business Week 誌』の記事を引用し、Volkswagen がアメリカでメキシコ
製のモデルを売り出したとき、顧客離れによって失敗を喫したことを喚起させている。
市場成果をもたらす要因の複合性を考えれば、CO 効果が市場成果に繋がるかを実証的に究明す
るには、注意深いアプローチが求められる。しかし、一方で、この問題はより議論を深めるべき課
題でもある。消費者の製品評価における CO 情報の有意性が広く認められているとはいえ、それが
必ずしも製品の市場成果に結びつくと言い切れないのであれば、CO 効果研究の実践的な意義もそ
れだけ薄れることになるからである。
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4.CO 効果の規定要因
本章では、どのような要因(影響する主体)が CO 効果の発生と強度(影響される客体)に影響
を与えるかについてレビューする。この問題と関連して既存研究から見出された諸要因は、製品・
製造国・消費者の3つの要因に分類できる。
(1) 製品要因
耐久財か否か、もしくは高関与製品か低関与製品かなどといった製品の性質は、消費者の知覚リ
スクに働き、CO 効果の程度を規定するとされる。Hugstad and Durr(1986)は、耐久財(車、カメ
ラ、タイヤ)が非耐久財(缶フード、靴、シャツ)より高い知覚リスクを誘発し、CO 情報への依
存度を高めるとしている。Kim and Park(1993)は、高関与製品(ミニカセット、カメラ)の場合、
知覚リスクが高く強い CO 効果が観察されるが、低関与製品(石鹸、チョコレート)の場合は、知
覚リスクが低く CO 効果も弱いことを実証した。Alden et al.(1993)も関与度の高い製品ほど CO
情報が重視されることを明らかにしている。
これらの研究は、製品への知覚リスクや関与度が高い時に消費者はより慎重な購買意思決定を行
い、CO 効果がより強まることを実証的に示している。
(2) 製造国要因
Hampton(1977)は、9ヶ国の CO 情報と27種類の製品を消費者に提示し、製造国の経済開発水
準によるハイアラーキーな知覚リスクの相違を発見した。このように、消費者が抱く各国に対する
カントリー・イメージはハイアラーキーに形成されることが知られている。CO 効果とは、そのス
テレオタイプ化したカントリー・イメージが購買意思決定に与える影響に他ならない。カント
リー・イメージがハイアラーキーに形成される原因については、上述した経済開発水準
( Hampton1977; Krishnakumar1974; Tongberg1972; Wang1978 ) の ほ か に 、 文 化 お よ び 政 治 状 況
(Wang1978)、自国との知覚された信念体系の類似性(Tongberg1972)、マス・コミュニケーション、
個人経験、オピニオン・リーダー達の見解(Nagashima1970)などが挙げられている。
ま た 、 自 国 製 の 製 品 は 相 対 的 に 高 く 評 価 さ れる ことが 知られ ている (e. g., Al-Sulaiti and
Baker1998; Bilkey and Nes1982; Narayana1981)。その背景としては、愛国心(patriotism)に加え、
自国企業ならではのサービス能力が主要な要因として考えられている(Han1988)。
さらに、Klein et al.(1998)と Amine et al.(2005)は、CO 効果の発生要因として「敵愾心」
(animosity)に注目する。Klein et al.は、消費者が特定国に対して軍事的、政治的、経済的原因で
嫌悪感を覚える場合、当該国の製品についてその品質いかんにかかわらず購入を拒むとしている。
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そして、事例として、中国南京の消費者が抱く日本への強い敵愾心が、日本製品の購買を思いとど
まらせる主な原因であることを明らかにしている。Amine et al.は、台湾政府の台湾イメージ・キャ
ンペーンと台湾企業 Acer のマーケティング戦略を取り上げ、アメリカと日本での失敗と中国での
成功をカントリー・イメージと関連付けて分析している。
(3) 消費者要因
CO 効果に影響する消費者側の要因としては、性別、年齢、教育水準、所得水準など、人口統計
学的(demographic)特性が広く取り上げられた。「性別」については、女性が男性より外国製品に
好意的だという見解(Dornoff et al.1974; Schooler1971)と自国製品に好意的だという見解(Good
and Huddleston1995; Han1988)が混在している。
「年齢」についても、高齢者が若者より外国製品に
好意的だという見解(Schooler1971; Smith1993)と、年齢と CO 効果との有意な関係はみられない
という見解(Wang1978)が混在する。「教育水準」については、高等の教育を受けた消費者が制限
的な教育を受けた消費者より外国製品に好意的だという見解が概ね一致している(Dornoff et
al.1974; Good and Huddleston1995; Schooler1971)。Al-Sulaiti and Baker(1998)は、教育水準と CO
効果について多くの研究者が一致した見解を示したことから、人口統計学的特性の中で最も重要な
変数であると規定している。しかし、教育水準と CO 効果とでは有意な関係が存在しないという主
張もある(Han1988)。「所得水準」についても、高所得者が低所得者より外国製品に好意的だとい
う見解(Wang1978; Good and Huddleston1995)と、所得水準と CO 効果とでは有意な関係が存在し
ないという見解(Han1988)が混在している。
以上のように、人口統計学的要因については見解が対立・混在しており、その分析尺度としての
有用性は疑わしいもののように思える。
一方、製品に対する親しさや詳しさの程度を表す「ファミリアリティー(product familiarity)」
も CO 効果を規定するとされる。Han and Terpstra(1988)は、製品に対するファミリアリティーが
高いほど、消費者が CO 情報に依存する程度は低まるという。Johansson et al.(1994)は、高い
ファミリアリティーが製品への知覚リスクを低下させるとして、北米で販売される東欧の製品(ト
ラクター)にとって、ファミリアリティーの向上は優先すべき課題であると指摘する。Han
(1989)は、消費者のファミリアリティーが高い時、CO 情報はブランドと同じく態度に直接的な
影響を与える「要約構成概念(summery construct)」として働くことを実証的に示している。
さらに、「愛国心」や「自民族中心主義(ethnocentrism)」の性向が強い消費者ほど、自国製品へ
の愛着が高く、強い CO 効果がみられるとされる(e. g., Al-Sulaiti and Baker1998; Han1988;
Nagashima1970)。また、Amine and Shin(2002)は、アメリカ国籍とタイ国籍の学生321名を対象に
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行った実験から、購買意図を誘発する CO 効果の強度に「国籍(nationality)」による違いが存在す
ることを立証している。
5.ディスカッション
本稿では、CO 効果をめぐって影響を与える主体と影響を受ける客体を基準とし、既存研究の類
型化を行った。レビューにおける分類基準の明確さと一貫性は本稿が有する特徴の1つである。諸
類型が独自の一貫した基準によって識別されている点で、既存研究の体系的な理解がより容易にな
るのではないかと思われる。
本稿の定めた分類基準、即ち影響の主体と客体を基準に、既存研究は3つの類型に分類された。
1つ目は CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響で、それはさらに「初期研究」、「情報手がか
りの複数化と CO 効果」
、「CO 情報処理メカニズム」に分けてレビューを行った。初期研究の諸成
果は、幾つかの限界や問題点にも関わらず、CO 効果研究が発展する土台を築いたといえる。初期
研究が足がかりとなって、以後の研究は外延的拡張と深化を遂げたからである。そこには見解の相
違こそみられるものの、複数の情報手がかりの下で CO 効果の有意性が広く検証されたり、CO 情
報の心理的処理メカニズムが追究されたりと、大きな進捗がなされている。
2つ目は、CO 情報が市場成果に及ぼす影響であった。市場成果がさまざまなマーケティング技
法を駆使した結果として得られるものだとすれば、市場成果要因の複合性を十分に勘案したうえで、
個別要素としての CO 情報の有意性を論じなければならない。その点で、既述の Amine et al.
(2005)が用いたようなケース・スタディーは、CO 効果と市場成果の直接的な関連性を検証する
ための1つの手立てとなり得る。何故なら、ケース・スタディーでは、実際に現場の企業が CO 効
果をどのように認識し、どのように扱い、どのような結果を得たのか確認できるからである。
3つ目は CO 効果の規定要因で、この類型はさらに製品要因、製造国要因、消費者要因に分けて
レビューが行われた。ここでは、CO 効果の発生と強度にかかわる規定要因が多岐にわたることが
わかった。ただ、人口統計学的特性については、多くの研究で分析結果が異なっているため、規定
要因としての有意性は認めにくいといえよう。さらに、消費者要因として、愛国心や自民族中心主
義や敵愾心などといった国民感情にかかわる要因が CO 効果を規定し得ることもわかった。そのた
め、何らかの国民感情と消費者行動との関連性を論じる際に CO 効果研究の成果は有用な知見を与
え得るし、またそのような研究は CO 効果研究の一部としてみなすこともできよう。
以上の考察を踏まえ、以下では CO 効果研究に残された課題や今後の展望について述べて、本稿
を締めくくることにしよう。
第1に、企業側への積極的な実証調査が求められる。これまでの考察でみたように、大概の既存
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研究は消費者調査に基づいている。そのため、実際に企業側で CO 効果がどのように認識され、ど
のように管理されているか、延いては実際に効果を発揮している戦略はどのようなものなのかにつ
いては、研究実績が十分ではない。消費者行動を把握することは CO 効果研究の重要な側面であり、
これまでの成果も高い評価に値する。しかし、CO 効果の問題をより深く洞察するためには、消費
者調査に加え、企業側への実証調査が伴われるべきである。両側面からの実証研究が調和し分析ア
プローチ上の偏りが解消してはじめて、CO 効果に対する正しい認識と適切な対応が実現するであ
ろう。
第2に、複合化する CO 情報の働きに関するいっそうの追究が求められる。既存研究の多くは、
「単一製品/単一 CO 情報」の前提で議論が展開されている。ところが、近年の生産活動には多国
化および国際的分業化が進み、組立、部品調達、デザイン、エンジニアリングなどが国を越えて遂
行されることも多い。そのため、既に指摘されているように、製品の国籍判断はますます複雑さを
増している(e. g., Al-Sulaiti and Baker1998; Chao1993; Tse and Lee1993)。このような現状は CO 効果
の様相にも何らかの影響を及ぼしかねず、今後究明に努めるべき課題である。既存研究では、少数
ながら上述した問題意識の下で遂行された Chao(1993, 2001)や Tse and Lee(1993)などの実績が
あり、当該テーマに取り組むうえで参考になり得る。
なお、複合的な CO 情報の働きにおける消費者の内面的要因の影響についても分析が伴われるべ
きであろう。消費者の購買行動に深く関わるとされる関与度や知識水準のような内面的要因が、複
合的 CO 情報の処理においてどのような働きをするのか追究する必要がある。
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65
・・
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〈注〉
(1) 消費者が製品を評価する際には、情報手がかりとして、外的手がかり(extrinsic cues; CO、ブランド名、ス
トア・イメージ、保証など)と内的手がかり(intrinsic cues; 味、性能など)が用いられるとされる(Bilkey
and Nes1982; Olson and Jacoby1972)
。本来、内的手がかりがより重要であるが、購入前など内的手がかりが有
用に使えず、製品の客観的な品質が把握しにくいほど、消費者は外的手がかりに頼る傾向を強めるとされる
(Han and Terpstra1988; Olson and Jacoby1972)。
(2008年1月7日受理)
1970年の調査以来、消費者イメージに
変化が起こったかを確認
複数外国製品の評価における知覚リス
クの影響を調査
COの異なる(3カ国)特定ブランド製品
に対するアメリカとトルコのビジネス
マンの購買意図を比較
COの政治、経済、文化的環境が消費
者の購買意図に及ぼす影響
企業の購買担当者が産業財を購買する
際にCOステレオタイプの影響を受け
るのか
日本人とアメリカ人の日本とアメリカ
製品に対する評価
自動車ブランドを以って信念と態度に
おけるCO効果分析
Nagashima
(1977)
Hampton
(1977)
Yaprak(1978)
Wang(1978)
White
and
Cundiff(1978)
Narayana
(1981)
Erickson et al.
(1984)
al .(1985)
製品評価におけるCO情報の影響
消費者態度が、特定国家の一般的な製
品イメージと当該国の特定製品カテゴ
リとで一致するか否かを検証
Etzel
and
Walker (1974)
et
輸入品に対する消費者知覚を調査
Dornoff et al.
(1974)
Johansson
製品イメージにおけるCO効果の影響
と人口統計学的変数の影響を調査
Krishnakumar
(1974)
ラジオ、ドレスシャツ、咳
止めシロップ
外国製品に対する消費者態度を調査
アメリカ製品と途上国からの輸入品に
対するアメリカ消費者の評価
Tonberg(1972)
COバイアス現象のテスト
Schooler(1971)
Gaedeke(1973)
衣類、デスクペン、ゴブ
レット(goblet)
「Made in」イメージに関する異文化
(日本とアメリカ)間の比較
Nagashima
(1970)
自動車
自動車
製品一般
リフト・ トラック、機械工
具、ディクテーション・シス
テム
製品一般
自動車、カメラ、電卓
3つの製品クラス、27つの
製品
製品一般+6つの製品クラ
ス
製品一般+フード、ファッ
ション、電化製品、機械製
品
製品一般+自動車、カメ
ラ、玩具
製品一般+機械製品、電化
製品、フード、ファッショ
ン、車、テレビ、ソフトド
リンク、ドレスシャツ
製品一般+製品クラス+特
定ブランド
製品一般+6つの製品クラ
ス
ジュース、織物
COに対する消費者のバイアスを調査
Schooler(1965)
製品
目的意識
文献
アメリカ、日本、西ドイツ
アメリカ、日本、西ドイツ
アメリカ、日本
アメリカ、日本、西ドイツ、ブラ
ジル
36カ国
西ドイツ、日本、イタリア
3つのクラスを通して9カ国
アメリカ、西ドイ ツ、イギリス、日
本、フランス
アメリカ、西ドイツ、日本
アメリカ、日本、フランス、西ドイツ
アメリカ、西ドイツ、イギリス、イン
ド、台湾、日本
アメリカ、フィリピン、香港、アルゼ
ンチン、ブラジル、台湾、メキシコ、
韓国、インド、シ ンガポール、トル
コ、インドネシア
経済開発水準の異なる13カ国
アメリカ、西ドイツ、チェコ、チリ、
インド、ナイジェリア、北アメリカ、
西ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリ
カ、アフリカ
アメリカ、日本、 西ドイツ、イギリ
ス、フランス、イタリア
グアテマラ、メキシコ、コスタリカ、
アル=サルバドル
CO
アメリカ、日本
アメリカ
日本、アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ(A)、トル
コ(T)
アメリカ
日本
アメリカ
アメリカ
アメリカ、インド、台
湾
学生152名
学生96名
成人135名
産業購買者236名
成人
ビ ジ ネ ス マ ン
158(A), 202(T)
成人176名
ビジネスマン100名
成人293名
成人216名
学生105名
学生200名
成人+学生
アメリカ
アメリカ
成人866名
ビジネスマン330名
学生200名
データ
アメリカ
アメリカ、日本
グアテマラ
消費国
《付録》CO効果を扱った主な実証研究
S
消費者が制限された製品知識しか持たない場合、COは代理指標と
して働く。
COはハローとして働き、属性には影響するものの、態度には直接
的な影響を及ぼさない。
自国製品に対する一般的な選好傾向。
S
S
各製品に対する知覚品質は、製造国によって明確な差異をみせた。
E
特定のブランドであっても、製品間のCOが異なると、購買者の購
買意図に差異が発生。
S
製造国の政治、経済、文化的要因が消費者の購買意図に影響。
経済開発水準によるハイアラーキーな知覚リスクの違い。外国製品
に対する知覚リスクの一般的な高さ傾向。
S
S
「Made in USA」のイメージが著しく下落し、「Made in Japan」
のイメージがより強く選好された。
製品一般、製品クラス、特定製品タイプでCO効果を確認。経済開
発水準によってCOイメージのハイアラーキーが形成。
S
S
CO効果が,製品一般、製品クラス、特定製品タイプ、特定ブランド
で確認。しかし、ブランド品の全般的な品質知覚に及ぼす影響は大
きくない。
S
ある国の一般的な製品イメージとその国の特定製品カテゴリとで
は、消費者態度に差異が存在する。
経済開発水準が高く、知覚される信念体系が類似するCOの製品ほ
ど、消費者評価が高い。
S
S
それぞれのCOに対する消費者評価の差異は大きく、バイアス効果
のハイアラーキーを確認。
E
製品一般、製品クラスでCO効果を確認。性別、教育水準など人口
統計学的変数によってCO効果に差異。
「Made in」ステレオタイプは、日本とアメリカ間で相違。自国CO
製品への選好傾向。製品親密感と有用性が「Made in」イメージ評
価に強い影響。
S
S
CO情報が消費者態度に影響。
結果
*E: Experimental Design, S: Survey
E
E/S*
68
経営論集 第71号(2008年3月)
アメリカ消費者における製品の製造国
情報の重要性
ホーム・カントリーで生産されなかっ
たブランド(製品)に対する消費者の
評価
消費者が国産品と外国製品を評価する
際に、愛国心が及ぼす影響
消費者評価におけるCOとブランド名
の影響力を調査
消費者の製品評価におけるCOの役割
COが他の製品属性情報と一緒に提示
された際にあらわれる認知的プロセス
を調査
低関与の日用品に対してもCO効果は
あらわれるのか
Hugstad
and
Durr(1986)
Johansson and
Nebenzahl
(1986)
Han(1988)
Han
and
Terpstra(1988)
Han(1989)
Hong and
Wyer(1989)
Alden et
(1993)
ブランド・ イメージのように、COイ
メージも隣接展示された他の製品へと
転移するのか
Leclerc
[1994]
Mittal
and
Tsiros(1995)
消費者の製品評価におけるCO、ブラ
ンド、価格の影響
Li et al. (1994)
長期無形資産(ブランド評判、CI 、
FDI)が短期的なマーケット・シェアと
マーケティング効果(特に、プライシ
ング効果)に及ぼす影響
アメリカにおけるロシア・トラクター
のCOイメージとその影響
et
Johansson
al. (1994)
Kim(1995)
CO の 分 解 と 製 品 経 験 に よ っ て ネ ガ
ティブなCO効果が防げるのか
Lee
Tse and
(1993)
ポーランドとロシア消費者の自民族中
心主義と製品評価
製品経験を前後としたCO効果とブラ
ンド効果の比較
Tse and Gorn
(1993)
Good
and
Huddleston
(1995)
地域別製品に対するアメリカ消費者の
評価
Smith(1993)
外国語のブランド名とCO効果との影
響関係
高関与製品と低関与製品の製品評価に
おけるCO効果とブランド効果の比較
Kim and Park
(1993)
et al.
デザイン原産と組立原産の異なるハイ
ブリッド製品に対するアメリカ消費者
の反応
Chao(1993)
al.
目的意識
文献
卓上ランプ
自動車(サブ・コンパクト・
カー)
4つの同一の男性用シャツ
+4つの同一の女性用セー
ター
・感性製品:ガラス製品、
ぬいぐるみ ・実用製品:
電卓、洗濯用洗剤 ・複合
製品:自動車、サングラス
CD ス テ レ オ 、 コ ー ヒ ー ・
メーカー
トラクター
ステレオ・システム
ステレオ・サウンド・システ
ム
布切れ、ワイン・グラス
高関与:ミニカセット、カ
メラ/低関与:石鹸、チョ
コレート
テレビセット
歯磨き粉
パソコン、VCR
自動車、テレビ
自動車、テレビ
テレビ、自動車
日本とアメリカの自動車
自動車、カメラ、缶詰、タ
イヤ、靴、スポーツシャツ
製品
・ターゲット・ブランド:ポーラン
ド ・参照ブランド:イタリア、マ
レーシア
アメリカ、日本
アメリカ、ドイツ、ロシア、ポー
ランド、中国
・ブランド名:フランス語、英語、
ノー・ブランド ・CO:フランス、
アメリカ、CO情報無し
アメリカ
アメリカ
ポーランド、ロシア
アメリカ
アメリカ
アメリカ
日本、メキシコ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
韓国
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
消費国
ア メ リ カ 、 カ ナ ダ 、 日 本 、 ドイ
ツ、イタリア、ロシア
日本、韓国
日本、インドネシア
アフリカ、ラテンアメリカ、アジ
ア、西ヨーロッパ
ミニカセット&カメラ:日本、韓
国 、 中 国 / チ ョ コ レ ー ト : スイ
ス 、 韓 国 、 タ イ / 石 鹸 : フ ラン
ス、韓国、中国
組立原産:台湾、泰、メキシコ/
デザイン原産:アメリカ、日本、
台湾
アメリカ、メキシコ
ア メ リ カ 、 日 本 、 西 ド イ ツ 、韓
国、メキシコ
アメリカ、日本、韓国
アメリカ、日本、西ドイツ、韓国
アメリカ、日本、韓国
ア メ リ カ 、 日 本 、 西 ド イ ツ 、韓
国、メキシコ、フィリピン
アメリカ、日本、韓国、台湾、中
国
CO
学生42名
*北米カー・マーケッ
ト・データ利用
成人947名
学生184名
学生134名
農業者46名
Study1 : 学 生 134 名
Study2:学生178名
学生153名
学生224名
学生200名
成人120名
学生44名
学生128名
成人116名
成人150名
成人212名
成人320名
成人341名
データ
参照ブランドのCO連想は、ターゲット・ブランドに対する消費者の
購買可能性には影響するが、品質、スタイル、価値に対する消費者
態度には影響しない。
ポジティブなCO情報は、当該ブランドの短期的な販売実績とマー
ケット・シェアに正の影響を及ぼし、かつ消費者の価格敏感度を低
下させる。
S
E
両国の消費者はともにホーム・カントリーの製品を選好。
E
感性製品の場合、フランス語のブランド名を採用することでCO効
果が薄まり、消費者態度が好意的になる。しかし、実用製品と複合
製品については、ブランド名による消費者態度の変化はなく、CO
効果があらわれた。
価格が知覚品質、選好、知覚価値の全てに直接的に影響する。反
面、COとブランドは、知覚品質に直接的に影響し、その後選好と
知覚価値に間接的に影響する。
E
E
製品評価プロセスにCOと親密性が大事な影響を及ぼす。ネガティ
ブなCOを克服するために、親密性の向上が必要。
COの分解と製品経験はCO効果を弱める。CO情報の分解、強くて
ポジティブなブランド、製品経験によってネガティブなCO効果が
克服できる。
E
S
COはブランドより永続的な影響変数。経験後、ブランド効果は著
しく衰退する反面、CO効果は依然として有意。
E
対象製品の原産地域によって消費者バイアスがあらわれる。
CO情報がブランド情報より大きな影響を及ぼした。高関与製品は
先進国製品が、低関与製品は自国製品が好まれる。
S
E
製品の知覚品質にはデザイン原産、組立原産、価格が有意な影響を
及ぼす。しかし、デザインの品質知覚にはデザイン原産と価格だけ
が有意な影響を及ぼす。
COは関与の低い日用品の消費者評価にも有意な影響を及ぼす。
COは製品評価に直接的な影響を及ぼすばかりか、他の製品属性情
報について広く考えさせる。
COは、消費者が製品カテゴリに親しい場合は要約構成(summary
construct)、そうでない場合はハロー(halo)として働く。
COとブランド名ともに消費者知覚品質に影響するが、COがより強
い影響変数。
国産品と外国製品の選択において、消費者は認知的要素より愛国心
のような情緒的要素により大きく影響され得る。
アメリカ・日本ブランドの車がホーム・カントリーと異なるCO(韓
国、メキシコ、フィリピン)をもつと、製品属性に対する消費者の
評価は下がる。
製造国情報に対する敏感度は製品カテゴリによって異なる。製造国
情報は、他国製品の品質知覚と価格知覚に影響する。
結果
*E: Experimental Design, S: Survey
E
E
E
S
S
S
S
S
E/S*
カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の現状と課題に関する一考察
69
態度と購買意図におけるCO効果に対
して、部品・組立・デザイン原産情報が
及ぼす影響
サ ブ タ イ ピ ン グ ・ モ デ ル ( the
subtyping model)と転換モデル(the
conversion model)によるネガティブ
CO効果の稀釈化
消費者国籍がCO選好と購買意向に及
ぼす影響
台湾政府のCI(Country Image)キャ
ンペーンと台湾企業Acerのケース・ス
タディーによって、敵愾心とネガティ
ブなCOへの対応戦略を探る
Chao(2001)
Lotz and Hu
(2001)
Amine
and
Shin(2002)
Amine et
(2005)
Liu
and
Johnson (2005)
CO効果の自動発生メカニズムの究明
消費者行動におけるCO効果の多面的
側面を検証
Verlegh
and
Steenkamp
(1999)
al.
CO、ブランド、価格、機能水準が製
品評価に及ぼす影響
Tag and Kim
(1999)
Klein
(1998)
軍事的、政治的、経済的摩擦などで反
感をもつ国の製品に対する消費者態度
ブランド評判、国家イメージがマー
ケット・シェアに及ぼす影響
Kim
and
Chung (1997)
al.
デンマーク企業が輸出の際、デンマー
ク・イメージをどれくらい利用するの
か
Niss(1996)
et
グローバル製品の評価におけるCOと
ブランドの影響
Nebenzahl and
Jaffe(1996)
日本、タイ
日本
アメリカ、日本
デンマーク
アメリカ、日本、ロシア、ポーラ
ンド、ハンガリー
韓国
中国
アメリカ
―
アメリカ
フィリピン
ドイツ、フランス
チェコ
アメリカ、ヨーロ ッパ、日本、カナ
ダ、オーストラリア、台湾、韓国、シ
ンガポール、メキシコ、ブラジル、イ
ンド、タイ、マレーシア、インドネシ
ア、フィリピン
アメリカ
消費国
・テレビ:日本、韓国、タイ ・ス
ニーカー:ドイツ、韓国、タイ
CO
学生240名
南京市民244名
*カー・マーケット・
データ利用
企業58社へアンケート
&企業関係者20人へ聞
き取り
学生305名
*フィリピンのダウ市
場から採った450製品
の価格データ
オーナ309(独)、
323(仏)
成人144名
データ
国家イメージは、ブランドとマーケティング変数(特に、広告)と
相互作用しつつ、市場シェアに有意な影響を及ぼす。ただ、マー
ケット・シェアにおける最も重要なファクターはブランド評判であ
る。
S
E
製品評価への影響は、ブランド、CO、属性(価格と機能の組合
せ)の順に大きい。
日本に対する敵愾心は日本製品の購買意図に負の影響を及ぼす。こ
のような影響は製品品質そのものとは関係なくあらわれる。
COイメージは市場浸透と差別化のため、導入期に使われる傾向が
ある。国家イメージの主要イメージ要素を帯びた製品およびサー
ビスほど、好ましい消費者評価を導き出しやすい。
S
S
知覚製品価値はブランドとCOの加重平均。同一製品でも、国を越
えて生産されると、消費者評価の次元も変わるため、マーケティン
グ戦略にも修正を加えるべき。
E
同一企業の同一製品であっても、先進国COが途上国COよりプレミ
アム価格で売れる。ブランド情報はCO効果を緩和させる。CO情報
の価格に対する影響は、製品リスクが高いほど大きい。
ブランド名とCOがともに消費者態度に影響するが、ブランドが直
接・間接の両方で影響するのに対し、COは属性を経由して間接的の
み影響する。
S
S
CO情報は、購買経験および関与水準に関係なく、重要な手がかり
である。特定COの経済開発水準が製品評価に及ぼす影響は途上国
ほど強くあらわれる。
結果
*E: Experimental Design, S: Survey
E
E/S*
8種類ブランドのノート型
パソコン
パソコン
電化製品、カジュアル衣類
+SONY Walkman、GEラ
ジオ
35ミリカメラ
テレビ、ステレオ
2次実験:
日本、中国
台湾
アメリカ、日本、韓国、台湾、中
国、メキシコ、マレーシア、ブラ
ジル、インドネシア
1次実験:韓国、台湾
韓国、中国
アメリカ、メキシコ
アメリカ
アメリカ、日本、中国
アメリカ
アメリカ
アメリカ
成人96名
E
S
一旦、COが消費者に露出されると、消費者がCO情報を意識(ある
いは重視)するか否かに関係なく、製品評価にCO効果が自動的に
発生する。
アメリカと日本では経済開発水準とブランド認知度が低く失敗。し
かし、中国では相対的に経済開発水準とブランド認知度が高いう
え、文化と歴史の共有故に成功。敵愾心は一般消費者レベルで有意
な影響を及ぼさなかった。
購買意向において、消費者の国籍が異なると、特定COに対する反
応も異なる。ただ、属性評価には、国籍より製品関与度がより重要
な影響を及ぼす。
E
学生:米国国籍192人 ,
タイ国籍129人
*ケース・スタディー
転換モデルがサブ・タイピング・モデルよりステレオタイプの修正
に効果的である。つまり、ネガティブCOの一部製品が非常に逸脱
しかつ型にはまらない不一致属性(優れた品質)をみせた時、消費
者はそれを無視せず新たな情報として受容し、ステレオタイプの修
正が促進される。
各々のCO情報の一致度が高いほど、消費者評価はポジティブにな
る。態度と購買意図全てに有意な影響を及ぼす変数は部品原産であ
る。
E
E
1次実 験: 成人 103
名 2次実験:成人
104名
学生720名
・41の既存実証研究に対するメーター分析(meta-analysis) ・結果:COは態度および購買意図より製品品質の判断に大きな影響/消費財と産業財間でCO効果の有意な差はない/先進国
と途上国との比較時、CO効果がより大きい/学生サンプルと一般消費者サンプルとで、結果における有意な差がない等
ミニ・カセット
テレビ、ビデオ、カセット・
レコーダー、ラジオ、カメ
ラ、冷蔵庫
サブ・コンパクト・カー
フード、デザイン・グッツ、
農業製品
SONY と GE の VCR と 電 子
レンジ
450種類の多様な製品
自動車(ベンツの「Vision
A」)
新車の評価におけるCOとブランド名
の影響
CO情報が市場価格に及ぼす影響
テレビ、スニーカー
製品
ホーム・カントリーとCOの異なる製品
に対するアメリカ消費者の反応
目的意識
Hulland et al.
(1996)
Haubl(1996)
・・
Sang(1995)
文献
70
経営論集 第71号(2008年3月)
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