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肥満予防やニキビ予防、更に生体内酸化ストレスを軽減させ、生活習慣病

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肥満予防やニキビ予防、更に生体内酸化ストレスを軽減させ、生活習慣病
JP 2005-60334 A 2005.3.10
(57) 【 要 約 】
【課題】肥満予防やニキビ予防、更に生体内酸化ストレスを軽減させ、生活習慣病等の病
因リスクを軽減させる安全な製剤、化粧品、食品および食品添加物の提供が必要である。
【解決手段】イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル、カン
キチク、キンミズヒキ、ゲットウ、サキシマスオウノキ、サンシキアカリファ、セイロン
ベンケイ、タカサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モクマオウ、モモタマナ、
リュウキュウハギおよびリュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上
の生物素材の抽出物を有効成分とし、更にその成分が抗酸化活性を保持しながらリパーゼ
阻害作用するように乾燥および抽出条件も定めたことを特徴とする抗肥満剤、リパーゼ阻
害剤、抗炎症剤、抗酸化剤、食品、食品添加物及び化粧品の提供。
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(2)
JP 2005-60334 A 2005.3.10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル、カンキチク、キン
ミズヒキ、ゲットウ、サキシマスオウノキ、サンシキアカリファ、セイロンベンケイ、タ
カサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モクマオウ、モモタマナ、リュウキュウ
ハギおよびリュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の
抽出物を有効成分とすることを特徴とするリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満
剤。
【請求項2】
請求項1記載の生物群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を有効成分
10
とすることを特徴とするリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する中性脂肪吸収阻害剤また
は内臓脂肪沈着防止剤または脂質吸収阻害剤または高脂血症改善剤。
【請求項3】
請求項1記載の生物群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を有効成分
とすることを特徴とするリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗炎症剤または抗酸化剤
。
【請求項4】
請求項1記載の生物群から少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を有効成分とするこ
とを特徴とするリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する食品および食品添加物。
【請求項5】
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請求項1記載の生物群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を有効成分
とすることを特徴とするリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する化粧品。
【請求項6】
請求項1記載の生物群の中で、インゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とす
る請求項1,2,3、4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
【請求項7】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材からの抽出物中成分が、抗酸化活性を保持し
ながらリパーゼ阻害作用するような条件として、前記生物素材の乾燥条件は40∼150
℃の温熱風乾燥または噴霧乾燥であることを特徴とする請求項1,2,3、4、5記載の
製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
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【請求項8】
請求項7記載の乾燥条件は、好ましくは50∼65℃の温風乾燥であることを特徴とする
請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
【請求項9】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しなが
らリパーゼ阻害作用するような抽出条件として、前記生物素材の抽出溶媒は、水、無水或
いは含水有機溶媒として1価アルコール、多価アルコールまたはその誘導体、ケトン、エ
ステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水素またはハロゲン化物、芳香族炭化水素
より選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1,2,3,4、5記
載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
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【請求項10】
請求項9記載の抽出溶媒は、好ましくは水と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする
請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
【請求項11】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しなが
らリパーゼ阻害作用するような条件として、前記生物素材の添加濃度は、溶媒容量に対し
て0.1∼10%乾燥重量濃度であることを特徴とする請求項1,2,3,4、5記載の
製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品。
【請求項12】
請求項11記載の添加濃度は、溶媒容量に対して好ましくは1∼5%乾燥重量濃度である
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ことを特徴とする請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物およ
び化粧品。
【請求項13】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しなが
らリパーゼ阻害作用するような条件として、前記生物素材の抽出温度は、70∼100℃
であることを特徴とする請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加
物および化粧品。
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30
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活習慣病改善のためのリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤に関
する。更に詳述すると、リパーゼ阻害作用を通じて、生体内での脂質の消化吸収を抑制又
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は阻害することにより、飲食物に存在する脂質が原因となって生じる肥満の治療・予防を
行うための抗肥満剤、リパーゼ阻害剤及び飲食物に関する。また抗酸化活性を有するため
、生体内酸化に伴う種々の疾病も同時に予防できる。更に、リパーゼ阻害作用を通じて化
粧品および日用雑貨など肌に直接接触するものに存在する脂質が原因となって生じる肌荒
れや悪臭の抑制等にも有用な抗酸化活性を有するリパーゼ阻害剤、抗炎症剤および抗酸化
剤に関する。更には、抗酸化活性を有し、且つリパーゼ阻害活性も同時に有する生物素材
に関し、抽出物中の成分が、抗肥満およびリパーゼ阻害剤、あるいは抗酸化剤として作用
するように、抽出条件を定めたことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
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近年、日本人の食生活は欧米型に近づいてきており、摂取カロリーは年々高くなっている
。特に脂肪分、すなわち動物性脂肪の摂取量が顕著に増加している。今や摂取カロリーが
消費カロリーを上回り、その結果、体の脂肪組織及び種々の臓器に必要以上の脂肪沈着を
来し、肥満となる。
【0003】
肥満は、食事性因子の他に、体質的因子、精神的因子、中枢性因子、代謝性因子、運動不
足などが要因とされ、糖尿病、高血圧、動脈硬化、血栓性疾患および高脂血症等、生活習
慣病のリスクファクターと言われている。日本肥満学会は高血圧症3,300万人、高脂
血症2,000万人、糖尿病690万人の患者のうち3∼6割については、肥満が原因と
推定している。更に、日本における肥満は、この30年で2∼4倍に増えており、国民の
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健康を脅かす大きな要因となっている。今後、高齢化が進むにつれ、生活習慣病は益々増
加するものと考えられ、肥満防止は健康面ばかりでなく社会的及び経済的側面からも克服
すべき重要な課題となりつつある。また、肥満者は身体への過剰な脂肪蓄積により身体活
動が制限されるとともに、内臓などに余分な負担がかかることから、高尿酸血症、胆石症
および痛風などの合併症も、極めて頻度の高い疾患群の発症基盤となっている。
【0004】
これら生活習慣病や合併症は、現在日本人の死因の約6割を占めており、その治療および
予防には肥満を防ぐことが有効であると考えられる。そのために、肥満改善が社会問題の
ひとつとなっており、その方法を提供することが早急に望まれている。
【0005】
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また最近の過食、運動不足、ストレスなどによる肥満の増加に対し、特に女性は外見上か
らもスリムな引き締まった体を切望する傾向にある。したがって、健康上だけでなく美容
上からも、皮下脂肪等の減少は重要な問題となっている。
【0006】
肥満を改善する方法には、摂取エネルギーの抑制系とエネルギー消費の促進系に大別され
る。摂取エネルギーの抑制系の具体的方法は食事療法の他、食欲抑制剤投与、消化管内で
の脂質等の吸着による吸収の抑制、難消化性食物繊維による満腹感の形成、消化酵素阻害
剤投与等の薬物療法がある。また、エネルギー消費の促進系では、運動療法やエネルギー
代謝促進剤投与等がある。
【0007】
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しかしながら、日常生活の中では食事療法および運動療法の継続は効果が現れるまでに長
時間を要し、かつ強固な意志を必要とするため、多忙な現代においては持続的な実行が極
めて困難であり、一過性の減量に終わることが多い。一過性の減量は、体重のリバウンド
を引き起こし、各種生活習慣病を誘発する引き金となる可能性があることが知られており
、好ましくない。また、それらを補助する治療手段の薬物療法、すなわち中枢性の食欲抑
制剤を用いる方法などが挙げられるが、中枢性の食欲抑制剤は副作用を有することが知ら
れており、安全性に問題がある。従って、より安全に肥満を改善する方法を提供すること
が依然として望まれている。
【0008】
最近、肥満対策や生活習慣病予防の上から、消化酵素に対する阻害剤が注目されている
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。
脂肪は食品成分の中で最も高カロリーであり、脂質蓄積量が肥満の予防に効果的と考えら
れている。リパーゼは摂取された脂質の分解に関与する消化酵素であり、ヒトにおいては
膵臓から分泌される。リパーゼにより、中性脂肪、すなわちトリグリセリド(トリアシル
グリセロールのエステル結合)は順次加水分解を受け、ジアシルグリセロール、モノアシ
ルグリセロールを経てグリセロールと脂肪酸が生ずる。脂質の過剰摂取は、これらの栄養
成分が過剰に小腸より吸収されるため、肥満や高脂血症を誘発する。そのため、リパーゼ
を阻害または抑制することは、血清脂質を低下し、体内への脂質の蓄積を抑え、肥満の抑
制および予防に大きく寄与すると考えられる。
【0009】
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このリパーゼ阻害作用を利用して肥満症を抑制・予防する開発は、薬剤では抗肥満剤や抗
高脂血症剤等であるが、それのみならず飲食品においても従来から行われている。また脂
肪の蓄積による弊害は、ヒトのみでなく家畜やペット等の動物にも認められ、このような
リパーゼ阻害剤は家畜やペット用の飼料としても有用性が高い。
【0010】
一方、皮膚からの分泌物である皮脂中の中性脂肪は、人体の皮膚表層に常在する微生物(
プ ロ ピ オ ニ バ ク テ リ ウ ム ア ク ネ ス : Propionibacterium acnes、 ピ テ ィ ロ ス ポ ラ ム オ バ
ー ル : Pityrosporum ovale、 マ イ ク ロ コ ッ カ ス 属 : Micrococcus sp.な ど ) が 産 生 す る リ
パーゼにより分解され、遊離脂肪酸を産生する。遊離脂肪酸は皮膚の角化作用を促進した
り、周囲の結合組織に流出することで炎症が進展することから、ニキビ、皮膚炎、ふけな
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どの皮膚疾患要因の一つとして考えられている。そのためリパーゼ阻害剤は皮膚のトラブ
ルを防止する化粧品としても有望である。
【0011】
このリパーゼ阻害作用を利用した余剰の脂質を排泄させる抗肥満薬の一つに、学術文献1
で開示されているテトラヒドロリプスタチンがある。しかしながら、この薬剤には副作用
の報告例が多く、より安全性の高いリパーゼ阻害剤が求められ、特に安全性の面からも天
然物由来の成分を用いたリパーゼ阻害作用の応用が求められている。
【0012】
この様な観点から、特に日常的に摂取しうる種々の天然物由来の成分で、強いリパーゼ
阻害活性を有する成分、すなわち脂質吸収抑制活性を有する天然成分の探索が精力的に行
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われている。例えば、素材では学術文献2∼4で各々開示されているハーブ、小麦、海藻
類が報告されており、更に特許文献1に開示されているシャクヤク、オオレン、オオバク
、ボタンピ、ゲンノショウコウ、チャ、クジンなどの生薬の溶媒抽出エキス、特許文献2
に開示されているピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ふじき、緑茶、紅茶及びウー
ロン茶の水抽出物、特許文献3に開示されているドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシ、
ヨバイヒ、ケツメイシの抽出物、特許文献4に開示されているレモングラス、オールスパ
イス、シナモン、クローブのハーブ類、特許文献5に開示されている阿仙薬、グァバ、メ
ドウスィートの薬草類、特許文献6に開示されている紅景天、イワベンケイ、サボンソウ
、ボルド、パスチャカ、トルメンチラ、エルカンプリ、ウコンイソマツ、チュチュウアシ
、キャッツクロー、シナモン、山椒、センダングサ、ウコギ、ストロベリー、モージェ、
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バラ、柿、セイヨウオトギリソウ、杜仲及び白茶から成る植物、特許文献7に開示されて
いるユッカ、高麗人参、ジャスミン茶、山査子、黄杞茶、ルイボス茶、大豆胚芽、生姜、
および杜仲茶からの抽出物などその他多数存在する。
【0013】
また、リパーゼ阻害作用を有する成分では学術文献5∼7に各々開示されているホスファ
チジルコリン、タンニン、ヘスペリジンの他、特許文献8、9に開示されているタンニン
やフラボノイド類を始め、特許文献10∼14に各々開示されているトリテルペン類、ス
クレオチオニン、リグニン、ジヒドロフラバノール類、ベンゾフェノン類等がある。
【0014】
更に抗肥満の観点から、リパーゼ阻害活性と同時に、アミラーゼ、マルターゼおよびスク
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ラーゼ等の糖類分解酵素阻害活性も兼ね備えた素材や成分も報告されている。例えば、素
材では特許文献15に開示されているブドウ種子、カキ葉、プーアル茶、オトギリソウ、
リンゴ、タラ、ウラジロガシ、バナバ葉、アカメガシワ、サンシュユ、訶子、トチュウ葉
の抽出物や特許文献16に開示されているコレウスフォスコリがあり、成分では特許文献
17に開示されているプロシアニジンを有効成分とするタマリンド種皮抽出物等がある。
【0015】
一方、近年、脂質の過剰摂取や外的ストレス等によって、生体内の酸化的ストレスが増加
し、その結果、活性酸素やフリーラジカルが生体内で過剰に生じる。これらは油脂中に含
まれるリノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸を過酸化脂肪酸に変化させ、またDNA
を構成する塩基をヒドロキシル化させてDNAを損傷させるとも言われている。更にこれ
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らの変化の積算が各種組織に障害を与え、最終的に炎症、循環器疾患、糖尿病および悪性
新生物(ガン)等の病因となり、老化との関連も示されている。
【0016】
本来、活性酸素やフリーラジカルは、生物が酸素を利用して生命維持を図る過程で生成
され、生体防御や代謝系に必要不可欠な物質である。しかしながら、現代社会では様々な
心的ストレスやオゾンホール崩壊による過剰の放射線や紫外線の照射、更には発ガン物質
や脂質の過剰摂取によって、活性酸素やフリーラジカルが生体内で過剰に生じる。
【0017】
特に皮膚は外気と接するだけではなく、絶えず紫外線の暴露を受けている組織であり、最
も酸化的ストレスが受けやすい組織といわれ、その障害も大きいものと考えられる。
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皮膚上に分泌される皮脂は、紫外線などにより酸化され過酸化脂質となり、皮膚に対する
しわやシミ等の障害や老化促進となる。従って、過酸化脂質の生成を抑制することは、肌
(皮膚)の状態の悪化防止のみならず、生体自体の老化防止に有効であると考えられる。
【0018】
このような観点から、種々の化学合成抗酸化剤が従来から用いられている。しかし、これ
らの化学合成抗酸化剤は発癌性等の面でその安全性に問題があることから、消費者の拒否
反応が強く、年々その使用量が減ってきている。そこで最近、安全性の高い天然物由来の
抗酸化剤への期待が非常に大きなものとなってきており、天然物起源の抗酸化剤が多く報
告されている。例えば、特許文献18∼21に各々開示されている緑茶ポリフェノール類
、桑の実・葉、イバラノリ、ブドウ等の抽出物等多数の天然物が、食品及び化粧品等の酸
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化防止に用いる天然抗酸化剤として提案されている。
【0019】
このように脂質の過剰摂取は、肥満や生活習慣病だけでなく、悪性新生物(ガン)等の病
因ともなるリスクを兼ね備えている。一方で、過酷なストレス社会によるニキビや吹き出
物、更には強い紫外線による肌荒れやシミ・そばかすも大きな問題となっている。そのた
め、肥満予防と同時に酸化ストレスをも軽減する素材、ニキビ予防と同時に皮膚疾患をも
予防できうる素材、すなわちリパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有する天然素材や成分
の探索が早急に必要である。
【0020】
リパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有するこれまでの報告は、特許文献22に開示され
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ているPOV上昇抑制物質とリパーゼ阻害物質がある。しかしながら、この中では主に化
粧料としての提供であり、肥満予防を目的とした食品素材や成分の開発ではないため、安
全性の点で満足できるものは未だ開発されていないのが現状であり、この2つの機能性を
有する食品素材や成分が待ち望まれていた。
【 特 許 文 献 1 】 特 開 昭 64-90131号 公 報 ( 第 2 頁 、 第 4 ∼ 第 5 頁 )
【 特 許 文 献 2 】 特 開 平 3-219872( 第 1 ∼ 第 4 頁 )
【 特 許 文 献 3 】 特 開 平 5-255100( 第 1 ∼ 第 4 頁 )
【 特 許 文 献 4 】 特 開 2 0 0 1 -1 2 0 2 3 7 ( 第 1 ∼ 第 4 頁 )
【 特 許 文 献 5 】 特 開 2 0 0 0 -1 0 3 7 4 1 ( 第 1 ∼ 第 3 頁 )
【 特 許 文 献 6 】 特 開 2 0 0 2 -1 7 9 5 8 6 ( 第 1 ∼ 第 7 頁 )
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【 特 許 文 献 7 】 特 開 2 0 0 2 -2 7 5 0 7 7 ( 第 1 ∼ 第 4 頁 )
【 特 許 文 献 8 】 特 開 平 7 -6 1 9 2 7 ( 第 1 ∼ 第 5 頁 )
【 特 許 文 献 9 】 特 開 平 9 -1 4 3 0 7 0 ( 第 1 ∼ 第 8 頁 )
【 特 許 文 献 1 0 】 特 開 平 9 -4 0 6 8 9 ( 第 1 ∼ 第 7 頁 )
【 特 許 文 献 1 1 】 特 開 2 0 0 0 -1 9 1 5 2 7 ( 第 1 ∼ 第 7 頁 )
【 特 許 文 献 1 2 】 特 開 2 0 0 2 -3 0 8 7 9 6 ( 第 1 ∼ 第 7 頁 )
【 特 許 文 献 1 3 】 特 開 2 0 0 3 -1 2 5 3 6 ( 第 1 ∼ 第 8 頁 )
【 特 許 文 献 1 4 】 特 開 2 0 0 0 -4 4 4 6 8 ( 第 1 ∼ 第 6 頁 )
【 特 許 文 献 1 5 】 特 開 平 9 -2 2 7 3 9 8 ( 第 1 ∼ 第 6 頁 )
【 特 許 文 献 1 6 】 特 開 2 0 0 1 -2 0 6 8 9 3 ( 第 1 ∼ 第 1 0 頁 )
10
【 特 許 文 献 1 7 】 特 開 平 9 -2 9 1 0 3 9 ( 第 1 ∼ 第 2 0 頁 )
【 特 許 文 献 1 8 】 特 開 2 0 0 0 -2 0 4 3 7 0 ( 第 1 ∼ 第 6 頁 )
【 特 許 文 献 1 9 】 特 開 平 8 -1 4 3 4 6 6 ( 第 1 ∼ 第 8 頁 )
【 特 許 文 献 2 0 】 特 開 平 7 -2 4 7 4 7 9 ( 第 1 ∼ 第 5 頁 )
【 特 許 文 献 2 1 】 特 開 平 7 -2 2 8 8 6 8 ( 第 1 ∼ 第 9 頁 )
【 特 許 文 献 2 2 】 特 開 平 9 -1 1 8 6 1 1 ( 第 1 ∼ 第 1 3 頁 )
【 非 特 許 文 献 1 】 Biochem.J.,256,357,1988
【 非 特 許 文 献 2 】 Biosci.Biotech.Biochem.,56,1478,1992
【 非 特 許 文 献 3 】 New FoodIndustry,40,65,1997
【 非 特 許 文 献 4 】 Lipids,34,441,1999
20
【 非 特 許 文 献 5 】 K.Tanigutiら 、 Bull.Facul. Agric. Meiji Univ. 73巻 、 9∼ 26頁 ( 1986
年)
【 非 特 許 文 献 6 】 S.Ahimuraら 、 日 食 工 、 41,561∼ 564( 1994年 )
【 非 特 許 文 献 7 】 Biosci.Biotech.Biochem.,61,102,1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
このように、脂質の過剰摂取は、肥満や生活習慣病だけでなく、悪性新生物(ガン)等の
病因ともなるリスクを兼ね備えている。一方で、過酷なストレス社会によるニキビや吹き
出物、更には強い紫外線による肌荒れやシミ・そばかすも大きな問題となっている。その
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ため、本発明が解決すべき課題は、肥満予防と同時に酸化ストレスをも軽減する素材や成
分、ニキビ予防と同時に皮膚疾患をも予防できうる素材や成分を提供することである。具
体的には以下の3点である。
リパーゼ阻害活性と抗酸化性を有する素材や成分であること。
更に両活性が同時に機能するような条件を定めること。
安全性の点で満足できるものであること。
【0022】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられて
きた生物素材の抽出物を用いることで、リパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を提供する
。更に両活性が同時に機能するような乾燥および抽出条件も定めたことで、肥満予防やニ
40
キビ予防はもとより、生体内の酸化的ストレスを軽減させ、その結果、皮膚のシミ・そば
かす、更には悪性新生物(ガン)等の病因となるリスクをも軽減させる安全な製剤、化粧
品、食品および食品添加物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明者らは、亜熱帯地域で入手可能な数百種の天然起源の伝統食材や生物資源について
、それらが有する生理作用について鋭意探索を行った。その結果、抗酸化性とリパーゼ阻
害活性を有する請求項1記載の生物群を見出し、更にこの2つの機能性が同時に作用する
ような乾燥および抽出条件も定め、本発明を完成した。
【0024】
50
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本発明の抗酸化性且つリパーゼ阻害活性を有する抗肥満剤は、化学合成薬剤に比べて効き
目が穏やかであり、また自然界から、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた天然起
源の伝統食材や薬用として用いられている生物資源の抽出物のため安全性が高い。
【0025】
すなわち本発明は、イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル
、カンキチク、キンミズヒキ、ゲットウ、サキシマスオウノキ、サンシキアカリファ、セ
イロンベンケイ、タカサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モクマオウ、モモタ
マナ、リュウキュウハギおよびリュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種
類以上の生物素材の抽出物を用いることでリパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を提供し
、更に抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するように、乾燥および抽出条件も定
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めたことを特徴とする抗肥満剤、リパーゼ阻害剤、中性脂肪吸収阻害剤、内臓脂肪沈着防
止剤、脂質吸収阻害剤、高脂血症改善剤、抗炎症剤、抗酸化剤を提供し、更にはその素材
や成分を用いた食品および食品添加物、化粧品を提供するものである。
【0026】
上記の生物群の中で、インゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とする阻害剤
、製剤、食品、食品添加物および化粧品である。
【0027】
上記の生物群から選ばれた生物素材からの抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリ
パーゼ阻害作用するような条件として、乾燥条件は40∼150℃、好ましく50∼65
℃の温熱風乾燥または噴霧乾燥であることを特徴とする。
20
【0028】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
ゼ阻害作用するような条件として、抽出溶媒は、水、無水或いは含水有機溶媒として1価
アルコール、多価アルコールまたはその誘導体、ケトン、エステル、エーテル、石油エー
テル、脂肪族炭化水素またはハロゲン化物、芳香族炭化水素より選択された1種または2
種以上であり、好ましくは水と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする。
【0029】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
ゼ阻害作用するような条件として、添加濃度は、溶媒容量に対して0.1∼10%、好ま
しくは1∼5%乾燥重量濃度であることを特徴とする。
30
【0030】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
ゼ阻害作用するような条件として、抽出温度は、70∼100℃であることを特徴とする
。
【発明の効果】
【0031】
これまで知られている抗肥満剤は、リパーゼ阻害活性のみか或いは糖類分解酵素阻害活性
を共に有するものしかなく、リパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有するこれまでの報告
は 、 特 許 文 献 2 2 、 す な わ ち 特 開 平 9 -1 1 8 6 1 1 ( 第 1 ∼ 第 1 3 頁 ) 公 報 に 開 示 さ れ
ている、POV上昇抑制物質とリパーゼ阻害物質が存在する。しかしながら、この中では
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主に化粧料としての提供であり、肥満予防を目的とした食品素材や成分の開発ではないた
め、安全性の点で満足できるものは未だ開発されていないのが現状であった。
本発明の抗酸化性且つリパーゼ阻害活性を有する抗肥満剤は、化学合成薬剤に比べて効き
目が穏やかであり、また自然界から、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた天然起
源の伝統食材や薬用として用いられている生物資源の抽出物のため安全性が高い。更に、
抗酸化性とリパーゼ阻害活性が同時に機能するような乾燥および抽出条件を定めたことで
、肥満予防やニキビ予防はもとより、生体内の酸化的ストレスを軽減させ、その結果、皮
膚のシミ・そばかす、更には悪性新生物(ガン)等の病因ともなるリスクを軽減させる安
全な製剤、化粧品、食品および食品添加物を提供することができる。
【0032】
50
(9)
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具体的には、請求項1の発明により、19種類の生物素材群から選ばれた少なくとも1種
類以上の生物素材の抽出物を有効成分とすることを特徴とし、請求項6の発明により、イ
ンゲンマメの部位を種皮に特定し、請求項7、8,9,10、11、12および13の発
明により、請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を
保持しながらリパーゼ阻害作用するような乾燥、抽出溶媒、素材添加濃度および抽出温度
条件を定めたことが特徴である。この事により、脂肪を良く摂取される人や肥満の人、生
活習慣病が気になる人や老化により身体機能が低下し、疾病のリスクファクターが増加し
ている高齢者、また日頃から健康維持を心がけている人、更にはニキビやシミ・そばかす
が気になる人向けの、請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物
および化粧品として最適である。したがって、医薬、機能性食品、食品添加物として使用
10
することにより、生活習慣病や悪性新生物などの疾病の予防・遅延に極めて有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明において選ばれた生物資源について順に列挙する。
【0034】
イ タ ド リ は タ デ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Polygonum cuspidatum Sieb. et Zucc.で 、 日 本 各 地
、朝鮮半島、台湾、中国等の温帯域の山野で、日当たりの良い荒地や斜面に生える大型多
年草である。
【0035】
イ ン ゲ ン マ メ は マ メ 科 イ ン ゲ ン 属 の 植 物 で 、 学 名 は Phaseolus vulgaris L.で 、 メ キ シ コ
20
中央部原産で、日本全土で栽培可能であり、豆は金時、甘納豆、煮豆など多様に用いられ
ているが、種皮の用途は見られない。
【0036】
オ オ ゴ チ ョ ウ は マ メ 科 ジ ャ ケ ツ イ バ ラ 属 の 植 物 で 、 学 名 は Caesalpinia Pulcherrima Sw.
の小高木である。小児急癇、咳止め、駆虫剤として利用されている。
【0037】
オ オ フ ト モ モ は フ ト モ モ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Syzygium samarangenseで 、 西 マ レ ー シ ア 地
域からフィリピンで栽培される。果実はマウンテンアップルなどとも呼ばれ食用にされる
。
【0038】
30
ガ ジ ュ マ ル は 、 ク ワ 科 イ チ ジ ク 属 の 植 物 で 、 学 名 は Ficus microcarpaで 、 中 国 で は 根 や 気
根を胃痛、扁桃腺炎、痔、湿疹、乳腺炎など、沖縄では淋病、脚気、関節炎、産後の腹痛
等に用いる。
【0039】
カ ン キ チ ク は タ デ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Muehlenbeckia platyclada Meisenyで 、 熱 帯 や 温 室
で観葉植物として栽培されている低木である。葉は薬用として腫毒、蛇傷、打撲に用いら
れる。
【0040】
キ ン ミ ズ ヒ キ は バ ラ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Agrimonia pilosaで 、 日 本 で は 本 州 以 南 の 平 地 ・
山地に見られる多年草である。収斂止血作用があり食用にもなる。
40
【0041】
ゲ ッ ト ウ は シ ョ ウ ガ 科 ハ ナ ミ ョ ウ ガ 属 の 植 物 で 、 学 名 は Alpinia speciosaで 、 東 ア ジ ア か
らマレーシアに広く分布する。中国名大草蒄とよばれ、種にシネオール、アルピネチン、
カルダモニンなどを含み、健胃剤や香辛料として利用されている。また、葉には芳香があ
るので沖縄では餅を包むのに利用されている。
【0042】
サ キ シ マ ス オ ウ ノ キ は ア オ ギ リ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Heritiera littoralisで 、 マ ン グ ロ ー
ブ背後の湿地林に生育する常緑高木で、アフリカ東地方から東南アジア、ポリネシアに渡
る広い範囲に分布し、日本では奄美大島が北限である。沖縄では、宮古・八重山で布を染
めるのに使用されている。
50
(10)
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【0043】
サ ン シ キ ア カ リ フ ァ は 、 ト ウ ダ イ グ サ 科 エ ノ キ グ サ 属 の 植 物 で 、 学 名 は Acalypha wilkesi
anaで 、 南 太 平 洋 の 島 々 原 産 の 植 物 で あ る 。
【0044】
セ イ ロ ン ベ ン ケ イ は ベ ン ケ イ ソ ウ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Kalanchoe pinnata (Lan.) で あ り
、アフリカの熱帯地域原産と言われ、日本では琉球列島に自生している。薬用として止血
、腫物、胃痛等に用いられる。
【0045】
タ カ サ ゴ ギ ク は キ ク 科 ツ ル ハ グ マ 属 の 植 物 で 、 学 名 は Blumea balsamiferaで あ り 、 イ ン ド
、中国、マレーシアの熱帯地域に分布する草本である。薬用として胃病、下痢、関節炎、
10
風邪等に用いられる。
【0046】
ナ ン テ ン は メ ギ 科 ナ ン テ ン 属 の 植 物 で 、 学 名 は Nandina domesticaで あ り 、 東 ア ジ ア に 分
布する小低木で、日本では中部以西に自生する。薬用として主として咳止めや胃病に用い
られる。
【0047】
ベ ニ バ ナ は キ ク 科 の 植 物 で 、 学 名 は Carthamus tinctorius L.で あ り 、 南 西 ア ジ ア 原 産 で
、古くから、中近東、南ヨーロッパからインド、中国で栽培されている。薬用として婦人
病、高血圧に用いられる。
【0048】
20
モ ク マ オ ウ は モ ク マ オ ウ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Casuarina equisetufoliumで 、 東 南 ア ジ ア か
ら太平洋諸島に広く野生し、トンガやタヒチなどでは薬草として用いられている。
【0049】
モ ク セ ン ナ は マ メ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Cassia Glauca Lam.で あ り 、 熱 帯 ア ジ ア 原 産 の 低 木
である。日本では冬季は温室に入れるが、沖縄では自生する。
【0050】
モ モ タ マ ナ は シ ク ン シ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Terminalia catappa L.で あ り 、 ア ジ ア か ら ポ
リネシアの熱帯・亜熱帯地域の海岸に分布し、日本では琉球列島、小笠原諸島に分布する
半落葉高木である。実はアーモンド風味を呈し食用である。薬用や染料としても用いられ
る。
30
【0051】
リ ュ ウ キ ュ ウ ハ ギ は マ メ 科 ハ ギ 属 の 植 物 で 、 学 名 は Lespedeza liukiuensisの 低 木 で あ る
。
【0052】
リ ュ ウ キ ュ ウ マ ツ は マ ツ 科 の 植 物 で 、 学 名 は Pinus luchuensis Mayr.で あ り 、 ト カ ラ 列 島
以南の琉球諸島に分布する。沖縄では薬用として心臓病、咳止めに用いられる。
【0053】
以上、本発明に選抜された素材に、リパーゼ阻害活性を有しかつ抗酸化性を有することは
全く知られていない。
【0054】
40
インゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とする阻害剤、製剤、食品、食品添
加物および化粧品である。
【0055】
インゲンマメ以外の生物群の使用部位に当たっては特に限定されないが、オオゴチョウは
花、オオフトモモは葉、ガジュマルは気根、カンキチクは茎葉、ゲットウは花、サキシマ
スオウノキは葉、サンシキアカリファは葉、ナンテンは葉、ベニバナは花、モクセンナは
葉、モクマオウは葉、モモタマナは葉、リュウキュウハギは茎葉、リュウキュウマツは葉
が好ましい。
【0056】
請求項1記載の生物群の乾燥粉末又は抽出物は単独で用いることもできるし、2種類以上
50
(11)
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組み合わせて用いることもできる。この場合、相加的効果はもちろんのこと、相乗効果も
有する。ここで言う抽出物とは、抽出液もしくは溶媒を除去した抽出乾燥物のことである
。また、請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品
は、抽出物をそのまま或いは濃縮や希釈をして使用することもでき、更に生物素材の乾燥
物や溶媒抽出物、その抽出残滓、抽出残滓乾燥物等、いかなる状態のものでも使用するこ
とができる。その際、必要に応じて細断または粉砕して用いることができる。
【0057】
請求項1記載の生物群を最適な溶媒により有効成分を抽出し、その抽出物を使用すること
ができ、常法にしたがって、糖尿病、肥満症並びに高血圧症の予防剤、遅延剤、治療剤、
食品、食品添加物およびニキビ、しみ、ゾバカス予防の化粧品として利用することができ
10
る。請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中の成分が、抗酸化性とリパー
ゼ阻害活性を同時に有するための乾燥および抽出条件は以下の通りである。
【0058】
上記の生物群から選ばれた生物素材からの抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリ
パーゼ阻害作用するような乾燥条件として、有効成分の中には熱に弱い成分や酸化されや
すい成分もあることから、40∼150℃、好ましく50∼65℃の温熱風乾燥または噴
霧乾燥を特徴とする。
【0059】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
ゼ阻害作用するような条件として、抽出溶媒は、水、無水或いは含水有機溶媒として1価
20
アルコール、多価アルコールまたはその誘導体、ケトン、エステル、エーテル、石油エー
テル、脂肪族炭化水素またはハロゲン化物、芳香族炭化水素である。これらは1種で、ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な溶媒としては、メタノール、
エ タ ノ ー ル 、 イ ソ プ ロ ピ ル ア ル コ ー ル 、 n-プ ロ ピ ル ア ル コ ー ル 、 イ ソ ブ タ ノ ー ル 、 n-ヘ キ
サ ノ ー ル 、 メ チ ル ア ミ ル ア ル コ ー ル 、 2 -エ チ ル ブ タ ノ ー ル 、 n-オ ク タ ノ ー ル 等 の 炭 素 数
が 1 ∼ 8 の 1 価 ア ル コ ー ル ; エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル 、 1 , 3 -ブ チ
レングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル等の炭素数が2∼6の多価アルコール或いはその誘導
体;アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、メチル
30
-n-プ ロ ピ ル ケ ト ン 等 の 炭 素 数 が 3 ∼ 6 の ケ ト ン ; 酢 酸 エ チ ル 、 酢 酸 イ ソ プ ロ ピ ル 等 の 炭
素 数 が 4 ∼ 5 の エ ス テ ル ; エ チ ル エ ー テ ル 、 イ ソ プ ロ ピ ル エ ー テ ル 、 n-ブ チ ル エ ー テ ル 等
の 炭 素 数 が 4 ∼ 8 の エ ー テ ル や 石 油 エ ー テ ル ; n-ブ タ ン n-ペ ン タ ン 、 n-ヘ キ サ ン 、 n-オ ク
タン等の炭素数が4∼8脂肪族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、
トリクロロエチレン等の炭素数が1∼2の脂肪族炭化水素のハロゲン化物;ベンゼン、ト
ルエン等の炭素数6∼7の脂肪族炭化水素等であり、これらは1種で、または2種以上を
組み合わせて用いることができる。これらの溶媒のうち、好ましくは水と極性溶媒の混合
溶媒であることを特徴とする。
【0060】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
40
ゼ阻害作用するための水と極性溶媒の混合溶媒としては、特に限定されるものではないが
、食品類の開発をするためにも、含水エタノールが好ましく、またその場合、水を50%
以上含む混合溶媒であることがより好ましい。
【0061】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
ゼ阻害作用するような条件として、抽出濃度は、生物素材の水分含量と存在密度、それに
抽出溶媒の存在密度の割合を考慮した至適濃度が存在するため、溶媒容量に対して0.1
∼10%、好ましくは1∼5%乾燥重量濃度である。
【0062】
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパー
50
(12)
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ゼ阻害作用するような温度条件が必要である。本来なら室温程度から用いられる溶媒の沸
点付近で還流抽出してもよいが、有効成分の中には、熱に弱い成分や酸化されやすい成分
もあることを考慮した温度でなければならない。そこで抽出温度は、70∼100℃であ
ることを特徴とする。また抽出時間は10分∼12時間、好ましくは30分∼6時間であ
る。この抽出操作は数回繰り返すことにより、更に高濃度のものが得られる。
【0063】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物は、そのまま或いは
希釈して使用することもできるし、更に抽出溶媒を除去後、使用することができる。例え
ば水、含水エタノールおよびエタノールで抽出する場合を除いては、食の安全性からも、
抽出物から抽出溶媒を完全に除去して使用する。
10
【0064】
請求項1,2,3,4、5記載の製剤、阻害剤、食品、食品添加物および化粧品は、上記
の方法により得られた請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の抽出物を脱色、脱臭
、活性向上等を目的として精製する場合、その精製方法は特に限定されず、精製方法とし
て は 、 例 え ば 、 活 性 炭 処 理 、 樹 脂 吸 着 処 理 、 イ オ ン 交 換 樹 脂 、 液 -液 向 流 分 配 等 の 方 法 が
挙 げ ら れ 、 例 え ば 、 液 -液 分 配 や 液 体 カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 等 を 用 い る 事 が で き る 。
液体クロマトグラフィーによる精製処理の場合には、カラムに充填する充填剤として、イ
オン交換樹脂、アルミナ、シリカゲル、アガロースゲル等を用いることができる。なお、
液体カラムクロマトグラフィーによる精製処理は、常法に従って行えばよい。
【0065】
20
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物を製剤化並びに添加物
にする場合には、希釈剤と共に、常法に従った充填剤、増量剤、付湿剤、崩壊剤、表面活
性剤、結合剤、吸収促進剤、滑沢剤、乳化剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、着色料
、香料、甘味料、溶剤、賦形剤などを用いて製剤化され、通常用いられているものを使用
することができるが、保存や取扱いを容易にするために、薬学的に許容され得るキャリア
ーその他任意の助剤を添加することができる。その例としては、デンプン、デキストリン
、シクロデキストリン、乳糖、ショ糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、コ
ーンスターチ、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、珪酸カルシウム、微結
晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、トラガカント、ゼラチン、
ヒドロキシ安息香酸メチル、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の固体流体担体;蒸留
30
水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール等の液体担体;各種の鉱油、動植物油、白色ワセリン、パラフィ
ン、ロウ類等の油性担体等が挙げられる。製剤化の際には、必要に応じてリパーゼ阻害作
用を有する他の物質を添加してもよい。
【0066】
本発明の製剤は、上記の如くして得られた請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の
乾燥粉末又は抽出物を、必要に応じて公知の医薬用担体と組合せ、錠剤、丸剤、散剤、液
剤、粉剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口投与剤が挙げられる
。またその場合の形態としては、顆粒状、細粒状、錠状、丸状、カプセル状、噴霧状、溶
液状、懸濁状、軟膏状、ゲル状、ペースト状、クリーム状などの状態で用いてもよい。
40
【0067】
製剤の投与量・投与方法は特に限定されず、各種製剤形態、症状、患者の年齢、性別、そ
の他の条件に応じて従来公知の方法のなかから適宜選択すればよく、通常、1日あたり体
重1kgに対して精製物であれば10∼2000mg、特に30∼500mgの割合で投
与するのが好ましい。
【0068】
食品の調製に使用することのできる食品原料は、特に限定されず、その製品の種類に応じ
て適宜選択することができるが、その例としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース
、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒
石 酸 、 リ ン ゴ 酸 、 コ ハ ク 酸 、 乳 酸 、 L -ア ス コ ル ビ ン 酸 、 d l -α -ト コ フ ェ ロ ー ル 、 エ リ
50
(13)
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ソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル
、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチ
ン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミ
ノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等通常の食品原料として使用されているも
のを挙げることができる。
【0069】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物を、食品や食品添加物
として使用する場合、添加対象物の風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な添
加対象物に対して使用することができる。そのため添加対象物は特に限定されず、適当な
10
食品や食品添加物の原料と組み合わせて、様々な食品に利用可能である。その例として清
涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料等の飲料(これら
飲料の濃縮液および調製用粉末を含む)、アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷
等の氷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、シュウマイの皮、中華麺、即席麺等
の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、
ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加
工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、天ぷら油、マーガリン、マヨネーズ、シ
ョートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、
たれ等の調味料;錠剤状、顆粒状等の様々な形態の健康・栄養補助食品類;その他スープ
、シチュー、サラダ、惣菜、漬物等が挙げられる。
20
【0070】
本発明の化粧品としての使用においても、添加対象物の風味や使用感に対する悪影響が少
ないので、広範な添加対象物に対して使用することができる。従って添加対象物は特に限
定されず、適当な添加物の原料と組み合わせて、様々な化粧品に利用可能である。例とし
ては、乳液、化粧液、軟膏、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ローション、パック、
エッセンス、シャンプー、リンス等の皮膚化粧料が挙げられる。
【0071】
請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物は、リパーゼ阻害剤と
して、おむつ、ティッシュ、おしり拭き、衛生用シート、介護用シート等に含有させたり
、ウエットティッシュの薬剤、洗浄剤等として使用することもできる。おむつに含有させ
30
る場合は、例えば、液体状の組成物をおむつ(布、紙、不織布、等)に塗布、あるいは含
浸し乾燥する、粉末状の組成物をおむつに混合する、組成物をローションに配合しローシ
ョンをおむつに塗布する、等の方法により行うことができる。又、おむつかぶれ等の皮膚
炎を予防、抑制するためのクリーム、ローション等の化粧品として使用することもできる
。
【0072】
飲食品や化粧品への請求項1記載の生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物の
配合量は、素材の種類と組み合わせ、飲食品や化粧品の種類、及び抽出物の生理活性等に
よって適宜調整することができるが、好適な配合率は、未精製の標準的な抽出物の乾燥物
に換算して、飲食品の場合には通常約0.01∼40重量%であり、清涼飲料の場合、飲
40
料の総重量当たり、0.1∼30%重量%、好ましくは0.5∼5%重量%含めることが
できる。また麺類の場合、0.01∼40%重量%、好ましくは1∼10%重量%含める
ことができる。化粧品の場合には通常約0.001∼5重量%である。
【0073】
食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分としては、アレルギ
ー抑制剤、アトピー性皮膚炎抑制剤、かゆみ抑制剤、肌荒れ抑制剤、低級アルコール、多
価アルコール、香料、清涼剤、動植物性多糖類及びその分解物、動植物性糖蛋白質及びそ
の分解物、微生物培養代謝成分、アミノ酸及びその塩、脱臭剤、乳化剤等と共に配合し、
併用して用いることができる。
【実施例1】
50
(14)
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【0074】
以下、本発明の実施例について試験管内試験結果の説明する。
各植物を適当な大きさに切断した後、65℃12時間の温風乾燥若しくは、凍結乾燥後、
破 砕 し 0 . 5 mmの メ ッ シ ュ を 通 過 し た も の を 生 物 素 材 ご と に 抽 出 操 作 に 供 し た 。 抽 出 操 作
は 、 高 圧 抽 出 を 使 用 し た 。 す な わ ち 、 乾 燥 重 量 で 0 . 5 g∼ 5 gの 各 薬 草 乾 燥 粉 末 を 5 gの
ケ イ ソ ウ 土 と と も に 抽 出 セ ル に 添 加 し 、 抽 出 溶 媒 ; 5 0 % エ タ ノ ー ル 、 溶 媒 量 ; 2 5 ml、
抽 出 温 度 ; 8 2 ℃ 、 抽 出 圧 力 ; 1 3 . 8 MPa、 抽 出 時 間 ; 1 0 分 、 抽 出 回 数 ; 2 回 の 条 件
で 抽 出 操 作 を 行 っ た 。 抽 出 液 は 0 . 4 5 μ mの メ ン ブ レ ン フ ィ ル タ ー で ろ 過 し た 。
【0075】
(リパーゼ阻害活性の測定)
10
リ パ ー ゼ 阻 害 活 性 試 験 は 、 大 日 本 製 薬 社 製 リ パ ー ゼ キ ッ ト Sを 用 い た 。 酵 素 液 は 、 ラ ッ ト
腸 管 ア セ ト ン パ ウ ダ ー 1 0 gに 0 . 1 Mク エ ン 酸 緩 衝 液 (pH 6 . 0 ) 1 0 0 mlを 添 加 し 、
氷 中 で 1 時 間 撹 拌 し た 後 、 4 ℃ 、 1 5 , 0 0 0 rpm.で 4 5 分 間 遠 心 分 離 し 、 上 清 を ク エ ン
酸 緩 衝 液 で 1 0 0 倍 に 希 釈 し て 調 製 し た 。 測 定 試 料 1 0 μ lに 、 0 . 1 mg/mlの 5 , 5 -ジ
オ ビ ス ( 2 -ニ ト ロ 安 息 香 酸 ) を 含 む 発 色 液 2 3 7 μ l、 酵 素 液 9 μ l、 エ ス テ ラ ー ゼ 阻 害
剤 ( 3 . 4 8 mg/ml フ ェ ニ ル メ チ ル ス ル ホ ニ ル フ ル オ リ ド ) 4 μ lを 添 加 し 5 分 間 、 3 0
℃ で プ レ イ ン キ ュ ベ ー ト 後 、 基 質 液 ( 6 . 6 9 mg/ml 三 酪 酸 ジ メ ル カ プ ロ ー ル お よ び 5
. 7 3 mg/mlド デ シ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム を 含 む ) 2 5 μ lを 添 加 し て 、 遮 光 下 3 0 ℃ で 3 0
分 反 応 を 行 っ た 。 反 応 停 止 液 5 0 0 μ lを 添 加 後 、 4 0 5 nmの 吸 光 度 を 測 定 し た ( 試 料
溶液)。コントロールは、試料抽出液である50 %エタノールを添加してリパーゼ活性
20
を 測 定 し た ( コ ン ト ロ ー ル 溶 液 ) 。 ブ ラ ン ク は 、 試 料 溶 液 ま た は 5 0 %エ タ ノ ー ル 溶 液 、
発色液、粗酵素液、エステラーゼ阻害剤を添加して30 分間反応させ、反応停止液、基
質液を順次添加した。なお、リパーゼ阻害活性は次式を用いて計算した。
リパーゼ阻害率=100−(試料の吸光度−試料のブランク吸光度)/(コントロールの
吸 光 度 − コ ン ト ロ ー ル の ブ ラ ン ク 吸 光 度 ) x1 0 0
【0076】
(抗酸化性の測定)
抗 酸 化 性 は DPPH( 1 , 1 -diphenyl-2 -picrylhydrazyl) に 対 す る 被 検 液 の ラ ジ カ ル 消 去
能 を 市 場 ら の 方 法 に ( 市 場 、 喜 屋 武 、 沖 工 技 セ 研 究 報 告 第 1 号 、 pp.9 -2 2 、 (1 9 9 8 )
) よ り 測 定 し た 。 す な わ ち 、 1 . 5 mMの DPPHを エ タ ノ ー ル に 溶 解 し 、 蒸 留 水 で 2 倍 に 希 釈
30
し て 0 . 7 5 mM DPPH溶 液 を 調 製 し た 。 次 に マ イ ク ロ プ レ ー ト の 各 wellに 約 1 . 5 ∼ 1 0
9 3 ( 倍 ) の 希 釈 倍 率 を も う け た 被 検 液 1 0 0 μ lを 添 加 し 、 更 に 5 0 μ lの DPPH溶 液 を 添
加 ・ 混 合 し て 2 0 分 後 の 5 1 5 nmの 吸 光 度 を 測 定 し た 。 被 検 液 の 代 わ り に 5 0 %エ タ ノ ー
ル を 添 加 し た 場 合 の 吸 光 度 を 1 0 0 %と し て 、 吸 光 度 5 0 %に 相 当 す る 希 釈 倍 率 を 求 め IC5
0
と し た 。 す な わ ち 、 縦 軸 に DPPHラ ジ カ ル の 消 去 量 ( % ) 、 横 軸 に 被 検 液 の 希 釈 倍 率 を と っ
た 場 合 の 、 被 検 液 の DPPHラ ジ カ ル 消 去 能 の 濃 度 依 存 曲 線 よ り 、 1 2 5 μ Mの DPPHラ ジ カ ル
を 消 去 す る 被 検 液 の 希 釈 倍 率 ( IC5 0 ) を 求 め た 。
【0077】
表1は生物素材の抽出液のリパーゼ阻害活性および抗酸化性試験の結果を示す。この結果
から明らかなように、請求項1記載の生物素材は、リパーゼ阻害活性および抗酸化性を有
することが分かった。よって、本発明の生物素材は数百種探索した素材の中で、この19
種類を用いることを特徴とすることが適正であると判断した。
【0078】
40
(15)
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【表1】
10
20
30
【実施例2】
【0079】
インゲンマメをさや、種子(マメ)および種皮に分別し、各々適当な大きさに切断した後
、 6 5 ℃ 、 1 2 時 間 の 温 風 乾 燥 若 し く は 、 凍 結 乾 燥 後 、 破 砕 し 0 . 5 mmの メ ッ シ ュ を 通 過
したものを生物素材ごとに抽出操作に供した。抽出操作、リパーゼ阻害活性試験および抗
酸化性試験は実施例1の通りに行った。
【0080】
表2はインゲンマメを部位に分別した場合のリパーゼ阻害活性および抗酸化性試験の結果
を示す。この結果から明らかなように、インゲンマメでは部位によって、リパーゼ阻害活
性および抗酸化性が大きく異なることが分かった。よって、本発明のインゲンマメの部位
は、特に種皮を用いることを特徴とすることが適正であると判断した。
【0081】
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【表2】
10
【実施例3】
【0082】
ガジュマルの乾燥気根1kgに50%エタノール13Lをステンレス容器に入れ、65度
で4時間加熱抽出を行い、抽出液11Lを得た。この抽出液を凍結減圧乾燥処理して、ガ
ジュマル抽出物の乾燥品130gを得た。
【実施例4】
【0083】
錠剤:実施例3で得られたガジュマル抽出物70gと乳糖800gおよびステアリン酸マ
20
グネシウム10gを混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠し、直径10mm、重量
300mgの錠剤を製造した。
【実施例5】
【0084】
顆粒剤:実施例4で得られた錠剤を粉砕、整粒、篩別して20∼50メッシュの顆粒剤を
得た。
【実施例6】
【0085】
カプセル剤:実施例7で得られたガジュマル抽出物100g、結晶セルロース300g、
乳糖600gおよび軽質無水ケイ酸20gを常法によりカプセル剤にした。
30
【実施例7】
【0086】
クッキー:
(組成) (重量部)
マーガリン 30
砂糖 16
食塩 0.003
全卵 8.6
薄力粉 43.897
ガジュマル抽出物 3.5
40
【実施例8】
【0087】
ペ ッ ト フ ー ド : ペ ッ ト フ ー ド 小 麦 粉 6 . 2 Kg、 脱 脂 大 豆 1 Kg、 牛 脂 5 0 0 g 、 ミ ー ト ミ ー
ル360g、ビタミン・ミネラル類200g、オオフトモモの乾燥葉100gに対して2
Kgの 水 を 加 え 、 常 法 に よ り 、 ド ウ を 調 製 し 、 成 形 後 、 焼 成 し て 、 ビ ス ケ ッ ト タ イ ブ の ペ ッ
トフードを得た。
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7
(51)Int.Cl.
A61P
FI
テーマコード(参考)
3/06
A61K 35/78
H
A61P 29/00
A61K 35/78
J
A61P 39/06
A61K 35/78
L
A61P 43/00
A61K 35/78
T
C12N
A23K
1/16
304C
9/99
A23L
1/30
B
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7/00
K
A61K
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W
A61P
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A61P
3/06
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A61P 43/00
111 C12N
9/99
Fターム(参考) 2B150 AB03 AB10 BC06 CE11 CE18 CE30 DD40 DD42 DD57
4B018 MD48 ME06 ME14 MF01
4C083 AA111
4C088 AB03 AB12 AB26 AB34 AB43 AB46 AB51 AB57 AB59 AB63
AB81 AC03 AC05 AC11 AC12 CA05 CA06 CA07 CA08 ZA70
ZB11 ZC20 ZC33
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