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最期まで安心して暮らせる地域に向けて - 公益財団法人 在宅医療助成

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最期まで安心して暮らせる地域に向けて - 公益財団法人 在宅医療助成
2014年度(前期)指定公募②
地域づくりを目的とした
「在宅看取りを伴う在宅医療推進」のための研究会、研修会への助成
完了報告書
第四回ナラティブ講演会
人と地域が紡ぐ物語り ~最期まで安心して暮らせる地域に向けて〜
申請者 一般社団法人もりおかナラティブ勉強会
代表 松嶋 大
平成26年10月24日 提出
開催概要
1 開催日時
平成26年9月20日(土)午後1時から6時
2 開催場所
岩手大学工学部復興祈念銀河ホール
3 主催
一般社団法人もりおかナラティブ勉強会
4 共催
一般社団法人生きがいづくり研究所ほっとさぽーと
5 助成
公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団
6 参加者
60名
7 当日プログラム
12:30 開 場
13:00 第一部
基調講演 「地域で最期まで暮らす」
講 師:佐藤元美先生
14:25
休 憩
14:35 第二部
基調講演「ナラティヴアプローチの可能性」
態度としてのナラティヴを目指して
講
師:金城隆展先生
15:45 休憩
16:00 第三部
ちゃぶ台トーク(対談)
「最期まで安心して暮らせる地域に向けて」
登壇者:佐藤元美先生,金城隆展先生,落合昭彦氏
17:00 終 了
講演会を終えて
今回、
「最期まで安心して暮らせる地域に向けて」をテーマに、第四回ナラティブ講演
会を開催した。
「地域医療」
「看取り」
「ナラティブ」などについて深く考える場となっ
た。
第一部は、佐藤元美先生から「地域で最期まで暮らす」というタイトルでご講演いただ
く。医療過疎であった状況の岩手県の旧藤沢町(現一関市)を、地域にあった医療を提供
することを目指し住民との対話集会(ナイトスクール)を開催した経緯や思いを話してい
ただく。また佐藤先生のもと病院勤務している看護師畠山貴江氏が入院患者の方とのそれ
ぞれの物語りを写真で伝えている。
第二部は、金城隆展先生から、
「ナラティヴアプローチの可能性」というタイトルで、
ナラティヴを考えるうえで必要な要素を学ぶ機会となる。講演は、物語とは出来事を取捨
選択し、つなげることで物語自身が意味を成す。人と人との関係性の中、その物語に語り
が循環することで意味を生み出すようになる。また態度として、物語と共に考え、専門性
を捨てることで対話が続き、新たな意味が生まれる。そして自分が変わる覚悟で相手に向
き合うことが大事であるという内容であった。その姿勢こそがより良い関係性を構築する
ことになると感じた。
第三部は、
「最期まで安心して暮らせる地域に向けて」で、両先生とフリーアナウンサ
ーの落合昭彦氏の三名による対談を行った。佐藤先生のこれまでの実践に対し、金城先生
がナラティヴという視点で解釈する形で進行する。参加者で「地域で孤立している状況の
方がおり対応に苦慮している」という悩みを打ち明けていただいた方がいた。その話に対
し金城先生は「決して一人で悩まず、他者に必ず伝えること。そして地域住民のなかでそ
の方の物語りを作り上げることが大事」というようにコメントしている。私たちが地域の
中で関わる方と物語りの共同著作者でありたいと考える一場面であった。
今回は、住み慣れた地域で最期を迎えるという命題に対し向き合う形のテーマに、多く
の方が興味を示していることがうかがえた。参加者の皆さんが、ご自身の地域性を理解し
たうえで素晴らしい地域が増えることを願うところである。
最後に、講演会開催に関して多大なるご支援をいただいた貴団体に心より感謝申し上げ
ます。大変ありがとうございました。
公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成による
スライド 1
第4回ナラティブ講演会 2014/9/20
地域で最期まで暮らす
私の危機とナラティヴ・ターン
一関市国保藤沢病院
事業管理者
佐藤元美
スライド 2
スライド 3
スライド 4
スライド 5
5
スライド 6
スライド 7
総合医療
空間的広がり
脳
目
口
肺
心臓
心
腎臓
スライド 8
包括医療
時間的広がり
医療と医療の前後を考える=包括医療
患者を歴史的な存在として,過去から未来にかけて考える
自分たちの仕事も地域と相互に影響しあう成長の物語と捉える
スライド 9
野村直樹先生に学ぶ
ス ラ イ ド
10
ヒューマンシステム
二つの方向性:意味のジレンマ
• ナイトスクールを通して,住民と対話すること
により解決困難だった無診察投薬が問題で
なくなった
• 制度的,説明的,啓蒙的では解決できないこ
とが対話で解決できた
• 医療の理解について二つの方向に気が付く
• AとB
• 野村直樹先生「協働するナラティヴ」に学ぶ
スライド 11
A.社会組織が持つパターンを見つけ
理解しようとする立場-1
• 一般的な見方
• 役割と構造によってできあがる社会・文化的
なシステム(制度)としてとらえるもの
• システムの特徴を「安定性」,「階層性」,「権
力」,「支配」などの側面から語る
• 問題行動も病理も逸脱も,システム内の役割
の不適正あるいは構造の欠陥の表れ
• 経験主義と客観的リアリティが中心にある
ス ラ イ ド
12
A.社会組織が持つパターンを見つけ
理解しようとする立場-2
• 社会システムは客観的に定義でき,観察者を
離れて存在する
• 観察者もしくはセラピストは,システムの現状
(診断)を患者との相談なしで掌握できる
• 観察者もしくはセラピストは,システムをある
べき姿へと修理できるポジションを獲得する
ス ラ イ ド
13
B.意味の領域-ヒューマンシステムを
言語的システムとして見ていく立場-1
• ヒューマンシステムは意味の領域にのみ存在
する
• お互いがコミュニケーションをして,会話を交
わして会話とともにいる
• インターサブジェクティヴな(双方向で対話
的)現実を社会的に創り上げていくプロセス
⇒ことばの中にいるto be in language
ス ラ イ ド
14
B.意味の領域-ヒューマンシステムを
言語的システムとして見ていく立場-2
• 現実とは共同で制作されるものだという信念
• 事実はリアルなものとして私たちのそとには
存在しない
• 客観的事実を知り,システムを理解し,自然
界の法則を手にできる「知者」
⇒絶え間なく「会話の中にいる人」
人間像の変化
ス ラ イ ド
15
物理的に存在するものと
対話でつくられるもの
• ハードとしての病院と病院で展開される医療
– ナイトスクールにより変わっていく藤沢の医療
• 病低生理学的な糖尿病と診察室の糖尿病診
療や生活の中の療養
– 健康増進外来
ス ラ イ ド
16
健康増進外来
生活習慣病をめぐるコミュニケーション
ス ラ イ ド
17
診療スタイルを変えたい
• 患者、患者の家族、患者の地域に起こり続け
る出来事など、1日かけて傾聴しても把握でき
ない
• 病態生理だけを考えて、生活習慣を変える指
導をしてもとんちんかんなこともある
• すべての患者に適応できる診療スタイルはな
いか
ス ラ イ ド
18
心の危機
• 県立久慈病院第3内科時代
– 呼吸器疾患を中心に診療
– 予防と治療後の介護と連携しない医療は悪魔的
– 誰かの幸せに貢献する医療をしたい
• 藤沢町民病院設立から5-10年目
– 外見的にはうまくいっている
– 職員、患者を支配しているような嫌な感じ
– 期待される自分の役割を演じる人形?
• 自覚症状
– 飲酒、不眠、イライラ
ス ラ イ ド
19
ス ラ イ ド
20
危機からの脱出
• 医学の体系、病態生理大魔王への反抗、異
議申し立て
• 勉強すれば解決する問題ではないかも
• フーコー、レヴィ:ストロース、社会構成主義、
ナラティヴ・アプローチから学ぶ
• 専門家、医師として社会に立つことの足場失
うような、さらなる危機の進化
ス ラ イ ド
21
お世話になった本
• ナラティヴ・セラピーの世界(小森、野口、野村)
日本評論社
• ナラティヴ・セラピー―社会構成主義の実践(S.
マクナミー、K.J.ガーゲン)金剛出版
• ナラティヴ・セラピーの実践(C.ホワイト、D.デンボ
ロウ)金剛出版
• 社会構成主義の理論と実践-関係性が現実をつ
くる(K.J.ガーゲン)ナカニシヤ出版
• あなたへの社会構成主義(K.J.ガーゲン)ナカニ
シヤ出版
ス ラ イ ド
22
実践の発見、希望
•
CAREカウンセラーとイヴォンヌ・スリープの仕事
– アフリカ・マラウイ共和国
– コミュニティでのHIV/AIDSの実践
– ミスター/ミセス・エイズ
•
私のモットーは分割支配、人々に絶望を味あわせる
•
私の望みは力を合わせてエイズを倒すこと
– ミスター/ミセス・ケア
ス ラ イ ド
23
実践の発見、希望
• バーバラ・ウィンガードの「シュガー」
• CAREカウンセラーの仕事をビデオで知る
• アポリジニ女性のための健康と癒しのプロ
ジェクト
• アポリジニの糖尿病に応用
• SUGARと話す
• アポリジニの保健師
ス ラ イ ド
24
実践の発見、希望
• AIDSもアポリジニ糖尿病も差別やからかいの
対象である
• 糖尿病患者として生きること
– 合併症への不安
– 社会参加のストレス
– 意志が弱い象徴、レッテル
– 医師に生活習慣をゆだねる
ス ラ イ ド
25
希望
• 問題を発見して責める文化から抜け出す
• 糖尿病は社会的な病である
– 自動車文化
– ファーストフード
– アルコール消費文化
• 患者の生活を中心に患者を支える医療
– 指導しない、少なくても生活背景が理解できるまでは
– 良く聞き、支える
– 患者が、家族や職場や医療者の支援を受けて問題
を解決する物語を真剣に聴く
• 無知のアプローチ
ス ラ イ ド
26
新しい糖尿病外来の必要性
• 糖尿病教室の行き詰まり
• 知識を与えたり,アドバイスをしたりではうまく
いかない患者群(Yes,but syndrome)
• 医療者の短時間の外来での不毛感
• 将来の安定した収入源の確保
• 生活習慣病に適した診療スタイル
ス ラ イ ド
27
増進外来準備としての糖尿病研究会
•平成15年4月から10月
•糖尿病の基礎知識共有
•心理的サポートの基礎と実習
•保健師から学ぶ
•ワークショップー理想の糖尿病診療
•もし自分が糖尿病だったら
•夫が
•親が
•こどもが
ス ラ イ ド
28
健康増進外来
• 平成15年10月から
• 時間帯:一般診療から分離して火曜日夕方から夜
• 対象患者:インスリン治療を必要としない糖尿病患
者
• 収入源:生活習慣病管理指導料
• チーム医療:看護師、医師,管理栄養士
• 看護師は担当制
• 看護師1時間,医師15分を確保
ス ラ イ ド
29
基礎となる考え方
• 短期間スタンフォード大
学医学部疾病予防研究
センターのセミナーに三
浦しげ子保健師と参加
して基礎的な勉強が出
来た
ス ラ イ ド
30
基礎となる考え方
• ロルニックの本を通読
し,翻訳を手伝った
• 引用文献に目を通し
た
ス ラ イ ド
31
健康に関する意見を本に書いた
ス ラ イ ド
本の紹介
32
ス ラ イ ド
33
健康増進外来の基本姿勢
のようなもの
• ともかくよく聴く
–
–
–
–
患者の文脈に沿って
時々整理して
文脈が変わるのに敏感になる
無知の姿勢で
• せかさない,指導しない
– 後ろから患者のペースにあわせてリードする
– 指導しようとしないと患者が見えてくる
• 喜ばない、怒らない
– 感情を患者に押しつけない(コントロールが良くなって良かったね!
ではなく,結果を聞いてどんなお気持ちですか?)
– 患者の感情に敏感になる
ス ラ イ ド
34
健康増進外来から得たもの
• 外来看護の誕生
– 外来には診察介助はあっても看護がなかった
– 一人の患者と継続して関わることで外来看護が
誕生した
– 看護師の個性が生きる
– ひとり一人の看護師に新しい成長の物語
ス ラ イ ド
35
健康増進外来から得たもの
• 医療面接の訓練が出来る
– 傾聴
– 無知のアプローチ
– 共感
• 外来診療教育に活用できる
– レジデントや研修医、医学生
• 患者がスタッフを信頼し,本音を話し,相談し
てくれることこそ,スタッフの健康につながる
ス ラ イ ド
36
澤憲明先生と村上紀美子さん
東京・暮らしの保健室
ス ラ イ ド
37
ス ラ イ ド
38
ス ラ イ ド
39
栃木県那須のなじみ庵
飯島惠子さん
難病患者に寄り添う
態度としての
ナラティヴ
助け合
う唯一
の方法
専門性
を消し
去る
無知の
専門性
物語と
共に考
える
ナラティヴアプローチ
の系譜
スキル
と態度
向き合う
広義のナラティヴエシックス
実践としてのナラティヴ
スキルとしてのナラティヴ
スキルとしてナラティヴを導ো
するアプローチ
ધ学的能ৡを備えることで、専
୅家はより優れた実践者になれ
る・伝統的専୅性を補完し保守
するয়場 ナラティヴメディスン・ધ学と医学
抵抗としてのナラティヴ
(ポストモダンナラティヴエシックス)
(治療)実践としてナラティヴ
を導োするアプローチ
物語の
修復
外在化
書換え
共同
著作
反復・言い換え・
つながりを探究
する質問
NBM・ナラティヴセラピー・ナラティヴエシックス(狭)
抵抗として・েき残る為にナラ
ティヴを導োするアプローチ
強
い
影
響
慢性の
病いの
語り
語りの
難破
譲り渡し
支配的物語
カウンター
ストーリー
脱近代
抵抗
R シャロン M ヌスバウム
AH ジョーンズ 服部健司
斎藤清二M ホワイト小森康永
ナラティヴアプローチの可能性
態度としてのナラティヴを目指して
A フランククラインマン
ポ
ス
ト
モ
ダ
ニ
ズ
ム
弱
ધ学
ナラトロジー
強い影響
精神
分析
NPO 健康と病いの語り
ディペックス・ジャパン
強い影響
聴きু(専୅家)の為のナラティヴアプローチ
世界は原子ではなく
物語で出来ている
千葉敦子 柳田邦男
医療ધ化
য類学 強
金城隆展 MA. Ph.D.
琉球大学医学部附属病院地域医療部
臨床倫理士(倫理コンサルタント)
H ブロディ宮坂道夫野口裕二
社会構成主義
語りু(శ専୅家)の為の
ナラティヴアプローチ
大きな物語が終焉し、
小さな物語の時代が到来している
Muriel Ruketser
民族、歴史、文化を超えて
物語はあらゆる社会に存在する
メディアや出版
の発展
インターネット
の整備
HP ブログ SNS
の普及
沖縄にも・・・
戦争体験の継承
教科書問題
ロラン・バルト
いままで語られてこなかったことが語られ始め、い
ままで語らなかったひとびとが語り始めた。「性」
や「虐待」にまつわる個人的な経験、「病い」や
「障害」の当事者としての経験や介護者や介助者と
しての経験、「犯罪」や「事故」の被害者としての
経験、そして、「戦争」や「差別」にともなう苦難
の経験など、かつてはあまり語られることもなく、
メディアに取り上げられることも少なかったさまざ
まな個人的物語が一斉に噴出してきた。われわれは
いま、これら数多くの他者の物語に耳を傾けながら、
自分自身の物語を振り返り、そして、自らも語る、
そんな時代を生きている」
野口 裕二 先生
物
語
の
定
義
物語とは、複数の出来事や経験が選択
され、それらが時間軸にそって「始
め→中間→終わり」と配置され(筋
立てられ)、互いに関連付けられる
ことによって、そこに何らかの意味、
意図、性格、情動などが付与された
言語的構築物である。
短
い
物
語
の
定
義
もっと
物語 =
人間の(過去の) 経験が要約され 言語化されたもの
短
い
物
語
の
定
義
物語とは出来事を
物語 =
出来事を選んで
深く関連付ける
こと
物語とは出来事を
無意識に、しかし、極めて恣意的に
取捨選択
つなげること
することである
である
物語は偏り、暴力的になる(他者に自分の価値を押しつける)
フォスターの有名な物語の例
物
語
と
意
味
つなげることが
意味を創り出す
※ 物語は意味の生成装置
出
来
事
の
つ
な
が
り
は
物
語
の
核
心
王が亡く
なられ
王が亡く
なられ
それから
出来事の記述
(年表)
悲しみの
あまり
物語
(歴史)
王妃が亡く
なられた
王妃が亡く
なられた
① 出来事と出来事の間
② 出来事のつながりの全体(筋)
まとめ ①
物語の材料(条件)
完全な物語は無い
1)主体(最低1人の演技者・主人公)
−Every story is partial−
1) 私たちは全ての出来事を知ることができない
2) たとえ全ての出来事を知っていても、全てを঳つの物語
の中にোれることが出来ず、故に、出来事を(極めて恣
意的に)選ばなければいけない
2)最低二つ以上の出来事
3)出来事の間の因果関係
3) さらに問題なのは、同じ出来事を我々は異なって(時に
真逆に)解釈する(例:勝者の物語 と 敗者の物語)
4)整合性:【始め→中間→終わり】という筋が必要
5)教訓・意味(物語が語られる理由)
まとめ ②
不完全で偏った物語は暴力になる
まとめ ③
ではどうするか?(物語の倫理)
•  自分の物語を完全で正しいと思わない (相手の物語が不完全で間違っている保証はない!)
冤罪が起きるプロセス
•  相手の物語を解ったと思わない Aが犯人という物語に合う情報だけが
浮かび上がる
(解ったと思った瞬間、落とし穴にはまります)
誤認
逮捕
犯人
物語
ではどうするか?
物語をもちより、対話し、共同著作する (後述)
様々な情報
ナラティヴ
=
物語+語り
哲学 2300年のপ前提:
社会構成主義
言
葉
透
明
友
現
実
人
間
ナ
ラ
テ
ィ
ヴ
と
は
何
か
全ての物語は真実の一部に過ぎず、不完全
社会構成主義の主張
社会構成主義
人
間
現実は社会的に言語を介して構成される
現
実
問題は人と人の間にある
問題そのものが問題である
言
葉
? ? ?
社会構成主義はこう考える
物質的
現実
しかし何かを
言語で説明し
ようとした途端に
社会的
現実
病気(患者)の社会構成プロセス
外
的
世
界
↑
‫ؙ‬
‫ؙ‬
内在化
病気/患者
循環
の現実
診断を受けোれ
(内在化し)患者
らしくষ動する
外在化
↓
内
的
世
界
客体化
内在化
現実
循環
→ 患者になる
外在化
য々の内的世界
ナラティヴの社会的構成
外在化
新たな物語
新たな現実
内在化
病気のয々
制度化
੉葉
主訴を੉葉化
↓
内
的
世
界
制度化された医学的
体系により診断される
客体化
外
的
世
界
↑
‫ؙ‬
‫ؙ‬
が人々の間で構成され
始め、社会的現実構成
プロセスが始まる
社会構成主義は
この現実に対して
何も言わない
現実の社会構成プロセス
問題は人と人の間にある
実際に問題が人と人の間に存在する訳ではなく・・
私たちが特定の言葉を互いに使うことによって 問題の現実を創りだし、それを共有している
問題そのものが問題である
問題を「あたかも誰かの中に問題がある」と 見なす私たちの問題の捉え方、および、そのよう
な考え方を促すシステムこそが問題である
問題を内在化する言い回し & システム
∼に問題
がある
問題の現実(物語)を共有
言葉
言葉
物語
物語
問題の内在化がもたらす悪循環のシステム
問題が発েし、
犯য捜しが始まる
犯যが解ると、様々な
働きかけが始まる
(説教、説得、専୅的助੉)
「本যが変わらなければ
状況はよくならない」と
いう絶望感がেまれ、それ
が語られることによって
「閉塞」という現実が構成
され共有される
外在化のポイント
1.  問題を外在化する言い回しをみんなで使う
閉塞感
あなたの
問題は何?
この閉塞感を乗り越えるために
ナラティヴは導入されてきた
「問題は変われないঽ分」
「やっぱりঽ分はダメだ」
と本যは思い込まされ、
問題がさらに強化される
誰の責任
かしら?
2.  問題にピッタリの隠喩を見つける
→ べてるの家では幻聴を「幻聴様」と呼んでいる
3.  問題を外在化する=問題を大切にする
当যは問題を解決できず
周りはやっきになって
さらに働きかける
→怒る・悲しむ・励ます・イライラ
4.  問題の外在化は治療そのものではなく
治療の出発点、再びやり直す機会
→ 問題を外在化することによって、問題について対話することが出来るようになる!
私たちは「物語る動物」である
マッキンタイア
1)誰でも物語れる
2)物語ることで人生や経験を
意味づけている
3)自己アイデンティティを形成
している
4)他者の物語も一緒に紡いでいる
(共同著作)
共
同
著
作
と
は
何
か
?
1)共同作業の産物
二人以上の筆者が共同で創作した著作物
2)共同作業プロセス
人々が何かを共同で成し遂げるプロセス
3)共生感覚
他者と共に生きている感覚
自分の人生はもはや自分だけのものではない
誰かに生かされている、誰かの為に頑張りた
いという感覚
重要なのは循環させること
患者中心/医学中心でもない
循環が意味
をেみ出す
物語中心主義
即興性:
その場で生まれるものを大切にする
↓
患者さんを大切にする
どのように循環させるか?
1)単純反復、2)言い換え、3)つながりを探究する質問
態度としてのナラティヴ
苦境に立たされている人々に向き
合う態度としてナラティヴを導入
するアプローチ
専門家の為のナラティヴアプローチ
1.スキルとしてのナラティヴ
より良い実践者に
なる為にナラティヴ
を導入
2.実践としてのナラティヴ
治療の為に
ナラティヴを
導入
3.態度としてのナラティヴ
ナラティヴを傾聴すること「そのもの」が目的
「態度としてのナラティヴ」の態度
1. 物語と共に考える
2. 無知の専門性
3. スキルではなく態度
物語への向き合い方
物語について考える
ではなく
物語と共に考える
物語への向き合い方
物語への向き合い方
物語と共に考える=子供の頃の読書体験
物語の
世界に
入る
物語の
流れに身を
委ねる
物語の中
で考え感じ
理解する
物語を読む
ことそのもの
が目的
物語と共に考える=鑑賞ではなく演奏
大澤隆幸 「文学の構造」より
無知の専門性
無知の専門性の三つの意味
患者やクライアントの生きる世界
について専門家は何も知らないと
いう態度を取り続けることを専門
と考えること
1.  患者こそ、彼らが生きる世界の専門家
だと心の底から認める
しかし、無知の姿勢からは、クライエントの話が
セラピストが、その場の会話のなかで生み出され
妄想であるといった見方は排除される。彼が自分
た意味づけのルールの中にとどまって、クライエ
は病気であると言ったのだから、それに耳を傾け、
ントが普段使っている言葉と語彙で語り理解する
その病気について教えてもらい、また、彼の表現
ことが決定的に重要だった。これは、他人の現実
するリアリティの内側で語り合うことが必要だっ
を黙認するとか、それをこちらから具体的な形に
た。その人の生きている世界に対して感受性豊か
していくことではない。それは、たった今言われ
に理解に努めることが、対話を成立させ維持する
たことの範囲にとどまろうとする「意識」のもと
継続的な過程における重要なステップだった。
で会話を進めることである。
グーリシャン
2.  自分の専門性を消し去る
3.  自分が属する専門分野を厳しく再吟味
する
グーリシャン
つまり、セラピストは、クライエントの物語的真
実とともに歩み、その場で生まれその場で取り決
められてゆく意味世界の内部に身を置くのである。
グーリシャン
自分の専門文化を厳しく再吟味する
分析してすぐに
結論を出したがる
さっさと理解
したがる
こうあるべきだ
というモデルを
事前に৷意する
沈黙を恐れる
ঽ信満々に話す
無知の姿勢を取る理由
対話が続く可能性
新たな意味が生まれる可能性
知識をすぐに
当てはめる
すぐに解釈する
外から専୅知識を
持ち込んでしまう
自分の専門性を消し去る
分析してすぐに
結論を出すこと
をためらう
専୅家
相ুへの関ੱがなく、
ঽ分が答えを知って
いる質問、答えられる
質問だけをする
スキルではなく態度
ゆっくり理解
しようとする
こうあるべきだ
というモデルを
事前に৷意しない
意図的に沈黙する
ためらいがちに話す
知識をすぐに
当てはめない
仮定的な੉い回しを
よく使う
すぐに解釈しない
外から専୅知識を
持ち込まない
断定的な੉い回しを
よく使う
無知の専୅家
好奇ੱを持ち続け、
本当に答えを知ら
ない質問、ঽ分が
答えられない質問
をする
態度としてのナラティヴ
ナラティヴアプローチの可能性
相手を変えるのではなく
自分が変わる覚悟で相手に向き合うこと
とは
私たち自身の可能性
に他ならない
物語への向き合い方
物語を贈り物と考える
物語は私たちが良い時期と悪い時
期を乗り越えるために互いに助け
合うことが出来る恐らく唯一の方
法であり、贈り物である。
リチャード・ゼイナー
Richard Zaner
そこには患者さんのかけがえのない「人生」がある
それを想像すること、これが「態度」としてのナラティヴエシックス
よい語りの条件:小森康永 「終末期と言葉」より
よい語りは、誰かに話して聞かせたくなるような物語
よい語りは押しつけがましくない
誰かに語りたくなるような
治療、医療、人生こそが
「よい治療、よい医療、よい人生」
よい語りには隠し事がない
よい語りにはいろいろなয間が寄り添ったあとがある
よい語りには平等主義的なところがある
最後に:ナラティヴ医療のススメ
専門医療:
木を診て
森を診ない医療
プライマリケア:
森を診て、
時々木を診る医療
ナラティヴ医療:
森も木も診ながら、
森の中を一緒に歩く医療
伴 信太郎 先生の専門医とプライマリケア医のアナロジーを参考
是非!
正しく生きる
実は・・・
あなたは何者か?
人として正しい事をしていれば、なんとかなるさ
苦しいこと、悲しいことを受け入れ、挫けず
に人として誠実に正しく生きる道を選ぶなら
ば、その後はきっと上手くいくと信じて生き
る、沖縄の人の倫理的な姿勢・生き方
ご静聴ありがとうございました
自己に向き合う医療倫理
質問・相談はお気軽に:
[email protected]
補足資料:
患者さんの話を聴くことって
প事だよね では済まない話なんです!
結
局
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と
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ヴ
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て
何
?
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何
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補足資料:
ナラティヴとは、もはや「পきな物
語」に寄り頼むことが出来ない時代
にেきている私たちが、絶え間ない
対話と物語の循環を介して、みんな
で協働して意味を共に創り出す覚悟
をすることです。
補足資料:
ナラティヴとは、専୅家である私た
ちが、患者やクライアントの物語を
奪い取ってしまいがちであることを
深く認め、ঽ分の属するધ化を批判
的に再吟味しつつ、相ুを変えるの
ではなく、相ুに向き合うঽ分の態
度を変えることをいとわずに、専୅
家としての本分を果たしつつ、謙虚
にశ専୅家のয々に向き合うことを
意味します。
補足資料:
ナラティヴとは、他者が本当に困難
な状況に置かれている時、私たちに
はそのযの物語を聴くことしか出来
ることがないと深く認めつつ、しか
しながら、物語こそが私たちにとっ
て最ৈの贈り物(助け合う唯঳の্
法)になる可能性があるということ
をੱの底から信じることなのです。
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局
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何
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補足資料:
語りえぬものについては、
沈黙しなければならない
ウィトゲンシュタイン
スピリチュアリティは課題
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何
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ナラティヴとは、患者やクライアン
トがঽ分ঽମで病いや問題を定義し、
意味を作っていくことが出来る主体
であると信じ、彼らが語る物語が彼
らにとって本当に必要であり、その
物語を彼らがেきていることを信じ、
その物語の中に留まりながら物語を
共に紡いでいく覚悟をすることを意
味します。
結
局
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何
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補足資料:
補足資料:
‫ ؙ‬ナラティヴの専୅家にならない!
ナラティヴは伝統や専୅性を読み直す視点・
枠組みに過ぎず、私たちは読み直した後、必
ずঽ分の専୅性に戻ってこなければならない
ナラティヴに対する批判は、実はナラティヴ
が読み直している専୅性への批判になること
に留意する必要あり
定 例
ナラティブ勉強会の基であり、隔週で定期的に開催されています。医療、福祉、
介護関係者が集い、様々なテーマについて自由闊達に話し合う場です。ゲストを
勉強会
お招きして話題提供頂き、理解を深めていきます。
拡 大
定例勉強会の拡大版であり、認知症などテーマを設定し開催しております。講義
形式のみではなく、テーマの内容を深く掘り下げるために対談やグループワーク
勉強会
ナラティブ
を行い、より理解を深めていきます。地域の皆さまも参加可能な勉強会です。
年二回スペシャルゲストをお招きし開催します。全国で活躍されているゲストの
方のお話を盛岡で聞くことができる貴重な機会です。全国から講演会の申し込み
講演会
現 地
研修会
をお受けするほど人気があります。
岩手県内外の先駆的な事業所や施設を実際に訪問し体感する研修会です。現地で
事業を展開している方々の思いをじっくりお聞きすることができます。
第3日曜日に盛岡市内の大通り商店街が歩行者天国になります。その一角で無料
あおぞら保健室
&
ものがたり Café
相談業務やイベントを行っています。地域で暮らす方の体調不安の解決だけでは
なく、コーヒーを飲みながら一人暮らし等の生活の不安にも耳を傾けてじっくり
語り合います。
毎週土曜日の午後に盛岡市中ノ橋のフキデチョウ文庫(デイサービス)の一角を
暮らしの保健室
フキデチョウ
フキデチョウ
&
ものがたり Café
ナラティブ
カフェ
お借りして、
「暮らしの保健室」を行っています。医療福祉介護などでお困りの
ことを相談したり、日頃周囲の方に話しづらいようなことなどを語り合ったり、
学校の保健室のように気軽に立ち寄るスペースです。
ナラティブに興味がある方々が自由に集い、語り合いながら交流する場。参加者
は職種や資格を問わず、おいしいコーヒーとスイーツに囲まれてただただ気軽に
語り合います。
一般社団法人もりおかナラティブ勉強会
2012年創設(代表 松嶋大)。
「ナラティブ」をキーワードに対話を重視した善い実践の展開を目指す。職種や資
格、立場を超えたフラットな関係での語り合いをモットーに、定例会や暮らしの保健室など展開中。ナラティブは、
「物語」
「語り」という意味。当法人は特定の政治、宗教および営利を目的とした活動は行っていません。
(お問い合わせ先) 北村 充 EMAIL:[email protected]
看護師の魅力を
語り合おう!
平成26年
14:00~
14:10
14:10~
15:40
11/8 (土)
14時開演 (13:30開場)
「患者と家族の願いを叶える看護」
講師 藤田 愛 氏
盛岡市中ノ橋通1丁目1-10
2000円(資料代)
参加費
医療法人社団慈恵会
北須磨訪問看護・リハビリセンター所長
15:50~
17:00
話題提供者
馬場 さん子 氏
「地域医療」
「看 取 り」
「ナラティブ」
( 指定居宅介護支援事業所 もりのみやこ管理者 )
佐々木 謙一 氏
( 岩手県立中央病院看護師・集中ケア認定看護師 )
林崎 真希 氏
などに興味がある方なら
どなたでもご参加下さい。
( 岩手医科大学附属病院看護師 )
定員
長村 ひとみ 氏
60名
( もりおかナラティブ勉強会 )
17:10~
17:30
一般社団法人 もりおかナラティブ勉強会
2012年創設(代表 松嶋大)。「ナラティブ」をキーワードに
対話を重視した善い実践の展開を目指す。職種や資格、立場を超えた
フラットな関係での語り合いをモットーに、定例会や暮らしの保健室
など展開中。ナラティブは、「物語」「語り」という意味。当法人は
特定の政治、宗教および営利を目的とした活動は行っていません。
■お申込み方法■ (
申し込み用紙としてこのままご使用ください。 )
事前申込みをお願いします。事務局までFAXまたはメールでお申込みください。
※定員を超過しご参加出来なくなった場合のみご連絡します。
【申込み先】
一般社団法人 もりおかナラティブ勉強会
担当:北村 充
Eメール : [email protected]
F A X : 019 ( 613 ) 4729
お名前
所属
電話番号
FAX or メールアドレス
本申込み書にていただいた個人情報は当団体の講演会参加者名簿作成や今後のイベントの案内等に使用します。その内容は適正
に管理、保護し、目的以外の利用や第三者への情報提供は行いません。
主催 / 一般社団法人 もりおかナラティブ勉強会 後援 / 公益社団法人 岩手県看護協会
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